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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-19
(45)【発行日】2025-08-27
(54)【発明の名称】監視システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20250820BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20250820BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20250820BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250820BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250820BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B25/00 510F
G06Q50/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024199219
(22)【出願日】2024-11-14
【審査請求日】2024-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:保育博2023、展示日:令和5年11月21日、令和5年11月22日 掲載アドレス:https://hikids.jp/description/HK-S00001.pdf、掲載日:令和6年1月19日 販売した場所:全国一斉販売、販売日:令和6年2月1日 試験場所:横浜市立大曽根保育園、試験日:令和6年2月19日、令和6年2月20日、令和6年2月27日、令和6年2月28日 展示会名:保育博ウエスト2024、開催日:令和6年7月17日、令和6年7月18日 集会名:公民連携マッチングセミナー(オンラインセミナー)、開催日:令和6年7月24日 展示会名:第3回チャイルドケア2024、展示日:令和6年7月25日、令和6年7月26日 掲載アドレス:https://apps.apple.com/jp/app/hikids/id6447280569、掲載日:令和6年9月1日 掲載アドレス:https://page.line.me/578urtjn、掲載日:令和6年9月30日 展示会名:2024年度 障がいのある子どもの指導に生かせる教材・教具展示会、展示日:令和6年11月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523070078
【氏名又は名称】余白文化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盧 朝華
【審査官】弘田 智美
(56)【参考文献】
【文献】特許第7280653(JP,B1)
【文献】特開2023-103815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/02
G08B 25/04
G08B 25/10
G08B 25/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の園児のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置(10)と複数の前記園児を監視する少なくとも1人の先生に取り付け可能な先生用センサ装置(50)との間の信号の強度である信号強度を検出可能な信号強度検出部(12)と、
地球上における前記園児の位置情報である園児位置情報を検出可能な園児位置情報検出部(13)と、
地球上における前記先生の位置情報である先生位置情報を検出可能な先生位置情報検出部(34)と、
前記信号強度検出部により検出した前記信号強度、前記園児位置情報検出部により検出した前記園児位置情報、および、前記先生位置情報検出部により検出した前記先生位置情報に基づき、アラートを出力可能なアラート部(23、35)と、を備え、
前記アラート部は、
「前記園児が園の敷地内または散歩の目的地内にいると想定される状況」である「在園中」または「目的地滞在中」においては、
前記信号強度検出部により検出した前記信号強度が所定の信号閾値(Th1)以上であった場合、アラートを出力せず、
前記園児用センサ装置または前記先生用センサ装置が前記信号を受信できなかった場合、または、前記信号強度検出部により検出した前記信号強度が前記信号閾値未満であった場合、前記園児位置情報検出部により検出した前記園児位置情報に基づき前記園児が所定の地理的範囲である安全エリア(A1)内にいるか否かを判断し、
前記園児が前記安全エリア内にいると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児が前記安全エリア内にいないと判断した場合、前記園児位置情報と前記先生位置情報検出部により検出した前記先生位置情報とに基づき前記園児と前記先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力し、
「前記園児が前記園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」においては、
前記信号強度検出部により検出した前記信号強度が前記信号閾値以上であった場合、アラートを出力せず、
前記園児用センサ装置または前記先生用センサ装置が前記信号を受信できなかった場合、または、前記信号強度検出部により検出した前記信号強度が前記信号閾値未満であった場合、前記園児位置情報検出部により検出した前記園児位置情報に基づき前記園児が前記安全エリア内にいるか否かを判断することなく、前記園児位置情報と前記先生位置情報検出部により検出した前記先生位置情報とに基づき前記園児と前記先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力する監視システム。
【請求項2】
複数の園児のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置(10)と複数の前記園児を監視する少なくとも1人の先生に取り付け可能な先生用センサ装置(50)との間の信号の強度である信号強度を検出する信号強度検出処理を行い、
地球上における前記園児の位置情報である園児位置情報を検出する園児位置情報検出処理を行い、
地球上における前記先生の位置情報である先生位置情報を検出する先生位置情報検出処理を行い、
前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度、前記園児位置情報検出処理により検出した前記園児位置情報、および、前記先生位置情報検出処理により検出した前記先生位置情報に基づき、アラートを出力するアラート処理を行い、
