(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20250819BHJP
H04N 23/66 20230101ALI20250819BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20250819BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20250819BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N23/66
H04N23/695
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2022169401
(22)【出願日】2022-10-21
【審査請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 周典
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 主税
(72)【発明者】
【氏名】渡津 弘大
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 進哉
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/141375(WO,A1)
【文献】特開2022-074068(JP,A)
【文献】特開2008-176555(JP,A)
【文献】特開2020-080485(JP,A)
【文献】特開2017-067466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/66
H04N 23/695
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星が地上を撮影した衛星画像を取得する取得部と、
画像認識技術を用いて、前記取得部が取得した前記衛星画像から、前記衛星画像に写る車両に対する危険の有無を解析する解析部と、
前記衛星画像の解析結果に基づいて、前記車両に搭載された車載機器を制御する制御部と、
前記衛星画像の解析結果から前記車両に対する危険があることが検出された場合に、前記衛星画像及び前記車両の現在位置を、警察、保険会社、及び警備会社が保有するコンピュータである利用者装置に送信する提供部と、
予め定めた危険状況が記憶された記憶部と、
を備え、
前記解析部は、前記
記憶部に記憶された
前記予め定めた危険状況を、前記衛星画像から検出した場合に、前記車両に対する危険があると検出し、
前記制御部は、前記車両に対する危険があることが検出された場合、前記車載機器としてのスピーカから所定の警告音を出力させるとともに、前記車載機器としてのランプを所定のパターンで点灯させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記衛星画像の解析結果から前記車両に対する危険が検出された場合、前記車載機器としてのカメラによる撮影を開始させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記車両に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるように、前記カメラの画角を制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記車両に対する危険は、不審者又は危険物の存在及び車上荒らし未遂が該当するインシデントと、当て逃げ又は車上荒らしの発生が該当するアクシデントとの双方を含み、
前記解析部は、前記記憶部に記憶された、前記車両に対する危険を示す前記予め定めた危険状況を更新可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記車両が駐車場に駐車する最中である場合、前記車載機器としてのモニタに、前記衛星画像に写る前記車両の俯瞰画像を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイに表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、特許文献1のディスプレイには車両の制御機器による制御に基づいて画像が表示されるが、当該ディスプレイのような車載機器の制御方法については未だ改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、車両周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで車両に搭載された車載機器を制御することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る情報処理装置は、人工衛星が地上を撮影した衛星画像を取得する取得部と、画像認識技術を用いて、前記取得部が取得した前記衛星画像から、前記衛星画像に写る車両に対する危険の有無を解析する解析部と、前記衛星画像の解析結果に基づいて、前記車両に搭載された車載機器を制御する制御部と、前記衛星画像の解析結果から前記車両に対する危険があることが検出された場合に、前記衛星画像及び前記車両の現在位置を、警察、保険会社、及び警備会社が保有するコンピュータである利用者装置に送信する提供部と、予め定めた危険状況が記憶された記憶部と、を備え、前記解析部は、前記記憶部に記憶された前記予め定めた危険状況を、前記衛星画像から検出した場合に、前記車両に対する危険があると検出し、前記制御部は、前記車両に対する危険があることが検出された場合、前記車載機器としてのスピーカから所定の警告音を出力させるとともに、前記車載機器としてのランプを所定のパターンで点灯させる。
請求項4に係る情報処理装置は、請求項1において、前記車両に対する危険は、不審者又は危険物の存在及び車上荒らし未遂が該当するインシデントと、当て逃げ又は車上荒らしの発生が該当するアクシデントとの双方を含み、前記解析部は、前記記憶部に記憶された、前記車両に対する危険を示す前記予め定めた危険状況を更新可能である。
【0007】
請求項1に係る情報処理装置では、取得部は、衛星画像を取得する。そして、制御部は、取得部が取得した衛星画像の解析結果に基づいて、衛星画像に写る車両に搭載された車載機器を制御する。これにより、当該情報処理装置では、車両周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで車両に搭載された車載機器を制御することができる。
【0008】
請求項2に係る情報処理装置は、請求項1において、前記制御部は、前記衛星画像の解析結果から前記車両に対する危険が検出された場合、前記車載機器としてのカメラによる撮影を開始させる。
【0009】
