(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-21
(45)【発行日】2025-08-29
(54)【発明の名称】デジタル画素センサのためのシステム、方法、デバイス、およびデータ構造
(51)【国際特許分類】
H04N 25/78 20230101AFI20250822BHJP
H04N 25/77 20230101ALI20250822BHJP
【FI】
H04N25/78
H04N25/77
(21)【出願番号】P 2022570308
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 SG2021050284
(87)【国際公開番号】W WO2021236020
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2024-03-06
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521182560
【氏名又は名称】ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 正幸
(72)【発明者】
【氏名】池野 理門
(72)【発明者】
【氏名】宮内 健
(72)【発明者】
【氏名】盛 一也
(72)【発明者】
【氏名】大和田 英樹
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0273114(US,A1)
【文献】特開2020-039017(JP,A)
【文献】国際公開第2017/018215(WO,A1)
【文献】J. P. Crooks et al.,A CMOS Image Sensor With In-Pixel ADC, Timestamp, and Sparse Readout,IEEE SENSORS JOURNAL,Vol.9, No.1,米国,IEEE,2009年01月,p.20-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/78
H04N 25/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムであって、
アクティブ画素と、
前記アクティブ画素に動作可能に結合されたバックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路と
を備え、
前記バックエンドADCおよびメモリ回路は、
前記アクティブ画素に動作可能に結合され、前記アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
書き込み制御回路と、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたステートラッチであって、前記ADCメモリへの書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御するように構成されたステートラッチと
を備え
、
前記撮像システムであって、前記書き込み制御回路は、
第1の入力として前記比較器からの出力を、第2の入力として正帰還回路の出力を受け取るように構成された正帰還回路
を備え、
前記書き込み制御回路は、
トランジスタのペアを備える初期化回路であって、前記トランジスタのペアは、NANDゲートとして機能するように構成される、初期化回路をさらに備える
撮像システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像システムであって、前記正帰還回路の前記出力が第1の値であるとき、前記正帰還回路はロック状態である
請求項1記載の撮像システム。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像システムであって、前記初期化回路は、前記ステートラッチから出力された制御信号を使用して前記正帰還回路の前記ロック状態を解除するように構成される
請求項2記載の撮像システム。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像システムであって、前記正帰還回路は反転器を備える
請求項1記載の撮像システム。
【請求項5】
請求項1に記載の撮像システムであって、前記撮像システムによって実行されるADC動作は、前記ステートラッチを使用して制御され、前記ステートラッチは、前記ADC動作を制御するために1ビットブール制御信号を出力するように構成される
請求項1記載の撮像システム。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像システムであって、前記ADC動作は、タイムスタンプADC動作、高変換ゲインADC動作、または低変換ゲインADC動作のうちの少なくとも1つを含む
請求項5記載の撮像システム。
【請求項7】
請求項1に記載の撮像システムであって、前記ステートラッチから出力される制御信号は、前記ADCメモリに動作可能に結合されたワード線をフリップすることによって、前記ADCメモリへの前記書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御する 請求項1記載の撮像システム。
【請求項8】
撮像システムであって、
アクティブ画素と、
前記アクティブ画素に動作可能に結合されたバックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路と
を備え、
前記バックエンドADCおよびメモリ回路は、
前記アクティブ画素に動作可能に結合され、前記アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
書き込み制御回路と、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたステートラッチであって、前記ADCメモリへの書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御するように構成されたステートラッチと
を備
え、
前記撮像システムであって、前記書き込み制御回路は、
前記比較器の出力と関連づけられた第1のトランジスタと、正帰還回路の出力と関連づけられた第2のトランジスタとを備える正帰還回路と、
第3のトランジスタおよび第4のトランジスタから形成されるトランジスタペアを備える初期化回路と
を備える
撮像システム。
【請求項9】
請求項8に記載の撮像システムであって、
前記第1のトランジスタのゲートの論理状態または前記第2のトランジスタのゲートの論理状態がハイである場合、前記書き込み制御回路の出力は第1の値であり、
前記第3のトランジスタのゲートの論理状態と前記第4のトランジスタのゲートの論理状態の両方がローである場合、前記書き込み制御回路の前記出力は第2の値である
請求項8記載の撮像システム。
【請求項10】
請求項8に記載の撮像システムであって、
前記第3のトランジスタのゲートの論理状態または前記第4のトランジスタのゲートの論理状態がハイである場合、前記書き込み制御回路の出力は第1の値である、または
前記第3のトランジスタの前記ゲートの前記論理状態と前記第4のトランジスタの前記ゲートの前記論理状態の両方がローである場合、前記書き込み制御回路の前記出力は第2の値である。
請求項8に記載の撮像システム。
【請求項11】
撮像システムのためのバックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路であって、前記バックエンドADCおよびメモリ回路は、
アクティブ画素に動作可能に結合され、前記アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
書き込み制御回路と、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
前記書き込み制御回路に動作可能に結合されたステートラッチであって、前記ADCメモリへの書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御するように構成されたステートラッチと
を備え、
前記書き込み制御回路は、第1の入力として前記比較器からの出力を、第2の入力として正帰還回路の出力を受け取るように構成された正帰還回路であって、正帰還回路の前記出力が第1の値であるとき、正帰還回路はロック状態である、正帰還回路と、前記ステートラッチから出力された制御信号を使用して前記正帰還回路の前記ロック状態を解除するように構成される初期化回路とを備える撮像システム。
【請求項12】
請求項11に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADC動作は前記ステートラッチを使用して制御され、前記ステートラッチは,前記ADC動作を制御するために1ビットブール制御信号を出力するように構成される
請求項11に記載の撮像システム。
【請求項13】
請求項11に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、前記ステートラッチから出力される制御信号は、前記ADCメモリに動作可能に結合されたワード線をフリップすることによって、前記ADCメモリへの前記書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御する
請求項11に記載の撮像システム。
【請求項14】
請求項11に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、前記初期化回路はトランジスタのペアを備え、前記トランジスタのペアは、NANDゲートとして機能するように構成される
請求項11に記載の撮像システム。
【請求項15】
請求項11に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、前記書き込み制御回路は、
前記比較器の出力と関連づけられた第1のトランジスタと、正帰還回路の出力と関連づけられた第2のトランジスタとを備える正帰還回路と、
第3のトランジスタおよび第4のトランジスタから形成されるトランジスタペアを備える初期化回路と
を備える
請求項11に記載の撮像システム。
【請求項16】
請求項15に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、
前記第1のトランジスタのゲートの論理状態または前記第2のトランジスタのゲートの論理状態がハイである場合、前記書き込み制御回路の出力は第1の値であり、
前記第3のトランジスタのゲートの論理状態と前記第4のトランジスタのゲートの論理
状態の両方があるローである場合、前記書き込み制御回路の前記出力は第2の値である
請求項15に記載の撮像システム。
【請求項17】
請求項15に記載のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、
前記第3のトランジスタのゲートの論理状態または前記第4のトランジスタのゲートの
論理状態がハイである場合、前記書き込み制御回路の出力は第1の値である、または
前記第3のトランジスタの前記ゲートの前記論理状態と前記第4のトランジスタの前記ゲートの前記論理状態の両方がローである場合、前記書き込み制御回路の前記書き込み制御回路出力は第2の値となる
請求項15に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月22日に出願された、「System, Method, Device and Data Structure for Digital Pixel Sensors」という名称の米国仮特許出願第63,029,057号の利益を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
画像センシングアプリケーションに使用されるデジタル画素(ピクセル)センサ(DPS)は周知である。複数の転送ゲートを有する画素領域にアクティブ画素構造で使用される相補型金属酸化膜半導体(CMOS)フォトダイオードを利用するイメージセンサシステムも周知である。しかしながら、これらの周知のDPSシステムは、画素サイズを拡大縮小するとき、画素領域からの完全電荷転送を達成することは不可能である。完全電荷転送の欠如は、DPSのノイズ、開口率、遅れ、および他の属性に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
信号処理のために光変換部と特定用途向け集積回路(ASIC)部とを含むDPSシステムも周知である。しかしながら、これらのDPSシステムは、アナログ-デジタル変換(ADC)データビットから分離されたフラグビットを実施するので、これらのDPSシステムは、書き込み制御および読み出しに関するフラグビットのための独立した読み出し制御信号の必要性のために複雑な読み出し手順の使用を必要とするという点で、技術的課題が生じる。このように生じる、これらのDPSシステムの別の技術的課題は、複雑な読み出し手順が、使用されるワイヤの数の増加を引き起こし、これにより、小さい画素サイズを有するDPSシステムが妨害され得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の1つまたは複数の態様は、イメージセンサシステムに関する。このイメージセンサシステムは、各々がアナログ-デジタル変換(ADC)に結合された1つまたは複数のアクティブ画素を含む。いくつかの実施形態では、ADCは、比較器(コンパレータ)と、データバスに結合されたメモリと、書き込み制御回路とを含む。いくつかの態様は、DPS撮像システムにおいて使用するための固体デバイスに関する。いくつかの実施形態では、固体デバイスは、双方向電荷転送のために構成された少なくとも1つの画素領域を含む。固体デバイスは、第1の転送ゲートと、第1のポリ層と第1の電荷ウェル層とを有する第2の転送ゲートとを含み、画素領域の第1の側から画素領域の第2の側への電子ドリフト電流を引き起こし、それによって、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートの動作に基づいて双方向電荷転送を提供するように構成される。
【0005】
本開示の別の態様は、画素回路を備えるDPSイメージセンサにおいて使用するための装置に関する。いくつかの実施形態では、画素回路は、少なくとも2つの転送ゲートと、フォトダイオード領域と、浮遊拡散(フローティングディフュージョン)領域とを含む。いくつかの実施形態では、画素回路は、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートの誘導電界によるフォトダイオード領域からフローティングディフュージョン領域への最適化された電荷移動のために構成される。
【0006】
本開示の別の態様は、DPS半導体デバイスを形成する方法に関する。いくつかの実施形態では、この方法は、基板層を用意することと、この基板層上に、第1の導電性を有する第1の注入層を形成することとを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の層の少なくとも一部分の上に、第2の導電性を有する第2の注入層を形成することと、第2の注入層上に少なくとも第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートを形成することとを含む。いくつかの実施形態では、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートの動作は、第1の注入層から第2の注入層への電子ドリフト電流を引き起こす。いくつかの実施形態では、電子ドリフト電流は、基板層から第1の注入層への、および第1の注入層から第1のゲートまたは第2のゲートへの双方向電荷転送に対応する。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、間接的なTime of Flight測定において使用するためのDPSデバイスに関する。いくつかの実施形態では、DPSデバイスは、フォトダイオードと、第1のフローティングディフュージョンと、第2のフローティングディフュージョンと、第1の転送ゲートと、第2の転送ゲートとを含む。いくつかの実施形態では、DPSデバイスは、DPSデバイスに近接した物体への物理的距離を決定するための方法を実施するように構成される。いくつかの実施形態では、この方法は、第1の転送ゲートまたは第2の転送ゲートのどちらかを切り換えることによって、フォトダイオードによって収集された電荷を第1のフローティングディフュージョンまたは第2のフローティングディフュージョンに転送することと、第1のフローティングディフュージョンまたは第2のフローティングディフュージョン内の電荷に基づいて、受け取られるインパルスの遅延を決定することとを含む。いくつかの実施形態では、物理的物体への距離を決定することは、遅延に基づく。
【0008】
本開示のいくつかの態様は、少なくとも1つのADCと、書き込み制御回路と、ステートラッチと、ADCメモリとを有するイメージセンサシステムにおいて使用するためのデータ構造に関する。いくつかの実施形態では、このデータ構造は、フラグビットと、ADCビットとを含む。いくつかの実施形態では、フラグビットは、データ構造を通信するために書き込み制御回路およびデータラッチを利用する少なくとも1つのADCのための状態制御のために構成される。
【0009】
本開示のこれらおよび他の目的、特徴、および特性、ならびに構造の関係要素の動作および機能の方法と、製造の部分と経済の組み合わせは、添付の図面を参照しながら、以下の説明および添付の特許請求の範囲を考慮すれば、より明らかになろう。以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面はすべて、本明細書の一部を形成し、さまざまな図で同じ参照番号は対応する部分を示す。しかしながら、図面は、例示および説明のみを目的としたものであり、本開示の制限の定義として意図されたものではないことが、明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なDPS画像センシングシステムの概略表現である。
【0011】
【
図1B】1つまたは複数の実施形態による、別の例示的なDPS画像センシングシステムの概略表現である。
【0012】
【
図2A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【
図2B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【0013】
【
図3A】1つまたは複数の実施形態による、
図2A~
図2Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【
図3B】1つまたは複数の実施形態による、
図2A~
図2Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【0014】
【
図4A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【
図4B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【0015】
【
図5A】1つまたは複数の実施形態による、
図4A~
図4Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【
図5B】1つまたは複数の実施形態による、
図4A~
図4Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【0016】
【
図6A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【
図6B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の概略表現である。
【0017】
【
図7A】1つまたは複数の実施形態による、
図6A~
図6Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【
図7B】1つまたは複数の実施形態による、
図6A~
図6Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
【0018】
【
図8A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面図の概略表現である。
【
図8B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の側面図の概略表現である。
【0019】
【
図9A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面図の概略表現である。
【
図9B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の側面図の概略表現である。
【0020】
【
図10A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素のシミュレーション結果を示す電荷ポテンシャル図である。
【
図10B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面図の概略表現である。
【0021】
【
図11A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面図の概略表現である。
【
図11B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面図の概略表現である。
【
図11C】1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の側面図の概略表現である。
【0022】
【
図12A】1つまたは複数の実施形態による、例示的な非共有アクティブ画素システムの概略表現である。
【
図12B】1つまたは複数の実施形態による、例示的な共有アクティブ画素システムの概略表現である。
【0023】
【
図13】1つまたは複数の実施形態による、例示的な共有アクティブ画素システムの概略表現である。
【0024】
【0025】
【
図15】1つまたは複数の実施形態による、例示的なバックエンドADCおよびメモリ回路の概略表現である。
【0026】
【
図16】1つまたは複数の実施形態による、例示的なバックエンドADCおよびメモリ回路の概略表現である。
【0027】
【
図17】1つまたは複数の実施形態による、バックエンドADCおよびメモリ回路の例示的な動作のタイミング図である。
【0028】
【
図18A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【
図18B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【0029】
【
図18C】1つまたは複数の実施形態による、例示的なメモリアレイの概略表現である。
【0030】
【
図19】1つまたは複数の実施形態による、バックエンドADCおよびメモリ回路の例示的な動作のタイミング図である。
【0031】
【
図20】1つまたは複数の実施形態による、例示的なDPS画像センシングシステムの概略表現である。
【0032】
【
図21】1つまたは複数の実施形態による、読み出し/書き込み制御回路とデータメモリとを含む例示的なシステムの概略表現である。
【0033】
【
図22】1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング図である。
【0034】
【
図23A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【
図23B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【
図23C】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【0035】
【
図24】1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング図である。
【0036】
【
図25】1つまたは複数の実施形態による、読み出し/書き込み制御回路とステートラッチとを含む例示的なシステムの概略表現である。
【0037】
【
図26】1つまたは複数の実施形態による、読み出し/書き込み制御回路とステートラッチとを含む例示的なシステムの概略表現である。
【0038】
【
図27】1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング図である。
【0039】
【
図28A】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【
図28B】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【
図28C】1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造の概略表現である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本出願は、図面を参照しながら詳細に説明され、図面は、当業者が本発明を実施することを可能にするように本発明の例示的な例として提供される。特に、以下の図および例は、本発明の範囲を単一の実施形態に限定することを意味するものではなく、説明または図示される要素のいくつかまたはすべての交換によって、他の実施形態も可能である。
【0041】
さらに、本発明のいくつかの要素が、既知の構成要素を使用して部分的または完全に実施可能である場合、本出願の理解のために必要であるそのような既知の構成要素のそれらの部分のみが説明され、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本発明を曖昧にしないように省略される。本明細書で使用されるとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という単数形は、コンテキストが別段に明確に規定しない限り、複数の参照を含む。本明細書で使用されるとき、2つ以上の部分または構成要素が「結合される」という記述は、その部分が直接的または間接的のどちらかで(すなわち、リンクが生じる限り、1つまたは複数の中間部分または構成要素を通して)接合されるかまたは一緒に動作することを意味するものとする。
【0042】
本明細書において別段に規定されていない限り、当業者に明らかであるように、ハードウェア内で実施されると説明される実施形態は、それに限定されるべきではなく、ソフトウェア内で、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせ内で実施される実施形態を含むことができ、逆も同様である。本明細書において説明される例示的な実施形態では、単数の構成要素を示す一実施形態は、限定的と考えられるべきではない。むしろ、本明細書において別段に明示的に述べられない限り、複数の同じ構成要素を含む他の実施形態も包含され、逆も同様である。さらに、本明細書または特許請求の範囲における任意の用語は、普通でないまたは特別な意味であると明示的に記載されない限り、そのようなものとされる意図はない。さらに、本出願は、本明細書において例示と呼ばれる既知の構成要素との、現在および将来周知の等価物を包含する。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「直接的に結合される」は、2つの要素が互いと直接的に接触することを意味する。本明細書で使用されるとき、「固定的に結合される」または「固定される」は、互いに対して一定の方向を維持しながら1つのものとして移動するように2つの構成要素が結合されることを意味する。本明細書で使用されるとき、「動作可能に結合される」は、2つの要素が一緒に機能するようなやり方で2つの要素が結合されることを意味する。「動作可能に結合された」2つの要素は、それらの間の直接的な接続または永続的な接続を必要としないことが理解されるべきである。
【0044】
