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特許7739256鎮静作用のないデクスメデトミジン治療レジメン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-05
(45)【発行日】2025-09-16
(54)【発明の名称】鎮静作用のないデクスメデトミジン治療レジメン
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4174 20060101AFI20250908BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20250908BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20250908BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20250908BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20250908BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20250908BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20250908BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20250908BHJP
【FI】
A61K31/4174
A61K47/38
A61K47/10
A61K9/20
A61K9/70
A61K9/12
A61K9/06
A61P25/18
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2022503497
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020042618
(87)【国際公開番号】W WO2021016112
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】62/876,371
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/877,056
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/943,022
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/963,769
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/970,411
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/977,554
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/037,759
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518014933
【氏名又は名称】バイオエクセル セラピューティクス,インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】521001386
【氏名又は名称】エイアールエックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カクマヌ, ヴァスクマール
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー, デイビッド クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヨッカ, フランク
(72)【発明者】
【氏名】ラティア, チェタン ダルパトバイ
(72)【発明者】
【氏名】バーンハート, スコット デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラジャチャンドラン, ラヴァンヤ
(72)【発明者】
【氏名】ライジンガー, ロバート
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/126182(WO,A1)
【文献】特表2014-528474(JP,A)
【文献】特表2017-534613(JP,A)
【文献】特表2012-526854(JP,A)
【文献】特表2015-513309(JP,A)
【文献】特表2015-533153(JP,A)
【文献】特開2014-088433(JP,A)
【文献】特開2017-222701(JP,A)
【文献】特開昭63-019152(JP,A)
【文献】特表2019-504099(JP,A)
【文献】Sub-Lingual Dexmedetomidine in Agitation Associated With Schizophrenia,ClinicalTrials.gov,NCT04010305,2019年07月09日,1-8
【文献】Long QT Syndrome Unmasked by Dexmedetomidine: A Case Report,Congenital Heart Disease,2013年,9(1),E11-E15
【文献】Validation of the Excited Component of the Positive and Negative Syndrome Scale (PANSSEC) in a naturalistic sample of 278 patients with,Health and Quality of Life Outcomes,2011年,9(18),1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 45/00-45/08
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 25/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越を治療するためのデクスメデトミジンの口粘膜製剤であって、
有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む前記口粘膜製剤が、前記ヒト対象に投与されることを特徴とし、前記有効量のデクスメデトミジンが、約120マイクログラムのデクスメデトミジン~約180マイクログラムのデクスメデトミジン、またはその薬学的に許容される塩である、製剤。
【請求項2】
前記有効量のデクスメデトミジンが、約120マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記有効量のデクスメデトミジンが、約180マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記治療が、前記投与の約30分後に統計的に有意である前記激越の減少を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
前記口粘膜製剤が、舌下フィルムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
前記口粘膜製剤が、舌下投与されることを特徴とする、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
前記口粘膜製剤が、頬側投与されることを特徴とする、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
前記対象が、450ミリ秒超の、フリデリシア補正方法(QTcF)を使用した補正QT間隔を有さない、請求項1~7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
前記対象が、470ミリ秒超の、フリデリシア補正方法(QTcF)を使用した補正QT間隔を有さない、請求項1~7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項10】
前記対象が、高度房室ブロックを有さない、請求項1~9のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項11】
統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越を治療するための組成物であって、前記組成物は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含み、前記組成物は、血漿中AUC0-infによって測定される、約600ng・h/L~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量で投与されることを特徴とし、前記用量が、約120μg~約240μgであり、前記組成物が口粘膜投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項12】
前記ヒト対象が、統合失調症を有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ヒト対象が、双極性障害を有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記AUC0-infが、約2300ng・h/L~約3600ng・h/Lであり;Cmaxが、約300ng/L~約500ng/Lである、請求項11~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記Cmaxが、約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内にある、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記AUC0-infが、約2900ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内にある、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記AUC0-infが、約1100ng・h/L~約1800ng・h/Lであり;Cmaxが、約150ng/L~約300ng/Lである、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
前記Cmaxが、約220ng/Lの約80%~約125%の範囲内にある、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記AUC0-infが、約1410ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内にある、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
血漿中Tmaxが、約1時間~約8時間である、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
血漿中Tmaxが、約5分~約4時間である、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
前記投与が、舌下投与である、請求項11に記載の組成物。
【請求項23】
前記投与が、頬側投与である、請求項11に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲルまたはドロップ剤の形態で投与されることを特徴とする、請求項11~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、フィルムの形態で舌下投与されることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、フィルム、パッチまたは錠剤の形態で頬側投与されることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記フィルムが、自己支持型溶解性フィルムであって、
(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩;
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW);
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW);
(iv)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW);及び
(v)ポリエチレンオキシド(600,000MW)
を含む、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が、総フィルム重量の約3% w/w~約15% w/wで存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が、総フィルム重量の約3% w/w~約8% w/wで存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が、総フィルム重量の約10% w/w~約50% w/wで存在し、かつポリエチレンオキシド(600,000MW)が、総フィルム重量の約40% w/w~約70% w/wで存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の前記用量が、約180μgである、請求項11~28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の前記用量が、約120μgである、請求項11~28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、デクスメデトミジン塩酸塩である、請求項11~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の第2の用量が、約30分~約12時間の範囲の期間後にさらに投与されることを特徴とする、請求項11~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記第2の用量が、約60μgまたは約90μgである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
ヒト対象の激越を治療する方法における使用のための、デクスメデトミジンの口粘膜製剤であって、前記方法は、
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の前記口粘膜製剤の初回用量を前記ヒト対象に投与することであって、前記初回用量が、60マイクログラム、80マイクログラム、90マイクログラム、120マイクログラムまたは180マイクログラムのデクスメデトミジンであること;
及び、少なくとも2時間後に、
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の前記口粘膜製剤の第2の用量を前記ヒト対象に投与することであって、前記ヒト対象の前記激越が、持続性であり、前記第2の用量が、40マイクログラム、60マイクログラム、80マイクログラム、または90マイクログラムのデクスメデトミジンであることを含み、前記対象が、470ミリ秒超の、フリデリシア補正方法(QTcF)を使用した補正QT間隔を有さない、製剤。
【請求項35】
前記初回用量が120マイクログラムであり、前記第2の用量が60マイクログラムである、請求項34に記載の製剤。
【請求項36】
前記初回用量が180マイクログラムであり、前記第2の用量が90マイクログラムである、請求項34に記載の製剤。
【請求項37】
前記第2の用量が、前記初回用量後に40%以下のPECスコア変化を有する対象に投与されることを特徴とする、請求項34~36のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項38】
前記第2の用量が、90/60を超える収縮期血圧/拡張期血圧及び60bpmを超える心拍数を有する対象に投与されることを特徴とする、請求項34~36のいずれか1項に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2019年7月19日の米国仮特許出願第62/876,371号、2019年7月22日の米国仮特許出願第62/877,056号、2020年1月21日の米国仮特許出願第62/963,769号、2020年2月5日の米国仮特許出願第62/970,411号、2020年2月17日の米国仮特許出願第62/977,554号、2020年6月11日の米国仮特許出願第63/037,759号、2019年12月3日の米国仮特許出願第62/943,022号に対する優先権の利益を主張するものであり、これらの各々の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
アルファ-2アドレナリン受容体作動薬を使用して改善することができる状態(例えば、激越)を有するヒト対象を治療する方法が本明細書に開示される。本方法は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を好適な用量で、かつ適切な投与経路を介して投与して、有意な鎮静作用を誘発することもなく対象の状態に迅速な改善をもたらす血漿濃度プロファイルを達成することを含む。投与レジメンは、望ましくない心血管系イベントなどのいかなる有意な副作用も生じさせることなく対象に最大治療効果をもたらすようにも選択される。好適な投与経路には、舌下、頬側、経口、鼻腔内、及び非経口が含まれる。開示される方法は、特に神経変性疾患及び/または精神神経疾患、例えば、統合失調症、双極性疾患、例えば、双極性障害、または躁病、認知症、うつ、及びせん妄に関連する場合、激越または激越の兆候の治療に特に好適である。
【背景技術】
【0003】
1999年12月17日に、米国食品医薬品局は、持続注入用の静脈注射用溶液として製剤化されており、かつ集中治療環境での治療中に最初に挿管されて機械的人工換気を受けている患者用の鎮静剤として適応されているデクスメデトミジン製品であるPRECEDEX(登録商標)を認可した。PRECEDEX(登録商標)は、その後、外科手術及び他の手術前及び/またはその最中の挿管されていない患者用の鎮静剤として認可された。
【0004】
また、デクスメデトミジンは、疼痛、不安、せん妄、離脱症状、睡眠障害、及び激越の治療を含む、多くの場合手術前後または手術後の様々な状態を治療するために、静脈内及び他の経路を介して投与されている。しかしながら、有意な鎮静作用を誘発することもなく対象に効果的かつ迅速な緩和をもたらすように適切な形でデクスメデトミジンを投与することは、困難な課題である。また、デクスメデトミジンの利用は、低血圧症及び徐脈などのデクスメデトミジンの一般的な副作用のため、臨床診療では制限されている。例えば、舌下スプレーもしくは錠剤または静脈内投与によりデクスメデトミジン塩酸塩を投与した後に、有意な心血管系副作用が治療用量で発生している。したがって、有意な鎮静作用を引き起こさず、かつ心血管系イベントなどの有意な有害作用をもたらすこともなく有効であることが望ましい有効なデクスメデトミジン製品に対する継続的で満たされていないニーズが存在する。満たされていないニーズは、前述の有害作用及び鎮静作用をもたらすこともなく激越または激越の兆候を有効に治療することができる非中毒性の薬剤に対して特に深刻である。
【0005】
本出願の発明者らは、驚くべきことに、特定の治療レジメンを介して投与された場合、付随する有意な鎮静作用を誘発することなく、ヒト対象が比較的高用量のデクスメデトミジン塩酸塩に良好な耐容性を示す可能性があることを見出した。例えば、本開示によれば、少なくとも180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩を舌下投与した場合、安全で良好な耐容性を示すと同時に、有意な鎮静作用を誘発することなく、激越の治療に有効であることが本明細書に示されている。驚くべきことに、120μg及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩を舌下投与、例えば、フィルムを介して投与した場合、PRECEDEX(登録商標)よりも優れた薬物動態プロファイルをもたらし、それよりも心血管系有害作用を引き起こすことが少ないことも見出された。さらに、本発明者らは、デクスメデトミジン塩酸塩を少なくとも180μgの用量で投与した場合、対象が良好に応答し、早ければ投与の45分後に激越に有意な改善を示し、沈静効果が長時間、例えば、最大少なくとも24時間維持されることを見出した。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害(例えば、I型双極性障害)を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600ng・h/L~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590ng・h/L~約8750ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0010】
本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。別の実施形態では、90μgまたは60μgの追加用量が初回投与の2時間後に服用され得る。
【0011】
本開示はさらに、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態では、90μgまたは60μgの追加用量が初回投与の2時間後に服用され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に単回用量として約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を舌下投与することを提供し、当該投与により、比較Cmax値及びAUC値によって測定される、PRECEDEX(登録商標)のその認可された最高用量での投与よりも実質的に低いデクスメデトミジン全身曝露レベルがもたらされる。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に単回用量として約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩を舌下投与することを提供し、当該投与により、比較Cmax値及びAUC値によって測定される、PRECEDEX(登録商標)のその認可された最高用量での投与よりも実質的に低いデクスメデトミジン全身曝露レベルがもたらされる。
【0014】
より低い全身曝露により、PRECEDEX(登録商標)の有効量を投与した場合に一般的に直面する血圧低下及び/または呼吸抑制のリスクが低減される。
【0015】
いくつかの実施形態では、単回用量として約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を舌下投与することにより、PRECEDEX(登録商標)の投与と比較して約3倍のCmax値の減少がもたらされる。いくつかの実施形態では、前述の舌下投与により、PRECEDEX(登録商標)の投与と比較して約7.5倍のAUC値の減少がもたらされる。特定の一実施形態では、約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む舌下フィルムをヒト対象に投与することにより、PRECEDEX(登録商標)の投与と比較して約3倍のCmax値の減少及び約7.5倍のAUC値の減少がもたらされる。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下または頬側投与することを提供し、当該投与により、以下の値:約400ng/LのCmax及び約2900ng・h/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下または頬側投与することを提供し、当該投与により、以下の値:約220ng/LのCmax及び約1420ng・h/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下または頬側投与することを提供し、当該投与により、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象に約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下または頬側投与することを提供し、当該投与により、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0020】
本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約30μg~約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、1日単回用量として30μg、60μg、または90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、持続性または再発性激越を発症した場合に、約30μg~約90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量を少なくとも2時間(例えば、2、4、6、8、または12時間)間隔で1日1~6回口粘膜投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、フィルムとして口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。
【0021】
本開示は、オピオイド離脱を必要とするヒト対象におけるオピオイド離脱期間を短縮する方法であって、当該対象に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することを含み、離脱期間が最大14日間である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、離脱期間は、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間であり得る。別の実施形態では、ヒト対象は、成人(少なくとも18歳)である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、口粘膜(すなわち、舌下、頬側)、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、フィルムとして舌下投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約30μg~約200μgの用量範囲で口粘膜投与される。具体的な実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約30μg、約60μg、約90μg、120μg、または180μgを含む単位用量で1日2回口粘膜投与される。いくつかの実施形態では、オピオイドは、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、またはペンタゾシンからなる群から選択され得るが、これらに限定されない。
