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特許7737591情報提供装置、情報収集システム、情報処理システム、情報生成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-03
(45)【発行日】2025-09-11
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報収集システム、情報処理システム、情報生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/56 20200101AFI20250904BHJP
   G06F 40/44 20200101ALI20250904BHJP
【FI】
G06F40/56
G06F40/44
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024029125
(22)【出願日】2024-02-28
(65)【公開番号】P2025092331
(43)【公開日】2025-06-19
【審査請求日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2023202281
(32)【優先日】2023-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524085710
【氏名又は名称】株式会社ITSO
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】北川 伸一
(72)【発明者】
【氏名】井野 幸治
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0161972(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第117113146(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第116911315(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第116738298(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115062617(CN,A)
【文献】谷口 大輔、外3名,大規模言語モデルにおける文生成方向に関する依存性の検証,言語処理学会第29回年次大会 発表論文集 [online],日本,言語処理学会,2023年05月16日,p.2200-2205
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部を具備し、
前記第1生成モデルは、所定の対象に関する信頼性の高い情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記第2生成モデルは、前記信頼性の高い情報以外の広範囲の内容にわたる情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報は、前記応答情報の候補である
情報提供装置。
【請求項2】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部を具備し、
前記要求情報は、当該要求情報の候補となる複数の候補情報のうち前記利用者が選択した候補情報であり、
前記複数の候補情報は、前記入力情報および1以上の関連情報のそれぞれであり、
前記1以上の関連情報は、前記入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生成モデルが生成した、当該入力情報に関連する情報である
情報提供装置。
【請求項3】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部と、
記第1出力情報および前記第2出力情報のそれぞれである2以上の出力情報の各々について、指を特定する指標算定部とを具備し
前記2以上の出力情報は、前記応答情報の候補であり、
前記指標は、前記要求情報に対する妥当性を示し、
前記応答生成部は、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が所定の閾値を上回る出力情報が1つである場合には、当該閾値を上回った1つの出力情報に応じて前記応答情報を生成し、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報が複数ある場合には、当該閾値を上回った複数の出力情報を組み合わせた情報に応じて前記応答情報を生成する
情報提供装置。
【請求項4】
前記第1プロンプトは、前記第1出力情報の生成において参照される参考情報を含み、
前記応答情報は、前記指標が前記閾値を上回る出力情報がない場合には、前記参考情報が他の参考情報に変更された第1プロンプトに対して前記第1生成モデルが新たに生成した1以上の第1出力情報の各々と、前記1以上の第2出力情報の各々とについて特定された前記指標に応じて生成される
請求項3の情報提供装置。
【請求項5】
前記要求情報は、所定の対象に関する問い合わせを示す情報であり、
前記第1プロンプトは、前記対象を識別するための識別情報を含む
請求項1から3の情報提供装置。
【請求項6】
前記第1プロンプトは、前記応答情報の生成において参照される参考情報を含む
請求項1から3の情報提供装置。
【請求項7】
請求項1から3の情報提供装置から前記応答情報が提供された前記利用者の端末装置と通信可能なシステムであって、
前記応答情報について特定された妥当性の評価と、前記要求情報と、当該応答情報とを前記端末装置から取得する第1取得部と、
前記評価と前記要求情報と前記応答情報とを記憶装置に記憶する収集部と
を具備する情報収集システム。
【請求項8】
請求項1から3の情報提供装置から前記応答情報が提供された前記利用者の端末装置と通信可能なシステムであって、
前記入力情報を前記端末装置から取得する第1取得部と、
前記入力情報を含む第4プロンプトに対して訓練済の第4生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する関連情報を取得する第2取得部と、
前記関連情報を含む第5プロンプトに対して訓練済の第5生成モデルが生成する回答情報を取得する第3取得部と、
前記関連情報と前記回答情報とを記憶装置に記憶する収集部と
を具備する情報収集システム。
【請求項9】
請求項1から3の情報提供装置と、
前記情報提供装置と通信可能な端末装置とを具備し、
前記端末装置は、前記利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記情報提供装置が生成した前記応答情報を取得する取得部とを有する
を具備する情報処理システム。
【請求項10】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成し、
前記第1生成モデルは、所定の対象に関する信頼性の高い情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記第2生成モデルは、前記信頼性の高い情報以外の広範囲の内容にわたる情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報は、前記応答情報の候補である
コンピュータシステムにより実現される情報生成方法。
【請求項11】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成し、
前記要求情報は、当該要求情報の候補となる複数の候補情報のうち前記利用者が選択した候補情報であり、
前記複数の候補情報は、前記入力情報および1以上の関連情報のそれぞれであり、
前記1以上の関連情報は、前記入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生成モデルが生成した、当該入力情報に関連する情報である
コンピュータシステムにより実現される情報生成方法。
【請求項12】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成し、
記第1出力情報および前記第2出力情報のそれぞれである2以上の出力情報の各々について、指を特定し、
前記2以上の出力情報は、前記応答情報の候補であり、
前記指標は、前記要求情報に対する妥当性を示し、
前記応答情報は、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が所定の閾値を上回る出力情報が1つである場合には、当該閾値を上回った1つの出力情報に応じて生成され、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報が複数ある場合には、当該閾値を上回った複数の出力情報を組み合わせた情報に応じて生成される
コンピュータシステムにより実現される情報生成方法。
【請求項13】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部としてコンピュータシステムを機能させ、
前記第1生成モデルは、所定の対象に関する信頼性の高い情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記第2生成モデルは、前記信頼性の高い情報以外の広範囲の内容にわたる情報を訓練データとして訓練されたモデルであり、
前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報は、前記応答情報の候補である
プログラム。
【請求項14】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部としてコンピュータシステムを機能させ、
前記要求情報は、当該要求情報の候補となる複数の候補情報のうち前記利用者が選択した候補情報であり、
前記複数の候補情報は、前記入力情報および1以上の関連情報のそれぞれであり、
前記1以上の関連情報は、前記入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生
成モデルが生成した、当該入力情報に関連する情報である
プログラム。
【請求項15】
利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部、および、
記第1出力情報および前記第2出力情報のそれぞれである2以上の出力情報の各々について、指を特定する指標算定部としてコンピュータシステムを機能させ、
前記2以上の出力情報は、前記応答情報の候補であり、
前記指標は、前記要求情報に対する妥当性を示し、
前記応答生成部は、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が所定の閾値を上回る出力情報が1つである場合には、当該閾値を上回った1つの出力情報に応じて前記応答情報を生成し、
前記2以上の出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報が複数ある場合には、当該閾値を上回った複数の出力情報を組み合わせた情報に応じて前記応答情報を生成する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの要求情報に対してより適切な応答情報を提示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、自然言語処理が可能である大規模言語モデルを用いて、利用者が入力した情報に応じた情報を出力する技術が提案されている。対話データセットを用いて大規模言語モデルをファインチューニングすると、対話形式によるやり取りが可能になる。利用者は、このような大規模言語モデルに質問文を入力することで、当該質問文に対する回答文を得ることができる。具体的には、利用者からの質問文を含むプロンプトが大規模言語モデルに入力される。
【0003】
大規模言語モデルが出力する回答文は、利用者が入力する質問文の内容に大きく依存する。例えば、質問文における語彙の選択や言い回しが異なると、大規模言語モデルからの回答も相違し得る。したがって、質問文の内容によっては、利用者が所望する回答ではない回答文が出力されてしまう場合がある。以上の通り、大規模言語モデルからの出力が適切でないという場合が存在するという問題がある。
【0004】
そこで、大規模言語モデルからの出力を適切にするための各種の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、利用者が入力した質問文に関連する参考情報を生成し、当該質問文と参考情報とを含むプロンプトを大規模言語モデルに入力することで、当該質問文に対する回答文を得る構成が開示されている。特許文献1では、たしかに、質問文のみを含むプロンプトを生成する構成と比較して、より具体的な回答文を生成することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第7313757号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術では、質問文に対して適切な内容の回答文を利用者に提示するという観点からは更なる改善の余地がある。以上の事情を考慮して、本発明では、利用者からの要求情報に対してより適切な応答情報を利用者に提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例に係る端末装置は、利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得する取得部とを具備し、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報である。
