(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】単歯履帯板コッギングパス及び熱間圧延方法
(51)【国際特許分類】
B21B 1/08 20060101AFI20250821BHJP
B21B 27/02 20060101ALI20250821BHJP
【FI】
B21B1/08 Z
B21B27/02 D
(21)【出願番号】P 2024527247
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2022109504
(87)【国際公開番号】W WO2023098123
(87)【国際公開日】2023-06-08
【審査請求日】2024-08-26
(31)【優先権主張番号】202210887603.2
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323007250
【氏名又は名称】山東鋼鉄股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG IRON AND STEEL COMPANY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霍喜偉
(72)【発明者】
【氏名】孫暁慶
(72)【発明者】
【氏名】尚国明
(72)【発明者】
【氏名】紀進立
(72)【発明者】
【氏名】李承
(72)【発明者】
【氏名】雷剛
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105458002(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103447443(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113560341(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113560354(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103350114(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102321841(CN,A)
【文献】中国実用新案第212639190(CN,U)
【文献】中国実用新案第215785675(CN,U)
【文献】米国特許第04420962(US,A)
【文献】ソ連国特許発明第01676689(SU,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00-11/00
27/00-35/14
47/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単歯履帯板コッギングパスを用いる単歯履帯板の熱間圧延方法であって、
矩形の連続鋳造素地を分塊圧延機でコッギングし、連続鋳造素地を1から4個の第1コッギング孔で順次圧延し、連続鋳造素地を右曲げ足、第1中柱、及び左曲げ足に徐々に圧延し、第1斜面及び第1平面は第5斜面及び第4平面に合わせて右曲げ足を形成し、第2斜面、第2平面、及び第3斜面は、第4平面に合わせて第1中柱を形成し、第3平面及び第4斜面は、第4平面及び第6斜面に合わせて左曲げ足を形成し、連続鋳造素地の横断面は矩形から山型に変えて山型中間スラブを得るステップ1と、
ステップ1で得られた山型中間スラブを、分塊圧延機でさらにコッギングし、山型中間スラブを1から4個の第2コッギング孔で圧延し、第7斜面及び第8斜面は、第6平面に合わせて山型中間スラブの右曲げ足を徐々に圧潰して薄くさせて右平足を形成し、第9斜面、第5平面、及び第10斜面は、円弧セグメントに合わせて第1中柱を徐々に薄く押して高くさせて第2中柱を形成し、第4平面を円弧セグメントに押し出し、第11斜面と第12斜面と第7平面とは合わせて左曲げ足を徐々に圧潰して薄くさせて左平足を形成し、山型中間スラブの横断面を山型から逆T型に変えて逆T型中間スラブを得るステップ2と、
第1コッギング孔及び第2コッギング孔でコッギングして得られた逆T型中間スラブを粗圧延し、素地厚さを減少し、素地幅を増加させるステップ3と、
ステップ3で粗圧延後の素地を仕上圧延し、単歯履帯板の主板、側翼、及び歯板に対応する素地の各部位を精密成形して単歯履帯板を製造し、右平足を単歯履帯板の主板に圧延し、第2中柱を単歯履帯板の側翼に圧延し、左平足を単歯履帯板の歯板に圧延するステップ4と、を含み、
前記単歯履帯板コッギングパスは、第1コッギング孔と、第2コッギング孔とを備え、前記第1コッギング孔は、分塊圧延機の第1上ロールと第1下ロールとからなり、前記第2コッギング孔は、分塊圧延機の第2上ロールと第2下ロールとからなり、
前記第1コッギング孔は、前孔であり、矩形の連続鋳造素地を、右曲げ足、第1中柱、及び左曲げ足を含む山型中間スラブに押圧するために用いられ、
前記第2コッギング孔は後孔であり、前記山型中間スラブを、右平足、第2中柱、及び左平足を含む逆T型中間スラブに押圧するために用いられ、