【0022】
本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、せん妄状態にある対象における激越を管理または治療する方法であって、約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。いくつかの実施形態では、対象は、入院している。いくつかの実施形態では、対象は、集中治療室に入院している。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単回用量として約20μgまたは60μgを含む単位用量で口粘膜投与される。いくつかの実施形態では、投薬量単位は各々、適切な投与間隔(例えば、少なくとも0.5時間)で1~4回投与されて、所望の効果をもたらすことができ、例えば、20μg単位が初回投与の6時間以内に0.5時間の投与間隔で4回投与されて80μg用量の効果をもたらすか、または60μg単位が初回投与の6時間以内に0.5時間の投与間隔で4回投与されて240μg用量の効果をもたらす。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルムとして口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。
【0023】
本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法も提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約180μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0025】
本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μg~約180μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法も提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0026】
本開示は、オピオイド離脱症状を治療するまたは改善する方法であって、それを必要とするヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む組成物を投与することを含み、患者が少なくとも18歳であり、離脱期間が最大14日間である、方法も提供する。「オピオイド離脱」とは、通常のオピオイド投薬量の突然の除去またはその急激な減少とともに現れる様々な兆候及び訴えを指す。物理的徴候には、発汗、嘔気、あくび、悪寒、下痢、乳頭膨張、立毛、頻脈、血圧上昇、痛覚過敏、胃けいれん、及び筋けいれんが含まれ得る。観察されるオピオイド離脱の心理学的徴候には、激越、不快、不穏、易怒性、不安、及びうつが含まれ得る。いくつかの実施形態では、オピオイド離脱症状は、激越である。発症は、多くの場合、オピオイドの最終使用から6~24時間以内に始まる。いくつかの実施形態では、オピオイド離脱の治療または改善とは、前述の症状のうちの1つ以上の治療または軽減を指す。治療または改善は、臨床オピエート離脱尺度(Clinical Opiate Withdrawal Scale)(COWS)及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度(Short Opiate Withdrawal Scale of Gossop)(SOWS-Gossop)スコアを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で周知の様々な手段によって測定され得る。
【0027】
本開示は、約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む医薬組成物も提供する。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンの用量は、約120μgである。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンの用量は、約180μgである。
【0028】
本開示は、PEC尺度によって測定される、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の投与後2時間以内に激越の40%以上の軽減を達成する方法も提供する。いくつかの実施形態では、激越は、約20分~約1時間以内、例えば、約20分、約30分、または約40分以内に軽減される。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%以上である。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、約2時間を超えて維持される。例えば、激越の軽減は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間にわたって維持される。いくつかの実施形態では、本組成物は、約120μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約180μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害を有する。
【0029】
本開示は、双極性障害または統合失調症を有する対象における激越のPECスコア減少をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、PECスコア減少が約-8~約-10であり、持続期間が約2時間~約6時間である、方法も提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、PECスコア減少は、約-8、約-9、または約-10である。
【0030】
本開示は、双極性障害または統合失調症を有する対象におけるACESスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、ACESスコアが約3~約4に改善され、持続期間が約2時間~約6時間である、方法も提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、ACESスコアは、約4である。
【0031】
本開示は、双極性障害または統合失調症を有する対象におけるCGI-Iスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、CGI-Iスコアが約1(非常に改善された)または約2(かなり改善された)に改善され、持続期間が約2時間~約6時間である、方法も提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、CGI-Iスコアは、約1である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(治療意図集団)におけるPEC総スコアのベースラインからの平均変化を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図2】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(治療意図集団)における経時的なPEC総スコアでのレスポンダーの割合(パーセント)を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図3】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(治療意図集団)における経時的な少なくとも4のACESスコアを達成することによって測定される激越の消失を示す。図中のエラーバーは「標準誤差」を表す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図4】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(治療意図集団)における経時的なCGI-Iスコアでのレスポンダーの割合(パーセント)を示す。図中のエラーバーは「標準誤差」を表す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図5A】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(20μg、20μg(再投与)、60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(薬物動態集団)における投与及び再投与によって選別した名目時間に対する平均血漿中デクスメデトミジン濃度(半対数尺度)を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(20μg及び60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図5B】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(20μg、20μg(再投与)、60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(薬物動態集団)における投与及び再投与(線形尺度)によって選別した名目時間に対する平均血漿中デクスメデトミジン濃度を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(20μg及び60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図6A】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における経時的な平均安静時収縮期血圧(SBP)値を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図6B】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における経時的な平均安静時拡張期血圧(DBP)値を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図6C】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における経時的な平均安静時心拍数(HR)値を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図7A】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における安静時収縮期血圧(SBP)のベースラインからの経時的な平均変化を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図7B】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における安静時拡張期血圧(DBP)のベースラインからの経時的な平均変化を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図7C】プラセボ群と比較した、デクスメデトミジン塩酸塩(60μg、80μg、120μg、及び180μg)を含む舌下フィルムで治療した統合失調症患者(安全性集団)における安静時心拍数(HR)のベースラインからの経時的な平均変化を示す。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(60μg)の調製は実施例1に例示され、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(80μg、120μg、及び180μg)は実施例2に例示される。
図8】10μg、20μg、及び40μgの用量レベルのデクスメデトミジン舌下フィルムの時間に対する平均血漿中デクスメデトミジン対数濃度(半対数尺度)を示す。エラーバーは1標準偏差を表す。
図9A】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg)投与後の用量別の全ての被験者の個々のデクスメデトミジン濃度-時間プロファイル(半対数尺度)を示す。デクスメデトミジン舌下フィルムは実施例1に例示される。
図9B】デクスメデトミジン舌下フィルム(20μg)投与後の用量別の全ての被験者の個々のデクスメデトミジン濃度-時間プロファイル(半対数尺度)を示す。デクスメデトミジン舌下フィルムは実施例1に例示される。
図9C】デクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)投与後の用量別の全ての被験者の個々のデクスメデトミジン濃度-時間プロファイル(半対数尺度)を示す。デクスメデトミジン舌下フィルムの調製は実施例1に例示される。
図10】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する平均VAS/Sスコアを示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図11】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する立位収縮期血圧を示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図12】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、及び40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する仰臥位収縮期血圧を示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図13】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、及び40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する立位拡張期血圧を示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図14】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、及び40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する仰臥位拡張期血圧を示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図15】デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg、20μg、及び40μg)及びプラセボ投与後の名目時間に対する脈拍数を示す。デクスメデトミジン舌下フィルム(10μg及び20μg)及びデクスメデトミジン舌下フィルム(40μg)の調製は実施例1に例示される。
図16】プラセボ群と比較した、治療群(静脈内デクスメデトミジン塩酸塩治療群)における-1のRASSを達成した統合失調症患者の割合(パーセント)を示す。
図17】プラセボ群と比較した、治療群(静脈内デクスメデトミジン塩酸塩治療群)における統合失調症患者の経時的な平均PECスコア減少を示す。
図18】激越の治療のために統合失調症患者に投与される静脈内デクスメデトミジン塩酸塩の最大用量を示す。
図19】激越の治療のために統合失調症患者に投与されるデクスメデトミジン塩酸塩の総静脈内用量を示す。
図20】デクスメデトミジン塩酸塩で治療した統合失調症患者における実時間に対する平均血漿中濃度(pg/ml)を示す。
図21A】プラセボと比較した、120μg及び180μgのデクスメデトミジン舌下薄フィルム(実施例2に例示される)投与後2時間までの統合失調症患者におけるPECスコアのベースラインからの変化を示す。
図21B】プラセボと比較した、120μg及び180μgのデクスメデトミジン舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後6時間までの統合失調症患者におけるPECスコアのベースラインからの変化を示す。
図22】プラセボ(左側バー)と比較した、激越沈静評価尺度(Agitation and Calmness Evaluation Scale、ACES)によって測定される、120μgのデクスメデトミジン(中央バー)及び180μgのデクスメデトミジン(右側バー)舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後2時間及び4時間時点での統合失調症患者における沈静の改善を示す。
図23】プラセボ(左側バー)と比較した、臨床全般印象-改善度(Clinical Global Impression-Improvement)(CGI)によって測定される、120μgのデクスメデトミジン(中央バー)及び180μgのデクスメデトミジン(右側バー)舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後30分間、60分間、120分間、及び240分間時点での統合失調症患者における応答パーセントを示す。
図24A】プラセボと比較した、120μg及び180μgのデクスメデトミジン舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後2時間までの双極性患者におけるPECスコアのベースラインからの変化を示す。
図24B】プラセボと比較した、120μg及び180μgのデクスメデトミジン舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後6時間までの双極性患者におけるPECスコアのベースラインからの変化を示す。
図25】プラセボ(左側バー)と比較した、激越沈静評価尺度(ACES)によって測定される、120μgのデクスメデトミジン(中央バー)及び180μgのデクスメデトミジン(右側バー)舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後2時間及び4時間時点での双極性患者における沈静の改善を示す。
図26】プラセボ(左側バー)と比較した、臨床全般印象-改善度(CGI)によって測定される、120μgのデクスメデトミジン(中央バー)及び180μgのデクスメデトミジン(右側バー)舌下フィルム(実施例2に例示される)投与後30分間、60分間、120分間、及び240分間時点での双極性患者における応答パーセントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
略語:
ACES:激越沈静評価尺度
AD:アルツハイマー病
AE:有害事象
AUC:曲線下面積
AUClast:観察可能な最終時点まで計算された曲線下面積
AUC0-Inf:投与時から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
BID:1日2回
BMI:肥満度指数
CGI-I:臨床全般印象-改善度
CGI-S:臨床全般印象-重症度
Cmax:最高血漿中濃度
COWS:臨床オピエート離脱尺度
CMAI:コーエン・マンスフィールド激越目録
CMC:カルボキシメチルセルロース
C-SSRS:コロンビア自殺重症度評価尺度
CT:コンピュータ断層撮影法
CTCAE:有害事象共通用語規準
DBP:拡張期血圧
DexまたはDEX:デクスメデトミジン
DLB:レヴィー小体認知症
DLT:用量制限毒性
DSM:精神障害の診断及び統計マニュアル
DT:崩壊時間
ECG:心電図
FTD:前頭側頭型疾患
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
HR:心拍数
ICH:医薬品規制調和国際会議
ICU-集中治療室
IUD:子宮内器具
IPD:入院患者部門
ITT:治療意図集団
LAR:法的に権限を与えられた代理人
LSM:最小二乗平均
LS:最小二乗
MedDRA:医薬品規制用語集
MMRM:反復測定混合モデル
MMSE:ミニメンタルステート検査
MRI:核磁気共鳴画像法
MW:分子量
mm:ミリメートル
mcg:マイクログラム
mg:ミリグラム
μg:マイクログラム
ml:ミリリットル
mmHG:水銀柱ミリメートル
msec:ミリ秒
ng:ナノグラム
OPD:外来患者部門
PANSS:陽性・陰性症状評価尺度
PAS:ピッツバーグ激越尺度
PCRS:プラセボ対照リマインダースクリプト
PEC:PANSS興奮項目
PEO:ポリエチレンオキシド
PD:薬力学的
PK:薬物動態
PVA:ポリビニルアルコール
QTcF:フリデリシアの式を使用して心拍数を補正したQT間隔
QID:1日4回
RASS:リッチモンド興奮鎮静尺度
SAE:重篤有害事象、SOWS-Gossop:ゴソップの短期オピエート離脱尺度
SAP:統計解析計画書
SBP:収縮期血圧
SD=標準偏差
SE=標準誤差
SL:舌下
1/2:排出半減期
TEAE:治療中に発生した有害事象
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
Wt%:重量パーセント
ULN:正常上限
VAS:視覚的アナログ尺度
YMRS:ヤング躁病評価尺度
【0034】
定義:
本明細書で使用される場合、「約」とは、指示された数値の±10%を意味する。
【0035】
「製剤」及び「組成物」という用語は、異なる意味であることが別途明確に意図されている場合を除いて、互換的に使用される。
【0036】
本明細書を通じて、数値範囲がある特定の量に対して提供される。これらの範囲がその範囲内の全ての部分範囲を含むことを理解されたい。したがって、「50~80」の範囲には、その範囲内の全ての可能な範囲(例えば、51~79、52~78、53~77、54~76、55~75、60~70など)が含まれる。さらに、所与の範囲内の全ての値は、その範囲に含まれる範囲の端点であり得る(例えば、50~80の範囲には、55~80、50~75などの端点を有する範囲が含まれる)。
【0037】
「a」または「an」という用語は、1つ以上のその実体を指す。したがって、「a」(または「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書で互換的に使用される。加えて、不定冠詞「a」または「an」を伴うw、g、「薬剤(an agent)」への言及は、文脈上明白に薬剤が1つしか存在しないと解釈すべき場合を除いて、2つ以上の薬剤が存在する可能性を排除しない。
【0038】
本明細書で使用される場合、本記述及び特許請求の範囲で使用される「含む」という動詞及びその変形は、その非限定的な意味で使用され、その単語に続く品目が含まれるが、明確に言及されていない品目が除外されるわけではないことを意味する。本開示は、特許請求の範囲に記載のステップ、要素、及び/または試薬を好適に「含み」得る、それら「からなり」得る、またはそれら「から本質的になり」得る。
【0039】
「薬学的に許容される担体」という用語は、担体として使用される薬理学的に不活性な物質を指す。本明細書で使用される場合、「担体」及び「賦形剤」という語句は、異なる意味であることが別途明確に意図されている場合を除いて、互換的に使用される。
【0040】
本明細書で使用される「激越」という用語は、前頭葉などの脳の特定の領域の機能不全またはドーパミン及びノルエピネフリンなどの神経伝達物質系の機能不全のいずれかに起因して発生し得る易怒性、感情的爆発、思考障害、または過剰な運動活動及び言語活動を意味する。本発明では、激越には、外傷後ストレス障害における攻撃及び過覚醒も含まれる。激越は、急性または慢性であり得る。
【0041】
「激越の兆候」という用語には、過度の運動活動(例えば、歩き回る、揺れ動く、身ぶり手ぶりで話す、指さす、不穏、ワンパターンな言動を反復的に行う)、言葉による攻撃(例えば、大声を上げる、過度に大きな声で話す、不敬な言葉を使う、絶叫する、叫ぶ、他人を脅迫する)、身体的な攻撃(例えば、ひっつかむ、押しのける、押しつける、手を握り締めて拳を作る、抵抗する、他人を叩く、物または人を蹴る、引っかく、噛みつく、物を投げる、自分を叩く、ドアをバタンと閉める、物を引き裂く)、及び所有物を破壊することが含まれる。
【0042】
「有意な鎮静作用なしに」などの用語は、患者がラムゼイ鎮静尺度でレベル3を超えない鎮静レベルを経験することを意味する。レベル3とは、鎮静状態にあるが、指示に応答することを意味する。いくつかの実施形態では、-1(「軽い鎮静作用」)のリッチモンド興奮鎮静尺度(RASS)を達成するようにデクスメデトミジンが投与され得る。
【0043】
「可溶性」という用語は、本明細書では、例えば、腔粘膜への投与後少なくとも約20分以内に容易に崩壊するフィルムを意味する。崩壊は、粘膜表面上の唾液及び/または他の水性物質によって達成される。
【0044】
「神経精神状態」という用語には、統合失調症、双極性疾患(双極性障害、双極性躁病)、うつ、せん妄、または他の関連神経精神状態が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
「有効量」という用語は、「治療有効用量」または「治療有効量」と互換的であり、所望の効果をもたらすのに十分な量を指す。有効量は、対象の状態(例えば、激越)の改善を引き起こすのに十分である。
【0046】
本明細書で使用される「治療すること」及び「治療」という用語は、治癒療法、予防療法(prophylactic therapy)、及び/または予防療法(preventative therapy)を指し、互換的に使用することができる。
【0047】
「有意に軽減した」という用語は、対照と比較して、少なくとも10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、さらにより好ましくは60%以上、なおより好ましくは80%以上、及び90%以上の軽減レベルを指す。例えば、激越との関連で、当業者であれば、その軽減をPECスコア及びCGI-I(実施例でより詳細に説明される)などの周知の激越尺度の観点で測定することができることを容易に理解するであろう。一例として、患者における激越が有意に軽減された場合、その軽減は、(例えば、投与後2時間時点で測定される)ベースラインから少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%以上のPEC総スコア減少を達成する者と解釈することができる。いくつかの実施形態では、有意に軽減された激越とは、ベースラインから少なくとも40%のPEC総スコア減少を指す。同様に、激越の有意な軽減は、CGI-I尺度で測定され得、(例えば、投与後1、2、または4時間時点で測定される)CGI-I尺度で1または2のスコアを有する患者を指し得るか、または激越沈静評価尺度(ACES)尺度で測定され得、例えば、3以上のスコアを有する患者を指し得る。
