(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-01
(45)【発行日】2025-09-09
(54)【発明の名称】藻類培養装置及び藻類培養方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20250902BHJP
C12N 1/12 20060101ALI20250902BHJP
【FI】
C12M1/00 E
C12N1/12 A
(21)【出願番号】P 2021129227
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2024-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(73)【特許権者】
【識別番号】518362513
【氏名又は名称】株式会社イービス藻類産業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】富田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】大島 義徳
(72)【発明者】
【氏名】西川 直仁
(72)【発明者】
【氏名】森 一星
(72)【発明者】
【氏名】井上 元
(72)【発明者】
【氏名】平岡 正明
【審査官】松田 芳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-027361(JP,A)
【文献】特開2012-001694(JP,A)
【文献】特開2015-053872(JP,A)
【文献】特開平03-220346(JP,A)
【文献】特開平10-313704(JP,A)
【文献】特表2016-512687(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171368(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0309081(US,A1)
【文献】国際公開第2016/152440(WO,A1)
【文献】南方資源利用技術研究会誌,1999年,Vo.15, No.1,p.29-42
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁部材と、この外壁部材の内側に敷かれるシート状部材とを備え、藻類の培養液を貯留する培養槽と、
前記シート状部材の下方の冷却領域に配置された熱伝導性のある充填材に埋設された冷却管と、
前記冷却管に冷却液を供給する供給管と
、
前記充填材及び前記冷却管の下方に設けられたシート状部材と、を備えていることを特徴とする藻類培養装置。
【請求項2】
前記冷却領域には、水を供給する湿潤調整部を更に設け、
前記充填材は、砂又は砂利であって、前記湿潤調整部を介して供給された前記水により湿潤されることを特徴とする請求項1に記載の藻類培養装置。
【請求項3】
外壁部材と、この外壁部材の内側に敷かれるシート状部材とを備え、藻類の培養液を貯留する培養槽と、前記シート状部材の下方の冷却領域に配置された熱伝導性のある充填材に埋設された冷却管と、前記冷却管に冷却液を供給する供給管と
、前記充填材及び前記冷却管の下方に設けられたシート状部材と、を備えた藻類培養装置を用いて、冷却水を、前記冷却管に供給しながら、前記培養槽において藻類を培養することを特徴とする藻類培養方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナンノクロロプシス等の藻類を培養するための藻類培養装置及び藻類培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ燃料(炭化水素やバイオディーゼル)や、アスタキサンチン等の生理活性物質を産生することができる藻類(特に、微細藻類)が注目されている。このような藻類を大量に培養し、石油に換わるエネルギーとして利用したり、薬や化粧品、食品等に利用したりすることが検討されている。
【0003】
藻類等の大量培養用の培養装置として、その一部が大気開放されているレースウェイ型の培養槽を用いた物がある(例えば、特許文献1参照。)。この文献においては、レースウェイ型の培養槽を、藻類と槽本体の内壁の少なくとも一部との間に付着防止液を介在させる構成とする。これにより、培養槽の内壁への藻類の付着を抑制し、藻類の回収効率等を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
培養する藻類には、生育に適した温度帯がある。このため、光や熱に弱い藻類においては、夏の高温時期に、培養液の温度が上がり過ぎて、生産性が低下する。例えば、ナンノクロロプシスは、15℃~25℃が生育に適した温度であり、30℃以上では増殖が遅くなる。
【0006】
