(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-19
(45)【発行日】2025-08-27
(54)【発明の名称】映像記録装置および映像記録プログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20250820BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20250820BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20250820BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H04N7/18 U
H04N7/18 J
B60R1/26
(21)【出願番号】P 2022049228
(22)【出願日】2022-03-25
【審査請求日】2024-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋平
(72)【発明者】
【氏名】松本 祐次
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039716(JP,A)
【文献】特開2019-165296(JP,A)
【文献】特開2011-135418(JP,A)
【文献】特開2020-129091(JP,A)
【文献】特開2013-008347(JP,A)
【文献】特開2021-114644(JP,A)
【文献】特開2022-035957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00
H04N 7/18
B60R 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を撮像して第1の映像を生成する第1の撮像装置から前記第1の映像を受信する第1の受信部と、
前記車両の前方および前記車両の内部の少なくともいずれかを撮像して第2の映像を生成する携帯端末から前記第2の映像を受信する第2の受信部と、
前記第1の映像および前記第2の映像を、記録された映像が所定容量以上になると上書きされる上書きフォルダ、または映像が上書きされない保存用フォルダに記録する記録部と、を備
え、
前記第2の受信部は、
前記車両内に設置された表示装置の表示方式に関する設定情報を前記携帯端末から受信し、
前記記録部は、
前記設定情報を記録する、
映像記録装置。
【請求項2】
前記携帯端末は、表示画面と、前記表示画面とは反対側に位置する背面と、を有し、
前記携帯端末の前記表示画面側に設けられ、前記表示画面が向いた側を撮像する第2の撮像装置と、
前記携帯端末の前記背面側に設けられ、前記背面が向いた側を撮像する第3の撮像装置と、を備える、
請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項3】
前記車両に加わった加速度を検知する加速度センサを更に備え、
前記記録部は、
前記加速度センサが、所定値以上の前記加速度を検知すると、前記上書きフォルダから前記保存用フォルダへと記録先を切り替えて前記第1の映像および前記第2の映像を記録する、
請求項1または請求項2に記載の映像記録装置。
【請求項4】
前記携帯端末は、衛星測位システムから位置情報を受信する受信機を有し、
前記第2の受信部は、
前記携帯端末から前記位置情報を受信し、
前記記録部は、
前記第2の映像に前記位置情報を紐づけて、前記保存用フォルダに前記第2の映像を記録する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の映像記録装置。
【請求項5】
前記記録部は、
前記位置情報に応じた地図上のルートと紐づけて前記第2の映像を記録する、
請求項4に記載の映像記録装置。
【請求項6】
前記記録部は、
前記第2の映像の再生時、前記地図上の所定位置を選択することで前記所定位置における前記第2の映像の再生が可能なように前記第2の映像を記録する、
請求項5に記載の映像記録装置。
【請求項7】
前記携帯端末の前記受信機は、前記衛星測位システムから前記位置情報とともに時刻情報を受信し、
前記記録部は、
前記第2の映像に前記位置情報とともに前記時刻情報を紐づけて前記第2の映像を記録する、
請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の映像記録装置。
【請求項8】
前記記録部は、
前記第2の映像の再生時、所定時刻を選択することで前記所定時刻における前記第2の映像の再生が可能なように前記第2の映像を記録する、
請求項7に記載の映像記録装置。
【請求項9】
前記表示装置に前記設定情報を送信する送信部を更に備え、
前記第2の受信部は、
前記携帯端末から、前記設定情報を受信し、
前記記録部は、
前記設定情報をユーザと対応付けて記録し、
前記送信部は、
所定のユーザからのアクセスがあると、前記所定のユーザに対応する前記設定情報を前記表示装置に送信する、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の映像記録装置。
【請求項10】
前記表示装置は前記車両の後方を確認するミラーを象ったミラー型表示装置である、
請求項
9に記載の映像記録装置。
【請求項11】
コンピュータに、
車両の後方を撮像して第1の映像を生成する第1の撮像装置から前記第1の映像を受信させ、
前記車両の前方および前記車両の内部の少なくともいずれかを撮像して第2の映像を生成する携帯端末から前記第2の映像を受信させ、
前記第1の映像および前記第2の映像を、映像が所定容量以上になると上書きされる上書きフォルダ、または映像が上書きされない保存用フォルダに記録させ、
前記車両内に設置された表示装置の表示方式に関する設定情報を前記携帯端末から受信させ、
前記設定情報を記録させる、