本明細書で使用されるとき、「一体的」という用語は、構成要素が単一の部品またはユニットとして作製されることを意味する。すなわち、別々に作製され、次いでユニットとして互いに結合された部品を含む構成要素は、「一体的」な構成要素または本体ではない。本明細書において用いられるとき、2つ以上の部分または構成要素が互いと「係合する」という記述は、それらの部分が、直接的に、または1つもしくは複数の中間部分もしくは構成要素を通して、のどちらかで、互いに対して力を及ぼすことを意味するものとする。本明細書において用いられるとき、「番号」という用語は、1または1よりも大きい整数(すなわち、複数)を意味するものとする。たとえば、限定するものではないが、頂部、底部、左、右、上部、下部、前面、背面、およびそれらの派生語などの、本明細書において使用される方向の句は、図面に示される要素の方向に関係したものであり、特許請求の範囲に明確に記載されない限り、それに対する制限ではない。
【0045】
以下でさらに詳細に説明されるように、本明細書において説明される実施形態の方法、システム、デバイス、および装置は、電界の生成を介したフォトダイオード内での完全な電荷転送のために構成されたアクティブ画素センサ(たとえば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ)を含んでよい。以下でさらに詳細に説明されるように、生成される電界は、2つの転送ゲートの動作によって促進されてよい。2つの転送ゲートの動作は、2つの方向にドリフト電流を誘導し、それによって、フォトダイオードからフローティングディフュージョン領域への双方向の完全な電荷転送を提供し得る。したがって、遅れを減少させる技術的な効果が達成可能である。
【0046】
図1Aは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なDPS画像センシングシステム100Aの概略表現である。DPS画像センシングシステム100Aは、バックエンドADCおよびメモリ回路115に動作可能に結合されたセンシングフロントエンド回路112を含んでよい。バックエンド(back-end)ADCおよびメモリ回路は、本明細書ではバックエンド(Back-end)ADCおよびメモリ回路と互換的に呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、センシングフロントエンド回路112は、結合キャパシタCcを介してバックエンドADCおよびメモリ回路115に動作可能に結合されてよい。いくつかの実施形態では、センシングフロントエンド回路112は、アクティブ画素110を含んでよい。本明細書において説明されるように、「アクティブ画素」という用語は、「画素デバイス」という用語と互換的に呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路115は、比較器120、書き込み制御回路130、ステートラッチ140、ADCメモリ150の1つもしくは複数のインスタンス、結合キャパシタCc、または他の構成要素を含んでよい。本明細書において説明されるように、「画素センサ」、「画素」、「デジタル画素」、および「画素部分」という用語は、1つまたは複数の光検出器、フォトダイオード、光起電デバイス、固体トランジスタデバイス、または他の画像センシング構成要素の1つまたは複数のインスタンスを指し、本明細書において互換的に使用されてよい。追加的に、本明細書において説明されるように、「フォトダイオード」および「光検出器」という用語は、感光性である電気的特性を有する2端子光起電固体半導体デバイスを指し、本明細書において互換的に使用されてよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、DPS画像センシングシステム100Aは、各々が読み出し/書き込みデータバス線160に結合された専用信号処理回路(たとえば、比較器120、書き込み制御回路130、ADCメモリ150)を有するアクティブ画素の2Dアレイ内で利用されることがある。タイムコードが、タイムコード発生器(図示せず)から読み出し/書き込みデータバス線160に供給されてよい。タイムコードは、当業者によって理解されるように、カウント値である。タイムコードは、以下でさらに説明されるADCコードに対応する。いくつかの実施形態では、専用信号処理回路を有するアクティブ画素の2Dアレイは、DPSオンチップとしてパッケージングされることがある。DPSオンチップパッケージは、接合構成要素、保護ガラス、および/または他の構成要素を含んでよい。たとえば、DPSオンチップパッケージは、DPSオンチップをプリント回路基板(PCB)に動作可能に結合させるための接触パッドを含んでよい。
【0048】
比較器120は、ラッチ(たとえば、ステートラッチ140)に結合された1ビット比較器を含んでよい。いくつかの実施形態では、比較器120は、入力電圧(たとえば、Vsig)を対応するデジタル値(たとえば、
図1Aの入口107に示されるVRAMPの中間値)に変換することによって、ADC機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路115のステートラッチ140および書き込み制御回路130は、ADCメモリ150と通じてよい。いくつかの実施形態では、ステートラッチ140の出力は、ADC動作を制御するために使用される。たとえば、ADC動作は、ステートラッチ140でラッチされ、これから出力され得る1ビットブール制御信号を使用して、制御されることがある。ADC動作は、1つまたは複数の異なるモードを含んでよい。たとえば、ADC動作は、タイムスタンプADC動作と、高変換ゲインADC(HCG ADS)と、低変換ゲインADC(LCG ADC)とを含んでよい。
【0049】
ステートラッチ140およびその機能に関係する追加の詳細は、以下で
図17を参照して記載され得る。
【0050】
ADCメモリ150は、ステートラッチ140内に保持される状態データ(たとえば、STATE_DATA142)に対応するデータビットを記憶するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ADCメモリ150は、グレイコードカウンタを含むことがある。いくつかの実施形態では、ADCメモリ150は、フラグビットと、データビットとを含み、これらは、以下でさらに詳細に説明されるDPSデータ構造を利用し得る。
【0051】
書き込み制御回路130は、正帰還回路131と、初期化回路132とを含んでよい。いくつかの実施形態では、正帰還回路131は、第1の入力として比較器120からの出力と、第2の入力として正帰還回路131からの出力を受けるように構成された、多入力論理ゲートである。たとえば、論理ゲートはNORであってよい。正帰還回路131は、論理ゲート(たとえば、NORゲート)の出力を入力として受け取るように構成された反転器(インバータ)も含んでよい。いくつかの実施形態では、初期化回路132は、NANDゲートとして機能するように構成されたトランジスタのペアを含んでよい。たとえば、トランジスタのペアは、
図15を参照してより詳細に説明されるpMOSトランジスタのペアであってよい。いくつかの実施形態では、正帰還回路131からの信号(FB)がFB=1であるとき、正帰還回路131はロックされる。初期化回路132は、ステートラッチ140から受け取られる制御信号を使用して、正帰還回路131をロックされることから解放するために使用されてよい。
【0052】
図1Bは、1つまたは複数の実施形態による、別の例示的なDPS画像センシングシステム100Bの概略表現である。いくつかの実施形態では、アクティブ画素110は第1の基板111内に形成され、バックエンドADCおよびメモリ回路115内に含まれる各要素(たとえば、比較器120、書き込み制御回路130、ステートラッチ140、ADCメモリ150)は、第2の基板106内に形成されてよい。「アクティブ画素」という用語は、本明細書において「光電変換読み出し部」と互換的に呼ばれることがある。DPS画像センシングシステム100Bのアクティブ画素110は、フォトダイオード(光電変換素子)と、画素内アンプとを含んでよい。より具体的には、アクティブ画素110は、たとえば、光電変換素子であるフォトダイオードPD1を含むことがある。フォトダイオードPD1に対して、転送素子として働く1つの転送トランジスタTG1-Tr、リセット素子として働く1つのリセットトランジスタRST1-Tr、ソースフォロワ素子として働く1つのソースフォロワトランジスタSF1-Tr、電流源素子として働く1つのカレントトランジスタIC1-Tr、1つの蓄積トランジスタCG1-Tr、蓄積キャパシタ素子として働く1つの蓄積キャパシタCS1、出力ノードND1として働く1つのフローティングディフュージョンFD1、および1つの読み出しノードND2が提供される。上記で説明されたように、アクティブ画素110は、5つのトランジスタ(5Tr)、すなわち、転送トランジスタTG1-Trと、リセットトランジスタRST1-Trと、ソースフォロワトランジスタSF1-Trと、カレントトランジスタIC1-Trと、蓄積トランジスタCG1-Trとを含んでよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、ソースフォロワトランジスタSF1-Tr、カレントトランジスタIC1-Tr、および読み出しノードND2はともに、出力バッファ部103を構成する。いくつかの実施形態では、蓄積トランジスタCG1-Trと、蓄積キャパシタ素子として働く蓄積キャパシタCS1はともに、電荷蓄積部102を構成する。
【0054】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素110の出力バッファ部103の読み出しノードND2は、バックエンドADCおよびメモリ回路115の入力部に接続される。いくつかの実施形態では、アクティブ画素110は、出力ノードとして働くフローティングディフュージョンFD1内の電荷を、電荷の量に対応するレベルの電圧信号に変換し、この電圧信号VsigをバックエンドADCおよびメモリ回路115に出力し得る。
【0055】
アクティブ画素110は、バックエンドADCおよびメモリ回路115の第1の比較動作期間において、光電変換素子であるフォトダイオードPD1から蓄積期間内に出力ノードとして働くフローティングディフュージョンFD1に溢れ出たオーバーフロー電荷に対応する電圧信号Vsigを出力し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素110は、バックエンドADCおよびメモリ回路115の第2の比較動作期間内に、蓄積期間に続く転送期間内に出力ノードとして働くフローティングディフュージョンFD1に転送されたフォトダイオードPD1に蓄積された電荷に対応する電圧信号Vsigを出力し得る。アクティブ画素110は、第2の比較動作期間内に、読み出しリセット信号(信号電圧)および読み出し信号(信号電圧)を、画素信号としてバックエンドADCおよびメモリ回路115に出力し得る。
【0057】
そのうえ、アクティブ画素110は、バックエンドADCおよびメモリ回路115の第3の比較動作期間内に、蓄積期間に続く転送期間内に電荷蓄積部102内に蓄積された電荷と出力ノードとして働くフローティングディフュージョンFD1に転送されたフォトダイオードPD1内に蓄積された電荷(を合計する)の合計に対応する電圧信号Vsigを出力し得る。アクティブ画素110は、第3の比較動作期間内に、読み出しリセット信号(信号電圧)および読み出し信号(信号電圧)を、画素信号としてバックエンドADCおよびメモリ回路115に出力し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素110は、出力ノードND1であるフローティングディフュージョンFD1における電荷の第1の量によって決定される第1の変換ゲイン(たとえば、高変換ゲイン:HCG)との変換によって取得される第1の読み出しリセット信号を出力バッファ部103から読み出すために、第1のリセット期間内に第1の変換ゲインリセット読み出し動作を実行し得る。アクティブ画素110は、出力ノードND1であるフローティングディフュージョンFD1における電荷の第1の量によって決定される第1の変換ゲイン(HCG)との変換によって取得される第1の読み出し信号を出力バッファ部103から読み出すために、第1のリセット期間後の転送期間に続く読み出し期間内に第1の変換ゲイン信号読み出し動作を実行し得る。
【0059】
その後、アクティブ画素110は、蓄積キャパシタCS1における電荷と出力ノードND1であるフローティングディフュージョンFD1における電荷の合計に等しい電荷の第2の量によって決定される第2の変換ゲイン(たとえば、低変換ゲイン:LCG)との変換によって取得される第2の読み出し信号を出力バッファ部103から読み出すために、第2の変換ゲイン信号読み出し動作を実行し得る。この後、アクティブ画素110は、電荷の第2の量によって決定される第2の変換ゲイン(LCG)との変換によって取得される第2の読み出しリセット信号を出力バッファ部103から読み出すために、第2のリセット期間内に第2の変換ゲインリセット読み出し動作を実行し得る。
【0060】
上記で説明されたように、いくつかの実施形態では、固体撮像デバイスであってよいDPS画像センシングシステム100Bは、バックエンドADCおよびメモリ回路115の第1の比較動作期間内はタイムスタンプ(TS)モードで動作し、第2の比較動作期間内はHCG(第1の変換ゲイン)モードで動作し、第3の比較動作期間内はLCG(第2の変換ゲイン)モードで動作することがある。
【0061】
フォトダイオードPD1は、入射光の量によって決定される量で信号電荷(電子)を生成し得、それを蓄積し得る。信号電荷が電子であり、各トランジスタがn型トランジスタであってよい場合の説明が、以下に与えられる。しかしながら、信号電荷が正孔であることができるまたは各トランジスタがp型トランジスタであることができることも、可能である。さらに、いくつかの実施形態では、複数のフォトダイオードと転送トランジスタは、トランジスタを共有してよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、各アクティブ画素110内のフォトダイオード(PD)は、埋め込み型フォトダイオード(PPD)であってよい。フォトダイオード(PD)を形成するための基板表面上に、ダングリングボンドまたは他の欠陥による表面準位があることがあり、したがって、熱エネルギーにより多くの電荷(暗電流)が生成されることがあり、そのため、信号が正確に読み出され損ねる。埋め込み型フォトダイオード(PPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部の表面は、暗電流の信号への混合を減少させるために埋め込まれてよい。
【0063】
アクティブ画素110の転送トランジスタTG1-Trは、フォトダイオードPD1とフローティングディフュージョンFD1との間に接続され、制御線を通じてそのゲートに印加される制御信号TGによって制御され得る。転送トランジスタTG1-Trは、光電変換によって生じさせられ、次いでフォトダイオードPD1内に蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFD1に転送するために、制御信号TGがハイ(H)レベルである転送期間中に選択されて導電状態のままであってよい。フォトダイオードPD1およびフローティングディフュージョンFD1が所定のリセット電位にリセットされた後、転送トランジスタTG1-Trは、制御信号TGがロー(L)レベルに設定される非導電状態に入ることがあり、フォトダイオードPD1は蓄積期間に入る。これらの状況下で、入射光の強度が非常に高い(たとえば、入射光の量が非常に大きい)場合、オーバーフローを通じてのオーバーフロー電荷が転送トランジスタTG1-Trの下を通ることができるので、飽和電荷量を上回る電荷が、フローティングディフュージョンFD1に溢れ出すことがある。入射光が非常に高い照度を有する場合、たとえば、フローティングディフュージョンFD1において飽和電荷量を上回る電荷は、オーバーフローを通じてのオーバーフロー電荷が蓄積トランジスタCG1-Trの下を通るので、蓄積キャパシタCS1に溢れ出すことがある。
【0064】
リセットトランジスタRST1-Trは、電源電圧VAAPIXの電源線VaapixとフローティングディフュージョンFD1との間に接続され、制御線を通じてそのゲートに印加される制御信号RSTによって制御されてよい。リセットトランジスタRST1-Trは、フローティングディフュージョンFD1を電源電圧VAAPIXの電源線Vaapixの電位にリセットするために、制御信号RSTがHレベルであるリセット期間中に選択されて導電状態のままであってよい。
【0065】
蓄積トランジスタCG1-Trは、フローティングディフュージョンFD1とリセットトランジスタRST1-Trとの間に接続されてよく、蓄積キャパシタCS1は、(i)フローティングディフュージョンFD1とリセットトランジスタRST1-Trとの間の接続ノードND3と(ii)基準電位VSSとの間に接続されてよい。蓄積トランジスタCG1-Trは、制御線を通じてそのゲートに印加される制御信号DCGによって制御され得る。蓄積トランジスタCG1-Trは、フローティングディフュージョンFD1と蓄積キャパシタCS1を接続するように、制御信号DCGがHレベルであるリセット期間中に選択されて導電状態のままであってよい。ここで、DPS画像センシングシステム100Bは、アクティブ画素110が、信号の照度に応じて、出力ノードとして働くフローティングディフュージョンFD1と蓄積キャパシタCS1を選択的に接続(結合)し得るように構成されてもよい。
【0066】
ソースフォロワ素子として働くソースフォロワトランジスタSF1-Trは、そのソースでは読み出しノードND2に、そのドレインでは電源線Vaapixに、そのゲートではフローティングディフュージョンFD1に接続されてよい。電流源素子として働くカレントトランジスタIC1-Trのドレインおよびソースは、読み出しノードND2と基準電位VSS(たとえば、GND)との間に接続されてよい。カレントトランジスタIC1-Trのゲートは、制御信号VBNPIXの供給線に接続されてよい。読み出しノードND2とバックエンドADCおよびメモリ回路115の入力部との間の信号線LSGN1は、ソースフォロワトランジスタSF1-Trおよび/または電流源素子として働くカレントトランジスタIC1-Trによって駆動され得る。
【0067】
図2A~
図2Bは、1つまたは複数の実施形態による、それぞれ例示的なアクティブ画素210および260の概略表現である。
図2Aは、アクティブ画素210の上面
図200の概略表現を示す。
図2Bは、アクティブ画素260の上面
図250の概略表現を示す。いくつかの実施形態では、アクティブ画素210は、
図1Aのアクティブ画素110と同じであるかまたはこれに類似してよい。代替的に、2つの転送ゲートではなく単一の転送ゲートを含めるなどの適切な修正を加えれば、アクティブ画素210は、
図1Bのアクティブ画素110と同じであるかまたはこれに類似してよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素210は、双方向電荷転送フォトダイオード(PD)212を含む非共有フローティングディフュージョン構造に対応する。いくつかの実施形態では、アクティブ画素210は、裏面照射型埋め込み型フォトダイオードを実施する。「非共有」という句は、フローティングディフュージョンノード224および226がPD212の単一のインスタンスから転送された電荷を受け取るように構成されていることを指す。いくつかの実施形態では、
図1AのDPS画像センシングシステム100Aまたは
図1BのDPS画像センシングシステム100Bは、共有フローティングディフュージョンノードからの信号を処理することがあり、これは、以下でさらに詳細に論じられる。
【0068】
アクティブ画素210は、転送ゲート214および216に動作可能に結合されたPD212を含んでよく、転送ゲート214および216は、本明細書においてTD214および216と互換的に呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、転送ゲート214と216は、PD212の両側に非対称的に存在する。たとえば、転送ゲート214は、PD212の右上隅に存在することがあり、転送ゲート216は、PD212の右下隅に存在することがある。転送ゲート214および216はそれぞれ、フローティングディフュージョンノード224および226を含んでよい。いくつかの実施形態では、転送ゲート214および216は、フローティングディフュージョン層として構成されるポリ層および電荷ウェル層と交差するアクティブ層を含んでよい。
図2Bは、アクティブ画素260の例示的な図であり、アクティブ画素260は、転送ゲート216がフローティングディフュージョンノード226ではなくドレイン227に電荷を出力することを除いて、
図2Aのアクティブ画素210に類似している。
【0069】
いくつかの実施形態では、転送ゲート214および216は、電子ドリフト電流を生成させることによって、PD212内での完全画素内電荷転送を容易にし得る。
図2Aおよび
図2Bには、電子ドリフト電流に対応する電子流219が示されている。電子流219は、PD212の第1の側218からPD212領域の第2の側220に(たとえば、点Xから点X’に)向けられることがある。その場合、ドリフト電流は、PD212の第2の側220からPD212領域の第1の側218に(たとえば、点X’から点Xに)向けられることがある。電子ドリフト電流は、電界によって引き起こされ得る。アクティブ画素210に印加される電界によって、PD212内の電子が、印加された電界に基づいて特定の方向に移動させられる。いくつかの実施形態では、電界は、PD212の不純物濃度勾配によって生成され、これは、以下でさらに詳細に論じられる。また、(たとえば、PD212の不純物濃度勾配の実施を介して)PD212内に電界を形成することによって、および2つの(2)転送ゲート(たとえば、転送ゲート214および216)の動作によって、PD212の電子の双方向電荷転送が達成され得る。本明細書において説明されるように、「双方向電荷転送」は、電荷転送方向の数が2(2)であることを指す。双方向電荷転送機能は、アクティブ画素210の完全画素内電荷転送機能とともに、さまざまな適用例に使用され得る。双方向電荷転送機能および完全画素内電荷転送機能を実施し得る適用例のいくつかの例には、限定するものではないが(これは、他のリストが限定的であることを示唆するものではない)、高いダイナミックレンジ読み出しおよびTime of Flight(ToF)読み出しがあり、これらは、以下でさらに詳細に説明される。
【0070】
いくつかの実施形態では、転送ゲート214および216は、電子ドリフト電流に対応する電子流219をPD212の第1の側218からPD212の第2の側220への(たとえば、点Xから点X’への)方向に生成させるように構成されることがある。したがって、電子流219は、双方向電荷転送221を生じさせることがある。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素210に印加されることによって形成される、電子流219に対応する電子ドリフト電流などの電子ドリフト電流は、PD212の第1の側218を取り囲む領域およびPD212の第2の側220を取り囲む領域内の導電性を増加させることができる。たとえば、導電性の増加は、PD212の第1の側218の点XからPD212の第2の側220の点X’への電荷粒子(たとえば、電子)の電荷転送を誘発することがある。電子流219を生成する電界は、PD212の第2の側220から電子を引きつけることがある。転送ゲート214および216の動作が転送ゲート214および216の近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート214および216からフローティングディフュージョンノード224またはフローティングディフュージョンノード226にそれぞれ転送することがある。しかしながら、アクティブ画素260内では、電子は、転送ゲート214および216からフローティングディフュージョンノード224またはドレイン227にそれぞれ転送することがある。
【0071】
図3A~
図3Bは、1つまたは複数の実施形態による、
図2A~
図2Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
図3Aはアクティブ画素310を含み、アクティブ画素310は、
図2Aのアクティブ画素210と同じであるかまたはこれに類似してよい。
図3Bはアクティブ画素360を含み、アクティブ画素360は、
図2Bのアクティブ画素260と同じであるかまたはこれに類似してよい。アクティブ画素210は、フローティングディフュージョンノード224および226と動作可能に結合されたPD212を含んでよい。
図3Bは、転送ゲート216がドレイン227に動作可能に結合されるという点で、
図3Aと異なる。いくつかの実施形態では、PD212は、裏面照射(BSI)埋め込み型フォトダイオードまたは前面照射(FSI)埋め込み型フォトダイオードを利用する。
【0072】
いくつかの実施形態では、PD212によって収集された電荷は、フローティングディフュージョンノード224に転送される。フローティングディフュージョンノード224の電圧電位は、アクティブ画素310のソースフォロワ(SF)225によってモニタされてよい。フローティングディフュージョンノード224および226は、電荷転送(たとえば、電荷が、それぞれアクティブ画素310または360の領域から、転送ゲート214および216に、次いでフローティングディフュージョンノード224および226に転送された、または転送ゲート214からフローティングディフュージョンノード224に、および転送ゲート216からドレイン227に、転送される)の前に、トランジスタリセット信号(RST)または埋め込みトランジスタ(BIN)によってリセットまたは埋め込まれてよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素310または360の画素埋め込みは、いくつかの隣接する画素によって収集される電荷を1つにするために使用されるクロッキングスキームの一部として、BINによって実施されることがある。これは、ノイズを減少させ、DPS画像センシングシステム100AまたはDPS画像センシングシステム100Bの信号対雑音比およびフレームレートを改善する技術的効果を有することがある。いくつかの実施形態では、行選択トランジスタ(SEL)229は、アクティブ画素310および360内に含まれることがある。行選択トランジスタ229は、Vsigを介して読み出し/書き込みデータバス線を用いてソースフォロワ225に動作可能に結合されてよい。
【0073】
図4A~
図4Bは、1つまたは複数の実施形態による、それぞれ例示的なアクティブ画素410および460の概略表現である。
図5A~
図5Bはそれぞれ、
図4A~
図4Bのアクティブ画素410および460の例示的な回路図である。具体的には、
図4Aは、アクティブ画素410の一例の上面
図400である。いくつかの実施形態では、アクティブ画素410は、
図1AのDPS画像センシングシステム100A内に含まれる(たとえば、アクティブ画素110を置き換えるかまたはこれに加えて使用される)ことがある。代替的に、2つの転送ゲートではなく単一の転送ゲートを含めるなどの適切な修正を加えれば、アクティブ画素410は、
図1Bのアクティブ画素110と同じであるかまたはこれに類似してよい。
図4Bは、アクティブ画素460の一例の上面
図450を含み、アクティブ画素460は、それぞれ
図1Aまたは
図1BのDPS画像センシングシステム100Aまたは100B内でアクティブ画素(たとえば、アクティブ画素110)として代替的または追加的に利用されてよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素410は、2つの(2)フォトダイオード(PD)412Aおよび412Bを含んでよい。PD412Aは、転送ゲート414Aおよび416Aに動作可能に結合されてよく、PD412Bは、転送ゲート414Bおよび416Bに動作可能に結合されてよい。転送ゲート414Aと416Aは、PD412Aの両側に非対称的に存在してよく、転送ゲート414Bと416Bは、PD412Bの両側に非対称的に存在してよい。いくつかの実施形態では、転送ゲート414A、414B、416A、および416Bは、フローティングディフュージョン層として構成されるポリ層および電荷ウェル層と交差するアクティブ層を含む。転送ゲート414Aおよび416Aはそれぞれ、フローティングディフュージョンノード424および426を含んでよい。転送ゲート414Bおよび416Bはそれぞれ、フローティングディフュージョンノード424および426も含む。したがって、フローティングディフュージョンノード424は、転送ゲート414Aと414Bによって「共有される」ことがあり、フローティングディフュージョンノード426は、転送ゲート416Aと416Bによって「共有される」ことがある。転送ゲート414A、414B、416A、および416Bは、フローティングディフュージョンノード424および426に電荷転送を提供し得る。