そこで、培養槽に貯蔵した培養液を冷却することにより、藻類の生育温度を調整することが行なわれる。ここで、培養槽の中に、培養液を冷却する冷却部材を配置する構成にした場合には、この冷却部材に藻類が付着するため、掃除等のメンテナンス作業に時間や手間が掛かる。従って、藻類を効率的に培養することが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する培養装置は、外壁部材と、この外壁部材の内側に敷かれるシート状部材とを備え、藻類の培養液を貯留する培養槽と、前記シート状部材の下方の冷却領域に配置された熱伝導性のある充填材に埋設された冷却管と、前記冷却管に冷却液を供給する供給管と、前記充填材及び前記冷却管の下方に設けられたシート状部材と、を備えている。
【0008】
また、上記課題を解決する培養方法は、外壁部材と、この外壁部材の内側に敷かれるシート状部材とを備え、藻類の培養液を貯留する培養槽と、前記シート状部材の下方の冷却領域に配置された熱伝導性のある充填材に埋設された冷却管と、前記冷却管に冷却液を供給する供給管と、前記充填材及び前記冷却管の下方に設けられたシート状部材と、を備えた藻類培養装置を用いて、冷却水を、前記冷却管に供給しながら、前記培養槽において藻類を培養する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、藻類を効率的に培養することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態における藻類培養装置の全体構成を説明する模式図である。
【
図5】第1変更例の藻類培養装置に用いる冷却管を説明するための斜視図である。
【
図6】第2変更例の藻類培養装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1~
図4を用いて、藻類培養装置及び藻類培養方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、光や熱に弱く単細胞の微細藻であるナンノクロロプシスを培養する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の藻類培養装置10は、取水管11、ポンプ13、供給管15,16、冷却管25、排水管26及び培養槽30を備える。
取水管11の先端には、取水口12が設けられている。この取水口12は、例えば400m程度の深海に配置され、海洋深層水を取り込む。この海洋深層水は、例えば、常時17℃の温度の海水である。取水管11は、ポンプ13に接続されている。このポンプ13を稼働させることにより、取水管11を介して、取水口12から海洋深層水を汲み上げる。
【0013】
ポンプ13には、冷却管25に続く供給管15が接続されている。この供給管15には、培養槽30に接続する供給管16が、開閉バルブ(図示せず)を介して接続されている。開閉バルブは、培養槽30の液面の低下の検知に応じて所定時間だけ開き、所定量の海洋深層水を培養槽30に供給する。供給管15,16は、汲み上げられた海洋深層水を、冷却管25及び培養槽30に供給する。なお、供給管15,16、冷却管25、排水管26は、塩化ビニル樹脂で構成される。排水管26は、冷却管25に接続され、冷却管25を流れた海洋深層水を海に戻す。
【0014】
培養槽30は、図示しないビニールハウス内に設置され、枯葉等の落下物の混入が抑制される。
図2~
図4は、本実施形態の培養槽30の斜視図、上面図及び縦断面図である。
図2及び
図3に示すように、培養槽30は、平面が角丸長方形形状のレールウェイ型の培養槽である。
【0015】
具体的には、
図4に示すように、培養槽30は、地面G1に埋設された基礎31の上に形成された外壁部材32を備える。外壁部材32は、培養槽30の外壁を構成する部材である。本実施形態の外壁部材32は、縦断面がL字形状をしており、上方が内側に位置するように下方の基台部32aが地面G1に埋設されている。外壁部材32は、培養槽30の底面にも日光が届く程度(例えば30cm程度)の高さを有する。
【0016】
外壁部材32の間の地面G1には、冷却領域E1が設けられている。
冷却領域E1は、外周をシート状部材20で覆われている。このシート状部材20は、繊維で構成された布の両面を軟質の合成樹脂フィルムで挟んだ防水性のある複合材料で、シート状(布状)に構成されている。
【0017】
図3及び
図4に示すように、シート状部材20内には、砂利21が敷き詰められている。砂利21は、小さい小石や砂の混合物である。
図3に示すように、冷却領域E1には、湿潤調整部としての釜場22が設けられている。釜場22は、例えば、冷却領域E1の内部と外部とを連通する管路が設けられ、冷却領域E1に給水したり冷却領域E1から排水したりするために用いる。これにより、冷却領域E1に敷き詰めた砂利21を湿潤させたり砂利21を乾燥させたりする。更に、冷却領域E1中には、複数の冷却管25が離間して配置されている。
【0018】
本実施形態の冷却管25は、培養槽30の長手方向に延在するように配置される。そして、冷却管25には、供給管15を介して海洋深層水が供給される。
図4に示すように、冷却領域E1の上面は、シート状部材27で覆われている。そして、このシート状部材27の上には、培養槽30の内部を構成するためのシート状部材33が敷設されている。シート状部材27,33は、シート状部材20と同じ材料で構成される。
【0019】
図2及び
図3に示すように、培養槽30の中央部には、仕切板34が固定されている。この仕切板34は、薄板形状を有し、培養槽30の長手方向に延在するように配置される。そして、外壁部材32と中央の仕切板34との間でループ状の貯水空間を形成して、この貯水空間に培養液36を貯蔵する。
