(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-18
(45)【発行日】2025-08-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、エアロゾル生成システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20250819BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20250819BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20250819BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
A24F40/65
(21)【出願番号】P 2023543613
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2021031510
(87)【国際公開番号】W WO2023026474
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-12-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】千住 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】菅野 有香
(72)【発明者】
【氏名】芹田 和俊
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0366268(US,A1)
【文献】特開2004-348345(JP,A)
【文献】特開2020-040571(JP,A)
【文献】特表2020-534005(JP,A)
【文献】国際公開第2020/006311(WO,A1)
【文献】特開2021-104039(JP,A)
【文献】国際公開第2021/069471(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00- 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得することと、
所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定することと、
を含み、
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第1所定時間以内に前記所定の処理を前記吸引装置が実行済みであることを含み、
前記所定の処理は、前記エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理、及び前記吸引装置の動作ログを送信する処理を含み、
前記生体認証を実行するか否かを判定することは、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みである場合に、前記生体認証を実行しないと判定することと、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みでない場合に、前記生体認証を実行すると判定することと、を含み、
前記吸引装置の動作ログを送信する処理は、
前記生体認証を実行しないと判定した場合、前
記生体認証を省略して動作ログを送信し、
前記生体認証を実行すると判定した場合、前記生体認証を実行して、前記生体認証が成功した場合に動作ログを送信すること、
を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
前記生体認証を実行するか否かを判定することは、
前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行しないと判定し、
前記所定の条件が満たされない場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行すると判定すること、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報処理方法は、
前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御すること、
を含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記情報処理方法は、
前記所定の条件が満たされない場合に、
前記ユーザの生体情報を取得することと、
取得された前記生体情報に基づいて前記生体認証を実行することと、
前記生体認証に成功した場合に前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御することと、
を含む、
請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記第1所定時間は、前記ユーザの位置に応じて設定され、
前記第1所定時間は、前記ユーザしかいない位置では長く設定され、前記ユーザ以外の他人がいる位置では短く設定される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第1所定時間は、前記ユーザの周囲の状況に応じて設定され、
前記第1所定時間は、前記ユーザの周囲に他人がいない状況においては長く設定され、前記ユーザの周囲に他人がいる状況においては短く設定される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記第1所定時間は、時間帯に応じて設定される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第2所定時間以内に取得された前記生体情報に基づく前記生体認証が成功済みであることを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記生体認証は、複数種類の前記生体情報に基づいて実行される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記所定の要求は、前記吸引装置により取得される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記所定の要求は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により取得される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記生体情報は、前記ユーザに装着されるウェアラブル端末により取得される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記生体認証は、前記吸引装置により実行される、
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記生体認証は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により実行される、
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記生体認証は、インターネット上に配置されたサーバにより実行される、
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得する要求取得部と、
所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定するデバイス制御部と、
を備え、
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第1所定時間以内に前記所定の処理を前記吸引装置が実行済みであることを含み、
