(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ及び高速列車給電伝動システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/219 20060101AFI20250821BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20250821BHJP
H02M 5/458 20060101ALI20250821BHJP
H02M 1/10 20060101ALI20250821BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20250821BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20250821BHJP
【FI】
H02M7/219
H02M7/12 S
H02M5/458
H02M1/10
H02M7/48 Z
B60L9/18 A
(21)【出願番号】P 2024528553
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2022124417
(87)【国際公開番号】W WO2023087974
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】202111373498.2
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524149506
【氏名又は名称】成都尚▲華▼▲電▼气有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 波
(72)【発明者】
【氏名】李 群湛
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲書▼▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲偉▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 智▲霊▼
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0023746(US,A1)
【文献】実開昭61-065885(JP,U)
【文献】特開2010-041744(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03648322(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第109842287(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00- 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータであって、
複数の整流側パワーチューブブリッジアームを含み、整流側インダクタ及びトランスファスイッチによって対応する整流側パワーチューブブリッジアームに接続される3つの整流側入力端子をさらに含み、トランスファスイッチの開閉状態を変えることによって、前記AC-DC-ACトラクションコンバータの整流側が外部三相電力入力と単相電力入力の両方に対応し、
外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、
外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作
し、
正極直流バスBUS1+と負極直流バスBUS1-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC12をさらに含み、
整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、整流側パワーチューブブリッジアームLBC12は、それぞれ、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12が設けられており、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12は、それぞれ、整流側インダクタINA11、整流側インダクタINA12、整流側インダクタINB11、整流側インダクタINB12、整流側インダクタINC11、整流側インダクタINC12の一端に接続され、整流側インダクタINA11及び整流側インダクタINA12の他端は、接続して整流側の第1入力端子A11となり、整流側インダクタINC11及び整流側インダクタINC12の他端は、接続して整流側の第3入力端子A13となり、整流側インダクタINB11の他端はトランスファスイッチK12の一端に接続され、整流側インダクタINB12の他端はトランスファスイッチK13の一端に接続され、トランスファスイッチK12の他端及びトランスファスイッチK13の他端は、接続して整流側の第2入力端子A12となり、整流側インダクタINA12の整流側パワーチューブブリッジアームLBA12に対向して接続される他端と整流側インダクタINB11の整流側パワーチューブブリッジアームLBB11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK11が並列接続されており、整流側インダクタINB12の整流側パワーチューブブリッジアームLBB12に対向して接続される他端と整流側インダクタINC11の整流側パワーチューブブリッジアームLBC11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK14が並列接続されている、ことを特徴とする単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項2】
単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータであって、
複数の整流側パワーチューブブリッジアームを含み、整流側インダクタ及びトランスファスイッチによって対応する整流側パワーチューブブリッジアームに接続される3つの整流側入力端子をさらに含み、トランスファスイッチの開閉状態を変えることによって、前記AC-DC-ACトラクションコンバータの整流側が外部三相電力入力と単相電力入力の両方に対応し、
外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、
外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作し、
正極直流バスBUS2+と負極直流バスBUS2-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21をさらに含み、