【0048】
「薬学的に許容される塩」という用語は、非毒性であることが知られており、かつ薬学文献で一般に使用される塩を指す。かかる塩を形成するために使用される典型的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次亜リン酸などが含まれる。脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸及びヒドロキシルアルカンジオ酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの有機酸に由来する塩も使用され得る。好ましい塩は、塩酸塩である。
【0049】
本明細書における「フィルム」という用語には、長方形、正方形、または他の望ましい形状を含む任意の形状の薄いフィルム、シート、及びウエハが含まれる。本フィルムは、それを患者の舌下に好都合に配置することができるように、任意の所望の厚さ及びサイズのものであってもよい。例えば、本フィルムは、約20マイクロメートル~約200マイクロメートルの厚さを有する比較的薄いフィルムであっても、約20マイクロメートル~約1000マイクロメートルの厚さを有する多少厚めのフィルムであってもよい。ある特定の実施形態では、本フィルムは、例えば、約30ミリメートルを超える厚さを有する、さらにより厚いものであってもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「水溶性ポリマー」という語句は、(i)水に少なくとも部分的に溶解し、望ましくは水に完全に溶解するまたは大部分が水に溶解するポリマー、及び/または(ii)水を吸収するポリマーを指す。水を吸収するポリマーは、本明細書では水膨潤性ポリマーと称される。
【0051】
「自己支持型」という用語は、本明細書では、支持層を必要とすることなく取り扱いの際に構造的完全性を維持するフィルムを意味する。そのフィルムにはいくらかの可撓性が企図されており、それが望ましい場合がある。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ポリマーマトリックス中に配置された」という語句は、固体ポリマーマトリックスフィルム組成物を形成する前にデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がポリマー溶液中に直接組み込まれていることを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ポリマーマトリックスの表面上に堆積した」という語句は、固体ポリマーマトリックスの調製とは別に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が液体組成物として製剤化され、例えば1つ以上のマイクロ堆積物としてその固体ポリマー上に堆積し、そこでそれが乾燥することを意味する。この乾燥した製品は、本明細書では「マイクロ堆積マトリックスフィルム」と称されることもある。この薬物液体製剤は、溶液、乳濁液、懸濁液、または分散液を含む任意の形態であってもよい。
【0054】
「鼻腔内投与」という用語は、鼻経路による投与を意味し、それにより薬物が鼻を通って吸引される。この投与は、局所投与または全身投与のいずれかであり得、これは、局所送達された薬物が純粋に局所的な効果または全身的な効果のいずれかを呈するように作用することができることを意味する。
【0055】
「非経口」という用語は、1つ以上の皮膚層または粘液層下への注射による薬物の投与を指し、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、または筋肉内注射を含むことができる。
【0056】
「治療レスポンダーの割合」という用語は、2時間時点で約40%のPECスコア低下を呈する対象として定義される。
【0057】
「臨床的に有意な心血管系作用」という用語は、本明細書では、心血管系副作用に対処するのに医学的介入が必要とされる程度までの血圧低下(低血圧)及び/または心拍数低下(徐脈)を意味し、ここで、「医学的介入」という用語は、栄養飲料などの流体を投与するよりも重大な介入を意味する。
【0058】
I.活性薬剤
デクスメデトミジンは、(+)4-(S)-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾールというIUPAC名を有する。塩酸塩として、デクスメデトミジンは、集中治療環境での治療中に患者を鎮静させる薬物として、あるいは外科手術及び他の手術前及び/またはその最中に患者を鎮静させるために主に使用される。かかる薬剤は、現在、「PRECEDEX」という登録商標名で販売されている。
【0059】
本明細書で使用され得るデクスメデトミジンの薬学的に許容される塩には、概して、ヒトへの投与用として米国FDAまたは米国内外の他の適切な機関から認可されているか、または認可される可能性のあるいずれの好適な塩も含まれる。好適な薬学的に許容される塩の非限定的な例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、水素硫酸、及びヨウ化水素酸などの無機酸の塩が挙げられる。他の例には、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、及びメタンスルホン酸を含む非毒性有機酸に由来する塩、またはこれらの酸塩の組み合わせが挙げられる。例示的な塩には、デクスメデトミジン塩酸塩、デクスメデトミジン臭化水素酸塩、デクスメデトミジン硫酸塩、デクスメデトミジンスルホン酸塩、デクスメデトミジンリン酸塩、デクスメデトミジン硝酸塩、デクスメデトミジンギ酸塩、デクスメデトミジンクエン酸塩、デクスメデトミジン酒石酸塩、デクスメデトミジンリンゴ酸塩、デクスメデトミジン安息香酸塩、デクスメデトミジンサリチル酸塩、デクスメデトミジンアスコルビン酸塩などが挙げられる。別の実施形態では、重水素化形態のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が含まれ得る。
【0060】
II.投薬量
いくつかの実施形態では、投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投薬量は、投与経路などに応じて、好都合には、約0.5μg~約1200μgの範囲内であり得る。好適な投薬量の例には、約0.5μg~約1200μg、約0.5μg~約500μg、約0.5μg~約450μg、約0.5μg~約405μg、約0.5μg~約360μg、約0.5μg~約270μg、約0.5μg~約180μg、及び約0.5μg~約120μgが挙げられる。この用量は、対象に1日1回以上(1日2回、3回、4回、5回、または6回を含む)投与され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量総医薬組成物重量の約10μg~約300μg、例えば、約10μg~270μg、約20μg~約240μg、約30μg~約180μg、約40μg~約140μg、約60μg~約120μg、約70μg~約100μg、約80μg~約100μgの用量で投与され得る。これらの用量を1つ以上の単位により提供して、総用量を送達することができる。好適な用量の例には、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、及び約250μgが挙げられる。
【0062】
一実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量総舌下フィルム組成物重量の約10μg~約300μg、例えば、約10μg~270μg、約20μg~約240μg、約30μg~約180μg、約40μg~約140μg、約50μg~約120μg、約60μg~約120μg、約70μg~約100μg、約80μg~約100μgの用量で口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。これらの用量を1つ以上の単位により提供して、総用量を送達することができる。好適な用量の例には、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、及び約250μgが挙げられる。
【0063】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量総医薬組成物重量の約120μg~約405μg、例えば、約120μg~約270μg(約120μg及び約180μgを含む)の用量で投与され得る。これらの用量を1つ以上の単位により提供して、総用量を送達することができる。好適な用量の例には、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、約300、約305、約310、約315、約320、約325、約330、約335、約340、約345、約350、約355、約360、約365、約370、約375、約380、約385、約390、約395、約400、及び約405μgが挙げられる。
【0064】
別の実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量総舌下フィルム組成物重量の約120μg~約405μg、例えば、約120μg~約270μg(約120μg及び約180μgを含む)の用量で口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。これらの用量を1つ以上の単位により提供して、総用量を送達することができる。好適な用量の例には、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、約300、約305、約310、約315、約320、約325、約330、約335、約340、約345、約350、約355、約360、約365、約370、約375、約380、約385、約390、約395、約400、及び約405μgが挙げられる。
【0065】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、総経口組成物重量に基づいて、約500μg~約1500μg、例えば、約900μg~約1200μgの用量で経口投与され得る。これらの用量を1つ以上の単位により提供して、総用量を送達することができる。好適な用量の例としては、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約610、約620、約630、約640、約650、約660、約670、約680、約690、約700、約710、約720、約730、約740、約750、約760、約770、約780、約790、約800、約810、約820、約830、約840、約850、約860、約870、約880、約890、約900、約910、約920、約930、約940、約950、約960、約970、約980、約990、約1000、約1010、約1020、約1030、約1040、約1050、約1060、約1070、約1080、約1090、約1100、約1110、約1120、約1130、約1140、約1150、約1160、約1170、約1180、約1190、約1200、約1210、約1220、約1230、約1240、約1250、約1260、約1270、約1280、約1290、約1300、約1310、約1320、約1330、約1340、約1350、約1360、約1370、約1380、約1390、約1400、約1410、約1410、約1420、約1430、約1440、約1450、約1460、約1470、約1480、約1490、及び約1500μgが挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、総筋肉内注射重量に基づいて、約100μg~約200μg、例えば、約120μg~約190μgの用量で筋肉内投与され得る。好適な用量の例には、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、及び約200μgが挙げられる。
【0067】
特定の患者に投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の例示的な投薬量は、その状態の種類及び程度、その特定の患者の全般的な健康状態、投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の特定の形態、及びその患者を治療するために使用される特定の製剤に依存するであろう。
【0068】
III.医薬組成物
本開示によれば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、口粘膜(例えば、舌下、頬側)、経口、非経口などを含む様々な経路を介してヒト対象に投与することができる。本開示による使用に好適な製剤は以下に概説される。本開示による使用に好適な追加の製剤は、あらゆる目的のために参照により全体が本明細書に組み込まれるUS2020/0000717に記載されている。
【0069】
口粘膜製剤(舌下及び/または頬側製剤)
本開示によれば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、舌下または頬側投与に好適な剤形に製剤化することができる。かかる剤形には、錠剤、粉末剤、丸剤、フィルム、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などが挙げられる。一実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム製品として製剤化される。
【0070】
舌下または頬側製剤への包含に好適な担体には、糖、デンプン、セルロース及びその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張生理食塩水、発熱物質除去水、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。唾液に容易に溶解する担体が好ましくあり得る。
【0071】
舌下または頬側製剤は、他の薬学的に許容される担体及び/または賦形剤、例えば、結合剤、滑沢剤、希釈剤、コーティング剤、崩壊剤、障壁層成分、流動促進剤、着色剤、溶解度増強剤、ゲル化剤、充填剤、タンパク質、補助因子、乳化剤、可溶化剤、懸濁化剤、及びそれらの混合物も含み得る。本開示に従って使用され得る特定の賦形剤は、当該技術分野で既知であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(2005年、第5版、Roweらによる編集、Mcgraw Hill)に記載されている。
【0072】
フィルム
本開示による舌下または頬側投与に好適なフィルム(すなわち、口粘膜投与)は、(i)ポリマーマトリックス中に配置されているか、または(ii)ポリマーマトリックスの表面上、例えば、「プラセボ」フィルムの表面上に堆積しているかのいずれかであるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。
【0073】
フィルムのポリマー成分
ポリマー成分は、フィルムマトリックス中の1つ以上の水溶性ポリマーからなる、及び/またはそのポリマーの表面上の薬物含有堆積物(例えば、1つ以上の液滴)の一部として1つ以上の水溶性ポリマーからなる。本開示のいくつかの実施形態では、ポリマー成分は、単一の水溶性ポリマーからなる。いくつかの実施形態では、ポリマー成分は、異なる分子量を有する2つ以上の同じ水溶性ポリマーを含む、2つ以上の水溶性ポリマーからなる。
【0074】
フィルムマトリックス中のポリマー成分は、好適な組成のものであり、口腔粘膜中のフィルムマトリックスの急速な崩壊を確実にするのに十分な量で存在する。例えば、ポリマー成分の存在により、フィルムマトリックスが口粘膜中で約15秒~約180秒、例えば、約30秒~約180秒(約120秒を含む)で完全に崩壊することが可能になり得る。フィルムマトリックス中のポリマー成分は、フィルムに十分な強度も提供する(すなわち、フィルムは自己支持型である)。
【0075】
ポリマー成分は、ポリマーマトリックス/基質の表面上に堆積したデクスメデトミジン組成物の1滴以上の液滴中に存在する場合、例えば、水溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルセルロースからなってもよいが、本明細書の以下の「第1の水溶性ポリマー」及び「第2の水溶性ポリマー」の定義に記載されるように異なる水溶性ポリマーも企図される。例えば、ポリマー成分は、異なる分子量を有する1、2、または3つのヒドロキシプロピルセルロースからなってもよい。異なるヒドロキシプロピルセルロースの分子量は、好都合には、(i)約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)、(ii)約90,000ダルトン~約200,000ダルトン、及び(iii)約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの範囲であり得る。2つ以上のヒドロキシプロピルセルロースは、所望の液滴粘度を達成するために任意の好適な比率で混合され得る。デクスメデトミジン組成物溶液または懸濁液の粘度は、25℃の温度で少量サンプルアダプターを備えたブルックフィールド粘度計を使用して測定することができ、約5cps~約3700cpsの範囲であり得る。例えば、その粘度は、約5cps~約500cps、約6cps~約200cps、約6cps~約100cps、または約6cps~約50cpsの範囲であり得る。本開示のいくつかの実施形態では、デクスメデトミジン組成物溶液または懸濁液の粘度は、25℃及び約7のせん断速度(1/s)で約6cps~約20cpsである。
【0076】
ポリマー成分は、モノリス(すなわち、プラセボまたは薬物含有)フィルム中に存在する場合、例えば、1つの水溶性ポリマーまたは2つの異なる水溶性ポリマーからなってもよい。2つの異なる水溶性ポリマーが存在する場合、それらの水溶性ポリマーの一方は、同じであるが異なる分子量の組み合わせとしてポリマー成分中に存在するポリマーを含んでもよい。例えば、ポリマー成分は、異なる分子量を有する1、2、または3つのヒドロキシプロピルセルロースからなってもよいが、ポリエチレンオキシドなどの本明細書の以下の「第1の水溶性ポリマー」及び「第2の水溶性ポリマー」の定義に記載されるように異なる水溶性ポリマーも企図される。異なるヒドロキシプロピルセルロースの分子量は、好都合には、(i)約60,000ダルトン未満(例えば、約5000ダルトン~約49000ダルトン)、(ii)約90000ダルトン~約200000ダルトン、及び(iii)約200,000ダルトン~約500,000ダルトン(例えば、約300000ダルトン~約450000ダルトン)の範囲であり得る。2つ以上のヒドロキシプロピルセルロース(例えば、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース及び高分子量ヒドロキシプロピルセルロース)は、所望のフィルム特性を達成するために任意の好適な比率で混合され得る。ポリマー成分は、モノリス(すなわち、プラセボフまたは薬物含有)フィルム、またはマイクロ堆積フィルムマトリックス組成物中に存在する場合、好都合には、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)、及び/または約90000ダルトン~約200,000ダルトン、及び/または約200,000ダルトン~約500,000ダルトン(例えば、約300000ダルトン~約450000ダルトン)の分子量を有する1つ以上の水溶性ポリマーからなってもよい。構造的に異なる水溶性ポリマーも存在する場合、そのポリマーは、好都合には、より高い分子量、例えば、約500,000ダルトンを超える分子量を有してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意選択的に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む医薬フィルム組成物を提供する。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意選択的に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、から実質的になる医薬フィルム組成物を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意選択的に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、からなる医薬フィルム組成物を提供する。
【0080】
1つ以上の第1の水溶性ポリマーの例は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物(異なる分子量を有する同じポリマーの混合物を含む)からなる群から選択される。
【0081】
1つ以上の第2の水溶性ポリマーの例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物(異なる分子量を有する同じポリマーの混合物を含む)からなる群から選択される。ポリエチレンオキシド(PEO)も本明細書では第2の水溶性ポリマーとして存在してもよく、または本明細書の以下に別個に記載されるように、医薬フィルム組成物中に薬学的に許容される担体の一例として、またはより具体的には、粘膜付着剤として存在してもよい。
【0082】
一実施形態では、全フィルム組成物中の当該第1の水溶性ポリマーの当該第2の水溶性ポリマー(複数可)(フィルム中に存在する場合、PEOを含む)に対する重量比は、約2:1~約1:50、例えば、約1:1~約1:40(約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、約1:30、約1:31、約1:32、約1:33、約1:34、約1:35、約1:36、約1:37、約1:38、約1:39、約1:40を含む)である。
【0083】
さらなる実施形態では、全フィルム組成物中の当該第1の水溶性ポリマーの当該第2の水溶性ポリマー(複数可)(フィルム中に存在する場合、PEOを含む)に対する重量比は、約1:10~約1:30、約1:15~約1:25、または約1:15~約1:20である。いくつかの実施形態では、約1:15~約1:20の比率により、有益な機能的効果が提供される。
【0084】
第1の水溶性ポリマー/第2の水溶性ポリマーとともにフィルム中に含まれ得るか、またはかかるポリマー(複数可)の代わりになり得る他の水溶性ポリマーの例には、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、コポビドン(N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、ポリデキストロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、キサンタンガム、トラガカントガム、グアガム、アカシアガム、アラビアガム、デンプン、カラギーナン、ゼラチン、及びそれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマー成分(存在する場合、水溶性ポリマー担体を含む)は、好都合には、乾燥重量ベースでフィルムの重量に基づいて、フィルム組成物の約40%~約99.8%、約50%~約99.7%、約60%~約99.6%を構成し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、フィルム組成物のポリマー成分は、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約2%~約15%(例えば、総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%)の量で存在する第1の水溶性ポリマーを含み得る。この水溶性ポリマーは、好都合には、約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有し得る。好適なかかる水溶性ポリマーの例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーが挙げられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、低分子量ヒドロキシプロピルセルロースは、フィルム中に総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%で存在し得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の水溶性ポリマー(ポリエチレンオキシドなどの水溶性ポリマー担体を含む)は、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約50~約98重量パーセントの量で存在し得る。1つ以上の第2の水溶性ポリマーは各々、60,000ダルトンを超える分子量を有し、例えば、特に、そのポリマーが、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合、約90,000ダルトン~約1,500,000ダルトンの分子量を有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の水溶性ポリマーが各々、約90,000ダルトン~約200,000ダルトン及び/または約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの分子量を有し、かつそのポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合、1つ以上の第2の水溶性ポリマーは合わせて、フィルム中に総フィルム重量の約25w/w%~約40w/w%で存在し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、フィルム中に総フィルム重量の約50w/w%~約60w/w%で存在し得る。
【0090】
