(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】景品獲得装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20250821BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
A63F9/30 501E
(21)【出願番号】P 2021141186
(22)【出願日】2021-08-31
【審査請求日】2024-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】725004907
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエクスペリエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【氏名又は名称】西河 宏晃
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】森 優太
(72)【発明者】
【氏名】大澤 淳人
(72)【発明者】
【氏名】川合 潤
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3019519(JP,U)
【文献】特開2019-198655(JP,A)
【文献】特開2012-115616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/20
A63F 9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ストック部に景品がストックされる第1~第nのストック部(nは2以上の整数)と、
前記第1~第nのストック部のうちの第jのストック部(jは1≦j≦nとなる整数)にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品が射出される射出口を有する景品射出部と、
前記射出口から射出された景品が入ることで景品を前記プレーヤに獲得させる入賞口と、前記入賞口を移動させる移動部とを有する景品獲得部と、
前記第1~第nのストック部の各ストック部に応じた景品の入賞難易度を制御する制御部と、
前記第1~第nのストック部のうちの前記プレーヤが選択した前記第jのストック部の景品が前記入賞口に入らなかった場合に、前記入賞口に入らなかった景品を回収して前記第jのストック部に戻す景品回収部と、
を含
み、
前記景品回収部は、
第1の入賞難易度に設定された第1のストック部の景品が前記入賞口に入らなかった場合には、前記入賞口に入らなかった景品を回収して前記第1の入賞難易度に設定された前記第1のストック部に戻し、第2の入賞難易度に設定された第2のストック部の景品が前記入賞口に入らなかった場合には、前記入賞口に入らなかった景品を回収して前記第2の入賞難易度に設定された前記第2のストック部に戻すことを特徴とする景品獲得装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記制御部は、
前記景品獲得部の前記移動部による前記入賞口の移動を制御することで、前記入賞難易度を制御することを特徴とする景品獲得装置。
【請求項3】
請求項
1又は2において、
前記射出口から前記景品獲得部への移動経路から異なる経路への景品の移動を制限する移動制限部を含み、
前記制御部は、
前記移動制限部を制御することで、前記入賞難易度を制御することを特徴とする景品獲得装置。
【請求項4】
請求項
1乃至3のいずれかにおいて、
前記制御部は、
前回の景品の入賞からのプレイ回数に応じて、前記入賞難易度を制御することを特徴とする景品獲得装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記景品回収部は、
前記第jのストック部の景品が前記入賞口に入らなかった場合に、前記入賞口に入らなかった景品を上部に移動する昇降機構と、
前記昇降機構により上部に移動した景品を、前記第jのストック部に戻すようにガイドするガイド部と、
を含むことを特徴とする景品獲得装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれかにおいて、
前記移動部は、
少なくとも1つの前記入賞口が側面に設けられて回転する円筒部を含むことを特徴とする景品獲得装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれかにおいて、
前記第1~第nのストック部の各ストック部は、少なくとも一部が鉛直方向に沿って配列される複数の景品をストックすることを特徴とする景品獲得装置。
【請求項8】
請求項
7において、
前記第1~第nのストック部の各ストック部は、各ストック部にストックされる景品のうち、前記射出口からの射出対象となる景品を、前記プレーヤに視認させる窓部を含むことを特徴とする景品獲得装置。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれかにおいて、
前記景品射出部は、
各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、選択された景品が前記射出口にセットされ、前記プレーヤが射出操作を行った場合に、前記射出口から景品を射出させることを特徴とする景品獲得装置。
【請求項10】
請求項1乃至
9のいずれかにおいて、
前記第1~第nのストック部の各ストック部は、
景品を待機させる景品待機部を含み、
前記景品待機部は、
各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、選択された景品を前記射出口に送り出すことを特徴とする景品獲得装置。
【請求項11】
請求項
10において、
前記景品待機部は、
切り欠き部を有し、前記切り欠き部に景品を嵌合させることで景品を待機させる回転板を含み、
前記景品待機部は、
各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、前記回転板を回転させることで待機していた景品を前記射出口に送り出し、次の景品を前記回転板の前記切り欠き部に嵌合させることで待機させることを特徴とする景品獲得装置。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれかにおいて、
前記移動部は前記入賞口の開口サイズが可変であることを特徴とする景品獲得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品獲得装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、景品獲得装置が人気を集めている。例えば特許文献1には、景品となる商品が収納される収納部を有し、プレーヤがハンドルを回すことで、収納部に収納された商品がプレーヤに払い出されて獲得できる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような景品獲得装置としては、例えばクレーンゲーム機と呼ばれる装置もあるが、遊びが単調で飽きられやすいという問題があり、プレーヤの要望を満たすような面白味のある景品獲得ゲームの実現が不十分であった。
【0005】
本開示によれば、プレーヤの要望を満たすような面白味のある景品獲得ゲームの実現が可能な景品獲得装置等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、各ストック部に景品がストックされる第1~第nのストック部(nは2以上の整数)と、前記第1~第nのストック部のうちの第jのストック部(jは1≦j≦nとなる整数)にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品が射出される射出口を有する景品射出部と、前記射出口から射出された景品が入ることで景品を前記プレーヤに獲得させる入賞口と、前記入賞口を移動させる移動部とを有する景品獲得部と、を含む景品獲得装置に関係する。
