(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/10 20090101AFI20250819BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20250819BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20250819BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20250819BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250819BHJP
H04B 7/12 20060101ALI20250819BHJP
【FI】
H04W28/10
H04W24/04
H04W72/0457 110
H04W76/15
H04W84/12
H04B7/12
(21)【出願番号】P 2022121132
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2025-05-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス:https://www.silex.jp/backnumber/press/press_product_211216_sxpceax.html、掲載日:令和3年12月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】池内 良太
(72)【発明者】
【氏名】水迫 昌之
(72)【発明者】
【氏名】木地 隆浩
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/078170(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 7/12
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置と、前記第1通信装置と無線通信可能な第2通信装置と、前記第2通信装置と無線通信可能な前記第1通信装置とは異なる第3通信装置と、を備える通信システムであって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置が複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを前記第2通信装置へ通知するための複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを生成する複数帯域通信可能通知部と、
前記複数帯域通信可能通知情報を送信した後、前記第3通信装置を送信先とするデータフレームにデータフレーム識別情報を付加して、前記複数の周波数帯域それぞれを介して前記第2通信装置へ送信する第1送信制御部と、を有し、
前記第2通信装置は、
前記第1通信装置から送信される前記管理フレームに前記複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部と、
前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを取得するフレーム取得部と、
前記第3通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記複数帯域通信可否判定部が前記第3通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定すると、前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記第3通信装置へ送信する第2送信制御部と、を有する、
通信システム。
【請求項2】
前記複数帯域通信可否判定部は、前記第1通信装置が前記複数の周波数帯域を介して冗長化された無線通信が可能であることを前記第2通信装置へ通知するための冗長化可能通知情報を含む管理フレームを生成し、
前記第1送信制御部は、前記冗長化可能通知情報を送信した後、前記第2通信装置を送信先とするデータ識別情報を含む前記データフレームを生成して、前記複数の周波数帯域それぞれを介して前記第2通信装置へ送信し、
前記複数帯域通信可否判定部は、前記第1通信装置から送信される前記管理フレームに前記冗長化可能通知情報が含まれる場合、前記第1通信装置との間で前記冗長化された無線通信が可能であると判定し、
前記フレーム取得部は、前記第1通信装置との間で前記冗長化された無線通信が可能であると判定されると、前記第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを取得し、
前記第2送信制御部は、同一の前記データ識別情報を含む前記第3通信装置を送信先とする複数の前記データフレームのうちの1つの前記データフレームを前記第3通信装置へ送信し、他の前記データフレームを破棄する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第2送信制御部は、同一の前記データ識別情報を含む前記第3通信装置を送信先とする複数の前記データフレームのうち、最先で取得された1つの前記データフレームを前記第3通信装置へ送信し、他の前記データフレームを破棄する、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2通信装置は、前記データ識別情報を、前記データフレームを識別するデータフレーム識別情報に対応づけて記憶するデータ識別情報記憶部を更に有し、
前記第2送信制御部は、
(イ)前記データ識別情報記憶部が記憶する、取得した前記データフレームのデータフレーム識別情報に対応する前記データ識別情報が、取得した前記データフレームに含まれるデータ識別情報と異なる場合、前記データ識別情報記憶部が記憶する前記データ識別情報を、取得した前記データフレームに含まれる前記データ識別情報に更新してから、前記データフレームを前記第3通信装置へ送信し、
(ロ)前記データ識別情報記憶部が記憶する、取得した前記データフレームのデータフレーム識別情報に対応する前記データ識別情報が、取得した前記データフレームに含まれる前記データ識別情報と同一であり且つ前記第3通信装置との間で前記冗長化された無線通信が不可能であるとき、取得した前記データフレームを破棄する、
請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
他の第1通信装置と複数の周波数帯域を介して無線通信可能であり、前記他の第1通信装置とは異なる他の第2通信装置と無線通信可能な通信装置であって、
前記他の第1通信装置から送信される管理フレームに複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを通知する複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部と、
前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記他の第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される、前記他の第2通信装置を送信先とする、データフレーム識別情報が付与されたデータフレームを取得するフレーム取得部と、
前記他の第2通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記複数帯域通信可否判定部が前記他の第2通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定した場合、前記他の第2通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記他の第2通信装置へ送信する送信制御部と、を備える、
通信装置。
【請求項6】
第1通信装置と、前記第1通信装置と複数の周波数帯域を介して無線通信可能な第2通信装置と、前記第2通信装置と1つの周波数帯域を介して無線通信可能な前記第1通信装置とは異なる第3通信装置と、を用いた通信方法であって、
前記第1通信装置が、前記第1通信装置が前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを前記第2通信装置へ通知するための複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを生成するステップと、
前記第1通信装置が、前記複数帯域通信可能通知情報を送信した後、前記第3通信装置を送信先とする、データフレーム識別情報が付与されたデータフレームを生成して、前記複数の周波数帯域それぞれを介して前記第2通信装置へ送信するステップと、
前記第2通信装置が、前記第1通信装置から送信される前記管理フレームに前記複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介した無線通信が可能であると判定するステップと、
前記第2通信装置が、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを取得するステップと、
前記第2通信装置が、前記第3通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記第3通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定すると、前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記第3通信装置へ送信するステップと、を含む、
通信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
他の第1通信装置から送信される管理フレームに複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを通知する複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部、
前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記他の第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される、前記他の第1通信装置とは異なる他の第2通信装置を送信先とするデータフレーム識別情報を含むデータフレームを取得するフレーム取得部、