図4Bは、アクティブ画素460の例示的な図であり、アクティブ画素460は、転送ゲート416Aおよび416Bがフローティングディフュージョンノード(たとえば、フローティングディフュージョンノード426)ではなくドレイン427に電荷を出力することを除いて、
図4Aのアクティブ画素410に類似している。
【0075】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素410および460は、PD412Aおよび412Bによって電界を生成させるかまたはこれらに印加させることによって、PD412AおよびPD412B内で双方向電荷転送および完全画素内電荷転送を実施し得る。電界の印加は、電子ドリフト電流をそれぞれPD412AおよびPD412B内で生成させ得る。
図4Aおよび
図4Bには、PD412A内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流419Aと、PD412B内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流419Bが、示されている。たとえば、電子流419Aは、電界のPD412Aへの印加に応じて、PD412A内で生成されることがある。電子流419Aは、PD412Aの第1の側418AからPD412Aの第2の側420Aに(たとえば、点XAから点X1に)向けられてよい。同様に、電子流419Bは、電界のPD412Bへの印加に応じて、PD412B内で生成されることがある。電子流419Bは、PD412Bの第1の側418BからPD412Bの第2の側420Bに(たとえば、点XBから点X2に)向けられてよい。いくつかの実施形態では、同じ電界がPD412Aと412Bの両方に印加されることがあるが、他の実施形態では、異なる電界がPD412Aおよび412Bに印加されることがある。印加される電界は、電子流419Aおよび419Bを生成してよく、電子流419Aと419Bは、方向性が異なる。たとえば、電子流419Aおよび419Bに対応する電子ドリフト電流は、等しい大きさであるが反対の方向を有することがある。電子流419Aおよび419Bは、アクティブ画素410(またはアクティブ画素460)に印加される電界によって引き起こされることがあり、これは、印加される電界に基づいて、PD412AおよびPD412B内の電子を特定の方向に移動させる。いくつかの実施形態では、電界は、PD412AおよびPD412Bの不純物濃度勾配によって生成され、これは、以下でさらに詳細に論じられる。また、(たとえば、PD212の不純物濃度勾配の実施を介して)PD412AおよびPD412B内に電界を形成して、および2つの(2)転送ゲート(たとえば、転送ゲート414Aおよび416A、ならびに転送ゲート414Bおよび416B)の動作によって、PD412Aおよび412Bの各々に対する電子の双方向電荷転送が達成され得る。双方向電荷転送機能は、アクティブ画素410および460の完全画素内電荷転送機能とともに、さまざまな適用例に使用され得る。双方向電荷転送機能および完全画素内電荷転送機能を実施し得る適用例のいくつかの例には、限定するものではないが(これは、他のリストが限定的であることを示唆するものではない)、高いダイナミックレンジ読み出しおよびTime of Flight(ToF)読み出しがあり、これらは、以下でさらに詳細に説明される。
【0076】
いくつかの実施形態では、電子流419Aおよび電子流419Bはそれぞれ、双方向電荷転送421Aおよび421Bを生じさせることがある。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素410またはアクティブ画素460に印加されることによって形成される、電子流419Aおよび419Bなどの電子流は、PD412Aの第1の側418Aを取り囲む領域およびPD412Aの第2の側420Aを取り囲む領域内の導電性を増加させ、ならびにPD412Bの第1の側418Bを取り囲む領域およびPD412Bの第2の側420Bを取り囲む領域内の導電性を増加させることができる。たとえば、導電性の増加は、PD412Aの第1の側418Aの点XAからPD412Aの第2の側420Aの点X1への荷電粒子(たとえば、電子)の電荷転送を(同様に、PD412Bに関しても)誘発することがある。電界が電子流419Aおよび419Bの生成を引き起こすことによって、電子がそれぞれPD412Aの第2の側420AおよびPD412Bの第2の側420Bから引きつけられることがある。転送ゲート414A、414B、416A、および416Bの動作が、転送ゲート414A、414B、416A、および416Bの近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート414Aおよび414Bからフローティングディフュージョンノード424に転送することがあり、電子は、転送ゲート416Aおよび416Bからフローティングディフュージョンノード426に転送することがある。しかしながら、アクティブ画素460内では、電子は、転送ゲート414Aおよび414Bからフローティングディフュージョンノード424に、ならびに転送ゲート416Aおよび416Bからドレイン427に転送することがある。
【0077】
図5A~
図5Bは、1つまたは複数の実施形態による、
図4A~
図4Bのアクティブ画素410および460の回路図である。
図5Aはアクティブ画素510を含み、アクティブ画素510は、
図4Aのアクティブ画素410と同じであるかまたはこれに類似してよい。
図5Bはアクティブ画素560を含み、アクティブ画素560は、
図4Bのアクティブ画素460と同じであるかまたはこれに類似してよい。アクティブ画素510は、フローティングディフュージョンノード424および426と動作可能に結合されたPD412Aと412Bとを含んでよい。
図5Bは、転送ゲート416Aおよび416Bがドレイン427に動作可能に結合されるという点で、
図5Aと異なる。いくつかの実施形態では、PD412AおよびPD412Bは、裏面照射(BSI)埋め込み型フォトダイオードまたは前面照射(FSI)埋め込み型フォトダイオードを利用する。
【0078】
いくつかの実施形態では、PD412Aおよび/または412Bによって収集された電荷は、フローティングディフュージョンノード424および426に転送される。フローティングディフュージョンノード424および426の電圧電位は、アクティブ画素510のソースフォロワ(SF)425によってモニタされてよい。フローティングディフュージョンノード424および426は、電荷転送(たとえば、電荷が、それぞれPD412AまたはPD412Bの領域から、転送ゲート414A、414B、416A、および416Bに、次いでフローティングディフュージョンノード424および426に転送される)の前に、トランジスタリセット信号(RST)または埋め込みトランジスタ(BIN)によってリセットまたは埋め込まれてよい。代替的に、
図5Bに示されるように、電荷は、PD412Aまたは412Bの領域から転送ゲート414Aおよび414Bに、次いでフローティングディフュージョンノード424に、ならびに転送ゲート416Aおよび416Bからドレイン427に、転送されてよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素510または560の画素埋め込みは、いくつかの隣接する画素によって収集される電荷を1つにするために使用されるクロッキングスキームの一部としてBINによって実施されることがある。これは、ノイズを減少させ、DPS画像センシングシステム100AまたはDPS画像センシングシステム100Bの信号対雑音比およびフレームレートを改善する技術的効果を有することがある(たとえば、アクティブ画素510または560がDPS画像センシングシステム100Aまたは100B内で使用されるとき)。
【0079】
いくつかの実施形態では、行選択トランジスタ(SEL)429は、アクティブ画素510および560内に含まれることがある。行選択トランジスタ429は、Vsigを介して読み出し/書き込みデータバス線を用いてソースフォロワ425に動作可能に結合されてよい。
【0080】
図6A~
図6Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素610および660の概略表現である。
図7A~
図7Bは、1つまたは複数の実施形態による、
図6A~
図6Bの例示的なアクティブ画素の回路図である。
図6A~
図6Bに示されるように、アクティブ画素610および660は、フォトダイオードの双方向の完全電荷転送を実施する4つの(4)PD/FD共有構造を含み、この双方向の完全電荷転送は、上記で論じられたアクティブ画素210、260、410、および460の双方向電荷転送およびドリフト電流生成に類似しているかまたはこれと同じである。いくつかの実施形態では、
図6Aのアクティブ画素610は、
図1AのDPS画像センシングシステム100A内に含まれる(たとえば、アクティブ画素110を置き換えるかまたはこれに加えて使用される)ことがある。代替的に、2つの転送ゲートではなく単一の転送ゲートを含めるなどの適切な修正を加えれば、アクティブ画素610は、
図1Bのアクティブ画素110と同じであるかまたはこれに類似してよい。
図6Bのアクティブ画素660は、
図1BのDPS画像センシングシステム100B内でアクティブ画素(たとえば、アクティブ画素110)として代替的または追加的に利用されてよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素610は、4つの(2)フォトダイオード(PD)612A~612Dを含むことがある。簡単にするために、アクティブ画素610の単一のインスタンスのみが
図6Aに含まれているが、アクティブ画素610の追加のインスタンスが互いに動作可能に結合されてよい。いくつかの実施形態では、PD612Aは、転送ゲート614Aおよび616Aに動作可能に結合されてよく、PD612Bは、転送ゲート614Bおよび616Bに動作可能に結合されてよく、PD612Cは、転送ゲート614Cおよび616Cに動作可能に結合されてよく、PD612Dは、転送ゲート614Dおよび616Dに動作可能に結合されてよい。転送ゲート614Aと616Aは、PD612Aの両側に非対称的に存在してよく、転送ゲート614Bと616Bは、PD612Bの両側に非対称的に存在してよく、転送ゲート614Cと616Cは、PD612Cの両側に非対称的に存在してよく、転送ゲート614Dと616Dは、PD612Dの両側に非対称的に存在してよい。いくつかの実施形態では、転送ゲート614A~Dおよび転送ゲート616A~Dは各々、フローティングディフュージョン層として構成されるポリ層および電荷ウェル層と交差するアクティブ層を含んでよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、
図6Bに示されるように、PD612Aの転送ゲート614Aおよび616AならびにPD612Cの転送ゲート614Cおよび616Cはそれぞれ、フローティングディフュージョンノード624および626を含んでよく、PD612Bの転送ゲート614Bおよび616BならびにPD612Dの転送ゲート614Dおよび616Dはそれぞれ、フローティングディフュージョンノード626および628を含んでよい。したがって、フローティングディフュージョンノード624は、転送ゲート614Aと614Cによって「共有される」ことがあり、フローティングディフュージョンノード626は、転送ゲート616Aと616Cならびに転送ゲート614Bと614Dによって「共有される」ことがあり、フローティングディフュージョンノード628は、転送ゲート616Bと616Dによって共有されることがある。転送ゲート614A~614Dおよび616A~616Dは、フローティングディフュージョンノード624、626、および628に電荷転送を提供し得る。
図6Aは、アクティブ画素610の例示的な図であり、アクティブ画素610は、転送ゲート614A~614Dがフローティングディフュージョンノード(たとえば、フローティングディフュージョンノード624)ではなくドレイン627に電荷を出力することを除いて、
図6Bのアクティブ画素660に類似している。
【0083】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素610および660は、PD612A~612Dによって電界を生成させるかまたはこれらに印加させることによって、PD612A~612D内で双方向電荷転送および完全画素内電荷転送を実施し得る。電界の印加は、電子ドリフト電流をそれぞれPD612A~612D内で生成させ得る。
図6Aおよび
図6Bには、PD612A、PD612B、PD612C、およびPD612D内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流619A、619B、619C、および619Dが示されている。たとえば、電子流619Aは、電界のPD612Aへの印加に応じて、PD612A内で生成されることがある。電子流619Aは、PD612Aの第1の側からPD612Aの第2の側に向けられることがあり、PD612B~612Dの各々に対して類似の効果が生じることがある。いくつかの実施形態では、同じ電界がPD612A~612Dの各々に印加されることがあるが、他の実施形態では、異なる電界がPD612A~612Dに印加されることがある。たとえば、PD612Aに印加される電界は、PD612Cに印加される電界と異なることがある。印加される電界は、電子流619Aおよび619Bを生成してよく、電子流619Aおよび619Bは、方向性が電子流619Cおよび619Dと異なる。たとえば、電子流619Aと619Cは、等しい大きさであるが反対の方向を有することがある。電子流619A~619Dは、アクティブ画素610(またはアクティブ画素660)に印加される電界によって引き起こされることがあり、これは、印加される電界に基づいて、PD612A~612D内の電子を特定の方向に移動させる。いくつかの実施形態では、電界は、PD612A~612Dの不純物濃度勾配によって生成され、これは、以下でさらに詳細に論じられる。また、(たとえば、PD612A~612Dの不純物濃度勾配の実施を介して)PD612A~612D内に電界を形成して、および2つの(2)転送ゲート(たとえば、転送ゲート614A、616A;転送ゲート614B、616B;転送ゲート614C、616C;および転送ゲート614D、616D)の動作によって、PD612A~612Dの各々に対する電子の双方向電荷転送が達成され得る。双方向電荷転送機能は、アクティブ画素610および660の完全画素内電荷転送機能とともに、さまざまな適用例に使用され得る。双方向電荷転送機能および完全画素内電荷転送機能を実施し得る適用例のいくつかの例には、限定するものではないが(これは、他のリストが限定的であることを示唆するものではない)、高いダイナミックレンジ読み出しおよびTime of Flight(ToF)読み出しがあり、これらは、以下でさらに詳細に説明される。
【0084】
いくつかの実施形態では、電子流619A~619Dはそれぞれ、双方向電荷転送621A~621Dを生じさせることがある。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素610またはアクティブ画素660に印加されることによって形成される、電子流619A~619Dなどの電子ドリフト電流は、PD612A~612Dの各々の第1の側を取り囲む領域およびPD612A~612Dの各々の第2の側を取り囲む領域内の導電性を増加させ、ならびにPD612A~612Dの各々の第1の側を取り囲む領域およびPD612A~612Dの各々の第2の側を取り囲む領域内の導電性を増加させることができる。たとえば、導電性の増加は、PD612Aの一方の側からPD612Aの別の側への荷電粒子(たとえば、電子)の電荷転送を誘発することがある。電界が電子流619A~619Dの生成を引き起こすことによって、電子がPD612A~612Dの各々の第2の側から引きつけられることがある。転送ゲート614A~614Dおよび616A~616Dの動作が、転送ゲート614A~614Dおよび616A~616Dの近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート614Aおよび614Cからフローティングディフュージョンノード624に転送することがあり、電子は、転送ゲート616A、616C、614B、および614Dからフローティングディフュージョンノード626に転送することがあり、電子は、転送ゲート616Bおよび616Dからフローティングディフュージョンノード628に転送することがある。しかしながら、アクティブ画素610内では、電子は、転送ゲート614A、614C、616A、616C、614B、および614Dからドレイン627に転送することがある。
【0085】
いくつかの実施形態では、PD612A~612Dは、単一のアクティブ画素(たとえば、アクティブ画素610)に対応する。
図6A~
図6Bに示されるように、各PD610A~Dは、少なくとも1つの共有フローティングディフュージョンノード(たとえば、FD624)に電荷を転送する。いくつかの実施形態では、アクティブ画素610および/またはアクティブ画素660は、アクティブ画素610および/または660と同じまたはこれに類似してよい複数の隣接するアクティブ画素に動作可能に結合されて、画素アレイを形成してよい。
【0086】
図7A~
図7Bは、1つまたは複数の実施形態による、
図6A~
図6Bのアクティブ画素610および660の回路図である。
図7Aはアクティブ画素710を含み、アクティブ画素710は、
図6Aのアクティブ画素610と同じであるかまたはこれに類似してよい。
図7Bはアクティブ画素760を含み、アクティブ画素760は、
図6Bのアクティブ画素660と同じであるかまたはこれに類似してよい。アクティブ画素760は、フローティングディフュージョンノード624および626と動作可能に結合されたPD612A~612Dを含んでよい。
図7Aは、転送ゲート616A~616Dがドレイン627に動作可能に結合されるという点で、
図7Bと異なる。いくつかの実施形態では、PD612A~612Dは、裏面照射(BSI)埋め込み型フォトダイオードまたは前面照射(FSI)埋め込み型フォトダイオードを利用する。
【0087】
いくつかの実施形態では、PD612A~612Dによって収集された電荷は、フローティングディフュージョンノード624および626に転送される。フローティングディフュージョンノード624および626の電圧電位は、アクティブ画素710およびアクティブ画素760のソースフォロワ(SF)625によってモニタされてよい。フローティングディフュージョンノード624および626は、電荷転送の前に、トランジスタリセット信号(RST)または埋め込みトランジスタ(BIN)によってリセットまたは埋め込まれてよい(たとえば、電荷が、PD612Aの領域から転送ゲート614Aおよび616Aに、次いでそれぞれフローティングディフュージョンノード624および626に転送される)。代替的に、
図7Aに示されるように、電荷は、PD612A~612Dの領域から転送ゲート616A~616Dに、ドレイン627に、転送されてよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素710または760の画素埋め込みは、いくつかの隣接する画素によって収集される電荷を1つにするために使用されるクロッキングスキームの一部として、BINによって実施されることがある。これは、ノイズを減少させ、DPS画像センシングシステム100AまたはDPS画像センシングシステム100Bの信号対雑音比およびフレームレートを改善する技術的効果を有することがある(たとえば、アクティブ画素710または760が、DPS画像センシングシステム100AまたはDPS画像センシングシステム100B内で使用されるとき)。
【0088】
いくつかの実施形態では、行選択トランジスタ(SEL)629は、アクティブ画素710および760内に含まれることがある。行選択トランジスタ629は、Vsigを介して読み出し/書き込みデータバス線を用いてソースフォロワ625に動作可能に結合されてよい。
【0089】
図8A~
図8Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素810の上面
図800および側面
図850の概略表現である。具体的には、
図8Bの側面
図850は、アクティブ画素810の半導体基板813を含む。いくつかの実施形態では、アクティブ画素810は、
図2Aおよび
図2Bのアクティブ画素210または260と同じであるかまたはこれに類似してよい。いくつかの実施形態では、半導体基板813は、不純物濃度の多様な勾配を含むことがある。
【0090】
アクティブ画素810は、半導体基板813を含んでよい。半導体基板813は、フォトダイオード(PD)812のn層注入領域の繰り返しごとに、互い違いになった(staggered)注入濃度を利用することがある。このようにして、転送ゲート814および816への、ならびにフローティングディフュージョンノードまたはドレインへの完全画素内電荷転送を助けることが、達成され得る。いくつかの実施形態では、
図8Bに示されるように、半導体基板813の個々のn層に対する注入濃度は、前の層と比較して増加されることがある。このことは、半導体基板813のn層の各追加の層の導電性を増加させ得、これは、転送ゲート814および816の動作によってPD812からの完全画素内電荷転送を提供する技術的効果を有することがある。
【0091】
いくつかの実施形態では、半導体基板813は、基板ベース811と、N1層818と、N1+N2層820とを含む。層818および820は、当技術分野で知られているように入射光を電荷に変換するように構成された光起電材料を含んでよい。たとえば、N1層818およびN1+N2層820は、シリコン、ガリウム、砒化物、または他の材料などの材料を含んでよい。PD812は、N1注入濃度を有する第1の電子転送領域(たとえば、N1層818)と、N1+N2注入濃度を有する第2の電荷転送領域(たとえば、N1+N2層820)とを含む。本明細書において説明されるように、注入濃度は、基板内で利用されるドーパントの量および型を指す。
【0092】
いくつかの実施形態では、注入濃度勾配は、さまざまなドーパント材料およびさまざまなドーピング濃度を指すことがある。たとえば、N1層818は、適切な濃度における低いイオン化エネルギーにより、P、As、および/またはSbなどのN型ドーパントを含むことがある。いくつかの実施形態では、N2は、より高い濃度の、N1に使用される同じドーパントを含むことがある。いくつかの実施形態では、N2は、異なるドーパントの同じ濃度であってよい。たとえば、N1は、第1の濃度の第1のドープ剤でドープされることがあり、N2は、第1の濃度と同じ濃度を有する第2のドープ剤を含むことがある。いくつかの実施形態では、N1は、Siに対して約1×1016~17[毎cm3]Asの濃度に対応することがあり、N2は、Siに対して約1×1016~17[毎cm3]Asの濃度に対応することがある。約は、差が無視できることを意味する。いくつかの実施形態では、N1は、Siに対して2.5~3.5×1017[毎cm3]Asの濃度であることがあり、N2は、Siに対して約0.5~1.5×1017[毎cm3]Asの濃度に対応することがある。
【0093】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素810は、半導体基板813のすぐ上でのトランジスタの形成に、基板工程(FEOL)処理を使用することがある。半導体基板813は、たとえば、エピタキシープロセスを利用して、純シリコン層の成長によって製作されたウェハを含んでよい。いくつかの実施形態では、シリコン異型が、アクティブ画素810の1つまたは複数の層(たとえば、N1層818、N1+N2層820)内に堆積されることがある。いくつかの実施形態では、エピタキシーの前に、さらなる処理が、半導体基板813上で利用されることになるトランジスタの性能を増加させるために実施されることがある。
【0094】
いくつかの実施形態では、FEOL処理は、それによって基板ベース811の電子移動度を改善するためにシリコン異型が半導体基板813内に堆積される歪み形成(straining)ステップを含んでよい。いくつかの実施形態では、不純物濃度および/または材料は、電子移動度のさらなる改善のために修正されてよい。いくつかの実施形態では、FEOL処理は、ゲート誘電体(たとえば、
図2Aおよび
図2Bの転送ゲート214および216)の成長を含むことがある。たとえば、これには、ゲートのパターニング、ソース領域およびドレイン領域のパターニング、ならびに所望の補足的な電気的性質を取得するためのその後のドーパントの実施または拡散があり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、低いイオン化エネルギー(20~300keV)、低い拡散率、およびSi中の適切な固体溶解度により、P、As、および/またはSbなどのN型ドーパントが利用される。
【0095】
図9A~
図9Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素910の上面
図900および側面
図950の概略表現である。いくつかの実施形態では、アクティブ画素910は、DPS画像センシングシステム100A内での使用のために構成されてもよいし、適切な修正を加えて、DPS画像センシングシステム100B内での使用のために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素910は、
図2Aおよび
図2Bのアクティブ画素210の例示的な実施形態である。以下でさらに詳細に説明されるように、アクティブ画素910は、アクティブ画素910のフォトダイオード(PD)912のさまざまな層内で多様な不純物濃度勾配効果を生じさせるための濃度勾配および反復的なn注入層方法を実施する製作の方法を利用して形成されてよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素910の多様な不純物濃度勾配効果機能は、PD912内での電荷伝導性の増加をもたらす。転送ゲート914および916の動作は、PD912の第1の側からPD912の第2の側に電子ドリフト電流を誘導する電界を生成し得る。たとえば、電子ドリフト電流は、点Xから点X’に向けられることがある。2つの(2)転送ゲート914および916を含むことによって、N1層918からN1+N2層920へ、さらにフローティングディフュージョンノードまたはドレインへと電子の完全画素内電荷転送を引き起こす電界が提供される。
【0097】
アクティブ画素910は、半導体基板913を含んでよい。半導体基板913は、PD912のn層注入領域の繰り返しごとに、互い違いになった注入濃度を利用することがある。このようにして、転送ゲート914および916への、ならびにフローティングディフュージョンノードまたはドレインへの完全画素内電荷転送を助けることが、達成され得る。いくつかの実施形態では、
図9Bに示されるように、半導体基板913の個々のn層に対する注入濃度は、前の層と比較して増加されることがある。このことは、半導体基板913のn層の各追加の層の導電性を増加させ得、これは、転送ゲート914および916の動作によってPD912からの完全画素内電荷転送を提供する技術的効果を有することがある。
【0098】
いくつかの実施形態では、半導体基板913は、基板ベース911と、N1層918と、N1+N2層920とを含む。層918および920は、当技術分野で知られているように入射光を電荷に変換するように構成された光起電材料を含んでよい。たとえば、N1層918およびN1+N2層920は、シリコン、ガリウム、砒化物、または他の材料などの材料を含んでよい。PD912は、N1注入濃度を有する第1の電子転送領域(たとえば、N1層918)と、N1+N2注入濃度を有する第2の電荷転送領域(たとえば、N1+N2層920)とを含む。本明細書において説明されるように、注入濃度は、基板内で利用されるドーパントの量および型を指す。