前記所定の処理は、前記エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理、及び前記吸引装置の動作ログを送信する処理を含み、
前記デバイス制御部は、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みである場合に、前記生体認証を実行しないと判定し、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みでない場合に、前記生体認証を実行すると判定し、
前記吸引装置の動作ログを送信する処理として、
前記生体認証を実行しないと判定した場合、前
記生体認証を省略して動作ログを送信し、
前記生体認証を実行すると判定した場合、前記生体認証を実行して、前記生体認証が成功した場合に動作ログを送信する、
エアロゾル生成システム。
【請求項17】
前記吸引装置は、前記エアロゾルの発生源であるエアロゾル源又は前記エアロゾルに付与される香味の発生源である香味源の少なくともいずか1つを含む基材を使用して前記エアロゾルを生成し、
前記エアロゾル生成システムは、前記基材を含む、
請求項16に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項18】
コンピュータに、
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求が取得された場合に、所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定すること、
を実行させ、
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第1所定時間以内に前記所定の処理を前記吸引装置が実行済みであることを含み、
前記所定の処理は、前記エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理、及び前記吸引装置の動作ログを送信する処理を含み、
前記生体認証を実行するか否かを判定することは、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みである場合に、前記生体認証を実行しないと判定することと、
前記吸引装置に対し前記動作ログを送信する処理を実行するよう要求する前記所定の要求が取得されるより前の前記第1所定時間以内に、前記動作ログを送信する処理を前記吸引装置が実行済みでない場合に、前記生体認証を実行すると判定することと、を含み、
前記吸引装置の動作ログを送信する処理は、
前記生体認証を実行しないと判定した場合、前
記生体認証を省略して動作ログを送信し、
前記生体認証を実行すると判定した場合、前記生体認証を実行して、前記生体認証が成功した場合に動作ログを送信すること、
を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、エアロゾル生成システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。ユーザがエアロゾルを吸引する動作を、以下ではパフ又はパフ動作とも称する。
【0003】
近年では、吸引装置に生体情報を検出する生体センサを搭載することが検討されている。例えば、下記特許文献1では、吸引装置に搭載された生体センサにより検出された生体情報に基づいて、ユーザを認証する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/175846号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で向上の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性をより向上させることが可能な生体認証の仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得することと、所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定することと、を含む情報処理方法が提供される。
【0008】
前記生体認証を実行するか否かを判定することは、前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行しないと判定し、前記所定の条件が満たされない場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行すると判定すること、を含んでもよい。
【0009】
前記情報処理方法は、前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御すること、を含んでもよい。
【0010】
前記情報処理方法は、前記所定の条件が満たされない場合に、前記ユーザの生体情報を取得することと、取得された前記生体情報に基づいて前記生体認証を実行することと、前記生体認証に成功した場合に前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御することと、を含んでもよい。
【0011】
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第1所定時間以内に前記所定の処理を前記吸引装置が実行済みであることを含んでもよい。
【0012】
前記第1所定時間は、前記ユーザの位置に応じて設定されてもよい。
【0013】
前記第1所定時間は、前記ユーザの周囲の状況に応じて設定されてもよい。
【0014】
前記第1所定時間は、時間帯に応じて設定されてもよい。
【0015】
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第2所定時間以内に取得された前記生体情報に基づく前記生体認証が成功済みであることを含んでもよい。
【0016】
前記所定の処理は、前記エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理であってもよい。
【0017】
前記生体認証は、複数種類の前記生体情報に基づいて実行されてもよい。
【0018】
前記所定の要求は、前記吸引装置により取得されてもよい。
【0019】
前記所定の要求は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により取得されてもよい。
【0020】
前記生体情報は、前記ユーザに装着されるウェアラブル端末により取得されてもよい。
【0021】
前記生体認証は、前記吸引装置により実行されてもよい。
【0022】
前記生体認証は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により実行されてもよい。
【0023】
前記生体認証は、インターネット上に配置されたサーバにより実行されてもよい。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得する要求取得部と、所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定するデバイス制御部と、を備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0025】
