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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-27
(45)【発行日】2025-09-04
(54)【発明の名称】電話システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 3/58 20060101AFI20250828BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2025084718
(22)【出願日】2025-05-21
【審査請求日】2025-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522120554
【氏名又は名称】HY技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山宮 耕二
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 直
(72)【発明者】
【氏名】小泉 武彦
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-129491(JP,A)
【文献】特開平11-234744(JP,A)
【文献】特開2008-079087(JP,A)
【文献】国際公開第2021/235149(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 3/58
H04M 3/54
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、電話回線に契約可能な予め用意された呼出用の第1外線電話番号であって前記携帯電話端末から電話システムへの発信の際に発信先の電話番号として使用される前記第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、
割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知する割当番号通知部と、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換する番号変換部と、
変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信する第1発信部と、
前記外線電話番号と、前記第1番号割当部により割り当てられた前記第1外線電話番号と、を関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記第1記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定する第1着信判定部と、
を有し、
前記番号変換部は、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換し、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換しない、
話システム。
【請求項2】
携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、電話回線に契約可能な予め用意された呼出用の第1外線電話番号であって前記携帯電話端末から電話システムへの発信の際に発信先の電話番号として使用される前記第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、
割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知する割当番号通知部と、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換する番号変換部と、
変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信する第1発信部と、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックする第2発信部と、
を有し、
前記番号変換部は、
前記コールバックに対して応答があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換し、
前記第1発信部は、
前記コールバックに対して応答があった場合に、変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信する、
話システム。
【請求項3】
代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、
検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てる第2番号割当部と、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信する通知要求部と、
前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックする第2発信部と、
前記コールバックに対して応答があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続する通話接続部と、
を有する電話システム。
【請求項4】
前記外線電話番号と、前記第2番号割当部により割り当てられた前記第2外線電話番号と、を関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含む前記コールバックの要求があった場合に、前記第2記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定する第2着信判定部と、をさらに有し、
前記第2発信部は、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックし、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第2外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記携帯電話端末にコールバックしない、
請求項に記載の電話システム。
【請求項5】
前記携帯電話端末ごとに、前記コールバックを有効化又は無効化するモード設定を行うモード設定部をさらに有し、
前記第2発信部は、
前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末が前記コールバックを有効化されている場合には、前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含む前記コールバックの要求を受け付け、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックし、
前記通話接続部は、
前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末が前記コールバックを無効化されている場合には、前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を指定した着信を受け付け、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続する、
請求項又はに記載の電話システム。
【請求項6】
携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、電話回線に契約可能な予め用意された呼出用の第1外線電話番号であって前記携帯電話端末から電話システムへの発信の際に発信先の電話番号として使用される前記第1外線電話番号を割り当てるステップと、
割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知するステップと、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換するステップと、
変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信するステップと、
前記外線電話番号と、前記割り当てるステップにより割り当てられた前記第1外線電話番号と、を関連付けて第1記憶部に記憶するステップと、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記第1記憶部を参照し、発信元である前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であるか否かを判定するステップと、
