(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-21
(45)【発行日】2025-08-29
(54)【発明の名称】義肢を義足に接続するための取り付けブラケット
(51)【国際特許分類】
A61F 2/80 20060101AFI20250822BHJP
A61F 2/66 20060101ALI20250822BHJP
【FI】
A61F2/80
A61F2/66
(21)【出願番号】P 2023516837
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2021038020
(87)【国際公開番号】W WO2022060450
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2024-06-07
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521175078
【氏名又は名称】プロテオール・ユーエスエイ、リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】PROTEOR USA, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,ジーン
(72)【発明者】
【氏名】スコット,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,キース ビー
(72)【発明者】
【氏名】ニクソン,コディ
(72)【発明者】
【氏名】リディアード,スティーブン ディ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0042737(US,A1)
【文献】特表2007-507295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0267601(US,A1)
【文献】特開平06-197919(JP,A)
【文献】特開2003-250823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/80
A61F 2/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
残存肢に取り付けるように構成される義足のための取り付けブラケットであって、
チャネルを備えた上側フランジ
と、嵌合ポスト
と、
上側フランジの下面から下に延び、チャネルの内周の内側に位置する一対の耳と、残存肢に取り付けるように構成される取り付け部と、を含む上側部材と、
チャネルを備えた嵌合部
と、下側フランジ
と、
下側フランジの上側カラーから上に延び、チャネルの内側に位置する一対の耳と、義足に取り付けるように構成される取り付け部と、を含む下側部材と、
上側部材を下側部材に連結させ、下側部材に対する上側部材の垂直方向の移動および捻じり方向の移動を制限するように構成される圧縮捻じり継手と、を含む取り付けブラケット。
【請求項2】
上側部材の嵌合ポストが下側部材の嵌合部内で受けられる、
請求項1に記載の取り付けブラケット。
【請求項3】
上側フランジおよび下側フランジ
のチャネルが
、上側フランジおよび下側フランジの
外周に隣接する、
請求項1に記載の取り付けブラケット。
【請求項4】
圧縮捻じり継手が、下側部材に対する上側部材の垂直方向の移動および捻じり方向の移動を制限するように構成されるエラストマリングを含む、
請求項3に記載の取り付けブラケット。
【請求項5】
エラストマリングの上面が、上側フランジ内のチャネル内で受けられ、エラストマリングの下面が、下側フランジ内のチャネル内で受けられる、
請求項4に記載の取り付けブラケット。
【請求項6】
エラストマリングの上面が上側フランジ内のチャネルと連結し、エラストマリングの下面が下側フランジ内のチャネルと連結する、
請求項5に記載の取り付けブラケット。
【請求項7】
上側フランジから延びる一対の耳は、チャネルの内周の内側へ互いに対向して位置する、
請求項6に記載の取り付けブラケット。
【請求項8】
下側フランジの上側カラーから延びる一対の耳は、チャネルの内周の内側へ互いに対向して位置する、
請求項7に記載の取り付けブラケット。
【請求項9】
上側フランジ、および下側フランジの上側カラーの一対の耳は、下側部材に対する上側部材の回転移動を制限するように構成される、
請求項8に記載の取り付けブラケット。
【請求項10】
圧縮捻じり継手が、上側フランジの一対の耳に連結した内部バンパを含む、
請求項7に記載の取り付けブラケット。
【請求項11】
内部バンパが、下側フランジの上側カラーの一対の耳を受ける一対の凹部を含む、
請求項10に記載の取り付けブラケット。
【請求項12】
圧縮捻じり継手が、垂直方向の移動を制限するように構成された垂直バネを含む、
請求項4に記載の取り付けブラケット。
【請求項13】
取り付けブラケットが保持システムをさらに含み、
保持システムは、
下側部材の嵌合部と連結した圧縮キャップと、
上側部材の嵌合ポストの下端部内で連結したプラグと、
圧縮キャップの下端部内で受けられ、プラグと連結したコネクタと、を含む、
請求項1に記載の取り付けブラケット。
【請求項14】
圧縮捻じり継手が上側フランジおよび下側フランジの外周の外側に配置されない、
請求項1に記載の取り付けブラケット。
【請求項15】
上側部材および下側部材の一対の耳が、上側部材、下側部材、およびエラストマリングの間に配置され、取り囲まれる、
請求項7に記載の取り付けブラケット。
【請求項16】
残存肢に取り付けるように構成される義足のための取り付けブラケットであって、
取り付けブラケットは上側部材を含み、
上側部材は、
チャネルを備えた上側フランジと、
嵌合ポストと、
上側フランジの下面から下に延び、チャネルの内周の内側に位置する一対の耳と、
残存肢に取り付けるように構成される取り付け部と、を含み、
取り付けブラケットはまた下側部材を含み、
下側部材は、
チャネルを備えた下側フランジと、
嵌合ポストを受けるように構成された嵌合部と、
下側フランジの上側カラーから上に延び、チャネルの内側に位置する一対の耳と、
義足に取り付けるように構成される取り付け部と、を含み、
取り付けブラケットはまた圧縮捻じり継手を含み、
圧縮捻じり継手は、上側部材を下側部材に連結し、下側部材に対する上側部材の垂直方向の移動および捻じり方向の移動を制限するように構成され、上側フランジのチャネルと連結した上面と下側フランジのチャネルと連結した下面とを有するエラストマリングを含み、
取り付けブラケットはまた保持システムを含み、
保持システムは、
下側部材の嵌合部に連結した圧縮キャップと、
上側部材の嵌合ポストの下端部内で連結したプラグと、
圧縮キャップの下端部内に受けられ、プラグと連結したコネクタと、
を含む、取り付けブラケット。
【請求項17】
圧縮捻じり継手が上側フランジおよび下側フランジの外周の外側に配置されない、
請求項16に記載の取り付けブラケット。
【請求項18】
上側部材および下側部材の一対の耳が、上側部材、下側部材、およびエラストマリングの間に配置され、取り囲まれる、
請求項17に記載の取り付けブラケット。
【請求項19】
足のシェル内で使用するためであり、残存肢に取り付けるように構成される義足であって、
義足は弾力性底部材を含み、
弾力性底部材は、
前端、後端、を含み、変曲点を有さず、
弾力性底部材の前端の曲率半径の中心は底部材の上にあり、弾力性底部材の後端は実質的に直線状であり、
義足はまた弾力性頂部材を含み、
弾力性頂部材は、
前端、後端、を含み、
弾力性頂部材の前端は弾力性底部材の前端と連結し、接続点は弾力性頂部材の後端の上側に連結し、弾力性頂部材は弾力性底部材の上に配置され、
義足はまた、弾力性頂部材の後端の下側に直接取り付けられ、負荷が無い状態では弾力性底部材の後端の上側から分離するバンパ部材を含み、
義足はまた、取り付けブラケットを含み、
取り付けブラケットは上側部材を含み、
上側部材は、
チャネルを備えた上側フランジと、
嵌合ポストと、
上側フランジの下面から下に延び、チャネルの内周の内側に位置する一対の耳と、
残存肢に取り付けるように構成される取り付け部と、を含み、
取り付けブラケットはまた下側部材を含み、
下側部材は、
チャネルを備えた下側フランジと、
嵌合ポストを受けるように構成された嵌合部と、
下側フランジの上側カラーから上に延び、チャネルの内側に位置する一対の耳と、
義足に取り付けるように構成される取り付け部と、を含み、
取り付けブラケットはまた圧縮捻じり継手を含み、
圧縮捻じり継手は、上側部材を下側部材に連結し、下側部材に対する上側部材の垂直方向の移動および捻じり方向の移動を制限するように構成される、
義足。
【請求項20】
圧縮捻じり継手は、上側フランジのチャネルと連結した上面と、下側フランジのチャネルと連結した下面と、を有するエラストマリングを含む、
請求項19に記載の義足。
【請求項21】
取り付けブラケットは保持システムをさらに含み、
保持システムは、
下側部材の嵌合部に連結した圧縮キャップと、
上側部材の嵌合ポストの下端部内で連結したプラグと、
圧縮キャップの下端部内に受けられ、プラグと連結したコネクタと、
を含む、
請求項19に記載の義足。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年9月15日に出願された米国仮出願シリアル番号63/078,748および2021年1月15日に出願された米国仮出願シリアル番号63/137,970に基づく優先日を主張し、2019年2月21日に出願された米国特許出願シリアル番号16/281,278の一部継続であり、それは、2017年10月6日に出願された米国特許出願シリアル番号15/726,712(現在の米国特許第10,405,998号)の一部継続であり、それは、2016年10月13日に出願された米国仮出願シリアル番号62/407,954と、2017年1月30日に出願された米国仮出願シリアル番号62/451,870と、2017年8月1日に出願された米国仮出願シリアル番号62/539,743と、に基づく優先日を主張し、2015年12月21日に出願された特許出願シリアル番号14/976,129の一部継続であり、それは、2015年6月5日に出願された米国特許出願シリアル番号14/731,818の継続であり、それは、2012年8月7日に出願された米国特許出願シリアル番号13/568,535の継続である。また、本願は、2017年10月6日に出願された米国特許出願シリアル番号15/726,712(現在の米国特許第10,405,998号)の一部継続であり、それは、2015年12月21日に出願された米国特許出願シリアル番号14/976,129の一部継続であり、それは、2015年6月5日に出願された米国特許出願シリアル番号14/731,818の継続であり、それは、2012年8月7日に出願された米国特許出願シリアル番号13/568,535の一部継続であり、それは2011年4月20日に出願された国際出願番号PCT/US11/33319の一部継続であり、それは、2010年4月20日に出願された米国特許出願シリアル番号12/799,215の一部継続であり、それは、2007年9月19日に出願された米国特許出願シリアル番号11/901,845(現在の米国特許第8,048,173号)の一部継続である。また、本願は、2017年10月6日に出願された特許出願シリアル番号15/726,712号(現在の米国特許第10,405,998号)の一部継続であり、それは、2015年12月21日に出願された米国特許出願シリアル番号14/976,129号の一部継続であり、それは、2012年8月7日に出願された米国特許出願シリアル番号13/568,535の継続であり、それは、2011年4月20日に出願された国際出願番号PCT/US11/33319の一部継続であり、それは、2010年4月20日に出願された米国特許出願シリアル番号12/799,215の一部継続であり、それは、2007年9月19日に出願された米国特許出願シリアル番号11/901,845(現在の米国特許番号8,048,173号)の一部継続である。また、本願は、2015年6月5日に出願された米国特許出願シリアル番号14/731,771の一部継続であり、それは、2012年11月27日に出願された米国特許出願シリアル番号13/642,501(現在の米国特許第9,078,773号)の継続出願であり、それは、2011年4月20日に出願された国際出願番号PCT/US11/33319の371国内フェイズ出願であり、それは、2010年4月20日に出願された米国特許出願シリアル番号12/799,215の一部継続であり、それは、2007年9月19日に出願された米国特許出願シリアル番号11/901,845(現在の米国特許番号8,048,173号)の一部継続である。そして、これらすべての出願の開示内容は参照のうえここに援用されるものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、義肢装具に関連する。より詳細には、本発明は、肢端切断者(amputee)が利用するとき、本物の足の動作をよりよく再現し、肢端切断者の怪我のリスクを低減する、義足および義足用取り付けブラケットに関する。
【背景技術】
【0003】
義足は、当技術分野でよく知られている。使用において、そのような義足は、典型的には本物の足の動作を再現せず、「キックバック」または「キックフォワード」反応を発生させることがあり、それらは、足を利用する肢端切断者の怪我のリスクを増大させる。キックバックとは、歩行サイクル中に義足が後方へ引き起こす動きのことである。キックフォワードは、歩行サイクル中に義足が前方へ引き起こす動きである。どちらの動きも、意図した動きを拡大したり制限したりすると、ユーザに不安定感を与える可能性がある。さらに、多くの先行技術の義足は、振動を発生させ、それはユーザの脚を通って伝わり、不快感を引き起こす可能性がある。
【0004】
肢端切断者の場合、二足歩行能力を失うと、不随意に前への傾きやシフトが生じ、常に姿勢のアンバランスやリバランスを余儀なくされることがある。肢端切断者は、主要な屈筋と伸筋の切断により、もはや関与する側の随意的な筋制御を有しない。背屈(矢状面運動)を担う主要な前方筋は、前脛骨筋である。背屈は、足を上方、つまり体の正中線に向かって上げる足首の自発的な動きである。足底屈を担う主要な後方筋は、胃底筋複合体である。これは、腓腹筋とヒラメ筋の2つの筋肉が連動して働くものである。足底屈は、足を下方に、つまり体の正中線から遠ざける自発的な足首の動きである。したがって、肢端切断者の筋活動の増加を促進し、安定性の増加を促進するように構成された義足を有することが望ましく、真の足の作用をよりよく再現するような改良された義足を提供することが望ましい。さらに、足が床や地面上のドアの桟や他の隆起したプロファイルの物体の上を歩くために利用されるときに「キックバック」力を最小化または排除し、また振動を低減する改良された義足を提供することが望まれる。
【0005】
使用において、このような義足は、典型的には、膝上切断または膝下切断のいずれかに取り付けられ、ユーザの自然な歩行を模倣するように設計される。切断のタイプに応じて、異なるタイプの取り付けシステムが利用され得る。例えば、切断が膝上の場合、感触、フィット感、および機能を向上させるために、様々なサスペンションシステムを義足と組み合わせて利用することができる。膝上切断の場合、残存肢と義足との間に大きな空間があるため、複数の選択肢が可能である。膝下切断の場合、場所によっては、ユーザの残存肢と義足との間のスペースが狭くなるため、義足にさまざまな取り付け方法が可能となる。
【発明の概要】
【0006】
義足用の例示的な取り付けブラケットは、上側部材と、下側部材と、上側部材を下側部材に連結する圧縮捻じり継手(tortion joint)と、を含み得る。上側部材は、ユーザの残存肢に取り付けるように構成されてもよい。下側部材は、義足に取り付けるように構成されてもよい。
【0007】
さらに、別の実施形態では、義足は、第1の底端および第2の底端を有する弾力性底部材と、第1の上端および第2の上端を有する弾力性頂部材と、を含み得て、第1の上端が弾力性底部材の第1の底端に連結されており、弾力性頂部材が取り付けブラケットに連結されて弾力性底部材上に配置されて義足の背面に向けられ、義足はまた、足指パッド、を含み得る。つま先パッドは、底部材の第1の下端と頂部材の第1の上端との間に結合され、それらの間に空間を形成する少なくとも1つのスペーサと、底部材の第1の下端と頂部材の第1の上端とを接着する接着剤とを含み得て、接着剤は第1の下端と第1の上端との間で少なくとも1つのスペーサと混在(commingle)する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴、側面および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照することにより、よりよく理解されるであろう。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、様々な実施形態において構成される義足を図示する斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、様々な実施形態において構成される義足を図示する斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、つま先ラップを含む義足を図示する斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、つま先ラップを含む義足を図示する斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、ダンパバー構成の様々な実施形態を図示する側面図である。
