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特許7736958システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-01
(45)【発行日】2025-09-09
(54)【発明の名称】システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20250902BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20250902BHJP
【FI】
G06K19/06 103
G06K19/06 112
G06Q20/32 330
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2025045373
(22)【出願日】2025-03-19
【審査請求日】2025-03-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東海林 勝進
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特許第7372493(JP,B1)
【文献】特許第6542455(JP,B1)
【文献】特許第7136978(JP,B1)
【文献】特開2007-304574(JP,A)
【文献】特開2006-302050(JP,A)
【文献】特表2014-526109(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061232(WO,A1)
【文献】特表2018-500793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
G06Q 20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済サービスを提供する決済サーバと、前記決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって前記決済サービスの提供に利用されるアプリケーションを実行する前記端末装置とを含むシステムであって、
前記決済サーバは、
前記アプリケーションからの要求に応じてワンタイムコードを生成するコード生成部を有し、
前記端末装置は、
前記アプリケーションに対する操作に従って設定された設定画像を取得する取得部と、
前記要求に応じて、前記コード生成部で生成された前記ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する画像生成部と、
前記装飾コード画像を前記アプリケーション上に表示する制御を行う表示制御部と
を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記装飾コード画像は、前記変更された2次元コード画像が前記設定画像上に重ねて配置された画像であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記端末装置に対する操作に応じて取得した画像を保持しており、
前記取得部は、前記端末装置が保持している前記画像の中から選択された画像を前記設定画像として取得し、
前記画像生成部は、前記選択された前記画像に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記決済サーバは、前記設定画像として設定可能な画像を保持しており、
前記取得部は、前記決済サーバが保持している前記画像の中から選択された画像を前記設定画像として取得し、
前記画像生成部は、前記選択された前記画像に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像は、前記設定画像の中央に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記設定画像は、オブジェクトを有し、
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像は、前記オブジェクトと重なるように配置されることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記取得部は、前記設定画像に対する前記変更された2次元コード画像の位置を示す位置情報をさらに取得し、
前記画像生成部は、前記変更された2次元コード画像が前記設定画像上にあり、かつ、前記位置情報が示す位置に配置された画像である装飾コード画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記位置情報は、前記アプリケーションに対する操作により設定可能であることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記位置情報は、予め設定された情報であり、
前記取得部は、前記予め設定された前記位置情報の中から選択された前記位置情報を取得し、
前記画像生成部は、前記選択された前記位置情報に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像のコードパターンの形状は、前記設定画像のオブジェクトの特性に応じた形状であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像の外周には、前記設定画像のオブジェクトに関する装飾が施されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記画像生成部は、学習済みのAIモデルであるDiffusion Modelを用いて前記生成を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記装飾コード画像は、前記決済サービスにおいて利用されるコード画像であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記一部の領域は、前記2次元コード画像のうちの2/9以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
決済サービスを提供する決済サーバと、前記決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する前記端末装置とを含むシステムであって、
前記決済サーバは、
前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する第1取得部と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報を符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する生成部と、
を有し、
前記端末装置は、前記決済サーバから送信される前記装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御部を有することを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記装飾コード画像は、前記変更された2次元コード画像が前記設定画像上に重ねて配置された画像であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記端末装置は、予め用意された画像を保持しており、
前記第1取得部は、前記端末装置が保持している前記画像の中から選択された画像を前記設定画像として取得し、
前記生成部は、前記選択された前記画像に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記決済サーバは、前記設定画像として設定可能な画像を保持しており、
前記第1取得部は、前記決済サーバが保持している前記画像の中から選択された画像を前記設定画像として取得し、
前記生成部は、前記選択された前記画像に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像は、前記設定画像の中央に配置されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記設定画像は、オブジェクトを有し、
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像は、前記オブジェクトと重なるように配置されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1取得部は、前記設定画像に対する前記変更された2次元コード画像の位置を示す位置情報をさらに取得し、
前記生成部は、前記変更された2次元コード画像が前記設定画像上にあり、かつ、前記位置情報が示す位置に配置された画像である装飾コード画像を生成することを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記位置情報は、前記端末装置に対する操作により設定可能であることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記位置情報は、予め設定された情報であり、
前記第1取得部は、前記予め設定された前記位置情報の中から選択された前記位置情報を取得し、
前記生成部は、前記選択された前記位置情報に基づいて前記生成を行うことを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像のコードパターンの形状は、前記設定画像のオブジェクトの特性に応じた形状であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記装飾コード画像における前記変更された2次元コード画像の外周には、前記設定画像のオブジェクトに関する装飾が施されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記生成部は、学習済みのAIモデルであるDiffusion Modelを用いて前記生成を行うことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
前記装飾コード画像は、前記決済サービスにおいて利用されるコード画像であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項28】
前記一部の領域は、前記2次元コード画像のうちの2/9以上の領域であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項29】
決済サービスを提供する決済サーバと通信可能に接続された端末装置が実行するアプリケーションであって前記決済サービスの提供に利用される前記アプリケーションのプログラムであって、
前記端末装置を、
前記アプリケーションからの要求に応じて前記決済サーバで生成されたワンタイムコードを取得する第1取得部と、
前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する第2取得部と、
前記ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する生成部と、
前記装飾コード画像を前記アプリケーション上に表示する制御を行う表示制御部と
して機能させるプログラム。
【請求項30】
決済サービスを提供し、かつ、店舗の店員が利用する端末装置と通信可能に接続された決済サーバであって、
前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する第1取得部と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報を符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する生成部と、
前記装飾コード画像を前記端末装置に送信する送信部と
を有することを特徴とする決済サーバ。
【請求項31】
決済サービスを提供する決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって前記決済サービスの提供に利用されるアプリケーションを実行する前記端末装置の制御方法であって、
前記アプリケーションからの要求に応じて前記決済サーバで生成されたワンタイムコードを取得する第1取得工程と、
前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する第2取得工程と、
前記ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する生成工程と、
前記装飾コード画像を前記アプリケーション上に表示する制御を行う表示制御工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項32】