【0008】
本発明の一例に係る情報提供装置は、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部を具備する。
【0009】
本発明の一例に係る情報収集システムは、前述の端末装置と通信可能なシステムであって、前記応答情報について特定された妥当性の評価と、前記要求情報と、当該応答情報とを取得する第1取得部と、前記評価と前記要求情報と前記応答情報とを記憶装置に記憶する収集部とを具備する。
【0010】
本発明の一例に係る情報収集システムは、前述の端末装置と通信可能なシステムであって、前記入力情報を含む第4プロンプトに対して訓練済の第4生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する関連情報を取得する第1取得部と、前記関連情報を含む第5プロンプトに対して訓練済の第5生成モデルが生成する回答情報を取得する第2取得部と、前記関連情報と前記回答情報とを記憶装置に記憶する収集部とを具備する。
【0011】
本発明に係る情報処理システムは、利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部と、前記応答情報を取得する取得部とを具備する。
【0012】
本発明の一例に係る情報取得方法は、利用者が入力した入力情報を受け付け、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得し、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報であるコンピュータシステムにより実現される。
【0013】
本発明の一例に係るプログラムは、利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部、および、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得する取得部としてコンピュータシステムを機能させ、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報であるとしてコンピュータシステムを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を例示するブロック図である。
図2】第1実施形態に係る端末装置の構成を例示するブロック図である。
図3】第1実施形態に係る端末装置における制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図4】第1実施形態に係る情報生成システムの構成を例示するブロック図である。
図5】第1実施形態に係る情報生成システムにおける制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図6】第1実施形態に係る情報生成システムの構成を例示するブロック図である。
図7】第1実施形態に係る情報取得装置の構成を例示するブロック図である。
図8】第1実施形態に係る第1処理装置の構成を例示するブロック図である。
図9】第1実施形態に係る第1処理装置における制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図10】第1実施形態に係る第2処理装置の構成を例示するブロック図である。
図11】第1実施形態に係る第2処理装置における制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図12】第1実施形態に係る情報提供装置の構成を例示するブロック図である。
図13】第1実施形態に係る情報提供装置における制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図14】情報処理システムの全体が実行する処理の手順を例示するフローチャートである。
図15】第1実施形態に係る入力情報および関連情報を示す図である。
図16】第1実施形態に係る情報提供システムが実行する処理の手順を例示するフローチャートである。
図17】第1実施形態に係る第1出力情報および第2出力情報を示す図である。
図18】第1実施形態に係る情報提供装置の応答生成部が実行する処理の手順を例示するフローチャートである。
図19】第2実施形態に係る情報処理システムの構成を例示するブロック図である。
図20】第2実施形態に係る情報収集システムの構成を例示するブロック図である。
図21】第2実施形態に係る情報収集システムにおける制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図22】第3実施形態に係る情報収集システムにおける制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム100の構成を例示するブロック図である。第1実施形態に係る情報処理システム100は、端末装置10と情報管理システム20とを具備するコンピュータシステムである。情報管理システム20は、端末装置10の利用者Uに各種の情報を提供する。情報管理システム20は、情報生成システム30と情報提供システム40とを具備する。
【0016】
概略的には、情報管理システム20は、利用者Uからの要求情報に対する情報(以下「応答情報」という)Rを当該利用者Uに提供する。典型的には、要求情報は、利用者Uが所望する情報を要求するための情報であり、応答情報Rは、要求情報に対する応答(典型的には要求情報により要求された情報)を示す情報である。以下の説明では、要求情報が所定の対象に対する問い合わせであり、応答情報Rが当該問い合わせに対する回答である場合を例示する。所定の対象とは、例えば各種の製品やサービスである。第1実施形態では、特定の製品(以下「対象製品」という)を所定の対象とする場合を便宜的に例示する。対象製品は、例えば所定の目的で使用されるソフトウェアである。
【0017】
端末装置10と情報管理システム20とは、例えば移動体通信網またはインターネット等の通信網900を介して相互に通信可能である。
【0018】
端末装置10は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報装置、またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報装置により実現される。一方で、情報生成システム30と情報提供システム40とは、例えばサーバシステムで実現される。
【0019】
[端末装置10]
図2は、端末装置10に構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、端末装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と表示装置14と操作装置15とを具備する。
【0020】
制御装置11は、端末装置10の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0021】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと、制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。なお、例えば、端末装置10に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置11が通信網900を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置12として利用されてもよい。
【0022】
通信装置13は、通信網900を介して情報管理システム20と通信する通信機器である。なお、端末装置10とは別体の通信装置13を、当該端末装置10に対して有線または無線により接続してもよい。
【0023】
表示装置14は、制御装置11による制御のもとで各種の情報を表示する。例えば、液晶表示パネルまたは有機ELパネル等の各種の表示パネルが、表示装置14として利用される。なお、情報処理システム100とは別体の操作装置15または表示装置14が、端末装置10に対して有線または無線により接続されてもよい。
【0024】
操作装置15は、利用者Uによる操作を受付ける入力機器である。例えば、利用者Uが操作する操作子、または、利用者Uによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置15として利用される。なお、端末装置10とは別体の操作装置15が、端末装置10に対して有線または無線により接続されてもよい。操作装置15は、利用者Uが当該操作装置15に対する操作入力した各種の情報を受付ける。なお、操作装置15は、音声により利用者Uからの入力を受付ける収音装置(マイク)であってもよい。
【0025】
図2は、記憶装置12に記憶されたプログラムを制御装置11が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。制御装置11は、問い合わせに対する回答を提供するための複数の機能(受付部111,プロンプト生成部112,取得部113,提示部114)を実現する。
【0026】
受付部111は、操作装置15に対する操作により利用者Uが入力した各種の情報を受付ける。第1に、受付部111は、利用者Uが入力した入力情報を受付ける。入力情報は、利用者Uが所望する情報を要求するための情報である。第1実施形態の入力情報は、対象製品に関する問い合わせを示す情報である。問い合わせの内容(利用者Uが所望する情報)は、任意であり、例えば、対象製品の使い方、対象製品の特定の機能または対象製品を使用していて発生したエラーに関する内容が想定される。利用者Uは、操作装置15に対する操作により、問い合わせを示す文章(テキスト)を入力する。
【0027】
第2に、受付部111は、利用者Uが入力した要求情報を受付ける。第1実施形態の要求情報は、入力情報および1以上の関連情報Gのうち、利用者Uが選択した情報である。すなわち、入力情報と1以上の関連情報Gとは、要求情報の候補である。
【0028】
関連情報Gは、入力情報と同様に、利用者Uが所望する情報を要求するための情報であり、当該入力情報に関連する情報である。関連情報Gは、典型的には、入力情報と同種の内容(例えば問い合わせ)を示す情報である。入力情報の内容と関連情報Gの内容とは類似するとも換言できる。入力情報および当該入力情報に関連する1以上の関連情報Gから利用者Uが選択した情報である要求情報は、入力情報に応じた情報である。関連情報Gの詳細は、後述する。
【0029】
第3に、受付部111は、利用者Uが入力した識別情報を受付ける。識別情報は、例えば、対象製品の名称、種類、バージョンや製品番号などの各種の情報である。なお、識別情報として、対象製品の利用者Uを識別するための情報を含んでもよい。
【0030】
プロンプト生成部112は、利用者Uが入力した各種の情報を含むプロンプトPを生成する。プロンプトPは、情報管理システム20に対する要求である。プロンプト生成部112が生成したプロンプトPは、通信装置13から情報管理システム20に送信される。
【0031】
第1に、プロンプト生成部112は、入力情報を含むプロンプトP1(「第3プロンプト」の例示)を生成する。具体的には、プロンプトP1は、入力情報に関連する1以上の関連情報Gを要求するためのプロンプトである。プロンプトP1は、情報管理システム20(情報生成システム30)に送信される。なお、入力情報を含むプロンプトP1とは、入力情報を直接的に含む場合と、入力情報に応じた情報(例えば入力情報を加工や修正した情報)として入力情報を間接的に含む場合とが包含される。
【0032】
第2に、プロンプト生成部112は、要求情報を含むプロンプトPz2,P3を生成する。なお、要求情報を含むプロンプトPz2,P3とは、要求情報を直接的に含む場合と、要求情報に応じた情報(例えば要求情報を加工や修正した情報)として要求情報を間接的に含む場合とが包含される。
【0033】
具体的には、プロンプトPz2およびプロンプトP3の各々は、要求情報に対する出力情報Wを要求するためのプロンプトである。出力情報Wは、応答情報R(すなわち回答)の候補となる情報である。すなわち、プロンプトPz2,P3は、応答情報Rを要求するためのプロンプトであるとも換言できる。
【0034】
プロンプトPz2,P3は、情報管理システム20(情報提供システム40)に送信される。プロンプトPz2について1以上の出力情報(以下「第1出力情報」という)W1が生成され、プロンプトP3について1以上の出力情報(以下「第2出力情報」という)W2が生成される。情報管理システム20で生成された複数の出力情報W(W1,W2)を用いて、要求情報に対する応答情報Rを生成する。出力情報Wおよび応答情報Rの詳細は、後述する。
