(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-02
(45)【発行日】2025-09-10
(54)【発明の名称】ミラー位置登録制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R   1/06        20060101AFI20250903BHJP        
   B60R   1/04        20060101ALI20250903BHJP        
【FI】
B60R1/06 D 
B60R1/04 Z 
(21)【出願番号】P 2021159753
(22)【出願日】2021-09-29
【審査請求日】2024-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚  雄祐
【審査官】岩見  勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-148601(JP,A)      
【文献】特開2020-042417(JP,A)      
【文献】特開2016-088175(JP,A)      
【文献】特開2018-142760(JP,A)      
【文献】特開2018-094986(JP,A)      
【文献】特開2006-335249(JP,A)      
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R      1/06
B60R      1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  シフトポジションを検知するシフトポジション検知部と、
  車両に設けられた所定のミラー面位置の変更を検知するミラー面位置検知部と、
  設定されたミラー面位置を記憶するミラー面位置記憶部と、
  ドライバーに対して情報を表示する情報表示部と、
  ドライバーのミラー面位置の登録操作を入力する登録操作入力部と、
            
  自車の位置を検知する自車位置検知部と、
            
  シフトポジションがリバース時に、ミラー面位置が変更された場合、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された際に、変更されたミラー面位置の登録用画面を前記情報表示部に表示し、登録操作に基づいて変更されたミラー面位置を前記ミラー面位置記憶部に記憶する制御部と、
  を備え
、
            
              前記制御部は、
            
              所定の場所において、所定回数以上、ミラー面位置が変更された場合に、前記登録用画面を前記情報表示部に表示し、登録操作に基づいて変更されたミラー面位置を前記所定の場所におけるミラー面位置として前記ミラー面位置記憶部に記憶する、
            
  ことを特徴とするミラー位置登録制御装置。
【請求項2】
  前記制御部は、前記登録用画面の表示後に、登録操作が行われずに所定時間経過した場合には、前記登録用画面の表示を消す、
  ことを特徴とする請求項1
に記載のミラー位置登録制御装置。
【請求項3】
  前記制御部は、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された後、イグニッションがオフされた際に、前記登録用画面を表示する、
  ことを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載のミラー位置登録制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、ミラー面位置を変更した際の位置登録支援を行うミラー位置登録制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
  自動車などの車両においては、ドアミラーやフェンダミラー等のバックミラー装置が設けられている。これらバックミラー装置は、車内からのスイッチ操作により、適切な角度にミラー面を変更させることができるようになっている。
【0003】
  また、車両を後進させて車庫などに入れるような場合には、通常走行時とは適切な角度が異なる。具体的には、車庫に入れる際には、車両の真後ろよりも、やや下向きの後輪付近等を確認できた方が好ましい。そこで、トランスミッションがリバースギアに入った時(以下、リバース時)に、ミラー面を自動的に予め設定された所定角度分だけ下向きにし、そして、トランスミッションがリバースギアから別のギア、例えば、ドライブポジションに移った時(以下、非リバース時)に、ミラー面を上向きにして元の角度に戻す機構が設けられているものがある。
【0004】
  一方で、一台の車両を家族数人が運転することは珍しくなく、また、企業などにおいても、会社の営業車は一人一人の従業員専用に割り当ててある場合は少なく、一台の車両を共用で数人が使用している場合が多い。したがって、同一の車両を複数の運転者が運転するような状況下では、運転の開始の都度に車両用ミラーの角度を調整する作業が必要となる。このため、運転者ごとにミラー面位置を登録しておき、シート位置や運転者の目の位置を検出して、運転者にあったミラー面位置に自動的に変更するものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
               【文献】特開2003-095067号公報
               【文献】特開2007-045217号公報
             
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
  しかしながら、同一の運転者においても、複数のミラー面位置を登録しておきたいという要求もある。特に、リバース時においては、場所(自宅駐車場やショッピングモールなどの駐車場所の違いによる)や、時間帯(日光の角度や時間帯によって点灯するライトの角度などによる)等によって所望のミラー角度が異なることがある。一方で、ミラーの角度調整を行った際に、煩雑な再登録作業を強いられたり、所定の作業を忘れて登録できなかったり、あるいは、ミラーの角度調整を行った度に新たなミラー角度が自動登録されても煩わしいといった問題もある。
【0007】
  本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、ミラー位置調整の度に煩雑な作業を強いることなく、ミラー位置調整時の利便性を向上させることができるミラー位置登録制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
  本発明に係るミラー位置登録制御装置は、シフトポジションを検知するシフトポジション検知部と、車両に設けられた所定のミラー面位置の変更を検知するミラー面位置検知部と、設定されたミラー面位置を記憶するミラー面位置記憶部と、ドライバーに対して情報を表示する情報表示部と、ドライバーのミラー面位置の登録操作を入力する登録操作入力部と、シフトポジションがリバース時に、ミラー面位置が変更された場合、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された際に、変更されたミラー面位置の登録用画面を前記情報表示部に表示し、登録操作に基づいて変更されたミラー面位置を前記ミラー面位置記憶部に記憶する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
  本発明によれば、ミラー位置調整の度に煩雑な作業を強いることなく、ミラー位置調整時の利便性を向上させることができるミラー位置登録制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
            【
図1】本発明の実施の一形態おける車両の車室内を示す斜視図である。
 
