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  • 特許-切削工具の歯をコーティングする方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】切削工具の歯をコーティングする方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 65/00 20060101AFI20250821BHJP
   B23P 15/28 20060101ALI20250821BHJP
   B23B 27/14 20060101ALI20250821BHJP
   B23B 27/20 20060101ALI20250821BHJP
   C23C 14/06 20060101ALI20250821BHJP
   C23C 16/27 20060101ALI20250821BHJP
【FI】
B23D65/00
B23P15/28 A
B23B27/14 A
B23B27/20
C23C14/06 F
C23C16/27
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022521548
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2020055224
(87)【国際公開番号】W WO2021072362
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】62/913,699
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521448053
【氏名又は名称】ザ エムケー モールス カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE M.K. MORSE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ セカール ラクルティ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ モレリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エイ タール
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/208068(WO,A1)
【文献】特開2017-075342(JP,A)
【文献】特表2009-501278(JP,A)
【文献】特開2017-047487(JP,A)
【文献】特開2015-107546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 61/00、65/00
B23P 15/28
B23B 27/14
B23B 27/20
C23C 14/06
C23C 16/27、16/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋸刃を製造する方法であって、
ホルダ内のポケット内に少なくとも1つの歯を設ける工程であって、前記少なくとも1つの歯は、上面、底面、背面、前面、及び少なくとも1つの側面を有し、前記前面は前記少なくとも1つの歯のすくい面で、前記少なくとも1つの歯の前記上面、前記底面、前記背面、及び前記少なくとも1つの側面のうちの少なくとも一はコーティングされ、前記歯の前面は曝露されるように、前記少なくとも1つの歯は前記ホルダ内の前記ポケット内に設けられる、工程と、
前記前面を、前記前面が暴露されていると共に前記少なくとも1つの歯が前記ホルダ内の前記ポケット内に設けられている間にコーティングする工程と、
前記のコーティングする工程後前記少なくとも1つの歯を刃支持体に接合する工程を有し、
前記コーティングする工程は、
前記前面を結合層でコーティングすると共に前記上面、前記底面、前記背面、及び前記少なくとも1つの側面のすべてを前記結合層でコーティングされないままにする第1コーティング工程と、
前記結合層上にのみ耐熱層をコーティングすると共に、前記上面、前記底面、前記背面、及び前記少なくとも1つの側面のすべてを前記耐熱層でコーティングされないままにする第2コーティング工程と、
前記耐熱層上にのみ工具摩耗層をコーティングすると共に前記上面、前記底面、前記背面、及び前記少なくとも1つの側面のすべてを前記工具摩耗層でコーティングされないままにする第3コーティング工程を含
前記歯の側面は、前記ポケット内に配置される、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記接合する工程は、前記背面を前記刃支持体にロウ付けする工程としてさらに定義される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記接合する工程は、前記背面を前記刃支持体に溶接する工程としてさらに定義される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記接合する工程は、前記背面を前記刃支持体に結合する工程としてさらに定義される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記接合する工程の前に前記背面を研磨する工程をさらに有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年10月12日に米国に出願された「切削工具の歯をコーティングする方法」と題された国際出願番号PCT/US2020/055224の出願であり、2019年10月10日に出願された米国仮特許出願第62/913699号の優先権及び利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は一般的に切削工具に関するものである。切削工具の一の型は、鋸刃である。鋸刃には、特に、丸鋸刃、往復鋸刃、及び帯鋸刃を含む多くの種類がある。
【0003】
これらの刃に施され得る製造又は処理工程は複数のものが存在する。例えば、刃には、熱処理及び/又はコーティングが施されることがある。これらの処理は、特に、摩耗性、延性、硬度、および形状など、刃の複数の特性を変化させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願はより詳細には、切削工具の歯をコーティングする方法、及び当該方法によって得られる工具に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鋸刃を製造する方法は、ホルダ内に少なくとも1つの歯を設ける工程であって、前記歯の少なくとも1つの面はコーティングされ、前記歯の少なくとも1つの面は曝露される、工程と、前記のコーティングされる面をコーティングする工程と、前記のコーティングする工程後に非コーティング面にて前記歯を刃支持体に接合する工程を有する。
【0006】
このようにして得られる鋸刃は、コーティングされた面とコーティングされていない面を有する歯を含むことができる。
【0007】
様々な態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コーティング面を有する歯の先端部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1と共に説明する。切削歯110は、上面115を含む。図示された実施形態では、上面115は、クリアランス面として形成されている。歯110は、背面120及び底面125を含む。図示された実施形態では、背面120及び底面125は、刃支持体(図示せず)に接合するように準備されている。このとき背面120及び/又は底面125の一方又は両方は、例えば溶接、ろう付け、ボンディング、又は他の適切なプロセスによって刃支持体に接合され、歯110はまた、複数の側面(一面が図示)130を含む。
【0010】
切削歯110は、前面132を含む。図示された実施形態では、前面132はすくい面として形成され、結合層140、耐熱層145、及び工具摩耗層150を有するコーティング135を含むが、そのような層のすべてが必要というわけではない。
【0011】
鋸刃の製造方法において、少なくとも1つの歯110は、歯の少なくとも1つの面がコーティングされ、歯の少なくとも1つの面が曝露された状態でホルダ(図示せず)内に設けられる。例示的な方法では、歯110は、上面115、背面120、底面125、及び側面130が覆われ、前面132がコーティングのために曝露された状態でホルダ内のポケットに配置される。
【0012】
好適コーティング工程の間、結合層140が前面132上に配置され、次に耐熱層145が結合層140上に配置され、次に工具摩耗層150が耐熱層145上に配置される。
【0013】
上記が好ましいが、コーティングされる曝露面(複数可)は、前面132又は所望の他の面(複数可)であってもよく、任意の面(複数可)が、所望の数及び種類の層によってコーティング工程中に覆われてもよいことを理解する必要がある。
【0014】
よって、少なくとも1つの実施形態において、コーティング工程の結果、切削歯の少なくとも1つの面上に多層コーティングがもたらされる。
【0015】
コーティング工程は、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、ダイヤモンド又はダイヤモンド様コーティング工程等の高温コーティング工程を利用することができる。
【0016】
コーティング工程後、歯110は、刃支持体に接合されてよい。
【0017】
当該方法は、背面120又は底面125などのコーティングされていない面を刃支持体にろう付け、溶接、又はボンディングする工程を含み得る。刃支持体は、背面120及び/又は底面125と嵌合するようにその中に形成された歯の組を有していてもよい。
【0018】
よって、歯が刃支持体に接合される前に、歯の一部の面にコーティングが施されることがある。他の歯の面は、コーティング工程の後、刃支持体にろう付け、溶接、又はボンディングされてもよい。
【0019】
当該方法は、歯を刃支持体に接合する前又は後に、コーティングされた面又はコーティングされていない面を研磨する工程をさらに含み得る。
【0020】
動作の原理及び態様を特定の実施形態に関して説明及び図示したが、しかし、これは、その思想又は技術範囲から逸脱することなく、具体的に説明及び図示した以外の方法で実施することができることを理解しなければならない。
図1