(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】様々な電力要件を有する照明機能に電力を供給するための照明アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20250819BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20250819BHJP
H05B 45/36 20200101ALI20250819BHJP
H05B 45/48 20200101ALI20250819BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20250819BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20250819BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20250819BHJP
H05B 45/382 20200101ALI20250819BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/325
H05B45/36
H05B45/48
H05B47/105
H05B45/375
H05B45/38
H05B45/382
(21)【出願番号】P 2023537654
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2020138075
(87)【国際公開番号】W WO2022133672
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】オウ、ルーチウ
(72)【発明者】
【氏名】リャン、チンタオ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/032269(WO,A1)
【文献】特開2013-084635(JP,A)
【文献】特開2015-174550(JP,A)
【文献】特開2017-135086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明アセンブリ(100)であって:
- 第1照明機能を実行するように構成される第1照明モジュール(130.1)と;
- 第2照明機能を実行するように構成される第2照明モジュール(130.2)と;
- 前記第1照明モジュール及び前記第2照明モジュールと直列に接続されるドライバー(110)と;
- 前記第1照明モジュールと並列に接続される第1切替ユニット(150.1)と;
- 前記第2照明モジュールと並列に接続される第2切替ユニット(150.2)と;
- 前記第1切替ユニット及び前記第2切替ユニットを制御するように構成されるコントローラー(185)と;
前記第1照明モジュール及び前記第2照明モジュールと並列にアブソーバー回路(145)と、
を備え、
前記ドライバーは一定の出力電圧を生成するように構成され、前記コントローラーは、パルス幅変調、PWM、を使って前記第1切替ユニット又は前記第2切替ユニットを制御することにより、前記第1照明モジュールに又は前記第2照明モジュールに提供される前記電圧を変えるように構成され、
前記コントローラー(185)は、前記照明機能のうちの1つを作動停止させるように前記切替ユニットのうちの1つをオフにする前に、前記アブソーバー回路をオンにするように構成される、
ことを特徴とする照明アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記第1照明機能はハイビーム機能であり、前記第2照明機能はロービーム機能であり、前記コントローラー(185)は、PWMを用いて前記第1切替ユニット(150.1)及び前記第2切替ユニット(150.2)の両方を制御するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
第3照明機能を実行するように構成される第3照明モジュール(130.3)と、前記第3照明機能に並列に接続される第3切替ユニット(150.3)と、を更に備え、前記第3照明モジュールは、前記第1照明モジュール及び前記第2照明モジュール(130.1;130.2)と比較してローサイド位置にあり、前記コントローラー(185)は、前記第3照明モジュールに提供される前記電圧を変えるように、PWMを用いて前記第3切替ユニットを制御するように更に構成される、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第3照明モジュール(130.3)は、ポジション照明機能、デイタイム照明機能、又はポジション照明機能及びデイタイム照明機能の両方を実行するように構成される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