前記第1上ロールの下面は、第1斜面と、第1平面と、第2斜面と、第2平面と、第3斜面と、第3平面と、第4斜面とを含み、前記第1斜面と、前記第1平面と、前記第2斜面と、前記第2平面と、前記第3斜面と、前記第3平面と、前記第4斜面とは、順次接続され、前記第1平面と前記第3平面とは、同一の水平面に位置し、前記第1斜面と、前記第2斜面と、前記第3斜面と、前記第4斜面とは、それぞれ前記第1平面の上方に位置し、前記第2平面は、前記第1平面に平行し、前記第2斜面、前記第2平面、及び前記第3斜面は、前記第1上ロールの下面に台形溝を形成し、
前記第1下ロールの上面は、第5斜面と、第4平面と、第6斜面とを含み、前記第5斜面と、前記第4平面と、前記第6斜面とは、順次接続され、前記第5斜面及び前記第6斜面は、それぞれ前記第4平面の上方に位置し、
前記第2上ロールの下面は、第7斜面と、第8斜面と、第9斜面と、第5平面と、第10斜面と、第11斜面と、第12斜面とを含み、前記第7斜面と、前記第8斜面と、前記第9斜面と、前記第5平面と、前記第10斜面と、前記第11斜面と、前記第12斜面とは、順次接続され、
前記第5平面は、水平に設けられ、前記第7斜面の下端と前記第12斜面の下端が同一の水平面に位置し、前記第8斜面及び前記第11斜面は、それぞれ前記第12斜面の上方に位置し、前記第9斜面及び前記第10斜面は、それぞれ前記第11斜面の上方に位置し、前記第9斜面、前記第5平面、及び前記第10斜面は、前記第2上ロールの下面に台形溝を形成し、
前記第2下ロールの上面は、第6平面と、円弧セグメントと、第7平面とを含み、前記第6平面と、前記円弧セグメントと、前記第7平面とは、順次接続され、前記第6平面と前記第7平面とは、同一の水平面に位置し、前記円弧セグメントは、前記第6平面の上方に位置することを特徴とする、
単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項2】
前記第1斜面と前記第1平面とのなす角αは、30°~70°であり、
前記第2斜面と前記第1平面とのなす角βは、65°~88°であり、
前記第3斜面と前記第3平面とのなす角γは、65°~88°であり、
前記第4斜面と前記第3平面とのなす角δは、30°~70°であり、
前記第2斜面と前記第2平面との間、前記第2平面と前記第3斜面との間は、それぞれ半径10mm~30mmの円弧を介して滑らかに移行し、
前記第1斜面と第1平面との間、前記第1平面と前記第2斜面との間、前記第3斜面と前記第3平面との間、前記第3平面と前記第4斜面との間は、それぞれ半径25mm~60mmの円弧を介して滑らかに移行し、
前記第1斜面の長さはB1であり、前記第2平面と前記第1平面との間の垂直距離はH1であり、B1:H1=0.7~2:1であり、
前記第4斜面の長さはB2であり、B2:H1=0.5~1.2:1であることを特徴とする、
請求項
1に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項3】
前記第5斜面と前記第4平面とのなす角εは50°~88°であり、前記第4平面と前記第6斜面とのなす角ζは50°~88°であり、
前記第5斜面と前記第4平面との間、前記第4平面と前記第6斜面との間は、それぞれ半径25mm~60mmの円弧を介して滑らかに移行することを特徴とする、
請求項
1に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項4】
前記第7斜面と水平面とのなす角ηは、60°~88°であり、
前記第8斜面と水平面とのなす角θは、0°~30°であり、
前記第9斜面と前記第5平面とのなす角ιは、70°~88°であり、
前記第10斜面と前記第5平面とのなす角κは、70°~88°であり、
前記第11斜面と水平面とのなす角λは、0°~30°であり、
前記第12斜面と水平面とのなす角度μは、60°~88°であり、
前記第7斜面と前記第8斜面との間、前記第9斜面と前記第5平面との間、前記第5平面と前記第10斜面との間、前記第11斜面と前記第12斜面との間は、それぞれ半径10mm~30mmの円弧を介して滑らかに移行し、
前記第8斜面と前記第9斜面との間、前記第10斜面と前記第11斜面との間は、それぞれ半径50mm~80mmの円弧を介して滑らかに移行することを特徴とする、
請求項
1に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項5】
前記円弧セグメントの半径は、50mm~120mmであり、前記円弧セグメントの長さは、80mm~200mmであることを特徴とする、
請求項
1に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項6】
前記右平足の長さはB3であり、前記第5平面と前記第6平面との間の垂直距離はH2であり、B3:H2=1~2:1であり、
前記左平足の長さはB4であり、B4:H2=0.6~1.2:1であることを特徴とする、
請求項
5に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【請求項7】
前記連続鋳造素地の幅は、前記第1下ロールの上面の前記第4平面の幅W1以上であり、前記連続鋳造素地の幅は、前記第1コッギング孔の幅W2以下であり、前記連続鋳造素地の高さと幅との比は、0.7~1.3であることを特徴とする、
請求項