一実施形態では、フィルム組成物のポリマー成分は、低分子量水溶性ポリマー(例えば、約60,000ダルトン未満の分子量を有する)と、1つ以上の高分子量ポリマー(例えば、約60,000ダルトンを超え、ポリエチレンオキシドがポリマー混合物中に含まれる場合、最大約1,500,000ダルトンの分子量、またはポリエチレンオキシドがポリマー混合物中に含まれない場合、最大約500,000ダルトンの分子量を有する)とからなる。このポリマー組み合わせは、特にポリマーがヒドロキシプロピルセルロースとポリエチレンオキシドとの組み合わせである場合、フィルム組成物の引張強度及び薬物動態にある特定の利点をもたらす。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示は、
(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む(例えば、それらから本質的になる)フィルム組成物を提供する。
【0092】
一実施形態では、本開示は、
(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、
(ii)(a)約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有する1つ以上の第1の水溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物)であって、例えば、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約2~約15重量パーセントである、1つ以上の第1の水溶性ポリマーと、(b)60,000ダルトンを超える、例えば、100000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物)であって、例えば、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約50~約98重量パーセントである、1つ以上の第2の水溶性ポリマーとからなるポリマー成分と、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む(例えば、それらから本質的になる)フィルム組成物を提供する。
【0093】
ヒドロキシプロピルセルロースが本開示のフィルム中に存在する場合、その分子量は異なってもよく、低分子量水溶性ポリマー及び1つ以上の高分子量水溶性ポリマーの両方として存在してもよい。いくつかの実施形態では、その分子量は、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)であり得る。他の実施形態では、その分子量は、約90,000ダルトン~約200,000ダルトンの範囲内であり得る。さらに他の実施形態では、その分子量は、約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの範囲内であり得る。
【0094】
ヒドロキシプロピルセルロースは、ポリエチレンオキシドを含むフィルム組成物の一部である場合、好都合には、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約10重量%~約90重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約20重量%~約80重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約20重量%~約50重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約25重量%~約45重量%の範囲で存在し得る。
【0095】
ポリエチレンオキシドが本開示のフィルム中に存在する場合、その分子量も異なってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、フィルムの粘膜付着性を向上させるために、高分子量水溶性ポリエチレンオキシドが使用され得る。ある特定の実施形態では、その分子量は、約100,000、200,000、300,000、600,000、900,000、または1,000,000ダルトンを含む、約100,000ダルトン~約1,500,000ダルトンの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、約600,000ダルトン~約900,000ダルトンの分子量を有するポリエチレンオキシドと、約100,000ダルトン~約300,000ダルトンの分子量を有するポリエチレンオキシドとの組み合わせをポリマー成分中に使用することが望ましい場合がある。
【0096】
ポリエチレンオキシドは、フィルム組成物の一部である場合、好都合には、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約30重量%~約90重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約40重量%~約85重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約55重量%~約80重量%の範囲で存在し得る。
【0097】
かかるフィルム組成物は、フィルム中に分散するか、またはフィルムの表面上にマイクロ堆積する薬物を含み得る。この薬物は、「プラセボ」フィルムの表面上にマイクロ堆積した場合、好都合には、液体担体、例えば、溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール)中の1滴以上の液滴としてのデクスメデトミジン組成物の一部として、任意選択的に1つ以上(例えば、2つ)の水溶性ポリマー及び/または薬学的に許容される担体と一緒に添加され得る。好適な水溶性ポリマーには、(1)低分子量水溶性ポリマー、例えば、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマー、及び任意選択的に、(2)1つ以上(例えば、1つまたは2つ)の高分子量水溶性ポリマー、例えば、約60,000ダルトンを超える分子量を有する高分子量水溶性ポリマー(例えば、約60,000ダルトン~約150,000ダルトンの分子量、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(77,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(80,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(90,000MW)、またはヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW))、及び/または約60,000ダルトンを超える分子量を有する高分子量水溶性ポリマー(例えば、約200,000ダルトン~約900,000ダルトンの分子量、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(340,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、ポリエチレンオキシド(200,000MW)、またはポリエチレンオキシド(600,000MW))が含まれる。各水溶性ポリマーは独立して、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、及びメチルセルロースからなる群から選択され得る(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース及び/またはポリエチレンオキシド)。
【0098】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩と、ヒドロキシプロピルセルロースである低分子量ポリマーと、各々エタノール溶媒中のヒドロキシプロピルセルロースである1つまたは2つの高分子量ポリマーとを含む。
【0099】
一実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)と、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)及びヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)の一方または両方とを含む。
【0100】
別の実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)と、2つのみのヒドロキシプロピルセルロース、すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)及びヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)とを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、堆積組成物は、溶液、乳濁液、懸濁液、または分散液を含む任意の形態であってもよい。例えば、デクスメデトミジン組成物は、任意選択的に水酸化ナトリウムなどのpH中和剤を含むエタノール系溶液中の1滴以上の液滴として添加され得る。いくつかの実施形態では、フィルム基材表面は、ポリマーマトリックス中に2つ以上のマイクロ堆積斑点(例えば、2つのマイクロ堆積斑点)を含む。堆積溶液/懸濁液の粘度は、25℃で少量サンプルアダプターを備えたブルックフィールド型粘度計を使用して測定される、約6cps~約3700cpsの範囲であり得る。一例として、その粘度は、約5cps~約500cps、約6cps~約200cps、約6cps~約100cps、または約6cps~約50cpsの範囲であり得る。
【0102】
本開示のいくつかの実施形態では、デクスメデトミジン組成物の粘度は、25℃及び約7のせん断速度(1/s)で約6cps~約20cpsである。
【0103】
乾燥させて溶媒を除去した後、フィルムは、フィルム基材(例えばプラセボ)を含み、上述のデクスメデトミジン組成物であるが溶媒を含まないデクスメデトミジン組成物がそのフィルム基材の表面上に堆積(例えば、マイクロ堆積)している。デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む乾燥組成物は、フィルム基材表面の全体またはフィルム基材表面の一部のみを覆い得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、乾燥デクスメデトミジン組成物は、そのフィルム基材表面上に1滴以上の不連続の薬物含有液滴として現れる。あるいは、ステンシル加工を使用して、そのフィルム基材表面上に薬物含有組成物を有する1つ以上の画定された不連続の領域を得ることができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の不連続の薬物含有液滴をフィルム基材表面上に有するフィルム基材を含む乾燥したフィルム製品であって、かかる薬物含有液滴が各々、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、2つの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロース:HPC-SSLとして入手可能なヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)及びKlucel(商標)Type JF NFという商標名で市販されているヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)とを含み、フィルム基材が、3つの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロース:Klucel(商標)Type GF NFという商標名で市販されているヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、及びヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)を含む、乾燥したフィルム製品を提供する。いくつかの実施形態では、フィルム基材は、Sentry Polyox WSR 205 LEO NFという名称で入手可能なポリエチレンオキシド(600,000MW)も含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、乾燥フィルム製品は、堆積組成物(本明細書では「デクスメデトミジン組成物」とも称される)であって、(i)堆積組成物の約9%~約50w/w%、例えば、堆積組成物の約15w/w%~約25w/w%で存在するデクスメデトミジン塩酸塩と、(ii)堆積組成物の約5w/w%~約85w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(iii)堆積組成物の約5w/w%~85w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iv)堆積組成物の約0w/w%~約65w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)とを含む、堆積組成物を含む。フィルムは、ポリマーマトリックスも含み、ポリマーマトリックスは、(i)ポリマーマトリックスの約3w/w%~約40w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(ii)ポリマーマトリックスの約3w/w%~約40w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iii)ポリマーマトリックスの約0w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、(iv)ポリマーマトリックスの約55w/w%~約75w/w%で存在するポリエチレンオキシド(600,000MW)とを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、乾燥フィルム製品(例えば、マイクロ堆積フィルム製品)は、(i)総フィルム重量の約1w/w%~約50w/w%で存在するデクスメデトミジン塩酸塩と、(ii)総フィルム重量の約2w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(iii)総フィルム重量の約2w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iv)総フィルム重量の約10w/w%~約50w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、(v)総フィルム重量の約40w/w%~約75w/w%で存在するポリエチレンオキシド(600,000MW)と、(vi)任意選択的に、他の薬学的に許容される担体とを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムには、有益な特性を有するフィルムを提供するために、いくつかのタイプのヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が組み合わせられている。例えば、フィルム組成物は、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、及びヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)のうちの2つまたは3つを組み合わせて含み得る。ある特定の実施形態では、モノリスフィルムの一部である場合、ポリエチレンオキシド(600,000MW)がこれらのタイプのHPCとともに含まれる。
【0109】
本開示のある特定のフィルム組成物中、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、40,000MW)が、総フィルム総重量の約3w/w%~約8w/w%(例えば、約5%)で存在し、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、140,000MW)が、総フィルム総重量の約3w/w%~約8w/w%(例えば、約5%)で存在し、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、370,000MW)が、総フィルム総重量の約20w/w%~約40w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(例えば、600,000MW)が、総フィルム総重量の約40%~約70%(例えば、約50w/w%~約60w/w%)で存在する。いくつかの実施形態では、これらの2つの高分子量水溶性ポリマーは合わせて、総フィルム重量の約25w/w%~約40w/w%で存在する。
【0110】
フィルム組成物が口腔粘液に数秒~数分以内、例えば、約0.25分~約15分で完全に溶解し、それ故に、口腔粘膜を介してデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が確実に送達されるように、水溶性ポリマーの選択及び比率を決定することができる。例えば、フィルム組成物は、口腔の舌下または頬側領域に、約30秒~約15分、約1分~約10分、または約1分~約5分の期間を含む、最大約15分間、最大約10分間、または最大約5分間滞留し得る。
【0111】
いずれかの薬局方に記載されている標準のバスケットまたはパドル装置がインビトロ溶解試験に使用され得る。溶解媒の選択は、本質的には、薬物の沈み条件及び最高用量に依存するであろう。溶解媒は、37±0.5℃の温度及び50のrpmで維持しなければならない(Bala et al.,Int J Pharm Investigation,vol.3(2),pages 67-76を参照のこと)。
【0112】
本発明で開示されるフィルムは、薬物効果の迅速な発現を促進するいくつかの機能的利点を有する。いくつかの実施形態では、本開示の薄フィルム組成物は、舌下または頬側に適用された場合、約15秒~約180秒、約15秒~約160秒、約25秒~約150秒、約15秒~約140秒、約15秒~約120秒、約40秒~約120秒、約50秒~約120秒、例えば、約120秒の崩壊時間(DT)を有する。この時間枠内の崩壊時間により、薬物効果の最適な発現がもたらされる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本発明の薄フィルム組成物は、フィルムを舌下の位置に局在させ、溶解前に剥がれるのを効果的に低減または予防する実用的な利点を提供する粘膜付着特性を有する。この性質は、激越状態の対象を伴う臨床環境において特に有益である。したがって、いくつかの実施形態では、薄フィルム組成物は、約50g以上、約100g以上、約200g以上、約300g以上、約400g以上、約500g以上、約600g以上、約700g以上、約800g以上、約900g以上、約1000g以上の粘膜付着力(粘膜付着強度またはせん断強度)を有する。いくつかの実施形態では、粘膜付着力は、約300g~約4000g、約500g~約3000g、または約1000g~約2000gの範囲内である。
【0114】
フィルムの破裂強度も薬物送達に寄与する。本発明のある特定の薄フィルム組成物は、50g、100g、200g、300g、400g、500g、600g、700g、800g、900g、1000g、1100g、1200g、1300g、1400g、1500g、1600g、1700g、1800g、1900g、2,000g、2,500g、3,000g、3,500g、4,000g、4,500g、5,000g、5,500g、6,000g、6,500g、7,000g、7,500g、8,000g、8,500g、9,000g、9,500g、10,000g、または15,000g以上の破裂強度を有する。例えば、その破裂強度は、約200g~約15000g、約300g~約10,000g、または400g~約5000gの範囲内であり得る。
【0115】
薬学的に許容される担体
フィルム組成物は、液体担体、香味料、甘味料、清涼化剤、抗酸化剤、pH調整剤、透過促進剤、粘膜付着剤、可塑剤、増量剤、界面活性剤/非イオン性可溶化剤、安定剤、消泡剤、着色剤などを含むが、これらに限定されない1つ以上の薬学的に許容される担体をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、フィルム組成物は、酸性緩衝剤または他の酸性薬剤を実質的に含まない。
【0116】
液体担体
いくつかの実施形態によれば、薬学的に許容される担体には、液体担体が含まれる。液体担体は、ポリマーマトリックス(薬物含有またはプラセボ)及びポリマーマトリックス上の堆積組成物を調製する際に有用な1つ以上の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、水であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ブタノール、ベンジルアルコール、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない極性有機溶媒であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、塩化メチレン、トルエン、酢酸エチル、及びそれらの混合物などの非極性有機溶媒であり得る。ある特定の溶媒は、アルコール、特にエタノール、水、及びそれらの混合物である。望ましくは、湿潤ポリマーマトリックス中の溶媒含有率は、乾燥前の総フィルム組成物の総湿潤重量の少なくとも約30重量%である。その後に乾燥させたフィルム組成物は、望ましくは約10重量%未満の溶媒、より望ましくは約8重量%未満の溶媒、さらに望ましくは約6重量%未満の溶媒、最も望ましくは約2重量%未満の溶媒を含むであろう。
【0117】
香味料/甘味料/清涼化剤
甘味料、香味剤、清涼化剤、味マスキング剤、またはそれらの組み合わせをフィルム組成物に添加して、フィルム組成物の味を改善することが有益であり得る。香味料は、天然香味液及び合成香味液から選択され得る。かかる剤の例証的なリストには、植物、葉、花、果実、茎、及びそれらの組み合わせに由来する揮発性油、合成香味油、香味芳香剤、香味油、香味液、オレオレジン、またはエキス剤が含まれる。非限定的な香味油には、スペアミント油、シナモン油、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、タイム油、ヒバ油、ナツメグ油、セージ油、及びクヘントウ油が含まれる。一実施形態では、香味料は、ペパーミント油(NF)として入手可能なペパーミント油香味料である。
【0118】
その量は、最終製品で所望される結果を得るために変化させてもよい。かかる変化は、過度の実験を必要とすることなく、当業者の能力の範囲内である。概して、約0.1重量%~約30重量%の量をフィルムに使用して、香味をもたらすことができる。好適な甘味料には、天然甘味料及び人工甘味料の両方が含まれる。好適な甘味料の非限定的な例には、例えば、水溶性甘味剤、例えば、単糖類、二糖類、多糖類、例えば、キシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、スクロース(糖)、高フルクトースコーンシロップ、マルトース、転化糖(スクロースに由来するフルクトースとグルコースの混合物)、部分的に加水分解されたデンプン、コーンシロップ固形物、及びジヒドロカルコン、水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、すなわち、サッカリンナトリウムまたはカルシウム塩、シクラミン酸塩、ならびに天然に存在する水溶性甘味料に由来する水溶性甘味料、例えば、砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースとして既知のものが挙げられる。一実施形態では、甘味料は、スクラロースである。
【0119】
香味剤、甘味料、及び清涼化剤は、従来の料で、概して、乾燥重量ベースでフィルム重量の約0.01%~約10%、例えば、乾燥重量ベースでフィルム重量の約0.1%~約7%、例えば、乾燥重量ベースでフィルム重量の約0.1%~約5%の最大総量で添加することができる。
【0120】
他の味マスキング剤には、例えば、ポリマー、油、またはワックスが含まれる。一実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム組成物を製剤化する前に味マスキング剤でコーティングされる。いくつかの実施形態では、活性成分をコーティングするために味マスキング剤が使用される場合、味マスキング剤は、その活性成分を含む粒子または顆粒の約5重量%~約80重量%の量で存在し得る。別の実施形態では、味マスキング剤は、その活性成分を含む粒子または顆粒の約25重量%~約35重量%の量で存在する。
【0121】
抗酸化剤
酸化的分解に対してフィルム組成物の長期間安定性を実質的に改善する脱酸素剤または抗酸化剤の例には、亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ならびにカリウム及びカルシウムの類似塩が挙げられる。亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム)の好適な量は、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量の最大約5%、例えば、約0.001%~約2%である。
【0122】
pH調整剤/pH中和剤
口腔粘膜を介するデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の吸収は、アルカリ性微小環境下で増加し得る。一例として、この吸収は、フィルム組成物が6超、約6~約9、または約6.5~約8のpHで維持されているときに達成され得る。いくつかの実施形態では、フィルムは、そのフィルム製品のpHを増加させるアルカリ性物質を含み得る。pH調整剤/pH中和剤の非限定的な例には、重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム)、クエン酸塩(例えば、クエン酸カリウム)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)、乳酸塩(例えば、乳酸ナトリウム)、酢酸塩(例えば、酢酸カルシウム)、アルカリ性緩衝剤(例えば、グリシン)、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。グリシンなどのアルカリ性緩衝剤は、pH中和剤の一例である。フィルム組成物中に存在するpH調整剤/pH中和剤の好適な量には、例えば、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約10%、例えば、約1%~約5%が含まれる。
【0123】
透過促進剤
口腔粘膜を介するデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の吸収を促進するある特定の効果的な透過促進剤には、アルコールが挙げられる。ブタノールなどのアルコール透過促進剤は、好都合には、フィルム組成物に、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約10%、例えば、約0.1%~約5%、例えば、約1%~約3%の量で添加することができる。