            
            【
図3】ミラーを説明するための車両の平面図である。
 
            【
図4】本発明の実施の形態におけるミラー位置登録制御装置のブロック図である。
 
            【
図5】ミラー位置登録制御装置により行われるミラー位置制御処理のメインフローチャートである。
 
            【
図6】ミラー位置登録制御装置により行われるミラー位置登録時処理を示すフローチャートである。
 
            【
図7】ミラー位置登録制御装置により行われるポップアップ表示時処理を示すフローチャートである。
 
            【
図8】ミラー面位置の登録選択画面を示す表示画面例である。
 
            
            【
図10】ミラー位置登録制御装置により行われるミラー位置再生処理を示すフローチャートである。
 
            【
図11】中央情報表示パネルに表示するリア映像および選択肢表示画面を示す表示画面例である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0011】
  以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。 
  また、以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
  (車室内における各構成)
  図1、
図2に示すように、車両1は、運転席2の車両前方側に設けられたインストルメントパネル3と、運転席2とインストルメントパネル3との間に配置されるステアリングホイール4と、運転席2の助手席側側部前方に設けられたシフトレバー5と、を有している。
 
【0013】
  ステアリングホイール4は、ステアリングシャフト(図示省略)を介してステアリングコラム(図示省略)に回転自在に取り付けられている。また、ステアリングホイール4の内部には、車両1が衝突等した際に、運転者(以下、ドライバーHという)に向けて展開するエアバッグ8が格納されている。
【0014】
  シフトレバー5は、ドライバーHの操作によって車両1の走行状態を選択して切り替えるための切り替え装置(シフト装置)である。ここでは、シフトレバー5は、パーキングレンジ(Pレンジ:停車位置)、ニュートラルレンジ(Nレンジ:中立位置)、ドライブレンジ(Dレンジ:走行位置)、リバースレンジ(Rレンジ:後退位置)の各レンジに切り替えられるように構成されている。なお、シフト装置は、ステアリングホイール4の側部に設けられるコラム式や、レバーを用いないボタン式のものであってもよい。
【0015】
  また、
図3に示すように、車両1には、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、および、リアカメラ13が、設けられている。リアカメラ13は、車両1の後方を撮像するものであり、リアカメラ13が撮影した映像は、後述する中央情報表示パネル41に映し出される。 
  なお、本実施の形態におけるミラー面位置の変更とは、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12のミラー面位置の変更に限らず、リアカメラ13が撮像する位置(方向)の変更も含めて、ミラー面位置の変更という。また、本実施の形態では、車両1の周辺を撮像するカメラとし、車両1の後方を撮像するリアカメラ13のみを挙げているが、車両1の前方を撮像するフロントカメラ、車両1の側方を撮像するサイドカメラ等も用いるようにしてもよい。
 
【0016】
  また、本実施の形態では、ミラー面位置の登録として、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13の全てのミラー面位置を登録するようにしているが、これに限らず、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13のいずれか1つ、あるいは、全てではなく所定の複数のミラー面位置を登録するものとしてもよい。例えば、ルームミラー12に関しては、手動で位置調整を行うものとして、ミラー面位置の登録や、自動調整の対象外としてもよい。
【0017】
  また、
図2に示すように、運転席ドアには、ミラー操作入力部としてドアミラー操作スイッチ20が設けられている。ドアミラー操作スイッチ20は、ドアミラー格納スイッチ21と、ミラー面調整スイッチ22と、を有している。 
  ドアミラー格納スイッチ21は、ドアミラー11L、11Rを畳み込み格納させる、また、格納されたドアミラー11L、11Rを復帰させる操作指示を入力するものである。ミラー面調整スイッチ22は、ドアミラー11L、11Rのミラー面位置の変更操作を入力させるものである。ミラー面調整スイッチ22への操作指示は、ドアミラー11L、11Rのいずれかを選択し、ミラー面調整スイッチ22の上下左右を押圧することにより入力でき、これにより、選択したドアミラー11L、11Rのミラー面の上下左右の調整角度を入力させることができる。
 
【0018】
  ドアミラー格納スイッチ21、ミラー面調整スイッチ22に操作指示が入力されると、ドアミラー駆動部61(
図4参照)により、選択されたドアミラー11L、11Rの格納、復帰、あるいは、ミラー面位置の変更が行われる。 
  このように、ドアミラー操作スイッチ20におけるドアミラー格納スイッチ21、ミラー面調整スイッチ22の操作により、ドライバーHは、運転席に座ったまま、ドアミラー11L、11Rの格納や、ミラー面位置の変更等をマニュアル操作することができる。
 
【0019】
  また、
図1に示すように、車両1の車室内には、計器表示用パネル31と、中央情報表示パネル41と、の2つの表示パネルが設けられている。計器表示用パネル31は、運転席2の前方側のインストルメントパネル3に配置され、中央情報表示パネル41は、運転席2の助手席側、車両1の幅方向中央よりのインストルメントパネル3に配置されている。
 
【0020】
  (計器表示用パネル31)
  図1、
図2に示すように、計器表示用パネル31は、アナログ時計のように構成された指針式メータと、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられたいわゆる液晶ディスプレイ装置とを備えて構成されている。ドライバーHは、計器表示用パネル31の第1表示領域32に表示される各種情報を、ステアリングホイール4の上側空間部4aを介して視ることが可能となっている。
 
【0021】
  図2に示すように、計器表示用パネル31には、第1表示領域32が設けられており、この第1表示領域32の左右には、車両1の走行速度(スピードメータ)や、エンジンの単位時間当たりの回転数(タコメータ)などの情報を表示する2つの指針式メータと、2つの指針式メータの間であって計器表示用パネル31の中央部には、一般的な車両情報を示す画像を表示する小型の液晶ディスプレイ装置とが配置される。なお、計器表示用パネル31は、指針式メータを備えずに、全体を1つの液晶ディスプレイ装置で構成してもよい。
 