映像記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像記録装置および映像記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車体に取り付けたカメラ等によって車両の内外を撮像し、記録する技術が知られている。この場合、車両の内外を撮像する複数台のカメラが必要となり、システム全体としてのコストが増大してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、安価に車両の内外を撮像した映像を記録することができる映像記録装置および映像記録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示にかかる映像記録装置は、車両の後方を撮像して第1の映像を生成する第1の撮像装置から前記第1の映像を受信する第1の受信部と、前記車両の前方および前記車両の内部の少なくともいずれかを撮像して第2の映像を生成する携帯端末から前記第2の映像を受信する第2の受信部と、前記第1の映像および前記第2の映像を、記録された映像が所定容量以上になると上書きされる上書きフォルダ、または映像が上書きされない保存用フォルダに記録する記録部と、を備え、前記第2の受信部は、前記車両内に設置された表示装置の表示方式に関する設定情報を前記携帯端末から受信し、前記記録部は、前記設定情報を記録する。
【発明の効果】
【0006】
本開示にかかる映像記録装置および映像記録プログラムによれば、安価に車両の内外を撮像した映像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるドライブレコーダユニットを備える車両の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる映像記録システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる表示ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかるドライブレコーダユニット及び携帯端末による映像記録処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかるドライブレコーダユニットが携帯端末のナビゲーション機能を利用して行う映像記録処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかるドライブレコーダユニットが携帯端末の認証機能を利用して行う設定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示にかかる映像記録装置および映像記録プログラムの実施形態について説明する。
【0009】
(車両の構成例)
図1は、実施形態にかかるドライブレコーダユニット10を備える車両5の一例を示す模式図である。
図1に示すように、実施形態の車両5は、例えばドライブレコーダユニット10、リアカメラ32、表示装置25、ディスプレイ45、及び端末ホルダ59を備える。
【0010】
リアカメラ32は、例えば車両5のリアガラス等に設けられる。リアカメラ32は、車両5の後方を撮像し、後方映像を生成する。後方映像は、第1の映像の一例である。リアカメラ32は、第1の撮像装置の一例である。
【0011】
ドライブレコーダユニット10は、例えば車両5のコンソールボックス内等に収納される。ドライブレコーダユニット10は、後述する携帯端末が撮像した映像、及びリアカメラ32が撮像した後方映像を記録する。ドライブレコーダユニット10は、映像記録装置の一例である。
【0012】
表示装置25は、車両の後方を映し出す液晶ディスプレイ等であって、例えば車両の後方を確認するミラーを象ったミラー型の電子ミラー等である。表示装置25は、例えば表示装置25と一体に形成された電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)によって所定の処理を施された後方映像を表示する。表示装置25は、表示装置の一例である。電子ミラーは、ミラー型表示装置の一例である。
【0013】
なお、
図1中の表示装置25はルームミラーの形をした電子ミラーとして構成されているが、表示装置25が電子ミラーとして構成される場合、例えばドアミラーまたはフェンダーミラー等の後方確認用の他のミラーの形を有していてもよい。
【0014】
ディスプレイ45は、例えばインストルメントパネル等にはめ込まれたパネル型の液晶ディスプレイ等である。ディスプレイ45は、ドライブレコーダユニット10によって処理された映像を表示する。ディスプレイ45は、リアカメラ32を含む車外を撮像する複数のカメラの映像を合成した全方位俯瞰映像等を表示してもよい。
【0015】
端末ホルダ59は、例えばインストルメントパネル上に設けられ、車両5の運転者等のユーザが所有する携帯端末を保持することが可能に構成される。
【0016】
なお、以上に説明したドライブレコーダユニット10、リアカメラ32、表示装置25、及びディスプレイ45は、後述する映像記録システムの一部である。映像記録システムに端末ホルダ59を含めてもよい。
【0017】
(映像記録システムの構成例)
図2は、実施形態にかかる映像記録システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態の映像記録システム1は、ドライブレコーダユニット10、表示ユニット20、リアカメラ32、及びディスプレイユニット40を備え、例えば上述の車両5に搭載可能に構成されている。また、映像記録システム1には、ユーザが所有する携帯端末50が含まれる。
【0018】
携帯端末50は、車両5の運転者または同乗者等のユーザが所有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。携帯端末50は、車両5の走行中、端末ホルダ59に保持された状態で、内蔵のカメラによって車両5周辺の映像を撮像する。携帯端末50の詳細の構成については後述する。
