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特許7737263ドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-02
(45)【発行日】2025-09-10
(54)【発明の名称】ドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/32 20060101AFI20250903BHJP
【FI】
E04B1/32 102A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021131333
(22)【出願日】2021-08-11
(65)【公開番号】P2023025899
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2024-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】515351921
【氏名又は名称】村上 祐資
(73)【特許権者】
【識別番号】506100990
【氏名又は名称】日本トーカンパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】村上 祐資
(72)【発明者】
【氏名】一丸 欣司
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-002184(JP,A)
【文献】特開2008-274706(JP,A)
【文献】特開2001-214627(JP,A)
【文献】米国特許第05724775(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00 - 1/36
E04C 2/00 - 2/54
E04H 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁形成部と、少なくとも1つの開口形成部とを、空間を囲むように組み合わせて構成された胴体部を少なくとも最下段に有するドーム胴体構造物であって、
前記ドーム胴体構造物の上側において、下面を除いて閉じているドーム型構造物を載置して支持し、前記ドーム胴体構造物の下側において、地面、又は床面に直接、又は間接に支持されるものであり、
前記胴体部の上端の外縁と、前記胴体部の下端の外縁とが同一のサイズであり、
前記複数の壁形成部の各々は、偶数個の第1胴体部品と、前記第1胴体部品に隣接し、偶数個の第2胴体部品とを有し、
前記開口形成部は、偶数個の第3胴体部品と、それぞれ前記第3胴体部品に隣接する偶数個の第4胴体部品とを有し、前記偶数個の第3胴体部品、及び前記偶数個の第4胴体部品に囲まれて形成された開口を有し、
前記第1胴体部品、及び前記第2胴体部品のそれぞれの側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、前記壁形成部の中心位置に位置し、前記第1胴体部品は、前記中心位置に対して上下に位置し、側面視上下対称であり、前記第2胴体部品は、前記中心位置に対して左右に位置し、側面視左右対称であり、前記中心位置は、前記壁形成部の周辺より内方に位置する、ドーム胴体構造物。
【請求項2】
前記第1胴体部品、及び/又は前記第2胴体部品は、それぞれ、内部に空間を形成する包み込み構造である、請求項1に記載のドーム胴体構造物。
【請求項3】
前記第3胴体部品、及び/又は前記第4胴体部品は、それぞれ、内部に空間を形成する包み込み構造である、請求項1、又は2に記載のドーム胴体構造物。
【請求項4】
前記胴体部の上端の外縁と、前記胴体部の下端の外縁とが同一のサイズである請求項1~3のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項5】
前記複数の壁形成部と、前記少なくとも1つの開口形成部との合計数は、偶数であり、
前記胴体部は、平面視対称である、請求項1に記載のドーム胴体構造物。
【請求項6】
前記第1胴体部品、及び前記第2胴体部品のそれぞれの側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、いずれも前記胴体部の外面より内方に位置する、請求項1~5のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項7】
前記開口形成部の前記開口は、前記胴体部の外面より内方に位置する、請求項1~6のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項8】
前記第1胴体部品、及び前記第2胴体部品の少なくとも一方は、外部に延在する延在片を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項9】
前記第3胴体部品、及び前記第4胴体部品の少なくとも一方は、外部に延在する延在片を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項10】
前記第1胴体部品、及び前記第2胴体部品は、それぞれ、他の部品と接合するための押し込み部を有し、
前記第1胴体部品、及び前記第2胴体部品は、それぞれが有する前記押し込み部と前記他の部品が有する押し込み部を重ね合わせた状態で、重ね合わされた2つの押し込み部の一方を他方側に押し込むことで、前記重ね合わされた2つの押し込み部がともに折れ曲がることによって、前記他の部品と接合する、請求項1~9のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項11】
前記第3胴体部品、及び前記第4胴体部品は、それぞれ、他の部品と接合するための押し込み部を有し、
前記第3胴体部品、及び前記第4胴体部品は、それぞれが有する前記押し込み部と前記他の部品が有する押し込み部を重ね合わせた状態で、重ね合わされた2つの押し込み部の一方を他方側に押し込むことで、前記重ね合わされた2つの押し込み部がともに折れ曲がることによって、前記他の部品と接合する、請求項1~10のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項12】
前記第3胴体部品の側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、それぞれ前記開口形成部の右上、及び左下の頂点に位置し第4胴体部品の側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、前記開口形成部の左上、及び右下の頂点に位置し、
前記第3胴体部品、及び前記第4胴体部品のそれぞれの前記側面視三角形の前記長辺の位置に開口面が位置し、
それぞれの前記開口面によって前記開口形成部の前記開口が形成され、
前記開口は、前記開口形成部の周辺より内方に位置する、請求項1~11のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物と、
前記ドーム胴体構造物の上側に載置されて固定されるドーム状のドーム型構造物と、を有する、ドーム構造物ユニット。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載のドーム胴体構造物に用いられる胴体部材であって、
前記ドーム胴体構造物を構成する前記第1胴体部品、前記第2胴体部品、前記第3胴体部品、及び前記第4胴体部品をそれぞれ形成するための平板状の第1胴体部材、第2胴体部材、第3胴体部材、及び第4胴体部材として用いられる胴体部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材に係り、上側に載置されたドーム型構造物を支持するためのドーム胴体構造物、ドーム型構造物とドーム胴体構造物からなるドーム構造物ユニット、及びドーム胴体構造物を形成するための胴体部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三角形、四角形等の多角形のパネルを三次元形状に組み合せて多面体状に形成したドーム型構造物が良く知られている。
住居用の堅固なドーム型構造物としては、三角形の木製、又は金属製の板材パネルを三次元形状に組合せて形成し、金属製等の固定具を用いて固定し、例えば正二十面体としたジオデシックドーム型構造物がある。
一方、このようなドーム型構造物としては、複数のパネルが必要であるが、複数のパネルを組み合わせて組み立てることができるため、屋外のイベント等の構築物、僻地での一時的な住宅、震災発生等の緊急時、及び被災地等での仮設住居、及び簡易型テント等、若しくはペット用の小屋等、様々な用途で利用されるドーム型構造物もある。このドーム型構造物を設置する場合には、パネルなどの可搬性のある、ドーム型構造物に必要な構成部品を運搬し、設置場所にてドーム型構造物を組み立てことができる。
【0003】
このようなドーム型構造物として、本出願人の1人に係る特許文献1には、三角形又は四角形等の多面体状の外面を有するプラスチック段ボール製のパネル部材をドーム状に容易に組み立てられるドーム型構造物が提案されている。この特許文献1に記載のドーム型構造物においては、多面体状の外面と、外面を囲む辺を折り目として延在する複数の延在片と、延在片に設けられた挿通孔とを有するパネル部材を用いている。このようなパネル部材を、延在片同士がドーム型構造物の外側で重なるように組み合わせ、重なり合った延在片の両挿通孔に結束部材を挿通して結束し、延在片同士を締結することで、多面体状のドーム型構造物を組み立てている。
このため、特許文献1に記載のドーム型構造物は、可搬性を有する資材を用いて容易に組み立てられるとしている。また、特許文献1に記載のドーム型構造物は、以下の点で優れているとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-110493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示の技術では、プラスチック段ボール製のパネル部材を用いているので、パネル部材の素材そのものの軽量性と中空構造により、木製や金属製の板材よりも軽量である。また、紙製の段ボールより強度、耐久性、撥水性の点で優れている。また、木製や金属製の板材を用いる場合と違い、折り目で折り曲げることができる点で多面体を形成しやすい。また、延在片がドーム型構造物の外側となるようにパネル部材を組み立てることにより、その延在片が雨天時の雨樋としても機能させることができるとしている。
即ち、特許文献1に開示のドーム型構造物は、容易に組み立てることができるという特徴と、軽量でありながら強度、耐久性、撥水性の点で優れているという特徴とを兼ね備えたものである。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のドーム型構造物を始めとして、プラスチック製、又は紙製等の段ボール等の軽量のパネル部材を用いる従来技術のドーム型構造物は、堆積物が上側に堆積した際に、堆積物の重さにより、その下端部が広がってしまい、つぶれが発生し、堆積強度が低いという問題があった。
また、従来技術のドーム型構造物において、入退出用の開口部を設けた場合には、下端部は、更に広がり、堆積強度がさらに低くなるという問題があった。
また、従来技術のドーム型構造物は、例えば、二十面体等の多面体形状であるため、組み立て上の制約からその高さを高くすることができず、ドーム内の収納空間を大きくすることができていないという問題があった。例えば、特許文献1に開示のドーム型構造物のように、半球体、又は2/3球体に近い多面体形状である場合には、高さはそれぞれ下端部の直径の半分又は、ほぼ70%であり、高さを高くして収納空間を大きくするためには、ドーム型構造物自体を大きくして、ドーム型構造物の設置面積を大きくする必要があるが、構造物自体の強度や、上述した堆積強度の点から、大きくすることは困難であるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に開示のドーム型構造物のように、パネル部材の延在片間の接合を結束バンド等の結束部材を多用して接合すると、作業性が悪いという問題があった。