3に記載の単歯履帯板の熱間圧延方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型鋼生産技術分野に関し、特に、単歯履帯板コッギングパス及び熱間圧延方法に関する。
【背景技術】
【0002】
履帯は、工程機械によく使う走行部品であり、履帯は、タイヤに比べて、様々な劣悪な作業環境に適用でき、耐摩耗性、耐衝撃等の利点を有する。履帯板は、履帯を生産するのに必須の冶金製品であり、成形方法は、例えば、鋳造成形、プレス成形、機械加工成形、圧延成形等様々がある。圧延成形方法は鋳造とプレス、機械加工方法に比べて、効率が高く、コストが低く、総合性能が優れているため、段々広く応用されている。一方、履帯板の断面形状が複雑で非対称であるため、圧延材は、コッギング圧延中に変形を制御する難度が大きく、曲げ、捻れ、逆鋼、および肉盛り鋼が容易になり、自動化生産を実現することが困難である。このため、履帯板、特に、非対称度の高い単歯履帯板成形は、人工補助圧延材食い込むように生産せざるを得ず、人間傷害事故リスクが大きく増加する。
【0003】
中国特許CN201310393973.1は、単歯履帯板半開半閉式ブランク型及び単歯履帯板鍛造方法を開示している。単歯履帯板プリフォームに使用可能な、得られる鍛造材が仕上りやすい単歯履帯板半開半閉式ブランク型と、鍛造工法を用いた単歯履帯板の鍛造に使用可能な単歯履帯板鍛造方法とを提供することを目的としている。この鍛造方法で履帯板を生産することは、収量が低く、コストが高い。
【0004】
≪鉄鋼バナジウムチタン≫2009年7月30巻第3期発表論文≪履帯鋼圧延中有限要素シミュレーション≫は、履帯鋼圧延プロセスに関わり、単歯履帯鋼の断面形状が複雑であり、圧延中に捻れ、反り、横曲げ等の現象が生じやすく、圧延の順行に影響する。履帯鋼の深穴圧延捻れが深刻な問題に対しては、パスパラメータを最適化し、履帯鋼の深穴圧延中の捻れ角を135.6°から13.85°まで小さくし、後のパスの正常食い込みの要求を満たし、生産の順調な進行を保証した。この文献に係る圧延プロセスは、ここで言う6穴に存在する捻れが深刻である以外、1穴、2穴、3穴の共に3個の箱型穴を別に設けて材料を縮小し、圧延ロール長とパスが増し、生産効率が低く、エネルギーが高かった。また、4穴、5穴、8穴ともに、圧延材底部の支持状態が不安定であり、鋼裏返り後に傾斜や転倒しやすく、後続圧延に影響する突出問題が存在し、寸法精度制御が難しく、人工補助圧延材食い込みに依頼し、生産リズムの向上や安全リスク制御に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、良好な中間スラブ形状を得るとともに、素地底部支持を安定させ、鋼裏返り後に傾斜や転倒することなく、人工補助を必要としなく単歯履帯板の効率的な熱間圧延生産を実現することができる単歯履帯板コッギングパス及び熱間圧延方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
【0007】
単歯履帯板コッギングパスは、第1コッギング孔と、第2コッギング孔とを備え、前記第1コッギング孔は、分塊圧延機の第1上ロールと第1下ロールとからなり、前記第2コッギング孔は、分塊圧延機の第2上ロールと第2下ロールとからなる単歯履帯板コッギングパスであって、前記第1コッギング孔は、前孔であり、矩形の連続鋳造素地を、右曲げ足、第1中柱、及び左曲げ足を含む山型中間スラブに押圧するために用いられ、前記第2コッギング孔は後孔であり、前記山型中間スラブを、右平足、第2中柱、及び左平足を含む逆T型中間スラブに押圧するために用いられる。
【0008】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第1上ロールの下面は、第1斜面と、第1平面と、第2斜面と、第2平面と、第3斜面と、第3平面と、第4斜面とを含み、前記第1斜面と、前記第1平面と、前記第2斜面と、前記第2平面と、前記第3斜面と、前記第3平面と、前記第4斜面とは、順次接続され、前記第1平面と前記第3平面とは、同一の水平面に位置し、前記第1斜面と、前記第2斜面と、前記第3斜面と、前記第4斜面とは、それぞれ前記第1平面の上方に位置し、前記第2平面は、前記第1平面に平行し、前記第2斜面、前記第2平面、及び前記第3斜面は、前記第1上ロールの下面に台形溝を形成する。
【0009】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第1斜面と前記第1平面とのなす角αは、30°~70°であり、前記第2斜面と前記第1平面とのなす角βは、65°~88°であり、前記第3斜面と前記第3平面とのなす角γは、65°~88°であり、前記第4斜面と前記第3平面とのなす角δは、30°~70°であり、好ましくは、前記第2斜面と前記第2平面との間、前記第2平面と前記第3斜面との間は、それぞれ半径10mm~30mmの円弧を介して滑らかに移行し、前記第1斜面と第1平面との間、前記第1平面と前記第2斜面との間、前記第3斜面と前記第3平面との間、前記第3平面と前記第4斜面との間は、それぞれ半径25mm~60mmの円弧を介して滑らかに移行し、好ましくは、前記第1斜面の長さはB1であり、前記第2平面と前記第1平面との間の垂直距離はH1であり、B1:H1=0.7~2:1であり、前記第4斜面の長さはB2であり、B2:H1=0.5~1.2:1である。