【0019】
ドライブレコーダユニット10は、メインマイコン11、サブマイコン12、シリアライザ13p、シリアライザ13m、デシリアライザ14m、記録装置15、Gセンサ16、WiFi(登録商標)-ICモジュール17、及びアンテナ18を備える。
【0020】
メインマイコン11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えるコンピュータである。メインマイコン11は、例えば携帯端末50及びリアカメラ32が撮像した映像に処理を施す画像処理プロセッサ11p等を備えるSoC(System on Chip)として構成されている。
【0021】
メインマイコン11のCPUが、ROM等に格納された映像記録プログラムをRAMに展開して実行することで、以下に述べるドライブレコーダユニット10の映像記録装置としての機能が実現される。
【0022】
メインマイコン11は、リアカメラ32で生成された後方映像を、デシリアライザ14mから映像信号SGvrとして受信する。また、メインマイコン11は、携帯端末50で生成された映像を、アンテナ18を介してWiFi-ICモジュール17から映像信号SGvsとして受信する。
【0023】
画像処理プロセッサ11pは、携帯端末50から受信した映像、及びリアカメラ32から受信した後方映像に処理を施す。画像処理プロセッサ11pによる映像処理では、例えば映像記録およびディスプレイ45での表示に適するよう、色彩およびコントラストの調整等が行われる。
【0024】
また、メインマイコン11は、WiFi-ICモジュール17及びシリアライザ13pに制御信号SGcを送信することで、WiFi-ICモジュール17及びシリアライザ13pを制御する。
【0025】
例えば、携帯端末50からドライブレコーダユニット10に向けて映像が送信されると、メインマイコン11は、アンテナ18を介してWiFi-ICモジュール17に携帯端末50からの映像信号SGvsを受信させる。
【0026】
また例えば、携帯端末50及びリアカメラ32からの映像に処理を施した後、メインマイコン11は、シリアライザ13pに処理済みの映像をディスプレイユニット40へと送信させる。
【0027】
なお、メインマイコン11によって処理が施された映像は録画映像として、サブマイコン12を介して後述する記録装置15にも格納される。
【0028】
また、メインマイコン11は、サブマイコン12にステータス信号SGsを送信することで、種々のステータスをサブマイコン12に通知する。種々のステータスには、メインマイコン11自体のステータスの他、シリアライザ13p、及びディスプレイユニット40等のメインマイコン11の管理下にある機器における障害の発生有無等の情報が含まれる。
【0029】
シリアライザ13pは、メインマイコン11から制御信号SGcを受信すると、メインマイコン11から受信した処理済みの映像をディスプレイユニット40に送信する。このとき、シリアライザ13pは、パラレル化された映像をシリアルデータに変換し、それぞれ映像信号SGvs及び映像信号SGvrとしてディスプレイユニット40へと送信する。
【0030】
WiFi-ICモジュール17は、ドライブレコーダユニット10と携帯端末50との間で、WiFi通信による情報の送受信が可能に構成されている。WiFi-ICモジュール17は、ドライブレコーダユニット10と携帯端末50との間の情報をWiFi電波の形でアンテナ18を介して送受信する。WiFi-ICモジュール17及びアンテナ18は、第2の受信部の一例である。
【0031】
サブマイコン12は、CPU、ROM、及びRAMを備えるコンピュータであって、例えばMCU(Micro Controller Unit)として構成されている。
【0032】
サブマイコン12は、シリアライザ13m及びデシリアライザ14mに制御信号SGcを送信することで、シリアライザ13m及びデシリアライザ14mを制御する。
【0033】
例えば、リアカメラ32からドライブレコーダユニット10に向けて後方映像が送信されると、サブマイコン12は、デシリアライザ14mにリアカメラ32からの後方映像を受信させる。
【0034】
また例えば、デシリアライザ14mが後方映像を受信すると、サブマイコン12は、シリアライザ13mに未処理の後方映像を表示ユニット20へと送信させる。
【0035】
また、サブマイコン12は、メインマイコン11にステータス信号SGsを送信することで、種々のステータスをメインマイコン11に通知する。種々のステータスには、サブマイコン12自体のステータスの他、シリアライザ13m、デシリアライザ14m、Gセンサ16、リアカメラ32、及び表示ユニット20等のサブマイコン12の管理下にある機器における障害の発生有無等の情報が含まれる。
【0036】
また、サブマイコン12は、メインマイコン11から受信した携帯端末50からの映像、及びリアカメラ32からの後方映像等を、上書きモード、または保存用モードで記録装置15に格納する。上書きモードでは、記録装置15に記録された映像が一定量以上となると順次、古い映像を新しい映像で上書きすることによって映像が保存される。保存用モードでは、記録された映像が新しい映像によって上書きされることなく保存される。
【0037】
記録装置15に映像を記録する際、サブマイコン12は、ユーザからの指示入力の内容にしたがって、あるいは、Gセンサ16の検知結果に基づいて、上書きモードと保存用モードとを切り替える。
【0038】
デシリアライザ14mは、サブマイコン12から制御信号SGcを受信すると、リアカメラ32から送信されてきた後方映像を受信する。このとき、デシリアライザ14mは、シリアル化された映像信号SGvrとして送信されてきた後方映像をパラレルデータに変換する。また、デシリアライザ14mは、パラレル化した後方映像を、映像信号SGvrの形でメインマイコン11とシリアライザ13mとに送信する。デシリアライザ14mは、第1の受信部の一例である。