整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21は、それぞれ、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21が設けられており、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21は、それぞれ、整流側インダクタINA21、整流側インダクタINB21、整流側インダクタINB22、及び整流側インダクタINC21の一端に接続され、整流側インダクタINA21の他端及び整流側インダクタINC21の他端は、それぞれ、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第3入力端子A23となり、整流側インダクタINB21の他端はトランスファスイッチK22の一端に接続され、整流側インダクタINB22の他端はトランスファスイッチK23の一端に接続され、トランスファスイッチK22の他端及びトランスファスイッチK23の他端は、接続して整流側の第2入力端子A22となり、整流側インダクタINA21の整流側パワーチューブブリッジアームLBA21に対向して接続される他端と整流側インダクタINB21の整流側パワーチューブブリッジアームLBB21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK21が並列接続されており、整流側インダクタINB22の整流側パワーチューブブリッジアームLBB22に対向して接続される他端と整流側インダクタINC21の整流側パワーチューブブリッジアームLBC21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK24が並列接続されている、ことを特徴とする単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項3】
外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じであり、
外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作し、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じである、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項4】
トランスファスイッチK11及びトランスファスイッチK14が切断され、かつ、トランスファスイッチK12及びトランスファスイッチK13が閉じられると、整流側の第1入力端子A11、整流側の第2入力端子A12、及び整流側の第3入力端子A13は、整流側三相入力端子を構成し、
トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK12、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK13が切断されると、整流側の第1入力端子A11及び整流側の第2入力端子A12は、接続して整流側の第3入力端子A13と整流側単相入力端子を構成し、又は、
トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK13、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK12が切断されると、整流側の第2入力端子A12及び整流側の第3入力端子A13は、接続して整流側の第1入力端子A11と整流側単相入力端子を構成する、ことを特徴とする請求項
1に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項5】
整流側の第1入力端子A11の定格電流=整流側の第2入力端子A12の定格電流=整流側の第3入力端子A13の定格電流であり、整流側パワーチューブブリッジアームLBA11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBA12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC12の定格容量である、ことを特徴とする請求項
1に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項6】
トランスファスイッチK21及びトランスファスイッチK24が切断され、かつ、トランスファスイッチK22及びトランスファスイッチK23が閉じられると、整流側の第1入力端子A21、整流側の第2入力端子A22、及び整流側の第3入力端子A23は、整流側三相入力端子を構成し、
トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK22、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK23が切断されると、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第2入力端子A22は、接続して整流側の第3入力端子A23と整流側単相入力端子を構成し、又は、
トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK23、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK22が切断されると、整流側の第2入力端子A22及び整流側の第3入力端子A23は、接続して整流側の第1入力端子A21と整流側単相入力端子を構成する、ことを特徴とする請求項
2に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項7】
整流側の第1入力端子A21の定格電流=整流側の第2入力端子A22の定格電流=整流側の第3入力端子A23の定格電流であり、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の定格容量である、ことを特徴とする請求項
2に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項8】
前記整流側パワーチューブブリッジアームはI型3レベル回路である、ことを特徴とする請求項4又は
6に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項9】
前記正極直流バスと負極直流バスとの間の直流電圧定格値は、パワーチューブブリッジアーム直流耐圧を超えず、十分な安全マージンを残す前提で最高値を取る、ことを特徴とする請求項
8に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ。
【請求項10】