前記アラート処理では、
「前記園児が園の敷地内または散歩の目的地内にいると想定される状況」である「在園中」または「目的地滞在中」においては、
前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度が所定の信号閾値(Th1)以上であった場合、アラートを出力せず、
前記園児用センサ装置または前記先生用センサ装置が前記信号を受信できなかった場合、または、前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度が前記信号閾値未満であった場合、前記園児位置情報検出処理により検出した前記園児位置情報に基づき前記園児が所定の地理的範囲である安全エリア(A1)内にいるか否かを判断し、
前記園児が前記安全エリア内にいると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児が前記安全エリア内にいないと判断した場合、前記園児位置情報と前記先生位置情報検出処理により検出した前記先生位置情報とに基づき前記園児と前記先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力し、
「前記園児が前記園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」においては、
前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度が前記信号閾値以上であった場合、アラートを出力せず、
前記園児用センサ装置または前記先生用センサ装置が前記信号を受信できなかった場合、または、前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度が前記信号閾値未満であった場合、前記園児位置情報検出処理により検出した前記園児位置情報に基づき前記園児が前記安全エリア内にいるか否かを判断することなく、前記園児位置情報と前記先生位置情報検出処理により検出した前記先生位置情報とに基づき前記園児と前記先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、
前記園児と前記先生との距離が前記距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、「園児が所定の地理的範囲である安全エリア内にいるか否か」、または、「園児と先生との距離」に基づき、アラートを出力する監視システムが知られている。例えば、特許文献1の監視システムでは、「園児が園の敷地内にいると想定される状況」である「在園中」は、園児が安全エリアの外に出ると、アラートを出力する。また、「園児が園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」は、園児と先生との距離が所定の閾値以上になると、アラートを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許7280653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の監視システムでは、「在園中」、「散歩中」のそれぞれの状況において、「園児が安全エリア内にいるか否か」、または、「園児と先生との距離」のいずれか一方に基づき、アラートの出力判断をしている。そのため、例えば、「在園中」においては、「園児が安全エリア内にいるか否か」のみ判断し、「園児と先生との距離」が所定の閾値未満であるにもかかわらず、園児が安全エリアの外に出た場合、アラートが出力される。この場合、先生の近く、すなわち先生から見える範囲に園児がいるにもかかわらず、園児が安全エリアから外れたことをもってアラートが出力されるため、先生等が煩わしさを感じるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、適切にアラートを出力可能な監視システムおよびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る監視システムは、信号強度検出部(12)と園児位置情報検出部(13)とアラート部(23、35)とを備える。
信号強度検出部は、複数の園児のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置(10)と複数の園児を監視する少なくとも1人の先生に取り付け可能な先生用センサ装置(50)との間の信号の強度である信号強度を検出可能である。
園児位置情報検出部は、地球上における園児の位置情報である園児位置情報を検出可能である。
【0007】
先生位置情報検出部は、地球上における先生の位置情報である先生位置情報を検出可能である。
アラート部は、信号強度検出部により検出した信号強度、園児位置情報検出部により検出した園児位置情報、および、先生位置情報検出部により検出した先生位置情報に基づき、アラートを出力可能である。
アラート部は、「園児が園の敷地内または散歩の目的地内にいると想定される状況」である「在園中」または「目的地滞在中」においては、信号強度検出部により検出した信号強度が所定の信号閾値(Th1)以上であった場合、アラートを出力せず、園児用センサ装置または先生用センサ装置が信号を受信できなかった場合、または、信号強度検出部により検出した信号強度が信号閾値未満であった場合、園児位置情報検出部により検出した園児位置情報に基づき園児が所定の地理的範囲である安全エリア(A1)内にいるか否かを判断し、園児が安全エリア内にいると判断した場合、アラートを出力せず、園児が安全エリア内にいないと判断した場合、園児位置情報と先生位置情報検出部により検出した先生位置情報とに基づき園児と先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、園児と先生との距離が距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、園児と先生との距離が距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力する。
アラート部は、「園児が園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」においては、信号強度検出部により検出した信号強度が信号閾値以上であった場合、アラートを出力せず、園児用センサ装置または先生用センサ装置が信号を受信できなかった場合、または、信号強度検出部により検出した信号強度が信号閾値未満であった場合、園児位置情報検出部により検出した園児位置情報に基づき園児が安全エリア内にいるか否かを判断することなく、園児位置情報と先生位置情報検出部により検出した先生位置情報とに基づき園児と先生との距離が所定の距離閾値(Th2)未満か否かを判断し、園児と先生との距離が距離閾値未満であると判断した場合、アラートを出力せず、園児と先生との距離が距離閾値以上であると判断した場合、アラートを出力する。