【0039】
シリアライザ13mは、サブマイコン12から制御信号SGcを受信すると、デシリアライザ14mから受信した未処理の後方映像を表示ユニット20に送信する。このとき、シリアライザ13mは、パラレル化されている後方映像をシリアルデータに変換し、映像信号SGvrとして表示ユニット20へと送信する。シリアライザ13mは、送信部の一例である。
【0040】
記録装置15は、携帯端末50が撮像した映像、及びリアカメラ32が撮像した後方映像を記録する。記録装置15は、上書きフォルダ等の上書き領域と、保存用フォルダ等の保存領域と、を有する。上書き領域においては、上述の上書きモードにより、記録された映像が一定量以上となると順次、古い映像を新しい映像で上書きすることによって映像が保存される。保存領域においては、上述の保存用モードにより、記録された映像が新しい映像によって上書きされることなく保存される。記録装置15は記録部の一例である。
【0041】
Gセンサ16は、車両5に加わった加速度を検知する加速度センサ等である。Gセンサ16は、例えば検知結果を所定の間隔で、サブマイコン12へと送信する。
【0042】
なお、メインマイコン11からシリアライザ13p及びWiFi-ICモジュール17への制御信号SGcの送信、及びサブマイコン12からシリアライザ13m及びデシリアライザ14mへの制御信号SGcの送信は、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)形式で行われる。
【0043】
また、メインマイコン11とシリアライザ13pとの映像信号SGvs及び映像信号SGvrの送受信、及びデシリアライザ14mからメインマイコン11及びシリアライザ13mへの映像信号SGvrの送信は、例えばMIPI(Mobile Industry Processor Interface)形式で行われる。
【0044】
また、シリアライザ13p及びシリアライザ13m、並びにデシリアライザ14mと、リアカメラ32、表示ユニット20、及びディスプレイユニット40との映像信号SGvs及び映像信SGvr号の送受信は、例えばFPD-Link III(Flat Panel Display-Link III)形式で行われる。
【0045】
なお、これらの映像伝送には、例えば同軸ケーブルまたはWi-Fi等を用いることができる。
【0046】
また、メインマイコン11とサブマイコン12とのステータス信号SGsの送受信は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)形式で行われる。
【0047】
ディスプレイユニット40は、例えばパネル型のディスプレイ45を備え、例えば車載インフォテインメント(IVI:In-Vehicle Infortainment)システムの一部として構成されている。
【0048】
ディスプレイユニット40がドライブレコーダユニット10から受信した処理済みの映像はディスプレイ45に受け渡されて、ディスプレイ45上に表示される。ディスプレイ45上に表示される映像は、例えば駐車支援における車外状況表示、駐車スペース表示、及び駐車ルート表示等の用途で用いられる。
【0049】
表示ユニット20は、ECU21及び表示装置25を備える。
【0050】
ECU21は、ドライブレコーダユニット10から未処理の後方映像を受信して処理を施す。ECU21が処理した後方映像は表示装置25に受け渡されて、表示装置25上に表示され、例えば車両5の後方確認等の用途で用いられる。
【0051】
なお、表示ユニット20は、リアカメラ32から直接、後方映像を受信することも可能である。つまり、ドライブレコーダユニット10から後方映像を受信する機能は、リアカメラ32から後方映像を受信する機能としても用いることができる。
【0052】
この場合、ドライブレコーダユニット10は、リアカメラ32から直接、後方映像を受信するのではなく、表示ユニット20により処理された後方映像を、表示ユニット20から受信してもよい。すなわち、この場合、ドライブレコーダユニット10のメインマイコン11は、後方映像の処理を行わなくともよい。また、サブマイコン12は、表示ユニット20から受信した処理済みの後方映像を記録装置15に格納する。
【0053】
ここで、メインマイコン11、シリアライザ13p、WiFi-ICモジュール17、アンテナ18、及びディスプレイユニット40は、主制御ブロック2を構成する。主制御ブロック2において、シリアライザ13p、WiFi-ICモジュール17、アンテナ18、及びディスプレイユニット40は、メインマイコン11の管理下に置かれる。メインマイコン11は、自身も含めた主制御ブロック2に障害等が発生していないか等のステータスをサブマイコン12に適宜、通知する。
【0054】
また、サブマイコン12、シリアライザ13m、デシリアライザ14m、記録装置15、Gセンサ16、リアカメラ32、及び表示ユニット20は、副制御ブロック3を構成する。副制御ブロック3において、シリアライザ13m、デシリアライザ14m、記録装置15、Gセンサ16、リアカメラ32、及び表示ユニット20は、サブマイコン12の管理下に置かれる。サブマイコン12は、自身も含めた副制御ブロック3に障害等が発生していないか等のステータスをメインマイコン11に適宜、通知する。
【0055】
主制御ブロック2と副制御ブロック3とは、互いに対して独立的に作動することができる。したがって、例えば主制御ブロック2に何らかの障害が発生しても、副制御ブロック3が作動し続けることができる。副制御ブロック3が作動し続けることにより、例えば表示装置25による後方映像の表示を継続することができる。
【0056】
また、メインマイコン11とサブマイコン12とは、互いに対して独立的に作動することが可能である。したがって、例えばメインマイコン11に何らかの障害が発生しても、サブマイコン12は作動し続け、例えば表示装置25による後方映像の表示が継続される。