【0099】
図9Aおよび
図9BのPD912は、N1層918とN1+N2層920を区別するために使用されるパターンがN1層818およびN1+N2層820と比較して異なるという点で、
図8Aおよび
図8BのPD812と異なることがある。たとえば、N1層818およびN1+N2層820は、上面
図800から見たとき、方形の形状を包含することがあるが、N1層918は、軸を越えて点Xから点X’まで、ほぼ直線的にサイズが増加することがある。同様に、N1+N2層920は、上面
図900から見たとき、軸を越えて点X’から点Xまで、ほぼ直線的に減少する。いくつかの実施形態では、N1+N2層920は、半導体基板913の基板ベース911の表面を越えて延びてよいN1層918の一部分の上に存在することがある。
【0100】
いくつかの実施形態では、
図9Aおよび
図9BのPD912の材料組成および構成は、
図8Aおよび
図8BのPD812の材料組成および構成と同じであるかまたはこれに類似してよい。たとえば、N1層918は、アルミニウムでドープされたArGeも含んでよく、N2は、より高い濃度の、N1に使用される同じドーパントを含んでよい。別の例として、N2は、同じ濃度の異なるドーパントであってよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素910は、半導体基板913のすぐ上でのトランジスタの形成に、基板工程(FEOL)処理を使用することがある。半導体基板913は、たとえば、エピタキシープロセスを利用して、純シリコン層の成長によって製作されたウェハを含んでよい。いくつかの実施形態では、シリコン異型が、アクティブ画素910の1つまたは複数の層(たとえば、N1層918、N1+N2層920)内に堆積されることがある。いくつかの実施形態では、エピタキシーの前に、さらなる処理が、半導体基板913上で利用されることになるトランジスタの性能を増加させるために実施されることがある。追加的に、アクティブ画素810と同様に、FEOL処理は、それによって基板ベース911の電子移動度を改善するためにシリコン異型が半導体基板913内に堆積される歪み形成ステップを含んでよい。いくつかの実施形態では、不純物濃度および/または材料は、電子移動度のさらなる改善のために修正されてよい。いくつかの実施形態では、FEOL処理は、ゲート誘電体(たとえば、
図2Aおよび
図2Bの転送ゲート214および216)の成長を含むことがある。たとえば、これには、ゲートのパターニング、ソース領域およびドレイン領域のパターニング、ならびに所望の補足的な電気的性質を取得するためのその後のドーパントの実施または拡散があり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、低いイオン化エネルギー(20~300keV)、低い拡散率、およびSi中の適切な固体溶解度により、P、As、および/またはSbなどのN型ドーパントが利用される。
【0102】
図10A~
図10Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素のシミュレーション結果を示す電荷ポテンシャル図である。具体的には、
図10A~
図10Bは、シミュレーションを介して確認されるフローティングディフュージョンノードへの完全画素内電荷転送を達成することが可能である、
図8A~
図8Bのアクティブ画素810および
図9A~
図9Bのアクティブ画素910などのアクティブ画素の電荷ポテンシャル図を示す。
図10Aは、
図10Bに示される基準アクティブ画素1010と比較した、
図8A~
図8Bのアクティブ画素810および
図9A~
図9Bのアクティブ画素910の動作のシミュレーション結果を示す表1000を含む。基準アクティブ画素1010は、均一な注入組成を有する均質なフォトダイオード領域1001を含む。対照的に、アクティブ画素810は、2つのn層注入領域すなわちN1層818とN1+N2層820とを含み、アクティブ画素910は、2つのn層注入領域すなわちN1層918とN1+N2層920とを含み、アクティブ画素910のN2は、
図10Bに示されるテーパが付けられたn層注入を利用するチャネル効果を狭めるために構成される。
【0103】
第1の動作では、アクティブ画素810、910、および1010の各々の第1の転送ゲートTG1はオンにされ、アクティブ画素810、910、および1010の各々の第2の転送ゲートTG2はオフにされる。
図10A~
図10Bでは、第1の転送ゲートTG1はアクティブ画素810の転送ゲート814、アクティブ画素910の転送ゲート914、および基準アクティブ画素1010の転送ゲート1014を指し、第2の転送ゲートTG2は、アクティブ画素810の転送ゲート816、アクティブ画素910の転送ゲート916、および基準アクティブ画素1010の転送ゲート1016を指す。第2の動作では、第1の転送ゲートTG1はオフにされ、第2の転送ゲートTG2はオンにされる。
図10Aに示されるように、第1の動作と第2の動作の両方に対して、基準アクティブ画素1010のフォトダイオード領域内に強いポテンシャルポケットがあるままである。基準アクティブ画素1010内のポテンシャルポケットは、基準アクティブ画素1010のフォトダイオード領域内の電荷蓄積を表す、転送ゲートTG1がオンにされているか転送ゲートTG2がオンにされているかに応じた、転送ゲートTG2またはTG1の近くの(3つの)太い線によって立証される。
【0104】
上記で論じられたように、アクティブ画素810および910は、多様な注入材料およびドーピング濃度を利用し、これは、それらのアクティブ画素のフローティングディフュージョンノードへの完全画素内電荷転送を容易にする。完全電荷転送を有することは、画像を処理するときに画像遅れを減少させ、それによって、撮像システムの処理時間を改善するという技術的効果を付与する。アクティブ画素の同じ側に配置された2つの転送ゲートTG1、TG2を使用して、完全画素内電荷転送は、強力な電界がアクティブ画素のフォトダイオード領域に印加されることによって達成される。
【0105】
表1000に示されるように、転送ゲートTG1とTG2の両方の動作条件下で、アクティブ画素810は、基準アクティブ画素1010と比較したとき、フォトダイオード領域からの著しく多い電荷転送を達成する。追加的に、上記で論じられたように、電子ドリフト電流を達成するために(たとえば、さまざまな不純物濃度勾配)多様な注入材料を実施するアクティブ画素910は、基準アクティブ画素1010およびアクティブ画素810と比較したとき、フォトダイオード領域のさらに多い完全電荷転送を示す。これは、アクティブな転送ゲートの近くの単一の太い線によって示される。このようにして、アクティブ画素810および910は、アクティブ画素のフォトダイオード領域内にポテンシャルポケットのない、フローティングディフュージョンノードへの完全電荷転送を達成する。
【0106】
図11A~
図11Cは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なアクティブ画素の上面
図1100、1150および側面
図1160の概略表現である。
図11Aおよび
図11Bに示されるように、いくつかの実施形態では、追加のN層注入が、アクティブ画素が強力な電界を達成するために使用され得る。たとえば、アクティブ画素1110Aは、
図11Aに示されるように、4つの(4)N層領域を含むことがある。別の例として、アクティブ画素1110Bも、4つのN層を介して多様な不純物濃度勾配効果として実施される4つのN層領域を使用することがある。
図8A~
図8Bのアクティブ画素810および
図9A~
図9Bのアクティブ画素910と比較して、DPS画像センシングシステム100AまたはDPS画像センシングシステム100B内でのアクティブ画素1110Aおよび1110Bの使用は、アクティブ画素1110Aおよび1110B内での追加のN層注入領域の使用により、さらに強力な電界を形成させることがある。
【0107】
図11Bのアクティブ画素1110Bは、4つのN層領域を含む多様な不純物濃度勾配効果構造を組み込み得るフォトダイオード(PD)1190を含む。たとえば、N1層1118は、注入プロファイルN1を含む第1の多様な不純物濃度勾配領域に対応し、N1+N2層1119は、注入プロファイルN1+N2を含む第2の多様な不純物濃度勾配領域に対応し、N1+N2+N3層1120は、注入プロファイルN1+N2+N3を含む第3の多様な不純物濃度勾配領域に対応し、N1+N2+N3+N4層1121は、注入プロファイルN1+N2+N3+N4を含む第4の多様な不純物濃度勾配領域に対応する。
【0108】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素1110AのPD1180およびアクティブ画素1110BのPD1190は、追加のN層領域、たとえば、5つの(5)N層領域、6つの(6)N層領域、7つの(7)N層領域、またはそれ以上を含んでよい。いくつかの実施形態では、各連続したN層は、同じ幅を有してよいし、さまざまな程度の幅を有してもよい。方形形状マスクを使用するだけでないとき、フォトマスクの数が減少され得るので、各領域の形状を変化させることは、製造のコストを減少させる助けとなり得る。いくつかの実施形態では、狭い電界効果方法において各N層によって形成される入射角は、連続したある文字と次の文字で異なることがある。たとえば、
図11Aの上面
図1100からわかるように、アクティブ画素1110AのPD1180は、点Xにおける最小濃度から点X’における最大濃度まで不純物濃度が増加する4つのN層を有する。そのうえ、アクティブ画素1110AのPD1180の4つのN層は、ほぼ垂直なブロック内でX-X’軸に沿って分散される。別の例として、
図11Bの上面
図1150からわかるように、アクティブ画素1110BのPD1190も、増加しつつある不純物濃度の4つのN層を含むが、これらの層は、約45度の角度に沿ってX-X’軸からアクティブ画素1110BのPD1190の縁に向けて延びる。
【0109】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素1110Aおよび1110Bは、転送ゲート1114と1116とを含み、転送ゲート1114と1116はそれぞれ、PD1180および1190の両側に非対称的に配置されてよい。アクティブ画素1110Aの転送ゲート1114および1116の動作は、PD1180の第1の側からPD1180の第2の側に電子ドリフト電流を誘導する電界を生成し得る。アクティブ画素1110Bの転送ゲート1114および1116の動作は、PD1190の第1の側からPD1190の第2の側に電子ドリフト電流を誘導する電界を生成し得る。たとえば、電子ドリフト電流は、点Xから点X’に向けられることがある。2つの(2)転送ゲート1114および1116を含むことによって、N1層1118からN1+N2層1119へ、N1+N2+N3層1120へ、N1+N2+N3+N4層1121へ(以下同様である)、さらにフローティングディフュージョンノードまたはドレインへと電子の完全画素内電荷転送を引き起こす電界が提供される。
【0110】
図11Cからわかるように、側面
図1160はアクティブ画素1110を示し、アクティブ画素1110は、
図11Aおよび
図11Bのアクティブ画素1110Aまたは1110Bとそれぞれ同じであるかまたはこれに類似してよい。アクティブ画素1110は、半導体基板1113を含んでよい。半導体基板1113は、n層注入領域の繰り返しごとに、互い違いになった注入濃度を利用することがある。このようにして、転送ゲート1114および1116への、ならびにフローティングディフュージョンノードまたはドレインへの完全画素内電荷転送を助けることが、達成され得る。いくつかの実施形態では、半導体基板1113の個々のn層に対する注入濃度は、前の層と比較して増加されることがある。このことは、半導体基板1113のn層の各追加の層の導電性を増加させ得、これは、転送ゲート1114および1116の動作によって完全画素内電荷転送を提供する技術的効果を有することがある。
【0111】
いくつかの実施形態では、半導体基板1113は、基板ベース1111と、N1層1118と、N1+N2層1119と、N1+N2+N3層1120と、N1+N2+N3+N4層1121とを含む。層1118~1121の各々は、当技術分野で知られているように入射光を電荷に変換するように構成された光起電材料を含んでよい。たとえば、アクティブ画素1110の層は、シリコン、ガリウム、砒化物、または他の材料などの材料を含んでよい。アクティブ画素1110は、N1注入濃度を有する第1の電子転送領域(たとえば、N1層1118)と、N1+N2注入濃度を有する第2の電荷転送領域(たとえば、N1+N2層1119)と、N1+N2+N3注入濃度を有する第3の電荷転送領域(たとえば、N1+N2+N3層1120)と、N1+N2+N3+N4注入濃度を有する第4の電荷転送領域(たとえば、N1+N2+N3+N4層1121)とを含んでよい。本明細書において説明されるように、注入濃度は、基板内で利用されるドーパントの量および型を指す。
【0112】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素1110AのPD1180およびアクティブ画素1110Bのアクティブ画素1110BのPD1190の材料組成および構成は、アクティブ画素910のPD912およびアクティブ画素810のPD812の材料組成および構成と同じであるかまたはこれに類似してよい。たとえば、N1層1118は、第1の濃度のP、As、および/またはSbなどのN型ドーパントも含んでよく、N1+N2層1119は、より高い濃度の、N1層1118に使用される同じドーパントを含んでよく、N1+N2+N3層1120は、さらに高い濃度の、N1層1118およびN1+N2層1119に使用される同じドーパントを含んでよく、N1+N2+N3+N4層1121は、さらにまた高い濃度の、N1層1118、N1+N2層1119、およびN1+N2+N3層1120に使用される同じドーパントを含んでよい。別の例として、N1+N2層1119、N1+N2+N3層1120、および/またはN1+N2+N3+N4層1121は、同じ濃度の異なるドーパントであってよく、次いで、同じ濃度のN1層1118であってよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、アクティブ画素1110は、半導体基板1113のすぐ上でのトランジスタの形成に、基板工程(FEOL)処理を使用することがある。半導体基板1113は、たとえば、エピタキシープロセスを利用して、純シリコン層の成長によって製作されたウェハを含んでよい。いくつかの実施形態では、シリコン異型が、アクティブ画素1110の1つまたは複数の層(たとえば、N1層1118、N1+N2層1119、N1+N2+N3層1120、N1+N2+N3+N4層1121)内に堆積されることがある。いくつかの実施形態では、エピタキシーの前に、さらなる処理が、半導体基板1113上で利用されることになるトランジスタの性能を増加させるために実施されることがある。追加的に、アクティブ画素810および910と同様に、FEOL処理は、それによって基板ベース1111の電子移動度を改善するためにシリコン異型が半導体基板1113内に堆積される歪み形成ステップを含んでよい。いくつかの実施形態では、不純物濃度および/または材料は、電子移動度のさらなる改善のために修正されてよい。いくつかの実施形態では、FEOL処理は、ゲート誘電体(たとえば、
図2Aおよび
図2Bの転送ゲート214および216)の成長を含むことがある。たとえば、これには、ゲートのパターニング、ソース領域およびドレイン領域のパターニング、ならびに所望の補足的な電気的性質を取得するためのその後のドーパントの実施または拡散があり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、低いイオン化エネルギー(たとえば、20~300keV)、低い拡散率、およびSi中の適切な固体溶解度により、P、As、および/またはSbなどのN型ドーパントが利用される。
【0114】
図12A~
図12Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的な非共有アクティブ画素システム1200および例示的な共有アクティブ画素システム1250の概略表現である。
図12Aおよび
図12Bは、高いダイナミックレンジ読み出しを提供するための例示的な実施を示す。高いダイナミックレンジ読み出しは、第1のアクティブ画素1210Aを含む非共有アクティブ画素システム1200、または第1のアクティブ画素1210Aと第2のアクティブ画素1210Bとを含む共有アクティブ画素システム1250のどちらかによって、実施されてよい。いくつかの実施形態では、第1のアクティブ画素1210Aを含む非共有アクティブ画素システム1200は、
図2Aおよび
図2Bのアクティブ画素210の代わりに使用されてもよいし、それに加えて使用されてもよい。第1のアクティブ画素1210Aと第2のアクティブ画素1210Bとを含む共有アクティブ画素システム1250は、
図4Aおよび
図4Bのアクティブ画素410の代わりに使用されてもよいし、それに加えて使用されてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、
図12Aによって示されるように、非共有アクティブ画素システム1200は、第1のアクティブ画素1210Aを含む。第1のアクティブ画素1210Aは、第1の転送ゲート1214Aと、第2の転送ゲート1216Aとを含み、これらに動作可能に結合されてよい。転送ゲート1214Aおよび1216Aはそれぞれ、フローティングディフュージョンノード1224および1226に動作可能に結合されてよい。いくつかの実施形態では、第1のアクティブ画素1210Aへの電界の印加は、電子ドリフト電流をPD1212A内で生成させることがある。
図12Aおよび
図12Bには、PD1212A内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流1219Aと、PD1212B内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流1219Bが、示されている。いくつかの実施形態では、転送ゲート1214Aおよび1216Aは、PD1212Aの第1の側からPD1212Aの第2の側の方向に電子流1219Aを生成させるように構成されることがある。したがって、電子流1219Aは、双方向電荷転送1221Aを生じさせることがある。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素1210Aに印加されることによって形成される、電子流1219Aなどの電子ドリフト電流は、PD212内の導電性を増加させることができる。たとえば、導電性の増加は、PD1212Aの一方の側からPD1212Aの他方の側への電荷粒子(たとえば、電子)の電荷転送を誘発することがある。転送ゲート1214Aおよび1216Aの動作が転送ゲート1214Aおよび1216Aの近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート1214Aおよび1216Aからフローティングディフュージョンノード1224またはフローティングディフュージョンノード1226にそれぞれ転送することがある。いくつかの実施形態では、電子は、代替的に、転送ゲート1214Aおよび/または1216Aからドレインに転送することがある。
【0116】
いくつかの実施形態では、
図12Bによって示されるように、共有アクティブ画素システム1250は、第1のアクティブ画素1210Aと、第2のアクティブ画素1210Bとを含む。第1のアクティブ画素1210Aは、第1の転送ゲート1214Aと、第2の転送ゲート1216Aとを含み、これらに動作可能に結合されてよい。第2のアクティブ画素1210Bは、第1の転送ゲート1214Bと、第2の転送ゲート1216Bとを含み、これらに動作可能に結合されてよい。転送ゲート1214Aおよび1214Bは、フローティングディフュージョンノード1224に動作可能に結合されてよく、転送ゲート1216Aおよび1216Bは、フローティングディフュージョンノード1226に動作可能に結合されてよい。いくつかの実施形態では、第1のアクティブ画素1210Aおよび第2のアクティブ画素1210Bへの電界の印加は、電子流1219AをPD1212A内で生成させ、電子流1219BをPD1212B内で生成させることがある。いくつかの実施形態では、転送ゲート1214A、1214B、1216A、および1216Bは、電子流1219Aおよび1219Bを、PD1212Aの第1の側からPD1212Aの第2の側へ、およびPD1212Bの第1の側からPD1212Bの第2の側への方向に生成させるように構成されることがある。いくつかの実施形態では、電子流1219Aと電子流1219Bは、大きさは等しいが、方向は反対であることがある。いくつかの実施形態では、同じ電界が、電子流1219Aおよび1219Bを各々その中で生成させるために、PD1212Aと1212Bの両方に印加されることがある。いくつかの実施形態では、異なる電界が、PD1212AおよびPD1212Bの各々に印加されることがある。したがって、電子流1219Aは双方向電荷転送1221Aを生じさせ得、電子流1219Bは双方向電荷転送1221Bを生じさせ得る。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素1210Aおよび1210Bに印加されることによって形成される、電子流1219Aおよび/または電子流1219Bなどの電子ドリフト電流は、PD1212Aおよび1212B内の導電性を増加させることができる。たとえば、導電性の増加は、PD1212Aの一方の側からPD1212Aの他方の側への、およびPD1212Bの一方の側からPD1212Bの他方の側への、電荷粒子(たとえば、電子)の電荷転送を誘発することがある。転送ゲート1214Aおよび1216Aの動作が転送ゲート1214Aおよび1216Aの近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート1214Aおよび1216Aからフローティングディフュージョンノード1224またはフローティングディフュージョンノード1226にそれぞれ転送することがある。同様に、転送ゲート1214Bおよび1216Bの動作が転送ゲート1214Bおよび1216Bの近くで電界を変調するとき、電子は、転送ゲート1214Bおよび1216Bからフローティングディフュージョンノード1224またはフローティングディフュージョンノード1226にそれぞれ転送することがある。いくつかの実施形態では、電子は、代替的に、転送ゲート1214A、1214B、1216Aおよび/または1216Bからドレインに転送することがある。
【0117】
非共有アクティブ画素システム1200のアクティブ画素1210Aは、高変換ゲイン(HCG)信号のための第1の転送ゲート1214Aおよびフローティングディフュージョンノード1224と、低変換ゲイン(LSG)信号のための第2の転送ゲート1216Aおよびフローティングディフュージョンノード1226とを含んでよい。高いダイナミックレンジ読み出しは、フローティングディフュージョンノード1224への第1の転送およびフローティングディフュージョンノード1226への第2の転送を利用することによって機能し得る。共有アクティブ画素システム1250は、高変換ゲイン(HCG)信号のための、第1の転送ゲート1214Aとフローティングディフュージョンノード1224とを含むアクティブ画素1210Aと、第1の転送ゲート1214Bとフローティングディフュージョンノード1224(転送ゲート1214Aおよび1214Bによって共有される)とを含むアクティブ画素1210Bと、低変換ゲイン(LSG)信号のための、第2の転送ゲート1216Aとフローティングディフュージョンノード1226とを含むアクティブ画素1210Aと、(転送ゲート1216Aおよび1216Bによって共有される)第2の転送ゲート1216Bとフローティングディフュージョンノード1226とを含むアクティブ画素1210Bとを含んでよい。高いダイナミックレンジ読み出しは、フローティングディフュージョンノード1224への第1の転送およびフローティングディフュージョンノード1226への第2の転送を利用することによって機能し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、低輝度レベルの入射光では、フローティングディフュージョンノード1224内には、いくつかの電荷があり、フローティングディフュージョンノード1226内には、電荷がないか、または電荷の閾値量よりも少ない電荷がある。いくつかの実施形態では、単一のフローティングディフュージョンノードが高利得読み出しに利用されるが、代替的に、2つのフローティングディフュージョンノードが高利得読み出しに利用されてよい。高輝度レベルの入射光では、フローティングディフュージョンノード1224とフローティングディフュージョンノード1226の両方に電荷がある。いくつかの実施形態では、低利得読み出しにフローティングディフュージョンノード1224と1226の両方を使用するために、フローティングディフュージョンノード1224および1226のための電荷追加処理技法が必要とされる。本明細書において説明されるように、電荷追加は、デジタル領域内でフローティングディフュージョンノード1224と1226を組み合わせるデジタルビニング動作を指す。このようにして、単一露光高ダイナミックレンジ信号が達成される。たとえば、フローティングディフュージョンノード1226は、接続ワイヤ1230を介してキャパシタ1240に結合されることがある。キャパシタ1240は、金属酸化物半導体(MOS)キャパシタ、金属絶縁体金属(MIM)キャパシタ、金属酸化物金属(MOM)キャパシタ、または他のタイプのキャパシタ、または他のセンサを含んでよい。
【0119】
図13は、1つまたは複数の実施形態による、例示的な共有アクティブ画素システム1300の概略表現である。共有アクティブ画素システム1300は、高利得/高解像度読み出しのための、ならびに高フルウェルキャパシティ(FWC)および低解像度読み出しのための高いダイナミックレンジ読み出しを実施するために使用されてよい。本明細書において利用されるとき、「高いダイナミックレンジ読み出し」は、高解像度読み出しのための高利得と、低解像度読み出しのための高FWCを含み得る。いくつかの実施形態では、共有アクティブ画素システム1300は、第1のアクティブ画素1310Aと、第2のアクティブ画素1310Bとを含んでよい。アクティブ画素1310Aおよび1310Bは、
図4Aおよび
図4Bのアクティブ画素410に実質的に類似してよく、以前の説明が当てはまり得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、共有アクティブ画素システム1300は、以下でさらに詳細に説明される、オーバーフロー動作中にオーバーフロー経路の使用による高利得/高解像度読み出しおよび高FWC/低解像度読み出しのために構成される。第1のアクティブ画素1310Aはフォトダイオード(PD)1312Aを含んでよく、第2のアクティブ画素1310Bはフォトダイオード(PD)1312Bを含んでよい。PD1312AとPD1312Bは両方とも、フローティングディフュージョンノード1324を共有してよく、フローティングディフュージョンノード1324は、高変換ゲイン(HCG)信号のために、転送ゲート1314Aおよび1314Bそれぞれから転送電子を受け取るように構成される。PD1312AおよびPD1312Bは、フローティングディフュージョンノード1326を共有してよく、フローティングディフュージョンノード1326は、低変換(LCG)信号のために、転送ゲート1316Aおよび1316Bそれぞれから転送電子を受け取るように構成されることがある。電界の印加は、電子ドリフト電流をそれぞれPD1312AおよびPD1312B内で生成させ得る。
