(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-01
(45)【発行日】2025-09-09
(54)【発明の名称】投稿返答装置及び投稿返答プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20250902BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2024191576
(22)【出願日】2024-10-31
【審査請求日】2024-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】507043531
【氏名又は名称】オプティマイズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】宮本 琢志
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特許第7400181(JP,B1)
【文献】特許第7481772(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿対象に対して投稿された投稿文に返答する投稿返答装置であって、
前記投稿文を取得する投稿文取得手段と、
ウェブ媒体から、前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を取得するコンテンツ取得手段と、
言語モデルに、前記コンテンツ情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、
前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、
前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、
前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、
を有することを特徴とする投稿返答装置。
【請求項2】
投稿対象に対して投稿された投稿文に返答する投稿返答装置であって、
前記投稿文を取得する投稿文取得手段と、
ウェブ媒体から取得された前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を、記憶装置に記憶する記憶手段と、
言語モデルに、前記記憶装置に記憶されたコンテンツ情報の位置情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、
前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、
前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、
前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、
を有することを特徴とする投稿返答装置。
【請求項3】
前記ウェブ媒体から動画又は音声のコンテンツが取得された場合、該コンテンツの音声がテキスト変換されたテキスト形式のコンテンツに変換されること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の投稿返答装置。
【請求項4】
コンピュータを、
投稿対象に対して投稿された投稿文を取得する投稿文取得手段と、
ウェブ媒体から、前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を取得するコンテンツ取得手段と、
言語モデルに、前記コンテンツ情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、
前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、
前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、
前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、
して機能させるための投稿返答プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
投稿対象に対して投稿された投稿文を取得する投稿文取得手段と、
ウェブ媒体から取得された前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を、記憶装置に記憶する記憶手段と、
言語モデルに、前記記憶装置に記憶されたコンテンツ情報の位置情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、
前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、