請求項2に係る情報処理装置では、制御部は、衛星画像の解析結果から車両に対する危険が検出された場合、カメラによる撮影を開始させる。これにより、当該情報処理装置では、車両周辺を俯瞰的に見て車両に対する危険が検出されたタイミングでカメラによる撮影を開始することができる。
【0010】
請求項3に係る情報処理装置は、請求項2において、前記制御部は、前記車両に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるように、前記カメラの画角を制御する。
【0011】
請求項3に係る情報処理装置では、制御部は、車両に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるように、カメラの画角を制御する。これにより、当該情報処理装置では、車両に対する危険を検出するきっかけとなった対象が撮影される可能性を高められる。
【0012】
他の態様の情報処理装置は、請求項1から3の何れか1項において、前記衛星画像の解析結果から前記車両に対する危険が検出された場合に、前記衛星画像及び前記車両の現在位置の少なくとも一方を所定の利用者に提供する提供部を備える。
【0013】
他の態様の情報処理装置では、提供部は、衛星画像の解析結果から車両に対する危険が検出された場合に、衛星画像及び車両の現在位置の少なくとも一方を所定の利用者に提供する。これにより、当該情報処理装置では、検出した危険に基づいて車両に対する問題が発生した場合に、当該問題の解決に寄与することができる。
【0014】
請求項5に係る情報処理装置は、請求項1から4の何れか1項において、前記制御部は、前記車両が駐車場に駐車する最中である場合、前記車載機器としてのモニタに、前記衛星画像に写る前記車両の俯瞰画像を表示させる。
【0015】
請求項5に係る情報処理装置では、制御部は、車両が駐車場に駐車する最中である場合、モニタに衛星画像に写る車両の俯瞰画像を表示させる。これにより、当該情報処理装置では、実際の車両の画像を見ながら駐車させることができ、駐車支援としてモニタに表示される内容について乗員が感じる違和感を低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本開示に係る情報処理装置では、車両周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで車両に搭載された車載機器を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】車両の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】利用者装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】制御処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図6】制御処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態に係る制御システム100について説明する。
本実施形態に係る制御システム100は、車両周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで車両に搭載された車載機器を制御するシステムである。
【0019】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る制御システム100の第1の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、制御システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、制御システム100は、車両10、人工衛星50、及び利用者装置70を含む。
【0021】
車両10は、エンジン車両、ハイブリッド車両、又は電気自動車の何れであってもよいが、第1の実施形態では、一例として、車両10はエンジン車両とする。そして、車両10に搭載された車載器20は、人工衛星50によって撮影された画像(以下、「衛星画像」とも称する)を人工衛星50から取得する。なお、衛星画像は、例えば、0.5km~20km四方の地上の範囲を撮影対象とした画像とすることができる。当該地上は、陸地、湖、池、及び海等を含む。車載器20は「情報処理装置」の一例である。
【0022】
利用者装置70は、所定の利用者が保有するコンピュータである。利用者は、警察、保険会社、及び警備会社等を含む。そして、車載器20及び利用者装置70は、ネットワークNを介して接続されている。
【0023】
ここで、
図1では、人工衛星50を1台だけ図示しているが、当該人工衛星50は、地上の同じ地点を撮影可能な複数台の人工衛星で構成されることが望ましい。また、人工衛星50が1日に地球を周回する回数及び人工衛星50の軌道の高度等は任意である。
【0024】
次に、車両10のハードウェア構成について説明する。
図2は、車両10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、車両10は、車載器20と、ECU(Electronic Control Unit)30と、車載機器40と、を含んで構成されている。
【0026】
車載器20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、車内通信I/F(InterFace)25、入出力I/F26及び無線通信I/F27を含んで構成されている。CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、車内通信I/F25、入出力I/F26及び無線通信I/F27は、内部バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0029】
記憶部24は、eMMC(embedded Multi Media Card)又はUFS(Universal Flash Storage)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。記憶部24には、CPU21に後述する制御処理を実行させるための制御プログラム24Aが格納されている。
【0030】
車内通信I/F25は、ECU30と接続するためのインターフェースである。当該インターフェースは、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。車内通信I/F25は、外部バス29に対して接続されている。なお、図示を省略しているが、ECU30は、車両10の機能毎に複数設けられている。
【0031】
入出力I/F26は、車両10に搭載される車載機器40と通信するためのインターフェースである。
【0032】
車載機器40は、車両10に搭載される各種機器である。第1の実施形態に係る制御システム100は、車載機器40の例として、カメラ40A及びモニタ40Bを含む。
【0033】