【0022】
  (中央情報表示パネル41)
  中央情報表示パネル41は、例えば、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられた、いわゆる液晶ディスプレイ装置で構成されている。また、中央情報表示パネル41には、前述のように、リアカメラ13が撮影した映像が表示され、車両1の後方を表示画面で確認することができるようになっている。
【0023】
  また、中央情報表示パネル41は、ドライバーHに対して各種の情報を表示するようになっている。また、中央情報表示パネル41は、タッチパネルとなっていて、ドライバーHの操作入力を受け付けることができるようになっている。例えば、中央情報表示パネル41は、ドライバーHのミラー面位置の登録操作を入力するようになっている。すなわち、中央情報表示パネル41は、ドライバーHに対して情報を表示する情報表示部、および、ドライバーHのミラー面位置の登録操作を入力する登録操作入力部、として機能するようになっている。 
  さらに、中央情報表示パネル41は、ドライバーHの操作により、リアカメラ13の撮像方向、撮像範囲の変更指示も入力できるようになっている。中央情報表示パネル41より、リアカメラ13の撮像方向の変更指示が入力されると、リアカメラ駆動部63(
図4参照)により、リアカメラ13の撮像方向、撮像範囲が変更される。
 
【0024】
  なお、中央情報表示パネル41には、地図情報等も表示され、いわゆるカーナビゲーションシステムも担うことができるようになっている。また、中央情報表示パネル41は、中央情報表示装置40に設けられており、中央情報表示パネル41の周りには、各種操作ボタン等が設けられ、音響機器の操作や、エアコンの操作等もできるようになっている。また、上記タッチパネルとして入力するドライバーHの操作入力を、中央情報表示装置40に設けたボタン等で受け付けるようにしてもよい。
【0025】
  なお、計器表示用パネル31、中央情報表示パネル41において構成されている液晶ディスプレイ装置を、プラズマディスプレイや有機EL等の自発光型の表示デバイス、投影型のプロジェクタ等の表示装置で構成してもよい。
【0026】
  次に、本実施の形態におけるミラー位置登録制御装置100の構成について、
図4のブロック図を参照して説明する。
 
【0027】
  図4に示すように、ミラー位置登録制御装置100は、中央情報表示装置40と、シフトポジションセンサ50と、ミラー駆動部60と、ミラー面位置検知部70と、自車位置検知部80と、制御部110と、ミラー面位置記憶部120と、車室内乗員モニタリングユニット130と、を備えている。
 
