(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-04
(45)【発行日】2025-09-12
(54)【発明の名称】照明される流体リザーバを備える流体注入システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20250905BHJP
【FI】
A61M5/14 500
(21)【出願番号】P 2023500337
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2021041914
(87)【国際公開番号】W WO2022016027
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2024-03-08
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】ダールグレン アーロン ダーヴィド
(72)【発明者】
【氏名】ポーター ブレーズ ディー.
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523848(JP,A)
【文献】特表2018-525169(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0296716(US,A1)
【文献】特表2006-510450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体注入システム(100)であって:
注入器筐体(402);
前記注入器筐体に連結された圧力スリーブ(404);
ここで前記圧力スリーブは、流体リザーバ(406)を受け入れて固定するように構成され、前記流体リザーバ(406)は、以下:
-前記流体リザーバの内部で近位および遠位に移動可能に構成されたワイパー、および
-前記注入器筐体から前記圧力スリーブの中へ伸びるラム(ram)、
ここで前記ラムは、前記流体リザーバが前記圧力スリーブ内に受け入れられて固定されるときに、前記ワイパーに係合するように構成され、および前記注入器筐体に連結された注入コントローラ(110)から受ける命令に従い、前記ワイパーを近位におよび遠位に駆動するように構成される;
を有するプランジャ(408);
を備える、
および
前記プランジャと反対側の流体リザーバの端付近で前記注入器筐体に含まれる照明アセンブリ
ここで前記照明アセンブリは、前記流体リザーバの内部を照らすように構成された光源(454)を備え、前記光源により発せられる光を、前記流体リザーバの長軸
に平行に前記流体リザーバの中に向けることにより照らす;
を備え、
ここで、前記流体注入システムは、前記光源と前記流体リザーバとの間に位置する光拡散要素(456)をさらに備え、
ここで前記光源により発せられる光は、前記流体リザーバ内への経路上において前記
光拡散要素を通過し、
および
ここで前記光拡散要素は、前記流体リザーバの全体を照らすために、前記光源により発せられる光をその光が流体リザーバに入るときに拡散するように構成され、
ここで前記光拡散要素は、光が前記光拡散要素を通過するときに光を拡散させ
る半透明の材料のパターンを備えており、前記光拡散要素のパターンが、高くされまたは低くされた部分を有する、
流体注入システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載された流体注入システム(100)であって、
前記流体リザーバ(406)の内部を照らすときに、前記光源(454)の1または複数の特性を制御するために構成された1または複数のプロセッサ(240)をさらに備える
流体注入システム(100)。
【請求項3】
請求項2に記載された流体注入システム(100)であって、
前記光源(454)の前記1または複数の特性が、照射される前記光源内の個々の照明の輝度、色、点滅パターン、または数のうち、1または複数を含む
流体注入システム(100)。
【請求項4】
請求項2に記載された流体注入システム(100)であって、
前記1または複数のプロセッサ(240)が:
前記流体注入システムの操作状態を決定するために;
および
前記流体注入システムの前記操作状態を示すように、前記光源(454)の前記1または複数の特性を設定するために、
さらに構成される
流体注入システム(100)。
【請求項5】
請求項4に記載された流体注入システム(100)であって、
前記流体注入システムの前記操作状態が、注入速度、前記流体リザーバに含まれる流体の体積、気泡検出モード、注入モード、再充填速度、またはエラー状態のうち、1または複数を備える
流体注入システム(100)。
【請求項6】
請求項2に記載された流体注入システム(100)であって、
前記1または複数のプロセッサ(240)が、前記注入器筐体(402)に連結された注入コントローラ(110)から受ける命令に基づき、前記光源(454)の前記1または複数の特性を制御する
流体注入システム(100)。
【請求項7】
請求項1に記載された流体注入システム(100)であって、
前記流体リザーバ(406)が、前記流体リザーバの内部を規定する周壁(330)を備え、
前記周壁が、前記流体リザーバの近位端と前記流体リザーバの遠位端との間に伸びている、
流体注入システム(100)。
【請求項8】
請求項1に記載された流体注入システム(100)であって、
前記光源(454)が、1または複数の発光ダイオードを備える
流体注入システム(100)。
【請求項9】
請求項1に記載の流体注入システム(100)であって、
前記光拡散要素(456)のパターンは、前記高くされまたは低くされた部分を表す線を有するテクスチャである、
流体注入システム(100)。
【請求項10】
請求項9に記載の流体注入システム(100)であって、
前記線は、前記光源(454)から発生される光を前記流体リザーバ(406)の内部に拡散するために、前記光拡散要素(456)内に隣接する空間を規定する、
流体注入システム(100)。
【請求項11】
請求項10に記載の流体注入システム(100)であって、
前記線は、内実の(solid)材料から構成され、前記空間は半透明の材料から構成される、
流体注入システム(100)。
【請求項12】
請求項10に記載の流体注入システム(100)であって、
前記線は、半透明の材料から構成され、前記空間は内実の(solid)材料から構成され、前記空間は半透明の材料から構成される、
流体注入システム(100)。
【請求項13】
請求項1に記載の流体注入システム(100)であって、
前記光拡散要素(456)のパターンは、正方形のパターン(556A、556C)、長方形のパターン(556B)、ダイヤモンドパターン(556D)、シェブロンパターン(556E)またはバブルパターン(556F)を含む、
流体注入システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体注入システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
