(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-01
(45)【発行日】2025-09-09
(54)【発明の名称】見込み客に関する情報を提供する方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20250902BHJP
【FI】
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2025092143
(22)【出願日】2025-06-02
【審査請求日】2025-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517116038
【氏名又は名称】株式会社テクサー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】朱 強
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-62279(JP,A)
【文献】国際公開第2022/075194(WO,A1)
【文献】国際公開第2024/043012(WO,A1)
【文献】特開2015-138355(JP,A)
【文献】特開2006-11979(JP,A)
【文献】特開2018-185614(JP,A)
【文献】特開2024-32470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムが、見込み客に関する情報を提供する方法であって、
イベントに来場する来場者に関する属性を来場者属性と呼び、
前記イベントに参加する参加者に関する属性を参加者属性と呼び、
前記来場者の行動を来場者行動と呼び、
一の前記参加者の前記見込み客として認められる所定の前記来場者行動を行った前記来場者を、当該一の参加者についての分析対象者と呼び、
前記来場者属性に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、購入容易度と呼ぶ。)に関する分類を、第1見込み客分類と呼び、
前記来場者行動に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類を、第2見込み客分類と呼び、
前記情報処理システムは、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
一の前記来場者に関連する1以上の前記来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の来場者属性情報と、
一の前記参加者に関連する1以上の前記参加者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の参加者属性情報と、
一の前記来場者の前記来場者行動に関する情報をそれぞれ含んだ複数の行動情報と
を記憶しており、
前記記憶装置に記憶される前記行動情報に基づいて、一の前記参加者の前記見込み客として認められる1以上の前記分析対象者を特定する分析対象者特定ステップと、
一の前記参加者について特定された1以上の前記分析対象者の前記第1見込み客分類をそれぞれ判定する第1見込み客分類判定ステップであって、
一の前記分析対象者の前記第1見込み客分類を判定することが、
当該一の参加者の前記参加者属性情報が示す前記参加者属性と当該一の分析対象者の前記来場者属性情報が示す前記来場者属性とに基づいて、当該一の分析対象者の前記購入容易度に関する第1指標を算出することと、
算出された前記第1指標に基づいて前記第1見込み客分類を判定することと
を含む第1見込み客分類判定ステップと、
一の前記参加者について特定された1以上の前記分析対象者の前記第2見込み客分類をそれぞれ判定する第2見込み客分類判定ステップであって、
一の前記分析対象者の前記第2見込み客分類を判定することが、
当該一の分析対象者によって当該一の参加者に関連する前記来場者行動が行われたことを示す前記行動情報に基づいて、当該一の分析対象者の前記購入意欲に関する第2指標を算出することと、
算出された前記第2指標に基づいて前記第2見込み客分類を判定することと
を含む第2見込み客分類判定ステップと、
前記第1見込み客分類の判定結果及び前記第2見込み客分類の判定結果に基づいて、前記分析対象者の前記見込み客としての特徴を示す情報を生成し、表示装置に表示させる処理を行う第1情報表示ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第1指標を算出することが、
当該一の参加者の前記参加者属性と当該一の分析対象者の前記来場者属性との関連性を判定することと、
当該関連性があると判定した場合は、当該関連性が無いと判定した場合に比べて前記購入容易度が増すように前記第1指標を算出することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第1指標を算出することにおいて、当該一の参加者の前記参加者属性と当該一の分析対象者の前記来場者属性との関連性を判定することが、
当該一の参加者の業種と当該一の分析対象者の業種及び/又は職種との関連性を判定することと、
当該一の参加者の商品と当該一の分析対象者の業種及び/又は職種との関連性を判定することとの少なくとも一方を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記分析対象者の前記第1指標を算出することが、
当該一の分析対象者の前記来場者属性が、商品の購入の決定に関与する度合いの高い前記来場者属性であるほど前記購入容易度が増すように前記第1指標を算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記参加者が前記見込み客として想定する前記来場者属性を想定来場者属性と呼び、
前記記憶装置は、一の前記参加者について設定された前記想定来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の想定来場者属性情報を記憶しており、
前記第1見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第1指標を算出することが、
当該一の参加者の前記想定来場者属性情報が示す前記想定来場者属性と、当該一の分析対象者の前記来場者属性情報が示す前記来場者属性との関連性を判定することと、
当該関連性があると判定された場合は、当該関連性が無いと判定された場合に比べて前記購入容易度が増すように前記第1指標を算出することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記参加者が前記見込み客として注目する組織を注目組織と呼び、
前記記憶装置は、一の前記参加者について設定された前記注目組織の情報をそれぞれ含んだ複数の注目組織情報を記憶しており、
前記第1見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第1指標を算出することが、
当該一の分析対象者の所属する組織が、当該一の参加者の前記注目組織情報が示す前記注目組織であるか判定することと、
当該所属する組織が前記注目組織である場合は、当該所属する組織が前記注目組織でない場合に比べて前記購入容易度が増すように前記第1指標を算出することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第2指標を算出することが、
当該一の分析対象者により当該一の参加者に関連して行われた前記来場者行動の内容、回数、頻度、時間及び時期の少なくとも1つに基づいて前記第2指標を算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記記憶装置は、一の前記参加者が扱う商品に関する情報をそれぞれ含んだ複数の参加者商品情報を記憶しており、
前記第2見込み客分類判定ステップにおいて、一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者の前記第2指標を算出することが、
前記記憶装置に記憶される前記行動情報と前記参加者商品情報とに基づいて、当該一の参加者が扱う商品に関連した商品を扱う他の前記参加者について当該一の分析対象者が行った所定の前記来場者行動の回数を取得することと、
取得された当該所定の来場者行動の回数が多いほど、前記購入意欲が高いことを示すように前記第2指標を算出することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1見込み客分類の判定結果及び前記第2見込み客分類の判定結果を、分類判定結果と呼び、
前記第1情報表示ステップは、1名又は複数名の前記分析対象者について得られた前記分類判定結果を表示することであって、
前記第1見込み客分類の判定結果を色で区別し、かつ、前記第2見込み客分類の判定結果を色の濃さで区別するように、前記分類判定結果を表示すること、
又は、
前記第1見込み客分類の判定結果を図形及び/又は記号で区別し、かつ、前記第2見込み客分類の判定結果を色及び/又は色の濃さで区別するように、前記分類判定結果を表示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1見込み客分類における一の分類と、前記第2見込み客分類における一の分類との組み合わせを、分類セットと呼び、
前記第1情報表示ステップは、一の前記参加者について特定された複数の前記分析対象者における、前記分類セットごとの前記分析対象者の人数を表した分布図であって、2次元平面における第1方向の位置が前記第1見込み客分類の判定結果に対応し、前記2次元平面における第2方向の位置が前記第2見込み客分類の判定結果に対応し、かつ、前記2次元平面に配置される2次元図形若しくは前記2次元平面から立ち上がる3次元図形の表示態様が前記分析対象者の人数に対応した、前記分布図を表示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者に対する前記第1見込み客分類の判定結果及び前記第2見込み客分類の判定結果に基づいて、当該一の分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至るための営業活動のプランに関する情報を生成し、表示装置に表示させる処理を行う第2情報表示ステップを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1見込み客分類における一の分類と、前記第2見込み客分類における一の分類との組み合わせを、分類セットと呼び、
前記記憶装置は、一の前記参加者について設定された前記営業活動のプランに関するプラン情報をそれぞれ含んだ複数の営業活動情報を記憶しており、
一の前記営業活動情報は、一の前記分類セットに関連付けられた一の前記プラン情報を含んでおり、
前記第2情報表示ステップは、
一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者に対する前記第1見込み客分類の判定結果と前記第2見込み客分類の判定結果との組み合わせに対応する前記分類セットに関連付けられた前記プラン情報を、当該一の前記参加者の前記営業活動情報から取得することと、
取得された前記プラン情報に基づいて、前記営業活動のプランに関する情報を生成することとを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1見込み客分類における一の分類と、前記第2見込み客分類における一の分類との組み合わせを、分類セットと呼び、
前記記憶装置は、一の前記参加者が見込み客に送信する電子メールの文章を作成するためのメールひな形をそれぞれ含んだ複数のメールひな形情報を記憶しており、
一の前記メールひな形情報は、一の前記分類セットに関連付けられた一の前記メールひな形を含んでおり、
前記見込み客に送信する前記電子メールの文章の案を生成し、表示装置に表示させる第3情報表示ステップを有し、
前記第3情報表示ステップは、
一の前記参加者について特定された一の前記分析対象者に対する前記第1見込み客分類の判定結果と前記第2見込み客分類の判定結果との組み合わせに対応する前記分類セットに関連付けられた前記メールひな形を、当該一の前記参加者の前記メールひな形情報から取得することと、
取得された前記メールひな形に基づいて、当該一の分析対象者に送信する前記電子メールの案を生成することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
一の前記参加者について特定された1以上の前記分析対象者に対する前記第1見込み客分類の判定結果及び前記第2見込み客分類の判定結果に基づいて、前記イベントの成果を評価するため成果評価指標を算出し、表示装置に表示させる処理を行う第4情報表示ステップを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