【
図5B】
図5Bは、ダンパバー構成の様々な実施形態を図示する側面図である。
【
図5C】
図5Cは、ダンパバー構成の様々な実施形態を図示する側面図である。
【
図6】
図6は、膝上切断の肢端切断者によって使用される例示的な義足を図示する側面図である。
【
図7】
図7は、膝下切断の肢端切断者によって使用される例示的な義足を図示する側面図である。
【
図8】
図8は、本技術の例示的な実施形態に係る義足の取り付けブラケットを例示的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本技術の例示的な実施形態に係る義足の取り付けブラケットを例示的に示す側面図である。
【
図10】
図10は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材を例示的に示す斜視図である。
【
図11B】
図11Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材を例示的に示す側面図である。
【
図11C】
図11Cは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材を例示的に示す底面図である。
【
図12A】
図12Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材を例示的に示す側面図である。
【
図12B】
図12Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材を例示的に示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材を例示的に示す上面図である。
【
図14A】
図14Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す上面図である。
【
図14B】
図14Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す
図14Aの線A-Aに沿った部分的側面断面図である。
【
図15】
図15は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す
図14Aの線B-Bに沿った部分的側面断面図である。
【
図16】
図16は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す
図14Aの線A-Aに沿った部分的分解断面図である。
【
図17】
図17は、本技術の例示的な実施形態に係る、圧縮カラーおよび圧縮/捻じりバンパを備えた取り付けブラケットの下側部材を例示的に示す斜視図である。
【
図18】
図18は、本技術の例示的な実施形態に係る、圧縮カラーおよび圧縮/捻じりバンパを備えた取り付けブラケットの下側部材を例示的に示す上面図である。
【
図19】
図19は、本技術の例示的な実施形態に係る
図10の取り付けブラケットを例示的に示す分解斜視図である。
【
図20A】
図20Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す下側部材の部分アセンブリ平面図である。
【
図20B】
図20Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図20Aの線A-Aに沿った部分側面断面図である。
【
図21】
図21は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図20Aの線A-Aに沿った部分分解断面図である。
【
図22A】
図22Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのエラストマリングを例示的に示す斜視図である。
【
図22B】
図22Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのエラストマリングを例示的に示す上面図である。
【
図23A】
図23Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのバンパを例示的に示す斜視図である。
【
図23B】
図23Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのバンパを例示的に示す上面図である。
【
図23C】
図23Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのバンパを例示的に示す上面図である。
【
図24A】
図24Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの圧縮カラーを例示的に示す斜視図である。
【
図24B】
図24Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの圧縮カラーを例示的に示す上面図である。
【
図25】
図25は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのスリーブの斜視図である。
【
図26A】
図26Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのキャップを例示的に示す斜視図である。
【
図26B】
図26Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのキャップを例示的に示す側面図である。
【
図26C】
図26Cは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのキャップを例示的に示す底面図である。
【
図27A】
図27Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストを例示的に示す斜視図である。
【
図27B】
図27Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストを例示的に示す側面図である。
【
図28A】
図28Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのピンを例示的に示す斜視図である。
【
図28B】
図28Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットのピンを例示的に示す側面図である。
【
図29】
図29は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図30】
図30は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の追加的実施形態を例示的に示す底面図である。
【
図31】
図31は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を例示的に示す側面図である。
【
図32】
図32は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図33】
図33は、本技術の例示的な実施形態に係る圧縮捻じり継手の追加的実施形態を備えた取り付けブラケットの追加的実施形態を例示的に示す分解斜視図である。
【
図34】
図34は、本技術の例示的な実施形態に係る
図33の圧縮捻じり継手の新しい部品を備えた取り付けブラケットの下側部材の斜視図である。
【
図36】
図36は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図35の線A-Aに沿った上面断面図である。
【
図37】
図37は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図35の線B-Bに沿った部分的側面断面図である。
【
図38】
図38は、本技術の例示的な実施形態に係る
図33の取り付けブラケットの上面図である。
【
図39】
図39は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図38の線C-Cに沿った側面断面図である。
【
図40A】
図40Aは、本技術の例示的な実施形態に係る三日月形回転抑制装置の正面図である。
【
図40B】
図40Bは、本技術の例示的な実施形態に係る三日月形回転抑制装置の側面図である。
【
図41】
図41は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図42】
図42は、本技術の例示的な実施形態に係る
図41の取り付けブラケットの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図43】
図43は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図42の線A-Aに沿った側面断面図である。
【
図44】
図44は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図42の線A-Aに沿った側面分解断面図である。
【
図45A】
図45Aは、本技術の例示的な実施形態に係る
図41の取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を示す斜視図である。
【
図45B】
図45Bは、本技術の例示的な実施形態に係る
図45Aの取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を示す側面図である。
【
図45C】
図45Cは、本技術の例示的な実施形態に係る
図45Aの取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を示す底面図である。
【
図46A】
図46Aは、本技術の例示的な実施形態に係る
図41の取り付けブラケットの下側部材の追加的実施形態を示す斜視図である。
【
図46B】
図46Bは、本技術の例示的な実施形態に係る
図45Aの取り付けブラケットの上側部材の追加的実施形態を示す上面図である。
【
図47A】
図47Aは、本技術の例示的な実施形態に係るエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図47B】
図47Bは、本技術の例示的な実施形態に係る
図47Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図47C】
図47Cは、本技術の例示的な実施形態に係る
図47Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す
図47Aの線C-Cに沿った側面断面図である。
【
図48A】
図48Aは、本技術の例示的な実施形態に係るエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図48B】
図48Bは、本技術の例示的な実施形態に係る
図48Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図48C】
図48Cは、本技術の例示的な実施形態に係る
図47Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す
図48Aの線D-Dに沿った側面断面図である。
【
図49A】
図49Aは、本技術の例示的な実施形態に係るエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図49B】
図49Bは、本技術の例示的な実施形態に係る
図48Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図49C】
図49Cは、本技術の例示的な実施形態に係る
図47Aの取り付けブラケットのエラストマリングの追加的実施形態を例示的に示す
図48Aの線D-Dに沿った側面断面図である。
【
図50A】
図50Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの圧縮キャップを例示的に示す斜視図である。
【
図50B】
図50Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの
図50Aの圧縮キャップを例示的に示す上面図である。
【
図50C】
図50Cは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの
図50Aの圧縮キャップを例示的に示す側面図である。
【
図50D】
図50Dは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの
図50Aの圧縮キャップを例示的に示す底面図である。
【
図51A】
図51Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの捻じりリミッタを示す斜視図である。
【
図51B】
図51Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの
図51Aの捻じりリミッタを示す上面または底面図である。
【
図52A】
図52Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストの追加的実施形態を例示的に示す側面図である。
【
図52B】
図52Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストを例示的に示す斜視図である。
【
図53A】
図53Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストの追加的実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図53B】
図53Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの嵌合ポストを例示的に示す側面図である。
【
図54A】
図54Aは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図54B】
図54Bは、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図54Aの線G-Gに沿った側面断面図である。
【
図55】
図55は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図54Aの線G-Gに沿った側面分解断面図である。
【
図56】
図56は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの追加的実施形態を例示的に示す上面図である。
【
図57】
図57は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図56の線H-Hに沿った側面断面図である。
【
図58】
図58は、取り付けブラケットを示す側面図であり、上側部材および下側部材が見えており、エラストマリングは省略されている。
【
図59】
図59は、取り付けブラケットを示す前面図であり、上側部材および下側部材が見えており、エラストマリングは省略されている。
【
図60】
図60は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの部分を例示的に示す
図59の線K-Kに沿った上面断面図である。
【
図61】
図61は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の後方斜視図である。
【
図62】
図62は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の上面図である。
【
図63】
図63は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の側面図である。
【
図64】
図64は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの下側部材の前面図である。
【
図65】
図65は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の上面図である。
【
図66】
図66は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の側面図である。
【
図67】
図67は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の上側斜視図である。
【
図68】
図68は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の下側斜視図である。
【
図69】