前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、
前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、
して機能させるための投稿返答プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投稿返答装置及び投稿返答プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年Web上においてユーザ(利用者等)が店舗に対する口コミやレビュー等を投稿可能なシステムが広く知られている。例えば飲食店等の選択や商品購入に際し、ユーザの多くが口コミやレビューを参考にするといわれており、これらの投稿内容は消費者行動に大きな影響を与えることが知られている。またこのようなシステムは返信機能を有しており、店舗運営者は、投稿された口コミやレビューに返答することが可能である。
【0003】
これに関する技術として、例えば特許文献1には、公知のChat GPT等の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)等の機械学習モデルを用いたツールが実装された装置又はシステムを活用し、指定された言語表現(例えば口語、尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語)により、顧客からの口コミ投稿に対する回答を生成する回答出力システムが記載されている。店舗運営者は、個々の口コミ返答の時間や労力負担を軽減し、店側が指定した言語表現による口コミ返答を効率的に行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、口コミ投稿への返答は、店側とユーザとの信頼関係を築き、顧客満足度向上や店舗イメージ向上に繋がる重要な要素である。店舗が寄せられた口コミに対し真摯・丁寧に返答することで、店舗側としてユーザの意見を大切にしていることをアピールできたり、店舗運営者やスタッフに対する人となりを知ってもらったり親近感を与え、ひいてはユーザの来店意欲を向上させることが可能である。従って口コミ投稿に対する口コミ返答内容は、より店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答であることが望ましい。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載される発明においては、LLMにより店側が指定した言語表現に応じた回答が生成されるものの、店側が指定した口調(文体)の口コミ返答が生成されるに過ぎない。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、店舗に寄せられた投稿文に対し当該店舗ごとに即した返答を行う投稿返答装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る投稿返答装置は、投稿対象に対して投稿された投稿文に返答する投稿返答装置であって、前記投稿文を取得する投稿文取得手段と、ウェブ媒体から、前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を取得する取得手段と、言語モデルに、前記コンテンツ情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施の形態によれば、店舗に寄せられた投稿文に対し当該店舗ごとに即した返答を行う投稿返答装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る投稿返答システムのネットワーク構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る投稿返答サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る投稿返答サーバのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る店舗設定DBのデータ構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る投稿返答サーバの口コミ返答処理を示すフローチャート図である。
【
図6】本実施形態に係る口コミ投稿画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る返答文(回答文)の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る口コミ投稿画面の一例を示す図である。
【
図10】本変形例に係る店舗設定DBのデータ構成例を示す図である。
【
図11】本変形例に係るプロンプト(その1)の一例を示す図である。