また、特許文献1に開示のドーム型構造物のように、結束部材で結束されたパネル部材の延在片が外面にあると、紙製などの段ボールを用いた場合には、パネル部材の外面に撥水加工を行ったとしても、延在片の接合部分は、雨、又は雪等により劣化してしまい、ドーム型構造物自体が破損してしまう恐れがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、ドーム型構造物を開口することなく、堅固、かつ確実に支持し、堆積強度を向上させたドーム構造物ユニットを構成することができ、かつ作業性を向上させたドーム胴体構造物、このようなドーム胴体構造物によってドーム型構造物が堅固、かつ確実に支持されたドーム構造物ユニット、及びドーム胴体構造物を構成する胴体部品を効率良く、容易、かつ確実に作製することができる平板状の胴体部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様のドーム胴体構造物は、複数の壁形成部と、少なくとも1つの開口形成部とを、空間を囲むように組み合わせて構成された胴体部を少なくとも最下段に有するドーム胴体構造物であって、ドーム胴体構造物の上側において、下面を除いて閉じているドーム型構造物を載置して支持し、ドーム胴体構造物の下側において、地面、又は床面に直接、又は間接に支持されるものであり、複数の壁形成部の各々は、偶数個の第1胴体部品と、第1胴体部品に隣接し、偶数個の第2胴体部品とを有し、開口形成部は、偶数個の第3胴体部品と、それぞれ第3胴体部品に隣接する偶数個の第4胴体部品とを有し、偶数個の第3胴体部品、及び偶数個の第4胴体部品に囲まれて形成された開口を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、第1胴体部品、及び/又は第2胴体部品、並びに第3胴体部品、及び/又は第4胴体部品はそれぞれ部分的に厚みを有し、内部に空間を形成する包み込み構造であることが好ましい。
また、胴体部の上端の外縁と、胴体部の下端の外縁とが同一のサイズであることが好ましい。
また、複数の壁形成部と、少なくとも1つの開口形成部との合計数は、偶数であり、胴体部は、平面視対称であることが好ましい。
また、第1胴体部品、及び第2胴体部品の頂点は、いずれも胴体部の外面より内方に位置することが好ましい。
【0011】
また、開口形成部の開口は、胴体部の外面より内方に位置する、ことが好ましい。
また、第1胴体部品、及び第2胴体部品の少なくとも一方、並びに第3胴体部品、及び第4胴体部品の少なくとも一方は、外部に延在する延在片を有することが好ましい。
また、第1胴体部品、及び第2胴体部品、並びに第3胴体部品、及び第4胴体部品は、それぞれ、他の部品と接合するための少なくとも1つのプッシュ式接合部を有することが好ましい。
また、更に、胴体部の上側、及び/又は下側をそれぞれブーメラン接合部で接合するためのブーメラン接合部材を有することが好ましい。
【0012】
また、第1胴体部品、及び第2胴体部品のそれぞれの側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、壁形成部の中心位置に位置し、第1胴体部品は、中心位置に対して上下に位置し、側面視上下対称であり、第2胴体部品は、中心位置に対して左右に位置し、側面視左右対称であり、中心位置は、壁形成部の周辺より内方に位置することが好ましい。
また、第3胴体部品の側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、それぞれ開口形成部の右上、及び左下の頂点に位置し、第4胴体部品の側面視三角形の長辺に対応する1つの頂点は、開口形成部の左上、及び右下の頂点に位置し、第3胴体部品、及び第4胴体部品のそれぞれの側面視三角形の長辺の位置に開口面が位置し、開口面によって開口形成部の開口が形成され、開口は、開口形成部の周辺より内方に位置することが好ましい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様のドーム構造物ユニットは、本発明の第1の態様のドーム胴体構造物と、ドーム胴体構造物の上側に載置されて固定されるドーム状のドーム型構造物と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様の胴体部材は、本発明の第1の態様のドーム胴体構造物に用いられる胴体部材であって、ドーム胴体構造物を構成する第1胴体部品、第2胴体部品、第3胴体部品、及び第4胴体部品をそれぞれ形成するための平板状の第1胴体部材、第2胴体部材、第3胴体部材、及び第4胴体部材として用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、ドーム型構造物を開口することなく、堅固、かつ確実に支持し、堆積強度を向上させたドーム構造物ユニットを構成することができ、かつ作業性を向上させたドーム胴体構造物を提供することができる。
また、本発明の第1の態様によれば、効率良く、容易、かつ確実に組み立てることができ、ドーム型構造物を堅固、かつ確実に支持することができ、入退出用の開口部を1つ、又は複数設けてもつぶれることがなく、設置面積を大きくすることなく、ドーム型構造物の高さを高くすることができ、収納空間を大きくすることができる。
また、本発明の第2の態様によれば、このようなドーム胴体構造物と、これを用いて堅固、かつ確実に支持されるドーム型構造物とからなり、設置面積を大きくすることなく、高さを高くすることができ、収納空間を大きいドーム構造物ユニットを提供することができる。
また、本発明の第3の態様によれば、このようなドーム胴体構造物を構成する胴体部品を効率良く、容易、かつ確実に作製することができる平板状の胴体部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るドーム胴体構造物の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すドーム胴体構造物の側面図であり、(a)ドーム胴体構造物の壁形成部を中央に配置する側面図であり、(b)ドーム胴体構造物の開口形成部を中央に配置する側面図である。
図3図1に示すドーム胴体構造物の底面図である。
図4図2(a)に示す壁形成部を構成する第1胴体部品の斜視図であり、(a)第1胴体部品の外面側からの斜視図であり、(b)第1胴体部品の内面側からの斜視図である。
図5図2(a)に示す壁形成部を構成する第2胴体部品の斜視図であり、(a)第2胴体部品の外面側からの斜視図であり、(b)第2胴体部品の内面側からの斜視図である。
図6図4に示す第1胴体部品の延在片と、図5に示す第2胴体部品の延在片とを重ね合わせて接合し、2つの第1胴体部品、及び第2胴体部品を組み合わせた状態の斜視図である。
図7図2(b)に示す開口形成部を構成する第3胴体部品の斜視図であり、(a)第3胴体部品の外面側、かつ開口面側からの斜視図であり、(b)第3胴体部品の内面側、かつ接合面側からの斜視図である。
図8図2(b)に示す開口形成部を構成する第4胴体部品の斜視図であり、(a)第4胴体部品の外面側、かつ開口面側からの斜視図であり、(b)第4胴体部品の内面側、かつ接合面側からの斜視図である。
図9図5に示す第2胴体部品の接合面と、図8に示す第4胴体部品の接合面とを重ね合わせて接合し、2つの第2胴体部品、及び第4胴体部品を組み合わせた状態の斜視図である。
図10図1に示すドーム胴体構造物とドーム型構造物とからなるドーム構造物ユニットの側面図である。
図11図4(a)、及び(b)に示す第1胴体部品を形成するための平板状の第1胴体部材の平面図である。
図12図4(a)、及び(b)に示す第1胴体部品の三角形断面を支持するための三角片の平面図である。
図13図5(a)、及び(b)に示す第2胴体部品を形成するための平板状の第2胴体部材の平面図である。
図14図7(a)、及び(b)に示す第3胴体部品を形成するための平板状の第3胴体部材の平面図である。
図15図8(a)、及び(b)に示す第4胴体部品を形成するための平板状の第4胴体部材の平面図である。
図16図11に示す第1押し込み部を押し込む様子を示す斜視図である。
図17図11に示す第1押し込み部を押し込む様子を示す断面図である。
図18図11に示す第3押し込み部を押し込む様子を示す斜視図である。
図19図11に示す第3押し込み部を押し込む様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
【0017】
本発明の第1の態様に係るドーム胴体構造物は、人、又は動物等が出入りし、若しくは家具、用具、又は資材等を出し入れするための開口部を有し、下面を除いて閉じているドーム状のドーム型構造物を上側に載置し、かつ固定して支持するためのものである。その結果、本発明に係るドーム胴体構造物とドーム型構造物とを組み合わせることにより、本発明に係るドーム構造物ユニットを構成することができる。
本発明の第2の態様に係るドーム構造物ユニットは、詳細は後述するが、下方に開口部を有し、かつ内部にドーム状の空間を有し、その内部空間に、人、又は動物、若しくは家具、用具、又は資材等を収容することができる。ドーム構造物ユニットは、そのサイズに応じて、屋外のイベント等の構築物、僻地での一時的な住宅、震災発生等の緊急時、及び被災地等での仮設住居、及び簡易型テント等、若しくはペット用の小屋等、様々な用途に利用することができる。
【0018】
本発明の第1の態様に係るドーム胴体構造物は、複数の壁形成部と、少なくとも1つの開口形成部とを、空間を囲むように、例えば環状に組み合わせて筒状に構成された胴体部を少なくとも最下段に有し、壁形成部は、偶数個の第1胴体部品と、各第1胴体部品に隣接する偶数個の第2胴体部品とを有し、開口形成部は、偶数個の第3胴体部品と、それぞれ第3胴体部品に隣接する偶数個の第4胴体部品とを有し、偶数個の第3胴体部品、及び偶数個の第4胴体部品に囲まれて形成された開口を有する。
また、本発明の第3の態様に係る胴体部材は、本発明の第1の態様に係るドーム胴体構造物を構成する第1胴体部品、第2胴体部品、第3胴体部品、及び第4胴体部品をそれぞれ形成するための平板状の第1胴体部材、第2胴体部材、第3胴体部材、及び第4胴体部材からなる。
なお、本発明のドーム胴体構造物を構成する材料は、段ボール等の厚手の紙材料から選択可能であるが、紙質はいかなるものであってもよく、種々のコーティングが行われたもの、紙以外の樹脂等で形成されたものであってもよい。
【0019】
以下に、本発明に係るドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
(ドーム胴体構造物)
図1は、本発明の一実施形態に係るドーム胴体構造物の一例を模式的に示す斜視図である。図2(a)、及び(b)は、それぞれ図1に示すドーム胴体構造物の壁形成部、及び開口形成部を中央に配置する側面図である。図3は、図1に示すドーム胴体構造物の底面図である。
図1に示す本発明のドーム胴体構造物10は、4つの壁形成部12、及び4つの開口形成部14を、環状に交互に組み合わせて構成された筒状の胴体部16を最下段に1段有する。壁形成部12は、壁部分を形成し、開口形成部14は、1つの開口15を形成している。
【0020】
図1に示す例においては、開口15を持つ胴体部16が、最下段に1段だけ設けられているが、本発明はこれに限定されず、少なくとも最下段に開口15を形成する開口形成部14を有していれば、複数の壁形成部12のみを空間を囲むように、例えば環状に組み合わせて筒状に構成された壁面胴体部が1段以上積み重ねられていても良い。また、図2(a)、及び(b)、並びに図3に示すように、胴体部16は、胴体部の上端の外縁と、胴体部の下端の外縁とが同一のサイズであることが好ましい。なお、壁面胴体部は、開口15を持つ開口形成部14を有していない点では、胴体部16と異なるが、複数の壁形成部12から構成される点では、胴体部16と同じであるので、その点では同様な特徴を有している。即ち、壁面胴体部も、胴体部16と同様に、上端の外縁と、下端の外縁とは、同一のサイズであることが好ましい。
【0021】
また、胴体部16は、4つの壁形成部12、及び4つの開口形成部14を、環状に交互に組み合わせて構成されているが、本発明はこれに限定されず、空間を囲むように組み合わせて筒状に構成されていれば良い。また、胴体部16を構成する壁形成部12、及び開口形成部14の数は、特に制限的ではなく、複数の壁形成部12と、少なくとも1つの開口形成部14とを有していれば良いが、図3に示すように、合計数は、偶数であることが好ましく、胴体部16は、平面視対称であることが好ましい。また、壁形成部12、及び開口形成部14の数は、それぞれ偶数であることが更に好ましく、同じ偶数であることが最も好ましい。
【0022】
本発明のドーム胴体構造物10は、更に、その上側、及び/又は下側、図1に示す例では、胴体部16の上側、及び/又は下側をブーメラン接合部18で接合するためのブーメラン接合部材20a、及び20bを有する。図1では、ドーム胴体構造物10の上側である胴体部16においては、上側のブーメラン接合部18は省略されているが、図3に示すドーム胴体構造物10の底面側、即ち下側である胴体部16の下側のブーメラン接合部18と同じであり、同様に、ブーメラン接合部材20a、及び20bを用いて接合されている。