【0010】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第1下ローラの上面は、第5斜面と、第4平面と、第6斜面とを含み、前記第5斜面と、前記第4平面と、前記第6斜面とは、順次接続され、前記第5斜面及び前記第6斜面は、それぞれ前記第4平面の上方に位置し、好ましくは、前記第5斜面と前記第4平面とのなす角εは50°~88°であり、前記第4平面と前記第6斜面とのなす角ζは50°~88°であり、好ましくは、前記第5斜面と前記第4平面との間、前記第4平面と前記第6斜面との間は、それぞれ半径25mm~60mmの円弧を介して滑らかに移行する。
【0011】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第2上ロールの下面は、第7斜面と、第8斜面と、第9斜面と、第5平面と、第10斜面と、第11斜面と、第12斜面とを含み、前記第7斜面と、前記第8斜面と、前記第9斜面と、前記第5平面と、前記第10斜面と、前記第11斜面と、前記第12斜面とは、順次接続され、前記第5平面は、水平に設けられ、前記第7斜面の下端と前記第12斜面の下端が同一の水平面に位置し、前記第8斜面及び前記第11斜面は、それぞれ前記第12斜面の上方に位置し、前記第9斜面及び前記第10斜面は、それぞれ前記第11斜面の上方に位置し、前記第9斜面、前記第5平面、及び前記第10斜面は、前記第2上ローラの下面に台形溝を形成する。
【0012】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第7斜面と水平面とのなす角ηは、60°~88°であり、前記第8斜面と水平面とのなす角θは、0°~30°であり、前記第9斜面と前記第5平面とのなす角ιは、70°~88°であり、前記第10斜面と前記第5平面とのなす角κは、70°~88°であり、前記第11斜面と水平面とのなす角λは、0°~30°であり、前記第12斜面と水平面とのなす角度μは、60°~88°であり、好ましくは、第7斜面と第8斜面との間、第9斜面と第5平面との間、第5平面と第10斜面との間、第11斜面と第12斜面との間は、それぞれ半径10mm~30mmの円弧を介して滑らかに移行し、前記第8斜面と前記第9斜面との間、前記第10斜面と前記第11斜面との間は、それぞれ半径50mm~80mmの円弧を介して滑らかに移行する。
【0013】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記第2下ロールの上面は、第6平面と、円弧セグメントと、第7平面とを含み、前記第6平面と、前記円弧セグメントと、前記第7平面とは、順次接続され、前記第6平面と第7平面とは、同一の水平面に位置し、前記円弧セグメントは、前記第6平面の上方に位置し、前記円弧セグメントの半径は、50mm~120mmであり、前記円弧セグメントの長さは、80mm~200mmである。
【0014】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記右平足の長さはB3であり、前記第5平面と前記第6平面との間の垂直距離はH2であり、B3:H2=1~2:1であり、前記左平足の長さはB4であり、B4:H2=0.6~1.2:1である。
【0015】
さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスにおいて、前記連続鋳造素地の幅は、前記第1下ロールの上面の前記第4平面の幅W1以上であり、前記連続鋳造素地の幅は、前記第1コッギング孔の幅W2以下であり、前記連続鋳造素地の高さと幅との比は、0.7~1.3である。
【0016】
一方、上記の単歯履帯板コッギングパスを用いる単歯履帯板の熱間圧延方法であって、
【0017】
矩形の連続鋳造素地を分塊圧延機でコッギングし、連続鋳造素地を1から4個の第1コッギング孔で順次圧延し、連続鋳造素地を右曲げ足、第1中柱、及び左曲げ足に徐々に圧延し、第1斜面及び第1平面は第5斜面及び第4平面に合わせて右曲げ足を形成し、第2斜面、第2平面、及び第3斜面は、第4平面に合わせて第1中柱を形成し、第3平面及び第4斜面は、第4平面及び第6斜面に合わせて左曲げ足を形成し、連続鋳造素地の横断面は矩形から山型に変えて山型中間スラブを得るステップ1と、
【0018】
ステップ1で得られた山型中間スラブを、分塊圧延機でさらにコッギングし、山型中間スラブを1から4個の第2コッギング孔で圧延し、第7斜面及び第8斜面は、第6平面に合わせて山型中間スラブの右曲げ足を徐々に圧潰して薄くさせて右平足を形成し、第9斜面、第5平面、及び第10斜面は、円弧セグメントに合わせて第1中柱を徐々に薄く押して高くさせて第2中柱を形成し、第4平面を円弧セグメントに押し出し、第11斜面と第12斜面は第7平面に合わせて左曲げ足を徐々に圧潰して薄くさせて左平足を形成し、山型中間スラブの横断面を山型から逆T型に変えて逆T型中間スラブを得るステップ2と、
【0019】
第1コッギング孔及び第2コッギング孔でコッギングして得られた逆T型中間スラブを粗圧延し、素地厚さを減少し、素地幅を増加させるステップ3と、
【0020】