【
図12】本変形例に係るプロンプト(その2)の一例を示す図である。
【
図13】本変形例に係るプロンプト(その3)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る投稿返答システムのネットワーク構成例を示す図である。
図1の投稿返答システム100は、投稿サーバ10、投稿返答サーバ20、LLM(Large Language Models)30、店舗端末40、及び、投稿者端末50を含み、ネットワーク60を介して接続されている。
【0012】
投稿サーバ10は、Web上において投稿者が店舗に対する口コミやレビュー等(以下単に口コミという)を投稿可能なサーバ装置である。投稿された口コミは、店舗運営者、投稿者及びその他の一般ユーザが閲覧可能に公開される。また投稿サーバ10は、各々の投稿された口コミに対する返答機能を有しており、店舗運営者は、投稿された口コミに対するコメントを返答(投稿)することが可能である。
【0013】
投稿返答サーバ20は、投稿サーバ10において投稿者により口コミが投稿されると、LLM30に当該口コミ対する返答文(回答文)を生成させ、生成された返答文を口コミに対するコメントとして、投稿サーバ10に返答(投稿)するサーバ装置である。店舗運営者は、自店舗に対する口コミが投稿された場合、口コミ返答に要する時間や労力の負担を軽減しつつ、投稿者から投稿された各口コミに対して確実に返答を行うことが可能である。
【0014】
LLM(大規模言語モデル)30は、大量のテキストデータを用いて文法や単語の意味等を教師なし事前学習させた汎用自然言語処理モデルである。汎用自然言語処理モデルには、例えば、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT(Generative Pre-trained Transformer)-3.5、GPT-4等をベースとした商用言語モデル(生成AI)を用いることができる。
【0015】
店舗端末40は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はPC(Personal Computer)などであり、投稿サーバ10及び投稿返答サーバ20を利用する店舗側のユーザ端末装置である。店舗運営者(又は店舗担当者)は店舗端末40を用いて投稿サーバ10にアクセス・ログインし、自店舗のプロフィール(店舗名、所在、URL、TEL、店舗紹介、商品・メニュー等)を登録したり、投稿者により投稿された店舗に対する口コミやレビュー等を閲覧することができる。また店舗運営者は店舗端末40を用いて投稿返答サーバ20にアクセス・ログインし、LLM30に口コミ対する返答文(回答文)を生成させるための各種設定を行うことができる。
【0016】
投稿者端末50は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はPCなどであり、投稿サーバ10を利用する投稿者の端末装置である。投稿者は投稿者端末50を用いて投稿サーバ10にアクセス・ログインし、店舗に対する口コミやレビュー等を投稿することができる。
【0017】
ネットワーク60は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク60は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを含む。
【0018】
なお、店舗端末40及び投稿者端末50には、投稿サーバ10ないし投稿返答サーバ20にアクセスするために、予め所定のアプリケーションプログラム(汎用ウェブブラウザ、専用アプリ等)がインストールされる。
【0019】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る投稿返答サーバのハードウェア構成例を示す図である。投稿返答サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Drive)24、及び通信装置25を有する。
【0020】
CPU21は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM22は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM23は、CPU21での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD24は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置25は、ネットワーク60を介して他装置との通信を行う。
【0021】
(ソフトウェア構成)
図3は、本実施形態に係る投稿返答サーバのソフトウェア構成例を示す図である。投稿返答サーバ20は、主な機能部として、投稿文取得部201、指示文作成部202、指示文送信部203、返答文受信部204、返答文投稿部205、及び記憶部209を有する。