血管造影など多くの医療用撮像手順では、患者の中へ造影流体を注入することを伴う。血管造影は、血管の異常または制約を含む、循環器系の状態の診断および治療に用いられる手順である。血管造影の間、患者の血管(例えば、冠動脈)内にカテーテルを通して造影流体を注入することにより、心臓または血管構造の放射線画像が得られる。注入される造影流体は、注入がなされる血管と流体連通している血管構造を、通過することができる。X線は、造影流体が注入された体の領域に照射される。X線は造影流体により吸収され、造影流体を含む血管の放射線像の輪郭または画像を形成する。造影剤注入は、光干渉断層撮影(OCT)画像、血管内超音波(IVUS)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、核磁気共鳴画像法(MRI)、および介入性装置の手順/配置などの、他の医療手順と組み合わせて使用することもできる。
【発明の概要】
【0003】
一般に本開示は、流体リザーバの内部を照らすように特に構成される光源を備える、流体注入システムについて説明する。いくつかの例において、光が流体リザーバの内部を照らすように、流体リザーバの一端を通して光を照射することにより、および流体リザーバの内部の液体を利用して光を屈折させることにより、光源が流体リザーバの内部を照らす。他の例において光源は、光を流体リザーバの周壁に反射させる反射器の方へ、光を集めて向ける。
【0004】
いずれの例においても、流体リザーバの内部を照らすように特に構成される照明を備えることで、多数の利点が得られる。例えば、流体リザーバ内に気泡がある場合、患者の体内に空気を注入することが患者の健康への悪影響となりうるため、流体が注入される患者に有害である可能性がある。これらの例において、流体リザーバの内部を照らすように構成される照明は、外部源から流体リザーバにたまたま入る何らかの周囲の光に頼るのとは対照的に、流体リザーバ内のそのような気泡の識別を容易にすることができる。
【0005】
他の例において照明は、気泡識別のために流体リザーバの内部を単に照らすことを超える、追加的な機能性を提供することができる。例えば光源は、流体注入システムの操作状態に基づいて、光自体についての特性を変化させるように構成されてもよい。光源は、照射される光源内の個々の照明の輝度、色、点滅パターン、数、またはそれらのいくつかの組合せなどの様々な光の特性を利用して、注入速度、流体リザーバに含まれる流体の体積、気泡検出モード、注入モード、再充填速度、またはエラー状態のうち、1または複数に関する情報を提供することができる。使用者が流体注入システムを操作するとき、患者、注入部位、注入流体、コントローラ、生成されるすべての表示、および患者を補助する他のスタッフを含む、多くの対象を使用者は監視しなければならない。光の特性を利用して流体注入システムの操作状態を知らせることにより、流体注入システムは、重要な情報を引出すために使用者が監視しなければならない装置の数を減少させ、またコントローラにより生成および出力されるべきデータの量も減少させうる。
【0006】
一例において本開示は、流体注入システムに関連する。流体注入システムは、注入器筐体を含む。流体注入システムはまた、注入器筐体に連結されたスリーブを含む。スリーブは、流体リザーバを受け入れて固定するように構成される。流体注入システムは、注入器筐体に連結された照明アセンブリをさらに含む。照明アセンブリは、光源により発せられる光を流体リザーバの中に向けることにより、流体リザーバの内部を照らすように構成される光源を含む。
【0007】
別の例において本開示は、流体注入システムの1または複数のプロセッサにより、流体注入システムの照明アセンブリの中の光源を制御し、光源により発せられる光を流体リザーバの中に向けることにより、流体リザーバの内部を照らすステップを含む方法に関連し、ここで流体リザーバは、流体注入システムの注入器筐体に連結されたスリーブにより固定される。本方法は、流体注入システムの1または複数のプロセッサにより、流体注入システムの操作状態を決定するステップをさらに含む。本方法は、1または複数のプロセッサにより、流体注入システムの操作状態を示すように、光源の1または複数の特性を設定するステップもまた含む。
【0008】
別の例において本開示は、命令を備える非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体に関連する。本命令は、実行されるときに、1または複数のプロセッサに、流体注入システムの照明アセンブリの中の光源を制御し、流体注入システムの注入器筐体に連結されたスリーブにより固定された流体リザーバの内部を照らすことを、実行させる。本命令は、実行されるときに、1または複数のプロセッサに、流体注入システムの操作状態を決定することを、さらに実行させる。本命令は、実行されるときに、1または複数のプロセッサに、流体注入システムの操作状態を示すように、光源の1または複数の特性を設定することをもまた、実行させる。
【0009】
本開示の1または複数の例の詳細は、添付の図面および以下の説明に示されている。本開示の他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示に記載された技術の1または複数の態様に従った、動力式流体注入器の一実施例の透視図である。
【
図2】本明細書に記載された技術を実行するように構成される計算装置の、より詳細な実施例を示すブロック図である。
【
図3A-3E】本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、流体リザーバ、および流体リザーバの内部を照らすように構成される照明の、様々な実施例の側面図である。
【
図4A-4B】本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、流体リザーバ、および流体リザーバの内部を照らすように構成される照明の、追加の実施例の側面図である。
【
図5A-5F】本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、光を拡散するように構成される光拡散器のために可能性のあるパターンの、複数の図を含む。
【
図6】本開示に記載された技術の1または複数の態様に従った、流体注入システムの操作状態に基づいて、光源が流体注入システム内の流体リザーバの内部を照らすための工程の一例を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、動力式流体注入器100の一実施例の透視図である。操作において、動力式流体注入器100は、例えばカテーテルを介して患者の血管内に、ある量の流体を患者内に注入することができる。動力式流体注入器100により注入される流体は、例えば、造影流体、非造影流体(例えば、塩類溶液)、またはそれらの組合せでありうる。患者内にある量の流体を注入することにより、動力式流体注入器100は、解剖学的関心領域を表す画像データの収集を含む、様々な医療診断および/または介入の手順を促進することができる。これらの手順には、例として、光干渉断層撮影(OCT)画像、血管内超音波(IVUS)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、核磁気共鳴画像法(MRI)、血管造影手順、および介入性装置の手順/配置を含みうる。
【0012】