ステップ3で粗圧延後の素地を仕上圧延し、単歯履帯板の主板、側翼、及び歯板に対応する素地の各部位を精密成形して単歯履帯板を製造し、右平足を単歯履帯板の主板に圧延し、第2中柱を単歯履帯板の側翼に圧延し、左平足を単歯履帯板の歯板に圧延するステップ4と、を含む単歯履帯板の熱間圧延方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
分析によると、本発明は、単歯履帯板コッギングパス及び熱間圧延方法を開示し、矩形の連続鋳造素地は、分塊圧延機の第1コッギング孔及び第2コッギング孔でコッギングされ、コッギング後の素地は、さらに粗圧延及び仕上圧延によって単歯履帯板が得られ、本発明は、素地寸法の依存を著しく低減し、小さな素地で大きな仕様の単歯履帯板を生産でき、優れた省エネルギー効果を有し、第1コッギング孔及び第2コッギング孔の独特設計は、素地不安定による効率低く、安全性悪く、寸法精度悪く等の不足を解消し、単歯履帯板の効率的な生産を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の一部を構成する明細書図面は、本発明への更なる理解を提供するものであり、本発明の模式的な実施例及びその説明は本発明を説明するためのものであり、本発明の不当な限定を構成するものではない。
【
図1】本発明の1実施例に係る第1コッギング孔の構造概略図である。
【
図2】本発明の1実施例に係る第2コッギング孔の構造概略図である。
【
図3】本発明の1実施例に係る単歯履帯板の構造概略図である。
【
図4】本発明の1実施例に係る第1コッギング孔の別の構造概略図である。
【
図5】本発明の1実施例に係る第2コッギング孔の別の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。各実施例は、本発明の説明により提供され、本発明を限定するものではない。実際には、本発明の範囲や精神を逸脱することなく、本発明に補正や変形が可能であるのは、当業者ははっきり知っている。例えば、1実施例の一部の特徴が別の実施例に用いられてさらに別の実施例を生じることができる。従って、本発明は、特許請求の範囲とその同等物とに属する範囲内の、このような補正や変形を含むことが望ましい。
【0024】
本発明の説明において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」等の用語が指示した方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にするためのものであり、本発明を特定の方位で構成及び操作させるものではなく、本発明を制限するものと理解することはできない。本発明で使用する「繋がる」「接続」、「設置」という用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能接続であってもよいし、直接的に繋がってもよいし、中間部材を介して間接的に繋がってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
添付の図面には、本発明の1つ以上の実施例を示す。詳細な説明には、図面における特徴を数字及びアルファベットマークで指す。図面および説明における相似または類似の符号は、本発明の相似または類似の部分を指している。本文のように、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、お互いに交換可能に使用されて1つの部材を他の部材と区別させ、別部材の位置や重要性を示すものではない。
【0026】
図1~
図5に示すように、本発明の実施例によれば、
図3に示すように、単歯履帯板5は、主板51と、歯板52と、側翼53とを含み、側翼53の一端は主板51の一端に接続され、側翼53の他端は主板51から離れる方向に延び、歯板52の一端は主板51の下面に接続されている単歯履帯板コッギングパスを提供している。
【0027】
このコッギングパスは、第1コッギング孔1と第2コッギング孔3とを含み、第1コッギング孔1は、分塊圧延機の第1上ロールと第1下ロールとからなり、第2コッギング孔3は、分塊圧延機の第2上ロールと第2下ロールとからなり、第1コッギング孔1は、前孔であり、第1コッギング孔1は、矩形の連続鋳造素地を、右曲げ足11、第1中柱12、及び左曲げ足13を含む山型中間スラブに押圧するために用いられ、第2コッギング孔3は後孔であり、第2コッギング孔3は、山型中間スラブを、右平足31、第2中柱32、及び左平足33を含む逆T型中間スラブに押圧するために用いられる。単歯履帯板5を、分塊圧延機の第1コッギング孔1と第2コッギング孔3とで圧延する過程では、素地不安定による効率低く、安全性悪く、寸法精度悪く等の不足を解消し、単歯履帯板5の効率的な生産を実現した。
【0028】
さらに、
図1に示すように、第1上ロールの下面は、第1斜面14と、第1平面15と、第2斜面16と、第2平面17と、第3斜面18と、第3平面19と、第4斜面20とを含み、第1斜面14と、第1平面15と、第2斜面16と、第2平面17と、第3斜面18と、第3平面19と、第4斜面20とは、順次接続され、第1平面15と第3平面19とは、同一の水平面に位置し、第1斜面14と、第2斜面16と、第3斜面18と、第4斜面20とは、それぞれ第1平面15の上方に位置し、第2平面17は、第1平面15に平行し、第2斜面16、第2平面17、及び第3斜面18は、第1上ロールの下面に台形溝を形成する。第1下ローラの上面は、第5斜面21と、第4平面22と、第6斜面23とを含み、第5斜面21と、第4平面22と、第6斜面23とは、順次接続され、第5斜面21及び第6斜面23は、それぞれ第4平面22の上方に位置している。