を電話システムに実行させ
前記代表電話番号に変換するステップは、
前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号であると判定された場合は、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換し、前記携帯電話端末の前記外線電話番号が前記第1外線電話番号を割り当てた前記外線電話番号でないと判定された場合は、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換しない、
プログラム。
【請求項7】
携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、電話回線に契約可能な予め用意された呼出用の第1外線電話番号であって前記携帯電話端末から電話システムへの発信の際に発信先の電話番号として使用される前記第1外線電話番号を割り当てるステップと、
割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知するステップと、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を前記発信先の電話番号として指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換するステップと、
変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信するステップと、
前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックするステップと、
を電話システムに実行させ、
前記代表電話番号に変換するステップは、
前記コールバックに対して応答があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換し、
前記発信するステップは、
前記コールバックに対して応答があった場合に、変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信する、
プログラム。
【請求項8】
代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップと、
検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てるステップと、
検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップと、
前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックするステップと、
前記コールバックに対して応答があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップと、
を電話システムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末が代表着信に応答可能となる通信システムが知られている。例えば、特許文献1に開示された電話システムは、代表着信があった場合、着信先グループの所属電子端末の携帯電話番号を検索する番号検索部と、当該携帯電話番号を含む代表着信情報を通知要求部に送信する情報送信部と、代表着信情報を受信した場合、プッシュ通知サーバに、代表着信がある旨のプッシュ通知を所属電子端末に配信するように要求する通知要求部とを備える。
【0003】
特許文献1にかかる技術では、電話制御装置が外線電話および内線電話の発着信の処理である呼制御を行う。一般に、このような電話制御装置としてPBX(Private Branch Exchange)と呼ばれる構内電話交換機が用いられる。そして、電話制御装置は、FMC(Fixed-Mobile Convergence)を介して携帯電話網に接続しており、携帯端末を内線電話機のように使用することを可能とする。このようなシステムでは、PBXが外線番号、内線番号、特番等の各番号をどの端末装置の割り当てるのかを既定する番号計画を管理しており、PBXの設計や設定に高いスキルが要求されると共に、設計や設定の変更作業にも多大な手間を要する。さらに、携帯端末を内線電話機として使用するために、FMC契約や内線化するための専用アプリの導入等が必要であり、電話回線設計も煩雑となる。
【0004】
そこで、システムの設計や設定を容易化できるとともに、電話回線設計の簡易化を可能とした電話システムが知られている。例えば、特許文献2に開示された電話システムは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、第1外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信する第1通知要求部と、プッシュ通知を受信した携帯電話端末から第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末と代表着信の発信元とを通話可能に接続する第1通話接続部とを有する。これにより、代表着信がある旨のプッシュ通知を受信した携帯電話端末から内線番号や特番を使用せずに代表着信に応答することが可能となり、PBXレスの電話システムを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第7115797号公報
【文献】特許第7603355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなPBXレスの電話システムにおいて、ユーザの利便性をさらに向上することが要望されていた。
【0007】
本発明の目的は、システムの設計や設定を容易化できるとともに電話回線設計を簡易化でき、且つ、ユーザの利便性をさらに向上できる電話システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てる第1番号割当部と、割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知する割当番号通知部と、前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換する番号変換部と、変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信する第1発信部と、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索する番号検索部と、検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てる第2番号割当部と、検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信する通知要求部と、前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックする第2発信部と、前記コールバックに対して応答があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続する通話接続部と、を有する。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかるプログラムは、携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする発信の要求があった場合に、前記携帯電話端末の外線電話番号に、予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てるステップと、割り当てられた前記第1外線電話番号を前記携帯電話端末に通知するステップと、前記第1外線電話番号を通知した前記携帯電話端末から前記第1外線電話番号を指定した着信があった場合に、前記発信者番号を前記携帯電話端末の前記外線電話番号から前記代表電話番号に変換するステップと、変換された前記代表電話番号を前記発信者番号として発信先に発信するステップと、を電話システムに実行させる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかるプログラムは、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、前記代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップと、検索された前記外線電話番号に、予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てるステップと、検索された前記外線電話番号に対応する前記携帯電話端末に前記代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、前記第2外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップと、前記プッシュ通知を受信した前記携帯電話端末から前記第2外線電話番号を含むコールバックの要求があった場合に、前記外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックするステップと、前記コールバックに対して応答があった場合に、前記携帯電話端末と前記代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップと、を電話システムに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、システムの設計や設定を容易化できるとともに電話回線設計を簡易化でき、且つ、ユーザの利便性をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を概念的に表す図である。
