(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-19
(45)【発行日】2025-08-27
(54)【発明の名称】荷重計
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20250820BHJP
G01L 1/22 20060101ALI20250820BHJP
【FI】
G01L5/00 103D
G01L1/22 F
(21)【出願番号】P 2024198179
(22)【出願日】2024-11-13
【審査請求日】2025-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514250078
【氏名又は名称】中日本高速技術マーケティング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390029012
【氏名又は名称】株式会社エスイー
(73)【特許権者】
【識別番号】391005950
【氏名又は名称】株式会社東横エルメス
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】稲熊 唯史
(72)【発明者】
【氏名】竹家 宏治
(72)【発明者】
【氏名】峯尾 卓光
(72)【発明者】
【氏名】宮田 昌明
【審査官】岡村 京輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-85656(JP,A)
【文献】国際公開第2021/106037(WO,A1)
【文献】特開2019-132841(JP,A)
【文献】特開2021-167793(JP,A)
【文献】中国実用新案第208206366(CN,U)
【文献】特開2023-135152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の起歪体と、
前記起歪体の上部を覆う蓋体と、を有し、
前記起歪体は、
内周側に配置し、中央に緊張材挿通孔を有する円筒状の定着具接合体と、
外周側に配置する円筒状の被固定物接合体と、
前記定着具接合体の外周面から平面視十字状に突設し、前記
被固定物接合体の内周面と連結する4本のせん断梁と、
前記定着具接合体の下面と、4本の前記せん断梁の下面と、前記
被固定物接合体の内周面と連続する底板と、
4本の前記せん断梁に接着するひずみゲージと、からなり、
前記起歪体の前記
被固定物接合体の上面と前記せん断梁の上面は、前記定着具接合体の上面よりも、前記蓋体の厚さ以上下方に下がっており、
前記蓋体は、前記定着具接合体の上部に嵌合する中空部を有する、前記
被固定物接合体の外径と略同径の中空円盤状であり、
前記起歪体の内部であって、前記定着具接合体の外周面、前記
被固定物接合体の内周面、前記せん断梁の側面、前記底板の上面及び前記蓋体の下面に包囲された空間内に、
前記ひずみゲージと接続し、前記起歪体に作用する荷重値を計測するセンサアンプユニットと、
前記センサアンプユニットと接続し、前記荷重値を記録する制御ユニットと、
前記センサアンプユニットと前記制御ユニットを駆動するためのバッテリーと、を収め、
前記制御ユニットは、前記センサアンプユニットから送られた前記荷重値をデジタルデータに変換して記録する制御・記録部を有する、
荷重計。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記制御・記録部と接続し、前記デジタルデータを外部に出力するための接続端子を、前記起歪体の側面又は前記蓋体の上面に設けることを特徴とする、
請求項1に記載の荷重計。
【請求項3】
前記接続端子に接続し、前記デジタルデータを無線通信により外部に送信する通信端末を有することを特徴とする、
請求項2に記載の荷重計。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記制御・記録部と接続し、前記デジタルデータを無線通信により外部に送信する通信部を有し、
前記蓋体は非金属製であることを特徴とする、