決済サービスを提供し、かつ、店舗の店員が利用する端末装置と通信可能に接続された決済サーバの制御方法であって、
前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する第1取得工程と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得工程と、
前記識別情報を符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する生成工程と、
前記装飾コード画像を前記端末装置に送信する送信工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項33】
決済サービスを提供する決済サーバと、店舗での決済における前記決済サービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ端末とを含むシステムにおける前記決済サービスに利用される装飾コード画像が印刷された印刷物であって、
前記店舗を識別するための識別情報が符号化された2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記店舗の店舗端末に対する操作に従って設定された設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である前記装飾コード画像が印刷された印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、興趣性の観点から、画像に装飾を施す技術が知られている。特許文献1には、1次元コード画像の周辺に、ユーザにより選択されたデザインの画像を表示することで、当該1次元コード画像の周辺をあしらう方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020―170442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザ装置を利用するユーザまたは店舗端末を利用する店舗の店員の興趣性を向上させることができる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るシステムは、決済サービスを提供する決済サーバと、前記決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって前記決済サービスの提供に利用されるアプリケーションを実行する前記端末装置とを含むシステムであって、前記決済サーバは、前記アプリケーションからの要求に応じてワンタイムコードを生成するコード生成部を有し、前記端末装置は、前記端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する取得部と、前記要求に応じて前記コード生成部で生成された前記ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像であって前記2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が前記設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する画像生成部と、前記装飾コード画像を前記アプリケーション上に表示する制御を行う表示制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザ装置を利用するユーザまたは店舗端末を利用する店舗の店員の興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】システムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。
図2】決済アプリケーション上に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
図3】決済アプリケーション上に表示される画面であってコード画像を表示する表示画面の一例を示す図である。
図4】決済アプリケーション上に表示される画面の一例を示す図である。
図5】装飾コード画像と、ユーザ設定画像との一例を示す図である。
図6】装飾コード画像と、ユーザ設定画像との一例を示す図である。
図7】システムの構成の一例を示す図である。
図8】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9】ユーザ端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図10】決済サーバの機能の構成の一例を示す図である。
図11】ユーザDBおよび店舗DBのそれぞれに保存されている情報の一例を示す図である。
図12】ユーザ端末、決済サーバ、および店舗端末の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13】ユーザ端末の処理の一例を示すフローチャートである。
図14】システムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。
図15】管理画面のホーム画面の一例を示す図である。
図16】設定項目表示画面の一例を示す図である。
図17】2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。
図18】2次元コード画像の表示画面の一例を示す図である。
図19】店舗端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図20】決済サーバの機能の構成の一例を示す図である。
図21】ユーザ端末、決済サーバ、および店舗端末の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図22】店舗端末の処理の一例を示すフローチャートである。
図23】決済サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示に係るシステム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物の好適な実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本開示に係るシステム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
近年、高い利便性からユーザが利用する端末装置を用いた決済が普及しつつある。例えば、端末装置に表示したコード画像を店舗端末で読み取ることで決済を行ったり、店舗に配置されたコード画像をユーザ端末で読み取ることで決済を行ったりすることができる。決済の際に用いられるコード画像の種類として、1次元コード画像および2次元コード画像などが挙げられる。また、興趣性の観点から、このようなコード画像について装飾を施す技術が知られている。
【0010】
例えば、1次元コード画像の周辺に、ユーザにより選択されたデザインの画像を表示することで、当該1次元コード画像の周辺をあしらう方法が知られている。しかしながら、コード画像自体に装飾を施すことは、コード画像の可読性の観点から困難な場合があるため、コード画像に装飾したいというユーザまたは店舗の店員のニーズに対応することが難しいことがある。QR(Quick Response)コード(登録商標)などの2次元コード画像については、歪みまたは破損などに起因する欠陥がコード画像に生じてもその可読性を確保することができるため、コード画像に装飾を施すことが困難ではないことが想定される。
【0011】
ところで、人の手ではなく、画像生成AIにより画像を生成する技術が知られている。例えば、テキストを入力することで、入力されたテキストが示す要素を含む画像を出力可能な学習済みのAIモデル(例えば、Diffusion Model)が存在する。具体的には、テキストとして「猫」および「少女」を入力すると、学習済みのAIモデルは、少女が猫を抱いている光景を描写した画像を生成し、出力することができる。このように、学習済みのAIモデルに対してテキストを入力することでユーザの所望するデザインの画像を出力するシステムは、安定拡散(Stable Diffusion)と呼ばれる。
【0012】
また、このようなシステムは、テキストに限らず、画像の入力に応じてユーザの所望するデザインの画像を出力することができる。例えば、このようなデザイン画像を取得する手法として、ControlNetが知られている。ControlNetは、ある画像内の線形、深度、輪郭、およびランドマーク(例えば、骨格の構造)などの画像構成の特徴量を付加条件として、所望のデザインの画像を推論する手法である。一例として、ControlNetを用いることにより、ユーザが撮影により取得した写真の特徴量を付加条件として、当該写真の被写体をモチーフとした新たなデザイン画像を推論することができる。さらに、ControlNetを用いて、任意の文字列をコード化した2次元コード画像についても、ある画像の被写体をモチーフとした新たなデザイン画像を出力する研究も進んでいる。
【0013】
本開示は、決済に用いられる2次元コード画像に安定拡散を応用して、当該コード画像を装飾することで、決済用の2次元コード画像に装飾したいというユーザまたは店舗の店員のニーズに対応することができる。これにより、ユーザ装置を利用するユーザまたは店舗端末を利用する店舗の店員の興趣性を向上させることができる。なお、以降に説明する実施形態において、1次元コード画像および2次元コード画像を区別する必要がない場合、まとめてコード画像と称する。
【0014】
<<第1の実施形態>>
図1は、本実施形態におけるシステムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。本システム100は、ユーザ端末101、決済サーバ102、および店舗端末103を有する。
【0015】
(ユーザ端末について)
ユーザ端末101は、後述する決済サービスを利用するユーザが有する端末装置である。ユーザ端末101には、決済サービスを利用するためのアプリケーション(以降、決済アプリケーションと称する)がインストールされている。ユーザ端末101が決済アプリケーションを実行することで、ユーザ端末101を利用するユーザに決済サービスを提供することができる。本開示におけるユーザ端末101は、スマートフォンであることを例に挙げて説明する。なお、ユーザ端末101は、ノートPC、タブレット端末、または決済アプリケーションを実行可能な情報処理装置であってもよい。
【0016】
決済サービスとは、決済を行うユーザの口座から店舗の口座に支払額に相当する電子マネーを移行する決済処理を行うサービスである。なお、決済サービスには、送金元のユーザである第1ユーザが有する第1口座から送金先のユーザである第2ユーザが有する第2口座に電子マネーを移行する送金処理を行う送金サービスが含まれる。
【0017】
決済アプリケーションは、決済の際に用いられるコード画像を表示したり、決済サービスに関連するサービスなどを提供したりする機能を有する。また、決済アプリケーションは、後述するワンタイムコードおよび画像に基づいて2次元コード画像を生成する画像生成システムを有する。コード画像とは、文字列などの情報を符号化(1次元コード化または2次元コード化)して生成された画像をいう。画像生成システムとは、例えば、学習データとして大量の既存の画像により学習した学習済みAIモデルである。なお、決済アプリケーションは、画像生成システムを有さなくてもよい。すなわち、決済アプリケーションは、ユーザ端末101において決済アプリケーションとは別個に備わる画像生成システムを利用する形態であってもよい。
【0018】
このような学習済みAIモデルは、指示の内容(以降、プロンプトと称する)の入力を受け付けると、プロンプトが示す装飾の要素を含む画像を生成することができる。学習済みAIモデルは、例えば、プロンプトとして「雨」および「犬」と、ワンタイムコードとの入力を受け付けた場合、雨が降っている中佇んでいる犬を装飾の要素として組み込んだ画像であってワンタイムコードを符号化した2次元コード画像を出力することができる。
【0019】
また、学習済みAIモデルは、複数のビルが立ち並ぶ風景を撮影した写真と、ワンタイムコードとの入力を受け付けると、当該ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像を、当該写真で装飾した画像(例えば、2次元コード画像を写真に合成したような画像)を出力することができる。
【0020】
(決済サーバについて)