図2】電話システムの第1実施形態に係る機能の一例を表すブロック図である。
図3】第1実施形態において通信システムを構成する電話システム及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図4】ステップS5において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図5】ステップS5において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図6】ステップS5において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図7】ステップS25~S35において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図8】第2実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を概念的に表す図である。
図9】第2実施形態に係る電話システムの機能の一例を表すブロック図である。
図10】第2実施形態において通信システムを構成する電話システム、プッシュ通知サーバ、及び携帯電話端末により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
図11】ステップS147~ステップS155において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図12】ステップS147~ステップS155において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図13】ステップS147~ステップS155において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図14】ステップS177~ステップS185において携帯電話端末の表示部に表示される画面の一例を表す図である。
図15】電話システムを例えば物理サーバとして構成する場合のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態において同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
<第1実施形態>
第1実施形態は、携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、携帯電話端末から代表電話番号を発信者番号として発信することを可能とした実施形態である。
【0016】
<通信システムの全体構成>
図1は、第1実施形態に係る通信システム1の全体構成の一例を概念的に表す図である。図1では、有線接続および無線接続を問わず、各部の接続を実線で示す。
【0017】
通信システム1は、電話システム3と、代表発信の発信元である発信メンバが備える携帯電話端末7と、代表発信の発信先である電話端末9Aを備える。携帯電話端末7は、例えばスマートフォン等の電話機能及び通信機能を備えた携帯可能な端末装置であり、各発信メンバが携帯する。携帯電話端末7は、単数でもよいし複数でもよい。電話端末9Aは、固定電話機でもよいし、携帯電話端末でもよい。
【0018】
電話システム3と携帯電話端末7と電話端末9Aは、電話網11を介して発信又は受信可能に接続されている。電話網11は、例えば公衆電話網およびIP電話網等である。また、電話システム3と携帯電話端末7は、通信網13を介して通信可能に接続されている。通信網13は、例えばインターネット等である。
【0019】
電話システム3は、外線電話の発着信の処理(すなわち、発信元と着信先との間の通信路の確保および切断等の処理)である呼制御を行う。外線電話は、電話網11等を通じて行われる通話であり、例えば電話端末9Aと携帯電話端末7との間の音声通話である。電話システム3は、例えばインターネット上に存在する仮想的なサーバ(クラウド上に存在するサーバをオンデマンドで利用するクラウドサーバ等)として構成されてもよいし、物理サーバとして構成されてもよい。
【0020】
図2は、第1実施形態に係る電話システム3の機能の一例を表すブロック図である。図2に示すように、電話システム3は、回線接続部15と、第1番号割当部17と、割当番号通知部19と、第1着信判定部21と、番号変換部23と、第1発信部25と、呼出用外線番号データベース27と、割当番号管理テーブル29を有する。
【0021】
回線接続部15は、電話網11と電話システム3とを中継するゲートウェイとして機能する。回線接続部15は、携帯電話端末7から通信網13を介して代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、代表電話番号を発信者番号として電話端末9Aに発信したり、携帯電話端末7からの呼出用外線番号を指定した着信を受け付ける。
【0022】
第1番号割当部17は、携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、携帯電話端末7の外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号(呼出用の第1外線電話番号の一例)を割り当てる。1つの代表発信の要求に対し1つの呼出用外線番号が割り当てられる。呼出用外線番号は、例えば050等で始まる、電話回線に契約可能な外線電話番号である。呼出用外線番号は、予め事業者規模や代表電話番号数等に応じて複数の番号が用意されており、呼出用外線番号データベース27に登録されている。携帯電話端末7の外線電話番号と、当該外線電話番号に第1番号割当部17により割り当てられた呼出用外線番号は、互いに関連付けられて割当番号管理テーブル29(第1記憶部の一例)に登録される。
【0023】
割当番号通知部19は、第1番号割当部17により割り当てられた呼出用外線番号を、通信網13を介して携帯電話端末7に通知する。
【0024】
第1着信判定部21は、割当番号通知部19により呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から、電話網11を介して呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル29を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。
【0025】
番号変換部23は、割当番号通知部19により呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から、電話網11を介して呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換する。具体的には、番号変換部23は、第1着信判定部21により、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換する。一方、番号変換部23は、第1着信判定部21により、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換しない。
【0026】
第1発信部25は、番号変換部23により変換された代表電話番号を発信者番号として、電話網11を介して発信先である電話端末9Aに発信する。
【0027】
図3は、第1実施形態において通信システム1を構成する電話システム3及び携帯電話端末7により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。
【0028】