図示された動力式流体注入器100は、駆動アセンブリ筐体102(本明細書では「注入器筐体」とも呼ばれる)と、スリーブ104とを含む。スリーブ104は、駆動アセンブリ筐体102に固定することができる。例えば、駆動アセンブリ筐体102は開口部を含むことができ、スリーブ104は、そのような開口部でまたはその近傍で駆動アセンブリ筐体102に固定することができる。スリーブ104は、駆動アセンブリ筐体102から伸びてもよく、流体リザーバ106(本明細書では「流体リザーバ」とも呼ばれる)を受け入れて保持するように構成されてもよい。流体リザーバ106は、流体を含む内部リザーバ容積を有することができ、内部リザーバ容積内にプランジャ108を含むことができる。プランジャ108は様々な構成要素から作られていてもよく、流体リザーバ106の内部で近位におよび遠位に移動可能であるように構成されるワイパー、およびラム(ram)を含む。ラムは、駆動アセンブリ筐体102からスリーブ104内に伸び、流体リザーバ106がスリーブ104内に受け入れられて固定されるときワイパーに係合するように構成され、および、駆動アセンブリ筐体102に連結されたコントローラ110から受ける命令に従ってワイパーを近位におよび遠位に駆動するように構成される。駆動アセンブリの少なくとも一部は、駆動アセンブリ筐体102内に収容することができる。
【0013】
駆動アセンブリは、内部リザーバ容積内の流体を加圧するように構成されうる。例えば、駆動アセンブリは、駆動アセンブリ筐体102の開口部などでプランジャ108に連結することができ、内部リザーバ容積内でプランジャ108を駆動することができる。プランジャ108が流体リザーバ106内で徐々に駆動されるにつれ、内部リザーバ容積内の流体は、流体リザーバ106から、患者の血管内に挿入されて流体を血管系内に注入するカテーテル126に通じるチューブ109に沿って、出力されうる。動力式流体注入器100のある応用において、造影剤などの出力流体は、1000~1500psi(例えば、1200psi)の範囲で加圧することができる。
【0014】
動力式流体注入器100の図示された実施例は、操作中に流体を加圧および送達するのに有用でありうるいくつかの特徴を含む。動力式流体注入器100は、コントローラ110を含むことができる。コントローラ110は、様々な操作態様のためのユーザーインタフェースを含むことができる。例えばコントローラ110は、所与の流体注入手順に使用される様々なパラメータおよび/またはプロトコルを設定するために、使用者によって使用されうる。一実施例において使用者は、流速、注入体積(例えば、最大の)、注入圧力限界(例えば、最大の)、流体注入持続時間、立ち上がり時間、および/または他の注入パラメータなどの流体注入パラメータを入力するためにコントローラ110と対話することができる。一実施例において、コントローラ110は、タッチスクリーンパネルディスプレイを含み、使用者が注入パラメータを見て修正することを可能にする。コントローラ110は、動力式流体注入器100を初期化するため(例えば、患者の流体注入のために準備するため)、または操作のある特徴または順序を始動するために使用することも可能である。コントローラ110は、過去または現在進行中の注入手順に関連する情報および任意の適切な警告を含む、状態情報を提供することもできる。コントローラ110は、動力式流体注入器100の操作を制御するために、1または複数のプロセッサを有する画像エンジンを含むことができる。このようなプロセッサは、駆動アセンブリ、存在する場合には蠕動ポンプ112、および/または動力式流体注入器100に含まれる任意のセンサおよび検出器などの他の構成要素を制御することもできる。
【0015】
コントローラ110に加えて、図示された動力式流体注入器100は、ユーザー入力のための手元制御装置113を含む。手元制御装置113は、ワイヤレスまたは有線接続のいずれかで、コントローラ110に連結されうる。一方他の例では、手元制御装置113は、駆動アセンブリ筐体102など、コントローラ110以外の動力式流体注入器100の構成要素に接続することができる。手元制御装置113は、注入手順に関連する様々な信号を生成し、コントローラ110または他の接続された構成要素に送信することができる。使用者は、手元制御装置113で1または複数のインターフェース構成要素を作動させて、注入手順を制御することができる。例えば使用者は、手元制御装置113を、動力式流体注入器100から出力される流体流速を変更するための可変速度制御装置として、および/または流体注入を開始または停止するためのメカニズムとして使用することができる。手元制御装置113は、使用者の片手に保持される大きさのコントローラの外装体を含んでもよい。他の例において、手元制御装置113は、使用者の両手で保持されるため、または操作中に表面に座るためなどの、様々な大きさにすることができる。
【0016】
動力式流体注入器100は、注入手順で使用される流体を供給するのに有用な1または複数の構成要素を含むこともできる。容器114は、造影剤などの流体の供給物を含むことができ、動力式流体注入器100にホルダー116で固定されうる。容器114からの流体は、注入手順の間に使用するために、流体リザーバ106に供給されうる。例えば、容器114からの流体は、プランジャ108が引き込まれる(例えば、駆動アセンブリ筐体102へ向かう方向に移動する)ときに、流体リザーバ106内に引き込まれることができ、それにより内部リザーバ容積を再充填することができる。同様に、動力式流体注入器100が蠕動ポンプ112を含む場合、第2の容器118は、洗浄媒体(例えば、塩類溶液)などの流体の供給物を含むことができ、動力式流体注入器100にホルダー120で固定されうる。存在する場合、蠕動ポンプ112は、第2の容器118から流体を受け取ることができ、そのような流体を患者に送達することができる。多くの場合、蠕動ポンプ112は、駆動アセンブリが流体リザーバ106から造影流体を送達する圧力よりも低い圧力で、塩類溶液などの非造影流体を送達するために使用されうる。流体リザーバ106または蠕動ポンプ112を患者と連通するよう選択的に配置するために、バルブシステム124が含まれうる。
【0017】
本明細書の他の場所で説明するように、動力式流体注入器100のコントローラ110は、チューブを通して外へ造影流体を投与することを含みうる動力式流体注入器100の、様々な機能を制御しうる。いくつかの実施例においてコントローラ110は、ディスプレイ装置の筐体内に収容されうる。いくつかの実施例においてコントローラは、注入器筐体内に収容されうる。
【0018】
動力式流体注入器は、患者の血管(例えば、冠動脈)内に挿入されるカテーテル126に、流体的および電気的に接続されてもよい。そのように接続されるとき、動力式流体注入器は、注入器チューブおよびカテーテル126を介して患者の血管系内に造影流体を注入することができ、または非造影流体を投与することができる。多くの実施例においてカテーテル126は、侵襲的な血圧センサを含んでもよい。血圧センサは、動力式流体注入器がカテーテル126に接続されているとき、コントローラと電気的に連絡していてもよい。血圧センサは、カテーテル126が動力式流体注入器と流体的に接続しているときに血圧信号をコントローラに供給でき、カテーテル126が動力式流体注入器と流体的に接続されていないときに血圧信号を供給できない。
【0019】