【0124】
粘膜付着剤
フィルム組成物に添加することができる粘膜付着剤の例には、アルギン酸ナトリウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、グアガム、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラヤガム、メチルセルロース、レテン、トラガカントなどが挙げられるが、これらに限定されない。粘膜付着剤の1つは、ポリエチレンオキシドであり、好都合には、フィルム組成物に、乾燥重量ベースで総フィルム組成物重量に基づいて約20%~約90%、例えば、約40%~約70%の量で添加され得る。
【0125】
可塑剤
本明細書で効果的に用いることができる可塑剤には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、及びグリセロールが含まれる。選択されたフィルム形成ポリマー(複数可)及びフィルム製剤の他の成分に応じて、フィルム組成物中に含まれる可塑剤の好適な量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム重量に基づいて最大約10%、例えば、約0.1%~約5%、例えば、約0.5%~約5%であり得る。ある特定の用途のために、ポリエチレンオキシドを含むより高い分子量のポリエチレングリコールが利用され得る。
【0126】
充填剤:
フィルム組成物に添加することができる好適な充填剤には、デンプン、カルシウム塩、例えば、炭酸カルシウム、糖、例えば、ラクトース、グルコース、スクロース、マンノース、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、スクラロース、トレハロース、及びそれらの組み合わせが含まれる。フィルム製剤に好都合に添加することができる充填剤の量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約25%、例えば、約0.5%~約20%、例えば、約1%~約15%、例えば、約2%~約10%である。
【0127】
界面活性剤/非イオン性可溶化剤
フィルムには、典型的には、例えば、ポロキサマー、ポリオキシル硬化ヒマシ油、オキシステアリン酸グリセリルポリエチレングリコール、脂肪酸グリセリルポリグリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない、少なくとも1つの界面活性剤/非イオン性可溶化剤が組み込まれている。フィルム組成物に添加することができる界面活性剤(複数可)の量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約5%、例えば、約0.5%~約3%、例えば、約1%~約3%である。
【0128】
消泡成分
シメチコンは、有用な消泡剤及び/または脱泡剤の一例であるが、他の消泡剤及び/または脱泡剤が好適に使用される場合もある。シメチコンなどの消泡剤及び/または脱泡剤は、フィルム組成物に、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて約0.01%~約5.0%、より望ましくは約0.05%~約2.5%、最も望ましくは約0.1%~約1.0%の量で添加され得る。
【0129】
着色剤
フィルム組成物中に含まれ得る着色添加剤には、食品、医薬品、及び化粧品用色(FD&C)、医薬品及び化粧品用色(D&C)、または外用医薬品及び化粧品用色(Ext.D&C)が含まれる。これらの色は、染料、それらの対応するレーキ、及びある特定の天然由来の着色剤である。着色添加剤のある特定の例は、酸化鉄または酸化チタンなどの無機色素であり、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて約0.001%~約10%、例えば、約0.01%~約3%の範囲の濃度で添加される。一実施形態では、デクスメデトミジン組成物(すなわち堆積組成物)に使用される色は、フィルム基材(例えば、プラセボフィルム)に使用される色とは異なる。マイクロ堆積フィルムのモノリスフィルム及びフィルム基材の色の1つは、エメラルドグリーンであり、Fast Emerald Green Shade(06507)として入手可能である。デクスメデトミジン組成物(すなわち、堆積組成物)の色の1つは、フィルム基材の色とは異なる色、例えば、青色(FD&Cブルー1として入手可能)である。本発明のフィルム実施形態のいくつかの実施形態では、例えば、上記の態様及び実施形態に記載されるように、緑色のフィルム基板上にデクスメデトミジン塩酸塩の2つの青色のマイクロ堆積斑点を含む約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含むフィルムである。
【0130】
本発明のフィルム実施形態のいくつかの実施形態では、例えば、上記の態様及び実施形態に記載されるように、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含むフィルムである。
【0131】
一実施形態(A)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(i)約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、
(iii)ポリエチレンオキシドと、任意選択的に、
(iv)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0132】
別の実施形態(B)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(i)約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、
(iii)ポリエチレンオキシドと、任意選択的に、
(iv)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0133】
特定の実施形態では、上記の今しがた言及された実施形態(A)または(B)の1つ以上の水溶性ポリマー(ii)は、低分子量水溶性ポリマー及び2つの高分子量水溶性ポリマーを含み、例えば、低分子量水溶性ポリマーが、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン(例えば、約40,000ダルトン)の分子量を有し、高分子量水溶性ポリマーが各々、約60,000ダルトンを超える分子量を有する(例えば、これらの2つの高分子量水溶性ポリマーの一方が約140,000ダルトンの分子量を有し、他方の高分子量水溶性ポリマーが約370,000ダルトンの分子量を有する)。水溶性ポリマーは各々、いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースである。ポリエチレンオキシドは、いくつかの実施形態では、約600,000ダルトンの分子量を有する。
【0134】
ある特定の実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、ペパーミントオイル、エメラルドグリーン着色剤、及びFD&Cブルー着色剤から選択される1つ以上の賦形剤とを含むか、またはそれらから本質的になる医薬フィルム組成物が提供される。
【0135】
別の実施形態(C)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(i)約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0136】
別の実施形態(D)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(i)約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0137】
今しがた言及された実施形態(C)及び(D)のフィルムの特定の実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を除くフィルム成分が単層フィルム基材を形成し、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム基材の表面上(例えば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、約140,000ダルトンの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーとを含む組成物中)に存在する。水溶性ポリマーは各々、いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースである。
【0138】
別の実施形態(E)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0139】
別の実施形態(F)では、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
【0140】
今しがた言及された実施形態(E)及び(F)のフィルムの特定の実施形態では、デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約8w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約8w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約25w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約50w/w%~約60w/w%で存在する。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、本開示の医薬組成物の単回用量投与及び複数回用量投与後に検出可能なヒト血漿中デクスメデトミジン濃度Cmaxを提供する。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、本開示の医薬組成物の単回用量投与または複数回用量投与後にヒト血漿中デクスメデトミジン濃度到達時間Tmaxを提供する。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、単回用量投与または複数回用量投与後にヒト血漿中デクスメデトミジン及びその代謝産物濃度の検出可能な曲線下面積(AUC)を提供する。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUCは、時間0(投与時間)から時間0から12時間まで測定され、AUC0-12hとして表される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUCは、時間0(投与時間)から時間0から24時間まで測定され、AUC0-24hとして表される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUCは、時間0から最後に測定可能な濃度まで測定され、AUC0-lastとして表される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUCは、時間0(投与時間)から無限大に外挿される時間まで測定され、AUC0-Infとして表される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUC0-last及びAUC0-Infの範囲及び値は、デクスメデトミジン(またはその代謝産物)のAUC0-6hの範囲及び値に類似している。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるAUC0-6hの範囲及び値は、AUC0-last及びAUC0-infの範囲及び値としての役割を果たすこともできる。
【0142】
いくつかの実施形態では、統合失調症を有する対象に約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含むフィルム(E)を口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することにより、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax、約1時間~約8時間のTmax、及び約500時間・ng/L~約8900時間・ng/LのAUClastの約80%~約125%の薬物動態パラメータがもたらされた。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L、約500ng/L、約525ng/L、約550ng/L、約575ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間、または約10時間である。いくつかの実施形態では、AUClastは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L、約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L、約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L、約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L、約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L、または約11875時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、フィルムは、舌下投与される。
【0143】
いくつかの実施形態では、統合失調症を有する対象に約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含むフィルム(F)を口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することにより、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax、約1時間~約4時間のTmax、及び約500時間・ng/L~約4200時間・ng/LのAUClastの約80%~約125%の薬物動態パラメータがもたらされた。いくつかの実施形態では、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L、または約500ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約0.8時間、約0.9h、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間である。いくつかの実施形態では、AUClastは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L、または約5500時間・ng/Lである。具体的な実施形態では、フィルムは、舌下投与される。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、1つ以上の粘膜付着性ポリマーと、可塑剤、浸透促進剤、着色剤、甘味剤、香味剤、味マスキング剤、または唾液刺激剤のうちの1つ以上から選択される任意選択的な賦形剤とを含むか、またはそれらから本質的になる医薬頬側組成物を提供する。粘膜付着性ポリマーは、親水性ポリマー及びヒドロゲルから選択され得る。親水性ポリマーの例には、ポリビニルアルコール[PVA]、カルボキシメチルセルロースナトリウム[NaCMC]、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース[HPMC]、ヒドロキシルエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース[HPC]が挙げられる。ヒドロゲルの例には、カーボポール、ポリアクリレート、キトサンなどのカチオン性ポリマー、及びEudragit類似体などの非イオン性ポリマーが挙げられる。
【0145】
スプレー、ドロップ、またはゲル
いくつかの実施形態では、本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、1つ以上の薬学的に許容される液体(約1重量%~約99.995重量%)とを含むか、またはそれらから本質的になる舌下または頬側投与に好適な医薬スプレー組成物またはドロップ組成物を提供する。かかる液体は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の溶媒、共溶媒、または非溶媒であり得る。薬学的に許容される液体の例には、水、エタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、グリセリン、N-メチルピロリドン、薬学的に許容される油(例えば、大豆、ヒマワリ、ピーナッツなど)などが挙げられる。薬学的に許容される液体は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を溶解させるか、その安定した均質な懸濁液を生成するか、または懸濁液もしくは溶液の任意の組み合わせを形成するかのいずれかを達成するように選択される。これらの成分に加えて、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩のスプレーまたはドロップ製剤は、1つ以上の賦形剤、例えば、粘度調節材料(例えば、ポリマー、糖、糖アルコール、ガム、粘土、シリカなど、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP))、防腐剤(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、プロピルパラベン、及びメチルパラベン)、香味剤(例えば、ペパーミント油)、甘味料(糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、マルトース、フルクトースなど)、人工甘味料(例えば、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、スクラロース)、または糖アルコール(例えば、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトールシロップ)、緩衝剤及びpH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム、クエン酸塩、及びクエン酸)、着色剤、香料、キレート剤(例えば、EDTA)、紫外線吸収剤及び消泡剤(例えば、低分子量アルコール、ジメチコン)を含んでもよい。舌下または頬側スプレーまたはドロップに好適な前述の成分のうちの1つ以上に加えて、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩のゲル製剤は、1つ以上の賦形剤、例えば、粘度調節材料(例えば、カーボポール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性または水膨潤性ポリマー)を含んでもよい。
【0146】
スプレー、ドロップ、及びゲルは、標準適正製造基準に従って適切な量の前述の成分を混合することによって作製され得る。かかる賦形剤は、患者または対象の味の受け入れを改善するために、バイオアベイラビリティを改善するために、貯蔵寿命を延長させるために、製造費及び包装費を削減するために、政府規制機関の要件を順守するために、かつ他の目的のために、製剤に含まれ得る。各成分の相対量は、結果として得られる製剤の望ましい薬理学的及び薬物動態学的特性を妨害してはならない。
【0147】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含むか、またはそれらから本質的になる口粘膜スプレー組成物が提供される。
【0148】
患者は、一実施形態では、スプレーポンプからの1~2回の作動で舌下または頬側投与することによって治療され得る。スプレー送達の利点は、単回作動によって必要に応じて1回または2回用量で患者に容易に滴定する能力である。
【0149】
ポンプ作動スプレーは、作動させるために、外部圧力、例えば、外部手動圧力、機械的圧力、または電気的に開始される圧力の適用を必要とすることを特徴とする。これは、作動が、典型的には、圧力の制御放出によって、例えば、弁の制御開口によって達成される加圧システム、例えば、推進剤駆動型エアロゾルスプレーとは対照的である。
【0150】
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表1に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下スプレー製剤。
【表1】
【0151】
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表2に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下ドロップ組成物。
【表2】
【0152】
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表3に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下ゲル組成物。
【表3】
【0153】
錠剤
いくつかの実施形態では、本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量と、1つ以上の薬学的に許容される担体(約1重量%~約99.995重量%)とを含むか、またはそれらから本質的になる口粘膜投与(例えば、舌下または頬側投与)に好適な錠剤製剤を提供する。かかる担体は、味マスキング剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、香味剤、または液体溶媒であり得る。薬学的に許容される液体の例には、水、エタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、グリセリン、N-メチルピロリドン、薬学的に許容される油(例えば、大豆、ヒマワリ、ピーナッツなど)などが挙げられる。味マスキング剤には、例えば、アンバーライト、Opadry(登録商標)AMB TAN、ポリメタクリレート(特に、Eudragit(登録商標)L100)、デンプングリコール酸ナトリウム(Primojel)、カーボポールポリマー、PEG-5M、酢酸ナトリウム、エチルセルロース、ベタシクロデキストリンが含まれる。香味剤は、例えば、ミントパウダー、メントール、バニリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンであり得る。崩壊剤には、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、グアガム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、アルギン酸ナトリウムが含まれる。希釈剤は、例えば、微結晶セルロース、デキストレート、デキストロース、フルクトース、マンニトール、スクラロース、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、キシリトール、マルトース、マルトデキストリン、マルチトールであり得る。結合剤は、例えば、アルギン酸、カルボマー、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、グアガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウムであり得る。圧縮手順中に粉末が錠剤パンチに付着するのを防止するために、少なくとも1つの滑沢剤が製剤に好都合に組み込まれ得る。滑沢剤は、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウムであり得る。粒子間摩擦及び凝集を減少させることによって粉末の流れを促進するために流動促進剤が使用される。これらは、ダイ壁摩擦を減少させる能力を有しないため、滑沢剤と組み合わせて使用される。流動促進剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、第三リン酸カルシウムであり得る。
【0154】
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表4に記載される賦形剤とを含む、様々な頬側錠剤製剤。
【表4】
【0155】
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表5に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下錠剤組成物。
【表5】
【0156】
鼻腔内製剤
本開示の組成物は、任意の好適な形態で鼻腔に投与され得る。例えば、組成物は、スプレー乳濁液、懸濁液、もしくは溶液の形態で、ドロップとして、または粉末剤として鼻腔に投与され得る。
【0157】
本開示による粉末ブレンドは、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該技術分野で標準の不活性成分と混合することによって調製され得る。かかる不活性成分には、希釈剤、例えば、リン酸カルシウム、ラクトース、糖、例えば、デキストロース及びスクロース、ポリオール、例えば、マンニトール及びソルビトール、ならびに微結晶セルロース、流動促進剤、例えば、コロイド状シリカ、ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び硬化植物油、ならびに界面活性剤、例えば、ポリソルベート、ならびにポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。均一粉末ブレンドを小規模調製するために、乳棒と乳鉢及び/または篩が適切であり得る一方で、機械的混合器がより大規模な製造に必要である。利用可能なミキサーには多数の種類があり、これらは、文献、例えば、Chapter 37,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20 Edition,Lipincott,Williams and Wilkins,Baltimore,2000に広範囲にわたって記載されている。
【0158】
