(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-27
(45)【発行日】2025-09-04
(54)【発明の名称】可変不透明度を有するミラーパターンの保護眼鏡レンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/10 20060101AFI20250828BHJP
G02C 7/00 20060101ALI20250828BHJP
G02B 5/23 20060101ALI20250828BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20250828BHJP
【FI】
G02C7/10
G02C7/00
G02B5/23
G02B5/30
(21)【出願番号】P 2022534643
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(86)【国際出願番号】 US2020063608
(87)【国際公開番号】W WO2021118926
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-24
(32)【優先日】2019-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】525301266
【氏名又は名称】ゴースト、ビジョン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ghost Vision, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジェロルド、エス.パイン
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン、ティー.マイケルズ
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-523447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0026000(US,A1)
【文献】特開2016-066096(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0257525(US,A1)
【文献】特開2012-194546(JP,A)
【文献】特表2006-527397(JP,A)
【文献】特表2016-530579(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109923466(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/00 - 7/16
G02B 5/23
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン化された二色性ミラーコーティングを有するフォトクロミック保護眼鏡レンズであって、
前記フォトクロミック保護眼鏡レンズはストックフォトクロミック保護眼鏡レンズであり、
パターン化された前記二色性ミラーのコーティングは、レンズ表面上に画像を形成し、
前記画像が、周囲の紫外線に応答して透明から不透明までの範囲にわたる可変不透明度を有し、
前記画像が、外側から見る人からのみ見ることができる、フォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項2】
前記フォトクロミック保護眼鏡レンズが、ポリカーボネート、アクリルおよびガラスからなる群から選択された光学材-料を備えている、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項3】
前記フォトクロミック保護眼鏡レンズが、ブルー、バイオレット、グリーン、グレーおよびブラウンからなる群から選択された変遷色を有する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項4】
前記フォトクロミック保護眼鏡レンズが、(i)1倍の伊達眼鏡の倍率を有しているか、(ii)近視、遠視、および乱視からなる群から選択された眼の状態のための処方矯正を有しているか、または、(iii)透明または色付きのフォトクロミック保護眼鏡レンズである、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項5】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングが、ブルー、レッド、オレンジ、バイオレット、グリーン、シルバーおよびゴールドからなる群から選択された少なくとも1つの反射色の配合を生成する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項6】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングのすべての要素が、同じ固有の色の配合を反射する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項7】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングのいくつかの要素が、同じ固有の色の配合を反射し、前記パターン化された二色性ミラーの他の要素が、多色画像を形成する少なくとも1つの代替色の配合を反射する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項8】