請求項
1に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータを含む、ことを特徴とする高速列車給電伝動システム。
【請求項11】
請求項2に記載の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータを含む、ことを特徴とする高速列車給電伝動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年11月19日に提出された、中国特許出願第202111373498.2号の利益を主張しており、当該出願の内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、コンバータの分野に関し、具体的には、単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータ及び高速列車給電伝動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の地下鉄やライトレールなどの軌道交通用のトラクション給電には、ほとんど直流1500V方式が使用されている。直流方式は、給電が無相で、列車がスムーズに運行するなどの利点があるが、トラクションエネルギー消費量の約30~50%を占める回生エネルギーを直接又は経済的に利用することが難しいため、高価なインバータ装置やエネルギー貯蔵装置を増設する必要があり、また、インバータ装置やエネルギー貯蔵装置が動作しなくなり、列車の回生ブレーキが効かなくなって空気ブレーキに切り替わり、運転の安全が脅かされる場合がある。さらに、存在する迷走電流は周囲の金属パイプや建物の鋼構造物に電気化学的腐食を引き起こし、迷走電流はこれまでに解決されておらず、広範囲かつ長期的な被害を引き起こしてしまう。
【0004】
このため、より高速化、より多くの輸送量が求められる中、一部の大都市の軌道交通では、現在、直流方式に加え、幹線鉄道に単相電源周波数交流25kV方式を利用するしかなく、その利点としては、給電能力が高く、システムの構成が簡単であり、その欠点としては、車載変圧器が重く、かさばるため、高速列車の貴重なスペースを占有し、軸重が増加し、乗客の輸送効率に影響を与える。
【0005】
現在、軌道交通の技術分野における交流トラクション給電には、単相電源周波数交流給電が主流であるが、同じ給電容量(能力)のもとで、三相発電機、電動機、変圧器、送電線がすべて、単相の同様のコンポーネントの製造や建設よりも材料を節約し、かつ、構造が簡単で、優れた性能を持ち、三相電力のパワーの瞬時値は一定に保たれる。この点に関して、本願の発明者のチームは、地上三相トラクション給電及び車載三相給電システムを提案した(出願番号ZL201721675432.8の中国特許出願「三相トラクション給電システム」を参照))。さらに、本願の発明者らのチームは、車載三相給電伝動と単相給電伝動との互換性の問題を解決するために、「高速列車給電伝動システム、AC-DC-ACトラクションコンバータ及びその制御方法」(CN113799663A)」も提案した。これらの技術手段は、既存の直流1500V方式の欠点を克服し、さらに単相電源周波数交流25kV方式の欠点も克服し、三相と単相の車載給電(トラクション伝動)システムの互換性と汎用性、地上三相と単相のトラクション伝動方式の互換性を実現する。
【0006】
現在解決しなければならない技術的課題は、三相と単相の車載給電(トラクション伝動)システムの互換性を実現する時に、どのように車載AC-DC-ACトラクション駆動コンバータの単相と三相入力の両方に対応する最適な構造と変換の問題を解決するかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑み、本発明は、コンバータ整流側の構造及び入力端子トランスファスイッチが設けられ、トランスファスイッチを閉じたり切断したりすることによって、単相と三相の最適な互換を実現する、単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータを提供する。具体的には、三相交流入力のモードでは、3つの整流側入力端子は整流側三相入力端子を構成し、このとき、コンバータ整流側は、三相整流のモードで作動し、かつ三相整流回路で動作し、単相交流入力のモードでは、3つの整流側入力端子のうちの2つの整流側入力端子は、接続して別の整流側入力端子と整流側単相入力端子を構成し、このとき、コンバータ整流側は、単相整流モードで作動し、単相整流回路で動作する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的目的を達成させるために、具体的な技術的手段は以下の通りである。
【0009】
単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータは、
複数の整流側パワーチューブブリッジアームを含み、整流側インダクタ及びトランスファスイッチによって対応する整流側パワーチューブブリッジアームに接続される3つの整流側入力端子をさらに含み、トランスファスイッチの開閉状態を変えることによって、前記AC-DC-ACトラクションコンバータの整流側が外部三相電力入力と単相電力入力の両方に対応し、
外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、
外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作する。
【0010】
さらに、外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じであり、外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作し、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じである。
【0011】
さらに、正極直流バスBUS1+と負極直流バスBUS1-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC12を含み、
