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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】充電装置及びコネクタの位置導出方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250819BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20250819BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20250819BHJP
   B60L 53/37 20190101ALI20250819BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/44 Q
B60L53/16
B60L53/37
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022167606
(22)【出願日】2022-10-19
(65)【公開番号】P2024060304
(43)【公開日】2024-05-02
【審査請求日】2024-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高松 正和
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-207602(JP,A)
【文献】特開平11-122831(JP,A)
【文献】特開2019-051528(JP,A)
【文献】特開2021-177504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
B60L 53/16
B60L 53/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に接続される給電側又は受電側の一方である第1のコネクタと前記給電側又は前記受電側の他方である第2のコネクタとを有する充電装置であって、
前記第1のコネクタに固定され、前記第2のコネクタが配置される側に向かって、直交する第1のラインと第2のラインとを有するクロスラインレーザー光を照射する照射部と、
前記第2のコネクタを直交する第1の軸方向と第2の軸方向とに移動させ、予め設定された位置を原点とするXYステージと、
前記XYステージに固定された第1の受光部と、
前記XYステージに固定され、前記第1の受光部と異なる位置に配置される第2の受光部と、
前記XYステージを制御し、前記原点に対する前記第1の受光部及び前記第2の受光部が前記クロスラインレーザー光を横切った位置情報を用いて導き出した前記第1のコネクタの位置情報に基づいて、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの位置合わせを行う制御部と、
を備える、充電装置。
【請求項2】
前記第1の受光部と前記第2の受光部とは、前記第2のコネクタの中心を対称点とする点対称の位置に配置されている、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記照射部は、前記第1のコネクタの中心に配置されている、請求項1又は2に記載の充電装置。
【請求項4】
給電側又は受電側の一方である第1のコネクタと前記給電側又は前記受電側の他方である第2のコネクタとを電気的に接続する際の前記第1のコネクタの位置導出方法であって、
前記第1のコネクタに固定された照射部から直交する第1のラインと第2のラインとを有するクロスラインレーザー光を、前記第2のコネクタの側に照射する工程と、
前記第2のコネクタを直交する第1の軸方向と第2の軸方向とに移動させ、予め設定された位置を原点とするXYステージを制御し、前記原点に対する前記XYステージに固定された第1の受光部及び第2の受光部が前記クロスラインレーザー光を横切った位置情報に基づいて、前記第1のコネクタの位置を導き出す工程と、
を備える、コネクタの位置導出方法。
【請求項5】
前記XYステージを前記第1の軸方向に移動させて、前記原点に対する前記第1の受光部が前記クロスラインレーザー光の第1のラインを横切った際の第1の位置情報を取得する工程と、
前記XYステージを前記第2の軸方向に移動させて、前記原点に対する前記第1の受光部が前記クロスラインレーザー光の第2のラインを横切った際の第2の位置情報を取得する工程と、
前記XYステージを前記第2の軸方向に移動させて、前記原点に対する前記第2の受光部が前記クロスラインレーザー光の第2のラインを横切った際の第3の位置情報を取得する工程と、
前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報と、前記第3の位置情報と、に基づいて、前記第1のコネクタの位置を導き出す工程と、
を備える、請求項4のコネクタの位置導出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電装置及びコネクタの位置導出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動運転車両のバッテリーを充電する場合、給電コネクタと受電コネクタとの相対的な位置を精度良く導き出せることが好ましい。ここで、特許文献1には、ラインレーザーによって物体の上面にレーザー線を照射すると共に、撮像部によって当該物体の上面を撮像し、撮像画の中心と、当該撮像画上でのレーザー線の長さと、に基づいて物体の中心を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-177504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。一般的に物体の位置を導き出す場合、特許文献1の技術のように撮像部を用いるため、コストが嵩む課題を有する。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、コネクタの位置を安価に導き出すことが可能な充電装置及びコネクタの位置導出方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る充電装置は、電気的に接続される給電側又は受電側の一方である第1のコネクタと前記給電側又は前記受電側の他方である第2のコネクタとを有する充電装置であって、