【0057】
以下に、
図3を用いて、上述の表示ユニット20の更に詳細の構成について説明する。
図3は、実施形態にかかる表示ユニット20の構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図3に示すように、表示ユニット20は、ECU21、操作部22、記録部23、デシリアライザ24、及び表示装置25を備える。
【0059】
ECU21は、CPU、ROM、及びRAMを備えるコンピュータである。ECU21は、例えばリアカメラ32が撮像した映像に処理を施す画像処理プロセッサ21p等を備える。
【0060】
画像処理プロセッサ21pは、リアカメラ32からの後方映像に処理を施す。画像処理プロセッサ21pによる映像処理では、例えば表示装置25での表示に適するよう、色彩およびコントラストの調整等が行われる。
【0061】
操作部22は、ユーザインターフェースである。すなわち、操作部22は、明るさ、画質、カメラアングル等の表示装置25における表示方式に関するユーザからの設定を受け付ける。また、操作部22は、表示ユニット20の状態等の種々の情報をユーザへと提示する。
【0062】
記録部23には、例えばユーザによる表示方式等の設定内容、及び表示ユニット20の動作に関する各種パラメータが格納されている。
【0063】
デシリアライザ24は、ドライブレコーダユニット10、またはリアカメラ32から送信されてきた後方映像を受信する。このとき、デシリアライザ24は、シリアル化された映像信号SGvrとして送信されてきた後方映像をパラレルデータに変換する。また、デシリアライザ24は、パラレル化した後方映像を、映像信号SGvrの形でECU21に送信する。
【0064】
表示装置25は、上述の通り、車両の後方を映し出す液晶ディスプレイ等であって、例えば車両の後方を確認するミラーを象ったミラー型の電子ミラー等である。表示装置25は、例えばルームミラー、ドアミラー、またはフェンダーミラー等の後方確認用のミラーの形を有している。
【0065】
以下に、
図4を用いて、上述の携帯端末50の詳細の構成について説明する。
図4は、実施形態にかかる携帯端末50の構成の一例を示すブロック図である。
【0066】
図4に示すように、携帯端末50は、制御部51、インカメラ52in、アウトカメラ52ot、スピーカ53、操作スイッチ54s、表示部54m、外部メモリ55、加速度センサ56a、ジャイロセンサ56b、GPS(Global Positioning System)受信機56c、WiFi-ICモジュール57、及びアンテナ58を備える。
【0067】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMを備えるコンピュータであって、ドライブレコーダユニット10と連動して種々の機能を実現させるDVRアプリケーション510がインストールされている。
【0068】
これにより、制御部51は、例えばインカメラ52inが撮像した車両5の車室内映像及びアウトカメラ52otが撮像した車両5の前方映像等を、WiFi-ICモジュール57及びアンテナ58を介して、ドライブレコーダユニット10へと送信する。
【0069】
インカメラ52inは、携帯端末50の正面側、つまり、表示部54mの表示画面側に設けられる。インカメラ52inは、端末ホルダ59に保持された携帯端末50の表示部54mの画面手前側、つまり、表示部54mが向いた側である車室内を撮像した映像を生成する。インカメラ52inは、第2の撮像装置の一例である。車両5の車室内映像は第2の映像の一例である。
【0070】
アウトカメラ52otは、携帯端末50の背面側に設けられる。アウトカメラ52otは、端末ホルダ59に保持された携帯端末50の背面側前方、つまり、携帯端末50の背面が向いた側である車両5の前方を撮像した前方映像を生成する。アウトカメラ52otは、第3の撮像装置の一例である。車両5の前方映像は第2の映像の一例である。
【0071】
スピーカ53は、制御部51から入力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0072】
操作スイッチ54sは、表示部54mの周囲に設けられたメカニカルスイッチ、表示部54mの前面に重ねて設けられたタッチスイッチ等の各種スイッチを有し、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部51へ出力する。
【0073】
表示部54mは、液晶ディスプレイ等であり、制御部51から入力される映像信号に基づく映像を表示させる。
【0074】
外部メモリ55は、SDカード等の記録媒体である。
【0075】
加速度センサ56aは、携帯端末50に加わった加速度を検出して、加速度信号を制御部51へ出力する。ジャイロセンサ56bは、携帯端末50の3軸方向(xyz軸方向)の各角速度を検出して、角速度信号を制御部51へ出力する。GPS受信機56cは、衛星測位システムからの測位信号を受信して、携帯端末50の現在地を示す位置情報を制御部51へ出力する。
【0076】
WiFi-ICモジュール57は、ドライブレコーダユニット10と携帯端末50との間で、WiFi通信による情報の送受信が可能に構成されている。WiFi-ICモジュール57は、ドライブレコーダユニット10と携帯端末50との間の情報をWiFi電波の形でアンテナ58を介して送受信する。
【0077】
(ドライブレコーダユニットの処理例1)
次に、
図5を用いて、実施形態のドライブレコーダユニット10及び携帯端末50による映像記録処理の例について説明する。
図5は、実施形態にかかるドライブレコーダユニット10及び携帯端末50による映像記録処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0078】