【0022】
投稿文取得部201は、投稿サーバ10から店舗に対して投稿された口コミを取得する機能を有している。指示文作成部202は、LLM30に、店舗設定情報に基づいて口コミに対する返答文を生成させるためのプロンプトを作成する機能を有している。指示文送信部203は、LLM30に、プロンプトを送信する機能を有している。返答文受信部204は、LLM30から、プロンプトに応じた返答文(回答)を受信する機能を有している。返答文投稿部205は、口コミに対する返答文を投稿する機能を有している。記憶部209は、店舗設定DBを記憶する。
【0023】
なお各機能部は、投稿返答サーバ20を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、記憶部209の各DBは、ネットワーク60上の外部記憶装置に配置することも可能である。また、上記コンピュータプログラム及びアプリケーションプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0024】
(データベース)
図4は、本実施形態に係る店舗設定DBのデータ構成例を示す図である。店舗設定DBは、店舗設定情報が予め登録されたDBである。本実施形態に係る店舗設定DBは、例えば「店舗ID」、「店舗名」、「所在」、「URL」、「TEL」、「Email」、「パスワード」、「店舗担当者名」、「店舗特徴」、「キーワード」、「返答文字数」、「自動返答」などのデータ項目を有する。
【0025】
「店舗ID」は、店舗毎に付番される固有の識別子である。「店舗名」、「所在」、「URL」、「TEL」、「Email」、「店舗担当者名」は、それぞれ店舗の名称、所在地、ウェブURL、電話番号、メールアドレス、店舗担当者名(口コミ返答者名)である。「店舗ID」及び「パスワード」は、ユーザが投稿サーバ10及び投稿返答サーバ20にアクセス・ログインするための共通のID及びパスワードである。但し、ユーザが投稿サーバ10にアクセス・ログインするためのID及びパスワードと、投稿返答サーバ20にアクセス・ログインするためのID及びパスワードとが異なる場合は、それぞれのID及びパスワードを登録する。また店舗が公式自ウェブサイトの他、情報サイト、SNS、特設サイトなど、複数のURLを同時に有する場合があるため、「URL」は「URL1」、「URL2」・・というように複数のURLを登録可能である。
【0026】
「店舗特徴」は、店舗特徴を示す情報(店舗特徴を示す店舗紹介文等)である。「店舗特徴」は、店舗運営者自らが登録・設定したり、自動的に取得された店舗特徴を元に編集することも可能である。また「URL」が登録・設定されると、URL先の店舗ウェブサイトに基づいて、例えば店舗の強み、コンセプト、雰囲気(カジュアル、高級感、アットホーム等)などの店舗特徴を示す情報がLLM30により自動的に生成されるようにしてもよい。
【0027】
「キーワード」は、LLM30が口コミ対する返答文(回答文)を生成するに際し、返答文内に必ず使用させる指定ワードである。「キーワード」は、店舗運営者自らが登録・設定し、店舗側が返答を閲覧した投稿者及びその他一般ユーザに伝えたいキーワード又はキーフレーズである。
【0028】
「返答文字数」は、LLM30が口コミ対する返答文(回答文)を生成するに際し、返答文の文字数である。店舗運営者が登録・設定する。なお「返答文字数」は、返答文字の長さ(短め、普通、長め)を示す目安数であってもよいし、返答文字の上限数であってもよい。
【0029】
「自動返答」は、LLM30により口コミ対する返答文(回答文)が生成された場合に、生成された返答文を口コミに対するコメントとして、投稿サーバ10に自動返答するか否かを示す設定値である。投稿返答サーバ20は、「自動返答」OFFの場合、生成された返答文を、店舗運営者の確認操作を以って投稿サーバ10に自動返答する。
【0030】
店舗設定DBのこれらデータ項目は、店舗運営者のユーザ登録時など、投稿返答サーバ20に初期登録した際に登録されうる。
【0031】
<口コミ返答処理>
図5は、本実施形態に係る投稿返答サーバの口コミ返答処理を示すフローチャート図である。CPU21が
図5に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0032】
S1:投稿返答サーバ20は、投稿サーバ10において対象店舗に対する新規口コミが投稿されたか否かを判定(検知)する。
図6は、本実施形態に係る口コミ投稿画面の一例を示す図である。投稿者は投稿者端末50を用いて投稿サーバ10にアクセス・ログインし、店舗に対する口コミ51を投稿することができる。投稿された口コミ51は、店舗運営者、投稿者及びその他の一般ユーザが閲覧可能に公開される。投稿返答サーバ20は、投稿サーバ10において対象店舗に対する新規口コミが投稿(公開)された場合、これを検知することができる。