前記他の第2通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記他の第2通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定されると、前記他の第2通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記他の第2通信装置へ送信する送信制御部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コアネットワークに接続され無線通信におけるベースバンド処理等を実行するベースバンドユニットが設けられた収容局と、無線通信における無線周波数の処理等を実行する無線基地局装置として機能するRFユニットと、を備える基地局システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。この基地局システムでは、収容局とRFユニットとが、冗長化された通信回線を介して通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、特許文献1に記載されたような通信回線を冗長化する技術の一つとして、無線基地局と無線端末とが、それぞれ、互いに異なる複数の周波数帯域で無線通信が可能な単一の無線モジュールを搭載し、複数の周波数帯域で同一のフレームを送受信する技術が提供されつつある。しかしながら、無線基地局が、このような複数の周波数帯域を用いた無線通信技術に対応した通信装置から受信したフレームを、当該技術に対応していない通信装置へ送信する場合、複数の同一のフレームが当該技術に対応していない通信装置へ送信されてしまい、両通信装置の間での無線通信に使用される周波数帯域が無駄に消費され、不要になった同一フレームを破棄できず、スループットの低下を招く虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、複数の通信経路で複数の周波数帯域を用いた無線通信に対応していない無線通信装置が存在しても、スループットの低下を抑制できる通信システム、通信装置、通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、
第1通信装置と、前記第1通信装置と無線通信可能な第2通信装置と、前記第2通信装置と無線通信可能な前記第1通信装置とは異なる第3通信装置と、を備える通信システムであって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信装置が複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを前記第2通信装置へ通知するための複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを生成する複数帯域通信可能通知部と、
前記複数帯域通信可能通知情報を送信した後、前記第3通信装置を送信先とするデータフレームにデータフレーム識別情報を付加して、前記複数の周波数帯域それぞれを介して前記第2通信装置へ送信する第1送信制御部と、を有し、
前記第2通信装置は、
前記第1通信装置から送信される前記管理フレームに前記複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部と、
前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを取得するフレーム取得部と、
前記第3通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記複数帯域通信可否判定部が前記第3通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定すると、前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記第3通信装置へ送信する第2送信制御部と、を有する。
なお、複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であるとは、2つの無線通信インタフェースにより、同時並行的に複数の周波数帯域を介した無線通信が可能であることを意味し、複数の周波数帯域とは、2.4GHz帯および5GHz帯(W52帯、W53帯およびW56帯)などを指す。
【0007】
他の観点から見た本発明に係る通信装置は、
他の第1通信装置と複数の周波数帯域を介して無線通信可能であり、前記他の第1通信装置とは異なる他の第2通信装置と無線通信可能な通信装置であって、
前記他の第1通信装置から送信される管理フレームに複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを通知する複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部と、
前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記他の第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される、前記他の第2通信装置を送信先とする、データフレーム識別情報が付与されたデータフレームを取得するフレーム取得部と、
前記他の第2通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記複数帯域通信可否判定部が前記他の第2通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定した場合、前記他の第2通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記他の第2通信装置へ送信する送信制御部と、を備える。
【0008】
他の観点から見た本発明に係る通信方法は、
第1通信装置と、前記第1通信装置と複数の周波数帯域を介して無線通信可能な第2通信装置と、前記第2通信装置と1つの周波数帯域を介して無線通信可能な前記第1通信装置とは異なる第3通信装置と、を用いた通信方法であって、
前記第1通信装置が、前記第1通信装置が前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを前記第2通信装置へ通知するための複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを生成するステップと、
前記第1通信装置が、前記複数帯域通信可能通知情報を送信した後、前記第3通信装置を送信先とする、データフレーム識別情報が付与されたデータフレームを生成して、前記複数の周波数帯域それぞれを介して前記第2通信装置へ送信するステップと、
前記第2通信装置が、前記第1通信装置から送信される前記管理フレームに前記複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介した無線通信が可能であると判定するステップと、
前記第2通信装置が、前記第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを取得するステップと、
前記第2通信装置が、前記第3通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記第3通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定すると、前記第3通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記第3通信装置へ送信するステップと、を含む。
【0009】
他の観点から見た本発明に係るプログラムは、
コンピュータを、
他の第1通信装置から送信される管理フレームに複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを通知する複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部、
前記他の第1通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、前記他の第1通信装置から前記複数の周波数帯域それぞれを介して送信される、前記他の第1通信装置とは異なる他の第2通信装置を送信先とするデータフレーム識別情報を含むデータフレームを取得するフレーム取得部、
前記他の第2通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、前記他の第2通信装置との間で前記複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定されると、前記他の第2通信装置を送信先とする前記データフレームを、前記データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して前記他の第2通信装置へ送信する送信制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る通信システムによれば、複数帯域通信可否判定部が、第1通信装置から送信される管理フレームに複数帯域通信可能との通知情報が含まれる場合、第1通信装置との間で複数の周波数帯域を用いる無線通信が可能であると判定する。また、フレーム取得部が、第1通信装置との間で複数帯域を用いる無線通信が可能であると判定されると、第1通信装置から複数の周波数帯域それぞれを介して送信される第3通信装置を送信先とするデータフレームを取得する。そして、第2送信制御部が、第3通信装置との間で複数の周波数帯域を用いる無線通信が不可能であると判定されると、第3通信装置を送信先とするデータフレームを、1つの周波数帯域を介して第3通信装置へ送信する。これにより、第2通信装置から第3通信装置を送信先とする同一のデータフレームが送信されることが抑制されるので、第3通信装置が、複数の通信経路で複数の周波数帯域を用いた無線通信に対応していない場合でもデータフレーム送信におけるスループットの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る通信システムのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る通信システムの機能構成を示す図である。
【
図4】(A)は実施の形態に係る特定シーケンス番号記憶部が記憶する情報の一例を示す図であり、(B)は実施の形態に係る冗長化可否情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】実施の形態に係るデータフレームの一例を示す図である。
【
図7】実施の形態に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図8】(A)は実施の形態に係る通信システムにおけるデータフレームの流れを説明する模式図であり、(B)は実施の形態に係る通信システムにおける基地局の動作説明図である。
【