決済サーバ102は、ユーザ端末101からの要求に応じてワンタイムコードを生成したり、後述する店舗端末103からの要求に応じて決済処理を行ったりする。ワンタイムコードとは、有効期限が設定されたコードであって決済アプリケーションからの要求に応じて決済サーバ102で生成されるコードである。また、生成されたワンタイムコードは、決済サーバ102に登録されているユーザIDと紐づけられ、決済サーバ102で管理される。そして、ワンタイムコードの有効期限が経過すると、決済アプリケーションは、新たなワンタイムコードの生成を決済サーバ102に要求することができる。
【0021】
(店舗端末について)
本実施形態における店舗端末103は、店舗の店員が利用する端末装置である。店舗端末103は、例えばユーザ端末101の決済アプリケーション上に表示されたコード画像をスキャンすることで、決済サーバ102に対して決済処理を要求する。具体的には、店舗端末103は、コード画像をスキャンして得られたワンタイムコード、並びに店舗IDおよび支払額などをPOS(Point Of Sales)システムを介して決済サーバ102に送信する。そして、決済サーバ102は、ワンタイムコードが紐づいたユーザIDに対応するユーザの口座から、店舗IDに対応する店舗の口座に、支払額に相当する電子マネーを移行させることにより、決済処理を行う。ここで、決済処理および送金処理の詳細について説明する。
【0022】
(決済処理について)
決済処理を実行するために以下の2つの手順がある。具体的には、ストアスキャン手順と、ユーザスキャン手順である。それぞれの手順について説明する。
【0023】
[ストアスキャン手順]
ユーザは、ユーザ端末101の決済アプリケーション上に表示されたコード画像を店舗の店員に提示する。そして、店舗の店員がユーザ端末101の決済アプリケーション上に表示されたコード画像を店舗端末103でスキャンすることで、店舗端末103が上述のような要求を決済サーバ102に行う。その後、決済サーバ102で決済処理が行われる。すなわち、ストアスキャン手順による決済は、ワンタイムコードを用いた決済である。なお、本実施形態における決済は、ストアスキャン手順により行われることを例に挙げて説明する。
【0024】
[ユーザスキャン手順]
店舗の店員は、当該店舗を識別するための店舗情報などが埋め込まれたコード画像が印刷された印刷物を店舗に配置する。ユーザは、ユーザ端末101の決済アプリケーションのスキャン機能により、店舗に配置された印刷物からコード画像を読み取る。そして、ユーザが支払額を入力した後、ユーザ端末101は、ユーザID、取得した店舗情報、および支払額などを決済サーバ102に送信する。その後、決済サーバ102で決済処理が行われる。すなわち、ユーザスキャン手順による決済は、ワンタイムコードを用いない決済である。
【0025】
(送金処理について)
送金元のユーザである第1ユーザが、第1ユーザが利用する第1ユーザ端末の決済アプリケーションのスキャン機能により、送金先のユーザである第2ユーザが利用する第2ユーザ端末に表示されているコード画像を読み取る。なお、第2ユーザ端末に表示されているコード画像には、第2ユーザのアカウントに紐づいた第2ユーザの識別情報が埋め込まれている。そして、第1ユーザが送金額を入力して、第1ユーザ端末は、取得した第2ユーザの識別情報および送金額を決済サーバ102に送信する。その後、決済サーバ102で送金処理が行われる。
【0026】
(各装置で実行される処理)
図1から図6を参照して、決済サービスにおいて、ワンタイムコードを符号化した2次元コード画像を、ユーザにより設定された画像で装飾した画像(以降、装飾コード画像と称する)をユーザ端末101で表示した後に、決済サーバ102で決済処理を行うまでの流れについて説明する。
【0027】
S1において、ユーザ端末101は、決済サーバ102に対してワンタイムコードの要求を行う。ワンタイムコードの要求を行う契機となるユーザによる決済アプリケーションに対する操作について説明する。
【0028】
図2は、決済アプリケーションが起動した後に、決済アプリケーション上に表示されるホーム画面の一例を示す図である。図2に示すホーム画面200は、コード画像表示領域210、決済・送金機能表示領域220、アイコン表示領域230、および残高表示領域240を有する。また、ホーム画面200には、ホームボタン251、支払うボタン252、およびアカウントボタン253が設けられている。
【0029】
コード画像表示領域210には、1次元コード画像および2次元コード画像が表示されている。決済・送金機能表示領域220には、「スキャン」ボタン、「送る」ボタン、および「チャージ」ボタンが表示されている。決済・送金機能表示領域220に表示されている各ボタンは、決済サービスを利用する際に使用される。
【0030】
アイコン表示領域230には、アプリケーションで提供可能なサービスに対応するアイコンが表示されている。残高表示領域240には、電子マネーの残高および決済サービスにおいて利用可能なポイントの残高が表示されている。
【0031】
ホームボタン251は、ホーム画面200に遷移することを受け付けるボタンである。支払うボタン252は、後述する表示画面に遷移することを受け付けるボタンである。アカウントボタン253は、後述するユーザアカウント画面に遷移することを受け付けるボタンである。
【0032】
ユーザが支払うボタン252を押下すると、図3に示す表示画面が表示される。図3は、決済アプリケーション上に表示される画面であってコード画像を表示する表示画面の一例を示す図である。すなわち、支払うボタン252が押下されると、決済アプリケーションは、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行う。
【0033】
図3に示す表示画面300は、ストアスキャン手順で決済を行うための画面である。表示画面300は、コード画像表示領域310および残高表示領域320を有する。コード画像表示領域310には、1次元コード画像と、装飾コード画像311と、更新期限312とが表示されている。装飾コード画像311は、複数のビルが立ち並ぶ風景を撮影した写真に、ワンタイムコードを2次元コード化した2次元コード画像を合成したような画像を示す。
【0034】
更新期限312は、ワンタイムコードの有効期限を示す。更新期限312は、例えば予め設定された有効期限(例えば、5分)が示す時間から始めて1秒ごとにその時間をカウントダウして表示される。そして、更新期限312が0になると、決済アプリケーションは、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行う。ワンタイムコードの要求が行われて、新たにコード画像が表示されると、更新期限312の表示がリセットされる。すなわち、更新期限312は、再び5分から始めて1秒ごとにその時間をカウントダウして表示される。
【0035】
また、コード画像表示領域310には、更新ボタン313が設けられている。ユーザが更新ボタン313を押下することでも、決済アプリケーションは、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行うことができる。
【0036】
表示画面300には、「スキャンして支払う」ボタン330および戻るボタン340が設けられている。「スキャンして支払う」ボタン330は、ユーザスキャン手順で決済を行うための画面(不図示)を表示することを受け付けるボタンである。戻るボタン340は、表示画面300からホーム画面200に遷移することを受け付けるボタンである。
【0037】
なお、S1のワンタイムコードの要求は、支払いボタン252の押下操作などを受け付けた後に行われることを例に説明したが、支払いボタン252の押下操作を受け付ける前にS1の要求が行われてもよい。例えば、ユーザ端末101において決済アプリケーションが起動されたこと、または、決済アプリケーションのトップページが更新されたことにより、S1におけるワンタイムコードの要求が行われてもよい。そして、決済アプリケーションのトップ画面(ホーム画面200)に表示されるコード画像として、装飾コード画像が表示されてもよい。
【0038】
すなわち、S1における契機(ワンタイムコードの要求を行う条件)は、支払うボタン252の押下操作を受け付けたこと、更新期限が0になったこと、更新ボタン313の押下操作を受け付けたこと、決済アプリケーションが起動されたこと、および、決済アプリケーションのトップページが更新されたことのいずれであってもよい。
【0039】
図1に戻り、S2において、決済サーバ102は、S1でのユーザ端末101からの要求に応じてワンタイムコードの生成を行う。また、S2で決済サーバ102は、生成したワンタイムコードをS1での要求元のユーザのユーザIDに紐づけて後述するユーザデータベースに一時的に格納する。
【0040】
S3において、決済サーバ102は、S2で生成したワンタイムコードを、S1での要求元のユーザ端末101に送信する。S4において、ユーザ端末101は、装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S4でユーザ端末101は、決済アプリケーションの画像生成システムにより、図4(b)に示す2次元コード画像設定画面でユーザにより設定された画像と、S3で取得したワンタイムコードとに基づいて、装飾コード画像を生成する。ここで、画像の設定方法について説明する。なお、本例では、画像は予めユーザによって設定されていることを例に挙げて説明するが、ワンタイムコードを受信したことに基づいて図4(b)に示す2次元コード画像設定画面が表示されてもよい。また、予めユーザが画像を設定していない場合には、デフォルトで設定された画像が用いられてもよいし、初回時には、ユーザに設定を勧めるような案内が表示されてもよい。
【0041】
図4(a)は、決済アプリケーション上に表示される画面であってユーザアカウント画面の一例を示す図である。図4(a)に示すユーザアカウント画面400は、決済サーバ102で登録済みのユーザのアカウントに紐づいた画面である。
【0042】
ユーザアカウント画面400には、ユーザのアカウントに対応するユーザ名401が表示されている。また、ユーザアカウント画面400には、音声設定、および文字サイズの変更などの設定項目が表示されている。ユーザアカウント画面400に表示されている2次元コード画像設定402をユーザが押下すると、ユーザアカウント画面400から図4(b)に示す2次元コード画像設定画面に遷移する。
【0043】
図4(b)は、決済アプリケーション上に表示される画面であって2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。図4(b)に示す2次元コード画像設定画面410は、2次元コード画像の装飾のための画像を設定可能な画面である。
【0044】
2次元コード画像設定画面410には、画像設定領域411が表示されている。また、画像設定領域411の右側には、参照ボタンが設けられている。ユーザにより参照ボタンが押下されると、ユーザ端末101のフォルダに保存されている写真などの画像の一覧が表示される。ユーザは、表示された画像の一覧の中から所望の画像を選択することで、2次元コード画像の装飾のための画像を設定することができる。
【0045】
2次元コード画像設定画面410には、OKボタン412、キャンセルボタン413、および戻るボタン414が設けられている。OKボタン412は、2次元コード画像設定画面410で設定した内容を反映することを受け付けるボタンである。OKボタン412が押下されると、2次元コード画像設定画面410で設定した内容がユーザ端末101のRAMまたは記憶装置に格納される。キャンセルボタン413は、2次元コード画像設定画面410で設定した内容を反映しないことを受け付けるボタンである。戻るボタン414は、2次元コード画像設定画面410からユーザアカウント画面400に遷移することを受け付けるボタンである。
【0046】
図1に戻り、S4でユーザ端末101は、決済アプリケーションの画像生成システムにより、S3で受信したワンタイムコードと図4(b)に示す2次元コード画像設定画面で設定された画像とに基づいて、装飾コード画像を生成する。
【0047】
S5において、ユーザ端末101は、S4で生成した装飾コード画像を図3に示すコード画像表示領域310に表示する。装飾コード画像として表示される画像の一例を図5に示す。
【0048】
図5は、コード画像表示領域310に表示される装飾コード画像と、当該装飾コード画像に対応する画像(即ち、当該装飾コード画像の生成の基となる画像)との一例を示す図である。
【0049】
図5(a)は、2次元コード画像を「複数のビル」の写真で装飾した装飾コード画像を示す図である。図5(b)は、図5(a)に示す装飾コード画像500に対応する画像であって、ユーザにより設定された画像(以降、ユーザ設定画像と称する)を示す図である。図5(a)に示す装飾コード画像500は、ユーザ設定画像として「複数のビル」のオブジェクト503を有する写真502が設定された状態で生成された装飾コード画像である。また、装飾コード画像500において、2次元コード画像501が写真502上に配置された状態で埋め込まれている。