見込み客に関する情報を提供する処理を情報処理システムに行わせる命令を含んだプログラムであって、
イベントに来場する来場者に関する属性を来場者属性と呼び、
前記イベントに参加する参加者に関する属性を参加者属性と呼び、
前記来場者の行動を来場者行動と呼び、
一の前記参加者の前記見込み客として認められる所定の前記来場者行動を行った前記来場者を、当該一の参加者についての分析対象者と呼び、
前記来場者属性に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、購入容易度と呼ぶ。)に関する分類を、第1見込み客分類と呼び、
前記来場者行動に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類を、第2見込み客分類と呼び、
前記情報処理システムは、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
一の前記来場者に関連する1以上の前記来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の来場者属性情報と、
一の前記参加者に関連する1以上の前記参加者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の参加者属性情報と、
一の前記来場者の前記来場者行動に関する情報をそれぞれ含んだ複数の行動情報と
を記憶しており、
前記命令に従って前記情報処理システムが行う処理は、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された方法の各ステップを含む、
プログラム。
【請求項16】
見込み客に関する情報を提供する処理を行う情報処理システムであって、
イベントに来場する来場者に関する属性を来場者属性と呼び、
前記イベントに参加する参加者に関する属性を参加者属性と呼び、
前記来場者の行動を来場者行動と呼び、
一の前記参加者の前記見込み客として認められる所定の前記来場者行動を行った前記来場者を、当該一の参加者についての分析対象者と呼び、
前記来場者属性に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、購入容易度と呼ぶ。)に関する分類を、第1見込み客分類と呼び、
前記来場者行動に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類を、第2見込み客分類と呼び、
処理部と、
前記処理部に処理を行わせる命令を記憶した記憶部とを有し、
前記処理部は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
一の前記来場者に関連する1以上の前記来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の来場者属性情報と、
一の前記参加者に関連する1以上の前記参加者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の参加者属性情報と、
一の前記来場者の前記来場者行動に関する情報をそれぞれ含んだ複数の行動情報と
を記憶しており、
前記処理部が前記命令に従って行う処理は、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された方法の各ステップを含む、
情報処理システム。
【請求項17】
見込み客に関する情報を提供する処理を行う情報処理システムであって、
イベントに来場する来場者に関する属性を来場者属性と呼び、
前記イベントに参加する参加者に関する属性を参加者属性と呼び、
前記来場者の行動を来場者行動と呼び、
一の前記参加者の前記見込み客として認められる所定の前記来場者行動を行った前記来場者を、当該一の参加者についての分析対象者と呼び、
前記来場者属性に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、購入容易度と呼ぶ。)に関する分類を、第1見込み客分類と呼び、
前記来場者行動に基づいた前記分析対象者の分類であって、一の前記参加者についての前記分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類を、第2見込み客分類と呼び、
前記情報処理システムは、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
一の前記来場者に関連する1以上の前記来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の来場者属性情報と、
一の前記参加者に関連する1以上の前記参加者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の参加者属性情報と、
一の前記来場者の前記来場者行動に関する情報をそれぞれ含んだ複数の行動情報と
を記憶しており、
請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された方法の各ステップを行う手段を有する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見込み客に関する情報を提供する方法、プログラム及び情報処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
展示会などにおいて展示ブースに訪れた来場者の情報を自動的に収集して、来場者の来訪履歴のデータベースを作成するシステムが知られている(下記の特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献のようなシステムを用いることによって、展示会における各来場者の行動に関する情報(どの展示ブースへ立ち寄ったか等)を得ることが可能である。展示会における来場者の行動に関する情報は、営業活動やマーケティング活動などへの活用が期待される。
【0005】
展示会においてコンタクトを取った来場者は、営業活動における見込み客となり得る。しかしながら、どの展示ブースへ立ち寄ったか等の情報のみでは、見込み客としての特徴を的確に把握できないため、適切な営業活動の方針を立てることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イベントの来場者が持つ見込み客としての特徴に関する情報を提供することができる方法、プログラム及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る方法は、情報処理システムが、見込み客に関する情報を提供する方法であって、イベントに来場する来場者に関する属性を来場者属性と呼び、イベントに参加する参加者に関する属性を参加者属性と呼び、来場者の行動を来場者行動と呼び、一の参加者の見込み客として認められる所定の来場者行動を行った来場者を、当該一の参加者についての分析対象者と呼び、来場者属性に基づいた分析対象者の分類であって、一の参加者についての分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、購入容易度と呼ぶ。)に関する分類を、第1見込み客分類と呼び、来場者行動に基づいた分析対象者の分類であって、一の参加者についての分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類を、第2見込み客分類と呼び、情報処理システムは、記憶装置にアクセス可能であり、記憶装置は、一の来場者に関連する1以上の来場者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の来場者属性情報と、一の参加者に関連する1以上の参加者属性の情報をそれぞれ含んだ複数の参加者属性情報と、一の来場者の来場者行動に関する情報をそれぞれ含んだ複数の行動情報とを記憶しており、記憶装置に記憶される行動情報に基づいて、一の参加者の見込み客として認められる1以上の分析対象者を特定する分析対象者特定ステップと、一の参加者について特定された1以上の分析対象者の第1見込み客分類をそれぞれ判定する第1見込み客分類判定ステップであって、一の分析対象者の第1見込み客分類を判定することが、当該一の参加者の参加者属性情報が示す参加者属性と当該一の分析対象者の来場者属性情報が示す来場者属性とに基づいて、当該一の分析対象者の購入容易度に関する第1指標を算出することと、算出された第1指標に基づいて第1見込み客分類を判定することとを含む第1見込み客分類判定ステップと、一の参加者について特定された1以上の分析対象者の第2見込み客分類をそれぞれ判定する第2見込み客分類判定ステップであって、一の分析対象者の第2見込み客分類を判定することが、当該一の分析対象者によって当該一の参加者に関連する来場者行動が行われたことを示す行動情報に基づいて、当該一の分析対象者の購入意欲に関する第2指標を算出することと、算出された第2指標に基づいて第2見込み客分類を判定することとを含む第2見込み客分類判定ステップと、第1見込み客分類の判定結果及び第2見込み客分類の判定結果に基づいて、分析対象者の見込み客としての特徴を示す情報を生成し、表示装置に表示させる処理を行う第1情報表示ステップと、を有する方法である。
【0008】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、見込み客に関する情報を提供する処理を情報処理システムに行わせる命令を含んだプログラムであって、命令に従って情報処理システムが行う処理は、上記第1の態様に係る方法の各ステップを含む、プログラムである。
【0009】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、見込み客に関する情報を提供する処理を行う情報処理システムであって、処理部と、処理部に処理を行わせる命令を記憶した記憶部とを有し、処理部が命令に従って行う処理は、上記第1の態様に係る方法の各ステップを含む、情報処理システムである。
【0010】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、見込み客に関する情報を提供する処理を行う情報処理システムであって、上記第1の態様に係る方法の各ステップを行う手段を有する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、イベントの来場者が持つ見込み客としての特徴に関する情報を提供することができる方法、プログラム及び情報処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、来場者の行動記録の収集に関わる処理の概略を説明するための図である。
【
図4】
図4は、来場者の行動記録を収集する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、見込み客分類を判定する処理、及び、見込み客分類の判定結果に基づく情報を表示する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6Aは、各分析対象者の第1見込み客分類を判定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6Bは、第1指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7Aは、各分析対象者の第2見込み客分類を判定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7Bは、第2指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8Aは、分類セットを区別する方法の一例を示す図である。
図8Bは、
図8Aに示す方法により分類セットが表された見込み客リストの一例を示す図である。
【
図9】
図9Aは、分類セットを区別する方法の他の一例を示す図である。
図9Bは、
図9Aに示す方法により分類セットが表された見込み客リストの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、営業活動のプランに関する情報を生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、分類セットごとに設定された営業活動のプランの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、電子メール案を生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図15】
図15は、成果評価指標のグラフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図1の例に示すシステムは、インターネット等の通信ネットワーク9を介して互いに通信可能な情報処理装置1と、来場者端末装置4と、参加者端末装置5と、運営者端末装置6と、位置検出装置7を有する。