図13には、PD1312A内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流1319Aと、PD1312B内で生成される電子ドリフト電流に対応する電子流1319Bが、示されている。電子流1319Aは双方向電荷転送1321Aを生じさせ得、電子流電流1319Bは双方向電荷転送1321Bを生じさせ得る。いくつかの実施形態では、電界がアクティブ画素1310Aおよび1310Bに印加されることによって形成される、電子流1319Aおよび電子流1319Bなどの電子ドリフト電流は、アクティブ画素1310Aおよび1310B内の導電性を増加させることができる。いくつかの実施形態では、アクティブ画素1310Aおよび1310Bは、電荷追加処理のために接続ワイヤ1330を介してキャパシタ1340に結合されることがある。キャパシタ1340は、
図12Bのキャパシタ1240と同じであるかまたはこれに類似してよく、以前の説明が当てはまり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、高利得/高解像度動作は、アクティブ画素1310AのPD1312Aおよびアクティブ画素1310BのPD1312Bからフローティングディフュージョンノード1324への電荷の第1の転送を含むことがある。低輝度環境における動作中、フローティングディフュージョンノード1324内には、いくつかの電荷があることがあり、フローティングディフュージョンノード1326内には、電荷がないか、または電荷の閾値量よりも少ない電荷があることがある。高輝度環境における動作中は、オーバーフロー動作により、フローティングディフュージョンノード1324内にいくつかの電荷があることがあり、フローティングディフュージョンノード1326内にいくつかの電荷があることがある。オーバーフロー動作中、フローティングディフュージョンノード1324は、高輝度条件から過剰な電子を生成することがある。オーバーフロー経路は、(たとえば、転送ゲート1316Aおよび/または転送ゲート1316B)転送ゲートの下に作成されることがあり、過剰な電荷は、フローティングディフュージョンノード1326に転送され、それによって、オーバーフロー動作を提供し得る。いくつかの実施形態では、フローティングディフュージョンノード1324と1326の両方が、高フルウェルキャパシティ(FWC)/低解像度読み出しに利用されることがある。フローティングディフュージョンノード1324および1326の電荷追加処理は、高FWCおよび低解像度読み出しを達成するために必要とされることがある。
【0122】
図14は、1つまたは複数の実施形態による、
図12A~
図12Bおよび
図13のアクティブ画素システムに対応する例示的なタイミング
図1400である。いくつかの実施形態では、それぞれ
図12Aおよび
図12Bの非共有アクティブ画素システム1200および共有アクティブ画素システム1250、または
図13の共有アクティブ画素システム1300は、間接的なTime of Flight方法を利用するTime of Flight(ToF)読み出しに適用されることがある。間接的なToF動作は、いくつかの実施形態では、非共有アクティブ画素システム1200のアクティブ画素1210Aを利用して実施されることがある。いくつかの実施形態では、ToF動作は、共有アクティブ画素システム1250のアクティブ画素1210Aおよび1210Bならびに/または共有アクティブ画素システム1300のアクティブ画素1310Aおよび1310Bを利用して実施されることがある。
【0123】
タイミング
図1400は、間接的なTime of Flight測定を達成するための、非共有アクティブ画素システム1200のアクティブ画素1210A、共有アクティブ画素システム1250のアクティブ画素1210Aおよび1210B、ならびに/または共有アクティブ画素システム1300のアクティブ画素1310Aおよび1310Bの動作を説明し得る。本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態によるTime of Flight方法は、1つまたは複数のフォトダイオードからフローティングディフュージョンノードへの(たとえば、PD1212Aからフローティングディフュージョンノード1224への、PD1212AおよびPD1212Bからフローティングディフュージョンノード1224への、PD1312AおよびPD1312Bからフローティングディフュージョンノード1324への)電子電荷の第1の転送を開始し、電子電荷の第2の転送は、1つまたは複数のフォトダイオードから別のフローティングディフュージョンノードに(たとえば、PD1212Aからフローティングディフュージョンノード1226に、PD1212AおよびPD1212Bからフローティングディフュージョンノード1226に、PD1312AおよびPD1312Bからフローティングディフュージョンノード1326に)発生することがある。たとえば、時間T1では、電荷は、フォトダイオードから第1の転送ゲートへの転送中と検出されることがあるが、時間T3では、電荷は、フォトダイオードから第2の転送ゲートへの転送中と検出されることがある。いくつかの電荷(たとえば、電子)は、あるフローティングディフュージョンノード(たとえば、フローティングディフュージョンノード1224、フローティングディフュージョンノード1324)に転送されることがあるが、他の電荷は、別のフローティングディフュージョンノード(たとえば、フローティングディフュージョンノード1226、フローティングディフュージョンノード1326)に転送されることがある。フローティングディフュージョンノードに転送される電荷の量は、反射時間に対応する。反射時間は、LEDプラスセンサから対象までの距離を決定するために利用可能である。たとえば、タイミング
図1400に示される時間差TDelayは、LEDパルスなどの信号がソースから発されたとき(たとえば、時間T1)から信号がアクティブ画素によって(たとえば、検出された)受け取られたとき(たとえば、時間T2)の間の時間の量を示すことがある。Time of Flightシステムは、粒子物理測定システム、信号処理、画像処理などを含む多くの実用的な適用例を有する。
【0124】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、DPS画像センシングシステム100Aまたは100Bの回路それぞれの適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図1Aのアクティブ画素110または
図1Bのアクティブ画素110として実施され得る。
【0125】
図15は、1つまたは複数の実施形態による、例示的なバックエンドADCおよびメモリ回路1500の概略表現である。バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、
図1のバックエンドADCおよびメモリ回路115のトランジスタレベル回路図を表し得る。複数のADCスキームは、動作の広いダイナミックレンジに効果的である。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、小さい面積をもつDPSデバイス内での複数のADC動作に関する書き込み制御スキームおよび回路を提供する。追加的に、バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、メモリを効率的に利用することができる。
【0126】
(たとえば、
図1AのDPS画像センシングシステム100Aまたは
図1BのDPS画像センシングシステム100B)デジタル処理システム内の各画素に対して、バックエンドADCおよびメモリ回路およびデジタルメモリが必要とされる。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路1500が、アクティブ画素1510に動作可能に結合されることがある。バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、比較器1520と、書き込み制御回路1530とを含んでよい。いくつかの実施形態では、アクティブ画素1510、比較器1520、および書き込み制御回路1530は、
図1Aのアクティブ画素110、比較器120、および書き込み制御回路130と実質的に類似しており、以前の説明が当てはまり得る。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、ステートラッチ1540も含むことがある。ステートラッチ1540は、以下でさらに詳細に説明される複数のADC動作に効果的であることがある。ステートラッチ1540は、
図1のステートラッチ140と同じであるかまたはこれに類似してよく、以前の説明が当てはまり得る。いくつかの実施形態では、バックエンドADCおよびメモリ回路1500は、DPS画像センシングシステム100AのバックエンドADCおよびメモリ回路115またはDPS画像センシングシステム100Bの類似の構成要素の一例を表す。書き込み制御回路1530は、書き込み制御回路1530の出力段における正帰還回路1531、ならびに初期化回路1532を含むことがある。いくつかの実施形態では、正帰還回路1531および初期化回路1532は、それぞれ
図1の正帰還回路131および初期化回路132と同じであるかまたはこれに類似してよく、以前の説明が当てはまり得る。
【0127】
比較器1520の出力(たとえば、「OutA」)が特定の論理値(たとえば、論理0)から反対の論理値(たとえば、論理1)にフリップすることに応答して、正帰還回路1531の正帰還出力FBがFB=1になる。COMP_SET_n=0を使用して初期化する動作が実行されるまで、比較器1520の出力(たとえば、「OutA」)にかかわらず、FB=1は保たれ得る(たとえば、正帰還回路1531は「ロックされ」得る)。いくつかの実施形態では、COMP_SET_n=0は初期化動作に使用されることがあり、初期化動作は、OutB=1およびFB=0を設定するために必要とされることがある。いくつかの実施形態では、比較器1520の初期化動作が、ADC変換を始めるために使用される。初期化動作は、最小VRAMP電圧を使用して実行されることがあり、これは、OutAがOutA=0になることと、
図1を参照してより詳細に示されるような、ノードへの接続のための初期化回路1532の出力「Init」の切り換えをもたらす。初期化動作はまた、COMP_SET_n=0を適用し得る。State=0である使用事例では、書き込み制御回路1530内の正帰還回路1531の出力は、FB=0およびOutB=1である。
図1とは異なり、COMP_SET_nおよびStateは、
図1において使用されるCOMP_SETおよびState_nの代わりに、正帰還回路1531および初期化回路1532によって使用されてよいことが留意されるべきである。COMP_SET_nは、COMP_SETを反転させることによって取得されてよく、Stateは、State_nを反転させることによって取得されてよい。
【0128】
次に、それらの状態(すなわち、COMP_SET_n=0およびState=0)とともに、比較器1520および正帰還回路1531が初期化されることがある。比較器1520および正帰還回路1531が初期化されると、ADC動作は、COMP_SET_n=1で始まり、書き込み動作がADCメモリ1550に対して実行されることを可能にすることができる。State=1である使用事例では、最小VRAMP電圧を使用してOutA=0である場合ですら、およびCOMP_SET_n=0ですら、FB=1(OutB=0)は保たれる。COMP_SET_n=1をフリップさせた後、WL=0であるため、メモリは書き込まれない。このようにして、ステートラッチ1540は、バックエンドADCおよびメモリ回路1500の活性化を制御するために、「State」を出力し得る。いくつかの実施形態では、データは、State=0であるとき、比較器1520を使用してメモリ(たとえば、ADCメモリ1550)に書き込まれることがある。
【0129】
いくつかの実施形態では、比較器1520は、以下の動作を容易にするように構成されることがある。
1)COMP_RST_n=0を設定することによって、自動ゼロ動作を実行し、VRAMPはリセットレベルに等しい。
2)COMP_SET_n=0を使用して正帰還回路1531をロック状態(たとえば、FB=1)からアンロック状態(たとえば、FB=0)にすることによって、比較器1520を初期化する。正帰還回路1531は、State=0の場合、アンロック(たとえば、FB=0)になるが、正帰還回路1531は、State=1の場合は、ロック(たとえば、FB=1)されたままである。後者のシナリオでは、WL=0であるので、データはメモリ(たとえば、ADCメモリ1550)に書き込まれない。
3)VRAMP信号を使用して立ち上げ動作を実行する。ADCデータは、比較器1520に記憶され、FB=1であるときのみフリップすることがある。いくつかの実施形態では、「WL_SEL=0」は、ADCメモリ1550の読み出し動作に使用される。WL_SEL=0は、複数のADC動作シナリオにおける第1のADC動作の前に、State=0を初期化するためにも利用されることがある。
【0130】
図15に示されるように、書き込み制御回路1530は、比較器第2の段の一定の電流反転器と組み合わされた、正帰還回路1531と、初期化回路1532とを含み得る。いくつかの実施形態では、COMP_SET_nおよびStateはそれぞれ、pMOSゲートに関して、
図1におけるCOMP_SETおよびState_nの反対の極性を有する。
図1では、比較器120のOutAは、
図1のCOMP_SETスイッチに関してOutA=0であるが、いくつかの実施形態では、除去されることがある。いくつかの実施形態では、OutA=0は、スイッチなしで自動ゼロ動作の後に適切なVRAMP電圧を使用して初期化動作を実行する比較器1520のための接地(GND)に設定されることがある。
【0131】
いくつかの実施形態では、STATE_DATAは、nMOSトランジスタペアを通じてステートラッチ1540回路に接続される。比較器1520が、ワード線選択をWL=1からWL=0に切り換えさせるとき、ステートラッチ1540は、フリッピング時間にState=STATE_DATAとして固定されることがある。ADCメモリ1550は、ビット線データを同時に記憶し得る。STATE_DATA=1は、バックエンドADCおよびメモリ回路1500の各動作に対して任意の適切なADC範囲のために意図的に与えられることがある。
【0132】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、バックエンドADCおよびメモリ回路1500の回路の適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図15のアクティブ画素1510として実施されてよい。
【0133】
図16は、1つまたは複数の実施形態による、例示的なバックエンドADCおよびメモリ回路1600の概略表現である。バックエンドADCおよびメモリ回路1600は、
図15のバックエンドADCおよびメモリ回路1500と同じであるかまたはこれに類似してよく、以前の説明が当てはまり得る。たとえば、バックエンドADCおよびメモリ回路1600は、比較器1620と、書き込み制御回路1630とを含んでよく、比較器1620および書き込み制御回路1630は、
図15の比較器1520および書き込み制御回路1530と同じであるかまたはこれに類似してよい。書き込み制御回路1630は、正帰還回路1631と、初期化回路1632とを含んでよい。バックエンドADCおよびメモリ回路1600は、COMP_SET_nと正帰還回路1631の出力信号の両方のCMOS構造をそれぞれ実現するためにnMOSトランジスタペア1633が正帰還回路1631に追加されることがあるという点で、バックエンドADCおよびメモリ回路1500と異なってよい。このようにして、正帰還回路1631のフリッピング速度は、nMOSトランジスタペア1633を使用して加速可能である。追加的に有利であるのは、書き込み制御回路1630は、フリッピング中に電流を通じて減少することがある。また、バックエンドADCおよびメモリ回路1600の比較器1620は、たとえば、キャパシタCLが大きい場合の初期化の大きい遅延を防止することなどの追加のデバイス性能を実現するための、COMP_SETのnMOSスイッチ1621を含んでよい。いくつかの実施形態では、nMOSスイッチ1621は、トランジスタ(たとえば、nMOSトランジスタ)のペアとして実現されることがある。このようにして、nMOSスイッチ1621は、ADC動作のより高速な初期化する動作に効果的であることがある。
【0134】
バックエンドADCおよびメモリ回路1600のためのアクティブ画素が、当業者によって理解されるようになされるように、
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、実施されてよい。
【0135】
図17は、1つまたは複数の実施形態による、バックエンドADCおよびメモリ回路の例示的な動作のタイミング
図1700である。タイミング
図1700は、
図15および
図16に示される回路について、COMP_SET_nはCOMP_SETの代わりに使われ、StateはState_nの代わりに使われるという注意とともに、
図1、
図15、または
図16に示される回路の各回路に適用され得る。COMP_SET_nは、COMP_SETを反転させることによって取得されてよく、Stateは、State_nを反転させることによって取得されてよい。
【0136】
タイミング
図1700は、重複した3Q動作の一例を示すことがある。いくつかの実施形態では、WL_SELは、ADC動作全体を通じてWLがOutBと同じ値を有するように、1に設定されてよい(WL_SEL=1)。いくつかの実施形態では、WLが論理1から論理0に反転されるとき、タイムコード(すなわち、ADCコード)は、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれる。いくつかの実施形態では、メモリに書き込まれて記憶されるタイムコードは、WLが反転される時間(すなわち、比較器120、1520、1620などの比較器がフリップされる時間)を示す。すなわち、メモリに記憶されるタイムコードは、デジタル化された光強度値であってよい。WLが論理1から論理0に反転されたとき、タイムコードをメモリに書き込むことに加えて、STATE_DATAは、ステートラッチ(たとえば、ステートラッチ140、1540、1640)に書き込まれることがある。
【0137】
いくつかの実施形態では、自動ゼロ動作は、あらゆるADC動作の前に実行されることがある。自動ゼロ動作を実行するために、COMP_RSTは1に設定されることがある(たとえば、COMP_RST=1)。いくつかの実施形態では、比較器(たとえば、比較器120)は、各自動ゼロ動作の後、COMP_SETを1に設定する(たとえば、COMP_SET=1)という初期化する動作を実行することがあり、これによって、正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)がロックステータスから解除され得る。いくつかの実施形態では、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)は、COMP_SET_nを0に設定する(たとえば、COMP_SET_n=0)初期化動作を実行することがある。STATE_DATAが論理1に設定される時間期間中、比較器がフリップされるときにメモリに書き込まれるタイムコード(すなわち、ADCコード)は、1つのADCサイクル中に残りの時間にわたって保持されることがある。STATE_DATAの波形は、1つのADC動作サイクルの残りの時間にわたってメモリに書き込まれるタイムコードが保持されることが望ましい時間範囲に応じて設計されてよい。STATE_DATAが論理0に設定される時間期間は、所与のADC動作のサイクル中の特定の時間の期間に限定されない。
【0138】
【0139】
事例1 - 出力OutBが1回フリップする、
【0140】
事例2 - 出力OutBが2回フリップする、および
【0141】
事例3 - 出力OutBが3回フリップする。
【0142】
タイミング
図1700に見られるように、出力OutB(WL)が論理1から論理0に反転されるとき、Stateは、STATE DATAと同じ値に保たれる(すなわち、State=STATE_DATA)。
図17に示される時間t1に始まる現在のADC動作サイクルでは、たとえば、事例1によって示されるようにSTATE DATA=1である時間t2において、タイムスタンプADC中にOutB(WL)が論理1から論理0に反転される場合、時間t2におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)はメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、Stateは論理1に設定される(すなわち、State=1)。いくつかの場合、Stateを論理1に設定することによって、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)がロック状態にされる。ADC動作の現在のサイクルの残りの時間にわたってStateが論理1に保たれる(すなわち、State=1)場合、メモリに記憶されるADCコードは、HCG ADCまたはLCG ADCに入る前にCOMP_SETが論理1にされるときですら、ADC動作の現在のサイクルが時間t9に終わるまで、保たれる。
【0143】
タイムスタンプADC中にSTATE DATA=0である間、たとえば、事例2および事例3によって示される時間t4に、OutB(WL)が論理1から論理0に反転される場合、時間t4におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)はメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、STATE DATA=0であるため、Stateは論理0に設定される(すなわち、State=0)。したがって、事例2または事例3では、直前のHCG ADCが始まる時間t5にCOMP_SETが論理1に設定される(または、COMP_SET_nが論理0に設定される)とき、初期化回路(たとえば、初期化回路132、1532、1632)は、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)をアンロック状態にし、HCG ADCが始まった。
【0144】
事例2では、OutB(WL)は、HCG ADC中に論理1から論理0に反転される。たとえば、時間t6では、STATE DATA=1であるとき、時間t6におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)は、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがあり、Stateは論理1に設定され(すなわち、State=1)、これによって、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)が再びロック状態にされる。事例2では、ADC動作の現在のサイクルの残りの時間にわたってStateが論理1に保たれる(すなわち、State=1)ので、HCG ADC中にメモリに記憶されるADCコードは、LCG ADCに入る前にCOMP_SETが論理1にされるときですら、ADC動作の現在のサイクルが時間t9に終了するまで、保たれる。
【0145】
事例3では、OutB(WL)は、たとえば時間t8において、LCG ADC中に論理1から論理0に反転され、STATE DATA=1であるとき、時間t8におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)はメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、Stateは論理1に設定され(すなわち、State=1)、これによって、比較器および正帰還回路はさらに再びロック状態にされる。事例3では、ADC動作の現在のサイクルの残りの時間にわたってStateが論理1に保たれる(すなわち、State=1)ので、LCG ADC中にメモリに記憶されるADCコードは、ADC動作の現在のサイクルが時間t9に終了するまで、保たれる。したがって、OutB(WL)は、STATE DATE=1である間に論理1から論理0に反転され、OutB(WL)が反転された時間におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)はメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、ステートラッチ(たとえば、ステートラッチ140、1540、1640)はState=1を保持する。これは、現在のADC動作サイクルの残りの時間にわたって、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)をロックされた状態に保ち得る。いくつかの実施形態では、STATE_DATAは、
図17に示されるように、タイムスタンプADC、HCG ADC、およびLCG ADCの各々において1回のみ論理1に設定されることがある。いくつかの実施形態では、STATE_DATAは、複雑なADC動作を実施するために、論理1と論理0に交互になることがある。
【0146】
図18A~
図18Bは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造1800および1820の概略表現である。いくつかの実施形態では、ADCメモリ150のためのデータが、ステートラッチ(たとえば、ステートラッチ140、1540、1640)の代わりに使用されることがある。ADCメモリ150がステートラッチの代わりに使用されるいくつかの実施形態では、以下で説明されるように、State(またはState_n)はADCメモリ150に記憶されることがある。ADCメモリ150のためのデータは、
図1に示されるように、フラグビットおよびデータビットとともに構成されることがある。本明細書において説明されるフラグビット配置は、上記で説明された実施形態を実施するのに好適であり得るが、当業者は、追加的または代替的に他のフラグビット配置が使用されてよいことを認識するであろう。
【0147】
図18Aに示されるように、データ構造1800は、タイムスタンプADC動作(ADC1)と、HCG ADC動作(ADC2)と、LCG ADC(ADC3)動作とを含む3段階ADC動作などの、ADC動作に適用可能であり得る。いくつかの実施形態では、データ構造1800は、データ文字列1802~1806を含むことがあり、データ文字列1802~1806の各々は、フラグビットと、ADCビットとを含んでよい。たとえば、第1のデータ文字列1802は、フラグビット1808とデータビット(ADCビット)1810とを含む6ビット文字列である。第1のデータ文字列1802は、第1のADC動作(たとえば、
図19のタイムスタンプADC)中の所与の時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれるタイムコードに対応することがある。上記で説明されたように、タイムコードは、タイムコード発生器(図示せず)から読み出し/書き込みデータバス線160に供給されることがあり、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがある。第1のデータ文字列1802のフラグビット1808は、タイムスタンプADC中のある時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがあるタイムコード(またはADCコード)の最上位ビット(MSB)を含んでよい。第1のデータ文字列1802のMSBは、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)の出力が特定の論理値(たとえば、論理0)から反対の論理値(たとえば、論理1)にフリップすることに応答してメモリがADCコードを保持し得るように、論理1であるように割り当てられることがある。
図19に示されるように、第1のデータ文字列1802は、「100000」で始まり、タイムスタンプADC中に「101111」まで増分する。
図19では、第1のデータ文字列1802の下位5ビットは、ADCコード<4:0>と呼ばれる。
【0148】
第2のデータ文字列1804も、フラグビット1812とデータビット(ADCビット)1814とを含む6ビットデータ文字列である。第2のデータ文字列1804は、第2のADC動作(たとえば、
