(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】車両用デザインシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250819BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250819BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022122761
(22)【出願日】2022-08-01
【審査請求日】2024-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 淳也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 舞
(72)【発明者】
【氏名】黒川 亜須可
(72)【発明者】
【氏名】岡田 栄作
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-140585(JP,A)
【文献】特開2019-101494(JP,A)
【文献】特開2018-028844(JP,A)
【文献】特開2002-099705(JP,A)
【文献】特開2001-309699(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0115299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが、車両の塗装に対して好みのデザインを得るための車両用デザインシステムであって、
前記車両用デザインシステムは、処理装置を備えており、
前記処理装置は、
ユーザからの入力を受け付ける入力装置からの入力により、複数のテイスト情報から一つのテイスト情報を選択するテイスト選択部と、
前記車両の複数のデザイン情報が、前記テイスト情報ごとに紐づけられて登録されたデザイン登録部と、
前記車両のデザインを作成する複数のデザイナーごとのデザイナー情報が、前記テイスト情報ごとに紐づけられて登録されたデザイナー登録部と、
前記デザイン登録部で登録されたデザイン情報のうち、選択した1つの前記テイスト情報に紐付けられたデザイン情報を表示装置に出力するデザイン出力部と、
前記入力装置からの入力により、前記デザイン出力部が前記表示装置に出力したデザイン情報内の好みのデザイン情報を選択させ、前記デザイン出力部に、ユーザが選択した前記好みのデザイン情報を前記表示装置に出力させるデザイン選択部と、
前記入力装置からの入力により、前記表示装置に出力したデザイン情報
内の前記好みのデザイン情報を
前記デザイン選択部でユーザが選択したか否かを判定するデザイン選択判定部と、
前記デザイン情報を選択していないと判定した場合、前記デザイナー登録部で登録されたデザイナー情報のうち、選択した1つの前記テイスト情報に紐付けられたデザイナー情報を前記表示装置に出力するデザイナー出力部と、
前記入力装置からの入力により、前記デザイナー出力部が前記表示装置に出力したデザイナー情報内の好みのデザイナー情報を選択させ、前記デザイナー出力部に、ユーザが選択した前記好みのデザイナー情報を前記表示装置に出力させるデザイナー選択部と、
前記入力装置からの入力により、前記表示装置に出力したデザイナー情報
内の前記好みのデザイナー情報を
前記デザイナー選択部でユーザが選択したか否かを判定するデザイナー選択判定部と、
前記デザイナー情報を選択していないと判定した場合、選択した1つの前記テイスト情報を紐付けられたデザインの募集情報を外部に送信するデザイン募集部と、を備えることを特徴とする車両用デザインシステム。
【請求項2】
前記デザイナー情報は、前記デザイナーが作成したデザイン情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用デザインシステム。
【請求項3】
前記処理装置は、前記入力装置からの入力により、前記デザイナーに対するデザイナー評価情報を登録する評価登録部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用デザインシステム。
【請求項4】
前記デザイナー評価情報は、前記デザイナーが作成したデザインに対するデザイン評価情報を含み、