情報処理装置1と参加者端末装置5を含むシステムは、本発明の情報処理システムの一例である。
【0014】
図1に示すシステムは、イベント(展示会、セミナー等)に来場する来場者について収集された情報に基づいて、来場者の見込み客としての特徴を分析し、その分析結果をイベントに参加する参加者(展示会の出展者等)へ提供する処理を行う。
【0015】
[情報処理装置1]
情報処理装置1は、後述する記憶装置2に記憶される来場者の情報と参加者の情報に基づいて、来場者の見込み客としての特徴を分析し、見込み客に関する所定の分類において来場者に当てはまる分類を判定する。情報処理装置1は、来場者の分類の判定結果に基づいて、来場者の見込み客としての特徴に関する情報を生成する。また情報処理装置1は、来場者の分類の判定結果に基づいて、営業活動のプランに関する情報を生成する処理、来場者(見込み客)に送信する電子メール案を生成する処理、イベントの成果を評価する所定の指標を生成する処理を行う。
【0016】
例えば情報処理装置1は、1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。情報処理装置1は、例えば
図2に示すように、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0017】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(来場者端末装置4、参加者端末装置5、運営者端末装置6、位置検出装置7)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LAN等の所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカード等)を含む。
【0018】
記憶部12は、処理部13が実行する命令を含んだ1以上のプログラム121、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータ等を記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROM等)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク等)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段を介して処理部13と接続される。
【0019】
処理部13は、情報処理装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を行う。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に従って処理を行う1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、NPU(neural network processing unit)等)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、1以上のコンピュータとして動作する。情報処理装置1は、複数のコンピュータを有していてもよく、本実施形態に係る処理の少なくとも一部を複数のコンピュータが連携して行ってもよい。
【0020】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等)を含んでもよい。処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて行ってもよいし、コンピュータと専用のハードウェアにおいてそれぞれ一部の処理を行ってもよいし、全ての処理を専用のハードウェアにおいて行ってもよい。
【0021】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置等)やインターフェース装置(USBインターフェース等)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13において行わせる命令を含んでよい。
【0022】
[記憶装置2]
記憶装置2は、情報処理装置1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報処理装置1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネット等)を介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバ、データベースサーバ、クラウドサーバ等に含まれていてもよいし、情報処理装置1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。あるいは記憶装置2は、コンピュータのバスを介して情報処理装置1の処理部13に接続された記憶装置でもよい。
【0023】
図2の例において、記憶装置2は、来場者データベース201と、参加者データベース202と、参加者商品データベース203と、パネル管理データベース204と、コンテンツ管理データベース205と、行動記録データベース206と、分析対象者データベース207と、営業活動データベース208と、メールひな形データベース209とを記憶する。また記憶装置2は、参加者等によって来場者向けに準備された複数のコンテンツ210を記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0024】
来場者DB201は、複数の来場者に対応する複数の来場者情報を含む。一の来場者情報は、一の来場者に関する情報を含む。一の来場者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の来場者を識別する情報(来場者ID)
・来場者情報が登録された日時
・来場者に関連する属性
【0025】
来場者に関連する属性の情報として、来場者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・来場者の年齢
・来場者の性別
・来場者の職種(職業の分野)
・来場者の役職
・来場者の所属する組織(会社、部署、部門等)
・来場者の所属する組織が関与するビジネス・業界の分野(業種)
・来場者が商品の購入の決定に関与する仕方(購入を決定する、商品を推薦する等)
・来場者が興味のあるビジネス・業界の分野
・来場者が興味のある技術分野
・来場者が興味のある商品・サービスのカテゴリ
【0026】
来場者に関連する属性のうち、後述の第1見込み客分類の判定に用いられる属性を、ここでは特に「来場者属性」と呼ぶ。1以上の来場者属性の情報を含んだ来場者情報は、本発明の来場者属性情報の一例である。
【0027】
参加者DB202は、イベントに参加する複数の参加者に対応した複数の参加者情報を含む。一の参加者情報は、一の参加者(展示会の出展者等)に関する情報を含む。一の参加者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の参加者を識別する情報(参加者ID)
・参加者情報が登録された日時
・参加者の名称(会社名等)
・参加者の連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)
・イベントの会場における参加者の所在場所(展示ブースの管理番号等)
・参加者に関連する属性
【0028】
参加者に関連する属性の情報として、参加者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・参加者の業務が属するビジネス・業界の分野(業種)
・参加者の業務に関連する技術分野
・参加者が扱う商品・サービスのカテゴリ
【0029】
参加者に関連する属性のうち、後述の第1見込み客分類の判定に用いられる属性を、ここでは特に「参加者属性」と呼ぶ。1以上の参加者属性の情報を含んだ参加者情報は、本発明の参加者属性情報の一例である。
【0030】
また参加者情報は、以下の情報を含んでもよい。
・参加者が見込み客として想定する来場者属性(想定来場者属性)
(例)来場者の役職、職種、所属する会社の業種
・参加者が見込み客として注目する組織(注目組織)
(例)会社名、部署名
【0031】
想定来場者属性の情報を含んだ参加者情報は、本発明の想定来場者属性情報の一例である。
注目組織の情報を含んだ参加者情報は、本発明の注目組織情報の一例である。
【0032】
参加者商品DB203は、参加者が扱う商品に関する複数の参加者商品情報を含む。一の参加者商品情報は、一の参加者が扱う一の商品に関する情報を含む。一の参加者商品情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の商品を識別する情報(商品ID)
・商品の名称(ブランド名、型名等)
・商品が属するカテゴリ(商品の用途、機能、効能、材料、産地、販売地、使用方法、生産方法等)
・商品を扱う参加者を示す参加者ID
【0033】
なお、本明細書に記載される「商品」は、売買の対象になるものを広く意味しており、物品(製品等)に限定されず、例えばサービス、権利(証券等)、情報、コンテンツ等も含む。
【0034】
パネル管理DB204は、来場者へ種々の情報や資料等を提供するためにイベントの会場に配置されるパネルに関する複数のパネル情報を含む。一のパネル情報は、一のパネルに関する情報を含む。一のパネル情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々のパネルを識別する情報(パネルID)
・パネルに関連する商品を示す1以上の商品ID
・パネルに関連するコンテンツを示す1以上のコンテンツID
・パネルの設置場所(展示ブースの管理番号等)
【0035】
パネルIDが示すパネルには、例えばQRコード(登録商標)やバーコード等の光学コードが印刷されており、この光学コードにパネルIDが含まれている。パネルの光学コードは、イベントの会場を訪れた来場者の来場者端末装置4により読み取られ、後述する行動情報の登録に使用される。
【0036】
コンテンツ管理DB205は、来場者へ提供されるコンテンツに関する複数のコンテンツ情報を含む。一のコンテンツ情報は、一のコンテンツに関する情報を含む。一のコンテンツ情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々のコンテンツを識別する情報(コンテンツID)
・コンテンツの内容に関する情報(コンテンツの名称、種別、データのサイズ等)
・コンテンツに関連する商品を示す1以上の商品ID
・コンテンツに関連する参加者(出展者等)を示す1以上の参加者ID
・コンテンツの格納場所
【0037】
ここで「コンテンツの格納場所」は、記憶装置2においてコンテンツ(
図2のコンテンツ210)が格納される場所に関する情報であり、例えばコンテンツ210が格納されるディレクトリとファイル名を含む。コンテンツ210の格納場所は、記憶装置2に限らず、通信ネットワーク9に接続された他の装置(データサーバ等)でもよい。
【0038】
行動記録DB206は、複数の来場者に対応する複数の行動情報を含む。一の行動情報は、一の来場者が行った所定の行動に関する記録を含む。一の行動情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・所定の行動を行った一の来場者を示す来場者ID
・来場者が所定の行動を行った日時
・所定の行動の対象となった商品を示す1以上の商品ID
・所定の行動の対象となった商品に関連する参加者を示す参加者ID
・来場者が行った行動の種別
・来場者が行った行動の内容
【0039】
ここで「来場者が行った行動の種別」には、例えば以下のものが含まれる。
・イベント会場における参加者の所在場所(展示ブース等)で受付処理をされたこと
(例)
説明員等の参加者端末装置5により入場者証の光学コードが読み取られたこと
・参加者の所在場所において所定の機器(展示物のデモ機等)を操作したこと
・説明員等から説明を受けたこと
・説明員等と名刺を交換したこと
・参加者が主催するセミナー等に参加したこと
・参加者からコンテンツを取得したこと(閲覧、ダウンロード、メール転送等)
・商品等に対する評価やコメントを入力したこと
・アンケート回答用のウェブページにアクセスしたこと
・アンケートに回答したこと
・イベント会場における場所の移動と滞在
【0040】
また「来場者が行った行動の内容」は、「行動の種別」により示される所定の行動の内容であり、例えば以下のものが含まれる。
・参加者の所在場所(展示ブース等)において来場者が操作した機器
・来場者が名刺交換を行った場所
・来場者に提供されたコンテンツ
・来場者が参加したセミナー
・来場者が入力した評価、コメントの内容
・来場者がアンケートに回答した内容
(例)
商品等に対する関心度、商談に対する希望内容、商品等の導入予定時期
・イベント会場において来場者が滞在した場所とその滞在期間
【0041】