図9】実施の形態に係る基地局が実行する通信制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】変形例に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図11】変形例に係る通信システムにおけるデータフレームの流れを説明する模式図である。
【
図12】変形例に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図13】変形例に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る通信システムについて図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る通信システムは、第1通信装置と無線通信可能な第2通信装置と、第2通信装置と無線通信可能な第1通信装置とは異なる第3通信装置と、を備える。第1通信装置は、第1通信装置が複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であることを第2通信装置へ通知するための複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを生成する複数帯域通信可能通知部と、複数帯域通信可能通知情報を送信した後、第3通信装置を送信先とするデータフレームにデータフレーム識別情報を付加して、複数の周波数帯域それぞれを介して第2通信装置へ送信する第1送信制御部と、を有する。第2通信装置は、第1通信装置から送信される管理フレームに複数帯域通信可能通知情報が含まれる場合、第1通信装置との間で複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定する複数帯域通信可否判定部と、第1通信装置との間で複数の周波数帯域を介して無線通信が可能であると判定されると、第1通信装置から複数の周波数帯域それぞれを介して送信される第3通信装置を送信先とするデータフレームを取得するフレーム取得部と、第3通信装置から複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できず、複数帯域通信可否判定部が第3通信装置との間で複数の周波数帯域を介して無線通信が不可能であると判定すると、第3通信装置を送信先とするデータフレームを、データフレーム識別情報に基づいて、1つの周波数帯域を介して第3通信装置へ送信する第2送信制御部と、を有する。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
本実施の形態に係る通信システムは、例えば
図1に示すように、2つの端末装置3A、3Bと、中継装置2と、基地局1と、を備える。基地局1は、例えば家庭内ネットワーク、オフィス内無線LANとして採用されるアクセスポイントであり、中継装置2および端末装置3Bと無線通信する。端末装置3Aは、例えば汎用のパーソナルコンピュータであり、中継装置2に有線通信ネットワークNW0を介して接続されている。中継装置2は、端末装置3Aと有線通信すると共に基地局1との間で無線通信し、端末装置3Aと基地局1との間で送受信される管理フレーム、データフレームを中継する第1通信装置である。端末装置3Bは、例えば無線モジュールを備える汎用のパーソナルコンピュータであり、基地局1との間で無線通信可能な第2通信装置として機能する。以下、本発明の実施の形態の説明においては、基地局1と中継装置2との間は、複数の周波数帯域を介した無線通信が可能であるとし、一方、端末装置3Bは複数の周波数帯域を介したフレームの送受信が不可能であるため、基地局1との間で、かかる無線通信ができない例として説明する。また、中継装置2と端末装置3Aとは有線接続されており、ここでも当然に複数の周波数帯域を介したフレームの送受信は行われない。なお、本発明の実施の別形態として、
図1に示す通信システムに限らず、端末装置3Aと中継装置2が無線通信ネットワークにより接続された通信システムでも良いが、その場合、端末装置3Aは複数の周波数帯域を介したフレームの送受信が不可能である例として以下の説明を理解されたい。
【0014】
中継装置2の各ハードウェア構成および当該中継装置2が備える各機能について、
図2から
図4を用いて、詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態に係る中継装置2は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、2つの無線モジュール205A、205Bと、有線通信インタフェース206と、各部を接続するバス209と、を備える第1通信装置である。主記憶部202は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリから構成され、CPU201の作業領域として使用される。補助記憶部203は、不揮発性メモリ(例えばROM(Read Only Memory)、または、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等から構成され、中継装置2を制御するためのプログラムを記憶する。
【0016】
無線モジュール205A、205Bは、それぞれ、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で通信する。無線モジュール205A、205Bは、それぞれ、アンテナ(図示せず)と、受信回路(図示せず)と、信号処理部(図示せず)と、送信回路(図示せず)と、を有する。受信回路は、アンテナを介して無線信号を受信し、受信した無線信号に対応する信号を復調してベースバンド信号を生成して信号処理部へ出力する。送信回路は、信号処理部から入力されるベースバンド信号を用いてキャリア信号を変調することにより、送信するフレームに対応する無線信号を生成し、生成した無線信号を、アンテナを介して送信する。信号処理部は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により実現され、受信回路から入力されるベースバンド信号に基づいて受信回路が受信した無線信号に対応するフレームを生成してバス209へ送出する。また、信号処理部は、主記憶部202からバス209を介して転送されてきた各種フレームに基づいてベースバンド信号を生成して送信回路へ出力する。また、無線モジュール205A、205Bは、互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを利用し、例えば、無線モジュール205Aが、2.4GHzの周波数帯域に属するチャネルを利用し、無線モジュール205Bが、5GHzの周波数帯域に属するチャネルを利用する。なお、本実施の形態に係る中継装置2では、無線モジュール205A、205Bの互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを利用する2つの無線モジュールを備えるとして説明するが、例えばこれらの無線モジュールは、複数の互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを互いに独立して同時並行的に無線通信を行うことができる無線ICチップ(またはこれを備えた単一のモジュールでもよい)で置き換えられてもよい。より具体的には、例えば無線ICチップは2.4GHzの周波数帯域に属するチャネルおよび5GHzの周波数帯域に属するチャネルを互いに独立して無線通信を行うことができる。なお、当該無線ICチップを用いて2つの周波数帯域に属するチャネルを利用して無線通信できるようにデータフレームを送受信するときにはMAC層で2つのMACアドレスを割り振るようにすることで、前述の無線モジュール205A、205Bの同等の機能を発揮できる。こうしたハードウェア構成を踏まえて、複数の周波数帯域を介した無線通信が可能となるが、その重要な実施形態の例として、以下、無線状況が不安定な環境下でも確実に無線通信を可能にするため、複数の周波数帯域に同一のデータフレームを送信する冗長化目的に適用される例を取り上げる。また、例えば、無線モジュール205Aおよび無線モジュール205Bは、同じ周波数帯域(例えば5GHzの周波数帯域)に属する異なるチャネル(例えばW52帯の36ch、W56帯の100chなど)を利用することで同時並行的に複数の周波数帯域で無線通信を実現することもできる。しかしながら、適用する周波数帯域によっては通信用の空きチャネルの不足や法規制上の制約(例えば、5GHzの周波数帯域のレーダ―波監視など)などを考慮すると、上述した複数の互いに異なる周波数帯域に属するチャネル(2.4GHzの周波数帯域に属するチャネルおよび5GHzの周波数帯域に属するチャネル)を利用する方がより好ましい。
【0017】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、冗長化可能通知部215、フレーム取得部211、種類判別部212、冗長化可否判定部213および送信制御部214として機能する。また、
図2に示す補助記憶部203は、
図3に示すように、冗長化可否情報記憶部231を有する。更に、
図2に示す主記憶部202は、
図3に示すように、有線通信インタフェース206または無線モジュール205A、205Bにより受信されたデータフレームを一時的に記憶するフレームバッファ221と、特定シーケンス番号記憶部222と、を有する。
【0018】
図3に戻って、特定シーケンス番号記憶部222は、例えば
図4(A)に示すように、データフレームを識別するデータフレーム識別情報と特定シーケンス番号情報とを、データフレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて記憶する。ここで、特定シーケンス番号情報とは、冗長化された複数のデータフレーム(即ち、1以上の同じ複数のデータフレーム)を認識するために予め付加されたシーケンス番号を示す情報である。なお、特定シーケンス番号は、例えばTCP/IP通信などにおいてアプリケーション層で付与されるデータフレームを受信後に並び替えるために用いられる順序を示す番号情報とは異なる。
【0019】
冗長化可否情報記憶部231は、例えば
図4(B)に示すように、中継装置2との間で冗長化された無線通信が可能であるか否かを示す冗長化可否情報を、データフレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて記憶する。
【0020】
