IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-直線駆動装置 図1
  • 特許-直線駆動装置 図2
  • 特許-直線駆動装置 図3
  • 特許-直線駆動装置 図4
  • 特許-直線駆動装置 図5
  • 特許-直線駆動装置 図6
  • 特許-直線駆動装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-27
(45)【発行日】2025-09-04
(54)【発明の名称】直線駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20250828BHJP
   H02P 25/064 20160101ALI20250828BHJP
【FI】
H02K41/03 A
H02P25/064
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022560371
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2022108446
(87)【国際公開番号】W WO2024000713
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】202210772232.3
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ 林
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲衛▼▲領▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 敏
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲順▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 学▲園▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 宇
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-289345(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112671202(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0072937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
H02P 25/064
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線駆動装置であって、
固定子と、可動子と、駆動ユニットと、第1位置フィードバックユニットと、第2位置フィードバックユニットとを含み、
前記可動子は、複数あり、且ついずれも前記固定子に摺動可能に設けられ、
前記駆動ユニットは、複数の前記可動子が前記固定子の延在方向に沿って摺動するように駆動するために用いられ、
前記第1位置フィードバックユニットは、複数あり、各前記可動子には、いずれも1つの前記第1位置フィードバックユニットが設けられ、且つそのうちの1つの前記第1位置フィードバックユニットに標示記号が設けられ、
前記第2位置フィードバックユニットは、複数あり、複数の前記第2位置フィードバックユニットは、それぞれ前記固定子に設けられ、且つ間隔をあけて配置され、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットに対応して設けられ、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットの位置情報を読み取るために用いられ、且つ前記標示記号を読み取り可能であり、
いずれか1つの前記第2位置フィードバックユニットが前記標示記号を読み取ると、該前記第2位置フィードバックユニットは、それに対応する前記可動子の位置を確認し、前記位置が確認された前記可動子を起点として、前記直線駆動装置における他の前記可動子の位置順序に従って全ての前記可動子に対して番号付けを行って、全ての前記可動子の番号設定を完了することに用いられる、ことを特徴とする直線駆動装置。
【請求項2】
前記第1位置フィードバックユニットは、インクリメンタル型の的格子又は磁気グリッド及び絶対式の格子又は磁気グリッドのうちの1つであり、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットに対応する読み取りヘッドであることを特徴とする請求項1に記載の直線駆動装置。
【請求項3】
前記固定子は、底板と、前記底板と平行に間隔をあけて設けられる頂板と、前記底板と前記頂板とを接続する固定板とを含み、複数の前記第1位置フィードバックユニットは、それぞれ複数の前記可動子の前記固定板に近接する側に設けられ、複数の前記第2位置フ
ィードバックユニットは、前記固定板に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の直線駆動装置。