分析対象者DB207は、見込み客として分析の対象となった来場者である分析対象者に関する複数の分析対象者情報を含む。一の分析対象者情報は、一の分析対象者に関する情報を含む。
【0042】
一の参加者についての分析対象者は、当該一の参加者の見込み客として認められる所定の来場者行動を行った来場者である。一の参加者の見込み客として認められる所定の来場者行動としては、例えば、当該一の参加者の所在場所(展示ブース等)で所定の受付処理を受けること、来場者端末装置4を用いて当該一の参加者のウェブページにアクセスし、自身の情報を登録すること等が含まれる。見込み客として認められる来場者行動には、参加者が営業活動のために来場者の個人情報(来場者の氏名、会社名、所属部門名、役職名、職種等)を利用することへの同意も含まれる。
【0043】
一の分析対象者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・分析対象者である来場者を示す来場者ID
・分析対象者を見込み客として認めた参加者を示す参加者ID
・見込み客の分類の判定を行った日時
・第1見込み客分類の判定結果
・第1見込み客分類の判定に用いられた第1指標の値
・第1指標の算出に用いられた複数の指標パラメータの値
・第2見込み客分類の判定結果
・第2見込み客分類の判定に用いられた第2指標の値
・第2指標の算出に用いられた複数の指標パラメータの値
【0044】
「第1見込み客分類」は、来場者属性に基づいた分析対象者の分類であって、一の参加者についての分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する段階へ至ることの容易さ(以下、「購入容易度」と呼ぶ。)に関する分類である。
【0045】
「第1指標」は、購入容易度を示す指標であり、来場者属性に基づいた複数の指標パラメータを用いて算出される。
【0046】
「第2見込み客分類」は、来場者行動に基づいた分析対象者の分類であって、一の参加者についての分析対象者が当該一の参加者の商品を購入する意欲(以下、購入意欲と呼ぶ。)に関する分類である。
【0047】
「第2指標」は、購入意欲を示す指標であり、来場者行動に基づいた複数の指標パラメータを用いて算出される。
【0048】
以下では、第1見込み客分類及び第2見込み客分類を区別せずに「見込み客分類」と呼び、見込み客分類の判定結果を単に「分類判定結果」と呼ぶ場合がある。また、第1見込み客分類における一の分類と、第2見込み客分類における一の分類との組み合わせを、「分類セット」と呼ぶ。情報処理装置1は、分析対象者に対する見込み客の特徴の分析結果として、分類セット(第1見込み客分類と第2見込み客分類の組み合わせ)を判定する。
【0049】
営業活動DB208は、分類判定結果に基づいて参加者が行う営業活動に関する複数の営業活動情報を含む。一の営業活動情報は、一の参加者が一の分類セットに当てはまる分析対象者に対して行う営業活動に関する情報を含む。一の営業活動情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・参加者を示す参加者ID
・営業活動の対象となる見込み客の分類セット
・営業活動のプランに関する情報(プラン情報)
(例)
営業活動の方針、最初のコンタクトから対応までの時間、営業アプローチの手段
【0050】
メールひな形DB209は、参加者が見込み客に送信する電子メールのひな形に関する複数のメールひな形情報を含む。一のメールひな形情報は、一の参加者が一の分類セットに当てはまる分析対象者(見込み客)に対して送信する電子メールの文章の作成に用いる一のひな形(メールひな形)を含む。一のメールひな形情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・参加者を示す参加者ID
・電子メールを送る見込み客の分類セット
・メールひな形
【0051】
コンテンツ210は、参加者によって提供される来場者向けのコンテンツ(商品の説明、技術解説、ブランドの紹介、会社案内等)であり、例えば文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル、コンテンツ用のURL等を含む。個々のコンテンツ210には、コンテンツIDが割り当てられている。
【0052】
[来場者端末装置4]
来場者端末装置4は、イベントの来場者によって操作される装置であり、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報通信機能を備えた装置である。
図1に示すシステムは、複数の来場者に対応した複数の来場者端末装置4を有する。来場者端末装置4は、情報処理装置1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボード、マイク等の入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイ等の表示装置)、音を出力するスピーカ等を備える。また来場者端末装置4は、QRコード(登録商標)やバーコード等の光学コードを読み取ることが可能なカメラを備える。
【0053】
[参加者端末装置5]
参加者端末装置5は、イベントの参加者(参加者である企業のスタッフ等)によって操作される装置であり、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報通信機能を備えた装置である。
図1に示すシステムは、複数の参加者に対応した複数の参加者端末装置5を有する。参加者端末装置5は、情報処理装置1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボード、マイク等の入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイ等の表示装置)、音を出力するスピーカ等を備える。また参加者端末装置5は、QRコード(登録商標)やバーコード等の光学コードを読み取ることが可能なカメラを備える。
【0054】
[運営者端末装置6]
運営者端末装置6は、イベントの開催や運営に係わる運営者(イベントの主催者、運営スタッフ等)によって操作される装置であり、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報通信機能を備えた装置である。運営者端末装置6は、情報処理装置1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボード、マイク等の入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイ等の表示装置)、音を出力するスピーカ等を備える。また運営者端末装置6は、QRコード(登録商標)やバーコード等の光学コードを読み取ることが可能なカメラを備える。
【0055】
[位置検出装置7]
位置検出装置7は、イベント会場における各来場者の位置を検出して記録する処理を行う。例えば、イベント会場の各所にBLE(Bluetooth Low Energy)のビーコン発信機が配置されており、各ビーコン発信機からは、イベント会場内におけるビーコン発信機の位置情報を含むビーコン信号が送出される。来場者端末装置4は、各ビーコン発信機から送出されるビーコン信号を受信し、その受信信号強度の情報を位置情報とともに所定の位置検出装置7へ送信する。位置検出装置7は、来場者端末装置4から受信した各ビーコン信号の受信信号強度と位置情報に基づいて、イベント会場内における各来場者の来場者端末装置4の位置(座標等)を算出して記録する。位置検出装置7は、各来場者について算出した位置の情報を情報処理装置1に提供する。
【0056】
なお位置検出装置7は、各来場者について算出した位置の情報の記録に基づいて、各来場者が所定時間以上滞在したイベント会場内の場所の情報(展示ブースの情報、展示ゾーンの情報等)を記録するとともに、その滞在の開始時間及び終了時間を記録してもよい。この場合、情報処理装置1は、位置検出装置7によって記録された各来場者の滞在場所、滞在開始時間、滞在終了時間の情報を任意のタイミングで(例えば一定時間ごとに)位置検出装置7から取得し、取得したこれらの情報に基づいて各来場者の行動情報を生成して、行動記録DB206に記録してもよい。
【0057】
イベント会場内における来場者の位置を検出する方法は、上述したビーコン信号を用いる方法に限らず、例えば、イベント会場内の各所に配置された無線LANのアクセスポイントで受信される来場者端末装置4の無線信号に基づいて来場者端末装置4の位置を検出する方法や、他の無線信号に基づいて位置を検出する方法を用いてもよい。あるいは、イベント会場内の各所に設置されたカメラにより撮影される来場者の映像に基づいて来場者の位置を検出してもよい。
【0058】
ここで、上述した構成を有する
図1に示すシステムの動作について説明する。
図3は、来場者の行動記録の収集に関わる処理の概略を説明するための図である。
【0059】
イベントの運営者は、各来場者に配布される入場証C1を準備する。入場証C1には、予め個々の来場者に割り当てられた識別情報(来場者ID)を含む光学コード(QRコード(登録商標)、バーコード等)が印刷される。入場証C1には、来場者の名前やイベントの名称、会場名、開催日等が印刷されてもよい。
【0060】
イベントの運営者は、例えばイベントの会場の入場口で来場者を受け付ける際、来場者に渡す入場証C1に印刷された光学コードを運営者端末装置6により読み取り、読み取った光学コードに含まれる来場者IDを運営者端末装置6から情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、入場証C1から読み取った来場者IDを含む行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する。これにより、来場者がイベント会場へ入場したことが行動記録DB206に記録される。
【0061】
他方、イベントの参加者(出展者等)は、イベントにおいて印刷物の代わりに来場者へ提供するコンテンツ(PDFファイルの電子文書等)を参加者端末装置5により情報処理装置1にアップロードする。この場合、情報処理装置1は、参加者端末装置5からアップロードされたコンテンツ210を記憶装置2に格納する。また情報処理装置1は、参加者端末装置5からの指示に応じて、コンテンツ210と商品との関連付け、及び、コンテンツ210と参加者との関連付けを示すコンテンツ情報を取得し、コンテンツ管理DB205に登録する。
【0062】
参加者は、イベント会場において商品とともに掲示されるパネルC2を自分の展示ブース等に設置する。パネルC2には、参加者の展示ブース等を訪れた来場者が、そこで展示された商品等に関するコンテンツ(電子文書等)を取得する際に必要となる光学コードが印刷されている。参加者は、参加者端末装置5を用いて、パネルC2の識別情報(パネルID)、パネルC2に関連付けられる商品等の情報(商品ID等)、パネルC2に関連付けられるコンテンツの情報(コンテンツID等)、パネルC2の設置場所の情報等を情報処理装置1に送信する。この場合、情報処理装置1は、参加者端末装置5から受信したパネルIDと商品との関連付け、パネルIDとコンテンツとの関連付け、パネルIDとパネルC2の設置場所との関連付けを示すパネル情報を取得し、パネル管理DB204に登録する。
【0063】
また参加者は、展示ブース等で応対した来場者の入場証C1に印刷される光学コードを参加者端末装置5により読み取り、読み取った光学コードに含まれる来場者IDを参加者端末装置5から情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、入場証C1から読み取った来場者IDを含む行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する。これにより、来場者が参加者の展示ブース等に訪れたことが行動記録DB206に記録される。
【0064】
この場合、参加者端末装置5は、指定したコンテンツのダウンロード等を来場者に対して許可する指示を情報処理装置1に送信し、情報処理装置1は、この指示により指定されたコンテンツのダウンロード等を来場者に対して許可する行動情報を取得して、行動記録DB206に登録してもよい。これにより、参加者が来場者の要望をヒアリングしながら、来場者に対して適切なコンテンツを提供することが可能になる。
【0065】
イベントが開催されている間、参加者は、展示ブース等への来場者の来訪状況に関する情報(来訪した来場者の数、コンテンツのダウンロード数等)を参加者端末装置5により情報処理装置1から随時取得して閲覧する。これにより、参加者は、自らの展示ブースや商品の展示場所等における来場者の来訪状況をリアルタイムに把握することができる。また参加者は、イベントの終了後、自らの展示ブース等に来訪した来場者の個人情報や、自らの商品等に関連するコンテンツをダウンロードした来場者の個人情報を、参加者端末装置5により運営者のサーバ等から取得することができる。