【0035】
第1実施形態では、実際には、プロンプトPz2から生成されるプロンプトP2について1以上の第1出力情報W1が生成される。プロンプトP2の生成は、情報提供システム40において行われる。第1実施形態では、プロンプトP2に含まれる情報とプロンプトP3に含まれる情報とが相違する構成を例示する。プロンプトP2とプロンプトP3とに共通して、要求情報と識別情報とは含まれる。
【0036】
一方で、プロンプトP2は、要求情報および識別情報に加えて、第1出力情報W1の生成において参照される参考情報を含む。後述の情報提供システム40において、端末装置10から送信されたプロンプトPz2に参考情報が付与されることでプロンプトP2が生成される。参考情報は、情報処理システム100が第1出力情報W1(応答情報の候補)を生成するにあたって参照する情報である。具体的には、参考情報は、例えば、対象製品を詳細に説明する情報である。例えば、対象製品の用途、目的、機能、構成、技術仕様、および、使用・設定方法などが記載されたドキュメントが参考情報として例示される。なお、第1実施形態において、プロンプトP2は、「第1プロンプト」の例示であり、プロンプトP3は、「第2プロンプト」の例示である。
【0037】
取得部113は、上述した各種のプロンプトP1-P3により生成された情報を取得する。第1実施形態の取得部113は、情報管理システム20からプロンプトP1-P3により生成された情報を、通信装置13により受信することで取得する。
【0038】
第1に、取得部113は、入力情報を含むプロンプトP1に対して生成された1以上の関連情報Gを取得する。第2に、取得部113は、入力情報および1以上の関連情報Gのうち利用者Uが選択した情報である要求情報に対して生成された応答情報Rを取得する。
【0039】
提示部114は、各種の情報(例えば関連情報Gや応答情報R)を利用者Uに提示する。具体的には、提示部114は、各種の情報を表示装置14により表示することで利用者Uに提示する。ただし、提示部114による情報の提示は、表示による提示には限定されず、例えば音声よる提示であってもよい。
【0040】
第1に提示部114は、プロンプトP1により生成された1以上の関連情報Gを利用者Uに提示する。具体的には、入力情報とともに1以上の関連情報Gが利用者Uに提示される。
【0041】
[情報生成システム30]
図4は、情報生成システム30の構成を例示するブロック図である。情報生成システム30は、入力情報に関連する1以上の関連情報Gを生成するための装置である。例えば、端末装置10と通信網900を介して通信可能なサーバシステムが情報生成システム30として例示される。
【0042】
図4に例示される通り、情報生成システム30は、例えば、制御装置31と記憶装置32と通信装置33とを具備する。
【0043】
制御装置31は、情報生成システム30の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0044】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと、制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として利用される。例えば、情報生成システム30に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置31が通信網900を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置32として利用されてもよい。
【0045】
通信装置33は、通信網900を介して端末装置10と通信する通信機器である。なお、情報生成システム30とは別体の通信装置33を、情報生成システム30に対して有線または無線により接続してもよい。
【0046】
図5は、記憶装置32に記憶されたプログラムを制御装置31が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。第1実施形態の制御装置31は、入力情報に関連する1以上の関連情報Gを生成するための複数の機能(取得部311,関連情報生成部312)を実現する。
【0047】
取得部311は、端末装置10から送信される入力情報を通信装置33により受信することで取得する。具体的には、取得部311は、入力情報を含むプロンプトP1を取得する。
【0048】
関連情報生成部312は、入力情報に関連する1以上の関連情報Gを生成する。第1実施形態では、訓練済みの生成モデルM1が関連情報Gの生成に利用される。関連情報生成部312は、入力情報を含むプロンプトP1を生成モデルM1に入力することで1以上の関連情報Gを生成する。プロンプトP1は、生成モデルM1に入力情報に関連する1以上の関連情報Gを生成することを指示するプロンプトであるとも換言できる。
【0049】
関連情報生成部312が生成した1以上の関連情報Gは、通信装置33により端末装置10に送信され、利用者Uに提示される。上述した通り、入力情報とともに1以上の関連情報Gが利用者Uに提示される。
【0050】
生成モデルM1は、例えばTransformerモデル(系列変換モデル)で構成される。ただし、生成モデルM1は、その他の任意の形式のニューラルネットワーク(例えば再帰型ニューラルネットワークや畳込ニューラルネットワーク)で構成されてもよい。また、複数種の深層ニューラルネットワークの組合せにより生成モデルM1が構成されてもよい。
【0051】
第1実施形態では、大量のテキストデータを用いて事前に訓練され、単語の出現確率がモデル化された大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)を生成モデルM1として用いる構成を例示する。大規模言語モデルは、自然言語処理が可能である。特に、対話データセットを用いて大規模言語モデルをファインチューニングした対話型の大規模言語モデルを生成モデルMとして用いることが好適である。対話型の大規模言語モデルによれば、対話形式のテキストを生成可能である。対話型の大規模言語モデルとしては、例えばChatGPT(OpenAI社製),Bard(Google社製),Bing AI(マイクロソフト社製)などの公知の任意のモデルが生成モデルM1として利用され得る。生成モデルM1は、例えば想定される入力情報(プロンプトP1)と当該入力情報に対する関連情報G(回答)との組み合わせを複数含むデータセットによりファインチューニングされていることが好ましい。なお、生成モデルM1として、入力情報と関連情報Gとの関係を機械学習により学習した学習済モデルを用いてもよい。
【0052】
以上の説明から理解される通り、生成モデルM1は、入力情報に対して統計的に妥当な関連情報Gを出力する。なお、生成モデルM1を規定する複数のパラメータは、複数の訓練データを利用した機械学習(特に深層学習)により設定されて記憶装置32に保持される。なお、第3実施形態において後述するデータベースD2を生成モデルM1が参照することや、データベースD2の情報を生成モデルM1の訓練データとして使用することが可能である。
【0053】
[情報提供システム40]
図6は、情報提供システム40の構成を例示するブロック図である。情報提供システム40は、入力情報に応じた要求情報に対して応答情報Rを生成する装置である。すなわち、問い合わせに対する回答が情報提供システム40により生成される。例えば、端末装置10と通信網900を介して通信可能なコンピュータシステムが情報提供システム40として例示される。
【0054】
図6に例示される通り、情報提供システム40は、第1処理装置41と第2処理装置42と情報提供装置43と情報取得装置44とを具備する。情報提供装置43は、第1処理装置41および第2処理装置42の各々と通信網900を介して相互に通信可能である。
【0055】
情報取得装置44は、端末装置10から送信されるプロンプトPz2からプロンプトP2を生成するためのサーバシステムである。第1実施形態の情報取得装置44は、プロンプトPz2に参考情報を付与することでプロンプトP2を生成する。すなわち、プロンプトP2は、要求情報と識別情報と参考情報とを含むプロンプトである。情報取得装置44は、端末装置10および第1処理装置41と通信網900を介して通信可能である。例えば、制御装置441と記憶装置442と通信装置443とで情報取得装置44が構成される。
【0056】
通信装置443は、端末装置10から送信されたプロンプトPz2を受信し、プロンプトPz2から生成されたプロンプトP2を第1処理装置41に送信する。
【0057】
制御装置441は、プロンプトPz2からプロンプトP2を生成する。具体的には、プロンプトPz2に含まれる要求情報と識別情報とに応じた参考情報を取得し、当該参考情報をプロンプトPz2に付与することでプロンプトP2を生成する。参考情報を取得する方法は、特に限定されないが、以下の説明では、制御装置441が、記憶装置442に事前に登録されたデータテーブル(以下「参考情報テーブル」という)Dqを用いて参考情報を取得する構成を例示する。
【0058】
参考情報テーブルDqには、例えば、識別情報と要求情報に含まれ得る文字列(以下「対象文字列」という)との組み合わせ毎に、参考情報が対応づけられて登録されている。要求情報に含まれ得る対象文字列は、例えば対象製品の問い合わせの対象となり得る機能などを表す文字列(単語を含む)である。図7に例示される通り、参考情報テーブルDqでは、識別情報と対象文字列との組み合わせ毎に、相異なる参考情報が対応付けられている。なお、複数の組み合わせについて共通の参考情報を登録してもよいし、1つの組み合わせについて、複数の参考情報を登録してもよい。そして、参考情報テーブルDqにおいて、プロンプトPz2に含まれる要求情報中の文字列と識別情報とが一致する(または類似度が高い)参考情報が取得される。ただし、制御装置441は、生成モデルに要求情報と識別情報を入力することで参考情報を取得してもよい。当該生成モデルは、例えば生成モデルM1と同様に、Transformerモデルや任意の形式のニューラルネットワークで構成される。
【0059】
図8は、第1処理装置41の構成を例示するブロック図である。第1処理装置41は、プロンプトP2に対して1以上の第1出力情報W1を生成するサーバシステムである。第1出力情報W1は、上述した通り、応答情報R(回答)の候補である。具体的には、第1処理装置41は、制御装置411と記憶装置412と通信装置413とを具備する。
【0060】
制御装置411は、第1処理装置41の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置411が構成される。
【0061】
記憶装置412は、制御装置411が実行するプログラムと、制御装置411が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置412として利用される。例えば、情報提供システム40に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置411が通信網900を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置412として利用されてもよい。
【0062】
通信装置413は、通信網900を介して端末装置10と通信する通信機器である。なお、情報提供システム40とは別体の通信装置413を、第1処理装置41に対して有線または無線により接続してもよい。
【0063】
図9は、記憶装置412に記憶されたプログラムを制御装置411が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。第1実施形態の制御装置411は、要求情報に応じた1以上の第1出力情報W1を生成するための複数の機能(取得部141,処理部142)を実現する。
【0064】
取得部141は、情報取得装置44から送信される要求情報を通信装置413により受信することで取得する。具体的には、取得部141は、情報取得装置44から送信されるプロンプトP2を取得する。プロンプトP2には、上述した通り、要求情報および識別情報に加えて、参考情報が含まれる。
【0065】
処理部142は、要求情報に対する1以上の第1出力情報W1を生成する。第1出力情報W1の生成には、訓練済みの生成モデルM2が利用される。具体的には、処理部142は、生成モデルM2に取得部141が取得したプロンプトP2を入力することで1以上の第1出力情報W1を生成する。第1実施形態の生成モデルM2は、要求情報に対する第1出力情報W1を、識別情報と参考情報とを加味して生成する。プロンプトP2は、要求情報に対する1以上の第1出力情報W1を識別情報と参考情報とを踏まえて生成することを指示するプロンプトであるとも換言できる。生成モデルM2の詳細は後述する。処理部142が生成した第1出力情報W1は、通信装置413により情報提供装置43に送信される。
【0066】