前記パターン化された前記二色性ミラーのコーティングのいくつかの要素が、周囲の紫外線に敏感な可変不透明度を有し、前記パターン化された二色性ミラーの他の要素が、周囲の紫外線と無関係である完全な不透明度を有する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項9】
一対の前記フォトクロミック保護眼鏡レンズが切断され、フレームに取り付けられて、ファッション保護眼鏡を形成する、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項10】
前記画像は、周囲の弱光条件では透明であり、周囲の明るい光条件では完全に不透明である、請求項1に記載のフォトクロミック保護眼鏡レンズ。
【請求項11】
パターン化された二色性ミラーコーティングを備えた光学フィルムであって、
1つの表面上にフォトクロミックコーティングを備え、
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングが前記
光学フィルムの外面に画像を形成し、
前記画像が、周囲の紫外線に応答して透明から不透明までの範囲にわたる可変不透明度を有し、
前記画像が、
前記光学フィルムの外面側からのみ見ることができる、光学フィルム。
【請求項12】
前記光学フィルムが、ブルー、バイオレット、グリーン、グレーおよびブラウンからなる群から選択された変遷色を有する、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングが、ブルー、レッド、オレンジ、バイオレット、グリーン、シルバーおよびゴールドからなる群から選択された少なくとも1つの反射色の配合を生成する、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項14】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングのすべての要素が、同じ固有の色の配合を反射する、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングのいくつかの要素が、同じ固有の色の配合を反射し、前記パターン化された二色性ミラーのコーティングの他の要素が、多色画像を形成する少なくとも1つの代替色の配合を反射する、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項16】
前記パターン化された二色性ミラーのコーティングのいくつかの要素が、周囲の紫外線に敏感な可変不透明度を有し、前記パターン化された二色性ミラーのコーティングの他の要素が、周囲の紫外線と無関係である完全な不透明度を有する、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項17】
前記光学フィルムが、ファッション保護眼鏡を作成するために、切断され、フレームに取り付けられた一対の保護眼鏡レンズに積層される、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項18】
前記光学フィルムが、光学接着剤を用いて光学表面に積層または接着されている、請求項11に記載の光学フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月18日に出願された米国特許出願第17/073,365号に基づき、その優先権を主張し、2019年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/945,171号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、保護眼鏡レンズに関し、特に、本発明は、パターンが事実上透明から不透明になることができる、変化する照明条件に応答して、フォトクロミックレンズの外面から可変不透明度を示すファッション保護眼鏡上の鏡映パターンに関する。
【背景技術】
【0003】
保護眼鏡業界では、多くのコーティングを施したレンズを一貫して進化させて、最新ファッションの保護眼鏡に優れた実用性を創出している。反射防止、ハードコート、撥水剤、フォトクロミックコーティングなどのいくつかのコーティングは、レンズの耐久性を高め、ぎらつきを排除し、周囲の照明の変化による目の疲れを低減する。二色性ミラーコーティングなどの他のコーティングは、一般に美観のために使用される。二色性ミラーコーティングは、異なる屈折率を有する光学コーティングの交互層であり、これらの層は、他の色を反射しながら少数の色の光を選択的に通過させるレンズ表面上に構築される。それらの層には、ブルー、レッド、オレンジ、バイオレット、グリーン、シルバー、およびゴールドなど、様々な反射色が入って来る。二色性鏡映コーティングの興味深い使用の1つとして、二色性ミラーコーティングの導入前に、レンズの一部分をマスキングして、レンズ上に鏡映パターンおよびロゴを作成することが挙げられる。そのような実装形態の1つは、Hoya Corporation、Tokyo、Japanに譲渡された「OPTICAL LENS」、US9,651,801(B2)である。HOYAの技術では、レンズの外側に鮮やかなパターンを有し、レンズの内側を通して見たときに透明なパターンを有する、レンズ上に鏡映コーティングパターンを作成する。鏡映パターンは、レンズの上面から高い固定不透明度で反射する。