【0020】
培養槽30には、培養液36に水流を生じさせるための水車パドル35が設けられている。この水車パドル35を回転することにより、培養液36に一方向の流れを発生させる。本実施形態では、水車パドル35は、培養槽30の培養液36を、冷却管25の海洋深層水の水流とは反対方向に流す。
【0021】
(藻類培養装置の設置方法)
次に、
図4を用いて、藻類培養装置の設置方法について説明する。
まず、地面G1に基礎31を形成する。そして、基礎31の上に外壁部材32を、基台部32aが接する状態で、プレキャストコンクリートを用いて形成する。
【0022】
次に、外壁部材32の間に、冷却領域E1を設ける。具体的には、まず、冷却領域E1を設ける部分を掘削する。そして、この冷却領域E1の内側にシート状部材20を敷いて、その端部を外壁部材32に引っ掛けて固定する。次に、冷却領域E1に複数の冷却管25を配置した後、冷却領域E1に砂利21を敷き詰めて、冷却領域E1に冷却管25を埋設する。そして、冷却管25に、地面G1に埋設した供給管15と排水管26とを接続する。
【0023】
次に、冷却領域E1に釜場22を設けた後、冷却領域E1の上面をシート状部材27で覆う。更に、このシート状部材27を覆うとともに外壁部材32に引っ掛けるように、シート状部材33を配置して固定する。そして、シート状部材33の中央に仕切板34を配置し、水車パドル35を配置する。
【0024】
次に、外壁部材32と仕切板34とで形成した貯水空間に、微細藻類が入った培養液36を供給する。そして、釜場22から冷却領域E1に水を供給することにより、砂利21を湿潤させる。更に、供給管15に、開閉バルブを設けて、供給管16を接続する。以上により、藻類培養装置10が形成される。
【0025】
(藻類の培養方法)
次に、上述した藻類培養装置10を用いて、藻類を培養する方法について説明する。
培養する際には、
図3に示す培養槽30の水車パドル35を常に回転させる。これにより、培養槽30の培養液36は、一定方向(
図3において反時計回り)に流れる。
【0026】
そして、培養中は、冷却管25に、常に海洋深層水を流す。これにより、冷却領域E1の冷却管25の周囲の砂利21及びシート状部材27,33を介して、培養槽30の培養液36が冷却される。
【0027】
また、培養液36の水位低下が検知された場合には、供給管16の開閉バルブを所定時間のみ開弁する。これにより、水位低下を補う所定量の海洋深層水を、培養槽30に供給する。
【0028】
(作用)
本実施形態では、培養液36を貯蔵する培養槽30の下方の冷却領域E1に配置した冷却管25に海洋深層水を流す。これにより、培養液36から離れた位置に冷却管25が配置されているため、冷却管25やシート状部材33への藻類の付着を抑制することができる。また、低温の海洋深層水を、冷却管25に供給するので、培養液36を効率的に冷却することができる。この場合、冷却管25は、培養槽30の下方の冷却領域E1に配置された砂利21に埋設されているため、冷却管25を通過する海洋深層水と培養液36との熱交換を、熱伝達率がよい砂利21を介して行うことができる。
【0029】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、培養液36を貯蔵する培養槽30の下方の冷却領域E1に配置した複数の冷却管25に海洋深層水を供給する。これにより、培養液36から離れた位置に冷却管25が配置されているため、冷却管25への藻類の付着を抑制して、培養槽30の清掃を容易に行なうことができる。更に、海洋深層水は、常に17℃程度であるため、別途、冷却する必要がなく、そのまま冷却液として用いることができるので、培養液36を効率的に冷却することができる。従って、藻類を効率的に培養することができる。
【0030】
(2)本実施形態では、海洋深層水を、培養槽30にも供給する。これにより、藻類の培養に適した性質の海洋深層水を培養槽30に供給するため、蒸発等により減少した培養液36を、藻類の培養に適した海洋深層水で補充することにより、効率的に藻類を培養することができる。
【0031】
(3)本実施形態では、冷却管25は、湿潤させた砂利21を充填した冷却領域E1に配置される。砂利21を湿潤させることにより、砂利21の熱伝導率を更に向上させることができ、冷却管25で、培養液36を効率的に冷却することができる。
【0032】
(4)本実施形態では、冷却領域E1には、砂利21の湿潤状態を調整するための釜場22を設けた。このため、砂利21が乾燥してきたときには水を供給することにより、冷却効率を向上させることができる。更に、メンテナンス時には、砂利21を乾燥させることにより、冷却管25を容易に取り扱うことができる。
【0033】
(5)本実施形態では、冷却領域E1の外周は、シート状部材20で覆われる。これにより、砂利21を湿潤する水を冷却領域E1に留めておくことができるとともに、シート状部材20が断熱材として機能するので、冷却管25で効率的に培養液36を冷却することができる。
【0034】