図3に示すように、ステップS5では、発信メンバのうちのいずれかの携帯電話端末7は、ユーザによる要求操作に基づき、代表発信に関わる専用アプリケーションを起動させ、通信網13を介して、代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求を電話システム3に送信する。代表発信の要求には、代表発信の発信先電話番号、携帯電話端末7の外線電話番号、発信者番号とする代表電話番号が含まれる。
【0029】
ステップS10では、電話システム3の第1番号割当部17は、携帯電話端末7からの代表発信の要求に応じて、呼出用外線番号データベース27に登録されている呼出用外線番号の中から使用中でない呼出用外線番号を1つ読み出し、代表発信の要求を送信した携帯電話端末7の外線電話番号に呼出用外線番号を割り当てる。なお、当該ステップS10は、携帯電話端末の外線電話番号に予め用意された呼出用の第1外線電話番号を割り当てるステップの一例である。
【0030】
ステップS15では、電話システム3の第1番号割当部17は、代表発信の要求を送信した携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS10で割り当てた呼出用外線番号とを関連付けて、割当番号管理テーブル29に書き込む。
【0031】
ステップS20では、電話システム3の第1番号割当部17は、通信網13を介して、代表発信の要求を送信した携帯電話端末7に上記ステップS10で割り当てた呼出用外線番号を通知する。なお、当該ステップS20は、割り当てられた第1外線電話番号を携帯電話端末に通知するステップの一例である。
【0032】
ステップS25では、携帯電話端末7は、電話システム3から受信した通知に基づき、呼出用外線番号を表示部に表示させる。
【0033】
ステップS30では、携帯電話端末7は、表示された呼出用外線番号を指定した発信操作がユーザによりなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、ユーザにより発信操作がなされていないと判定した場合には(ステップS30:No)、処理を終了する。一方、携帯電話端末7は、ユーザにより発信操作がなされたと判定した場合には(ステップS30:Yes)、次のステップS35に処理を進める。
【0034】
ステップS35では、発信操作がなされた携帯電話端末7は、電話網11を介して、呼出用外線番号を用いて電話システム3に発信する。
【0035】
ステップS40では、電話システム3の回線接続部15は、携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信がないと判定した場合には(ステップS40:No)、処理を終了する。一方、回線接続部15は、呼出用外線番号を指定した着信があったと判定した場合には(ステップS40:Yes)、次のステップS45に処理を進める。
【0036】
ステップS45では、電話システム3の第1着信判定部21は、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が発信メンバからの着信か否かを判定する。すなわち、第1着信判定部21は、割当番号管理テーブル29を参照し、着信があった携帯電話端末7の外線電話番号が、着信があった呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。第1着信判定部21は、携帯電話端末7の外線電話番号が発信メンバからの着信でないと判定した場合には(ステップS45:No)、次のステップS50に処理を進める。
【0037】
ステップS50では、電話システム3の第1着信判定部21は、携帯電話端末7の着信を拒否する。すなわち、番号変換部23は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換しない。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0038】
一方、上記ステップS45において、第1着信判定部21は、携帯電話端末7の外線電話番号が発信メンバからの着信であると判定した場合には(ステップS45:Yes)、次のステップS55に処理を進める。
【0039】
ステップS55では、電話システム3の番号変換部23は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換する。なお、当該ステップS55は、発信者番号を携帯電話端末の外線電話番号から代表電話番号に変換するステップの一例である。
【0040】
ステップS60では、電話システム3の第1発信部25は、上記ステップS55において変換された代表電話番号を発信者番号として、電話網11を介して発信先である電話端末9Aに発信する代表発信を行う。なお、当該ステップS60は、変換された代表電話番号を発信者番号として発信先に発信するステップの一例である。
【0041】
ステップS65では、電話システム3は、電話端末9Aが代表発信に応答すると、携帯電話端末7と代表発信の発信先である電話端末9Aとを通話可能に接続する。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0042】
図4図6は、図3のステップS5において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図4に示すように、携帯電話端末7は表示部7aに、ダイヤルパッド31と、電話帳ボタン33と、お気に入りボタン35を表示する。ユーザは、ダイヤルパッド31を用いて代表発信の発信先電話番号を入力してもよいし、電話帳ボタン33を操作して代表発信の発信先電話番号を電話帳から選択してもよいし、お気に入りボタン35を操作して代表発信の発信先電話番号をお気に入りに登録された番号から選択してもよい。
【0043】
ユーザが代表発信の発信先電話番号(090********)を入力すると、図5に示すように、携帯電話端末7は表示部7aに、入力された発信先電話番号37と、代表ボタン39と、携帯ボタン41を表示する。代表ボタン39は、発信者番号を代表電話番号に変換することを選択するためのボタンであり、携帯ボタン41は、発信者番号を代表電話番号に変換せずに携帯電話端末7の外線電話番号のままとすることを選択するためのボタンである。ユーザは、代表ボタン39又は携帯ボタン41のいずれかを操作することで、発信者番号を代表電話番号に変換するか否かを選択することができる。
【0044】
ユーザが代表ボタン39を操作すると、図6に示すように、携帯電話端末7は表示部7aに、代表発信ウィンドウ43を表示する。代表発信ウィンドウ43には、代表電話番号を選択するための選択部45と、発信ボタン47と、キャンセルボタン49が表示されている。選択部45は、例えばプルダウンメニューとして構成されており、予め登録された複数の代表電話番号の中から使用する代表電話番号を指定することができる。代表電話番号は、例えば会社の代表電話番号や、会社を構成する各部門の代表電話番号等である。ユーザが選択部45で代表電話番号を選択した上で発信ボタン47を操作すると、携帯電話端末7は電話システム3に代表発信の要求を送信する(図3のステップS5)。ユーザがキャンセルボタン49を操作すると、代表発信の要求はキャンセルされる。
【0045】
図7は、図3のステップS25~S35において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図7に示すように、携帯電話端末7は表示部7aに、電話システム3から通知された呼出用外線番号(050********)を指定して発信するための発信ボタン51と、キャンセルボタン53を表示する。ユーザが発信ボタン51を操作すると(図3のステップS30:Yes)、携帯電話端末7は通知された呼出用外線番号を用いて電話システム3に発信する(図3のステップS35)。ユーザがキャンセルボタン53を操作すると、呼出用外線番号を用いた発信はキャンセルされる。
【0046】
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態によれば、第1番号割当部17は、携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号とする発信の要求があった場合に、携帯電話端末7の外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当て、割当番号通知部19は、割り当てられた呼出用外線番号を携帯電話端末7に通知し、番号変換部23は、呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換し、第1発信部25は、変換された代表電話番号を発信者番号として発信先に発信する。
【0047】