本開示の1または複数の技術に従って、動力式流体注入器100は、駆動アセンブリ筐体102に連結された照明アセンブリを含むこともできる。照明アセンブリは、流体リザーバ106の長軸に実質的に平行なように、光源により発せられる光を流体リザーバ106の中に向けることにより、流体リザーバ106の内部を照らすように構成された光源を含んでもよい。
【0020】
いくつかの例において光源は、流体リザーバ106の一端を通して光を向けることにより、および流体リザーバ106内部の流体体積を利用して、流体全体に光を広げて流体リザーバ106の内部を照らすように光を反射および屈折させることにより、流体リザーバ106の内部を照らす。他の例において光源は、光を流体リザーバ106の周壁に反射させる反射器の方へ、光を集めて向けることにより、流体リザーバ106の内部を照らす。さらに他の例において拡散器は、拡散器が光源を流体リザーバ106の内部から分離するように、かつ光源により発せられる光を、その光が流体リザーバ106の内部に入るときに拡散器が拡散するように、駆動アセンブリ筐体102、圧力スリーブ104、または流体リザーバ106の中など、流体注入器100内に設置されている。
【0021】
いずれの例においても、流体リザーバ106の内部を照らすように特に構成された照明を提供することは、多数の利点を提供する。例えば、流体リザーバ106の流体体積内に気泡がある場合、患者の体内に空気を注入することが患者の健康への悪影響となりうるため、流体が注入される患者に有害である可能性がある。これらの例において、流体リザーバ106の内部を照らすように構成される照明は、外部源から流体リザーバ106にたまたま入る何らかの周囲の光に頼るのとは対照的に、流体リザーバ106内のそのような気泡の識別を容易にすることができる。
【0022】
他の例において照明は、気泡識別のために流体リザーバ106の内部を単に照らすこと以外の、追加的な機能を提供することができる。例えば光源は、動力式流体注入器100の操作状態に基づいて、光自体についての特性を変化させるように構成されてもよい。光源は、照射される光源内の個々の照明の輝度、色、点滅パターン、数、またはそれらのいくつかの組合せなどの様々な光の特性を利用して、注入速度、流体リザーバに含まれる流体の体積、気泡検出モード、注入モード、再充填速度、またはエラー状態のうち、1または複数に関する情報を提供することができる。使用者が動力式流体注入器100を操作するとき、患者、注入部位、流体体積、コントローラ110、生成されるすべての表示、および患者を補助する他のスタッフを含む、多くの対象を使用者は監視しなければならない。光の特性を利用して動力式流体注入器100の操作状態を知らせることにより、動力式流体注入器100は、重要な情報を引出すために使用者が監視しなければならない装置の数を減少させ、またコントローラ110により生成および出力されるべきデータの量も減少させうる。
【0023】
図2は、本開示に記載の技術の1または複数の態様に従って、流体リザーバを照らすための光源を利用するように構成された、流体注入システムの一例を示すブロック図である。
図1の動力式流体注入器100の一例として、
図2の動力式流体注入器100を以下で説明する。
図2は動力式流体注入器100の具体的な一実施例のみを示し、動力式流体注入器100の他の多くの実施例は他の例で使用されてもよく、動力式流体注入器100の例に含まれる構成要素の部分集合を含んでもよく、または
図2に示されていない追加の構成要素を含んでもよい。
【0024】
図2の例に示すように、動力式流体注入器100は、流体リザーバ106、1または複数のプロセッサ240、1または複数の通信ユニット242、1または複数の入力構成要素244、1または複数の出力構成要素246、および1または複数の記憶構成要素248を含む。入力構成要素244は、センサ252およびコントローラ110を含んでもよい。出力構成要素246は、光源254(本明細書では「照明254」とも呼ばれる)および1または複数の反射器256を含んでもよい。動力式流体注入器100の記憶構成要素248は、照明モジュール220、注入器モジュール222、および規則データストア226を含む。
【0025】
1または複数のプロセッサ240は、動力式流体注入器100の流体リザーバ106の内部を照らすための照明254を操作するために、動力式流体注入器100に関連する機能を実装しおよび/または命令を実行することができる。すなわちプロセッサ240は、照明254の1または複数の特性を制御するための動力式流体注入器100に関連する機能を実装しおよび/または命令を実行することができ、流体リザーバ106によって保たれる流体体積内の気泡を明らかにする機能のため、または動力式流体注入器100の操作状態を伝えるためのいずれかのために(または両方の目的のために)、流体リザーバ106の内部を照らすことができる。
【0026】
プロセッサ240の例には、アプリケーションプロセッサ、ディスプレイコントローラ、補助プロセッサ、1または複数のセンサハブ、および、プロセッサ、処理ユニットまたは処理装置として機能するように構成される任意の他のハードウェアを含む。モジュール220および222は、動力式流体注入器100の様々な動作、操作、または機能を実行するために、プロセッサ240により操作することができる。例えば、動力式流体注入器100のプロセッサ240は、記憶構成要素248によって記憶された命令を取得および実行することができ、その結果プロセッサ240はモジュール220および222に関して記述された操作を実行することができる。命令は、プロセッサ240により実行されるとき、動力式流体注入器100の流体リザーバ106の内部を照らすための照明254を、動力式流体注入器100に操作させることができる。
【0027】
照明モジュール220は、動力式流体注入器100の照明254を操作するための全ての機能を含んでもよい。例えば、動力式流体注入器100の照明モジュール220は、注入モジュール222から情報を受け取り、照明254をオンにするかどうか、照明254にどんな色を使用するか、または照明254を点滅させるためにどんなパターンを使用するかなど、照明254の1または複数の特性を制御することができる。
【0028】
注入モジュール222は、動力式流体注入器100の他の態様を制御するための全ての機能を含んでもよい。いくつかの実施例において、注入モジュール222は、通信ユニット242を介して、センサ252およびコントローラ110と通信し、動力式流体注入器100の操作状態を決定することができる。いくつかの実施例において、注入モジュール222は、動力式流体注入器100のための注入速度、流体リザーバに含まれる流体の体積、気泡検出モード、注入モード、再充填速度、またはエラー状態のうち、1または複数を決定することができる。
【0029】
動力式流体注入器100内の1または複数の記憶構成要素248は、動力式流体注入器100の操作中に処理するための情報を、記憶することができる(例えば、動力式流体注入器100は、動力式流体注入器100での実行中にモジュール220および222によってアクセスされるデータを、記憶することができる)。いくつかの実施例において、記憶構成要素248は一時記憶であり、記憶構成要素248の主目的が長期記憶でないことを意味する。動力式流体注入器100上の記憶構成要素248は、揮発性メモリとして情報の短期記憶のために構成されてもよく、それゆえ電源が切られた場合には記憶内容を保持しない。揮発性メモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、および当該技術分野で知られる揮発性メモリの他の形態を含む。