前記吸引装置は、前記エアロゾルの発生源であるエアロゾル源又は前記エアロゾルに付与される香味の発生源である香味源の少なくともいずか1つを含む基材を使用して前記エアロゾルを生成し、前記エアロゾル生成システムは、前記基材を含んでもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求が取得された場合に、所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定すること、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性をより向上させることが可能な生体認証の仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図3】第1の実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図5】第2の実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図6】同実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】第3の実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図8】同実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】第4の実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図10】同実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】第1~第4の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
<1.吸引装置の構成例>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0031】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0032】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0033】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、コンデンサマイクロホン等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0034】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0035】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0036】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0037】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0038】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0039】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0040】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。
図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0041】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0042】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0043】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0044】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0045】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0046】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0047】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0048】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0049】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0050】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0051】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0052】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、
図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0053】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0054】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0055】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0056】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0057】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0058】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0059】
<2.技術的特徴>
<2.1.第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係るシステム1は、物理的な構成要素として、吸引装置100、端末装置200、及びウェアラブル端末300を備える。吸引装置100と端末装置200、端末装置200とウェアラブル端末300とは、通信可能である。
【0060】
本実施形態に係るシステム1は、論理的な構成要素として、要求取得部10、生体情報取得部20、認証部30、及びデバイス制御部40を備える。
図3に示すように、本実施形態では、端末装置200が要求取得部10、認証部30、及びデバイス制御部40を含み、ウェアラブル端末300が生体情報取得部20を含む。
【0061】
(1)物理的な構成要素
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。吸引装置100は、エアロゾルの発生源であるエアロゾル源又はエアロゾルに付与される香味の発生源である香味源の少なくともいずか1つを含む基材を使用してエアロゾルを生成する。上述したカートリッジ120、香味付与カートリッジ130、及びスティック型基材150は、本実施形態における基材の一例である。なお、第1の構成例において、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を組み合わせることでエアロゾルを生成可能になる点で、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130の組み合わせが1つのエアロゾル生成システムとして捉えられてもよい。同様に、第2の構成例において、吸引装置100とスティック型基材150とを組み合わせることでエアロゾルを生成可能になる点で、吸引装置100とスティック型基材150との組み合わせが1つのエアロゾル生成システムとして捉えられてもよい。さらには、システム1の全体が、エアロゾル生成システムとして捉えられてもよい。
【0062】
端末装置200は、吸引装置100のユーザにより使用される装置である。端末装置200は、例えば、スマートフォン、又はタブレット端末等の任意の情報処理装置により構成される。端末装置200は、吸引装置100に予め対応付けられる。例えば、端末装置200は、吸引装置100と予めペアリングされ、無線通信を介して吸引装置100の動作を制御したり、吸引装置100の動作履歴を取得及び保存したりする。なお、吸引装置100と端末装置200間の無線通信の通信規格によっては、端末装置200は、吸引装置100に必ずしも予め対応付けられている必要はない。