前記第1のコネクタに固定され、前記第2のコネクタが配置される側に向かって、直交する第1のラインと第2のラインとを有するクロスラインレーザー光を照射する照射部と、
前記第2のコネクタを直交する第1の軸方向と第2の軸方向とに移動させ、予め設定された位置を原点とするXYステージと、
前記XYステージに固定された第1の受光部と、
前記XYステージに固定され、前記第1の受光部と異なる位置に配置される第2の受光部と、
前記XYステージを制御し、前記原点に対する前記第1の受光部及び前記第2の受光部が前記クロスラインレーザー光を横切った位置情報を用いて導き出した前記第1のコネクタの位置情報に基づいて、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの位置合わせを行う制御部と、
を備える。
【0007】
本開示の一態様に係るコネクタの位置導出方法は、給電側又は受電側の一方である第1のコネクタと前記給電側又は前記受電側の他方である第2のコネクタとを電気的に接続する際の前記第1のコネクタの位置導出方法であって、
前記第1のコネクタに固定された照射部から直交する第1のラインと第2のラインとを有するクロスラインレーザー光を、前記第2のコネクタの側に照射する工程と、
前記第2のコネクタを直交する第1の軸方向と第2の軸方向とに移動させ、予め設定された位置を原点とするXYステージを制御し、前記原点に対する前記XYステージに固定された第1の受光部及び第2の受光部が前記クロスラインレーザー光を横切った位置情報を基づいて、前記第1のコネクタの位置を導き出す工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、コネクタの位置を安価に導き出すことが可能な充電装置及びコネクタの位置導出方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の充電装置を示す斜視図である。
図2】実施の形態の充電装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図3】照射部の構成を示す断面図である。
図4】照射部がクロスラインレーザー光を照射する様子を示す図である。
図5】実施の形態の充電装置を用いて第1のコネクタと第2のコネクタとを電気的に接続する流れを説明するための図である。
図6】第1の座標情報と、第2の座標情報と、第3の座標情報と、に基づいた三角関数により、第1のコネクタの中心の座標を導き出す具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
先ず、本実施の形態の充電装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態の充電装置を示す斜視図である。図2は、本実施の形態の充電装置の制御系の構成を示すブロック図である。ここで、以下の説明では、説明を明確にするために三次元(XYZ)座標系を用いて説明する。
【0012】
充電装置1は、例えば、自動運転車両のバッテリーを充電する際に好適である。充電装置1は、図1及び図2に示すように、第1のコネクタ2、第2のコネクタ3、照射部4、XYステージ5、第1の受光部6、第2の受光部7及び制御部8を備えている。
【0013】
第1のコネクタ2は、例えば、受電コネクタである。第1のコネクタ2は、例えば、図1に示すように、非導電性の本体部21に形成された略円柱形状の凸部22(図4を参照)を備えており、凸部22の外周側面に沿って端子(図示を省略)が固定されている。第1のコネクタ2は、例えば、自動運転車両の底面に固定することができる。
【0014】
第2のコネクタ3は、例えば、給電コネクタである。第2のコネクタ3は、例えば、図1に示すように、非導電性の本体部31に形成された略円柱形状の凹部32を備えており、凹部32の内周側面に沿って端子(図示を省略)が固定されている。第2のコネクタ3の凹部32には、第1のコネクタ2の凸部22が嵌め合わされる。
【0015】
照射部4は、図1に示すように、第1のコネクタ2に固定されている。照射部4は、例えば、Z軸方向から見て第1のコネクタ2の凸部22の略中央に配置されており、第1のコネクタ2の凸部22のZ軸-側の面から露出している。ここで、図3は、照射部の構成を示す断面図である。図4は、照射部がクロスラインレーザー光を照射する様子を示す図である。
【0016】
照射部4は、図3に示すように、LED(light-emitting diode)などの光源41、集光レンズ42及びクロス変換レンズ43を備えている。これにより、照射部4は、図4に示すように、第1のラインL1及び当該第1のラインL1と直交する第2のラインL2を有するクロスラインレーザー光LをZ軸-側に向かって照射する。
【0017】
XYステージ5は、第2のコネクタ3をX軸方向及びY軸方向に移動させる。XYステージ5は、図1に示すように、ステージ51、ベースプレート52、第1のリニアガイド53、第2のリニアガイド54、第1の駆動機構55及び第2の駆動機構56を備えている。
【0018】
ステージ51は、図1及び図4に示すように、XY平面と略平行な板体である。ステージ51は、例えば、Z軸方向から見て略矩形状である。ステージ51のZ軸+側の面には、第2のコネクタ3が固定されている。このとき、Z軸方向から見て第2のコネクタ3の中心とステージ51の中心とが略重なっているとよい。