整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、整流側パワーチューブブリッジアームLBC12は、それぞれ、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12が設けられており、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12は、それぞれ、整流側インダクタINA11、整流側インダクタINA12、整流側インダクタINB11、整流側インダクタINB12、整流側インダクタINC11、整流側インダクタINC12の一端に接続され、整流側インダクタINA11及び整流側インダクタINA12の他端は、接続して整流側の第1入力端子A11となり、整流側インダクタINC11及び整流側インダクタINC12の他端は、接続して整流側の第3入力端子A13となり、整流側インダクタINB11の他端は、トランスファスイッチK12の一端に接続され、整流側インダクタINB12の他端は、トランスファスイッチK13の一端に接続され、トランスファスイッチK12の他端及びトランスファスイッチK13の他端は、接続して整流側の第2入力端子A12となり、整流側インダクタINA12の整流側パワーチューブブリッジアームLBA12に対向して接続される他端と整流側インダクタINB11の整流側パワーチューブブリッジアームLBB11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK11が並列接続されており、整流側インダクタINB12の整流側パワーチューブブリッジアームLBB12に対向して接続される他端と整流側インダクタINC11の整流側パワーチューブブリッジアームLBC11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK14が並列接続されている。
【0012】
さらに、トランスファスイッチK11及びトランスファスイッチK14が切断され、かつ、トランスファスイッチK12及びトランスファスイッチK13が閉じられると、前記整流側の第1入力端子A11、整流側の第2入力端子A12、及び整流側の第3入力端子A13は、整流側三相入力端子を構成し、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK12、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK13が切断されると、整流側の第1入力端子A11及び整流側の第2入力端子A12は、接続して整流側の第3入力端子A13と整流側単相入力端子を構成し、又は、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK13、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK12が切断されると、整流側の第2入力端子A12及び整流側の第3入力端子A13は、接続して整流側の第1入力端子A11と整流側単相入力端子を構成する。
【0013】
さらに、整流側の第1入力端子A11の定格電流=整流側の第2入力端子A12の定格電流=整流側の第3入力端子A13の定格電流であり、整整流側パワーチューブブリッジアームLBA11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBA12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC12の定格容量である。
【0014】
さらに、正極直流バスBUS2+と負極直流バスBUS2-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21を含み、
前記整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21は、それぞれ、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21が設けられており、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21は、それぞれ、整流側インダクタINA21、整流側インダクタINB21、整流側インダクタINB22、及び整流側インダクタINC21の一端に接続され、整流側インダクタINA21の他端及び整流側インダクタINC21の他端は、それぞれ、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第3入力端子A23となり、整流側インダクタINB21の他端は、トランスファスイッチK22の一端に接続され、整流側インダクタINB22の他端はトランスファスイッチK23の一端に接続され、トランスファスイッチK22の他端及びトランスファスイッチK23の他端は、接続して整流側の第2入力端子A22となり、整流側インダクタINA21の整流側パワーチューブブリッジアームLBA21に対向して接続される他端と整流側インダクタINB21の整流側パワーチューブブリッジアームLBB21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK21が並列接続されており、整流側インダクタINB22の整流側パワーチューブブリッジアームLBB22に対向して接続される他端と整流側インダクタINC21の整流側パワーチューブブリッジアームLBC21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK24が並列接続されている。
【0015】
さらに、トランスファスイッチK21及びトランスファスイッチK24が切断され、かつ、トランスファスイッチK22及びトランスファスイッチK23が閉じられると、前記整流側の第1入力端子A21、整流側の第2入力端子A22、及び整流側の第3入力端子A23は、整流側三相入力端子を構成し、トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK22、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK23が切断されると、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第2入力端子A22は、接続して整流側の第3入力端子A23と整流側単相入力端子を構成し、又は、トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK23、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK22が切断されると、整流側の第2入力端子A22及び整流側の第3入力端子A23は、接続して整流側の第1入力端子A21と整流側単相入力端子を構成する。
【0016】
さらに、整流側の第1入力端子A21の定格電流=整流側の第2入力端子A22の定格電流=整流側の第3入力端子A23の定格電流であり、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の定格容量である。
【0017】
さらに、前記整流側パワーチューブブリッジアームは、I型3レベル回路であり、前記整流側三相入力端子の定格線間電圧は、好ましくは3000V、前記整流側単相入力端子の定格電圧は、好ましくは3000Vとしてもよい。
【0018】
さらに、前記正極直流バスと負極直流バスとの間の直流電圧定格値は、パワーチューブブリッジアーム直流耐圧を超えず、十分な安全マージンを残す前提で最高値を取る。