図5に示すように、運転者等のユーザが、携帯端末50のDVRアプリケーション510を起動して、車両5の前方または車室内等の映像を選択すると、DVRアプリケーション510は、ユーザによる映像選択通知をドライブレコーダユニット10のメインマイコン11へと送信する(ステップS11)。
【0079】
ユーザは、携帯端末50を端末ホルダ59に保持した状態で、携帯端末50のインカメラ52inにより撮像される車室内映像、アウトカメラ52otにより撮像される車両5の前方映像、または、車室内映像と前方映像との両方を選択することができる。
【0080】
また、DVRアプリケーション510は、例えばユーザによる映像選択をトリガとして、選択されたカメラによる映像の伝送を開始する(ステップS12)。トリガとなる映像選択は、例えばユーザによる選択完了ボタンの押下等である。
【0081】
これらのユーザによる携帯端末50の操作は、携帯端末50が備える上述の操作スイッチ54sによって行われる。あるいは、上記ユーザによる操作は、ジェスチャ検知または音声指示等によってなされてもよい。これにより、ユーザが車両5の運転中である場合等、携帯端末50の操作スイッチ54sを操作することができない状況においても、携帯端末50のカメラによる映像の伝送を開始することができる。
【0082】
ジェスチャ検知は、予め設定されたジェスチャをユーザが携帯端末50に向かって行うことで、携帯端末50がそれを特定の操作を指示する指示入力として検知する機能である。また、音声指示は、ユーザの音声による指示を検知する携帯端末50の音声認識機能により実現される。
【0083】
ドライブレコーダユニット10のメインマイコン11は、携帯端末50からの映像を受信し、受信した映像に所定の処理を施し、サブマイコン12によって記録装置15の上書きフォルダに映像を記録させる(ステップS13)。
【0084】
このとき、メインマイコン11は、ユーザからの指示に応じて、所定の処理を施した映像をディスプレイユニット40のディスプレイ45に表示させてもよい。
【0085】
なお、上記処理と並行して、ドライブレコーダユニット10の記録装置15には、リアカメラ32が撮像した後方映像も適宜記録される。メインマイコン11は、ユーザからの指示に応じて、所定の処理を施した後方映像をディスプレイユニット40のディスプレイ45に表示させてもよい。また、表示ユニット20が、リアカメラ32が撮像した後方映像を表示装置25に表示させてもよい。
【0086】
ここで、携帯端末50から受信した映像、及びリアカメラ32から受信した後方映像は、所定の条件下で、上書きモードによる記録から、上書きされない保存用モードによる記録に切り替わる。
【0087】
1つの例としては、携帯端末50のDVRアプリケーション510から、所定のイベント録画要求があった場合である(ステップS14)。ドライブレコーダユニット10のメインマイコン11は、携帯端末50からイベント録画要求を受信すると、サブマイコン12によって記録装置15への記録を上書きモードから保存用モードへと切り替えさせ、記録装置15の保存用フォルダに映像を記録させる(ステップS15)。イベント録画要求の具体例については後述する。
【0088】
上書きモードから保存用モードへ切り替わる他の例としては、Gセンサ16が所定値以上の加速度を検知した場合である。Gセンサ16による検知結果をサブマイコン12が受信し、その検知結果が所定値以上の加速度を示しているとサブマイコン12が判定すると(ステップS114)、メインマイコン11は、サブマイコン12によって記録装置15への記録を上書きモードから保存用モードへと切り替えさせ、記録装置15の保存用フォルダに映像を記録させる(ステップS115)。
【0089】
Gセンサ16が所定値以上の加速度を検知した場合とは、Gセンサ16が車両5への衝撃を検知した場合と言い換えることができる。Gセンサ16が車両5への衝撃を検知した場合には、車両5が事故、あおり運転等の何らかのトラブルに巻き込まれた可能性がある。その場合には、メインマイコン11は、上書きモードから保存用モードへ切り替えて記録装置15に映像を記録させる。
【0090】
ただし、上記のステップS114の処理において、車両5への衝撃に相当するような所定値以上の加速度を検知した場合のみ、Gセンサ16がサブマイコン12に検知結果を送信するようにしてもよい。この場合、サブマイコン12がGセンサ16からの検知結果を受信すると、メインマイコン11が上書きモードから保存用モードへの切り替えを行って、記録装置15の保存用フォルダに映像を記録させる。
【0091】
また、Gセンサ16による所定値以上の加速度の検知以外にも、エアバックの展開、ハザードランプの点灯、急停止、または急発進等、なんらかの緊急事態が想定される事象が検知された場合には、メインマイコン11が、上書きモードから保存用モードへの切り替えを行って記録装置15に映像を記録させてもよい。
【0092】
エアバックの展開、ハザードランプの点灯、急停止、及び急発進等の事象は、例えばドライブレコーダユニット10を車両5のCAN(Controller Area Network)に接続しておくことで、車両5側の各部から検知することができる。
【0093】
(ドライブレコーダユニットの処理例2)
次に、
図6を用いて、実施形態の携帯端末50によるナビゲーション機能を利用した映像記録処理の例について説明する。
図6は、実施形態にかかるドライブレコーダユニット10が携帯端末50のナビゲーション機能を利用して行う映像記録処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0094】
図6に示すように、運転者等のユーザが、携帯端末50のDVRアプリケーション510を起動してナビゲーション機能の開始を選択すると、DVRアプリケーション510は、ユーザによるナビゲーション開始通知をドライブレコーダユニット10のメインマイコン11へと送信する(ステップS21)。
【0095】