図69は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の前面図である。
【
図70】
図70は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材の
図59の線J-Jに沿った前面断面図である。
【
図71】
図71は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの上側部材と下側部材との連結を容易にする内部バンパの斜視図である。
【
図72】
図72は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの内部バンパの下側斜視図である。
【
図73】
図73は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの内部バンパの底面図である。
【
図74】
図74は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットの内部バンパの側面図である。
【
図75】
図75は、本技術の例示的な実施形態に係る取り付けブラケットを例示的に示す分解斜視図である。
【
図76】
図76は、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムの側面断面図である。
【
図77】
図77は、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムおよび下側部材の分解側面図である。
【
図78A】
図78Aは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムの保持リングの斜視図である。
【
図78B】
図78Bは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムの保持リングの上面図である。
【
図78C】
図78Cは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムの保持リングの側面図である。
【
図79A】
図79Aは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムのプラグの斜視図である。
【
図79B】
図79Bは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムのプラグの上面図である。
【
図79C】
図79Cは、本技術の例示的な実施形態に係る保持システムのプラグの側面図である。
【
図80A】
図80Aは、本技術の例示的な実施形態に係る圧縮カラーの斜視図である。
【
図80B】
図80Bは、本技術の例示的な実施形態に係る圧縮カラーの上面図である。
【
図80C】
図80Cは、本技術の例示的な実施形態に係る圧縮カラーの側面図である。
【
図81】
図81は、本技術の例示的な実施形態に係る義足の
図56-57に示す取り付けブラケットを例示的に示す側面図である。
【0010】
図中の要素およびステップは、単純化および明確化のために図示されており、必ずしも特定の順序に従って記述されているわけではない。例えば、同時または異なる順序で実行され得るステップは、本技術の実施形態の理解を向上させるのに役立つように図に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術は、機能ブロックコンポーネントと、様々な処理ステップの観点から説明することができる。このような機能ブロックは、指定された機能を実行し、様々な結果を達成するように構成された任意の数のコンポーネントによって実現され得る。例えば、本技術は、様々な肢端切断タイプ(膝上、膝下など)の義足で使用することができる。さらに、本技術は、任意の数の材料および製造方法と組み合わせて実施することができ、説明したシステムは、本技術の例示的な応用例の1つに過ぎない。
【0012】
例示的な実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に本明細書に記載されているが、他の実施形態が実現されてもよく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく論理的な構造、材料、および機械的変更がなされてもよいと理解されるべきである。したがって、以下の説明は、本発明の使用または適用可能性を制限するものとして意図されておらず、代わりに、例示的な実施形態の全体の、かつ完全な説明を可能にするために、単に提供されるものである。
【0013】
簡単に説明すると、例示的な実施形態に従えば、義足は、動作中に足のより自然な動きおよび応答が生じるという点で、先行技術の義足に対する改善が得られる。特に、例示的な義足の動きは、足の自然な屈曲を再現し、踵からつま先まで踏み出すときに人に連続的なエネルギーを供給する。
【0014】
簡単に説明すると、例示的な実施形態に従って、義足用の取り付けブラケットが例示され、この取り付けブラケットは、動作中により自然な動き及び応答を含む。特に、取り付けブラケットの動きは、足の自然な動きを再現し、垂直方向の衝撃吸収を提供し、捻じり回転を可能にすることができる。
【0015】
典型的な義足は、歩行サイクル中にエネルギーを蓄積し、「歩みに弾みをつける」ために、戻り位置エネルギーを伝達する。義足のロールスルー(roll through)は、歩行サイクルにおいて、踵打ちフェイズ(heel-strike phase)から立脚フェイズ中期(mid-stance phase)、つま先離床(toe-off)フェイズへのプロセスとして定義される。踵打ちフェイズは、足の踵が地面に着いた時に始まり、足への荷重反応も含まれる。立脚フェイズ中期は、足が地面に平らになり、体の重心が足の上にある状態である。つま先離床フェイズは立脚フェイズの仕上げで、足の先端だけが地面に接し、荷重がすべてつま先にかかった状態で終了する。これは、歩行サイクルの残り半分を占めるスイングフェイズの直前である。
【0016】
ユーザが歩行サイクルの立脚フェイズ部分を移動すると、脚の脛骨部分、すなわち膝の下に定義される脚の部分が地面に対して回転する。立脚フェイズ中期を下腿が地面に対して90度の位置にあるときであると定義すると、個人を側面から見て、踵打ちフェイズでの下腿の角度は約65度、つま先離床フェイズでの下腿の角度は約110度である可能性がある。理論的な足首を中心とした下腿の回転は、立脚フェイズにおける脛骨の進行または下腿の進行と表記される。取り付けブラケットは、歩行サイクルや立位時に垂直方向の衝撃吸収を行い、さらに捻じり回転を可能にする。
【0017】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、様々な実施形態によれば、義足100は、弾力性のある底部材110と、弾力性のある頂部材120と、頂部材120に取り付けられ、ユーザに取り付けるように構成された接続点130と、バンパ部材140と、を含む。弾力性底部材110は、前側底端111及び後側底端112を有してもよい。弾力性頂部材120は、前側上端121と後側上端122とを有してもよい。さらに、弾力性頂部材120の前側上端121は、弾力性底部材110の前側底端111に接続することができ、一方、弾力性頂部材120は、弾力性底部材120の上に配置されて義足100の後側に向けられることができる。
【0018】
さらに、様々な実施形態において、義足100は、弾力性底部材110に接触するように構成され、弾力性頂部材120の後側上端122の下側に取り付けられたテーパ面を有するエラストマ製バンパ部材140も含む。バンパ部材140は、義足100に対して垂直に配向させることができる。バンパ部材140は、ユーザの歩行中の下方への打撃の力を吸収するための踵緩衝材として機能することができる。
【0019】
様々な実施形態において、バンパ部材140は、エラストマ材料から作られ得る。一実施形態では、エラストマ材料は、約80%またはそれ以上のエネルギーリターンを有する。別の実施形態では、エラストマ材料は、約90%またはそれ以上のエネルギーリターンを有する。バンパ部材140は、非線形バネに似た挙動をするように設計することができ、それにより、踵打ち中に後趾(posterior toe)および122のより大きな偏向を可能にする。漸進的な「バネ率」は、柔らかい踵打ちをもたらすかもしれないが、バンパ部材140が圧縮されるにつれて過度に撓むことはない。バンパ140の1つの利点は、コイル状のバネを有する義足と比較して、比較的軽量であることである。
【0020】
バンパ部材140は、接続点130の垂直軸の後方に配置することができる。バンパ部材140は、様々な態様で頂部材120の下側に取り付けることができる。例えば、および
図2を参照すると、バンパ部材140は、接着剤またはねじ等のファスナを用いて固定的に取り付けることができる。別の例では、バンパ部材140は、交換目的のためにファスナを用いて着脱可能であってもよい。さらに、他の実施形態では、バンパ部材140は、頂部材120の下面または底部材110の上面の様々な場所に取り付けることができる。様々な実施形態において、静止モードの義足100は、バンパ部材140と底部材110との間に隙間を有する。例えば、バンパ部材140と底部材110との間には、約10分の1インチの隙間が存在してもよい。他の様々な方法において、バンパ部材140は、義足100が静止位置にあるときに、上側部材120および底部材110の両方と接触することができる。隙間がないことにより、バンパ部材140は歩行サイクル中に連続的に圧縮されるが、バンパ部材140は上側部材120または底部材110のいずれかに取り付けられているだけなので、バンパ部材140は圧縮部材であり、引張部材ではない。バンパ部材140が頂部材120または底部材110の他に取り付けられていないことにより、義足100の歩行サイクル中の柔軟性が得られ、自然の足/足首システムをより忠実に模倣することができる。バンパ部材140を弾力性のある頂部材120と底部材110の両方に接続すると、ほぼ三角形の構造ができ、これは非常に剛性が高い。
【0021】
バンパ部材140は、多くの形状を有し得る。様々な実施形態において、バンパ部材140の切り離された部分は、円錐形、長方形、またはピラミッド形状を有することができる。バンパ部材140のテーパ面は、頂点または半球状で終端することができ、頂点は、義足100の撓みに応答して底部材110に接触するように構成することができる。さらに、様々な実施形態において、バンパ部材140は、複数の点で終端することができる。テーパ状のバンパ部材140は、踵打ちまたは解放時に発生する振動および音の減衰を容易にする。さらに、様々な実施形態において、バンパ部材140の押し出し部分は、非平坦な表面である任意の形状であってよい。さらに、非平坦な表面は、踵打ちが垂直でない場合に横方向の柔軟性を高める。
【0022】
義足100は、バンパ部材140の特性を調整することによって、部分的にユーザに適応するように調整することができる。例えば、様々な実施形態において、バンパ部材140の硬さ(durometer)を、追加の体重または動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザのために増加させることができる。体重の重いユーザは、断面積の小さいバンパ部材を使用する体重の軽いユーザと比較して、断面積の大きいバンパ部材を使用することがより適している場合がある。
【0023】
図3を参照すると、様々な実施形態によれば、義足300は、弾力性底部材310と、弾力性頂部材320と、頂部材に取り付けられ、ユーザに取り付けるように構成された接続点330と、第1の下端で底部材310の上面に結合し、第1の上端で頂部材320の下面に結合するつま先パッド350とを含む。また、様々な実施形態において、義足300は、バンパ部材340をさらに備え得る。様々な実施形態において、つま先パッド350は、少なくとも1つのスペーサと、底部材310の上面と頂部材320の下面とを結合する接着剤とを含む。例えば、底部材310の前方4分の1は、上側部材320に接着剤で接続され得る。様々な実施形態において、接着剤を使用して、底部材310の上面領域の23~27%を頂部材320に接続することができる。さらに、様々な実施形態では、接着剤を使用して、底部材310の上面領域の約3分の1を頂部材320に接続することができる。
【0024】
様々な実施形態では、つま先パッド350は、ほぼ一定の厚さを有する。他の様々な実施形態では、つま先パッド350は、義足300の前縁に向かって先細りになる厚さを有することができる。言い換えれば、踵に近いつま先パッド350は、つま先に近いつま先パッド350より厚くすることができる。さらに、つま先パッド350の接着結合は、応力分散を生じさせることができる。様々な実施形態に従って、接着剤は、つま先パッドのエラストマとは対照的に、より高い弾性係数を有することができる。他の弾性率値が企図され、様々な弾性率も使用され得るが、柔軟な接着剤と比較して、より硬い接着剤が好ましい。
【0025】
つま先パッド350のスペーサは、底部材310の上面と頂部材320の下面との間に空間を形成する。接着剤は、底部材310の上面とつま先パッド350との間でスペーサと混在することができ、また、頂部材320の下面とつま先パッド350との間でも混在することができる。様々な実施形態において、スペーサによって形成される空間は、接着剤の配置のための非圧縮空間とすることができる。言い換えれば、スペーサは、頂部材320と底部材310との間に空隙を形成することができ、空隙は、接着のための接着剤で満たされることができる。つま先パッド350の包含は、歩行サイクル中に接着結合に加えられる応力を低減し得る。様々な実施形態において、スペーサは、所望の間隔を形成するためのドット、リブ、または他のパターンなどのエラストマ製スタンドオフとすることができる。さらに、様々な実施形態において、スペーサは、接続されたスタンドオフの単一ピースである。単一ピースのスペーサは、製造プロセス中の位置合わせを容易にし、複数のスタンドオフスペーサと比較して、より均一なスタンドオフパターンを提供することができる。
【0026】
つま先パッド350は、スペーサを有する接着剤複合体を含むこともできる。義足300の様々な実施形態では、スペーサは、接着剤と組み合わされて接着剤複合体を形成する集合体材料である。様々な実施形態では、接着剤複合体は、接着剤および微小球を含む。微小球は、頂部材および底部材320、310の間の間隔を作り出すことができる。
【0027】
さらに、
図4Aおよび
図4Bを参照すると、様々な実施形態で、義足400は、底部材410と、頂部材420と、つま先パッド450と、結合された底および頂部材410、420の上下の周りに結合されたつま先ラップ(toe wrap)460を含み得る。つま先ラップ460は、繊維材料で作ることができる。また、つま先ラップの材料は、エラストマ材料を用いた繊維織物であり得る。例えば、つま先ラップは、およそ10分の1インチ未満の厚さのケブラー(登録商標)またはナイロン材料のベルトとすることができる。つま先ラップ460は、頂部材と底部材との間のつま先パッド450の接着結合が切れた場合に、二次的な保持機能を提供するように構成され得る。また、つま先ラップ460は、緊張時に底部材および頂部材410、420の間の取り付けを強化することができる。
【0028】
さらに、様々な実施形態において、また
図3を改めて参照すると、義足300は、弾力性頂部材320の下側に取り付けられ、弾力性底部材310に接触するように構成されたダンパバー351をさらに含むことができる。ダンパバー351は、つま先立ち後の底部材310の上方動作を阻止し、歩行サイクル中の回転エネルギーも阻止するように構成され得る。阻止された動作は、ダンパバー351の接触点において、より遅い速度およびより少ない動作を生み出す。ダンパバーがないと、底部材310は歩行の際にバンパ部材340にぶつかり、その結果、振動がユーザの脚を伝わっていくことがある。
【0029】
様々な実施形態において、ダンパバー351は、つま先パッド350の後縁の近くに位置することができる。一例として、ダンパバー351は、つま先パッド350の後縁から2分の1インチ離間させることができる。別の例では、ダンパバー351は、底部材310の前部分に位置することができる。さらに、ダンパバー351は、約2分の1インチの長さであり得て、長さは、底部材310の前方から後方まで測定される。様々な実施形態において、ダンパバー351の幅は、取り付けられた頂部材320と同程度の幅にすることができる。しかしながら、ダンパバー351はまた、取り付けられた頂部材320の全幅よりも小さくすることもできる。さらに、様々な実施形態において、ダンパバー351の接触面は、平坦であることができる。代替的な実施形態では、ダンパバー351の接触面は、頂点に向かったテーパ状にすることができる。接触面は、歩行サイクル中に非連結底部材310とダンパバー351との接触から生じる振動および音を低減するように構成することができる。さらに、様々な実施形態において、ダンパバー351の接触面は、プリロードテーパなど、平坦以外の様々な形状にすることができる。
【0030】
様々な実施形態において、ダンパバー351は、つま先パッド350に接続されているか、またはつま先パッド350の一部として形成されている。つま先パッド350およびダンパバー351を一体にすることの1つの利点は、義足300の製造中に位置合わせを容易にすることである。