【0029】
第1斜面14及び第1平面15は第5斜面21及び第4平面22に合わせて第1コッギング孔1の右曲げ足11を形成し、第2斜面16、第2平面17及び第3斜面18は、第4平面22に合わせて第1コッギング孔1の第1中柱12を形成し、第3平面19及び第4斜面20は、第4平面22及び第6斜面23に合わせて第1コッギング孔1の左曲げ足13を形成し、右曲げ足11及び左曲げ足13は、それぞれ湾曲構造であり、右曲げ足11及び左曲げ足13の湾曲設計は、単歯履帯板5の主板51、歯板52、側翼53に対応する素地の各部位の幅と高さを最大限大きくさせることができ、小さな素地で単歯履帯板5を圧延でき、圧延パスとパス数が少なく、生産過程効率が高く、消費エネルギーが低く、国家の緑色低炭素産業策に適合する。第5斜面21、第4平面22、及び第6斜面23は、組み合わせて第1コッギング孔1の底部を溝型構造に形成し、分塊圧延機の第1上ロール及び第1下ロールが素地を安定して挟み込むことができ、素地底部の支持状態を安定させ、安定した圧延を実現し、ひいては、素地の寸法精度の制御が可能となり、圧延中の素地の捻れや曲げの程度を効果的に軽減し、素地の傾斜や転倒による後の圧延への影響を防止し、人工補助で圧延材を食い込むことなく、生産リズムが効果的に向上し、安全リスクが低減される。
【0030】
さらに、
図4に示すように、第1斜面14と第1平面15とのなす角αは、30°~70°(例えば、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°)であり、第1斜面14の傾斜角度の設計は、第1コッギング孔1による素地の圧延を安定させるとともに、第2コッギング孔3の右平足31に長さの適切な素地を供給することができ、金属不足や過多の現象を防止した。第2斜面16と第1平面15とのなす角βは、65°~88°(例えば、65°、67°、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、第3斜面18と第3平面19とのなす角γは、65°~88°(例えば、65°、67°、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、第4斜面20と第3平面19とのなす角δは、30°~70°(例えば、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°)であり、第4斜面20の傾斜角度の設計は、第1コッギング孔1による素地の圧延を安定させるとともに、第2コッギング孔3の左平足33に長さの適切な素地を供給することができ、金属不足や過多の現象を防止した。第5斜面21と第4平面22とのなす角εは、50°~88°(例えば、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、88°)であり、第4平面22と第6斜面23とのなす角ζは、50°~88°(例えば、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、88°)であり、本発明の1実施例において、αは45°、βは75°、γは75°、δは45°、εは62°、ζは62°である。
【0031】
第2斜面16と第2平面17との間、第2平面17と第3斜面18との間は、それぞれ適宜の円弧を介して移行する。好ましくは、第2斜面16と第2平面17との間、第2平面17と第3斜面18との間は、それぞれ半径10mm~30mm(例えば、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm、22mm、24mm、26mm、28mm、30mm)の円弧を介して滑らかに移行する。第1斜面14と第1平面15との間、第1平面15と第2斜面16との間、第3斜面18と第3平面19との間、第3平面19と第4斜面20との間、第5斜面21と第4平面22との間、第4平面22と第6斜面23との間は、それぞれ半径25mm~60mm(例えば、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm)の円弧を介して滑らかに移行する。上記パラメータの設定は、素地各部位の接続箇所を均一に変形させ、せん断抵抗を小さくするとともに、第1中柱12をなるべく理想的な高さまで長くすることができ、単歯履帯板5の完成品の側翼53に対する寸法制御も満足できる。
【0032】
好ましくは、
図4に示すように、第1斜面14の長さはB1であり、第2平面17と第1平面15との間の垂直距離はH1であり、B1:H1=0.7~2:1であり、第4斜面20の長さはB2であり、B2:H1=0.5~1.2:1である。第1斜面14の傾斜角度と長さの設計は、第1コッギング孔1による素地の圧延を安定させるとともに、第2コッギング孔3の右平足31に長さの適切な素地を供給することができ、金属不足や過多の現象を防止した。第4斜面20の傾斜角度と長さの設計は、第1コッギング孔1による素地の圧延を安定させるとともに、第2コッギング孔3の左平足33に長さの適切な素地を供給することができ、金属不足や過多の現象を防止した。