【請求項4】
前記固定板の各前記第2位置フィードバックユニットに対応する位置には、いずれも取付溝が穿設され、各前記取付溝内には、それぞれ1つの前記第2位置フィードバックユニットが固定的に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の直線駆動装置。
【請求項5】
前記底板の前記頂板に近接する側には、ガイドレールが設けられ、各前記可動子の前記ガイドレールに近接する側には、いずれも少なくとも2つのプーリが間隔をあけて設けられ、各前記可動子における少なくとも2つの前記プーリは、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、且つ摺動接続を形成し、前記可動子は、前記プーリと前記ガイドレールとが協働することにより、前記固定子の下方に自由に摺動可能であることを特徴とする請求項3に記載の直線駆動装置。
【請求項6】
各前記可動子は、いずれも前記固定子と間隔を隔てる固定部と、前記固定部の前記ガイドレールに近接する側に互いに間隔をあけて設けられる2つのスライド板と、前記固定部の前記底板から離れる側に設けられる取付部と、前記取付部の前記固定板に近接する側に設けられる延在部と、前記取付部の前記固定板から離れる側に設けられるT型構造部とを含み、各前記可動子における2つの前記スライド板は、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、且つ摺動接続を形成し、各前記可動子における2つの前記スライド板は、それぞれ、それに対応する前記プーリと間隔をあけて設けられ、前記T型構造部は、前記頂板の前記底板から離反する側まで延在し、且つ前記頂板と間隔をあけて設けられ、各前記可動子における前記プーリは、いずれも前記固定部の前記ガイドレールに近接する側に設けられ、各前記可動子における前記第1位置フィードバックユニットは、いずれも前記延在部の前記固定板に近接する側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の直線駆動装置。
【請求項7】
各前記可動子における前記プーリは、いずれも4つあり、各前記可動子における4つの前記プーリは、2つずつ1組として、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、前記スライド板は、各組の前記プーリの間に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の直線駆動装置。
【請求項8】
前記駆動ユニットは、前記頂板の前記底板に近接する側に設けられる複数のコイルと、各前記可動子の前記取付部に設けられる磁性鋼とを含み、前記磁性鋼と前記コイルは、対応する位置に設けられ、且つ間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項6に記載の直線駆動装置。
【請求項9】
前記駆動ユニットは、前記頂板と複数の前記コイルとの間に設けられる第1導磁体と、対応する前記取付部と前記磁性鋼との間に設けられる第2導磁体とを含み、前記第1導磁体の前記底板に近接する側には、前記可動子に向かって突出して形成される複数の突出部が間隔をあけて設けられ、各前記コイルは、そのうちの1つの前記突出部に巻設され、前記磁性鋼は、複数あり、且つ前記第2導磁体に間隔をあけて配列されていることを特徴とする請求項8に記載の直線駆動装置。
【請求項10】
前記頂板の前記第1導磁体に対応する位置には、前記可動子から離れる方向へ凹んで形成される第1窪み部が設けられ、前記第1導磁体は、前記第1窪み部内に設けられ、各前記可動子の前記取付部の、前記第2導磁体に対応する位置には、前記固定子から離れる方向へ凹んで形成される第2窪み部が設けられ、前記第2導磁体は、前記第2窪み部内に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の直線駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線駆動の技術分野に関し、特に直線駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の可動子のダイレクトドライブ搬送システムでは、各可動子に番号を付することが必要であり、各可動子のシステムでの位置をリアルタイムに識別して、全ての可動子に対して効果的な制御及びスケジューリングを行う。
【0003】
複数の可動子の番号付けについて、従来の方法は、複数の可動子のダイレクトドライブ搬送システムにおいて1つ目の可動子の番号を識別し、その後、配列に基づいて昇順又は降順でソートし、且つ番号を付けるものである。
【0004】
現在、複数の可動子のダイレクトドライブ搬送システムにおいて可動子の識別方式は、以下の二通りがある。すなわち、1.ある可動子の磁性鋼の順序配列を変更して、他の可動子の磁性鋼と区別し、磁界の差異により可動子の位置を判別する。2.第3者の位置検出ユニットにより、ある可動子を識別する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記1の識別方式は、磁界の差異により、可動子位置を判別する方式は煩雑すぎであり、2の識別方式は、第3者のセンサにより検出及び識別するには、余分なセンサを追加する必要があり、システム設備のコストを増加させる。