【0008】
そのため、例えば園児用センサ装置と先生用センサ装置との間の信号強度が所定の信号閾値以上となるような、先生の近く、すなわち先生から見える範囲等に園児がいるにもかかわらず、園児が所定の地理的範囲である安全エリアから外れたことをもってアラートが出力されることはなく、先生等が煩わしさを感じるのを抑制できる。また、不要なアラートを抑制することで、機器の電力消費量を低減できる。
このように、本発明では、適切にアラートを出力可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)は一実施形態による監視システムのシステム構成を示す図、(B)は一実施形態による監視システムの機能構成を示す図。
図2】一実施形態による監視システムの表示部を示す図であって、(A)は「在園中」のときの図、(B)は「散歩中」のときの図。
図3】一実施形態による監視システムのアラート出力に関する一連の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態による監視システムを図面に基づき説明する。
【0011】
(一実施形態)
一実施形態による監視システムを図1(A)、(B)に示す。監視システム1は、信号強度検出部12と園児位置情報検出部13と先生位置情報検出部34とアラート部23、35とを備える。
信号強度検出部12は、複数の園児(C1、C2)のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置10と複数の園児を監視する少なくとも1人の先生T1に取り付け可能な先生用センサ装置50との間の信号の強度である信号強度を検出可能である。
園児位置情報検出部13は、地球上における園児(C1、C2)の位置情報である園児位置情報を検出可能である。
【0012】
先生位置情報検出部34は、地球上における先生の位置情報である先生位置情報を検出可能である。
アラート部23、35は、信号強度検出部12により検出した信号強度、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報、および、先生位置情報検出部34により検出した先生位置情報に基づき、アラートを出力可能である。
【0013】
監視システム1は、互いに通信可能なサーバ装置20および端末装置30のうち少なくともサーバ装置20との間で通信可能な園児用センサ装置10と、園児用センサ装置10との間で通信可能な先生用センサ装置50と、を備え、複数の園児の位置を監視可能である。図1(A)、(B)に示すように、園児用センサ装置10、サーバ装置20、端末装置30は、IPネットワーク等のネットワーク2を介して互いに通信可能である。
【0014】
本実施形態では、監視対象者としての園児は、例えば幼稚園、保育園等の園児である。監視システム1は、主に幼稚園、保育園等に登園してから降園するまでの園児の位置を監視可能である。
【0015】
園児用センサ装置10は、複数の監視対象者としての園児のそれぞれに取り付け可能である。園児用センサ装置10は、例えば、園児の衣服等に取り付けられる。
【0016】
園児用センサ装置10は、取り付けられた園児の位置情報を検出可能な機器である。園児用センサ装置10は、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、フラッシュメモリ等のストレージ等を有している。記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。園児用センサ装置10の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0017】
園児用センサ装置10は、機能部または機能モジュールとして、処理部、センサ通信部11、信号強度検出部12、園児位置情報検出部13、センサ記憶部、バッテリ等を有している(図1(B)参照)。つまり、センサ通信部11、信号強度検出部12、園児位置情報検出部13は、園児用センサ装置10に設けられている。
園児用センサ装置10の処理部は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、センサ通信部11、信号強度検出部12、園児位置情報検出部13、バッテリ、センサ記憶部等に対し出力可能である。
【0018】
センサ通信部11は、例えばSIMカードモジュールを有し、携帯電話会社等の電話回線を通じてネットワーク2に接続することで、サーバ装置20および端末装置30と通信可能である。また、センサ通信部11は、例えば無線LANモジュールを有している。この無線LANモジュールは、信号送信部111、信号受信部112を有している。信号送信部111は、例えば、無線LANの通信方式の1つであるWi-Fi(登録商標)信号(電波)を送信可能である。信号受信部112は、後述する先生用センサ装置50の信号送信部511が送信したWi-Fi信号を受信可能である。なお、本実施形態では、信号送信部111および信号受信部112のうち、信号受信部112のみを使用する。
【0019】
信号強度検出部12は、園児用センサ装置10の信号受信部112で受信した「先生用センサ装置50の信号送信部511から送信された信号」の強度を検出することにより、園児用センサ装置10と先生用センサ装置50との間の信号強度(-dBm)を検出可能である。
【0020】
園児位置情報検出部13は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Positioning System)を利用したGPSモジュールを有し、地球上における園児の位置情報である園児位置情報を検出可能である。すなわち、園児位置情報検出部13は、園児用センサ装置10を取り付けた園児の地球上における所在を位置情報として検出可能である。園児用センサ装置10は、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報を、例えば処理部で処理し、センサ通信部11を経由してサーバ装置20または端末装置30に送信可能である。
【0021】
センサ記憶部は、例えば園児用センサ装置10の記憶部の一部であり、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報、および、信号受信部112で受信した「信号送信部511から送信された信号」の強度を時間(検出時刻、受信時刻)毎に記憶可能である。バッテリは、例えばリチウムイオン二次電池等の充放電可能な二次電池であり、処理部、センサ通信部11、信号強度検出部12、園児位置情報検出部13、センサ記憶部等に電力を供給する。