前記デザイナー出力部は、前記デザイナー評価情報として、前記デザイナーの識別情報に、前記デザイナーが作成したデザイン情報と、対応する前記デザイン評価情報とを紐付けて、前記表示装置に出力することを特徴とする請求項3に記載の車両用デザインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用デザインシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から顧客のニーズに適合するように、車両の仕様を最適化するコンピュータシステムが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。このコンピュータシステムは、車両に対する顧客のニーズに関連付けられたファクターを分析して、車両が顧客のニーズに適合しているかどうかを判断している。ここで、コンピュータシステムは、車両が顧客のニーズに適合していないと判断したならば、顧客データベースから顧客のニーズを抽出し、抽出された顧客のニーズに適合するよう最適化された仕様を車両について算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したシステムを、車両の塗装のデザインに適用した場合、コンピュータに予め登録された複数のデザイン情報を提示できるが、提示できるデザイン情報は限られているため、ユーザが選択できるデザインは、限られている。その一方で、ユーザが、このようなデザインを作成しようとしても、車両の全体に対して作成することは難しい。このような結果、ユーザが好みのデザインを得ることは難しい。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ユーザが、車両の塗装に対して好みのデザインを得ることができる車両用デザインシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題に鑑みて、本発明は、車両の塗装のデザインを、ユーザに提示する車両用デザインシステムであって、前記車両用デザインシステムは、処理装置を備えており、前記処理装置は、前記車両の複数のデザイン情報が登録されたデザイン登録部と、前記車両のデザインを作成する複数のデザイナーごとのデザイナー情報が登録されたデザイナー登録部と、前記デザイン登録部で登録されたデザイン情報を表示装置に出力するデザイン出力部と、入力装置からの入力により、前記表示装置に出力したデザイン情報を選択したか否かを判定するデザイン選択判定部と、前記デザイン情報を選択していないと判定した場合、前記デザイナー登録部で登録されたデザイナー情報を前記表示装置に出力するデザイナー出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、デザイン出力部により表示装置に表示されたデザイン情報を、ユーザが入力装置を介して選択することができる。ここで、ユーザが、表示装置に表示されたデザイン情報を選択しなかった場合には、このことをデザイン選択判定部が判定し、デザイナー出力部により登録されたデザイナー情報が、表示装置に表示される。これにより、ユーザが、デザイナー情報から、好みのデザインを作成するデザイナーに依頼することができる。
【0008】
好ましい態様としては、前記デザイン登録部には、複数のテイスト情報ごとに、各デザイン情報が紐付けられて登録されており、前記処理装置は、前記入力装置からの入力により、前記複数のテイスト情報から一つのテイスト情報を選択するテイスト選択部を備えており、前記デザイン出力部は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイン情報を前記表示装置に出力する。
【0009】
この態様によれば、ユーザが、好みのテイスト(デザインテイスト)を入力装置を介して入力すると、テイスト選択部は、複数のテイスト情報からその一つのテイスト情報を選択する。これにより、選択したテイスト情報に合わせて紐づけられたデザイン情報が、デザイン出力部から表示装置に出力される。この結果、ユーザは、登録された複数のデザイン情報から、好みのテイストに合わせたデザインを簡単に選択することができる。
【0010】
好ましい態様としては、前記デザイナー登録部には、複数のテイスト情報ごとに、各デザイナー情報が紐付けられて登録されており、前記処理装置は、前記入力装置からの入力により、前記複数のテイスト情報から一つのテイスト情報を選択するテイスト選択部を備えており、前記デザイナー出力部は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイナー情報を前記表示装置に出力する。
【0011】
この態様によれば、ユーザが、好みのテイスト(デザインテイスト)を入力装置を介して入力すると、テイスト選択部は、複数のテイスト情報からその一つのテイスト情報を選択する。これにより、選択したテイスト情報に合わせて紐づけられたデザイナー情報が、デザイナー出力部から表示装置に出力される。この結果、ユーザは、登録された複数のデザイナー情報から、好みのテイストに合わせたデザインを作成するデザイナーを簡単に選択し、選択したデザイナーにデザインの作成を依頼することができる。
【0012】
好ましい態様としては、前記入力装置からの入力により、前記表示装置に出力したデザイナー情報を選択したか否かを判定するデザイナー選択判定部と、前記デザイナー情報を選択していないと判定した場合、デザインの募集情報を外部に送信するデザイン募集部と、を備える。
【0013】
