(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-26
(45)【発行日】2025-09-03
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20250827BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20250827BHJP
F26B 3/04 20060101ALI20250827BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 648A
H01L21/68 N
F26B3/04
(21)【出願番号】P 2021207756
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2024-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】墨 周武
(72)【発明者】
【氏名】白川 元
(72)【発明者】
【氏名】鰍場 真樹
(72)【発明者】
【氏名】安藤 幸嗣
(72)【発明者】
【氏名】本野 智大
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009876(JP,A)
【文献】特開2018-147945(JP,A)
【文献】特開2021-027170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
F26B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が付着する基板を超臨界状態の処理流体により処理する基板処理装置であって、
前記基板を処理するための処理空間を有する処理チャンバと、
前記基板を水平姿勢で支持しながら前記処理空間に収容される支持部と、
前記処理チャンバに前記処理流体を供給することで、前記処理空間において前記処理流体を一定方向に流動させる流体供給部と、
前記処理チャンバから前記処理流体を排出する流体排出部と、を備え、
前記支持部は、前記基板の下面と対向する基板対向面を有し、前記基板を前記基板対向面から上方に離間させた状態で支持し、
前記処理流体のうち
前記基板の上面に沿って流れる前記処理流体の第1層流から分かれて前記基板と前記支持部との間を流れる処理流体の
第2層流の経路では、前記一定方向の下流側に位置
して前記第2層流を前記第1層流に合流させる下流経路が前記一定方向の上流側に位置
して前記処理流体を前記第1層流と前記第2層流とに分ける上流経路よりも広くなっていることを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記支持部は、
前記一定方向において前記基板対向面の上流側で前記基板対向面から上方に立設され、前記流体供給部より供給された前記処理流体を前記基板の上面に案内する供給案内部位と、
前記一定方向において前記基板対向面の下流側で前記基板対向面から上方に立設され、前記基板の上面に沿って流れてきた前記処理流体を前記流体排出部に案内する排出案内部位と、
を有し、
前記基板に対する前記排出案内部位の離間距離が、前記基板に対する前記供給案内部位の離間距離よりも長い、基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記支持部は、
前記一定方向において前記基板対向面の上流側で前記基板対向面から上方に立設され、前記流体供給部より供給された前記処理流体を前記基板の上面に案内する供給案内部位と、
前記一定方向において前記基板対向面の下流側に設けられ、前記層流を構成する前記処理流体を前記流体排出部に案内する排出案内部位と、
を有し、
前記排出案内部位の上面は、前記供給案内部位の上面よりも下方に位置する、基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記排出案内部位の上面は前記基板対向面と面一である、基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
前記基板対向面は、前記一定方向の下流側に進むにしたがって前記基板の下面から遠ざかるように傾斜する傾斜領域を有する、基板処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記排出案内部位の上面は前記基板対向面と連続しており、
前記排出案内部位の上面および前記基板対向面は、前記一定方向の下流側に進むにしたがって前記基板の下面から遠ざかるように傾斜する傾斜領域を有する、基板処理装置。
【請求項7】
請求項2
、3、4または6に記載の基板処理装置であって、
前記排出案内部位は、上面から下面に貫通する第1貫通孔を有し、前記層流を構成する前記処理流体を前記第1貫通孔を介して前記流体排出部に案内する、基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置であって、
前記第1貫通孔の上方側の開口部は、前記上方に進むにしたがって内径が大きくなるように仕上げられている、基板処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