【0022】
先生用センサ装置50は、少なくとも1人の監視者としての先生に取り付け可能である。先生用センサ装置50は、例えば、先生の衣服等に取り付けられる。
【0023】
先生用センサ装置50は、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、フラッシュメモリ等のストレージ等を有している。記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。先生用センサ装置50の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0024】
先生用センサ装置50は、機能部または機能モジュールとして、処理部、センサ通信部51、センサ記憶部、バッテリ等を有している(図1(B)参照)。つまり、センサ通信部51は、先生用センサ装置50に設けられている。
先生用センサ装置50の処理部は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、センサ通信部51、バッテリ、センサ記憶部等に対し出力可能である。
【0025】
センサ通信部51は、例えば無線LANモジュールを有している。この無線LANモジュールは、信号送信部511、信号受信部512を有している。信号送信部511は、例えば、無線LANの通信方式の1つであるWi-Fi(登録商標)信号を送信可能である。信号受信部512は、上述した園児用センサ装置10の信号送信部111が送信したWi-Fi信号を受信可能である。なお、本実施形態では、信号送信部511および信号受信部512のうち、信号送信部511のみを使用する。
【0026】
本実施形態では、信号送信部111、511がWi-Fi信号を送信可能で、信号受信部112、512がWi-Fi信号を受信可能なため、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))信号を送受信可能な場合と比べ、センサ通信部11とセンサ通信部51とは、互いの距離が比較的大きくても、信号が到達可能であり、信号(の強度)を検出可能である。
【0027】
センサ記憶部は、例えば先生用センサ装置50の記憶部の一部であり、信号受信部512で受信した「信号送信部111から送信された信号」の強度を時間(受信時刻)毎に記憶可能である。バッテリは、例えばリチウムイオン二次電池等の充放電可能な二次電池であり、処理部、センサ通信部51、センサ記憶部等に電力を供給する。
【0028】
サーバ装置20は、園児用センサ装置10からの園児位置情報等を処理可能なコンピュータ機器である。サーバ装置20は、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、HDDまたはSSD等のストレージ、入出力インターフェースとしてのキーボード、マウス、ディスプレイ、スピーカー等を有している。記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。サーバ装置20の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0029】
サーバ装置20は、機能部または機能モジュールとして、処理部、サーバ通信部21、表示情報生成部22、アラート部23、サーバ記憶部等を有している(図1(B)参照)。つまり、表示情報生成部22、アラート部23は、サーバ装置20に設けられている。
サーバ装置20の処理部は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、サーバ通信部21、表示情報生成部22、アラート部23、サーバ記憶部等に対し出力可能である。サーバ通信部21は、例えば有線/無線LANモジュールを有し、有線または無線でネットワーク2に接続することで、園児用センサ装置10および端末装置30と通信可能である。
【0030】
表示情報生成部22は、信号強度検出部12により検出した信号強度、または、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報等に基づき表示情報を生成可能である。なお、信号強度検出部12により検出した信号強度、または、園児位置情報検出部13により検出された園児位置情報は、例えば処理部によりデータ処理または計算等され、表示情報生成部22に出力される。すなわち、表示情報生成部22は、処理部によりデータ処理または計算等された信号強度または園児位置情報に基づき表示情報を生成可能である。表示情報生成部22により生成された表示情報は、後述する端末装置30に設けられた表示部33に表示される。
サーバ記憶部は、例えばサーバ装置20の記憶部の一部であり、信号強度検出部12により検出した信号強度、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報等を園児毎および時間(検出時刻)毎に記憶可能である。
【0031】
端末装置30は、例えばタブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末機器である。端末装置30は、園児用センサ装置10またはサーバ装置20からの情報等を処理可能である。端末装置30としてのタブレット、スマートフォンは、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、ストレージ、入出力インターフェースとしてのタッチディスプレイ等を有している。端末装置30としてのパーソナルコンピュータは、例えば演算処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのROM、RAM、HDDまたはSSD等のストレージ、入出力インターフェースとしてのキーボード、マウス、ディスプレイ、スピーカー等を有している。
【0032】
端末装置30の記憶部は、演算処理部における各種処理に必要な各種データやプログラム等を記憶する。端末装置30の演算処理部は、非遷移的実体的記録媒体(記憶部)に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
【0033】
端末装置30としてのタブレット、スマートフォンは、例えば幼稚園の先生等、園児の保育者(監視者)が携帯、または、幼稚園内の所定の場所に設置して使用可能である。また、端末装置30としてのパーソナルコンピュータは、例えば幼稚園内の所定の場所に設置して使用可能である。
【0034】