【0019】
ベースプレート52は、図1及び図4に示すように、ステージ51に対してZ軸-側に配置されている。ベースプレート52は、Z軸方向から見てステージ51に対して大きく、XY平面と略平行な板体である。ベースプレート52は、例えば、Z軸方向から見て略矩形状であり、ステージ51と相似形であるとよい。
【0020】
第1のリニアガイド53は、図1及び図4に示すように、レール53a及びガイド53bを備えている。レール53aは、Y軸方向に延在している。ガイド53bは、ステージ51のZ軸-側の面に固定されており、レール53aに沿って移動する。
【0021】
第2のリニアガイド54は、図1及び図4に示すように、第1のレール54a、第2のレール54b及び移動プレート54cを備えている。第1のレール54aは、ベースプレート52のZ軸+側の面に固定されており、X軸方向に延在している。第2のレール54bは、ベースプレート52のZ軸+側の面に固定されており、X軸方向に延在している。第1のレール54aと第2のレール54bとは、Y軸方向に間隔を開けて略平行に配置されている。
【0022】
移動プレート54cは、図1及び図4に示すように、第1のレール54aと第2のレール54bに掛け渡されており、第1のレール54a及び第2のレール54bに沿って移動する。移動プレート54cは、XY平面と略平行な板体である。移動プレート54cは、例えば、Z軸方向から見てY軸方向に長辺を有する略矩形状である。移動プレート54cのZ軸+側の面には、第1のリニアガイド53のレール53aが固定されている。
【0023】
第1の駆動機構55は、ステージ51をY軸方向に移動させる。第1の駆動機構55は、例えば、図1及び図4に示すように、ボールネジ55a及びモータ55bを備えている。ボールネジ55aは、ネジ棒55c及びナット(図示を省略)を備えている。
【0024】
ネジ棒55cは、図1及び図4に示すように、軸受け55dを介して第2のリニアガイド54の移動プレート54cのZ軸+側の面に固定されており、Y軸方向に延在している。ナットは、ステージ51のZ軸-側の面に固定されており、ネジ棒55cの回転に伴ってY軸方向に移動する。
【0025】
モータ55bは、図1及び図4に示すように、第2のリニアガイド54の移動プレート54cのZ軸+側の面に固定されており、プーリーやベルトなどを介してモータ55bの駆動力がネジ棒55cに伝達される。
【0026】
第2の駆動機構56は、ステージ51をX軸方向に移動させる。第2の駆動機構56は、例えば、図1及び図4に示すように、ボールネジ56a及びモータ56bを備えている。ボールネジ56aは、ネジ棒56c及びナット(図示を省略)を備えている。
【0027】
ネジ棒56cは、図1に示すように、軸受け56dを介してベースプレート52のZ軸+側の面に固定されており、X軸方向に延在している。ナットは、第2のリニアガイド54の移動プレート54cのZ軸-側の面に固定されており、ネジ棒56cの回転に伴ってX軸方向に移動する。モータ56bは、ベースプレート52のZ軸+側の面に固定されており、プーリーやベルトなどを介してモータ56bの駆動力がネジ棒56cに伝達される。
【0028】
このようなXYステージ5は、第1の駆動機構55のモータ55b及び第2の駆動機構56のモータ56bを駆動させることによって、ステージ51を第1のリニアガイド53及び第2のリニアガイド54に沿ってY軸方向及びX軸方向に移動させることができる構成である。
【0029】
第1の受光部6は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの受光素子を備えている。第1の受光部6は、図1及び図4に示すように、ステージ51のZ軸+側の面に固定されており、ステージ51の移動に伴って第2のコネクタ3と共にX軸方向及びY軸方向に移動する。第1の受光部6は、例えば、ステージ51のZ軸+側の面におけるX軸-側であって、且つY軸-側の角部近傍に配置されている。
【0030】
第2の受光部7は、CCDやCMOSなどの受光素子を備えている。第2の受光部7は、図1及び図4に示すように、ステージ51のZ軸+側の面に固定されており、ステージ51の移動に伴って第2のコネクタ3及び第1の受光部6と共にX軸方向及びY軸方向に移動する。第2の受光部7は、第1の受光部6と異なる位置に配置されている。
【0031】
第2の受光部7は、例えば、図1及び図4に示すように、ステージ51のZ軸+側の面におけるX軸+側であって、且つY軸+側の角部近傍に配置されている。このとき、第1の受光部6と第2の受光部7とは、Z軸方向から見て第2のコネクタ3の中心を対称点とする点対称の位置に配置されているとよい。
【0032】
これらの第2のコネクタ3、XYステージ5、第1の受光部6及び第2の受光部7は、給電ユニットを構成し、例えば、自動運転車両の充電ステーションの床面に昇降機構を介して固定することができる。
【0033】
制御部8は、詳細は後述するが、照射部4の照射タイミングを制御したり、第1の駆動機構55のモータ55b及び第2の駆動機構56のモータ56bを制御したり、する。また、制御部8は、第1の受光部6及び第2の受光部7が照射部4のクロスラインレーザー光Lを検出した検出結果に基づいて、第1のコネクタ2の位置を導き出す。
【0034】
次に、本実施の形態の充電装置1を用いて第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とを電気的に接続する流れを説明する。図5(a)乃至図5(f)は、本実施の形態の充電装置を用いて第1のコネクタと第2のコネクタとを電気的に接続する流れを説明するための図である。
【0035】
ここで、本実施の形態では、図5(a)に示すように、Z軸方向から見て、ステージ51が第1のリニアガイド53のレール53aのY軸方向の中央に配置され、且つ、ステージ51が第2のリニアガイド54の第1のレール54a及び第2のレール54bのX軸+側の端部近傍に配置された状態での第2のコネクタ3の中心位置を原点(即ち、X軸座標が0であって、且つY軸座標が0)として設定されている。