なお、本発明のドーム胴体構造物10は、その上側、即ち、図1に示す例では、胴体部16の上側において、ブーメラン接合部材20a、及び20bを介して、後述する図10に示すドーム型構造物80を載置して支持し、ドーム胴体構造物10の下側である胴体部16の下側において、ブーメラン接合部材20a、及び20bを介して、地面、又は床面に直接、又は間接に支持される。
【0023】
(壁形成部)
壁形成部12は、図2(a)に示すように、2つの第1胴体部品22と、2つの第2胴体部品24とを有している。第1胴体部品22、及び第2胴体部品24は、共に側面視二等辺三角形であり、互いに隙間なく隣接している。
第1胴体部品22は、外面側において、側面視二等辺三角形の中央において互いに隣接して、側面視二等辺三角形の頂点23から対向辺23bに向かう中央隣接線23aを形成する2つの三角形外面22a、及び22bを有している。三角形外面22a、及び22bは、図1に示すように、中央隣接線23aに沿って頂点23から対向辺23bに向かうにつれて外面に突出する山の形を形成しており、中央隣接線23aは稜線を形成している。2つの第1胴体部品22は、それぞれ壁形成部12の上下に配置され、それぞれの頂点23が壁形成部12の中心点26に集まっている。
【0024】
第2胴体部品24は、図2(a)に示すように、それぞれ二等辺三角形状の平坦な平面である三角形外面24aを有している。2つの第2胴体部品24は、図1に示すように、それぞれ三角形外面24aを有し、壁形成部12の左右に配置され、三角形外面24aの二等辺三角形の頂点25が壁形成部12の中心点26に集まっている。
こうして、2つの第1胴体部品22と、2つの第2胴体部品24とによって構成される壁形成部12は、側面視上下対称、且つ左右対称であり、矩形形状を有する。
第1胴体部品22、及び第2胴体部品24の各頂点23、及び25は、いずれも壁形成部12の中心点26位置し、壁形成部12の矩形状の外周面、即ち胴体部16の外面より内方に位置することが好ましい。
第1胴体部品22、及び第2胴体部品24の詳細については、後述する。
【0025】
(開口形成部)
開口形成部14は、図2(b)に示すように、2つの第3胴体部品28と、2つの第4胴体部品30とを有している。第3胴体部品28、及び第4胴体部品30は、それぞれ、共に側面視二等辺三角形状の外面28a、及び30aを有し、図1に示すように、それぞれの頂点27、及び29に対する対向部分に矩形形状の開口面28b、及び30bを有する。
開口形成部14においては、2つの第3胴体部品28と、2つの第4胴体部品30とが、交互に、各頂点27、及び29がそれぞれ矩形の開口形成部14の4つの角にくるように、互いに隣接して配置される。その結果、2つの第3胴体部品28の各開口面28b、及び2つの第4胴体部品30の各開口面30bによって、開口形成部14の中央に、矩形状の開口15が形成される。
こうして、2つの第3胴体部品28と、2つの第4胴体部品30とによって構成される開口形成部14は、矩形形状を有し、側面視上下対称、且つ左右対称である。
第3胴体部品28、及び第4胴体部品30の各開口面28b、及び各開口面30bは、いずれも開口形成部14の中央側に位置しており、開口形成部14の矩形状の外周面、即ち胴体部16の外面より内方に位置することが好ましい。
第3胴体部品28、及び第4胴体部品30の詳細については、後述する。
【0026】
(第1胴体部品)
次に、壁形成部12を構成する第1胴体部品22は、図4(a)、及び(b)に示すように、頂点23を共有し、胴体部16の外面を構成する三角形外面22a、及び22bと、頂点23に対向する三角形接合面22cと、頂点23を共有し、胴体部16の内面を構成する三角形内面22dと、を有する三角錐形状の立体部品である。
ここで、三角形接合面22cは、三角形外面22a、及び22bのそれぞれの1辺23c、及び23dを2辺とし、対向辺23bを長辺とし、頂点23に対向する二等辺三角形状である。この三角形接合面22cは、胴体部16の上面及び/又は下面となる部分であり、図3に示すブーメラン接合部材20aと接合される面である。また、三角形内面22dは、胴体部16の内面を構成するもので、三角形外面22a、及び22bの他の各1辺23e、及び23fを2辺とし、対向辺23bを長辺とし、頂点23を共有する二等辺三角形状である。
また、第1胴体部品22は、更に、三角形外面22a、及び三角形内面22dの共通の辺23eから内面側に所定長さ延在する矩形状の延在片22eと、三角形外面22b、及び三角形内面22dの共通の辺23fから内面側に所定長さ延在する矩形状の延在片22fとを有する。ここで、延在片22eは、隣接する第2胴体部品24の後述する略同形状の延在片24fと接合するためのものであり、延在片22fは、隣接するもう1つの第2胴体部品24の後述する略同形状の延在片24eと接合するためのものである。
【0027】
(第2胴体部品)
第2胴体部品24は、図5(a)、及び(b)に示すように、サイズは異なるが、第1胴体部品22と、外面と内面とが逆になっている三角錐形状の立体部品である。したがって、頂点25を有し、胴体部16の外面を構成する三角形外面24aと、頂点25に対向する三角形接合面24bと、頂点25を共有し、胴体部16の内面を構成する三角形内面24c、及び24dと、を有する。
ここで、三角形接合面24bは、三角形外面24aの頂点25に対向する長辺である対向辺25aを長辺とし、等辺を25b、及び25cとする二等辺三角形状の三角錐の底面を構成する。この三角形接合面24bは、胴体部16の上下方向に延びる左右方向の接合面を構成し、第3胴体部品28、及び第4胴体部品30の各三角形接合面28d、及び30dの両方を接合するためのものである。
【0028】
また、三角形内面24c、及び24dは、胴体部16の内面側において、頂点25から三角形接合面24bの2辺25b、及び25cの交点である頂点に向かう中央隣接線25dにおいて隣接し、中央隣接線25dを共有辺とし、三角形外面24a、及び三角形接合面24bの一方の辺をそれぞれの2辺とする2つの三角形状である。三角形内面24c、及び24dは、中央隣接線25dに沿って頂点25から対向辺25aに向かうにつれて内面に突出する山の形を形成しており、中央隣接線25dは稜線を形成している。
また、第2胴体部品24は、更に、三角形外面24a、及び三角形内面24cの共通の辺25eから内面側に所定長さ延在する矩形状の延在片24eと、三角形外面24a、及び三角形内面24dの共通の辺25fから内面側に所定長さに延在する矩形状の延在片24fとを有する。ここで、上述したように、延在片24eは、隣接する第1胴体部品22の略同形状の延在片22fと接合するためのものであり、延在片24fは、隣接するもう1つの第1胴体部品22の略同形状の延在片22eと接合するためのものである。
【0029】
壁形成部12を構成する構成するに際し、図4(a)、及び(b)、図5(a)、及び(b)、並びに図6に示すように、第1胴体部品22の延在片22fと、第2胴体部品24の延在片24eとを重ね合わせて接合して、第1胴体部品22と第2胴体部品24とを一体化することができる。
この後、第1胴体部品22の残りの延在片22eと、もう1つの第2胴体部品24の延在片24fとを重ね合わせて接合して、第1胴体部品22ともう1つの第2胴体部品24とを一体化することができる。
次に、始めの第2胴体部品24の残りの延在片24fと、もう1つの第1胴体部品22の延在片22eとを重ね合わせて接合して、第1胴体部品22ともう1つの第2胴体部品24とを一体化することができる。
最後に、接合されていないもう1つの第2胴体部品24の延在片24eと、もう1つの第1胴体部品22の延在片22fとを重ね合わせて接合して、もう1つの第2胴体部品24と、もう1つの第1胴体部品22とを一体化することにより、図1、及び図2(a)に示すような1つの壁形成部12を組み立てることができる。
【0030】
(第3胴体部品)
次に、開口形成部14を構成する第3胴体部品28は、図7(a)、及び(b)に示すように、頂点27を有し、胴体部16の外面を構成する三角形外面28aと、三角形外面28aの頂点27に対向辺27aを1辺とし、頂点27に対向する矩形開口面28bと、頂点27を共有し、胴体部16の内面を構成する三角形内面28cと、頂点27を共有し、三角形外面28aと三角形内面28cとを両側で繋ぐ三角形接合面28d、及び28eとを有する四角錐形状の立体部品である。
ここで、三角形外面28aは、頂点27に対向する長辺となる対向辺27aと、頂点27を共有する等辺となる2つの辺27b、及び27cとを3辺とする二等辺三角形状である。三角形内面28cは、頂点27に対向する対向辺27dと、頂点27を共有する2つの辺27e、及び27fとを3辺とする三角形状である。
【0031】
また、三角形接合面28dは、三角形外面28aの辺27bと、三角形内面28cの辺27eと、頂点27に対向する対向辺27gと、を3辺とする三角形状である。この三角形接合面28dは、胴体部16の上下方向の接合面を構成し、第2胴体部品24の三角形接合面24bの上側、又は下側と接合するためのものである。
また、三角形接合面28eは、三角形外面28aの辺27cと、三角形内面28cの辺27fと、頂点27に対向する対向辺27hとを3辺とする三角形状である。この三角形接合面28eは、胴体部16の上面及び/又は下面となる部分であり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合される面である。
【0032】
また、矩形開口面28bは、辺27a、27g、27d、及び27hの4辺からなる矩形であるが、辺27a、27h、及び隣接辺27iからなる三角形面28b1と辺27d、27g、及び隣接辺27iからなる三角形面28b2とを組み合わせたものである。
また、第3胴体部品28は、更に、三角形内面28c、及び三角形接合面28eの共通の辺27fから内面側に所定長さ延在する三角形状の延在片28fを有する。この延在片28fも、三角形接合面28eと同様に、胴体部16の上面及び/又は下面となり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合されるものである。
【0033】
(第4胴体部品)
次に、第4胴体部品30は、図8(a)、及び(b)に示すように、第3胴体部品28と対称な部品であり、頂点29を有し、胴体部16の外面を構成する三角形外面30aと、三角形外面30aの頂点29の対向辺29aを1辺とし、頂点29に対向する矩形開口面30bと、頂点29を共有し、胴体部16の内面を構成する三角形内面30cと、頂点29を共有し、三角形外面30aと三角形内面30cとを両側で繋ぐ三角形接合面30d、及び30eとを有する四角錐形状の立体部品である。
ここで、三角形外面30aは、頂点29に対向する長辺となる対向辺29aと、頂点29を共有する等辺となる2つの辺29b、及び29cとを3辺とする二等辺三角形状である。三角形内面30cは、頂点29に対向する対向辺29dと、頂点29を共有する2つの辺29e、及び29fとを3辺とする三角形状である。
【0034】
また、三角形接合面30dは、三角形外面30aの辺29cと、三角形内面30cの辺29fと、頂点29に対向する対向辺29gと、を3辺とする三角形状である。この三角形接合面30dは、胴体部16の上下方向の接合面を構成し、第2胴体部品24の三角形接合面24bの上側、又は下側と接合するためのものである。
また、三角形接合面30eは、三角形外面30aの辺29bと、三角形内面30cの辺29eと、頂点29に対向する対向辺29hとを3辺とする三角形状である。この三角形接合面30eは、胴体部16の上面及び/又は下面となる部分であり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合される面である。
【0035】
また、矩形開口面30bは、辺29a、29g、29d、及び29hの4辺からなる矩形であるが、辺29a、29h、及び隣接辺29iからなる三角形面30b1と辺29d、29g、及び隣接辺29iからなる三角形面30b2とを組み合わせたものである。
また、第4胴体部品30は、更に、三角形内面30c、及び三角形接合面30eの共通の辺29eから内面側に所定長さ延在する三角形状の延在片30fを有する。この延在片30fも、三角形接合面30eと同様に、胴体部16の上面及び/又は下面となり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合されるものである。
【0036】