冗長化可能通知部215は、中継装置2が複数の周波数帯域を介して冗長化された無線通信が可能であることを基地局1へ通知するための冗長化可能通知情報を含む管理フレームを生成する複数帯域通信可能通知部である。具体的には、冗長化可能通知部215は、例えば冗長化可能通知情報を含むプローブ要求フレームを生成する。そして、冗長化可能通知部215は、生成した管理フレームを送信制御部214に通知する。なお、管理フレームは、例えば無線通信における種々の情報を装置間でやり取りするために無線通信規格(例えばIEEE802.11通信規格)により定められたマネージメントフレームやアクションフレームなどが挙げられる。
【0021】
フレーム取得部211は、端末装置3Aから送信されるデータフレームを、有線通信インタフェース206を介して取得すると、取得したデータフレームをフレームバッファ221に記憶させる。また、フレーム取得部211は、基地局1から送信される管理フレームまたはデータフレームを、無線モジュール205Aおよび205Bを介して取得すると、取得した各種フレームを種類判別部212に通知する。
【0022】
種類判別部212は、フレーム取得部211から通知されるフレームについて、当該フレームの種類、即ち、当該フレームがそのフレームの送信元について冗長化された無線通信が可能であるか否かを判定するための管理フレームか、もしくはデータフレームであるかを判別する。そして、種類判別部212は、フレーム取得部211から通知されるフレームが前述の管理フレームであると判別すると、管理フレームを送信制御部214および冗長化可否判定部213に通知する。一方、種類判別部212は、フレーム取得部211から通知されるフレームがデータフレームであると判別すると、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報とデータフレームの送信元のMACアドレス情報とを抽出する。そして、種類判別部212は、データフレームをフレームバッファ221に記憶させるとともに、抽出した特定シーケンス番号情報を、抽出したMACアドレス情報に対応づけて特定シーケンス番号記憶部222に記憶させる。
【0023】
冗長化可否判定部213は、種類判別部212から管理フレームが通知されると、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれるか否かを判定する複数帯域通信可否判定部である。そして、冗長化可否判定部213は、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれると判定すると、管理フレームの送信元が冗長化された無線通信が可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部231に記憶させる。一方、冗長化可否判定部213は、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれていない(つまり、複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できない)と判定すると、管理フレームの送信元が冗長化された無線通信が不可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部231に記憶させる。
【0024】
送信制御部214は、基地局1との通信を開始する際、冗長化可能通知部215から通知された冗長化可能通知情報を含む管理フレームを無線モジュール205Aまたは205Bを介して基地局1へ送信する。また、送信制御部214は、冗長化可能通知情報を含む管理フレームを送信した後、フレームバッファ221が記憶する、端末装置3Bを送信先とするデータフレームに、当該データフレームを識別する特定シーケンス番号情報を付加したデータフレームを生成する。そして、送信制御部214は、当該生成したデータフレームを、2つの無線モジュール205Aおよび205Bにより、2つの周波数帯域それぞれに属するチャネルを介して基地局1へ送信する。ここで、2つのチャネルを介して送信されるデータフレームは、当然同一のシーケンス番号が付与されている。また、2つの周波数帯域としては、例えば2.4GHz帯と5GHz帯とを採用するのが好ましい。
【0025】
また、送信制御部214は、フレームバッファ221が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部222に記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられた特定シーケンス番号情報におけるシーケンス番号と異なるか否かを判定する。ここで、送信制御部214は、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられたシーケンス番号情報が示すシーケンス番号と異なる場合、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報を新たに記憶する。その後、送信制御部214は、フレームバッファ221が記憶するデータフレームをデータフレームの送信先の端末装置3Aまたは基地局1へ送信する。また、送信制御部214は、フレームバッファ221が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられた特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と同一である場合、まず冗長化可否情報記憶部231が記憶する取得したデータフレームの送信先の冗長化可否情報を参照して、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であるか否かを判定する。ここで、送信制御部214は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であると判定すると、フレームバッファ221が記憶する当該データフレームを、当該データフレームの送信先(例えば基地局1)へ送信する。一方、送信制御部214は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が不可能であると判定すると、フレームバッファ221が記憶する当該データフレームを破棄する。
【0026】
更に、送信制御部214は、フレーム取得部211から管理フレームであるビーコンフレームが通知された場合、ビーコンフレームに含まれるSSIDが自局に付与されたSSIDと同一であるとき、ビーコンフレームの送信元のMACアドレスと無線通信を行うための一連の処理を開始する。また、送信制御部214は、フレーム取得部211から管理フレームである認証要求フレームが通知された場合、これに応じて、認証要求フレームの送信元のMACアドレスを宛先MACアドレスとする認証応答フレームを生成して無線モジュール205A、205Bに転送する。ここで、認証要求フレーム、認証応答フレームは、例えばオープンシステム認証を行うためのフレームである。更に、送信制御部214は、フレーム取得部211から管理フレームであるアソシエーション要求フレームが通知された場合、これに応じて、アソシエーション要求フレームの送信元のMACアドレスを宛先MACアドレスとするアソシエーション応答フレームを生成して無線モジュール205A、205Bに転送する。
【0027】
次に、基地局1の各ハードウェア構成および当該基地局1が備える各機能について、同じく
図2から
図4を用いて、詳細に説明する。
【0028】
基地局1は、
図2に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、2つの無線モジュール105A、105Bと、各部を接続するバス109と、を備える第2通信装置である。主記憶部102は、RAMのような揮発性メモリから構成され、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、不揮発性メモリ、または、SSD、HDD等から構成され、基地局1を制御するためのプログラムを記憶する。
【0029】
無線モジュール105A、105Bは、それぞれ、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で通信する。無線モジュール105A、105Bは、それぞれ、アンテナ(図示せず)と、受信回路(図示せず)と、信号処理部(図示せず)と、送信回路(図示せず)と、を有する。受信回路は、アンテナを介して無線信号を受信し、受信した無線信号に対応する信号を復調してベースバンド信号を生成して信号処理部へ出力する。送信回路は、信号処理部から入力されるベースバンド信号を用いてキャリア信号を変調することにより、送信するフレームに対応する無線信号を生成し、生成した無線信号を、アンテナを介して送信する。信号処理部は、受信回路から入力されるベースバンド信号に基づいて受信回路が受信した無線信号に対応するフレームを生成してバス109へ送出する。また、信号処理部は、主記憶部102からバス109を介して転送されてきた各種フレームに基づいてベースバンド信号を生成して送信回路へ出力する。2つの無線モジュール105A、105Bは、互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを利用し、例えば無線モジュール105Aが、2.4GHzの周波数帯域に属するチャネルを利用し、無線モジュール105Bが、5GHzの周波数帯域に属するチャネルを利用する。なお、本実施の形態に係る基地局1では、無線モジュール105A、105Bの互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを利用する無線モジュールで説明するが、例えば無線モジュールは複数の互いに異なる周波数帯域に属するチャネルを互いに独立して無線通信を行うことができる無線ICチップ(またはこれを備えた単一のモジュールでもよい)で構成されていてもよい。
【0030】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、フレーム取得部111、種類判別部112、冗長化可否判定部113、送信制御部114および冗長化可能通知部115として機能する。また、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、冗長化可否情報記憶部131を有する。更に、
図2に示す主記憶部102は、
図3に示すように、無線モジュール105A、105Bにより受信されたデータフレームを一時的に記憶するフレームバッファ121を有する。フレームバッファ121は、取得したデータフレームを一時的に記憶する。特定シーケンス番号記憶部122は、例えば
図4(A)に示すように、データフレームを識別するデータフレーム識別情報と特定シーケンス番号情報とを、データフレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて記憶するデータ識別情報記憶部である。ここで、