【0007】
本開示の一態様によれば、プレーヤが、第1~第nのストック部から第jのストック部にストックされる景品を選択すると、その景品が、景品射出部の射出口から射出されるようになる。一方、景品獲得部の入賞口は、移動部により移動している。従って、プレーヤは、入賞口に景品が入ると思われるタイミングで、プレーヤが所望する景品を射出口から射出させて、入賞口に入れることで、当該景品を獲得できるようになる。これにより、プレーヤの要望を満たすような面白味のある景品獲得ゲームの実現が可能になる。
【0008】
また本開示の一態様では、第1~第nのストック部の各ストック部に応じた景品の入賞難易度を制御する制御部を含んでもよい。
【0009】
このようにすれば、第1~第nのストック部の各ストック部毎に景品の入賞難易度を異ならせるなどの制御が可能になる。
【0010】
また本開示の一態様では、前記制御部は、前記景品獲得部の前記移動部による前記入賞口の移動を制御することで、前記入賞難易度を制御してもよい。
【0011】
このようにすれば移動部による入賞口の移動制御により、各ストック部毎の入賞難易度を簡素に設定することが可能になる。
【0012】
また本開示の一態様では、前記射出口から前記景品獲得部への移動経路から異なる経路への景品の移動を制限する移動制限部を含み、前記制御部は、前記移動制限部を制御することで、前記入賞難易度を制御してもよい。
【0013】
このようにすれば、移動制限部による景品獲得のサポート動作により、各ストック部毎の景品の入賞難易度を簡素に設定できるようになる。
【0014】
また本開示の一態様では、前記制御部は、前回の景品の入賞からのプレイ回数に応じて、前記入賞難易度を制御してもよい。
【0015】
このようにすれば、景品獲得ゲームのプレイ回数に応じて景品の入賞難易度を変化させる制御が可能になり、景品獲得ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをプレーヤに与えることができる。
【0016】
また本開示の一態様では、前記プレーヤが選択した前記第jのストック部の景品が前記入賞口に入らなかった場合に、前記入賞口に入らなかった景品を回収して前記第jのストック部に戻す景品回収部を含んでもよい。
【0017】
このようにすれば、プレーヤにより選択された第jのストック部の景品が、入賞口に入らなかった場合に、その景品を元の第jのストック部に戻して、再度、ストックできるようになる。
【0018】
また本開示の一態様では、前記移動部は、少なくとも1つの前記入賞口が側面に設けられて回転する円筒部を含んでもよい。
【0019】
このようにすれば、円筒部を回転させることで射出口に対して入賞口を相対的に移動させることが可能になる。
【0020】
また本開示の一態様では、前記第1~第nのストック部の各ストック部は、少なくとも一部が鉛直方向に沿って配列される複数の景品をストックしてもよい。
【0021】
このようにすれば、景品獲得装置の筐体幅をそれほど大きくすることなく、各ストック部に複数の景品を効率的にストックすることが可能になる。
【0022】
また本開示の一態様では、前記第1~第nのストック部の各ストック部は、各ストック部にストックされる景品のうち、前記射出口からの射出対象となる景品を、前記プレーヤに視認させる窓部を含んでもよい。
【0023】
このようにすれば、プレーヤは、窓部を介して視認される景品のうち、自身が所望する景品を選択して、射出口から射出させることが可能になる。
【0024】
また本開示の一態様では、前記景品射出部は、各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、選択された景品が前記射出口にセットされ、前記プレーヤが射出操作を行った場合に、前記射出口から景品を射出させてもよい。
【0025】
このようにすれば、プレーヤが、ストック部にストックされる所望の景品を選択することで、景品が射出口にセットされ、景品がセットされた後にプレーヤが射出操作を行うことで、景品が射出口から射出されるようになる。
【0026】
また本開示の一態様では、前記第1~第nのストック部の各ストック部は、景品を待機させる景品待機部を含み、前記景品待機部は、各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、選択された景品を前記射出口に送り出してもよい。
【0027】
このようにすれば、景品待機部により、各ストック部の景品を待機させ、プレーヤが所望の景品を選択すると、その景品が射出口に送り出されるようになる。
【0028】
また本開示の一態様では、前記景品待機部は、切り欠き部を有し、前記切り欠き部に景品を嵌合させることで景品を待機させる回転板を含み、前記景品待機部は、各ストック部にストックされる景品が前記プレーヤにより選択された場合に、前記回転板を回転させることで待機していた景品を前記射出口に送り出し、次の景品を前記回転板の前記切り欠き部に嵌合させてもよい。
【0029】
このようにすれば各ストック部にストックされる景品を、回転板の切り欠き部を用いて待機させ、回転板を回転させることで当該景品を射出口に送り出し、次の景品を回転板の切り欠き部を用いて待機させることが可能になる。
【0030】
また本開示の一態様では、前記移動部は前記入賞口の開口サイズが可変であってもよい。
【0031】
このようにすれば、景品のサイズに応じた適正なサイズに入賞口の開口サイズを調整したり、或いは入賞口の開口サイズを調整することで景品の入賞難易度を制御することなどが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態の景品獲得装置の構成及び動作の説明図。
【
図3】景品獲得装置の動作例を説明するフローチャート。
【
図9】景品回収部により回収された景品を各ストック部に戻す動作の説明図。
【
図10】景品回収部により回収された景品を各ストック部に戻す動作の説明図。
【
図11】入賞口の移動制御による入賞難易度の制御手法の説明図。
【
図12】景品の移動制限部による入賞難易度の制御手法の説明図。
【
図13】
図13(A)、
図13(B)は景品の移動制限部による入賞難易度の制御手法の説明図。
【
図14】入賞口の開口サイズが可変な移動部の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
【0034】
1.景品獲得装置
図1は本実施形態の景品獲得装置10の構成及び動作の説明図である。本実施形態の景品獲得装置10は、各ストック部が景品GFをストックする第1~第nのストック部20-1~20-nと、景品射出部40と、景品獲得部50を含む。
【0035】
例えば第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部は、複数の景品GFをストックする。ここでnは2以上の整数である。具体的には第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部は、少なくとも一部が鉛直方向に沿って配列される複数の景品GFをストックする。例えば各ストック部は、景品GFの配列方向を長辺とする少なくとも一対の壁部を有し、これらの一対の壁部に挟まれるようにして複数の景品GFが各ストック部にストックされる。なお各ストック部での景品GFのストック態様としては種々の態様がある。例えば
図1では、各ストック部において、複数の景品GFの全てが鉛直方向に配列されているが、複数の景品GFの少なくとも一部が鉛直方向に配列されていればよい。例えば各ストック部が、鉛直方向以外の方向に沿って配列される景品GFをストックしたり、1列ではなく2列以上の配列で景品GFをストックするようにしてもよい。例えば複数の景品GFの幾つかの景品が、鉛直方向に配列され、他の幾つかの景品が、水平方向等の鉛直方向以外の方向に配列されてもよい。
【0036】