このようにすることで、電話システム3において、携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号として発信することができるので、ユーザの利便性を向上できる。また、携帯電話端末7から内線番号や特番を使用せずに代表電話番号を発信者番号として発信することが可能な電話システム3を構築できるので、PBXレスの電話システム3を実現できる。したがって、システムの設計や設定を容易化できると共に、設計や設定の変更作業も容易となる。また、携帯電話端末を内線電話機として使用しないため、FMC契約や内線化のための専用アプリの導入等が不要となり、電話回線設計を簡易化できる。したがって、システムの設計や設定を容易化できるとともに電話回線設計を簡易化でき、且つ、ユーザの利便性を向上できる。
【0048】
また、第1実施形態によれば、割当番号管理テーブル29は、外線電話番号と、第1番号割当部17により割り当てられた呼出用外線番号とを関連付けて記憶し、第1着信判定部21は、呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、割当番号管理テーブル29を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定し、番号変換部23は、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換し、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換しない。
【0049】
このようにすることで、割当番号管理テーブル29に記憶されていないメンバからの代表発信の要求を拒否することができる。したがって、異なるメンバの携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号として発信することを防止できる。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態は、代表着信があった旨のプッシュ通知を受信した携帯電話端末7からコールバックの要求があった場合に、電話システム3が外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックすることを可能とした実施形態である。
【0051】
図8は、第2実施形態に係る通信システム1の全体構成の一例を概念的に表す図である。なお、図8において前述の図1と同様の構成には同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0052】
図8に示すように、通信システム1は、前述の電話システム3と、プッシュ通知を配信するプッシュ通知サーバ5と、プッシュ通知の配信先である通知メンバが備える携帯電話端末7と、代表着信の発信元である電話端末9Bを備える。携帯電話端末7は、例えばスマートフォン等の電話機能及び通信機能を備えた携帯可能な端末装置であり、各通知メンバが携帯する。携帯電話端末7は、単数でもよいし複数でもよい。電話端末9Bは、固定電話機でもよいし、携帯電話端末でもよい。
【0053】
電話システム3と携帯電話端末7と電話端末9Bは、電話網11を介して接続されている。電話システム3とプッシュ通知サーバ5と携帯電話端末7は、通信網13を介して通信可能に接続されている。
【0054】
電話システム3は、前述のように外線電話の発着信の処理(すなわち、発信元と着信先との間の通信路の確保および切断等の処理)である呼制御を行う。外線電話は、電話網11等を通じて行われる通話であり、例えば電話端末9Bと携帯電話端末7との間の音声通話である。
【0055】
プッシュ通知サーバ5は、通知メンバの各携帯電話端末7にプッシュ通知を配信する。プッシュ通知は、プッシュ技術と呼ばれる通信方法を用いて送信される通知のことであり、通知リクエストが送信側により開始されるものを指す。プッシュ通知を受信した携帯電話端末7は、通知メッセージの画面表示、音または振動等の出力を行う。これにより、携帯電話端末7のユーザは、通知メッセージを確認し、必要に応じて通知メッセージに応答する操作等を行うことができる。
【0056】
図9は、第2実施形態に係る電話システム3の機能の一例を表すブロック図である。なお、第2実施形態に係る電話システム3は、前述の第1実施形態と同様の機能(図2の機能)を有してもよい。図9において前述の図2と同様の機能には同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0057】
図9に示すように、電話システム3は、前述の回線接続部15、呼出用外線番号データベース27、及び割当番号管理テーブル29等に加えて、番号検索部55と、第2番号割当部57と、通知要求部59と、第2着信判定部61と、第2発信部63と、通話接続部65と、モード設定部67と、通知メンバ管理テーブル69と、トークン管理テーブル71と、モード設定管理テーブル73を有する。
【0058】
番号検索部55は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、通知メンバ管理テーブル69を参照して、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号を検索する。通知メンバ管理テーブル69には、代表電話番号ごとに代表着信があったことを通知する通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号が関連付けて登録されている。
【0059】
第2番号割当部57は、番号検索部55により検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号(呼出用の第2外線電話番号の一例)を割り当てる。番号検索部55により検索された外線電話番号が複数の場合でも、割り当てられる呼出用外線番号は1つである。すなわち、1つの代表着信に対し1つの呼出用外線番号が割り当てられる。呼出用外線番号は、例えば050等で始まる、電話回線に契約可能な外線電話番号である。呼出用外線番号は、予め事業者規模や代表電話番号数等に応じて複数の番号が用意されており、呼出用外線番号データベース27に登録されている。外線電話番号と、当該外線電話番号に第2番号割当部57により割り当てられた呼出用外線番号は、互いに関連付けられて割当番号管理テーブル29(第2記憶部の一例)に登録される。
【0060】
通知要求部59は、番号検索部55により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0061】
プッシュ通知サーバ5は、通知先の携帯電話端末7をトークンにより識別する。トークンは、携帯電話端末7ごとに付与された識別IDである。トークン管理テーブル71は、携帯電話端末7ごとに、当該携帯電話端末7の外線電話番号とトークンを互いに関連付けて記憶している。通知要求部59は、トークン管理テーブル71を参照して、番号検索部55により検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7のトークンを特定し、当該トークンと、プッシュ通知により送信するメッセージとを指定してプッシュ通知要求を生成する。そして通知要求部59は、生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。
【0062】
トークンは、次のようにして発行される。まず、携帯電話端末7がプッシュ通知サーバ5に当該携帯電話端末7の登録を要求する。次に、プッシュ通知サーバ5が要求元の携帯電話端末7を登録し、トークンを発行する。次に、携帯電話端末7が発行されたトークンを電話システム3に送信する。次に、電話システム3が携帯電話端末7の外線電話番号とトークンを互いに関連付けてトークン管理テーブル71に登録する。
【0063】
第2着信判定部61は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から通信網13を介して呼出用外線番号を含むコールバックの要求があった場合に、割当番号管理テーブル29を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。
【0064】
第2発信部63は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から通信網13を介して呼出用外線番号を含むコールバックの要求があった場合に、外線電話番号を用いて電話網11を介して携帯電話端末7にコールバックする。具体的には、第2発信部63は、第2着信判定部61により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックする。一方、第2発信部63は、第2着信判定部61により携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7にコールバックしない。