【0030】
記憶構成要素248は、いくつかの実施例において、1または複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体をも含む。記憶構成要素248は、いくつかの実施例において、1または複数の非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含む。記憶構成要素248は、揮発性メモリにより通常記憶されるよりも大きな量の情報を記憶するように構成されてもよい。記憶構成要素248は、さらに不揮発性メモリ空間として情報の長期記憶のために構成されてもよく、電源オン/オフサイクルの後に情報を保持してもよい。不揮発性メモリの例には、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、フラッシュメモリ、または電気的にプログラム可能なメモリ(EPROM)または電気的に消去およびプログラム可能なメモリ(EEPROM)の形態を含む。記憶構成要素248は、モジュール220および222、およびデータストア226に関連するプログラム命令および/または情報(例えば、データ)を記憶することができる。記憶構成要素248は、モジュール220および222、およびデータストア226に関連するデータまたは他の情報を記憶するように構成されるメモリを含んでもよい。
【0031】
通信チャネル250は、構成要素間通信のために、構成要素106、240、242、244、246、および248の各々を相互接続することができる(物理的、通信的、および/または操作的に)。いくつかの実施例において、通信チャネル250は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、またはデータを通信するための任意の他の方法を含んでもよい。
【0032】
動力式流体注入器100の1または複数の通信ユニット242は、1または複数のネットワーク上でネットワーク信号を送信および/または受信することにより、1または複数の有線および/または無線ネットワークを介して、外部装置と通信することができる。通信ユニット242の例には、ネットワークインターフェースカード(例えば、イーサネットカードなど)、光トランシーバ、無線周波トランシーバ、GPS受信機、または、無線または有線接続を介して情報を送信および/または受信できる任意の他のタイプの装置を含む。通信ユニット242の他の例には、短波無線、セルラーデータ無線、ワイヤレスネットワーク無線、およびユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラを含んでもよい。
【0033】
動力式流体注入器100の1または複数の入力構成要素244は、入力を受けることができる。入力の例には、触知、音声、および映像の入力がある。動力式流体注入器100の入力構成要素244は、一実施例において、存在感知式入力装置(例えば、タッチセンシティブスクリーン、PSD)、マウス、キーボード、音声応答システム、カメラ、マイク、または人間または機械からの入力を検出するための任意の他のタイプの装置を含む。例えば、コントローラ110は入力構成要素244の1つでありうる。いくつかの実施例において入力構成要素244は、1または複数のセンサ構成要素252、1または複数の位置センサ(GPS構成要素、Wi-Fi構成要素、セルラー構成要素)、1または複数の温度センサ、1または複数の動きセンサ(例えば、加速度計、ジャイロ)、1または複数の圧力センサ(例えば、気圧計)、1または複数の周囲光センサ、および1または複数の他のセンサ(例えば、赤外線近接センサ、湿度計センサなど)を含んでもよい。他のセンサには、他の非限定的な例をいくつか挙げると、心拍センサ、磁力計、グルコースセンサ、嗅覚センサ、コンパスセンサ、またはステップカウンタセンサを含んでもよい。
【0034】
動力式流体注入器100の1または複数の出力構成要素246は、選ばれた様式で出力を生成することができる。様式の例には、触覚通知、聴覚通知、視覚通知、機械生成音声通知、または他の様式を含みうる。動力式流体注入器100の出力構成要素246には、一実施例において、存在感知式ディスプレイ、サウンドカード、ビデオグラフィックアダプタカード、スピーカー、陰極線管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、または選ばれた様式で人間または機械に出力を生成するための任意の他のタイプの装置を含む。出力構成要素246は照明254を含んでもよく、その照明は、発光ダイオード、蛍光灯、または流体リザーバ106を照らすことができる任意の他のタイプの光源など、様々なタイプの照明のうちの1または複数であってもよい。出力構成要素246はまた、1または複数の反射器256を含んでもよく、その反射器は、流体リザーバ106の内部の少なくとも一部をより効果的に照らすために、照明254から発する光を向けおよび/または集めるために使用されうる。
【0035】
本明細書に記載された技術に従って、スリーブ(例えば、スリーブ104)は、流体リザーバ106を受け入れて固定するように構成されうる。照明254は、動力式流体注入器100の注入器筐体に連結された照明アセンブリの中に含まれてもよい。照明254は、光源により発せられる光を流体リザーバ106の中に向けることにより、例えば照明254から発せられてすぐに、または照明254から発せられたのち光を反射した後のいずれかに、流体リザーバ106の長軸に少なくとも実質的に平行に光を向けることにより、流体リザーバ106の内部を照らすように構成することができる。本開示の目的のために、流体リザーバ106の長軸は、流体リザーバ106の一端から他端に線を引いたとき、流体リザーバ106が円柱である場合に流体リザーバ106の各端のエンドキャップと垂直でもある最も長い直線である軸を含む。長軸に実質的に平行であるとは、光が照明254から発せられるとき、長軸に平行であることの小さな偏差内である投影経路上にあること、例えば流体リザーバ106の長軸に平行であろう線の15度以内である投影経路上にあることを、意味してもよい。
【0036】
照明モジュール220は、照明254が流体リザーバ106の内部を照らしうるように、照明254を操作するように構成されてもよい。プロセッサ240は、流体リザーバ106の内部を照らすとき、照明254の1または複数の特性を制御するために、照明モジュール220を制御することができる。照明254の1または複数の特性は、照射される光源内の個々の照明の輝度、色、点滅パターン、または数のうち、1または複数を含んでもよい。
【0037】
注入モジュール222は、動力式流体注入器100の操作状態をさらに決定することができる。動力式流体注入器100の操作状態は、注入速度、流体リザーバに含まれる流体の体積、気泡検出モード、注入モード、再充填速度、またはエラー状態のうち、1または複数を含みうる。照明モジュール220は、規則データストア226に従い、流体注入システムの操作状態を示すように光源の1または複数の特性を設定してもよい。照明モジュール220はまた、注入器筐体に連結されたコントローラ110から受ける命令に基づいて、照明254の1または複数の特性を制御してもよい。