第4照明機能を実行するように構成される第4照明モジュール(130.4)と、前記第4照明モジュールに並列に接続される第4切替ユニット(150.4)とを更に備え、前記第4照明モジュールは、前記第1照明モジュール、前記第2照明モジュール及び前記第3照明モジュールと比較してローサイド位置にあり、前記コントローラー(185)は、前記第4照明モジュールに適用される前記電圧を変えるようにPWMを用いて前記第4切替ユニットを制御するように更に構成される、請求項3又は4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第3照明機能はデイタイム照明機能であり、前記第4照明機能はポジション照明機能である、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第1切替ユニット及び前記第2切替ユニットは、それぞれの制御回路を介して前記コントローラー(185)により制御される、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第1切替ユニット及び前記第2切替ユニットのうちの少なくとも1つは、減衰回路(195)を介して前記コントローラーによって制御され、前記減衰回路は、前記少なくとも1つの切替ユニットを制御する電圧の傾斜率を減少させるように配置される、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
他の切替ユニットと比較してローサイド位置の前記切替ユニット(150.4)は、前記減衰回路(195)を介して前記コントローラーによって制御される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記減衰回路(195)は、減衰コンデンサ(156)及び減衰レジスタ(155.2)を含む請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
ローサイド
位置の前記切替ユニット(150.4)はNMOSであり、前記減衰コンデン
サは前記NMOSのドレインと前記NMOSのゲートとの間に接続され、前記減衰レジスタは前記NMOSの前記ゲートに接続される、請求項
10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アブソーバー回路(145)は、アブソーバーレジスタ(155.1)及びアブソーバー切替ユニット(150.5)を備え、前記アブソーバー切替ユニットを閉じることによって前記アブソーバー回路はオンにされる、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記アセンブリ(100)は、前記照明機能のうちの1つを作動停止させるように以下のシーケンスを実行するように構成される:
- 前記ドライバー(110)をオフにする;
- 前記アブソーバー回路(145)をオンにする;
請求項1~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の技術分野に関する。特に、それは、限定されるものではないが、照明モジュールと、照明モジュールに電力を供給するためのドライバーとを含む照明アセンブリに関する。
【発明の概要】
【0002】
それは、単一の照明アセンブリで複数の照明機能を実行する場合や、照明機能が異なる電力要件を有する場合に有利である。
【0003】
日本特許出願JP6257485は、直列に接続される複数のLEDのうちの任意の数のLEDを独立して点灯及び消灯させることができるLED装置を含むアセンブリを開示する。
【0004】
しかし、先行技術において、すべてのLEDが同じ照明機能に参加するため、複数の照明機能を実行するアセンブリと比較して、それらの電力要件を制御することが容易である。
【0005】
したがって、それらのそれぞれの電力要件を考慮しながら、複数の照明機能に電力を供給するために配置された照明アセンブリが必要とされている。
【0006】
本発明はその状況を改善する。
【0007】
この目的のために、発明の第1態様は、以下を含む照明アセンブリに関する:
- 第1照明機能を実行するように構成される第1照明モジュール;
- 第2照明機能を実行するように構成される第2照明モジュール;
- 第1照明モジュール及び第2照明モジュールと直列に接続されるドライバー;
- 第1照明モジュールに並列に接続される第1切替ユニット;
- 第2照明モジュールに並列に接続される第2切替ユニット;
- 第1切替ユニット及び第2切替ユニットを制御するように構成されるコントローラー。
【0008】
ドライバーは、一定の出力電力を生成するように構成され、コントローラーは、パルス幅変調、PWM、を使用して第1切替ユニット又は第2切替ユニットを制御することにより、第1照明モジュール又は第2照明モジュールに供給される電力を変えるように構成される。
【0009】
従って、切替ユニットは、それらの関連する照明機能を作動/作動停止させるために及び照明モジュールに供給される電力を適合させるために、有利に使用されることができる。これにより、単一のドライバーと固定出力電力で、異なる電力要件を持つ複数の照明機能を実行することができる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第1照明機能はハイビーム機能であってもよく、第2照明機能はロービーム機能であってもよく、コントローラーは、PWMを用いて第1切替ユニットと第2切替ユニットの両方を制御するように構成されていてもよい。