請求項1に記載の荷重計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーボルト等の緊張材に作用する引張力を計測する荷重計に関し、特に有線/無線通信により計測した引張力の値を外部の管理装置に送信する荷重計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル内には、安全性と利便性を確保するために様々な設備が設置されている。代表的な設備としては照明設備と換気設備があり、トンネル利用者の視認性確保や空気質の維持に不可欠な役割を果たしている。
【0003】
これらの設備は、主にコンクリートからなるトンネルの構造体に埋設するか、トンネルの壁面や天井にアンカーボルトを用いて固定される。
アンカーボルトは、トンネルの構造体に埋め込まれる金属製の固定具である。アンカーボルトは、コンクリートに開けられた穴に挿入され、機械的な拡張や接着剤によって固定される。そして、アンカーボルトの外側に露出した雄ネジ部分に、設備を取り付けるための被固定金具を通し、定ナットを螺合して締め付けることで、アンカーボルトには軸方向の引張力が作用する。この引張力により、設備の重量を支え、振動や衝撃に耐え、設備を強固に固定する。
【0004】
適切に設置され、正しい引張力が加えられたアンカーボルトは、長期間にわたって安定した固定を提供する。しかし、長期間の使用や継続的な振動、温度変化、湿気などの環境要因により、ナットに緩みが生じる可能性がある。
緩みが進行すると、アンカーボルトに作用する引張力が低下して設備の固定力が減少し、設備が落下する危険性があり、設備が落下すると、トンネル内を通行する車両や人員に重大な危害を及ぼす可能性がある。
このような危険を防ぐために、点検による目視でのナットの緩みの確認のほか、アンカーボルトの引張力を適宜計測することにより、必要に応じて増し締めなどの対策を講じる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-162511号公報
【文献】特開2021-167793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、グラウンドアンカーの引張力(緊張力)を計測する、グラウンドアンカー緊張力検知システムが記載されている。
特許文献1は、アンカープレートに取り付けたひずみセンサによりグラウンドアンカーの引張力を計測するが、ひずみセンサの配線をアンカープレートの外側に設けた接続用コネクタを介してモニター装置に接続する。
しかし、特許文献1の検知システムは、接続するモニター装置側にひずみセンサを作動させるための回路やA/D変換回路が必要(
図2参照)であり、そのような回路を有さない一般的なパソコンを接続用コネクタに接続するだけでは、引張力を計測・モニタリングすることができない。
また、ひずみセンサとモニター装置との接続を無線通信(RFID)により行うことも記載されているが、アンカープレート側の無線装置の配置形態については何ら記載されていない。
【0007】
特許文献2には、ボルトとナットに、センサと通信ユニットを有するセンシングワッシャーを介在させて、センシングワッシャーの応力値の監視を無線により行う管理システムが記載されている。
特許文献2のセンシングワッシャーは、起歪体と起歪体の外部に配置する通信ユニットを合成樹脂等の非金属製のケーシングに収めて一体としている。センシングワッシャーは起歪体の外部に張り出す構造のため、セッシングワッシャーが被固定物等に干渉する場合には適用することができない。また、非金属製のケーシングは金属製と異なり経年劣化による破損が生じるため、定期的な交換が必要となるが、交換の際にはナットをいったん緩めて外す必要がある。
【0008】
本発明は、従来用いられているパソコン等の管理装置と有線又は無線により接続することで緊張材に作用する引張力を管理することができる荷重計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本願の荷重計は、円筒状の起歪体と、前記起歪体の上部を覆う蓋体と、を有し、前記起歪体は、内周側に配置し、中央に緊張材挿通孔を有する円筒状の定着具接合体と、外周側に配置する円筒状の被固定物接合体と、前記定着具接合体の外周面から平面視十字状に突設し、前記被固定物接合体の内周面と連結する4本のせん断梁と、前記定着具接合体の下面と、4本の前記せん断梁の下面と、前記被