【0063】
ウェアラブル端末300は、吸引装置100のユーザに装着される装置である。ウェアラブル端末300は、腕時計型、ネックレス型、又はコンタクトレンズ型等の任意の形態をとり得る。ウェアラブル端末300は、端末装置200に予め対応付けられる。例えば、端末装置200は、ウェアラブル端末300と予めペアリングされ、無線通信を介してウェアラブル端末300の動作を制御したり、ウェアラブル端末300の動作履歴を取得及び保存したりする。また、ウェアラブル端末300は、吸引装置100に予め対応付けられていてもよい。一例として、ウェアラブル端末300は、吸引装置100と直接ペアリングされていてもよい。他の一例として、ウェアラブル端末300は、吸引装置100にペアリングされた端末装置200にペアリングされることで、端末装置200を介して間接的に吸引装置100に対応付けられてもよい。なお、無線通信の通信規格によっては、ウェアラブル端末300と、端末装置200又は吸引装置100とは、必ずしも予め対応付けられている必要はない。
【0064】
(2)論理的な構成要素
-要求取得部10
要求取得部10は、吸引装置100に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得する。要求取得部10は、所定の要求を取得すると、所定の要求が取得されたことを示す情報をデバイス制御部40に送信する。その際、要求取得部10は、所定の要求を取得したタイミング(例えば、時刻)を示す情報を、所定の要求が取得されたことを示す情報と共にデバイス制御部40に送信してもよい。若しくは、デバイス制御部40は、所定の要求が取得されたことを示す情報を受信したタイミングを、所定の要求が取得されたタイミングとして取り扱ってもよい。
【0065】
所定の処理の一例は、エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理である。吸引装置100は、エアロゾルの生成を禁止又は許可する。エアロゾルの生成が許可されている状況でのみ、吸引装置100はエアロゾルを生成することができる。吸引装置100においてエアロゾルの生成が禁止されることを、吸引装置100がロックされるとも称する。他方、吸引装置100においてエアロゾルの生成が許可されることを、ロックが解除されるとも称する。即ち、所定の要求は、ロックの解除を要求するものであってもよい。以下では、所定の処理をロックの解除とし、所定の要求をロックの解除要求とも称する。
【0066】
本実施形態に係る要求取得部10は、端末装置200に搭載される。そのため、ロックの解除要求は、端末装置200により取得される。例えば、ロックの解除要求は、端末装置200に設けられたボタン又はタッチパネル等の入力装置に対するユーザ入力として取得される。他にも、ロックの解除要求は、音声入力又はジェスチャ入力として取得されてもよい。
【0067】
-生体情報取得部20
生体情報取得部20は、ユーザの生体情報を取得する。生体情報とは、生体の身体的特徴又は行動的特徴を示す情報である。身体的特徴を示す情報としては、指紋、心拍、脈拍、虹彩、顔、血管、体温、及び声紋等が挙げられる。行動的特徴を示す情報としては、筆跡、及び歩容等が挙げられる。生体情報取得部20は、これらの生体情報の少なくともいずれか1つを取得する。
【0068】
生体情報取得部20は、デバイス制御部40からの要求に応じて、生体情報を取得する。生体情報取得部20は、生体情報を取得すると、取得した生体情報を認証部30に送信する。
【0069】
本実施形態に係る生体情報取得部20は、ウェアラブル端末300に搭載される。そして、生体情報取得部20は、ウェアラブル端末300が有する生体センサにより生体情報を取得する。生体センサとしては、例えば、指紋センサ、心拍センサ、脈拍センサ、血圧センサ、呼吸センサ、筋電センサ、温度センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、カメラ、及びマイクロフォン等が挙げられる。
【0070】
-認証部30
認証部30は、生体情報取得部20により取得された生体情報に基づいて生体認証を実行する。認証部30は、生体情報取得部20により取得された生体情報と、吸引装置100のユーザの生体情報として過去に登録された生体情報とを比較することで、認証を行う。例えば、認証部30は、両者の生体情報の一致度合いが閾値以上である場合に認証成功を判定し、そうでない場合に認証失敗を判定する。
【0071】
認証部30は、複数種類の生体情報に基づいて生体認証を実行してもよい。例えば、認証部30は、心拍と指紋等の、異なる種類の生体情報を使用して生体認証を行う。かかる構成によれば、認証精度を向上させることが可能となる。
【0072】
認証部30は、生体情報取得部20から生体情報を受信した場合に、生体認証を実行する。そして、認証部30は、生体認証の結果を示す情報をデバイス制御部40に送信する。ここでの生体認証の結果を示す情報とは、生体認証の成功又は失敗を示す情報である。
【0073】
-デバイス制御部40
デバイス制御部40は、吸引装置100の動作を制御する。詳しくは、デバイス制御部40は、ロックの解除要求が取得された場合に、吸引装置100によるエアロゾルを生成する処理の実行を許可又は禁止する。吸引装置100は、エアロゾルの生成が許可された場合に、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成することができる。例えば、吸引装置100は、エアロゾルの生成が許可された場合に、ユーザ操作に応じて、エアロゾル源を霧化する手段に対する給電を実行する。他方、吸引装置100は、エアロゾルの生成が禁止された場合、エアロゾルを生成しない。例えば、吸引装置100は、エアロゾルの生成が禁止された場合、ユーザ操作に応じたエアロゾル源を霧化する手段に対する給電を実行しない。
【0074】
デバイス制御部40は、生体認証の結果に基づいて吸引装置100の動作を制御する。例えば、デバイス制御部40は、生体認証が成功した場合にエアロゾルの生成を許可し、生体認証が失敗した場合にエアロゾルの生成を禁止する。
【0075】
また、デバイス制御部40は、生体認証の結果に基づいて吸引装置100に対するユーザ操作の受付を許可又は禁止してもよい。吸引装置100は、ユーザ操作の受付が許可された場合に、当該ユーザ操作を受け付ける。例えば、吸引装置100は、ユーザ操作の受付が許可された場合に、ユーザによる吸引の開始や、ユーザによる所定の情報の入力など、当該吸引装置100に対する各種のユーザ操作を受け付ける。他方、吸引装置100は、ユーザ操作の受付が禁止された場合に、当該ユーザ操作を受け付けない。例えば、吸引装置100は、ユーザ操作の受付が禁止された場合に、ユーザによる吸引の開始や、ユーザによる所定の情報の入力など、当該吸引装置100に対する各種のユーザ操作を受け付けない。なお、吸引装置100は、ユーザ操作の受付が禁止された場合に、当該吸引装置100に対するすべてのユーザ操作を受け付けなくてもよいし、エアロゾルの生成に関連する一部のユーザ操作を受け付けなくてもよい。また、吸引装置100に対するユーザ操作の受付が禁止されることを、吸引装置100がロックされると称してもよい。
【0076】
ただし、デバイス制御部40は、所定の条件が満たされたか否かに応じて、ロックの解除を実行する前にユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定する。即ち、デバイス制御部40は、生体認証を実行して認証成功の場合にロックを解除するか、若しくは生体認証の実行を省略してロックを解除するか、を判定する。本実施形態では、生体認証の実行を省略してロックを解除し得るので、生体認証を必ず実行してからロックを解除する場合と比較して、より早期にロックを解除することができる。そのため、ユーザがロックの解除要求を入力してから実際にロックが解除されるまでのタイムラグを短縮することができる。このようにして、吸引装置100のユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0077】