【0066】
来場者は、イベント会場において、来場者IDを含む光学コードが印刷された入場証C1を携行する。来場者は、商品等に関するコンテンツを取得するための操作を行う場合、自身の入場証C1に印刷された光学コードを来場者端末装置4により読み取り、読み取った光学コードに含まれるアドレスの情報(URI等)に基づいて、情報処理装置1によるウェブアプリケーションサーバにアクセスする。情報処理装置1は、来場者端末装置4から取得した入場証C1の光学コードの情報(来場者ID等)に基づいて、来場者端末装置4を操作する来場者を認証し、来場者の専用の画面(ウェブアプリケーションの画面)を来場者端末装置4に表示させる。
【0067】
来場者は、イベントの会場で興味のある商品を見つけた場合、その展示場所の近くに設置されたパネルC2の光学コードを来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面から読み取り、読み取った光学コードに含まれるパネルIDを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面において読み取られたパネルC2のパネルIDを受信すると、来場者によりパネルC2の光学コードが読み取られたことを示す行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する。情報処理装置1は、この行動情報が記録された来場者に対して、パネルIDに関連付けられたコンテンツのダウンロード、閲覧、メール転送等を許可する。例えば情報処理装置1は、来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面において、行動情報によりダウンロード等が許可されたコンテンツのリストを表示させる。
【0068】
来場者は、来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面において、ダウンロード等が許可されたコンテンツのリストを閲覧し、リストの中から所望のコンテンツを選択する。来場者端末装置4は、来場者により選択された対象に関するコンテンツを情報処理装置1に要求する。この要求に応じた情報処理装置1は、来場者により要求されたコンテンツを記憶装置2から読み出して、要求元の来場者端末装置4に提供する処理を行う。すなわち情報処理装置1は、要求元の来場者端末装置4においてコンテンツを表示させる処理や、要求元の来場者端末装置4においてコンテンツをダウンロードさせる処理を行う。また、情報処理装置1は、来場者端末装置4により転送先の電子メールアドレスが指定された場合、記憶装置2から読み出したコンテンツ(若しくはそのダウンロード用のURL等の情報)を指定された電子メールアドレスに転送する処理を行う。
【0069】
図4は、来場者の行動記録を収集する処理の一例を説明するフローチャートである。
運営者端末装置6は、イベント会場の入場口等において来場者に渡す入場証C1に印刷された光学コードを読み取り、読み取った光学コードに含まれる来場者IDを情報処理装置1に送信する(ST100)。情報処理装置1は、入場証C1から読み取られた来場者IDを含む行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する(ST105)。この行動情報により、来場者がイベント会場に入場したことが記録される。
【0070】
参加者端末装置5は、イベント会場における参加者の展示ブース等を訪れた来場者の入場証C1の光学コードを読み取り、読み取った光学コードに含まれる来場者IDを情報処理装置1に送信する(ST110)。情報処理装置1は、入場証C1から読み取られた来場者IDを含む行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する(ST115)。この行動情報により、来場者が特定の参加者の展示ブース等に訪れたこと(来場者の受付処理を行ったこと)が記録される。
【0071】
展示ブース等で受付処理を行った参加者の説明員等は、来場者に対して商品の説明等を行い、その応対の結果として来場者に対する評価(商品に対する関心の度合い等)を参加者端末装置5に入力する。参加者端末装置5は、説明員等によって入力された来場者の評価を情報処理装置1に送信する(ST120)。情報処理装置1は、参加者端末装置5から受信した来場者の評価に基づいて行動情報を生成し、行動記録DB206に登録する(ST125)。
【0072】
来場者端末装置4は、来場者の入場証C1に印刷された光学コードを読み取り、読み取った光学コードに含まれるアドレスの情報に基づいて、情報処理装置1によるウェブアプリケーションサーバにアクセスする(ST130)。情報処理装置1は、来場者端末装置4から取得した入場証C1の光学コードの情報(来場者ID等)に基づいて、来場者端末装置4を操作する来場者を認証し、来場者の専用の画面(ウェブアプリケーションの画面)を来場者端末装置4に表示させる(ST135)。
【0073】
来場者端末装置4は、来場者が訪れた展示ブース等において商品とともに掲示されたパネルC2の光学コードを読み取り、光学コードに含まれるパネルIDを情報処理装置1に送信する(ST140)。情報処理装置1は、来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面において読み取られたパネルC2のパネルIDを受信すると、来場者によりパネルC2の光学コードが読み取られたことを示す行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する(ST145)。情報処理装置1は、行動情報においてパネルIDに関連づけられたコンテンツIDに基づいて、このコンテンツIDに対応するコンテンツのダウンロード等を来場者に許可する。
【0074】
情報処理装置1は、来場者端末装置4のウェブアプリケーションの画面において、行動情報によりダウンロード等が許可されたコンテンツのリストを表示させる。来場者は、ウェブアプリケーションの画面に表示される利用可能なコンテンツの中から特定のコンテンツを選択し、指定した方法(閲覧、ダウンロード、メール転送等)でコンテンツを提供するように要求する指示を来場者端末装置4に入力する。来場者端末装置4は、この来場者の指示が入力されると、特定のコンテンツを指定した方法で提供するように情報処理装置1へ要求する(ST150)。情報処理装置1は、来場者端末装置4からの要求に応じて、選択された特定のコンテンツを指定された方法で来場者に提供するコンテンツ提供処理を実行する。例えば情報処理装置1は、来場者が操作する来場者端末装置4からの要求に応じて、コンテンツを来場者端末装置4に表示させる処理、コンテンツを来場者端末装置4にダウンロードさせる処理、コンテンツを電子メールにより任意のアドレスへ転送する処理等を行う。情報処理装置1は、来場者端末装置4からの要求に応じて来場者にコンテンツを提供する処理を行った場合、来場者がコンテンツの提供を受けたことを示す行動情報を取得して、行動記録DB206に登録する(ST155)。
【0075】
また来場者は、情報処理装置1によるウェブアプリケーションの画面において、任意の商品に対する評価を入力することができる。来場者端末装置4は、例えば「いいね」ボタンの押下等によって対象への評価が入力されると、その評価を情報処理装置1に送信する(ST160)。情報処理装置1は、一の来場者によって入力された一の対象への評価を受信した場合、当該来場者によって当該対象への評価が入力されたことを示す行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する(ST165)。
【0076】
更に来場者は、情報処理装置1によるウェブアプリケーションの画面において、参加者やイベント主催者等によって作成されたアンケートに回答することができる。来場者端末装置4は、例えば特定の商品に対するアンケートへの回答が入力されると、そのアンケートへの回答を情報処理装置1に送信する(ST170)。情報処理装置1は、一の来場者によって入力された一のアンケートへの回答を受信した場合、当該来場者によって当該アンケートへの回答が入力されたことを示す行動情報を取得し、行動記録DB206に登録する(ST175)。
【0077】
図5は、見込み客分類を判定する処理、及び、見込み客分類の判定結果に基づく情報を表示する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST200は、本発明の分析対象者特定ステップの一例である。
ステップST205は、本発明の第1見込み客分類判定ステップの一例である。
ステップST210は、本発明の第2見込み客分類判定ステップの一例である。
ステップST220及びST225は、本発明の第1情報表示ステップの一例である。
ステップST235及びST240は、本発明の第2情報表示ステップの一例である。
ステップST250及びST255は、本発明の第3情報表示ステップの一例である。
ステップST265及びST270は、本発明の第4情報表示ステップの一例である。
【0078】
情報処理装置1は、記憶装置2の行動記録DB206に登録される行動情報に基づいて、一の参加者の見込み客として認められる1以上の分析対象者を特定する(ST200)。すなわち情報処理装置1は、行動記録DB206に登録される一の参加者についての行動情報から、見込み客として認められる所定の来場者行動(展示ブースでの受付処理等)が行われたことを示す行動情報を抽出し、抽出した行動情報に含まれる来場者IDに基づいて分析対象者を特定する。
【0079】
情報処理装置1は、ステップST200において特定された1以上の分析対象者のそれぞれについて、第1見込み客分類を判定する(ST205)。一の分析対象者の第1見込み客分類を判定する場合、情報処理装置1は、当該一の参加者の参加者情報(参加者DB202)が示す参加者属性と当該一の分析対象者の来場者情報(来場者DB201)が示す来場者属性とに基づいて、当該一の分析対象者の購入容易度に関する第1指標を算出し、第1指標に基づいて第1見込み客分類を判定する。
【0080】
図6Aは、各分析対象者の第1見込み客分類を判定する処理(ST205:
図5)の一例を説明するためのフローチャートである。
情報処理装置1は、ステップST200において特定された一の分析対象者を選択する(ST300)。情報処理装置1は、選択した分析対象者の来場者情報に基づいて、購入容易度に関する第1指標を算出し(ST305)、第1指標に基づいて第1見込み客分類を判定する(ST310)。
【0081】
例えば情報処理装置1は、分析対象者の購入容易度の高さに応じた値を持つ第1指標を算出し(ST305)、第1指標が複数の所定範囲のいずれに含まれるかに応じて、購入容易度の高さを表す第1見込み客分類を判定する(ST310)。情報処理装置1は、ステップST310において判定された第1見込み客分類を、分析対象者DB207の分析対象者情報に登録する。
【0082】
なお情報処理装置1は、第1指標を算出するために用いられる後述の指標パラメータが所定の条件を満たす場合、第1指標の値に依らず、第1見込み客分類として所定の分類を判定してもよい。例えば、分析対象者の業種と参加者の業種が関連性を持たないことを示す指標パラメータが得られる場合や、分析対象者の職種と参加者の業種、商品が関連性を持たないことを示す指標パラメータが得られる場合、情報処理装置1は、第1見込み客分類として購入容易度が相対的に低い所定の分類を判定してもよい。
【0083】
一の分析対象者について第1見込み客分類を判定すると、情報処理装置1は、他に第1見込み客分類を判定すべき分析対象者があるならば(ST315のYes)、その分析対象者を選択して(ST320)、上述と同様なステップST305、ST310の処理を行う。情報処理装置1は、ステップST200において特定された全ての分析対象者の第1見込み客分類を判定するまで、ステップST305、ST310の処理を繰り返す。
【0084】
図6Bは、第1指標を算出する処理(ST305:
図6A)の一例を説明するためのフローチャートである。
図6Bの例において、情報処理装置1は、第1指標を算出するための複数の指標パラメータをそれぞれ取得し(ST350)、複数の指標パラメータに基づいて第1指標を算出する(ST355)。例えば情報処理装置1は、複数の指標パラメータを変数として所定の関数に適用し、関数の値を第1指標として算出する。情報処理装置1は、複数の指標パラメータの合計を第1指標として算出してもよい。情報処理装置1は、ステップST350において取得された各指標パラメータと、ステップST355において算出された第1指標を、分析対象者DB207の分析対象者情報に登録する。
【0085】
第1指標の指標パラメータは、それぞれ購入容易度の高さに応じた値を持ち、例えば、購入容易度が高いほど指標パラメータの値は大きくなる。第1指標が複数の指標パラメータの合計である場合、購入容易度の高い指標パラメータが得られるほど、購入容易度の高い第1指標が得られる。