【0004】
フォトクロミックレンズは、紫外線への曝露量に基づいて暗くなったり明るくなったりする光学レンズである。紫外線の存在下では、レンズはより暗くなり、紫外線の不在下では、レンズは透明な状態に戻る。フォトクロミックレンズは、ポリカーボネート、ガラス、またはアクリルで作られ得る。フォトクロミックレンズは、主に明るい日光において暗くする保護眼鏡に使用されるが、周囲の弱光では透明になり、目の疲れを低減する。フォトクロミックレンズは、明るい日光に曝されてから60秒以内に著しく暗くなるが、その後、低い紫外線に曝されると、透明になるのにより長くかかる可能性がある。室内照明は、一般に紫外線がほとんどないため、室内では、レンズは一般に透明なままである。フォトクロミックレンズは、室内および屋外で使用するための一対のメガネとして使用されることを目的としており、これら両方の環境で快適な視界を提供する。透明な透過率と暗い透過率との異なる範囲を作成することができる。本発明を簡略化するために、ストックフォトクロミックレンズを構成するすべての特定のコーティング層および構造は、当該技術分野においてよく知られていると見なされるが、異なる製造業者からの独自要素を含み得る様々な構造でも構成され得る。
【0005】
ポリカーボネートまたはアクリルから作製される保護眼鏡レンズ上のコーティングの配置は、同じ材料または同様のプラスチックから作られる積層フィルムにも適用できることを理解することができる。その積層体は、他の光学レンズまたは事実上任意の他の表面に適用して、同様の光学効果を生み出すことができる。
【0006】
鏡映コーティングの不透明度を最大化するための特定の反射防止コーティング層がない場合、フォトクロミックレンズは、ストック無色レンズに適用されるとほぼ透明に見える。色合いレベルが増加するにつれて、二色性鏡映コーティングの明らかな不透明度も増加する。したがって、フォトクロミックレンズの可変色合いレベルは、鏡映パターン化された表面の不透明度に影響を与えることができる。この効果は、可変不透明度を有する装飾パターンを備えた保護眼鏡レンズを提供するコーティングのこの固有の組み合わせの基礎を形成する。
【発明の概要】
【0007】
必要なのは、可変不透明度を有する光学レンズ上にパターン化された二色性ミラーコーティングを作成することである。
【0008】
さらに必要なのは、可変不透明度を有する多色パターンを作成するために、複数の二色性ミラーコーティングを有することである。
【0009】
さらに必要なのは、同じレンズ上に、固定不透明度の二色性ミラーパターンと、可変不透明度のミラーパターンとの両方を提供することである。
【0010】
さらに必要なのは、可変不透明度を有する光学フィルム上にパターン化された二色性ミラーコーティングを作成することである。
【0011】
さらに必要なのは、光学フィルム上のパターン化された二色性ミラーコーティングを光学レンズに積層することである。
【0012】
さらに必要なのは、光学フィルム上のパターン化された二色性ミラーコーティングを光学表面に積層することである。
【0013】
さらに必要なのは、パターン化されたミラーコーティングは、レンズの外側から見たときに可変不透明度を有するが、レンズの内側から見たときには常に透明に見えることである。
【0014】
さらに必要なのは、カットされてフレームに取り付けられた二色性ミラーのコーティングされたパターンを含む一対のフォトクロミックレンズを使用して、ファッション保護眼鏡を作成することである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、以下の本明細書で与えられる詳細な説明と、例示のためにのみ与えられ、したがって本発明を限定するものではない添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0016】
【
図1】ストックフォトクロミックレンズが使用されている間の側面図であり、当該技術分野においてよく知られている。
【
図2】ストックフォトクロミックレンズが使用されている間の上面図であり、当該技術分野においてよく知られている。
【
図3A-3D】本発明による、使用されている間の、鏡映パターンの可変不透明度を示す一実施形態の上面図である。
【
図4A-4D】本発明による、使用されている間の、鏡映パターンを形成するためのマスキング装置の上面図である。
【
図5】本発明による、使用されている間の、鏡映パターンを含む保護眼鏡の正面図である。
【
図6】本発明による、使用されている間の、フロントガラスに取り付けられた鏡映パターンを含む光学フィルムを有する自動車の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および