図19のHCG ADC)中の所与の時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれるタイムコードに対応することがある。第2のデータ文字列1804のフラグビット1812は、HCG ADC中のある時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがあるタイムコード(またはADCコード)の最上位ビット(MSB)を含んでよい。第2のデータ文字列1804のMSBは、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)の出力が特定の論理値(たとえば、論理0)から反対の論理値(たとえば、論理1)にフリップすることに応答してメモリがADCコードを保持し得るように、論理1であるように割り当てられることがある。
図19に示されるように、第2のデータ文字列1804は、「110000」で始まり、HCG ADC中に「111111」まで増分する。
【0149】
第3のデータ文字列1806も、フラグビット1816とデータビット(ADCビット)1818とを含む6ビットデータ文字列である。第3のデータ文字列1806は、第3のADC動作(たとえば、
図19のLCG ADC)中の所与の時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれるタイムコードに対応することがある。第3のデータ文字列1806のフラグビット1816は、LCG ADC中のある時間にメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがあるタイムコード(またはADCコード)の最上位ビット(MSB)を含んでよい。第3のデータ文字列1806のMSBは、論理0であるように割り当てられることがある。したがって、第3のデータ文字列1806のMSBは、正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)をロック状態に保つことによって、ADCコードを保持しないことがある。いくつかの実施形態では、LCG ADCは、
図19に示される1つのADCサイクル中の最終ADC動作であり、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に一度書き込まれたADCコードは、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)の出力がサイクルの後のADC動作で特定の論理値(たとえば、論理0)から反対の論理値(たとえば、論理1)にフリップすることに応答して上書きされない。第3のデータ文字列1806は、「000000」で始まり、LCG ADC中に「011111」まで増分する。
【0150】
ADC動作の1つのサイクルが、
図18Bに示される4つの段階を含むいくつかの実施形態では、データ構造1820は、データ文字列1822~1828を含むことがあり、データ文字列1822~1828の各々は、フラグビットと、ADCビットとを含んでよい。最後のADC(ADC4)すなわちデータ文字列1828の最上位ビット(MSB)は、論理0であるように割り当てられることがある。データ文字列1822~1826に対応する前のADC(たとえば、ADC1、ADC2、ADC3)の各々の最上位ビット(MSB)は、論理1であるように割り当てられることがある。たとえば、第1のデータ文字列1822は、フラグビット1830と、データビット(ADCビット)1832とを含むことがある。第2のデータ文字列1824は、フラグビット1834と、データビット(ADCビット)1836とを含むことがある。第3のデータ文字列1826は、フラグビット1838と、データビット(ADCビット)1840とを含むことがある。第4のデータ文字列1828は、フラグビット1842と、データビット(ADCビット)1844とを含むことがある。
【0151】
図18Cは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なメモリアレイ1850の概略表現である。
図18Cに示されるように、メモリアレイ1850は、データ構造からのメモリのMSBを使用して、既知のメモリレイアウト配置の範囲外にある利点を達成することがありこれは、以下でさらに詳細に論じられる。
【0152】
メモリアレイ1850は、2画素構成でのメモリ配置1854およびバックエンドADCおよびメモリ回路(たとえば、バックエンドADCおよびメモリ回路115)の残りの要素の2つのインスタンスを示す。いくつかの実施形態では、メモリアレイ1850は、
図18Cに示されるように、たとえば、比較器および書き込み制御回路1852の2つのインスタンスを含むことがある(たとえば、比較器120と、正帰還回路131を含む書き込み制御回路130)。いくつかの実施形態では、各画素は、比較器および書き込み制御回路1852ならびにビット線B0~B5と通じるD0~D5を有する6ビットメモリ配置1854のインスタンスを有する。いくつかの実施形態では、MSBすなわちD5は、書き込み制御回路の対応するインスタンスに直接的に結合されるまたは間接的に結合されるように配置されることがある。このようにして、Stateの通信およびワイヤリングは、CMOSレベル出力を有するメモリの場合にメモリ配置1854に対するアライメントの修正なしでメモリアレイ1850から引き出すために比較的効率的である。これは、より低い電力消費量、高速な動作を有するDPS撮像システムを有する技術的効果を達成することができ、いくつかのタイプのメモリデバイスでは小さい画素サイズも可能にする。
【0153】
図19は、1つまたは複数の実施形態による、バックエンドADCおよびメモリ回路の例示的な動作のタイミング
図1900である。タイミング図は、
図1、
図15、または
図16に示される回路に類似した回路の各回路に適用されてよい。いくつかの実施形態では、タイミング図が適用される回路は、そのような回路は、ステートラッチ(たとえば、ステートラッチ140、1540、1640)を有する必要はなく、代わりに、State(またはState_n)としてADCコードの最上位ビット(MSB)を使用することを除いて、
図1、
図15、または
図16に示される回路のいずれか1つと同じであってよい。追加的に、タイミング
図1900は、
図18Aのデータ構造1800および1820、ならびに
図18Cのメモリアレイ1850に適用可能であってよい。
【0154】
タイミング
図1900は、状態制御をメモリアレイ1850のデータ構造に適用する重複した3Q動作の一例を示す。たとえば、タイムコードのMSB(たとえば、フラグビット1808、1812、1816のMSB)は、初期化動作を制御するためにStateとして使用されることがある。状態制御のために別のフラグビットが必要でないことがあるが、ADC1、ADC2、およびADC3を互いから区別するために使用されることがある。
図19のタイミング
図1900に示される動作およびタイミングは、
図19のSTATE_DATA(またはADCコード<5>)が、LCG ADC全体を通じて論理0に設定されるという点で、
図17のタイミング
図1700と異なる。
図19のタイミング
図1900に示されるように、タイムコード(またはADCコード<5>)のMSBは、STATE_DATAとして使用される。STATE_DATA=0は、最後のADC動作(すなわち、LCG ADC)において保たれることがある。
図19では、LCG ADCにおけるSTATE DATAは、論理0に設定される。
【0155】
いくつかの実施形態では、自動ゼロ動作は、あらゆるADC動作の前に実行されることがある。自動ゼロ動作を実行するために、COMP_RSTは1に設定されることがある(たとえば、COMP_RST=1)。いくつかの実施形態では、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)は、各自動ゼロ動作の後、COMP_SETを1に設定する(たとえば、COMP_SET=1)という初期化動作を実行することがあり、これによって、正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)がロックステータスから解除され得る。いくつかの実施形態では、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)は、COMP_SET_nを0に設定する(たとえば、COMP_SET_n=0)初期化動作を実行することがある。STATE_DATAが論理1に設定される時間期間中、比較器がフリップされるときにメモリに書き込まれるタイムコード(すなわち、ADCコード)は、1つのADCサイクル中に残りの時間にわたって保持されることがある。STATE_DATA(ADCコード<5>)は、論理1に設定されることがあるが、ADCコード<4:0>は、「100000」から「101111」まで増分する。ロック状態から解除される比較器初期化動作と、ADC動作は、上記で
図17のタイミング
図1700を参照して説明された動作と同様に行われてよい。
【0156】
【0157】
事例1 - 出力OutBが1回フリップする、
【0158】
事例2 - 出力OutBが2回フリップする、および
【0159】
事例3 - 出力OutBが3回フリップする。
【0160】
タイミング
図1900に見られるように、事例1の場合、時間t2において、出力OutB(WL)が論理1から論理0に反転されるとき、Stateは、(ADCコード<5>(すなわち、OutBが反転されるとき、タイムコードのMSB)と同じ値で保たれる。
図19に示される時間t1で始まる現在のADC動作サイクルでは、たとえば、事例1によって示されるようにADCコード<5>=1(すなわち、MSB=1)である時間t2において、OutB(WL)がタイムスタンプADC中に論理1から論理0に反転される場合、時間t2におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)はメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、時間t2においてメモリに書き込まれるタイムコードのMSBは、Stateとしてメモリから出力され、Stateは論理1に設定される(すなわち、State=1)。いくつかの場合、Stateを論理1に設定することによって、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)がロック状態にされる。ADC動作の現在のサイクルの残りの時間にわたってStateが論理1に保たれる(すなわち、State=1)場合、メモリに記憶されるADCコードは、HCG ADCまたはLCG ADCに入る前にCOMP_SETが論理1にされるときですら、ADC動作の現在のサイクルが時間t9に終わるまで、保たれる。
【0161】
事例2および事例3の場合、タイムスタンプADC中にADCコード<5>=0である間、たとえば、事例2によって示される時間t3において、または事例3によって示される時間t4において、OutB(WL)が論理1から論理0に反転される場合、時間t3または時間t4におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)は、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、ADCコード<5>=0であるため、Stateは論理0に設定される(すなわち、State=0)。したがって、事例2または事例3では、直前のHCG ADCが始まる時間t5にCOMP_SETが論理1に設定される(または、COMP_SET_nが論理0に設定される)とき、初期化回路(たとえば、初期化回路132、1532、1632)は、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)をアンロック状態にし、HCG ADCが始まった。
【0162】
事例2では、OutB(WL)は、HCG ADC中に論理1から論理0に反転される。たとえば、時間t7では、ADCコード<5>=1であるとき、時間t7におけるタイムコード(すなわち、ADCコード)は、メモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれることがあり、Stateは論理1に設定され(すなわち、State=1)、これによって、比較器(たとえば、比較器120、1520、1620)および正帰還回路(たとえば、正帰還回路131、1531、1631)が再びロック状態にされる。事例2では、ADC動作の現在のサイクルの残りの時間にわたってStateが論理1に保たれる(すなわち、State=1)場合、HCG ADCの間にメモリに記憶されるADCコードは、LCG ADCに入る前にCOMP_SETが論理1にされるときですら、ADC動作の現在のサイクルが時間t9に終わるまで、保たれる。
【0163】
事例3では、OutB(WL)は、たとえば時間t9において、LCG ADCの間に論理1から論理0に反転される。時間t9において、STATE DATA=0であり、そのため、データがメモリ(たとえば、ADCメモリ150、1550、1650)に書き込まれ、Stateは論理0に設定される(すなわち、State=0)。
【0164】
図20は、1つまたは複数の実施形態による、例示的なDPS画像センシングシステム2000の概略表現である。上記で説明された、アクティブ画素およびその構成要素のいずれも、DPS画像センシングシステム2000に組み込まれてよい。いくつかの実施形態では、DPS画像センシングシステム2000は、
図1AのDPS画像センシングシステム100Aの特徴および構成要素と類似したいくつかの特徴および構成要素を含み、前の説明が当てはまり得る。いくつかの実施形態では、DPS画像センシングシステム2000は、
図1BのDPS画像センシングシステム100Bの特徴および構成要素と類似したいくつかの特徴および構成要素を含むように修正されてよく、前の説明も当てはまり得る。DPS画像センシングシステム2000は、高密度メモリを有しながら、小さい面積を包含することがあり、これは、効率を改善することができ、容易に配置可能である。いくつかの実施形態では、ADCの多くの繰り返しが適用されるときですら、書き込み制御が、1つのラッチ回路とともに実行されることがある。このようにして、DPS画像センシングシステム2000は、独立して配置された比較器およびメモリエリアをもつ単純であるが堅牢な配置を提供し、小さい占有面積を使用する効率的なメモリの使用率を提供することができる。追加的に、フラグビットとADCデータの柔軟な組み合わせは、以下でさらに詳細に論じられるように、メモリを効率的に割り当てることができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、DPS画像センシングシステム2000は、アクティブ画素2010と、比較器2020と、ステートラッチ2040を含む書き込み制御回路2030と、読み出し/書き込みデータバス2060に動作可能に結合されたADCメモリ2050とを含む。いくつかの実施形態では、アクティブ画素2010は、画素内横型オーバーフロー蓄積容量(LOFIC)を含む。いくつかの実施形態では、アクティブ画素2010は、
図2Aおよび
図2Bのアクティブ画素210と同様に機能することがあり、前の説明が当てはまり得る。アクティブ画素2010は、上記で論じられたように、誘導された電子ドリフト電流による双方向電荷転送および完全電荷転送のために構成されることがある。いくつかの実施形態では、アクティブ画素2010は、フォトダイオード(PD)と、転送ゲート(TG)と、フローティングディフュージョンノード(FD)と、1つまたは複数の制御トランジスタ(たとえば、RST、DCG、Vbn_sf)とを含む。アクティブ画素2010は、本明細書では、第1の層センサオンチップ(SOC)画素、第1の層SOCアクティブ画素、および/またはSOCアクティブ画素と互換的に呼ばれることがある。
【0166】
いくつかの実施形態では、比較器2020、書き込み制御回路2030、ステートラッチ2040、およびADCメモリ2050は、第2の層特定用途向け集積回路(ASIC)アクティブ画素を形成し得る。第2の層ASICアクティブ画素は、本明細書では、第2の層アクティブ画素および/または第2の層ASIC画素と互換的に呼ばれることがある。
【0167】
いくつかの実施形態では、書き込み制御回路2030および/またはステートラッチ2040は、ADCメモリ2050のための状態制御を容易にすることがある。以下でさらに詳細に論じられるように、DPS画像センシングシステム2000は、効率的なメモリ使用とともに小さい画素面積をもつDPS内での複数のADC動作のために書き込み制御回路2030上で実施される新規な書き込み制御スキームを実施することがある。たとえば、いくつかの実施形態では、ステートラッチ2040は、nビットADCメモリ2050とは独立して働き、比較器2020動作を制御する。フラグビット2052は、ADC IDとして実施されてよい。いくつかの実施形態では、フラグビット2052は、ADCデータビット2054と組み合わされたnビットADCメモリ2050の一部として書き込まれることがある。
【0168】
いくつかの実施形態では、複数のADC動作のための、書き込み制御回路2030を介して実施される書き込み制御は、以下の方法に従って適用されることがある。
(1) ステートラッチ2040からstate=0が出力される第1の事例では、メモリ(たとえば、ADCメモリ2050)に書き込む書き込み動作が活性化されることがあり、データは、比較器2020がフリップすることを介して書き込まれることがある。
(2) ステートラッチ2040からstate=1が出力される第2の事例では、書き込み動作がディセーブルとされることがある。
【0169】
いくつかの実施形態では、ステートラッチ2040は、以下の書き込みスキームに従って動作することがある。
(1) stateをstate=0に初期化する。
(2) 各ADC動作のための作業ウィンドウタームとして制御信号COMP_CHECKを提供する。
(3) ウィンドウターム中に比較器(たとえば、比較器2020)出力に基づいて、state=0またはstate=1を決定する。
(4) stateがstate=1になると、メモリ(たとえば、ADCメモリ2050)は書き込まれることはできず、メモリは最後のADCデータを保つ。
(5) ADC IDのためのフラグビットは、各ADC動作のためのADCデータと組み合わされる。
【0170】
本明細書において説明されるように、1つのラッチ回路(たとえば、ステートラッチ2040)のみが、ADC動作の複数の繰り返しを制御するために使用され、ラッチ回路は、ADC動作のより多くの繰り返しの使用において効果的である。いくつかの実施形態では、フラグビット2052は、最も効率的なメモリ使用を取得するためにADCメモリ2050内のADCデータビット2054と柔軟に組み合わされることがある。そのうえ、制御信号COMP_CHECKも、本明細書では、「COMP_CHECK」および/または比較器チェック信号と互換的に呼ばれることがある。
【0171】
ADCメモリ2050は、ワード線(WL)と、Nビット線(BL)(たとえば、ビット線m~ビット線N-m)とを含んでよく、第N番目のビット線は、読み出し/書き込みデータバス2060として動作してよい。ワード線およびビット線の構造は、DPS画像センシングシステム2000によって実施されるメモリのタイプに依存することができる。たとえば、ADCメモリ2050は、ビット線がワイヤの差動ペアであるように、SRAMメモリ構造を実施することがある。いくつかの実施形態では、ADCメモリ2050は、フラッシュメモリ構造、DRAMメモリ構造、不揮発性メモリデバイス、揮発性メモリ、他のタイプの固体メモリデバイス、および/またはディスクドライブメモリデバイスを利用することがある。
【0172】
いくつかの実施形態では、ADC動作は、ADCメモリ2050上で書き込み動作として行われることがある。書き込み制御回路2030は、比較器2020の出力(たとえば、出力COMP_OUT)に基づいて、ワード線WLを制御することがある。読み出し/書き込みデータバス2060は、ランプ波形VRAMPと同期されたカウンタデータを提供することがある。出力COMP_OUTのフリッピングにおけるカウンタデータは、ADCメモリ2050に記憶されることがある。書き込まれたメモリデータは、信号WL_READによって読み出され、制御可能である。
【0173】
いくつかの実施形態では、デジタル画素センサは、小さい画素サイズのための物理的エリア(たとえば、オンチップ空間)の効率的な使用を必要とする。アクティブ画素に対する異なる感受性をもつ複数のADC動作は、高いダイナミックレンジに効果的であることができる。メモリエリアを保存するために、ADCデータは、各ADC動作を区別するために識別子として使用されるフラグビット2052とともにメモリ(たとえば、ADCメモリ2050)に保存されることがある。いくつかの実施形態では、1ビットステートラッチ(たとえば、ステートラッチ2040)が、効率的なメモリ使用に適用されることがある。ステートラッチ2040は、DPS画像センシングシステム2000内に書き込み制御回路2030の一部として独立して配置されることがある。そうすることは、堅牢なアーキテクチャ、およびフラグビットメモリがデータビットメモリから分離される既知のメモリ書き込みスキームに対する改善を提供することができ、書き込み制御回路2030の一部としても使用可能である。
【0174】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、DPS画像センシングシステム2000の回路の適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図20のアクティブ画素2010として実施されてよい。
【0175】
図21は、1つまたは複数の実施形態による、書き込み制御回路2130とデータメモリとを含む例示的なDPS画像センシングシステム2100の概略表現である。DPS画像センシングシステム2100は、
図20のDPS画像センシングシステム2000の例示的な実施形態であり、前の説明が当てはまり得る。いくつかの実施形態では、書き込み制御回路2130は、ステートラッチ2140と、1つまたは複数の書き込み制御トランジスタ2142とを含むことがある。書き込み制御回路2130は、STATE_RST=1を設定することによってゼロのstate(たとえば、state=0)と、およびワード線(WL)をWL_WRITEに接続させることによって、COMP_OUTからの信号とともに初期化されてよい。いくつかの実施形態では、COMP_CHECKは、1に設定され(たとえば、COMP_CHECK=1)、各ADC動作中に適切な時間でCOMP_OUTがフリップした(たとえば、COMP_OUT=1)かまたはフリップしていない(たとえば、COMP_OUT=0)かを決定するために適用されることがあり、これは、以下でさらに詳細に論じられる。
【0176】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、DPS画像センシングシステム2100の回路の適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図21のDPS画像センシングシステム2100のアクティブ画素として実施されてよい。
【0177】
図22は、1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング
図2200である。タイミング
図2200は、2Q ADC動作を説明し得る。たとえば、5ビットメモリは、1フラグビットおよび4ADCデータビットとして割り当てられることがある。いくつかの実施形態では、2Q動作は、タイムスタンプADCおよび線形ADCと組み合わされることがある。これは、ステートラッチデータは読み出しを実行するために必要でないので、読み出し動作および回路をあまり複雑にしないという技術的効果を達成する。追加的に、1つのメモリバンクが結合されたフラグビットおよびADCデータビットが読み出される。これは、画素サイズがワイヤ数によって制限されるとき、小さい画素を改善するという追加の技術的効果を容易にする。メモリアレイは通常、非常に密度が高く、したがって、ワイヤリングスキームを単純化することは、追加のステートラッチが必要とされる場合ですら、より小さい画素サイズをもたらす。
【0178】
タイミング
図2200では、事例1の場合、ADCサイクルのタイムスタンプADC部分に対する終了のタイミングを含めて、COMP_CHECK=1が適用され得る。比較器2120がタイムスタンプADCの第1のADC中に、時間t2でフリップされるとき、比較器2120の出力は、第1のADCの終了時にCOMP_OUT=1になり、state値もstate=1になる。事例1によって示されるように、時間t3における、第1のADCの終了時におけるCOMP_CHECK=1を含むそれまで、任意の時間が、COMP_CHECKに使用されてよい。state=1のstateは、ワード線WLがWL_READに接続されていることを示す。これは、state=1の後にメモリが上書きされないことを意味する。時間t4では、比較器2120は、論理1stateから論理0stateにフリップするが、Stateは、論理1stateで保たれるままである。比較器2120は、時間t5において、ADC動作の線形ADC部分中に論理1state(たとえば、COMP_OUT=1)に再びフリップする。しかしながら、事例1では、Stateは、時間t8におけるADC動作の終了時まで、線形ADC部分を通じてState=1に固定されたままである。
【0179】
タイミング
図2200では、事例2の場合、タイムスタンプADCの第1のADC中に比較器2120がフリップされないとき、書き込み制御回路2130は、state=0でstateを保ち、ワード線WLは依然としてWL_WRITEに接続されていることがある。時間t7では、線形ADC部分中、比較器2120は、論理0から論理1(たとえば、COMP_OUT=1)にフリップし、stateも、State=1にフリップする。いくつかの場合、メモリは、次いで、次の(たとえば、その後の)線形ADC中に書き込み可能である。
【0180】
図23A~
図23Cは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造2300、2320、および2340の概略表現である。データ構造2300、2320、および2340は、フラグビットとADCデータビットの組み合わせを有するADCデータ構造を表し得る。いくつかの実施形態は、それぞれ
図23Bおよび
図23Cのデータ構造2320および2340によって示される4ADC事例を含む。いくつかの実施形態では、3つのADCは、4ADC事例よりも少ない利点を有する。
【0181】
図23Aのデータ構造2300は、3ADC事例に対応する。
図23Aでは、データ構造2300は、フラグビットが独立して配置される場合、2つのフラグビットを含むことがある。ADCのADCデータビットは、データ構造2300内でN-2ビットになることがある。いくつかの実施形態では、デジタル画素センサシステムは、データ構造2300によって示される1.5フラグビット使用を可能にすることがある。各フラグビットは、ADC1に「00」、ADC2に「01」、およびADC3に「1」として割り当てられることがある。したがって、N-1ビットは、ADC3に割り当てられることがある。したがって、より高い解像度が、同じメモリビットに利用可能であり、書き込み制御のための1ステートラッチは、システムの物理的面積を仮定すれば、効率的であることができる。またさらに、1ステートラッチを用いた書き込み制御は、画素構造の堅牢さおよび単純さを改善し、このことは、ADC動作の数を増加させるとき、著しい技術的利点を提供する。
【0182】
図23Bおよび
図23Cのデータ構造2320および2340はそれぞれ、4つのADCを含む使用事例の例を示す。データ構造2320では、2つの(2)フラグビットは、4つのADC動作の各々に等しく割り当てられ、各解像度はN-2ビットである。データ構造2340では、異なるフラグビットおよび解像度スキームが用いられてよい。たとえば、より高い解像度のADC動作(たとえば、ADC4)では、N-1 ADCデータビットは、1フラグビットで利用可能である。ADC4は、データ構造2340の例では、N-1 ADCデータビットと、1フラグビットを含むので、より低い解像度のADC動作(たとえば、ADC1およびADC2)は、トレードオフとして3つのフラグビットをもつN-3 ADCデータビットであってよい。これは、1つのADCを使用するときですら、データ構造2340がより高い解像度を依然として達成することを可能にすることがあり、これは、デジタル画素センサ(たとえば、センシングフロントエンド回路112)の複数のADC動作に有利であることがある。データ構造2320および2340の柔軟なフラグビット配置は、メモリ使用効率を改善するという技術的効果を付与し得る。