【0011】
そのため、照明アセンブリの柔軟性が向上し、これは補完的な照明機能を実行することを可能にする。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、アセンブリは、第3照明機能を実行するように構成される第3照明モジュールと、第3照明機能に並列に接続される第3切替ユニットとを更に備えてもよく、第3照明モジュールは、第1照明モジュール及び第2照明モジュールと比較してローサイド位置にあってもよく、コントローラーは、PWMを使用して第3切替ユニットを制御して第3照明モジュールに供給される電力を変えるように更に構成されてもよい。
【0013】
これにより、異なる電力要件を潜在的に持つ少なくとも3つの照明機能を実行することが可能である。
【0014】
補足すると、第3照明モジュールは、ポジション照明機能、デイタイム照明機能を実行するように、又はポジション照明機能とデイタイム照明機能の両方を実行するように、構成されてもよい。
【0015】
これらの機能により、車両を、道路上の他の車両から見えるようにすることが可能である。
【0016】
代替的に又は補完的に、アセンブリは、第4照明機能を実行するように構成される第4照明モジュールと、第4照明モジュールに並列に接続される第4切替ユニットとを更に備えてもよく、第4照明モジュールは、第1、第2及び第3照明モジュールと比較してローサイド位置にあってもよく、コントローラーは、第4照明モジュールに供給される電力を変えるためにPWMを用いて第4切替ユニットを制御するように更に構成されてもよい。
【0017】
したがって、これは、異なる電力要件を潜在的に持つ少なくとも4つの照明機能を実行することを可能にする。
【0018】
補足すると、第3照明機能はデイタイム照明機能であってもよく、第4照明機能はポジション照明機能であってもよい。
【0019】
実際、デイタイム照明機能とポジション照明機能では、それらの照明モジュールに供給される電力に関して異なる要件を持ちうる。ポジション照明機能に使用される電力値は、道路上の他のドライバーに眩しさを与えるのを避けるために、デイタイム照明機能に使用される電力値よりも低くてもよい。また、外部の明るさなどの外部条件によって、電力値を変えることもできる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、切替ユニットは、それぞれの制御回路を介してコントローラーによって制御されてもよい。
【0021】
これにより、コントローラーによって切替ユニットに対して発せられる信号を、例えばそれぞれのテクノロジー(PMOS、NMOSなど)に適合させることが可能である。
【0022】
補完的に、切替ユニットの少なくとも1つは、減衰回路を介してコントローラーによって制御されてもよく、減衰回路は、少なくとも1つの切替ユニットを制御する電圧の傾斜率を減少させるように設けられてもよい。
【0023】
これにより、ローサイド切替ユニットに対応する照明機能がオフにされた場合に、過大なサージ電流から照明アセンブリを保護することが可能である。
【0024】
補完的に、他の切替ユニットと比較してローサイドに位置する切替ユニットは、減衰回路を介してコントローラーによって制御されてもよい。
【0025】
これにより、シンプルな減衰回路によって過大なサージ電流から照明アセンブリを保護することができる。実際、ローサイド位置では、保護回路が簡単にグランドに接続できる。
【0026】
更に補足すると、減衰回路は減衰コンデンサと減衰レジスタを含んでもよい。
【0027】
減衰コンデンサは、ローサイド切替ユニットを制御する電圧のスロープ率を、低コストで、効率的に低下させることを可能にする。
【0028】
更に補足すると、ローサイド切替ユニットはNMOSであってもよく、減衰コンデンサはNMOSのドレインとNMOSのゲートとの間に接続されてもよく、減衰レジスタはNMOSのゲートに接続されてもよい。
【0029】
これにより、過大なサージ電流から照明アセンブリを保護しながら、切替ユニットをPWMで制御することが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、アセンブリは、照明モジュールに並列なアブソーバー回路(absorber circuit)を更に含んでいてもよく、コントローラーは、照明機能のうちの1つを作動停止にするために切替ユニットのうちの1つをオフにする前に、アブソーバー回路をオンにするように構成されていてもよい。
【0031】
補足すると、アブソーバー回路は、アブソーバーレジスタとアブソーバー切替ユニットを含み、アブソーバー切替ユニットを閉じることによってアブソーバー回路はオンにされてもよい。
【0032】
これにより、照明機能のうちの1つをオフにした場合に、過大なサージ電流から照明アセンブリを保護することができる。
【0033】
