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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-22
(45)【発行日】2025-09-01
(54)【発明の名称】半導体装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H10D 89/60 20250101AFI20250825BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20250825BHJP
   H10D 84/67 20250101ALI20250825BHJP
   H10D 89/00 20250101ALI20250825BHJP
   H10D 89/10 20250101ALI20250825BHJP
【FI】
H10D89/60
H03F3/45
H10D84/67
H10D89/00 101D
H10D89/00 101E
H10D89/10 L
H10D89/10 P
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022530087
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2021018899
(87)【国際公開番号】W WO2021251081
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】P 2020099164
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼際 修平
(72)【発明者】
【氏名】古谷 博司
(72)【発明者】
【氏名】清家 健
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-246553(JP,A)
【文献】特開2008-193019(JP,A)
【文献】特開2012-009841(JP,A)
【文献】特開平08-115985(JP,A)
【文献】特開2008-112857(JP,A)
【文献】特開2008-071818(JP,A)
【文献】特開2000-114461(JP,A)
【文献】特開2005-039320(JP,A)
【文献】特開2020-004936(JP,A)
【文献】国際公開第2019/039245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10D 84/67
H10D 89/00
H10D 89/10
H10D 89/60
H03F 3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と電気的に導通された単数または複数の第1サブコンタクトを有し、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記基板上の素子配置領域に形成されており、かつ、前記基板よりも低インピーダンスであり、
第1導電型の前記基板上に第2導電型のエピ層が形成されており、
前記第1サブコンタクトは、
前記基板よりも低インピーダンスの第1配線と、
前記エピ層を貫通して前記第1配線と前記基板を導通する前記第1導電型の半導体領域と、
を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記素子配置領域に形成された回路素子に隣接している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の前記第1配線間に第2配線が敷設されている、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
特定の回路素子に隣接する前記第1配線の幅は、前記特定の回路素子に隣接しない前記第1配線の幅よりも広い、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記特定の回路素子は、差動入力段を形成するトランジスタである、請求項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが接地パッドと導通されている、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1サブコンタクトの幅は、前記素子配置領域に形成された回路素子の最小幅以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記素子配置領域の周囲を取り囲むように形成された第2サブコンタクトをさらに有する、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記素子配置領域に形成された回路素子の開口部を被覆する絶縁層は、それ以外の部分を被覆する絶縁層よりも薄い、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1サブコンタクトは、オペアンプの差動入力段と電源ラインとの間、前記オペアンプの増幅出力段と前記電源ラインとの間、及び、静電保護素子と前記電源ラインとの間のうち、少なくとも一つに設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
基板と電気的に導通された単数または複数の第1サブコンタクトを有し、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記基板上の素子配置領域に形成されており、かつ、前記基板よりも低インピーダンスであり、
前記第1サブコンタクトは、オペアンプの差動入力段と電源ラインとの間、前記オペアンプの増幅出力段と前記電源ラインとの間、及び、静電保護素子と前記電源ラインとの間のうち、少なくとも一つに設けられている半導体装置。
【請求項12】
前記電源ラインの少なくとも一部は、前記差動入力段と前記増幅出力段の間に設置されている、請求項10又は11に記載の半導体装置。
【請求項13】
平面視において、前記第1サブコンタクトの幅は、前記電源ラインの幅の5倍以上である、請求項10~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記オペアンプの基準電流を設定する基準電流設定部と前記電源ライン、及び、前記電源ラインと前記第1サブコンタクトは、それぞれ隣接している、請求項10~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1サブコンタクトは、前記差動入力段と前記増幅出力段の間に設置されている、請求項10~14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1サブコンタクトは、前記差動入力段への距離が前記増幅出力段への距離よりも短い第1部分と、前記差動入力段への距離が前記増幅出力段への距離よりも長い第2部分とを有し、