景品GFは例えば球状の形状の景品である。球状は真球には限定されない。一例としては景品GFは、カプセル内にオモチャ、フィギュア又はお菓子等の景品となる物品が収容されるカプセル景品である。なお景品GFは、カプセル景品には限定されない。景品GFとしては、例えば透明なカプセルではなく球状の缶等にお菓子等の物品が入っている景品などの種々の態様、形状の景品を想定できる。
【0037】
景品射出部40は、各ストック部にストックされる景品GFの中からプレーヤにより選択された景品GFを射出する。例えば景品射出部40は、プレーヤにより選択された景品GFが射出される射出口41を有する。射出口41は、景品GFを射出するための開口であり、その開口孔の形状は問わない。例えば射出口41は景品GFが通過可能な開口を有していればよい。この射出口41は発射口と呼ぶこともできる。具体的には景品射出部40は、第1~第nのストック部20-1~20-nのうちの第jのストック部20-jにストックされる景品GFがプレーヤにより選択された場合に、選択された景品GFが射出される射出口41を有する。ここでjは1≦j≦nとなる整数である。例えば景品GFは、重力が作用することで射出口41から鉛直方向に沿って射出される。なお射出機構を設け、この射出機構による射出方向に景品GFを射出するようにしてもよい。
【0038】
例えば景品射出部40では、第jのストック部20-jにストックされる景品GFがプレーヤにより選択された場合に、選択された景品GFが射出口41にセットされる。そして景品射出部40は、プレーヤが射出操作を行った場合に、射出口41から景品GFを射出させる。例えば景品射出部40は、射出口41の場所において所定の係止部により景品GFを係止しておき、この係止部の係止を解除することで、重力の作用により鉛直方向に沿って景品GFを射出させる。なお、このような射出操作をプレーヤが行わずに、第jのストック部20-jにストックされる景品GFをプレーヤが選択する操作を行った場合に、射出口41から景品GFを射出するなどの種々の変形実施が可能である。
【0039】
景品獲得部50は、景品射出部40により射出された景品GFをプレーヤに獲得させるためのものであり、移動可能な入賞口51を有する。具体的には景品獲得部50は、射出口41から射出された景品GFが入ることで景品GFをプレーヤに獲得させる入賞口51と、入賞口51を移動させる移動部52を有する。例えば
図1では移動部52は、A1に沿った方向で入賞口51を移動させる。入賞口51は、景品GFが入ることでプレーヤに景品GFを獲得させるための開口であり、その開口孔の形状は問わない。例えば入賞口51は景品GFが通過可能な開口を有していればよい。入賞口51は景品GFの獲得口と呼ぶこともできる。移動部52は、入賞口51を移動させるための移動機構である。例えば移動部52は、入賞口51が設けられる移動部材と、移動部材を移動させるモーター等の駆動部を有することができる。移動部材は例えば後述の
図2の円筒部54などである。なお入賞口51の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば移動部材に複数の入賞口51を設け、この移動部材を駆動部により移動させることで、複数の入賞口51を移動させてもよい。
【0040】
また
図1では、景品獲得装置10は、景品獲得装置10の各部を制御するための制御部70や景品回収部80を含むことができる。制御部70は、例えば第1~第nのストック部20-1~20-n、景品射出部40、景品獲得部50、景品回収部80などの景品獲得装置10の各部の制御を行う。例えば制御部70は、これらの各部に制御信号を出力して、各部のメカ機構や電子部品等の制御を行う。制御部70は例えば、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーにより実現できる。プロセッサーは、特定用途のICであるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現してもよい。また制御部70は、プロセッサーと、プロセッサー等のICや回路部品が実装される回路基板とを有する制御基板により実現してもよい。
【0041】
景品回収部80は景品GFの回収を行う。例えば景品回収部80は、入賞口51に入らなかった景品GFを回収する。そして景品回収部80は、回収された景品GFを、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部に戻す動作を行う。例えば景品回収部80は、プレーヤが選択した第jのストック部20-jの景品GFが入賞口51に入らなかった場合に、入賞口51に入らなかった景品GFを回収して第jのストック部20-jに戻す。即ち景品回収部80は、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部にストックされていた景品GFが射出され、その景品GFが入賞口51に入らなかった場合に、その景品GFを元のストック部に戻す動作を行う。なお以下では景品GFを、適宜、単に景品と記載する。
【0042】
以上のように本実施形態の景品獲得装置10は、景品がストックされる第1~第nのストック部20-1~20-nと、第jのストック部20-jにストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品が射出される射出口41を有する景品射出部40と、射出口41から射出された景品が入ることで景品GFをプレーヤに獲得させる入賞口51と、入賞口51を移動させる移動部52とを有する景品獲得部50を含む。
【0043】
このようにすれば、プレーヤが、第1~第nのストック部20-1~20-nから、第jのストック部20-jにストックされる景品を選択すると、その景品が、景品射出部40の射出口41から射出されるようになる。一方、景品獲得部50の入賞口51は、移動部52により移動している。従って、プレーヤは、入賞口51に景品が入ると思われるタイミングで、プレーヤが所望する景品を射出口41から射出させて、入賞口51に入れることで、当該景品を獲得できるようになる。このようにすれば、景品射出部40の射出口41から景品を射出させて、移動部52により移動している入賞口51に景品を入れるというシンプルな操作で面白味のある遊びを提供できる景品獲得装置10を実現できるようになる。
【0044】
例えばクレーンゲーム機等の従来の景品獲得装置は、遊びが単調で飽きられ易いという問題がある。また本実施形態の比較例となる景品獲得装置として、景品の収納機構、回転機構、景品回収循環装置等を備え、景品の収納機構が、モーターにより回転し、景品を収容する穴を有する回転板を備える景品獲得装置も考えられる。しかしながら、この比較例の景品獲得装置は、新しい遊び方の景品獲得装置であるため、プレーヤが慣れず、景品獲得に失敗しやすい傾向がある。またプレーヤの獲得対象となる景品は、ゲーム開始時に、収納機構の回転板の穴から景品通路に落とされることで決定されるため、プレーヤは自身が所望する景品を選ぶことができないという問題もある。これに対して本実施形態の景品獲得装置10は、景品を射出口41から射出させて、入賞口51に入れるという操作で景品獲得ゲームを楽しむことができるため、遊び方がシンプルであり、プレーヤは直ぐに景品獲得ゲームに慣れることができる。また景品を射出させるタイミングについてのプレーヤの腕前が、景品の獲得成功に大きく影響するため、プレーヤは、景品獲得が機械に操作されているかのような感覚が感じづらく、面白味のある景品獲得ゲームを実現できる。また本実施形態の景品獲得装置10では、第1~第nのストック部20-1~20-nの中から選択されたストック部の景品が射出されるため、プレーヤは自身が所望する景品を自由に選ぶことが可能になる。また第1~第nのストック部20-1~20-nというように複数のストック部が設けられているため、例えば各ストック部に異なる種類の景品をストックしたり、後述するようにストック部毎に景品獲得の難易度を設定してペイアウト設定等を異ならせることも可能になる。また景品回収部80を設けることで、自動的に景品が回収されて各ストック部に戻るようになるため、人による煩雑な景品補充や景品管理を不要にでき、店舗運営の効率化や労力低減も実現することが可能になる。