ここで、ユーザが、表示装置に表示されたデザイナー情報を選択しなかった場合には、このことをデザイナー選択判定部が判定し、デザイン募集部が、デザインの募集情報を外部に送信することができる。特に、デザイン募集部は、テイスト選択部により、選択された一つのテイスト情報を、デザインの募集情報に紐付ければ、所望のテイストのデザインを外部に募集することができる。
【0014】
好ましい態様としては、前記デザイナー情報は、前記デザイナーが作成したデザイン情報を含む。
【0015】
この態様によれば、デザイナー情報に、デザイナーが作成したデザイン情報を含めることにより、ユーザは、これまでにデザイナーがどのようなデザインを作成したかを、表示装置に表示されるデザイナー情報により把握することができる。そのうえで、ユーザは、デザイナーを選択し、選択したデザイナーにデザインの作成を依頼することができる。
【0016】
好ましい態様としては、前記処理装置は、前記入力装置からの入力により、前記デザイナーに対するデザイナー評価情報を登録する評価登録部をさらに備える。
【0017】
この態様によれば、ユーザは、評価登録部に登録された、デザイナーに対する評価情報を参考にして、表示装置に表示されたデザイナー情報を選択することができる。
【0018】
さらに好ましい態様としては、前記デザイナー評価情報は、前記デザイナーが作成したデザインに対するデザイン評価情報を含み、前記デザイナー出力部は、前記デザイナー評価情報として、前記デザイナーの識別情報に、前記デザイナーが作成したデザイン情報と、対応する前記デザイン評価情報とを紐付けて、前記表示装置に出力する。
【0019】
この態様によれば、デザイナーの識別情報に、デザイナーが作成したデザイン情報と、対応するデザイン評価情報とが紐付けられて、表示装置に表示されるので、ユーザは、自分の好みにあったデザイナーに、デザインを依頼することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザが、車両の塗装に対して好みのデザインを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用デザインシステムを説明するための模式図である。
【
図3】
図2に示すテイスト選択部を説明するための図であり、表示装置の表示画面を示した図である。
【
図4】
図2に示すデザイン出力部とデザイン選択判定部を説明するための図であり、表示装置の表示画面を示した図である。
【
図5】
図2に示すデザイナー出力部とデザイナー選択判定部を説明するための図であり、表示装置の表示画面を示した図である。
【
図6】
図2に示す評価登録部を説明するための図であり、表示装置の表示画面を示した図である。
【
図7】
図1に示す車両用デザインシステムを用いた作業フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、
図1~
図7を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両用デザインシステムを説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用デザインシステムを説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用デザインシステム1は、車両の塗装のデザインを、ユーザに提示するシステムである。近年、車両を塗装する際には、剥せる塗装を用いて、車両の外板の外装部品に対して塗装することがあり、車両用デザインシステム1は、このような塗装を行う前に、どのようなデザインの塗装を行うことができるかを含め、ユーザに提示する。
【0024】
車両用デザインシステム1は、CPU等で構成される演算装置(図示せず)と、RAM等の記憶装置(図示せず)と、で構成された処理装置10を備えている。車両用デザインシステム1は、複数のユーザ端末20A、20B、20C…、および複数のデザイナー端末5、5、5、…を有しており、これらは処理装置10にインターネット等を介して接続されている。処理装置10は、外部サーバ90等に、インターネット等を介して接続されている。
【0025】
ユーザ端末20A、20B、20C、…は、たとえば自動車販売店などに設置されていてもよく、塗装を希望する個人が所有してもよい。例えば、ユーザ端末20Aは、キーボードなどの入力装置21と、ティスプレイなどの表示装置22とを備えたものであってもよい。
【0026】
この他にも、ユーザ端末20Bは、タッチパネル方式の携帯端末であってもよく、ユーザ端末20Cは、タッチパネル方式のタブレットであってもよく、ユーザ端末は、表示装置と入力装置が一体となった端末であってもよい。デザイナー端末5、5、5…も、上述したいずれかのユーザ端末の構成と同様であってもよい。
【0027】
以下に、入力装置21と表示装置22を備えたユーザ端末20Aを用いて、説明する。ここで、表示装置22は、後述する処理装置10から出力されたデザイン情報等、デザイナー出力部16から出力されたデザイナー情報等が表示されるものである。入力装置21は、ユーザが表示装置22を見たデザイン情報またはデザイナー情報を選択して、処理装置10に入力する装置である。
【0028】