本開示の粉末組成物が顆粒を含む場合、これらの顆粒は、湿式造粒、乾式造粒(スラッグ法)、押出/球形化、流動層造粒、及び噴霧凝固などの当業者に周知の技法によって製造され得る。造粒プロセスについてのさらなる詳細は、文献、例えば、Chapter 6,Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms,J.T.Carstensen,Technomic,Lancaster,PA,1993で見つけることができる。
【0159】
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩に加えて、他の成分が顆粒に組み込まれ得る。かかる他の成分には、希釈剤、例えば、リン酸カルシウム、ラクトース、デキストロース、マンニトール、及び微結晶セルロース、結合剤、例えば、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチン、及びアカシア、崩壊剤、例えば、デンプン、クロスカルメロース、及びクロスポビドン、流動促進剤、例えば、コロイド状シリカ、ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び硬化植物油が含まれるが、これらに限定されない。マイクロスフィアを調製するための方法は当業者に周知であり、これらの方法には、噴霧乾燥、界面重合、コアセルベーション/相分離、及び溶媒蒸発が含まれるが、これらに限定されない。マイクロスフィアを製造するための方法は、例えば、Physicochemical Principles of Pharmacy,3rd Edition,pages 357 to 360,A T Florence and D Attwood,Macmillan,London,1998、及びPhysical Pharmacy,4th Edition,pages 516 to 519,A Martin,Wilkins and Wilkins,Baltimore,1993に記載されている。あるいは、マイクロスフィアは、W098/30207及びそこで引用されている文書に記載の方法を使用して製造され得る。
【0160】
本開示の粉末組成物は、対象にエアロゾル化形態で投与されてもよく、それにより、患者の吸入(スニッフィング)からのエネルギーを使用して粉末をエアロゾル化して鼻腔に入れるか、またはデバイス自体が圧縮空気などによりエアロゾル化エネルギーを提供する。前者のデバイスの例はPfeiffer製のものであり、後者の例はValois製の「Monopowder」である。本発明は、上述の組成物を装填した鼻腔送達デバイスに使用するための鼻腔薬物送達デバイスまたは用量カートリッジも提供する。
【0161】
一実施形態では、本開示の組成物は、本開示の溶液を調製するためのプロセスであって、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコフロール、安息香酸ベンジル、及びポリオキシエチレンヒマシ油誘導体などの好適な溶媒中で成分を混合することを含む、プロセスも開示する。組成物は、当該技術分野で既知の方法を使用して調製され得る。
【0162】
本開示の溶液は、当該技術分野で周知の他の薬学的に許容される成分も含み得る。かかる成分には、セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び微結晶セルロース)、カルボマー、ポリエチレンオキシド、ポロキサマーまたはポリエチレングリコール、抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)、キレート剤(エデチン酸またはその塩のうちの1つなど)、防腐剤(ソルビン酸カリウム、パラベン、フェニルエチルアルコール、または塩化ベンザルコニウム)、香味料、甘味料、増粘剤、接着剤またはゲル化剤(セルロース、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシルセルロースナトリウム、及び微結晶セルロース、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、カルボマー、またはポリエチレンオキシドを含むが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。
【0163】
本開示の溶液は、防腐剤を含んでもよい、及び/または滅菌である。防腐剤が組成物から除外される場合、微生物は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、例えば、組成物を無菌にすることによって、またはそれらを最終的に滅菌することによって除去され得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、非発熱性である。
【0164】
一実施形態では、本開示の鼻腔内組成物は、活性成分、例えば、好適な分散剤及び/または湿潤剤、例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、乳化剤、懸濁化剤、界面活性剤、可溶化剤、ビヒクルなどに加えて、水性懸濁液、溶液、または乳濁液含有材料を含む。
【0165】
医薬組成物は、1つ以上の好適な薬学的に許容される担体とともに、リポソーム、マイクロカプセル、またはセントロソームとして製剤化される場合もある。
【0166】
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩に加えて、本開示で使用されるマイクロスフェアは、デンプン、デキストラン、ゼラチン、アルブミン、コラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、Eudragit(登録商標)ポリマーなどのメタクリレートコポリマー(Degussa,Germany)、メチルセルロースなどのセルロース、及びポリ(ラクチド-コ-グリコリド)などのポリエステルなどであるが、これらに限定されない、マイクロスフェアへの包含に好適であることが当該技術分野で知られている成分を含み得る。
【0167】
鼻腔内投与に好適な任意のデバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、定量デバイスである。定量デバイスは、組成物の特定の投薬量を送達することができる。定量デバイスは、単位用量、二回用量、または複数回用量デバイスであり得る。定量デバイスを使用して投与することができる医薬有効量は、単位用量デバイスであり得る。定量は、いくつかの実施形態では、医薬組成物を鼻腔内送達することができるデバイスであり得る。定量デバイスの例には、ポンプデバイス、機械的デバイス、加圧デバイス、及び/または電気機械的デバイスであるデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。定量デバイスの例には、スプレーポンプ、予圧縮鼻腔用スプレーポンプ、計量バルブデバイス、作動スプレーデバイス、側面作動スプレーデバイス、シリンジ鼻腔用スプレーデバイス(例えば、スプレーを鼻腔に送達するための噴霧器を有するシリンジ)、粘膜噴霧デバイス、電気機械式ポンプデバイス(カウンタを備えているか備えていないもの)などが挙げられるが、これらに限定されない。定量デバイスの例には、Aptar Pharma(Congers,NY)製の市販されているデバイスも挙げられるが、これらに限定されない。定量デバイスの例には、UDS(Aptar Pharma)、BDS(Aptar Pharma)、eDevices(Aptar Pharma)、Equadel(Aptar Pharma)、Latitude(Aptar Pharma)、DF30(Aptar Pharma)、VP7(Aptar Pharma)、Classic Nasal Device(Aptar Pharma)、MAD Nasal Drug Device(Wolf Tory Medical,Inc.)、BD Accuspray SCF(商標)(Becton Dickinson)なども挙げられるが、これらに限定されない。別の例には、Aptar Unitdose Intranasal Systemが挙げられるが、これに限定されない。
【0168】
非経口製剤:
非経口投与用の液体医薬組成物は、注射または持続注入による投与用に製剤化され得る。注射または注入による投与経路には、静脈内、腹腔内、筋肉内、くも膜下腔内、及び皮下が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非経口製剤には、プレフィルドシリンジ、バイアル、再構築のための注入用粉末剤、送達前に希釈される注入用濃縮物(希釈準備済)、または溶液(使用準備済)が含まれ得る。
【0169】
注射用医薬組成物は水性等張溶液または懸濁液であり得、座薬は脂肪乳濁液または懸濁液から調製することができる。
【0170】
医薬組成物は、滅菌され得る、及び/またはアジュバント、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、及び/または緩衝液を含み得る。加えて、それらは、他の治療的に価値のある物質も含み得る。
【0171】
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物には、生分解性皮下インプラント、浸透圧制御デバイス、皮下インプラント、皮下徐放性注射、脂質ナノ粒子、リポソームなどが含まれる。液体調製物には、溶液、懸濁液、及び乳濁液が含まれ得るが、これらに限定されない。かかる調製物は、非経口注射用の水または水/プロピレングリコール溶液によって例証される。液体調製物には、鼻腔内投与用の溶液も含まれ得る。
【0172】
筋肉内、腹腔内、皮下、及び静脈内使用の場合、活性成分(複数可)の滅菌溶液が通常用いられ、溶液のpHは好適に調整及び緩衝されるべきである。静脈内使用の場合、溶質(複数可)の総濃度を制御して、調製物を等張性にしなければならない。
【0173】
筋肉内注射の調製に使用される液体ビヒクルは、例えば、水、生理食塩溶液、別の水性液体(水性溶媒)、または非水液体(非水溶媒)であり得る。非水溶媒には、有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、または他のアルキル誘導体、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、または油性ビヒクル、例えば、ヒマシ油、アラキス油、ゴマ油、または他の溶媒、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリソルベート、及びそれらの混合物が含まれ得る。これらの水性溶媒及び非水溶媒は、共溶媒としての機能を果たして、薬物の溶解性を増加させるか、または油性ビヒクルの粘度を低下させることもできる。
【0174】
製剤は、賦形剤を含み得る。製剤に含まれ得る薬学的に許容される賦形剤は、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、及び重炭酸緩衝液;アミノ酸;尿素;アルコール;アスコルビン酸;リン脂質;タンパク質、例えば、血清アルブミン、コラーゲン、及びゼラチン;塩、例えば、EDTAまたはEGTA、及び塩化ナトリウム;リポソーム;ポリビニルピロリドン;糖、例えば、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、及びグリセロール;プロピレングリコール及びポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000、PEG-6000);グリセロール;グリシン;脂質;防腐剤;懸濁剤;安定剤;及び染料である。本明細書で使用される場合、「安定剤」という用語は、亜硫酸塩が必要となるのを避け、かつ貯蔵寿命を延長させるために本発明の医薬組成物に任意選択的に使用される化合物を指す。安定剤の非限定的な例には、抗酸化剤が挙げられる。本製剤とともに使用するための緩衝系には、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、重炭酸緩衝液、及びリン酸緩衝液が含まれる。
【0175】
本製剤は、非イオン性洗剤も含み得る。非イオン性洗剤の例には、Polysorbate 20、Polysorbate 80、Triton(登録商標) X-100、Triton(登録商標) X-114、Nonidet P-40、Octyl α-glucoside、Octyl β-glucoside、Brij 35、Pluronic、及びTween(登録商標) 20が挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
本開示の非経口製剤は、滅菌され得る。滅菌技法の非限定的な例には、細菌保持フィルターに通す濾過、最終滅菌、滅菌剤の組み込み、放射線照射、及び加熱が挙げられる。
【0177】
上述の非経口製剤の投与は、調製物のボーラスの定期的な注射によるものであり得るか、または体外リザーバ(例えば、静脈注射液バッグ)または体内リザーバ(例えば、生体内分解性インプラント、バイオ人工、または臓器)からの静脈内または腹腔内投与によって投与され得る。例えば、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,407,957号及び同第5,798,113号を参照されたい。肺内送達方法及び装置は、例えば、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,654,007号、同第5,780,014号、及び同第5,814,607号に記載されている。他の有用な非経口送達系には、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、植込み型注入システム、ポンプ送達、カプセル化細胞送達、リポソーム送達、針送達注射、無針注射、ネブライザー、エアロゾライザー、エレクトロポレーション、及び経皮パッチが挙げられる。無針インジェクターデバイスは、米国特許第5,879,327号、同第5,520,639号、同第5,846,233号、及び同第5,704,911号に記載されており、これらの明細書は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の製剤はいずれも、これらの方法で投与することができる。さらなる注射用デクスメデトミジン製剤は、米国特許第8,242,158号、米国特許第9,649,296号、日本特許第5,921,928号、日本特許出願第2016154598号、中国特許出願第103284945号、中国特許出願第104161760号、中国特許出願第105168122号、中国特許出願第105534891号、中国特許出願第106038538号、米国特許出願第20170128421号、中国特許出願第107028880号、中国特許出願第107412152号、中国特許出願第108498469号、欧州特許第2252290号、日本特許出願第2019048091号、及び米国特許出願第20190183729号に記載されている。
【0178】
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示のデクスメデトミジン筋肉内組成物は、約0.05μg/mL~約15μg/mLのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約0.01~約2.0重量パーセントの濃度の塩化ナトリウムとを含み、約1~約10の範囲内のpHである。
【0179】
経口製剤:
本開示は、デクスメデトミジンを送達するために使用することができる経口製剤を含む。経口製剤の例には、錠剤、口腔内崩壊錠剤、口腔内溶解錠剤、ウエハ、溶液、懸濁液、乳濁液、及びカプセル剤が挙げられる。
【0180】
本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの口腔内崩壊担体とを含む口腔内崩壊錠剤を包含し、口腔内崩壊錠剤が約0.5~約120秒で崩壊する、及び/またはデクスメデトミジンの治療有効量が約1~約5分以内に血流中に吸収される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンの治療有効量は、約3分以内に血流中に吸収される。
【0181】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの口腔内崩壊担体は、水溶性糖または糖アルコール、クロスポビドン、(低置換度)ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、ラクトース、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、結晶セルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。水溶性糖または糖アルコールは、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、イソモルト、及びフルクトースからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、口腔内崩壊担体は合わせて、経口崩壊性担体の少なくとも50重量%、例えば少なくとも80重量%または少なくとも85重量%を構成する。上述の担体は、典型的には、50~300マイクロメートル、例えば、70~200マイクロメートルの体積加重平均粒径を有する粒子の形態である。F-Melt(登録商標)(Fuji Chemical Industry Co.)は、C4-C6糖アルコール(マンニトール及びキシリトール)を含有するマトリックス中に分散した崩壊剤を含む市販の粒子状材料の一例である。Ludiflash(登録商標)(BASF)は、C4-C6糖アルコール(マンニトール)のマトリックス中に分散した崩壊剤を含む市販の粒子状材料の別の例である。
【0182】
本明細書で使用される口腔内崩壊錠剤は、デクスメデトミジンを水溶性希釈剤と混合することによって調製され、錠剤中に圧縮され得る。デクスメデトミジンを含む懸濁液が適切な賦形剤を用いて調製されてもよく、デクスメデトミジン懸濁液がブリスターパックに分注され、凍結乾燥してもよい。デクスメデトミジンODTに使用され得る例示的な凍結乾燥調製プラットフォームは、ZYDIS(登録商標)(Catalent、Somerset,NJ,USA)製剤である。具体的には、水を含む賦形剤がブレンドされ、デクスメデトミジンが別個に粉砕されて粒径決めされ、賦形剤と混合される。次いで、懸濁液は、フラッシュ凍結及び凍結乾燥によって凍結乾燥を受ける。ODTを調製する他の方法が非限定的に使用されてもよく、それらの一般方法の詳細な説明は、例えば、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,631,023号、同第5,837,287号、同第6,149,938号、同第6,212,791号、同第6,284,270号、同第6,316,029号、同第6,465,010号、同第6,471,992号、同第6,471,992号、同第6,509,040号、同第6,814,978号、同第6,908,626号、同第6,908,626号、同第6,982,251号、同第7,282,217号、同第7,425,341号、同第7,939,105号、同第7,993.674号、同第8,048,449号、同第8,127,516号、同第8,158,152号、同第8,221,480号、同第8,256,233号、及び同第8,313,768号に開示されている。
【0183】
経口投与用の本開示の液体医薬懸濁液は、活性成分として少なくとも1つの粒子状薬物を含み、この活性成分は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩である。粒子状デクスメデトミジンが液相中で部分的に溶解し得るが、好ましくは、約50パーセント超が粒子であるべきである。本開示の懸濁液は、約0.2~約15Pa、好ましくは約0.5~約10Paの降伏値を付与する塑性流動を呈する少なくとも1つの懸濁ポリマーを含み、ビンガム塑性流動及びずり減粘塑性流動を呈するポリマーが好ましい。チキソトロピー性塑性流動を呈するポリマーは、降伏値の50%を回復させるまでの遅延時間が速い場合、約1時間未満、好ましくは約5分未満、最も好ましくは約1分未満である場合にのみ使用することができる。塑性流動を呈するポリマーは、キサンタンガム、カルボマー、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組み合わせから選択され得るが、これらに限定されない。懸濁液の最終降伏値は、生成物を振盪することなく確実に注ぐことができるように、約15Pa未満、好ましくは約10Pa未満でなければならない。
【0184】
降伏値に加えて、最終懸濁液のレオロジーは、振盪しているときまたは注いでいるときなどのせん断速度が降伏値を超えたときに粒子運動を遅らせるために、100秒-1のせん断速で少なくとも約50cps、好ましくは少なくとも約100cps、最も好ましくは少なくとも約200cpsの見かけの粘度を有するべきである。チキソトロピー性塑性流動について、高粘度が粒子運動を遅らせる一方で、降伏値はせん断適用後に回復する。降伏値を付与するために添加される懸濁ポリマー(複数可)が100秒-1のせん断速度で少なくとも約50cpsの所望の見かけの粘度を達成するのに十分ではない場合、降伏値を有しない粘度構築剤を添加することができる。これらの粘度構築剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、グアガム、ローカストビーンガム、及びそれらの組み合わせから選択され得るが、これらに限定されない。
【0185】
本開示の液体懸濁液は、本明細書で添加剤と称される医薬品業界で使用される追加の成分を含み得る。添加剤には、周知の成分、香味料、着色剤、抗酸化剤、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、pH調整剤、酸性化剤、防腐剤、共溶媒、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0186】
本開示は、哺乳動物への経口投与に好適な均質の安定した医薬デクスメデトミジン溶液にも関する。
【0187】
本開示の経口液体医薬溶液は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、共溶媒、溶媒、抗酸化剤、微生物防腐剤、緩衝剤、芳香剤、甘味料、及び希釈剤からなる群から選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0188】
共溶媒及び溶媒には、グリセリン、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、水、エタノール、イソプロピルアルコール、またはこれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0189】
好適な抗酸化剤には、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、ベータ-カロチン、アルファ-トコフェロール、没食子酸プロピル、ゲンチジン酸アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、モノチオグリセロ、システイン、チオグリコール酸ナトリウム、アセトン重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸塩(ナトリウム/酸)、重亜硫酸ナトリウム、システイン/システイン酸HCl、亜ジチオン酸ナトリウム(Naハイドロサルファイト、Naスルホキシレート)、ゲンチシン酸、ゲンチシン酸エタノールアミン、グルタミン酸一ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、モノチオグリセロール(チオグリセロール)、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、アルファ-トコフェロール、チオグリコール酸ナトリウム、EDTAカルシウム及びナトリウム化合物、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0190】
緩衝剤には、アスコルビン酸、酢酸、酒石酸、クエン酸一水和物、クエン酸三ナトリウム脱水物、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、塩酸、水酸化ナトリウム、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0191】
希釈剤には、マルチトール溶液、グルコースシロップ、グリセリン、ソルビトール及びマンニトール溶液、スクロース、ソルビトール、キシリトール、デキストロース、フルクトース、糖カリウム、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、噴霧乾燥または無水ラクトース、マンニトール、デンプン、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0192】
甘味料には、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、タウマチン、モグロシド、サッカリン、及びそれらの塩、シクラミン酸ナトリウム、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、グリシルリジン、グリシルリジン酸一ナトリウム、グリシルリジン酸一アンモニウム、イソモルト、グリセリン、デキストロース、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0193】
芳香剤には、オレンジ、バナナ、イチゴ、チェリー、野生チェリー、レモンなどの果実の芳香、及びカルダモン、アニス、ミント、メントール、バニリンなどの他の芳香、またはこれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0194】
微生物防腐剤には、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ホウ酸、ソルビン酸、及びそれらの塩、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、パラヒドロキシ安息香酸及びそれらのアルキルエステル、メチル及びプロピルパラベン、またはそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0195】