【0086】
第1見込み客分類の指標パラメータは、例えば以下のパラメータPA1~PA4の少なくとも一部を含む。
【0087】
<パラメータPA1:商品購入の決定に関与する度合いに基づくパラメータ>
【0088】
パラメータPA1は、商品購入の決定に関与する度合い(購入決定関与度)を示す来場者属性に基づいたパラメータである。
【0089】
例えば情報処理装置1は、来場者情報(来場者DB201)に含まれる分析対象者の役職(経営者/社長、役員、部長/次長、課長、係長/主任等)に基づいてパラメータPA1を取得する。この場合、情報処理装置1は、上位の役職になるほど、購入決定関与度の高いパラメータPA1を取得する。情報処理装置1は、パラメータPA1が示す購入決定関与度が高いほど、購入容易度の高い第1指標を算出する。
(パラメータPA1の値の例)
「経営者/社長」…30点、「役員」…25点、「部長/次長」…20点
「課長」…15点、「係長/主任」…10点、「一般社員/職員」…5点
【0090】
また情報処理装置1は、来場者情報に含まれるアンケートの回答に基づいてパラメータPA1を取得してもよい。購入決定関与度に関連するアンケートの質問としては、例えば
「質問1:商品の購入を決定する (Yes/No)」
「質問2:購入対象の商品を推薦又は指定する (Yes/No)」
「質問3:購入された商品を販売する (Yes/No)」
「質問4:購入された商品を利用する (Yes/No)」
などが挙げられる。この例において「Yes」の回答が得られた場合のパラメータPA1の購入決定関与度は、最初の質問1が最も高く、質問1~4の順に低下する。
(パラメータPA1の値の例)
「質問1」…30点、「質問2」…20点、「質問3」…10点、「質問4」…5点
【0091】
購入決定関与度に基づいたパラメータPA1を用いて第1指標を算出することにより、購入決定関与度の影響が反映された精度のよい第1見込み客分類の判定を行うことができる。
【0092】
なお情報処理装置1は、役職に基づくパラメータPA1と、アンケートの回答に基づくパラメータPA1をそれぞれ取得してもよいし、いずれか一方を取得してもよい。
【0093】
<パラメータPA2:参加者属性と来場者属性との関連性に基づくパラメータ>
【0094】
パラメータPA2は、一の参加者の参加者属性と一の分析対象者の来場者属性との関連性(属性関連性)に基づくパラメータである。
【0095】
情報処理装置1は、参加者属性と来場者属性との属性関連性を判定し、属性関連性があると判定した場合は、属性関連性が無いと判定した場合に比べて第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA2を取得する。
【0096】
例えば情報処理装置1は、参加者情報(参加者DB202)が示す参加者の業種と、来場者情報(来場者DB201)が示す分析対象者の業種との関連性を判定し、その判定結果に基づいて、関連性がある場合に第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA2を取得する。例えば情報処理装置1は、参加者の業種と分析対象者の業種とが一致する場合、一方の業種が他方の業種を包含する場合等において、これらの業種に関連性があると判定してもよい。
(パラメータPA2の値の例)
「参加者と分析対象者の業種に関連性がある」…25点
「参加者と分析対象者の業種に関連性がない」…0点
【0097】
また情報処理装置1は、参加者情報(参加者DB202)が示す参加者の業種と、来場者情報(来場者DB201)が示す分析対象者の職種との関連性を判定し、その判定結果に基づいて、関連性がある場合に第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA2を取得する。例えば情報処理装置1は、参加者の業種について予め設定された1以上の関連する職種の中に来場者の職種と一致するものがある場合、一方の職種が他方の職種を包含する場合等において、参加者の業種と分析対象者の職種とに関連性があると判定してもよい。
(パラメータPA2の値の例)
「参加者の業種と分析対象者の職種とに関連性がある」…25点
「参加者の業種と分析対象者の職種とに関連性がない」…0点
【0098】
また情報処理装置1は、参加者商品情報(参加者商品DB203)が示す参加者の商品と、来場者情報(来場者DB201)が示す分析対象者の業種との関連性を判定し、その判定結果に基づいて、関連性がある場合に第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA2を取得する。例えば情報処理装置1は、参加者の商品について予め設定された1以上の関連する業種の中に来場者の業種と一致するものがある場合、一方の業種が他方の業種を包含する場合等において、参加者の商品と分析対象者の業種とに関連性があると判定してもよい。
(パラメータPA2の値の例)
「参加者の商品と分析対象者の業種とに関連性がある」…25点
「参加者の商品と分析対象者の業種とに関連性がない」…0点
【0099】
また情報処理装置1は、参加者商品情報(参加者商品DB203)が示す参加者の商品と、来場者情報(来場者DB201)が示す分析対象者の職種との関連性を判定し、その判定結果に基づいて、関連性がある場合に第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA2を取得する。例えば情報処理装置1は、参加者の商品について予め設定された1以上の関連する職種の中に来場者の職種と一致するものがある場合、一方の職種が他方の職種を包含する場合等において、参加者の商品と分析対象者の業種とに関連性があると判定してもよい。
(パラメータPA2の値の例)
「参加者の商品と分析対象者の職種とに関連性がある」…25点
「参加者の商品と分析対象者の職種とに関連性がない」…0点
【0100】
参加者属性と来場者属性との属性関連性に基づいたパラメータPA2を用いて第1指標を算出することにより、属性関連性の影響が反映された精度のよい第1見込み客分類の判定を行うことができる。
【0101】
なお情報処理装置1は、上述した4種類のパラメータPA2(参加者の業種と分析対象者の業種との関連性に基づくパラメータPA2、参加者の業種と分析対象者の職種との関連性に基づくパラメータPA2、参加者の商品と分析対象者の業種との関連性に基づくパラメータPA2、参加者の商品と分析対象者の職種との関連性に基づくパラメータPA2)をそれぞれ取得してもよいし、一部のパラメータPA2を取得してもよい。
【0102】
情報処理装置1は、取得されたパラメータPA2が所定の条件を満たす場合、ステップST355にいて算出される第1指標の値に依らず、第1見込み客分類として所定の分類を判定してもよい。
例えば、分析対象者の業種と参加者の業種、商品とが関連性を持たない場合、情報処理装置1は、第1見込み客分類として購入容易度が相対的に低い分類(後述のNL)を判定してもよい。
また例えば、分析対象者の職種と参加者の業種、商品とが関連性を持たない場合も、情報処理装置1は、第1見込み客分類として購入容易度が相対的に低い分類(後述のNL)を判定してもよい。
これにより、属性関連性がないことによる購入容易度の低さを重視した第1見込み客分類の判定を行うことができる。
【0103】
<パラメータPA3:想定来場者属性に基づくパラメータ>
【0104】
パラメータPA3は、一の参加者の参加者情報(参加者DB202)に設定された想定来場者属性(見込み客として想定する来場者の属性)と、一の分析対象者の来場者情報(来場者DB201)が示す来場者属性との関連性に基づくパラメータである。
【0105】
情報処理装置1は、想定来場者属性と来場者属性との属性関連性を判定し、属性関連性があると判定した場合は、属性関連性が無いと判定した場合に比べて第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA3を取得する。
【0106】
例えば情報処理装置1は、参加者情報の想定来場者属性に設定された役職と、来場者情報が示す分析対象者の役職とが一致する場合、一方の役職が他方の役職を包含する場合等において、想定来場者属性と来場者属性とに属性関連性があると判定し、第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA3を取得する。
【0107】
また情報処理装置1は、参加者情報の想定来場者属性に設定された職種と、来場者情報が示す分析対象者の職種とが一致する場合、一方の職種が他方の職種を包含する場合等において、想定来場者属性と来場者属性とに属性関連性があると判定し、第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA3を取得する。
【0108】
これにより、参加者が見込み客として想定する来場者属性と分析対象者の来場者属性との関連性が反映された第1見込み客分類の判定を行うことができる。
【0109】
<パラメータPA4:注目組織に基づくパラメータ>
【0110】
パラメータPA4は、一の参加者の参加者情報(参加者DB202)に設定された注目組織(参加者が注目する組織)と一の分析対象者の来場者情報(来場者DB201)が示す分析対象者の所属する組織との関係に基づいたパラメータである。
【0111】
情報処理装置1は、参加者情報に設定された注目組織と、来場者情報が示す分析対象者の所属する組織とが一致するか判定し、分析対象者の所属する組織が注目組織と一致する場合、これらが一致しない場合に比べて第1指標の購入容易度が高くなるパラメータPA4を取得する。
【0112】
これにより、参加者の業種と分析対象者の業種との関連性のみでは購入容易度を正しく把握できない既知の組織(業種が適合しない場合でも商品を購入する傾向がある会社等)がある場合でも、その実態が反映された正確な第1見込み客分類の判定を行うことができる。
【0113】
図5に戻る。
情報処理装置1は、ステップST200において特定された1以上の分析対象者のそれぞれについて、第2見込み客分類を判定する(ST210)。一の分析対象者の第2見込み客分類を判定する場合、情報処理装置1は、当該一の分析対象者によって当該一の参加者に関連する来場者行動が行われたことを示す行動情報(行動記録DB206)に基づいて、当該一の分析対象者の購入意欲に関する第2指標を算出し、第2指標に基づいて第2見込み客分類を判定する。
【0114】
図7Aは、各分析対象者の第2見込み客分類を判定する処理(ST210:
図5)の一例を説明するためのフローチャートである。
情報処理装置1は、ステップST200において特定された一の分析対象者を選択する(ST400)。情報処理装置1は、選択した分析対象者の行動情報に基づいて、購入意欲に関する第2指標を算出し(ST405)、第2指標に基づいて第2見込み客分類を判定する(ST410)。
【0115】
例えば情報処理装置1は、分析対象者の購入意欲の高さに応じた値を持つ第2指標を算出する(ST405)。すなわち情報処理装置1は、一の分析対象者により一の参加者に関連して行われた来場者行動の内容、回数、頻度、時間及び時期の少なくとも1つに基づいて第2指標を算出する。情報処理装置1は、算出された第2指標が複数の所定範囲のいずれに含まれるかに応じて、購入意欲の高さを表す第2見込み客分類を判定する(ST410)。情報処理装置1は、ステップST410において判定された第2見込み客分類を、分析対象者DB207の分析対象者情報に登録する。
【0116】
なお情報処理装置1は、第2指標を算出するために用いられる後述の指標パラメータが所定の条件を満たす場合、第2指標の値に依らず、第2見込み客分類として所定の分類を判定してもよい。
【0117】
一の分析対象者について第2見込み客分類を判定すると、情報処理装置1は、他に第2見込み客分類を判定すべき分析対象者があるならば(ST415のYes)、その分析対象者を選択して(ST420)、上述と同様なステップST405、ST410の処理を行う。情報処理装置1は、ステップST200において特定された全ての分析対象者の第2見込み客分類を判定するまで、ステップST405、ST410の処理を繰り返す。
【0118】
図7Bは、第2指標を算出する処理(ST405:
図7A)の一例を説明するためのフローチャートである。
図7Bの例において、情報処理装置1は、第2指標を算出するための複数の指標パラメータをそれぞれ取得し(ST450)、複数の指標パラメータに基づいて第2指標を算出する(ST455)。例えば情報処理装置1は、複数の指標パラメータを変数として所定の関数に適用し、関数の値を第2指標として算出する。情報処理装置1は、複数の指標パラメータの合計を第2指標として算出してもよい。情報処理装置1は、ステップST450において取得された各指標パラメータと、ステップST455において算出された第2指標を、分析対象者DB207の分析対象者情報に登録する。
【0119】