処理装置10は、ハードウエアとして、デザイン情報、デザイナー情報、および、処理装置10が行うプログラム等を記憶した記憶装置(図示せず)と、後述する処理を行う演算装置(図示せず)と、を備えている。以下に、
図2を参照しながら、処理装置10のソフトウエアを説明する。
図2は、
図1に示す処理装置10のブロック図である。
【0029】
図2に示すように、処理装置10は、ソフトウエアとして、デザイン登録部11、デザイナー登録部12、テイスト選択部13、デザイン出力部14、デザイン選択判定部15、デザイナー出力部16、デザイナー選択判定部17、デザイン募集部18、および評価登録部19を備えている。
【0030】
デザイン登録部11には、車両の複数のデザイン情報が登録されている。より具体的には、本実施形態では、デザイン登録部11には、複数のテイスト情報ごとに、各デザイン情報が紐付けられて登録されている。
【0031】
ここで、テイスト情報とは、車両の塗装のデザインに関するデザインテイストの情報である。たとえば、テイスト情報とは、「プリティ、ロマンチック、クリア、カジュアル、ナチュラル、エレガント、クール・カジュアル、ダイナミック、ゴージャス、クラシック、シック、ダンディ、ワイルド、フォーマル、モダン」で区分される情報である。したがって、これらのテイスト情報に合わせた車両のデザインの情報が登録されている。ただし、デザインを区分することができるテイストであれば、これらのテイストに区分される必要はない。
【0032】
デザイナー登録部12には、車両のデザインを作成する複数のデザイナーごとのデザイナー情報が登録されている。デザイナー情報は、デザイナーが作成したデザイン情報を含んでいる。本実施形態では、デザイナー登録部12には、複数のテイスト情報ごとに、各デザイナー情報が紐付けられて登録されている。テイスト情報とは、上述したテイストで例示した情報であり、具体的には、このテイストのデザインの作成を得意とするデザイナーの情報が登録されている。
【0033】
テイスト選択部13は、入力装置21からの入力により、複数のテイスト情報から一つのテイスト情報を選択する。
図3は、
図2に示すテイスト選択部13を説明するための図であり、表示装置22の表示画面を示した図である。具体的には、
図3に示すように、表示装置22の表示画面には、「1:プリティ、2:ロマンチック、3:クリア、4:カジュアル、5:ナチュラル、6:エレガント、7:クール・カジュアル、8:ダイナミック、9:ゴージャス、10:クラシック、11:シック、12:ダンディ、13:ワイルド、14:フォーマル、15:モダン」が表示されている。
【0034】
そこで、ユーザは、入力装置21を用いて、1~15のいずれかの番号を入力することにより、テイスト選択部13は、1~15で例示されるテイスト情報から、一つのテイスト情報を選択する。
図3では、表示装置22に表示された表示画面を見ながら、ユーザが、入力装置21を用いて「14」を入力すると、テイスト選択部13は、テイスト情報として、「フォーマル」のコードを選択する。
【0035】
デザイン出力部14は、デザイン登録部11で登録されたデザイン情報を表示装置22に出力する。デザイン出力部14は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイン情報を出力する。デザイン選択判定部15は、入力装置21からの入力により、表示装置22に出力したデザイン情報をユーザが選択したか否かを判定する。
【0036】
図4は、
図2に示すデザイン出力部14とデザイン選択判定部15を説明するための図であり、表示装置22の表示画面を示した図である。具体的には、
図4に示すように、デザイン出力部14は、デザイン登録部11で登録されたデザイン情報のうち、テイスト選択部13で選択されたテイスト情報に応じたデザイン情報を表示装置22に出力する。たとえば、テイスト選択部13で、テイスト情報として「14」のフォーマルが選択された場合には、これに紐付けられたデザインIDおよびデザイン情報が表示される。
【0037】
ここで、ユーザの入力装置21からの入力により、
図4に示すように、デザインIDおよびデザイン情報に対応した列の「選択」ボタンがクリックされると、デザイン選択判定部15は、表示装置22に出力したデザイン情報をユーザが選択したと判定する。この場合には、デザイン出力部14は、このデザイン情報の詳細を表示画面に出力するとともに、このデザイン情報に応じた塗装の見積もり等の情報を出力する。
【0038】
このようにして、ユーザが、好みのテイスト(デザインテイスト)を入力装置21を介して入力すると、テイスト選択部13は、複数のテイスト情報からその一つのテイスト情報を選択する。これにより、選択したテイスト情報に合わせて紐づけられたデザイン情報が、デザイン出力部14から表示装置22に出力される。この結果、ユーザは、登録された複数のデザイン情報から、好みのテイストに合わせたデザインを簡単に選択することができる。
【0039】