【0065】
通話接続部65は、携帯電話端末7においてコールバックに対して応答があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを通話可能に接続する。具体的には、発信元に呼出音が流れ続けた状態で、通話接続部65は、携帯電話端末7においてコールバックに対して応答があったタイミングで、電話システム3内でコールバックの要求に含まれる(ピックアップ用の)呼出用外線番号に発信してピックアップを行い、発信元と通知メンバの携帯電話端末7とを接続する。これにより、発信元と通知メンバの携帯電話端末7とが通話可能となる。
【0066】
モード設定部67は、携帯電話端末7ごとに、コールバックを有効化又は無効化するモード設定を行う。モード設定は、例えばシステム管理者又はユーザ等により予め設定されるが、必要に応じて任意のタイミングでシステム管理者又はユーザ等により変更されてもよい。第2発信部63は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7がコールバックを有効化されている場合には、応答操作がなされた携帯電話端末7から通信網13を介して呼出用外線番号を含むコールバックの要求を受け付け、外線電話番号を用いて電話網11を介して携帯電話端末7にコールバックする。通話接続部65は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7がコールバックを無効化されている場合には、応答操作がなされた携帯電話端末7から電話網11を介して呼出用外線番号を指定した着信を受け付け、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを通話可能に接続する。モード設定部67によるモード設定の内容は、携帯電話端末7ごとにモード設定管理テーブル73に登録される。
【0067】
図10は、第2実施形態において通信システム1を構成する電話システム3、プッシュ通知サーバ5、及び携帯電話端末7により実行される制御内容の一例を表すシーケンスチャートである。なお、図10は携帯電話端末7のコールバックが有効化されている場合の例である。
【0068】
図10に示すように、ステップS105では、電話システム3の回線接続部15は、代表電話番号を指定した代表着信があるか否かを判定する。回線接続部15は、代表着信がないと判定した場合には(ステップS105:No)、代表着信があるまで本ステップS105を繰り返す。一方、回線接続部15は、代表着信があったと判定した場合には(ステップS105:Yes)、次のステップS110に処理を進める。
【0069】
ステップS110では、電話システム3の回線接続部15は、代表着信に係る代表電話番号を番号検索部55に通知する。
【0070】
ステップS115では、電話システム3の番号検索部55は、通知メンバ管理テーブル69を参照して、上記ステップS110で通知された代表電話番号に割り当てられた通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を検索する。なお、当該ステップS115は、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末の外線電話番号を検索するステップの一例である。
【0071】
ステップS120では、電話システム3の番号検索部55は、上記ステップS115で検索した通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を第2番号割当部57に送信する。
【0072】
ステップS125では、電話システム3の第2番号割当部57は、上記ステップS120で送信された通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号を受信し、呼出用外線番号データベース27に登録されている呼出用外線番号の中から使用中でない呼出用外線番号を1つ読み出し、上記外線電話番号に割り当てる。なお、当該ステップS125は、検索された外線電話番号に予め用意された呼出用の第2外線電話番号を割り当てるステップの一例である。
【0073】
ステップS130では、電話システム3の第2番号割当部57は、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号と、上記ステップS125で割り当てた呼出用外線番号とを関連付けて、割当番号管理テーブル29に書き込む。
【0074】
ステップS135では、電話システム3の通知要求部59は、トークン管理テーブル71を参照して、通知メンバの携帯電話端末7の外線電話番号に対応するトークンを特定し、当該トークンと、代表電話番号に着信があった旨の通知メッセージを指定してプッシュ通知要求を生成する。
【0075】
ステップS140では、電話システム3の通知要求部59は、上記ステップS135で生成したプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信する。当該ステップS140は、プッシュ通知要求を第2外線電話番号と共にプッシュ通知サーバに送信するステップの一例である。
【0076】
ステップS145では、プッシュ通知サーバ5は、電話システム3から受信したプッシュ通知要求に応じて、通知メンバの全員の携帯電話端末7に対し、プッシュ通知を呼出用外線番号と共にそれぞれ配信する。
【0077】
ステップS147では、各携帯電話端末7は、受信したプッシュ通知に基づき、代表電話番号に着信があった旨の通知メッセージを表示部に表示させる。
【0078】
ステップS150では、各携帯電話端末7は、代表着信通知に関わる専用アプリケーションを起動させ、ユーザにより応答操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、応答操作がなされていないと判定した場合には(ステップS150:No)、処理を終了する。一方、携帯電話端末7は、応答操作がなされたと判定した場合には(ステップS150:Yes)、次のステップS155に処理を進める。
【0079】
ステップS155では、応答操作がなされた携帯電話端末7は、通信網13を介して、コールバックの要求を電話システム3に送信する。コールバックの要求には呼出用外線番号が含まれる。
【0080】
ステップS160では、電話システム3は、携帯電話端末7から呼出用外線番号を含むコールバックの要求があったか否かを判定する。電話システム3は、コールバックの要求がないと判定した場合には(ステップS160:No)、処理を終了する。一方、電話システム3は、コールバックの要求があったと判定した場合には(ステップS160:Yes)、次のステップS165に処理を進める。
【0081】
ステップS165では、電話システム3の第2着信判定部61は、コールバックの要求が通知メンバからの要求か否かを判定する。すなわち、第2着信判定部61は、割当番号管理テーブル29を参照し、コールバックを要求した携帯電話端末7の外線電話番号が、コールバックの要求に含まれる呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定する。第2着信判定部61は、コールバックの要求が通知メンバからの要求でないと判定した場合には(ステップS165:No)、次のステップS170に処理を進める。
【0082】
ステップS170では、電話システム3の第2着信判定部61は、コールバックの要求を拒否する。すなわち、第2発信部63は、コールバックを要求した携帯電話端末7にコールバックしない。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0083】
一方、上記ステップS165において、第2着信判定部61は、コールバックの要求が通知メンバからの要求であると判定した場合には(ステップS165:Yes)、次のステップS175に処理を進める。
【0084】
ステップS175では、電話システム3の第2発信部63は、コールバックを要求した携帯電話端末7の外線電話番号を用いて、電話網11を介して携帯電話端末7にコールバックする。当該ステップS175は、外線電話番号を用いて前記携帯電話端末にコールバックするステップの一例である。
【0085】
ステップS177では、携帯電話端末7は、電話システム3からコールバックの着信があった旨の通知メッセージを表示部に表示させる。
【0086】
ステップS180では、携帯電話端末7は、ユーザによりコールバックに対する応答操作がなされたか否かを判定する。携帯電話端末7は、応答操作がなされていないと判定した場合には(ステップS180:No)、処理を終了する。一方、携帯電話端末7は、応答操作がなされたと判定した場合には(ステップS180:Yes)、次のステップS185に処理を進める。