【0183】
図24は、1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング
図2400である。いくつかの実施形態では、タイミング
図2400は、
図21の書き込み制御回路2130などの書き込み制御回路を利用する3つのADC量子化動作を説明する。タイミング
図2400では、ADC状態は、タイムスタンプADC動作と、2つの線形ADC動作とを含む。いくつかの実施形態では、2つの線形ADC動作の1つは、低変換ゲイン(LCG)のために構成されることがあり、2つの線形ADC動作の1つは、高変換ゲイン(HCG)のために構成されることがある。3つのADC動作は、1つの露光期間(たとえば、DPS画像センシングシステム2100の画素が入射した光に露光される時間の期間)中に行われることがある。いくつかの実施形態では、タイミング
図2400のADCコードによって示されるように、5ビットメモリ事例は、フラグビットとともに実施されることがある。
【0184】
タイミング
図2400は、比較器2120の3つの異なる振る舞いを示す3つの使用事例を含む。第1の事例である「事例1」では、大きい信号レベルが存在する。事例1では、比較器(たとえば、比較器2120)は、第1のADC動作(たとえば、タイムスタンプADC動作)中に、時間t3において、論理0から論理1にフリップする(たとえば、COMP_OUT=1)。その後、stateは、State=0からState=1にフリップする。stateがState=1になった後、メモリはADCメモリ2150に書き込まれず、第1のADCデータビットは、ADC動作の持続時間全体を通じて保たれる。
【0185】
第2の事例すなわち「事例2」では、中間レベルの信号レベルが存在する。事例2では、比較器(たとえば、比較器2120)は、第2のADC動作(たとえば、LCG ADC動作)中に、時間t5において、論理0から論理1にフリップする(たとえば、COMP_OUT=1)。その後、stateは、State=0からState=1にフリップする。追加的に、第2のADC動作(たとえば、LCG ADC動作)中、COMP_CHECK=1であるとき、第2のADCデータビットが記憶される。
【0186】
第3の事例すなわち「事例3」では、低い信号レベルが存在する。事例3では、比較器(たとえば、比較器2120)は、第2のADC動作中に、時間t7において、論理0から論理1にフリップする(たとえば、COMP_OUT=1)。しかしながら、事例3では、比較器がフリップするとき、COMP_CHECK=0であるので、stateはState=0として保たれ得る。COMP_CHECK=0は、LCG ADC動作において、非常に小さい信号タームに割り当てられることがある。メモリ(たとえば、ADCメモリ2150)は、第3のADC動作(たとえば、HCG ADC動作)中に再び書き込まれることがある。
【0187】
図25は、1つまたは複数の実施形態による、比較器2520と書き込み制御回路2530とステートラッチ2540とを含む例示的なシステム2500の概略表現である。いくつかの実施形態では、システム2500の1つまたは複数の構成要素は、DPS画像センシングシステム2000内に含まれることがある。書き込み制御回路2530は、フィードバック信号FBを出力する正帰還回路2531を含む。正帰還回路2531がFBを0から1にフリップさせた後、比較器2520の出力「OutA」の値にかかわらず、FB=1は保たれ得る。COMP_SET_nは、次いで、書き込み制御回路2530のOutBを1に(たとえば、OutB=1)、FBを0に(たとえば、FB=0)設定するように、初期化動作のために1に設定されることがある(たとえば、COMP_SET_n=1)。
【0188】
いくつかの実施形態では、初期化動作は、State=0を設定することによって始められることがある。COMP_SET_nも1に設定される(たとえば、COMP_SET_n=0)とき、OutBが1になる(たとえば、OutB=1)ので、初期化は完了する。ステートラッチ2540は、初期化動作を制御するために「State」を出力してよく、比較器2520は、0に設定されたState(たとえば、State=0)に対してのみ機能する。
【0189】
いくつかの実施形態では、比較器2520の動作は、以下のようであることがある。
(1)リセットレベルのVRAMPを伴って、COMP_RST=1を用いて自動ゼロ動作を実行する。
(2)COMP_RSTがCOMP_RST=0になった後、初期化動作は、COMP_SET_n=0および開始レベルのVRAMPとともに完了する。追加的に、OutBは、State=0であるときはOutB=1になる、またはState=1であるときはOutB=0になる。
(3)VRAMPの立ち上げ動作は前者の場合に実行され、ADCデータは、比較器2520がフリップするとき、ADCメモリに書き込み可能である。追加的に、OutBはOutB=0で保たれ、データは、ワード線WL=0であるので、メモリに書き込まれない。
【0190】
いくつかの実施形態では、OutA=0(たとえば、GND)は、自動ゼロ動作後に適切なVRAMP電圧を用いて設定可能であるので、COMP_SET_nによってOutAからGNDの間で制御されるスイッチが除去されることがある。OutBは、COMP_SET_n=0の場合にOutB=1になることがあり、State=0は、適切なVRAMP電圧とともに追加される。いくつかの実施形態では、STATE_DATAは、ステートラッチ2540に接続されることがあり、
図25に示されるように、スイッチを使用してnMOSトランジスタペアを通じて2つの反転器と組み合わされることがある。この場合、比較器2520がワード線WLを1から0に(たとえば、WL=1からWL=0に)させるとき、stateノードは、比較器2520のフリッピング時にState=STATE_DATAとして固定される。ADCメモリ(たとえば、ADCメモリ2050)は、ビット線データも同時に記憶することがある。STATE_DATAは、適切な状態に設定されるように意図的に制御される。
【0191】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、DPS画像センシングシステム2500の回路の適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図25のDPS画像センシングシステム2500のアクティブ画素として実施されてよい。
【0192】
図26は、比較器2620と書き込み制御回路2630とステートラッチ2640とを含む例示的なシステム2600の概略表現である。いくつかの実施形態では、nMOSトランジスタ2634が、COMP_SET_n信号とFB信号の両方のためのCMOS構造として、
図25の書き込み制御回路2530と比較して、書き込み制御回路2630に追加されることがある。いくつかの実施形態では、書き込み制御回路2630の正帰還回路のフリッピングは、nMOSトランジスタ2634とともに加速可能である。nMOSスイッチも、比較器2620のOutAと接地(GND)の間に、書き込み制御回路2630に追加されることがある。これは、キャパシタCLの大きい値のためのシステム2600の初期化を実行するとき、大きい遅延を防止し得る。
【0193】
図2A~
図14からの実施形態によって説明されるアクティブ画素のうちの任意の1つまたは複数は、DPS画像センシングシステム2600の回路の適切な修正が、当業者によって理解されるようになされる限り、
図26のシステム2600のアクティブ画素として実施されてよい。
【0194】
図27は、1つまたは複数の実施形態による、ADCの例示的な動作のタイミング
図2700である。いくつかの実施形態では、タイミング
図2700は、
図26の比較器2620を使用することがある重複する3つの量子化動作を説明し得る。いくつかの実施形態では、タイミング
図2700によって説明される3つの量子化動作は、
図24のタイミング
図2400において説明される3つの量子化動作と同じであるかまたはこれに類似してよいが、HCG ADC動作およびLCG ADC動作の順序は逆転される。
【0195】
タイミング
図2700に見られるように、HCG ADC動作中、高VRAMP電圧に対してフリップするための暗信号は、HCG ADCデータとして蓄積されることが望ましく、低VRAMP電圧に対してフリップするための明信号レベルは、LCG ADCデータによって上書きされることが望ましい。タイミング
図2700では、事例1、事例2、および事例3という3つの使用事例が提示される。事例1では、出力OutBは、論理0から論理1に1回フリップする。事例2では、出力OutBは、論理0から論理1に2回フリップする。事例3では、出力OutBは、論理0から論理1に3回フリップする。OutBが1から0に(たとえば、OutB=1からOutB=0に)フリップするとき、STATE_DATA=1である場合、stateは、0から1に(たとえば、state=0からstate=1に)なり得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、
図25~
図26に示される、正帰還回路とステートラッチ構造(たとえば、ステートラッチ2640)の組み合わせは、融通をきかせて(versatilely)適用されてよい。たとえば、COMP_CHECK=1であるとき、OutA=0を検出することに応答して、ステートラッチ2140はstateを1にする(たとえば、state=1)ので、
図21の比較器2120は前述の動作を実行することはできない。HCG ADC動作において記憶されるデータは、LCG ADC動作を使用してデータを上書きするのではなく、あらかじめフリップされてよいが、フリッピングタイミングは反転される。したがって、DPS画像センシングシステム2100は、この特定の使用事例において問題となり得る制御スキームを用いる。一方、比較器2520がフリップするとき、ステートラッチ2540の状態信号はSTATE_DATAであり、システム2500を、前述の使用事例に関してDPS画像センシングシステム2100よりも柔軟にするので、システム2500は、この特定の事例により適することがある。
【0197】
図28A~
図28Cは、1つまたは複数の実施形態による、例示的なデータ構造2800、2820、および2840の概略表現である。データ構造2800、2820、および/または2840を使用して、デジタル画素センサシステム内での複数のADC動作のための効率的なメモリ使用を提供するための方法に関する1つまたは複数の実施形態が、本明細書において追加的に説明される。データ構造2800、2820、および2840は、フォトダイオードをもつアクティブ画素、比較器、nビットメモリ、状態制御のためのステートラッチ、または他の構成要素を含む画素構造を有するシステムにおける使用のために構成される。たとえば、データ構造2800、2820、および2840は、DPS画像センシングシステム2000などのDPS撮像センシングシステムとともに使用されることがある。いくつかの実施形態では、データ構造2800、2820、および2840は、
図1の書き込み制御回路130、
図20の書き込み制御回路2030、ならびに本明細書において説明される他の書き込み制御回路などの書き込み制御回路内での使用のために構成されることがある。上記で論じられたように、ステートラッチの回路は、メモリから独立して働き、比較器動作を制御し得る。いくつかの実施形態では、ADC識別子として使用され得るメモリ内のフラグビットは、nビットメモリの一部として書き込まれ、ADCデータ(たとえば、ADCデータビット)と組み合わされることがある。
【0198】
図28Aのデータ構造2800は、3回ADC動作が実行される事例における使用のために構成されることがある。データ構造2820および2840は各々、4つのADC動作が実行される事例における使用のために構成されることがある。多くのDPSシステムの場合、ほとんどの面積は、実施されているメモリのタイプ(たとえば、SRAM、DRAMなど)にかかわらずメモリ部分によって消費される。このことは、各ADC動作が少なくともメモリの第Nのビットを必要とするので、複数のADC動作が実行される事例において特に生じ得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、複数のADC動作に使用される書き込み制御回路(たとえば、書き込み制御回路2030)は、データ構造2800、2820、および/または2840を利用することがある。いくつかの実施形態では、データ構造2800、2820、および2840は、フラグビットとADCデータビットを組み合わせることがある。データ構造2800、2820、および2840は、さまざまな解像度割り当てのための柔軟性を発揮することによってメモリの効率的な使用法を提供する。異なる長さのフラグビットとADCデータビットの組み合わせを使用して、異なるADC解像度は、各ADC動作に適用され、効率的な様式でメモリに割り当て可能であるフラグビットおよびADCデータビットの柔軟な通信を提供する技術的効果を付与することができる。より高い解像度は、どれくらい多くのADC動作が実行されるかにかかわらず、N-1ADCデータビットに割り当てられることがある。追加的に、状態制御に最上位ビット(MSB)を使用することによって、使用されるいくつかのメモリビットが節約可能である。
【0200】
いくつかの実施形態では、データ構造2800は、1.5フラグビットが使用されることを可能にすることがある。データ構造2800の場合、第1のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC1)は、値「0 0」が割り当てられることがあり、第2のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC2)は、値「0 1」が割り当てられることがあり、第3のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC3)は、値「1」が割り当てられることがある。データ構造2800は、N-1ビットが、最後のADC動作(たとえば、ADC3)に割り当てられることを可能にし、より高い解像度が同じメモリビット上で利用可能であることを可能にする。いくつかの実施形態では、1つのステートラッチが、書き込み制御のために含まれるが、面積効率も良いことがある。いくつかの実施形態は、2つのフラグビットと、1つの書き込み制御信号のための論理回路とを含むことがある。いくつかの実施形態では、1つのステートラッチをもつ書き込み制御回路は、増加した量のADC動作に対して効率的な改善した単純な簡略化された画素構造を可能にする。
【0201】
いくつかの実施形態では、データ構造2820は、4つのADC動作を含む。データ構造2820の場合、第1のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC1)は、値「0 0 0」が割り当てられることがあり、第2のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC2)は、値「0 0 1」が割り当てられることがあり、第3のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC3)は、値「0 1」が割り当てられることがあり、第4のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC4)は、値「1」が割り当てられることがある。データ構造2820は、第1のADC動作および第2のADC動作のための3ビットフラグビットと、第3のADC動作のための2ビットフラグビットと、第4のADC動作のための1ビットフラグビットとを含む。追加的に、ADCデータビットは、第1のADC動作および第2のADC動作のためのN-3ビットと、第3のADC動作および第4のADC動作のためのN-2ビットであってよい。
【0202】
いくつかの実施形態では、データ構造2840は4つのADC動作を含み、各解像度(たとえば、各ADC動作の解像度)はN-2ビットであってよい。データ構造2840の場合、第1のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC1)は、値「0 0」が割り当てられることがあり、第2のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC2)は、値「0 1」が割り当てられることがあり、第3のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC3)は、値「1 0」が割り当てられることがあり、第4のADC動作と関連づけられたフラグビット(たとえば、ADC4)は、値「1 1」が割り当てられることがある。
【0203】
フラグビットが、データ構造2820および2840と同様に割り当てられる場合、最上位ビットは、状態信号として使用可能である。たとえば、データ構造2820によって記憶される最後のADC動作の最上位ビットは「1」である。データ構造2820によって記憶される他のADC動作の各々の最上位ビットは「0」である。データ構造2820および2840は、柔軟なフラグビット配置を可能にし、これは、デジタル画素センシングシステムによるメモリ使用の効率を改善する技術的効果を付与する。
【0204】
請求項において、丸括弧の間に置かれる任意の参照符号は、請求項を制限すると解釈されるべきではない。「備える」または「含む」という単語は、請求項にリストされた要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を除外するものではない。いくつかの手段を列挙するデバイス請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの同一の品目によって実施されてよい。要素に先行する「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語は、複数のそのような要素の存在を除外するものではない。いくつかの手段を列挙する任意のデバイス請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの同一の品目によって実施されてよい。いくつかの要素が、相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの要素は組み合わせて使用できないことを示すものではない。
【0205】
上記で提供された説明は、最も実際的で好ましい実施形態であると、現在考えられるものに基づいて図示の目的で詳細を提供するが、そのような詳細はそれだけを目的にしており、本開示は、明示的に開示される実施形態に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内である修正形態および等価な配置を包含することを意図することが理解されるべきである。たとえば、本開示は、可能な範囲内で、任意の実施形態の1つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であることを企図したものであることが理解されるべきである。
【0206】
追加の例示的な実施形態は、以下の列挙される実施形態への参照を備える。
A1.バックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路であって、バックエンドADCおよびメモリ回路は、
アクティブ画素に動作可能に結合され、アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
書き込み制御回路と、
この書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
書き込み制御回路に動作可能に結合されたステートラッチであって、ADCメモリへの書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御するように構成されたステートラッチと
を備える。
A2.実施形態A1のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADC動作は、ステートラッチを使用して制御される。
A3.実施形態A2のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ステートラッチは、ADC動作を制御するために1ビットブール制御信号を出力するように構成される。
A4.実施形態A1からA3のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADC動作は、タイムスタンプADC動作、高変換ゲインADC動作、または低変換ゲインADC動作のうちの少なくとも1つを含む。
A5.実施形態A1からA4のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ステートラッチから出力される制御信号は、ADCメモリに動作可能に結合されたワード線をフリップすることによってADCメモリへの書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを制御する。
A6.実施形態A1からA5のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、
第1の入力として比較器からの出力を、第2の入力として正帰還回路の出力を受け取るように構成された正帰還回路
を備える。
A7.実施形態A6のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、正帰還回路は、反転器を備える。
A8.実施形態A1からA7のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、トランジスタのペアを備える初期化回路を備え、このトランジスタのペアは、NANDゲートとして機能するように構成される。
A9.実施形態A7からA8のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、正帰還回路の出力が第1の値であるとき、正帰還回路はロック状態である。
A10.実施形態A9のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1の値は、論理0または論理1を含む。
A11.実施形態A8からA10のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、初期化回路は、ステートラッチから出力された制御信号を使用して正帰還回路のロック状態を解除するように構成される。
A12.実施形態A1からA10のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、
比較器の出力と関連づけられた第1のトランジスタと、
正帰還回路の出力と関連づけられた第2のトランジスタとを備える正帰還回路と、
第3のトランジスタおよび第4のトランジスタから形成されるトランジスタペアを備える初期化回路と
を備える。
A13.実施形態A12のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1のトランジスタのゲートの論理状態または第2のトランジスタのゲートの論理状態がハイである場合、書き込み制御回路の出力は第1の値であり、第3のトランジスタのゲートの論理状態と第4のトランジスタのゲートの論理状態の両方がローである場合、書き込み制御回路の出力は第2の値である。
A14.実施形態A12からA13のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第3のトランジスタのゲートの論理状態または第4のトランジスタのゲートの論理状態がハイである場合、書き込み制御回路の出力は第1の値である、または第3のトランジスタのゲートの論理状態と第4のトランジスタのゲートの論理状態の両方がローである場合、書き込み制御回路の出力は第2の値である。
A15.実施形態A13からA14のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1の値は論理1を含み、第2の値は論理0を含む、または第1の値は論理0を含み、第2の値は論理1を含む。
A16.実施形態A1からA15のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、読み出し動作を実行するように構成された読み出し/書き込み制御回路を備える。
A17.撮像システムであって、
アクティブ画素と、
実施形態A1からA16のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路と
を備える。
A18.実施形態A16の撮像システムであって、比較器は、アクティブ画素に動作可能に結合される。
B1.撮像システムであって、
アクティブ画素と、
このアクティブ画素に動作可能に結合され、アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
アクティブ画素に動作可能に結合されたバックエンドADCアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路と
を備え、バックエンドADCおよびメモリ回路は、
読み出し/書き込み制御回路と、
読み出し/書き込みデータバスおよび読み出し/書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
読み出し/書き込み制御回路およびADCメモリに動作可能に結合されたステートラッチ
とを備える。
B2.実施形態B1の撮像システムであって、読み出し/書き込み制御回路は、
ステートラッチに動作可能に結合されたNANDゲートと、
比較器に動作可能に結合されたNORゲートと、
NANDゲートとNORゲートを結合するように構成されたスイッチと
を備え、
NANDゲートは、入力として、ステートラッチから出力された第1の信号および読み出し/書き込み制御回路を設定するための第2の信号を受け入れ、NORゲートは、入力として、比較器から出力された比較器出力信号およびNANDゲートによって出力されるNAND出力信号を受け入れる。
B3.実施形態B2の撮像システムであって、
反転器デバイスがNORゲートの出力の値を反転させるようにNORゲートおよびADCメモリに動作可能に結合された反転器デバイス
をさらに備える。
B4.実施形態B3の撮像システムであって、アナログ-デジタル変換プロセスを始めるために、第2の信号は第1の値に設定され、スイッチをNANDゲートおよびNORゲートと結合させ、比較器出力信号は、出力値を有する。
B5.実施形態B3からB4のいずれか1つの撮像システムであって、第1の信号が第2の値に設定されることに応答して、NANDゲートの出力はゼロの値を有し、NORゲートの出力は1の値を有し、比較器は、(i)ゼロの値を有する反転器デバイスの出力においてノードによって初期化され、(ii)第2の信号にゼロの値を有させる。
B6.実施形態B4の撮像システムであって、それぞれ、第1の値は論理1または論理0であり、第2の値は論理0または論理1であり、出力値はゼロである。
B7.実施形態B3からB6のいずれか1つの撮像システムであって、第1の信号がゼロの値に設定されることに応答して、反転器デバイスの出力におけるノードは、第2の信号がゼロの値を有するように設定された後、1の値に保たれる。
B8.実施形態B3からB7のいずれか1つの撮像システムであって、データは、第1の信号が1の値に設定されることに応答して、比較器によってADCメモリに書き込まれる。
B9.実施形態B3からB8のいずれか1つの撮像システムであって、自動ゼロ動作は、1の値を有するように比較器リセット信号を設定することによって比較器に対して実行され、比較器は、入力として、(i)比較器リセット信号またはアクティブ画素の出力、および(ii)リセットレベルに設定されたランプ電圧を受け入れる。
B10.実施形態B9の撮像システムであって、自動ゼロ動作は、1の値を有するように比較器リセット信号を設定することによって、各ADC動作の前に実行される。