図2を参照すると、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10がある。フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、任意のスタイルの保護眼鏡のフレームに適した周囲または形状にカットされて取り付けられるのに適したサイズ、厚さ、および丸い形状を有するフォトクロミックカラーコーティングを施された典型的なストック保護眼鏡レンズである。フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、ポリカーボネート、アクリルまたはガラスなどの様々な材料で作ることができる。フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、ブルー、バイオレット、グリーン、グレー、およびブラウンなどの変遷色を有することができる。また、ポリカーボネートまたはアクリルから作製されるフォトクロミック保護眼鏡レンズ10を作成するためのコーティングの配置は、同じ材料または同様のプラスチックから作られる光学フィルム11に適用することもできることを理解することができる。その光学フィルム11は、その様々なコーティングから同様の光学効果を生み出すために、保護眼鏡レンズまたは事実上任意の他の光学表面15に適用され得る。例えば、光学フィルム11は、
図6に示されるように、窓または自動車60のフロントガラスなどの光学表面15に光学接着剤で積層または接着され得る。ストックフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、一般に、凸状外面12および凹状内面14で形成されている。伊達眼鏡に使用されるとき、凸状外面12と凹状内面14との間の光学倍率は、1倍である。また、ストックフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、近視、遠視、および乱視などの多くの眼の状態の処方矯正のために注文されてもよい。処方レンズは、レンズ表面が凸状外面12または凹状内面14に予め形成されるか、または研磨されるか、またはその両方を有し得る。処方レンズ表面を形成するための技術は、当該技術分野でよく知られており、同じ結果を達成するために多くの異なるプロセスを有する。処方がストックフォトクロミック保護眼鏡レンズ10に研磨されている場合、ミラーコーティングを追加する準備として、ハードコーティングおよび/または反射防止コーティングを研磨表面に追加する必要があり得る。これらのコーティングステップは、どの表面(複数可)が研磨され、どのコーティングがプロセスにおいて除去された可能性があるかに基づいて必要とされ得る。
【0018】
図3A、
図3B、
図3Cおよび
図3Dを参照すると、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10の凸状外面12上に、二色性ミラーパターン20に関する様々な不透明度レベルを示す二色性ミラーパターン(複数可)20が存在する。
図3A上では、二色性ミラーパターン(複数可)20は、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10が強烈な紫外線に曝されているため、このレンズとともに最大限の暗さで高度に不透明である。二色性ミラーパターン(複数可)20の不透明度をより良好に示すために、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10の暗さは、
図3A~
図3Dには示されていないことに留意されたい。
図3B上では、二色性ミラーパターン(複数可)20は、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10が中程度の紫外線に曝されているため、このレンズとともに中程度の暗さで大部分が不透明である。
図3C上では、二色性ミラーパターン(複数可)20は、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10が穏やかな紫外線に曝されているため、このレンズとともに最小限の暗さで軽度に不透明である。
図3D上では、二色性ミラーパターン(複数可)20は、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10が紫外線に曝されていないか、または最小の紫外線に曝されているため、このレンズとともに高度に透明である。あるいは、二色性ミラーパターン(複数可)20は、フォトクロミックコーティングを有する光学フィルム11上に形成することができ、紫外線に応答して同じ可変不透明度を示す。
【0019】
図4A、
図4B、
図4Cおよび
図4Dを参照すると、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10上の領域をマスキングするために使用されるネガティブマスキングパターン34、ネガティブマスキングパターン37、およびネガティブマスキング基準パターン31を備えたマスク32を有するフォトクロミック保護眼鏡レンズ10が存在し、ここで、二色性ミラーパターン33、二色性ミラーパターン35、および二色性ミラー基準パターン30は、次項に説明されるプロセスで、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10の表面にコーティングされる。ネガティブマスキングパターン34およびネガティブマスキングパターン37を有するマスク32は、マスク32が取り外されると、
図3A~