図4(A)に示す送信元MACアドレス情報について、中継装置2として2つの送信元MACアドレス情報が示されているが、これは中継装置2に存在する2つの無線モジュールにそれぞれ互いに異なる2つのMACアドレスが付与されていることを示している。具体的には、
図2に示すように、MACアドレス「00:00:00:00:00:01」は無線モジュール205AのMACアドレスを示し、MACアドレス「00:00:00:00:00:02」は無線モジュール205BのMACアドレスを示している。
【0031】
冗長化可否情報記憶部131は、例えば
図4(B)に示すように、基地局1との間で冗長化された無線通信が可能であるか否かを示す冗長化可否情報を、基地局1と無線通信可能な中継装置2の各無線モジュール205A、205B、端末装置3B等に付与されたMACアドレスを示すMACアドレス情報に対応づけて記憶する。具体的には、中継装置2の無線モジュール205Aおよび205Bは冗長化された無線通信が可能であり(F1(可))、端末装置3Bは冗長化された無線通信が不可能である(F2(不可))ことを示している。
【0032】
図3に戻って、フレーム取得部111は、中継装置2または端末装置3Bから送信される管理フレームまたはデータフレームを、無線モジュール105Aおよび105Bを介して取得すると、取得した各種フレームを種類判別部112に通知する。種類判別部112は、フレーム取得部111から通知されるフレームについて、当該フレームの種類、即ち、当該フレームがそのフレームの送信元について冗長化された無線通信が可能であるか否かを判定するための管理フレームか、もしくはデータフレームであるかを判別する。そして、種類判別部112は、フレーム取得部111から通知されるフレームが管理フレームであると判別すると、管理フレームを送信制御部114および冗長化可否判定部113に通知する。一方、種類判別部112は、フレーム取得部111から通知されるフレームがデータフレームであると判別すると、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報とデータフレームの送信元のMACアドレス情報とを抽出する。そして、種類判別部112は、データフレームを、抽出した特定シーケンス番号情報とMACアドレス情報との組み合わせに対応づけて特定シーケンス番号記憶部122に記憶させる。
【0033】
冗長化可否判定部113は、種類判別部112から管理フレームが通知されると、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれるか否かを判定する複数帯域通信可否判定部である。そして、冗長化可否判定部113は、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれると判定すると、管理フレームの送信元が冗長化された無線通信が可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる。一方、冗長化可否判定部113は、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれていない(つまり、複数帯域通信可能通知情報を含む管理フレームを受信できない)と判定すると、管理フレームの送信元が冗長化された無線通信が不可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる。
【0034】
送信制御部114は、中継装置2との通信を開始する際、冗長化可能通知部115から通知された冗長化可能通知情報を含む管理フレームを無線モジュール105Aまたは105Bを介して中継装置2へ送信する。また、送信制御部114は、冗長化可能通知情報を含む管理フレームを送信した後、フレームバッファ121が記憶する、端末装置3Bを送信先とするデータフレームに、当該データフレームを識別する特定シーケンス番号情報を付加したデータフレームを生成する。そして、送信制御部114は、当該生成したデータフレームを、2つの無線モジュール105Aおよび105Bにより、2つの周波数帯域それぞれに属するチャネルを介して中継装置2へ送信する。
【0035】
また、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられた特定シーケンス番号情報におけるシーケンス番号と異なるか否かを判定する。ここで、送信制御部114は、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられた特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と異なる場合、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報を新たに記憶する。その後、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームをデータフレームの送信先の端末装置3Bまたは中継装置2へ送信する。また、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、既に取得したデータフレームのデータフレーム識別情報に対応づけられた特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と同一である場合、冗長化可否情報記憶部131が記憶するデータフレームの送信先の冗長化可否情報を参照して、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であるか否かを判定する。ここで、送信制御部114は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であると判定すると、フレームバッファ121が記憶する当該データフレームを、当該データフレームの送信先(例えば中継装置2)へ送信する。一方、送信制御部114は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が不可能であると判定すると、フレームバッファ121が記憶する当該データフレームを破棄する。
【0036】
また、送信制御部114は、例えば冗長化可否情報記憶部131が記憶する端末装置3Bに対応する冗長化可否情報を参照して、端末装置3Bが冗長化された無線通信に対応していないと判定したとする。この場合、送信制御部114は、同一の特定シーケンス番号情報を含む端末装置3BのMACアドレスを宛先MACアドレスとする2つのデータフレームのうち最先で取得された1つのデータフレームを端末装置3Bへ送信し、後に取得された他のデータフレームを破棄する。ここで、送信制御部114は、例えば中継装置2から2.4GHzの周波数帯域に属するチャネルを介してデータフレームを取得した後、同一の特定シーケンス番号情報を含むデータフレームを5GHzの周波数帯域に属するチャネルを介して取得したとする。この場合、送信制御部114は、5GHzの周波数帯域に属するチャネルを介して取得したデータフレームを破棄する。
【0037】
更に、送信制御部114は、フレーム取得部111から管理フレームであるプローブ要求フレームが通知された場合、プローブ要求フレームに含まれるSSIDが自局に付与されたSSIDと同一であるとき、プローブ要求フレームの送信元のMACアドレスを宛先MACアドレスとするプローブ応答フレームを生成して無線モジュール105A、105Bに転送する。また、送信制御部114は、フレーム取得部111から管理フレームである認証要求フレームが通知された場合、これに応じて、認証要求フレームの送信元のMACアドレスを宛先MACアドレスとする認証応答フレームを生成して無線モジュール105A、105Bに転送する。ここで、認証要求フレーム、認証応答フレームは、例えばオープンシステム認証を行うためのフレームである。更に、送信制御部114は、フレーム取得部111から管理フレームであるアソシエーション要求フレームが通知された場合、これに応じて、アソシエーション要求フレームの送信元のMACアドレスを宛先MACアドレスとするアソシエーション応答フレームを生成して無線モジュール105A、105Bに転送する。
【0038】
冗長化可能通知部115は、基地局1が複数の周波数帯域を介して冗長化された無線通信が可能であることを中継装置2へ通知するための冗長化可能通知情報を含む管理フレームを生成する複数帯域通信可能通知部である。具体的には、冗長化可能通知部115は、例えば冗長化可能通知情報を含むビーコンフレームを生成し、生成した管理フレームを送信制御部114に通知する。そして、送信制御部114は、中継装置2との通信を開始する際、冗長化可能通知部115から通知された冗長化可能通知情報を含む管理フレームを中継装置2へ送信する。なお、管理フレームは、例えば無線通信における種々の情報を装置間でやり取りするために無線通信規格(例えばIEEE802.11通信規格)により定められたマネージメントフレームやアクションフレームなどが挙げられる。
【0039】
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作について
図5乃至
図7を参照しながら詳細に説明する。なお、
図5、
図7では、ACK(ACKnowledgement)フレームの送受信については図示を省略している。なお、
図5に示す一例では、はじめに端末装置3Aから中継装置2および基地局1を経由して端末装置3Bに向けて、データフレームが送信され、のちに(ステップS29以降)端末装置3Bから基地局1および中継装置2を経由して端末装置3Aに向けて、データフレームが送信される例で説明する。また、
図5に示す一例では、基地局1および中継装置2は、冗長化された無線通信が可能である装置であり、端末装置3Aおよび3Bは、冗長化された無線通信が不可能である装置の例として説明する。まず、
図5に示すように、中継装置2が、基地局1と無線接続する際、中継装置2が複数の周波数帯域を介して冗長化された無線通信が可能であることを基地局1へ通知するための冗長化可能通知情報を含むプローブ要求フレームを生成する(ステップS1)。次に、生成されたプローブ要求フレームが、中継装置2から基地局1へ送信される(ステップS2)。一方、基地局1がプローブ要求フレームを取得すると、これに応じて、プローブ応答フレームが、基地局1から中継装置2へ送信される(ステップS3)。続いて、基地局1は、取得した中継装置2から送信されたプローブ要求フレームに冗長化可能通知情報が含まれている場合、中継装置2との間で冗長化された無線通信が可能、即ち、無線通信の冗長化が可能であると判定する(ステップS4)。その後、基地局1は、中継装置2との無線通信の冗長化が可能であることを示す冗長化可否情報を、中継装置2の無線モジュール205A、205BのMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる(ステップS5)。また、認証要求フレームが、中継装置2から基地局1へ送信されると(ステップS6)、これに応じて、認証応答フレームが、基地局1から中継装置2へ送信される(ステップS7)。次に、アソシエーション要求フレームが、中継装置2から基地局1へ送信されると(ステップS8)、これに応じて、アソシエーション応答フレームが、基地局1から中継装置2へ送信される(ステップS9)。これにより、中継装置2と基地局1との間でデータフレームの送受信が可能な状態となる。