前記処理チャンバの外側で、前記基板対向面を下方に貫通して前記支持部に設けられた第2貫通孔に対してリフトピンを上下方向に出退させることで、前記処理チャンバから引き出された前記支持部との間で前記基板を受け渡す移載機構を備え、
前記第2貫通孔の前記基板対向面側の開口部は、前記基板の下面に近づくにしたがって内径が大きくなるように仕上げられている、基板処理装置。
【請求項10】
液体が付着する基板を超臨界状態の処理流体により処理する基板処理方法であって、
前記基板の下面と対向する基板対向面から前記基板を上方に離間させながら水平姿勢で支持する支持部を処理チャンバの処理空間に収容する収容工程と、
前記支持部を収容した前記処理チャンバに前記処理流体を供給することで前記処理空間において
前記基板の上面に沿って流れる処理流体の第1層流と、前記基板と前記支持部との間を流れる処理流体の第2層流とに分けて一定方向に流動させるとともに、前記基板の上面に沿って前記一定方向に流れた前記処理流体に前記支持部と前記基板との間を流れた前記処理流体を
合流させて前記処理チャンバから排出することで、前記処理空間内で前記支持部により支持された前記基板を前記処理流体によって処理する処理工程と、を備え、
前記処理工程では、前記一定方向の下流側に位置
して前記第2層流を前記第1層流に合流させる下流経路が前記一定方向の上流側に位置
して前記第1層流と前記第2層流とに分ける上流経路よりも広くなっている、ことを特徴とする、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体が付着した基板を超臨界状態の処理流体によって処理する基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板を液体により湿式処理すると、当該基板の上面に液体が付着する。この湿式処理後に、当該基板を乾燥させる基板処理装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。この装置では、支持トレイに設けられた凹部内で基板が支持されながら超臨界状態の処理流体により基板に対する乾燥処理が実行される。
【0003】
この基板処理装置では、基板は、微細パターンを有する上面を上方に向けたフェースアップ姿勢で支持トレイに支持される。より具体的には、基板は、水平姿勢で、凹部の内底面から一定距離だけ上方に離れて配置されている。こうして基板を支持したまま、支持トレイが処理チャンバに収容される。この処理チャンバでは、液体に比べて低い表面張力を有する処理流体が一定方向に流動される。それらのうち基板の上面に沿って流れる処理流体の一部が基板の上面に形成された微細パターンの間に入り込む。このため、乾燥処理を効率よく行うことができ、乾燥時において表面張力に起因するパターン倒壊の発生リスクを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
処理チャンバ内を流れる処理流体の一部は、支持トレイと基板との間に流れ込み、層流を形成する。この層流に沿って基板から離脱した液体を効率的に処理チャンバから排出することが望まれる。しかしながら、従来装置では、排出効率が必ずしも高いと言えず、基板から離脱した液体が基板の上面に再付着することがあった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、処理流体によって基板から液体を除去した際に、当該液体が基板に再付着するのを防止することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、液体が付着する基板を超臨界状態の処理流体により処理する基板処理装置であって、基板を処理するための処理空間を有する処理チャンバと、 基板を水平姿勢で支持しながら処理空間に収容される支持部と、 処理チャンバに処理流体を供給することで、処理空間において処理流体を一定方向に流動させる流体供給部と、 処理チャンバから処理流体を排出する流体排出部と、を備え、 支持部は、基板の下面と対向する基板対向面を有し、基板を基板対向面から上方に離間させた状態で支持し、処理流体のうち基板の上面に沿って流れる処理流体の第1層流から分かれて基板と支持部との間を流れる処理流体の第2層流の経路では、一定方向の下流側に位置して第2層流を第1層流に合流させる下流経路が一定方向の上流側に位置して処理流体を第1層流と第2層流とに分ける上流経路よりも広くなっていることを特徴としている。
【0008】