代替的又は補完的に、アセンブリは、照明機能のうちの1つを作動停止にするために、以下のシーケンスを実行するように構成されてもよい:
- ドライバーをオフにする;
- アブソーバー回路をオンにする;
- 作動停止にされる照明機能と並列な切替ユニットをオフにする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
発明の他の特徴及び利点は、以下に詳述する説明及び添付図面から明らかにされ、添付図面において:
【
図1】
図1は、発明のいくつかの実施形態による照明アセンブリを示す。
【
図2】
図2は、発明のいくつかの実施形態による切替ユニットの制御回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、発明のいくつかの実施形態による照明アセンブリ100を示す。
【0036】
その照明アセンブリは、電源120とドライバー110を備える。
【0037】
電圧源120はDC電圧源であってもよく、ドライバー110はDC/DCドライバーであってもよい。或いは、電圧源120はAC電圧源であってもよく、ドライバー110はAC/DCドライバーであってもよい。
【0038】
電圧源120は電源電圧Vsをドライバー110に適用するように構成され、ドライバー110は出力電圧Voを出力するように構成される。
【0039】
発明による照明アセンブリ100は、少なくとも、第1照明機能を実行するように配置された第1照明モジュール130.1と、第2照明機能を実行するように配置された第2照明モジュール130.2とを更に備える。第1照明モジュール130.1と第2照明モジュール130.2はドライバー110と直列に接続される。
【0040】
図1を参照して与えられる例によれば、照明アセンブリ100は、第3照明機能を実行するように配置された第3照明モジュール130.3と、第4照明機能を実行するように配置された第4照明モジュール130.4とを更に備える。照明アセンブリ100によって実行される照明機能の数に制限はない:それは2つ以上の任意の数とすることができる。
【0041】
以下において、説明の目的のためだけに:
- 第1照明機能は、ハイビーム、HB、機能である;
- 第2照明機能は、ロービーム、LB、機能である;
- 第3機能は、デイタイムランニングライト(Daytime Running Light)、DRL、である;
- 第4機能は、ポジション照明、PL、機能である。
【0042】
例えば、照明アセンブリ100は、少なくともLB機能とHB機能を備える。LB機能とHB機能は相補的な機能であり、HB機能はLB機能に付加的である:これは、LB機能がオンになっている間のみHB機能を作動させるべきであることを意味する。しかし、HB機能がオフの間、LB機能をオンにすることもできる。しかし、発明によるトポロジーでは、それが以下の説明から理解されるように、技術的にはHB機能を単独で作動させることができる。
【0043】
しかし、発明は、少なくとも2つの照明機能の任意の組み合わせに適用されることが理解される。また、照明アセンブリ100は、HB、LB、PL及びDRL以外の1又は複数の照明機能、例えばターンインジケーター、TI、機能又はフォグ照明機能など、を実行してもよい。
【0044】
第1、第2、第3及び第4照明モジュール130は、ヘッドランプに統合されていてもよい。第3照明モジュール130.3は、DRL機能及びPL機能の両方を実行できるものであってもよいことに留意される。その場合、第4照明モジュール130.4は取り外し可能である。
【0045】
第1照明モジュール130.1は照明ユニット140の第1シリーズを含んでもよく、第2照明モジュール130.2は照明ユニット140の第2シリーズを含んでもよく、第3照明モジュール130.3は照明ユニット140の第3シリーズを含んでもよく、第4照明モジュール130.4は照明ユニット140の第4シリーズを含んでもよい。
【0046】
照明ユニット140は、電力がそれに提供される場合に、発光することができるあらゆるテクノロジーとすることができる。以下において、照明ユニットがLEDなどのダイオードである例について、説明の目的のためだけに、検討する。したがって、照明ユニットがLED以外の他のテクノロジーを包含しうるという事実から逸脱することなく、以下では<<LED>>という表現が<<照明ユニット>>の代わりに使用される。
【0047】
機能毎のLED140の数に制限はない。
図1に示す例において、各機能は、2つのLEDのシリーズのそれぞれによって実行される。しかしながら、発明によれば、照明機能は、LED140の任意の数n1、n2、n3及びn4によって実施可能であり、n1、n2、n3及びn4は1以上の整数である。
【0048】
照明機能を選択的に作動/作動停止させるように、照明アセンブリ100は、更に、以下を含んでいてもよい:
- HB機能を作動/作動停止させるための第1切替ユニット150.1;
- LB機能を作動/作動停止させるための第2切替ユニット150.2;
- DRL機能を作動/作動停止させる第3切替ユニット150.3;
- PL機能を作動/作動停止させるための第4切替ユニット150.4。
【0049】