第2指標の指標パラメータは、それぞれ購入意欲の高さに応じた値を持ち、例えば、購入意欲が高いほど指標パラメータの値は大きくなる。第2指標が複数の指標パラメータの合計である場合、購入意欲の高い指標パラメータが得られるほど、購入意欲の高い第2指標が得られる。
【0120】
第2見込み客分類の指標パラメータは、例えば以下のパラメータPB1~PB10の少なくとも一部を含む。
【0121】
<パラメータPB1:アンケートに回答した関心度に基づくパラメータ>
【0122】
パラメータPB1は、行動情報(行動記録DB206)においてアンケートの回答に含まれる商品への関心度に基づいたパラメータである。
【0123】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報において一の参加者のアンケートに回答に含まれる、当該一の参加者の商品に対する関心度に基づいて、パラメータPB1を取得する。情報処理装置1は、アンケートの回答において関心度が高いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB1を取得する。
【0124】
これにより、商品への関心度が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0125】
<パラメータPB2:アンケートに回答した商談の希望内容に基づくパラメータ>
【0126】
パラメータPB2は、行動情報においてアンケートの回答に含まれる商談への希望内容に基づいたパラメータである。
【0127】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報において一の参加者のアンケートに回答に含まれる、当該一の参加者との商談への希望内容に基づいて、パラメータPB2を取得する。情報処理装置1は、アンケートの回答において商談への前向きな傾向が強いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB2を取得する。
(パラメータPB2の値の例)
「商談に興味あり」…20点、「後日の連絡を希望」…10点
「資料のみ希望」…5点、 「無回答/希望なし」…0点
【0128】
これにより、商談への希望内容が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0129】
<パラメータPB3:アンケートに回答した商品の導入予定時期に基づくパラメータ>
【0130】
パラメータPB3は、行動情報においてアンケートの回答に含まれる商品の導入予定時期に基づいたパラメータである。
【0131】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報において一の参加者のアンケートに回答に含まれる、当該一の参加者が商品を導入する予定の時期に基づいて、パラメータPB3を取得する。情報処理装置1は、アンケートの回答において商品の導入予定時期が早いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB3を取得する。
(パラメータPB3の値の例)
「3カ月以内」…20点、「半年以内」…10点、
「1年以上」…5点、 「未定」…0点
【0132】
これにより、商品の導入予定時期が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0133】
<パラメータPB4:アンケートの回答の提出に基づくパラメータ>
【0134】
パラメータPB4は、行動情報に含まれるアンケートの提出状況を示す情報に基づいたパラメータである。
【0135】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報において一の参加者のアンケートに回答したことを示す情報、及び、当該一の参加者のアンケート回答用ウェブページにアクセスしたことを示す情報に基づいて、アンケートの回答に協力的な傾向が強いほど第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB4を取得する。
(パラメータPB4の値の例)
「アンケート回答済み」…10点、「未回答だがウェブへのアクセスあり」…5点
「未回答かつウェブアクセスなし」…0点
【0136】
これにより、アンケートの提出状況が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0137】
<パラメータPB5:参加者からのコンテンツの取得に基づくパラメータ>
【0138】
パラメータPB5は、行動情報に含まれる参加者からのコンテンツの取得履歴に関する情報に基づいたパラメータである。
【0139】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報に含まれる、一の参加者からコンテンツを取得した履歴を示す情報に基づいて、コンテンツの取得が行われた場合に第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB5を取得する。
(パラメータPB5の値の例)
「資料のダウンロード」…5点、「資料のメール転送」…5点
「コンテンツの取得なし」…0点
【0140】
これにより、参加者から提供されるコンテンツの取得の履歴が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0141】
<パラメータPB6:展示ブースにおける行動に基づくパラメータ>
【0142】
パラメータPB6は、行動情報に含まれる展示ブース等での来場者行動の情報に基づいたパラメータである。
【0143】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報に含まれる、一の参加者の展示ブース等で行われた来場者行動の情報(デモ機器を操作する、説明員から説明を受ける等)に基づいて、商品への関心を表す行動があった場合に第2指標が高くなるパラメータPB6を取得する。
(パラメータPB6の値の例)
「デモ機器を操作する」…15点、「説明員から説明を受ける」…10点
「資料だけ受け取る」…5点、「無反応」…0点
【0144】
これにより、展示ブースにおける行動が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0145】
<パラメータPB7:名刺の交換に基づくパラメータ>
【0146】
パラメータPB7は、行動情報に含まれる名刺交換に関する情報に基づいたパラメータである。
【0147】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報に含まれる、一の参加者との名刺交換に関する情報(名刺交換の有無、名刺交換の場所)に基づいて、説明員等とコンタクトを図る意思が見られる名刺交換を行った場合に第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB7を取得する。
(パラメータPB7の値の例)
「ブース内での名刺交換」…5点、「ブースの入り口での名刺交換」…3点
「ブース外での名刺交換」…0点
【0148】
これにより、名刺交換の状況が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0149】
<パラメータPB8:再訪問の回数に基づくパラメータ>
【0150】
パラメータPB8は、行動情報に含まれるイベント会場内の訪問場所(滞在場所)の情報に基づいたパラメータである。
【0151】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報であって、一の参加者の展示ブース等に滞在したことを示す行動情報を行動記録DB206から抽出し、抽出した行動情報に基づいて、当該一の分析対象者が当該一の参加者の展示ブース等に再訪問した回数を計数する。情報処理装置1は、計数された再訪問の回数が多いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB8を取得する。
(パラメータPB8の値の例)
「再訪問2回以上」…10点、「再訪問1回」…5点、「再訪問0回」…0点、
【0152】
これにより、展示ブース等への再訪問の回数が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0153】
<パラメータPB9:滞在時間に基づくパラメータ>
パラメータPB9は、行動情報に含まれるイベント会場内の滞在場所及び滞在時間の情報に基づいたパラメータである。
【0154】
情報処理装置1は、一の分析対象者の行動情報であって、一の参加者の展示ブース等に滞在したことを示す行動情報を行動記録DB206から抽出し、抽出した行動情報に基づいて、当該一の分析対象者が当該一の参加者の展示ブース等に滞在した最長の時間を取得する。情報処理装置1は、取得された滞在時間が長いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB9を取得する。
(パラメータPB8の値の例)
「3分以上」…10点、「30秒以上3分未満」…5点、「30秒未満」…0点、
【0155】
これにより、展示ブース等での滞在時間が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0156】
<パラメータPB10:他の参加者についての来場者行動に基づくパラメータ>
【0157】
パラメータPB10は、関連した商品を扱う他の参加者(同じカテゴリの商品を扱う別の会社等)について行われた来場者行動に基づくパラメータである。
【0158】
情報処理装置1は、記憶装置2に記憶される行動情報(行動記録DB206)と参加者商品情報(参加者商品DB203)とに基づいて、一の参加者が扱う商品に関連した商品を扱う他の参加者について一の分析対象者が行った所定の来場者行動(展示ブースへの訪問、セミナーへの参加等)の回数を取得する。例えば情報処理装置1は、一の参加者が扱う商品に関連した商品を扱う他の参加者を、参加者商品DB203に登録される各参加者の参加者商品情報に基づいて特定する。情報処理装置1は、特定した他の参加者についての行動情報の中から、当該一の分析対象者により所定の来場者行動が行われたことを示す行動情報を抽出し、抽出した行動情報に基づいて、当該一の分析対象者により行われた所定の来場者行動の回数を取得する。情報処理装置1は、関連する商品を扱う他の参加者によって所定の来場者行動が行われた回数が多いほど、第2指標の購入意欲が高くなるパラメータPB10を取得する。
【0159】
(パラメータPB10の値の例1)
「関連する商品を扱う3以上の参加者の展示ブースを連続して訪問」…5点
「関連する商品を扱う2つの参加者の展示ブースを連続して訪問」…3点
【0160】
(パラメータPB10の値の例2)
「一の参加者のセミナーに参加」…10点
「関連する商品を扱う他の参加者のセミナーに参加」…5点
【0161】
これにより、関連した商品を扱う他の参加者について行われた来場者行動(商品の比較・検討時に見られる行動)が表す分析対象者の購入意欲が反映された精度のよい第2見込み客分類の判定を行うことができる。
【0162】
再び
図5に戻る。
ステップST215~ST270は、分類セット(第1見込み客分類の判定結果と第2見込み客分類の判定結果との組み合わせ)に基づいて生成した情報を参加者端末装置5の表示装置に表示させる4つの処理(見込み客の特徴の表示、営業活動プランの表示、電子メール案の表示、イベントの成果評価指標の表示)を示す。以下、この4つの処理についてそれぞれ説明する。
【0163】
<見込み客の特徴の表示>
参加者端末装置5は、情報処理装置1にアクセスして、各分析対象者の見込み客としての特徴を示す情報を含んだ画面(ウェブページ等)の表示を要求する(ST215)。この要求を受けた情報処理装置1は、ステップST205、ST210において判定された各分析対象者の分類セットに基づいて、各分析対象者の見込み客としての特徴を示した情報を生成し、参加者端末装置5に送信する(ST220)。参加者端末装置5は、情報処理装置1から受信した情報をもとに、各分析対象者の見込み客としての特徴を示した情報を含む画面を表示装置に表示させる(ST225)。
【0164】
図8Aは、分類セットを区別する方法の一例を示す図である。
図8Bは、
図8Aに示す方法により分類セットが表された見込み客リストの一例を示す図であり、ステップST225において参加者端末装置5の表示装置に表示される情報の例を示す。
【0165】
図8A及び
図8Bの例において、情報処理装置1は、第1見込み客分類として3つの分類「SQL」、「MQL」、「NL」を判定し、第2見込み客分類として3つの分類「ホット」、「ウォーム」、「コールド」を判定する。分類セットは、3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)と3つの第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)との組み合わせであり、全部で9つの分類セットが存在する。