本発明の他の態様は、液体が付着する基板を超臨界状態の処理流体により処理する基板処理方法であって、基板の下面と対向する基板対向面から基板を上方に離間させながら水平姿勢で支持する支持部を処理チャンバの処理空間に収容する収容工程と、支持部を収容した処理チャンバに処理流体を供給することで処理空間において基板の上面に沿って流れる処理流体の第1層流と、基板と支持部との間を流れる処理流体の第2層流とに分けて一定方向に流動させるとともに、基板の上面に沿って一定方向に流れた処理流体に支持部と基板との間を流れた処理流体を合流させて処理チャンバから排出することで、処理空間内で支持部により支持された基板を処理流体によって処理する処理工程と、を備え、処理工程では、一定方向の下流側に位置して第2層流を第1層流に合流させる下流経路が一定方向の上流側に位置して第1層流と第2層流とに分ける上流経路よりも広くなっている、ことを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明では、基板の下面に対する処理は、基板と支持部との間を流れる処理流体の層流により行われる。この層流の経路は、一定方向の下流側に位置する下流経路が一定方向の上流側に位置する上流経路よりも広くなるように、構成されている。このため、上流経路から下流経路に流れる処理流体の圧損は小さくなる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、基板と支持部との間を流れる処理流体の圧損を低減させているため、処理流体によって基板から液体を除去した際に、当該液体が基板に再付着するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明に係る基板処理装置の第1実施形態に装備された処理ユニットおよび移載機構を鉛直上方から見た平面図である。
【
図1B】処理ユニットの構成部品である蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
【
図3】処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図である。
【
図4】リフトピンの昇降用貫通孔の構造を模式的に示す図である。
【
図5】本発明に係る基板処理装置の第2実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
【
図6】第2実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図である。
【
図7】本発明に係る基板処理装置の第3実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
【
図8】第3実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図である。
【
図9】本発明に係る基板処理装置の第4実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
【
図10】第4実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aは、本発明に係る基板処理装置の第1実施形態に装備された処理ユニットおよび移載機構を鉛直上方から見た平面図である。
図1Bは、処理ユニットの構成部品である蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
図2は、第1実施形態の概略構成を示す図であり、同図の下方部分に
図1AのA-A線断面図が図示されている。この基板処理装置1は、例えば半導体基板のような各種基板の上面を超臨界流体により処理するための装置である。以下の各図における方向を統一的に示すために、
図1A、
図1Bおよび
図2に示すようにXYZ直交座標系を設定する。ここで、XY平面は水平面であり、Z方向は鉛直方向を表す。より具体的には、(-Z)方向が鉛直下向きを表す。
【0013】
ここで、本実施形態における「基板」としては、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。以下では主として半導体ウエハの処理に用いられる基板処理装置を例に採って図面を参照して説明するが、上に例示した各種の基板の処理にも同様に適用可能である。
【0014】
基板処理装置1は、処理ユニット10、供給ユニット50および制御ユニット90を備えている。処理ユニット10は、超臨界乾燥処理の実行主体となるものであり、供給ユニット50は、処理に必要な化学物質および動力を処理ユニット10に供給する。
【0015】
制御ユニット90は、これら装置の各部を制御して所定の処理を実現する。この目的のために、制御ユニット90には、各種の制御プログラムを実行するCPU91、処理データを一時的に記憶するメモリ92、CPU91が実行する制御プログラムを記憶するストレージ93、およびユーザや外部装置と情報交換を行うためのインターフェース94などを備えている。後述する装置の動作は、CPU91が予めストレージ93に書き込まれた制御プログラムを実行し装置各部に所定の動作を行わせることにより実現される。
【0016】
処理ユニット10は、処理チャンバ100を備えている。処理チャンバ100は、それぞれ金属ブロックにより形成された第1部材11、第2部材12および第3部材13を備えている。第1部材11と第2部材12とが図示しない結合部材により上下方向に結合され、その(+Y)側側面に、図示しない結合部材により第3部材13が結合されて、内部が空洞となった構造の処理チャンバ100が構成される。この空洞の内部空間が、基板Sに対する処理が実行される処理空間SPとなっている。処理対象の基板Sは処理空間SP内に搬入されて処理を受ける。処理チャンバ100の(-Y)側側面には、X方向に細長く延びるスリット状の開口部101が形成されており、開口部101を介して処理空間SPと外部空間とが連通している。