【0028】
  (シフトポジションセンサ50)
  シフトポジションセンサ50は、車両1のシフトレンジ(シフトポジション)がどこになっているかを検知するためのセンサ(シフトポジション検知部)である。すなわち、シフトポジションセンサ50は、シフトレバー5の切り替え位置を検知するものであり、シフトレンジが、パーキングレンジ、ドライブレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ等の、どの位置に設定されているかを検知するものである。シフトポジションセンサ50が検知したシフトレンジは、制御部110に入力されて、制御部110がRAMに現在のシフトレンジを記憶する。これにより、制御部110は、シフトレンジがどこに設定されているかを認識することができる。
【0029】
  (ミラー駆動部60)
  ミラー駆動部60は、各ミラーのミラー面位置を変更するものである。ミラー駆動部60は、ドアミラー駆動部61と、リアカメラ駆動部63と、を有している。 
  ドアミラー駆動部61は、ドアミラー11Lおよびドアミラー11Rの格納、復帰、および、ミラー面位置の変更を行うものである。具体的には、ドアミラー駆動部61は、ドアミラー格納スイッチ21が操作されると、ドアミラー11L、11Rの格納、または、復帰を行い、ミラー面調整スイッチ22が操作されると、操作量に応じて、選択されたドアミラー11L、11Rのミラー面位置の変更を行う。 
  リアカメラ駆動部63は、リアカメラ13の撮像位置、方向を変更するものである。具体的には、中央情報表示パネル41より、リアカメラ13の撮像方向の変更指示が入力されると、入力された変更指示にしたがって、リアカメラ13の撮像位置、方向を変更するものである。
【0030】
  (ミラー面位置検知部70)
  ミラー面位置検知部70は、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12のミラー面位置の変更、および、リアカメラ13の撮像方向等の変更を検知するものである。例えば、ドアミラー操作スイッチ20が操作された場合や、リアカメラ13の撮像方向、撮像範囲の変更指示が入力された場合等に、ミラー面位置の変更を検知する。
【0031】
  (自車位置検知部80)
  自車位置検知部80は、車両1(自車)の現在の位置を検知するものである。例えば、自車位置検知部80は、GPS受信部を有し、受信したGPS信号に基づいて、車両1の現在位置を検知するものである。なお、自車位置検知部80は、カーナビゲーションシステムが有するGPSや、自車位置検知システムを用いるものであってもよい。
【0032】
  (制御部110)
  制御部110は、図示しないCPU、ROM、RAM(例えば、リングバッファ)、EEPROM、入出力ポート等を備えており、例えば、入力ポートより情報入力が行われると、ROMから読み出した制御プログラムに基づいて、出力ポートを介して各種デバイスを制御するようになっている。
【0033】
  なお、制御部110のROMには、後述するミラー位置制御処理のプログラムが記憶されている。制御部110のCPUは、後述するように、ドアの開動作等(キー解除やイグニッションオン等をトリガーとすることも可能である)により、ミラー位置制御処理のプログラムをRAMに展開し、ミラー位置制御処理を開始する。
【0034】
  制御部110は、ミラー位置制御処理において、例えば、シフトポジションがリバース時に、ミラー面位置が変更された場合、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された際に、変更されたミラー面位置の登録用画面を中央情報表示パネル41に表示し、登録操作に基づいて変更されたミラー面位置をミラー面位置記憶部120に記憶する。
【0035】
  また、制御部110は、場所ごとに、変更されたミラー面位置をミラー面位置記憶部120に記憶する。さらに、制御部110は、所定の場所において、所定回数以上(本実施の形態では、3回以上)、ミラー面位置が変更された場合に、中央情報表示パネル41に登録用画面を表示する。また、制御部110は、登録用画面の表示後に、登録操作が行われずに所定時間経過した場合には、登録用画面の表示を消す処理を行う。また、制御部110は、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された後、イグニッションがオフされた際に、中央情報表示パネル41に登録用画面を表示する、などの処理を行う。
【0036】
  (ミラー面位置記憶部120)
  ミラー面位置記憶部120は、設定されたミラー面位置を記憶する記憶部である。具体的には、ミラー面位置記憶部120には、登録ユーザごとに、通常走行(非リバース時)用の各ミラー面位置、リバース時の場所ごとの各ミラー面位置の情報等が記憶されている。また、ミラー面位置記憶部120には、登録ユーザによらない標準的なミラー面位置として、デフォルト位置(初期設定位置)も記憶されている。さらに、ミラー面位置記憶部120には、ミラー面位置を記憶する場所の登録候補位置と、この位置での指定回数(ミラー面位置変更回数)なども記憶される。なお、ミラー面位置記憶部120は、制御部110のEEPROMの一部を使用するものであってもよい。
【0037】
  (車室内乗員モニタリングユニット130)
  車室内乗員モニタリングユニット130は、車室内の乗員(ドライバーHおよび他の乗員を含む)を撮像する図示しない車室内カメラによって撮像された画像を、車室内乗員モニタリングシステムが処理し、乗員の状態などを検出するものである。
【0038】
  車室内乗員モニタリングシステムは、例えば、車室内カメラが撮像した画像データに所定の処理を施し、ドライバーHの頭の動き、まぶたの開き具合、視線の向き、瞬き率などを検出し、注意力の低下や覚醒状態など、ドライバーHの状態をリアルタイムで認識することができる。これにより、適切なタイミングで、警告や予防処置を行うことができる。
【0039】
  また、車室内乗員モニタリングシステムは、顔認証機能等によって、事前に登録したドライバーHを識別することができる。これにより、登録されたドライバーHが車両1に入ると、シートやミラーの位置、車内温度などを登録されている設定値に自動で調整することができる。
【0040】
  さらに、車室内カメラは、すべての座席が視野に入るように配置されており、車室内乗員モニタリングシステムは、車室内全体の環境をリアルタイムで監視することで、乗員の安全性を高めるようになっている。具体的には、車室内乗員モニタリングシステムは、車室内の乗員の数、乗員認識、姿勢分析などにより、乗員の安全性や快適性を高める。例えば、車室内乗員モニタリングシステムは、乗員の大きさや位置によってエアバッグの作動をリアルタイムで調整したり、シートベルトの誤った着用に対して特定の乗員に警告を発したり、車内環境を現在の乗員数に合わせたりすることができる。
【0041】
  また、車室内乗員モニタリングシステムは、車室内カメラによらず、図示しない操舵角センサ等から情報を入手してもよい。この場合、車室内乗員モニタリングシステムは、操舵角センサから入力した情報から、走行中のドライバーHの操舵行動を分析し、ドライバーHの疲労度を把握して、ドライバーHに休息を促す処理などを行うことができる。
【0042】
  なお、車室内乗員モニタリングシステムは、その制御プログラムが制御部110のROMに記憶され、制御部110のCPUが処理するものであってもよい。また、車室内乗員モニタリングシステムは、ドライバーHのみをモニタリングするドライバーモニタリングシステムであってもよい。また、車室内カメラは、車室内乗員モニタリングユニット130の専用の車室内カメラに限らず、ドライブレコーダ等が用いる車室内カメラを兼用するものであってもよい。
【0043】
  次に、ミラー位置登録制御装置100におけるミラー位置制御処理について、説明する。ミラー位置制御処理は、前述のように、制御部110のROMにミラー位置制御処理のプログラムが記憶されており、ドア開動作後、乗員が乗り込んだ際に、制御部110のRAMに展開され、制御部110のCPUによってミラー位置制御処理が開始される。なお、ミラー位置制御処理は、車両1のキー解除等によって開始されるものであってもよい。この場合、ドライバーHの特定処理等は、乗員が乗り込むたびに行われる。
【0044】
  以下、
図5を用いて、制御部110のCPUにより行われるミラー位置制御処理のメイン処理について、説明する。
 