【0045】
また制御部70は、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部に応じた景品の入賞難易度を制御する。例えば制御部70は、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部毎の景品の入賞難易度を制御する。入賞難易度は、景品射出部40から射出された景品の入賞口51への入賞についての難易度である。例えば制御部70は、第1~第nのストック部20-1~20-n、景品射出部40又は景品獲得部50を制御することで、景品の入賞難易度を制御する。例えば制御部70は、第1~第nのストック部20-1~20-n、景品射出部40又は景品獲得部50の各部に出力する制御信号を用いて景品の入賞難易度を制御する。制御信号は、これらの各部のメカ機構や電子部品を制御する信号である。このようにすれば、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部毎に景品の入賞難易度を異ならせるなどの制御が可能になる。例えば入賞難易度が高いストック部には、例えばレア度が高いなどの価値の高い景品をストックし、入賞難易度が低いストック部には、入賞難易度が高いストック部に比べて価値の低い景品をストックすることができる。そして例えば価値が高い景品の獲得を所望するプレーヤは、入賞難易度が高いストック部の景品を選択して、景品射出部40により射出して入賞口51に入れるゲームを楽しめるようになる。一方、景品の価値の高さよりも景品の獲得を重視するプレーヤは、入賞難易度が低いストック部の景品を選択して、景品射出部40により射出して入賞口51に入れるゲームを楽しめるようになる。そして、このように第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部毎の入賞難易度の設定が可能になることで、各ストック部毎のペイアウト設定が可能になり、景品獲得装置10が設置される店舗における適切なペイアウト管理が可能になる。
【0046】
なお入賞難易度の制御は、例えば後述の
図11のように景品獲得部50の移動部52による入賞口51の移動を制御することで実現できる。或いは後述の
図12~
図13(B)のように、景品の移動を制限する移動制限部48を制御したり、後述の
図14のように景品獲得部50の入賞口51の開口サイズ(穴径)を制御することで、入賞難易度を制御してもよい。或いはプレーヤの射出操作のタイミングから景品射出部40から景品が射出されるまでのタイムラグを制御することで、入賞難易度を制御してもよい。
【0047】
また制御部70は、前回の景品の入賞からのプレイ回数に応じて、入賞難易度を制御してもよい。例えば制御部70は、前回に景品が入賞口51に入賞してからのプレイ回数をカウントする。例えば景品が入賞してからの景品獲得ゲームの累計のプレイ回数をカウントする。そして制御部70は、前回の景品の入賞からのプレイ回数が、景品が入賞することなく第1の回数に達した場合に、景品の入賞難易度を、より低い難易度に設定する。例えば制御部70は、プレイ回数が第1の回数に達するまでは、入賞難易度を第1の難易度に設定し、第1の回数に達した場合には、入賞難易度を、第1の難易度よりも低い第2の難易度に設定する。そして制御部70は、プレイ回数が、第1の回数に達した後、景品が入賞することなく第2の回数に達した場合には、入賞難易度を、第2の難易度よりも低い第3の難易度に設定する。このように制御部70は、景品が入賞することなくプレイ回数が累積されて行くにつれて、入賞難易度を、より低い難易度に設定する。このようにすれば、前回に景品が入賞してからのプレイ回数を反映させた景品の入賞難易度の設定が可能になる。例えば前回に景品が入賞してから景品獲得ゲームのプレイが繰り返されても、景品が入賞しなかった場合に、景品の入賞難易度を低くして、景品を獲得し易くするなどの制御が可能になる。これにより、景品獲得ゲームのプレイが繰り返されると、景品の入賞難易度が低くなるため、景品獲得ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをプレーヤに与えることが可能になる。また景品獲得装置10が設置される店舗等の施設の運営側は、例えば上述の第1の回数や第2の回数等を設定することで、景品のペイアウト設定を管理できるようになる。例えば施設のオペレータが、景品獲得装置10の機器設定のメニュー画面等において、第1の回数や第2の回数等を入力することで、景品のペイアウト設定を管理できる。なお例えば施設のオペレータが、景品原価と目標原価率を入力し、制御部70が、例えばプレイ開始時に現在の原価率状態を参照することで、景品の入賞難易度を設定して、景品のペイアウト設定を管理できるようにしてもよい。
【0048】
また景品回収部80は、入賞口51に入らなかった景品を回収して、第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部に戻す動作を行う。具体的には景品回収部80は、プレーヤが選択した第jのストック部20-jの景品が入賞口51に入らなかった場合に、入賞口51に入らなかった景品を回収して第jのストック部20-jに戻す動作を行う。このようにすれば、プレーヤにより選択された第jのストック部20-jの景品が、入賞口51に入らなかった場合に、その景品が元の第jのストック部20-jに戻されるようになる。これにより、例えば第1~第nのストック部20-1~20-nにストックされる景品の種類が混ざってしまうような事態を防止でき、例えば同じ種類の景品を各ストック部に継続してストックすることが可能になる。そして、上述のように第1~第nのストック部20-1~20-nの各ストック部に応じた景品の入賞難易度を制御する場合に、入賞しなかった景品を元のストック部に戻すことで、当該景品についての入賞難易度を元の難易度に維持でき、入賞難易度の適正な制御を実現できるようになる。
【0049】
2.詳細な構成例
図2に本実施形態の景品獲得装置10の詳細な構成例を示す。
図2の景品獲得装置10は箱型の筐体11を有し、この筐体11には、ストック部21、22、23と、景品射出部40と、景品獲得部50と、制御部70と、
図2では不図示の景品回収部80とが設けられている。制御部70は、例えばプロセッサー等が実装された制御基板である。なお制御部70の設置位置は
図2の位置に限定されず、種々の位置に設置できる。また景品獲得装置10の筐体11には、操作コンソール12、コイン投入部18、景品の払い出し口19も設けられている。また
図2では、筐体11には、ストック部21、22、23、景品射出部40、景品獲得部50を囲むように例えば3枚の透明板が設けられており、これによりプレーヤがストック部21、22、23、景品射出部40、景品獲得部50の様子を視認できるようになっている。
【0050】
操作コンソール12には、景品の選択ボタン14、15、16と、景品の射出ボタン17が設けられている。選択ボタン14、15、16は、ストック部21、22、23のうちのどのストック部にストックされている景品を射出するかをプレーヤが選択するためのボタンである。射出ボタン17は、景品の発射ボタンであり、プレーヤが選択した景品の射出口41からの射出をプレーヤが指示するためのボタンである。なお、選択ボタン14、15、16や射出ボタン17は、物理的なボタンに代えて、液晶パネル等による操作アイコン等の表示により実現してもよい。
【0051】
またプレーヤはコイン投入部18にコインを投入することで、景品獲得ゲームをプレイ可能になる。そして、入賞口51に入ることで獲得された景品は、払い出し口19から払い出される。なお、コイン投入ではなく電子カードやQR(登録商標)コード等による電子決済を用いて景品獲得ゲームをプレーヤがプレイできるようにしてもよい。この場合、電子カードやコードを読み取るためのリーダーを筐体11に設置してもよい。