図10は、第2処理装置42の構成を例示するブロック図である。第2処理装置42は、プロンプトP3に対して1以上の第2出力情報W2を生成するサーバシステムである。第2出力情報W2は、上述した通り、第1出力情報W1と同様に、応答情報R(回答)の候補である。具体的には、第2処理装置42は、制御装置421と記憶装置422と通信装置423とを具備する。
【0067】
制御装置421と記憶装置422と通信装置423とは、例えば、第1処理装置41の制御装置411と記憶装置412と通信装置413とについて説明したのと同様の構成が採用される。
【0068】
図11は、記憶装置422に記憶されたプログラムを制御装置421が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。第1実施形態の制御装置421は、要求情報に応じた1以上の第2出力情報W2を生成するための複数の機能(取得部241,処理部242)を実現する。
【0069】
取得部241は、端末装置10から送信される要求情報を通信装置423により受信することで取得する。具体的には、取得部241は、端末装置10から送信されるプロンプトP3を取得する。プロンプトP3には、上述した通り、要求情報および識別情報を含む。なお、第1実施形態では、参考情報はプロンプトP3には含まれない。
【0070】
処理部242は、要求情報に対する1以上の第2出力情報W2を生成する。第2出力情報W2の生成には、訓練済みの生成モデルM3が利用される。具体的には、処理部242は、生成モデルM3に取得部241が取得したプロンプトP3を入力することで1以上の第2出力情報W2を生成する。第1実施形態の生成モデルM3は、要求情報に対する1以上の第2出力情報W2を識別情報を加味して生成する。プロンプトP3は、要求情報に対する1以上の第2出力情報W2を識別情報を踏まえて生成することを指示するプロンプトであるとも換言できる。処理部242が生成した第2出力情報W2は、通信装置423により情報提供装置43に送信される。
【0071】
以下、生成モデルM2および生成モデルM3について説明する。生成モデルM2,M3は、生成モデルM1で上述したのと同様に、例えばTransformerモデルで構成される。第1実施形態では、大量のテキストデータ(訓練データ)を用いて事前に訓練され、単語の出現確率がモデル化された大規模言語モデルを生成モデルM2,M3として用いる構成を例示する。
【0072】
大規模言語モデルは、自然言語処理が可能である。特に、対話データセットを用いて大規模言語モデルをファインチューニングした対話型の大規模言語モデルを生成モデルM2,M3として用いることが好適である。対話型の大規模言語モデルによれば、対話形式のテキストを生成可能である。対話型の大規模言語モデルとしては、例えばChatGPT(OpenAI社製),Bard(Google社製),Bing AI(マイクロソフト社製)などの公知の任意のモデルが生成モデルM2,M3として利用され得る。生成モデルM2と生成モデルM3とは、同種のモデルであってもよいし、異種のモデルであってもよい。なお、生成モデルM2,M3を規定する各種のパラメータは、複数の訓練データを利用した機械学習(特に深層学習)により設定されて記憶装置412,422に保持される。
【0073】
生成モデルM2の確立には、対象製品に関する各種のデータが訓練データとして用いられる。第1実施形態では、例えば、想定される要求情報(プロンプトP2)と当該要求情報に対する第1出力情報W1(回答)との組み合わせを複数含むデータセットが訓練データとして用いられる。特に、対象製品に関する信頼性の高い情報が訓練データとして好ましく用いられる。なお、事前に大量のテキストデータで訓練された生成モデルに対象製品に関する訓練データを用いてファインチューニングすることで生成モデルM2を確立してもよい。
【0074】
対象製品に関する信頼性の高い情報とは、例えば、後述する情報収集システム50において収集する情報(データベースD1,D2に記憶される情報)である。また、例えば、対象製品の製造元や販売元が公開または収集した情報も対象製品に関する信頼性の高い情報である。なお、情報収集システム50において収集する情報を第1出力情報W1の生成において生成モデルM2が参照することも可能である。
【0075】
第1実施形態の生成モデルM3の確立には、主に、一般的に公開(例えばウェブサイト、書籍、学術論文や新聞で公開)されている各種のデータが訓練データとして用いられる。生成モデルM3の確立に利用される訓練データは、一般的に公開されている対象製品に関する情報を含んでもよいが、対象製品以外の広範囲の内容にわたる情報である。第1実施形態の生成モデルM3は、生成モデルM2よりも広範囲の情報により訓練されているが、生成モデルM2のように対象製品に関する信頼性の高い情報を訓練データとした訓練がされていないモデルであるとも換言できる。
【0076】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、生成モデルM2と生成モデルM3とは、訓練データが相違する。生成モデルM2には、対象製品に特化した情報(すなわち特定の対象に関連するものとして選別された情報)が訓練データとして用いられ、生成モデルM3には、一般的に公開されている広範囲の情報が訓練データとして用いられる。生成モデルM2の訓練に用いられる訓練データは、生成モデルM3の訓練に用いられる訓練データよりも限定(内容的な限定)された情報であるとも換言できる。生成モデルM2は対象製品の情報に特化した回答(第1出力情報W1)を生成できるのに対して、生成モデルM3は対象製品以外の広範囲の情報も踏まえた上で回答(第2出力情報W2)を生成できる。ただし、生成モデルM2の確立において、対象製品に関する各種のデータ以外に、生成モデルM3と同様に一般的に公開されている広範囲にわたる情報を訓練データとして用いてもよい。
【0077】
図12は、情報提供装置43の構成を例示するブロック図である。情報提供装置43は、要求情報に対する応答情報Rを生成するサーバシステムである。具体的には、情報提供装置43は、制御装置431と記憶装置432と通信装置413とを具備する。
【0078】
制御装置431と記憶装置432と通信装置433とは、例えば、第1処理装置41の制御装置411と記憶装置412と通信装置413とについて説明したのと同様の構成が採用される。
【0079】
図13は、記憶装置432に記憶されたプログラムを制御装置431が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。第1実施形態の制御装置431は、要求情報に対する応答情報Rを生成するための複数の機能(取得部341,指標算定部342,応答生成部343)を実現する。
【0080】
取得部341は、第1処理装置41から送信された1以上の第1出力情報W1と、第2処理装置42から送信された1以上の第2出力情報W2とを通信装置433により受信することで取得する。
【0081】
指標算定部342は、取得部341が取得した1以上の第1出力情報W1の各々および取得部341が取得した1以上の第2出力情報W2の各々について、要求情報に対する妥当性を示す指標Kを特定する。すなわち、出力情報W毎(第1出力情報W1毎および第2出力情報W2毎)に指標Kが特定される。
【0082】
指標Kは、要求情報に対して出力情報Wがどの程度妥当(適切)であるかを表す指標であり、例えば数値(例えば点数)である。例えば、点数が高いほど出力情報Wの妥当性が高く、点数が低いほど出力情報Wの妥当性は低い。
【0083】
第1実施形態では、指標Kの算定には、生成モデルM4が用いられる。具体的には、指標算定部342は、生成モデルM4に、第1出力情報W1の各々について要求情報と当該第1出力情報W1とを入力し、第2出力情報W2の各々について要求情報と当該第2出力情報W2とを入力することで、出力情報W毎に指標Kを特定する。
【0084】
生成モデルM4は、生成モデルM1について上述したのと同様に、Transformerモデルで構成され、例えば大規模言語モデルや、出力情報Wと要求情報と指標Kとの関係とを機械学習により学習した学習済モデルを用いてもよい。生成モデルM4がTransformerモデルである場合には、例えば想定される出力情報Wと当該出力情報Wに対する指標Kとの組み合わせを複数含むデータセットにより学習されていることが好ましい。以上の説明から理解される通り、生成モデルM4は、出力情報Wに対して統計的に妥当な指標Kを出力する。なお、生成モデルM4を規定する複数のパラメータは、複数の訓練データを利用した機械学習(特に深層学習)により設定されて記憶装置432に保持される。
【0085】
応答生成部343は、要求情報に対する応答情報Rを生成する。具体的には、応答生成部343は、プロンプトP2に対して生成モデルM2が生成した1以上の第1出力情報W1と、プロンプトP3に対して生成モデルM3が生成した1以上の第2出力情報W2とに応じて、要求情報に対する応答情報Rを生成する。
【0086】
第1実施形態の応答生成部343は、1以上の第1出力情報W1の各々および1以上の第2出力情報W2の各々について特定された指標Kに応じて、応答情報Rを生成する。具体的には、応答生成部343は、1以上の第1出力情報W1の各々および1以上の第2出力情報W2の各々について特定された指標Kと、閾値とを比較した結果に応じて、応答情報Rを生成する。本実施形態では、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wの個数に応じて、応答情報Rを生成する方法を相違させる
【0087】
応答情報Rを生成する方法は、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wが1つである場合と、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wが複数ある場合と、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wがない場合とで相違する。以上の3つの場合について、応答生成部343が応答情報Rを生成する具体的な方法は後述する。なお、閾値は、情報提供システム40の管理者により任意に設定される。応答生成部343により特定された応答情報Rは、通信装置433により端末装置10に送信される。
【0088】
以上の説明から理解される通り、応答情報Rは、要求情報を含むプロンプトP2に対して訓練済みの生成モデルM2が生成した1以上の第1出力情報W1と、要求情報を含むプロンプトP3に対して訓練済みの生成モデルM3が生成した1以上の第2出力情報W2とに応じて生成された情報である。
【0089】
図14は、情報処理システム100の全体が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。端末装置10の利用者Uは、対象製品について所望する情報を要求(問い合わせ)するための入力情報を操作装置15に対する操作により入力する。図15には、利用者Uが入力した入力情報の一例が図示されている。図15では、対象製品の機能Xにおいて発生したエラーについて問い合わせることを示す入力情報を例示する。
【0090】
端末装置10の受付部111は、利用者Uが入力した入力情報を受付ける(SA1)。プロンプト生成部112は、入力情報を含むプロンプトP1を生成し(SA2)、当該プロンプトP1を通信装置13から情報生成システム30に送信する(SA3)。プロンプトP1は、上述した通り、入力情報に関連する1以上の関連情報Gを要求するためのプロンプトPである。
【0091】
情報生成システム30の取得部311は、端末装置10から送信されたプロンプトP1を通信装置33により受信することで取得する(SB1)。関連情報生成部312は、取得部311が取得したプロンプトP1に対して1以上の関連情報Gを生成する(SB2)。入力情報の内容から統計的に妥当な関連情報G(入力情報の内容から関連する可能性が高いと推定される関連情報G)が生成される。関連情報生成部312は、生成した1以上の関連情報Gを通信装置33から端末装置10に送信する(SB3)。
【0092】
図15には、関連情報生成部312が生成する関連情報Gの一例も図示されている。図15では、3つの関連情報G(G1,G2,G3)が生成された場合を例示する。図15に例示される通り、関連情報Gは、入力情報に関連(類似)する情報であり、入力情報と同様に機能Xに関する問い合わせを示す情報である。例えば、入力情報の内容(例えば機能Xで発生したエラーや要求する情報)をより具体化した関連情報G1や、入力情報の内容に関連する内容(例えば機能Xに関連する機能X1,X2で発生したエラーに関する内容)の関連情報G2,G3が想定される。
【0093】
端末装置10の取得部113は、情報生成システム30が送信した1以上の関連情報Gを通信装置13により受信する(SA4)。提示部114は、入力情報と1以上の関連情報Gを表示装置14により表示することで利用者Uに提示する(SA5)。すなわち、図15に例示した入力情報および3つの関連情報G(G1,G2,G3)が表示装置14により表示される。利用者Uは、表示装置14により表示された入力情報および3つの関連情報Gから、最も適切であると考えられる情報を要求情報として選択する。要求情報の選択は操作装置15に対する操作で行われる。受付部111は、利用者Uが操作装置15に対する操作により入力(選択)した要求情報を受付ける(SA6)。