B11.実施形態B9からB10のいずれか1つの撮像システムであって、初期化動作は、自動ゼロ動作の後で比較器に対して実行され、初期化動作は、反転器デバイスの出力におけるノードが、第2の信号が値の値に設定されることに応答して、1の値からゼロの値になることを含む。
B12.実施形態B11の撮像システムであって、反転器の出力におけるノードは、ステートラッチから出力された第1の信号が1の値に設定されることに対して、ゼロの値を有し、反転器の出力におけるノードは、ステートラッチから出力された第1の信号がゼロの値に設定されることに対して、1の値に保たれる。
B13.実施形態B3からB12のいずれか1つの撮像システムであって、
ステートラッチに動作可能に結合されたnMOSトランジスタのペア
をさらに備える。
B14.実施形態B3からB13のいずれか1つの撮像システムであって、読み出し/書き込み制御回路はnMOSトランジスタをさらに備え、このnMOSトランジスタは、反転器デバイスの出力におけるノードの値が切り換わるスピードを増加させる。
B15.実施形態B1からB14のいずれか1つの撮像システムであって、ADCメモリにデータを記憶するために使用されるデータ構造は、バックエンドADCおよびメモリ回路の状態制御に使用される構成されるフラグビットを含む。
C1.バックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路であって、
読み出し/書き込み制御回路と、
読み出し/書き込みデータバスおよび読み出し/書き込み制御回路に動作可能に結合されたADCメモリと、
読み出し/書き込み制御回路およびADCメモリに動作可能に結合されたステートラッチであって、バックエンドADCおよびメモリ回路は、アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器に動作可能に結合され、読み出し/書き込み制御回路は、ステートラッチに動作可能に結合されたNANDゲートと、比較器に動作可能に結合されたNORゲートと、NANDゲートとNORゲートを結合するように構成されたスイッチとを備え、NANDゲートは、入力として、ステートラッチから出力された第1の信号および読み出し/書き込み制御回路を設定するための第2の信号を受け入れ、NORゲートは、入力として、比較器から出力された比較器出力信号およびNANDゲートによって出力されるNAND出力信号を受け入れる、ステートラッチと
反転器デバイスがNORゲートの出力の値を反転させるようにNORゲートおよびADCメモリに動作可能に結合された反転器デバイス
を備える。
C2.実施形態C1のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、アナログ-デジタル変換プロセスを始めるために、第2の信号は1の値に設定され、スイッチをNANDゲートおよびNORゲートに結合させ、比較器出力信号は、ゼロの値を有するように出力する。
C3.実施形態C1からC2のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1の信号が1の値に設定されることに応答して、NANDゲートの出力はゼロの値を有し、NORゲートの出力は1の値を有し、比較器は、(i)ゼロの値を有する反転器デバイスの出力においてノードによって初期化され、(ii)第2の信号にゼロの値を有させる。
C4.実施形態C1からC3のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1の信号がゼロの値に設定されることに応答して、反転器デバイスの出力におけるノードは、第2の信号がゼロの値を有するように設定された後、1の値に保たれる。
C5.実施形態C1からC4のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、自動ゼロ動作は、1の値を有するように比較器リセット信号を設定することによって比較器に対して実行され、比較器は、入力として、(i)比較器リセット信号またはアクティブ画素の出力、および(ii)リセットレベルに設定されたランプ電圧を受け入れ、自動ゼロ動作は、1の値を有するように比較器リセット信号を設定することによって、各ADC動作の前に実行される。
C6.実施形態C1からC5のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、反転器の出力におけるノードは、ステートラッチから出力された第1の信号が1の値に設定されることに対して、ゼロの値を有し、反転器の出力におけるノードは、ステートラッチから出力された第1の信号がゼロの値に設定されることに対して、1の値に保たれる。
D1.完全画素内電荷転送機能を有するデジタル画素センサ(DPS)撮像システムにおいて使用するためのアクティブ画素であって、
第1のフォトダイオードと、
第1のフォトダイオードに動作可能に結合された第1の転送ゲートと、
第1のフォトダイオードに動作可能に結合された第2の転送ゲートと、
を備え、
第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートは、第1のフォトダイオードの両側に存在し、第1のフォトダイオード内の電子ドリフト電流は、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートへの第1のフォトダイオードの電荷の2方向電荷転送を引き起こす。
D2.実施形態D1のアクティブ画素であって、電子ドリフト電流に対応する電子流は、第1のフォトダイオードの第1の側から第1のフォトダイオードの第2の側に向けられ、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートは、第1のフォトダイオードの第2の側に置かれる。
D3.実施形態D1からD2のいずれか1つのアクティブ画素であって、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートは、フローティングディフュージョン層として構成される、ポリ層および電荷ウェル層と交差するアクティブ層を含む。
D4.実施形態D1からD3のいずれか1つのアクティブ画素であって、
第1の転送ゲートに動作可能に結合された第1のフローティングディフュージョンノードと、
第2の転送ゲートに動作可能に結合された第2のフローティングディフュージョンノードと
をさらに備える。
D5.実施形態D1からD3のいずれか1つのアクティブ画素であって、
第1の転送ゲートに動作可能に結合されたフローティングディフュージョンノードと、
第2の転送ゲートに動作可能に結合され、第2の転送ゲートによって出力された電荷を受け取るように構成されたドレインと
をさらに備える。
D6.実施形態D1からD5のいずれか1つのアクティブ画素であって、電子ドリフト電流は、第1のフォトダイオードの不純物濃度勾配に基づいて電界がアクティブ画素に印加されることに応答して生成される。
D7.実施形態D1からD3およびD6のいずれか1つのアクティブ画素であって、
第2のフォトダイオードと、
第2のフォトダイオードに動作可能に結合された第3の転送ゲートと、
第2のフォトダイオードに動作可能に結合された第4の転送ゲートと
をさらに備え、
第3の転送ゲートおよび第4の転送ゲートが第2のフォトダイオードの両側に存在し、第2のフォトダイオード内の電子ドリフト電流は、第3の転送ゲートおよび第4の転送ゲートへの第2のフォトダイオードの電荷の2方向電荷転送を引き起こす。
D8.実施形態D7のアクティブ画素であって、電子ドリフト電流が、第2のフォトダイオードの第1の側から第2のフォトダイオードの第2の側に向けられ、第1のフォトダイオード内の電子ドリフト電流の方向が、第2のフォトダイオード内の電子ドリフト電流の方向の反対であり、第3の転送ゲートおよび第4の転送ゲートは、第2のフォトダイオードの第2の側に置かれる。
D9.実施形態D7からD8のいずれか1つのアクティブ画素であって、第3の転送ゲートおよび第4の転送ゲートは、第2のフォトダイオードの両側に非対称的に存在する。
D10.実施形態D8からD9のアクティブ画素であって、
第1の転送ゲートおよび第3の転送ゲートに動作可能に結合された第1のフローティングディフュージョンノードと、
第2の転送ゲートおよび第4の転送ゲートに動作可能に結合された第2のフローティングディフュージョンノードと
をさらに備える。
D11.実施形態D8からD9のアクティブ画素であって、
第1の転送ゲートおよび第3の転送ゲートに動作可能に結合された第1のフローティングディフュージョンノードと、
第2の転送ゲートおよび第4の転送ゲートに動作可能に結合されたドレインと
をさらに備える。
D12.実施形態D7からD8のアクティブ画素であって、
第3のフォトダイオードと、
第4のフォトダイオードと、
第3のフォトダイオードに動作可能に結合された第5の転送ゲートと、
第3のフォトダイオードに動作可能に結合された第6の転送ゲートと、
第4のフォトダイオードに動作可能に結合された第7の転送ゲートと、
第4のフォトダイオードに動作可能に結合された第8の転送ゲートと
をさらに備え、
第5の転送ゲートおよび第6の転送ゲートは第3のフォトダイオードの両側に存在し、第7の転送ゲートおよび第8の転送ゲートは第4のフォトダイオードの両側に存在する。
D13.実施形態D12のアクティブ画素であって、第5の転送ゲートおよび第6の転送ゲートは、第3のフォトダイオードの両側に非対称的に存在する。
D14.実施形態D12からD13のいずれか1つのアクティブ画素であって、第7の転送ゲートおよび第8の転送ゲートは、第4のフォトダイオードの両側に非対称的に存在する。
D15.実施形態D11からD14のいずれか1つのアクティブ画素であって、第3のフォトダイオード内の電子ドリフト電流に対応する電子流は、第5の転送ゲートおよび第6の転送ゲートへの第3のフォトダイオードの電荷の2方向電荷転送を引き起こし、第4のフォトダイオード内の電子ドリフト電流は、第7の転送ゲートおよび第8の転送ゲートへの第4のフォトダイオードの電荷の2方向電荷転送を引き起こす。
D16.請求項D11からD15のいずれか1つのアクティブ画素であって、
第1のフォトダイオードの第1の転送ゲートおよび第2のフォトダイオードの第3の転送ゲートに動作可能に結合された第1のドレインと、
第3のフォトダイオードの第6の転送ゲートおよび第4のフォトダイオードの第8の転送ゲートに動作可能に結合された第2のドレインと、
第1のフォトダイオードの第2の転送ゲート、第2のフォトダイオードの第4の転送ゲート、第3のフォトダイオードの第5の転送ゲート、および第4のフォトダイオードの第7の転送ゲートに動作可能に結合されたフローティングディフュージョンノードと
をさらに備える。
D17.請求項D11からD15のいずれか1つのアクティブ画素であって、
第1のフォトダイオードの第1の転送ゲートおよび第2のフォトダイオードの第3の転送ゲートに動作可能に結合された第1のフローティングディフュージョンノードと、
第1のフォトダイオードの第2の転送ゲート、第2のフォトダイオードの第4の転送ゲート、第3のフォトダイオードの第5の転送ゲート、および第4のフォトダイオードの第7の転送ゲートに動作可能に結合された第2のフローティングディフュージョンノードと、
第3のフォトダイオードの第6の転送ゲートおよび第4のフォトダイオードの第8の転送ゲートに動作可能に結合された第3のフローティングディフュージョンノードと
をさらに備える。
D18.実施形態D1からD17のいずれか1つのアクティブ画素であって、電子ドリフト電流は、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートへの第1のフォトダイオードの電荷の2方向電荷転送を引き起こし、電子ドリフト電流は、電界が第1のフォトダイオード内で生成されることに応答して形成される。
D19.実施形態D15のアクティブ画素であって、第1のフォトダイオードは、第1の層と、第2の層とを備え、電界は、第1のフォトダイオードが、各々が異なる不純物濃度を有する第1の層および第2の層から生じる不純物濃度勾配を有することに基づいて第1のフォトダイオード内で生成される。
D20.実施形態D19のアクティブ画素であって、第1のフォトダイオードは、第1の層および第2の層とは異なる不純物濃度を有する少なくとも1つの追加の層を備え、電界の大きさおよび方向は、第1のフォトダイオードが含む層の数に基づいて調整される。
D21.実施形態D1からD20のいずれか1つのアクティブ画素であって、第1のフォトダイオードは双方向電荷転送フォトダイオードである。
D22.実施形態D1からD21のいずれか1つのアクティブ画素であって、アクティブ画素は、裏面照射および埋め込み型フォトダイオードを実施する。
D23.実施形態D1からD20のいずれか1つのアクティブ画素であって、Time of Flight(ToF)測定は、アクティブ画素を使用して決定される。
D24.実施形態D1からD23のいずれか1つのアクティブ画素であって、第1の転送ゲートおよび第2の転送ゲートは、第1のフォトダイオードの両側に非対称的に存在する。
D25.完全画素内電荷転送機能のためのデジタル画素センサ(DPS)撮像システムであって、DPS撮像システムは、
1つまたは複数のアクティブ画素
を備え、
1つまたは複数のアクティブ画素の各々は、実施形態D1からD24のいずれか1つのアクティブ画素を備える。
D26.請求項D25のDPS撮像システムであって、
第2のフローティングディフュージョンノードまたはドレインに動作可能に結合されたキャパシタ
をさらに備える。
E1.特定用途向け集積回路(ASIC)アクティブ画素であって、
SOCアクティブ画素のフォトダイオードの出力を受け取るように構成された比較器と、
比較器およびステートラッチに動作可能に結合された読み出し/書き込み制御回路であって、比較器から出力を受け取り、比較器からの出力およびステートラッチの状態に基づいて読み出し動作または書き込み動作が行われるべきかを決定するように構成された読み出し/書き込み制御回路と、
読み出し/書き込み制御回路および読み出し/書き込みデータバスに動作可能に結合されたアナログ-デジタル変換(ADC)メモリと
を備える。
E2.実施形態E1のASICアクティブ画素であって、ADCメモリは、ワード線と、複数のビット線とを備え、読み出し/書き込み制御回路は、比較器からの出力に基づいてワード線を制御するように構成される。
E3.実施形態E1からE2のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、ASICアクティブ画素の初期化中、リセット信号は、ステートラッチの状態をゼロに初期化するために使用され、ワード線は、ADCメモリをワード線書き込み接続に結合するように構成され、ワード線書き込み接続は、比較器からの出力に基づく値を有する。
E4.実施形態E1からE3のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、各アナログ-デジタル変換(ADC)動作中、比較器チェック信号は、比較器が1の値からゼロの値にフリップしたかゼロの値から1の値にフリップしたかを決定するために比較器の出力に適用される。
E5.実施形態E1からE4のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、第1のアナログ-デジタル変換(ADC)動作中の比較器フリッピングに対して、1の値を有する比較器チェック信号は、第1のADC動作の終了時に読み出し/書き込み制御回路に適用され、ステートラッチの状態の値は1であり、ADCメモリのワード線は、データがADCメモリ内で上書きされないように、ワード線読み出し接続に接続される。
E6.実施形態E1からE5のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、比較器は、第1のアナログ-デジタル変換(ADC)動作中にフリップせず、ステートラッチの状態の値はゼロに保たれ、ADCメモリのワード線は、第2のADC動作中にデータがADCメモリに書き込まれるようにワード線書き込み接続に接続される。
E7.実施形態E1からE6のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、ADCメモリは、1つのフラグビットと4ビットADCデータとを有する5ビットメモリを備える。
E8.実施形態E1からE7のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、3つのADC動作の場合、ADCメモリは1.5フラグビットを備える。
E9.実施形態E8のASICアクティブ画素であって、3つのADC動作の第1のADC動作のためのフラグビットは、00の値が割り当てられ、3つのADC動作の第2のADC動作のためのフラグビットは、01の値が割り当てられ、3つのADC動作の第3のADC動作のためのフラグビットは、1の値が割り当てられ、ADCメモリは、第1のADC動作および第2のADC動作のためのN-2ビットのADCデータを備え、ADCメモリは、第3のADC動作のためのN-1ビットのADCデータを備える。
E10.実施形態E1からE7のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、4つのADC動作の場合、ADCメモリは、4つのADC動作の各々のために、2つのフラグビットと、N-2ビットのADCデータとを備える。
E11.実施形態E1からE7のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、4つのADC動作の場合、ADCメモリは、
第1のADC動作および第2のADC動作のための3つのフラグビットとN-3ビットのADCデータと、
第3のADC動作のための2つのフラグビットとN-2ビットのADCデータと、
第4のADC動作のための1つのフラグビットとN-1ビットのADCデータと
を備える。
E12.実施形態E1からE11のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、読み出し/書き込みデータバスによって提供されるデータは、比較器への入力として提供されるランプ関数の波形と同期され、データは、比較器フリッピングの出力に基づいてADCメモリに記憶される。
E13.実施形態E1からE12のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、ADCデータはADCメモリに記憶され、ADCデータは、実行される各ADC動作のための識別子として使用されるように構成された1つまたは複数のフラグビットを備える。
E14.実施形態E1からE13のいずれか1つのASICアクティブ画素であって、ASICアクティブ画素は、1つまたは複数のフォトダイオードを備えるシステムオンチップ(SOC)アクティブ画素に動作可能に結合される。
E15.撮像システムであって、実施形態E1からE14のいずれか1つのASICアクティブ画素を備える。
E16.アナログ-デジタル変換(ADC)回路であって、実施形態E1からE14のいずれか1つのASICアクティブ画素を備える。
E17.デジタル画素センシング(DPS)撮像システムであって、実施形態E1からE14のいずれか1つのASICアクティブ画素を備える。
F1.撮像システムであって、
フォトダイオードと複数のトランジスタとを備えるアクティブ画素と、
アクティブ画素に動作可能に結合され、アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
比較器に動作可能に結合された書き込み制御回路であって、比較器から出力を受け取るように構成された書き込み制御回路と、
書き込み制御回路に動作可能に結合されたアナログ-デジタル変換(ADC)メモリと
を備え、
データ構造はADCメモリに記憶され、データ構造は、少なくとも第1のデータ文字列を記憶するように構成され、第1のデータ文字列は、実行される各ADC動作を識別するためのフラグビットのセットと、ADCデータビットのセットとを含む。
F2.実施形態F1の撮像システムであって、ADCメモリにデータを書き込むための書き込み動作は、第1のデータ文字列の最上位ビットに基づいて活性化され、データは、比較器フリッピングの出力に応答してADCメモリに書き込まれる。
F3.実施形態F2の撮像システムであって、第1のデータ文字列の最上位ビットは第1の値が割り当てられ、ADCメモリは、比較器フリッピングの出力に応答してADCコードを保持するように構成される。
F4.実施形態F2からF3のいずれか1つの撮像システムであって、ADCメモリに書き込まれるデータは、ADC動作中にADCメモリに書き込まれるタイムコードを含む。
F5.実施形態F1からF4のいずれか1つの撮像システムであって、データ構造は、ADC動作中にメモリに書き込まれるタイムコードに対応する第2のデータ文字列を記憶するようにさらに構成され、第2のデータ文字列は、実行される各ADC動作を識別するためのフラグビットのセットと、ADCデータビットのセットとを含み、第2のデータ文字列のフラグビットのセットのフラグビットは、ADCメモリに書き込まれるタイムコードの最上位ビットを含む。
F6.実施形態F5の撮像システムであって、書き込み制御回路は、
正帰還回路
を備え、
ADCコードは、正帰還回路がロック状態で保持されることによって、第2のデータ文字列によって保持されない。
F7.実施形態F6の撮像システムであって、ADC動作は、ADCサイクルの最終ADC動作を含み、ADCメモリに書き込まれるADCコードは、比較器フリッピングに応答して上書きされない。
F8.実施形態F1からF7のいずれか1つの撮像システムであって、ADCメモリは、書き込み制御回路に結合された最上位ビットを有するメモリ配置を含むメモリアレイを備える。
F9.実施形態F1からF8のいずれか1つの撮像システムであって、データ構造は、第1のデータ文字列と、少なくとも第2のデータ文字列とを含み、第1のデータ文字列は第1のADC動作に対応し、第2のデータ文字列は、第1のADC動作の後で実行される第2のADC動作に対応し、第2のデータ文字列は、フラグビットの追加のセットと、ADCデータビットの追加のセットとを含み、第2のデータ文字列のADCデータビットの追加のセットに含まれるADCデータビットの数は、第1のデータ文字列のADCデータビットのセットに含まれるADCデータビットの数よりも大きい。
F10.実施形態F1からF9のいずれか1つの撮像システムであって、フラグビットのセットおよびADCデータビットのセットは、異なる量のフラグビットおよびADCデータビットがデータ構造によって記憶されることが可能であるように柔軟に配置される。
F11.実施形態F1からF10のいずれか1つの撮像システムであって、フラグビットのセットの最上位ビットは、状態信号として使用され、最後のADC動作の最上位ビットが第1の値を有する場合、互いのADC動作の最上位ビットは第2の値を有する。
F12.実施形態F11の撮像システムであって、第1の値は論理1を含み、第2の値は論理0を含む、または第1の値は論理0を含み、第2の値は論理1を含む。
F13.実施形態F1からF12のいずれか1つの撮像システムであって、書き込み制御回路は、最終ADC動作中にメモリに書き込まれるADCコードの最上位ビットに基づいて、書き込みがイネーブルであるかディセーブルであるかを決定するようにさらに構成される。
G1.バックエンドアナログ-デジタル変換(ADC)およびメモリ回路であって、
アクティブ画素に動作可能に結合され、アクティブ画素の出力を受け取るように構成された比較器と、
比較器およびステートラッチに動作可能に結合された書き込み制御回路であって、比較器から出力を受け取るように構成された書き込み制御回路と、
書き込み制御回路に動作可能に結合されたアナログ-デジタル変換(ADC)メモリと
を備え、
データ構造はADCメモリに記憶され、データ構造は、少なくとも第1のデータ文字列を記憶するように構成され、第1のデータ文字列は、実行される各ADC動作を識別するためのフラグビットのセットと、ADCデータビットのセットとを含む。
G2.実施形態G1のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADCメモリにデータを書き込むための書き込み動作は、第1のデータ文字列の最上位ビットに基づいて活性化され、データは、比較器フリッピングの出力に応答してADCメモリに書き込まれる。
G3.実施形態G2のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1のデータ文字列の最上位ビットは第1の値が割り当てられ、ADCメモリは、比較器フリッピングの出力に応答してADCコードを保持するように構成される。
G4.実施形態G2からG3のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADCメモリに書き込まれるデータは、ADC動作中にADCメモリに書き込まれるタイムコードを含む。
G5.実施形態G1からG4のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、データ構造は、ADC動作中にメモリに書き込まれるタイムコードに対応する第2のデータ文字列を記憶するようにさらに構成され、第2のデータ文字列は、実行される各ADC動作を識別するためのフラグビットのセットと、ADCデータビットのセットとを含み、第2のデータ文字列のフラグビットのセットのフラグビットは、ADCメモリに書き込まれるタイムコードの最上位ビットを含む。
G6.実施形態G5のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、
正帰還回路
をさらに備え、
ADCコードは、正帰還回路がロック状態で保持されることによって、第2のデータ文字列によって保持されない。
G7.実施形態G6のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADC動作は、ADCサイクルの最終ADC動作を含み、ADCメモリに書き込まれるADCコードは、比較器フリッピングに応答して上書きされない。
G8.実施形態G1からG7のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、ADCメモリは、書き込み制御回路に結合された最上位ビットを有するメモリ配置を含むメモリアレイを備える。
G9.実施形態G1からG8のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、データ構造は、第1のデータ文字列と、少なくとも第2のデータ文字列とを含み、第1のデータ文字列は第1のADC動作に対応し、第2のデータ文字列は、第1のADC動作の後で実行される第2のADC動作に対応し、第2のデータ文字列は、フラグビットの追加のセットと、ADCデータビットの追加のセットとを含み、第2のデータ文字列のADCデータビットの追加のセットに含まれるADCデータビットの数は、第1のデータ文字列のADCデータビットのセットに含まれるADCデータビットの数よりも大きい。
G10.実施形態G1からG9のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、フラグビットのセットおよびADCデータビットのセットは、異なる量のフラグビットおよびADCデータビットがデータ構造によって記憶されることが可能であるように柔軟に配置される。
G11.実施形態G1からG10のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、フラグビットのセットの最上位ビットは、ステートラッチのための状態信号として使用され、最後のADC動作の最上位ビットが第1の値を有する場合、互いのADC動作の最上位ビットは第2の値を有する。
G12.実施形態G11のバックエンドADCおよびメモリ回路であって、第1の値は論理1を含み、第2の値は論理0を含む、または第1の値は論理0を含み、第2の値は論理1を含む。
G13.実施形態G1からG12の請求項いずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路であって、書き込み制御回路は、最終ADC動作中にメモリに書き込まれるADCコードの最上位ビットに基づいて、書き込みがイネーブルまたはディセーブルであることを決定するようにさらに構成される。
G14.実施形態G1からG13のいずれか1つのバックエンドADCおよびメモリ回路を備える撮像システム。
G15.実施形態G14の撮像システムであって、
アクティブ画素
をさらに備え、
このアクティブ画素は、フォトダイオードを備える。
G16.実施形態G14からG15のいずれか1つの撮像システムであって、
複数のトランジスタ
をさらに備える。