デザイナー出力部16は、デザイン選択判定部15がデザイン情報を選択していないと判定した場合、デザイナー登録部12で登録されたデザイナー情報を表示装置22に出力する。本実施形態では、デザイナー出力部16は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイナー情報を表示装置22に出力する。
【0040】
具体的には、
図4に示す表示画面において、登録されたデザイン情報のデザインの「選択」ボタンをクリックしない場合には、「選択しない」のボタンがクリックされる。これにより、デザイン選択判定部15は、入力装置21からの入力により、表示装置22に出力したデザイン情報をユーザが選択していないと判定する。
【0041】
この場合、デザイナー出力部16は、選択した一つのテイスト情報である「14:フォーマル」に紐付けられたデザイナー情報を表示装置22に出力する。これにより、表示装置22の表示画面は、
図4の表示画面から
図5に示す表示画面に移行する。
【0042】
デザイナー選択判定部17は、入力装置21からの入力により、表示装置22に出力したデザイナー情報を選択したか否かを判定する。
図5は、
図2に示すデザイナー出力部16とデザイナー選択判定部17を説明するための図であり、表示装置22の表示画面を示した図である。
【0043】
具体的には、
図5に示すように、デザイナー出力部16は、デザイナー登録部12で登録されたデザイナー情報のうち、テイスト選択部13で選択されたテイスト情報に応じたデザイナー情報を表示装置22に出力する。たとえば、テイスト選択部13で、テイスト情報として「14」のフォーマルが選択された場合には、これに紐付けられたデザイナーID等のデザイナー情報が表示される。デザイナー情報は、この他にもデザイナーの写真、そのデザイナーが作成したデザイン情報を含んでいる。
【0044】
ただし、ここで、表示されるデザイン情報としては、同じ車種の車両のデザイン情報であってもよいが、異なる車種の車両のデザイン情報であってもよい。ユーザは、そのデザイナーの作成したデザイン情報の傾向をより多く知ることできるので、より自分の好みにあったデザインを作成するデザイナーを、複数のデザイナーから絞り込んで選択することができる。
【0045】
ここで、ユーザの入力装置21からの入力により、
図5に示すように、デザイナーIDおよびデザイン情報に対応した列の「依頼」ボタンがクリックされると、デザイナー選択判定部17は、表示装置22に出力したデザイナー情報をユーザが選択したと判定する。この場合には、デザイナー出力部16は、このデザイナー情報の詳細を表示画面に出力するとともに、選択したデザイナーが所有するデザイナー端末5に、その車両のデザインの作成を依頼する(依頼メールを送信する)。なお、この際、デザイナー端末5にテイスト情報、ユーザの要望等も、合わせて依頼メールに記載してもよい。
【0046】
このようにして、ユーザが、好みのテイスト(デザインテイスト)を入力装置21を介して入力すると、テイスト選択部13は、複数のテイスト情報からその一つのテイスト情報を選択する。これにより、選択したテイスト情報に合わせて紐づけられたデザイナー情報が、デザイナー出力部16から表示装置22に出力される。この結果、ユーザは、登録された複数のデザイナー情報から、好みのテイストに合わせたデザインを作成するデザイナーを簡単に選択し、選択したデザイナーに、車両の塗装のデザインの作成を依頼することができる。
【0047】
図5に示す表示画面において、登録されたデザイナー情報の「依頼」ボタンをクリックしない場合には、「依頼しない」のボタンがクリックされる。これにより、デザイナー選択判定部17は、入力装置21からの入力により、表示装置22に出力したデザイナー情報をユーザが選択していないと判定する。
【0048】
デザイン募集部18は、デザイナー選択判定部17がデザイナー情報を選択していないと判定した場合、デザインの募集情報を外部(外部サーバ90)に送信する。デザイン募集部18は、この際、外部サーバ90に、テイスト情報、そのテイスト情報に紐付けられたデザイン情報、ユーザの要望等も、合わせて募集情報に記載してもよい。これにより、外部サーバ90にアクセスした他のデザイナーが、ユーザの好みおよび要望に合わせた情報を把握した上で、車両のデザインを作成することができる。
【0049】
評価登録部19には、入力装置21からの入力により、デザイナーに対するデザイナー評価情報が登録されている。
図6は、
図2に示す評価登録部19を説明するための図であり、表示装置22の表示画面を示した図である。
図6に示すように、デザイナー評価情報は、各デザイナーが作成したデザインに対するデザイン評価情報を含む。
【0050】
具体的には、デザイン評価情報は、そのデザインに対するデザイン(狙いが表現できているか)、色彩、レイアウト、バランス、インパクト、およびスピード(デザイン案の作成スピード)等の評価項目を、5段階で評価しているが、これらの評価項目及び方法に限定されるものではない。なお、デザイナー評価は、これらの評価情報の各評価項目の平均値であってもよい。