端末装置30は、機能部または機能モジュールとして、処理部、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、先生位置情報検出部34、アラート部35、端末記憶部等を有している(図1(B)参照)。つまり、表示情報生成部32、表示部33、先生位置情報検出部34、アラート部35は、端末装置30に設けられている。
端末装置30の処理部は、入力された各種情報をデータ処理または計算等し、端末通信部31、表示情報生成部32、表示部33、先生位置情報検出部34、アラート部35、端末記憶部等に対し出力可能である。
【0035】
端末通信部31は、例えばSIMカードモジュールを有し、携帯電話会社等の電話回線を通じてネットワーク2に接続することで、サーバ装置20および園児用センサ装置10と通信可能である。また、端末通信部31は、例えば無線LANモジュールを有し、無線でネットワーク2に接続することで、サーバ装置20および園児用センサ装置10と通信可能である。
【0036】
表示情報生成部32は、サーバ装置20に設けられた表示情報生成部22と同様、信号強度検出部12により検出した信号強度、または、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報等に基づき表示情報を生成可能である。なお、信号強度検出部12により検出した信号強度、または、園児位置情報検出部13により検出された園児位置情報は、例えば処理部によりデータ処理または計算等され、表示情報生成部32に出力される。すなわち、表示情報生成部32は、処理部によりデータ処理または計算等された信号強度または園児位置情報に基づき表示情報を生成可能である。
【0037】
表示部33は、サーバ装置20に設けられた表示情報生成部22、表示情報生成部32により生成された表示情報を表示可能である。ここで、端末装置30がタブレットまたはスマートフォンの場合、表示部33は、入出力インターフェースとしてのタッチディスプレイに対応する。つまり、先生は、表示部33を通じて端末装置30を操作したり、データを入力したりできる。なお、端末装置30がパーソナルコンピュータの場合、先生は、キーボード、マウス等を通じて端末装置30を操作したり、データを入力したりできる。
【0038】
先生位置情報検出部34は、例えばGPSモジュールを有し、地球上における先生の位置情報である先生位置情報を検出可能である。すなわち、先生位置情報検出部34は、端末装置30を携帯する先生の地球上における所在を位置情報として検出可能である。端末装置30は、先生位置情報検出部34により検出した先生位置情報を、例えば処理部で処理し、端末通信部31を経由してサーバ装置20に送信可能である。
【0039】
アラート部35は、例えばブザー、スピーカー、バイブレータ、LEDまたはディスプレイ等を有し、ビープ音、音声、振動、光、文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。本実施形態では、端末装置30がタブレットまたはスマートフォンの場合、アラート部35は、例えばスピーカー、バイブレータまたはタッチディスプレイ(表示部33)を有し、スピーカーから音声、バイブレータから振動、タッチディスプレイから文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。また、端末装置30がパーソナルコンピュータの場合、アラート部35は、例えばスピーカーまたはディスプレイ(表示部33)を有し、スピーカーから音声、ディスプレイから文字、画像等によるアラート(通知、警報)を出力可能である。
端末記憶部は、例えば端末装置30の記憶部の一部であり、信号強度検出部12により検出した信号強度、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報等を園児毎および時間(検出時刻)毎に記憶可能である。
【0040】
端末装置30の表示部33には、表示情報生成部22、表示情報生成部32により生成された表示情報が表示される。図2(A)、(B)では、地図画像上に、所定の地理的範囲である安全エリアA1、および、園児用センサ装置10を取り付けた複数の園児C1~C5の位置が表示されている。ここで、図2(A)、(B)において先生T1に対応する円Cr1と同心の破線の円Cr2を示しているが、これ(円Cr2)は、園児と先生との位置関係が分かり易いよう、便宜的に図示している。
【0041】
また、図2(A)に示されている安全エリアA1より一回り小さい矩形のS1は、園の敷地に対応するエリア(範囲)を示している。すなわち、本実施形態では、安全エリアA1は、敷地S1より一回り大きい範囲に設定されている。
【0042】
図2(A)では、園児C1、C3、C4が安全エリアA1内にいることを示し、園児C2、C5が安全エリアA1の外にいることを示している。このように、表示部33により、先生等は、園児C1~C5それぞれの位置を速やかに確認(監視)できる。
【0043】
敷地S1、安全エリアA1については、例えば端末装置30への入力により、予め設定されている。また、例えば、「園児が園の敷地内にいると想定される状況」である「在園中」においては、先生は端末装置30を「在園中」モードに設定する。一方、「園児が園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」においては、先生は端末装置30を「散歩中」モードに設定する。また、例えば、「園児が散歩の目的地にいると想定される状況」である「目的地滞在中」においては、先生は端末装置30を「目的地滞在中」モードに設定する。「目的地滞在中」モードにおいて設定される安全エリアは、例えば公園の敷地等、散歩の目的地である。例えば、先生は、園児と散歩に出かける際、端末装置30を「在園中」モードから「散歩中」モードに切り換える。また、散歩の目的地に到着した際、端末装置30を「散歩中」モードから「目的地滞在中」モードに切り換える。また、散歩の目的地から園に向かって出発する際、端末装置30を「目的地滞在中」モードから「散歩中」モードに切り換える。また、散歩から園に戻った際は、端末装置30を「散歩中」モードから「在園中」モードに切り換える。
【0044】
次に、アラート部23、35によるアラート出力に関する一連の処理S100を図3に示す。
【0045】
S100は、例えば、端末装置30が「在園中」モード、「目的地滞在中」モードまたは「散歩中」モードに設定されたとき、サーバ装置20において開始(スタート)される。
【0046】
S101では、アラート部23は、「園児が園の敷地内または散歩の目的地内にいると想定される状況」である「在園中」または「目的地滞在中」か否かを判断する。具体的には、端末装置30が「在園中」モードまたは「目的地滞在中」モードに設定されているか「散歩中」モードに設定されているかにより、「在園中」または「目的地滞在中」か否かを判断する。「在園中」または「目的地滞在中」であると判断した場合(S101:YES)、処理はS102に移行する。一方、「在園中」または「目的地滞在中」でない、すなわち、「散歩中」であると判断した場合(S101:NO)、処理はS110に移行する。