【0017】
処理チャンバ100の(-Y)側側面には、開口部101を閉塞するように蓋部材14が設けられている。蓋部材14の(+Y)側側面には平板状の支持トレイ15が水平姿勢で取り付けられており、支持トレイ15の上面は基板Sを載置可能な支持面となっている。本実施形態では、超臨界乾燥処理中に基板Sから除去した液体が基板Sに再付着するのを防止するための構成が支持トレイ15に施されている。この支持トレイ15の構成および機能については、後で詳述する。
【0018】
蓋部材14は図示を省略する支持機構により、Y方向に水平移動自在に支持されている。また、蓋部材14は、供給ユニット50に設けられた進退機構53により、処理チャンバ100に対して進退移動可能となっている。具体的には、進退機構53は、例えばリニアモータ、直動ガイド、ボールねじ機構、ソレノイド、エアシリンダ等の直動機構を有しており、このような直動機構が蓋部材14をY方向に移動させる。進退機構53は制御ユニット90からの制御指令に応じて動作する。
【0019】
蓋部材14が(-Y)方向に移動することにより、支持トレイ15が処理空間SPから開口部101を介して外部へ引き出されると、外部から支持トレイ15へのアクセスが可能となる。すなわち、支持トレイ15への基板Sの載置、および支持トレイ15に載置されている基板Sの取り出しが可能となる。一方、蓋部材14が(+Y)方向に移動することにより、支持トレイ15は処理空間SP内へ収容される。支持トレイ15に基板Sが載置されている場合、基板Sは支持トレイ15とともに処理空間SPに搬入される(収容工程)。
【0020】
液体の表面張力に起因するパターン倒壊を防止しつつ基板を乾燥させることを主たる目的とする超臨界乾燥処理においては、基板Sは、その上面Saが露出してパターン倒壊が発生するのを防止するために、上面Saが液膜で覆われた状態で搬入される。液膜を構成する液体としては、例えばイソプロピルアルコール(IPA)、アセトン等の表面張力が比較的低い有機溶剤を好適に用いることができる。
【0021】
蓋部材14が(+Y)方向に移動し開口部101を塞ぐことにより、処理空間SPが密閉される。蓋部材14の(+Y)側側面と処理チャンバ100の(-Y)側側面との間にはシール部材16が設けられ、処理空間SPの気密状態が保持される。シール部材16としては、弾性樹脂材料、例えばゴムにより形成された環状のものを用いることができる。また、図示しないロック機構により、蓋部材14は処理チャンバ100に対して固定される。このようにして処理空間SPの気密状態が確保された状態で、処理空間SP内で基板Sに対する処理が実行される(処理工程)。
【0022】
この実施形態では、供給ユニット50に設けられた流体供給部57から、超臨界処理に利用可能な物質の流体、例えば二酸化炭素が、気体または液体の状態で処理ユニット10に供給される。二酸化炭素は比較的低温、低圧で超臨界状態となり、また基板処理に多用される有機溶剤をよく溶かす性質を有するという点で、超臨界乾燥処理に好適な化学物質である。
【0023】
より具体的には、流体供給部57は、基板Sを処理する処理流体として、超臨界状態の流体、または、ガス状もしくは液状で供給され所定の温度・圧力が与えられることで事後的に超臨界状態となる流体を出力する。例えば、ガス状もしくは液状の二酸化炭素が加圧状態で出力される。処理流体は配管571およびその途中に介挿されたバルブ572、573を介して、処理チャンバ100の(+Y)側側面に設けられた入力ポート102、103に圧送される。すなわち、制御ユニット90からの制御指令に応じてバルブ572、573が開成されることで、処理流体は流体供給部57から処理チャンバ100へ送られる(供給工程)。その結果、処理チャンバ100内では、処理流体が(+Y)側から(-Y)側に流動する。この流れ方向FD(
図1Aおよび
図2)が本発明の「一定方向」の一例に相当している。
【0024】
こうして供給された処理流体は、処理チャンバ100内で3種類の層流を形成する。これらのうち上段層流(
図3中の符号FL1)が支持トレイ15に支持された基板Sの上面Saに沿って流れ、上面Saに供給される。また、中段層流(
図3中の符号FL2)が基板Sの下面Sbに沿って流れ、下面Sbに供給される。さらに、下段層流(
図3中の符号FL3)が支持トレイ15の下面に沿って流れる。これらの層流について説明する前に、支持トレイ15の構成について、
図1Bおよび
図2を参照しつつ説明する。
【0025】
支持トレイ15の上面中央領域は基板Sの下面Sbと対向しながら支持する基板対向面151となっている。より具体的には、流れ方向FDにおいて支持トレイ15の中央領域は、略平坦な面に仕上げられており、基板対向面151として機能する。また、基板対向面151の上流側、つまり(+Y)側に2つの供給案内部位152、152が基板対向面151から上方、つまり(+Z)方向に立設されている。供給案内部位152、152は、
図1Bに示すように、基板対向面151と対向しながら支持された基板SをX方向から挟み込むように、基板Sの(+Y)側で僅かなギャップ(
図3中の符号G1)を設けながら隣接配置されている。