【0051】
このように、評価登録部19で登録されたデザイナー評価情報を、
図5に示す表示画面に表示されるようにしてもよい。具体的には、デザイナー出力部16は、デザイナー評価情報として、デザイナーID(デザイナーの識別情報)に、デザイナーが作成したデザイン情報と、対応するデザイン評価情報とを紐付けて、表示装置22に出力する。
【0052】
このようにして、ユーザは、評価登録部19に登録されたこれらの評価情報を参考にして、表示装置22に表示されたデザイナー情報を選択することができる。さらに、デザイナーの識別情報に、デザイナーが作成したデザイン情報と、対応するデザイン評価情報とが紐付けて、表示装置22に表示されるので、ユーザは、自分の好みにあったデザイナーに、デザインを依頼することができる。なお、外部サーバ90にアクセスし、デザインを作成した他のデザイナーに対しても、同様の評価情報を、評価登録部19に登録してもよい。
【0053】
以下に、
図7を参照しながら、車両用デザインシステム1を用いた作業フローを説明する。
【0054】
まず、ステップS201において、ユーザが入力装置21を用いて好みのデザインテイスト(テイスト)を入力することにより、テイスト選択部13は、複数のテイスト情報から一つのテイスト情報を選択し、ステップS202に進む。
【0055】
ステップS202では、デザイン出力部14は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイン情報と、このデザイン情報に評価された評価情報を出力し、これらを、表示装置22に表示し、ステップS203に進む。
【0056】
ステップS203では、ユーザが入力装置21を用いて好みのデザインを入力する(選択ボタンをクリックする)ことにより、デザイン選択判定部15は、表示装置22に出力したデザイン情報をユーザが選択したか否かを判定する。ここで、ユーザが1つのデザイン情報を選択した場合(YES)、ステップS204に進み、そうでない場合(NO)、ステップS206に進む。
【0057】
ステップS204では、デザイン出力部14は、選択したデザインの詳細を提示し、ステップS205で、選択したデザインの評価情報を評価登録部19に登録する。ただし、ステップS205は、選択したデザインが車両に塗装された後、実行してもよい。
【0058】
ステップS206では、デザイナー出力部16は、選択した一つのテイスト情報に紐付けられたデザイナー情報と、デザイナーおよびデザイナーの評価情報を表示装置22に出力し、これらを、表示装置22に表示し、ステップS207に進む。
【0059】
ステップS207では、ユーザが入力装置21を用いて好みのデザイナーを入力する(依頼ボタンをクリックする)ことにより、デザイナー選択判定部17は、表示装置22に出力したデザイナー情報をユーザが選択したか否かを判定する。ここで、ユーザが1つのデザイナー情報を選択した場合(YES)、ステップS208に進み、そうでない場合(NO)、ステップS210に進む。
【0060】
ステップS208では、デザイナー出力部16は、選択したデザイナーと、このデザイナーが作成したデザイン情報の詳細を提示し、ステップS209では、選択したデザイナーの評価情報を評価登録部19に登録する。ただし、ステップS205は、選択したデザインが車両に塗装された後、実行してもよい。
【0061】
ステップS210では、デザイン募集部18は、デザインの募集情報を外部サーバ90に送信し、ステップS211に進む。ステップS211では。外部サーバ90を介して、他のデザイナーから提示されたデザインとデザイナーの評価情報を評価登録部19に登録する。
【0062】
以上によれば、本実施形態によれば、デザイン出力部14により表示装置22に表示されたデザイン情報を、ユーザが入力装置21を介して選択することができる。ここで、ユーザが、表示装置22に表示されたデザイン情報を選択しなかった場合には、このことをデザイン選択判定部15が判定し、デザイナー出力部16により登録されたデザイナー情報が、表示装置22に表示される。これにより、ユーザが、デザイナー情報から、好みのデザインを作成するデザイナーに依頼することができる。
【0063】
ユーザが、表示装置22に表示されたデザイナー情報を選択しなかった場合には、このことをデザイナー選択判定部17が判定し、デザイン募集部18が、デザインの募集情報を外部サーバ90に送信することができる。特に、デザイン募集部18が、テイスト選択部により、選択された一つのテイスト情報を、デザインの募集情報に紐付けることにより、所望のテイストのデザインを外部に募集することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0065】
1:車両用デザインシステム、10:処理装置、11:デザイン登録部、12:デザイナー登録部、13:テイスト選択部、14:デザイン出力部、15:デザイン選択判定部、16:デザイナー出力部、17:デザイナー選択判定部、18:デザイン募集部、19:評価登録部、21:入力装置、22:表示装置