【0033】
S2:投稿返答サーバ20は、当該店舗に対する新規口コミが投稿されたと判定した場合、投稿サーバ10から投稿された新規口コミ情報を取得する。取得される新規口コミ情報は、例えば「たろー 評価4 入りやすい雰囲気で、一人でよく利用しています。料理も美味しい。」(
図5)である。
【0034】
S3:投稿返答サーバ20は、店舗設定DBから、店舗ID(例えばID0001)をキーとして当該店舗に対応する設定情報を取得する。取得される新規口コミ情報は、例えば「店舗名」、「所在」、「URL」、「店舗担当者名」、「店舗特徴」、「キーワード」、「返答文字数」、「自動返答」である(
図4)。
【0035】
S4:投稿返答サーバ20は、取得した新規口コミ情報と設定情報とに基づいて、LLM30に新規口コミ対する返答文(回答文)を生成させるためのプロンプト(指示文)を作成する。
図7は、本実施形態に係るプロンプトの一例を示す図である。
図7に示されるように本実施形態に係るプロンプトは、新規口コミ情報と設定情報とに基づいて、LLM30に新規口コミ対する返答文(回答文)を生成させるための指示文が作成されていることが分かる。
【0036】
より具体的には以下の通りである。
・設定情報のうち「店舗名」「店舗担当者名」をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、新規口コミ対する返答者を明示することができる。
・設定情報のうち「店舗特徴」をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答とすることができる。
・設定情報のうち「URL」をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、包括的に且つ最新の当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答とすることができる。また店舗の公式自ウェブサイトの他、情報サイト、SNSなど複数の「URL」をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、より包括的に且つ最新の当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答とすることができる。例えばSNSのみで告知したキャンペーンなども返答に反映しうる。
・設定情報のうち「キーワード」の指定をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、返答文内に必ずキーワードを使用した返答とすることができる。
・設定情報のうち「返答文字数」の指定をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、返答文字の長さ(短め、普通、長め)を指定した返答とすることができる。
【0037】
S5:投稿返答サーバ20は、LMM30に作成したプロンプトを送信する。
【0038】
S6:投稿返答サーバ20は、LMM30から返答文(回答文)を受信する。
図8は、本実施形態に係る返答文(回答文)の一例を示す図である。
図8に示されるように本実施形態に係る返答文(回答文)は、
図7のプロンプト(指示文)に従って生成されていることが分かる。
【0039】
S7:投稿返答サーバ20は、店舗設定DBの設定情報「自動返答」がONか否かを判定する。
【0040】
S8:投稿返答サーバ20は、「自動返答」がONの場合、投稿サーバ10に「店舗ID」及び「パスワード」を用いてアクセス・ログインし、当該新規口コミに対する店舗側コメントとしての返答文を投稿する。
【0041】
S9:投稿返答サーバ20は、「自動返答」がONでない場合には、店舗運営者による返答許可にかかる操作が行われた後、S8へ進み、当該新規口コミに対する店舗側コメントとしての返答文を投稿する。投稿返答サーバ20は店舗運営者に生成された返答文を通知し、店舗運営者は返答文を確認ないし修正の上、返答許可を行うことができる。
【0042】
図9は、本実施形態に係る口コミ投稿画面の一例を示す図である。投稿された口コミ51に対し、当店舗側コメントとしての返答文(店舗からの返信)52が投稿(公開)されていることが分かる。
【0043】
以上、本実施形態に係る投稿返答サーバ20は、投稿サーバ10において投稿者により口コミが投稿されると、LLM30に当該口コミ対する返答文(回答文)を生成させ、生成された返答文を口コミに対するコメントとして、投稿サーバ10に返答文を返答(投稿)する。店舗運営者は、自店舗に対する口コミが投稿された場合、口コミ返答に要する時間や労力の負担を軽減しつつ、投稿者から投稿された各口コミに対して、当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答を行うことが可能である。