【0033】
さらに、
図2に示すように、第2上ローラの下面は、第7斜面34と、第8斜面35と、第9斜面36と、第5平面37と、第10斜面38と、第11斜面39と、第12斜面40とを含み、第7斜面34と、第8斜面35と、第9斜面36と、第5平面37と、第10斜面38と、第11斜面39と、第12斜面40とは、順次接続され、第5平面37は水平に設けられ、第7斜面34の下端と第12斜面40の下端とは同一の水平面に位置し、第8斜面35と第11斜面39とはそれぞれ第12斜面40の上方に位置し、第9斜面36と第10斜面38とはそれぞれ第11斜面39の上方に位置し、第9斜面36、第5平面37及び第10斜面38は、第2上ローラの下面に台形溝を形成する。第2下ロールの上面は、第6平面41と、円弧セグメント42と、第7平面43とを含み、第6平面41と、円弧セグメント42と、第7平面43とは、順次接続され、第6平面41と、第7平面43とは、同一の水平面に位置し、円弧セグメント42は、第6平面41の上方に位置し、円弧セグメント42の半径は、50mm~120mm(例えば、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm、100mm、105mm、110mm、115mm、120mm)であり、円弧セグメント42の長さは、80mm~200mm(80mm、90mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mm、200mm)である。円弧セグメント42は、素地下部を両側平坦、中間凸起の橋形に押し出すように設置され、圧延中、分塊圧延機の第2上ロールと第2下ロールは、素地を安定して挟みこむことができ、素地状態が安定し、揺れや転倒がなく、素地不安定による効率低く、安全性悪く、寸法精度悪く等の不足を解消し、単歯履帯板5の効率的な生産を実現した。
【0034】
第7斜面34及び第8斜面35は、第6平面41に合わせて第2コッギング孔3の右平足31を形成し、第9斜面36、第5平面37、及び第10斜面38は、円弧セグメント42に合わせて第2コッギング孔3の第2中柱32を形成し、第11斜面39と第12斜面40と第7平面43とは、合わせて第2コッギング孔3の左平足33を形成し、第2コッギング孔3の第2中柱32の形状は、第1コッギング孔1の第1中柱12の形状に近似し、山型中間スラブを第2コッギング孔3で圧延する際の状態を安定させることができる。第2コッギング孔3の右平足31及び左平足33の設計は、素地厚みを薄くしつつ、山型中間スラブの第1コッギング孔1の右曲げ足11及び左曲げ足13に対応する部位を直線的に矯正することができ、山型中間スラブの単歯履帯板5の主板51と歯板52とに対応する部位が長くなるのをさらに促進することができる。第2コッギング孔3の円弧セグメント42の設計は、この部位から第2コッギング孔3の第2中柱32の上部へ金属を流動させ、それを高めるとともに、後の圧延に寸法が接近し、食い込みやすい形状を提供することができる。第2コッギング孔3の第6平面41、第7平面43及び円弧セグメント42は、素地下部を両側平坦、中間凸起の橋形に押し出し、圧延中、素地状態が安定し、揺れや転倒がなく、素地不安定による効率低く、安全性悪く、寸法精度悪く等の不足を解消し、単歯履帯板5の効率的な生産を実現した。
【0035】
さらに、
図5に示すように、第7斜面34と平面とのなす角ηは、60°~88°(例えば、60°、62°、64°、66°、68°、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、第8斜面35と平面とのなす角θは、0°~30°(例えば、0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°)であり、第9斜面36と第5平面37とのなす角度ιは、70°~88°(例えば、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、第10斜面38と第5平面37とのなす角κは、70°~88°(例えば、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、第11斜面39と平面とのなす角λは、0°~30°(例えば、0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°)であり、第12斜面40と平面とのなす角度μは、60°~88°(例えば、60°、62°、64°、66°、68°、70°、72°、74°、76°、78°、80°、82°、84°、86°、88°)であり、本発明の1実施例において、ηは80°、θは5°、ιは80°、κは80°、λは10°、μは80°である。
【0036】