【0006】
従って、従来の複数の可動子のダイレクトドライブ搬送システムにおける可動子の識別方式が煩雑すぎであり、コストが高い問題を解決するための直線駆動装置が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の複数の可動子のダイレクトドライブ搬送システムにおける可動子の識別方式が煩雑すぎであり、且つコストの高いという問題を解決することができる、直線駆動装置を提供することである。
【0008】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、直線駆動装置を提供し、当該直線駆動装置は、
固定子と、可動子と、駆動ユニットと、第1位置フィードバックユニットと、第2位置フィードバックユニットとを含み、
前記固定子は、複数あり、且つ一体に連続的に連結され、
前記可動子は、複数あり、且ついずれも前記固定子に摺動可能に設けられ、
前記駆動ユニットは、複数の前記可動子が前記固定子の延在方向に沿って摺動するように駆動するために用いられ、
前記第1位置フィードバックユニットは、複数あり、各前記可動子には、いずれも1つの前記第1位置フィードバックユニットが設けられ、且つそのうちの1つの前記第1位置フィードバックユニットに標示記号が設けられ、
前記第2位置フィードバックユニットは、複数あり、複数の前記第2位置フィードバックユニットは、それぞれ前記固定子に設けられ、且つ間隔をあけて配置され、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットに対応して設けられ、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットの位置情報を読み取るために用いられ、且つ前記標示記号を読み取り可能であり、
いずれか1つの前記第2位置フィードバックユニットが前記標示記号を読み取ると、該前記第2位置フィードバックユニットは、それに対応する前記可動子の位置を確認し、前記位置が確認された前記可動子は、起点として、前記直線駆動装置における他の前記可動子の位置順序に従って全ての前記可動子をソートして、全ての前記可動子の番号設定を完了することに用いられることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記第1位置フィードバックユニットは、グリッド定規であり、前記第2位置フィードバックユニットは、前記第1位置フィードバックユニットに対応する読み取りヘッドである。
【0010】
さらに、前記固定子は、底板と、前記底板と平行に間隔をあけて設けられる頂板と、前記底板と前記頂板とを接続する固定板とを含み、複数の前記第1位置フィードバックユニットは、それぞれ複数の前記可動子の前記固定板に近接する側に設けられ、複数の前記第2位置フィードバックユニットは、前記固定板に間隔をあけて設けられている。
【0011】
さらに、前記固定板の各前記第2位置フィードバックユニットに対応する位置には、いずれも取付溝が穿設され、各前記取付溝内には、それぞれ1つの前記第2位置フィードバックユニットが固定的に取り付けられている。
【0012】
さらに、前記底板の前記頂板に近接する側には、ガイドレールが設けられ、各前記可動子の前記ガイドレールに近接する側には、いずれも少なくとも2つのプーリが間隔をあけて設けられ、各前記可動子における少なくとも2つの前記プーリは、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、且つ摺動接続を形成し、前記可動子は、前記プーリと前記ガイドレールとが協働することにより、前記固定子の下方に自由に摺動可能である。
【0013】
さらに、各前記可動子は、いずれも前記固定子と間隔を隔てる固定部と、前記固定部の前記ガイドレールに近接する側に互いに間隔をあけて設けられる2つのスライド板と、前記固定部の前記底板から離れる側に設けられる取付部と、前記取付部の前記固定板に近接する側に設けられる延在部と、前記取付部の前記固定板から離れる側に設けられるT型構造部とを含み、各前記可動子における2つの前記スライド板は、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、且つ摺動接続を形成し、各前記可動子における2つの前記スライド板は、それぞれそれに対応する前記プーリと間隔をあけて設けられ、前記T型構造部は、前記頂板の前記底板から離反する側まで延在し、且つ前記頂板と間隔をあけて設けられ、各前記可動子における前記プーリは、いずれも前記固定部の前記ガイドレールに近接する側に設けられ、各前記可動子における前記第1位置フィードバックユニットは、いずれも前記延在部の前記固定板に近接する側に設けられている。
【0014】