【0026】
さらに、基板対向面151の下流側、つまり(-Y)側に排出案内部位153が基板対向面151から上方に立設されている。排出案内部位153は、
図1Bに示すように、基板対向面151と対向しながら支持された基板Sの(-Y)側で、当該基板Sから(+Y)側よりも若干広いギャップ(
図3中の符号G2)を設けながら配置されている。供給案内部位152、152および排出案内部位153には、基板Sを下方および側方から支持する支持部材154(
図1B中の部分拡大図参照)が設けられている。
【0027】
これら3つの支持部材154は、基板処理装置1の移載機構200との間で基板Sの授受が可能となっている。より具体的には、
図1A中の破線で示すように、空の状態の支持トレイ15が処理チャンバ100から(-Y)方向に引き出される。これにより、支持トレイ15全体が処理チャンバ100から露出するとともに、基板対向面151に設けられた3つの貫通孔155がリフトピン201の昇降経路上に位置する。貫通孔155はリフトピン201の外径よりも若干大きな内径を有している。このため、リフトピン201は貫通孔155に対して鉛直方向Zにおいて出退自在となっている。なお、移載機構200のリフトピン201を用いて支持トレイ15との間で基板Sを搬入出する動作は、例えば特開2021-125471号公報に記載されているように周知である。したがってここでは移載動作については説明を省略する。
【0028】
移載機構200により支持トレイ15の支持部材154により移載されると、基板Sは、処理対象となる上面(以下、単に「基板上面」ということがある)Saを上向きにして保持される。このとき、供給案内部位152、152および排出案内部位153の上面と、基板上面Saとが同一平面をなしている、つまり面一であることが好ましい。そして、支持トレイ15の保持されたまま、処理チャンバ100内を次のように流れる処理流体により処理される。
【0029】
図3は、処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図であり、同図では
図1AのB-B線断面図が図示されている。また、
図4は、リフトピンの昇降用貫通孔の構造を模式的に示す図であり、同図では
図1AのC-C線断面図が図示されている。上記のように構成された支持トレイ15を用いることで、流体供給部57から処理チャンバ100に供給された処理流体は、
図3に示すように、3種類の流路に沿って流れる。その結果、上段層流FL1、中段層流FL2および下段層流FL3が形成される。以下、
図1B、
図2および
図3を参照しつつ処理流体の流路および層流について説明する。
【0030】
図2に示すように、入力ポート102、103から処理空間SPに至る処理流体の流路17は、流体供給部57から供給される処理流体を処理空間SPに導入する導入流路として機能する。具体的には、入力ポート102には、流路171が接続されている。入力ポート102とは反対側の流路171の端部には、流路断面積が急激に拡大するように形成されたバッファ空間172が設けられている。
【0031】
バッファ空間172と処理空間SPとを接続するように、流路173がさらに設けられている。流路173は、上下方向(Z方向)に狭く、水平方向(X方向)に長い幅広の断面形状を有しており、その断面形状は、処理流体の流通方向において略一定である。バッファ空間172とは反対側の流路171の端部は、処理空間SPに臨んで開口する吐出口174となっており、この吐出口174から処理流体が処理空間SP内に導入される。
【0032】
望ましくは、流路173の高さは、支持トレイ15が処理空間SPに収容された状態で、処理空間SPの天井面と基板上面Saとの距離と等しい。そして、吐出口174は、処理空間SPの天井面と支持トレイ15の基板対向面151との間のギャップに臨んで開口している。例えば、流路173の天井面と処理空間SPの天井面とが同一平面をなすようにすることができる。このように、吐出口174は、処理空間SPに臨んで水平方向に細長いスリット状に開口している。この吐出口174からの処理流体は、直接および供給案内部位152、152の上面を経由して基板上面Saに向かって流れる。この処理流体の多くは、そのまま流れ方向FDに流れる。これによって、処理空間SPの天井面と基板上面Saとの間を流れる上段層流FL1が形成される。
【0033】
また、基板上面Saに向かって流れる処理流体の一部は、
図3に示すように、供給案内部位152と基板SとのギャップG1を介して基板Sの下面(以下、単に「基板下面」ということがある)Sbに回り込む。そして、この処理流体は処理空間SPの底面と基板下面Sbとの間を流れ方向FDに流れる。こうして、中段層流FL2が形成される。この中段層流FL2を構成する処理流体は、上段層流FL1を構成する処理流体とギャップG2で合流した後、さらに流れ方向FDに流れる。
【0034】
支持トレイ15の下方にも同様にして処理流体の流路が形成される。具体的には、入力ポート103には流路175が接続されている。入力ポート103とは反対側の流路175の端部には、流路断面積が急激に拡大するように形成されたバッファ空間176が設けられている。
【0035】