【0031】
ダンパバー351は、最小限の耐荷重とすることができ、一方、バンパ部材340は、主要な耐荷重部材とすることができる。種々の実施形態において、バンパ部材340は、ダンパバー351と比較して、つま先パッド350の支点から約4倍から5倍離れたところに位置することができる。さらに、様々な実施形態において、および
図5A~5Cを参照すると、ダンパバーは、様々な構成で義足に取り付けられることができる。例えば、
図5Aは、頂部材520に取り付けられたダンパバー551を図示し、一方、
図5Bは、底部材510に取り付けられたダンパバー551を図示している。別の例では、
図5Cは、底部材510および頂部材520の両方に取り付けられたダンパバー551を図示し、ダンパバー551は、頂部材および底部材が分離しても義足の動きを阻止できるように分割されている。
【0032】
さらに、
図1Aおよび
図1Bを改めて参照すると、頂部材120、底部材110、およびバンパ部材140は、自然な真の足の状態でそれらの間にエネルギーを伝達する。踵打ちフェイズでの負荷応答は、バンパ部材140および頂部材120を圧縮し、その結果、底部材110の後部にエネルギーを伝達し、その撓みを引き起こす。エネルギーは、立脚フェイズ中期に義足100の前方に向かって伝達される。さらに、底部材110および頂部材120の少なくとも一方の上方への撓みは、歩行サイクルの立脚中フェイズからつま先離床フェイズへの移行中にエネルギーを蓄積する。例示的な実施形態では、踵打ち負荷エネルギーの約90%以上が蓄積され、つま先離床フェイズを補助するために頂部材120に伝達される。別の例示的な実施形態では、踵打ち負荷エネルギーの約95%以上が、つま先離床フェイズを補助するために貯蔵され、頂部材120に伝達される。さらに別の例示的な実施形態では、踵打ち負荷エネルギーの約98%以上が、つま先離床フェイズを補助するために貯蔵され、頂部材120に伝達される。義足100は、つま先立ちフェイズの間に蓄積されたエネルギーを解放し、ユーザを前進方向に推進することを支援するように設計され得る。
【0033】
図3を改めて参照すると、例示的な実施形態において、弾力性底部材310は、底面313と上面314を含む。弾力性のあるバンパ部材340は、接触面341を含む。義足300が圧縮されると、弾力性頂部材320およびバンパ部材340は圧縮され、弾力性底部材310に向かって下方に変位する。
【0034】
歩行動作に関して、義足は、歩行サイクルを通じて表面から足への接触が増加するように構成されている。表面接触が増加することにより、より滑らかな歩行サイクルが可能になり、典型的な先行技術の義足と比較して、安定性が向上する。例示的な実施形態では、底部材の下面は、異なるタイプの用途のために増加した表面接触を提供する異なる輪郭を有する。
【0035】
義足の底部材は、所望の用途に応じて様々な形状を有することができる。所望の用途は、膝上切断者用の義足または膝下切断者用の義足を含み得る。様々な実施形態において、および
図6を参照すると、膝上切断者用の義足600は、変曲点のない湾曲した底部を有する底部材610を含む。様々な実施形態において、底部材610は、底部材の部分曲線を形成する単一の半径による一定の弧を有する。他の様々な実施形態では、底部材610の曲線は、可変半径のスプラインとして設計することができる。膝上義足600における底部材610の曲線は、力が膝を曲げることを実質的に制限するので、人工膝を安定に保つことを容易にする。湾曲した底部材610は、人工膝が過伸展していても揺動運動を可能にする。
【0036】
同様に、様々な実施形態で、
図7を参照すると、膝下切断者用の義足700は、底部材710の前部に部分的に湾曲した部分と底部材710の後部に実質的に直線状の部分とを有する底部材710を含む。膝上義足600と同様に、底部材710の前方部分は、部分曲線を形成する単一半径による一定の弧を有することができる。様々な実施形態において、底部材710の前方部分は、可変半径のスプラインとして設計された曲線を有することができる。様々な実施形態に従って、底部材710の後方部分は、底部材710が変曲点を有さないように、実質的に直線で前方部分と接することができる。膝下義足700における底部材710の直線状の後方部分および曲線状の前方部分は、脛骨の回転を容易にし、膝の自然な回転を進め、膝の過伸展を防止することができる。
【0037】
例示的な実施形態によれば、弾力性部材110、120は、ガラス繊維複合材で作られている。ガラス繊維複合材は、ガラス強化一方向性繊維複合材であってよい。一実施形態では、繊維複合材料は、一方向性繊維と樹脂の複数の層で作られており、強度と柔軟性のある材料を生成する。繊維は、ガラス繊維または炭素繊維であってよい。具体的には、繊維の層は樹脂に含浸され、ガラス強化層は少なくとも2つの繊維織物層の間に配置され得る。典型的には、所望の強度および柔軟性を達成するために、一方向性繊維またはテープのいくつかの層が一緒に積層される。さらに、様々な実施形態において、一方向性繊維またはテープの層は、様々な角度で配向させることができる。
【0038】
取り付けブラケット800
図8~10を参照すると、様々な実施形態に従い、接続点130は、取り付けブラケット800を含むことができる。取り付けブラケット800は、頂部材120に取り付けられ、ユーザへの取り付けのために構成されてもよい。様々な実施形態において、取り付けブラケット800は、上側部材802と、下側部材1004と、圧縮捻じり継手806とを含んでもよい。上側部材802は、ユーザの残存肢への取り付けのために構成されてもよい。下側部材1004は、義足に取り付けるように構成されてもよい。一実施形態では、下側部材1004は義足100に結合される。
【0039】
次に
図11A~Cを参照すると、様々な実施形態において、上側部材802は、取り付け部分808と上側フランジ810とを含んでもよい。取り付け部分808は、ユーザの残存肢に取り付けるように構成される場合がある。取り付け部分808は、球状ドーム812と、義肢装具業界で使用される標準的な雄型ピラミッドアダプタである取り付け部分814とを含んでもよい。ピラミッドアダプタは、義肢装具の実践で使用される標準的なレシーバ、例えば、義肢装具業界で一般的に知られているシュタッツ式(Staats style)アタッチメントと結合されてもよい。アタッチメント部分814は、当業者によって理解されるように、標準的なレシーバアダプタを使用してもよい。様々な実施形態によれば、アタッチメント部分814は、ユーザの残存肢への取り付けを容易にすることができる。アタッチメント部分814は、ユーザの体重線(weight line)と整列する中心線を含んでいてもよい。
【0040】
球状ドーム812は、上側フランジ810の上面816に位置してもよい。様々な実施形態において、上側フランジ810は、その外周の下方に延びるリップ818と、その中に含まれるチャネル822を有する下面820とを含んでもよい。様々な実施形態において、上側フランジ810の下面820は、凹部824を含んでもよい。一実施形態では、凹部824は、三日月形の凹部824を含んでもよい。
【0041】
様々な実施形態では、
図14B、16、19、27A、及び27Bに示すように、上側部材802はまた、嵌合ポスト826を含むことができる。嵌合ポスト826は、上側フランジ810の下面820から下方に延びる円筒形カラー828を含んでいてもよい。様々な実施形態において、嵌合ポスト826は、取り外し可能であってもよい。嵌合ポスト826の上側部分830は、ねじ嵌め、プレス加工などの任意の既知の方法によって、凹部832内で上側部材802に結合されることができる。一実施形態では、嵌合ポスト826は、ねじ込み接続によって上側部材802に結合されてもよい。嵌合ポスト826は、円筒形カラー828の上側部分830に、上側部材802の凹部832内のねじ山(図示せず)によって受け入れられるねじ山(図示せず)を含んでよい。嵌合ポスト826は、円筒形カラー828の周囲に、Oリング(図示せず)を受け入れることができる少なくとも1つの凹部834を更に含んでもよい。Oリングは、嵌合ポスト826の外径とスリーブ902の内径との間のクリアランスを埋める役割を果たし、相対的に動く構成要素間の滑らかで静かな動作を提供する。一実施形態では、嵌合ポスト826は、円筒形カラー828の外周に、組立中にグリースまたは他の潤滑剤を受け取ることができる少なくとも1つの凹部836を含んでいる。
【0042】
次に
図12~13を参照すると、様々な実施形態において、下側部材804は、取り付け部分840と、下側フランジ842と、嵌合部分844とを含んでもよい。取り付け部分840は、下側フランジ842の後縁に位置してもよい。取り付け部分840は、取り付けブラケット800を義足100に結合するために用いられる少なくとも1つのねじ付き開口部846を含んでいてもよい(
図8および
図9参照)。一実施形態では、取り付け部分840は、取り付けブラケット800を義足100に結合するためのボルト864を受ける3つのねじ付き開口部846を含む。
【0043】
様々な実施形態では、
図9に示すように、義足100の上端862は、義足100の上端862および下側部材804の取り付け部分840に存在する開口(図示せず)内にファスナ864を受け入れる機械的接続を介して下側部材804の取り付け部分840に接続されることができる。ボルト接続が示されているが、ねじ、リベットなど、任意の機械的接続が企図され得る。ボルト接続の材料は、チタン又は他の適切な材料を含むことができる。他の種類の材料は、軟鋼、合金鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、および2000シリーズや7000シリーズなどの合金アルミニウムを含んでもよい。
【0044】
下側部材804の嵌合部844は、上側カラー848と下側カラー850とを含んでもよい。上側カラー848は、下側フランジ842の上面852から上方に延びる一方、下側カラー850は、下側フランジ842の下面854から下方に延びる。
図12A~Bおよび
図14Bに示すように、嵌合部844の上側および下側カラー848、850は、上側および下側部材802、804が連結されたときに、上側部材802の嵌合ポスト826の円筒形カラー828を受け入れるように結合する。
図12A、12B、13および15に示すように、下側フランジ842の上面852は、凹型チャネル856と、周囲の一部を囲むリップ858とを含んでもよい。
【0045】
様々な実施形態において、下側部材804は、一対のストップ860を含んでもよい。ストップ860は、以下で詳細に説明するように、使用中に下側部材804に対する上側部材802の回転を制限するのに役立つ。
【0046】
図32に示す別の実施形態では、下側部材934がストップなしで提供される。この実施形態では、バンパ868は、捻じりバンパではなく、圧縮バンパとして機能し得る。下側部材934の残りは、下側部材804と同様である。
【0047】
次に、様々な実施形態において、
図9、10、16および19を参照すると、圧縮捻じり継手806は、エラストマリング866を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手806は、バンパ868を含んでもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手806は、圧縮カラー870を含んでもよい。一実施形態では、圧縮捻じり継手806は、エラストマリング866、バンパ868、および圧縮カラー870の組み合わせを含んでもよい。
【0048】
図19、22Aおよび22Bを参照すると、エラストマリング866は、内側874、外側876、上側878、および下側880の表面を有する壁872を含んでもよい。
図22Aおよび22Bに示される一実施形態では、壁872の内側表面874は、実質的に滑らかな表面を含む。一実施形態では、内面874は、隆起した表面、隆起した部分を有する表面、および、厚さが変化する壁を含むことができる。一実施形態では、内側および外側表面874、876は、上面878から下面880に向かって湾曲し、および/またはエラストマリング866の中心に対して凸状であってもよい。一実施形態では、外面876は、エラストマリング866の中心に対して湾曲し、および/または凸状であってもよい。次に、
図11C、
図13、
図15、及び
図22Aを参照すると、エラストマリング866の上面878は、上側部材802の上側フランジ810のチャネル822に受容されてもよい。外面876は、上側部材802の上側フランジ810のリップ818に概ね当接する。エラストマリング866の下面880は、下側部材804の下側フランジ842のチャネル856に受容されてもよい。外面876は、概して、下側部材804の下側フランジ842のリップ858に当接する。
【0049】
図17、
図19、および
図23A~Cに示される一実施形態では、圧縮捻じり継手806は、バンパ868を含んでもよい。一実施形態では、バンパ868は、圧縮/捻じりバンパを含んでもよい。別の実施形態では、バンパ868は、圧縮バンパを含んでもよい。バンパ868は、三日月形であって、下側部材804の上側フランジ810の三日月形凹部824内に受け入れられることがある(
図11Cを参照)。バンパ868の上面881は、エラストマリング866に関して以下に説明する方法で、三日月形の凹部824内に受容され、接着されてもよい。使用中、バンパ868の下面882は、下側フランジ842の上面852に接触し、それによって、下側部材804に対する上側部材802の限られた量の垂直移動のみを可能にする(
図12A~Bを参照)。バンパ868は、エラストマリング866が歩行サイクル中および立っている間に垂直方向の衝撃吸収を提供する一方で、垂直方向の動きを制限する。一実施形態では、868は、ピン884を受ける一対の穴883を含んでいてもよい(
図28A~Bを参照)。ピン884は、上側部材802内の一対のねじ穴886に受容される少なくとも部分的にねじ切られたシャフトを含む場合がある。一実施形態では、バンパ868及びピン884と組み合わせたストップ860は、使用中に下側部材804に対する上側部材802の捻じり回転を制限するのに役立つ。ストップ860と組み合わせて使用される場合、バンパ868は、圧縮/捻じりバンパである。ストップが下側部材から存在しない上述した実施形態では、バンパ868は、圧縮バンパとして機能し、捻じりバンパとして機能しない場合がある。
【0050】
様々な実施形態では、
図17、19、及び24に示すように、及び圧縮カラー870は、円筒形カラー826上に受容されてもよく、上側フランジ810の下面820に当接する。一実施形態では、組み立てられたとき、圧縮カラー870の下面と上側カラー848の上面との間に隙間が存在してもよい。また、バンパ868の下面と下側フランジ842の上面との間に隙間が存在してもよい。別の実施形態では、組み立てられたとき、圧縮カラー870の下面は、上側カラー848の上面に当接してもよい。
【0051】
図29を参照すると、別の実施形態では、三日月形の凹部926を有する下側部材924が示されている。バンパ868の下面882は、エラストマリング866の結合に関して以下に説明する方法で、三日月形の凹部926内に受け入れられ、結合され得る。
図30および
図31を参照すると、一実施形態では、一対のストップ932およびチャネル822を含む上側部材930が示されている。この実施形態では、バンパ868は、圧縮/捻じりバンパである。上側部材930の残りの部分は、上側部材802と同様であるが、三日月形の凹部はない。
図29~31に示すこの実施形態は、ストップ860を有する下側部材804と三日月形の凹部824を有する上側部材802の上述した実施形態と同様に動作する。
【0052】
次に
図9および
図12A~Bを参照すると、様々な実施形態において、取り付けブラケット800は、ワッシャプレート888を含んでいてもよい。ワッシャプレート888は、取り付けブラケット800を義足100の上端862に結合する際に使用されてもよい。ワッシャプレート888は、義足102の上端862および下側部材804の取り付け部840と同じ数の開口を含んでもよい。ワッシャプレート888は、義足100の上端862の表面にわたって荷重を分散し、応力集中を低減するように設計されている。別の実施形態では、義足100は、標準的なワッシャの構成も利用することができる。
【0053】
次に
図19~21および25を参照すると、様々な実施形態において、取り付けブラケット800は、保持システム900を含んでもよい。保持システム900は、上側および下側部材802、804を接続するエラストマリング866上の結合が失われる状況において、上側部材802が下側部材804から切り離されないことを保証するフェイルセーフとして利用される。様々な実施形態において、保持システム900は、スリーブ902、プラグ904、及びコネクタ906を含んでもよい。
【0054】
様々な実施形態において、スリーブ902は、円筒形の壁908と第1及び第2の端部910、912とを含んでもよい。スリーブ902は、下側部材804の嵌合部844内に嵌合する。スリーブ902は、下側部材804の下端部に挿入され、嵌合部844の長さに沿って延びることができる。スリーブ902の第1の端部910は、下側部材804の上側カラー848の内部に形成されたリップに当接することができる。リップは、第1の端部910を嵌合部884内に保持するように構成される。