【0047】
S102では、アラート部23は、特定の園児用センサ装置10と先生用センサ装置50との間の信号強度が所定の信号閾値Th1以上か否かを判断する。具体的には、信号強度検出部12により検出した信号強度に基づき、信号閾値Th1以上か否かを判断する。ここで、例えば、先生用センサ装置50の信号送信部511から送信された信号を園児用センサ装置10の信号受信部112が受信できない場合、または、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1未満の場合、信号強度は信号閾値Th1以上でないと判断する。信号強度は信号閾値Th1以上であると判断した場合(S102:YES)、一連の処理S100を終了する(エンド)。一方、信号強度は信号閾値Th1以上でないと判断した場合(S102:NO)、処理はS103に移行する。
【0048】
本実施形態では、S102において、先生用センサ装置50の信号送信部511から送信された信号を園児用センサ装置10の信号受信部112が受信できない状況となった回数、または、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1未満の状況となった回数をカウントし、そのカウント数が所定の回数nに達した場合、「信号強度は信号閾値Th1以上でない」と判断し、処理はS103に移行する。ここで、アラート出力の感度に関し、「所定の回数n」を小さく設定するほど高感度となり、大きく設定するほど低感度となる。
【0049】
S103では、アラート部23は、園児が安全エリアA1内にいるか否かを判断する。具体的には、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報、および、設定されている安全エリアA1の情報に基づき、園児が安全エリアA1内にいるか否かを判断する。より具体的には、園児位置情報(位置座標)が安全エリアA1内にあることを所定回数(本実施形態では例えば1回)検出(確認)したとき、園児は安全エリアA1内にいると判断する。一方、園児位置情報(位置座標)が安全エリアA1内にないことを所定回数(本実施形態では例えば2回)検出(確認)したとき、園児は安全エリアA1内にいないと判断する。園児が安全エリアA1内にいると判断した場合(S103:YES)、一連の処理S100を終了する(エンド)。一方、園児は安全エリアA1内にいない、すなわち、園児は安全エリアA1外にいると判断した場合(S103:NO)、処理はS104に移行する。
【0050】
S104では、アラート部23は、園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満か否かを判断する。具体的には、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報と先生位置情報検出部34により検出した先生位置情報とに基づき園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満か否かを判断する。園児と先生との距離は所定の距離閾値Th2未満であると判断した場合(S104:YES)、一連の処理S100を終了する(エンド)。一方、園児と先生との距離は所定の距離閾値Th2未満でないと判断した場合(S104:NO)、処理はS105に移行する。
【0051】
ここで、アラート出力の感度に関し、所定の距離閾値Th2を小さく設定するほど高感度となり、大きく設定するほど低感度となる。
【0052】
S105では、アラート部23は、アラート部35によりアラートを出力する。具体的には、アラート部23は、アラート部35にアラートを出力するよう指示することにより、アラート部35からアラートが出力される。S105の後、一連の処理S100を終了する(エンド)。
【0053】
S110では、アラート部23は、S102での処理と同様、特定の園児用センサ装置10と先生用センサ装置50との間の信号強度が所定の信号閾値Th1以上か否かを判断する。信号強度は信号閾値Th1以上であると判断した場合(S110:YES)、一連の処理S100を終了する(エンド)。一方、信号強度は信号閾値Th1以上でないと判断した場合(S110:NO)、処理はS104に移行する。
【0054】
本実施形態では、S110において、S102と同様、先生用センサ装置50の信号送信部511から送信された信号を園児用センサ装置10の信号受信部112が受信できない状況となった回数、または、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1未満の状況となった回数をカウントし、そのカウント数が所定の回数nに達した場合、「信号強度は信号閾値Th1以上でない」と判断し、処理はS104に移行する。
【0055】
このように、
1:「在園中」または「目的地滞在中」(S101:YES)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上(S102:YES)のとき、
2:「在園中」または「目的地滞在中」(S101:YES)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上でなく(S102:NO)、かつ、園児が安全エリアA1内にいる(S103:YES)とき、
3:「在園中」または「目的地滞在中」(S101:YES)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上でなく(S102:NO)、かつ、園児が安全エリアA1内におらず(S103:NO)、かつ、園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満(S104:YES)のとき、
4:「在園中」または「目的地滞在中」でなく(S101:NO)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上(S110:YES)のときは、
アラート部35はアラートを出力しない。
【0056】
一方、
5:「在園中」または「目的地滞在中」(S101:YES)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上でなく(S102:NO)、かつ、園児が安全エリアA1内におらず(S103:NO)、かつ、園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満でない(S104:NO)とき、