そして、バッファ空間176と処理空間SPとは流路177を介して連通している。流路177は、上下方向(Z方向)に狭く、水平方向(X方向)に長い幅広の断面形状を有しており、その断面形状は、処理流体の流通方向において略一定である。バッファ空間176とは反対側の流路177の端部は、処理空間SPに臨んで開口する吐出口178となっており、この吐出口178から処理流体が処理空間SP内に導入される。
【0036】
望ましくは、流路177の高さは、処理空間SPの底面と支持トレイ15の下面との距離と同等とされる。そして、吐出口178は、処理空間SPの底面と支持トレイ15の下面との間のギャップに臨んで開口している。例えば、流路177の底面と処理空間SPの底面とが同一平面をなすようにすることができる。つまり、吐出口178は、処理空間SPに臨んで水平方向に細長いスリット状に開口している。この吐出口178からの処理流体は、供給案内部位152、152の下面を経由して支持トレイ15と処理空間SPの底面との間を流れ方向FDに流れる。こうして、下段層流FL3が形成される。
【0037】
上記したように処理空間SP内を、上段層流FL1、中段層流FL2および下段層流FL3に分かれて流れてきた処理流体は、以下のように構成される排気流路18を介して処理容器外へ排出される(排出工程)。基板Sよりも(-Y)側において、処理空間SPの天井面と支持トレイ15の基板対向面151とはいずれも水平な平面をなしており、両者は一定のギャップを保って平行に対向している。このギャップが、支持トレイ15の基板対向面151および基板Sの上面Saに沿って流れた処理流体を流体排出部55に導く排気流路18の上流領域181として機能する。この上流領域181は上下方向(Z方向)に狭く、水平方向(X方向)に長い幅広の断面形状を有している。
【0038】
上流領域181の処理空間SPとは反対側の端部はバッファ空間182に接続している。バッファ空間182は、処理チャンバ100と、蓋部材14と、シール部材16とで囲まれた空間である。X方向におけるバッファ空間182の幅は上流領域181の幅と同等またはこれより大きく、Z方向におけるバッファ空間182の高さは上流領域181の高さよりも大きい。したがって、バッファ空間182は上流領域181より大きな流路断面積を有している。
【0039】
バッファ空間182の上部に下流領域183が接続されている。下流領域183は処理チャンバ100を構成する上部ブロックである第1部材11を貫通して設けられた貫通孔である。その上端は処理チャンバ100の上面に開口する出力ポート104を構成し、下端はバッファ空間182に臨んで開口している。
【0040】
このように、本実施形態では、支持トレイ15の上面側における排気流路18は、以下の3つの領域、つまり、
・支持トレイ15の基板対向面151と第1部材11の下面との間に形成される上流領域181と、
・流体排出部55と繋がる下流領域183と、
・上流領域181と下流領域183とを連通する中間領域(バッファ空間182)と、
を有している。
【0041】
同様に、処理空間SPの底面と支持トレイ15の下面とはいずれも水平な平面をなしており、両者は一定のギャップを保って平行に対向している。このギャップが、支持トレイ15の下面に沿って流れる処理流体を流体排出部55に導く排気流路18の上流領域185として機能する。また、支持トレイ15の下面側の上流領域185は、支持トレイ15の上面側と同様に、バッファ空間186を介して下流領域187と接続されている。すなわち、支持トレイ15の下面側における排気流路18は、以下の3つの領域、つまり、
・支持トレイ15の下面と第2部材12の上面との間に形成される上流領域185と、
・流体排出部55と繋がる下流領域187と、
・上流領域185と下流領域187とを連通する中間領域(バッファ空間186)と、
を有している。
【0042】
処理空間SPにおいて支持トレイ15の上方を流れた処理流体は、上流領域181、バッファ空間182および下流領域183を介して出力ポート104へ送出される。出力ポート104は、配管551によって流体排出部55に接続されており、配管551の途中にはバルブ552が介挿されている。
【0043】
同様に、処理空間SPにおいて支持トレイ15の下方を流れた処理流体は、上流領域185、バッファ空間186および下流領域187を介して出力ポート105へ送出される。出力ポート105は、配管553によって流体排出部55に接続されており、配管553の途中にはバルブ554が介挿されている。
【0044】
バルブ552、554は制御ユニット90により制御されている。制御ユニット90からの制御指令に応じてバルブ552、554が開成すると、処理空間SP内の処理流体が配管551、553を介して流体排出部55に回収される。
【0045】
上記のように構成された基板処理装置1において、処理流体によって基板Sから液体を除去した際に、当該液体が基板Sに再付着するのを防止するために、本実施形態では、次のような特徴的な構成が設けられている。
【0046】
図1Bおよび