【0045】
  (ステップS11)
  制御部110のCPUは、ドア開動作後、乗員が乗り込むと、ミラー位置制御処理のメイン処理を開始する。ミラー位置制御処理を開始すると、ステップS11において、ドライバーHの特定処理を行う。例えば、制御部110のCPUは、車室内乗員モニタリングシステムの顔認証機能によって識別されたドライバーHの特定情報を得る。ドライバーHの特定が行われたら、ステップS12に処理を移行する。
【0046】
  (ステップS12)
  ステップS12において、制御部110のCPUは、ドライバーHが登録済みメモリーユーザであるか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、上記特定したドライバーHが、制御部110のRAMやEEPROM等に登録され、記憶されているユーザ登録情報により登録されているユーザであるか否かを判定する。なお、制御部110のRAMにユーザ登録情報を記憶する場合、イグニッションがオフされても、制御部110のRAMには電力が供給され続け、記憶内容は失われない。また、ドライバーHが登録済みメモリーユーザである場合には、登録ユーザの情報をRAMに記憶する。 
  制御部110のCPUは、ドライバーHが登録済みメモリーユーザであると判定した場合には、ステップS13に処理を移行し、ドライバーHが登録済みメモリーユーザでないと判定した場合には、ステップS14に処理を移行する。
【0047】
  (ステップS13)
  ステップS13において、制御部110のCPUは、ミラー面位置を登録位置に設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、上記登録ユーザに基づき、ミラー面位置記憶部120に記憶された通常走行用の各ミラー面位置情報を読み込む。なお、ミラー面位置記憶部120には、前述のように、登録ユーザごとに、通常走行用、通常リバース用、場所別のリバース用の各ミラーのミラー面位置情報が記憶されている。制御部110のCPUは、読み込んだ各ミラー面位置情報に基づいて、ミラー駆動部60を駆動させ、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13の各ミラー面位置を設定する。制御部110のCPUは、ミラー面位置を登録位置に設定したら、ステップS15に処理を移行する。
【0048】
  (ステップS14)
  ステップS14において、制御部110のCPUは、ミラー面位置をデフォルト位置(初期設定位置)に設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120から各ミラー面位置のデフォルト位置を読み込む。制御部110のCPUは、読み込んだ各ミラー面位置のデフォルト位置に基づいて、ミラー駆動部60を駆動させ、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13をデフォルト位置に設定する。制御部110のCPUは、ミラー面位置をデフォルト位置に設定したら、ステップS15に処理を移行する。
【0049】
  (ステップS15)
  ステップS15において、制御部110のCPUは、シフトレンジが「R」(リバースレンジ)であるか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、シフトポジションセンサ50から入力されたシフトレンジが、リバースレンジであるか否かを判定する。制御部110のCPUは、シフトレンジがリバースレンジであると判定した場合には、ステップS16に処理を移行し、シフトレンジがリバースレンジでないと判定した場合には、ミラー位置制御処理を一端終了する。なお、ミラー位置制御処理は、例えば、イグニッションオン後は、シフトレンジを監視し、シフトレンジがリバースレンジとなると、再び起動し、ステップS16から処理を実行する。
【0050】
  (ステップS16)
  ステップS16において、制御部110のCPUは、自車位置を取得する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、自車位置検知部80から自車位置情報を取得し、車両1の現在の位置を特定する。そして、自車位置を取得したら、ステップS17に処理を移行する。
【0051】
  (ステップS17)
  ステップS17において、制御部110のCPUは、ミラー位置登録済みの位置であるか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、上記取得した自車位置情報(車両1の現在の位置)が、ミラー面位置記憶部120に記憶された登録ユーザの登録済みの位置であるか否かを判定する。例えば、車両1の現在の位置が、ドライバーHが、ミラー面位置記憶部120にミラー面位置を既に登録している場所別の自宅やスーパーの位置であれば、ミラー位置登録済みの位置であると判定する。制御部110のCPUは、取得した自車位置情報により、ミラー位置登録済みの位置であると判定した場合には、ステップS19に処理を移行し、ミラー位置登録済みの位置でないと判定した場合には、ステップS18に処理を移行する。
【0052】
  (ステップS18)
  ステップS18において、制御部110のCPUは、ミラー位置登録時処理を行う。ミラー位置登録時処理では、リバース時の場所ごとのミラー面位置の登録処理を行う。ミラー位置登録時処理の詳細については、後述する。そして、ミラー位置登録時処理を終えると、ミラー位置制御処理を終了する。
【0053】
  (ステップS19)
  ステップS19において、制御部110のCPUは、ミラー位置再生処理を行う。ミラー位置再生処理では、リバース時に設定されているミラー面位置に各ミラーを移動させる処理を行う。ミラー位置再生処理の詳細については、後述する。そして、ミラー位置再生処理を終えると、ミラー位置制御処理を終了する。
【0054】
  次に、
図6を用いて、制御部110のCPUにより行われるミラー位置登録時処理について説明を行う。
図6は、
図5のステップS18(ミラー位置登録時処理)のサブルーチンである。
 