【0038】
例えば注入モジュール222は、動力式流体注入器100でエラーが発生したと決定することができる。このように照明モジュール220は、規則データストア226に従い、照明254が遅い点滅パターンで赤色に照らされるべきであると決定することができる。このように照明モジュール220は、エラーパターンに従い、赤色で点滅するように照らすよう照明254を制御することができる。
【0039】
他の例において注入モジュール222は、流体リザーバ106内の流体の体積が、流体リザーバ106により保持されうる流体の最大量であると決定することができる。規則226は、リザーバ内の流体の体積が減少するにつれて、色が緑から赤へなだらかに移るという規則を含んでもよい。このように照明モジュール220は、緑色で照らすよう照明254を制御することができる。
【0040】
さらに他の例において規則226は、注入速度が増加するにつれて照明254内の照明の数が増加し、それにより流体リザーバ106内の照明の輝度が増加するという規則を含んでもよい。注入モジュール222は、動力式流体注入器100が最大注入速度の50%に等しい速度で患者内に流体を注入していると決定することができる。このように照明モジュール220は、照明254の半分だけが照らされるように、照明254を制御することができる。
【0041】
他の例において規則226は、気泡検出モードのとき、照明254は最大輝度の白色光で照らされるべきという規則を含んでもよい。注入モジュール222は、動力式流体注入器100がそのような気泡検出モードにあると決定することができる。このように照明モジュール220は、照明254が最大輝度の白色で照れされるように、照明254を制御することができる。
【0042】
いくつかの例において流体リザーバ106は、流体リザーバ106の内部を規定する周壁を含む。周壁は、流体リザーバ106の近位端と流体リザーバ106の遠位端との間に伸びていてもよい。いくつかのそのような例において、照明254は、流体リザーバ106の周壁に沿って光を向けることにより、流体リザーバ106の内部を照らすように構成されうる。照明254は、流体リザーバの近位端の中に、流体リザーバ106の周壁に沿って、および流体リザーバ106の遠位端に向かって、光を向けることによって-多くの場合、流体リザーバ106の近位端の中に、流体リザーバ106の周壁に沿って、および流体リザーバ106の遠位端に向かって光を反射する反射器256の中に、光を向けることによって-、流体リザーバ106の周壁に沿って光を向けることができる。照明254はまた、流体リザーバ106の遠位端の中に、流体リザーバの周壁に沿って、および流体リザーバ106の近位端に向かって、光を向けることによって、流体リザーバ106の周壁に沿って光を向けることができる。光が流体リザーバ106の周壁に沿って向けられる場合、周壁は、小片(chips)、光を妨げる追加のパターン、または流体リザーバ106の適切な照明を提供するために、光が周壁を逃れることができるような他の拡散メカニズムなどの、不完全な部分を含んでもよい。
【0043】
いくつかの例において、流体リザーバ106はまた、
図1のプランジャ108のようなプランジャを含んでもよい。プランジャは、流体リザーバ106の内部で近位におよび遠位に移動可能であるワイパーを含んでもよい。プランジャはまた、注入器筐体からスリーブ内に伸びるラムを含むことができ、ラムは、流体リザーバ106がスリーブ内に受け入れられて固定されるときワイパーと係合し、注入器筐体に連結されたコントローラ110から受ける命令に従ってワイパーを近位におよび遠位に駆動するように構成される。
【0044】
いくつかの例において、流体注入システム100はまた、照明254と流体リザーバ106との間に位置しうる拡散要素を含んでもよい。このように照明254により発せられる光は、流体リザーバ106内への経路上において拡散要素を通過する。例えば照明254は、流体リザーバ106のエンドキャップの外側、または流体リザーバ106内のプランジャ内のいずれかに位置しうる。拡散要素は、流体注入器100の筐体内、流体リザーバ106のエンドキャップ内、流体リザーバ106を保持する圧力スリーブ内、または流体リザーバ106のプランジャ内など、照明254と光が流体リザーバ106に入るであろう場所との間に位置しうる。拡散要素は、流体リザーバ106の全体を照らすために、照明254により発せられる光を、その光が流体リザーバ106に入るときに拡散するように構成されうる。このことを達成するために、拡散要素は透明な材料で作られてもよく、または光が拡散要素を通過するときに光を拡散させる実質的に半透明の材料のパターンを少なくとも含んでもよい。例えば拡散要素は、透明なプラスチック、シリコーン、ガラス、すりガラス、または実質的に光を通過させる任意の他の材料などの材料で、少なくとも部分的に作られてもよい。ワッフルパターンまたはバブルパターンなどの拡散要素のパターンは、光が拡散要素を通過するときに、光をさらに拡散できるようにしうる。
【0045】
照明254は、いくつかの実施例において、照明254に含まれる電球のタイプに応じて、非常に明るくすることもできる。これは多くの場合有益でありうるが、照明254が覆われていないおよび/またはフィルターされていない場合、照明254の輝度は、使用者にとって気が散る、または有害でさえありうる。拡散要素は、流体注入器100に含まれる場合、照明254により生じるまぶしい光の強度を低減し、それによってより健康的でより快適なユーザー体験を創出しうる。
【0046】
図3A~3Eは、本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、流体リザーバ106および流体リザーバの内部を照らすように構成される照明254の、様々な実施例の図である。実施例3A~3Eのそれぞれにおいて、流体リザーバ106は、プランジャ108および周壁330を含む。
図3A~3Eの実施例において周壁330は、流体リザーバ106が実質的に水平であるとき、流体リザーバ106の中の外壁の最上部である。他の実施例において周壁330は、流体リザーバ106が実質的に水平であるとき、外壁の最下部または外壁の最側部など、流体リザーバ106の任意の他の壁であってもよい。さらに他の実施例において、周壁330は流体リザーバ106の外壁の全体を含み、および周壁330を照らすことには、流体リザーバ106の外壁の全周囲を照らすことを含む。
図3A~3Eのいずれかにおいて、照明254は、本開示全体を通しての照明254の説明に従って、流体リザーバ106を照らすために、流体注入システムにより操作可能でありうる。
【0047】
図3Aは、流体リザーバ106の側面図を示す。
図3Aの実施例において、照明254は、筺体内のプランジャ108の後ろに配置されている。照明254は、反射器256の中に光332を半径方向外向きに向けるように構成されてもよい。反射器256は、照明254から受ける光332が、筺体、流体リザーバ106、およびプランジャ108のうち1または複数の透明部分を通って、流体リザーバ106の周壁330の中に反射されるように、角度が付けられてもよい。反射器256はさらに、光332が反射器256から反射されるとき、周壁330を通して伝わることにより、流体リザーバ106の内部を照らすように、角度が付けられてもよい。この具体的な実施態様は、流体リザーバ106内に収容される流体内に存在しうる任意の泡の識別を容易にするという、追加の利点を有しうる。泡が周壁330の最上部に沿って静止するように、泡が流体リザーバ106の最上部に浮かぶことができ、このことは光332が周壁330に沿って伝わるときに泡を通過することを意味する。