【0094】
なお、利用者Uは、入力情報および1以上の関連情報Gのうち選択した情報を修正した上で要求情報としてもよい。また、利用者Uが選択した情報を端末装置10において加工(例えば変換や他の情報との結合など)した上で要求情報としてもよい。すなわち、要求情報は、入力情報または関連情報Gそのものである場合と、入力情報または関連情報Gに応じた情報である場合とがある。
【0095】
さらに、利用者Uは、問い合わせ対象(対象製品)を識別する識別情報を操作装置15に対する操作により入力する。例えば、事前に準備された複数の選択肢から識別情報(例えば対象製品のバージョンなど)を選択することで入力してもよいし、利用者Uが任意の識別情報を入力してもよい。なお、複数の選択肢は、表示装置14により表示される。受付部111は、利用者Uが操作装置15に対する操作により入力した識別情報を受付ける(SA7)。
【0096】
プロンプト生成部112は、要求情報と識別情報とを含むプロンプトPz2,P3を生成する(SA8)。プロンプト生成部112は、生成したプロンプトPz2,P3を通信装置13から情報提供システム40に送信する(SA9)。
【0097】
情報提供システム40(第1処理装置41,第2処理装置42,情報提供装置43,情報取得装置44)は、端末装置10から送信されたプロンプトPz2,P3を受信すると、応答情報Rを生成する処理を実行する(SC1)。図16は、ステップSC1の詳細な手順を例示するフローチャートである。
【0098】
図16に例示される通り、情報取得装置44の制御装置441は、端末装置10から送信されたプロンプトPz2を通信装置443により受信することで取得する(SC01)。次に、制御装置441は、プロンプトPz2からプロンプトP2を生成する(SC02)。具体的には、制御装置441は、プロンプトPz2に参考情報を付与することで、要求情報と識別情報と参考情報とを含むプロンプトP2を生成する。上述した通り、参考情報は、参考情報テーブルDqを用いて取得される。例えば、プロンプトP2の参考情報に含まれる文字列(以下「検索文字列」という)に一致する(または類似度が高い)対象文字列と、プロンプトP2の識別情報に一致する(または類似度が高い)識別情報とが対応付けられた参考情報が、参考情報テーブルDqから取得される。例えば、要求情報が「Aの製品からBの製品に切り替えました。機能Xの有効化手順を教えてください。」という内容の場合には、「機能Xの有効化手順」という文字列が検索文字列とされ得る。なお、異なる複数の検索文字列を使用して複数の参考情報を取得してもよい。そして、制御装置441は、プロンプトP2を第1処理装置41に送信する(SC03)。
【0099】
第1処理装置41の取得部141は、情報取得装置44から送信されたプロンプトP2を通信装置413により受信することで取得する(SC11)。処理部142は、取得部141が取得したプロンプトP2に対して1以上の第1出力情報W1を生成する(SC12)。具体的には、処理部142は、プロンプトP2を生成モデルM2に入力することで1以上の第1出力情報W1を生成する。処理部142は、生成した1以上の第1出力情報W1を情報提供装置43に送信する(SC13)。
【0100】
第2処理装置42の取得部241は、端末装置10から送信されたプロンプトP3を通信装置423により受信することで取得する(SC21)。処理部242は、取得部241が取得したプロンプトP3に対して1以上の第2出力情報W2を生成する(SC22)。具体的には、処理部242は、プロンプトP3を生成モデルM3に入力することで1以上の第2出力情報W2を生成する。取得部241は、生成した1以上の第2出力情報W2を情報提供装置43に送信する(SC23)。なお、ステップSC11-SC13とステップSC21-SC23とは、並行して行ってもよいし、前後して行ってもよい。
【0101】
図17には、第1出力情報W1と第2出力情報W2とが例示されている。図17では、2つの第1出力情報W1(W11,W12)が生成され、1つの第2出力情報W2が生成された場合を例示する。出力情報W1,W2は、応答情報R(回答)の候補である。
【0102】
情報提供装置43の取得部341は、第1処理装置41から送信された1以上の第1出力情報W1と、第2処理装置42から送信された1以上の第2出力情報W2とを通信装置433により受信することで取得する(SC31,SC32)。なお、ステップSC31およびステップSC32の先後は任意であり、並行して行われてもよい。
【0103】
指標算定部342は、1以上の第1出力情報W1の各々および1以上の第2出力情報W2の各々について、要求情報に対する妥当性を示す指標Kを特定する(SC33)。以下の説明では、指標Kが点数(100点満点)である場合を例示する。指標Kの特定には、生成モデルM4が利用される。具体的には、複数の出力情報W(W11,W12,W2)の各々について要求情報と当該出力情報Wとを生成モデルM4に入力することで指標Kが特定される。図17に例示される通り、出力情報W毎に指標K(点数)が特定される。
【0104】
応答生成部343は、取得部341が取得した1以上の第1出力情報W1と1以上の第2出力情報W2とに応じて応答情報Rを生成する処理(以下「応答生成処理」という)を実行する(SC34)。本実施形態の応答生成処理では、1以上の第1出力情報W1の各々および1以上の第2出力情報W2の各々について特定された指標Kに応じて、応答情報Rを生成する。図18は、応答生成処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【0105】
まず、応答生成部343は、複数の出力情報W(W1,W2)のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wがあるか否かを判定する(SC34-1)。複数の出力情報Wのうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wがあった場合(SC34-1;YES)、応答生成部343は、応答情報Rを生成する(SC34-2)。指標Kが閾値を上回る出力情報Wが1つである場合には、当該1つの出力情報Wに応じて応答情報Rが生成される。出力情報Wに応じて生成される応答情報Rは、出力情報Wそのものである場合に加えて、例えば、出力情報Wを加工や修正した情報や、出力情報Wにその他の情報を追加した情報で場合も想定される。
【0106】
指標Kが閾値を上回る出力情報Wが複数あった場合には、当該複数の出力情報Wに応じて応答情報Rが生成される。複数の出力情報Wに応じて生成される応答情報Rは、例えば複数の出力情報Wを組み合わせた情報そのものである場合の他に、例えば、当該組み合わせた情報を加工や修正した情報や、当該複数の出力情報Wにその他の情報を追加した情報である場合も想定される。
【0107】
一方で、複数の出力情報Wのうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wがなかった場合(SC34-1;NO)、応答生成部343は、SC34-1の処理を所定回数(例えば2回)繰り返したか否かを判定する(SC34-3)。SC34-1の処理が所定回数にわたり繰り返されていない場合(SC34-3;NO)、図16のステップSC02に戻り、再度プロンプトP2が生成される。具体的には、情報取得装置44は、参考情報を他の参考情報に変更したプロンプトP2を生成する。第1実施形態の情報取得装置44は、参考情報テーブルDqを用いて、検索文字列を変更した上で参考情報を再度取得する。例えば、要求情報が「Aの製品からBの製品に切り替えました。機能Xの有効化手順を教えてください。」という内容の場合においては、例えば前回のステップSC02において「機能Xの有効化手順」という文字列が検索文字列とされた場合には、「Bの製品における機能Xの有効化手順」という文字列が検索文字列とされ得る。すなわち、検索文字列は、要求情報に含まれる複数の単語を組み合わせた文字列であってもよい。変更後の検索文字列は、例えば、前回の検索文字列にその他の単語や文字列を組み合わせた文字列(すなわち変更の前後で一部が重複する文字列)や、前回の検索文字列とは完全に異なる文字列である。なお、変更後のプロンプトP2は、新たに取得した参考情報とともに、変更前のプロンプトP2の参考情報を含んでもよい。一方で、要求情報と識別情報とは維持される。変更後のプロンプトP2が第1処理装置41に送信される(SC03)。
【0108】
次に、第1処理装置41は、図16のステップSC11-SC13を再度行う。そして、情報提供装置43は、変更後のプロンプトP2に対して生成された1以上の第1出力情報W1を取得し(SC31)、ステップSC33およびステップSC34を実行する。プロンプトP2を変更する処理は、第1出力情報W1を更新する処理であるとも換言できる。なお、第2出力情報W2を受信するステップSC32と、ステップSC33における第2出力情報W2について指標Kを算定する処理は、プロンプトP3には変更がないため省略される。すなわち、第2出力情報W2は更新されず維持される。
【0109】
情報提供装置43の応答生成部343は、更新後の1以上の第1出力情報W1の各々について特定された指標Kと、維持された1以上の第2出力情報W2の各々の指標K(すなわち前回のステップSC33で特定された指標K)とについて、図18のステップSC34-1を実行する。すなわち、応答生成部343は、指標Kが閾値を上回る出力情報Wがなかった場合には、参考情報が他の参考情報に変更されたプロンプトP2に対して生成モデルM2が新たに生成した1以上の第1出力情報W1の各々と、維持された1以上の第2出力情報W2の各々とについて特定された指標Kに応じて、応答情報Rを生成する。
【0110】
図17の例示では、例えば、閾値が80点に設定されている場合には、第1出力情報W11に応じて応答情報Rが生成され、閾値が70点に設定されている場合には、第1出力情報W11と第1出力情報W12に応じて応答情報Rが生成され、閾値が95点に設定されている場合には、応答情報Rが生成されずに、プロンプトP2が更新される。
【0111】
それに対して、図18のSC34-1の処理が所定回にわたり数繰り返された場合(SC34-3;YES)、応答生成部343は、応答情報Rを生成する(SC34-2)。この場合には、要求情報に対する妥当な情報が生成できなかったことを示す回答(すなわち所望する情報を利用者Uに提供できないことを示す回答)が応答情報Rとして生成される。なお、指標Kが閾値を上回る出力情報がない場合には、ステップSC34-3の処理を行うことなく、ステップSC34-2に遷移して応答情報R(要求情報に対する妥当な情報が生成できなかったことを示す回答)を生成する構成も採用される。
【0112】
以上の説明から理解される通り、応答生成部343は、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2の各々について特定された指標Kと、閾値とを比較した結果に応じて、応答情報Rを生成する。そして、当該指標Kが閾値を上回る出力情報Wの個数に応じて応答情報Rを生成する方法を相違させる。具体的には、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2のうち指標Kが閾値を上回る出力情報Wが1つである場合と、当該閾値を上回る出力情報Wが複数ある場合と、閾値を上回る出力情報Wがない場合とで、応答情報Rを生成する方法が相違する。
【0113】
図14に例示される通り、応答生成部343により生成された応答情報Rは、通信装置433から端末装置10に送信される(SC2)。端末装置10の取得部113は、通信装置13により応答情報Rを受信することで取得する(SA10)。そして、提示部114は、取得部113が取得した応答情報Rを表示装置14により表示することで利用者Uに提示する(SA11)。
【0114】
第1実施形態では、プロンプトP2に対して生成モデルM2が生成した1以上の第1出力情報W1と、プロンプトP3に対して生成モデルM3が生成した1以上の第2出力情報W2とに応じて生成された応答情報Rが取得できるから、例えば1つの生成モデルが生成した出力情報Wに応じて生成された応答情報Rを取得して利用者Uに提供される構成と比較して、利用者Uからの要求情報に対してより適切な応答情報Rを利用者Uに提示することが可能になる。
【0115】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0116】
図19は、第2実施形態に係る情報処理システム100の構成を例示するブロック図である。第2実施形態に係る情報処理システム100は、第1実施形態の情報管理システム20に情報収集システム50を追加した構成である。その他の構成は、第1実施形態と同様である。情報管理システム20は、利用者Uに応答情報Rが提示された後に各種の情報を収集するためのコンピュータシステムである。
【0117】