【0055】
  (ステップS31)
  ミラー位置登録時処理では、まず、ステップS31において、制御部110のCPUは、通常時のリバース用ミラー面位置に設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に記憶されている通常リバース用、すなわち、リバース時用のデフォルト(初期設定)のリバース用ミラー面位置を読み込む。そして、制御部110のCPUは、読み込んだリバース用ミラー面位置のデフォルト値でミラー駆動部60を駆動させ、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13のミラー面位置を設定する。なお、通常リバース用のミラー面位置は、ユーザ登録時に登録する。制御部110のCPUは、通常リバース用のミラー面位置が登録されていない場合には、ミラー面位置の変更は行わない。制御部110のCPUは、通常リバース用のミラー面位置に設定したら、ステップS32に処理を移行する。
【0056】
  (ステップS32)
  ステップS32において、制御部110のCPUは、ミラー面位置のマニュアル操作が行われたか否かを判定する。具体的には、制御部110のCPUは、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13が、ドアミラー操作スイッチ20等を用いて、ドライバーHにマニュアル操作でミラー面位置を変更されたか否かを判定する。すなわち、ミラー面位置記憶部120に記憶されたミラー面位置に自動で設定されたミラー面位置でなく、ドライバーHの手動操作によってミラー面位置が変更されたか否かを判定する。 
  制御部110のCPUは、ミラー面位置のマニュアル操作が行われたと判定した場合には、ステップS33に処理を移行し、ミラー面位置のマニュアル操作が行われていないと判定した場合には、ミラー位置登録時処理を終了する。
【0057】
  (ステップS33)
  ステップS33において、制御部110のCPUは、現在地が記憶済みの位置であるか否かを判定する。具体的には、制御部110のCPUは、自車位置検知部80により入力された現在の車両1の位置が、ミラー面位置記憶部120に記憶された登録候補位置と一致するか否かを判定する。なお、登録候補位置の記憶領域は、制御部110のRAMやEEPROM等であっても構わない。
  制御部110のCPUは、現在地が記憶済みの位置(登録候補位置)であると判定した場合には、ステップS35に処理を移行し、現在地が記憶済みの位置(登録候補位置)でないと判定した場合には、ステップS34に処理を移行する。
【0058】
  (ステップS34)
  ステップS34において、制御部110のCPUは、場所と回数を記憶する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、現在地を、ミラー面位置記憶部120に登録候補位置として記憶するとともに、ミラー面位置変更回数として、1回目であることを記憶する。 
  なお、前述のように、登録候補位置の記憶領域は、制御部110のRAMやEEPROM等であっても構わない。すなわち、前述の現在地が記憶済みの位置であるか否かを判定する処理(ステップS33)においては、この登録候補位置の処理において記憶する登録候補位置の記憶領域を検索することで、記憶済みの位置であるか否かを判定する。
【0059】
  また、制御部110のCPUは、登録候補位置と回数の記憶とともに、記憶時の日時を記憶するようにしてもよい。このように日時を記憶することにより、所定の時間以上経過した場合には、記憶回数をクリアすることができる。これにより、後述する3回目以上かの判定処理(ステップS35)において、所定の期間内の回数に限定することができる。例えば、前回の記憶から2週間以上経過している場合には、回数を1回目とすることにより、長期間ミラーのマニュアル操作が行われなかった場所における登録表示をさせることができる。 
  そして、制御部110のCPUは、場所と回数を記憶する処理を行ったら、ミラー位置登録時処理を終了する。
【0060】
  (ステップS35)
  ステップS35では、制御部110のCPUは、当該位置でのミラー面変更が3回目以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に登録候補位置として記憶されている現在値のミラー面位置変更回数が、既に2回以上となっているか否かを判定する。制御部110のCPUは、ミラー面位置変更回数が2回以上となっていれば、今回のミラー面位置変更と合わせて3回目以上となるので、当該位置でのミラー面変更が3回目以上であると判定する。 
  制御部110のCPUは、当該位置でのミラー面変更が3回目以上であると判定した場合には、ステップS37に処理を移行し、当該位置でのミラー面変更が3回目以上でないと判定した場合には、ステップS36に処理を移行する。
【0061】
  (ステップS36)
  ステップS36において、制御部110のCPUは、自車位置における回数を加算する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に登録候補位置として記憶されている現在値のミラー面位置変更回数に、「1」加算する処理を行う。制御部110のCPUは、自車位置における回数を加算する処理を行ったら、ミラー位置登録時処理を終了する。
【0062】
  (ステップS37)
  ステップS37において、制御部110のCPUは、ポップアップ表示時処理を行う。ポップアップ表示時処理では、ドライバーHに対して、ミラー面位置の登録を促す案内表示(ポップアップ表示)および登録処理などを行う。ポップアップ表示時処理の詳細については、後述する。そして、ポップアップ表示時処理を終えると、ミラー位置登録時処理を終了する。
【0063】
  次に、
図7を用いて、制御部110のCPUにより行われるポップアップ表示時処理について説明を行う。
図7は、
図6のステップS37(ポップアップ表示時処理)のサブルーチンである。
 
【0064】
  (ステップS51)
  ポップアップ表示時処理では、まず、ステップS51において、制御部110のCPUは、ポップアップ非表示指定があるか否かの判定処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に記憶された現在位置の登録候補位置、ミラー面位置変更回数のデータに対して、ポップアップ非表示指定がされているか否か(例えば、ポップアップ非表示指定フラグがオンかオフか)を判定する。そして、制御部110のCPUは、ポップアップ非表示指定があると判定した場合には、ポップアップ表示時処理を終了し、ポップアップ非表示指定がないと判定した場合には、ステップS52に処理を移行する。
【0065】
  (ステップS52)
  ステップS52において、制御部110のCPUは、シフトレンジが「P」(パーキングレンジ)であるか否かの判定処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、シフトポジションセンサ50から入力されたシフトレンジが、パーキングレンジであるか否かを判定する。すなわち、制御部110のCPUは、シフトレンジが「R」から「P」に変更されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、シフトレンジがパーキングレンジであると判定した場合には、ステップS53に処理を移行し、シフトレンジがパーキングレンジでないと判定した場合には、ステップS52に戻り、シフトレンジがパーキングレンジとなるまで処理を繰り返す。
【0066】
  (ステップS53)
  ステップS53において、制御部110のCPUは、イグニッションがオフされたか否かの判定処理を行う。制御部110のCPUは、イグニッションがオフされたと判定した場合には、ステップS54に処理を移行し、イグニッションがオフされていないと判定した場合には、ステップS53に戻り、イグニッションがオフされるまで処理を繰り返す。
【0067】
  (ステップS54)
  ステップS54において、制御部110のCPUは、登録選択画面表示処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に、現在位置でのリバース時のミラー面位置の登録を行うか否かの選択画面を、表示する処理を行う。
図8に、ミラー面位置の登録選択画面の表示例を示す。
図8に示すように、ミラー面位置の登録選択画面では、現在位置でのミラー面位置の登録を行う(YES)か否(NO)か、登録を行わない場合には、今後もこの表示(現在位置でのミラー面位置の登録選択画面)を表示するか否か(例えば、規定値では、今後も表示するにチェックが入っていて、次回以降表示しないのであれば、チェックを外す)を、入力させるようになっている。そして、制御部110のCPUは、登録選択画面を表示し、所定の項目が選択されたら、ステップS55に処理を移行する。
 