【0050】
装飾コード画像500における2次元コード画像501の色は、2次元コード画像501が配置されている領域と重なる領域であって写真502における領域の色(例えば、色相、明度、および彩度)に合う色である。具体的には、装飾コード画像500における2次元コード画像501の画素の画素値は、2次元コード画像501が配置されている領域と重なる領域であって写真502における領域の色に対応する画素の画素値と同一、または当該画像値から所定の閾値以内の画素値である。
【0051】
また、ビルのゴツゴツした質感を表現するために、画像生成システムにより2次元コード画像501のコードパターン(シンボルパターンと表現されることがある)の少なくとも一部の形状が、「複数のビル」のオブジェクト503の特性に応じて変形されてもよい。オブジェクトの特性とは、例えば、オブジェクトの材質、質感、および外観などをいう。例えば、オブジェクトが「川」である場合、オブジェクトの特性として、水、冷たい、さらさら、および水が流れている様子などが挙げられる。この場合、2次元コード画像のコードパターンの少なくとも一部(例えば、コードパターンのブロックのうち一部のブロックの輪郭)の形状が、水面の起伏を表現するように、歪曲した形に変形されてもよい。なお、このような変形が、後述の図5(c)並びに図6(a)および図6(c)についても適用されてもよい。このように、画像生成システムは、単に2次元コード画像とユーザ設定画像とを合成した画像を生成するのではなく、ユーザ設定画像に応じて装飾コード画像を生成することができる。
【0052】
本開示において、2次元コード画像の領域の9分の2(2/9)以上の領域において、上述のような画素値の変更またはコードパターンの形状の変形が行われることを例に挙げて説明する。2次元コードは、符号化レベルにも依るが、当該2次元コードの領域のうち所定の範囲以上にロゴなどの別の画像が重畳されると誤り訂正で訂正できない状態になることがある。本開示における2次元コード画像は、当該2次元コード画像の領域のうち約1/9の領域にロゴ画像などがそのまま重畳されると誤り訂正で訂正できないことを例に挙げて説明する。本開示における2次元コード画像は、仮にロゴ画像などを当該2次元コード画像に重畳させた場合に読み取ることができない領域以上の当該2次元コードの領域が、ユーザ設定画像に基づいてその画素値の変更またはそのコードパターンの形状の変形がなされている。例えば、装飾コード画像の領域のうち、2次元コード画像が配置されている領域の2/9以上の領域の画素値がユーザ設定画像の画素の画像値に合う色となる。なお、上述のような画素値の変更またはコードパターンの形状の変形が行われる範囲は、2次元コード画像の領域のうち2/9未満の領域であってもよい。また、本開示における2次元コード画像は、当該2次元コード画像の領域のうち約1/9の領域にロゴ画像などがそのまま重畳されても、誤り訂正で訂正できてもよい。さらに、本開示において、装飾コード画像における2次元コード画像は、ユーザ設定画像の中央に配置されることを例に挙げて説明する。
【0053】
図5(c)は、2次元コード画像を「冬山」の写真で装飾した装飾コード画像510を示す図である。図5(d)は、図5(c)に示す装飾コード画像510に対応するユーザ設定画像を示す図である。
【0054】
図5(b)に示す装飾コード画像510は、ユーザ設定画像として「冬山」のオブジェクト513を有する写真512が設定された状態で生成された装飾コード画像である。また、装飾コード画像510において、2次元コード画像511が写真512上に配置された状態で埋め込まれている。
【0055】
装飾コード画像510を見ると、装飾コード画像500の2次元コード画像501と比較して、2次元コード画像511においてコードパターンのうち黒色で表現すべく部分の色が「冬山」の色に合うように薄い色になっている。
【0056】
図5(b)および図5(d)に示すユーザ設定画像は一例であって、写真でなくてもよい。例えば、ユーザ設定画像は、絵画、イラスト、または抽象的な模様で表現した画像であってもよい。
【0057】
図6は、コード画像表示領域310に表示される装飾コード画像と、当該装飾コード画像に対応するユーザ設定画像との一例を示す図である。図6に示すユーザ設定画像は、写真ではなく、イラストであることを例に挙げて説明する。
【0058】
図6(a)は、2次元コード画像を「果物」のイラストで装飾した装飾コード画像600を示す図である。図6(b)は、図6(a)に示す装飾コード画像600に対応するユーザ設定画像を示す図である。
【0059】
図6(a)に示す装飾コード画像600は、ユーザ設定画像として「果物」のオブジェクト603を有するイラスト602が設定された状態で生成された装飾コード画像である。また、装飾コード画像600において、2次元コード画像601がイラスト602上に配置された状態で埋め込まれている。
【0060】
装飾コード画像600を見ると、2次元コード画像601においてコードパターンのうち白色で表現すべき部分の色が「果物」のオブジェクト603の色になっている。このように、画像生成システムは、「果物」のオブジェクト603と2次元コード画像601と一体感を強めた結果として装飾コード画像600を生成することができる。
【0061】
図6(c)は、2次元コード画像を「複数の木」のイラストで装飾した装飾コード画像610を示す図である。図6(d)は、図6(c)に示す装飾コード画像610に対応するユーザ設定画像を示す図である。図6(c)に示す装飾コード画像610は、ユーザ設定画像として「複数の木」のオブジェクト614を有するイラスト613が設定された状態で生成された装飾コード画像である。また、装飾コード画像610において、2次元コード画像611がイラスト613上に配置された状態で埋め込まれている。
【0062】
装飾コード画像610を見ると、2次元コード画像611の外周に、木の材質で表現された枠612が装飾されている。すなわち、「複数の木」のオブジェクト614に関連した装飾が施されている。例えば、オブジェクトが「複数の宝石」である場合、オブジェクトに関連した装飾として、2次元コード画像の外周に、「複数の宝石」を収容する箱の開口部の縁をかたどった枠が装飾される。
【0063】
ここで、図5および図6に示す装飾コード画像において、2次元コード画像は、ユーザ設定画像上であり、かつ、ユーザ設定画像の中央に配置されることを例に挙げて説明したが、2次元コード画像が配置される位置はこれに限定されない。例えば、2次元コード画像は、装飾コード画像においてユーザ設定画像上であれば、いずれの位置に配置されてもよい。また、2次元コード画像は、装飾コード画像において、ユーザ設定画像のオブジェクトと重なる位置に配置されてもよいし、当該オブジェクトと重ならない位置に配置されてもよい。
【0064】
このように、画像生成システムは、ユーザ設定画像に応じて装飾コード画像を生成することができる。なお、2次元コード画像の色は、白色、黒色、およびグレーなどの無彩色に限らず、有彩色であってもよい。また、2次元コード画像のコードパターンの色も、白色および黒色に限らず、グレーまたは有彩色であってもよい。
【0065】
前述したように、画像形成システムは、安定拡散を用いた2次元コード画像の生成を行う。このため、ワンタイムコードに基づく2次元コード画像の可読性を損なわずに、ユーザ設定画像を加味した装飾コード画像を生成することができる。2次元コードは、汚れまたはノイズなどの耐性が高い形式のコードとして知られている。一見すると、コード(コードパターン)が損なわれているように見えていても、安定拡散での画像生成により、コードの可読性が維持された状態の画像が生成されることになる。
【0066】
図1に戻り、S6において、店舗の店員は、店舗端末103により、ユーザ端末101の決済アプリケーション上に表示された装飾コード画像をスキャンする。上述したように、本開示における決済はストアスキャン手順により行われるため、S6で店舗端末103は、装飾コード画像をスキャンすることでワンタイムコードを取得する。また、S6で店舗端末103は、POSシステムから店舗IDおよび支払額などを取得する。
【0067】
S7において、店舗端末103は、取得したワンタイムコード、店舗ID、および支払額などを、POSシステムを介して決済サーバ102に送信する。S8において、決済サーバ102は、S7で取得したワンタイムコード、店舗ID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S8で決済サーバ102は、S7で取得したワンタイムコードに紐づいたユーザIDから決済元のユーザの口座を特定し、店舗IDから決済先の店舗の口座を特定する。そして、決済サーバ102は、ユーザの口座から店舗の口座へ支払額に相当する電子マネーを移行する処理を行う。
【0068】
なお、図1の例は、決済サービス(決済処理)を例に挙げた説明であるが、送金サービス(送金処理)においても、処理の流れは基本的に同じである。主な相違点は、決済処理における店舗端末103が、送金処理において電子マネーを受け取る第2ユーザが利用する第2ユーザ端末に置き換わること、および、決済先の店舗が利用する店舗端末103でのスキャンが、送金元の第1ユーザが利用する第1ユーザ端末でのスキャンに置き換わることである。なお、決済処理で取り扱われる店舗情報および店舗IDなどと、送金処理で取り扱われる送金先の第2ユーザの識別情報などとが異なることは言うまでもない。ユーザ端末101が決済サーバ102にワンタイムコードを要求すること、および、この要求に応じて受信したワンタイムコードを用いた装飾コード画像をユーザ端末101が生成することは、送金サービスにおいても、決済サービスを用いて説明した例と同様である。
【0069】
(システムの一例)
図7は、本システムの構成の一例を示す図である。本システム100は、ユーザ端末101、決済サーバ102、および店舗端末103を有する。これらの装置は、ネットワーク700を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク700は、例えば、LAN(Local Area Network)またはWAN(Wide Area Network)などのネットワークである。
【0070】
本開示において、図7に示すように、ユーザ端末101および店舗端末103は、それぞれ一台であることを例に説明する。なお、ユーザ端末101および店舗端末103は、それぞれ複数あってもよい。
【0071】
(情報処理装置のハードウェア構成)
上述したユーザ端末101、決済サーバ102、店舗端末103、および後述する店舗端末104は、例えば、図8に示すような構成の情報処理装置800(「コンピュータの一例」)によって実現される。図8は、情報処理装置800のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置800は、CPU801、ROM802、RAM803、記憶装置804、入出力I/F805、およびネットワークインターフェース(I/F)806を有する。これらの構成要素は、システムバスにより互いに接続されている。また、入出力I/F805には、表示部807および入力部808が接続されている。
【0072】
CPU801は、ROM802に記憶されたプログラムおよび記憶装置804に記憶されたプログラムなどをRAM803に読み出し、読み出したプログラムを実行することで、各種制御を実現する。CPU801は、MPU(Micro Processing Unit)、またはASIC(application specific integrated circuit)であってもよい。CPU801は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などであってもよい。
【0073】
ROM802には、情報処理装置800の起動プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。RAM803は、CPU801が各種制御を実行する際に、一時的に制御プログラムまたはデータなどを記憶するワークメモリとして用いられる。
【0074】
記憶装置804は、アプリケーション、ソフトウェア、および各種データなどを記憶するためのメモリである。記憶装置804として、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、およびストレージなどが挙げられる。記憶装置804は、ユーザ端末101であれば、決済アプリケーションなどを記憶する。記憶装置804は、決済サーバ102であれば、後述するユーザデータベース(以降、データベースのことをDBと称する)および店舗DBなどを記憶する。
【0075】
入出力I/F805は、表示部807などの出力装置に対して出力情報を送信するためのインターフェースである。表示部807として、ディスプレイなどが挙げられる。また、表示部807は、図8に示すように情報処理装置800に設けられてもよいし、情報処理装置800の外に設けられてもよい。