図3に示すように、支持部材154に保持された基板Sの(+Y)側および(-Y)側には、それぞれ供給案内部位152および排出案内部位153が設けられている。また、基板Sと供給案内部位152との間のギャップG1と、基板Sと排出案内部位153との間のギャップG2とが存在している。ここで、ギャップG1、G2は、流れ方向FDにおいてギャップG2の寸法SG2がギャップG1の寸法SG1よりも大きくなるように、設けられている。このような構造を「下流側ギャップ拡大構造」と称する。すなわち、下流側ギャップ拡大構造を採用することで、基板Sと支持トレイ15との間を流れる処理流体の層流、つまり中段層流FL2の経路では、流れ方向FDの下流側(つまり、-Y側)に位置する下流経路が流れ方向FDの上流側(つまり、+Y側)に位置する上流経路よりも広くなっている。すなわち、下流側の流路断面積が上流側の流路断面積より大きくなっている。したがって、中段層流FL2の経路における圧損が低減される。その結果、当該経路における処理流体の流量が従来技術よりも高まり、基板Sから離脱した液体(イソプロピルアルコールやアセトン等)を効率的に処理チャンバ100から排出することができる。すなわち、処理流体によって基板Sから液体を除去した際に、当該液体が基板Sに再付着するのを防止することができる。
【0047】
また、リフトピン201を遊挿させるために、貫通孔155が設けられている。第1実施形態では、
図4に示すように、貫通孔155の基板対向面151側の開口部155aに対し、テーパ加工が施されている(テーパ加工構造)。つまり、開口部155aが中段層流FL2の経路に向かってラッパ状に広がっている。中段層流FL2を構成する処理流体が開口部155aを介して貫通孔155に流れ込む際の抵抗が従来技術に比べて小さく、圧損を低減させることができる。その結果、上記テーパ加工構造を採用することで、下流側ギャップ拡大構造と同様の作用効果が得られる。このように、第1実施形態では、リフトピンの昇降用貫通孔155が本発明の「第2貫通孔」の一例に相当している。なお、テーパ加工構造については、後で説明するバイパス専用貫通孔(
図7~
図10中の符号156に対して適用してもよい。
【0048】
この第1実施形態では、支持トレイ15が本発明の「支持部」の一例に相当している。また、寸法SG1、SG2がそれぞれ本発明の「基板に対する供給案内部位の離間距離」および「基板に対する排出案内部位の離間距離」に相当している。
【0049】
図5は、本発明に係る基板処理装置の第2実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
図6は、第2実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、排出案内部位153の上面が基板対向面151と面一に仕上げられている点である。つまり、排出案内部位153の上面が基板対向面151と連続し、流れ方向FDにおいて基板Sの下流側が開放されている。したがって、基板上面Saに沿って流れてきた上段層流FL1および基板下面Sbに沿って流れてきた中段層流FL2は、そのまま上流領域181に案内される。このような構造(以下「排出側全開放構造」という)を採用することで、中段層流FL2の経路では、流れ方向FDの下流側(つまり、-Y側)に位置する下流経路が流れ方向FDの上流側(つまり、+Y側)に位置する上流経路よりも大幅に広くなっている。したがって、中段層流FL2の経路における圧損が大きく低減される。その結果、下流側ギャップ拡大構造を採用した第1実施形態よりも効率的に処理チャンバ100から排出することができ、液体の基板Sへの再付着をより効果的に防止することができる。
【0050】
なお、第2実施形態では、流れ方向FDにおいて基板Sの下流側が全開放されているが、排出案内部位153の高さを第1実施形態のそれよりも低く設定してもよい。すなわち、排出案内部位153の上面が供給案内部位152の上面よりも下方に位置するように構成し、基板Sの下流側での開放度合を調整してもよい。このような構造(以下「排出側開放調整構造」という)を採用することで、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0051】
図7は、本発明に係る基板処理装置の第3実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
図8は、第3実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図であり、同図では、
図7のD-D線断面図が図示されている。この第3実施形態が第2実施形態と大きく相違する点は、支持トレイ15にバイパス用の貫通孔156が追加されている点である。貫通孔156は、流れ方向FDにおいて基板Sの下流側、つまり(-Y)側で、排出案内部位153を鉛直方向Zに貫通するように設けられている。このため、
図7中の矢印で示すように、中段層流FL2を構成する処理流体の一部は、基板下面Sbと基板対向面151との間を通過して上流領域181および貫通孔156を介して排気流路18の上流領域185に流れ込む。そして、当該処理流体は、下段層流FL3を構成する処理流体と合流し、下流領域187および出力ポート105を介して流体排出部55に回収される。すなわち、リフトピン201の昇降用貫通孔155以外に、バイパス専用貫通孔156が追加されている。このような構造(以下「バイパス追加構造」という)を採用することで、中段層流FL2の経路では、流れ方向FDの下流側(つまり、-Y側)に位置する下流経路が流れ方向FDの上流側(つまり、+Y側)に位置する上流経路よりも広がっている。したがって、中段層流FL2の経路における圧損が低減される。