【0052】
ストック部21、22、23は
図1の第1~第nのストック部20-1~20-nに対応する。即ち
図2は
図1のn=3の場合の構成例である。但しストック部の個数は3個には限定されず、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0053】
ストック部21、22、23(広義には第1~第nのストック部)の各ストック部は、
図1のように、少なくとも一部が鉛直方向に沿って配列される複数の景品をストックする。このようにすれば、景品獲得装置10の筐体11の幅をそれほど大きくすることなく、ストック部21、22、23の各ストック部に複数の景品を効率的にストックすることが可能になる。例えば3個のストック部21、22、23が設けられる場合には、景品獲得装置10の筐体11の幅を、3列分の景品の幅に対応する幅にすることが可能になり、景品獲得装置10の小型化を実現できる。
【0054】
またストック部21、22、23(第1~第nのストック部)の各ストック部は、各ストック部にストックされる景品のうち、射出口41からの射出対象となる景品を、プレーヤに視認させる窓部24、25、26を含む。窓部24、25、26は例えばアクリル板やガラス板などの透明板により構成できる。例えばストック部21、22、23の各々に対応して、窓部24、25、26が設けられる。例えば窓部24は、ストック部21にストックされる景品のうち射出対象となる景品をプレーヤに視認させる窓部である。同様に窓部25、26は、各々、ストック部22、23にストックされる景品のうち射出対象となる景品をプレーヤに視認させる窓部である。例えばストック部21、22、23にストックされる景品のうちの先頭の景品が、窓部24、25、26を介してプレーヤに視認可能になるように表示される。そして例えばプレーヤが操作コンソール12の選択ボタン14を押すと、窓部24によってプレーヤに視認されるストック部21の景品が、射出口41から射出される。同様に、プレーヤが選択ボタン15、16を押すと、各々、窓部25、26によってプレーヤに視認されるストック部22、23の景品が、射出口41から射出される。このような窓部24、25、26を設けることで、プレーヤは、窓部24、25、26を介して視認される景品のうち、自身が所望する景品を選択して、射出口41から射出させることが可能になる。これにより、プレーヤは、自身が所望する景品を選んで、射出口41から射出させ、当該景品を入賞口51に上手く入賞させることで、当該景品を獲得できるようになる。従って、シンプルな操作で所望の景品を獲得できる景品獲得装置10の実現が可能になる。
【0055】
なお、プレーヤが景品を視認可能なように、ストック部21、22、23(第1~第nのストック部)の各ストック部は、その前面板をアクリル板やガラス板などの透明板により構成してもよい。なお、窓部は設置しなくてもよく、或いは、選択対象となる景品をプレーヤに視認させるように射出口41に対応する場所に1つの窓部のみ設けるようにしてもよい。
【0056】
景品射出部40は、ストック部21、22、23の下方に設けられ、射出口41を有する。射出口41は、ストック部21、22、23のうちのプレーヤにより選択されたストック部からの景品が射出される。具体的には、射出口41から景品が重力により落下することで射出される。例えばプレーヤが、操作コンソール12の選択ボタン14、15、16を用いて、ストック部21、22、23にストックされる景品のうちから所望の景品を選択すると、選択された景品が射出口41から射出される。具体的にはプレーヤが、窓部24、25、26を介して視認される景品の中から、自身が所望する景品を選択して、対応する選択ボタン14、15、16を押すことで、選択された景品が射出口41から射出される。
【0057】
このように景品射出部40では、ストック部21、22、23の各ストック部にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品が射出口41にセットされる。例えばストック部にストックされる景品がストック部から射出口41の場所に移動して、セットされる。そして景品射出部40は、プレーヤが射出操作を行った場合に、射出口41から景品を射出させる。具体的には、プレーヤが選択ボタン14、15、16により所望の景品を選択すると、その景品が射出口41にセットされ、プレーヤが操作コンソール12の射出ボタン17を押すと、射出口41にセットされた景品が射出される。このようにすれば、プレーヤが、ストック部にストックされる所望の景品を選択することで、景品が射出口41にセットされ、景品がセットされた後にプレーヤが射出操作を行うことで、景品が射出口41から射出されるようになる。従って、プレーヤは、自身が所望する景品を射出口41にセットした後、景品獲得部50の移動部52により移動する入賞口51に向けて景品を射出する操作を行って、景品を入賞口51に入れることで、当該景品を獲得できるようになる。従って、シンプルな操作で面白味のある景品獲得ゲームの実現が可能になる。なお景品射出部40に複数の射出口を設け、複数の射出口の各射出口を、複数のストック部の各ストック部に対応して設けてもよい。
【0058】
また
図2では、景品獲得部50の移動部52は、少なくとも1つの入賞口51が側面55に設けられて回転する円筒部54を含む。また移動部52は、円筒部54を回転させる不図示のモーター等の駆動部を含むことができる。円筒部54は、回転移動を行う移動部材である。このように移動部52を円筒部54により構成することで、円筒部54を回転させることで、射出口41に対して入賞口51を相対的に移動させることが可能になる。これにより、移動する入賞口51に対して景品が入るタイミングで射出口41から景品を射出して、景品を獲得するゲームを実現できるようになり、これまでにない面白味のある景品獲得ゲームを実現できるようになる。
【0059】
なお
図2では、円筒部54の側面55に3つの入賞口51が設けられているが、入賞口51の数はこれに限定されず、入賞口51の数は1つ又は2つでもよいし、4つ以上の入賞口51を設けてもよい。また
図2では入賞口51の位置が分かるように、円筒部54の前面に入賞口51の位置を指し示す矢印が描かれている。また
図2では、入賞口51を移動させる移動部52として円筒部54を用いたが、移動部52として、例えば水平方向等の所定方向に移動する移動部材を用いてもよい。例えば移動部52として、1又は複数の入賞口51が設けられ、水平方向に移動する移動部材を用いて、入賞口51を水平方向に移動させるようにしてもよい。
【0060】
また
図2では、円筒部54は、水平方向に沿った回転軸回りに回転する。例えば前述の比較例の景品獲得装置の回転板は、鉛直方向に沿った回転軸回りに回転するのに対して、本実施形態の円筒部54は水平方向に沿った回転軸回りに回転する。このように、水平方向に沿った回転軸回りに回転する円筒部54を用いることで、鉛直方向に沿った回転軸回り回転板を回転させる場合に比べて、景品獲得装置10の筐体11の奥行き方向での長さを小さくできる。これにより景品獲得装置10を小型化することができ、狭いスペースで設置可能な省スペースの景品獲得装置10を実現できるようになる。なお本実施形態では複数のストック部を設ける場合の例を説明しているが、1つのストック部だけを設ける変形実施も可能である。例えば1つのストック部の例えば下方に、入賞口51を移動させる移動部52を有する景品獲得部50を設ける。例えば
図2に示すように、少なくとも1つの入賞口51が側面55に設けられて回転する円筒部54を含む移動部52を、ストック部の下方に設ける。そしてストック部から落下する景品を入賞口51に入賞させて景品を獲得できるような景品獲得ゲームを実現するようにしてもよい。
【0061】
次に