【0019】
本発明はまた、上記のいずれかのAC-DC-ACトラクションコンバータを含む高速列車給電伝動システムを提供する。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比べて、本発明によるAC-DC-ACトラクションコンバータの有益な効果は以下の通りである。
1.三相交流入力と単相交流入力の両方に対応し、適用範囲が広く、しかも三相入力端子に加えて単相入力端子を付加する必要がなく、結線が簡単になる。
2.システムを三相バランスに常に保つことができ、列車給電システムの安全・安定・経済的な運行を確保できる。
3.本発明によるAC-DC-ACトラクションコンバータを列車トラクション伝動給電システム(高速列車給電伝動システムとも呼ばれる)に使用することにより、列車トラクション伝動給電システムは三相トラクション給電システムにも、単相トラクション給電システムにも適用され、適用範囲が広く、給電方式が柔軟である。
4.本発明によるAC-DC-ACトラクションコンバータは、幹線鉄道だけでなく、都市軌道や都市鉄道にも使用することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、後の発明を実施するための形態の部分で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付の図面は、本発明の実施例の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、以下の発明を実施するための形態と共に本発明の実施例を説明するために使用されるが、本発明の実施例を限定するものではない。
【
図1】1つの例示的な実施例に示される単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータの模式図である。
【
図2】1つの例示的な実施例に示される別の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータの模式図である。
【
図3】1つの例示的な実施例に示される列車トラクション伝動給電システム構造及び結線の模式図である。
【
図4】1つの例示的な実施例に示される別の列車トラクション伝動給電システム構造及び結線の模式図である。
【
図5】1つの例示的な実施例に示されるAC-DC-ACトラクションコンバータの制御のフローチャートである。
【
図6】1つの例示的な実施例に示される別のAC-DC-ACトラクションコンバータの制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術的態様を当業者によりよく理解させるために、以下では、図面及び特定の実施形態を参照して本発明をさらに説明する。
【0023】
実施例1
図1及び
図2に示すように、本実施例は、複数の整流側パワーチューブブリッジアームを含み、整流側インダクタ及びトランスファスイッチによって対応する整流側パワーチューブブリッジアームに接続される3つの整流側入力端子をさらに含み、トランスファスイッチの開閉状態を変えることによって、前記AC-DC-ACトラクションコンバータの整流側が外部三相電力入力と外部単相電力入力の両方に対応し、外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは三相整流回路で動作し、外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは単相整流回路で動作する、単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータを提供する。
【0024】
ここで、整流側パワーチューブブリッジアームの数は実際の状況に応じて決定され、パワーチューブブリッジアームのスイッチングデバイスは、通常、半導体スイッチングデバイス、例えばIGBTなどであり、具体的に実施する際に、各スイッチングデバイスには、必要に応じて逆方向に並列接続されたダイオード又は他の回路網が設けられてもよく、具体的には、スイッチングデバイスの数やスイッチングデバイスの種類は、実際の状況に応じて設計すればよい。
【0025】
また、本実施例のコンバータ装置は、インバータ側パワーチューブブリッジアーム(
図1に示すインバータ側パワーチューブブリッジアームMBA1、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBB1、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBC1では、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBA1の交流端点x1からインバータ側第1出力端子B11が引き出され、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBB1の交流端点y1からインバータ側第2出力端子B12が引き出され、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBC1の交流端点z1からインバータ側第3出力端子B13が引き出される。また、
図2に示すインバータ側パワーチューブブリッジアームMBA2、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBB2、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBC2では、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBA2の交流端点x2からインバータ側第1出力端子B21が引き出され、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBB2の交流端点y2からインバータ側第2出力端子B22が引き出され、インバータ側パワーチューブブリッジアームMBC2の交流端点z2からインバータ側第3出力端子B23が引き出される)をさらに含む。また、本実施例を実施する際には、外部三相電力入力の場合、整流側パワーチューブブリッジアームはすべて作動するように制御することができ、そのうちの特定の又はいくつかのパワーチューブブリッジアームを切断するように制御する必要がない。同様に、外部単相電力入力の場合も、整流側パワーチューブブリッジアームはすべて作動するように制御することができ、そのうちの特定の又はいくつかのパワーチューブブリッジアームを切断するように制御する必要がない。この2つの場合、切り替えは、対応するトランスファスイッチの開閉状態を変えるだけでよく、それによって、対応する整流側パワーチューブブリッジアームを閉じるか又は切断するように制御することによりコンバータの制御が複雑になることが回避され、操作されやすく、安全性及び信頼性が高い。