【0087】
ステップS185では、応答操作がなされた携帯電話端末7は、応答通知を電話システム3に送信する。
【0088】
ステップS190では、電話システム3は、携帯電話端末7からコールバックに対する応答があったか否かを判定する。電話システム3は、応答がないと判定した場合には(ステップS190:No)、処理を終了する。一方、電話システム3は、応答があったと判定した場合には(ステップS190:Yes)、次のステップS195に処理を進める。
【0089】
ステップS195では、電話システム3の通話接続部65は、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とを通話可能に接続する。具体的には、前述のように通話接続部65は、電話システム3内でコールバックの要求に含まれる(ピックアップ用の)呼出用外線番号に発信してピックアップを行い、発信元と通知メンバの携帯電話端末7とを接続する。当該ステップS195は、携帯電話端末と代表着信の発信元とを通話可能に接続するステップの一例である。その後、電話システム3は処理を終了する。
【0090】
図11図13は、図10のステップS147~ステップS155において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図11に示すように、携帯電話端末7はプッシュ通知を受信すると、表示部7aに通知メッセージ75を表示させる(図10のステップS147)。図11に示す例では、通知メッセージ75として、例えば発信元の電話番号(090YYYYYY01)から代表電話番号(03XXXXXX01)に着信があった旨を表すメッセージが表示されている。なお、発信元の電話番号や代表電話番号の代わりに、それぞれの名称等を表示してもよい。
【0091】
上記表示状態からユーザが通知メッセージ75を操作すると、代表着信通知に関わる専用アプリケーションが起動され、図12に示す応答画面が表示される。応答画面には応答ボタン77が表示されている。
【0092】
ユーザが応答ボタン77を操作すると(図10のステップS150:Yes)、図13に示すように、携帯電話端末7は表示部7aに、コールバック要求ウィンドウ79を表示する。コールバック要求ウィンドウ79には、コールバックを要求する旨のメッセージ81と、閉じるボタン83が表示されている。ユーザが閉じるボタン83を操作すると、携帯電話端末7は電話システム3にコールバックの要求を送信し(図10のステップS155)、コールバック要求ウィンドウ79の表示を停止する。
【0093】
図14は、図10のステップS177~ステップS185において携帯電話端末7の表示部7aに表示される画面の一例を表す図である。図14に示すように、携帯電話端末7は電話システム3からコールバックの着信があると、表示部7aにコールバックの着信があった旨の通知ウィンドウ85を表示させる(図10のステップS177)。通知ウィンドウ85は、代表着信通知に関わる専用アプリケーションによるウィンドウではなく、携帯電話端末7にインストールされた標準電話アプリケーションによるウィンドウである。なお、図14では、携帯電話端末7のホーム画面上に通知ウィンドウ85が表示された例を示しているが、コールバックの着信時に実行されているアプリケーションやウェブサイト等の画面上に通知ウィンドウ85が表示されてもよい。通知ウィンドウ85には、携帯電話端末7の外線電話番号87と、応答ボタン89と、キャンセルボタン91とが表示されている。ユーザが応答ボタン89を操作すると(図10のステップS180:Yes)、携帯電話端末7は応答通知を電話システム3に送信し(図10のステップS185)、携帯電話端末7と代表着信の発信元である電話端末9とが通話可能に接続される。
【0094】
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、内線番号や特番を使用せずに、代表着信がある旨のプッシュ通知を携帯電話端末7に配信して代理応答する電話システム3を構築する場合に、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを通話可能に接続する構成とすると、携帯電話端末7のユーザ側に通話料金の負担が発生する場合がある。
【0095】
第2実施形態に係る電話システム3では、番号検索部55は、代表電話番号を指定した着信である代表着信があった場合に、代表電話番号に割り当てられた携帯電話端末7の外線電話番号を検索し、第2番号割当部57は、検索された外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当て、通知要求部59は、検索された外線電話番号に対応する携帯電話端末7に代表着信があった旨を通知するためのプッシュ通知を配信するように要求するプッシュ通知要求を、呼出用外線番号と共にプッシュ通知サーバ5に送信し、第2発信部63は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を含むコールバックの要求があった場合に、外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックし、通話接続部65は、コールバックに対して応答があった場合に、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを通話可能に接続する。
【0096】
このようにすることで、電話システム3において、携帯電話端末7のユーザ側に通話料金の負担が発生することを防止できる(電話システム3を有する会社側が通話料金を負担する)ので、ユーザの利便性を向上できる。また、代表着信がある旨のプッシュ通知を受信した携帯電話端末7から内線番号や特番を使用せずに代表着信に応答(ピックアップ)することが可能な電話システム3を構築できるので、PBXレスの電話システム3を実現できる。したがって、システムの設計や設定を容易化できると共に、設計や設定の変更作業も容易となる。また、携帯電話端末7を内線電話機として使用しないため、FMC契約や内線化のための専用アプリの導入等が不要となり、電話回線設計を簡易化できる。したがって、システムの設計や設定を容易化できるとともに電話回線設計を簡易化でき、且つ、ユーザの利便性を向上できる。
【0097】
また、第2実施形態によれば、割当番号管理テーブル29は、外線電話番号と、第2番号割当部57により割り当てられた呼出用外線番号とを関連付けて記憶し、第2着信判定部61は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7から呼出用外線番号を含むコールバックの要求があった場合に、割当番号管理テーブル29を参照し、発信元である携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であるか否かを判定し、第2発信部63は、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号であると判定された場合は、外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックし、携帯電話端末7の外線電話番号が呼出用外線番号を割り当てた外線電話番号でないと判定された場合は、携帯電話端末7にコールバックしない。
【0098】
このようにすることで、割当番号管理テーブル29に記憶されていないメンバからのコールバックの要求を拒否することができる。したがって、異なるメンバの携帯電話端末7に対してコールバックすることを防止できる。
【0099】
また、第2実施形態によれば、モード設定部67は、携帯電話端末7ごとに、コールバックを有効化又は無効化するモード設定を行う。第2発信部63は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7がコールバックを有効化されている場合には、携帯電話端末7から呼出用外線番号を含むコールバックの要求を受け付け、外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックする。一方、通話接続部65は、プッシュ通知を受信した携帯電話端末7がコールバックを無効化されている場合には、携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信を受け付け、携帯電話端末7と代表着信の発信元とを通話可能に接続する。
【0100】
このようにすることで、携帯電話端末7の使用状況や回線状況等に応じて、携帯電話端末7ごとにコールバック機能を有効化又は無効化することができる。
【0101】