【0076】
入出力I/F805は、入力部808などの入力装置に対して入力情報を受信するためのインターフェースである。入力部808として、キーボード、ボタン、タッチパネル、操作キーなどが挙げられる。また、入力部808は、図8に示すように情報処理装置800に設けられてもよいし、情報処理装置800の外に設けられてもよい。なお、入出力I/F805は、入力I/Fと、出力I/Fとに分かれて構成されてもよい。
【0077】
ネットワークI/F806は、ネットワーク700を介して他の装置からデータなどを受信し、かつ情報処理装置800で生成したデータまたは記憶しているデータなどを、ネットワーク700を介して他の装置に送信するためのインターフェースである。
【0078】
なお、情報処理装置800は、図8に示す構成に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末101であれば、カメラ機能を実現するためのカメラ部などが設けられてもよい。店舗端末103であれば、コード画像をスキャンするスキャン部が設けられている。
【0079】
また、情報処理装置800は、メディアI/F(不図示)を備えてもよい。メディアI/Fは、有線または無線により接続された保存装置(不図示)に格納されたプログラムおよびデータなどを読み取り、RAM803を介してCPU801に提供する。CPU801は、提供されたプログラムを、メディアI/Fを介して保存装置からRAM803上に読み出し、読み出したプログラムを実行することができる。保存装置は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体である。また、保存装置は、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0080】
情報処理装置800のCPU801は、これらのプログラムなどを保存装置から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムなどを取得してもよい。さらに、本実施形態における情報処理を実現するために必要な構成が情報処理装置800に設けられることは言うまでもない。
【0081】
(ユーザ端末のソフトウェア構成の一例)
図9は、本実施形態におけるユーザ端末101のソフトウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末101は、決済アプリケーション900を有する。決済アプリケーション900は、受信部901、送信部902、表示制御部903、および生成部904、および画像生成システム905を含む。なお、ユーザ端末101は、決済アプリケーション900以外のアプリケーションを有していてもよい。
【0082】
受信部901は、ネットワーク700を介して決済サーバ102からワンタイムコードを受信したり、外部装置からその他の情報などを受信したりすることができる。送信部902は、ネットワーク700を介して決済サーバ102にワンタイムコードの要求およびその他の要求を行ったり、外部装置にその他の情報を送信したりすることができる。
【0083】
表示制御部903は、決済アプリケーション900の各種画面を表示したり、当該画面に対するユーザの操作を検知したりする。表示制御部903は、決済アプリケーション900上にコード画像を表示する表示制御を行う。
【0084】
生成部904は、ワンタイムコードに基づいてコード画像を生成する。また、生成部904は、画像生成システム905を用いて装飾コード画像を生成することができる。画像生成システム905は、生成部904からの指示に応じて、ユーザ設定画像およびワンタイムコードに基づいて装飾コード画像を生成する。
【0085】
(決済サーバの機能の構成の一例)
図10は、本実施形態における決済サーバ102の機能の構成の一例を示す図である。図10を参照して、本実施形態における決済サーバ102の構成について説明する。決済サーバ102は、通信部1000と、制御部1010と、記憶部1020とを有する。制御部1010は、受信部1011、送信部1012、生成部1013、および決済処理部1014を含む。制御部1010は、決済サーバ102の全体を制御する。記憶部1020は、ユーザDB1021および店舗DB1022を含む。
【0086】
まず、図11を参照して、ユーザDB1021および店舗DB1022に保存されている情報ついて説明する。図11は、ユーザDB1021および店舗DB1022のそれぞれに保存されている情報の一例を示す図である。
【0087】
図11(a)は、ユーザDB1021に保存されているユーザ管理情報1100の一例を示す図である。ユーザ管理情報1100は、ユーザのアカウント登録の際に生成され、決済サーバ102で管理されているユーザの情報である。
【0088】
ユーザ管理情報1100において、ユーザ情報1101、ユーザID1102、氏名1103、利用可能残高1104、および利用可能ポイント1105が互いに紐づけられている。なお、ワンタイムコード1106は、ワンタイムコードの要求に応じて生成され、ユーザIDなどに紐づけられて一時的に決済サーバ102で管理される。
【0089】
ユーザ情報1101は、アカウント登録されたユーザの情報を決済サーバ102で管理するために用いられる。ユーザ情報1101は、例えばURL(Uniform Resource Locator)などで表現された情報である。
【0090】
ユーザID1102は、ユーザを一意に識別するための識別子である。氏名1103は、ユーザが任意に設定可能な文字列であってユーザの氏名または名称示す文字列である。利用可能残高1104は、電子マネーの残高である。利用可能ポイント1105は、例えば決済サービスを運営するサービス事業者により付与されたポイントであってユーザが利用可能なポイントである。利用可能残高1104および利用可能ポイント1105がユーザの口座の残高に相当する。
【0091】
図11(b)は、店舗DB1022に保存されている店舗管理情報1110の一例を示す図である。店舗管理情報1110は、店舗の事業主がサービス事業者と契約(例えば、加盟店契約)する際に生成され、決済サーバ102で管理されている店舗の情報である。店舗管理情報1110において、店舗情報1111、加盟店ID1112、店舗ID1113、および売上金1114が互いに紐づけられている。
【0092】
店舗情報1111は、加盟店に属する店舗の情報を決済サーバ102で管理するために用いられる。店舗情報1111は、例えばURLなどで表現された情報である。加盟店ID1112は、加盟店のブランドを一意に識別するための識別子である。加盟店ID1112は、例えば、〇〇コーヒー、××百貨店、または△△電機などの加盟店のブランド名と紐づけられている。店舗ID1113は、加盟店に属する店舗を一意に識別するための識別子である。店舗ID1113は、例えば、〇×駅前店、×△町店、または△〇通り店などの加盟店の店名と紐づけられている。売上金1114は、店舗で売り上げた金額を示す。例えば、決済サーバ102で決済処理が完了した場合、支払額に相当する金額が売上金1114に加算される。なお、消費税などの説明は、説明の簡略化のために割愛する。
【0093】
通信部1000は、ネットワーク700を介してユーザ端末101、店舗端末103、およびその他の装置と通信を行う。受信部1011は、通信部1000を介してユーザ端末101からワンタイムコードの要求を受信したり、店舗端末103から決済処理の要求を受信したりする。また、受信部1011は、通信部1000を介して外部装置から各種情報を受信することができる。送信部1012は、通信部1000を介してワンタイムコードをユーザ端末101に送信したり、その他の情報を外部装置に送信したりすることができる。
【0094】
生成部1013は、ユーザ端末101からの要求に応じてワンタイムコードを生成する。決済処理部1014は、店舗端末103からの要求に応じて決済処理を行う。また、決済処理部1014は、ユーザ端末101からの要求に応じて決済処理または送金処理を行うことができる。
【0095】
(本システムの情報処理の流れの一例)
図12は、ユーザ端末101、決済サーバ102、および店舗端末103の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図12を参照して、本実施形態における情報処理の流れについて説明する。
【0096】
S1201において、ユーザ端末101は、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末101を操作して決済アプリケーション900を起動する。そして、ユーザ端末101は、図2に示すホーム画面200をユーザ端末101の表示部に表示する。ユーザ端末101は、ホーム画面200の支払うボタン252に対するユーザの操作を検知すると、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行う。なお、ワンタイムコードの要求は、上述したように、決済アプリケーション900の起動、更新ボタン313の押下、ワンタイムコードの有効期限の経過、および決済アプリケーションの起動などを契機として行われてもよい。
【0097】
S1202において、決済サーバ102は、S1201でのユーザ端末101からの要求に応じてワンタイムコードを生成する。また、上述したように、S1202で決済サーバ102は、生成したワンタイムコードを、S1201での要求元のユーザのユーザIDに紐づけて一時的に(ワンタイムコードの有効期限まで)保存する。S1203において、決済サーバ102は、S1202で生成したワンタイムコードを、S1201での要求元のユーザ端末101に送信する。
【0098】
S1204において、ユーザ端末101は、S1203で受信したワンタイムコードとユーザ設定画像とに基づいて装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S1204でユーザ端末101は、ワンタイムコードおよびユーザ設定画像を画像生成システム905に入力して、その出力結果としてワンタイムコードを符号化して得られるコードパターンを有する2次元コード画像をユーザ設定画像で装飾した装飾コード画像を得る。ここで、ユーザ端末101は、画像生成システム905により、図5(a)に示す装飾コード画像500を生成したとする。
【0099】
S1205において、ユーザ端末101は、S1204で生成した装飾コード画像500を表示する。例えば、S1205でユーザ端末101は、図3に示すように、表示画面300のコード画像表示領域310上に装飾コード画像311を表示する。そして、ユーザは、決済の際に、装飾コード画像311を店舗の店員に提示する。
【0100】
S1206において、店舗の店員は、店舗端末103により、ユーザにより提示された装飾コード画像311をスキャンする。S1206で店舗端末103は、装飾コード画像311を解析して、ワンタイムコードを取得する。また、店舗端末103は、POSシステムから店舗IDおよび支払額を取得する。
【0101】
S1207において、店舗端末103は、S1206で取得したワンタイムコード、店舗ID、および支払額などを、POSシステムを介して決済サーバ102に送信する。S1208において、決済サーバ102は、S1207で取得したワンタイムコード、店舗ID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S1208で決済サーバ102は、S1207で取得したワンタイムコードからユーザIDを特定する。そして、決済サーバ102は、特定したユーザIDに対応するユーザの口座から、店舗IDに対応する店舗の口座に、支払額に相当する電子マネーを移行させる処理を行う。
【0102】
(ユーザ端末の情報処理の流れの一例)
図13は、本実施形態におけるユーザ端末101の処理の一例を示すフローチャートである。図13を参照して、ユーザ端末101の決済アプリケーション900が装飾コード画像を表示する処理について説明する。図13に示す処理は、ユーザ端末101のCPU801が、記憶装置804に記憶された決済アプリケーション900のプログラムをRAM803に読み出し、実行することで実現される。図13に示す処理は、例えば支払うボタン252がユーザにより押下されたことに応じて開始される。
【0103】
S1301において、ユーザ端末101のCPU801は、送信部902により、ワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行い、S1302に進む。S1302において、ユーザ端末101のCPU801は、受信部901により、決済サーバ102で生成されたワンタイムコードを取得し、S1303に進む。
【0104】