デバイス制御部40は、所定の条件が満たされた場合に、ロックの解除を実行する前に生体認証を実行しないと判定する。即ち、デバイス制御部40は、所定の条件が満たされた場合に、ロックの解除を実行するよう吸引装置100を制御する。かかる構成によれば、所定の条件が満たされた場合に生体認証の実行を省略してロックが解除される。よって、吸引装置100のユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0078】
他方、デバイス制御部40は、所定の条件が満たされない場合に、ロックの解除を実行する前に生体認証を実行すると判定する。即ち、所定の条件が満たされない場合に、デバイス制御部40は、生体情報を取得するよう生体情報取得部20に要求する。生体情報取得部20は、かかる要求を受信すると、生体情報を取得して、認証部30に送信する。認証部30は、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行する。そして、デバイス制御部40は、生体認証に成功した場合にロックを解除するよう吸引装置100を制御する。他方、デバイス制御部40は、生体認証に失敗した場合には吸引装置100のロックを解除しない。かかる構成によれば、所定の条件が満たされない場合に、生体認証を実行した上でロックが解除される。よって、ユーザ以外の他人に吸引装置100が使用されることを防止できる点で、セキュリティを向上させることが可能となる。
【0079】
所定の条件は、ロックの解除要求が取得されるより前の第1所定時間以内にロックの解除を吸引装置100が実行済みであることを含んでいてもよい。即ち、デバイス制御部40は、ロックの解除が前回実行されてから第1所定時間以内に次のロックの解除要求が取得された場合、生体認証を省略してロックを解除すると判定してもよい。前回のロック解除からの経過時間が短時間であれば、同一のユーザが吸引装置100を使用し続けていると考えられる。そして、前回のロック解除時に生体認証が成功していると考えられるので、次回のロック解除時に生体認証を省略したとしても、セキュリティを担保することができる。よって、かかる構成によれば、セキュリティを維持しつつも、ユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0080】
第1所定時間は、ユーザの位置に応じて設定されてもよい。一例として、デバイス制御部40は、自室等のユーザしかいない場所にユーザが位置する場合、第1所定時間を長く設定する。ユーザしか吸引装置100を使用しないためである。他の一例として、デバイス制御部40は、公共の場所等のユーザ以外の他人がいる場所にユーザが位置する場合、第1所定時間を短く設定する。他人が吸引装置100を誤って使用し得るためである。また、デバイス制御部40は、喫煙が禁止される子供などが存在する自宅等の場所にユーザが位置する場合、第1所定時間を短く設定してもよい。喫煙が禁止される子供などが吸引装置100を誤って使用し得るためである。かかる構成によれば、他人や喫煙が禁止される子供により吸引装置100が誤って使用される可能性に応じて第1所定時間が拡縮される。これにより、セキュリティとユーザビリティのバランスを最適化することが可能となる。
【0081】
第1所定時間は、ユーザの周囲の状況に応じて設定されてもよい。一例として、デバイス制御部40は、ユーザの周囲に他人がいない状況においては、第1所定時間を長く設定する。ユーザしか吸引装置100を使用しないためである。他の一例として、デバイス制御部40は、ユーザの周囲に他人がいる状況においては、第1所定時間を短く設定する。他人が吸引装置100を誤って使用し得るためである。かかる構成によれば、他人により吸引装置100が誤って使用される可能性に応じて第1所定時間が拡縮される。これにより、セキュリティとユーザビリティのバランスを最適化することが可能となる。
【0082】
第1所定時間は、時間帯に応じて設定されてもよい。一例として、デバイス制御部40は、夜から朝にかけての時間帯等のユーザが自室にいると想定される時間帯において、第1所定時間を長く設定する。ユーザしか吸引装置100を使用しないためである。他の一例として、デバイス制御部40は、昼等のユーザが外出していると想定される時間帯において、第1所定時間を短く設定する。他人が吸引装置100を誤って使用し得るためである。なお、デバイス制御部40は、喫煙が禁止される子供などが存在する自宅等の場所にユーザがいると想定される、夜から朝にかけての時間帯等において、第1所定時間を短く設定してもよい。喫煙が禁止される子供などが吸引装置100を誤って使用し得るためである。他方、デバイス制御部40は、昼等のユーザが外出していると想定される時間帯において、第1所定時間を長く設定してもよい。喫煙が禁止される子供などによる吸引装置100の使用が想定されないからである。かかる構成によれば、他人や喫煙が禁止される子供により吸引装置100が誤って使用される可能性に応じて第1所定時間が拡縮される。これにより、セキュリティとユーザビリティのバランスを最適化することが可能となる。
【0083】
(3)処理の流れ
図4は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100、端末装置200、及びウェアラブル端末300が関与する。
【0084】
図4に示すように、まず、端末装置200は、ロックの解除要求を取得する(ステップS102)。
【0085】
次いで、端末装置200は、所定の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS104)。例えば、端末装置200は、ロックの解除が前回実行されてから第1所定時間以内にロックの解除要求が取得されたか否かを判定する。
【0086】
所定の条件が満たされたと判定された場合(ステップS104:YES)、端末装置200は、ロックの解除を要求する信号を吸引装置100に送信する(ステップS106)。
【0087】
吸引装置100は、ロックの解除を要求する信号を受信すると、ロックを解除する(ステップS108)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0088】
他方、所定の条件が満たされていないと判定された場合(ステップS104:NO)、端末装置200は、生体情報を取得するよう要求する信号をウェアラブル端末300に送信する(ステップS110)。
【0089】
ウェアラブル端末300は、生体情報を取得するよう要求する信号を受信すると、生体情報を取得する(ステップS112)。
【0090】
次いで、ウェアラブル端末300は、取得した生体情報を端末装置200に送信する(ステップS114)。
【0091】
そして、端末装置200は、生体情報を受信すると、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行する(ステップS116)。ここでは、生体認証が成功したものとする。
【0092】
次に、端末装置200は、ロックの解除を要求する信号を吸引装置100に送信する(ステップS118)。
【0093】
吸引装置100は、ロックの解除を要求する信号を受信すると、ロックを解除する(ステップS120)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0094】
(4)補足
本実施形態では、要求取得部10が端末装置200に含まれる例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、要求取得部10は、吸引装置100に含まれていてもよい。その場合、吸引装置100は、ロックの解除要求を取得すると、ロックの解除要求が取得されたことを示す情報を端末装置200に送信する。その他の処理については、上記説明した通りである。