【0044】
(補足)
口コミ投稿に対する返答文は、基本的に敬語表現を使用したて返答されるべきであるが、店舗担当者(返答者)のプロフィールに応じた敬語表現、口調表現ないし言葉使いを使用した返答文とすることで、当該店舗の特徴や個性をより反映したオリジナリティのある返答を行うことが可能である。この場合、店舗設定DB(
図4)において、「店舗担当者」に加え、さらに店舗担当者のプロフィール情報として、例えば店舗担当者の性別(男性、女性、又は指定しない)、年齢(20代、30-40代、50代以上)、性格(フレンドリー、真面目、ユーモア・・)といったデータ項目を設ける。そして店舗担当者のプロフィール情報に応じて、LLM30に例えば以下の表現を使用した返答文(回答文)を生成させるようプロンプトを作成することができる(S4)。
【0045】
・性別が男性の場合、男性らしい返答表現、簡潔な返答文章。女性の場合、女性らしい返答表現、丁寧な返答文章。
・年齢(層)が20代の場合、カジュアルな言葉使い、流行語や絵文字の使用、親しみやすい表現。30-40代の場合、丁寧な言葉使い、落ち着いた表現、敬語の使用。50代以上の場合、丁寧で格式ばった言葉使い、落ち着いた表現、敬語の使用、流行語や絵文字の非使用。
・性格がフレンドリーの場合、友人感覚な言葉使い、流行語や絵文字の使用、親しみやすい表現。真面目の場合、丁寧で格式ばった言葉使い、敬語の使用。ユーモアの場合、ジョークの使用、流行語や絵文字の使用、親しみやすい表現。
【0046】
また、店舗の特徴に応じた敬語表現、口調表現ないし言葉使いを使用した返答文とすることで、当該店舗の特徴や個性をより反映したオリジナリティのある返答を行うことが可能である。店舗の特徴は、店舗設定DB(
図4)の「店舗特徴」から、又は「URL」に基づいて店舗ウェブサイトから取得されうる。もしくは店舗設定DB(
図4)において、「店舗特徴」に加え、さらに店舗特徴の一つを示すジャンル情報として、例えばカジュアル、高級、庶民的(アットホーム)といったデータ項目を設けてもよい。そしてこのような店舗特徴に応じて、LLM30に例えば以下の表現を使用した返答文(回答文)を生成させるようプロンプトを作成することができる(S4)。なお店舗特徴の一つに店舗の価格帯情報を用いてもよい。
【0047】
・カジュアルの場合、カジュアルな言葉使い、流行語や絵文字の使用。
・高級の場合、丁寧で格式ばった言葉使い、落ち着いた表現、敬語の使用、流行語や絵文字の非使用。
・庶民的の場合、親しみやすい表現、方言の使用、友人感覚な言葉使い。
【0048】
またもしくは、店舗設定DB(
図4)において、「店舗特徴」に加え、さらに店舗特徴の一つを示すコンセプト情報として、例えば高級感、接待に最適、自宅のようにくつろげる店、健康志向の店、といったデータ項目を設けてもよい。そしてのような店舗特徴に応じて、LLM30に例えば以下の表現を使用した返答文(回答文)を生成させるようプロンプトを作成することができる(S4)。
【0049】
・高級感や接待に最適の場合、丁寧で格式ばった言葉使い、落ち着いた表現、敬語の使用、流行語や絵文字の非使用。
・庶民的の場合、親しみやすい表現、方言の使用、友人感覚な言葉使い。
・自宅のようにくつろげる店の場合、カジュアルな言葉使い、流行語や絵文字の使用、親しみやすい表現。
【0050】
以下の実施形態についても言及する。
・投稿返答サーバ20は、S2で取得した新規口コミ情報に対し、S4のプロンプト(指示文)を作成するに際し、言語解析処理及び感情分析処理を行うことができる。感情分類結果は、例えばポジティブ、ニュートラル、ネガティブの他、さらに細かくはお褒め、苦情、感想、質問、要望などに分類される。そして投稿返答サーバ20は、LLM30へのプロンプト(指示文)に、感情分類結果に応じた返答文(回答文)を生成するよう指示作成する。より具体的に、感情分類結果が例えばポジティブ、お褒めであれば、口コミに感謝(謝意)を示す返答文、ネガティブ、苦情であれば口コミにお詫びおよび改善提案した返答文、質問であれば口コミの質問に回答した返答文、要望であれば口コミに善処提案した返答文を生成するような指示作成する。
【0051】
・店舗設定DBの設定情報「店舗特徴」又は「URL」の少なくとも何れか一つであってもよい。設定情報のうち少なくとも「店舗特徴」又は「URL」の何れか一をプロンプトに含めることで、新規口コミ対する返答文(回答文)において、当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答とすることができる。
【0052】
・基本的に返答文は新規口コミと同一言語で返答されることが望ましいが、外国語対応として、「英語で返答文を作成してください。」「新規口コミと同一言語、並びに、英語で返答文を作成してください。」といったように、プロンプトにおいて、返答文を生成する言語を指示してもよい。
【0053】