【0048】
図3Bは、流体リザーバ106内に保持される流体内に泡334A~334Bが存在するときの、流体リザーバ106の上面図である。
図3Aの実施例と同様に、光源は、光332を反射器256に向けて上向きに照射している。反射器256は、流体リザーバ106の上部周壁330に沿って光332を反射する。光332が周壁330に沿って伝わるとき、光332は泡334Aおよび334Bを通過する。光332が泡334Aおよび334Bを通過するとき、泡334Aおよび334Bは流体注入システムの操作者にとってより明白となり、泡334A及び334Bの存在により、操作者が患者内への流体の注入を中止できるようになる。
【0049】
図3Cは、流体リザーバ106の透視図を示す。
図3Cの実施例において照明254は、筺体内のプランジャ108の後ろにリングを形成する。照明254は、プランジャ108および周壁330の後ろで流体リザーバ106の内部の周りに円を形成する反射器256の中に、光332を外向きに向けるように構成されてもよい。反射器256は、照明254から受ける光332が、筐体、流体リザーバ106、およびプランジャ108のうち1または複数の透明部分を通って、周壁330の周囲の全体の中に反射されるように、角度が付けられてもよい。反射器256はさらに、光332が反射器256から反射されるとき、周壁330の全周囲を通して伝わることにより、流体リザーバ106の内部を照らすように角度が付けられてもよい。この具体的な実施態様は、流体リザーバ106内に収容される流体内に存在しうる任意の泡の識別を容易にするという、追加の利点を有しうる。泡が周壁330の最上部に沿って静止するように、泡が流体リザーバ106の最上部に浮かぶことができ、このことは光332が周壁330に沿って伝わるときに泡を通過することを意味する。
【0050】
図3Dは、流体リザーバ106の側面図を示す。
図3Dの実施例において、照明254はプランジャ108の先端上にある。流体リザーバ106の中心に位置し、流体リザーバ106内に貯蔵される任意の流体と接触しているため、照明254が作動するとき、照明254から光が発せられ流体全体に拡散されうる。これにより流体注入システムの操作者にとって、流体注入システムの操作状態を示しうる特性など、照明254の任意の特性について明らかになるであろう。さらに、照明254をプランジャ108上に配置することにより、照明254は、プランジャ108が流体に力を及ぼして流体を流体リザーバ106から押し出す過程を通して、流体リザーバ106内に保持される流体と接触したままであろう。
【0051】
図3Eは、流体リザーバ106の側面図を示す。
図3Eの実施例において、照明254は受器340上にあり、その場所は、プランジャが流体リザーバ106を通って完全に移動し、流体リザーバ106からすべての流体を排出したときに、プランジャ108が最終的に静止する場所である。流体リザーバ106の中心に位置し、流体リザーバ106内に貯蔵される任意の流体と接触しているため、照明254が作動するとき、照明254から光が発せられ流体全体に拡散されうる。これにより流体注入システムの操作者にとって、流体注入システムの操作状態を示しうる特性など、照明254の任意の特性について明らかになるであろう。さらに、照明254をプランジャ108の受器340上に配置することにより、照明254は、プランジャ108が流体に力を及ぼして流体を流体リザーバ106から押し出す過程を通して、流体リザーバ106内に保持される流体と接触したままであろう。
【0052】
図4A~4Bは、本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、流体リザーバおよび流体リザーバの内部を照らすように構成される照明の、追加の実施例の側面図である。
図4Aおよび
図4Bの各々において、筐体402は、圧力スリーブ404を所定位置に保持する。圧力スリーブ404の内部には、流体リザーバ406(シリンジとしても知られる)が設置される。プランジャ408の作動時に、流体リザーバ406内に保持される流体は、カテーテル409からリザーバを出る。
【0053】
図4Aの実施例において、照明454は、プランジャ408と反対側の流体リザーバ406の端(例えば、流体リザーバ406から流体を排出するための作動時に、プランジャ408が移動して向かう端)付近で、筐体402内に含まれる。照明454は、流体リザーバ406の長軸に実質的に平行に光を発するように、角度が付けられる。長軸に実質的に平行であるとは、光が照明454から発せられるとき、長軸に平行であることの小さな偏差内である投影経路上にあること、例えば流体リザーバ406の長軸に平行であろう線の15度以内である投影経路上にあることを、意味してもよい。
【0054】
拡散要素456は、照明454から発せられる光が拡散され、流体リザーバ406の流体全体に広がって流体リザーバ406の内部を照らすように、照明454と流体リザーバ406との間に位置してもよい。例えば拡散要素456は、光が流体リザーバ406に入る前に拡散要素456に到達するように、筐体402、圧力スリーブ404、流体リザーバ406、またはそれらの要素のいずれかの間の任意の空間に、設置されてもよい。拡散要素456は、透明な材料で作られてもよく、または光が拡散要素を通過するときに光を拡散させる実質的に半透明の材料のパターンを少なくとも含んでもよい。例えば拡散要素456は、透明なプラスチック、シリコーン、ガラス、すりガラス、または実質的に光を通過させる任意の他の材料などの材料で、少なくとも部分的に作られてもよい。ワッフルパターンまたはバブルパターンなどの拡散要素456のパターンは、光が拡散要素456を通過するときに、光をさらに拡散できるようにしうる。
【0055】
図4Bの実施例は、照明454がプランジャ408内に設置されていることを除いて、
図4Aの実施例と同じ要素を含む。このように照明454は、プランジャ408が流体リザーバ406を通って移動するとき、プランジャ408から流体リザーバ406内に光を発する。この実施例において、拡散要素456もプランジャ408内に配置され、照明454とプランジャ408の表面との間、またはプランジャ408の表面上に直接のいずれかに配置されている。このように拡散要素456は、照明454により発せられる光を流体リザーバ406全体に広げることができる。
【0056】
図5A~5Fは、本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、光を拡散するように構成される光拡散器のために可能性のあるパターンの、複数の図を含む。例えば拡散要素556Aは、拡散要素556Aの材料に埋め込まれる正方形のワッフルパターンを含む。拡散要素556Bは、拡散要素556Bの材料に埋め込まれる長方形のパターンを含む。拡散要素556Cは、拡散要素556Cの材料に埋め込まれる正方形のワッフルパターンを含むが、拡散要素556Aの正方形よりも大きい正方形である。拡散要素556Dは、拡散要素556Dの材料に埋め込まれるダイヤモンドパターンを含む。拡散要素556Eは、拡散要素556Eの材料に埋め込まれるシェブロンパターンを含む。拡散要素556Fは、拡散要素556Fの材料に埋め込まれるバブルパターンを含む。