さらに、各前記可動子における前記プーリは、いずれも4つあり、各前記可動子における4つの前記プーリは、2つずつ1組として、それぞれ前記ガイドレールの両側に当接し、前記スライド板は、各組の前記プーリの間に設けられている。
【0015】
さらに、前記駆動ユニットは、前記頂板の前記底板に近接する側に設けられる複数のコイルと、各前記可動子の前記取付部に設けられる磁性鋼とを含み、前記磁性鋼と前記コイルは、対応する位置に設けられ、且つ間隔をあけて設けられている。
【0016】
さらに、前記駆動ユニットは、前記頂板と複数の前記コイルとの間に設けられる第1導磁体と、対応する前記取付部と前記磁性鋼との間に設けられる第2導磁体とを含み、前記第1導磁体の前記底板に近接する側には、前記可動子に向かって突出して形成される複数の突出部が間隔をあけて設けられ、各前記コイルは、そのうちの1つの前記突出部に巻設され、前記磁性鋼は、複数あり、且つ前記第2導磁体に間隔をあけて配列されている。
【0017】
さらに、前記頂板の前記第1導磁体に対応する位置には、前記可動子から離れる方向へ凹んで形成される第1窪み部が設けられ、前記第1導磁体は、前記第1窪み部内に設けられ、各前記可動子の前記取付部は、その前記第2導磁体に対応する位置には、前記固定子から離れる方向へ凹んで形成される第2窪み部が設けられ、前記第2導磁体は、前記第2窪み部内に設けられている。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べて、本発明に係る的直線駆動装置は、各可動子にはいずれも1つの第1位置フィードバックユニットが設けられ、固定子の第1位置フィードバックユニットに対応する位置には複数の第2位置フィードバックユニットが間隔をあけて設けられ、さらにそのうちの1つの第1位置フィードバックユニットに標示記号が設けられ、且つ第2位置フィードバックユニットが前記第1位置フィードバックユニットの位置情報を読み取るために用いられ、且つ前記標示記号を読み取り可能であるように構成され、このように、可動子を識別する際に、第2位置フィードバックユニットが標示記号を読み取ることで、それに対応する可動子の位置を判断し、そして全ての可動子に番号付ける際に、位置情報が取得された可動子に基づいて全ての可動子をソートして、全ての可動子の番号付けを完了することができ、該直線駆動装置に基づいて可動子を識別する場合、可動子の識別方式を簡略化することができ、且つ余分なセンサを追加する必要がないため、直線駆動装置のコストも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0020】
図1】本発明に係る実施例が提供する直線駆動装置の全体構成模式図である。
図2】本発明に係る実施例が提供する直線駆動装置の構成分解模式図である。
図3図2に示すA部分の構成拡大図である。
図4】本発明に係る実施例が提供する直線駆動装置の構成正面図である。
図5図4に示すB―B線の断面図である。
図6】本発明に係る実施例が提供する直線駆動装置における可動子及びその周辺部材の構成模式図である。
図7】本発明に係る実施例が提供する直線駆動装置における第1位置フィードバックユニット及び第2位置フィードバックユニットの平面簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術的解決手段及びメリットをさらに明確にするために、以下、図面及び実施例を参照し、本発明をさらに詳細に説明する。理解すべきものとして、ここで説明した具体的な実施例は本発明を説明するためだけに用いられ、本発明を限定するものではない。
【0022】
本発明に係る実施例は、直線駆動装置100を提供し、図1乃至図7に示すように、直線駆動装置100は、固定子1と、可動子2と、駆動ユニット3と、第1位置フィードバックユニット4と、複数の第2位置フィードバックユニット5とを含む。
【0023】
ここで、前記可動子2は、複数あり、且ついずれも固定子1に摺動可能に設けられ、駆動ユニット3は、複数の可動子2が固定子1の延在方向に沿って摺動するように駆動するために用いられ、第1位置フィードバックユニット4は、複数あり、各前記可動子2には、いずれも1つの第1位置フィードバックユニット4が設けられ、且つそのうちの1つの第1位置フィードバックユニット4に標示記号41が設けられ、第2位置フィードバックユニット5は、複数あり、複数の第2位置フィードバックユニット5は、いずれも固定子1に設けられ且つ間隔をあけて配列され、第2位置フィードバックユニット5は、第1位置フィードバックユニットに対応して設けられ、第2位置フィードバックユニット5は、第1位置フィードバックユニットの位置情報を読み取るために用いられ、且つ標示記号41を読み取り可能である。
【0024】
いずれか1つの第2位置フィードバックユニット5が標示記号41を読み取ると、該第2位置フィードバックユニット5は、それに対応する可動子2の位置を確認し、位置が確認された可動子2は、起点として、直線駆動装置100における他の可動子2の位置順序に従って全ての可動子2をソートして、全ての可動子2の番号設定を完了することに用いられる。
【0025】