固定物接合体の内周面と連続する底板と、4本の前記せん断梁に接着するひずみゲージと、からなり、前記起歪体の前記被固定物接合体の上面と前記せん断梁の上面は、前記定着具接合体の上面よりも、前記蓋体の厚さ以上下方に下がっており、前記蓋体は、前記定着具接合体の上部に嵌合する中空部を有する、前記被固定物接合体の外径と略同径の中空円盤状であり、前記起歪体の内部であって、前記定着具接合体の外周面、前記被固定物接合体の内周面、前記せん断梁の側面、前記底板の上面及び前記蓋体の下面に包囲された空間内に、前記ひずみゲージと接続し、前記起歪体に作用する荷重値を計測するセンサアンプユニットと、前記センサアンプユニットと接続し、前記荷重値を記録する制御ユニットと、前記センサアンプユニットと前記制御ユニットを駆動するためのバッテリーと、を収め、前記制御ユニットは、前記センサアンプユニットから送られた前記荷重値をデジタルデータに変換して記録する制御・記録部を有する。
前記制御ユニットは、前記制御・記録部と接続し、前記デジタルデータを外部に出力するための接続端子を、前記起歪体の側面又は前記蓋体の上面に設けてもよい。
前記接続端子に接続し、前記デジタルデータを無線通信により外部に送信する通信端末を有してもよい。
前記制御ユニットは、前記制御・記録部と接続し、前記デジタルデータを無線通信により外部に送信する通信部を有し、前記蓋体は非金属製としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
(1)起歪体の内部にセンサアンプユニット、記録ユニット及びバッテリーを収めるため、起歪体の外部に張り出して設けたこれらの機器が被固定物に干渉することがない。
(2)計測した荷重値をデジタルデータとして保存・出力するため、通常のパソコンを管理装置として用いることができる。
(3)蓋体を非金属製とし、電波を透過する材質とすることで、内部空間に通信ユニットを収めて蓋体により封止した状態であっても、外部の管理装置と無線通信を行うことができる。
(4)蓋体が合成樹脂等の非金属製の場合、経年劣化による破損が生じるが、ナットを緩めることなく交換が可能である。
(5)蓋体を取り外してセンサアンプユニットや、記録ユニット、通信ユニット等のメンテナンスやバッテリーの交換を行うことができ、ナットを緩めることなく半永久的に計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】
図4のA-A断面図(センサアンプユニット、制御ユニット、バッテリーは省略)
【
図7】センサアンプユニット、制御ユニット、バッテリーのブロック図(1)
【
図9】センサアンプユニット、制御ユニット、バッテリーのブロック図(2)
【
図10】センサアンプユニット、制御ユニット、バッテリーのブロック図(3)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の荷重計を詳細に説明する。
【0013】
[実施例1]
(1)荷重計の構成(
図1~6)
本発明の荷重計は、起歪体1と、起歪体1の上部を覆う蓋体2と、起歪体1内部の空間Sに収めるセンサアンプユニット3、制御ユニット4及びバッテリー5を有する。
荷重計は、構造物に固定したアンカーボルト6の露出部分に通してアンカーボルト6に螺合したナット7を締め付けて固定する被固定物8とナット7の間に設け、ナット7を締め付けることによって生じる荷重(アンカーボルト6に作用する引張力)を計測する。
【0014】
(2)起歪体1
起歪体1は鋼製の円筒状であり、内周側に配置し、中央にアンカーボルト6を挿通する緊張材挿通孔111を有する円筒状の定着具接合体11と、外周側に配置する円筒状の被固定物接合体12と、定着具接合体11の外周面から平面視十字状に突設し、被固定物接合体12の内周面と連結する4本のせん断梁13と、定着具接合体11の下面と、4本のせん断梁13の下面と、被固定物接合体12の内周面と連続する底板14と、4つのせん断梁13に接着する8枚のひずみゲージ15と、からなる(
図3)。