・投稿者が過去を含め複数回の投稿を行ったことのあるリピーターである場合(過去に同一投稿者による投稿履歴がある場合)、プロンプトにおいて、初回投稿者とは異なる特別な返答文(例えば「いつも口コミをありがとうございます」「いつも貴重なご意見をありがとうございます」)を生成する指示してもよい。
【0054】
<変形例>
上述したように、店舗ウェブサイトの「URL(Uniform Resource Locator)」をプロンプトに含めることで(
図7)、店舗特徴を示す情報(店舗特徴を示す店舗紹介文等)をURL先のウェブサイトから取得可能とする実施形態について説明したが、本変形例に係る投稿返答サーバ20は、店舗特徴を示す情報(店舗特徴を示す店舗紹介文等)を、URL先のウェブサイト(ウェブ媒体)から店舗特徴を示すコンテンツ情報として予め取得しておく実施形態について説明する。
【0055】
ここで、URL先のウェブサイトにおいて、その店舗特徴を示すコンテンツ情報は、テキスト情報(店舗特徴を示す店舗紹介文等)だけではなく、他にも例えば、画像情報(店舗特徴を示す紹介画像(写真)等)、動画情報(店舗特徴を示す紹介動画等)、音声情報(店舗特徴を示す紹介音声等)といったように、様々な異なる表現形態・異なるデータ形式によるコンテンツが存在し得る。
【0056】
よって投稿返答サーバ20は、別途予めURL先のウェブサイトから店舗特徴を示すコンテンツ情報(テキスト、画像、動画、音声等)を異なる表現形態・異なるデータ形式を含めて抜き出して取得しておき、店舗設定DBに保存しておく。そして、投稿返答サーバ20は、取得した新規口コミ情報と設定情報とに加え、別途予めURL先のウェブサイトから取得した店舗特徴を示すコンテンツ情報(店舗紹介文、紹介画像、紹介動画、紹介音声等)に基づいて、LLM30に新規口コミ対する返答文(回答文)を生成させるためのプロンプト(指示文)を作成する(
図5のS4に対応)。
【0057】
図10は、本変形例に係る店舗設定DBのデータ構成例を示す図である。
図4と比べると、
図10に示す店舗設定DBにおいては、「URL1」先のウェブサイトから予め取得された「URL1取得データ(テキスト)」、「URL1取得データ(画像)」、「URL1取得データ(動画/音声)」などのコンテンツ情報が、各々のデータ形式ごとに保存されていることが分かる。また同様に、「URL2」先のウェブサイトから予め取得された「URL2取得データ(テキスト)」、「URL2取得データ(画像)」、「URL2取得データ(動画/音声)」などのコンテンツ情報が、各々のデータ形式ごとに保存されてよい(非図示)。
【0058】
図11は、本変形例に係るプロンプト(その1)の一例を示す図である。
図7に示すプロンプトと比べると「また店舗特徴は、店舗ウェブサイト1 「https://・・・」、店舗ウェブサイト2「https://・・・」も参照してください。」の指示文部分に代えて、
図11に示すプロンプトにおいては、「また店舗特徴は、店舗ウェブサイト1に記載されていたコンテンツ情報「スタッフAからのお知らせ だいぶ寒さも本格的になってきましたね。毎年当店は店内をクリスマスの雰囲気一色にして、お客様と一緒に・・・」も参照してください。」との指示文に変更されていることが分かる。当該指示文部分は、予め「URL1」から取得された「20241001_1.txt」に対応するテキストのコンテンツ情報である。
【0059】
図12は、本変形例に係るプロンプト(その2)の一例を示す図である。
図11に示すプロンプトと比べると、
図12に示すプロンプトにおいては、「また店舗特徴は、店舗ウェブサイト1に記載されていたコンテンツ情報のデータファイル「20241001_1.txt」も参照してください。」との指示文に変更されていることが分かる。つまり投稿返答サーバ20は、予め「URL1」から取得された「20241001_1.txt」をプロンプトにデータファイルとして添付ないし送信する。
【0060】
図13は、本変形例に係るプロンプト(その3)の一例を示す図である。
図11に示すプロンプトと比べると「また店舗特徴は、店舗ウェブサイト1に記載されている情報「スタッフAからのお知らせ だいぶ寒さも本格的になってきましたね。毎年当店は店内をクリスマスの雰囲気一色にして、お客様と一緒に・・・」も参照してください。」の指示文部分に代えて、
図13に示すプロンプトにおいては、「また店舗特徴は、店舗ウェブサイト1に記載されていたコンテンツ情報が「https://・・・/?ID= ID0001&source1=20241001_1.txt&source2=20241001_1.jpg&source3=20241001_1.mp4・・・」にありますので、アクセスしてそちらも参照してください。・・」も参照してください。」との指示文に変更されていることが分かる。当該指示文部分は、予め「URL1」から取得されたテキスト「20241001_1.txt」、画像「20241001_1.jpg」、動画「20241001_1.mp4」のコンテンツ情報が記憶された記憶装置先(例えば投稿返答サーバ20の店舗設定DB)のアドレスないしコンテンツデータのファイル名である。