【0068】
  (ステップS55)
  ステップS55において、制御部110のCPUは、登録が選択されたか否かの判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、登録選択画面を表示したタッチパネルとなっている中央情報表示パネル41から現在位置でのミラー面位置の登録(例えば、YESの項目)が選択されたか、登録しない(例えば、NOの項目)が選択されたか、を判定する。制御部110のCPUは、登録が選択されたと判定した場合には、ステップS56に処理を移行し、登録しないが選択されたと判定した場合には、ステップS61に処理を移行する。 
  なお、制御部110のCPUは、登録選択画面を表示後、所定の時間が経過しても、登録操作など所定の入力操作が行われなかった場合には、登録選択画面を消し、ポップアップ表示時処理を終了させることにより、ミラー位置制御処理を終了する。
【0069】
  (ステップS56)
  ステップS56において、制御部110のCPUは、登録名指定画面表示処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に、ミラー面位置の登録を行う際の登録名を指定する表示画面を、表示する処理を行う。
図9に、登録名指定画面の表示例を示す。
図9に示すように、登録名指定画面では、予め準備された複数の規定値(自宅、コンビニ、職場、スーパー)と、ドライバーHが自由に登録名を入力することができる手入力と、が用意されている。ドライバーHは、この登録名指定画面から、予め準備された所定の規定値、あるいは、手入力の項目を選択する。制御部110のCPUは、登録名指定画面を表示し、所定の項目が選択されたら、ステップS57に処理を移行する。
 
【0070】
  (ステップS57)
  ステップS57において、制御部110のCPUは、登録位置手入力が指定されたか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、登録名指定画面を表示した中央情報表示パネル41から登録名入力の手入力の項目が選択されたか否かを判定する。すなわち、制御部110のCPUは、登録名指定画面から、予め準備された所定の規定値が選択されたのか、手入力の項目が選択されたのか、を判定する。制御部110のCPUは、登録位置手入力が指定されたと判定した場合には、ステップS58に処理を移行し、登録位置手入力が指定されていない、すなわち、予め準備された所定の規定値が選択されたと判定した場合には、ステップS60に処理を移行する。
【0071】
  (ステップS58)
  ステップS58において、制御部110のCPUは、登録位置手入力画面表示処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に、ミラー面位置の登録用の登録名を入力させる画面を、表示する処理を行う。制御部110のCPUは、登録位置手入力画面を表示したら、ステップS59に処理を移行する。
【0072】
  (ステップS59)
  ステップS59において、制御部110のCPUは、登録名の入力が完了したか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、登録位置手入力画面を表示した中央情報表示パネル41から登録名が入力され、例えば、入力完了項目が選択されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、登録名の入力が完了したと判定した場合には、ステップS60に処理を移行し、登録名の入力が完了していないと判定した場合には、ステップS58に処理を移行する。
【0073】
  (ステップS60)
  ステップS60において、制御部110のCPUは、指定された名前で、リバース時のミラー面位置を登録する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、上記登録名の手入力が行われていた場合には、手入力された登録名で、ミラー面位置記憶部120に、現在設定されている当該位置におけるミラー面位置を登録する。また、制御部110のCPUは、登録名指定画面から予め準備された所定の規定値が選択されている場合には、所定の規定値の登録名で、ミラー面位置記憶部120にミラー面位置を登録する。制御部110のCPUは、ミラー面位置の登録が終了したら、ポップアップ表示時処理を終了する。
【0074】
  (ステップS61)
  ステップS61において、制御部110のCPUは、ポップアップ非表示指定が選択されたか否かの判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41からポップアップ表示を今後は表示しないことが選択されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、ポップアップ非表示指定が選択されたと判定した場合には、ステップS62に処理を移行し、ポップアップ非表示指定が選択されていないと判定した場合には、ポップアップ表示時処理を終了する。
【0075】
  (ステップS62)
  ステップS62において、制御部110のCPUは、当該位置でのポップアップ非表示を設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に記憶されている現在位置の登録候補位置に対して、ポップアップ非表示指定を行う。例えば、現在位置の登録候補位置に対して、ポップアップ非表示フラグをオンとする。これにより、次回以降、当該位置でのポップアップ表示を行われないようになる(上記ステップS51で表示処理が行われずに、ポップアップ表示時処理が終了する)。制御部110のCPUは、当該位置でのポップアップ非表示を設定したら、ポップアップ表示時処理を終了する。
【0076】
  次に、
図10を用いて、制御部110のCPUにより行われるミラー位置再生処理について説明を行う。
図10は、
図5のステップS19(ミラー位置再生処理)のサブルーチンである。
 
【0077】
  (ステップS71)
  ミラー位置再生処理では、まず、ステップS71において、制御部110のCPUは、場所に合わせた登録済みのリバース時ミラー面位置を設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、自車位置検知部80に検知された自車位置における、ミラー面位置記憶部120に記憶されたリバース時のミラー面位置を読み込み、ミラー駆動部60を駆動させて、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13のミラー面位置を設定する。そして、制御部110のCPUは、リバース時ミラー面位置を設定したら、ステップS72に処理を移行する。
【0078】
  (ステップS72)
  ステップS72において、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に設定したミラー面位置の画像を再生させる処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、上記ミラー面位置(リアカメラ13が撮像する撮像位置、角度)を変更したリアカメラ13が撮像した画像(動画)を、中央情報表示パネル41に表示させる処理を行う。そして、制御部110のCPUは、ミラー面位置の画像を再生させたら、ステップS73に処理を移行する。
【0079】
  (ステップS73)
  ステップS73において、制御部110のCPUは、リバース時の通常のミラー面位置の選択肢を表示する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、リバース時の通常の鏡面位置の選択肢を、中央情報表示パネル41に表示させる処理を行う。
図11に、中央情報表示パネル41に表示するリア映像および選択肢表示画面(リアカメラ13が撮像した画像および選択肢の表示画面)の一例を示す。
図11に示すように、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に、指定場所の鏡面位置に基づく画像を再生中であることを表示するとともに、リバース時の通常の鏡面位置の選択肢も表示する。制御部110のCPUは、リバース時の通常のミラー面位置の選択肢を表示したら、ステップS74に処理を移行する。
 