また、開口形成部14を構成するに際し、図2(b)、図5(a)、及び(b)、図7(a)、及び(b)、並びに、内面側から図である図9に示すように、まず、側面正面視において、開口形成部14の左上の開口面28bを構成する第3胴体部品28の三角形接合面28dは、壁形成部12の右側に配置される第2胴体部品24の三角形接合面24bの上側に接合されることで固定される。また、この第3胴体部品28の三角形接合面28e、及び延在片28fは、胴体部16の上面となる部分であり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合されて固定される。
次に、図2(b)、図5(a)、及び(b)、図8(a)、及び(b)、並びに図9に示すように、側面正面視において、開口形成部14の左下の開口面30bを構成する第4胴体部品30の三角形接合面30dは、左上の第3胴体部品28の三角形接合面28dと一列をなすように、壁形成部12の右側に配置される第2胴体部品24の三角形接合面24bの下側に接合されることで固定される。また、この第4胴体部品28の三角形接合面30e、及び延在片30fは、胴体部16の下面となる部分であり、図3に示すブーメラン接合部材20bと接合されて固定される。
【0037】
次に、側面正面視において、開口形成部14の右上の開口面30bを構成する第4胴体部品30の三角形接合面30dは、もう1つの壁形成部12の左側に配置される第2胴体部品24の三角形接合面24bの上側に接合されることで固定される。また、この第4胴体部品28の三角形接合面30e、及び延在片30fは、胴体部16の上面となる部分であり、開口形成部14の左上の第3胴体部品28の上面の三角形接合面28e、及び延在片28fを固定するのに用いられた同じブーメラン接合部材20bに接合されて固定される。
次に、側面正面視において、開口形成部14の右下の開口面28bを構成する第3胴体部品28の三角形接合面28dは、右上の第4胴体部品30の三角形接合面30dと一列をなすように、もう1つの壁形成部12の左側に配置される第2胴体部品24の三角形接合面24bの下側に接合されることで固定される。また、この第3胴体部品28の三角形接合面28e、及び延在片28fは、胴体部16の下面となる部分であり、開口形成部14の左下の第4胴体部品30の下面の三角形接合面30e、及び延在片30fを固定するのに用いられた同じブーメラン接合部材20bに接合されて固定される。
【0038】
こうして、2つの第3胴体部品28、及び2つの第4胴体部品30を胴体部16に固定して、開口形成部14を組み立てて構成し、開口15を形成することができる。
以上のよう構成された壁形成部12、及び開口形成部14を交互に合計8つ環状に配置することにより、図1図3に示す胴体部16からなるドーム胴体構造物10を構成することができる。
なお、第1胴体部品22、第2胴体部品24、第3胴体部品28、及び第4胴体部品30は、それぞれ以上のように構成されるが、本発明においては、複数の壁形成部12、及び開口15を有する少なくとも1つの開口形成部14を構成できれば、特に限定的ではない。
本発明においては、第1胴体部品、及び/又は第2胴体部品、並びに第3胴体部品、及び/又は第4胴体部品は、それぞれ部分的に厚みを有し、内部に空間を形成する包み込み構造であることが好ましい。
また、壁形成部12、及び開口15を有する開口形成部14も、それぞれ以上のように構成されるが、本発明においては、開口15を有する胴体部16を構成できれば、特に限定的ではない。
【0039】
(ドーム構造物ユニット)
次に、本発明のドーム構造物ユニットついて説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係るドーム構造物ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
図10に示すように、以上のように構成されたドーム胴体構造物10の上側に略同一径のドーム状のドーム型構造物80を載置して固定することにより、ドーム構造物ユニット100を構成することができる。なお、ドーム型構造物80の下面と、ドーム胴体構造物10の上面との固定は、図示しないが、結束部材、上述したブーメラン接合部材等の接合部材、及び/又は後述するプッシュ式接合部等を用いて行うことができる。
ドーム型構造物80は、下側のドーム胴体構造物10が開口15を有しているので、下面側を除いて閉じたドーム状の構造物であれば良い。
【0040】
図10に示すドーム型構造物80は、4つのパネル82、84、86、及び88からなるドーム片90を12個組み合わせて構成されたものである。
ドーム型構造物80、即ちパネル82、84、86、及び88からなるドーム片90は、本発明のドーム胴体構造物10と同様の材料を用いて構成することができる。
パネル82、及び84は、互いに対称な直角三角形状の外面を持つ部材である。パネル86、及び88も、互いに対称な直角三角形状の部材からなるが、それぞれ2カ所で凸状に折り曲げることができる。その結果、パネル86は、それぞれ3つの直角三角形状の外面86a、86b、及び86cを持つ部材である。パネル88も、それぞれ3つの直角三角形状の外面88a、88b、及び88cを持つ部材である。
このような4つのパネル82、84、86、及び88は、図示しないが、内面側において、各パネルに延在片を設けておき、2つのパネルの延在片を重ね合わせて、結束部材、及び/又は接合部材等を用いて接合すればよい。
【0041】
本発明のドーム構造物ユニット100においては、ドーム型構造物80を本発明の開口15を有するドーム胴体構造物10の上側に乗せることができれば良いので、収納空間を大きくするためにドーム型構造物80の高さを高くする必要がなく、そのために強度を必要以に強くする必要がなく、ドーム型構造物80に開口を設ける必要がないためにドーム型構造物80の強度を高くすることができる。
このため、本発明のドーム構造物ユニット100は、ドーム型構造物80を高い位置に配置することができ、全体の高さを高くすることができ、収納空間をおおきくすることができる。
【0042】
(胴体部材)
次に、本発明の胴体部材ついて説明する。
図11図15は、本発明の一実施形態に係る胴体部材の一例を模式的に示す平面図である。なお、図11図13、14、及び図15に示す第1胴体部材32、第2胴体部材34、第3胴体部材36、及び第4胴体部材38は、それぞれ第1胴体部品22、第2胴体部品24、第3胴体部品28、及び第4胴体部品30を構成するものであるので、特別に区別する必要がある場合を除き、同一の構成要素には、同一の名称を付し、同一の番号を付す。
【0043】
(第1胴体部材)
まず、図11に示す第1胴体部材32は、第1胴体部品22を形成するための平板状の胴体部材である。この第1胴体部材32を折り曲げることによって、三角錐形状の第1胴体部品22を形成することができる。即ち、第1胴体部材32は、図4(a)、及び4(b)に示す第1胴体部品22の展開図であると言うことができる。
第1胴体部材32は、第1胴体部品22の三角形外面22a、及び22bとなる2つ部分と、三角形接合面22cとなる部分と、三角形内面22dとなる部分と、第1胴体部品22では重ね合わされて一体化されて示されている延在片22eを構成する部分である延在片22e1、及び延在片22e2、並びに延在片22fを構成する部分である延在片22f1、及び延在片22f2と、第1胴体部品22では、表側に現れないが、三角形外面22aと22bとの間に共に第1胴体部品22の内部側に折り曲げられ、その内部に閉じ込められる対称な2つの三角形折曲片32a、及び32bとを有する。
【0044】
また、三角形折曲片32a、及び32b間には、第1胴体部品22を組み立てる際に、切断されて、三角形接合面22cの頂点に至る切断線33aが設けられている。また、三角形折曲片32a、及び32bには、切断線33aの始点となるそれぞれの頂点から、それぞれの辺23a1、及び23a2に向かって少しだけ伸びる切断線33b、及び33cがそれぞれ設けられている。なお、辺23a1、及び23a2は、三角形折曲片32a、及び32bを、辺23a1、及び23a2自身が外側、即ち山の稜線になるように折り曲げる山折り線であり、第1胴体部品22を組み立てた際には、互いに重なり合い、中央隣接線23aとして一本化される。以下では、折り曲げた時、外側、即ち山になる折曲線を山折り線、又は外折り線という。
その結果、三角形折曲片32a、及び32bは、互いに重なり合うように、第1胴体部品22の内部側に折り曲げられ、第1胴体部品22の内部に閉じ込められる。
【0045】
三角形接合面22cと三角形内面22dとの間に点線で示される対向辺23bは、三角形接合面22cと三角形内面22dとが外側に来るように外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
同様に、反対側の三角形接合面22cと三角形外面22a、及び22bとのそれぞれの間に点線で示される辺23c、及び23dは、それぞれ外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
一方、三角形外面22aと延在片22e1との間に点線で示される辺23e1、及び三角形外面22bと延在片22f1との間に点線で示される辺23f1は、それぞれ延在片22e1、及び延在片22f1を外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
また、三角形内面22dと、延在片22e1、及び22f2のそれぞれとの間に一点鎖線で示される辺23e2、及び辺23f2は、それら自身が内側、即ち谷筋になるように、それぞれ延在片22e2、及び延在片22f2を内側、即ち谷側に折り曲げる谷折り線である。以下では、折り曲げた時、内側、即ち谷側になる折曲線を谷折り線、又は内折り線という。
【0046】
また、延在片22e2、及び延在片22f2には、それぞれ、両端側に締結孔49と、第1押し込み部41、及び位置合わせ孔48と、中央側に締結孔49と、2つの第3押し込み部43、及び位置合わせ孔48とを有する。なお、締結孔49、第1押し込み部41、位置合わせ孔48、及び第3押し込み部43の数は、特に制限的ではなく、例えば延在片22e1と22e2、及び延在片22f1と22f2等の延在片同士の結束、及び接合、並びに胴体部品の接合面同士の結束、及び接合、延在片、及び胴体部品の接合面とブーメラン接合部材との結束、及び接合等に応じて適宜設定すればよい。
第1押し込み部41は、延在片同士、及び胴体部品同士の接合等の際に押し込まれる部分であり、一対で設けられる。一対の第1押し込み部41の各々は、基端から延出しており、それぞれの先端部が互いに接するように形成されている。より詳しく説明すると、一対の第1押し込み部41は、図11に示すように、それぞれ、基端と、基端と隣接する根元部45と、基端とは反対側で根元部45と連続する連続部46とを有する。第1押し込み部41の外縁のうち、基端を除く部分(すなわち根元部45及び連続部46の外縁)には、切り込みが設けられている。
【0047】
連続部46の横幅は、根元部45の横幅よりも広く、換言すると、連続部46の両側部分には、第1押し込み部41の横幅方向の外側に向かって突出した突出部47が設けられている。ここで、第1押し込み部41の横幅方向は、対応する延在片23の延在方向と交差(詳しくは直交)する方向である。なお、第1押し込み部41が有する根元部45及び連続部46の各々の横幅は、第1押し込み部41の横幅方向における長さである。
第1押し込み部41が操作される前には、図11に示すように、一対の第1押し込み部41は、それぞれの連続部46の先端を突合わせた状態にある。また、一対の第1押し込み部41の各々の基端には折曲線L1が設けられている。つまり、各第1押し込み部41は、基端位置にて折り曲げ可能である。また、折曲線L1は、第1押し込み部41の横幅方向に沿って延びている。
【0048】
第3押し込み部43は、延在片同士、及び胴体部品同士の接合等の際に押し込まれる部分である。第3押し込み部43は、基端から延出しており、図11に示すように、第1押し込み部41と同様に、基端と、根元部45と、連続部46とを有する。第3押し込み部43の外縁のうち、基端を除く部分(すなわち根元部45及び連続部46の外縁)には、切り込みが設けられている。
また、連続部46の横幅は、根元部45の横幅よりも広く、換言すると、連続部46の両側部分には、第3押し込み部43の横幅方向の外側に向かって突出した突出部47が設けられている。ここで、第3押し込み部43の横幅方向は、対応する延在片23の延在方向に沿う(詳しくは平行な)方向である。なお、第3押し込み部43が有する根元部45及び連続部46の各々の横幅は、第3押し込み部43の横幅方向における長さである。