S1303において、ユーザ端末101のCPU801は、生成部904により、ユーザ設定画像を取得し、S1304に進む。S1304において、ユーザ端末101のCPU801は、画像生成システム905により、装飾コード画像を生成し、S1305に進む。具体的には、S1304でユーザ端末101のCPU801は、画像生成システム905により、入力されたワンタイムコードおよびユーザ設定画像に基づいて装飾コード画像を生成する。
【0105】
S1305において、ユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、S1304で画像生成システム905により生成された装飾コード画像を表示し、S1306に進む。
【0106】
S1306において、ユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、更新ボタン313が押下されたか否かを判定する。S1306でユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、更新ボタン313が押下された(Yes)と判定された場合は、S1303に戻る。すなわち、S1306で(Yes)と判定した場合は、ユーザ端末101のCPU801は、画像生成システム905により、S1302で既に取得済みのワンタイムコードを用いて再び装飾コード画像の生成処理を行う。
【0107】
S1302で取得したワンタイムコードの有効期限が経過しており、かつ、S1306で(Yes)と判定した場合は、ユーザ端末101のCPU801は、S1301に戻る。そして、ユーザ端末101のCPU801は、送信部902により、新たにワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行う。本実施形態におけるワンタイムコードは、ユーザ端末101からの要求ごとにその値が異なるものが決済サーバ102で生成される。すなわち、ワンタイムコードの有効期限が経過しており、かつ、更新ボタン313が押下された場合は、既に表示されている装飾コード画像に対応するコードパターンと異なるコードパターンを有する装飾コード画像が新たに表示される。
【0108】
なお、S1306で(Yes)と判定した場合は、ワンタイムコードの有効期限の経過を待たずに、ユーザ端末101のCPU801は、S1301に進み、送信部902によりワンタイムコードの要求を決済サーバ102に行ってもよい。
【0109】
S1306でユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、更新ボタン313が押下されていない(No)と判定された場合は、S1307に進む。S1307において、ユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、戻るボタン340が押下されたか否かを判定する。S1307でユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、戻るボタン340が押下された(Yes)と判定した場合は、本フローを終了する。S1307でユーザ端末101のCPU801は、表示制御部903により、戻るボタン340が押下されていない(No)と判定した場合は、S1306に戻る。
【0110】
本実施形態によれば、決済用の2次元コード画像に装飾したいというユーザのニーズに対応することができる。これにより、ユーザ装置を利用するユーザの興趣性を向上させることができる。
【0111】
<<第2の実施形態>>
図14は、本実施形態におけるシステムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。図14に示す本システムは、ユーザ端末101、決済サーバ102、および店舗端末104を有する。本実施形態におけるユーザ端末101の基本的な構成は、第1の実施形態におけるユーザ端末101と同様であるため、その説明を省略する。以下では、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0112】
(決済サーバについて)
本実施形態における決済サーバ102は、決済サービス(決済サーバ102)を提供するサービス事業者と契約(例えば、加盟店契約)した加盟店の店舗に後述する管理画面を提供したり、ユーザ端末101を利用するユーザに決済サービスを提供したりすることができる。また、本実施形態における決済サーバ102は、第1の実施形態における決済サーバ102と比較して、店舗情報および後述する店舗設定画像に基づいて装飾コード画像を生成する画像生成システムを有する点で異なる。なお、本実施形態における決済サーバ102が有する画像生成システムと、第1の実施形態における決済アプリケーション900が有する画像生成システム905とは、任意の文字列(例えば、コードおよびURLなど)を2次元コード化した2次元コード画像を任意の画像で装飾した装飾コード画像を生成する点で、同様の機能を有する。すなわち、本実施形態における画像生成システムは、設定画像に応じて、第1の実施形態における図5および図6で説明したような装飾コード画像を生成することができる。
【0113】
(店舗端末について)
本実施形態における店舗端末104は、店舗の店員が利用する端末装置である。本実施形態における店舗端末104は、携帯可能なタブレット端末であることを例に挙げて説明する。なお、店舗端末104は、ノート型PC、デスクトップ型PC、店舗に備え付けられた情報処理装置であってスキャン機能を有する情報処理装置、またはスマートフォンなどであってもよい。
【0114】
店舗端末104は、管理アプリケーションを有する。管理アプリケーションは、管理画面を提供することが可能である。管理画面は、店舗での取引額などを閲覧可能な画面である。管理画面は、決済サーバ102により提供されてもよいし、決済サーバ102とは異なる外部サーバ(例えば、決済サーバ102と連携して稼働するサーバ)により提供されてもよい。なお、店舗端末104は、一般的なWebブラウザにより、管理画面を表示してもよい。本開示において、店舗端末104は、管理アプリケーションにより管理画面を表示することを例に挙げて説明する。
【0115】
図15は、管理画面のホーム画面の一例を示す図である。図15に示すホーム画面1500は、メニュー表示領域1510、店舗表示領域1520、取引額表示領域1530、および累計取引額表示領域1540を有する。また、ホーム画面1500には、2次元コード画像の表示画面に画面を切り替えること受け付ける受取ボタン1550が設けられている。なお、端末装置の表示部に表示される操作子(例えば、ボタンまたはチェックボックスなど)であって所定の指示を受け付ける操作子をアイテムと表現することがある。
【0116】
メニュー表示領域1510には、ホームバー1511、プロフィールバー1512、および設定バー1513などが設けられている。ホームバー1511が押下されると、ホーム画面1500に画面が切り替わる。プロフィールバー1512が押下されると、加盟店に関する情報および店舗に関する情報などを設定可能なプロフィール画面(不図示)に画面が切り替わる。店舗に関する情報とは、例えば、店舗のジャンルに関する情報、店舗の住所、店舗での決済方法の種類、および店舗とサービス事業者との契約内容などである。設定バー1513が押下されると、後述する設定項目表示画面に画面が切り替わる。
【0117】
店舗表示領域1520には、加盟店の名称と、その加盟店に属する店舗の名称とが表示されている。また、店舗表示領域1520には、店舗を選択可能な選択タブ1521が設けられている。選択タブ1521が押下されると、例えば、〇×駅前店または△〇町店などの店舗名の一覧がプルダウン表示される。店舗の店員が、表示された店舗名の中から自身の属する店舗を選択することで、選択された店舗に紐づいた画面にホーム画面1500が切り替わる。
【0118】
取引額表示領域1530には、店舗表示領域1520に表示された店舗の今日の取引額が表示されている。なお、取引額表示領域1530には、取引ごとの取引額が表示されてもよい。累計取引額表示領域1540には、店舗表示領域1520に表示された店舗の累計の取引額が表示されている。なお、累計取引額表示領域1540には、日ごと、月ごと、あるいは年ごとの取引の累計額が表示されてもよい。
【0119】
店舗の店員は、店舗に関する情報を変更したい場合、設定バー1513を押下する。設定バー1513の押下により、ホーム画面1500が図16に示すような設定項目表示画面に切り替わる。図16は、店舗に関する情報の中のうち設定可能な情報の設定項目を表示する設定項目表示画面の一例を示す図である。図16に示す設定項目表示画面1600は、ショートカット項目表示領域1610、ブランドプロフィール設定項目1620、店舗プロフィール設定項目1630、および2次元コード画像設定項目1640を有する。
【0120】
ショートカット項目表示領域1610には、「メールアドレス変更」および「銀行口座変更」などが表示されている。例えば、「メールアドレス変更」が押下されると、設定項目表示画面1600に表示されている設定項目の1つである「マイプロフィール」を押下しなくても、「マイプロフィール」に設定されているメールアドレスを変更可能な画面(不図示)に切り替えることができる。
【0121】
ブランドプロフィール設定項目1620が押下されると、加盟店(例えば、〇〇コーヒーまたは△×百貨店などブランド)に関する情報を設定可能な画面(不図示)に切り替えることができる。店舗プロフィール設定項目1630が押下されると、店舗表示領域1520に表示された店舗に関する情報を設定可能な画面(不図示)に切り替えることができる。2次元コード画像設定項目1640が押下されると、例えば図17に示すように、決済に用いられる装飾コード画像を生成するために用いられる情報などを設定可能な2次元コード画像設定画面に切り替えることができる。
【0122】
図17は、装飾コード画像の生成のために用いられる画像(以降、店舗設定画像と称する)を設定可能な2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。図17に示す2次元コード画像設定画面1700は、店舗設定画像表示領域1710を有する。店舗設定画像表示領域1710には、店舗設定画像として選択可能な画像1711から1716が表示されている。選択枠1717は、画像1713が選択されていることを示す。本実施形態における画像1711から1716は、管理アプリケーションの外部ファイルに保存されている画像であって予め用意された画像であることを例に挙げて説明する。なお、画像1711から1716は、店舗端末104のフォルダに保存された写真などの画像であってもよし、決済サーバ102から提供される画像であってもよい。
【0123】
2次元コード画像設定画面1700には、OKボタン1718およびキャンセルボタン1719が設けられている。OKボタン1718は、選択枠1717で選択された画像を店舗設定画像として設定することを受け付けるボタンである。選択枠1717で画像が選択された状態でOKボタン1718が押下されると、選択対象の画像が店舗端末104のRAM803または記憶装置804に格納される。キャンセルボタン1719は、選択枠1717で選択された画像を店舗設定画像として設定しないことを受け付けるボタンである。
【0124】
(各装置で実行される処理)
図14から図18を参照して、本実施形態における決済サービスにおいて、装飾コード画像を店舗端末104で表示した後に、決済サーバ102で決済処理を行うまでの流れについて説明する。
【0125】
図14のS1401において、店舗端末104は、決済サーバ102に対して装飾コード画像の要求を行う。このとき、店舗端末104は、2次元コード画像設定画面1700で設定した店舗設定画像をS1での要求に含める。ここで、装飾コード画像の要求を行う契機となる店舗の店員による店舗端末104に対する操作について説明する。
【0126】
図18は、2次元コード画像の表示画面の一例を示す図である。図18に示す表示画面1800は、図15に示す受取ボタン1550の押下に応じて店舗端末104に表示される画面であってホーム画面1500から切り替えて表示される画面である。すなわち、S1における契機(装飾コード画像の要求を行う条件)は、受取ボタン1550の押下操作を受け付けたことである。なお、管理アプリケーションは、管理アプリケーションが起動した直後に、装飾コード画像の要求を行ってもよい。
【0127】
表示画面1800は、2次元コード画像表示領域1801を有する。2次元コード画像表示領域1801には、装飾コード画像1802が表示されている。また、表示画面1800には、プリントボタン1803およびダウンロードボタン1804が設けられている。
【0128】
プリントボタン1803は、店舗端末104と通信可能に接続されているプリンタ(不図示)に対して表示画面1800で表示している装飾コード画像の印刷指示を受け付けるボタンである。ダウンロードボタン1804は、表示画面1800で表示している装飾コード画像を、店舗端末104の記憶装置に記憶することを受け付けるボタンである。