平面視において、前記第1部分の幅は、前記第2部分の幅よりも大きい、請求項10~15のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記電源ラインは、複数設けられた前記第1サブコンタクトの間を通り抜けて、前記差動入力段と接続している、請求項10~16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1サブコンタクトは、平面視において、前記素子配置領域の略中央領域に配置されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1サブコンタクトは、前記略中央領域を縦断ないしは横断している、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の半導体装置を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、半導体装置及びこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なアプリケーション(民生機器だけでなく産業機器及び車載機器等も含む)に組み込まれる半導体装置について、ノイズ特性の向上を求める声が高まっている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-33917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の半導体装置は、そのノイズ特性(特に電磁感受性)について、更なる改善の余地があった。
【0006】
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者らが見出した上記の課題に鑑み、ノイズ特性の優れた半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、本明細書中に開示されている半導体装置は、基板と電気的に導通された単数または複数の第1サブコンタクトを有し、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記基板上の素子配置領域に形成されており、かつ、前記基板よりも低インピーダンスである構成とされている。
【0008】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書中に開示されている発明によれば、ノイズ特性の優れた半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、半導体装置の一比較例を示す図である。
図2図2は、半導体装置の第1実施形態を示す図である。
図3図3は、インピーダンス調整によるノイズ特性改善の基本概念を説明するための図である。
図4図4は、抵抗を用いてオペアンプ内部でローパスフィルタが形成される様子を示す図である。
図5図5は、半導体装置の第2実施形態を示す図である。
図6図6は、オペアンプの一構成例を示す図である。
図7図7は、半導体装置の第3実施形態を示す図である。
図8図8は、パッケージングの一例を示す図である。
図9図9は、配線レイアウトの一例を示す図である。
図10図10は、α-β縦断面を模式的に示す図である。
図11図11は、半導体装置の第4実施形態を示す図である。
図12図12は、電波放射試験の測定回路を示す図である。
図13図13は、電波放射試験結果の一例を示す図である。
図14図14は、車両の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<半導体装置(比較例)>
まず、半導体装置の新規な実施形態を説明する前に、これと対比される比較例について簡単に説明する。
【0012】
図1は、半導体装置の一比較例を示す図(上段:平面図、下段:縦断面図)である。本比較例の半導体装置100において、p型基板101の表面には、これと同一の結晶面を持つn型エピ層102が積層形成されている。また、p型基板101上の素子配置領域Aには、複数の回路素子(本図ではnpn型バイポーラトランジスタ110とpnp型バイポーラトランジスタ120のみを例示)が形成されており、それぞれの回路素子は、p型素子分離部103で電気的に分離されている。なお、n型エピ層102の表面には、絶縁層104及び104xが形成されている。特に、回路素子の開口部(=回路素子と配線層との間を電気的に導通するための導電部材が形成され得る領域)を被覆する絶縁層104xは、それ以外の部分を被覆する絶縁層104よりも薄く形成されている。
【0013】
トランジスタ110は、n型半導体領域111、n型半導体領域112、p型半導体領域113、n型半導体領域114、p型半導体領域115、及び、導電部材116により形成されている。
【0014】
n型半導体領域111は、p型基板101とn型エピ層102との境界面に埋設されている。なお、p型基板101とn型半導体領域111との間には、寄生コンデンサCpが付随する。
【0015】
n型半導体領域112は、n型半導体領域111の外周縁に沿ってn型エピ層102の一部を取り囲むように形成されている。なお、n型半導体領域111並びに112(及びこれらと導通するn型エピ層102)は、トランジスタ110のコレクタ(C)に相当する。n型半導体領域112は、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0016】
p型半導体領域113は、n型半導体領域111及び112により周囲を取り囲まれたn型エピ層102の表面に形成されている。
【0017】
n型半導体領域114は、p型半導体領域113の表面に形成されている。n型半導体領域114は、トランジスタ110のエミッタ(E)に相当し、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0018】
p型半導体領域115は、p型半導体領域113の表面に形成されている。p型半導体領域113及び115は、トランジスタ110のベース(B)に相当し、p型半導体領域115は、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0019】
導電部材116は、配線L11とn型半導体領域112(コレクタ(C))との間を電気的に導通する。本図では、図示の便宜上、n型半導体領域114(エミッタ(E))及びp型半導体領域115(ベース(B))に接続される導電部材及び配線について、それぞれの描写を省略している。
【0020】
一方、トランジスタ120は、n型半導体領域121、n型半導体領域122、p型半導体領域123、p型半導体領域124、p型半導体領域125、及び、導電部材126により形成されている。
【0021】
n型半導体領域121は、p型基板101とn型エピ層102との境界面に埋設されている。なお、p型基板101とn型半導体領域121との間には、寄生コンデンサCpが付随する。
【0022】
n型半導体領域122は、n型半導体領域121の外周縁に沿ってn型エピ層102の一部を取り囲むように形成されている。なお、n型半導体領域121並びに122(及びこれらと導通するn型エピ層102)は、トランジスタ120のベース(B)に相当し、n型半導体領域122は、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0023】
p型半導体領域123は、n型半導体領域121及び122により周囲を取り囲まれたn型エピ層102の表面において、平面視で環状となるように形成されている。
【0024】
p型半導体領域124は、p型半導体領域123の表面に形成されている。p型半導体領域123及び124は、トランジスタ120のコレクタ(C)に相当し、p型半導体領域124は、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0025】
p型半導体領域125は、n型半導体領域121及び122により周囲を取り囲まれたn型エピ層102の表面において、p型半導体領域124により周囲を取り囲まれた位置に形成されている。p型半導体領域125は、トランジスタ120のエミッタ(E)に相当し、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0026】
導電部材126は、配線L12とn型半導体領域122(ベース(B))との間を電気的に導通する。本図では、図示の便宜上、p型半導体領域124(コレクタ(C))及びp型半導体領域125(エミッタ(E))に接続される導電部材及び配線については、それぞれの描写を省略している。