各切替ユニットは、それが制御する照明モジュールと並列に接続される。
【0050】
切替ユニットに使用されるテクノロジーに制限はなく、それは例えば切替機能を実行するように構成される任意のトランジスタとすることが可能である。例えば、切替ユニットはN-MOSであってもよい。或いは、切替ユニットはP-MOSであってもよい。
【0051】
第1切替ユニット150.1は、第1制御回路180.1を介してコントローラー185によって制御されてもよく、第2切替ユニット150.2は、第2制御回路180.2を介してコントローラー185によって制御されてもよく、第3切替ユニット150.3は、第3制御回路180.3を介してコントローラー185によって制御されてもよく、第4切替ユニット150.4は、第4制御回路180.4を介してコントローラー185によって制御されてもよい。
【0052】
各制御回路180は、コントローラー185によって送信される制御信号を、それが制御するそれぞれの切替ユニット150に適合させることができるものであってもよい。
【0053】
発明のいくつかの実施形態によれば、コントローラーは切替ユニット150を直接制御してもよい点で、制御回路180は任意である。
【0054】
コントローラー185は、例えば外部制御ユニットから受信したコマンドに基づいて制御信号を発行することを担当する。
【0055】
コントローラー185に使用されるテクノロジーに制限はなく、それは例えばマイクロコントローラーMCUであってもよい。
【0056】
発明によれば、切替ユニット150においてパルス幅変調、PWM、を使用して照明機能に電力が供給される。これにより、ドライバー110の一定の出力電圧Voなどの一定の出力電力を持つことが可能であるが、異なるデューティサイクルに基づいて照明機能に供給される電力を変えることができる。切替ユニット150に適用されるデューティサイクルは、それらが制御するそれぞれの照明機能によって異なりうる。
【0057】
例えば、HB機能を制御する第1切替ユニット150.1に適用されるデューティサイクルは、PL機能を制御する第4切替ユニット150.4に適用されるデューティサイクルよりも、一般に小さい。
【0058】
また、DRL機能のための第3照明モジュール130.3に関しては第1電力値を適用することが可能である一方で、PL機能のための第4照明モジュール130.4に関しては、第1電力値とは異なる第2電力値が適用されてもよい。第1電力値は第2電力値より小さくてもよく、これにより、夜間に他のドライバーをまぶしくさせるのを避けることが可能であり、日中に車両が見えるようにすることを確かにすることが可能である。これは、照明機能に関する安全性を向上させ、また照明アセンブリ100の電力消費を最適化する。
【0059】
PWMの原理はよく知られているので、さらには説明されない。
【0060】
複数の機能を同時に作動させることが可能であることに留意される。例えば、LB、HB及びPLを共通の期間中に作動させることが可能であり、第1、第2及び第4切替ユニットは、コントローラー185から発行されるPWM制御信号によって制御される。
【0061】
PWM制御信号のデューティサイクルとタイミングは、照明機能の電力供給及び同期を担当するコントローラー185によって決められる。
【0062】
多くの最新のMCUは、外部ピンに露出したPWMコントローラーを統合していることに留意される。
【0063】
発明によれば、機能のうちのいくつかは、それらの関連する切替ユニットでPWMを実行することなく、出力電圧Voなどのドライバーの出力電力によって直接的に電力が供給されることが可能である。
【0064】
各機能に関連するデューティサイクルは、外部条件に応じて変えられてもよい。例えば、DRL機能に関連する第3切替ユニットに適用されるデューティサイクルは、明るさなどの外部条件に応じて変えられてもよい。
【0065】
したがって、それぞれの照明モジュールに並列な切替ユニットは、直列のLEDとともに複数の照明機能を実行することを可能にする。
【0066】
照明モジュールの一部がオフにされると、それは過大なサージ電流を、回路において、したがってまだ作動している他の照明モジュールにおいて生じさせることが可能である。これは例えば、PL機能とLB機能が作動されたままである一方で、HB機能に関連する第1照明モジュール130.1がオフにされる場合に生じうる。
【0067】
これを回避するために、照明アセンブリ100は、照明モジュールがオフにされる場合にサージ電流を緩和するように配置されたアブソーバー回路145を更に備えてもよい。
【0068】
アブソーバー回路145は、アブソーバーレジスタ155.1及びアブソーバー切替ユニット150.5を含んでいてもよい。結果として生じるサージ電流を効果的に吸収しながら照明モジュールをオフにするために、照明アセンブリ100によって以下のシーケンスを実行することが可能である:
- ドライバー110をオフにする;
- 例えば第5スイッチ150.5を閉じることにより、アブソーバー回路145をオンにする;
- 作動停止させられる照明機能に応じて、第1、第2、第3及び第4切替ユニット150の少なくとも1つをオンにする。