【0040】
また、端末装置3Bが、基地局1と無線接続する際、前述の冗長化可能通知情報を含まないプローブ要求フレームが、端末装置3Bから基地局1へ送信される(ステップS10)。一方、基地局1がプローブ要求フレームを取得すると、これに応じて、プローブ応答フレームが、基地局1から端末装置3Bへ送信される(ステップS11)。続いて、基地局1は、取得した端末装置3Bから送信されたプローブ要求フレームに冗長化可能通知情報が含まれていない場合、端末装置3Bとの間では無線通信の冗長化が不可能であると判定する(ステップS12)。その後、基地局1は、端末装置3Bとの無線通信の冗長化が不可能であることを示す冗長化可否情報を、端末装置3BのMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる(ステップS13)。また、認証要求フレームが、端末装置3Bから基地局1へ送信されると(ステップS14)、これに応じて、認証応答フレームが、基地局1から端末装置3Bへ送信される(ステップS15)。次に、アソシエーション要求フレームが、端末装置3Bから基地局1へ送信されると(ステップS16)、これに応じて、アソシエーション応答フレームが、基地局1から端末装置3Bへ送信される(ステップS17)。これにより、端末装置3Bと基地局1との間でデータフレームの送受信が可能な状態となる。なお、
図5に詳細に図示しないが、基地局1も、中継装置2と無線接続する際、基地局1が複数の周波数帯域を介して冗長化された無線通信が可能であることを中継装置2へ通知するための冗長化可能通知情報を含むビーコンフレームを生成する。そして、生成されたビーコンフレームが、基地局1から中継装置2へ送信される。そして、中継装置2は、取得した基地局1から送信されたビーコンフレームに冗長化可能通知情報が含まれており、基地局1との間で無線通信の冗長化が可能であると判定すると、基地局1との無線通信の冗長化が可能であることを示す冗長化可否情報を、基地局1の無線モジュール105A、105BのMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部231に記憶させる。その後、中継装置2と基地局1との間で、前述の認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレームの送受信が実行される。これにより、中継装置2および基地局1は互いに無線通信の冗長化が可能である装置であることを互いの冗長化可否情報記憶部に記憶されている状態になる。
【0041】
続いて、データフレームが、端末装置3Aから有線通信ネットワークNW0を介して中継装置2へ送信されると(ステップS18)、中継装置2は、取得したデータフレームに特定シーケンス番号情報を付加することにより、特定シーケンス番号情報を含むデータフレームを生成する(ステップS19)。このデータフレームは、例えば
図6に示すように、MACペイロードに含まれるデータの先頭に特定シーケンス番号情報が付加された構造を有する。
図5に戻って、その後、生成されたデータフレームが、前述の異なる2つの周波数帯域に属するチャネルを介して、中継装置2から基地局1へ送信される(ステップS20)。例えばデータフレームが、2.4GHzおよび5GHzの周波数帯域に属するチャネルを介して中継装置2から基地局1へ送信される。一方、基地局1は、
図7に示すように、既に取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定したとする(ステップS21)。そして、基地局1が、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームに付与されていたシーケンス番号全て(つまり、既に届いているデータフレームに付与されていたシーケンス番号の全て)と異なると判定したとする(ステップS22)。この場合、基地局1は、既に特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報に加え、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報を新たに記憶する(ステップS23)。次に、データフレームが、基地局1から端末装置3Bへ送信される(ステップS24)。ステップS25のデータフレームの直後に、ステップS20において送信されたデータフレームと同一のデータフレームが、前述の2つの周波数帯域のうちの他方の周波数帯域に属するチャネルを介して中継装置2から基地局1へ送信される(ステップS25)。例えばデータフレームが、5GHzの周波数帯域に属するチャネルを介して中継装置2から基地局1へ送信される。一方、基地局1が、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定したとする(ステップS26)。そして、基地局1が、取得したデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームのいずれかに付与されていたシーケンス番号(つまり、既に届いているデータフレームのいずれかに付与されていたシーケンス番号)と同一と判定する(ステップS27)。この場合、基地局1は、当該データフレームを破棄する(ステップS28)。
【0042】
また、端末装置3Aを送信先とするデータフレームが、端末装置3Bから基地局1へ送信されたとする(ステップS29)。そして、基地局1が、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含まないと判定したとする(ステップS30)。この場合、基地局1は、取得したデータフレームに特定シーケンス番号情報を付加することにより、特定シーケンス番号情報を含むデータフレームを生成する(ステップS31)。
【0043】
その後、生成されたデータフレームが、異なる2つの周波数帯域のうちの1つに属するチャネルを介して基地局1から中継装置2へ送信される(ステップS32)。一方、中継装置2が、取得したデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームに付与されていたシーケンス番号全て(つまり、既に届いているデータフレームに付与されていたシーケンス番号の全て)と異なると判定したとする(ステップS33)。この場合、中継装置2は、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報を、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報に新たに記憶する(ステップS34)。ステップS25のデータフレームの直後に、データフレームが、有線通信ネットワークNW0を介して中継装置2から端末装置3Aへ送信される(ステップS35)。
【0044】
また、ステップS32におけるフレームと同一のデータフレームが、2つの周波数帯域のうちの他方の周波数帯域に属するチャネルを介して基地局1から中継装置2へ送信されたとする(ステップS36)。このとき、中継装置2において、取得したデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部222が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームのいずれかに付与されていたシーケンス番号(つまり、既に届いているデータフレームのいずれかに付与されていたシーケンス番号)と同一と判定したとする(ステップS37)。この場合、中継装置2は、取得したデータフレームを破棄する(ステップS38)。中継装置2と端末装置3Aの間は有線通信経路で接続されており、冗長化通信に対応していないからである。
【0045】
結局、本実施の形態に係る通信システムでは、
図8(A)に示すように、連続するデータフレームDFA、DFBが、端末装置3Aから中継装置2へ送信されると、中継装置2において特定シーケンス番号情報が付加され、その後、同一の連続データフレームDFA、DFBが、2.4GHz帯に属するチャネルと5GHz帯に属するチャネルとのそれぞれを介して中継装置2から基地局1へ送信される。そして、基地局1は、端末装置3Bが冗長化不可であることに伴って、前述の2つのチャネルそれぞれを介して取得した同一の連続データフレームDFA、DFBのうちのいずれか一方のみを端末装置3Bへ送信し、他方を破棄する。その際、基地局1は、前述の2つのチャネルそれぞれを介して取得した同一の連続データフレームDFA、DFBのうち、先に基地局1に到達した連続データフレームDFA、DFBのみを端末装置3Bへ送信し他方を破棄する。例えば
図8(B)に示すように、2.4GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFAが時刻T0に到達し、5GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFAが時刻T0より後の時刻T1に基地局1に到達したとする。この場合、2.4GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFAが端末装置3Bへ送信され、5GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFAが破棄される。これとは逆に、データフレームDFBを送信する際に、5GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFBが時刻T2に到達し、2.4GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFBが時刻T2より後の時刻T3に基地局1に到達した場合、5GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFBが端末装置3Bへ送信され、後から到達した2.4GHz帯に属するチャネルを介して取得したデータフレームDFBが破棄される。
【0046】
次に、本実施の形態に係る基地局1が実行する通信制御処理について
図9を参照しながら詳細に説明する。この通信制御処理は、例えば基地局1、中継装置2へ電源が投入されたことを契機として開始される。なお、