6:「在園中」または「目的地滞在中」でなく(S101:NO)、かつ、信号強度が信号閾値Th1以上でなく(S110:NO)、かつ、園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満でない(S104:NO)ときは、
アラート部35はアラートを出力する。
【0057】
一連の処理S100は、終了したとき、端末装置30が「在園中」モード、「目的地滞在中」モードまたは「散歩中」モードに設定されていれば、再び開始する。すなわち、一連の処理S100は、端末装置30が「在園中」モード、「目的地滞在中」モードまたは「散歩中」モードに設定されている間、繰り返し実行される処理である。
【0058】
次に、本実施形態のアラート出力に関する作動例について説明する。
【0059】
図2(A)は、端末装置30が「在園中」モードに設定されているときの表示部33を示すものである。そのため、一連の処理S100では、S101:YESとなり、S102が実行される。また、先生T1を示す円Cr1と同心の破線の円Cr2は、先生T1から所定の距離D1の範囲を示すものである。なお、図2(A)では、先生T1は、安全エリアA1内、かつ、園の敷地S1内にいることを示している。本実施形態では、所定の距離閾値Th2は、距離D1に設定されている。
【0060】
(園児C1)
園児C1と先生T1との距離が所定の距離D1未満のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C1の園児用センサ装置10が受信し、かつ、その信号強度は所定の信号閾値Th1以上となる。そのため、S102:YESとなり、アラートは出力されず、園児C1は安全状態であると判断される。
【0061】
(園児C2)
園児C2は安全エリアA1内にいないものの、園児C2と先生T1との距離が所定の距離D1未満のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C2の園児用センサ装置10が受信し、かつ、その信号強度は所定の信号閾値Th1以上となる。そのため、S102:YESとなり、アラートは出力されず、園児C2は安全状態であると判断される。
【0062】
(園児C3)
園児C3と先生T1との距離が所定の距離D1のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C3の園児用センサ装置10が受信するものの、その信号強度は所定の信号閾値Th1未満となる。そのため、S102:NOとなり、S103の処理が実行される。ここで、園児C3は安全エリアA1内にいるため、S103:YESとなり、アラートは出力されず、園児C3は安全状態であると判断される。
【0063】
(園児C4)
園児C4と先生T1との距離が所定の距離D1以上のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C4の園児用センサ装置10は受信できず、信号強度は所定の信号閾値Th1未満となる。そのため、S102:NOとなり、S103の処理が実行される。ここで、園児C4は安全エリアA1内にいるため、S103:YESとなり、アラートは出力されず、園児C4は安全状態であると判断される。
【0064】
(園児C5)
園児C5と先生T1との距離が所定の距離D1以上のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C5の園児用センサ装置10は受信できず、S102:NOとなり、S103の処理が実行される。ここで、園児C5は安全エリアA1内にいないため、S103:NOとなり、S104の処理が実行される。ここで、園児C5と先生T1との距離が所定の距離閾値Th2(距離D1)未満でないため、S104:NOとなり、S105においてアラートが出力され、園児C5は要注意状態であると判断される。
【0065】
図2(B)は、端末装置30が「散歩中」モードに設定されているときの表示部33を示すものである。そのため、一連の処理S100では、S101:NOとなり、S110が実行される。また、図2(A)と同様、先生T1を示す円Cr1と同心の破線の円Cr2は、先生T1から所定の距離D1の範囲を示すものである。なお、図2(B)では、先生T1は、道路上にいることを示している。
【0066】
(園児C1)
園児C1と先生T1との距離が所定の距離D1未満のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C1の園児用センサ装置10が受信し、かつ、その信号強度は所定の信号閾値Th1以上となる。そのため、S110:YESとなり、アラートは出力されず、園児C1は安全状態であると判断される。
【0067】
(園児C2)
園児C2と先生T1との距離が所定の距離D1のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C2の園児用センサ装置10が受信するものの、その信号強度は所定の信号閾値Th1未満となる。そのため、S110:NOとなり、S104の処理が実行される。ここで、園児C2と先生T1との距離が所定の距離閾値Th2(距離D1)未満でないため、S104:NOとなり、S105においてアラートが出力され、園児C2は要注意状態であると判断される。
【0068】
(園児C3)
園児C3と先生T1との距離が所定の距離D1以上のため、先生T1の先生用センサ装置50からの信号を園児C3の園児用センサ装置10は受信できず、信号強度は所定の信号閾値Th1未満となる。そのため、S110:NOとなり、S104の処理が実行される。ここで、園児C3と先生T1との距離が所定の距離閾値Th2(距離D1)未満でないため、S104:NOとなり、S105においてアラートが出力され、園児C3は要注意状態であると判断される。
【0069】
以上説明したように、「開示1」本実施形態では、アラート部23、35は、信号強度検出部12により検出した信号強度が所定の信号閾値Th1以上であった場合、アラートを出力しない。
【0070】
そのため、例えば園児用センサ装置10と先生用センサ装置50との間の信号強度が所定の信号閾値Th1以上となるような、先生の近く、すなわち先生から見える範囲等に園児がいるにもかかわらず、園児が所定の地理的範囲である安全エリアA1から外れたことをもってアラートが出力されることはなく、先生等が煩わしさを感じるのを抑制できる。また、不要なアラートを抑制することで、機器の電力消費量を低減できる。
【0071】