【0129】
図14に戻り、S1402において、決済サーバ102は、S1401で受信した要求から店舗設定画像を取得する。このとき、決済サーバ102は、S1での要求元の店舗に対応する店舗情報を取得する。
【0130】
S1403において、決済サーバ102は、装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S1403で決済サーバ102は、画像生成システムにより、S1401での要求に含まれる店舗設定画像とS1402で取得した店舗情報とに基づいて装飾コード画像を生成する。すなわち、画像生成システムは、店舗情報を2次元コード化した2次元コード画像を、店舗設定画像で装飾した装飾コード画像を生成する。なお、本実施形態における装飾コード画像の2次元コード画像にも、第1の実施形態における装飾コード画像の2次元コード画像と同様に、店舗設定画像に応じて色を合せたり、コードパターンのセルの一部の輪郭の形状の変形などが行われたりしてもよい。
【0131】
S1404において、決済サーバ102は、S1403で生成した装飾コード画像を、S1での要求元の店舗端末104に送信する。S1405において、店舗端末104は、図18に示すように、S1404で受信した装飾コード画像を表示部に表示する。本実施形態における表示部への表示は、店舗端末104などの小型の端末装置の表示部への表示に限らず、大型のディスプレイに表示するサイネージ表示を含む。
【0132】
S1406において、店舗の店員は、表示画面1800に表示されているプリントボタン1803を押下する。そして、店舗端末104は、プリントボタン1803の押下を検知すると、プリンタに対して表示画面1800で表示している装飾コード画像の印刷指示を送信する。プリンタは、店舗端末104からの印刷指示を受信すると、装飾コード画像が印刷された印刷物105を出力する。店舗の店員は、プリンタから出力された印刷物105を店舗に配置する。
【0133】
S1407において、ユーザ端末101は、決済アプリケーションのスキャン機能により、S1406で出力された印刷物105に印刷された装飾コード画像を読み取る。S1407でユーザ端末101は、読み取った装飾コード画像を解析して、店舗情報を取得する。
【0134】
S1408において、ユーザが支払額を入力した後、ユーザ端末101は、入力された支払額を決済サーバ102に送信する。なお、ユーザ端末101は、S1408で支払額を送信する前に、S1407で店舗情報およびユーザを識別するためのユーザIDを決済サーバ102に送信しているとする。
【0135】
S1409において、決済サーバ102は、ユーザ端末101から取得した店舗情報、ユーザID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S1409で決済サーバ102は、取得した店舗情報に紐づいた店舗IDから決済先の店舗の口座を特定し、ユーザIDから決済元のユーザの口座を特定する。そして、決済サーバ102は、ユーザの口座から店舗の口座へ支払額に相当する電子マネーを移行する処理を行う。
【0136】
(店舗端末のソフトウェアの構成の一例)
図19は、本実施形態における店舗端末104のソフトウェアの構成の一例を示す図である。店舗端末104は、管理アプリケーション1900を有する。なお、店舗端末104は、管理アプリケーション1900以外のアプリケーション、ソフトウェア、および各種プログラムを有していてもよい。管理アプリケーション1900は、受信部1901、送信部1902、表示制御部1903、および設定部1904を含む。
【0137】
受信部1901は、ネットワーク700を介して決済サーバ102から装飾コード画像を受信したり、その他の装置から各種情報を受信したりすることができる。送信部1902は、ネットワーク700を介して装飾コード画像の要求を決済サーバ102に送信したり、店舗端末104と通信可能に接続されているプリンタに印刷指示を送信したりすることができる。送信部1902は、ネットワーク700を介してその他の装置に各種情報に送信することができる。
【0138】
表示制御部1903は、管理アプリケーション1900上に管理画面を表示したり、管理画面に対する操作を検知したりすることができる。設定部1904は、店舗設定画像などを取得する。
【0139】
(決済サーバの機能の構成の一例)
図20は、本実施形態における決済サーバ102の機能の構成の一例を示す図である。本実施形態における決済サーバ102の基本的な構成は、第1の実施形態における決済サーバ102の構成と同様であるが、画像生成システム2000を有する点で異なる。
【0140】
(本システムの情報処理の流れの一例)
図21は、ユーザ端末101、決済サーバ102、および店舗端末104の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図21を参照して、本実施形態における情報処理の流れについて説明する。
【0141】
S2101において、店舗端末104は、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う。例えば、店舗の店員は、店舗端末104を操作して、管理アプリケーション1900を起動して、ホーム画面1500を店舗端末104の表示部に表示させる。店舗端末104は、管理アプリケーション1900により、ホーム画面1500の受取ボタン1550に対するユーザの操作を検知すると、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う。このとき、店舗端末104は、管理アプリケーション1900により、S2101での要求に、店舗設定画像を含める。
【0142】
S2102において、決済サーバ102は、S2101での要求から店舗設定画像を取得する。また、S2102で決済サーバ102は、S2101での要求元の店舗に紐づいた店舗情報を取得する。
【0143】
S2103において、決済サーバ102は、S2102で取得した店舗設定画像および店舗情報に基づいて装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S2103で決済サーバ102は、店舗設定画像および店舗情報を画像生成システム2000に入力して、その出力結果として店舗情報を2次元コード化した2次元コード画像を店舗設定画像で装飾した装飾コード画像を得る。
【0144】
ここで、決済サーバ102は、画像生成システム2000により、図18に示す装飾コード画像1802を生成したとする。S2104において、決済サーバ102は、S2103で生成した装飾コード画像を、S2101での要求元の店舗端末104に送信する。
【0145】
S2105において、店舗端末104は、管理アプリケーション1900により、S2104で受信した装飾コード画像を表示する。例えば、S2105で店舗端末104は、図18に示すように、表示画面1800の2次元コード画像表示領域1801上に装飾コード画像1802を表示する。
【0146】
S2106において、店舗端末104は、管理アプリケーション1900により、プリントボタン1803の押下を検知すると、プリンタに装飾コード画像1802の印刷指示を送信する。そして、プリンタは、店舗端末104からの印刷指示に応じて、装飾コード画像1802を印刷した結果として印刷物105を出力する。店舗の店員は、プリンタから出力された印刷物105を店舗に配置する。
【0147】
S2107において、ユーザ端末101は、決済アプリケーションのスキャン機能により、店舗に配置された印刷物105に印刷された装飾コード画像1802を読み取る。S2107でユーザ端末101は、決済アプリケーションにより、装飾コード画像1802を解析して、店舗情報を取得する。そして、ユーザ端末101は、決済アプリケーションにより、取得した店舗情報およびユーザIDを決済サーバ102に送信する。
【0148】
S2108において、ユーザにより支払額が入力された後、ユーザ端末101は、決済アプリケーションにより、入力された支払額を決済サーバ102に送信する。S2109において、決済サーバ102は、ユーザ端末101から取得した店舗情報、ユーザID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S2109で決済サーバ102は、S2107で取得した店舗情報から店舗IDを特定する。そして、決済サーバ102は、取得したユーザIDに対応するユーザの口座から、特定した店舗IDに対応する店舗の口座に、支払額に相当する電子マネーを移行させる処理を行う。
【0149】
(店舗端末の情報処理の流れの一例)
図22は、本実施形態における店舗端末104の処理の一例を示すフローチャートである。図22を参照して、本実施形態における店舗端末104の管理アプリケーション1900が2次元コード画像を表示する処理について説明する。図22に示す処理は、店舗端末104のCPU801が、記憶装置804に記憶された管理アプリケーション1900のプログラムをRAM803に読み出し、実行することで実現される。図22に示す処理は、例えば受取ボタン1550が店舗の店員により押下されたことに応じて開始される。
【0150】
S2201において、店舗端末104のCPU801は、設定部1904により、店舗端末104の記憶装置804から店舗設定画像を取得し、S2202に進む。S2202において、店舗端末104のCPU801は、送信部1902により、S2201で取得した店舗設定画像を含めて、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行い、S2203に進む。
【0151】
S2203において、店舗端末104のCPU801は、受信部1901により、装飾コード画像を決済サーバ102から受信し、S2204に進む。S2204において、店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、S2203で受信した装飾コード画像を表示し、S2205に進む。
【0152】
S2205において、店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、プリントボタン1803が押下されたか否かを判定する。S2205で店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、プリントボタン1803が押下された(Yes)と判定した場合は、S2206に進む。S2206で店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、プリントボタン1803が押下されていない(No)と判定した場合は、S2207に進む。S2206において、店舗端末104のCPU801は、送信部1902により、S2204で表示している装飾コード画像の印刷指示をプリンタに行い、S2207に進む。
【0153】
S2207において、店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、装飾コード画像の表示が終了したか否かを判定する。例えば、S2207で店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、ホームバー1511、プロフィールバー1512、および設定バー1513などに対する押下により表示画面1800が別の画面に切り替わることで、装飾コード画像の表示が終了したかを判定する。
【0154】
S2207で店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、装飾コード画像の表示が終了した(Yes)と判定した場合は、本フローを終了する。S2207で店舗端末104のCPU801は、表示制御部1903により、装飾コード画像の表示が終了していない(No)と判定した場合は、S2205に戻る。
【0155】
(決済サーバの情報処理の流れの一例)
図23は、本実施形態における決済サーバ102の処理の一例を示すフローチャートである。図23を参照して、決済サーバ102が実行する処理について説明する。図23に示す処理は、決済サーバ102が起動した後に開始される。
【0156】
S2301において、決済サーバ102のCPU801は、受信部1011により、装飾コード画像の要求を店舗端末104から受信したか否かを判定する。S2301で決済サーバ102のCPU801は、受信部1011により、装飾コード画像の要求を店舗端末104から受信した(Yes)と判定した場合は、S2302に進む。S2301で決済サーバ102のCPU801は、受信部1011により、装飾コード画像の要求を店舗端末104から受信していない(No)と判定した場合は、S2301に戻り、要求を受信するまで待つ。
【0157】