一実施形態では、本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の薬理学的有効量と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む経口固体医薬組成物(例えば、錠剤の形態)に関する。本開示の組成物は、問題となっている剤形で慣習的な添加剤を含む。タブレット製剤で一般に使用される錠剤化補助剤を使用することができ、この主題に関して広範な文献を参照されたく、特に、参照により本明細書に組み込まれるFiedlerの「Lexikon der Hilfsstoffe」(第4版、ECV Aulendorf、1996年)を参照されたい。それらには、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、安定剤、充填剤または希釈剤、界面活性剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0196】
本開示の組成物に好適な崩壊剤として、とりわけ、架橋PVP、クロスポビドン、グアガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、架橋CMC、及びAc-Di-Sol(登録商標)を挙げることができる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドンである。
【0197】
本開示の組成物に好適な結合剤として、とりわけ、デンプン、例えば、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、微結晶セルロース等のセルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Filtrak(登録商標)、Heweten(登録商標)、またはPharmacel(登録商標)という登録商標名で既知の製品、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、5~16重量%のヒドロキシプロピル含有量及び80,000~1,150,000、より具体的には140,000~850,000の分子量を有するヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0198】
本開示の組成物に好適な流動促進剤として、とりわけ、コロイド状シリカ、例えば、Aerosil(登録商標)、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、及び第三リン酸カルシウムを挙げることができる。
【0199】
本発明の組成物に好適な充填剤または希釈剤として、とりわけ、粉砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、微結晶セルロース、具体的には、約0.45g/cm3の密度を有するもの、例えば、Avicel(登録商標)、または粉末セルロース、及びタルクを挙げることができる。
【0200】
好ましい充填剤は、Avicel(登録商標)であり得る。
【0201】
本開示の組成物に好適な滑沢剤として、とりわけ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、またはステアリン酸カルシウム、4,000~8,000の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、及びタルクを挙げることができる。
【0202】
これらの添加剤のうちの1つ以上は、日常的な実験によって、いかなる過度の負担なしに、固体経口剤形の特定の所望の特性を考慮して、当業者によって選択及び使用され得る。用いられる添加剤の各タイプ、例えば、流動促進剤、結合剤、崩壊剤、充填剤または希釈剤、及び滑沢剤の量は、当該技術分野で慣習的な範囲内で変化してもよい。例えば、流動促進剤の量は、0.1~10重量%、具体的には、0.1~5重量%、例えば0.1~0.5重量%の範囲内で変化してもよく、結合剤の量は、約10~65.3重量%、例えば10~45重量%、例えば20~30重量%の範囲内で変化してもよく、崩壊剤の量は、5~60重量%、例えば13~50重量%、例えば15~40重量%、例えば20~30重量%、例えば25重量%の範囲内で変化してもよく、充填剤または希釈剤の量は、15~65重量%、例えば20~50%、例えば25~40重量%、例えば30重量%の範囲内で変化してもよく、滑沢剤の量は、0.1~5.0重量%の範囲内で変化してもよい。
【0203】
IV.方法及び投与
いくつかの実施形態(A)では、本開示は、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、対象に、単回用量として少なくとも約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、有意な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、状態は、激越または激越の兆候である。いくつかの実施形態では、激越または激越の兆候は、統合失調症に関連する。いくつかの実施形態では、激越または激越の兆候は、I型双極性障害などの双極性疾患に関連する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。
【0204】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120μg~約405μgの用量、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μgの用量、例えば、約180μg~約270μgの用量(約120μgまたは約180μgの投与用量を含む)で投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、ヒト対象における激越または激越の兆候を治療するために、約120μg~約405μgの用量、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μgの用量、例えば、約180μg~約270μgの用量(約120μgまたは約180μgの投与用量を含む)で投与される。
【0206】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、有意な鎮静作用を誘発することもなく統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療するために、約120μg~約405μgの用量、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μgの用量、例えば、約180μg~約270μgの用量(約120μgまたは約180μgの投与用量を含む)で投与される。
【0207】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、有意な鎮静作用を誘発することも臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすこともなく統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療するために、約120μg~約405μgの用量、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μgの用量、例えば、約180μg~約270μgの用量(約120μgまたは約180μgの投与用量を含む)で投与される。
【0208】
いくつかの実施形態(B)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約120μgまたは約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。
【0209】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象における統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)に関連する急性激越を治療する方法であって、単回用量として120μgまたは180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口粘膜投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、追加用量(例えば、90μgまたは60μg)は、(例えば、180μgまたは120μgのフィルムを半分に切断することによって)持続性または再発性激越の場合に好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象における統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)に関連する急性激越を治療する方法であって、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口粘膜投与することを含み、対象が抗精神病薬で併用治療されている、方法を提供する。本開示の範囲内で企図される好適な抗精神病薬には、アリピプラゾール、ベンペリドール、フルペンチキソール、アミスルプリド、クロルプロマジン、アセナピン、リスペリドン、ジプラシドン、ルラシドン、クロザピン、カリプラジン、オランザピン、及びクエチアピンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗精神病薬は、アリピプラゾールである。
【0211】
特定の実施形態(C)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約30μg~約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、30μg、60μg、または90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が1日単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、追加用量(例えば、30μg)は、持続性または再発性激越の場合に好適な期間(例えば、2、4、6、8、または12時間)後に服用され得る。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約30μg~約90μgを含む単位用量として1日1~6回口粘膜投与される。例えば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、2時間毎、4時間毎、6時間毎、8時間毎、10時間毎、または12時間毎に、1、2、3、4、5、または6回口粘膜投与される。いくつかの実施形態では、約30μg~60μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量は各々、2時間間隔で1日1~6回服用され得るが、ただし、初回投与の12時間以内に最大3回の服用を条件とする。いくつかの実施形態では、約90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量は各々、2時間間隔で1日1~4回服用され得るが、ただし、初回投与の12時間以内に最大2回の服用を条件とする。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルムとして口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。いくつかの実施形態では、投与は、半用量を送達するためにフィルムを半分に切断することによって達成され得る(例えば、60μg用量が第2の60μg用量の半分(30μg)とともに投与されて、90μg用量にしてもよい)。
【0212】
特定の実施形態(D)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、せん妄状態にある対象における激越を管理または治療する方法であって、約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供する。いくつかの実施形態では、対象は、入院している。いくつかの実施形態では、対象は、集中治療室に入院している。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、単回用量として約20μgまたは約60μgを含む単位用量で口粘膜投与される。いくつかの実施形態では、単位用量は各々、初回投与の6時間以内に適切な投与間隔で(例えば、0.5時間、1時間、2時間、または3時間毎に)1~4回投与されて、所望の効果をもたらすことができ、例えば、20μg単位が初回投与の6時間以内に0.5時間の投与間隔で4回投与されて80μg用量の効果をもたらすか、または60μg単位が初回投与の6時間以内に0.5時間の投与間隔で4回投与されて240μg用量の効果をもたらす。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載のフィルムとして口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。
【0213】
特定の実施形態(E)では、本開示は、オピオイド離脱を必要とするヒト対象におけるオピオイド離脱期間を短縮する方法であって、当該対象に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を1日2回投与することを含み、離脱期間が最大14日間である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、離脱期間は、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間であり得る。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、成人(すなわち、少なくとも18歳)であり、オピオイド使用障害に罹患しており、オピオイドに物理的に依存している。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、フィルムとして舌下投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単回用量として約30μg~約200μgの用量範囲で口粘膜投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、約30μg、約60μg、または約90μg、約120μg、または約180μgの用量として、少なくとも3日間(例えば、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、または13日間)の期間にわたっておよそ12時間間隔で1日2回投与される。さらなる実施形態では、単位は各々、適切な投与間隔(例えば、用量間で約12時間)で投与され得るか、または同時に投与される可能性があり、例えば、2つの30μg用量が同時に投与されて60μg用量の効果をもたらすことができるか、または3つの60μg用量が同時に投与されて180μg用量の効果をもたらすことができる。一実施形態では、治療後の離脱症状は、臨床オピエート離脱尺度及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度を使用して(例えば、10日間にわたって)評価される。いくつかの実施形態では、オピオイドは、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、またはペンタゾシンからなる群から選択され得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、オピオイドは、離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた。デクスメデトミジンが成人対象におけるオピオイド離脱の期間を短縮するのに有効であることが予想外に発見された。これは、オピオイド(例えば、フェンタニル)が経時的に体脂肪に局在し、間欠的に放出され、離脱プロセス中に患者に予測不能な影響を及ぼすため、驚くべきことである。オピオイドの変動率が高く、かつ間欠的に放出されるため、臨床医は、デクスメデトミジンの反復投与が有効な療法であることは予想していなかった。
【0214】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒト対象におけるステージ3非急速眼球運動(ノンレム)睡眠を促進する方法であって、単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を舌下投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、過活動性せん妄を患って集中治療室に入院している。
【0215】
いくつかの実施形態では、本開示は、コカイン毒性及び/またはコカイン毒性に関連する症状を治療する方法であって、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を口粘膜投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単回用量療法または複数回用量療法として約30μg~約200μgの用量範囲で口粘膜フィルムとして投与される。
【0216】
別の実施形態(F)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、適切な量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされる、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、平均総デクスメデトミジン曝露は、3800ng・h/Lの約80%~約125%である。例えば、AUCは、約3024ng・h/L、約3100ng・h/L、約3200ng・h/L、約3300ng・h/L、約3400ng・h/L、約3500ng・h/L、約3600ng・h/L、約3700ng・h/L、約3800ng・h/L、約3900ng・h/L、約4000ng・h/L、約4100ng・h/L、約4200ng・h/L、約4300ng・h/L、約4400ng・h/L、約4500ng・h/L、約4600ng・h/L、または約4725ng・h/Lである。
【0217】
別の実施形態(G)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、適切な量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされる、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、平均総デクスメデトミジン曝露は、1800ng・h/Lの約80%~約125%である。例えば、AUCは、約1440ng・h/L、1500ng・h/L、約1600ng・h/L、約1700ng・h/L、約1800ng・h/L、約1900ng・h/L、約2000ng・h/L、約2100ng・h/L、約2200ng・h/L、または約2250ng・h/Lである。
【0218】
さらなる実施形態(H)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、適切な量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされる、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、平均総デクスメデトミジン曝露は、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L、または約11875時間・ng/Lの約80%~約125%である。
【0219】
さらなる実施形態(I)では、本開示は、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、適切な量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされる、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療は、臨床的に有意な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、平均総デクスメデトミジン曝露は、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L、または約5500時間・ng/Lの約80%~約125%である。
【0220】
実施形態(A)~実施形態(I)の各々のいくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、経口、口粘膜(例えば、舌下、頬側)、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経皮、気管内、腹腔内、眼窩内、移植により、吸入により、髄腔内、脳室内、または鼻腔内投与され得る。
【0221】
実施形態(A)~(I)の各々のいくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口経路により対象に投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、舌下または頬側経路により投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤、特にフィルムの形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、フィルムは、左側または右側の舌根に近い舌下に配置される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム、パッチ、または錠剤、特にフィルムの形態で頬側投与される。いくつかの実施形態では、フィルムは、顎のラインに近い唇またはチェックの内側に配置される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、筋肉内注射の形態で対象に非経口投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、経口経路により対象に投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、錠剤、口腔内崩壊錠剤(ODT)、発泡性錠剤、カプセル剤、ペレット剤、丸剤、ロゼンジ剤またはトローチ剤、粉末剤、分散性顆粒、カシェ剤、水溶液、シロップ、乳濁液、懸濁液、溶液、軟質ゲル、分散剤などの形態で経口投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、口腔内崩壊錠剤の形態で対象に経口投与される。
【0222】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として対象に舌下投与され、激越または激越の兆候は、臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される。いくつかの実施形態では、激越または激越の兆候は、拡張期血圧が約60mmHgを下回ることなく及び/または心拍数が約50拍動/分を下回ることなく治療される。
【0223】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として対象に舌下投与され、激越または激越の兆候は、臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される。いくつかの実施形態では、激越または激越の兆候は、収縮期血圧が約80mmHgを下回ることなく及び/または拡張期血圧が約60mmHgを下回ることなく及び/または心拍数が約50拍動/分を下回ることなく治療される。
【0224】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約8時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、総デクスメデトミジン曝露は、約600~約9500ng・h/Lの約80%~約125%である。例えば、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L、または約11875時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、血漿中Tmax T0-T∞は、約1~約8時間の約80%~約125%である。例えば、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間、または約10時間である。
【0225】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたさられ、血漿中Tmaxが約1~約4時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、総デクスメデトミジン曝露は、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L、または約5500時間・ng/Lの約80%~約125%である。いくつかの実施形態では、血漿中Tmax-T∞は、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、または約5.0時間である。
【0226】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。例えば、Cmaxは、約240ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、または約625ng/Lであり、AUC 0-infは、約1840時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、または約4500時間・ng/Lである。
【0227】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約150ng/L~約350ng/L(例えば、約220ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1410ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。例えば、Cmaxは、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/Lであり、AUC 0-infは、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、または約2250時間・ng/Lである。
【0228】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約400ng/Lである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約3800ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約400ng/Lの約80%~約125%である。