図3のフローチャートを用いて本実施形態の景品獲得装置10の動作例について説明する。景品獲得装置10のアトラクト動作中に(ステップS1)、プレーヤがコイン投入部18にコインを投入すると(ステップS2)、アトラクト動作が停止する(ステップS3)。そしてコインの追加があるかが判断され(ステップS4)、コインの追加がない場合には、景品選択の処理に移行する(ステップS5)。具体的には
図2の選択ボタン14、15、16が点滅し(ステップS6)、プレーヤは自身が所望する景品に対応する選択ボタンを押して、選択する景品を決定する(ステップS7)。これによりプレーヤの残りゲーム数が-1され、景品が射出口41にセットされ、空いた待機位置(窓部)に景品が補充される(ステップS8、S9)。そして円筒部54が回転し、射出ボタン17が点灯し(ステップS10、S11)、プレーヤが射出ボタン17を押すと、景品が射出口41から射出されて落下する(ステップS12、S13)。落下した景品が入賞口51に入ると、景品の獲得となり(ステップS14、S15)、獲得された景品が払い出し口19から払い出される。一方、景品が入賞口51に入らないと、景品の獲得の失敗となる(ステップS14、S16)。そして外れた景品が回収されて、元のストック部に戻される(ステップS17)。次に残りゲーム数があるか否かが判断され(ステップS18)、残りゲーム数がない場合にはゲームオーバーとなり(ステップS19)、残りゲーム数がある場合にはステップS5に戻る。
【0062】
3.ストック部、景品射出部
次にストック部21、22、23、景品射出部40の詳細について説明する。
図4はストック部21、22、23、景品射出部40の詳細な構成例を示す図である。
図4に示すようにストック部21、22、23(第1~第nのストック部)の各ストック部は、景品を待機させる景品待機部27、28、29を含む。そして景品待機部27、28、29は、各ストック部にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品を射出口41に送り出す。例えばストック部21にストックされる景品のうちの先頭の景品が、景品待機部27に待機される。同様にストック部22、23にストックされる景品のうちの先頭の景品が、景品待機部28、29に待機される。先頭の景品は、
図2の窓部24、25、26に表示される景品であり、プレーヤの獲得対象となる景品である。そしてプレーヤが
図2の選択ボタン14、15、16を押して、所望の景品を選択すると、景品待機部27、28、29は、選択された景品を射出口41に送り出す。例えば
図2において窓部24によって視認される景品を選択するためにプレーヤが選択ボタン14を押すと、景品待機部27に待機していた景品が射出口41に送り出される。同様に、窓部25、26によって視認される景品を選択するためにプレーヤが選択ボタン15、16を押すと、景品待機部28、29に待機していた景品が射出口41に送り出される。
【0063】
具体的には景品射出部40は、景品の係止部42と、景品の検知部43と、景品のガイド部44、45を含む。係止部42は、射出口41の場所に景品を係止するための部材であり、係止部42による係止により、射出口41に景品がセットされる。検知部43は、射出口41の場所に景品が移動したことを検知する。そして
図2の射出ボタン17をプレーヤが押すと、係止部42による係止が外れて、景品が下方に落下する。ガイド部44、45は、ストック部21、22、23の景品待機部27、28、29に待機していた景品が送り出された場合に、送り出された景品を射出口41の場所にガイドして移動させる部材である。ガイド部44、45は水平方向に対して所定傾斜角度の傾斜面を有しており、景品待機部27、28、29から送り出された景品は、ガイド部44、45の傾斜面を転がって、射出口41の場所にセットされる。そしてプレーヤが射出ボタン17を押すと、例えば係止部42が奥側に移動することで、景品が鉛直方向に沿って景品獲得部50に向かって落下する。
【0064】
このように
図4では、ストック部21、22、23が景品待機部27、28、29を含み、この景品待機部27、28、29が景品を待機させる。そして景品待機部27、28、29は、各ストック部にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、選択された景品を射出口41に送り出す。このようにすれば、景品待機部27、28、29により、各ストック部の景品を待機させ、プレーヤが所望の景品を選択すると、その景品が射出口41に送り出されるようになる。そして射出口41に送り出された景品を景品射出部40により射出して、景品獲得部50の入賞口51に入れることで、プレーヤは当該景品を獲得できるようになる。これにより、簡素なゲームプレイで面白味のある景品獲得ゲームを実現することが可能になる。
【0065】
図5(A)~
図5(C)、
図6(A)、
図6(B)は景品待機部27、28、29の動作説明図である。ここではストック部21の景品待機部27の動作を主に例にとり説明する。ストック部22、23の景品待機部28、29の動作は同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0066】
図5(A)~
図6(B)に示すように景品待機部27は回転板30を有する。回転板30は、切り欠き部31を有し、切り欠き部31に景品を嵌合させることで景品を待機させる。回転板30は羽根部品とも呼ばれる。切り欠き部31は、例えば回転板30の円周のうち所定の長さの円弧部分を切り欠いたものであり、例えば羽根部品の窪みである。この切り欠き部31の円弧部分の半径に対応する2辺に景品を嵌合させることで、景品を待機させる。そして景品待機部27は、ストック部21(各ストック部)にストックされる景品がプレーヤにより選択された場合に、回転板30を回転させることで、待機していた景品を射出口41に送り出し、次の景品を回転板30の切り欠き部31に嵌合させることで待機させる。
【0067】
例えば
図5(A)では、回転板30の切り欠き部31にストック部21の景品GF1を嵌合させることで、景品GF1が待機状態になっている。即ち景品GF1が景品待機部27の待機位置にセットされる。回転板30は、駆動部であるモーター32により、B1に示すように回転軸33回りに回転する。そして待機状態の景品GF1がプレーヤにより選択されると、
図5(A)、
図5(B)に示すように回転板30が回転することで、待機状態の景品GF1が、
図5(C)のB2に示すように射出口41に送り出される。例えば
図4において、ストック部21の景品待機部27に待機していた景品GF1が送り出され、ガイド部44の傾斜面上を移動して、射出口41の場所にセットされる。この場合に次の景品GF2は、回転板30の切り欠き部31以外の円周部分に接することで、射出口41には送り出されずに景品待機部27に留まる。そして
図6(A)のB3に示すように回転板30が更に回転し、回転板30が1回転するまで、景品GF2は保持される。そして
図6(B)に示すように、回転板30が1回転すると、次の景品GF2が回転板30の切り欠き部31に嵌合することで待機状態になる。即ち景品待機部27の待機位置にセットされる。
【0068】
このように
図5(A)~
図6(B)では、回転板30の切り欠き部31に景品GF1を嵌合させることで景品GF1が待機状態となり、景品GF1がプレーヤにより選択されると、回転板30が回転することで、待機していた景品GF2が射出口41に送り出される。そして次の景品GF2を回転板30の切り欠き部31に嵌合させることで、次の景品GF2が待機状態になる。このようにすればストック部21にストックされる景品GF1を、回転板30の切り欠き部31を用いて待機させ、回転板30を回転させることで当該景品GF1を射出口41に送り出し、次の景品GF2を回転板30の切り欠き部31を用いて待機させることが可能になる。これによりプレーヤの景品の選択に応じて、ストック部21の景品を1つずつ待機させた後に、射出口41に送り出すことが可能になる。
【0069】