カメラ40Aは、一例として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮影素子を用いて撮影を行う撮影装置である。カメラ40Aは、一例として、車両10の前部に設けられ、車両前方を撮影する第1カメラと、車両10の後部に設けられ、車両後方を撮影する第2カメラと、を備えている。第1の実施形態に係る制御システム100では、カメラ40Aはドライブレコーダの用途で用いられ、カメラ40Aにより撮影された画像は記憶部24に記憶される。なお、カメラ40Aの数は限られず、車両側方を撮影するカメラが別途設けられていてもよいし、車両前方、車両後方、又は車両側方の何れか一方向を撮影するカメラのみが設けられていてもよい。
【0034】
モニタ40Bは、インストルメントパネル、又はメータパネル等に設けられ、車両10の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る画像等を表示するための液晶モニタである。モニタ40Bは、入力機能を兼ねたタッチパネルとして設けてもよい。
【0035】
無線通信I/F27は、外部と通信するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。無線通信I/F27は、ネットワークNに対して接続されている。
【0036】
次に、車両10の機能構成について説明する。
図3は、車両10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すように、車載器20のCPU21は、機能構成として、取得部21A、解析部21B、制御部21C、及び提供部21Dを有する。各機能構成は、CPU21が記憶部24に記憶された制御プログラム24Aを読み出し、実行することにより実現される。
【0038】
取得部21Aは、車両10周辺を俯瞰的に撮影した画像、具体的には、人工衛星50が地上における車両10周辺を撮影した衛星画像を取得する。
【0039】
解析部21Bは、取得部21Aが取得した衛星画像を解析する。一例として、解析部21Bは、公知の画像認識技術を用いて、車両10周辺を撮影した衛星画像から車両10に対する危険の有無を解析する。具体的には、解析部21Bは、当該衛星画像から予め定めた危険状況を検出した場合に、車両10に対する危険があると検出する。なお、当該予め定めた危険状況は記憶部24に記憶され、適宜更新可能となっている。また、車両10に対する危険は、インシデント及びアクシデントの双方を含む。例えば、当該インシデントは、不審者又は危険物の存在及び車上荒らし未遂等が該当し、当該アクシデントは、当て逃げ又は車上荒らし等の発生が該当する。
【0040】
制御部21Cは、解析部21Bによる衛星画像の解析結果に基づいて、衛星画像に写る車両10に搭載された車載機器40としてのカメラ40Aを制御する。具体的には、制御部21Cは、当該衛星画像の解析結果から車両10に対する危険があることが検出された場合、カメラ40Aによる撮影を開始させる。そして、この場合に、制御部21Cは、車両10に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるように、カメラ40Aの画角を制御する。
【0041】
提供部21Dは、解析部21Bによる衛星画像の解析結果から車両10に対する危険があることが検出された場合に、当該衛星画像及び車両10の現在位置を利用者装置70に送信する。なお、車両10の現在位置は、車載機器40としてのGPS(Global Positioning System)装置(図示せず)から取得可能である。
【0042】
次に、利用者装置70のハードウェア構成を説明する。
図4は、利用者装置70のハードウェア構成を示すブロック図である。利用者装置70は、サーバコンピュータ、若しくはPC(Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置、又はスマートフォン、若しくはタブレット端末等の携帯端末が適用可能である。第1の実施形態は、利用者装置70を「PC」とする。
【0043】
図4に示すように、利用者装置70は、CPU71、ROM72、RAM73、記憶部74、入力部75、表示部76、及び通信部77を備えている。各構成は、バス78を介して相互に通信可能に接続されている。
【0044】
CPU71は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU71は、ROM72又は記憶部74からプログラムを読み出し、RAM73を作業領域としてプログラムを実行する。CPU71は、ROM72又は記憶部74に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0045】
ROM72は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM73は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0046】
記憶部74は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0047】
入力部75は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0048】
表示部76は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部76は、タッチパネル方式を採用して、入力部75として機能してもよい。
【0049】
通信部77は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。通信部77は、ネットワークNに対して接続されている。
【0050】
図5は、車載器20が車載機器40を制御する制御処理の流れを示す第1のフローチャートである。CPU21が記憶部24から制御プログラム24Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、制御処理が行われる。
【0051】
図5に示すステップS10において、CPU21は、人工衛星50から車両10周辺を撮影した衛星画像を取得する。そして、CPU21は、ステップS11に進む。一例として、CPU21は、人工衛星50から衛星画像を定期的に取得する。
【0052】
ステップS11において、CPU21は、ステップS10で取得した衛星画像から車両10に対する危険の有無を解析し、車両10に対する危険があることを検出した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に進む。一方、CPU21は、車両10に対する危険がないことを検出した場合(ステップS11:NO)、制御処理を終了する。
【0053】
ステップS12において、CPU21は、車両10に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるようにカメラ40Aの画角を制御して、カメラ40Aによる撮影を開始させる。そして、CPU21は、ステップS13に進む。