また、第3押し込み部43の基端には折曲線L3が設けられている。即ち、第3押し込み部43は、基端位置にて折り曲げ可能である。また、折曲線L3は、第3押し込み部43の横幅方向に沿って延びている。即ち、折曲線L2が延びる方向と、折曲線L3が延びる方向とは、互いに交差しており、好ましくは直交しているとよい。
【0049】
位置合わせ孔48は、第1押し込み部41、及び第3押し込み部43のそれぞれの先端部、より詳しくは連続部46の先端部に形成された孔である。第1押し込み部41に形成された位置合わせ孔48は、延在片同士、及び胴体部品同士との接合等の際に、第1押し込み部41の位置と、第1押し込み部41と重ねられる第2押し込み部42の位置とを合わせる際に利用される。第3押し込み部43に形成された位置合わせ孔48は、延在片同士、及び胴体部品同士との接合等の際に、第3押し込み部43の位置と、第3押し込み部43と重ねられる第4押し込み部44の位置とを合わせる際に利用される。なお、位置合わせ孔48の形状は、任意の形状でもよく、円、三角形、四角形若しくはそれ以外の多角形、あるいは星形等でもよい。
締結孔49は、第1小パネル21と他のパネル14とを接合するために延在片同士を締結する際に、結束バンド、紐、又はワイヤ等の結束部材が通される孔であり、各延在片23の延在方向の両端部の各々に2個ずつ設けられている。なお、締結孔49の数は、任意の数でよいが、第1押し込み部41を設けることで、第1押し込み部41を設けない場合よりも少ない数にすることができる。
【0050】
また、延在片22e1、及び延在片22f1には、それぞれ、両端側に締結孔49と、第2押し込み部42、及び位置合わせ孔48と、中央側に締結孔49と、2つの第4押し込み部44、及び位置合わせ孔48とを有する。また、三角形接合面22cには、その頂点の両側に、第2押し込み部42、及び締結孔49を有する。なお、締結孔49、第2押し込み部42、位置合わせ孔48、及び第4押し込み部44の数は、特に制限的ではなく、例えば延在片22e1と22e2、及び延在片22f1と22f2等の延在片同士の結束、及び接合、並びに、延在片、及び、例えば三角形接合面22c等の胴体部品の接合面とブーメラン接合部材との結束、及び接合等に応じて適宜設定すればよい。
【0051】
第2押し込み部42は、延在片同士、及び胴体部品同士の接合等の際に第1押し込み部41と共に押し込まれる部分であり、第1押し込み部41と同様に、一対で設けられる。図11に示すように、延在片22e1、及び22f1には、それぞれ両端側に、三角形接合面22cにはその頂点を挟む両側に、一対の第2押し込み部42が設けられている。それぞれの第2押し込み部42は、延在片同士、及び胴体部品同士を正確に重ね合わせた場合には第1押し込み部41と対向する。
第1押し込み部41と第2押し込み部42とは、共に押し込まれて、プッシュ式接合部40を構成する。
一対の第2押し込み部42は、それぞれ基端から延出しており、それぞれの先端部が、互いに接するように形成されている。より詳しく説明すると、各第2押し込み部42は、図11に示すように、基端と、基端と隣接する延出部50とを有する。第2押し込み部42の外縁のうち、基端を除く部分(すなわち延出部50の外縁)には切り込みが設けられている。
【0052】
延出部50の各部の横幅は、基端の長さと等しく、換言すると、延出部50は、矩形形状をなしている。第2押し込み部42の横幅方向は、対応する延在片、例えば、延在片22e2、及び22f2の延在方向と交差(詳しくは直交)する方向である。なお、第2押し込み部42が有する延出部50の横幅は、第2押し込み部42の横幅方向における長さである。また、延出部50の横幅は、第1押し込み部41が有する連続部46の横幅よりも短く、換言すると、第1押し込み部41の横幅は、第2押し込み部42の横幅よりも長い。
第2押し込み部42が操作される前には、図11に示すように、一対の第2押し込み部42は、それぞれの延出部50の先端を突合わせた状態にある。また、各第2押し込み部42の基端には折曲線L2が設けられており、各第2押し込み部42は、基端位置にて折り曲げ可能である。なお、折曲線L2は、第2押し込み部42の横幅方向に沿って延びている。
【0053】
第4押し込み部44は、延在片同士、及び胴体部品同士の接合等の際に第3押し込み部43とともに押し込まれる部分であり、延在片同士、胴体部品の接合面同士、及び延在片、又は胴体部品の接合面とブーメラン接合部材とを正確に重ね合わせた場合には第3押し込み部43と対向する。第4押し込み部44は、図11に示すように、延在片22e1、及び22f1の中央側にそれぞれ設けられている。なお、延在片、及び胴体部品に設けられる第4押し込み部44の数は、対応する第3押し込み部43と同数であれば、任意の個数でもよい。
第3押し込み部43と第4押し込み部44とは、共に押し込まれて、プッシュ式接合部40を構成する。
第4押し込み部44は、基端から延出しており、図11に示すように、第2押し込み部42と同様に、基端と延出部50とを有する。第4押し込み部44の外縁のうち、基端を除く部分(すなわち延出部50の外縁)には、切り込みが設けられている。また、第4押し込み部44の基端には折曲線L4が設けられており、第4押し込み部44は、基端位置にて折り曲げ可能である。折曲線L4は、第4押し込み部44の横幅方向に沿って延びており、第4押し込み部44の横幅方向は、対応する延在片22e1、及び22f1の延在方向に沿う(詳しくは平行な)方向である。つまり、折曲線L2が延びる方向と、折曲線L4が延びる方向とは、互いに交差しており、好ましくは直交しているとよい。
【0054】
なお、第4押し込み部44が有する延出部50の横幅は、第4押し込み部44の横幅方向における長さであり、第3押し込み部43が有する連続部46の横幅よりも短い。換言すると、第3押し込み部43の横幅は、第4押し込み部44の横幅よりも長い。
位置合わせ穴48は、第2押し込み部42及び第4押し込み部44のそれぞれの先端部(詳しくは延出部50の先端部)に形成されている。第1押し込み部41の位置合わせ穴48と、第2押し込み部42の位置合わせ穴48とが一致することで、第1押し込み部41が正しく位置決めされ、対応する第2押し込み部42と適切に対向する。同様に、第3押し込み部43の位置合わせ穴48と、第4押し込み部44の位置合わせ穴48とが一致することで、第3押し込み部43が正しく位置決めされ、対応する第4押し込み部44と適切に対向する。なお、第2押し込み部42及び第4押し込み部44に形成される位置合わせ穴48の形状は、特に限定されないが、第1押し込み部41及び第3押し込み部43に形成される位置合わせ穴48の形状と同一形状であるのが好ましい。
締結穴49は、各延在片33の延在方向の両端側、及び中央の各々に2個ずつ設けられている。なお、締結穴49の数は、任意の個数でもよいが、第2押し込み部42を設けることで、第2押し込み部42を設けない場合よりも少ない個数にすることができる。
【0055】
なお、第1胴体部材32において、切断線33a、33b、及び33cをそれぞれ切断後、三角形折曲片32a、及び32bをそれぞれ辺23a1、辺23a2に沿って外側に折り曲げ、即ち山折りして、互いに重なり合うようにしておく。続いて、辺23b、辺23c、辺23d、辺23e1、及び辺23f1に沿って外側に折り曲げ、即ち山折りし、辺23e2、及び辺23f2に沿って内側に折り曲げ、即ち谷折りする。こうして、三角形内面22dに対して、三角形接合面22cを傾斜させて立設させ、三角形外面22a、及び22bも、それぞれ三角形接合面22cの立設片23c、及び23dに沿って傾斜させる。三角形折曲片32a、及び32bを第1胴体部品22の内部に入れ込んで一体化して、切断線33b、及び33cも一体化し、辺23a1と23a2とを重ね合わせて1本の中央隣接線23aに揃える。こうして、一体化された三角形折曲片32a、及び32bの一体化された切断線33b、及び33cの切断部分を、図12に示す三角片54の頂点の切断部分である切込み53に嵌め込む。
【0056】
この後、三角形内面22dの頂点、三角形外面22a、及び22bの間の中央隣接線23aの先端を一致させて、第1胴体部材32の頂点23とすると共に、延在片22e1と22e2とを重ね合わせると共に、延在片22f1と22f2とを重ね合わせる。
重ね合わされた延在片22e1の第2押し込み部42、及び/又は第4押し込み部44と、延在片22e2の第1押し込み部41、及び/又は第3押し込み部43とを共に押し込んで接合してプッシュ式接合部40を形成し、一体化された延在片22eを構成する。同様にして、重ね合わされた延在片22f1と22f2とを接合してプッシュ式接合部40を形成し、一体化された延在片22fを構成する。
その結果、図4a、及び図4bに示す三角錘形状の第1胴体部品22が構成される。
この時、第1胴体部品22の内部では、一体化された三角形折曲片32a、及び32bの先端片33d、及び33e、及び三角片54が、三角形内面22dに当接して、三角形断面を形成する三角形外面22a、及び22bを支持しているので、第1胴体部品22の強度を高くすることができる。
【0057】
(第2胴体部材)
次に、図13に示す第2胴体部材34は、第2胴体部品24を形成するための平板状の胴体部材である。この第2胴体部材34を折り曲げることによって、三角錐形状の第2胴体部品24を形成することができる。即ち、第2胴体部材34は、図5(a)、及び5(b)に示す第2胴体部品24の展開図であると言うことができる。
上述したように、第2胴体部品24は、個々の面のサイズ、及び形状は少し異なるが、第1胴体部品22と、外面と内面とが逆になっている三角錐形状の立体部品であるので、第2胴体部材34は、第1胴体部材32と基本構成は類似している。
第2胴体部材34は、第2胴体部品24の三角形外面24aとなる部分と、三角形接合面24bとなる部分と、三角形内面24c、及び24dとなる2つの部分と、第2胴体部品24では重ね合わされて一体化されて示されている延在片24eを構成する部分である延在片24e1、及び延在片24e2、並びに延在片24fを構成する部分である延在片24f1、及び延在片24f2と、第2胴体部品24では、表側に現れないが、三角形内面24aと24bとの間に共に第2胴体部品24の内部側に折り曲げられ、その内部に閉じ込められる対称な2つの三角形折曲片34a、及び34bとを有する。
【0058】
また、三角形折曲片34a、及び34b間には、第2胴体部品24を組み立てる際に、切断されて、三角形接合面24bの頂点に至る切断線35aが設けられている。また、三角形折曲片34a、及び34bには、切断線35aの始点となるそれぞれの頂点から、それぞれの辺25d1、及び25d2に向かって少しだけ伸びる切断線35b、及び35cがそれぞれ設けられている。なお、辺25d1、及び25d2は、三角形折曲片34a、及び34bを、辺25d1、及び25d2自身が外側、即ち山の稜線になるように折り曲げる山折り線であり、第2胴体部品24を組み立てた際には、互いに重なり合い、中央隣接線25dとして一本化される。
その結果、三角形折曲片34a、及び34bは、互いに重なり合うように、第2胴体部品24の内部側に折り曲げられ、第2胴体部品24の内部に閉じ込められる。
【0059】
三角形外面24aと三角形接合面24bとの間に点線で示される対向辺25aは、三角形外面24aと三角形接合面24bとが外側に来るように外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
同様に、反対側の三角形接合面24bと三角形内面24c、及び24dとのそれぞれの間に点線で示される辺25b、及び25cは、それぞれ外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
一方、三角形外面24aと、延在片24e1、及び延在片24f1のそれぞれとの間に点線で示される辺25e1、及び辺25f1は、それぞれ延在片24e1、及び延在片24f1を外側、即ち山側に折り曲げる山折り線である。
一方、三角形内面24cと延在片24e2との間に一点鎖線で示される辺25e2、及び三角形内面24dと延在片24f2との間に一点鎖線で示される辺25f2は、それぞれ延在片24e2、及び延在片24f2を内側、即ち谷側に折り曲げる谷折り線である。
【0060】
また、延在片24e1、及び延在片24f1には、図11に示す第1胴体部材32の延在片22e2、及び延在片22f2と同様に、それぞれ、両端側に締結孔49と、第1押し込み部41、及び位置合わせ孔48と、中央側に締結孔49と、2つの第3押し込み部43、及び位置合わせ孔48とを有する。また、三角形接合面24bには、その頂点の両側に、それぞれ、4対の第1押し込み部41を有する。なお、締結孔49、第1押し込み部41、位置合わせ孔48、及び第3押し込み部43の数は、特に制限的ではなく、例えば延在片24e1と24e2、及び延在片24f1と24f2等の延在片同士の結束、及び接合、並びに胴体部品の接合面同士の結束、及び接合、延在片、及び胴体部品の接合面とブーメラン接合部材との結束、及び接合等に応じて適宜設定すればよい。