また、DVRアプリケーション510は、例えばユーザによるナビゲーション機能開始をトリガとして、選択されたカメラによる映像の伝送を開始する(ステップS22)。トリガとなるナビゲーション機能開始は、例えばユーザによる開始ボタンの押下等である。
【0096】
これらのユーザによる携帯端末50の操作は、携帯端末50が備える上述の操作スイッチ54sによって行われる。あるいは、上記ユーザによる操作は、ジェスチャ検知または音声指示等によってなされてもよい。
【0097】
また、DVRアプリケーション510は、現在時刻とともに、携帯端末50のGPS受信機56cが受信した位置情報の伝送を開始する(ステップS23)。これらの時刻情報および位置情報は、例えば1分に1回等、上記の映像よりも長いインターバルでドライブレコーダユニット10に伝送されてもよい。
【0098】
ドライブレコーダユニット10のメインマイコン11は、携帯端末50からの位置情報および映像を受信し、受信した映像に所定の処理を施し、サブマイコン12によって、その時々の時刻情報および位置情報が紐づけられた映像を記録装置15に記録させる(ステップS24)。
【0099】
このとき、サブマイコン12は、記録装置15の保存用フォルダにこれらの映像、時刻情報、及び位置情報を記録させる。ユーザが、時刻情報および位置情報を付加したうえで映像の記録を指示した場合、ユーザにはその映像を何らかの記録として保存しておきたいという意図があるものと考えられるからである。
【0100】
なお、メインマイコン11は、ユーザからの指示に応じて、所定の処理を施した映像をディスプレイユニット40のディスプレイ45に表示させてもよい。
【0101】
また、上記処理と並行して、ドライブレコーダユニット10の記録装置15には、リアカメラ32が撮像した後方映像も、保存用モードで適宜記録される。メインマイコン11は、ユーザからの指示に応じて、所定の処理を施した後方映像をディスプレイユニット40のディスプレイ45に表示させてもよい。また、表示ユニット20が、リアカメラ32が撮像した後方映像を表示装置25に表示させてもよい。
【0102】
ユーザが、DVRアプリケーション510からナビゲーション機能の終了を選択すると、DVRアプリケーション510は、ユーザによるナビゲーション終了通知をドライブレコーダユニット10のメインマイコン11へと送信する(ステップS25)。
【0103】
DVRアプリケーション510からナビゲーション終了通知を受信すると、メインマイコン11は、携帯端末50からの映像の記録を終了する(ステップS26)。あるいは、メインマイコン11は、ナビゲーションの目的地に到着したことをもって、携帯端末50からの映像の記録を終了してもよい。
【0104】
なお、時刻情報および位置情報が紐づけられた映像を記録装置15から読み出して、ディスプレイユニット40上、あるいは、ユーザが所有するパーソナルコンピュータ等の専用ビュアーで再生した場合、映像と地図上のルートとが紐づけられた状態で視聴することが可能である。
【0105】
また、ユーザは、タイムスタンプ機能によって、映像に付された時刻情報から所望の時刻の映像を読み出すことができる。また、ユーザは、地図上の所定位置を選択することで、所望の場所における映像を読み出すことができる。
【0106】
(ドライブレコーダユニットの処理例3)
次に、
図7を用いて、実施形態の携帯端末50による認証機能を利用した設定処理の例について説明する。
図7は、実施形態にかかるドライブレコーダユニット10が携帯端末50の認証機能を利用して行う設定処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0107】
図7に示すように、運転者等のユーザが、携帯端末50のDVRアプリケーション510を起動して、表示ユニット20の設定機能をオンにすると(ステップS31)、DVRアプリケーション510は、ユーザによる設定機能オン通知をドライブレコーダユニット10のメインマイコン11へと送信する(ステップS31)。
【0108】
なお、DVRアプリケーション510の起動時、ユーザは、例えばそのユーザを一意に表すユーザID、及び認証コードの少なくとも1つを入力して、携帯端末50が備える認証機能により、DVRアプリケーション510から認証を受けるものとする。
【0109】
携帯端末50の認証機能を用いた認証には、認証コードの入力のほか、ユーザの顔認証、指紋認証等の生体認証が用いられてもよい。
【0110】
ユーザによる設定機能オン通知の初回受信時、メインマイコン11は、明るさ、画質、カメラアングル等の表示装置25における表示方式について、ユーザによる設定が可能な項目を表示ユニット20から取得する。ユーザからこれらの設定値が入力されると、メインマイコン11は、サブマイコン12によって、これらの設定値をそのユーザのユーザIDに紐づけて記録装置15に記録させる。
【0111】
なお、記録装置15には、複数のユーザに対応した設定値が個々のユーザIDに紐づけられて格納可能であってよい。
【0112】
所定のユーザから、2回目以降に設定機能オン通知を受信した場合には(ステップS311,S312)、メインマイコン11は、サブマイコン12によって、そのユーザのユーザIDに応じた設定値の情報を記録装置15から読み出させ、表示ユニット20へと転送する。
【0113】
表示ユニット20は、メインマイコン11から受信した設定情報に基づいて、明るさ、画質、カメラアングル等の表示装置25における表示方式の設定を、そのユーザのユーザIDに応じた設定値に変更する。
【0114】
また、ユーザは、表示装置25を直接操作することにより、表示装置25の設定を変更可能であってもよい。ユーザが表示装置25を操作することによって表示方式の設定値を変更した場合には(ステップS314)、表示ユニット20は、変更された設定値の情報をメインマイコン11へと送信して、ドライブレコーダユニット10の記録装置15に記録させる(ステップS315)。
【0115】