第7斜面34と第8斜面35との間、第9斜面36と第5平面37との間、第5平面37と第10斜面38との間、第11斜面39と第12斜面40との間は、それぞれ適宜の円弧を介して移行し、好ましくは、第7斜面34と第8斜面35との間、第9斜面36と第5平面37との間、第5平面37と第10斜面38との間、第11斜面39と第12斜面40との間は、それぞれ半径10mm~30mm(例えば、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm、22mm、24mm、26mm、28mm、30mm)の円弧を介して滑らかに移行する。第8斜面35と第9斜面36との間、第10斜面38と第11斜面39との間は、それぞれ半径50mm~80mm(例えば、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm)の円弧を介して滑らかに移行する。上記パラメータの設定は、素地の各部位の接続箇所を均一に変形させ、素地の状態を正確に制御でき、第2コッギング孔3の安定した圧延を実現した。
【0037】
さらに、右平足31の長さはB3であり、第5平面37と第6平面41との間の垂直距離はH2であり、B3:H2=1~2:1であり、左平足33の長さはB4であり、B4:H2=0.6~1.2:1である。上記パラメータの設定は、素地厚みを薄くしつつ、山型中間スラブの右曲げ足11及び左曲げ足13を直線的に矯正することができ、単歯履帯板5の主板51と歯板52を長くすることをさらに促進することができる。
【0038】
さらに、連続鋳造素地の幅は、第1下ロールの上面の第4平面22の幅W1以上であり、連続鋳造素地の幅は、第1コッギング孔1の幅W2以下であり、かつ、連続鋳造素地の高さと幅との比は、0.7~1.3(例えば、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3)である。連続鋳造素地の上記の幅及び高さの設計は、単歯履帯板5の主板51、歯板52及び側翼53の成形が良好である目標を実現でき、素地寸法の依存を低減し、比較的小さな素地で大きな仕様の単歯履帯板5を生産でき、優れた省エネルギー効果を有し、コストを節約した。
【0039】
本発明は、さらに、上記の単歯履帯板コッギングパスを用いる単歯履帯板5の熱間圧延方法であって、
【0040】
矩形の連続鋳造素地を分塊圧延機でコッギングし、連続鋳造素地を1から4個の第1コッギング孔1で順次圧延し、連続鋳造素地を右曲げ足11、第1中柱12、及び左曲げ足13に徐々に圧延し、第1斜面14及び第1平面15は第5斜面21及び第4平面22に合わせて右曲げ足11を形成し、第2斜面16、第2平面17、及び第3斜面18は、第4平面22に合わせて第1中柱12を形成し、第3平面19及び第4斜面20は、第4平面22及び第6斜面23に合わせて左曲げ足13を形成し、連続鋳造素地の横断面は矩形から山型に変えて山型中間スラブを得るステップ1と、
【0041】
ステップ1で得られた山型中間スラブを、分塊圧延機でさらにコッギングし、山型中間スラブを1から4個の第2コッギング孔3で圧延し、第7斜面34及び第8斜面35は、第6平面41に合わせて山型中間スラブの右曲げ足11を徐々に圧潰して薄くさせて右平足31を形成し、第9斜面36、第5平面37、及び第10斜面38は、円弧セグメント42に合わせて第1中柱12を徐々に薄く押して高くさせて第2中柱32を形成し、第4平面22を円弧セグメント42に押し出し、第11斜面39と第12斜面40は第7平面43に合わせて左曲げ足13を徐々に圧潰して薄くさせて左平足33を形成し、山型中間スラブの横断面を山型から逆T型に変えて逆T型中間スラブを得るステップ2と、
【0042】
第1コッギング孔1及び第2コッギング孔3でコッギングして得られた逆T型中間スラブを粗圧延し、素地厚さを減少し、素地幅を増加させるステップ3と、
【0043】
ステップ3で粗圧延後の素地を仕上圧延し、単歯履帯板5の主板51、歯板52、及び側翼53に対応する素地の各部位を精密成形して単歯履帯板5を製造し、右平足31を単歯履帯板5の主板51に圧延し、第2中柱32を単歯履帯板5の側翼53に圧延し、左平足33を単歯履帯板5の歯板52に圧延するステップ4と、を含む単歯履帯板5の熱間圧延方法が提供される。
【0044】
矩形の連続鋳造素地は、分塊圧延機の第1コッギング孔1及び第2コッギング孔3でコッギングされ、コッギング後の素地は、さらに粗圧延及び仕上圧延によって単歯履帯板5が得られ、第2コッギング孔3の第2中柱32に対応する素地の部位が側翼53を形成する設計は、従来技術において側翼53の過度充満が容易で、調整が困難である不足を解決した。第2コッギング孔3の左平足33に対応する素地の部位が歯板52を形成する設計は、従来技術において歯板52の金属不足、成形不良の欠陥を克服した。
【0045】
以上の説明から、本発明の実施例は、以下の技術的効果を奏する。
【0046】
単歯履帯板コッギングパス及び熱間圧延方法において、矩形の連続鋳造素地は、分塊圧延機の第1コッギング孔1及び第2コッギング孔3でコッギングされ、コッギング後の素地は、さらに粗圧延及び仕上圧延によって単歯履帯板5が得られ、本発明は、素地寸法の依存を著しく低減し、小さな素地で大きな仕様の単歯履帯板5を生産でき、優れた省エネルギー効果を有し、第1コッギング孔1及び第2コッギング孔3の独特設計は、素地不安定による効率低く、安全性悪く、寸法精度悪く等の不足を解消し、単歯履帯板5の効率的な生産を実現した。
【0047】
上記は本発明の好適な実施例のみであり、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は種々の変更及び変化が可能である。本発明の精神と原則内におけるいかなる補正、同等置換、改良等も本発明の保護範囲に含まれる。