例えばこれまでの景品獲得装置では、景品のサイズに応じて異なった景品待機用の部品が必要であった。例えば景品のサイズとして、直径が65、75、100mmという異なるサイズの景品がある場合に、景品の各サイズ毎に異なる景品待機用の部品が必要であり、景品のサイズを異なるサイズに変えた場合には、店舗のオペレータがそのサイズ用の景品待機用の部品に交換する必要があった。これに対して
図5(A)~
図6(B)の景品待機部27によれば、65~100mmというような異なるサイズの景品であっても、部品交換等を行うことなく対応することが可能になる。従って、景品獲得装置10が設置される店舗の運営の負担軽減や効率化等を図れるようになる。
【0070】
4.ストック部、景品射出部
次に景品獲得部50、景品回収部80の詳細について説明する。
図7は景品獲得部50の移動部52の詳細な構成例を示す図である。移動部52は、複数の入賞口51が側面55に設けられて回転する円筒部54を含む。
図7では円筒部54の側面55に窪み状の切り欠き部を設けることで入賞口51が形成されている。そして円筒部54は、不図示のモーター等の駆動部により回転軸57回りに回転する。また移動部52はカバー部56を含み、カバー部56は、その内側面が、円筒部54の外周の側面55に接するように設けられている。カバー部56は、側面視において円形状の部材であり、円形状のうち、上方向側である景品射出部40側に開口部を有する。従って、円筒部54が回転し、カバー部56の開口部の場所に入賞口51の窪みが位置したときに、景品(GF)が落下すると、景品が入賞口51に入り、プレーヤは景品を獲得できるようになる。例えば入賞口51に入った景品は、円筒部54が回転して入賞口51の位置が下側になったときに、後述の
図8の入賞通路83に入って、払い出し口19から払い出される。
【0071】
図8は景品回収部80の詳細な構成例を示す図である。景品回収部80は回収通路82、入賞通路83を有する。
図7において入賞口51に入った景品は、入賞通路83を通って
図2の払い出し口19から払い出される。一方、入賞口51に入らなかった景品は、
図8の回収通路82に移動する。
【0072】
回収通路82には壁部84とシャッター部86が設けられている。入賞口51に入らなかった景品は、回収通路82から壁部84にガイドされて移動するが、昇降台88の手前に設けられ、C1に示すようにモーター等によって移動するシャッター部86が閉じることで、昇降台88への移動が阻まれる。これは、昇降台88が景品を受け取れる場所にいない場合の受け渡しミスを防ぐためである。昇降台88が、景品を受け取る場所にいることが確認されると、シャッター部86がモーター等によって開いて、景品が昇降台88に移動する。そして景品が昇降台88に移動したことが検知されると、シャッター部86がモーター等によって閉じる。また景品回収部80は、昇降台88と昇降機構90を有し、昇降機構90は、例えばモーター91により昇降ベルト92の巻き取り動作を行うことで、C2に示すように、景品が載った昇降台88を上昇させる。これにより、昇降台88に載った景品は、
図2の景品獲得装置10の上部に移動して、ストック部21、22、23に戻されて、再度、ストックされるようになる。
【0073】
図9、
図10は、景品回収部80により回収された景品をストック部21、22、23の各ストック部に戻す動作についての説明図である。
図8で説明したように、景品(GF)は、昇降機構90により昇降台88に載って景品獲得装置10の上部に移動する。景品獲得装置10の上部には、ワイパーソレノイド等により実現されるワイパー型の可変のガイド部93、94や、固定のガイド部95、96が設けられている。
【0074】
そして
図2においてプレーヤが選択ボタン15を押してストック部22の景品を選択した場合には、ガイド部93、94は、
図9に示すように景品をストック部22の方にガイドする状態になる。即ち、プレーヤが、選択したストック部22の景品の獲得に失敗して、景品が景品回収部80により回収されて、景品獲得装置10の上部に移動したときに、ガイド部93、94が
図9のような状態になることで、景品はストック部22の方にガイドされて戻されるようになる。これにより、プレーヤが獲得に失敗した景品を、同じストック部22に戻して、再度、ストックできるようになる。
【0075】
一方、
図2においてプレーヤが選択ボタン14を押してストック部21の景品を選択した場合には、ガイド部93、94は、
図10に示すように景品をストック部21の方にガイドする状態になる。即ち、プレーヤが、選択したストック部21の景品の獲得に失敗して、景品が景品回収部80により回収されて、景品獲得装置10の上部に移動したときに、ガイド部93、94が
図10のような状態になることで、景品はストック部21の方にガイドされて戻されるようになる。これにより、プレーヤが獲得に失敗した景品を、同じストック部21に戻して、再度、ストックできるようになる。
【0076】
このように本実施形態では、プレーヤが選択したストック部(第jのストック部)の景品が入賞口51に入らなかった場合に、入賞口51に入らなかった景品を回収して、元のストック部(第jのストック部)に戻すようにしている。これにより、ストック部21、22、23の各ストック部にストックされる景品の入賞難易度の設定を維持することができ、適正なペイアウト設定の実現等が可能になる。
【0077】
例えばストック部21、22、23における景品の入賞難易度がDL1、DL2、DL3に設定されており、DL1>DL2>DL3の関係が成り立つとする。この場合には、入賞難易度DL1が高いストック部21には、レア度等の価値が高い景品が入れられ、入賞難易度DL3が低いストック部23には、価値が低い景品が入れられる。中間の入賞難易度DL3のストック部22には、価値も中ぐらいの景品が入れられる。そして例えばプレーヤが
図2の選択ボタン14によりストック部21の景品を選択し、景品の獲得に失敗したとする。この場合に、獲得に失敗した価値の高い景品が、ストック部23に戻されると、価値が高い景品を、低い入賞難易度DL3に設定されているストック部23から射出して、プレーヤが獲得できてしまう事態が発生する。或いは、プレーヤが選択ボタン16によりストック部23の景品を選択し、景品の獲得に失敗したとする。この場合に、獲得に失敗した価値の低い景品が、ストック部21に戻されると、価値が低い景品が、高い入賞難易度DL1に設定されているストック部21から射出されてしまい、プレーヤの不満を招く事態が発生する。これに対して
図9、
図10では、ストック部21、22、23からプレーヤが選択したストック部の景品が入賞口51に入らなかった場合に、その景品が回収されて元のストック部に戻されるため、上記のような事態が発生するのを防止できるようになる。
【0078】
5.入賞難易度の設定
次に本実施形態における入賞難易度の設定について詳細に説明する。本実施形態では制御部70は、ストック部21、22、23の各ストック部に応じた景品の入賞難易度を制御する。例えば
図11では制御部70の難易度設定部72が各ストック部での景品の入賞難易度を制御する。具体的には
図11では制御部70は、景品獲得部50の移動部52による入賞口51の移動を制御することで、入賞難易度を制御している。例えば制御部70は、移動部52の円筒部54のD1に示す回転速度を制御することで、入賞難易度を制御する。例えば円筒部54の回転速度を速くすれば、入賞難易度が高くなり、円筒部54の回転速度を遅くすれば、入賞難易度が低くなる。例えばストック部21が高い入賞難易度に設定されており、ストック部23が低い入賞難易度に設定されていたとする。この場合には制御部70は、レア度等の価値に応じて回転速度を制御する。例えば、プレーヤがストック部21の景品を選択した場合には、円筒部54の回転速度を速くし、プレーヤがストック部23の景品を選択した場合には、円筒部54の回転速度を遅くする。このようにすれば、移動部52による入賞口51の移動制御により、各ストック部毎の入賞難易度を簡素に設定することが可能になる。
【0079】
また