(6)本実施形態では、冷却管25を流れる海洋深層水を、培養液36の流れと反対方向に流す。これにより、冷却管25内を流れる海洋深層水の培養液36に対する相対的な流速を増加させることになるので、培養液36に与える冷却管25を通過する海洋深層水の熱容量を大きくすることができ、冷却効率の向上を期待することができる。
【0035】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態においては、冷却領域E1において、培養槽30の長手方向に延在する冷却管25を配置した。冷却管25は、培養槽30の下方に配置されていれば、どのような形状であってもよい。
【0036】
例えば、
図5に示すように、直線形状の冷却管25の代わりに、コイル型水平方式の冷却管45を、冷却領域E2に設けてもよい。この冷却領域E2は、冷却領域E1と同様に、培養槽30の下方に配置され砂利が敷き詰められる。
なお、冷却領域E1の上面を覆うシート状部材27を、周囲を覆うシート状部材20よりも熱伝導率がよい部材で構成してもよい。
【0037】
・上記実施形態においては、培養槽30の下方に配置され冷却管25を配置する冷却領域E1には、水で濡らした砂利21を敷き詰める。冷却領域E1に、砂利21を敷き詰めた構成に限られず、砂利21の代わりに、砂やコンクリート等、熱伝導性のある部材(充填材)を敷き詰めてもよい。ここで、熱伝導性のある部材とは、空気よりも熱伝導率が高い材料等、冷却管25を流れる冷却液の熱を、培養槽30に伝達できる材料であればよい。また、冷却領域E1に敷き詰めた砂利21等の充填材は、必ずしも水で濡らす必要はないが、水で濡らすことにより、熱伝導率を高くすることが期待できる。
【0038】
更に、
図6に示すように、冷却領域E3において冷却管25の培養液36とは反対側(下方)の領域を、空気よりも熱伝導率が低い材料で構成される断熱性を有する部材52を敷き詰めてもよい。ここで、熱伝導率が低い材料としては、例えば、発泡スチロールを用いることができる。そして、冷却管25の培養液36側を熱伝導率が高い部材で構成される部材51で敷き詰める。熱伝導率が高い材料で構成される部材51には、水で濡らした砂利21を用いることができる。
【0039】
・上記実施形態では、冷却領域E1には、水で濡らした砂利21を敷き詰めた。ここで、冷却領域E1において砂利21を湿潤するための水を、冷却領域E1内で循環させてもよい。この場合、冷却管25を流れる海洋深層水と同じ方向に循環させることにより、冷却効率を更に向上させることが期待できる。
【0040】
・上記実施形態では、培養槽30は、縦断面がL字形状の外壁部材32と仕切板34とで、培養液36を貯蔵する貯水空間を構成した。培養槽30の貯水空間の外壁を構成する部材の形状は、これに限られない。例えば、シート状部材33の周縁部の複数箇所をそれぞれ支持する複数の支持部を備えた複数の楔型のコンクリート部材を地面に固定することにより、培養槽の外壁を構成してもよい。
【0041】
・上記実施形態では、冷却管25には、海洋深層水を流して、冷却管25の上方の培養槽30の培養液36を冷却した。冷却管25に流す冷却用の液体は、海洋深層水に限らない。例えば、海洋深層水の代わりに、夏でも15℃前後の井戸水を用いてもよいし、水道水や冷却用液体を冷却して用いてもよい。この場合、冷却管25を流れる冷却用液体の一部を培養槽30に供給してもよいし、別の液体を培養槽30に供給してもよい。
・上記実施形態では、冷却管25を流れた海洋深層水を、排水管26を介して海に戻した。海洋深層水を、海に戻す代わりに、再度、冷却管25に戻して循環させてもよい。この場合、海洋深層水は、供給管16を介して培養槽30に供給した分を海から供給することにより、海に戻さないようにしてもよい。
・上記実施形態では、光や熱に弱く単細胞の微細藻としてナンノクロロプシスを培養した。培養する藻類は、光や熱に弱い微細藻であればよく、ナンノクロロプシスに限定されず、クロレラやヘマトコッカス等の緑藻や珪藻を培養してもよい。
【0042】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記冷却水は、海洋深層水であって、
前記海洋深層水は、前記冷却管と前記培養槽とともに供給されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の藻類培養装置。
(b)前記冷却管が配置される領域を、シート状部材により囲んだことを特徴とする請求項1、2又は前記(a)に記載の藻類培養装置。
【0043】
(c)前記冷却管の下部の周囲には、断熱性を有する部材を設けたことを特徴とする請求項1、2、前記(a)又は前記(b)に記載の藻類培養装置。
(d)前記冷却管を流れる前記海洋深層水を、前記培養槽における前記藻類の流れと反対方向に流すことを特徴とする請求項、2、前記(a)~前記(c)の何れか1項に記載の藻類培養装置。
【符号の説明】
【0044】
E1,E2,E3…冷却領域、G1…地面、10…藻類培養装置、11…取水管、12…取水口、13…ポンプ、15,16…供給管、20,27,33…シート状部材、21…砂利、22…釜場、25,45…冷却管、26…排水管、30…培養槽、31…基礎、32…外壁部材、32a…基台部、34…仕切板、35…水車パドル、36…培養液、51,52…部材。