【0052】
また、第3実施形態では、
図7に示すように、2つのバイパス専用貫通孔156が流れ方向FDと直交する水平方向Xにおいて、基板Sに対して(+X)側および(-X)側に振り分けて設けられている。つまり、バイパス専用貫通孔156は、出力ポート105の近傍に設けられている。このため、同図の矢印に示すように、中段層流FL2を構成する処理流体の一部がバイパス専用貫通孔156に向かって広がり、バイパス専用貫通孔156および出力ポート105を介して効率的に排出される。
【0053】
その結果、第3実施形態に係る基板処理装置1は、下流側ギャップ拡大構造を採用した第1実施形態よりも効率的に処理流体を処理チャンバ100から排出することができる。その結果、液体の基板Sへの再付着をより効果的に防止することができる。このように、第3実施形態では、バイパス専用貫通孔156が本発明の「第1貫通孔」の一例に相当している。
【0054】
図9は、本発明に係る基板処理装置の第4実施形態において蓋部材、支持トレイおよび支持トレイにより支持された基板を鉛直上方から見た平面図である。
図10は、第4実施形態における処理チャンバ内での処理流体の流路および層流を模式的に示す図であり、同図では、
図9のE-E線断面図が図示されている。この第4実施形態が第3実施形態と大きく相違する点は、基板対向面151の一部および排出案内部位153の上面が傾斜面157に仕上げられている点である。この傾斜面157は、流れ方向FDにおける基板対向面151の下流側領域と排出案内部位153の上面の全面領域に設けられたものであり、これらの領域全体が本発明の「傾斜領域」の一例に相当している。この傾斜面157は、流れ方向FDの下流側に進むにしたがって基板下面Sbから遠ざかるように傾斜している。なお、
図9では、傾斜面157を明示するために、傾斜面157が設けられた領域にドットが付されている。このような構造(以下「傾斜構造」という)を採用することで、中段層流FL2の経路では、流れ方向FDの下流側(つまり、-Y側)に位置する下流経路が流れ方向FDの上流側(つまり、+Y側)に位置する上流経路よりも広がっている。したがって、中段層流FL2の経路における圧損が低減される。なお、本実施形態では、傾斜面157の各部は同一傾斜角を有しているが、部分的に傾斜角を相違させてもよい。例えば基板対向面151の下流側領域と排出案内部位153の上面の全面領域とで傾斜角を相違させてもよい。また、基板対向面151全体を傾斜させてもよい。
【0055】
また、第4実施形態では、傾斜先がバイパス専用貫通孔156に向かっている。したがって、同図の矢印に示すように、中段層流FL2を構成する処理流体の一部が傾斜面157によってバイパス専用貫通孔156に案内され、バイパス専用貫通孔156および出力ポート105を介して効率的に排出される。
【0056】
その結果、第4実施形態に係る基板処理装置1では、第2実施形態よりも効率的に処理チャンバ100から排出することができ、液体の基板Sへの再付着をより効果的に防止することができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、中段層流FL2の経路における圧損を低減させる具体的手段として、「下流側ギャップ拡大構造(
図3)」、「テーパ加工構造(
図4)」、「排出側開放構造(
図6)」、「排出側開放調整構造」、「バイパス追加構造(
図7~
図10)」および「傾斜構造(
図10)」が用いられているが、これらを単独で採用してもよいし、複数を組み合わせてもよい。
【0058】
また、支持トレイ15では、
図2、
図3などに示すように、基板対向面151が供給案内部位152の上面に対し、基板Sの厚み(鉛直方向Zにおける寸法)よりも若干深く位置するように、支持部材154により保持されている。ここで、基板対向面151が支持部材154により保持された基板下面Sbよりもさらに下方に位置させることで、中段層流FL2の経路における圧損をさらに低減させることができ、好適である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明は、表面に液体が付着した基板を超臨界状態の処理流体によって処理する基板処理技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…基板処理装置
10…処理ユニット
15…支持トレイ(支持部)
55…流体排出部
57…流体供給部
100…処理チャンバ
155a…(貫通孔155の)開口部
151…基板対向面
152…供給案内部位
153…排出案内部位
155…昇降用貫通孔
156…バイパス専用貫通孔
157…傾斜面
200…移載機構
201…リフトピン
FD…流れ方向
FL1…上段層流
FL2…中段層流
S…基板
SG1…寸法(基板に対する供給案内部位の離間距離)
SG2…寸法(基板に対する排出案内部位の離間距離)
SP…処理空間
Sa…(基板Sの)上面
Sb…(基板Sの)下面
X…水平方向