図9では、基地局1で実行される通信制御処理について説明し、中継装置2が実行する通信制御処理については説明を省略する。また、基地局1が、認証要求フレーム、アソシエーション要求フレームを取得する処理、並びに、ACKフレーム、認証応答フレーム、アソシエーション応答フレームを送信する処理については図示を省略している。また、基地局1が、プローブ要求フレーム、認証要求フレーム、アソシエーション要求フレーム以外の管理フレームを取得する処理、並びに、プローブ応答フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション応答フレーム以外の管理フレームを送信する処理についても図示を省略している。これらの処理は、
図9に示す通信制御処理の一部(ステップS103~ステップS117)と別に適宜実行される。なお、前述したとおり、プローブ要求フレームには冗長化可能通知情報が含まれる。
【0047】
まず、冗長化可能通知部115は、中継装置2との間での無線接続を実行するための無線接続イベントが発生したか否かを判定する(ステップS101)。無線接続イベントは、例えば基地局1への電源投入後の起動処理の完了、中継装置2との無線接続が遮断された後の再接続等が挙げられる。ここで、冗長化可能通知部115が、前述の無線接続イベントが発生していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS103の処理が実行される。一方、冗長化可能通知部111が、前述の無線接続イベントが発生したと判定した場合(ステップS101:Yes)、冗長化可能通知部115が、冗長化可能通知情報を含むプローブ要求フレームを生成し、送信制御部114が、生成されたプローブ要求フレームを中継装置2へ送信する(ステップS102)。そして、フレーム取得部111、送信制御部114が、中継装置2との間で、前述のプローブ応答フレーム、認証要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション要求フレームおよびアソシエーション応答フレームの送受信を完了することにより、中継装置2へデータフレームを送信できる状態となる。
【0048】
次に、フレーム取得部111は、中継装置2または端末装置3Bから送信されるフレームを取得したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、フレーム取得部111は、フレームを取得しない限り(ステップS103:No)、ステップS103の処理を繰り返し実行する。一方、フレーム取得部111は、フレームを取得したと判定すると(ステップS103:Yes)、取得したフレームを種類判別部112に通知する。続いて、種類判別部112は、フレーム取得部111から通知されるフレームについて、当該フレームがそのフレームの送信元について冗長化された無線通信が可能であるか否かを判定するための管理フレームであるか否かを判別する(ステップS104)。ここで、種類判別部112が、フレームが前述の管理フレームであると判別すると(ステップS104:Yes)、管理フレームを送信制御部114および冗長化可否判定部113に通知する。
【0049】
その後、冗長化可否判定部113は、種類判別部112から通知される管理フレームに基づいて、管理フレームの送信元との間での無線通信の冗長化が可能であるか否かを判定する(ステップS105)。ここでは、冗長化可否判定部113が、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれるか否かを判定し、管理フレームに冗長化可能通知情報が含まれると判定すると、管理フレームの送信元との間での無線通信の冗長化が可能であると判定する。ここで、冗長化可否判定部113は、管理フレームの送信元との間での冗長化が可能であると判定すると(ステップS105:Yes)、管理フレームの送信元との間での無線通信の冗長化が可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる(ステップS106)。次に、再びステップS103の処理が実行される。一方、冗長化可否判定部113は、管理フレームの送信元との間での無線通信の冗長化が不可能であると判定すると(ステップS105:No)、管理フレームの送信元との間での無線通信の冗長化が不可能であることを示す冗長化可否情報を、管理フレームの送信元のMACアドレス情報に対応づけて冗長化可否情報記憶部131に記憶させる(ステップS106)。続いて、再びステップS103の処理が実行される。
【0050】
また、種類判別部112は、前述のステップS102において、フレーム取得部111から通知されるフレームが前述の管理フレームではないと判別すると(ステップS104:No)、当該フレームがデータフレームであるか否かを判別する(ステップS108)。ここで、種類判別部112が、当該フレームがデータフレームではないと判別すると(ステップS108:No)、再びステップS103の処理が実行される。一方、種類判別部112が、当該フレームがデータフレームであると判別すると(ステップS108:Yes)、当該データフレームをフレームバッファ121に記憶させた後、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むか否かを判定する(ステップS109)。例えばデータフレームが、端末装置3Bから送信されたものである場合、特定シーケンス番号情報を含まない。フレームバッファ121が記憶するデータフレームが特定シーケンス番号情報を含まないと判定した場合(ステップS109:No)、送信制御部114は、冗長化可否情報記憶部131が記憶するデータフレームの送信先の冗長化可否情報を参照して、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であるか否かを判定する(ステップS110)。ここで、送信制御部114は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が不可能であると判定すると(ステップS110:No)、そのままデータフレームを送信先へ送信する(ステップS113)。一方、送信制御部114は、データフレームの送信先である中継装置2との間での無線通信の冗長化が可能であると判定すると(ステップS110:Yes)、データフレームに特定シーケンス番号情報を付加することにより特定シーケンス番号情報を含むデータフレームを生成する(ステップS111)。次に、送信制御部114は、生成したデータフレームを、前述の2つの周波数帯域のうちのいずれか一方の周波数帯域に属するチャネルを介して中継装置2へ送信する(ステップS112)。また同時に、送信制御部114は、同一のデータフレームを、前述の2つの周波数帯域のうちの他方の周波数帯域に属するチャネルを介して基地局1へ送信する(ステップS113)。その後、再びステップS103の処理が実行される。
【0051】
また、送信制御部114が、前述のステップS109において、フレームバッファ121が記憶するデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定したとする(ステップS109:Yes)。この場合、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームとのいずれかに付与されていたシーケンス番号全て(つまり、既に届いているデータフレームに付与されていたシーケンス番号の全て)と異なるか否かを判定する(ステップS114)。ここで、送信制御部114は、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームに付与されていたシーケンス番号全て(つまり、既に届いているデータフレームに付与されていたシーケンス番号の全て)と異なると判定したとする(ステップS114:Yes)。この場合、送信制御部114は、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報を、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報に新たに記憶する(ステップS115)。次に、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームをデータフレームの送信先の端末装置3Bまたは中継装置2へ送信する(ステップS113)。続いて、再びステップS103の処理が実行される。
【0052】
一方、送信制御部114は、フレームバッファ121が記憶するデータフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、直近の予め設定された期間内に取得したデータフレームに付与されていたシーケンス番号のいずれかと同一であると判定したとする(ステップS114:No)。この場合、送信制御部114は、冗長化可否情報記憶部131が記憶するデータフレームの送信先の冗長化可否情報を参照して、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であるか否かを判定する(ステップS116)。ここで、送信制御部114は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が可能であると判定すると(ステップS116:Yes)、フレームバッファ121が記憶する当該データフレームを、当該データフレームの送信先の中継装置2へ送信する(ステップS113)。ただし、直前の送信に用いた周波数帯域とは異なる周波数帯域を介して送信する。一方、送信制御部114は、データフレームの送信先との間での無線通信の冗長化が不可能であると判定すると(ステップS116:No)、フレームバッファ121が記憶する当該データフレームを破棄する(ステップS117)。続いて、再びステップS103の処理が実行される。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態に係る基地局1によれば、冗長化可否判定部113が、中継装置2から送信されるプローブ要求フレームに冗長化可能通知情報が含まれる場合、中継装置2との間で冗長化された無線通信が可能であると判定する。また、フレーム取得部111が、中継装置2から送信先が端末装置3Bであるデータフレームを、2つの周波数帯域それぞれに属するチャネルを介して取得する。そして、冗長化された無線通信が不可能である端末装置3Bに転送する際には、送信制御部114が、同一の特定シーケンス番号情報を含む複数のデータフレームのうちの1つのデータフレームを端末装置3Bへ送信し、他のデータフレームを破棄する。これにより、基地局1から送信先が端末装置3Bである同一のデータフレームが端末装置3Bへ重複して送信されることが抑制されるので、基地局1と端末装置3Bとの間での無線通信に使用される周波数帯域を低減することができ、データフレーム送信におけるスループットの低下を抑制できる。