【0054】
ステップS13において、CPU21は、ステップS10で取得した衛星画像及び車両10の現在位置を利用者装置70に送信する。そして、CPU21は、制御処理を終了する。
【0055】
上記のように、第1の実施形態に係る車載器20では、CPU21は、衛星画像を取得する。そして、CPU21は、取得した衛星画像の解析結果に基づいて、衛星画像に写る車両10に搭載された車載機器40を制御する。これにより、当該車載器20では、車両10周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで車両10に搭載された車載機器40を制御することができる。
【0056】
また、第1の実施形態に係る車載器20では、CPU21は、衛星画像の解析結果から車両10に対する危険が検出された場合、カメラ40Aによる撮影を開始させる。これにより、当該車載器20では、車両10周辺を俯瞰的に見て車両10に対する危険が検出されたタイミングでカメラ40Aによる撮影を開始することができる。
【0057】
また、第1の実施形態に係る車載器20では、CPU21は、車両10に対する危険が検出された位置が撮影範囲に含まれるように、カメラ40Aの画角を制御する。これにより、当該車載器20では、車両10に対する危険を検出するきっかけとなった対象が撮影される可能性を高められる。
【0058】
また、第1の実施形態に係る車載器20では、CPU21は、衛星画像の解析結果から車両10に対する危険が検出された場合に、衛星画像及び車両10の現在位置を所定の利用者に提供する。これにより、当該車載器20では、検出した危険に基づいて車両10に対する問題が発生した場合に、当該問題の解決に寄与することができる。具体的には、CPU21が上記衛星画像及び車両10の現在位置を利用者が保有する利用者装置70に送信すること、事故又は事件の発生を未然に防いだり、事故又は事件が発生した際の現場資料を提供したりすることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係る制御システム100の第2の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0060】
第2の実施形態の制御部21Cは、解析部21Bによる衛星画像の解析結果に基づいて、衛星画像に写る車両10に搭載された車載機器40としてのモニタ40Bを制御する。具体的には、制御部21Cは、車両10が駐車場に駐車する最中である場合、モニタ40Bに、当該衛星画像に写る車両10の俯瞰画像を表示させる。一例として、制御部21Cは、車載機器40としてのシフトレバー(図示せず)のシフトポジション及び車両10の現在位置等に基づいて、車両10が駐車場に駐車する最中であるか否かを決定する。
【0061】
図6は、制御処理の流れを示す第2のフローチャートである。
図6に示すステップS20において、CPU21は、人工衛星50から車両10周辺を撮影した衛星画像を取得する。そして、CPU21は、ステップS21に進む。
【0062】
ステップS21において、CPU21は、車両10が駐車場に駐車する最中であるか否かを判定し、車両10が駐車場に駐車する最中であると判定した場合(ステップS21:YES)、ステップS22に進む。一方、CPU21は、車両10が駐車場に駐車する最中でないと判定した場合(ステップS21:NO)、制御処理を終了する。
【0063】
ステップS22において、CPU21は、モニタ40Bに、ステップS20で取得した衛星画像に写る車両10の俯瞰画像を表示させる。そして、CPU21は、制御処理を終了する。
【0064】
上記のように、第2の実施形態に係る車載器20では、CPU21は、車両10が駐車場に駐車する最中である場合、モニタ40Bに衛星画像に写る車両10の俯瞰画像を表示させる。これにより、当該車載器20では、実際の車両10の画像を見ながら駐車させることができ、駐車支援としてモニタ40Bに表示される内容について乗員が感じる違和感を低減することができる。
【0065】
(その他)
上記実施形態では、車載器20を情報処理装置の一例としたが、これに限らず、人工衛星50から衛星画像を取得可能な他装置(例:サーバ)を情報処理装置の一例としてもよいし、車載器20及び他装置の組合せを情報処理装置の一例としてもよい。例えば、他装置を情報処理装置の一例とした場合は、制御システム100において、複数台の車両10周辺を衛星画像に基づいて監視し、各車両10周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで対応する車両10に搭載された車載機器40を制御することができる。また、他装置を情報処理装置の一例とした場合は、他装置が、衛星画像の解析結果から車両10が駐車場に駐車する最中であるか否かを判定する。そして、他装置により車両10が駐車場に駐車する最中であると判定されたことに基づいて、制御システム100では、衛星画像に写る車両10の俯瞰画像がモニタ40Bに表示される。
【0066】
上記実施形態では、車両10周辺を俯瞰的に見て決定したタイミングで制御される車載機器40の例をカメラ40A又はモニタ40Bとしたが、当該車載機器40の例はこれに限られない。例えば、衛星画像の解析結果から車両10に対する危険があることが検出された場合、車載機器40としてのスピーカ(図示せず)から所定の警告音を出力させたり、車載機器40としてのランプ(図示せず)を所定のパターンで点灯させたりしてもよい。
【0067】
上記実施形態では、CPU21は、衛星画像の解析結果から車両10に対する危険があることが検出された場合に、当該衛星画像及び車両10の現在位置を所定の利用者に提供したが、これに限らず、当該衛星画像又は車両10の現在位置の何れか一方を所定の利用者に提供してもよい。
【0068】
なお、上記実施形態でCPU21がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した制御処理をCPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、制御処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0069】
また、上記実施形態では、制御プログラム24Aが記憶部24に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。制御プログラム24Aは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、制御プログラム24Aは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 車両
20 車載器(情報処理装置)
21A 取得部
21C 制御部
21D 提供部
40 車載機器
40A カメラ
40B モニタ
50 人工衛星