図12では、景品の移動を制限する移動制限部48が景品獲得装置10に設けられている。例えば移動制限部48は、射出口41から景品獲得部50への移動経路MPから異なる経路への景品の移動を制限する。そして制御部70は、移動制限部48を制御することで、入賞難易度を制御する。移動経路MPは、例えば射出口41から鉛直方向に沿った方向であり、例えば景品の落下経路である。移動制限部48は、例えば景品獲得装置10の主面に直交する方向に突出するように設けられた一対の移動制限バーにより実現できる。移動制限バーは景品の入賞をサポートするサポートバーと言うこともできる。移動制限部48は、例えばソレノイド等により実現され、制御部70の制御により、
図12のE1に示す方向に沿って動くようになっている。即ち移動制限部48はE1に示す上下方向に沿って移動可能になっている。
【0080】
そして
図13(A)では、移動制限部48がE2に示すように下方向に移動することで、移動経路MPとは異なる経路への景品の移動が制限される。即ち移動経路MPに対して左方向や右方向への景品の移動が制限される。そして
図13(A)では、移動経路MPに沿って景品獲得部50へと移動した景品の下方には、入賞口51が位置していないため、景品は入賞口51に入らない。その後、移動部52の円筒部54が回転すると、景品は円筒部54の側面55の上を転がる。そして
図13(B)に示すように、円筒部54の回転により景品の下方に入賞口51が移動すると、景品が入賞口51に入るようになる。このようにしてプレーヤは、移動制限部48による景品獲得のサポート動作により、景品を容易に獲得できるようになる。即ち景品の入賞難易度が低くなるように移動制限部48が制御されている。
【0081】
一方、移動制限部48を上方向に移動させると、移動経路MPとは異なる経路への景品の移動の制限が行われなくなり、移動制限部48による景品獲得のサポート動作が行われなくなる。即ち、
図13(A)のように移動経路MPに沿って景品獲得部50へと移動した景品に対して、移動制限部48による、移動経路MPとは異なる経路への景品の移動の制限が行われなくなる。具体的に移動経路MPに対して左方向や右方向への景品の移動が制限されない。この結果、景品は円筒部54の側面55の上へ落ちると、左方向や右方向から
図8の回収通路82に落下し、プレーヤは景品の獲得に失敗する。即ち景品の入賞難易度が高く設定される。即ち景品の入賞難易度が高くなるように移動制限部48が制御されている。
【0082】
このように
図12~
図13(B)では、射出口41から景品獲得部50への移動経路MPから異なる経路への景品の移動を制限する移動制限部48を設け、この移動制限部48を制御することで、入賞難易度を制御している。これにより、移動制限部48による景品獲得のサポート動作の有無により景品の入賞難易度を設定できるようになる。従って、移動制限部48の制御により、各ストック部毎の入賞難易度を簡素に設定できるようになり、景品のペイアウト設定等が可能になる。
【0083】
なお、移動制限部48は、E1に示す上下方向と直交する方向、即ち水平方向(左右方向)に沿って移動可能にしてもよい。或いは移動制限部48は、景品獲得装置10の主面に直交する方向に沿って突出したり引っ込めたりすることが可能となるようにしてもよい。
【0084】
6.入賞口の開口サイズの変化
本実施形態の移動部52は入賞口51の開口サイズが可変になっている。
図14に入賞口51の開口サイズが可変となる移動部52(円筒部54)の構成例を示す。
図14に示すように移動部52は、3つの入賞口51が設けられており、各分割パーツに入賞口51が設定される3つの分割パーツに分かれている。そして3つの分割パーツの各分割パーツは、パーツ61、62とパーツ64、65を有する。パーツ61、62は、調整ダイアル60をF1に示すように例えば時計回りに回すと、F2に示すように内側に移動する。内側は分割パーツの中心側である。一方、調整ダイアル60を反時計回りに回すとパーツ61、62は外側に移動する。そしてパーツ64はパーツ61の移動に連動し、パーツ65はパーツ62の移動に連動している。例えばパーツ61、62がF2に示すように内側に移動すると、パーツ64、65はF3に示すように入賞口51の開口サイズを小さくする方向に回転移動する。一方、パーツ61、62が外側に移動すると、パーツ64、65は入賞口51の開口サイズを大きくする方向に回転移動する。即ち調整ダイアル60によりパーツ61、62を内側又は外側に移動させることで、入賞口51のサイズである開口サイズを縮小又は拡大することができる。そして入賞口51の開口サイズが所望のサイズになったら、パーツ64、65が動かないようにビス66で固定する。そして
図14の移動部52は3つの分割パーツに分かれており、これらの各分割パーツにおいて上述のように入賞口51の開口サイズが調整可能になっている。なお、入賞口51の開口サイズの調整は、カバー部56を位置可変にする、或いは伸長可能にすることで調整するようにしてもよい。
【0085】
例えば景品のサイズとしては、その直径が例えば65~100mmというように種々のサイズがある。従って、例えば景品獲得装置10が設置される店舗のオペレータは、調整ダイアル60を用いて、景品のサイズに応じた適正なサイズに入賞口51の開口サイズを調整できるようになる。或いはモーター等の駆動部を用いて調整ダイアル60を回転させることなどにより、入賞口51の開口サイズを可変に調整できるようにしてもよい。例えば制御部70が、駆動部を制御して、移動部52の入賞口51の開口サイズを可変に調整する。このようにすれば制御部70が、入賞口51の開口サイズを調整することで、景品の入賞難易度を制御することも可能になる。例えば制御部70が、入賞口51の開口サイズを小さくする制御を行うことで、入賞難易度を高い難易度に設定することができ、入賞口51の開口サイズを大きくする制御を行うことで、入賞難易度を低い難易度に設定できる。例えばストック部21の入賞難易度が高い難易度に設定され、ストック部23の入賞難易度が低い難易度に設定されていたとする。この場合に制御部70は、ストック部21の景品がプレーヤにより選択された場合には、入賞口51の開口サイズを小さくする制御を行い、ストック部23の景品がプレーヤにより選択された場合には、入賞口51の開口サイズを大きくする制御を行う。このようにすればストック部21、22、23の各ストック部毎の入賞難易度の設定が可能になる。
【0086】
また、難易度の設定は、プレイ開始時(例えばコイン投入や電子決済が完了された時)、或いは景品選択時に、抽選による抽選結果に応じた難易度に設定するようにしてもよい。具体的には、円筒部54の回転速度、入賞口51の開口サイズ、移動制限部48によるサポートの有無や移動制限部48の位置を抽選で決めるようにしてもよい。
【0087】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また景品獲得装置、ストック部、景品射出部、景品獲得部、景品回収部、制御部の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
10…景品獲得装置、11…筐体、12…操作コンソール、14、15、16…選択ボタン、17…射出ボタン、18…コイン投入部、19…払い出し口、20-1~20-n…第1~第nのストック部、20-j…第jのストック部、21、22、23…ストック部、24、25、26…窓部、27、28、29…景品待機部、30…回転板、31…切り欠き部、32…モーター、40…景品射出部、41…射出口、42…係止部、43…検知部、44、45…ガイド部、48…移動制限部、50…景品獲得部、51…入賞口、52…移動部、54…円筒部、55…側面、56…カバー部、60…調整ダイアル、61、62、64、65…パーツ、66…ビス、70…制御部、72…難易度設定部、80…景品回収部、82…回収通路、83…入賞通路、84…壁部、86…シャッター部、88…昇降台、90…昇降機構、91…モーター、92…昇降ベルト、93、94、95、96…ガイド部、GF、GF1、GF2…景品、MP…移動経路