【0095】
<2.2.第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係るシステム1は、物理的な構成要素として、吸引装置100、端末装置200、ウェアラブル端末300、及びサーバ400を備える。吸引装置100と端末装置200、端末装置200とウェアラブル端末300、端末装置200とサーバ400とは、通信可能である。
【0096】
吸引装置100、端末装置200、及びウェアラブル端末300については、上記説明した通りである。サーバ400は、インターネット上に配置された装置である。例えば、サーバ400は、いわゆるクラウドサーバであってもよい。本実施形態は、認証部30がサーバ400に含まれる点で、第1の実施形態と相違する。
【0097】
図6は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100、端末装置200、ウェアラブル端末300、及びサーバ400が関与する。
【0098】
図6に示すように、まず、端末装置200は、ロックの解除要求を取得する(ステップS202)。
【0099】
次いで、端末装置200は、所定の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS204)。例えば、端末装置200は、ロックの解除が前回実行されてから第1所定時間以内にロックの解除要求が取得されたか否かを判定する。
【0100】
所定の条件が満たされたと判定された場合(ステップS204:YES)、端末装置200は、ロックの解除を要求する信号を吸引装置100に送信する(ステップS206)。
【0101】
吸引装置100は、ロックの解除を要求する信号を受信すると、ロックを解除する(ステップS208)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0102】
他方、所定の条件が満たされていないと判定された場合(ステップS204:NO)、端末装置200は、生体情報を取得するよう要求する信号をウェアラブル端末300に送信する(ステップS210)。
【0103】
ウェアラブル端末300は、生体情報を取得するよう要求する信号を受信すると、生体情報を取得する(ステップS212)。
【0104】
次いで、ウェアラブル端末300は、取得した生体情報を端末装置200に送信する(ステップS214)。
【0105】
端末装置200は、生体情報を受信すると、受信した生体情報をサーバ400に転送する(ステップS216)。
【0106】
サーバ400は、生体情報を受信すると、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行する(ステップS218)。ここでは、生体認証が成功したものとする。
【0107】
次に、サーバ400は、生体認証が成功したことを示す情報を端末装置200に送信する(ステップS220)。
【0108】
端末装置200は、生体認証が成功したことを示す情報を受信すると、ロックの解除を要求する信号を吸引装置100に送信する(ステップS222)。
【0109】
吸引装置100は、ロックの解除を要求する信号を受信すると、ロックを解除する(ステップS224)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0110】
なお、第2の実施形態において、端末装置200が実行している処理の一部又は全部は、PWA(Progressive Web Apps)を用いて、サーバ400が実行してもよい。例えば、端末装置200が、所定の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS204)という処理は、PWAを用いて、サーバ400が実行してもよい。
【0111】
<2.3.第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係るシステム1は、物理的な構成要素として、吸引装置100、及びウェアラブル端末300を備える。吸引装置100とウェアラブル端末300とは、通信可能である。
【0112】
吸引装置100、及びウェアラブル端末300については、上記説明した通りである。本実施形態は、要求取得部10、認証部30、及びデバイス制御部40が吸引装置100に含まれる点で、第1の実施形態と相違する。
【0113】
図8は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100、及びウェアラブル端末300が関与する。
【0114】
図8に示すように、まず、吸引装置100は、ロックの解除要求を取得する(ステップS302)。
【0115】
次いで、吸引装置100は、所定の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS304)。例えば、吸引装置100は、ロックの解除が前回実行されてから第1所定時間以内にロックの解除要求が取得されたか否かを判定する。
【0116】
所定の条件が満たされたと判定された場合(ステップS304:YES)、吸引装置100は、ロックを解除する(ステップS306)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0117】
他方、所定の条件が満たされていないと判定された場合(ステップS304:NO)、吸引装置100は、生体情報を取得するよう要求する信号をウェアラブル端末300に送信する(ステップS308)。
【0118】
ウェアラブル端末300は、生体情報を取得するよう要求する信号を受信すると、生体情報を取得する(ステップS310)。
【0119】
次いで、ウェアラブル端末300は、取得した生体情報を吸引装置100に送信する(ステップS312)。
【0120】
そして、吸引装置100は、生体情報を受信すると、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行する(ステップS314)。ここでは、生体認証が成功したものとする。
【0121】
次に、吸引装置100は、ロックを解除する(ステップS316)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0122】
<2.4.第4の実施形態>
図9は、第4の実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態に係るシステム1は、物理的な構成要素として、吸引装置100、ウェアラブル端末300、及びサーバ400を備える。吸引装置100とウェアラブル端末300、吸引装置100とサーバ400とは、通信可能である。
【0123】
吸引装置100、ウェアラブル端末300、及びサーバ400については、上記説明した通りである。本実施形態は、要求取得部10及びデバイス制御部40が吸引装置100に含まれる点で、第2の実施形態と相違する。
【0124】
図10は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、吸引装置100、ウェアラブル端末300、及びサーバ400が関与する。
【0125】
図10に示すように、まず、吸引装置100は、ロックの解除要求を取得する(ステップS402)。
【0126】
次いで、吸引装置100は、所定の条件が満たされたか否かを判定する(ステップS404)。例えば、吸引装置100は、ロックの解除が前回実行されてから第1所定時間以内にロックの解除要求が取得されたか否かを判定する。
【0127】
所定の条件が満たされたと判定された場合(ステップS404:YES)、吸引装置100は、ロックを解除する(ステップS406)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0128】