【0027】
ところで、本比較例の半導体装置100では、回路素子同士の距離(本図ではトランジスタ110とトランジスタ120との距離)をできるだけ離すとともに、両素子間にシールド用の配線L13を敷設することにより、半導体装置100の表面(上層)におけるノイズの伝播を防いでいた。
【0028】
しかしながら、上記のノイズ対策を施したとしても、トランジスタ110及び120に付随する寄生コンデンサCpの影響により、p型基板101を介して半導体装置100の内部(下層)を伝わるノイズについては、その伝播を抑えることが難しかった。
【0029】
以下、このような不具合を解消することのできる新規な実施形態について提案する。
【0030】
<半導体装置(第1実施形態)>
図2は半導体装置の第1実施形態を示す図(上段:平面図、下段:縦断面図)である。本実施形態の半導体装置100は、先出の比較例(図1)を基本としつつ、第1サブコンタクト130及び第2サブコンタクト140が新たに設けられている。
【0031】
第1サブコンタクト130は、素子配置領域Aに形成されたトランジスタ110及び120それぞれに隣接(本図ではトランジスタ110及び120それぞれの間に介在)して配置されている。なお、第1サブコンタクト130は、先に説明したシールド用の配線L13とともに、p型半導体領域131、p型半導体領域132、及び、導電部材133により形成されている。
【0032】
p型半導体領域131は、n型エピ層102を表面から底面まで上下方向に貫通しており、配線L13とp型基板101との間を電気的に導通する。なお、p型半導体領域131は、トランジスタなどの回路素子(寄生素子は除く)を形成するものではない。また、配線L13は、例えば接地パッドに導通しておけばよい。p型半導体領域131は、p型素子分離部103と共通の工程で形成してもよい。
【0033】
p型半導体領域132は、p型半導体領域131の表面に形成されている。p型半導体領域132は、配線層との電気的な導通のために、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0034】
なお、先出のp型半導体領域131は、p型不純物の濃度が比較的薄いので、インピーダンスが高い。そこで、p型半導体領域131よりもp型不純物の濃度が濃いp型半導体領域132を追加することにより、インピーダンスが引き下げられている。また、p型半導体領域132は、導電部材133を介して配線L13と電気的に導通されているので、第1サブコンタクト130全体として、低インピーダンスが実現されている。
【0035】
導電部材133は、配線L13とp型半導体領域132との間を電気的に導通する。
【0036】
ところで、配線L13は、p型基板101に比べて低インピーダンスである。具体的には、配線L13(例えばAl配線)の面抵抗率が数十mΩ/sqであるのに対して、p型基板101の面抵抗率は数百Ωである。
【0037】
従って、例えば、トランジスタ110からp型基板101を介して半導体装置100の内部(下層)を伝わるノイズは、トランジスタ120に至ることなく、第1サブコンタクト130に伝播し、最終的に配線L13から接地パッドに向けて逃がされる。また、半導体装置100の表面(上層)を伝わるノイズは、先出の比較例(図1)と同様、配線L13により吸収される。
【0038】
このように、第1サブコンタクト130の導入(=p型基板101のインピーダンス調整)を行うことにより、半導体装置100のノイズ特性(特に電磁感受性)を改善することが可能となる。
【0039】
また、ノイズ特性の改善効果を高めるべく、第1サブコンタクト130の幅W3は、素子配置領域Aに形成された回路素子の最小プロセス幅(本図ではトランジスタ110及び120それぞれの最小プロセス幅W1及びW2)以上に設計しておくことが望ましい。
【0040】
一般に、トランジスタ110及び120それぞれの最小プロセス幅W1及びW2は、数十μm(50μm程度)であることが多い。これを鑑みると、第1サブコンタクト130の幅W3は、50μm以上(望ましくは60μm以上)であることが望ましい。
【0041】
なお、本図では、第1サブコンタクト130の幅W3をp型素子分離部103に挟まれた領域の幅として定義しているが、例えば、p型半導体領域131の幅、或いは、配線L13の幅を第1サブコンタクト130の幅W3として定義してもよい。
【0042】
一方、第2サブコンタクト140は、素子配置領域Aの周囲を取り囲むGNDガードリングとして、例えば、p型基板101の外周縁に沿うように配置されている。なお、第2サブコンタクト140は、配線L14とともに、p型半導体領域141、p型半導体領域142、及び、導電部材143により形成されている。
【0043】
p型半導体領域141は、n型エピ層102を表面から底面まで上下方向に貫通しており、配線L14とp型基板101との間を電気的に導通する。なお、p型半導体領域141は、トランジスタなどの回路素子(寄生素子は除く)を形成するものではない。また、配線L14は、例えば接地パッドに導通しておけばよい。p型半導体領域141は、p型素子分離部103及びp型半導体領域131と共通の工程で形成してもよい。
【0044】
p型半導体領域142は、p型半導体領域141の表面に形成されている。p型半導体領域142は、表面の少なくとも一部が絶縁層104及び104xに被覆されることなく露出している。
【0045】
なお、先出のp型半導体領域141は、p型不純物の濃度が比較的薄いので、インピーダンスが高い。そこで、p型半導体領域141よりもp型不純物の濃度が濃いp型半導体領域142を追加することにより、インピーダンスが引き下げられている。また、p型半導体領域142は、導電部材143を介して配線L14と電気的に導通されているので、第2サブコンタクト140全体として、低インピーダンスが実現されている。
【0046】
導電部材143は、配線L14とp型半導体領域142との間を電気的に導通する。
【0047】
ところで、配線L14は、先出の配線L13と同じく、p型基板101よりも低インピーダンスである。従って、例えば、半導体装置100のチップ内部に侵入しようとするノイズを第2サブコンタクト140で吸収することが可能となる。
【0048】
なお、半導体装置100に集積化され得る種々の回路ブロックのうち、特にノイズ干渉を避けるべきものとしてオペアンプ(特に差動入力段)を挙げることができる。そこで、以下では、インピーダンス調整によるオペアンプのノイズ特性改善について検討する。
【0049】
<オペアンプ>
図3は、インピーダンス調整によるオペアンプのノイズ特性改善について、その基本概念を説明するための図である。
【0050】
本図で示したように、本構成例のオペアンプ1に対して外部から入力されるノイズ信号としては、主に、電源端子VCCに入力されるノイズ信号N0、非反転入力端子IN+に入力されるノイズ信号N1、及び、出力端子OUTの揺れ並びにノイズ入力ラインからの干渉により反転入力端子IN-に入力されるノイズ信号N2などを挙げることができる。
【0051】
そこで、本構成例のオペアンプ1は、電源端子VCCに接続された抵抗R0(=電源抵抗に相当)と、非反転入力端子IN+及び反転入力端子IN-にそれぞれ接続された抵抗R1及びR2(=入力抵抗に相当)とを有する。このような構成であれば、電源端子VCC、非反転入力端子IN+、及び、反転入力端子IN-それぞれの端子インピーダンスを引き上げることができるので、ノイズ信号N0~N2の入力を抑えることが可能となる。
【0052】
図4は、抵抗R0~R2を用いてオペアンプ1の内部でローパスフィルタ(いわゆるEMI[electro-magnetic interference]フィルタ)が形成される様子を示す図である。
【0053】