【0061】
また、延在片24e2、及び延在片24f2には、図11に示す第1胴体部材32の延在片22e1、及び延在片22f1と同様に、それぞれ、両端側に締結孔49と、第2押し込み部42、及び位置合わせ孔48と、中央側に締結孔49と、2つの第4押し込み部44、及び位置合わせ孔48とを有する。なお、締結孔49、第2押し込み部42、位置合わせ孔48、及び第4押し込み部44の数は、特に制限的ではなく、例えば延在片24e1と24e2、及び延在片24f1と24f2等の延在片同士の結束、及び接合、並びに、例えば三角形接合面24bと第3胴体部品28の三角形接合面28d、及び第4胴体部品30の三角形接合面30d等の胴体部品の接合面同士の結束、及び接合等に応じて適宜設定すればよい。
なお、第1、第2、第3、及び第4押し込み部41、42、43、及び44、位置合わせ孔48、並びに締結孔49については、第1胴体部材32の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
なお、第2胴体部材34において、切断線35a、35b、及び35cをそれぞれ切断後、三角形折曲片34a、及び34bをそれぞれ辺25d1、辺25d2に沿って外側に折り曲げ、即ち山折りして、互いに重なり合うようにしておく。続いて、辺25a、辺25b、辺25c、辺25e1、及び辺25f1に沿って外側に折り曲げ、即ち山折りし、辺25e2、及び辺25f2に沿って内側に折り曲げ、即ち谷折りする。こうして、三角形外面24aに対して、三角形接合面24bを傾斜させて立設させ、三角形内面24c、及び24dも、それぞれ三角形接合面24bの立設片25b、及び25cに沿って傾斜させる。三角形折曲片34a、及び34bを第2胴体部品24の内部に入れ込んで一体化して、切断線35b、及び35cも一体化し、辺25d1と25d2とを重ね合わせて1本の中央隣接線25dに揃える。こうして、一体化された三角形折曲片34a、及び34bの一体化された切断線35b、及び35cの切断部分を、図12に示す三角片54の頂点の切断部分である切込み53に嵌め込む。
【0063】
この後、三角形外面24aの頂点(25)、三角形内面24c、及び24dの間の中央隣接線25dの先端(25)を一致させて、第2胴体部材34の頂点25とすると共に、延在片24e1と24e2とを重ね合わせると共に、延在片24f1と24f2とを重ね合わせる。
重ね合わされた延在片24e1の第1押し込み部41、及び/又は第3押し込み部43と、延在片24e2の第2押し込み部42、及び/又は第4押し込み部44とを共に押し込んで接合してプッシュ式接合部40を形成し、一体化された延在片24eを構成する。同様にして、重ね合わされた延在片24f1と24f2とを接合してプッシュ式接合部40を形成し、一体化された延在片24fを構成する。
その結果、図5a、及び図5bに示す三角錘形状の第2胴体部品24が構成される。
この時、第2胴体部品24の内部では、一体化された三角形折曲片34a、及び34bの先端片35d、及び35e、及び三角片54が、三角形外面24aに当接して、三角形断面を形成する三角形内面24c、及び24dを支持しているので、第2胴体部品24の強度を高くすることができる。
【0064】
この後、図6に示すように、第1胴体部品22の一体化された延在片22fと、第2胴体部品24の一体化された延在片24eとを位置合わせして重ね合わせ、位置合わせされた両側、及び中央の3カ所のそれぞれ2つの締結孔49に検束部材56を通して、延在片22fと延在片24eとを結束して、第1胴体部品22と第2胴体部品24とを一体化することができる。
この後、上述したように、同様にして、一体化された第1胴体部品22、及び第2胴体部品24と、もう1つの第1胴体部品22、及び第2胴体部品24のそれぞれの延在片同士を結束して、2つの第1胴体部品22と2つの第2胴体部品24とを一体化して、図1、及び図2(a)に示す1つの壁形成部12を組み立てることができる。組み立てられた壁形成部12においては、図1に示すように、2つの第1胴体部品22のそれぞれ頂点23、及び2つの第2胴体部品24のそれぞれ頂点25が集まる中心点26の内面側においては、延在片22fと24eとを結束した一体化片が2つ、延在片22eと24fとの結束した一体化片が2つの4つの一体化片が集まっている。ここで、図1には図示していないが、中心点26に集まった4つの一体化片のそれぞれの中心点26側の締結孔49、即ち4つの締結孔49を、検束部材56を用いて結束している。こうして、壁形成部12の強度を高くすることができる。
【0065】
(第3胴体部材)
まず、図14に示す第3胴体部材36は、第3胴体部品28を形成するための平板状の胴体部材である。この第3胴体部材36を折り曲げることによって、四角錐形状の第3胴体部品28を形成することができる。即ち、第3胴体部材36は、図7(a)、及び7(b)に示す第3胴体部品28の展開図であると言うことができる。
第3胴体部材36は、第3胴体部品28の三角形外面28aとなる部分と、矩形開口面28bを構成する三角形面28b1、及び三角形面28b2となる2つの部分と、三角形内面28cとなる部分と、三角形接合面28dとなる部分と、三角形接合面28eとなる部分と、三角形延在片28fとなる部分、表側に現れないが、三角形面28b1の外側の三角形折曲片36aと、三角形面28b1の外側の台形状折曲片36bと、三角形接合面28eの外側の台形状折曲片36cとを有する。
【0066】
辺27aは、三角形外面28aと三角形面28b1との間の外側折曲線であり、辺27bは、三角形外面28aと三角形接合面28dとの間の外側折曲線であり、辺27cは、三角形外面28aと三角形接合面28eとの間の外側折曲線である。
辺27dは、三角形内面28cと三角形面28b2との間の外側折曲線であり、辺27eは、三角形内面28cと三角形接合面28dとの間の外側折曲線であり、辺27f1は、三角形接合面28eと台形状折曲片36cとの間の外側折曲線であり、辺27f2は、三角形内面28cと三角形延在片28fとの間の内側折曲線である。辺27f1、及び辺27f2は、折り曲げられて第3胴体部品28となった場合には、隣接して一体化された辺27fとなるものである。
【0067】
また、三角形面28b2の辺27g1、及び三角形接合面28dの辺27g2も、折り曲げられて第3胴体部品28となった場合には、隣接して一体化されて、矩形開口面28bの1辺27gとなるものである。
また、三角形面28b1の辺27h1、及び三角形接合面28eの辺27h2も、折り曲げられて第3胴体部品28となった場合には、隣接して一体化されて、矩形開口面28bの1辺27hとなるものである。
また、辺27i1は、三角形面28b1と三角形折曲片36aとの間の外側折曲線であり、辺27i2は、三角形面28b2と台形状折曲片36bとの間の外側折曲線である。
【0068】
辺27i1、及び辺27i2は、折り曲げられて第3胴体部品28となった場合には、三角形面28b1と三角形面28b2とが逆向きに組み合せられて、辺27a、27g、27d、及び27hの4辺からなる矩形開口面28bが形成された際には、隣接して一体化された辺27iとなるものである。
なお、辺27i1に沿って三角形折曲片36aを折り曲げた際に、一方の側には、凸状の差込片36dが三角形面28b1から辺27i1を経て三角形折曲片36a側に突出するように三角形折曲片36a側に切り込みが入れられており、他方の側には、辺27i1上に差込片36dと同形の後述する凸状の差込片36eが差し込まれて固定するための差込口36fが設けられている。
一方、辺27i2の側には、辺27i2に沿って台形状折曲片36bを折り曲げた際に、辺27i1側の差込片36dを差し込むことが可能な辺27i2上の位置に差込口36gが設けられており、辺27i1側の差込口36fに差し込むことが可能な位置に、差し込むための凸状の差込片36eが、三角形面28b2から辺27i2を経て台形状折曲片36b側に突出するように設けられている。
【0069】
また、三角形接合面28dには、第3胴体部品28として構成された際に、第2胴体部品24の三角形接合面24bの片側に接合されるように、三角形接合面24bの4対の第1押し込み部41に対応する位置に4対の第2押し込み部42が設けられている。
また、三角形接合面28eの辺27h2の側、及び延在片28fの頂点27の側には、第3胴体部品28として構成された際に、図3に示すブーメラン接合部材20bの長手方向の片側半分に接合されるように、ブーメラン接合部材20bの長手方向の片側半分の2つの第3押し込み部43に対応する位置に、それぞれ1つずつ第4押し込み部44が設けられていると共に、それらの外側にそれぞれ2個の締結孔49が設けられている。
また、三角形面28b1の辺27h1の側には、三角形接合面28eの2個の締結孔49に対応して2個の締結孔49が設けられている。
なお、第2押し込み部42、第4押し込み部44、及び締結孔49については、上述した通りであるので、説明は省略する。
【0070】
なお、第3胴体部材36において、三角形面28b1に対して三角形折曲片36aを辺27i1に沿って外側に折り曲げて差込片36dを突出させ、三角形面28b2に対して台形状折曲片36bを辺27i2に沿って外側に折り曲げて差込片36eを突出させ、三角形接合面28eに対して台形状折曲片36cを辺27f1に沿って外側に折り曲げておく。続いて、辺27a、辺27b、辺27c、辺27d、及び辺27eに沿って外側に折り曲げ、辺27f2に沿って内側に折り曲げる。こうして、三角形面28b1の差込片36dを三角形面28b2側の差込口36gに差し込むと共に、三角形面28b2の差込片36eを三角形面28b側の差込口36fに差し込んで、辺27i1と辺27i2とを隣接させて一体化して隣接辺27iとし、三角形面28b1と三角形面28b2とを隣接させて一体化して固定して、矩形開口面28bを構成する。
【0071】
その結果、第3胴体部材36を、矩形開口面28bを底面とし、三角形外面28a、三角形接合面28d、三角形内面28c、及び三角形接合面28eを、それぞれの頂点を頂点27とする4面からなる四角錘形状の第3胴体部品28として構成することができる。
こうして、図7a、及び図7bに示す四角錘形状の第3胴体部品28が構成される。
四角錘形状の第3胴体部品28においては、三角形折曲片36a、台形状折曲片36b、及び台形状折曲片36cが、第3胴体部品28の内部に織り込まれると共に、差込片36dの差込口36gへの差し込、及び差込片36eの差込口36fへの差し込みによって固定している。それにより、三角形折曲片36aの1辺37a及び台形状折曲片36bの1辺37bが三角形接合面28e上に載置されることから、第3胴体部材36は内部に上下方向の強度を向上させる補強材となる三角形折曲片36a及び台形状折曲片36bを有することができる。また、三角形折曲片36aの他の1辺37c、及び台形状折曲片38bの他の1辺37dが三角形接合面28d上に垂直、又は垂直と同一に載置されることから、第3胴体部材36は内部に左右方向の強度を向上させる補強材となる三角形折曲片36a及び台形状折曲片36bを有することができる。その結果、第3胴体部品28は、その強度を高くすることができる。
【0072】
(第4胴体部材)
次に、図15に示す第4胴体部材38は、第4胴体部品30を形成するための平板状の胴体部材である。この第4胴体部材38を折り曲げることによって、四角錐形状の第4胴体部品30を形成することができる。即ち、第4胴体部材38は、図8(a)、及び図8(b)に示す第4胴体部品30の展開図であると言うことができる。
上述したように、第4胴体部品30は、第3胴体部品28と、上下方向に対称な四角錐形状の立体部品であるので、第4胴体部材38も、第3胴体部材36と上下方向に対称な部材である。
第4胴体部材38は、第4胴体部品30の三角形外面30aとなる部分と、矩形開口面30bを構成する三角形面30b1、及び三角形面30b2となる2つの部分と、三角形内面30cとなる部分と、三角形接合面30dとなる部分と、三角形接合面30eとなる部分と、三角形延在片30fとなる部分、表側に現れないが、三角形面30b1の外側の三角形折曲片38aと、三角形面30b1の外側の台形状折曲片38bと、三角形接合面30eの外側の台形状折曲片38cとを有する。
【0073】
辺29aは、三角形外面30aと三角形面30b1との間の外側折曲線であり、辺29bは、三角形外面30aと三角形接合面30dとの間の外側折曲線であり、辺29cは、三角形外面30aと三角形接合面30eとの間の外側折曲線である。