【0057】
いくつかの例において、拡散要素556A~556Fにおけるパターンはテクスチャであってもよく、それぞれの拡散要素において空白部分から高くされまたは低くされたそれぞれの拡散要素の部分を、線が表している。他の例において、パターン内の線は内実の(solid)材料であってもよく、空白部分は半透明の材料を表してもよい。さらに他の例において、パターン内の線は半透明の材料であってもよく、空白部分は内実の材料であってもよい。拡散要素556A~556Fも、拡散要素における可能性のあるパターンの数例を表すに過ぎない。本開示の技術に従って作られる拡散要素は、拡散後に光が流体リザーバの内部を照らすように、流体リザーバに入る光を適切に拡散させるであろう半透明の材料の任意のパターンまたは配置を含んでもよい。
【0058】
図6は、操作モードの一例を示すフローチャートである。具体的には
図6は、本開示に記載された技術の1または複数の態様に従って、流体注入システムの操作状態に基づいて、光源が流体注入システム内の流体リザーバの内部を照らすための工程の一例を示すフローチャートである。
図6の技術は、
図1の動力式流体注入器100および/または
図2に示される動力式流体注入器100などの、計算装置の1または複数のプロセッサにより実行されうる。説明のみを目的として、
図6の技術は、
図2の動力式流体注入器100の文脈内で説明されるが、動力式流体注入器100とは異なる構成を有する計算装置も、
図6の技術を実行しうる。
【0059】
本明細書に記載された技術に従って、照明モジュール220は、流体注入システムの照明アセンブリの中の光源を制御し、流体注入システムの注入器筐体に連結されたスリーブにより固定された流体リザーバの内部を照らす(600)。注入モジュール222は、流体注入システムの操作状態を決定する(602)。照明モジュール220は、流体注入システムの操作状態を示すように、光源の1または複数の特性を設定する(604)。
【0060】
例によっては、本明細書に記載された技術のいずれかのある行為または事象を、異なる順序で行うことができ、追加し、合併し、または完全に省くことができることを認識すべきである(例えば、記載されたすべての行為または事象が、技術の実施に必要であるわけではない)。さらにある例において、行為または事象は、順次にではなく、例えばマルチスレッド処理、割込み処理、または複数のプロセッサを通して、同時に実行されてもよい。
【0061】
1または複数の例において、記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されうる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読取可能な媒体に1または複数の命令またはコードとして格納または伝送され、ハードウェアベースの処理装置により実行されうる。コンピュータ読取可能な媒体には、データ記憶媒体などの有形の媒体に相当するコンピュータ読取可能な記憶媒体を、または、例えば通信プロトコルに従って、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含む通信媒体を、含むことができる。このように、コンピュータ読取可能な媒体は一般に、(1)非一時的な有形のコンピュータ読取可能な記憶媒体、または(2)信号または搬送波などの通信媒体に相当してもよい。データ記憶媒体は、本開示に記載された技術を実装するための命令、コードおよび/またはデータ構造を取得するために、1または複数のコンピュータまたは1または複数のプロセッサによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体であってもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能な媒体を含んでもよい。
【0062】
限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読取可能な記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、または、命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを格納するために使用できコンピュータによりアクセスできる任意の他の媒体を、備えることができる。また、任意の接続は、正しくはコンピュータ読取可能な媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから命令が送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ読取可能な記憶媒体およびデータ記憶媒体には、接続、搬送波、信号、または他の一時的な媒体を含まず、代わりに非一時的な有形記憶媒体を指すことを理解すべきである。本明細書で使用されるディスク(disk and disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含み、ここでディスク(disk)は通常データを磁気的に再生し、一方ディスク(disc)はデータをレーザーで光学的に再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0063】
命令は、1または複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の同等の集積回路または個別の論理回路などの、1または複数のプロセッサにより実行されうる。従って、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造のいずれか、または本明細書に記載された技術の実装に適した任意の他の構造を指しうる。加えて、いくつかの態様において、本明細書に記載された機能性は、エンコードおよびデコード用に構成された専用のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内で提供されるか、または複合コーデックに組み込まれてもよい。またこの技術は、1または複数の回路または論理素子に完全に実装されうる。
【0064】
本開示の技術は、無線ハンドセット、集積回路(IC)またはICのセット(例えば、チップセット)を含む、非常に様々な装置または器具に実装されうる。本開示では、開示された技術を行うように構成された装置の機能的側面を強調するために、様々な構成要素、モジュール、またはユニットが説明されるが、しかし必ずしも様々なハードウェアユニットによる実現を必要とするわけではない。むしろ上述したように、様々なユニットがコーデックハードウェアユニットに組み合わされてもよく、または適切なソフトウェアおよび/またはファームウェアと組み合わせて、上述したような1または複数のプロセッサを含む相互操作可能なハードウェアユニットの集合により提供されてもよい。
【0065】
本開示の様々な例について説明してきた。記載されたシステム、操作、または機能の任意の組み合わせが想定される。これらの例および他の例は、以下の請求項の範囲内に含まれる。