【0026】
好ましくは、外部三相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは、三相整流回路で動作し、かつ、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じである。外部単相電力入力の場合、前記複数の整流側パワーチューブブリッジアームは、単相整流回路で動作し、かつ、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じである。
【0027】
ここで、各整流側パワーチューブブリッジアームの電流能力が同じであるとは、パワーエレクトロニクスデバイスを制御することで、各整流側パワーチューブブリッジアームの利用率を同じにすることを意味し、すなわち、実際の動作において、パワーエレクトロニクスデバイスを制御することにより、各整流側パワーチューブブリッジアームは同時に全負荷で動作し、又は実際の利用率が同じであり、パワーエレクトロニクスデバイスの容量の浪費が回避される。
【0028】
図2に示す形態では、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の定格電流=整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の定格電流の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の定格電流の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の定格電流=I1とすると、
外部三相電力入力の場合、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21と整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、整流側パワーチューブブリッジアームLBC21とは、共同で整流側の三相整流回路を構成する。この場合、整流側の第1入力端子A21の実際電流=整流側の第2入力端子A22実際電流=整流側の第3入力端子A23実際電流=I2である場合、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の実際電流=I2、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の実際電流=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の実際電流=I2/2、整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の実際利用容量=I2となるように制御する。このとき、I2=I1では、各整流側パワーチューブブリッジアームは、同時に全負荷で動作し、I1<I2では、整流側パワーチューブブリッジアームは、実際利用率が同じである。
【0029】
外部単相電力入力の場合、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21と整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22と整流側パワーチューブブリッジアームLBC21は、共同で整流側の単相整流回路を構成する。このとき、整流側の第1入力端子A21実際電流=整流側の第2入力端子A22実際電流=整流側の第3入力端子A23実際電流=I3の場合、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の実際電流=2/3I3、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の実際電流=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の実際電流=I3/3、整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の実際利用容量=2/3I3となるように制御する。このとき、I3=3/2I1では、各整流側パワーチューブブリッジアームは、同時に全負荷で動作し、I3<3/2I1では、各整流側パワーチューブブリッジアームは、実際利用率が同じである。
【0030】
同じ制御方式は、
図1に示す形態にも適用される。本発明によるアイデアに基づいて当業者が考えることができる他のブリッジアームの数の組み合わせ及び容量パラメータ設定も、本発明によって保護される対象に属する。
【0031】
好ましくは、
図1に示すように、本実施例は、正極直流バスBUS1+と負極直流バスBUS1-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC12を含んでもよく、
整流側パワーチューブブリッジアームLBA11、整流側パワーチューブブリッジアームLBA12、整流側パワーチューブブリッジアームLBB11、整流側パワーチューブブリッジアームLBB12、整流側パワーチューブブリッジアームLBC11、整流側パワーチューブブリッジアームLBC12は、それぞれ、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12が設けられており、交流端点a11、交流端点a12、交流端点b11、交流端点b12、交流端点c11、交流端点c12は、それぞれ、整流側インダクタINA11、整流側インダクタINA12、整流側インダクタINB11、整流側インダクタINB12、整流側インダクタINC11、整流側インダクタINC12の一端に接続され、整流側インダクタINA11及び整流側インダクタINA12の他端は、接続して整流側の第1入力端子A11となり、整流側インダクタINC11及び整流側インダクタINC12の他端は、接続して整流側の第3入力端子A13となり、整流側インダクタINB11の他端はトランスファスイッチK12の一端に接続され、整流側インダクタINB12の他端はトランスファスイッチK13の一端に接続され、トランスファスイッチK12の他端及びトランスファスイッチK13の他端は、接続して整流側の第2入力端子A12となり、整流側インダクタINA12の整流側パワーチューブブリッジアームLBA12に対向して接続される他端と整流側インダクタINB11の整流側パワーチューブブリッジアームLBB11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK11が並列接続されており、整流側インダクタINB12の整流側パワーチューブブリッジアームLBB12に対向して接続される他端と整流側インダクタINC11の整流側パワーチューブブリッジアームLBC11に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK14が並列接続されている。ここで、本実施例では、正極直流バスBUS1+と負極直流バスBUS1-との間に並列接続されたバスコンデンサBUSC1をさらに含んでもよい。