本図で示したように、抵抗R0は、オペアンプ1の電源ラインに付随する寄生コンデンサC0と共にローパスフィルタを形成している。また、抵抗R1及びR2は、それぞれ、オペアンプ1の入力段を形成するpnp型バイポーラトランジスタQ1及びQ2に付随する寄生コンデンサC1及びC2と共にローパスフィルタを形成している。
【0054】
このように、本構成例のオペアンプ1では、その各部に付随する寄生コンデンサC0~C2がローパスフィルタの構成要素として利用されている。このような構成であれば、ローパスフィルタを形成するために別途のコンデンサを追加する必要がないので、オペアンプ1における位相余裕の悪化及び回路面積の増大を招かずに済む。
【0055】
なお、抵抗R1及びR2それぞれの抵抗値Rは、寄生コンデンサC1及びC2それぞれの容量値Cと、ローパスフィルタの目標カットオフ周波数fcから、次の(1)式に基づいて設定すればよい。
【0056】
R=1/(2π・fc・C) … (1)
【0057】
例えば、C=8.5pFであり、fc=20MHzである場合には、R≒900Ωに設定すればよい。
【0058】
なお、抵抗R0の抵抗値についても、基本的には、上記(1)式に基づいて設定すればよい。ただし、抵抗R0は、オペアンプ1の電源ラインに挿入されているので、オペアンプ1の電源電圧がその駆動下限電圧を下回ってしまわないように、抵抗値の設定には十分留意すべきである。なお、抵抗R0として極小抵抗しか用いることができない場合には、寄生コンデンサC0と共に、必要最小限のコンデンサを別途追加してもよい。
【0059】
<半導体装置(第2実施形態)>
図5は半導体装置の第2実施形態を示す図である。本実施形態の半導体装置100は、いわゆるオペアンプICと呼ばれるモノリシック半導体集積回路装置であり、オペアンプ1と、基準電流設定部2と、静電保護素子3(静電保護ダイオードD1及びD2)と、電源ラインL1と、接地ラインL2と、基準電流設定ラインL3と、出力ラインL4と、を集積化して成る。
【0060】
また、半導体装置100は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(電源端子VCC、非反転入力端子IN+、反転入力端子IN-、接地端子VEE、及び、出力端子OUT)を備えている。
【0061】
オペアンプ1は、先にも説明した通り、不図示の寄生コンデンサC1及びC2(図4を参照)とともにローパスフィルタを形成する抵抗R1及びR2を有している。具体的に述べると、オペアンプ1の非反転入力ノード(+)は、抵抗R1を介して半導体装置100の非反転入力端子IN+に接続されている。また、オペアンプ1の反転入力ノード(-)は、抵抗R2を介して半導体装置100の反転入力端子IN-に接続されている。なお、本図では、半導体装置100に1チャンネルのオペアンプ1を集積化した例を挙げたが、複数チャンネルのオペアンプ1を集積化しても構わない。
【0062】
基準電流設定部2は、オペアンプ1の内部に流れる基準電流Irefを設定する。
【0063】
電源ラインL1は、半導体装置100の電源端子VCCとオペアンプ1及び基準電流設定部2それぞれの電源ノードとの間に敷設されている。接地ラインL2は、半導体装置100の接地端子VEEとオペアンプ1及び基準電流設定部2それぞれの接地ノードとの間に敷設されている。基準電流設定ラインL3は、オペアンプ1の基準電流設定ノードと基準電流設定部2の出力ノードとの間に敷設されている。出力ラインL4は、オペアンプ1の出力ノードと半導体装置100の出力端子OUTとの間に敷設されている。
【0064】
静電保護ダイオードD1のカソードは、半導体装置100の非反転入力端子IN+に接続されている。静電保護ダイオードD2のカソードは、半導体装置100の反転入力端子IN-に接続されている。静電保護ダイオードD1及びD2それぞれのアノードは、いずれも半導体装置100の接地端子VEEに接続されている。このように、静電保護ダイオードD1及びD2を有する構成であれば、サージ耐性を高めることが可能となる。
【0065】
ところで、一般的な半導体装置では、その電源端子と接地端子との間に電源電圧を安定化するためのバイパスコンデンサ(例えば100pF)を挿入することが多い。しかしながら、半導体装置100の電源端子VCCと接地端子VEEとの間にバイパスコンデンサを挿入すると、高周波信号に対する電源端子VCCの入力インピーダンスが低下してしまい、ノイズ信号(=高周波信号)がオペアンプ1の電源ノードに届きやすくなるので、オペアンプ1のノイズ特性が悪化する。
【0066】
そこで、本実施形態の半導体装置100では、本図中の破線で示すように、電源端子VCCと接地端子VEEとの間にバイパスコンデンサが接続されておらず、さらには、電源ラインL1と接地ラインL2との間に付随する寄生コンデンサも極力低減されている(例えば20pF以下)。このような構成であれば、高周波信号に対する電源端子VCCの入力インピーダンスが上がり、ノイズ信号がオペアンプ1の電源ノードに届きにくくなるので、オペアンプ1のノイズ特性を向上することが可能となる。
【0067】
図6は、オペアンプ1の一構成例を示す図である。本構成例のオペアンプ1は、先出のpnp型バイポーラトランジスタQ1及びQ2に加えて、pnp型バイポーラトランジスタQ3~Q6と、npn型バイポーラトランジスタQ7~Q13と、抵抗R3と、コンデンサC3と、電流源I1~I7と、を含む。なお、電流源I1~I7は、それぞれ、基準電流設定部2により設定された基準電流Iref(またはこれに応じた定電流)を流す。
【0068】
電流源I1~I3それぞれの第1端は、いずれも、電源端子VCCに接続されている。電流源I1の第2端は、トランジスタQ2のエミッタとトランジスタQ3のベースに接続されている。電流源I2の第2端は、トランジスタQ3及びQ4それぞれのエミッタに接続されている。電流源I3の第2端は、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ4のベースに接続されている。
【0069】
トランジスタQ1のベースは、不図示の抵抗R1(図3図5を参照)を介して非反転入力端子IN+に接続されている。トランジスタQ2のベースは、不図示の抵抗R2(図3図5を参照)を介して反転入力端子IN-に接続されている。トランジスタQ1及びQ2それぞれのコレクタは、いずれも、接地端子VEEに接続されている。
【0070】
トランジスタQ3のコレクタは、トランジスタQ7のコレクタに接続されている。トランジスタQ4のコレクタは、トランジスタQ8のコレクタに接続されている。トランジスタQ7及びQ8それぞれのベースは、いずれもトランジスタQ7のコレクタに接続されている。トランジスタQ7及びQ8それぞれのエミッタは、いずれも、接地端子VEEに接続されている。
【0071】
このように接続された電流源I1~I3、トランジスタQ1~Q4、及び、トランジスタQ7並びにQ8は、オペアンプ1の差動入力段1Xを形成する。
【0072】
電流源I4及びI5それぞれの第1端は、いずれも電源端子VCCに接続されている。電流源I4の第2端は、トランジスタQ5のエミッタとトランジスタQ9のベースに接続されている。電流源I5の第2端は、トランジスタQ9のコレクタに接続されている。
【0073】
トランジスタQ5のベースは、トランジスタQ8のコレクタとコンデンサC3の第1端に接続されている。コンデンサC3の第2端は、トランジスタQ10のコレクタに接続されている。トランジスタQ9のエミッタは、トランジスタQ10のベースに接続されている。トランジスタQ5のコレクタとトランジスタQ10のエミッタは、いずれも、接地端子VEEに接続されている。
【0074】