辺29dは、三角形内面30cと三角形面30b2との間の外側折曲線であり、辺29eは、三角形内面30cと三角形接合面30dとの間の外側折曲線であり、辺29f1は、三角形接合面30eと台形状折曲片38cとの間の外側折曲線であり、辺29f2は、三角形内面30cと三角形延在片30fとの間の内側折曲線である。辺29f1、及び辺29f2は、折り曲げられて第4胴体部品30となった場合には、隣接して一体化された辺29fとなるものである。
【0074】
また、三角形面30b2の辺29g1、及び三角形接合面30dの辺29g2も、折り曲げられて第4胴体部品30となった場合には、隣接して一体化されて、矩形開口面30bの1辺29gとなるものである。
また、三角形面30b1の辺29h1、及び三角形接合面30eの辺29h2も、折り曲げられて第4胴体部品30となった場合には、隣接して一体化されて、矩形開口面30bの1辺29hとなるものである。
また、辺29i1は、三角形面30b1と三角形折曲片38aとの間の外側折曲線であり、辺29i2は、三角形面30b2と台形状折曲片38bとの間の外側折曲線である。
【0075】
辺29i1、及び辺29i2は、折り曲げられて第4胴体部品30となった場合には、三角形面30b1と三角形面30b2とが逆向きに組み合せられて、辺29a、29g、29d、及び29hの4辺からなる矩形開口面30bが形成された際には、隣接して一体化された辺29iとなるものである。
なお、辺29i1に沿って三角形折曲片38aを折り曲げた際に、辺29i1の一方の側には、凸状の差込片38dが三角形面30b1から辺29i1を経て三角形折曲片38a側に突出するように三角形折曲片38a側に切り込みが入れられており、他方の側には、辺29i1上に差込片38dと同形の後述する凸状の差込片38eが差し込まれて固定するための差込口38fが設けられている。
また、辺29i2には、辺29i2に沿って台形状折曲片38bを折り曲げた際に、辺29i1側の差込片38dを差し込むことが可能な辺29i2上の位置に差込口38gが設けられており、辺29i1側の差込口38fに差し込むことが可能な位置に、差し込むための凸状の差込片38eが、三角形面30b2から辺29i2を経て台形状折曲片38b側に突出するように設けられている。
【0076】
また、三角形接合面30dには、第4胴体部品30として構成された際に、第2胴体部品24の三角形接合面24bの片側に接合されるように、三角形接合面24bの4対の第1押し込み部41に対応する位置に4対の第2押し込み部42が設けられている。
また、三角形接合面30eの辺29h2の側、及び延在片30fの頂点29の側には、第4胴体部品30として構成された際に、図3に示すブーメラン接合部材20bの長手方向の片側半分に接合されるように、ブーメラン接合部材20bの長手方向の片側半分の2つの第3押し込み部43に対応する位置に、それぞれ1つずつ第4押し込み部44が設けられていると共に、それらの外側にそれぞれ2個の締結孔49が設けられている。
また、三角形面30b1の辺29h1の側には、三角形接合面30eの2個の締結孔49に対応して2個の締結孔49が設けられている。
なお、第2押し込み部42、第4押し込み部44、及び締結孔49については、上述した通りであるので、説明は省略する。
【0077】
なお、第4胴体部材38において、三角形面30b1に対して三角形折曲片38aを辺29i1に沿って外側に折り曲げて差込片38dを突出させ、三角形面30b2に対して台形状折曲片38bを辺29i2に沿って外側に折り曲げて差込片38eを突出させ、三角形接合面30eに対して台形状折曲片38cを辺29f1に沿って外側に折り曲げておく。続いて、辺29a、辺29b、辺29c、辺29d、及び辺29eに沿って外側に折り曲げ、辺29f2に沿って内側に折り曲げる。こうして、三角形面30b1の差込片38dを三角形面30b2側の差込口38gに差し込むと共に、三角形面30b2の差込片38eを三角形面30b側の差込口38fに差し込んで、辺29i1と辺29i2とを隣接させて一体化して隣接辺29iとし、三角形面30b1と三角形面30b2とを隣接させて一体化して固定して、矩形開口面30bを構成する。
【0078】
その結果、第4胴体部材38を、矩形開口面30bを底面とし、三角形外面30a、三角形接合面30d、三角形内面30c、及び三角形接合面30eを、それぞれの頂点を頂点29とする4面からなる四角錘形状の第4胴体部品30として構成することができる。
こうして、図8a、及び図8bに示す四角錘形状の第4胴体部品30が構成される。
四角錘形状の第4胴体部品30においては、三角形折曲片38a、台形状折曲片38b、及び台形状折曲片38cが、第4胴体部品30の内部に織り込まれると共に、差込片38dの差込口38gへの差し込み、及び差込片38eの差込口38fへの差し込みによって固定している。それにより、三角形折曲片38aの1辺39a及び台形状折曲片38bの1辺39bが三角形接合面30e上に載置されることから、第4胴体部材38は内部に上下方向の強度を向上させる補強材となる三角形折曲片38a及び台形状折曲片38bを有することができる。また、三角形折曲片38aの他の1辺39c、及び台形状折曲片38bの他の1辺39dが三角形接合面30d上に垂直又は垂直と同一に載置されることから、第4胴体部材38は内部に左右向の強度を向上させる補強材となる三角形折曲片38a及び台形状折曲片38bを有することができる。その結果、第4胴体部品30は、その強度を高くすることができる。
【0079】
この後、図9に示すように、第2胴体部品24の三角形接合面24bの上側の4対の第1押し込み部41と第3胴体部品28の三角形接合面28dの4対の第2押し込み部42とを両者のそれぞれの位置合わせ孔48が一致するように位置合わせして重ね合わせ、両者を共に押し込んで接合して、第2胴体部品24と第3胴体部品28とを一体化することができる。この後、同様にして、第2胴体部品24の三角形接合面24bの下側の4対の第1押し込み部41と第4胴体部品30の三角形接合面30dの4対の第2押し込み部42とを両者のそれぞれの位置合わせ孔48が一致するように位置合わせして重ね合わせ、両者を共に押し込んで接合して、第2胴体部品24と第4胴体部品30とを一体化することができる。
【0080】
次に、図9において、反対向き、即ち第2胴体部品24の三角形接合面24bを右側、頂点25を左側に配置した状態で、三角形接合面24bの上側に第4胴体部品30の三角形接合面30dを接合し、三角形接合面24bの下側に第3胴体部品28の三角形接合面28dを接合する。
こうして2つの第2胴体部品24に接合された上側の第3胴体部品28の三角形接合面28eと第4胴体部品30の三角形接合面30eとが一列となるように配置して、三角形接合面28eと三角形接合面30eとをブーメラン接合部材20bで接合する。
次に、2つの第2胴体部品24に接合された下側の第4胴体部品30の三角形接合面30eと第3胴体部品28の三角形接合面28eとが一列となるように配置して、三角形接合面30eと三角形接合面28eとをブーメラン接合部材20bで接合する。
こうして、2つの第3胴体部品28と、2つの第4胴体部品30とを一体化して、図1、及び図2(a)に示す1つの開口15を持つ1つの開口形成部14を組み立てることができる。
【0081】
次に、第1、第2、第3、及び第4胴体部品22、24、28、及び30を容易に接合するためのプッシュ式接合部に付いて、説明する。
第1押し込み部41及び第2押し込み部42を位置合わせして重ね合わせた後、第1押し込み部41を第2押し込み部42側に押し込むことにより、延在片同士、胴体部品同士、及び延在片、又は胴体部品とブーメラン接合部材とを容易、且つ素早くに接合することができる。
図16、及び17に示すように、第1押し込み部41は、第2押し込み部42と重ね合わされた状態で、第2押し込み部42とともに折れ曲がり、差し込み孔51の内側に入り込む。差し込み孔51は、第2押し込み部42の折り曲げに伴って、第2押し込み部42が設けられた延在片22e1、及び22f1(即ち、第1胴体部材32の外面側の延在片)に形成される孔である。第1押し込み部41が差し込み孔51の内側に入り込む際には、図16に示すように、第1押し込み部41の連続部46の両側部分に設けられた突出部47が折れ曲がる。そして、第1押し込み部41が差し込み孔51に完全に入り込むと、折れ曲がっていた突出部47が元の位置に戻り、図16に示すように、突出部47が差し込み孔51の縁部に係合する。
【0082】
上記の動作は、重ね合わされた2つの延在片のうち、延在片22e2、及び22f2に設けられた第1押し込み部41のすべてについて繰り返される。この結果、延在片22e1と、延在片22e2とが、且つ22f1と、延在片22f2とが接合され、第1胴体部品22が作製される。以上のように本実施形態では、第1押し込み部41を押し込む簡単なワンタッチ操作により、第1胴体部材32、及び第2胴体部材34の延在片同士、第2胴体部品24と、第3胴体部品28,及び第4胴体部品30の接合面同士等を接合することができる。
更に、作業者は、延在片22e2、及び22f2の延在方向中央部に設けられた第3押し込み部43を押し込むことで、延在片同士をより強固に締結する。詳しく説明すると、第3押し込み部43と第4押し込み部44とを、互いに対向させるように重ね合わせる。このとき、第3押し込み部43に設けられた位置合わせ穴48と、第4押し込み部44に設けられた位置合わせ穴48とを一致させることで、第3押し込み部43及び第4押し込み部44を正確に、且つ容易に重ね合わせることができる。
【0083】
第3押し込み部43及び第4押し込み部44を重ね合わせた後、作業者は、第3押し込み部43を第4押し込み部44側に押し込む。これにより、図18及び19に示すように、第3押し込み部43は、第4押し込み部44と重ね合わされた状態で、第4押し込み部44とともに折れ曲がり、差し込み孔52の内側に入り込む。差し込み孔52は、第4押し込み部44の折り曲げに伴って、第4押し込み部44が設けられた延在片延在片22e1、及び22f1に形成される孔である。第3押し込み部43が差し込み孔52の内側に入り込む際には、図18に示すように、第3押し込み部43の連続部46の両側部分に設けられた突出部47が折れ曲がる。そして、第3押し込み部43が差し込み孔52に完全に入り込むと、折れ曲がっていた突出部47が元の位置に戻り、図18に示すように、突出部47が差し込み孔52の縁部に係合する。
【0084】
本実施形態では、第1押し込み部41の折り曲げ線L1が延びる方向と、第3押し込み部43の折り曲げ線L3が延びる方向とは、互いに交差している。これに対応する形で、第2押し込み部42の折り曲げ線L2が延びる方向と、第4押し込み部44の折り曲げ線L4が延びる方向とが、互いに交差している。つまり、第1押し込み部41と第3押し込み部43との間では、折れ曲がり方向が異なり、詳しくは、差し込み孔51、52の縁部に係合する突出部47の向きが異なる。これにより、延在片同士をより強固に締結でき、具体的には、重ね合わされた延在片同士が互いに離れて延在片の間隔が開いてしまうのを抑えることができる。
その後、重ね合わされた延在片同士をより一層強固に締結するため、それぞれの延在片に設けられた締結穴49に結束部材を通して、その結束部材にて延在片同士を結束する。本実施形態では、第1押し込み部41及び第3押し込み部43の押し込みによって延在片同士が締結されるため、結束部材による結束作業を減らすことができ、その分、第1、第2胴体部品22、24の作製が容易になる。また、結束作業が減ることで、結束が未実施の箇所が出るのを抑えることができる。さらに、結束部材の使用量を削減することができるため、組立て作業時又はドーム胴体構造物10の解体時に発生するゴミの量を少なくすることができる。
【0085】
本発明のドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材は、基本的に以上のように構成され、以下のような特徴、及び効果を有する。
まず、図1に示すように、本発明のドーム胴体構造物10は、1段以上の胴体部16から構成される。そして、胴体部16は、図11図13図14、及び図15に示す4つの胴体部材32、34、36、38からそれぞれ作製される図4図5図7、及び図8に示す4つの胴体部品22、24、28、30から構成されているので、 胴体部品22、24、28、30を繰り返し作成することで、胴体部16を作成することができる。 それにより、作業者に作業内容を確実に習得させると共に、 作業の飽きを防止させることでヒューマンエラー防止することができる。 その結果、作業効率が向上された胴体部を作成することができる。