【0054】
なお、本実施の形態に係る通信システムでは、主として、端末装置3Aから中継装置2および基地局1を経由して端末装置3Bに向けて、データフレームが送信される場合について説明したが、例えば、
図3に示すとおり、基地局1が冗長化可能通知部211を備え、中継装置2が種類判別部112、冗長化可否判定部113および冗長化可否情報記憶部131を備えることで、端末装置3Bから基地局1および中継装置2を経由して、冗長化された無線通信が不可能である端末装置3Aに向けて、データフレームが送信される場合にも適用できる。これにより、中継装置2から送信先が端末装置3Aである同一のデータフレームが端末装置3Aへ重複して送信されることが抑制されるので、中継装置2と端末装置3Aとの間での無線通信に使用される周波数帯域を低減することができ、データフレーム送信におけるスループットの低下を抑制できる。つまり、本実施の形態に係る通信システムにおいて、基地局1および中継装置2を経由し端末装置3Aと端末装置3Bとの間で相互にデータフレームの送受信を行う場合においても効を奏する。
【0055】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。ここから、本発明の実施の形態の変形例1について、
図10から
図13を参照し詳細に説明する。例えば
図10に示すように、端末装置3A、3Bが、2つの基地局1(1A、1B)を介して通信するものであってもよい。
図10は、変形例に係る通信システムの構成を示す図である。また、
図10に示す変形例に係る通信システムでは、基地局1A、1Bおよび中継装置2は、冗長化された無線通信が可能である装置であり、端末装置3Aおよび3Bは、冗長化された無線通信が不可能である装置の例として説明する。
図11は、変形例に係る通信システムにおけるデータフレームの流れを説明する模式図である。
図11に示すように、連続するデータフレームDFA、DFBが、端末装置3Aから中継装置2へ送信されると、中継装置2において特定シーケンス番号情報が付加され、その後、同一の連続データフレームDFA、DFBが、2.4GHz帯に属するチャネルと5GHz帯に属するチャネルとのそれぞれを介して中継装置2から基地局1Aへ送信される。一方、基地局1Aは、前述の2つのチャネルそれぞれを介して取得した同一の連続データフレームDFA、DFBをそれぞれ2.4GHz帯に属するチャネルと5GHz帯に属するチャネルとを介して基地局1Bへ送信する。そして、基地局1Bは、前述の2つのチャネルそれぞれを介して取得した同一の連続データフレームDFA、DFBのうちのいずれか一方のみを端末装置3Bへ送信し、他方を破棄する。ここで、基地局1Bは、前述の2つのチャネルそれぞれを介して取得した同一のデータフレームDFA、DFBのうち、先に基地局1に到達した連続データフレームDFA、DFBのみを端末装置3Bへ送信し他方を破棄する。
【0056】
ここで、本変形例に係る通信システムの動作について
図12および
図13を参照しながら詳細に説明する。
図12および
図13は、変形例に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。また、
図12および
図13は同じシーケンス内であり時系列に通信システムの動作を示している。なお、
図12および
図13において、
図5および
図7に示した処理と同様の処理については同一の符号を付している。また、
図12および
図13では、
図5および
図7と同様に、ACKフレームの送受信については図示を省略している。
【0057】
図12に示すように、データフレームが、端末装置3Aから中継装置2へ送信されると(ステップS18)、中継装置2は、取得したデータフレームに特定シーケンス番号情報を付加する(ステップS19)。そして、特定シーケンス番号情報を含むデータフレームが、中継装置2から基地局1Aへ送信される(ステップS20)。一方、基地局1Aが、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定したとする(ステップS2001)。そして、基地局1Aが、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と異なると判定したとする(ステップS2002)。この場合、基地局1Aは、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報を、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報に新たに記憶する(ステップS2003)。次に、データフレームが、基地局1Aから基地局1Bへ送信される(ステップS2004)。一方、基地局1Bは、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定し(ステップS21)、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と異なると判定したとする(ステップS22)。この場合、基地局1Bは、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する、当該データフレームのデータフレーム識別情報に対応する特定シーケンス番号情報を、データフレームに含まれる特定シーケンス番号情報に新たに記憶する(ステップS23)。続いて、データフレームが、基地局1Bから端末装置3Bへ送信される(ステップS24)。
【0058】
また冗長化のため、ステップS20において送信されたデータフレームと同一のデータフレームが、ステップS20のときと異なる周波数帯域のチャネルを介して、中継装置2から基地局1Aへ送信される(ステップS25)。一方、基地局1Aは、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定し(ステップS2005)、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と同一と判定する(ステップS2006)。この場合、
図12に示すように、基地局1Aは、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する特定シーケンス番号情報を新たに記憶しない。そして、
図13に移って、データフレームが、ステップ2004のときと異なる周波数帯域のチャネルを介して、基地局1Aから基地局1Bへ送信される(ステップS2007)。一方、基地局1Bは、取得したデータフレームが特定シーケンス番号情報を含むと判定し(ステップS26)、データフレームに含まれるシーケンス番号が、特定シーケンス番号記憶部122が記憶する特定シーケンス番号情報が示すシーケンス番号と同一と判定したとする(ステップS27)。この場合、基地局1Bは、送信先の端末装置3Bが冗長化された無線通信が不可能であることを踏まえて、当該データフレームを破棄する(ステップS28)。
【0059】
本構成によれば、複数の基地局1A、1Bを介して端末装置3A、3B間でデータフレームの送受信を実行することができるので、端末装置3A、3Bが互いに比較的長い距離離間した状態であってもデータの授受を行うことができる。
【0060】
実施の形態では、1つの中継装置2を備える例について説明したが、これに限らず、例えば基地局1と通信可能な複数の中継装置2を備えるものであってもよい。
【0061】
また、実施の形態の変形例では、2つの基地局1を備える例について説明したが、これに限らず、通信システムは、例えば基地局1と通信可能な複数の基地局1を備えるものであってもよい。具体的には、複数の基地局(アクセスポイント機能とステーション機能を備える)を備え、隣接する基地局それぞれが互いに無線通信により接続する無線メッシュネットワークによって構成されてもよい。
【0062】
実施の形態では、中継装置2が、冗長化可能通知情報をプローブ要求フレームに含めて基地局1へ送信する例について説明したが、冗長化可能通知情報を含める管理フレームはプローブ要求フレームに限定されるものではない。例えば、中継装置2が、冗長化可能通知情報を含むプローブ要求フレーム以外の管理フレームを生成して基地局1へ送信するものであってもよい。このような管理フレームは、例えば無線通信における種々の情報を装置間でやり取りするために無線通信規格(例えばIEEE802.11通信規格)により定められたマネージメントフレームやアクションフレームなどが挙げられる。
【0063】
実施の形態では、基地局1と中継装置2との間で、2つの周波数帯域それぞれに属するチャネルを介してデータフレームを送受信する例について説明した。但し、これに限らず、基地局1と中継装置2との間で、3つ以上の周波数帯域(例えば、2.4GHz、5GHz、および6GHzの周波数帯域など)それぞれに属するチャネルを介してデータフレームを送受信するものであってもよい。また、実施の形態では、基地局1と中継装置2との間で、2.4GHzの周波数帯域、5GHzの周波数帯域それぞれに属するチャネルを介してデータフレームを送受信する例について説明した。但し、使用する周波数帯域は、これらに限定されるものではなく、例えば2.4GHzの周波数帯域、5GHzの周波数帯域、6GHzの周波数帯域から選択した2つの周波数帯域を使用するものであってもよい。
【0064】
本発明に係る中継装置2、基地局1の各種機能は、専用のシステムによらず、無線通信モジュールを備えるコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する中継装置2、基地局1を構成してもよい。
【0065】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線のサーバにアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する中継装置2、基地局1として機能する。
【0066】
以上、本発明の実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、デュアルバンド同時接続機能を有する基地局として好適である。
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B:基地局、2:中継装置、3A,3B:端末装置、101,201:CPU、102,202:主記憶部、103,203:補助記憶部、105A,105B,205A,205B:無線モジュール、109,209:バス、111,211:フレーム取得部、112,212:種類判別部、113,213:冗長化可否判定部、114,214:送信制御部、115,215:冗長化可能通知部、121,221:フレームバッファ、122,222:特定シーケンス番号記憶部、131,231:冗長化可否情報記憶部、206:有線通信インタフェース、NW0:有線通信ネットワーク