第2実施形態では、要求情報に対する応答情報Rが提示された後に、応答情報Rの妥当性について特定される。第2実施形態では、例えば利用者Uが、要求情報に対して生成された応答情報Rについて、操作装置15に対する操作により妥当性の評価(以下「フィードバック評価」という)を特定(入力)する。フィードバック評価は、例えば、要求情報に対して応答情報Rがどの程度適切であったか示す指標(以下「評価指標」という)と、利用者Uが応答情報Rの妥当性に関して任意に入力できる文章(以下「評価文」という)とを含む。評価指標は、例えば、妥当性の評価を複数段階に区分した選択肢(例えば「良い」「普通」「悪い」)から選択した指標であってもよいし、利用者Uが任意に入力できる点数であってもよい。ただし、フィードバック評価は、利用者Uではなく、処理装置(図示略)が行ってもよい。処理装置は、例えば生成モデルを用いて応答情報Rに対するフィードバック評価を出力する。このような生成モデルには、例えば、応答情報Rとフィードバック評価との関係が機械学習されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0118】
端末装置10の受付部111は、特定されたフィードバック評価を受付ける。そして、端末装置10は、フィードバック評価を含む情報(以下「評価情報」という)Fを情報収集システム50に送信する。評価情報Fは、評価の対象となった応答情報Rと当該応答情報Rに対応する要求情報とを含む。さらに、第2実施形態の評価情報Fは、識別情報を含む。なお、評価情報Fは、その他の情報(例えば入力情報、関連情報G、参考情報や出力情報W)を含んでもよい。
【0119】
図20は、情報収集システム50の構成を例示するブロック図である。情報収集システム50は、利用者Uに応答情報Rを提示した後に各種の情報を収集するコンピュータシステムである。具体的には、情報収集システム50は、制御装置51と記憶装置52と通信装置53とを具備する。
【0120】
制御装置51は、情報収集システム50の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。記憶装置52は、制御装置51が実行するプログラムと、制御装置51が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。通信装置53は、通信網900を介して端末装置10と通信する通信機器である。制御装置51と記憶装置52と通信装置53とは、例えば、第1処理装置41の制御装置411と記憶装置412と通信装置413とについて説明したのと同様の構成が採用される。
【0121】
図21は、記憶装置52に記憶されたプログラムを制御装置51が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。制御装置51は、利用者Uに応答情報Rを提示した後に各種の情報を収集するための複数の機能(取得部511,収集部512)を実現する。
【0122】
取得部511は、端末装置10から送信された評価情報Fを通信装置53により受信する。すなわち、取得部511(「第1取得部」の例示)は、利用者Uが入力した入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報Rについて特定された妥当性の評価(フィードバック評価)と、当該要求情報と、当該応答情報Rとを取得する要素として機能する。
【0123】
収集部512は、取得部511が取得した評価情報Fを記憶装置60に記憶する。評価情報Fに含まれるフィードバック評価と要求情報と応答情報Rと識別情報とを記憶装置60に記憶される。例えば、記憶装置60に記憶されたデータベースD1に、フィードバック評価と要求情報と応答情報Rと識別情報とが対応付けて登録される。
【0124】
記憶装置60は、例えば情報収集システム50が通信網900を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置60として利用される。記憶装置60は、第1実施形態で上述した通り、第1処理装置41の処理部142(生成モデルM2)がアクセス可能であることが好ましい。なお、情報収集システム50の記憶装置52を記憶装置60として用いてもよい。
【0125】
記憶装置60に評価情報Fを記憶する前に、評価情報Fの内容を確認する処理がある。第1に、フィードバック評価が適切であるか否かの確認が行われる。例えば、要求情報、識別情報および応答情報Rを踏まえて、フィードバック評価が適切か否か(すなわち評価が妥当であるが否か)が確認される。フィードバック評価が適切か否かの確認は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、コンピュータシステムで構成される処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いてフィードバック評価が適切か否かの確認をする。このような生成モデルには、例えば、要求情報、識別情報、応答情報Rおよびフィードバック評価と、当該フィードバック評価の妥当性との関係が機械学習されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0126】
フィードバック評価が適切でないと判断された場合、フィードバック評価が適切に修正される。フィードバック評価の修正は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いてフィードバック評価を修正する。このような生成モデルには、例えば、要求情報、識別情報、応答情報Rおよびフィードバック評価と、修正後のフィードバック評価との関係が機械学習されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0127】
第2に、応答情報Rが要求情報に対して適切であるか否かの確認が行われる。例えば、要求情報、識別情報およびフィードバック評価を踏まえて、応答情報Rが適切か否か(すなわち応答情報Rが妥当であるが否か)が確認される。応答情報Rが適切か否かの確認は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、コンピュータシステムで構成される処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いて応答情報Rが適切か否かの確認をする。このような生成モデルには、例えば、要求情報、識別情報、および応答情報Rと、当該応答情報Rの妥当性との関係が機械学されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0128】
応答情報Rが適切でないと判断された場合、応答情報Rが適切に修正される。応答情報Rの修正は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いて応答情報Rを修正する。このような生成モデルには、例えば、要求情報、識別情報、フィードバック評価および応答情報Rと、修正後の応答情報Rとの関係が機械学習されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0129】
本実施形態の収集部512は、フィードバック評価が適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該フィードバック評価を記憶装置60に記憶し、応答情報Rが入力情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された応答情報Rを記憶装置60に記憶する。フィードバック評価および応答情報Rが適切である場合には、修正は行わずに記憶装置60に記憶される。
【0130】
なお、収集部512は、さらに、フィードバック評価が適切であるか否かと、修正前のフィードバック評価(フィードバック評価が適切でない場合)とを記憶装置に60に記憶してもよい。同様に、収集部512は、応答情報Rが適切であるか否かと、修正前の応答情報R(応答情報Rが適切でない場合)とを記憶装置に60に記憶してもよい。
【0131】
第3実施形態の構成によれば、フィードバック評価が適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該フィードバック評価を記憶装置60に記憶され、応答情報Rが要求情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された応答情報Rが記憶装置60に記憶される。そして、記憶装置60(データベースD1)に記憶された情報は、第1処理装置41の生成モデルM2の訓練データに用いることや、第1処理装置41が参照することが可能である。したがって、第1処理装置41がより高精度に第1出力情報W1の生成を行うことが可能になる。なお、例えば、要求情報と応答情報R(すなわち第1出力情報W1)との組み合わせが生成モデルM2の訓練データとして用いられる。また、生成モデルM2がデータベースD1を参照して要求情報に対する第1出力情報W1を取得してもよい。
【0132】
<第3実施形態>
【0133】
図22は、第3実施形態に係る情報収集システム50の記憶装置52に記憶されたプログラムを制御装置51が実行することで実現される機能を例示するブロック図である。
【0134】
第3実施形態の制御装置51は利用者Uに応答情報Rを提示した後に各種の情報を収集するための複数の機能として、取得部511および収集部512に加えて、プロンプト生成部513および情報生成部514を実現する。なお、情報生成部514の機能は、情報収集システム50と相互に通信可能な別体の装置に搭載してもよい。
【0135】
第1に、第3実施形態の取得部511(「第1取得部」の例示)は、利用者Uが入力した入力情報を取得する。プロンプト生成部513は、入力情報を含むプロンプトP4(「第4プロンプト」の例示)を生成する。具体的には、プロンプトP4は、入力情報に関連する関連情報を生成することを要求する情報である。なお、プロンプトP4においては、複数の関連情報を生成すること要求してもよい。第3実施形態における関連情報は、第1実施形態で説明した関連情報Gと同様の情報である。すなわち、関連情報は、入力情報と同様に、利用者Uが所望する情報を要求するための情報である。
【0136】
プロンプト生成部513で生成されたプロンプトP4は、情報生成部514に入力され、入力情報に関連する関連情報が生成される。情報生成部514(「第2取得部」の例示)は、訓練済の生成モデルM5(「第4生成モデル」の例示)を用いて、関連情報を生成(取得)する。
【0137】
次に、プロンプト生成部513は、関連情報を含むプロンプトP5(「第5プロンプト」の例示)を生成する。具体的には、プロンプトP5は、関連情報に対する回答情報を生成することを要求するための情報である。回答情報は、関連情報に対する応答(典型的には関連情報により要求された情報)を示す情報である。関連情報が問い合わせを示す情報である場合には、回答情報は当該問い合わせに対する回答を示す情報である。回答情報は、第1出力情報W1と同じ内容(問い合わせに対する回答)である。
【0138】
プロンプト生成部513で生成されたプロンプトP5は、情報生成部514に入力され、関連情報に対する回答情報が生成される。情報生成部514(「第3取得部」の例示)は、訓練済の生成モデルM6(「第5生成モデル」の例示)を用いて、回答情報を生成(取得)する。
【0139】
なお、第3実施形態では、関連情報を生成する情報生成部514が、入力情報を含むプロンプトP4に対して生成モデルM5が生成し、当該入力情報に関連する関連情報を取得する要素(第2取得部)として機能し、回答情報を生成する情報生成部514が、関連情報を含むプロンプトP5に対して生成モデルM6が生成する回答情報を取得する要素(第3取得部)として機能する。ただし、情報生成部514の機能が外部の装置に搭載される場合には、当該装置が生成した関連情報と回答情報とを受信することで取得する要素が第2取得部および第3取得部としてそれぞれ機能する。
【0140】
収集部512は、取得部511が取得した入力情報と、情報生成部514が生成した関連情報および回答情報とを記憶装置60に記憶する。例えば、記憶装置60に記憶されたデータベースD2に、入力情報と関連情報と回答情報とが対応付けて登録される。ただし、入力情報を記憶装置60に記憶することは必須ではない。
【0141】
記憶装置60に入力情報と関連情報と回答情報とを記憶する前に、回答情報が適切であるか否かの確認が行われる。例えば、関連情報の内容を踏まえて、回答情報が適切か否か(すなわち回答情報が妥当であるが否か)が確認される。回答情報が適切か否かの確認は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、コンピュータシステムで構成される処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いて回答情報が適切か否かの確認をする。このような生成モデルには、例えば、関連情報および回答情報と、当該回答情報の妥当性との関係が機械学されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0142】
回答情報が適切でないと判断された場合、回答情報が適切に修正される。回答情報の修正は、例えば情報収集システム50の管理者が行ってもよいし、処理装置が行ってもよい。処理装置(図示略)は、例えば生成モデルを用いて回答情報を修正する。このような生成モデルには、例えば、関連情報および回答情報と、修正後の回答情報との関係が機械学習されたモデルや、大規模言語モデルが用いられる。