定着具接合体11の上面はアンカーボルト6に螺合するナット7と接合する。また、被固定物接合体12の下面は被固定物8と接合する。そして、定着具接合体11の下面とせん断梁13の下面と連続する底板14は、被固定物接合体12の下面よりも上方に位置しており、ナット7の締め付けで生じる荷重により定着具接合体11は下方に変位し、せん断梁13にはせん断力によりひずみが生じる。このひずみをひずみゲージ15により抵抗値として計測することで、ナット7の締め付けで生じる荷重を計測する。なお、ひずみゲージ15の枚数は8枚に限定されず、用いるひずみゲージ15の種類や計測方法によって適宜選択することができる。
【0015】
(3)蓋体2
蓋体2は、起歪体1の被固定物接合体12とせん断梁13の上面を覆う部材である。
蓋体2は、例えば合成樹脂等の非金属製の板体であり、起歪体1内部に収めた制御ユニット4から発生する電波を透過する材質とする。
蓋体2は、被固定物接合体12の外径と略同径の円盤状であり、定着具接合体11の上部に嵌合する中空部21を有する。また、被固定物接合体12の上面とせん断梁13の上面は、定着具接合体11の上面よりも、蓋体2の厚さ以上下方に下がっており、ナット7やナット7を締め付ける際に用いる工具に干渉することがない。
蓋体2は、外周側の上面に設けたビス挿通孔22に挿通し、被固定物接合体12の上面に設けたねじ孔121に螺挿するビス23により、起歪体1の上面に固定する。ナット7の大きさが中空部21に収まる大きさであれば、ナット7をアンカーボルト6に締め付けた状態のまま、蓋体2を取り外すことができる。蓋体2は合成樹脂等の非金属製のため経年劣化による破損が生じるが、ナット7を緩めることなく交換が可能である。
【0016】
(4)センサアンプユニット3、制御ユニット4、バッテリー5の配置
起歪体1の内部には、定着具接合体11の外周面と被固定物接合体12の内周面、せん断梁13の側面及び底板14の上面に包囲された空間Sが4つあり、本実施例においてはそれぞれの空間Sに、センサアンプユニット3、制御ユニット4及びバッテリー5を収め(
図3)、蓋体2により上部を封止する。センサアンプユニット3、制御ユニット4及びバッテリー5は配線(図示せず)により接続する。蓋体2を、電波を透過する材質とすることで、蓋体2により封止した状態でも外部の管理装置と無線通信を行うことができる。また、起歪体1の内部にセンサアンプユニット3、制御ユニット4及びバッテリー5を収めるため、起歪体1の外部に張り出して設けたこれらの機器が被固定物8に干渉することがない。
ナット7の大きさが蓋体2の中空部21に収まる大きさの場合、ナット7をアンカーボルト6に締め付けた状態のまま、蓋体2を取り外してセンサアンプユニット3、制御ユニット4のメンテナンスやバッテリー5の交換を行うことができ、ナット7を緩めることなく半永久的に計測を行うことができる。
【0017】
(5)センサアンプユニット3
センサアンプユニット3はひずみゲージ15と配線により接続し、ひずみゲージ15の電源を制御し、ひずみゲージ15により計測する抵抗値を取得する。取得した抵抗値は、制御ユニット4に送られる。また、センサアンプユニット3はバッテリー5と接続し、センサアンプユニット3の動作に必要な電力はバッテリー5から供給される。
【0018】
(6)制御ユニット4(
図7)
制御ユニット4は、制御・記録部41、通信部42及び温度計測部43により構成し、それぞれの動作に必要な電力はバッテリー5から供給される。
センサアンプユニット3から送られた抵抗値は、制御・記録部41によりデジタルデータに変換して荷重値として保存する。
温度計測部43は、制御ユニット4内の温度を計測し、その値は制御・記録部41にデジタルデータとして保存する。
通信部42は、外部の管理装置と無線通信により制御・記録部41に保存した荷重値や温度のデジタルデータを送信するための装置であり、アンテナや通信制御回路等により構成する。抵抗値や温度のデータは制御・記録部41によりデジタルデータに変換されているため、管理装置との通信は赤外線やWiFi、Bluetooth(登録商標)等の従来用いられている無線通信を適用することができる。また、管理装置も通常のパソコンを用いることができる。
制御・記録部41に保存した抵抗値や温度のデジタルデータは、通信部42により決められた時間に外部の管理装置に送信される。また、外部の管理装置が送信されたデータを受け取れなかった場合には、次回の送信時にまとめて送信する機能を有してもよい。