【0055】
様々な実施形態において、プラグ904は、嵌合ポスト826の円筒形カラー828内の内壁914に位置する内部ねじ山内に受容されるねじ山を含む。コネクタ906は、スリーブ902内に受容される嵌合ポスト826と組み合わせて、上側部材802を下側部材804に結合するために使用され得る。スリーブ902は、上側及び下側部材802、804の間の滑らかな移動を容易にする低摩擦材料を含んでもよい。コネクタ906は、保持ワッシャ916と保持コネクタ918とを含んでもよい。保持コネクタ918は、保持ワッシャ916と組み合わせて使用され、プラグ904のねじ付き開口部内に受け入れられる。締め付けられると、保持コネクタ918は、下側部材804の内部棚920に対して保持ワッシャ916を着座させる(
図14B、20B、および21を参照)。一実施形態では、保持コネクタ918は、ねじである。
【0056】
次に
図19、20B、および21を参照すると、様々な実施形態において、保持システム900は、キャップ922を含んでいてもよい。キャップ922は、スリーブ902の第2端部912を嵌合部844の下側カラー850内に保持する。キャップ922は、圧入されてもよいし、嵌合部844の下側カラー850の内部ねじ山(図示せず)と嵌合するねじ山を含んでもよい。使用時、嵌合ポスト826の円筒形カラー828は、スリーブ902内に受容され、このスリーブは、上側及び下側部材802、804が連結されたときに嵌合部分844の上側及び下側カラー848、850内に受容される。
【0057】
キャップ922は、保持ワッシャ916をスリーブ902の第2の端部912に押し付けるように当接させることができる。キャップ922はまた、スペーサを嵌合部844内に着座させて、汚れ、砂、または小さな物体が下側部材804の嵌合部844に入るのを防ぐ。小さな石や砂のような物体は、可動内部部材を摩耗させ、最終的に損傷や故障の原因となる可能性がある。
【0058】
スリーブ902は、任意の適切な低摩擦材料から作ることができる。一実施形態では、低摩擦スリーブは、義足の構成要素間のスムーズな動きを可能にするために、プラスチックから作られる。一実施形態では、低係数のプラスチックブッシング材料が使用され得る。
【0059】
様々な実施形態において、取り付けブラケット800は、ベント(vent)アセンブリ928を含んでもよい。一実施形態では、ベントアセンブリ928は、ねじと、ワッシャと、下側部材804の開口とを含んでもよい。ねじは、下側部材804の開口部内に受容される。ベントアセンブリ928の開口からねじを取り外すことは、取り付けブラケット800の内部の圧力(接着剤ボンド硬化中)を周囲の圧力と等しくするために使用され得る。このベントアセンブリ928がないと、取り付けブラケット800の空洞内に圧力が蓄積し、金属部品がエラストマリング866から部分的に分離するように強いられる。
【0060】
負荷がかかった状態での使用において、バンパ868の下面は、圧縮カラー870と連動して下側フランジ842の上面に接触し、それによって下側部材804に対する上側部材802の限られた量の垂直移動しか許容しない。圧縮カラー870は、垂直方向の動きを制限する。バンパ868は、ストップを有する上側または下側部材と共に使用される場合、垂直方向および捻じり方向の動きを制限する。バンパ868は、ストップのない上側部材または下側部材と共に使用される場合に、垂直方向の動きを制限する。エラストマリング866は、歩行サイクル中および立っている間、垂直方向の衝撃吸収および捻じり安定性を提供する。
【0061】
取り付けブラケット800は、複数フェイズシステムを提供する。初期荷重が義足100に加えられると、エラストマリング866は、垂直圧縮および捻じり回転の両方のための柔らかい抵抗を提供する。より大きな荷重がかかると、バンパ868の下面882が下側フランジ842の上面852に接触し、圧縮カラー870の下面が上側カラー848の上面に接触し、それによって下側部材804に対する上側部材802の限られた量の垂直移動のみが可能になる。バンパ868及び圧縮カラー870が垂直方向の動きを制限する一方で、エラストマリング866は、歩行サイクル中及び立っている間に垂直方向の衝撃吸収を提供する。
【0062】
より大きな捻じり荷重が加えられると、エラストマリング866は、バンパ868がストップ860に接触して捻じり回転の量を制限するまで、ますます硬い捻じり安定性を与える。一実施形態では、バンパ868およびストップ860は、捻じり回転を約5~10度制限する役割を果たす。一実施形態では、バンパ868およびストップ860は、捻じり回転をプラスマイナス約8度制限する役割を果たす。
【0063】
様々な実施形態において、エラストマリング866は、バンパ868及び圧縮カラー870よりも低い硬度を含んでよく、それにより垂直荷重及び捻じり回転に対する初期の柔らかい抵抗が提供される。より高い硬度の圧縮カラー870は、高い垂直荷重の間、より大きな抵抗を提供する。圧縮カラー870は、垂直圧縮中の取り付けブラケット800の感覚に影響を与える異なる高さを含むことができる。圧縮カラー870がより高い場合、バンパ868の前に接触することができる。より高い硬度のバンパ868は、垂直方向および捻じり方向の両方の高荷重の間、より大きな抵抗を提供する。したがって、上述したシステムは、ユーザのニーズに基づいて、垂直方向の負荷および捻じり回転に対する複数フェイズの耐性を提供することができる。
【0064】
様々な実施形態によれば、上側および下側部材802、804は、チタン(任意のタイプ)または任意の他の適切な材料から作られることができる。一実施形態では、上側部材802は、チタンを含んでもよい。一実施形態では、下側部材804は、合金アルミニウムを含んでもよい。上側および下側部材802、804に使用され得るいくつかの他のタイプの材料は、軟鋼、合金鋼、鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、2000および7000シリーズなどの合金アルミニウム、ならびに任意の適切な複合材料を含む。
【0065】
様々な実施形態において、上述した上側および下側部材802、804は、一体型ピースまたは任意の適切な方法によって一緒に接合された複数のピースであり得る。いくつかの実施形態では、材料の種類に応じて、上側および下側部材802、804は、フライス加工、鋳造、鍛造、粉末金属などによって作製することができる。一実施形態では、上側および下側部材802、804は、チタンCNCフライス盤で作製されてもよい。より具体的には、一実施形態では、上側および下側部材802、804は、CNCフライス盤を用いて製作された合金アルミニウムから一体に作られてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材802、804のためのアルミニウム、チタン、マグネシウムまたは他の適切な材料は、CNCフライス盤を使用して作製されてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材802、804のためのアルミニウム、チタン、マグネシウムまたは他の適切な材料は、鋳造、鍛造、粉末金属等によって作製されてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材802、804のためのクロムモリブデン、鋼、または他の適切な材料は、複数の部分から作られ、溶接または任意の他の適切な方法によって一緒に結合されてもよい。
【0066】
様々な実施形態によると、そして
図10~12、および22を参照すると、上側および下側部材802、804は、エラストマリング866によって結合され得る。エラストマリング866は、任意のゴム、ポリウレタン、および/またはエラストマ材料を含み得る。エラストマリング866は、接着剤を用いて上側および下側部材802、804に結合されてもよい。エラストマリング866の上面878は、上側部材802の上側フランジ810のチャネル822内に受け入れられて接着されてもよい。エラストマリング866の下面880は、下側部材804の下側フランジ842のチャネル856内に受け入れられて接着してもよい。エラストマリング866は、ユーザの歩行中の下方への打撃の力を吸収するための緩衝材として機能し得る。
【0067】
様々な実施形態において、エラストマリング866は、接着結合を含むことができ、それによって、下側部材を上側部材に結合させることができる。さらに、エラストマリング866の接着結合は、応力分散を生じさせる可能性がある。他のモジュラス値が企図され、様々なモジュラスが同様に使用されてもよいが、柔軟な接着剤と比較して、より硬い接着剤が好まれる。エラストマリング866は、上側部材802の上側フランジ810と下側部材106の下側フランジ842との間に空間を形成する。接着剤は、エラストマリング866と混在することができる。
【0068】
義足100は、上側部材802と下側部材804との間のエラストマリング866の特性を調整することによって、部分的にユーザに適応するように調整することができる。例えば、様々な実施形態において、エラストマリング866の硬度は、追加の体重または動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して、増加させることができる。
【0069】
様々な実施形態において、また図示されているように、エラストマリング866及びバンパ868は、エラストマ材料を含んでもよい。エラストマ材料は、一般的なエラストマ材料、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム、または天然ゴムと合成ゴムの様々な組合せを含んでもよい。エラストマリング866およびバンパ868の両方のエラストマ材料の硬度は、義足の追加の調節を提供するために変化させることができる。エラストマリング866およびバンパ868のエラストマ材料は、荷重を支える。さらに、エラストマリング866が上側および下側部材802、804を結合するので、義足100の使用中に部材が捻じり回転することが可能である。エラストマ材料の調整可能な硬度は、活動レベル、コンプライアンスレベル、体重変化などのユーザのニーズに基づいて、エラストマリングのバネ率を調整することを可能にする。例えば、様々な実施形態において、エラストマ材料の硬度は、ユーザの追加体重又はユーザの動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して増加させることができる。踵の打撃力の増大はまた、踵部材の圧縮をより大きくする。上述のように、エラストマリング866は、バンパ868よりも低い硬度を含み、それによって垂直荷重および捻じり回転に対する初期の柔らかい抵抗力を提供することができる。より高い硬度のバンパ868は、垂直方向と捻じり方向の両方で高い負荷がかかったときに、より大きな抵抗を提供する。
【0070】
別の実施形態では、
図29を参照すると、三日月形の凹部926を有する下側部材924が示されている。バンパ868の下面882は、エラストマリング866の結合に関して以下に説明する方法で、三日月形の凹部926内に受け入れられ、結合され得る。
図30および
図31を参照すると、一実施形態では、一対のストップ932およびチャネル822を含む上側部材930が示されている。この実施形態では、バンパ868は、圧縮/捻じりバンパである。上側部材930の残りの部分は、上側部材802と同様であるが、三日月形の凹部はない。
図29~31に示すこの実施形態は、ストップ860を有する下側部材804と三日月形の凹部824を有する上側部材802の上述した実施形態と同様に動作する。
【0071】
様々な実施形態に従って、
図8~10を参照すると、接続点130は、取り付けブラケット800を含むことができる。取り付けブラケット800は、頂部材120に取り付けられてもよく、ユーザへの取り付けのために構成されてもよい。様々な実施形態において、取り付けブラケット800は、上側部材802と、下側部材804と、圧縮捻じり継手806とを含んでもよい。上側部材802は、ユーザの残存肢への取り付けのために構成されてもよい。下側部材804は、義足に取り付けるように構成されていてもよい。一実施形態では、下側部材804は、義足100に結合される。
【0072】
次に
図33~35を参照すると、取り付けブラケット938のための圧縮捻じり継手936の追加の実施形態が示されている。取り付けブラケットは、義足100に取り付けられることができる。圧縮捻じり継手936および取り付けブラケット938の構成要素の多くは、
図10および
図19で上述した実施形態と同じである。取り付けブラケットは、上述したものと同様の上側部材940と下側部材942とを含んでいる。
図10および
図19で説明した実施形態で示した上側部材802内のバンパ868、ピン884およびねじ穴886は、
図33~35で説明した上側部材940および圧縮捻じり継手936から削除されている。上側部材940の構成の残りの部分は、上述した上側部材802と同様である。
【0073】
様々な実施形態では、圧縮捻じり継手936は、エラストマリング866を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手936は、回転抑制装置944を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手936は、圧縮カラー870を含んでいてもよい。一実施形態では、圧縮捻じり継手936は、エラストマリング866、回転抑制装置944、および圧縮カラー870の組み合わせを含んでもよい。
【0074】
図33、34、40A及び40Bに示される様々な実施形態では、回転抑制装置994は、一対の下方に突出したストップ948、950及び中央ストップ952を有する三日月形の部材946を含んでもよい。三日月形部材946は、上側部材802に関して上述した三日月形凹部824と同様に、上側部材940の三日月形凹部954内に受容される。
【0075】
図33、37、および39に示される一実施形態では、中央ストップ952は、下側部材942の穴958内に受容されるファスナ956を含むことができる。ファスナ956および穴958の構成は、両方ともねじ切りされるか、またはファスナはねじ切りされ、穴958内に受容され、ナット(図示せず)を介して下側部材942に結合されてもよい。一実施形態では、ゴム製バンパ960がファスナ956に結合されてもよい。穴958は、下側部材942の中心に位置している。ベントアセンブリ928は、中央に位置する穴958の側に移動している。下側部材942の構成の残りの部分は、上述した下側部材804と同様である。
【0076】
エラストマリング866と共に三日月形部材946上のストップ948、950及び中央ストップ952は、上述した方法と同様に下側部材942に対する上側部材940の捻じり回転を制限するように構成される。
【0077】
取り付けブラケット938は、複数フェイズシステムを提供する。最初の荷重が義足100に加えられると、エラストマリング866は、垂直圧縮および捻じり回転の両方のための柔らかい抵抗を提供する。より大きな荷重がかかると、圧縮カラー870の下面が上側カラー848の上面に接触し、それによって、下側部材942に対する上側部材940の限られた量の垂直移動のみが可能になる。エラストマリング866及び圧縮カラー870は、歩行サイクル中及び立っている間にエラストマリング866が垂直方向の衝撃吸収を提供しながら、垂直方向の動きを制限する。
【0078】
より大きな捻じり荷重が加えられると、エラストマリング866は、三日月形部材946上のストップ948、950が中央ストップ952に接触して捻じり回転の量を制限するまで、ますます硬い捻じり安定性を与える。一実施形態では、三日月形部材946上のストップ948、950は、中央ストップ952に接触して、捻じり回転を約5~10度制限する役割を果たす。一実施形態では、三日月形部材946上のストップ948、950は、中央ストップ952に接触し、捻じり回転をプラスマイナス約8度制限する役割を果たす。
【0079】
様々な実施形態において、三日月形の部材は、取り付けブラケット800上の上側および下側部材802、804に関して上述したものと同様の材料を含み得る。
【0080】
次に
図41~44を参照すると、様々な実施形態において、取り付けブラケット1000の追加の実施形態が示されている。上述した以前の取り付けブラケットと同様に、取り付けブラケット1000は、義足100の頂部材120に取り付けられ、ユーザに取り付けるように構成されてもよい。様々な実施形態において、取り付けブラケット1000は、上側部材1002と、下側部材1004と、圧縮捻じり継手1006とを含んでもよい。上側部材1002は、ユーザの残存肢に取り付けるために構成されてもよい。下側部材1004は、義足100に取り付けるように構成されてもよい。一実施形態では、下側部材1004は、義足100に結合される。
【0081】
次に