【0061】
以上、本変形例にかかる店舗特徴を示すコンテンツ情報によれば、「URL」をプロンプトに含めた場合と同様に、LLM30に当該店舗の特徴や個性をより反映したオリジナリティのある返答文を生成させることが可能である。
【0062】
なお、URL先のウェブサイトにおいて、その店舗特徴を示すコンテンツ情報は、様々な異なる表現形態・異なるデータ形式によるものが存在し得るため、URL先のウェブサイトから抜き出し可能なデータであればよく、上述のテキスト情報、画像情報、動画情報、音声情報といったデータ形式やファイル形式(拡張子)のみに限定されないことはいうまでもない。例えば、xml、json、doc、ppt、xlsx、pdf、SQL文などが例示列挙されうる。
【0063】
また、URL先のウェブサイトから予め収集されたコンテンツ情報が記憶される記憶装置、記憶媒体は、データベース、サーバ、クラウドストレージなどいずれであってもよく、LLM30がプロンプト内に指定されたURL等の位置情報を指定した場合に、LLM30がコンテンツ情報にアクセスし取得可能な記憶装置、記憶媒体であればよい(
図10)。取得方式・通信方式、通信規格は問わない。
【0064】
本変形例において、URL先のウェブサイト(ウェブ媒体)から店舗特徴を示すコンテンツ情報として予め取得しておくタイミングは、投稿返答サーバ20が少なくともプロンプト(指示文)を作成するタイミング(
図5のS4に対応)よりも前であればよい。
【0065】
また、コンテンツ情報のうち、動画情報については、投稿返答サーバ20が画像認識処理を実行し、動画中において店舗特徴を示す画像を抽出してから、画像を当該店舗設定DBの「URL1取得データ(動画/音声)」ないし「URL1取得データ(画像)」に保存されてもよい。また、コンテンツ情報のうち、動画コンテンツ又は音声コンテンツについては、投稿返答サーバ20が音声部分について音声認識処理を実行し、文字起こし即ちテキスト変換されて、店舗設定DBの「URL1取得データ(動画/音声)」ないし「URL1取得データ(テキスト)」にテキスト形式(txt)で保存されてもよい。LLM30が直接動画又は音声を処理しないようにすることで、LLM30側の情報処理性を向上させ、その結果として、LLM30による返答文(回答文)の品質を向上させることができる。
【0066】
<総括>
本実施形態に係る投稿返答システム100において、投稿返答サーバ20は、投稿サーバ10において投稿者により口コミが投稿されると、LLM30に当該口コミ対する返答文(回答文)を生成させ、生成された返答文を口コミに対するコメントとして、投稿サーバ10に返答文を返答(投稿)する。店舗運営者は、自店舗に対する口コミが投稿された場合、口コミ返答に要する時間や労力の負担を軽減しつつ、投稿者から投稿された各口コミに対して、当該店舗の特徴や個性を反映したオリジナリティのある返答を行うことが可能である。即ち本実施形態によれば、店舗に寄せられた投稿文に対し当該店舗ごとに即した返答を行う投稿返答装置を提供することが可能である。
【0067】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0068】
飲食店のみならず、例えば各種施設やサービスに対する口コミ、ネットショッピングサイトにおける店舗に対する口コミ、さらに商品・サービスごとのレビューなど、投稿者からの投稿に対し店舗側が返答投稿を可能なシステムに広く適用可能である。また口コミやレビューは、VOC(Voice of Customer)と呼ぶこともできる。
【符号の説明】
【0069】
10 投稿サーバ
20 投稿返答サーバ
30 LLM(大規模言語モデル)
40 店舗端末
50 投稿者端末
60 ネットワーク
100 投稿返答システム
201 投稿文取得部
202 指示文作成部
203 指示文送信部
204 返答文受信部
205 返答文投稿部
209 記憶部
【要約】
【課題】店舗に寄せられた投稿文に対し当該店舗ごとに即した返答を行う投稿返答装置を提供する。
【解決手段】投稿対象に対して投稿された投稿文に返答する投稿返答装置であって、投稿対象に対して投稿された投稿文に返答する投稿返答装置であって、前記投稿文を取得する投稿文取得手段と、ウェブ媒体から、前記投稿対象の特徴を示すコンテンツ情報を取得する取得手段と、言語モデルに、前記コンテンツ情報を含む前記投稿対象に関する情報に基づいて前記投稿文に対する返答文を生成させるための指示文を作成する指示文作成手段と、前記言語モデルに、前記指示文を送信する指示文送信手段と、前記言語モデルから、前記指示文に応じた返答文を受信する返答文受信手段と、前記投稿文に対する前記返答文を投稿する返答文投稿手段と、を有する。
【選択図】
図10