【0166】
分類SQL(Sales Qualified Lead)は購入容易度が最も高く、分類NL(Nurturing Lead)は購入容易度が最も低く、分類MQL(Marketing Qualified Lead)は分類SQL及びNLに対して中間の購入容易度を持つ。
【0167】
分類ホット(Hot)は購入意欲が最も高く、分類コールド(Cold)は購入意欲が最も低く、分類ウォーム(Warm)は分類ホット及びコールドに対して中間の購入意欲を持つ。
【0168】
図8Aの例では、3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)を3つの色(赤、黄、緑)で区別し、3つの第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)を色の濃さ(濃い、普通、薄い)で区別している。ただし、図面上では色を表現できないため、色を塗る代わりに文字を記載している。
図8Bに示す見込み客リスト(分析対象者のリスト)の例では、左端の列において各見込み客の分類セットを「色」と「色の濃さ」により表している。
このように、分類セットを「色」と「色の濃さ」で表すことにより、各見込み客の特徴(購入容易度、購入意欲)を一目で簡単に把握することができる。
【0169】
図9Aは、分類セットを区別する方法の他の一例を示す図である。
図9Bは、
図9Aに示す方法により分類セットが表された見込み客リストの一例を示す図である。
【0170】
図9Aの例では、3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)を3つの図形(★、●、▲)で区別し、3つの第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)を色の濃さ(濃い、普通、薄い)で区別している。
図9Bに示す見込み客リスト(分析対象者のリスト)の例では、左端の列において各見込み客の分類セットを「図形」と「色の濃さ」により表している。
このように、分類セットを「図形」と「色の濃さ」で表す方法でも、各見込み客の特徴(購入容易度、購入意欲)を一目で簡単に把握することができる。
【0171】
なお、
図9A及び
図9Bの例では、3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)を図形で区別しているが、図形に限定されない任意の記号で第1見込み客分類を区別してもよいし、任意の図形と任意の記号の組み合わせによって第1見込み客分類を区別してもよい。
また、
図9A及び
図9Bの例では、第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)を色の濃さで区別しているが、これらを色で区別してもよいし、色と色の濃さとの組み合わせによってこれらを区別してもよい。
【0172】
図10A及び
図10Bは、分類セットごとの分析対象者の人数を表した分布図の例を示す図であり、ステップST225において参加者端末装置5の表示装置に表示される情報の例をそれぞれ示す。
【0173】
図10A及び
図10Bに示す分布図は、一の参加者について特定された複数の分析対象者における、分類セットごとの分析対象者の人数を表している。
図10Aに示す分布図では、2次元平面における第1方向(図面の縦方向)の位置が3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)に対応し、2次元平面における第2方向(図面の横方向)の位置が3つの第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)に対応し、かつ、2次元平面に配置される2次元図形の表示態様(円の大きさ)が分析対象者の人数に対応する。
図10Bに示す分布図では、2次元平面における第1方向(図面の横方向)の位置が3つの第1見込み客分類(SQL、MQL、NL)に対応し、2次元平面における第2方向(図面の奥行方向)の位置が3つの第2見込み客分類(ホット、ウォーム、コールド)に対応し、かつ、2次元平面から立ち上がる3次元図形の表示態様(直方体の縦方向の長さ)が分析対象者の人数に対応する。
【0174】
図10A及び
図10Bに示す分布図によれば、多数の見込み客における各分類セットの人数の傾向を一目で簡単に把握することができる。
【0175】
このように、本実施形態によれば、イベントの来場者が持つ見込み客としての特徴に関する情報を参加者に提供できる。参加者はこの情報を参考にして的確な営業活動の方針を立てることが可能となり、成約の確率を高めることができる。
【0176】
<営業活動プランの表示>
再び
図5に戻る。
参加者端末装置5は、情報処理装置1にアクセスして、分析対象者(見込み客)に対する営業活動のプランに関する情報を含んだ画面(ウェブページ等)の表示を要求する(ST230)。この要求を受けた情報処理装置1は、ステップST205、ST210において判定された分析対象者の分類セットに基づいて、分析対象者が参加者の商品を購入する段階へ至るための営業活動のプランに関する情報を生成し、参加者端末装置5に送信する(ST235)。参加者端末装置5は、情報処理装置1から受信した情報をもとに、営業活動のプランに関する情報を含む画面を表示装置に表示させる(ST240)。
【0177】
図11は、営業活動のプランに関する情報を生成する処理(ST235:
図5)の一例を説明するためのフローチャートである。
情報処理装置1は、一の参加者について特定された一の分析対象者の分析対象者情報(分析対象者DB207)から、当該一の分析対象者について判定された分類セットを取得する(ST500)。更に情報処理装置1は、当該一の参加者の営業活動情報であって、ステップST500において取得された分類セットに関連付けられた営業活動情報を営業活動DB208から読み出し、この営業活動情報に含まれたプラン情報(営業活動のプランに関する情報)を取得する(ST510)。そして情報処理装置1は、取得されたプラン情報に基づいて、当該一の分析対象者に対する営業活動のプランに関する情報を生成する(ST515)。
【0178】
図12は、9つの分類セットにそれぞれ設定された営業活動のプランを示す図である。
図12に示す例において、各分類セットの営業活動のプランには、営業活動の方針、最初のコンタクトから営業対応を実施するまでの時間、見込み客に対するアプローチの手段がそれぞれ含まれている。
【0179】
このように、各見込み客に対して分類セットに対応した明確な営業活動のプランが提示されるため、属人的な判断に依存せず、一貫性のある見込み客への営業活動を実施することが可能となる。
【0180】
また、分類セットに応じた営業活動を実施することにより、営業人員のリソースを効率的に活用しつつ、全体の成約率を高めることができる。
【0181】
<電子メール案の表示>
再び
図5に戻る。
参加者端末装置5は、情報処理装置1にアクセスして、分析対象者(見込み客)に送信する電子メールの案を含んだ画面(ウェブページ等)の表示を要求する(ST245)。この要求を受けた情報処理装置1は、ステップST205、ST210において判定された分析対象者の分類セットに基づいて、分類セットに関連付けられたメールひな形をメールひな形情報(メールひな形DB209)から取得する。情報処理装置1は、取得されたメールひな形に基づいて電子メールの文章の案を生成し、参加者端末装置5に送信する(ST250)。参加者端末装置5は、情報処理装置1から受信した電子メールの文章の案を含む画面を表示装置に表示させる(ST255)。
【0182】
図13は、電子メールの案を生成する処理(ST250:
図5)の一例を説明するためのフローチャートである。
情報処理装置1は、一の参加者について特定された一の分析対象者の分析対象者情報(分析対象者DB207)から、当該一の分析対象者について判定された分類セットを取得する(ST600)。更に情報処理装置1は、当該一の参加者のメールひな形情報であって、ステップST600において取得された分類セットに関連付けられたメールひな形情報をメールひな形DB209から読み出し、このメールひな形情報に含まれたメールひな形を取得する(ST605)。そして情報処理装置1は、取得されたメールひな形に基づいて、当該一の分析対象者に送信する電子メールの案を生成する(ST615)。
図14は、メールひな形に基づいて生成された電子メールの案の一例を示す図である。
【0183】
このように、分類セットに合わせて準備されたメールひな形を用いて、見込み客の特徴に適合した適切な電子メールを簡単に作成することが可能になる。これにより、営業担当者の業務負担を軽減して営業活動の効率化を図りつつ、成約の確率を高めることができる。
【0184】
<イベントの成果評価指標の表示>
再び
図5に戻る。
参加者端末装置5は、情報処理装置1にアクセスして、イベントの成果を評価するための指標(成果評価指標)を含んだ画面(ウェブページ等)の表示を要求する(ST260)。この要求を受けた情報処理装置1は、ステップST205、ST210において判定された分析対象者の分類セットに基づいて成果評価指標(見込み客数、分類SQLの人数等)を算出し、参加者端末装置5に送信する(ST265)。参加者端末装置5は、情報処理装置1から受信した成果評価指標を含む画面を表示装置に表示させる(ST270)。
【0185】
図15は、成果評価指標のグラフの一例を示す図である。
図15の例では、主要な4つの成果評価指標(見込み客数、SQL数、商談数、成約数)の達成率(事前に設定された目標の数値に対する割合)が棒グラフにより表されている。目標の数値は、例えば、過去の同様なイベントにおいて得られた成果評価指標に基づいて設定される。見込み客数は、一の参加者について特定された分析対象者の人数であり、SQL数は分類SQLの分析対象者の人数である。商談数、成約数は、イベント後の営業活動により得られる成果であり、随時更新される。
【0186】
このように、各分析対象者について判定した分類セットに基づく成果評価指標を可視化できるため、イベントによる成果を明確に把握することが可能となる。これにより、イベントを利用した営業の成果を定量的に管理し易くなり、営業活動の改善を図り易くなる。
【0187】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0188】
上述した実施形態における情報処理装置1の処理の一部は、他の装置(参加者端末装置5等)において実行されてもよい。例えば、情報処理装置1の上述した処理の一部が参加者端末装置5において実行されている場合、情報処理装置1のコンピュータと参加者端末装置5のコンピュータとを含んだコンピュータシステムが構成されており、このコンピュータシステムにおける複数のコンピュータの連携によって本実施形態に係る処理が実行されていると言える。
【0189】
上述した実施形態におけるデータベース(201~209)の構成は一例であり、本実施形態はこの例に限定されない。すなわち、上述したデータベースの一部は、1以上の別のデータベースに置き換えられてもよい。また、本実施形態の処理で扱われる情報(来場者情報、参加者情報、行動情報等)は、必ずしも1つのデータベースのレコードに含まれていなくてもよく、例えば、2以上のデータベースのレコードに分散されていてもよい。
【符号の説明】
【0190】
1…情報処理装置、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、201…来場者DB、202…参加者DB、203…参加者商品DB、204…パネル管理DB、205…コンテンツ管理DB、206…行動記録DB、207…分析対象者DB、208…営業活動DB、209…メールひな形DB、210…コンテンツ、4…来場者端末装置、5…参加者端末装置、6…運営者端末装置、7…位置検出装置、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】イベントの来場者が持つ見込み客としての特徴に関する情報を提供することができる方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】見込み客として所定の行動をした来場者は、分析対象者として特定される。分析対象者の第1見込み客分類は、分析対象者の属性に基づいて判定され、分析対象者の第2見込み客分類は、分析対象者の行動に基づいて判定される。第1見込み客分類の判定では、分析対象者と参加者の属性に基づいて、購入容易度に関する第1指標が算出され、第1指標に基づいて第1見込み客分類が判定される。第2見込み客分類の判定では、分析対象者の行動に基づいて、分析対象者の購入意欲に関する第2指標が算出され、第2指標に基づいて第2見込み客分類が判定される。第1見込み客分類及び第2見込み客分類の判定結果に基づいて、分析対象者の見込み客としての特徴を示す情報が生成される。
【選択図】
図5