【0036】
そのため、第1の受光部6及び第2の受光部7の座標も、当該原点に対して設定されている。つまり、第2のコネクタ3の中心位置と、第1の受光部6の位置と、第2の受光部7の位置と、は相対的に規定されている。
【0037】
ここで、本実施の形態での座標は、XY座標である。このとき、制御部8は、第1の駆動機構55のモータ55bに設けられたエンコーダ及び第2の駆動機構56のモータ56bに設けられたエンコーダの検出結果に基づいて、原点に対する第2のコネクタ3の中心座標、第1の受光部6の座標及び第2の受光部7の座標を導き出すことができる。
【0038】
先ず、制御部8は、例えば、外部から指令情報(例えば、第1のコネクタ2が第2のコネクタ3に対して所定の範囲内に侵入した旨を示す情報など)に基づいて、図5(a)に示すように、照射部4を制御してZ軸-側に向かってクロスラインレーザー光Lを照射させる。
【0039】
次に、図5(b)及び図5(c)に示すように、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1を横切るように、第2の駆動機構56のモータ56bを制御してステージ51をX軸-側に移動させる。
【0040】
次に、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を開始した際の原点に対する第1の受光部6の座標情報、及び第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を終了した際の原点に対する第1の受光部6の座標情報を取得する。
【0041】
そして、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を開始した際の当該第1の受光部6の座標情報、及び第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を終了した際の当該第1の受光部6の座標情報に基づいて、原点に対するクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の第1の座標を導き出す。
【0042】
詳細には、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を開始した際の当該第1の受光部6の座標と、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1の受光を終了した際の当該第1の受光部6の座標と、の中点を第1の座標とする。このとき、第1の座標のX軸座標は、クロスラインレーザー光Lの第1のラインL1のX軸方向の太さの中央の座標である。
【0043】
次に、図5(d)に示すように、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2を横切るように、第1の駆動機構55のモータ55bを制御してステージ51をY軸-側に移動させる。
【0044】
次に、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の原点に対する当該第1の受光部6の座標情報、及び第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の原点に対する当該第1の受光部6の座標情報を取得する。
【0045】
そして、制御部8は、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の当該第1の受光部6の座標情報、及び第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の当該第1の受光部6の座標情報に基づいて、原点に対するクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の第2の座標を導き出す。
【0046】
詳細には、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の当該第1の受光部6の座標と、第1の受光部6がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の当該第1の受光部6の座標と、の中点を第2の座標とする。このとき、第2の座標のY軸座標は、クロスラインレーザー光Lの第2のラインL2のY軸方向の太さの中央の座標である。
【0047】
次に、図5(e)に示すように、制御部8は、第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2を横切るように、第1の駆動機構55のモータ55bを制御してステージ51をY軸-側に移動させる。
【0048】
次に、制御部8は、第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の原点に対する当該第2の受光部7の座標情報、及び第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の原点に対する当該第2の受光部7の座標情報を取得する。
【0049】
そして、制御部8は、第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の当該第2の受光部7の座標情報、及び第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の当該第2の受光部7の座標情報に基づいて、原点に対するクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の第3の座標を導き出す。
【0050】