電流源I6の第1端とトランジスタQ12及びQ13それぞれのコレクタは、いずれも電源端子VCCに接続されている。電流源I6の第2端は、トランジスタQ10及びQ11それぞれのコレクタと、トランジスタQ12のベースに接続されている。トランジスタQ12のエミッタは、トランジスタQ13のベースに接続されている。トランジスタQ13のエミッタは、トランジスタQ11のベースと抵抗R3の第1端に接続されている。
【0075】
トランジスタQ6及びQ11それぞれのエミッタ、抵抗R3の第2端、及び、電流源I7の第1端は、いずれも、出力端子OUTに接続されている。トランジスタQ6のベースは、トランジスタQ10のコレクタに接続されている。電流源I7の第2端とトランジスタQ6のコレクタは、いずれも、接地端子VEEに接続されている。
【0076】
このように接続された電流源I4~I7、トランジスタQ5並びにQ6、トランジスタQ9~Q13、コンデンサC3、及び、抵抗R3は、オペアンプ1の増幅出力段1Yを形成する。
【0077】
ただし、本図の回路構成は、あくまで一例であり、オペアンプ1として所望の動作を実現し得る限り、いかなる回路構成を採用しても構わない。
【0078】
なお、第2実施形態(図5)の半導体装置100について、第1実施形態(図2)のデバイス構造を適用する場合には、例えば、オペアンプ1の差動入力段1Xを形成するトランジスタQ1及びQ2に隣接するように、先出の第1サブコンタクト130を設けるとよい。逆の見方をすれば、図2のトランジスタ110をトランジスタQ1及びQ2として理解すればよい。このようなデバイス構造によれば、オペアンプ1のノイズ干渉を効果的に抑制することが可能となる。
【0079】
<半導体装置(第3実施形態)>
図7は半導体装置の第3実施形態を示す図である。本実施形態の半導体装置100は、2チャンネルのオペアンプ1a及び1b(=それぞれ先出のオペアンプ1に相当)を集積化して成る。なお、図示の便宜上、オペアンプ1a及び1b以外の構成要素については、その描写が省略されている。
【0080】
また、半導体装置100のパッケージとしては、対向する2辺から4本ずつ、合計8本の外部端子(1ピン~8ピン)が導出されたSOP[Small Outline Package]、SSOP[Shrink SOP]、又は、MSOP[Micro SOP]を採用するとよい。なお、本図では、パッケージの第1辺に1ピン~4ピンが設けられており、パッケージの第2辺に5ピン~8ピンが設けられている。
【0081】
1ピンは、第1チャンネルの出力端子OUT1であり、オペアンプ1aの出力端に接続されている。2ピンは、第1チャンネルの反転入力端子IN1-であり、オペアンプ1aの反転入力端(-)に接続されている。3ピンは、第1チャンネルの非反転入力端子IN1+であり、オペアンプ1aの非反転入力端(+)に接続されている。4ピンは、接地端子VEEである。
【0082】
5ピンは、第2チャンネルの非反転入力端子IN2+であり、オペアンプ1bの非反転入力端(+)に接続されている。6ピンは、第2チャンネルの反転入力端子IN2-であり、オペアンプ1bの反転入力端(-)に接続されている。7ピンは、第2チャンネルの出力端子OUT2であり、オペアンプ1bの出力端に接続されている。8ピンは、電源端子VCCである。
【0083】
このように、第1チャンネル用の外部端子(1ピン~3ピン)は、いずれもパッケージの第1辺に設けられおり、第2チャンネル用の外部端子(5ピン~7ピン)は、いずれもパッケージの第2辺に設けられている。
【0084】
なお、本図では、2チャンネルのオペアンプ1a及び1bを集積化した例を挙げたが、例えば、4チャンネルのオペアンプを集積化することも可能である。その場合には、例えば、14ピンのSOPまたはSSOP若しくはMSOPを好適に用いることができる。
【0085】
図8は、第3実施形態におけるパッケージングの一例を示す図である。半導体装置100において、オペアンプ1a及び1bなどを集積化した半導体チップ300は、アイランド310上に実装された状態で、モールド樹脂320により封止されている。以下では、紙面の上下左右方向を半導体装置100(ないし半導体チップ300)の平面視における上下左右方向と定義する。
【0086】
半導体チップ300は、8つのパッドP1~P8を有する。パッドP1は、オペアンプ1aの出力端に相当するパッドであり、ワイヤW1を介して1ピン(OUT1)の先端側に接続されている。パッドP2は、オペアンプ1aの反転入力端(-)に相当するパッドであり、ワイヤW2を介して2ピン(IN1-)に接続されている。パッドP3は、オペアンプ1aの非反転入力端(+)に相当するパッドであり、ワイヤW3を介して3ピン(IN1+)に接続されている。パッドP4は、接地パッドであり、ワイヤW4を介して4ピン(VEE)の先端側に接続されている。
【0087】
パッドP5は、オペアンプ1bの非反転入力端(+)に相当するパッドであり、ワイヤW5を介して5ピン(IN2+)に接続されている。パッドP6は、オペアンプ1bの反転入力端(-)に相当するパッドであり、ワイヤW6を介して6ピン(IN2-)に接続されている。パッドP7は、オペアンプ1bの出力端に相当するパッドであり、ワイヤW7を介して7ピン(OUT)の先端側に接続されている。パッドP8は、電源パッドであり、ワイヤW8を介して8ピン(VCC)の先端側に接続されている。
【0088】
なお、パッドP1~P8は、1ピン~8ピンとそれぞれ対応する順序で、半導体チップ300の外周縁に沿って並べられている。従って、各パッドと各ピンとの間を結ぶワイヤW1~W8の敷設長を短縮することができる。
【0089】
また、パッケージ内部のフレーム面積に着目すると、1ピン(OUT1)、4ピン(VEE)、5ピン(IN2+)、及び、8ピン(VCC)は、いずれも2ピン(IN-)、3ピン(IN1+)、6ピン(IN2-)、及び、7ピン(OUT2)よりも大きい。
【0090】
すなわち、紙面上下方向に着目すると、1ピン(OUT1)及び4ピン(VEE)は、2ピン(IN1-)及び3ピン(IN1+)よりも突出する部分を有する。同様に、5ピン(IN2+)及び8ピン(VCC)は、6ピン(IN2-)及び7ピン(OUT2)よりも突出する部分を有する。
【0091】
また、紙面左右方向に着目すると、1ピン(OUT1)及び4ピン(VEE)は、その一部がアイランド310と重なる。これと同じく、5ピン(IN2+)及び8ピン(VCC)は、その一部がアイランド310と重なる。
【0092】
さらに、1ピン(OUT)と8ピン(VCC)との間、及び、4ピン(VEE)と5ピン(IN2+)との間には、それぞれ、アイランド310を支える支持フレーム330及び340が形成されている。
【0093】
図9は、第3実施形態における配線レイアウトの一例を示す図である。以下では、紙面の上下左右方向を半導体チップ300の平面視における上下左右方向と定義し、先出の図7及び図8も適宜参照しながら、配線レイアウト(及びパッド配置)の説明を行う。
【0094】
なお、本図における半導体チップ300の左辺は、図8における半導体チップ300の上辺に相当する。同様に、本図における半導体チップ300の右辺、上辺及び下辺は、それぞれ、図8における半導体チップ300の下辺、右辺及び左辺に相当する。すなわち、本図の半導体チップ300は、図8の半導体チップ300を反時計回りに90度回転させた状態に相当する。
【0095】
また、半導体チップ300の平面視において、パッドP1~P8がそれぞれ設けられている位置は、先出の図8で示した位置と対応している。
【0096】
具体的に述べると、パッドP1(OUT1)及びパッドP2(IN1-)は、半導体チップ300の左上隅300a近傍において、紙面の上側から下側に向かい、パッドP1及びP2の順に並べられている。
【0097】
パッドP3(IN1+)、パッドP4(VEE)及びパッドP5(IN2+)は、半導体チップ300の下辺近傍において、紙面の左側から右側に向かい、パッドP3、P4及びP5の順に並べられている。なお、パッドP4は、半導体チップ300の下辺ほぼ左右方向中央に設けられている。