図45A~Cを参照すると、上側部材1002は、取り付け部分1008と上側フランジ1010とを含み得る。取り付け部分1008は、ユーザの残存肢に取り付けるように構成されてもよい。アタッチメント部分1008は、球状ドーム1012と、義肢装具業界で使用される標準的な雄型ピラミッドアダプタである取り付け部分1014とを含んでもよい。ピラミッドアダプタは、義肢装具の実施において使用される標準的なレシーバ、例えば、義肢装具業界で一般的に知られているシュタッツ式アタッチメントと結合されてもよい。アタッチメント部分1014は、当業者によって理解されるように、標準的なレシーバアダプタを使用してもよい。様々な実施形態によれば、アタッチメント部分1014は、ユーザの残存肢への取り付けを容易にすることができる。アタッチメント部分1014は、ユーザの体重線と整列する中心線を含んでいてもよい。
【0082】
球状ドーム1012は、上側フランジ1010上に配置されてもよい。様々な実施形態において、上側フランジ1010は、その外周の下方に延びるリップ1016と、そこに含まれるチャネル1020を有する下面1018とを含んでもよい。
【0083】
様々な実施形態において、
図44、52A及び52Bに示すように、取り付けブラケット1000は、上記の
図27A及び27Bに示す嵌合ポスト826と同様の嵌合ポスト1022も含んでもよい。嵌合ポスト1022は、嵌合ポスト1022が上側部材1002と結合されると、上側フランジ1010の下面1018から下方に延びる円筒形カラー1024を含んでもよい。様々な実施形態において、嵌合ポスト1022は、取り外し可能な別個の部品であってもよいし、一体型部品であってもよい。嵌合ポスト1022の上側部分1026は、ねじ嵌め、プレス加工などの任意の既知の方法によって、凹部1028内で上側部材1002に結合されることができる。一実施形態では、嵌合ポスト1022は、ねじ接続によって上側部材1002に結合されてもよい。嵌合ポスト1022は、上側部材1002の凹部1028内のねじ山(図示せず)によって受容される円筒形カラー1024の上側部分1026上のねじ山(図示せず)を含んでいてよい。嵌合ポスト1022は、Oリング(図示せず)を受け取ることができる円筒形カラー1024の外周上の少なくとも1つの凹部1030をさらに含んでもよい。Oリングは、嵌合ポスト1022の外径とスリーブ1132の内径との間のクリアランスを埋める役割を果たし、相対的に動く構成要素間の滑らかで、かつ静寂な動作を提供する。一実施形態では、嵌合ポスト1022は、円筒形カラー1024の外周に、組立中にグリースまたは別の潤滑剤を受け取ることができる少なくとも1つの凹部1034を含んでいる。
【0084】
図53Aおよび
図53Bは、嵌合ポスト1022Aの代替変形例を示す。嵌合ポスト1022Aは、嵌合ポスト1022と同様の特徴の多くを含む。具体的には、嵌合ポスト1022Aは、上側部分1026Aと、円筒形カラー1024Aと、円筒形カラー1024Aの外周にある、Oリングを受け取ることができる少なくとも1つの凹部1030Aとを含むことができる。
【0085】
次に
図43、44、46Aおよび46Bを参照すると、様々な実施形態において、下側部材1004は、取り付け部分1036、下側フランジ1038、および嵌合部分1040を含んでもよい。取り付け部1036は、下側フランジ1038の後縁に配置されてもよい。取り付け部分1036は、取り付けブラケット1000を義足100に結合するために使用される少なくとも1つのねじ付き開口部1042を含んでいてもよい。一実施形態では、取り付け部分1036は、取り付けブラケット1000を義足100に結合するためのファスナを受ける3つのねじ付き開口部1042を含む。
【0086】
様々な実施形態では、
図9に示すように、義足100の上端862は、機械的接続を介して下側部材1004の取り付け部分1036に接続されてもよく、それによって、ファスナ864が義足100の上端862および下側部材1004の取り付け部分1036内に存在する開口(図示せず)内に受容される。取り付けブラケット1000は
図9に示されていないが、取り付けブラケット1000は、取り付けブラケット800と同じ方法で結合され得る。ボルト接続が示されているが、ねじ、リベットなど、任意の機械的接続が企図され得る。ボルト接続の材料は、チタンまたは他の適切な材料を含み得る。他の種類の材料は、軟鋼、合金鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、および2000シリーズや7000シリーズなどの合金アルミニウムを含んでもよい。
【0087】
下側部材1004の嵌合部1040は、上側カラー1044と下側カラー1046とを含み得る。上側カラー1044は下側フランジ1038から上方に延び、一方、下側カラー1046は下側フランジ1038から下方に延びる。
図43及び
図44に示すように、嵌合部1040の上側及び下側カラー1044、1046は、上側及び下側部材1002、1004が連結されたときに、嵌合ポスト1022の円筒形カラー1024を受け入れるように結合する。
図46A及び
図46Bに示すように、下側フランジ1038は、凹型チャネル1048と、周囲の少なくとも一部を囲むリップ1050とを含んでもよい。
【0088】
次に
図45A~45Cを参照すると、様々な実施形態において、上側部材1002は、一対のストップ1052を含んでもよい。ストップ1052は、以下で詳細に説明するように、使用中に下側部材1004に対する上側部材1002の回転を制限する役割を果たす。ストップ1052は、上側フランジ1010の外周に隣接して上側部材1002上に存在し、そこから外側に突出する。ストップ1052は、上側フランジ1010の外面に位置している。ストップ1052の位置は、圧縮捻じり継手1006が使用される前にどれだけの捻じれが発生する必要があるかを決定する。様々な実施形態において、ストップ1052は、取り付けブラケット1000の上側部材1002が、エラストマリング1054の捻じり剛性を克服してストップ1052が捻じりリミッタ1056に接触できるほど回転するときに作動してもよい。回転止め1052及び回転リミッタ1056のシステムは、取り付けブラケット1000がさらされる垂直圧縮の量にかかわらず、同じ回転角で互いに係合する。
【0089】
次に、様々な実施形態において
図43および44を参照すると、圧縮捻じり継手1006は、エラストマリング1054を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手1006は、捻じりリミッタ1056を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手1006は、圧縮カラー1058を含んでもよい。一実施形態では、圧縮捻じり継手1006は、垂直バネ1060を含んでもよい。一実施形態では、圧縮捻じり継手1006は、エラストマリング1054、捻じりリミッタ1056、圧縮カラー1058、および垂直バネ1060の組み合わせを含んでもよい。
【0090】
様々な実施形態において、
図47~49に示すエラストマリングは、
図19、22A及び22Bで上述したエラストマリングと同様である。エラストマリング1054は、一般に、内側1064、外側1066、上側1068、および下側1070の表面を有する壁1062を含んでもよい。様々な実施形態において、壁1062の内側表面1064は、実質的に滑らかな表面を含んでもよい。様々な実施形態において、内側表面1064は、隆起した表面、隆起部分を有する表面、およびまたは厚さが変化する壁を含んでもよい。
図47A~47Cに示される一実施形態では、内側および外側表面1064、1066は、上側1068から下側表面1070まで湾曲していてもよく、および/またはエラストマリング1054の中心に対して凹んでいてもよい。一実施形態では、外面1066は、湾曲していてもよく、および/またはエラストマリング1054の中心に対して凸状であってもよい。
図48A~48Cに示される一実施形態では、内側表面1064は概ね直線であってよく、および外側表面1066は、上側1068から下側表面1070まで湾曲してよく、および/またはエラストマリング1054の中心に対して凹であってもよい。
図49A~49Cに示される一実施形態では、内側および外側表面1064、1066は、上側1068から下側表面1070まで概ね直線状であってもよい。
【0091】
次に
図43、44、及び47~50を参照すると、エラストマリング1054の上面1068は、上側部材1002の上側フランジ1010のチャネル1020内に受容され得る。 外面1066は、概して、上側部材1002の上側フランジ1010のリップ1016に当接する。エラストマリング1054の下面1070は、下側部材1004における下側フランジ1038のチャネル1048内に受容され得る。外面1066は、一般に、下側部材1004の下側フランジ1038のリップ1050に当接する。
【0092】
図41~43に示す一実施形態では、捻じりリミッタ1056は、下側部材1004の取り付け部1036の上側部分内に位置する開口1072内に受け入れられてもよい。使用中、捻じりリミッタ1056は、上側部材1002上のストップ1052に接触して、使用中の下側部材1004に対する上側部材1002の捻じり回転を制限するように構成される。捻じりリミッタ1056は、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムの組み合わせ、ポリウレタンなどを含むがこれらに限定されないエラストマ材料を含むことができる。
【0093】
様々な実施形態において、
図43及び
図44に示すように、圧縮カラー1058は、嵌合ポスト1022上に受容され、上側フランジ1010の下面1018に当接することができる。一実施形態では、組み立てられたとき、圧縮カラー1058の下面と上側カラー1044の上面との間に隙間が存在してもよい。また、捻じりリミッタ1056の下面と下側フランジ1038の上面との間に隙間が存在してもよい。別の実施形態では、組み立てられたとき、圧縮カラー1058の下面は、上側カラー1044の上面に当接してもよい。
【0094】
様々な実施形態において、垂直バネ1060は、嵌合ポスト1022の円筒形カラー1024内に受容され得る。垂直バネ1060は、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムの組み合わせ、ポリウレタンなどを含むがこれらに限定されないエラストマ材料を含んでもよい。垂直バネ1060は、下側部材1004に対する上側部材1002の垂直方向の移動量を制限する。
【0095】
様々な実施形態において、垂直バネ1060は、円筒形カラー1024の下面と圧縮キャップ1074との間に存在することができる。一実施形態では、垂直バネ1060は、下面に隣接して円筒形カラー1024内に位置するプラグ1076と圧縮キャップ1074との間に存在することができる。垂直バネ1060は、嵌合ポスト1022内の円筒形カラー1024の下面と圧縮キャップ1074に接触することによって、下側部材1004に対する上側部材1002の垂直移動の量を制限する。
【0096】
図45及び50A~Bを参照すると、様々な実施形態において、圧縮キャップ1074は、嵌合ポスト1022の円筒形カラー1024内の内壁に位置する内部ねじ山(図をチェック)内に受容されるねじ山を含んでいてもよい。圧縮キャップ1074は、スリーブ1132内に受容される嵌合ポスト1022と組み合わせて、上側部材1002を下側部材1004に結合するために使用され得る。スリーブ1132は、上側及び下側部材1002、1004の間の滑らかな動きを容易にする低摩擦材料を含んでもよい。様々な実施形態において、圧縮キャップ1074は、垂直バネ1060の下面に接触する背が高いポスト1078を含んでいてもよい。
【0097】
使用時、嵌合ポスト1022の円筒形カラー1024は、上下の部材1002、1004が連結されたときに、嵌合部1040の上下のカラー1044、1046に受け入れられるスリーブ1132内に受け入れられる。
【0098】
スリーブ1132は、
図25で上述したスリーブ910と同様である。スリーブ1132は、円筒形の壁と、第1および第2の端部とを含み得る。スリーブ1132は、下側部材1004の嵌合部1040内に嵌合する。スリーブ1132は、下側部材1004の下端部に挿入され、嵌合部1040の長さに沿って延在してもよい。スリーブ1132の第1の端部は、下側部材1004の上側カラー1044の内部に形成されたリップに当接することができる。リップは、嵌合部1040内に第1の端部を保持するように構成される。
【0099】
スリーブ1132は、任意の適切な低摩擦材料から作ることができる。一実施形態では、低摩擦スリーブは、義足の構成要素間のスムーズな動きを可能にするために、プラスチックから作られる。一実施形態では、低係数のプラスチックブッシング材料が使用され得る。
【0100】
負荷がかかった状態での使用において、圧縮カラー1058と連動する垂直バネ1060及びエラストマリング1054は、下側部材1004に対する上側部材1002の限られた量の垂直移動を提供する。圧縮カラー1058、エラストマリング1054、及び垂直バネ1060は、垂直方向の動きを制限する一方で、捻じりリミッタ1056は、捻じり方向の動きを制限する。エラストマリング1054は、歩行サイクル中および立っている間、垂直方向の衝撃吸収および捻じり安定性を提供する。垂直バネ1060は、使用時に垂直方向の衝撃吸収と圧縮を提供する。
【0101】
取り付けブラケット1000は、複数フェイズシステムを提供する。初期荷重が義足100に加えられると、エラストマリング1054は、垂直圧縮および捻じり回転の両方のための柔らかい抵抗を提供する。圧縮時には、エラストマリング1054と垂直バネ1060とが同時に抵抗を提供する。エラストマリング1054は、圧縮荷重の大部分を担う垂直バネ1060と比較して、圧縮荷重の小さな部分を担う。より大きな荷重が加えられると、垂直バネ1060は、円筒形カラー1024内に位置するプラグ1076と圧縮キャップ1074との間で圧縮され、圧縮カラー1058の下面が上側カラー1044の上面に接触し、それによって下側部材1004に対する上側部材1002の限られた量の垂直移動のみが可能となる。圧縮カラー1058が垂直方向の動きを制限する一方で、エラストマリング1054及び垂直バネ1060が、歩行サイクル中及び立っている間の垂直方向の衝撃吸収を提供する。
【0102】
より大きな捻じり荷重が加えられると、エラストマリング1054は、捻じりリミッタ1056がストップ1052に接触して捻じり回転の量を制限するまで、ますます硬い捻じり安定性を与える。一実施形態では、捻じりリミッタ1056およびストップ1052は、捻じり回転を約5~10度制限する役割を果たす。一実施形態では、捻じりリミッタ1056およびストップ1052は、捻じり回転をプラスマイナス約8度制限する役割を果たす。
【0103】
様々な実施形態において、エラストマリング1054は、捻じりリミッタ1056及び圧縮カラー1058よりも低い硬度を含んでよく、それにより垂直荷重及び捻じり回転に対する初期の柔らかい抵抗が提供される。より高い硬度の圧縮カラー1058は、高い垂直荷重の間、より大きな抵抗を提供する。圧縮カラー1058は、垂直圧縮中の取り付けブラケット1000の感覚に影響を与える異なる高さを含むことができる。圧縮カラー1058がより高い場合、それは捻じりリミッタ1056の前に接触することができる。より高い硬度の捻じりリミッタ1056は、高負荷の捻じりの間、より大きな抵抗を提供する。したがって、上述したシステムは、ユーザのニーズに基づいて、垂直荷重および捻じり回転に対する複数フェイズの抵抗を提供することができる。
【0104】
様々な実施形態によれば、上側および下側部材1002、1004は、チタン(任意のタイプ)または任意の他の適切な材料から作られることができる。一実施形態では、上側部材1002は、チタンを含んでもよい。一実施形態では、下側部材1004は、合金アルミニウムを含んでもよい。上側および下側部材1002、1004に使用され得るいくつかの他のタイプの材料は、軟鋼、合金鋼、鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、2000および7000シリーズなどの合金アルミニウム、ならびに任意の適切な複合材料を含む。
【0105】
様々な実施形態において、上述した上側および下側部材1002、1004は、一体型ピースまたは任意の適切な方法によって一緒に接合された複数のピースであり得る。いくつかの実施形態では、材料の種類に応じて、上側および下側部材1002、1004は、フライス加工、鋳造、鍛造、粉末金属などによって作製することができる。一実施形態では、上側および下側部材1002、1004は、チタンCNCフライス盤で作製され得る。より具体的には、一実施形態では、上側および下側部材1002、1004は、CNCフライス盤を用いて製作された合金アルミニウムから一体に作られてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材1002、1004のためのアルミニウム、チタン、マグネシウムまたは他の適切な材料は、CNCフライス盤を使用して作製されてもよい。他の実施形態では、上側及び下側部材1002、1004のためのアルミニウム、チタン、マグネシウム又は他の適切な材料は、鋳造、鍛造、粉末金属等によって作製され得る。他の実施形態では、上側および下側部材1002、1004のためのクロムモリブデン、鋼、または他の適切な材料は、複数の部分から作られ、溶接または任意の他の適切な方法によって一緒に結合され得る