【0032】
具体的には、トランスファスイッチK11及びトランスファスイッチK14が切断され、かつ、トランスファスイッチK12及びトランスファスイッチK13が閉じられると、前記整流側の第1入力端子A11、整流側の第2入力端子A12、及び整流側の第3入力端子A13は、整流側三相入力端子を構成し、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK12、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK13が切断されると、整流側の第1入力端子A11及び整流側の第2入力端子A12は、接続して整流側の第3入力端子A13と整流側単相入力端子を構成し、又は、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK13、及びトランスファスイッチK14が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK12が切断されると、整流側の第2入力端子A12及び整流側の第3入力端子A13は、接続して整流側の第1入力端子A11と整流側単相入力端子を構成する。
【0033】
具体的には、整流側の第1入力端子A11の定格電流=整流側の第2入力端子A12の定格電流=整流側の第3入力端子A13の定格電流、整流側パワーチューブブリッジアームLBA11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBA12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB12の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC11の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBC12の定格容量である。このような定格容量を設定することによって、6つの整流側パワーチューブブリッジアームを含むAC-DC-ACコンバータ装置の容量利用率を最適にすることができる。
【0034】
また、好ましくは、
図2に示すように、本実施例は、正極直流バスBUS2+と負極直流バスBUS2-との間に並列接続された、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21を含んでもよく、
前記整流側パワーチューブブリッジアームLBA21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB21、整流側パワーチューブブリッジアームLBB22、及び整流側パワーチューブブリッジアームLBC21は、それぞれ、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21が設けられており、交流端点a21、交流端点b21、交流端点b22、交流端点c21は、それぞれ、整流側インダクタINA21、整流側インダクタINB21、整流側インダクタINB22、及び整流側インダクタINC21の一端に接続され、整流側インダクタINA21の他端及び整流側インダクタINC21の他端は、それぞれ、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第3入力端子A23となり、整流側インダクタINB21の他端は、トランスファスイッチK22の一端に接続され、整流側インダクタINB22の他端は、トランスファスイッチK23の一端に接続され、トランスファスイッチK22の他端及びトランスファスイッチK23の他端は、接続して整流側の第2入力端子A22となり、整流側インダクタINA21の整流側パワーチューブブリッジアームLBA21に対向して接続される他端と整流側インダクタINB21の整流側パワーチューブブリッジアームLBB21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK21が並列接続されており、整流側インダクタINB22の整流側パワーチューブブリッジアームLBB22に対向して接続される他端と整流側インダクタINC21の整流側パワーチューブブリッジアームLBC21に対向して接続される他端との間にトランスファスイッチK24が並列接続されている。ここで、本実施例は、正極直流バスBUS2+と負極直流バスBUS2-との間に並列接続されたバスコンデンサBUSC2をさらに含んでもよい。
【0035】
具体的には、トランスファスイッチK21及びトランスファスイッチK24が切断され、かつ、トランスファスイッチK22及びトランスファスイッチK23が閉じられると、前記整流側の第1入力端子A21、整流側の第2入力端子A22、及び整流側の第3入力端子A23は、整流側三相入力端子を構成し、トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK22、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK23が切断されると、整流側の第1入力端子A21及び整流側の第2入力端子A22は、接続して整流側の第3入力端子A23と整流側単相入力端子を構成し、又は、トランスファスイッチK21、トランスファスイッチK23、及びトランスファスイッチK24が閉じられ、かつ、トランスファスイッチK22が切断されると、整流側の第2入力端子A22及び整流側の第3入力端子A23は、接続して整流側の第1入力端子A21と整流側単相入力端子を構成する。
【0036】
具体的には、整流側の第1入力端子A21の定格電流=整流側の第2入力端子A22の定格電流=整流側の第3入力端子A23の定格電流、整流側パワーチューブブリッジアームLBA21の定格容量=整流側パワーチューブブリッジアームLBB21の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBB22の定格容量の2倍=整流側パワーチューブブリッジアームLBC21の定格容量である。このような定格容量を設定することによって、4つの整流側パワーチューブブリッジアームを含むAC-DC-ACコンバータ装置の容量利用率を最適にすることができる。
【0037】
本実施例では、整流側三相入力端子の定格線間電圧は3000V、整流側単相入力端子の定格電圧は3000Vとしてもよい。また、整流側パワーチューブブリッジアームはI型3レベル回路であってもよい。なお、I型3レベル回路を使用することによって、三相給電伝動システムへの使用が可能になる一方、3000V入力電圧の要件を満たすまでコンバータ電圧レベルが向上し得、これは、入力電圧レベル3000Vに応じて選択される最適な回路手段である。