【0098】
パッドP6(IN2-)及びパッドP7(OUT2)は、半導体チップ300の右上隅300d近傍において、紙面の下側から上側に向かい、パッドP6及びP7の順に並べられている。
【0099】
パッドP8(VCC)は、半導体チップ300の上辺近傍において、上辺ほぼ左右方向中央に設けられている。
【0100】
電源ラインL1は、パッドP8(VCC)から、素子配置領域Aに形成された種々の回路素子(例えばオペアンプ1a、1b及び基準電流設定部2)に向けて屈曲ないし分岐しながら敷設されている。本図では、2系統の電源ラインL1が紙面の上下方向に延びる配線レイアウトを例示したが、他方向に延びる別系統の電源ラインL1を敷設してもよい。
【0101】
素子配置領域Aは、半導体チップ300の中央部を占めており、パッドP1~P8によってその周囲を取り囲まれている。また、素子配置領域Aの内部には、紙面の左側から右側に向かい、オペアンプ1a(差動入力段1Xaと増幅出力段1Yaを含む)、基準電流設定部2並びに静電保護素子3、及び、オペアンプ1b(差動入力段1Xbと増幅出力段1Ybを含む)の順に、各回路ブロックが形成されている。もちろん、素子配置領域Aには、その他の回路ブロックが形成されていてもよい。
【0102】
なお、本図中では、後出の図10と対応して、オペアンプ1a及び基準電流設定部2にそれぞれ接続される配線L11及びL12が太い破線で描写されている。
【0103】
また、オペアンプ1aの差動入力段1Xaと基準電流設定部2との間、及び、オペアンプ1bの差動入力段1Xbと基準電流設定部2との間には、それぞれ、配線L13a及びL13bが敷設されている。これらの配線L13a及びL13bは、それぞれ、p型基板101よりも低インピーダンスの第1サブコンタクト130a及び130bを形成している(後出の図10も参照)。
【0104】
なお、第1サブコンタクト130を形成する配線L13は、素子配置領域Aの内部に敷設された配線L13a及びL13bのほかにも複数分割して敷設されている。すなわち、半導体チップ300には、p型基板101と電気的に導通された複数の第1サブコンタクト130が形成されており、その一部が素子配置領域Aの内部に配置されている。
【0105】
また、上記複数の配線L13は、素子配置領域AからパッドP4(VEE)まで飛び石状に配置されており、少なくとも一つがパッドP4(VEE)に導通されている。すなわち、複数の配線L13には、パッドP4(VEE)に直接接続されているものもあれば、電気的にフローティングとなっているものもある。なお、配線L13を複数に分割している理由は、同一の配線層に形成される別の配線(例えば電源ラインL1)を複数の配線L13相互間における隙間領域に敷設するためである。
【0106】
このような配線レイアウトを採用すれば、電源ラインL1等の敷設を妨げることなく、飛び石状に隣接する一連の配線L13を介して低インピーダンスのノイズ伝播経路を形成することができる。その結果、素子配置領域Aの内部を伝播するノイズを配線L13によって吸収し、最終的にパッドP4(VEE)へ逃がすことができるので、オペアンプ1a及び1bそれぞれのノイズ特性を改善することが可能となる。
【0107】
なお、素子配置領域Aの内部に形成される複数の回路素子のうち、ノイズ干渉を避けるべき特定の回路素子(例えばオペアンプ1a及び1bそれぞれの差動入力段1Xa及び1Xbを形成するトランジスタ)に隣接する配線L13a及びL13bの幅は、特定の回路素子に隣接しない配線L13の幅よりも広く設計しておくことが望ましい。
【0108】
また、本図で示すように、配線L13(延いては第1サブコンタクト130)は、差動入力段1Xa及び1Xbと電源ラインL1との間、増幅出力段1Ya及び1Ybと電源ラインL1ないしは基準電流設定部2との間、及び、静電保護素子3と電源ラインL1との間にそれぞれ形成することが望ましい。
【0109】
なお、電源ラインL1及び配線L11並びにL12は、数μm幅(例えば2~9μm)である。一方、配線L13は、数十μm幅(例えば50μm以上)である。このように、配線L13(延いては第1サブコンタクト130の幅)は、電源ラインL1及び配線L11並びにL12と比べて、5倍以上、更に好ましくは10倍以上の幅を有する。
【0110】
また、基準電流設定部2と電源ラインL1、及び、電源ラインL1と配線L13(延いては第1サブコンタクト130)は、それぞれ隣接している。
【0111】
また、配線L13(延いては第1サブコンタクト130)は、差動入力段1Xaまたは1Xbへの距離が増幅出力段1Yaまたは1Ybへの距離よりも短い第1部分(例えば差動入力段1Xaまたは1Xbに隣接する部分)と、差動入力段1Xaまたは1Xbへの距離が増幅出力段1Yaまたは1Ybへの距離よりも長い第2部分(例えば増幅出力段1Yaまたは1Ybに隣接する部分)とを有し、半導体チップ300の平面視において、第1部分の幅は、第2部分の幅よりも大きい。
【0112】
また、電源ラインL1は、複数設けられた配線L13(延いては第1サブコンタクト130)の間を通り抜けて、差動入力段1Xa及び1Xbと接続している。
【0113】
また、配線L13(延いては第1サブコンタクト130)は、半導体チップ300の平面視において、素子配置領域Aの略中央領域を縦断ないしは横断するように配置されている。上記の略中央領域とは、半導体チップ300の平面視において、配線L13の敷設方向(紙面上下方向)に略平行する素子配置領域Aの2辺(本図では左辺及び右辺)から、少なくとも所定長(例えば素子配置領域Aの上辺及び下辺全長の1/5以上)だけ離れている領域のことを指す。
【0114】
また、半導体チップ300の外周縁には、第2サブコンタクト140を形成する配線L14が敷設されている。従って、例えば、半導体装置100のチップ内部に侵入しようとするノイズを第2サブコンタクト140で吸収することが可能となる。
【0115】
なお、配線L14は、必ずしも連続環状に形成する必要はなく、例えば、各辺に沿って直線状に形成された4本の配線L14を敷設してもよい。その場合、半導体チップ300の四隅では、各辺の配線L14が平面視で咬み合うようにレイアウトしてもよい(例えば半導体チップ300の左上隅300a、左下隅300b及び右下隅300cを参照)。
【0116】
図10は、図9のα-β縦断面を模式的に示す図である。本図のデバイス構造は、基本的に先出の第1実施形態(図2)と同様であり、オペアンプ1a及び1b(特に差動入力段1Xa及び1Xb)を形成する回路素子として、それぞれ、トランジスタ110a及び110bが例示的に描写されている。また、基準電流設定部2を形成する回路素子としては、トランジスタ120が例示的に描写されている。なお、先の図9と対応して、トランジスタ110a及び120には、それぞれ、配線L11及びL12が接続されている。
【0117】
また、トランジスタ110aとトランジスタ120(及び電源ラインL1)との間、及び、トランジスタ110bとトランジスタ120(及び電源ラインL1)との間には、それぞれ、第1サブコンタクト130a及び130bが設けられている。
【0118】
従って、例えば、トランジスタ110aからp型基板101を介して半導体装置100の内部(下層)を伝わるノイズは、トランジスタ120に至ることなく、第1サブコンタクト130aに伝播し、最終的に配線L13aからパッドP4(接地パッド)に向けて逃がされる。また、半導体装置100の表面(上層)を伝わるノイズは、先出の比較例(図1)と同様、配線L13aにより吸収される。
【0119】
さらに、半導体装置100には、素子配置領域Aの周囲を取り囲むGNDガードリングとして、第2サブコンタクト140が配置されている。従って、半導体チップ300の内部に侵入しようとするノイズを第2サブコンタクト140で吸収することが可能となる。これらの作用効果については、基本的に先出の第1実施形態(図2)と同様である。