【0106】
様々な実施形態によると、そして
図41~44を参照すると、上側及び下側部材1002、1004は、エラストマリング1054によって結合され得る。エラストマリング1054は、任意のゴム、ポリウレタン、および/またはエラストマ材料を含んでもよい。エラストマリング1054は、接着剤を用いて上側および下側部材1002、1004に結合されてもよい。エラストマリング1054の上面1068は、上側部材1002の上側フランジ1010のチャネル1020内に受け入れられて接着される場合がある。エラストマリング1054の下面1070は、下側部材1004の下側フランジ1038内のチャネル1048内に受け入れられて接着される場合がある。エラストマリング1054は、ユーザの歩行中の下方への打撃の力を吸収するための緩衝材として機能し得る。
【0107】
様々な実施形態において、エラストマリング1054は、接着結合を含むことができ、それによって、下側部材を上側部材に結合させることができる。さらに、エラストマリング1054の接着結合は、応力分散を生じさせる可能性がある。他のモジュラス値が企図され、様々なモジュラスが同様に使用されてもよいが、柔軟な接着剤と比較して、より硬い接着剤が好ましい。エラストマリング1054は、上側部材1002の上側フランジ1010と下側部材106の下側フランジ1038との間に空間を形成する。接着剤は、エラストマリング1054と混在することができる。
【0108】
義足100は、上側部材1002と下側部材1004との間のエラストマリング1054の特性を調整することによって、部分的にユーザに適応するように調整することができる。例えば、様々な実施形態において、エラストマリング1054の硬度は、追加の体重または動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して、増加させることができる。
【0109】
様々な実施形態において、また図示されているように、エラストマリング1054、捻じりリミッタ1056、および垂直バネ1060は、エラストマ材料を含んでもよい。エラストマ材料は、一般的なエラストマ材料、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム、または天然ゴムおよび合成ゴム、プラスチック、金属などの様々な組み合わせを含んでもよい。エラストマリング1054、捻じりリミッタ1056、および垂直バネ1060の両方のエラストマ材料の硬度は、義足の追加の調整を提供するために変化させることができる。エラストマリング1054、捻じりリミッタ1056、および垂直バネ1060のエラストマ材料は、荷重を支える。さらに、エラストマリング1054が上下の部材1002、1004を結合するので、義足100の使用中に部材が捻じり回転することができる。エラストマ材料の調整可能な硬度は、活動レベル、コンプライアンスレベル、体重変化などのユーザのニーズに基づいて、エラストマリングのバネ率を調整することを可能にする。例えば、様々な実施形態において、エラストマ材料の硬度は、ユーザの追加の体重又はユーザの動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して、増加させることができる。踵の打撃力の増大はまた、踵部材の圧縮をより大きくする。上述のように、エラストマリング1054および垂直バネ1060は、捻じりリミッタ1056よりも低い硬度を含み、それによって垂直荷重および捻じり回転に対する初期の柔らかい抵抗力を提供することができる。より高い硬度の捻じりリミッタ1056は、高い捻じり負荷がかかったときに大きな抵抗を提供する。
【0110】
次に
図56、
図57および
図75を参照すると、様々な実施形態において、取り付けブラケット1100の追加の実施形態が示されている。上述した以前の取り付けブラケットと同様に、取り付けブラケット1100は、義足100の頂部材120に取り付けられ、ユーザに取り付けるように構成されてもよい。様々な実施形態において、取り付けブラケット1100は、上側部材1102と、下側部材1104と、圧縮捻じり継手1106とを含んでもよい。上側部材1102は、ユーザの残存肢に取り付けるために構成されてもよい。下側部材1104は、義足100に取り付けるように構成されていてもよい。一実施形態では、下側部材1104は、義足100に結合される。
【0111】
次に
図57、
図67及び
図70を参照すると、上側部材1102は、取り付け部分1108及び上側フランジ1110を含んでもよい。取り付け部分1108は、ユーザの残存肢に取り付けるように構成されてもよい。取り付け部分1108は、球状ドーム1112と、義肢装具業界で使用される標準的な雄型ピラミッドアダプタである取り付け部分1114とを含んでもよい。ピラミッドアダプタは、義肢装具の実施において使用される標準的なレシーバ、例えば、義肢装具業界で一般的に知られているシュタッツ式アタッチメントと結合されてもよい。アタッチメント部分1114は、当業者によって理解されるように、標準的なレシーバアダプタを使用してもよい。様々な実施形態によれば、アタッチメント部分1114は、ユーザの残存肢への取り付けを容易にすることができる。アタッチメント部分1114は、ユーザの体重線と整列する中心線を含んでいてもよい。
【0112】
球状ドーム1112は、上側フランジ1110に位置することができる。
図57、66、及び70に示される様々な実施形態では、上側フランジ1110は、その周囲の下方に延びるリップ1116と、そこに含まれるチャネル1120を有する下面1118とを含んでよい。
【0113】
様々な実施形態において、
図57及び
図75に示すように、取り付けブラケット1100は、上記
図27A及び
図27Bに示す嵌合ポスト826及び
図44、52A及び52Bに示す嵌合ポスト1022と同様の嵌合ポスト1122も含むことができる。嵌合ポスト1122は、嵌合ポスト1122が上側部材1102と結合されると、上側フランジ1110の下面1118から下方に延びる円筒形カラー1124を含んでよい。様々な実施形態において、嵌合ポスト1122は、取り外し可能な別個の部品であってもよいし、一体型の部品であってもよい。嵌合ポスト1122の上側部分1126(
図75も参照)は、ねじ嵌め、プレス加工などの任意の既知の方法によって、凹部1128(
図70も参照)内で上側部材1102に結合されることができる。一実施形態では、嵌合ポスト1122は、ねじ接続によって上側部材1102に結合されてもよい。嵌合ポスト1122は、円筒形カラー1124の上側部分1126に、上側部材1102の凹部1128内のねじ山(図示せず)によって受容されるねじ山(図示せず)を含んでいてもよい。嵌合ポスト1122は、Oリング(図示せず)を受容し得る、円筒形カラー1124の外周上の少なくとも1つの凹部1130(
図75も参照)をさらに含んでもよい。Oリングは、嵌合ポスト1122の外径とスリーブ1132の内径との間のクリアランスを埋める役割を果たし、相対的に動く構成要素間の滑らかで、かつ静寂な動作を提供する。一実施形態では、嵌合ポスト1122は、組立中にグリースまたは他の潤滑剤を受け取ることができる円筒形カラー1124の外周上の少なくとも1つの凹部1034(
図52Aおよび52Bを参照)を含んでいる。
【0114】
次に
図57および
図60~
図64を参照すると、様々な実施形態において、下側部材1104は、取り付け部分1108、下側フランジ1138、および嵌合部分1140を含んでもよい。取り付け部1108は、下側フランジ1138の後縁に位置してもよい。取り付け部分1108は、取り付けブラケット1100を義足100に結合するために使用される少なくとも1つのねじ付き開口部1142を含んでいてもよい。一実施形態では、取り付け部分1108は、取り付けブラケット1100を義足100に結合するためのファスナを受ける3つのねじ付き開口部1142を含む。
【0115】
様々な実施形態では、
図9に示すように、義足100の上端862は、機械的接続を介して下側部材1104の取り付け部分1108に接続されてもよく、それによって、ファスナ864が義足100の上端862および下側部材1104の取り付け部分1108内に存在する開口(図示せず)内に受け入れられる。取り付けブラケット1000、1100は
図9に示されていないが、取り付けブラケット1000、1100は、取り付けブラケット800と同じ方法で結合され得る。ボルト接続が示されているが、ねじ、リベットなど、任意の機械的接続が企図され得る。ボルト接続の材料は、チタンまたは他の適切な材料を含むことができる。他の種類の材料は、軟鋼、合金鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、および2000シリーズや7000シリーズなどの合金アルミニウムを含んでもよい。
【0116】
下側部材1104の嵌合部1140は、上側カラー1144と下側カラー1146とを含み得る。上側カラー1144は下側フランジ1138から上方に延びる一方、下側カラー1146は下側フランジ1138から下方に延びる。
図57に示すように、嵌合部1140の上側及び下側カラー1144、1146は、上側及び下側部材1102、1104が連結されたときに、嵌合ポスト1122の円筒形カラー1124を受け入れるように結合する。
図61及び
図62に示すように、下側フランジ1138は、凹型チャネル1148と、周囲の少なくとも一部を囲むリップ1150とを含んでもよい。
【0117】
次に
図66及び
図68を参照すると、様々な実施形態において、上側部材1102は、上側フランジ1110の下面1118から延びる少なくとも1つの耳(ear)を含んでいてもよい。一実施形態では、上側部材1102は、一対の延びる耳1152および1154を含むことができる。耳1152および/または1154は、上側フランジ1110の下面1118から下方に延びることができる。
図68に示すように、耳1152及び/または1154は、上側及び下側部材1102、1104の外周及びエラストマリング1158の内側に含まれるように、上側フランジ1110の下面1118上のチャネル1120の内側に位置してもよい(
図57も参照)。耳1152および/または1154は、以下のように配置することができる。
【0118】
耳1152及び/または1154は、以下で詳細に説明されるように、使用中に下側部材1104に対する上側部材1102の回転を制限する役割を果たす。耳1152及び/または1154は、上側フランジ1110上に位置するチャネル1120の内周1156に隣接し、そこから内側に突出して上側部材1102上に存在することができる。
図68に示すように、耳1152および/または1154は、互いに対向する上側部材1102の下面1118上に存在し、上側フランジ1110上に位置するチャネル1120の内周1156から内側に存在し、そこから下方に突出してもよい。
【0119】
次に
図58、
図59及び
図61~
図64を参照すると、様々な実施形態において、下側部材1104は、下側フランジ1138の上側カラー1144から上方に延びる少なくとも1つの耳を含んでいてもよい。一実施形態では、下側部材1104は、一対の延びる耳1160および1162を含むことができる。耳1160および/または1162は、下側フランジ1138の上側カラー1044から上方に延びている。耳1160及び/または1162は、上側及び下側部材1102、1104の外周及びエラストマリング1158の内部に完全に収容されるように、下側フランジ1138の上側カラー1144上のチャネル1148の内側に配置される。
図61に示すように、耳1160及び/または1162は、チャネル1148の内周1169の内側で上側カラー1144上に互いに反対側に配置されてもよい。
【0120】
上側部材1102および下側部材1104は、一対の延びる耳を有するように示されているが、上側および下側部材の一方は単一の延びる耳を構成し、他方は一対の延びる耳を含むことができる。このように、一実施形態では、上側部材および下側部材の一方に単一の延びる耳が含まれる一方で、他方は一対の延びる耳を含むことができる。例えば、一実施形態では、上側部材1102は、下側フランジ1138の上側カラー1044から下方に延びる一対の耳1152および/または1154を含んでよく、下側部材1104は、下側フランジ1138の上側カラー1044から上方に延びる少なくとも1つの耳を含んでもよい。
【0121】
次に
図71~74を参照して、内部バンパ1164が説明される。内部バンパ1164は、リング1166と、一対の凹部1168と、一対の延びるアーム1170とを含み得る。リング1166は、上側および下側部材1102、1104のチャネル1120、1148の内側にそれぞれ存在する。内部バンパ1164は、捻じれ止め弾力性材料を含んでもよい。内部バンパ1164は、エラストマリング1158、捻じりリミッタ1056、および垂直バネ1176に関して上述した材料と同様のエラストマ材料を含んでもよい。内部バンパ1164は、図示のように単一ピースとして形成されてもよいし、複数のピースとして形成されてもよい。内部バンパ1164の凹部1168の主な機能は、上側部材1102の延びる耳1152及び1154が回転して下側部材1104の延びる耳1160及び1162に接触するときに、回転運動の終わりに金属対金属の接触をなくすために、上側部材1102(
図70参照)の一対の延びる耳1152および/または1154を包囲することにある。
【0122】
一対の延びるアーム1170は、垂直移動の終端のためのバンパを含むことができる。一対の延びるアーム1170は、上方に突出し、上側部材1102の上側ドーム本体の一対の凹型スロット1172内に挿入される(
図68参照)。使用中、下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、垂直移動の終わりに達したときに一対の延びるアーム1170に接触し、回転移動中に上側部材1102の包囲された一対の延びる耳1152及び1154に対して行うのと同様に、垂直移動の終端における金属対金属の接触を防止することになる。
【0123】
内部バンパ1164は、上側および下側の部材1102、1104に設けられた耳の向きに応じて変更することができる。例えば、
図71~74に示すように、上側部材1102が一対の延びる耳1152、1154を含む場合、内部バンパは、一対の延びる耳1152、1154を収容するための一対の凹部を含むであろう。上側部材1102が単一の延びる耳を含む場合、内部バンパは、延びる耳の単一を収容するための単一の凹部を含むことになる。
【0124】
図57および
図75を参照すると、様々な実施形態では、圧縮捻じり継手1106は、エラストマリング1158を含んでいてもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手1106は、内部バンパ1164を含んでもよい。様々な実施形態において、圧縮捻じり継手1106は、垂直バネ1176を含んでもよい。一実施形態では、圧縮捻じり継手1106は、エラストマリング1158、内部バンパ1164、および垂直バネ1176の組み合わせを含んでもよい。
図81に示す一実施形態では、圧縮捻じり継手1106は、取り付けブラケット1100の高さの中点の上方に位置していてもよい。
図81に示す一実施形態では、圧縮捻じり継手1106は、義足100の高さの中点の上方に位置してもよい。圧縮捻じり継手1106は、義足100およびユーザに取り付ける取り付けブラケット1100の取り付け部分1108に近接して配置される。これにより、圧縮捻じり継手1106、足100、およびユーザにかかるモーメント/荷重が低減される。この配置は、足の設計と関連して、圧縮および捻じり運動を可能にしながら必要な荷重を運ぶための最もコンパクトで最も軽量なブラケット解決策を可能にする。さらに、一実施形態では、取り付けブラケット1100は、足の垂直軸にほぼ平行に義足100に取り付けられ、これは、義足100へのブラケットの取り付けを収容するために、圧縮捻じり継手1106が、下側部材1104による義足100への取り付けブラケット1100の中点の上にあることが必要となる。
【0125】
様々な実施形態において、
図57に示すエラストマリング1158は、
図19、22A、22B及び47~49で上述したエラストマリング1054と同様である。エラストマリング1054/1158は、一般に、内側1064、外側1066、上側1068、および下側1070の表面を有する壁1062を含んでもよい。様々な実施形態において、壁1062の内側表面1064は、実質的に滑らかな表面を含んでもよい。様々な実施形態において、内側表面1064は、隆起した表面、隆起した部分を有する表面、およびまたは厚さが変化する壁を含んでもよい。
図47A~47Cに示される一実施形態では、内側および外側表面1064、1066は、上側1068から下側表面1070まで湾曲していてもよく、および/またはエラストマリング1158の中心に対して凹んでいる。一実施形態では、外面1066は、湾曲していてもよく、および/またはエラストマリング1054/1158の中心に対して凸状であってもよい。