第2位置フィードバックユニット5は、第1位置フィードバックユニット4に対応して設けられ、第2位置フィードバックユニット5が第1位置フィードバックユニット4と協働して可動子2の位置をフィードバックすることができればよい。第2位置フィードバックユニット5が第1位置フィードバックユニット4に正対して設けられていると理解することもできる。
【0026】
可動子2、第1位置フィードバックユニット4及び第2位置フィードバックユニット5の数は、実際の需要に応じて設定され、ここで具体的に限定されない。
【0027】
本実施例では、固定子1は、底板11と、底板11に垂直に設けられる側板12と、側板12の底板11から離れる側に設けられ且つ底板11に平行な頂板13と、底板11及び頂板13に垂直に接続される固定板14とを含む。複数の第1位置フィードバックユニット4は、それぞれ複数の可動子2の固定板14に近接する側に設けられ、複数の第2位置フィードバックユニット5は、固定板14に間隔をあけて設けられている。
【0028】
ここで、頂板13の縁は、側板12の縁に接続され、固定板14は、側板12と間隔をあけて設けられている。
【0029】
複数の第2位置フィードバックユニット5は、ガイドレール15の長さ方向に沿って固定板14に均一に配置されている。
【0030】
本実施例では、固定板14の各第2位置フィードバックユニット5に対応する位置には、いずれも取付溝141が穿設され、各取付溝141内には、それぞれ第2位置フィードバックユニット5が固定的に取り付けられている。このように、第2位置フィードバックユニット5の設置を容易にすることができ、且つ第2位置フィードバックユニット5の余分な配置空間を増設する必要がない。
【0031】
本実施例では、底板11の頂板13に近接する側には、ガイドレール15が設けられ、各可動子2のガイドレール15に近接する側には、いずれも少なくとも2つのプーリ21が間隔をあけて設けられ、各可動子2における少なくとも2つのプーリ21は、それぞれガイドレール15の両側に当接し、且つ摺動接続を形成する。このようにすることは、可動子2と固定子1との間の摺動作用を容易にすることができる。
【0032】
ここで、ガイドレール15の各可動子2に対応する両側には、いずれも少なくとも1つのプーリ21が設けられている。
【0033】
ガイドレール15の両側には、いずれも内向きに凹んで形成される第1スライド溝151が設けられ、プーリ21の周壁には、内向きに凹んで形成される第2スライド溝211が設けられ、プーリ21における第2スライド溝211の一方の側壁は、第1スライド溝151内に摺動可能に設けられ、ガイドレール15における第1スライド溝151の一方の側壁は、第2スライド溝211内に摺動可能に設けられている。
【0034】
本実施例では、各可動子2は、いずれも固定子1と間隔を隔てる固定部22と、固定部22のガイドレール15に近接する側に互いに間隔をあけて設けられる2つのスライド板23と、固定部22の底板11から離れる側に設けられる取付部24と、取付部24の固定板14に近接する側に設けられる延在部25と、取付部24の固定板14から離れる側に設けられるT型構造部26とを含む。各可動子2における2つのスライド板23は、それぞれガイドレール15の両側に当接し且つ摺動接続を形成し、各可動子2における2つのスライド板23は、それぞれ、それに対応するプーリ21と間隔を隔てて設けられている。T型構造部26は、頂板13の底板11から離れる側まで延在し、且つ頂板13と間隔を隔てて設けられている。各可動子2においてプーリ21は、いずれもその固定部22のガイドレール15に近接する側に設けられ、各可動子2において第1位置フィードバックユニット4は、いずれもその延在部25の固定板14に近接する側に設けられている。
【0035】
ここで、スライド板23の第1スライド溝151に対応する1つの側壁の位置には、内向きに凹んで形成される第3スライド溝231が設けられ、ガイドレール15における第1スライド溝151の1つの側壁は、第3スライド溝231内に摺動可能に設けられている。
【0036】
本実施例では、各可動子2における4つのプーリ21は、2つずつ1組としてガイドレール15の両側に設けられ、各可動子2における第1位置フィードバックユニットは、いずれも延在部25の固定板14に近接する側に設けられている。
【0037】
ここで、各可動子2における2つのスライド板23は、いずれも対称に設けられ、且ついずれも各可動子2上の対応するガイドレール15の同側の2つのプーリ21の間に設けられている。
【0038】
本実施例では、駆動ユニット3は、頂板13の底板11に近接する側に設けられる複数のコイル31と、各可動子2の取付部24に設けられる磁性鋼32とを含み、磁性鋼32とコイル31とは、対応する位置に設けられ、且つ間隔をあけて設けられている。
【0039】
ここで、コイル31の数は、実際の需要に応じて設定され、ここで具体的に限定されない。ただし、複数のコイル31は、ガイドレール15の長さ方向に沿って均一に間隔をあけて配置されている。
【0040】