このように、2回目以降のログイン時、個々のユーザは、表示装置25の表示方式をユーザごとの所望の設定値に自動で設定することができる。また、表示装置25の設定値が変更された場合には、次回の利用時には変更後の設定値によって表示装置25が設定される。これにより、ユーザが表示装置25の利用時に毎回所望の設定値に設定することが不要となるので、ユーザにとって有用である。
【0116】
上記のような、メインマイコン11と表示ユニット20との間の設定値に関する情報は、ドライブレコーダユニット10のメインマイコン11から、サブマイコン12、シリアライザ13m、表示ユニット20のデシリアライザ24を介してECU21へと伝達され、あるいは、その逆の経路を辿ってECU21からメインマイコン11へと伝達される。
【0117】
なお、上記のような携帯端末50の認証機能を利用した設定変更等は、上述のディスプレイユニット40、または、メータディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等の他のディスプレイに表示される映像に対して適用されてもよい。
【0118】
また、携帯端末50の認証機能を利用した他の処理として、例えばエンジンのオン操作等、車両5の各部を操作する処理が可能であってもよい。すなわち、所定のユーザに対して認証が行われた場合のみエンジンがオンされる構成とすることができる。これにより、車両5の盗難抑制に繋げることができる。このような処理は、例えばドライブレコーダユニット10を車両5のCANに接続しておくことで可能となる。
【0119】
(比較例)
車体に取り付けたカメラ等によって車両の内外を撮像し、記録するドライブレコーダユニットにおいては、複数台のカメラを車両に取り付ける必要がある。しかしながら、カメラのコストが高いため、システム全体としてのコストが増大する。車種等によっては所望の台数分のカメラを設置できない場合もある。
【0120】
また、ドライブレコーダユニットに記録する映像に時刻情報および位置情報を付与するためには、従来ではドライブレコーダユニットにGPS受信機を内蔵しなければならず、更に高コストとなる。車両5に搭載されたナビゲーションシステムからこれらの情報を取得することも考えられるが、そのためには、ドライブレコーダユニットを車両のCANに接続するなど車両との連携が必要となる。
【0121】
また、通常、電子ミラー等の表示装置は入出力装置を備えていないため、表示装置を操作するためのユーザインターフェースは、車両に搭載されたIVI画面で代用する必要があった。したがって、ドライブレコーダユニットと表示装置とを連携させる場合には、IVIとの連携も必要となる。
【0122】
実施形態のドライブレコーダユニット10によれば、車両5の前方および車両内の少なくともいずれかを撮像して車室内映像および前方映像を生成する携帯端末50から、これらの映像を受信するWiFi-ICモジュール17及びアンテナ18を備える。
【0123】
これにより、例えば車体に設けられるフロントカメラ、車室内に設けられる車内カメラを廃して、携帯端末50のインカメラ52in及びアウトカメラ52otで代用させることができる。よって、車両5に搭載するカメラの台数を削減しつつ、車両5の内外を撮像し、記録することができる、安価で高付加価値のドライブレコーダユニット10が得られる。
【0124】
実施形態のドライブレコーダユニット10によれば、記録装置15は、Gセンサ16が所定値以上の加速度を検知すると、上書きフォルダから保存用フォルダへと記録先を切り替えて、前方映像、後方映像、車室内映像等を記録する。これにより、車両5がトラブルに巻き込まれた場合に、そのときの映像を記録に残すことができる。
【0125】
実施形態のドライブレコーダユニット10によれば、WiFi-ICモジュール17及びアンテナ18は、携帯端末50から位置情報を受信し、記録装置15は、前方映像、後方映像、車室内映像等に位置情報を紐づけて、保存用フォルダにこれらの映像を記録する。
【0126】
このように、携帯端末50のナビゲーション機能を利用することで、ドライブレコーダユニット10にGPS受信機を内蔵させなくとも、位置情報に紐づけて映像を記録することが可能となる。また、CAN等を介した車両5との連携も不要である。したがって、安価で高付加価値のドライブレコーダユニット10が得られる。
【0127】
実施形態のドライブレコーダユニット10によれば、WiFi-ICモジュール17及びアンテナ18は、車両5内に設置された表示装置25の表示方式に関する設定情報を携帯端末50から受信し、記録装置15は受信した設定情報を記録する。これにより、表示ユニット20が入出力装置を持たない場合であっても、車両5に搭載されたIVI画面で代用することなく、表示方式の設定値等の入力が可能となり、安価で高付加価値の表示ユニット20を実現することができる。
【0128】
実施形態のドライブレコーダユニット10によれば、記録装置15は、ユーザと対応付けて設定情報を記録し、シリアライザ13mは、所定のユーザからのアクセスがあると、その所定のユーザに対応する設定情報を表示装置25に送信する。これにより、各ユーザの所望の設定値に、表示装置25における表示方式を自動で変更することができる。
【0129】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形例は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
1 映像記録システム
2 主制御ブロック
3 副制御ブロック
5 車両
10 ドライブレコーダユニット
11 メインマイコン
12 サブマイコン
15 記録装置
16 Gセンサ
17 WiFi-ICモジュール
18 アンテナ
20 表示ユニット
25 表示装置
32 リアカメラ
40 ディスプレイユニット
45 ディスプレイ
50 携帯端末
52in インカメラ
52ot アウトカメラ
56c GPS受信機
57 WiFi-ICモジュール
58 アンテナ
59 端末ホルダ
510 DVRアプリケーション