【0120】
なお、本図では、先出の図2に倣い、素子配置領域Aに形成された回路素子として、npn型バイポーラトランジスタ110a及び110bと、pnp型バイポーラトランジスタ120のみを例示したが、当然のことながら、NMOSFETまたはPMOSFETなど、その他の回路素子が形成されてもよい。
【0121】
また、ノイズの干渉を防ぎたい回路ブロックは、半導体装置100の用途及び分野毎に異なる。そのため、第1サブコンタクト130を適切な位置に設けることが重要となる。
【0122】
<半導体装置(第4実施形態)>
図11は、半導体装置の第4実施形態を示す図である。本実施形態の半導体装置100は、第2実施形態(図4)と同じく、1チャンネルのオペアンプ1(差動入力段1X及び増幅出力段1Y(本図では増幅段1Y1と出力段1Y2を分離して描写)を含む)と、基準電流設定部2を集積化して成る。この場合には、例えば、オペアンプ1の差動入力段1Xの両側(本図では上下)を挟むように、第1サブコンタクト130(本図では配線L13のみ描写)を配置するとよい。すなわち、配線L13(延いては第1サブコンタクト130)は、差動入力段1Xと基準電流設定部2との間、及び、差動入力段1Xと増幅出力段1Y(増幅段1Y1及び出力段1Y2)との間にそれぞれ配置するとよい。
【0123】
また、電源ラインL1の少なくとも一部は、差動入力段1Xと増幅出力段1Yの間に設置するとよい。
【0124】
また、本図で示すように、配線L13は、差動入力段1Xと電源ラインL1との間、増幅出力段1Y(増幅段1Y1及び出力段1Y2)と電源ラインL1との間、及び、増幅出力段1Y(特に出力段1Y2)と基準電流設定部2ないし入力パッド(IN+、IN-)との間にそれぞれ配置するとよい。
【0125】
また、半導体装置100の外周縁には、これに沿うように第2サブコンタクト140を配置するとよい。
【0126】
このようなデバイス構造によれば、これまでに説明してきたように、半導体装置100の表面(上層)を伝わるノイズだけでなく、半導体装置100の内部(下層)を伝わるノイズについても、その伝播を遮ることができるので、オペアンプ1のノイズ干渉を効果的に抑制することが可能となる。
【0127】
<ノイズ特性評価>
図12は、半導体装置100をDUT[device under test]とする電波放射試験の測定回路を示す図である。電波放射試験の測定回路200は、DUTとなる半導体装置100のほかに、信号発生器201と、増幅器202と、アンテナ203と、疑似電源204(例えばVCC=12V)と、ワイヤーハーネス205と、オシロスコープ206と、を有する。このうち、アンテナ203、疑似電源204、ワイヤーハーネス250、及び、DUTとなる半導体装置100は、いずれも、電波暗室207に配置される。
【0128】
測定回路200を用いた電波放射試験では、所定の電界強度(例えば200Vrms)を持つノイズ信号がアンテナ203からワイヤーハーネス205のノイズ注入点に向けて放射される。なお、ワイヤーハーネス205の全長は150cmであり、ノイズ注入点から半導体装置100までの距離は75cmである。また、アンテナ203からノイズ注入点までの距離は100cmである。これらの寸法は、ISO11452-2に準拠する。
【0129】
上記の測定回路200において、ワイヤーハーネス205を半導体装置100の電源端子VCCに接続しておけば、ノイズ信号が半導体装置100の電源端子VCCに間接注入される。その際、ノイズ信号の周波数を所定の範囲(例えば200MHz~1GHz)で掃引しつつ、半導体装置100の出力端子OUT(若しくは、出力端子OUT1またはOUT2)に現れる出力電圧を逐次読み取ることにより、周波数vs出力電圧のプロットを得ることができる。
【0130】
図13は、電波放射試験結果の一例を模式的に示す図である。なお、横軸はノイズ信号の周波数を示しており、縦軸は半導体装置100の出力電圧を示している。
【0131】
また、実線は第1~第4実施形態(図2図11を参照)の半導体装置100をDUTとしたときの試験結果であり、破線は比較例(図1)の半導体装置100をDUTとしたときの試験結果である。
【0132】
本図から分かるように、第1~第4実施形態の半導体装置100であれば、周波数の掃引範囲全域に亘り、ノイズピークを大幅に抑制することが可能となる。このように、第1~第4実施形態の半導体装置100は、そのノイズ特性(特に電磁感受性)が非常に優れており、ノイズが入力されても出力変動が極めて小さい。従って、半導体装置100を搭載するセットでのノイズ対策が簡単になるので、非常に使い勝手が良くなる。
【0133】
<車両への適用>
図14は、車両の外観を示す図である。本図の車両Xは、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器X11~X18を搭載している。
【0134】
車両Xには、エンジン車のほか、電動車(BEV[battery electric vehicle]、HEV[hybrid electric vehicle」、PHEV/PHV(plug-in hybrid electric vehicle/plug-in hybrid vehicle]、又は、FCEV/FCV(fuel cell electric vehicle/fuel cell vehicle]などのxEV)も含まれる。
【0135】
なお、本図における電子機器X11~X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0136】
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)、または、モータに関する制御(トルク制御、及び、電力回生制御など)を行う電子制御ユニットである。
【0137】
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]及びDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
【0138】
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
【0139】
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行う制動ユニットである。
【0140】
電子機器X15は、ドアロック及び防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
【0141】
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品またはメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
【0142】
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
【0143】
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
【0144】
なお、先に説明した半導体装置100は、電子機器X11~X18のいずれにも組み込むことが可能である。
【0145】
<総括>
以下では、本明細書中に開示されている種々の実施形態について総括的に述べる。
【0146】
例えば、本明細書中に開示されている半導体装置は、基板と電気的に導通された単数または複数の第1サブコンタクトを有し、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記基板上の素子配置領域に形成されており、かつ、前記基板よりも低インピーダンスである構成(第1の構成)とされている。
【0147】