本実施例では、駆動ユニット3は、さらに頂板13と複数のコイル31との間に設けられる第1導磁体33と、対応する取付部24と磁性鋼32との間に設けられる第2導磁体34とを含み、第1導磁体33の底板11に近接する側には、可動子2に向かって突出して形成される複数の突出部331が間隔をあけて設けられている。各コイル31は、そのうちの1つの突出部331に巻設されている。磁性鋼32は、複数あり、且つ第2導磁体34に間隔をあけて配列されている。このようにすることで、コイル31と磁性鋼32との間の磁力作用を増強させて、可動子2がガイドレール15に沿って摺動するように駆動することを容易にすることができる。
【0041】
ここで、第1導磁体33は、一体構造であってもよく、密着して設けられる複数の部材であってもよい。第2導磁体34は、一体構造であってもよく、密着して設けられる複数の部材であってもよい。複数の磁性鋼32は、第2導磁体34に均一に配置され、且つガイドレール15の長さ方向に沿って配置されている。
【0042】
本実施例では、頂板13の第1導磁体33に対応する位置には、可動子2から離れる方向へ凹んで形成される第1窪み部131が設けられ、第1導磁体33は、第1窪み部131内に設けられている。各可動子2の取付部24の、第2導磁体34に対応する位置には、固定子1から離れる方向へ凹んで形成される第2窪み部241が設けられ、第2導磁体34は、第2窪み部241内に設けられている。このようにすることで、第1導磁体33と第2導磁体34との取付固定を容易にすることができ、且つ両者の余分な配置空間を追加する必要がない。
【0043】
本実施例では、第1位置フィードバックユニット4は、グリッド定規であり、インクリメンタル型の的格子又は磁気グリッド及び絶対式の格子又は磁気グリッドのうちの1つである。第2位置フィードバックユニット5は、第1位置フィードバックユニット4に対応する読み取りヘッドである。
【0044】
ここで、標示記号41は、第1位置フィードバックユニット4において読み取りヘッドが読み取り可能な標示記号又は標示位置であり、ここで、標示記号の具体的な実施形態については、特に限定されない。
【0045】
本実施例では、第1位置フィードバックユニット4は、グリッド定規であり、第2位置フィードバックユニット5は、グリッド定規に対応する読み取りヘッドである。複数の読み取りヘッドは、いずれも各可動子2におけるグリッド定規に正対する。
【0046】
本実施例では、複数の読み取りヘッドと複数コイル31とは、それぞれ複数本の伝送線6を介して外部装置又はシステムに電気的に接続される。
【0047】
動作原理は、以下のとおりである。すなわち、全ての可動子2が一方向に向かって移動する場合、読み取りヘッドは、グリッド定規の位置情報をリアルタイムに読み取る。ある読み取りヘッドが標示記号41を識別すると、該可動子2の位置を判定することが可能となる。そして、直線駆動装置100における全ての可動子2の位置順序に従って、全ての可動子2をソートすることで、全ての可動子2の番号付けを完了する。具体的に使用するときに、複数の情報に基づいて、読み取りヘッドの識別した標示記号が有効であるかどうかを総合的に判断することもできる。
【0048】
従来技術に比べて、本実施例における直線駆動装置100は、各可動子2には、いずれも1つの第1位置フィードバックユニット4が設けられ、固定子1の第1位置フィードバックユニット4に対応する位置には、複数の第2位置フィードバックユニット5が間隔をあけて設けられ、さらにそのうちの1つの第1位置フィードバックユニット4に標示記号41が設けられ、且つ第2位置フィードバックユニットが第1位置フィードバックユニット4の位置情報を読み取るために用いられ且つ標示記号41を読み取り可能であるように構成され、このようにすることで、可動子2を識別する場合、第2位置フィードバックユニット5によって標示記号41を読み取って、それに対応する可動子2の位置を判断することができ、その後に、全ての可動子2に対して番号付けを行うと、位置情報が取得された可動子2に基づいて全ての可動子2をソートすることで、全ての可動子2の番号付けを完了する。該直線駆動装置100に基づいて可動子2を識別する場合、可動子2の識別方式を簡略化することができ、且つ余分なセンサを追加する必要がないため、直線駆動装置100のコストを削減することもできる。
【0049】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神と原則内で行われるすべての修正、均等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0050】
100、直線駆動装置;1、固定子;11、底板;12、側板;13、頂板;131、第1窪み部;14、固定板;141、取付溝;15、ガイドレール;151、第1スライド溝;2、可動子;21、プーリ;211、第2スライド溝;22、固定部;23、スライド板;231、第3スライド溝;24、取付部;241、第2窪み部;25、延在部;26、T型構造部;3、駆動ユニット;31、コイル;32、磁性鋼;33、第1導磁体;331、突出部;34、第2導磁体;4、第1位置フィードバックユニット;41、標示記号;5、第2位置フィードバックユニット;6、伝送線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7