他方、所定の条件が満たされていないと判定された場合(ステップS404:NO)、吸引装置100は、生体情報を取得するよう要求する信号をウェアラブル端末300に送信する(ステップS408)。
【0129】
ウェアラブル端末300は、生体情報を取得するよう要求する信号を受信すると、生体情報を取得する(ステップS410)。
【0130】
次いで、ウェアラブル端末300は、取得した生体情報を吸引装置100に送信する(ステップS412)。
【0131】
吸引装置100は、生体情報を受信すると、受信した生体情報をサーバ400に転送する(ステップS414)。
【0132】
サーバ400は、生体情報を受信すると、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行する(ステップS416)。ここでは、生体認証が成功したものとする。
【0133】
次に、サーバ400は、生体認証が成功したことを示す情報を吸引装置100に送信する(ステップS418)。
【0134】
吸引装置100は、生体認証が成功したことを示す情報を受信すると、ロックを解除する(ステップS420)。その後、吸引装置100は、ユーザ操作に応じてエアロゾルを生成する。
【0135】
なお、本実施形態では、認証部30がサーバ400に含まれる例を説明したが、認証部30はサーバ400に代えて端末装置200に含まれてもよい。
【0136】
<3.ハードウェア構成例>
最後に、
図11を参照して、上記各実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図11は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、
図11に示す情報処理装置900は、例えば、
図3、
図5、
図7又は
図9に示した端末装置200、ウェアラブル端末300、又はサーバ400を実現し得る。本実施形態に係る端末装置200、ウェアラブル端末300、又はサーバ400による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0137】
図11に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903及びホストバス904aを備える。また、情報処理装置900は、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、及び通信装置909を備える。
【0138】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。情報処理装置900は、CPU901に代えて、又はこれとともに、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)若しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電気回路を有してもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901によるプログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU901は、例えば、認証部30、又はデバイス制御部40を形成し得る。
【0139】
CPU901、ROM902及びRAM903は、CPUバスなどを含むホストバス904aにより相互に接続されている。ホストバス904aは、ブリッジ904を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス904bに接続されている。なお、必ずしもホストバス904a、ブリッジ904及び外部バス904bを分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0140】
入力装置906は、ユーザから情報が入力される装置である。そのような装置としては、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等が挙げられる。他にも、入力装置906は、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はジェスチャ入力を受け付けるカメラを含んでいてもよい。情報処理装置900のユーザは、入力装置906を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理の実行を指示したりすることができる。
【0141】
他にも、入力装置906は、ユーザに関する情報を検出する装置を含んでいてもよい。例えば、入力装置906は、深度センサ(例えば、ステレオカメラ)、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、光センサ、音センサ、生体センサ、測距センサ、力センサ等の各種のセンサを含み得る。また、入力装置906は、情報処理装置900の姿勢、移動速度等、情報処理装置900自身の状態に関する情報、並びに情報処理装置900の周辺の明るさ及び騒音等、情報処理装置900の周辺環境に関する情報を取得してもよい。また、入力装置906は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して装置の緯度、経度及び高度を含む位置情報を測定するGNSSモジュールを含んでもよい。位置情報に関しては、入力装置906は、他の装置との間で無線信号を送受信し、当該他の装置を基準とする相対的な位置を検出してもよい。入力装置906は、例えば、要求取得部10、又は生体情報取得部20を形成し得る。
【0142】
出力装置907は、情報をユーザに対して出力する装置である。そのような装置として、ディスプレイ及びプロジェクタ等の視覚情報を出力する装置、スピーカ等の聴覚情報を出力する装置、並びに偏心モータ等の触覚情報を出力する装置等が挙げられる。出力装置907は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。上記各実施形態において、出力装置907は、要求取得部10によりロック解除要求が取得されたことを示す情報、又は生体情報取得部20により取得された生体情報を出力してもよい。他にも、出力装置907は、認証部30、又はデバイス制御部40による、処理の途中経過又は処理結果を示す情報を出力してもよい。
【0143】
ストレージ装置908は、データを格納する装置である。そのような装置としては、HDD等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び光磁気記憶デバイス等が挙げられる。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置908は、例えば、生体情報取得部20により取得された生体情報を記憶し得る。
【0144】
通信装置909は、有線又は無線で他の装置と通信する装置である。通信装置909は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、LPWA(Low Power Wide Area)、NFC(Near Field Communication)、又はUSB(Universal Serial Bus)等の任意の通信規格に準拠した通信を行う。通信装置909は、吸引装置100、端末装置200、ウェアラブル端末300又はサーバ400との間で通信する。
【0145】
以上、本実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0146】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0147】
例えば、要求取得部10、生体情報取得部20、認証部30、及びデバイス制御部40の各々が、吸引装置100、端末装置200、ウェアラブル端末300及びサーバ400のうちどの装置に搭載されるかは、上記説明した各実施形態に限定されない。即ち、要求取得部10、生体情報取得部20、認証部30、及びデバイス制御部40の各々は、吸引装置100、端末装置200、ウェアラブル端末300及びサーバ400のうちどの装置に搭載されてもよい。例えば、生体情報取得部20は、吸引装置100又は端末装置200に含まれてもよい。