【0143】
第3実施施形態の収集部512は、回答情報が関連情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該回答情報を記憶装置60に記憶する。回答情報が適切である場合には、修正は行わずに記憶装置60に記憶される。なお、収集部512は、さらに、回答情報が適切であるか否かと、修正前の回答情報(回答情報が適切でない場合)とを記憶装置に60に記憶してもよい。
【0144】
第3実施形態の構成によれば、回答情報が適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該回答情報が記憶装置60に記憶される。そして、記憶装置60(データベースD2)に記憶された情報は、情報生成システム30(生成モデルM1)の訓練データに用いることや、情報生成システム30が参照することが可能である。したがって、情報生成システム30がより高精度に関連情報Gの生成を行うことが可能になる。例えば、入力情報と関連情報との組み合わせが生成モデルM1の訓練データとして用いられる。また、回答情報は第1出力情報W1と同じ内容であるから、関連情報(すなわち要求情報の候補)と回答情報(すなわち第1出力情報W1)との組み合わせを生成モデルM2の訓練データとして用いもよい。さらに、生成モデルM1がデータベースD2を参照して入力情報に対する関連情報を取得してもよいし、生成モデルM2がデータベースD2を参照して要求情報に対する第1出力情報W1を取得してもよい。
【0145】
なお、生成モデルM5と生成モデルM6とは、共通の1つの生成モデルであってもよい。また、生成モデルM5が生成モデルM1と共通であってもよいし、生成モデルM6が生成モデルM2と共通であってもよい。また、入力情報に対して生成された関連情報が適切であるか否かを判断し、当該関連情報が適切でないと判断された場合には、関連情報を修正した上で記憶装置60に記憶してもよい。
【0146】
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0147】
(1)前述の各形態では、問い合わせの対象が特定の対象製品である場合を例示したが、当該対象はサービスであってもよい。サービスには、例えば、水道、ガス、電気、銀行、医療、宿泊、教育や交通に関する各種のサービスが含まれる。参考情報や識別情報の内容は、対象の種類に応じて適宜に変更し得る。例えば、問い合わせの対象がサービス(例えば水道、ガス、電気)である場合には、識別情報としては、そのサービスについて契約しているプランや契約者を識別するための情報が例示され、参考情報としては、サービスの提供元が収集した情報(利用者が契約しているプランの詳細や過去の使用履歴など)、または、サービスの提供元が一般に公開している情報が参考情報として例示される。また、対象製品は、ソフトウェアには限定されず、家電、ゲーム、食品などの各種の製品が想定される。
【0148】
(2)前述の各形態において、情報生成システム30または情報提供システム40の機能の一部を端末装置10に搭載してもよい。例えば、関連情報生成部312、処理部142、処理部242、指標算定部342および応答生成部343の一部または全部を端末装置10に搭載してもよい。例えば、応答生成部343を端末装置10に搭載する構成では、応答情報Rを取得する取得部113は、応答情報Rを生成する要素(すなわち応答生成部343)である。すなわち、取得部113は、応答情報Rを外部の装置から受信することで取得する要素である場合(第1実施形態-第3実施形態)と、応答情報Rを生成することで取得する要素の場合(応答生成部343が端末装置10に搭載される構成)とがある。同様に、取得部113は、関連情報Gを外部の装置から受信することで取得する要素である場合(第1実施形態-第3実施形態)と、関連情報Gを生成することで取得する要素の場合(関連情報生成部312が端末装置10に搭載される構成)とがある。
【0149】
(3)前述の各形態において、1以上の関連情報Gを生成する構成は必須ではない。すなわち、関連情報Gを利用者Uに提示することなく、入力情報を要求情報としてもよい。入力情報に応じた要求情報は、入力情報そのもの場合(入力情報を修正や加工した情報の場合を含む)と、入力情報に関連した関連情報Gの場合(関連情報Gを修正や加工
した情報の場合を含む)とを含む。
【0150】
(4)前述の各形態において、プロンプト生成部112の機能の一部または全部が端末装置10に以外の装置(例えば情報生成システム30や情報提供システム40)に搭載される場合も想定される。例えば、プロンプトPz2,P3を生成する機能が情報提供システム40に搭載される場合には、端末装置10から情報提供システム40には、プロンプトPz2,P3の生成に必要な情報(例えば要求情報や識別情報)が送信される。
【0151】
また、前述の各形態では、情報取得装置44がプロンプトPz2からプロンプトP2を生成したが、プロンプトP2を生成する機能は、例えば端末装置10や第1処理装置41に設けてもよい。
【0152】
(5)前述の各形態において、プロンプトP2に識別情報と参考情報とが含まれることは必須ではない。ただし、識別情報と参考情報とがプロンプトP2に含まれることで、生成モデルM2が高精度(すなわち要求情報に対して妥当性が高い)に第1出力情報W1を生成することができる。なお、プロンプトP2が参考情報を含まない場合には、情報提供システム40から情報取得装置44は省略され、端末装置10からプロンプトPz2(「第1プロンプト」の例示)が第1処理装置41に直接的に送信される。同様に、プロンプトP3に識別情報が含まれることも必須ではない。また、プロンプトP3が参考情報を含んでもよい。また、プロンプトPz2とプロンプトP3とに識別情報を付与するのは、端末装置10には限定されず、情報管理システム20が行ってもよい。
【0153】
(6)前述の各形態において、応答生成部343が指標Kに応じて応答情報Rを生成することは必須ではない。以上の構成では、指標算定部342は省略される。例えば、生成した複数の出力情報Wの全てを組み合わせた応答情報Rが生成される構成や、1つの第1出力情報W1と1つの第2出力情報W2とを組み合わせた応答情報Rが生成される構成が採用される。また、第1出力情報W1と第2出力情報W2との類似度(一致率)とを算定して、当該類似度に応じて応答情報Rを生成してもよい。例えば、類似度が所定の閾値を上回る場合には、第2出力情報W2を含む応答情報Rを生成し、類似度が所定の閾値を下回る場合には、第1出力情報W1を含む応答情報Rを生成してもよい。
【0154】
(7)前述の形態において、応答生成部343は、1以上の第1出力情報W1および1以上の第2出力情報W2の各々について特定された指標Kのうち、指標Kが最大となる出力情報W(または指標Kが降順で所定の順位までの複数の出力情報W)に応じて応答情報Rを生成してもよい。すなわち、各出力情報Wの指標Kと閾値とを比較した結果に応じて応答情報Rを生成することは必須ではない。
【0155】
(8)前述の各形態において、入力情報を入力して最終的な応答情報Rを得られるまでの処理の流れを利用者Uが確認できるようにしてもよい。例えば、利用者Uが入力した入力情報と、当該入力情報から生成された関連情報Gと、入力情報および関連情報Gから利用者Uが選択した要求情報と、当該要求情報に対する応答情報Rとを、利用者Uが確認できるようにする。これらの情報は、端末装置10の記憶装置12または端末装置10から通信網900を介してアクセス可能な記憶装置に記憶される。
【0156】
(9)前述の各形態において、情報生成システム30、情報管理システム20、第1処理装置41、第2処理装置42、情報提供装置43、情報取得装置44および情報収集システム50の各々は、単独の装置であっても複数の装置から構成されるコンピュータシステムであってもよい。
【0157】
(10)前述の形態に係る情報処理システム(端末装置,情報生成システム,情報管理システム,情報取得装置,第1処理装置,第2処理装置,情報提供装置,情報収集システム)は、コンピュータ(具体的には制御装置)とプログラムとの協働により実現される。前述の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を含み得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供することも可能である。
【0158】
<付記>
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0159】
[1]利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得する取得部とを具備し、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報である端末装置。
【0160】
以上の構成によれば、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、当該要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された応答情報を取得できるから、例えば、要求情報を含むプロンプトに対して1つの生成モデルが生成した出力情報に応じた応答情報が取得される構成と比較して、利用者からの要求情報にして対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0161】
[2]前記要求情報は、所定の対象に関する問い合わせを示す情報であり、前記第1生成モデルは、当該対象に関する信頼性の高い情報を訓練データとして訓練されたモデルである[1]の端末装置。
【0162】
以上の構成では、第1モデルが所定の対象に関する信頼性の高い情報を訓練データとして訓練されたモデルであるから、対象に関する信頼性の高い情報を踏まえて第1出力情報を生成できる。
【0163】
[3]前記応答情報は、前記1以上の第1出力情報の各々および前記1以上の第2出力情報の各々について特定された指標に応じて生成された情報であり、前記指標は、前記要求情報に対する妥当性を示す[1]の端末装置。
【0164】
以上の構成によれば、1以上の第1出力情報の各々および1以上の第2出力情報の各々について特定された指標に応じて応答情報が生成され、当該指標は要求情報に対する妥当性を示すから、要求情報に対する妥当性を加味して生成された応答情報を利用者に提示することができる。
【0165】
[4]前記応答情報は、前記指標と閾値とを比較した結果に応じて生成される[3]の端末装置。
【0166】
以上の構成では、指標と閾値とを比較した結果に応じて応答情報が生成されるから、例えば、指標が閾値を上回る1以上の出力情報(すなわち妥当性が高い出力情報)に応じて生成される応答情報を利用者に提示することができる。
【0167】
[5]前記応答情報が生成される方法は、前記1以上の第1出力情報の各々および前記1以上の第2出力情報の各々のうち、前記指標が前記閾値を上回る出力情報の個数に応じて相違する[4]の端末装置。
【0168】
以上の構成では、1以上の第1出力情報の各々および1以上の第2出力情報の各々のうち指標が閾値を上回る出力情報の個数に応じて生成される方法が相違する応答情報を利用者に提示することができる。
【0169】
[6]前記応答情報が生成される方法は、前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報が1つである場合と、前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報が複数ある場合と、前記1以上の第1出力情報および前記1以上の第2出力情報のうち前記指標が前記閾値を上回る出力情報がない場合とで相違する[5]の端末装置。
【0170】
以上の構成では、1以上の第1出力情報および1以上の第2出力情報のうち指標が閾値を上回る出力情報が1つである場合と、1以上の第1出力情報および1以上の第2出力情報のうち指標が閾値を上回る出力情報が複数ある場合と、1以上の第1出力情報および1以上の第2出力情報のうち指標が閾値を上回る出力情報がない場合とで生成される方法が相違する応答情報を利用者に提示することができる。
【0171】
[7]前記応答情報は、前記閾値を上回る出力情報が1つである場合には、当該1つの出力情報に応じて生成され、前記閾値を上回る出力情報が複数ある場合には、当該複数の出力情報に応じて生成される[6]の端末装置。
【0172】
以上の構成では、閾値を上回る出力情報が1つである場合には、当該1つの出力情報に応じて応答情報が生成され、閾値を上回る出力情報が複数ある場合には、当該複数の出力情報に応じて応答情報が生成されるから、妥当性が高い出力情報が複数ある場合には、当該複数の出力情報を全て加味した応答情報を利用者に提示することができる。
【0173】
[8]前記第1プロンプトは、前記第1出力情報の生成において参照される参考情報を含み、前記応答情報は、前記閾値を上回る出力情報がない場合には、前記参考情報が他の参考情報に変更された第1プロンプトに対して前記第1生成モデルが新たに生成した1以上の第1出力情報の各々と、前記1以上の第2出力情報の各々とについて特定された前記指標に応じて生成される[7]の端末装置。