図Dに示される二色性ミラーコーティングと一緒に処理されて、二色性ミラーパターン(複数可)20を得ることができる。あるいは、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10上のマスク32は、二色性ミラーでコーティングされたときに、二色性ミラーパターン33および二色性ミラー基準パターン30を含む二色性ミラーパターン(複数可)20の半分のみを生成するネガティブマスキングパターン34およびネガティブマスキング基準パターン31のみを有し得る。マスク32を取り外した後、結果として得られるフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、所与の反射色を備えるか、またはフォトクロミック色付きレンズと無関係である完全な不透明度を有し得る追加のコーティングを備える二色性ミラーパターン33を有する。ネガティブマスキングパターン37およびネガティブマスキング基準パターン31のみを有する同じフォトクロミック保護眼鏡レンズ10上にマスク32でこのプロセスを繰り返すことによって、二色性ミラーでコーティングされたときに、二色性ミラーパターン35を含む二色性ミラーパターン(複数可)20の半分のみを生成し、多色鏡映パターンを生成する異なる色を反射するミラーの各マスク部分とともに、二色性ミラーパターン(複数可)20を生成する。フォトクロミック保護眼鏡レンズ10にコーティングされる二色性ミラー基準パターン30は、追加の色のための後続のマスキングステップを調整するために使用される。マスキング動作を何度も何度も実施して、希望する多くの色または不透明度のバリエーションでパターンの部分を生成することができることを理解することができる。
【0020】
図5を参照すると、フレーム45に装着された二色性ミラーパターン(複数可)20を有するフォトクロミック保護眼鏡レンズ10で構成された保護眼鏡40が存在する。保護眼鏡40を生産するための、本発明によるプロセスは、ブランクフォトクロミックレンズ10の選択から始まる。フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、処方あり/処方なしの様々なフォトクロミックカラーレンズ、透明なレンズ/色付きレンズを有する仕上げ工場でハードコーティングされたフォトクロミックか、または光学研究所を通じて処理される必要がある半仕上げのレンズブランクのいずれかとすることができる。
【0021】
半仕上げのブランクから開始するとき、代表的なプロセスは、
処方に必要とされる適切なレンズブランクを計算することと、
レンズの前面に表面保護テープを配設することと、
レンズが表面機械に吸着されることを可能にするレンズに安全なワックスを使用して、レンズへの接着を作成するブロッキングをステップ1のブロックに適用することと、
レンズを生成するSL2生成器は、レンズの裏面に湾曲を研磨するプロセスで、このプロセス中、各レンズは、レンズの素材に応じて細かいものから深いものまで生成器のマークを付けて仕上げられることと、
A-微細化は、微細化のために特別に設計された高グリット研磨パッドを使用して、生成器のマークを掻き均すプロセスであり、このプロセスでは、生成されたレンズの湾曲に一致する別名ラップとして知られている工具、およびラップの上部に接着し、このマークが掻き均されるまで湿式研磨プロセスを通して実行される微細化パッドが必要であることと、
B-レンズの磨き仕上げは、レンズが、次に、同じラップの特定のバフパッドおよび酸化アルミニウムの液体磨き仕上げ剤を使用して、各レンズが透明で完璧になるまでおよそ3~5分間バフ研磨するプロセスであることと、
第1のステップブロックからレンズをブロック解除し、表面テープを除去することと、
レンズは、表面上にほこりが存在しないことを確実にするために圧力洗浄され、次いで、ハードコートを通して回転され、その後、紫外線によって硬化されるという、各レンズが3ステップのコーティング機によって送られる、洗浄され、裏面コーティング機に送られるように準備されることと、
を含む。
【0022】
この段階において、両方の半仕上げレンズブランクは、処方あり/処方なし(フォトクロミック保護眼鏡レンズ10)の様々なフォトクロミックカラーレンズ、透明なレンズ/色付きレンズを有する工場でハードコーティングされたフォトクロミックに相当し、このプロセスは、次のプロセスのためにほこりのない状態を保つためにクリーンルームに運ばれた後も継続される。二色性ミラーコーティングを塗布する前に、各フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、徹底的な洗浄ステップを経る。
【0023】
洗浄ステップは、以下の複数の段階からなる。
すべてのフォトクロミック保護眼鏡レンズ10を医療用の99.9%のイソプロピルに素早く浸して、すべての不純物および製造時に各フォトクロミック保護眼鏡レンズ10に塗布され得る工場のマークを除去し、次に、クリーンルームのリントフリー薄織物で拭いて各レンズを乾燥させ、
ここで、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、超音波加工機Satis Loh T5 ultrasonicに入れるためにホルダに乗せられ、この機械には、ここでフォトクロミック保護眼鏡レンズ10を洗浄し、次のプロセスのためにフォトクロミック保護眼鏡レンズ10を準備する4つの区画があり、第1の区画は、粉末状の9.3ph(3%DI)濃度が5~20g/L tc 30~70c/86~158F、2~5分1%(40g)で使用される石鹸NGL技術光学17.40spであり、次の区画には、ここでレンズから石鹸を除去するためのろ過された蒸留すすぎ液を含み、次の区画には、超音波プロセスで依然として残留したものを再度すすぐDI(脱イオン)水を含み、最後の区画もまた、各フォトクロミックレンズ10を乾燥させるための光熱を有する斑点のない乾燥区画になるために、ここでゆっくりと空になるDI水であり、