【0069】
これにより、過大なサージ電流から照明アセンブリ100を保護することが可能である。
【0070】
図1に示したアブソーバー回路145を補完又は代替する、サージ電流を防止するための別の解決策は、
図2を参照して説明される。それは、照明モジュールのうちの1つの制御ユニット180において減衰回路195を追加することを含む。例えば、減衰回路195は、照明アセンブリ100の他の照明モジュールと比較してローサイド位置で照明モジュールの制御ユニット180において追加されてもよい。
【0071】
以下において、第4照明モジュール130.4が他の照明モジュール130.1、130.2、130.3と比較してローサイド位置にあるため、我々は、減衰回路195が第4切替ユニット150.4を制御する第4制御ユニット180.4に追加されると考える。しかし、減衰回路195は、発明による制御ユニット180.1、180.2、180.3及び180.4のいずれに追加されてもよい。また、ローサイド位置における照明モジュールに対応する制御ユニットなど、複数の制御ユニットが追加されてもよい。照明アセンブリが第1照明モジュール130.1及び第2照明モジュール130.2のみを含む場合、制御ユニット180.2は減衰回路195を含んでいてもよい。
【0072】
減衰回路195は、切替ユニット150.4を制御する電圧の傾斜率を減少させるために配置される。この目的のために、減衰回路195は、減衰コンデンサ156及び減衰レジスタ155.2を含んでもよい。
【0073】
図2に示すように、第4切替ユニット150.4はNMOSであってもよく、減衰コンデンサ156は第4切替ユニット150.4のドレインとゲートとの間に配置されてもよく、減衰レジスタ155.2はそのゲートに接続される。ソースはグランドに接続される一方で、ドレインは第3切替ユニット150.3に接続される。このアーキテクチャはミラー回路と呼ばれ、それは第4切替ユニット150.4のソースとゲートとの間の電圧の傾斜率を低下させることにより、PL機能がオフにされる場合の過大なサージ電流を防止することを可能にする。更に、減衰回路195は、それがPWMモードで動作する場合、アブソーバー回路145を備えた実施形態と比較して、より少ないMCUソース(PIN、タイマー)を必要とする。実際、減衰回路195がない場合、コントローラー185は、制御ユニット180、アブソーバー回路145、及びドライバー110に、同期的にPWM信号を供給する必要がある。減衰回路195が使用される場合、コントローラー185は、ローサイド切替ユニット180.4などの切替ユニットのうちの1つにPWM信号を提供する必要があるだけであり、ドライバー110及びアブソーバー回路145を制御する必要はない。
【0074】
或いは、第4切替ユニット150.4はPMOSであってもよい:その場合、減衰回路195は
図2に示したものとは異なり、コンデンサ156がPMOSのドレインとゲートとの間に接続される。
【0075】
従って、上記で説明したように、減衰回路195とアブソーバー回路145は共に突入電流問題を解決するのに寄与する。
【0076】
更に、
図1に示す実施形態において、照明モジュール130.1、130.2及び130.3はそれぞれHB機能、LB機能及びDRL機能に専用であってもよく、これらの照明モジュールのためには減衰回路が使用されず、それによってそれらが突入電流の問題を解決するために同じアブソーバー回路145を共有してもよい。
【0077】
上述したように、減衰回路195は、それがより簡単で低コストの減衰回路を可能にすることから、好ましくはローサイド位置にある。しかし、減衰回路195は、またローサイド(low side)切替ユニットとは別の切替ユニットを制御するのに使用されてもよい。
【0078】
しかし、減衰回路195が最もローな位置(lowest position)にはない場合、減衰回路195は必然的により複雑になって、グランドを参照しないVgsを提供する。例えば、減衰回路を介して制御される切替ユニットがNMOSである場合、電圧VCCを供給するのに絶縁された電力供給部を含む追加回路を使用することができる。減衰回路を介して制御される切替ユニットがPMOSである場合、絶縁された電力供給部を含む追加回路が、電圧-VCCを提供するのに使用されることが可能である。
【0079】
上述した実施形態のいずれにおいても、ドライバー110は、入力電圧を、入力電圧とは異なる出力電圧に変換することができる任意のテクノロジーを包含しうる。電源電圧及び出力電圧Vs及びVoは、それらのタイプ(DC又はAC)によって及び/又はそれらの値(異なる値を有する2つのDC電圧)によって、異なってもよい。ドライバーは、例えば、Single Ended Primary Inductor Converters、SEPICs、などの電子回路とすることができる。しかしながら、ドライバー110として使用される回路に制限はなく、それは、降圧コンバータ、昇圧コンバータ及び/又は降圧-昇圧コンバータなどの他の例を包含することができる。
【0080】
本発明は、例として上述した実施形態に限定されるものではない:それは他の代替に及ぶ。