詳細には、第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を開始した際の当該第2の受光部7の座標と、第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2の受光を終了した際の当該第2の受光部7の座標と、の中点を第3の座標とする。このとき、第3の座標のY軸座標は、クロスラインレーザー光Lの第2のラインL2のY軸方向の太さの中央の座標である。
【0051】
これにより、制御部8は、第1の座標情報(位置情報)と、第2の座標情報と、第3の座標情報と、を取得することができ、これらの3点の座標情報に基づいた三角関数により、原点に対する照射部4の座標、ひいては第1のコネクタ2の中心の座標を導き出すことができる。
【0052】
ここで、第1の座標情報と、第2の座標情報と、第3の座標情報と、に基づいた三角関数により、第1のコネクタ2の中心の座標を導き出す具体例を説明する。図6は、第1の座標情報と、第2の座標情報と、第3の座標情報と、に基づいた三角関数により、第1のコネクタの中心の座標を導き出す具体例を説明するための図である。
【0053】
なお、図6に示すように、第1の座標をx,yとし、第2の座標をx,yとし、第3の中心座標をx,yとし、X軸及びY軸に対してクロスラインレーザー光Lの第1のラインL1及び第2のラインL2が傾いた状態(例えば、給電ユニットに対して自動運転車両が傾いて停車した状態)で照射された場合を例示する。
【0054】
このとき、第2の座標を通り、且つX軸と平行な第1の直線l1と、第3の座標を通り、且つY軸と平行な第2の直線l2と、の第1の交点座標は、x,yである。そして、第2の座標と、第3の座標と、第1の交点座標と、で第1の三角形T1が形成され、第2の座標と第3の座標とを通るクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2と、第1の直線l1と、で挟む第1の角度がθであり、第2の座標と第3の座標とを通るクロスラインレーザー光Lの第2のラインL2と、第2の直線l2と、で挟む第2の角度がθである。
【0055】
ここで、第1の直線l1と第2の直線l2とで挟む第3の角度は90°である。そのため、図6に示すように、第1の三角形Tと、第1の座標と第2の座標と第1のコネクタ2の中心の座標とで形成される第2の三角形Tと、は相似形である。
【0056】
したがって、三角関数を用いて、第1のコネクタ2の中心のy座標は、第1の座標のyに対して、第1の座標と第2の座標との間隔y-yをcosθ倍した値をさらにcosθ倍した値分ずれた位置の座標である。また、第1のコネクタ2の中心のx座標は、第1の座標のxに対して、第1の座標と第2の座標との間隔y-yをcosθ倍した値をさらにsinθ倍した値分ずれた位置の座標である。このように第1の座標情報と、第2の座標情報と、第3の座標情報と、に基づいた三角関数により、第1のコネクタ2の中心の座標を導き出すことができる。
【0057】
次に、図5(f)に示すように、制御部8は、導き出した第1のコネクタ2の中心の座標と、第2のコネクタ3の中心の座標と、が一致するように、第1の駆動機構55のモータ55b及び第2の駆動機構56のモータ56bを制御する。その後、制御部8は、例えば、昇降機構を制御して、第1のコネクタ2の凸部22と第2のコネクタ3の凹部32とを嵌め合わせると、第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とを電気的に接続することができる。
【0058】
このように本実施の形態の充電装置1及びコネクタの位置導出方法は、XYステージ5を制御し、原点に対する第1の受光部6及び第2の受光部7がクロスラインレーザー光Lを横切った位置情報を用いて第1のコネクタ2の位置情報を導き出す。
【0059】
そのため、本実施の形態の充電装置1及びコネクタの位置導出方法は、第1のコネクタ2の位置を導き出すために特許文献1の技術のように撮像部を用いる必要がなく、第1のコネクタ2の位置を安価に導き出すことができる。また、撮像部が必要ないため、充電装置1の小型化を実現することができる。
【0060】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1のコネクタ2の位置を導き出すために、ステージ51をX軸-側及びY軸方向に移動させているが、照射部4から照射されるクロスラインレーザー光Lを横切る3点の座標を取得できるように、ステージ51を移動させればよい。
例えば、上記実施の形態のXYステージ5の構成は例示であり、XYステージはステージ51をX軸方向及びY軸方向に移動させることができる構成であればよい。
例えば、上記実施の形態の原点は一例であり、原点に設定される位置は、適宜、変更することができる。
例えば、上記実施の形態の第1のコネクタ2の形状及び第2のコネクタ3の形状は、例示であり、第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とが相対的に回転した状態で電気的に接続可能な形状であればよい。
【符号の説明】
【0061】
1 充電装置
2 第1のコネクタ、21 本体部、22 凸部
3 第2のコネクタ、31 本体部、32 凹部
4 照射部、41 光源、42 集光レンズ、43 クロス変換レンズ
5 XYステージ
51 ステージ
52 ベースプレート
53 第1のリニアガイド、53a レール、53b ガイド
54 第2のリニアガイド、54a 第1のレール、54b 第2のレール、54c 移動プレート
55 第1の駆動機構、55a ボールネジ、55b モータ、55c ネジ棒
56 第2の駆動機構、56a ボールネジ、56b モータ、56c ネジ棒
6 第1の受光部
7 第2の受光部
8 制御部
L クロスラインレーザー光、L1 第1のライン、L2 第2のライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6