次に、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10を、脱気のために華氏110度で90~120分間、オーブンに配設する。
【0024】
この段階における次のプロセスは、各フォトクロミックレンズ10上にミラーパターンを作成するために使用されるレンズのマスキング塗布である。この機能に相当する様々なマスキング技術がある。マスクは、Hoyaの特許に引用されているように、インクジェット印刷することができる。光に敏感なコーティングが各レンズ上に配設され、それらコーティングがマスクに硬化するパターン開口部を通して光に曝されるフォトマスクキング技術がある。マスクは、各フォトクロミックレンズ10の凸状外面に配設または形成される。マスクが適用されると、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、以下のステップが行われるMC280× Satis Loh反射防止コーティング機で処理されるように準備される。
各フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、機械ドームに進むリングホルダ上に配設され、そこで、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、鏡映コーティングプロセスのためにマスクを内側に向けた凸面とともに存在し、
ドームは、真空ポンプを使用してコーティングチャンバを5.00E-3psiの始動圧力まで排気する機械に配設され、
適切な圧力になると、機械は、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10をエッチングして、次のプロセスで燃焼鉱物を吸収するのを助ける洗浄サイクルを開始し、洗浄プロセスは、エッチングプロセスを促進するためにアルゴンおよび酸素を分配するタングステンフィラメントベースのイオン源Mark 1 Plusであり、
このプロセスは、ここで、二酸化ケイ素(SIO2)と二酸化ジルコニウム(ZRO2)との2つの燃焼鉱物からなり、
第1の層であるSIO2は、電子ビーム(EBガン)によって適用され、48.86ナノメートル(NM)の堆積厚を有し、
第2の層であるZRO2は、蒸発し、第1の層の上部に49.83NMの堆積物を塗布し、
新しい洗浄サイクルが開始され、SIO2およびZRO2のプロセスがもう一度繰り返され、
これらの堆積プロセスが完了した後、各フォトクロミック保護眼鏡レンズ10のミラーコーティングが完了し、機械が真空から出て、ドームが取り外され、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10がドームから取り出され、マスクがフォトクロミック保護眼鏡レンズ10から取り外されて、ミラーパターンが明らかになる。
【0025】
二色性ミラーパターン(複数可)20を有するフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、ベンチ部門に送られ、そこで、それらは縁取られ、フレーム45に装着される。縁取りは、形状およびサイズによってカスタマイズできるフレームまたは縁なしレンズパターンをトレースすることから始まる。フレームパターンがトレースされると、次に、各レンズは、標準的な疎水性安全ブロックパッドを使用して仕上げブロッカでブロックされる。各レンズ画像は、フレーム45の形状に対して中央に配置される。一度ブロックされると、レンズは、縁取り機上に吸着され、形状にカットされる。任意の必要なサイズまたはドリル座標調整が各フォトクロミックレンズ10に行われた後、フォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、ストーンホイールで鋭利な縁取りを平滑にすることによって、フレーム45に安全に挿入されるようにする。次いで、二色性ミラーパターン(複数可)20を有するフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、保護眼鏡40としてフレーム45に装着される。二色性ミラーパターン(複数可)20およびフレーム45を有するフォトクロミック保護眼鏡レンズ10は、乾燥したマイクロファイバー眼鏡拭きで洗浄されて指紋およびほこりを除去し、完成となる。上記のプロセスは、同じ結果を作成するために代替的に使用され得る異なる機器および異なるプロセスステップを使用して、異なるプロセスを表すことを理解することができる。
【0026】
したがって、上記のニーズ、および前述の説明から明らかになったニーズが、効果的に達成されることが理解され、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく上記の構造において特定の変更が行われ得ることから、上記の説明に含まれる、または添付の図面に示されるすべての主題は、例示的であると解釈され、限定的な意味では解釈されないことが意図される。
【0027】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載される本発明のすべての一般的かつ具体的な特徴、および言語の問題として、それらの間にあると言われ得る本発明の範囲のすべての記述を網羅することが意図されていることも理解されたい。