なお、以上の第2実施形態で説明したコールバック方式は、通知メンバが代表着信に代理応答するシーンに限らず、ユーザ側に通話料が発生してしまう様々なシーンに適用可能である。例えば、前述の第1実施形態のように、発信メンバの携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号として発信するシーンに適用してもよい。この場合、図3のステップS35において、携帯電話端末7からコールバックを要求し、電話システム3が外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックしてもよい。この場合、電話システム3は呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から呼出用外線番号を含むコールバックの要求があった場合に、外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックする第2発信部63をさらに有し、番号変換部23は、コールバックに対して応答があった場合に、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換し、第1発信部25は、コールバックに対して応答があった場合に、変換された代表電話番号を発信者番号として発信先に発信すればよい。
【0102】
また、例えば第2実施形態において、通知メンバの一人が代表着信の発信元である電話端末9Bとの通話中にパーク保留を行うことを可能とし、当該パーク保留により他の通知メンバに通話を取り次ぐようなシーンに適用してもよい。この場合、パーク保留に応答した携帯電話端末7からコールバックを要求し、電話システム3が外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックしてもよい。また、例えば第2実施形態において、代表着信に対する未応答の時間が所定時間以上継続して不在メッセージが録音された場合に、通知メンバの携帯電話端末7にメッセージが録音された旨のプッシュ通知を配信して通知メンバが録音メッセージを聴取可能とし、携帯電話端末7から録音メッセージを聴取するシーンに適用してもよい。この場合、録音メッセージの聴取操作がなされた携帯電話端末7からコールバックを要求し、電話システム3が外線電話番号を用いて携帯電話端末7にコールバックしてもよい。
【0103】
なお、図2図9で説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に細分化された処理部により処理されてもよいし、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、例えばCPU等のプロセッサ(後述の図15参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部が専用集積回路や電気回路等のハードウェアにより実装されてもよい。
【0104】
<電話システムのハードウェア構成例>
図15は、電話システム3を例えば物理サーバとして構成する場合のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。図15に示すように、電話システム3は、例えば、CPU301と、ROM303と、RAM305と、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の特定の用途向けに構築された専用集積回路307と、入力装置313と、出力装置315と、記録装置317と、ドライブ319と、接続ポート321と、通信装置323を有する。これらの構成は、バス309や入出力インターフェース311等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0105】
プログラムは、例えば、ROM303やRAM305、記録装置317等に記録しておくことができる。記録装置317は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等である。
【0106】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体325に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体325は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体325に記録されたプログラムは、ドライブ319により読み出されて、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0107】
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、通信網13又は電話網11を介し転送され、通信装置323がこのプログラムを受信する。そして、通信装置323が受信したプログラムは、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0108】
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器327に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート321を介し転送され、入出力インターフェース311やバス309等を介し上記記録装置317に記録されてもよい。
【0109】
そして、CPU301が、上記記録装置317に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の図2図9で説明した各処理部等による処理が実現される。この際、CPU301は、例えば、上記記録装置317からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM305に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU301は、例えば、プログラムを通信装置323やドライブ319、接続ポート321を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置317に記録せずに直接実行してもよい。
【0110】
また、CPU301は、必要に応じて、例えばマイク、マウス、キーボード等(図示せず)の入力装置313から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0111】
そして、CPU301は、上記の処理を実行した結果を、出力装置315から出力する。さらにCPU301は、必要に応じてこの処理結果を通信装置323や接続ポート321を介し送信してもよく、上記記録装置317や記録媒体325に記録させてもよい。
【0112】
以上既に述べた以外にも、上記各実施形態による手法及び各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0113】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0114】
1 通信システム
3 電話システム
5 プッシュ通知サーバ
7 携帯電話端末
7a 表示部
9A 電話端末(代表発信の発信先)
9B 電話端末(代表着信の発信元)
11 電話網
13 通信網
15 回線接続部
17 第1番号割当部
19 割当番号通知部
21 第1着信判定部
23 番号変換部
25 第1発信部
27 呼出用外線番号データベース
29 割当番号管理テーブル
55 番号検索部
57 第2番号割当部
59 通知要求部
61 第2着信判定部
63 第2発信部
65 通話接続部
67 モード設定部
69 通知メンバ管理テーブル
71 トークン管理テーブル
73 モード設定管理テーブル
【要約】
【課題】システムの設計や設定を容易化できるとともに電話回線設計を簡易化でき、且つ、ユーザの利便性をさらに向上できる電話システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】電話システム3は、携帯電話端末7から代表電話番号を発信者番号とする代表発信の要求があった場合に、携帯電話端末7の外線電話番号に、予め用意された呼出用外線番号を割り当てる第1番号割当部17と、割り当てられた呼出用外線番号を携帯電話端末7に通知する割当番号通知部19と、呼出用外線番号を通知した携帯電話端末7から呼出用外線番号を指定した着信があった場合に、発信者番号を携帯電話端末7の外線電話番号から代表電話番号に変換する番号変換部23と、変換された代表電話番号を発信者番号として発信先に発信する第1発信部25と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15