【0174】
以上の構成では、閾値を上回る出力情報がない場合には、参考情報が他の参考情報に変更された第1プロンプトに対して第1生成モデルが新たに生成した1以上の第1出力情報の各々と、1以上の第2出力情報の各々とについて特定された指標に応じて応答情報が生成される。したがって、妥当性が高い出力情報が得られなかった場合には、新たな1以上の第1出力情報(すなわち更新された1以上の第1出力情報)を応答情報の生成に利用することができる。
【0175】
[9]前記取得部は、前記入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する1以上の関連情報を取得し、前記要求情報は、前記入力情報および前記1以上の関連情報のうち前記利用者が選択した情報である[1]から[8]の端末装置。
【0176】
以上の構成では、要求情報が入力情報および1以上の関連情報のうち利用者が選択した情報であるから、複数の選択肢(入力情報および1以上の関連情報)のうち利用者が所望する情報を要求情報として応答情報が生成される。したがって、例えば、利用者が入力した入力情報が要求情報とされる構成と比較して、利用者の意図に沿った応答情報を取得することができる。
【0177】
[10]前記要求情報は、所定の対象に関する問い合わせを示す情報であり、前記第1プロンプトは、前記対象を識別するための識別情報を含む[1]の端末装置
【0178】
以上の構成では、要求情報が所定の対象に関する問い合わせを示す情報であり、第1プロンプトは当該対象を識別するための識別情報を含むから、要求情報に対する応答情報を高精度に生成できる。
【0179】
[11]前記第1プロンプトは、前記応答情報の生成において参照される参考情報を含む[1]から[7]の端末装置。
【0180】
以上の構成では、第1プロンプトは応答情報の生成において参照される参考情報を含むから、要求情報に対する応答情報を高精度に生成できる。
【0181】
[12]利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する1以上の関連情報を取得する取得部とを具備する端末装置。
【0182】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、入力情報を含む第3プロンプトに対して訓練済の第3生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する1以上の関連情報を取得する取得部とを具備するから、利用者に入力情報に関連する1以上の関連情報を提供することができる。したがって、例えば複数の選択肢(入力情報および1以上の関連情報)のうち利用者が所望する情報である要求情報を含むプロンプトを生成することができる。ひいては、要求情報に対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0183】
[13]利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部を具備する情報提供装置。
【0184】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、要求情報に対する応答情報が生成される。したがって、例えば、要求情報を含むプロンプトに対して1つの生成モデルが生成した出力情報に応じた応答情報が取得される構成と比較して、要求情報にして対してより適切な情報を利用者に提示することができる。
【0185】
[14]利用者が入力した入力情報を含む第3プロンプトを訓練済の第3生成モデルに入力することで、当該入力情報に関連する1以上の関連情報を生成する関連情報生成部を具備する情報生成システム。
【0186】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報を含む第3プロンプトを第3生成モデルに入力することで、1以上の関連情報が生成されるから、利用者に入力情報に関連する1以上の関連情報を提供することができる。したがって、例えば複数の選択肢(入力情報および1以上の関連情報)のうち利用者が所望する情報である要求情報を含むプロンプトを生成することができる。ひいては、要求情報に対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0187】
[15]利用者が入力した入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報について特定された妥当性の評価と、当該要求情報と、当該応答情報とを取得する第1取得部と、前記評価と前記要求情報と前記応答情報とを記憶装置に記憶する収集部とを具備する情報収集システム。
【0188】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報について特定された妥当性の評価と、当該要求情報と、当該応答情報とが記憶装置に記憶される。したがって、記憶装置に記憶される当該評価と要求情報と応答情報とを、例えば、第1生成モデルの訓練データとして用いることや、第1生成モデルが第1出力情報を生成する際に参照することが可能である。すなわち、第1生成モデルが高精度に第1出力情報の生成を行うことが可能になる。ひいては、要求情報に対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0189】
[16]前記収集部は、前記評価が適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該評価を前記記憶装置に記憶し、前記応答情報が前記要求情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該応答情報を前記記憶装置に記憶する[14]の情報収集システム。
【0190】
以上の構成では、評価が適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該評価を記憶装置に記憶し、応答情報が要求情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された応答情報を記憶装置に記憶される。したがって、第1生成モデルが高精度に第1出力情報の生成を行うことが可能になるという効果が顕著になる。
【0191】
[17]利用者が入力した入力情報を含む第4プロンプトに対して訓練済の第4生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する関連情報を取得する第1取得部と、前記関連情報を含む第5プロンプトに対して訓練済の第5生成モデルが生成する回答情報を取得する第2取得部と、前記関連情報と前記回答情報とを記憶装置に記憶する収集部とを具備する情報収集システム。
【0192】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報を含む第4プロンプトに対して訓練済の第4生成モデルが生成し、当該入力情報に関連する関連情報と、当該関連情報を含む第5プロンプトに対して訓練済の第5生成モデルが生成する回答情報とが記憶装置に記憶される。したがって、記憶装置に記憶される関連情報と回答情報とを、例えば、第3生成モデルの訓練データに用いることや、第3生成モデルが関連情報を生成する際に参照することが可能である。したがって、第3生成モデルが高精度に関連情報の生成を行うことが可能になる。
【0193】
[18]前記収集部は、前記回答情報が前記関連情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該回答情報を前記記憶装置に記憶する[16]の情報収集システム。
【0194】
以上の構成では、回答情報が前記関連情報に対して適切でないと判断された場合には、適切に修正された当該回答情報が記憶装置に記憶されるから、第3生成モデルが高精度に関連情報の生成を行うことが可能になるという効果が顕著である。
【0195】
[19]利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部と、前記入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて、前記要求情報に対する応答情報を生成する応答生成部と、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得する取得部とを具備する情報処理システム。
【0196】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、当該要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された応答情報を取得できるから、例えば、要求情報を含むプロンプトに対して1つの生成モデルが生成した出力情報に応じた応答情報が取得される構成と比較して、利用者からの要求情報にして対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0197】
[20]利用者が入力した入力情報を受け付け、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得し、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報であるコンピュータシステムにより実現される情報取得方法。
【0198】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、当該要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された応答情報を取得できるから、例えば、要求情報を含むプロンプトに対して1つの生成モデルが生成した出力情報に応じた応答情報が取得される構成と比較して、利用者からの要求情報にして対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0199】
[21]利用者が入力した入力情報を受け付ける受付部、および、前記入力情報に応じた要求情報に対して生成された応答情報を取得する取得部としてとしてコンピュータシステムを機能させ、前記応答情報は、前記要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、前記要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された情報であるとしてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
【0200】
以上の構成では、利用者が入力した入力情報に応じた要求情報を含む第1プロンプトに対して訓練済みの第1生成モデルが生成した1以上の第1出力情報と、当該要求情報を含む第2プロンプトに対して訓練済みの第2生成モデルが生成した1以上の第2出力情報とに応じて生成された応答情報を取得できるから、例えば、要求情報を含むプロンプトに対して1つの生成モデルが生成した出力情報に応じた応答情報が取得される構成と比較して、利用者からの要求情報にして対してより適切な応答情報を利用者に提示することができる。
【0201】
なお、[12]の情報提供装置、[13]の情報提供装置、[14]の情報生成システム、および、[15][17]の情報収集システムでそれぞれ実行される方法の発明としても特定される。また、[12]の情報提供装置、[13]の情報生成システム、[15][17]の情報収集システム、および、[19]の情報処理システムをそれぞれ機能させるプログラムの発明としても特定される。
【符号の説明】
【0202】
10 :端末装置
11 :制御装置
12 :記憶装置
13 :通信装置
14 :表示装置
15 :操作装置
20 :情報管理システム
30 :情報生成システム
31 :制御装置
32 :記憶装置
33 :通信装置
40 :情報提供システム
41 :第1処理装置
42 :第2処理装置
43 :情報提供装置
44 :情報取得装置
50 :情報収集システム
51 :制御装置
52 :記憶装置
53 :通信装置
60 :記憶装置
100 :情報処理システム
111 :受付部
112 :プロンプト生成部
113 :取得部
114 :提示部
141 :取得部
142 :処理部
241 :取得部
242 :処理部
311 :取得部
312 :関連情報生成部
341 :取得部
342 :指標算定部
343 :応答生成部
411 :制御装置
412 :記憶装置
413 :通信装置
421 :制御装置
422 :記憶装置
423 :通信装置
431 :制御装置
432 :記憶装置
433 :通信装置
511 :取得部
512 :収集部
513 :プロンプト生成部
514 :情報生成部
900 :通信網
F :フィードバック評価
G :関連情報
K :指標
M1-M6 :生成モデル
P1-P6 :プロンプト
W1,W2 :出力情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22