【0038】
本実施例では、前記正極直流バスと負極直流バスとの間の直流電圧定格値は、パワーチューブブリッジアームの直流耐圧を超えず、十分な安全マージンを残す前提で最高値を取る。
【0039】
本発明をよりよく理解するために、
図3及び
図4に示すように、本実施例による単相・三相AC-DC-ACコンバータ装置は、単相・三相に対応する高速列車給電伝動システム(本発明と同出願日の、公開番号CN113799663Aの別の特許出願「高速列車給電伝動システム、AC-DC-ACトラクションコンバータ、及びその制御方法」を参照)に適用することができる。
【0040】
一例として、
図1に示すように6つの整流側パワーチューブブリッジアームを含むAC-DC-ACコンバータ装置の形態が単相・三相に対応する高速列車給電伝動システムに適用される場合(
図3又は
図4参照)、その制御方法の流れは
図5を参照することができ、ここで、適用シーンのニーズを決定することは、具体的には、高速列車給電伝動システムの目標作動モードが単相給電伝動モードか三相給電伝動モードかを判断することを意味してもよい。さらに、適用シーンに応じてトランスファスイッチK11、トランスファスイッチK12、トランスファスイッチK13、及びトランスファスイッチK14を操作して、3つの整流側入力端子(整流側の第1入力端子A11、整流側の第2入力端子A12、及び整流側の第3入力端子A13)で三相入力端子又は単相入力端子を構成する。
【0041】
具体的には、
図3に示す結線形態(整流側の第1入力端子A11は、フィードアウトケーブルLNA1及びフィードアウトスイッチKQA1を介して給電ケーブルLAに接続され、整流側の第2入力端子A12は、フィードアウトケーブルLNB1及びフィードアウトスイッチKQB1を介して給電ケーブルLBに接続され、整流側の第3入力端子A13は、フィードアウトケーブルLNC1及びフィードアウトスイッチKQC1を介して給電ケーブルLCに接続され、給電ケーブルLA、給電ケーブルLB、及び給電ケーブルLCは、それぞれ、給電バスMA、給電バスMB、及び給電バスMCに接続され、トランスファスイッチKは、給電バスMAと給電バスMBとの間に並列接続される。)では、トランスファスイッチKが閉じられたか否かを判定することによって、高速列車給電伝動システムの目標作動モードを判定することができ、トランスファスイッチKが切断される場合、高速列車給電伝動システムの目標作動モードは三相給電伝動モードであり、その場合、トランスファスイッチK11及びトランスファスイッチK14を切断して、トランスファスイッチK12及びトランスファスイッチK13を閉じる必要がある。トランスファスイッチKが閉じられる場合、高速列車給電伝動システムの目標作動モードは単相給電伝動モードであり、この場合、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK12、トランスファスイッチK14を閉じ、トランスファスイッチK13を切断する必要がある。なお、トランスファスイッチK11、トランスファスイッチK13、トランスファスイッチK14を閉じ、トランスファスイッチK12を切断することで、整流側の第2入力端子A12と整流側の第3入力端子A13を接続して、整流側の第1入力端子A11と整流側単相入力端子を構成するという操作は、整流側の第1入力端子A11が給電ケーブルLCに電気的に接続され、第2入力端子A12が給電ケーブルLBに電気的に接続され、第3入力端子A13が給電ケーブルLAに電気的に接続される
図4に示す結線形態に適用することができ、他の結線関係は図示の通りである。他の適用可能な結線関係に関しては、当業者であれば、実際の状況に応じて調整すればよいため、ここではこれ以上説明しない。また、
図3及び
図4には、集電装置CA、集電装置CB、集電装置CC、集電ケーブルLA0、集電ケーブルLB0、集電ケーブルLC0、集電スイッチKLA、集電スイッチKLB、集電スイッチKLC、電圧変成器PTAB、電圧変成器PTBC、電圧変成器PTCA、計測コントローラCTLも関与している。
【0042】
図2に示すように4つの整流側パワーチューブブリッジアームを含むAC-DC-ACコンバータ装置の形態では、どのように単相・三相に対応する高速列車給電伝動システムに適用するかは、当業者が前記の説明を参照することができ、制御方法は、
図6を参照することができ、具体的な結線関係及び対応する操作方式についてもこれ以上説明しない。
【0043】
実施例2
本発明の実施例2は、上記の実施例1の単相・三相互換AC-DC-ACトラクションコンバータを含む高速列車給電伝動システムを提供する。本発明の実施例2の高速列車給電伝動システムは、三相トラクション給電システムにも、単相トラクション給電システムにも適用され、適用範囲が広く、給電方式が柔軟である。
【0044】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、上記の好ましい実施形態は本発明に対する限定とみなすべきではなく、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で定められた範囲に準じるものである。当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲で、いくつかの改良及び修正を加えることもでき、これらの改良及び修正もまた、本発明の保護範囲とみなされるものとする。
【符号の説明】
【0045】
A11,A21 整流側の第1入力端子
A12,A22 整流側の第2入力端子
A13,A23 整流側の第3入力端子
a11,a12,a21 交流端点
b11,b12,b21,b22 交流端点
c11,c12,c21 交流端点
B11,B21 インバータ側第1出力端子
B12,B22 インバータ側第2出力端子
B13,B23 インバータ側第3出力端子
BUS1+,BUS2+ 正極直流バス
BUS1-,BUS2- 負極直流バス
BUSC1,BUSC2 バスコンデンサ
INA11,INA12,INA21 整流側インダクタ
INB11,INB12,INB21,INB22 整流側インダクタ
INC11,INC12,INC21 整流側インダクタ
K11,K12,K13,K14,K21,K22,K23,K24 トランスファスイッチ
LBA11,LBA12,LBA21 整流側パワーチューブブリッジアーム
LBB11,LBB12,LBB21,LBB22 整流側パワーチューブブリッジアーム
LBC11,LBC12,LBC21 整流側パワーチューブブリッジアーム
MBA1,MBA2 インバータ側パワーチューブブリッジアーム
MBB1,MBB2 インバータ側パワーチューブブリッジアーム
MBC1,MBC2 インバータ側パワーチューブブリッジアーム
x1,x2 交流端点
y1,y2 交流端点
z1,z2 交流端点