【0080】
  (ステップS74)
  ステップS74において、制御部110のCPUは、通常のミラー面位置が選択されたか否かを判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、リア映像および選択肢表示画面を表示した中央情報表示パネル41から通常のミラー面位置の表示が選択されたか否かを判定する。すなわち、制御部110のCPUは、リア映像および選択肢表示画面から、通常のミラー面位置に設定する選択肢が選択されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、通常のミラー面位置が選択されたと判定した場合には、ステップS75に処理を移行し、通常のミラー面位置が選択されていないと判定した場合には、ステップS80に処理を移行する。
【0081】
  (ステップS75)
  ステップS75において、制御部110のCPUは、通常のミラー面位置に設定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に記憶されているリバース時用のデフォルト(初期設定値)のリバース用ミラー面位置を読み込む。そして、制御部110のCPUは、読み込んだリバース用ミラー面位置のデフォルト値でミラー駆動部60を駆動させ、ドアミラー11L、11R、ルームミラー12、リアカメラ13のミラー面位置を設定する。制御部110のCPUは、通常のリバース用ミラー面位置に設定したら、ステップS76に処理を移行する。
【0082】
  (ステップS76)
  ステップS76において、制御部110のCPUは、シフトレンジが「P」(パーキングレンジ)であるか否かの判定処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、シフトポジションセンサ50から入力されたシフトレンジが、パーキングレンジであるか否かを判定する。すなわち、制御部110のCPUは、シフトレンジが「R」から「P」に変更されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、シフトレンジがパーキングレンジであると判定した場合には、ステップS77に処理を移行し、シフトレンジがパーキングレンジでないと判定した場合には、ステップS76に戻り、シフトレンジがパーキングレンジとなるまで処理を繰り返す。
【0083】
  (ステップS77)
  ステップS77において、制御部110のCPUは、登録済みリバース時ミラー面位置の登録解除選択画面を表示する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41に、登録済みリバース時ミラー面位置の取り消しを行うか否かの選択を促す登録解除選択画面を表示する処理を行う。そして、制御部110のCPUは、登録済みリバース時ミラー面位置の登録解除選択画面を表示したら、ステップS78に処理を移行する。
【0084】
  (ステップS78)
  ステップS78において、制御部110のCPUは、登録解除が選択されたか否かの判定する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、中央情報表示パネル41から登録済みリバース時ミラー面位置の取り消しを行う選択肢が選択されたか否か、または、取り消しを行わないが選択されたかを判定する。制御部110のCPUは、登録解除が選択されたと判定した場合には、ステップS79に処理を移行し、取り消しを行わないが選択されたと判定した場合には、ミラー位置再生処理を終了する。なお、登録解除選択画面を表示後、所定時間経過しても何の入力がない場合には、登録解除選択画面の表示を終了させ、ミラー位置再生処理を終了する。
【0085】
  (ステップS79)
  ステップS79において、制御部110のCPUは、当該場所におけるリバース時のミラー面位置の登録を解除する処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、ミラー面位置記憶部120に、現在設定されている当該位置におけるミラー面位置の情報を削除する。制御部110のCPUは、ミラー面位置の登録解除が終了したら、ミラー位置再生処理を終了する。
【0086】
  (ステップS80)
  ステップS80において、制御部110のCPUは、シフトレンジが「P」(パーキングレンジ)であるか否かの判定処理を行う。具体的には、制御部110のCPUは、シフトポジションセンサ50から入力されたシフトレンジが、パーキングレンジであるか否かを判定する。すなわち、制御部110のCPUは、シフトレンジが「R」から「P」に変更されたか否かを判定する。制御部110のCPUは、シフトレンジがパーキングレンジであると判定した場合には、ミラー位置再生処理を終了し、シフトレンジがパーキングレンジでないと判定した場合には、ステップS80に戻り、シフトレンジがパーキングレンジとなるまで処理を繰り返す。 
  なお、ミラー位置再生処理において、ミラー面位置のマニュアル操作が行われた場合に、ポップアップ表示時処理を行って、登録選択画面表示等を行って、新たなミラー面位置の登録を促すことができるようにしてもよい。
【0087】
  以上のように、本実施の形態のミラー位置登録制御装置100は、シフトポジションがリバース時に、ミラー面位置が変更された場合、シフトポジションがリバース位置からパーキング位置に変更された際に、変更されたミラー面位置の登録用画面を中央情報表示パネル41に表示し、ドライバーHが簡単な登録操作を行うと、変更されたミラー面位置をミラー面位置記憶部120に記憶する。このため、ミラー位置調整の度に煩雑な作業を強いることなく、ミラー位置調整時の利便性を向上させることができる。
【0088】
  なお、本実施の形態のミラー位置登録制御処理は、制御部110のROM、RAM、EEPROM等に記憶されたプログラムが、制御部110のRAM等に展開されて、制御部110のCPU等によって実行される。 
  また、本実施の形態において、シフトポジションセンサ50は、本願のシフトポジション検知部を構成する。また、本実施の形態において、中央情報表示パネル41は、本願の情報表示部および登録操作入力部を構成する。
【符号の説明】
【0089】
  1:車両、5:シフトレバー、11L、11R:ドアミラー、12:ルームミラー、13:リアカメラ、20:ドアミラー操作スイッチ、21:ドアミラー格納スイッチ、22:ミラー面調整スイッチ、31:計器表示用パネル、40:中央情報表示装置、41:中央情報表示パネル、50:シフトポジションセンサ、60:ミラー駆動部、70:ミラー面位置検知部、80:自車位置検知部、100:ミラー位置登録制御装置、110:制御部、120:ミラー面位置記憶部、130:車室内乗員モニタリングユニット