なお、上記第1の構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが前記素子配置領域に形成された回路素子に隣接している構成(第2の構成)にしてもよい。
【0148】
また、上記第1または第2の構成から成る半導体装置は、第1導電型の前記基板上に第2導電型のエピ層が形成されており、前記第1サブコンタクトは、前記基板よりも低インピーダンスの第1配線と、前記エピ層を貫通して前記第1配線と前記基板を導通する前記第1導電型の半導体領域と、を含む構成(第3の構成)にしてもよい。
【0149】
また、上記第3の構成から成る半導体装置は、複数の前記第1配線間に第2配線が敷設されている構成(第4の構成)にしてもよい。
【0150】
また、上記第3または第4の構成から成る半導体装置において、特定の回路素子に隣接する前記第1配線の幅は、前記特定の回路素子に隣接しない前記第1配線の幅よりも広い構成(第5の構成)にしてもよい。
【0151】
また、上記第5の構成から成る半導体装置において、前記特定の回路素子は、差動入力段を形成するトランジスタである構成(第6の構成)にしてもよい。
【0152】
また、第1~第6いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、少なくとも一つが接地パッドと導通されている構成(第7の構成)にしてもよい。
【0153】
また、上記第1~第7いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトの幅は、前記素子配置領域に形成された回路素子の最小幅以上である構成(第8の構成)にしてもよい。
【0154】
また、上記第1~第8いずれかの構成から成る半導体装置は、前記素子配置領域の周囲を取り囲むように形成された第2サブコンタクトをさらに有する構成(第9の構成)にしてもよい。
【0155】
また、上記第1~第9いずれかの構成から成る半導体装置において、前記素子配置領域に形成された回路素子の開口部を被覆する絶縁層は、それ以外の部分を被覆する絶縁層よりも薄い構成(第10の構成)にしてもよい。
【0156】
また、上記第1~第10いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、オペアンプの差動入力段と電源ラインとの間、前記オペアンプの増幅出力段と前記電源ラインとの間、及び、静電保護素子と前記電源ラインとの間のうち、少なくとも一つに設けられている構成(第11の構成)にしてもよい。
【0157】
また、上記第11の構成から成る半導体装置において、前記電源ラインの少なくとも一部は、前記差動入力段と前記増幅出力段の間に設置されている構成(第12の構成)にしてもよい。
【0158】
また、上記第11または第12の構成から成る半導体装置の平面視において、前記第1サブコンタクトの幅は、前記電源ラインの幅の5倍以上である構成(第13の構成)にしてもよい。
【0159】
また、上記第11~第13いずれかの構成から成る半導体装置において、前記オペアンプの基準電流を設定する基準電流設定部と前記電源ライン、及び、前記電源ラインと前記第1サブコンタクトは、それぞれ隣接している構成(第14の構成)にしてもよい。
【0160】
また、上記第11~第14いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、前記差動入力段と前記増幅出力段の間に設置されている構成(第15の構成)にしてもよい。
【0161】
また、上記した第11~第15いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、前記差動入力段への距離が前記増幅出力段への距離よりも短い第1部分と、前記差動入力段への距離が前記増幅出力段への距離よりも長い第2部分とを有し、平面視において、前記第1部分の幅は、前記第2部分の幅よりも大きい構成(第16の構成)にしてもよい。
【0162】
また、上記第11~第16いずれかの構成から成る半導体装置において、前記電源ラインは、複数設けられた前記第1サブコンタクトの間を通り抜けて、前記差動入力段と接続している構成(第17の構成)にしてもよい。
【0163】
また、上記第1~第17いずれかの構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、平面視において、前記素子配置領域の略中央領域に配置されている構成(第18の構成)にしてもよい。
【0164】
また、上記第18の構成から成る半導体装置において、前記第1サブコンタクトは、前記略中央領域を縦断ないしは横断している構成(第19の構成)にしてもよい。
【0165】
また、本明細書中に開示されている電子機器は、上記第1~第19いずれかの構成から成る半導体装置を有する構成(第20の構成)とされている。
【0166】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、車載機器に用いられるオペアンプを例に挙げたが、その適用対象は何らこれに限定されるものではなく、民生機器及び産業機器など、アプリケーションを問わず、広く一般に適用することが可能である。
【0167】
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、バイポーラトランジスタとMOS電界効果トランジスタとの相互置換、または、各種信号の論理レベル反転は任意である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本明細書中に開示されている半導体装置(ないしオペアンプ)は、例えば、車載機器、民生機器、ないしは、産業機器に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0169】
1、1a、1b オペアンプ
1X、1Xa、1Xb 差動入力段
1Y、1Ya、1Yb、1Y1、1Y2 増幅出力段
2 基準電流設定部
3 静電保護素子
100 半導体装置
101 p型基板
102 n型エピ層
103 p型素子分離部
104、104x 絶縁層
110、110a、110b npn型バイポーラトランジスタ
111 n型半導体領域
112 n型半導体領域
113 p型半導体領域
114 n型半導体領域
115 p型半導体領域
116 導電部材
120 pnp型バイポーラトランジスタ
121 n型半導体領域
122 n型半導体領域
123 p型半導体領域
124 p型半導体領域
125 p型半導体領域
126 導電部材
130、130a、130b 第1サブコンタクト
131 p型半導体領域
132 p型半導体領域
133 導電部材
140 第2サブコンタクト
141 p型半導体領域
142 p型半導体領域
143 導電部材
200 測定回路(電波放射試験)
201 信号発生器
202 増幅器
203 アンテナ
204 疑似電源
205 ワイヤーハーネス
206 オシロスコープ
207 電波暗室
300 半導体チップ
300a~300d 左上隅、左下隅、右下隅、右上隅
310 アイランド
320 モールド樹脂
330、340 支持フレーム
A 素子配置領域
C0、C1、C2 寄生コンデンサ
C3 コンデンサ
Cp 寄生コンデンサ
D1、D2 静電保護ダイオード
I1~I7 電流源
L1 電源ライン
L2 接地ライン
L3 基準電流設定ライン
L4 出力ライン
L11、L12、L13、L13a、L13b、L14 配線
P1~P8 パッド
Q1~Q6 pnp型バイポーラトランジスタ
Q7~Q13 npn型バイポーラトランジスタ
R0 抵抗(電源抵抗)
R1、R2 抵抗(入力抵抗)
R3 抵抗
W1~W8 ワイヤ
X 車両
X11~X18 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14