また、「開示2」本実施形態は、地球上における前記先生の位置情報である先生位置情報を検出可能な先生位置情報検出部34をさらに備える。本実施形態では、アラート部35は、「園児が園の敷地内または散歩の目的地内にいると想定される状況」である「在園中」または「目的地滞在中」においては、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1以上であった場合、アラートを出力せず、園児用センサ装置10または先生用センサ装置50が信号を受信できなかった場合、または、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1未満であった場合、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報に基づき園児が所定の地理的範囲である安全エリアA1内にいるか否かを判断し、園児が安全エリアA1内にいると判断した場合、アラートを出力せず、園児が安全エリアA1内にいないと判断した場合、園児位置情報と先生位置情報検出部34により検出した先生位置情報とに基づき園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満か否かを判断し、園児と先生との距離が距離閾値Th2未満であると判断した場合、アラートを出力せず、園児と先生との距離が距離閾値Th2以上であると判断した場合、アラートを出力し、「園児が園の敷地外で散歩していると想定される状況」である「散歩中」においては、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1以上であった場合、アラートを出力せず、園児用センサ装置10または先生用センサ装置50が信号を受信できなかった場合、または、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1未満であった場合、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報に基づき園児が安全エリアA1内にいるか否かを判断することなく、園児位置情報と先生位置情報検出部34により検出した先生位置情報とに基づき園児と先生との距離が所定の距離閾値Th2未満か否かを判断し、園児と先生との距離が距離閾値Th2未満であると判断した場合、アラートを出力せず、園児と先生との距離が距離閾値Th2以上であると判断した場合、アラートを出力する。
【0072】
そのため、「散歩中」においては、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報に基づき園児が安全エリアA1内にいるか否かを判断する処理を実行することがなく、処理がより簡単になり、機器の電力消費量を低減できる。また、信号強度検出部12により検出した信号強度が信号閾値Th1以上でなかった場合でも、園児と先生との距離が距離閾値Th2未満であると判断した場合は、アラートが出力されることはなく、先生等が煩わしさを感じるのをさらに抑制できる。
【0073】
「開示3」
複数の園児のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置(10)と複数の前記園児を監視する少なくとも1人の先生に取り付け可能な先生用センサ装置(50)との間の信号の強度である信号強度を検出する信号強度検出処理を行い、
地球上における前記園児の位置情報である園児位置情報を検出する園児位置情報検出処理を行い、
前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度、および、前記園児位置情報検出処理により検出した前記園児位置情報に基づき、アラートを出力するアラート処理を行い、
前記アラート処理では、
前記信号強度検出処理により検出した前記信号強度が所定の信号閾値(Th1)以上であった場合、アラートを出力しない
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0074】
本発明の一態様としては、上記のようなプログラムとして実施可能である。
【0075】
(他の実施形態)
「開示1」他の実施形態では、「在園中」、「散歩中」、「目的地滞在中」にかかわらず、アラート部は、信号強度検出部により検出した信号強度が所定の信号閾値以上であった場合、アラートを出力せず、信号強度検出部により検出した信号強度が信号閾値未満であった場合、園児位置情報検出部により検出した園児位置情報に基づき園児が所定の地理的範囲である安全エリア内にいるか否かを判断し、園児が安全エリア内にいると判断した場合、アラートを出力せず、園児が安全エリア内にいないと判断した場合、アラートを出力することとしてもよい。つまり、一連の処理S100(図3参照)からS101、S104およびS110の処理を省略した簡単な処理でアラート出力の判断を行うことができる。この場合(S104の処理を省略する場合)、先生位置情報検出部を備えていなくてもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では、先生用センサ装置を1人の先生に取り付ける例を示した。これに対し他の実施形態では、先生用センサ装置を2人以上の先生に取り付けてもよい。
また、上述の実施形態では、園児用センサ装置10が信号送信部111および信号受信部112を有し、信号受信部112のみを使用し、先生用センサ装置50が信号送信部511および信号受信部512を有し、信号送信部511のみを使用する例を示した。これに対し他の実施形態では、園児用センサ装置10の信号送信部111を使用してもよく、先生用センサ装置50の信号受信部512を使用してもよい。また、さらに他の実施形態では、園児用センサ装置10は信号送信部111を有することなく信号受信部112のみを有することとしてもよく、先生用センサ装置50は信号受信部512を有することなく信号送信部511のみを有することとしてもよい。
【0077】
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 監視システム、10 園児用センサ装置、12 信号強度検出部、13 園児位置情報検出部、23、35 アラート部、50 先生用センサ装置
【要約】
【課題】適切にアラートを出力可能な監視システムを提供する。
【解決手段】信号強度検出部12は、複数の園児のそれぞれに取り付け可能な園児用センサ装置10と複数の園児を監視する少なくとも1人の先生に取り付け可能な先生用センサ装置50との間の信号の強度である信号強度を検出可能である。園児位置情報検出部13は、地球上における園児の位置情報である園児位置情報を検出可能である。先生位置情報検出部34は、地球上における先生の位置情報である先生位置情報を検出可能である。アラート部23、35は、信号強度検出部12により検出した信号強度、園児位置情報検出部13により検出した園児位置情報、および、先生位置情報検出部により検出した先生位置情報に基づき、アラートを出力可能である。アラート部23、35は、信号強度検出部12により検出した信号強度が所定の信号閾値Th1以上であった場合、アラートを出力しない。
【選択図】図1
図1
図2
図3