胴体部は、側面視した際に、上下及び左右の対称の部品により構成されることで、部品の種類を増やすことなく作成することができる。それにより、胴体部、したがって、ドーム胴体構造物の組立性を向上させることができる。
【0086】
胴体部は、平面から見た際に、前後、及び/又は左右対象に構成されている。それにより、胴体部の前後左右の空間レイアウト(例えば、江戸間の4畳半等)が通常の方形を基準とする生活する様式と一致しているので、使用者に日常と違和感なく、生活させることができる(通常の家具の配置や体育館等での配置に対しても使い勝手が良い)。
また、胴体部は、平面視偶数の部品に構成されているので、限られた領域において複数配置した際に、開口部を対向して配置させることができ、人や物の動線に一致させた配置にする等、高い連結性、拡張性を有することができる。これに対し、従来技術であるジオデシックドームは、平面視奇数の部品で構成されているため、家具の配置などデッドスペースができるという問題がある。
図10に示すように、胴体部16、即ちドーム胴体構造物10にドーム型構造物80を載置して固定できるので、ドーム型構造物80のサイズ、設置面積を小さくすることができる。胴体部16によって、ドーム型構造物80を高くできるので、ドーム構造物ユニット100全体での高さを高くすることができ、収納空間を大きくすることができる。
【0087】
第1~第4胴体部品22、24、28、30は、それぞれ第1~第4胴体部材32、34、36、38を折り返すことで形成されていることから、それぞれ部分的に厚みを有し、内部に空間を形成する包み込み構造となっている。それにより、ドーム型構造物80からの荷重(上下方向)に対する強度を向上させることができる。
また、上記した包み込み構造により、内部に空間を形成し、空気を内在させることができる。それにより、胴体部16の断熱性を向上させることができる。
また、上記の包み込み構造により、表面の機能を収納空間側にも表すことができる。外表面に防水機能を備えると、内面の収納空間側にも防水機能を備えることができる。また、第1~第4胴体部材32、34、36、38の素材の裏地が表面にでることがない。
【0088】
第3、及び第4胴体部品28、及び30では、それぞれ第3、及び第4胴体部材28、及び30を各罫線(折り線)で折り込むことにより、折込片、又は折込延在片を内在させることができる。つまり、第3、及び第4胴体部品28、及び30は、上下方向の強度を向上させる補強材となる三角形折曲片36a、台形状折曲片36b、及び三角形折曲片38a、台形状折曲片38bを折り込ませることで、内在させることができる。
それにより、ドーム型構造物80からの荷重(上下方向)に対する胴体部16の強度を向上させることができる。
また、第3、及び第4胴体部品28、及び30の構造を、折込片、又は折込延在片が内部に引っ張りこまれる構造となることにより、第3、及び第4胴体部品で作製される開口形成部14の開口15が膨らまないようにすることができる。
素材である段ボールの断面が表面に配置されていない。それにより、胴体部の強度を向上させることができる。なお、断面が表面に出ていると湿気が入り、段ボールの強度を低下させてしまうのに対し、断面が表面に出ていないので、湿気が入りこまないし、段ボールの強度を低下させることがない。
また、胴体部16、即ちドーム胴体構造物10に開口15を設けることで、ドーム型構造物80に開口を設けなくても、内部の収納空間に人や物を入ることができる。
【0089】
第1~第4胴体部品は、延在片にプッシュ式の接合部を有していることから、ワンタッチで各胴体部品を接合することができる。 それにより、作業効率が向上された胴体部、及びドーム胴体構造物を作成することができる。
嵌め込みで接合することで、折込片、又は折込延在片を内在化することができる。それにより、接合箇所を表面に出すことを防止することができる その結果、湿気等が胴体部内に入ることを防止し、強度低下を防止することができる。
ドーム胴体構造物の胴体部の上下端をブーメラン接合部材によるブーメラン接合部で接合することで、ドーム型構造物からの荷重(上下方向)を胴体部上端において一律に保持することがきる。それにより、ドーム型構造物からの荷重による外方への分力を一律に相殺させることができる。
くびれ、具体的には、胴体部の外表面よりも内方に入り込んだ中心点を起点に上下左右対称に部材が配置されている。
開口形成部の開口、及び壁形成部の中央領域が内方に位置することで、ドーム胴体構造物、即ち胴体部上端において、ドーム型構造物からの荷重による外方への分力を相殺させることができる。それにより、胴体部の強度を向上させることができる。
【0090】
以下に、本発明のドーム胴体構造物の構成、及びその製造について簡単に説明する。
本発明のドーム胴体構造物の胴体部は、包み込み構造である第1~第4胴体部品で構成された壁形成部と開口形成部との合計で偶数個、図示例では8個の構成体で構成されている。具体的には、胴体部は、壁形成部4個、開口形成部4個で構成されている。
壁形成部は、第1胴体部品と第2胴体部材とで構成される。
第1胴体部品は、第1胴体部材を、中央を含め複数の折曲線で折り返すと共に、周囲の延存片を折り返し、延存片を重ね合わせて接合する。
第2胴体部品は、第2胴体部材を、中央を含め複数の折曲線で折り返すと共に、周囲の延存片を折り返し、延存片を重ね合わせて接合する。
第1胴体部品、及び第2胴体部品の延存片同士で接合する。
開口形成部は、上下対称となる第3胴体部品と第4胴体部材とで構成される。
第3胴体部品は、第3胴体部材を、各折曲線で折り込んで、凸部、凹部で嵌合する。
第3胴体部品の接合領域を第2胴体部品の接合領域と対向させ、接合部にて接合する。
第4胴体部品は、第4胴体部材を、各折曲線で折り込んで、凸部、凹部で嵌合する。
【0091】
本発明のドーム胴体構造物は、以上のように構成されるので、作業者は、胴体部材から胴体部品を繰り返し8個等の偶数個作成しておくことで、必要数の胴体部品をプッシュ式接合部により、ワンタッチで接合して、ドーム胴体構造物を形成することができる。
それにより、作業者に作業内容を確実に習得させると共に、作業の飽きを防止させることでヒューマンエラー防止してドーム胴体構造物を作製することができる。
例えば、作業者3人からなる作業チームで構成するとすれば、4チーム(12人)の場合には、1チーム2個作れば胴体部を形成することができる。
これにより、上記のヒューマンエラー防止等の効果を得ることができる。
次に、作業者は、胴体部品を結束バンド等の結束部材により結束することで、相対部を形成することができる。
これにより、結束バンド等の結束部材を使用する場合においても、プッシュ式接合部を備えることで、結束バンド等の結束部材の使用数を減らすことができ、作業効率を向上させることができる。
【0092】
第1~第4胴体部品は、それぞれの第1~第4胴体部材を折り返すことで形成されていることから、2重壁構造となっている。このため、ドーム型構造物からの荷重(上下方向)に対する強度を向上させることができる。
また、上記2重壁構造により、内部に空間を形成し空気を内在させることができる。それにより、ドーム胴体構造物、即ち胴体部の断熱性を向上させることができる。
また、第3、及び第4胴体部品は、折込片、折込延在片を内部に折り込む構成を有している。即ち、第3、及び第4胴体部品は、折込片、折込延在片を内在している。それが支えとなり、ドーム型構造物からの荷重(上下方向)に対し、ドーム胴体構造物の強度を向上させることができる。
接合部分の位置合わせ穴を合わせ、突起部側を押圧することにより、ワンタッチで各部材を接合することができる。
【0093】
本発明のドーム胴体構造物においては、開口形成部、及び壁形成部の中央領域が内方に位置しているので、ドーム型構造物の自重により、ドーム型構造物の下端部が広がる方向、即ち外方に作用する力がドーム胴体構造物(胴体部)を設けることによって、開口形成部、及び壁形成部の中央領域において相殺される。即ち、ドーム胴体構造物(胴体部)が、ドーム型構造物の下端部が外方に作用する力をキャンセルすることができる。これにより、ドーム型構造物の積載強度を向上させることができる。
即ち、ドーム型構造物の自重により、ドーム胴体構造物の開口形成部の開口に働く力は、開口形成部の上下方向に加わる力であり、その力を開口の上下で分解すると、開口を左右に開く方向の力が残る。この力を胴体部の周方向と、半径方向に分解すると、周方向の力は、相殺され、外側に向かう半径方向の力が残る。これは、壁形成部の中央領域にも分力として残る。
【0094】
一方、壁形成部は、中央領域が内方に位置しているので、ドーム型構造物の自重は、壁形成部の壁面に沿って上側から押す力となり、その分力を考慮すると、壁形成部の中央領域では半径方向の内側に向かう力となる。
以上から、壁形成部の中央領域に残る半径方向外側に向かう力と、壁形成部の中央領域において半径方向の内側に向かう力とは相殺される。
その結果、ドーム胴体構造物(胴体部)が、ドーム型構造物の下端部が外方に作用する力をキャンセルすることが分かる。
即ち、ドーム胴体構造物の開口形成部、及び壁形成部の中央領域が内方に位置している構造音することにより、開口形成部に作用するドーム型構造物の自重と壁形成部に作用するドーム型構造物の自重とが相殺されることが分かる。
換言すれば、胴体部のくびれ、円筒形状、ドーム型構造物がドーム胴体構造物に円周上において接合されているので、ドーム型構造物の自重が分散されることが分かる。なお、ドーム胴体構造物では、胴体部品と胴体部品とで接合した際に目地で分解することを避けるために、くびれを設けている。
【0095】
本発明においては、ドーム胴体構造物の胴体部の上端、及び下端がブーメラン接合部によって接合されている。胴体部の開口形成部の上端は、ドーム型構造物の下端に当接しており、胴体部の上端及び下端はブーメラン接合部によって接合されている。
本発明においては、胴体部の上端、及び下端においてブーメラン接合部で接合することにより、ドーム型構造物からの荷重(上下方向)を胴体部の上端において一律に保持することがきる。
それにより、ドーム型構造物からの荷重による外方への分力を一律に相殺させることができる。
【0096】
以上、本発明のドーム胴体構造物、ドーム構造物ユニット、及び胴体部材について、実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0097】
10 ドーム胴体構造物
12 壁形成部
14 開口形成部
15 開口
16 胴体部
18 ブーメラン接合部
20a、20b ブーメラン接合部材
22 第1胴体部品
22a、22b、24a、28a、30a 三角形外面
22c、24b、28d、28e、30d、30e 三角形接合面
22d、24c、24d、28c、30c 三角形内面
22e、22e1、22e2、22f、22f1、22f2、24e、24e1、24e2、24f、24f1、24f2、28f、30f 延在片
23、25、27、29 頂点
23a、25d 中央隣接線
23b、25a、27a、27d、27g、29a、29d、29g 対向辺
23a1、23a2、23c、23d、23e、23e1、23e2、23f、23f1、23f2、25b、25c、25d、25d1、25d2、25e、25e1、25e2、25f、25f1、25f2、27b、27c、27e、27f、27f1、27f2、27g1、27g2、27h、27h1、27h2、27i、27i1、27i2、29b、29c、29e、29f、29f1、29f2、29g1、29g2、29h、29h1、29h2、29i、29i1、29i2 辺
24 第2胴体部品
26 中心点
28 第3胴体部品
28b、30b 開口面
28b1、28b2、30b1、30b2 三角形面
30 第4胴体部品
32 第1胴体部材
32a、32b、34a、34b、36a、38a 三角形折曲片
33a、33b、33c、35a、35b、35c 切断線
33d、33e 先端片
34 第2胴体部材
36 第3胴体部材
36b、36c、38b、38c 台形状折曲片
36d、36e、38d、38e 差込片
36f、36g、38f、38g 差込口
38 第4胴体部材
40 プッシュ式接合部
41 第1押し込み部
42 第2押し込み部
43 第3押し込み部
44 第4押し込み部
45 根元部
46 連続部
47 突出部
48 位置合わせ孔
49 締結孔
50 延出部
51、52 差し込み孔
53 切込み
54 三角片
56 結束部材
80 ドーム型構造物
82、84、86、88 パネル
86a、86b、86c 外面
90 ドーム片
100 ドーム構造物ユニット
L1、L2、L3、L4 折曲線
図1
図2
図3
図4
図5
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