S2302において、決済サーバ102のCPU801は、生成部1013により、S2301で受信した装飾コード画像の要求から店舗設定画像を取得し、S2303に進む。
【0158】
S2303において、決済サーバ102のCPU801は、生成部1013により、画像生成システム2000を用いて装飾コード画像の生成処理を行い、S2304に進む。具体的には、S2303で決済サーバ102のCPU801は、画像生成システム2000により、店舗情報および店舗設定画像に基づいて装飾コード画像を生成する。
【0159】
S2304において、決済サーバ102のCPU801は、送信部1012により、S2303で生成した装飾コード画像を、S2301で受信した要求の要求元の店舗端末104に送信し、本フローを終了する。
【0160】
本実施形態によれば、決済サーバ102で生成された装飾コード画像が、店舗の店員が利用する店舗端末に表示される。また、ユーザが決済の際に、印刷物として印刷された装飾コード画像をスキャンすることで店舗での決済を行う。これにより、決済用の2次元コード画像に装飾したいという店舗の店員のニーズに対応することができる。また、決済の際に、装飾された2次元コード画像を見る楽しみをユーザに提供することができる。
【0161】
<<その他の実施形態>>
第1の実施形態において、ユーザ設定画像は、ユーザ端末101のフォルダに保存されていることを例に挙げて説明したが、ユーザ設定画像の保存場所はこれに限定されない。例えば、ユーザ設定画像が決済サーバに保存されており、決済アプリケーションでのユーザ設定画像の選択の際に、決済サーバが提供してもよい。また、ユーザ設定画像は、決済アプリケーションの外部ファイルに保存されている画像であって予め用意された画像であってもよい。
【0162】
上述の実施形態において、ユーザ設定画像または店舗設定画像における2次元コード画像の位置は、画像生成システムにより決定される。なお、ユーザ設定画像または店舗設定画像に対する2次元コード画像の位置は、ユーザまたは店舗の店員により設定されてもよい。
【0163】
例えば、第1の実施形態であれば図4(b)の2次元コード画像設定画面410に、第2の実施形態であれば図17の2次元コード画像設定画面1700に、さらに設定画像に対する2次元コード画像の配置位置を設定可能な入力フォーム(不図示)を設けてもよい。この場合、第1の実施形態であれば決済アプリケーション900は、取得したユーザ設定画像に対する2次元コード画像の位置を示す位置情報を、ユーザ設定画像およびワンタイムコードとともに画像生成システムに入力する。また、第2の実施形態であれば決済サーバ102は、店舗端末104から取得した店舗設定画像に対する2次元コード画像の位置を示す位置情報を、店舗設定画像および店舗情報とともに画像生成システムに入力する。そして、2次元コード画像が前記設定画像上であり、かつ、入力された位置情報が示す位置に配置された画像である装飾コード画像を生成してもよい。
【0164】
このように、画像生成システムではなくユーザまたは店舗の店員が自由に、設定画像に対する2次元コード画像の配置位置を設定することができるため、さらに興趣性を向上させることができる。
【0165】
なお、設定画像に対する2次元コード画像の配置位置の設定方法は、入力フォームに限らない。例えば、決済アプリケーションの画面上または管理アプリケーションの画面上に仮想的な2次元コード画像と設定画像とを表示し、ユーザまたは店舗の店員の操作(例えば、タップ操作またはドラッグ操作など)により、設定画像に対する2次元コード画像の配置位置が決定されてもよい。
【0166】
また、設定画像に対する2次元コード画像の位置を示す位置情報は、予め設定されていてもよい。すなわち、ユーザまたは店舗の店員は、予め設定された位置情報が示す、設定画像に対する2次元コード画像の配置位置の中から選択する。そして、画像生成システムは、2次元コード画像が前記設定画像上にあり、かつ、選択された配置位置の位置情報が示す位置に配置された画像である装飾コード画像を生成してもよい。
【0167】
第1の実施形態において、ユーザ端末101が画像生成システム905を有していることを例に挙げて説明したが、決済サーバ102、またはこれらの装置とは異なる外部装置が画像生成システムを有していても構わない。すなわち、決済サーバ102または外部装置が、画像生成システム905を用いて装飾コード画像を生成してもよい。
【0168】
また、第2の実施形態において、決済サーバ102が画像生成システム2000を有していることを例に挙げて説明したが、店舗端末104、またはこれらの装置とは異なる外部装置が画像生成システムを有していても構わない。すなわち、店舗端末104または外部装置が、画像生成システム2000を用いて装飾コード画像を生成してもよい。
【0169】
上述の実施形態において、2次元コード画像の基となるワンタイムコードまたは店舗情報と、設定画像とに基づいて装飾コード画像を画像生成システムが生成することを例に挙げて説明したが、装飾コード画像の生成方法はこれに限定されない。例えば、装飾コード画像の生成には、ワンタイムコードまたは店舗情報、および設定画像に加えて、テキストプロンプト、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値などが用いられてもよい。
【0170】
テキストプロンプトとは、装飾の要素を示す文字列である。装飾の要素を示す文字列として、猫および犬などの動物、山、川および海などの地形、春および夏などの季節、晴れおよび雨などの天気、嬉しいおよび悲しいなどの感情、並びに少女および青年などの性別および年齢を制限する文字列などが挙げられる。なお、ここで示した文字列は一例であって、テキストプロンプトはその他の文字列であってもよい。また、テキストプロンプトは日本語に限らず、英語およびその他の言語であってもよい。
【0171】
テキストプロンプトが設定画像とともに画像生成システムに入力された場合、設定画像をベースとしてテキストプロンプトが示す装飾の要素を組み込んだ装飾コード画像が生成される。
【0172】
ネガティブテキストプロンプトとは、2次元コード画像の装飾の要素として除外したい要素を示す文字列である。例えば、除外したい要素として、「窓」、「足を組んでいる」、および「昼」などが挙げられる。このように、ネガティブテキストプロンプトとして、除外したいもの、除外したい状態、または除外したい時間帯などを示す文字列が適用可能である。
【0173】
また、除外したい要素として、「ugly(醜い)」、「low quality(低い品質)」、および「blurry(ぼやけた)」などが挙げられる。このように、ネガティブテキストプロンプトとして、生成される2次元コード画像の品質としてふさわしくない意味を示す文字列が適用可能である。ここで示した文字列は一例であって、ネガティブテキストプロンプトは、その他の文字列であってもよい。また、ネガティブテキストプロンプトは英語に限らず、日本語よびその他の言語であってもよい。
【0174】
ネガティブテキストプロンプトが設定画像とともに画像生成システムに入力された場合、設定画像をベースとしてネガティブテキストプロンプトが示す装飾の要素を除外した装飾コード画像が生成される。以降、テキストプロンプトおよびネガティブテキストプロンプトをまとめて両テキストプロンプトと称する。
【0175】
ガイドスケール値とは、装飾コード画像の生成の際に、どの程度画像生成システムが両テキストプロンプトに従うかを示す値である。装飾コード画像は、ガイドスケール値が高いほど両テキストプロンプトに忠実に従い生成され、ガイドスケール値が低いほど両テキストプロンプトに従い生成されない。
【0176】
強度値とは、ガイドスケール値に従った装飾コード画像の生成の際に、どの程度テキストプロンプトが示す要素とは異なる要素を画像生成システムが補完するかの度合いを示す値である。言い換えれば、強度値は、画像生成システムに対するテキストプロンプトが示す要素の重みを設定するための値である。装飾コード画像は、強度値が高いほどテキストプロンプトが示す要素と異なる要素が組み込まれるように生成され、強度値が低いほどテキストプロンプトが示す要素に制限して組み込むように生成される。
【0177】
シード値とは、装飾コード画像の装飾の構成を決定する際に用いられる値である。例えば、シード値が同じ場合、同じ構成の装飾が施された2次元コード画像が生成される。
【0178】
具体的には、テキストプロンプトに「座っている犬」が設定されており、かつ、シード値として「123456789」が設定されている場合に、椅子に座っている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力されたとする。そして、同じテキストプロンプトおよび同じシード値が設定されている状態で再度装飾コード画像を出力する際には、椅子に座っている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。
【0179】
ここで、同じテキストプロンプト(「座っている犬」)が設定されており、かつ、異なるシード値が(「123456788」)設定されたケースを想定する。このケースにおいて、例えば「お座り」のポーズをとっている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。あるいは、1つの椅子に座っている2匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。「お座り」のポーズとは、地面と交差する方向に伸ばした前足を地面につけ、かつ、後足を曲げた状態で地面につけたポーズをいう。このように、シード値が異なると、ポーズおよび構成などが異なる装飾の要素を有する2次元コード画像が出力される。
【0180】
ガイドスケール値、強度値、およびシード値が設定画像とともに画像生成システムに入力された場合、設定画像をベースとしてこれらの値に基づく装飾の要素を組み込んだ装飾コード画像が生成される。
【0181】
このように、2次元コード画像を装飾するために、設定画像に加えて、テキストプロンプト、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値が用いられてもよい。すなわち、装飾コード画像の生成の際に、設定画像に加えて、テキストプロンプト、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値が画像生成システムに入力されてもよい。また、これら以外に、装飾コード画像の生成に必要なその他の値が本開示において用いられてもよい。
【0182】
上述の実施形態において、画像生成システムが、ワンタイムコードまたは店舗情報、および設定画像に基づいて装飾コード画像を生成することを例に挙げて説明したが、装飾コード画像の生成方法はこれに限らない。例えば、画像生成システムは、ワンタイムコードまたは店舗情報を符号化した2次元コード画像を生成する。そして、画像生成システムは、生成した2次元コード画像に、取得した設定画像で装飾した結果として装飾コード画像を生成してもよい。
【0183】
また、本開示における画像生成システムには、学習済みのAIモデルをチューニングするためのプログラム(例えば、LoRA(Low-Rank Adaptation))が適用されてもよい。
【0184】
上述した情報処理装置800は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI、またはネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0185】
また、上述した実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0186】
101:ユーザ端末
102:決済サーバ
103:店舗端末
【要約】
【課題】ユーザ装置を利用するユーザまたは店舗端末を利用する店舗の店員の興趣性を向上させることができる。
【解決手段】決済サービスを提供する決済サーバと、決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって決済サービスの提供に利用されるアプリケーションを実行する端末装置とを含むシステムであって、決済サーバは、アプリケーションからの要求に応じてワンタイムコードを生成するコード生成部を有し、端末装置は、端末装置に対する操作に従って設定された設定画像を取得する取得部と、要求に応じてコード生成部で生成されたワンタイムコードを符号化した2次元コード画像であって2次元コード画像のうちの少なくとも一部の領域の画素値が設定画像に基づいて変更された2次元コード画像を含む画像である装飾コード画像を生成する画像生成部と、装飾コード画像をアプリケーション上に表示する制御を行う表示制御部とを有するシステムを提供する。
【選択図】図1
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