【0148】
例えば、上記実施形態では、所定の条件として、ロックの解除要求が取得されるより前の第1所定時間以内にロックの解除を吸引装置100が実行済みであることを挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。所定の条件は、上記と共に、又は代えて、ロックの解除要求が取得されるより前の第2所定時間以内に取得された生体情報に基づく生体認証が成功済みであることを含んでいてもよい。即ち、デバイス制御部40は、生体認証が成功してから第2所定時間以内にロックの解除要求が取得された場合、再度の生体認証を省略してロックを解除すると判定してもよい。かかる構成によれば、生体認証が前回実行されてから第2所定時間を超えた場合に生体認証が再度実行されるので、上記実施形態と同様に、セキュリティを維持しつつも、ユーザビリティを向上させることが可能となる。なお、第2所定時間もまた、ユーザの位置、ユーザの周囲の状況、又は時間帯の少なくともいずれか1つに応じて設定されてもよい。
【0149】
例えば、上記実施形態では、所定の処理の一例としてロックの解除を挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。所定の処理は、吸引装置100が実行する任意の処理であればよい。例えば、所定の処理は、動作ログの送信であってもよい。デバイス制御部40は、動作ログを前回送信してから第1所定時間以内に動作ログの送信要求が取得された場合に生体認証を省略して動作ログを送信し、そうでない場合に生体認証を実行した上で動作ログを送信する、と判定し得る。
【0150】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0151】
また、端末装置200が実行している処理の一部又は全部は、PWA(Progressive Web Apps)を用いて、サーバ400又は他のサーバ(図示していない)が実行してもよい。
【0152】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0153】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得することと、
所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定することと、
を含む情報処理方法。
(2)
前記生体認証を実行するか否かを判定することは、
前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行しないと判定し、
前記所定の条件が満たされない場合に、前記所定の処理を実行する前に前記生体認証を実行すると判定すること、
を含む、前記(1)に記載の情報処理方法。
(3)
前記情報処理方法は、
前記所定の条件が満たされた場合に、前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御すること、
を含む、前記(2)に記載の情報処理方法。
(4)
前記情報処理方法は、
前記所定の条件が満たされない場合に、
前記ユーザの生体情報を取得することと、
取得された前記生体情報に基づいて前記生体認証を実行することと、
前記生体認証に成功した場合に前記所定の処理を実行するよう前記吸引装置を制御することと、
を含む、
前記(2)又は(3)に記載の情報処理方法。
(5)
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第1所定時間以内に前記所定の処理を前記吸引装置が実行済みであることを含む、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(6)
前記第1所定時間は、前記ユーザの位置に応じて設定される、
前記(5)に記載の情報処理方法。
(7)
前記第1所定時間は、前記ユーザの周囲の状況に応じて設定される、
前記(5)又は(6)に記載の情報処理方法。
(8)
前記第1所定時間は、時間帯に応じて設定される、
前記(5)~(7)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(9)
前記所定の条件は、前記所定の要求が取得されるより前の第2所定時間以内に取得された前記生体情報に基づく前記生体認証が成功済みであることを含む、
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(10)
前記所定の処理は、前記エアロゾルを生成する処理の実行を許可する処理である、
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(11)
前記生体認証は、複数種類の前記生体情報に基づいて実行される、
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(12)
前記所定の要求は、前記吸引装置により取得される、
前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(13)
前記所定の要求は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により取得される、
前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(14)
前記生体情報は、前記ユーザに装着されるウェアラブル端末により取得される、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(15)
前記生体認証は、前記吸引装置により実行される、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(16)
前記生体認証は、前記吸引装置に予め対応付けられた端末装置により実行される、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(17)
前記生体認証は、インターネット上に配置されたサーバにより実行される、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(18)
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求を取得する要求取得部と、
所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定するデバイス制御部と、
を備えるエアロゾル生成システム。
(19)
前記吸引装置は、前記エアロゾルの発生源であるエアロゾル源又は前記エアロゾルに付与される香味の発生源である香味源の少なくともいずか1つを含む基材を使用して前記エアロゾルを生成し、
前記エアロゾル生成システムは、前記基材を含む、
前記(18)に記載のエアロゾル生成システム。
(20)
コンピュータに、
ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置に対し所定の処理を実行するよう要求する所定の要求が取得された場合に、所定の条件が満たされたか否かに応じて、前記所定の処理を実行する前に前記ユーザの生体情報に基づく生体認証を実行するか否かを判定すること、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0154】
1 システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
200 端末装置
300 ウェアラブル端末
400 サーバ
10 要求取得部
20 生体情報取得部
30 認証部
40 デバイス制御部