なお、本実施例においては、制御・記録部41と通信部42を一体としたが、別々に設けてもよい。
【0019】
(7)バッテリー5
バッテリー5はセンサアンプユニット3と制御ユニット4に電力を供給するものであり、乾電池や蓄電池等を適用することができる。
なお、本実施例においては、センサアンプユニット3、制御ユニット4及びバッテリー5を別々としたが、一部又は全てを一体としてもよい。
【0020】
(8)防水構造(
図5、6)
起歪体1内部の空間Sは蓋体2によって上部を封止する。そして、定着具接合体11の外周面と蓋体2の中空部21の内周面との間には中央Oリング16を設ける。また、被固定物接合体12の上面と蓋体2の下面との間には外周Oリング17を設ける。これにより、起歪体1内部の空間Sに水が入りこむことがない。
中央Oリング16は、蓋体2の中空部21の内周面に設けた中央Oリング溝211に収容する。中央Oリング溝211は、定着具接合体11の蓋体2との嵌合部分の外周面に設けてもよいし、蓋体2の中空部21の内周面と定着具接合体11の外周面のそれぞれ対応する位置に設けてもよい。
外周Oリング17は、被固定物接合体12の上面に設けた外周Oリング溝122に収容する。外周Oリング溝122は蓋体2の下面に設けてもよいし、被固定物接合体12の上面と蓋体2の下面のそれぞれ対応する位置に設けてもよい。
【0021】
[実施例2]
(1)接続端子44を介しての通信
上述の実施例1では、起歪体1内部の制御ユニット4に通信部42を設けて(
図7)、外部の管理装置と無線通信を行ったが、通信部42を用いずに起歪体1の外部と通信を行ってデジタルデータを出力するためのUSB等の接続端子44を起歪体1の側面に設けてもよい(
図8)。接続端子44は蓋体2の上面に設けることもできる。
そして、接続端子44にUSBレシーバー等の通信端末45を接続して管理装置と無線通信を行ってもよいし(
図9)、通信ケーブル46を接続端子44と管理装置に接続して有線通信を行ってもよい(
図10)。
なお、通信部42と接続端子44を用いることで、無線通信と有線通信を併用してもよい。通信部42を用いた無線通信を行わない場合には、蓋体2は電波を透過しない金属製としてもよい。
【0022】
[実施例3]
(1)緊張材及び定着具の構成
上述の実施例1、2では、緊張材と定着具の構成をアンカーボルト6とナット7としたが、本発明の荷重計はこれらに限定されず、例えば
図11のように、緊張材がPC鋼線61、定着具をPC鋼線61に固定するくさび71及びPC鋼線61を挿通した状態でくさび71を固定するアンカーヘッド72等、様々な緊張材と定着具の組み合わせにも使用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 起歪体、11 定着具接合体、111 緊張材挿通孔、12 被固定物接合体、121 ねじ孔、122 外周Oリング溝、13 せん断梁、14 底板、15 ひずみゲージ、16 中央Oリング、17 外周Oリング、
2 蓋体、21 中空部、211 中央Oリング溝、22 ビス挿通孔、23 ビス、
3 センサアンプユニット、
4 制御ユニット、41 制御・記録部、42 通信部、43 温度計測部、44 接続端子、45 通信ケーブル
5 バッテリー、
6 アンカーボルト、61 PC鋼線、
7 ナット、71 くさび、72 アンカーヘッド
8 被固定物、
S 空間
【要約】 (修正有)
【課題】管理装置と接続することで緊張材に作用する引張力を管理することができる荷重計を提供する。
【解決手段】円筒状の起歪体と、蓋体と、を有し、起歪体は、円筒状の定着具接合体と、円筒状の被固定物接合体と、定着具接合体と、非固定物接合体を連結する4本のせん断梁と、定着具接合体の下面と、せん断梁の下面と、非固定物接合体の内周面と連続する底板と、せん断梁に接着するひずみゲージと、からなり、非固定物接合体の上面とせん断梁の上面は、定着具接合体の上面よりも、蓋体の厚さ以上下方に下がっており、蓋体は、中空部を有する、非固定物接合体の外径と略同径の中空円盤状であり、定着具接合体、非固定物接合体、せん断梁、底板及び蓋体に包囲された空間内に、荷重値を計測するセンサアンプユニットと、制御ユニットと、バッテリーと、を収め、制御ユニットは、荷重値をデジタルデータに変換して記録する制御・記録部を有する荷重計。
【選択図】
図1