図48A~48Cに示される一実施形態では、内側表面1064は概ね直線であってよく、および外側表面1066は、上側1068から下側表面1070まで湾曲してよく、および/またはエラストマリング1054/1158の中心に対して凹状であってよい。
図49A~49Cに示される一実施形態では、内側および外側表面1064、1066は、上側1068から下側表面1070まで概ね直線状であってもよい。
【0126】
次に
図43、44、47~50、及び57を参照すると、エラストマリング1054/1158の上面1068は、上側部材1102における上側フランジ1110のチャネル1120に受け入れられることができる。外面1066は、概して、上側部材1102の上側フランジ1110のリップ1016に接する。エラストマリング1054/1158の下面1070は、下側部材1104における下側フランジ1138のチャネル1048内に受容され得る。外面1066は、概して、下側部材1104の下側フランジ1138のリップ1050に当接する。
【0127】
図57及び
図75を参照すると、様々な実施形態において、垂直バネ1176は、嵌合ポスト1122の円筒形カラー1124内に受容され得る。垂直バネ1176は、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムの組み合わせ、ポリウレタンなどを含むがこれらに限定されないエラストマ材料を含んでもよい。垂直バネ1176は、下側部材1104に対する上側部材1102の垂直方向の移動量に抵抗し、制限する。
【0128】
様々な実施形態において、垂直バネ1176は、円筒形カラー1124の下面と圧縮キャップ1178の間に存在してもよい。一実施形態では、垂直バネ1176は、円筒形カラー1124内に位置するスペーサ(図示せず)と圧縮キャップ1178との間に存在してもよい。垂直バネ1176は、嵌合ポスト1122及び圧縮キャップ1178内の円筒形カラー1124の下面に接触することによって、下側部材1104に対する上側部材1102の垂直移動の量を制限する。
【0129】
次に
図57および
図75~
図77を参照すると、様々な実施形態において、取り付けブラケット1100は保持システム1180を含むことができる。保持システム1180は、上側および下側部材1102、1104を接続するエラストマリング1158上の結合が失われた状況において、上側部材1102が下側部材1104から切り離されないことを保証するフェイルセーフとして利用される。様々な実施形態において、保持システム1180は、保持リング1182と、プラグ1184と、保持コネクタ1186とを含み得る。
【0130】
図78A~Cに示される様々な実施形態では、保持リング1182は、嵌合ポスト1122の円筒形カラー1124内の内壁1192に位置する内部ねじ山1190内に受け取られるねじ山1188を含む場合がある。
図79A~Cに示すプラグ1184は、円筒形カラー1124の内壁1192内に受け入れられてよく、保持コネクタ1186を受ける内部ねじ山1194と、嵌合カラー1196とを含む。
【0131】
保持コネクタ1186は、圧縮キャップ1178と組み合わせて使用され、プラグ1184の内部ねじ山1194内に受容される。締め付けられると、保持コネクタ1186は、圧縮キャップ1178の嵌合凹部1198内に嵌合カラー1196を着座させる。一実施形態では、保持コネクタ1186は、ねじである。
【0132】
次に
図76及び80A~Cを参照すると、様々な実施形態において、保持システム1180は、圧縮キャップ1178を含んでいてもよい。圧縮キャップ1178は、垂直バネ1176及び保持システム1180を通して上側部材1102に付与された垂直荷重の一部を担い、下側部材1104に伝える。圧縮キャップ1178は、圧入されてもよいし、嵌合部1140の下側カラー1146の内部ねじ山1202と嵌合するねじ山1200を含んでもよい。圧縮キャップ1178は、スリーブ1132内に受容される嵌合ポスト1122と組み合わせて、上側部材1102を下側部材1104に結合するために使用され得る。スリーブ1132は、上側及び下側部材1102、1104の間の滑らかな移動を容易にする低摩擦材料を含んでもよい。
【0133】
使用時、嵌合ポスト1122の円筒形カラー1124は、上側および下側の部材1102、1104が連結されたときに、嵌合部1140の上下のカラー1144、1146に受け入れられるスリーブ1132内に受け入れられる。
【0134】
圧縮キャップ1178はまた、汚れ、砂、または小さな物体が下側部材1104の嵌合部1140に入るのを防ぐ。小さな石や砂などの物体は、可動内部部材を摩耗させ、最終的に損傷や故障の原因となる可能性がある。
【0135】
スリーブ1132は、
図25で上述したスリーブ910と同様である。スリーブ1132は、円筒形の壁と、第1および第2の端部とを含み得る。スリーブ1132は、下側部材1104の嵌合部1140内に嵌合する。スリーブ1132は、下側部材1104の下端部に挿入され、嵌合部1140の長さに沿って延在してもよい。スリーブ1132の第1の端部は、下側部材1104の上側カラー1044の内部に形成されたリップに当接することができる。リップは、嵌合部1140内に第1の端部を保持するように構成される。
【0136】
スリーブ1132は、任意の適切な低摩擦材料から作られることができる。一実施形態では、低摩擦スリーブは、義足の構成要素間のスムーズな動きを可能にするために、プラスチックから作られる。一実施形態では、低係数のプラスチックブッシング材料が使用され得る。
【0137】
負荷がかかった状態での使用において、内部バンパ1164と連動する垂直バネ1176及びエラストマリング1158は、下側部材1104に対する上側部材1102の限られた量の垂直移動を提供する。内部バンパ1164、エラストマリング1158、及び垂直バネ1176は、垂直方向の動きを制限する一方で、捻じりリミッタ1056は、捻じり方向の動きを制限する。エラストマリング1158は、歩行サイクル中および立っている間、垂直方向の衝撃吸収および捻じり安定性を提供する。垂直バネ1176は、使用時に垂直方向の衝撃吸収と圧縮を提供する。
【0138】
取り付けブラケット1100は、複数フェイズシステムを提供する。初期荷重が義足100に加えられると、エラストマリング1158は、垂直圧縮および捻じり回転の両方のための柔らかい抵抗を提供する。圧縮時には、エラストマリング1158と垂直バネ1176とが同時に抵抗を提供する。エラストマリング1158は、垂直バネ1176と比較して圧縮荷重の大部分を担う。より大きな荷重が加えられると、垂直バネ1176は、円筒形カラー1124内に位置するプラグ1084と圧縮キャップ1178との間で圧縮され、それによって、下側部材1104に対する上側部材1102の限られた量の垂直移動しか許容しない。これは、上側部材1102の耳1152及び1154を包囲する内部バンパ1164が、下側部材1104の上側カラー1144に接触することと協働する。
【0139】
様々な実施形態によれば、そして
図57を参照すると、上側及び下側部材1102、1104は、エラストマリング1158によって結合されてもよい。エラストマリング1158は、任意のゴム、ポリウレタン、および/またはエラストマ材料を含んでもよい。エラストマリング1158は、接着剤を用いて上側及び下側部材1102、1104に結合されることができる。エラストマリング1158の上面は、上側部材1102の上側フランジ1110のチャネル1120内に受容され、その中に接着されてもよい。エラストマリング1158の下面は、下側部材1104の下側フランジ1138のチャネル1148内に受容され、その中に接着されることができる。エラストマリング1158は、ユーザのストライド中の下方への打撃の力を吸収するための緩衝材として機能し得る。
【0140】
様々な実施形態において、エラストマリング1158は、接着結合を含むことができ、それによって、下側部材を上側部材に結合させることができる。さらに、エラストマリング1158の接着結合は、応力分散を生じさせる可能性がある。他のモジュラス値が企図され、様々なモジュラスが同様に使用されてもよいが、柔軟な接着剤と比較して、より硬い接着剤が好まれる。エラストマリング1158は、上側部材1102の上側フランジ1110と下側部材1104の下側フランジ1138との間に空間を形成する。接着剤は、エラストマリング1158と混在することができる。
【0141】
義足100は、上側部材1102と下側部材1104との間のエラストマリング1158の特性を調整することによって、部分的にユーザに適応するように調整することができる。 例えば、様々な実施形態において、エラストマリング1158の硬度は、追加の体重または動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して、増加させることができる。
【0142】
様々な実施形態において、また図示されているように、エラストマリング1158、内部バンパ1164、及び垂直バネ1176は、エラストマ材料を含んでもよい。エラストマ材料は、一般的なエラストマ材料、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム、または天然ゴムおよび合成ゴム、プラスチック、金属などの様々な組み合わせを含んでもよい。エラストマリング1158、内部バンパ1164、および垂直バネ1176の両方のエラストマ材料の硬度は、義足の追加の調節を提供するために変化させることができる。エラストマリング1158、内部バンパ1164、および垂直バネ1176のエラストマ材料は、荷重を支える。さらに、エラストマリング1158が上側および下側部材1102、1104を結合するので、義足100の使用中に部材が捻じり回転することが可能である。エラストマ材料の調整可能な硬度は、活動レベル、コンプライアンスレベル、体重変化などのユーザのニーズに基づいて、エラストマリングのバネ率を調整することを可能にする。例えば、様々な実施形態において、エラストマ材料の硬度は、ユーザの追加体重又はユーザの動的活動を原因とし得る、より大きな踵打撃力を有するユーザに対して、増加させることができる。踵の打撃力の増大はまた、踵部材の圧縮をより大きくする。上述のように、エラストマリング1158および垂直バネ1176は、内部バンパ1164よりも低い硬度を含み、それによって垂直荷重および捻じり回転に対する初期の柔らかい抵抗力を提供することができる。より高い硬度の内部バンパ1164は、高い捻じり荷重に対してより大きな抵抗を提供する。
【0143】
上側部材1102の延びる耳1152及び1154、並びに下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、内部バンパ1164と組み立てられたとき、以下で詳細に説明するように、使用中に下側部材1104に対する上側部材1102の回転を制限する働きをする。
【0144】
様々な実施形態において、上側部材1102の延びる耳1152及び1154、並びに下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、取り付けブラケット1100の上側部材1102がエラストマリング1158の捻じり剛性を克服して上側部材1102の延びる耳1152及び1154、並びに下側部材1104の延びる耳1160及び1162が互いに接触できるほど回転すると起動することがある。上側部材1102の延びる耳1152及び1154、並びに下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、取り付けブラケット1100がさらされる垂直圧縮の量にかかわらず、同じ回転角で互いに係合する。
【0145】
図59は、上側部材1102の延びる耳1152および1154と、下側部材1104の延びる耳1160および1162との間の隙間を示し、耳が互いに接触するまで回転させるとストップとして作用することを示す。上側部材1102の延びる耳1152および1154は、回転移動の終わりを和らげるために内部バンパ1164によって囲まれる。
図75を参照されたい。下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、捻じり移動量に関係なく、垂直移動の終わりに上側部材1102の下面1118に接触する。上側部材1102の延びる耳1152及び1154は、捻じり移動の量に関係なく、垂直方向の移動の終わりに上側カラー1044に接触する。一実施形態では、下側部材1104の延びる耳1160及び1162は、上側部材1102の延びる耳1152及び1154と同時に垂直方向の移動量を制限し得る。別の実施形態では、下側部材1104の延びる耳1160および1162は、垂直方向の移動量を特化して制限することができる。別の実施形態では、上側部材1102の延びる耳1152および1154は、垂直方向の移動量を特化して制限することができる。
【0146】
様々な実施形態によれば、上側および下側部材1102、1104は、チタン(任意のタイプ)または任意の他の適切な材料から作られることができる。一実施形態では、上側部材1102は、チタンを含んでもよい。一実施形態では、下側部材1104は、合金アルミニウムを含んでもよい。上側および下側部材1102、1104に使用され得るいくつかの他のタイプの材料は、軟鋼、合金鋼、鋼、13-8などの高強度ステンレス鋼、2000および7000シリーズなどの合金アルミニウム、ならびに任意の適切な複合材料を含む。
【0147】
様々な実施形態において、上述した上側および下側部材1102、1104は、一体型ピースまたは任意の適切な方法によって一緒に接合された複数のピースであり得る。いくつかの実施形態では、材料の種類に応じて、上側および下側部材1102、1104は、フライス加工、鋳造、鍛造、粉末金属などによって作製することができる。一実施形態では、上側および下側部材1002、1004は、チタンCNCフライス盤で作製されてもよい。より具体的には、一実施形態では、上側および下側部材1102、1104は、CNCフライス盤を用いて製作された合金アルミニウムから一体に作られてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材1102、1104のためのアルミニウム、チタン、マグネシウムまたは他の適切な材料は、CNCフライス盤を使用して作製されてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材1102、1104のためのアルミニウム、チタン、マグネシウムまたは他の適切な材料は、鋳造、鍛造、粉末金属等によって作製されてもよい。他の実施形態では、上側および下側部材1102、1104のためのクロムモリブデン、鋼、または他の適切な材料は、複数の部分から作られ、溶接または任意の他の適切な方法によって一緒に結合され得る。
【0148】
本技術は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、様々な修正および変更が、本技術の範囲から逸脱することなくなされ得る。説明および図は、制限的なものではなく、例示的なものとして見なされるべきであり、すべてのそのような修正は、本技術の範囲内に含まれることを意図している。したがって、本技術の範囲は、単に上述した特定の例によってではなく、記載された一般的な実施形態およびそれらの法的同等物によって決定されるべきである。例えば、任意の方法またはプロセスの実施形態で言及されたステップは、別途明示的に指定されない限り、任意の順序で実行されてよく、具体例で提示された明示的な順序に限定されるものではない。さらに、任意の装置の実施形態で言及される構成要素および/または要素は、本技術と実質的に同じ結果をもたらすために、様々な順列で組み立てられるか、さもなければ動作的に構成されてもよく、それに応じて、具体例で言及される特定の構成に限定されることはない。
【0149】
利点、他の利点および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明したが、任意の利点、有利点、問題に対する解決策、または任意の特定の利点、有利点もしくは解決策を生じさせるか、より顕著にする可能性がある任意の要素は、重要、必須または必須の特徴または構成要素として解釈されるものではない。
【0150】
本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含んで」、またはその変形は、要素のリストから構成されるプロセス、方法、物品、組成物または装置が、言及されたこれらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない他の要素またはかかるプロセス、方法、物品、組成物または装置に固有の要素を含むこともできるように、非排他的包含を参照することを意図する。本技術の実施において使用される上述の構造、配置、用途、割合、要素、材料または構成要素の他の組み合わせおよび/または修正は、特に言及されていないものに加えて、その一般原則から逸脱することなく、特定の環境、製造仕様、設計パラメータまたは他の動作要件に変化させるか、さもなければ特に適合させることができる。
【0151】
本技術は、好ましい実施形態を参照して上述した。しかしながら、本技術の範囲から逸脱することなく、好ましい実施形態に変更および修正を加えることができる。これらおよび他の変更または修正は、以下の特許請求の範囲に表されるように、本技術の範囲に含まれることが意図される。