【0229】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約200ng/Lである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約1800ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約200ng/Lの約80%~約125%である。
【0230】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約3800ng・h/Lの80%~約125%であり、血漿中Tmax中央値は、約2時間の約80%~約125%である。
【0231】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約1800ng・h/Lの80%~約125%であり、血漿中Tmax中央値は、約2時間の約80%~約125%である。
【0232】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約400ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約3800ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約400ng/Lの約80%~約125%であり、血漿中Tmax中央値は、約2時間の約80%~約125%である。
【0233】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約200ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約1800ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約200ng/Lの約80%~約125%であり、血漿中Tmax中央値は、約2時間の約80%~約125%である。
【0234】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Cmaxが約100ng/L~約800ng/Lである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約600ng・h/L~約9500ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%である。
【0235】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Cmaxが約110ng/L~約400ng/Lである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約590ng・h/L~約4400ng・h/Lの80%~約125%であり、平均血漿中Cmaxは、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%である。
【0236】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約8時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約600ng・h/L~約9500ng・h/Lの80%~約125%であり、血漿中Tmaxは、約1~約8時間の約80%~約125%である。
【0237】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約4時間である、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中AUC T0-T∞は、約5900ng・h/L~約4400ng・h/Lの80%~約125%であり、血漿中Tmaxは、約1~約4時間の約80%~約125%である。
【0238】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0239】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0240】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、状態(例えば、激越)の治療を必要とするヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、180μgまたは120μgの単位用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、平均して投与後約2.5時間以内に達成される最高濃度で急速な吸収がもたらされる、方法が提供される。
【0241】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中Tmaxは、約1時間~約8時間である。
【0242】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を舌下投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中Tmaxは、約1時間~約4時間である。
【0243】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中Tmaxは、約2時間である。
【0244】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に舌下投与することを含み、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約220ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1400ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、血漿中Tmaxは、約2時間である。
【0245】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約8時間である、方法が提供される。
【0246】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約4時間である、方法が提供される。
【0247】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0248】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約220ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1400ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0249】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約400ng/Lである、方法が提供される。
【0250】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約200ng/Lである、方法が提供される。
【0251】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3780ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0252】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0253】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約400ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0254】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、当該対象に、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、平均血漿中Cmaxが約200ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0255】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Cmaxが約100ng/L~約800ng/Lである、方法が提供される。
【0256】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Cmaxが約110ng/L~約400ng/Lである、方法が提供される。
【0257】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約8時間である、方法が提供される。
【0258】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590~約4400ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1~約4時間である、方法が提供される。
【0259】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0260】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、方法が提供される。
【0261】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/のAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxが約1時間~約8時間である、方法が提供される。
【0262】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を頬側投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxが約1時間~約4時間である、方法が提供される。
【0263】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxが約2時間である、方法が提供される。
【0264】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、当該対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を当該対象に頬側投与することを含み、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約200ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1400ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxが約2時間である、方法が提供される。
【0265】
ある特定の実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、筋肉内注射の形態で対象に非経口投与され、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約140μg~約190μgの用量で投与される。
【0266】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μg~約190μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を筋肉内投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされる、血漿中Tmaxが約5分~約4時間である、方法が提供される。
【0267】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μg~約190μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を筋肉内投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約5分~約4時間である、方法が提供される。
【0268】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μg~約190μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を筋肉内投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Cmaxが約200~約800ng/Lである、方法が提供される。
【0269】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μg~約190μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を筋肉内投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0270】
いくつかの実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約120μg~約190μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を静脈内投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約5分~約15分である、方法が提供される。
【0271】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に経口投与され、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約900μg~約1200μgの用量で投与される。
【0272】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約900μg~約1200μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を経口投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxが約1時間~約8時間である、方法が提供される。
【0273】
ある特定の実施形態では、有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約900μg~約1200μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を経口投与することを含み、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、Tmax中央値が約2時間である、方法が提供される。
【0274】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単回用量(例えば、単回単位用量または同時に投与される複数回単位用量)として投与される。
【0275】
本開示の別の実施形態は、約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0276】
本開示の別の実施形態は、約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。
【0277】
本開示の別の実施形態は、約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約2時間である。
【0278】
本開示の別の実施形態は、約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約200ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1400ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約2時間である。
【0279】
本開示の別の実施形態は、約180μg~約240μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxは約1~約8時間である。
【0280】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L、約500ng/L、約525ng/L、約550ng/L、約575ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L~約1000ng/Lであり、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L、約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L、約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L、約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L、約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1~約8時間である。例えば、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間である。
【0281】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L~約500ng/Lであり、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1~約4時間である。例えば、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間である。
【0282】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約1時間~約8時間である。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L~約1000ng/Lであり、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/Lであり、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間である。
【0283】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約1時間~約4時間である。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、及び475ng/L~約500ng/Lであり、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/Lであり、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間である。
【0284】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約300ng/L~約474ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約2時間である。例えば、Cmaxは、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L~約475ng/Lであり、AUC0-infは、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1~約4時間である。例えば、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間である。
【0285】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約200ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1400ng・h/L)のAUC T-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされ、血漿中Tmaxは約2時間である。例えば、Cmaxは、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、または約300ng/Lであり、AUC0-infは、約1100時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L~約1800時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1~約4時間である。例えば、Tmaxは、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間である。
【0286】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、血漿中AUC T-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxは約1~約8時間である。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L、約11750時間・ng/L、約12000時間・ng/L、約12250時間・ng/L、または約12600時間・ng/Lであり、Tmaxは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、または約8時間である。
【0287】
本開示の別の実施形態は、自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物がフィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムを提供し、統合失調症または双極性障害を有する対象に当該フィルムを舌下適用することにより、血漿中AUC T-T∞によって測定される、約590~約8750ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露がもたらされ、血漿中Tmaxは約1~約4時間である。例えば、AUC0-infは、約590時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L、約8500時間・ng/L、または約8750時間・ng/Lであり、Tmaxは、約1時間、約2時間、約3時間、または約4時間である。
【0288】
いくつかの実施形態では、統合失調症または双極性障害を有する患者における激越または激越の兆候は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前と投与した60分後の相対PECスコアによって測定される、120μgまたは180μgの単回用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩の投与後60分以内に有意に軽減される。
【0289】
いくつかの実施形態では、相対PECスコアは、少なくとも6ポイント異なる。別の実施形態では、相対PECスコアは、少なくとも8ポイント異なる。さらに別の実施形態では、相対PECスコアの差は、少なくとも6時間維持される。特定の実施形態では、少なくとも8ポイントの差は、180μgの単回用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を投与した場合、最大約24時間維持される。
【0290】
いくつかの実施形態では、PEC総スコアのベースラインからの変化によって測定される、180μgのデクスメデトミジン塩酸塩の投与後2時間時点でのPECスコア減少は、プラセボ(-4.5)と比較して-10.8である。いくつかの実施形態では、180μgの塩酸デクスメデトミジンの投与後2時間時点でのPECスコア減少は、120μg(-9.2)または80μg(-7.3)のデクスメデトミジン塩酸塩の投与と比較してより大きい(-10.8)。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、ヒト対象における激越または激越の兆候の発現直前または直後に投与される。
【0291】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、ヒト対象における激越または激越の兆候の発現後10分以内に投与される。いくつかの実施形態では、90μgまたは60μgの追加用量が初回投与の好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。
【0292】
いくつかの実施形態では、オピオイド離脱症状(例えば、激越または激越の兆候)を経験するヒト対象に約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または約180μgの単位用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与した後に、離脱症状は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前と投与した2時間後の相対COWS及び/またはSOWS-Gossopスコアによって測定されるように、有意に軽減される。特定の実施形態では、単位は各々、適切な離脱期間(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間)にわたって1日2回投与され得る。
【0293】
ある特定の実施形態では、(例えば、集中治療室に)入院しているせん妄を有する激越状態のヒト対象に約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を投与した後に、激越または激越の兆候及びせん妄重症度は、それぞれ、RASS及びDRS-R-98によって測定されるように、有意に軽減される。例えば、激越または激越の兆候及びせん妄重症度は、デクスメデトミジンを投与する直前と投与後30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、または6時間毎のRASS及びDRS-R-98によって測定されるように、有意に軽減される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンは、初回投与の6時間以内に適切な投与間隔で(例えば、30分毎に)1日1~4回口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与されて、所望の効果をもたらすことができ、例えば、20μg単位用量が初回投与の6時間以内に30時間の投与間隔で4回投与されて80μg用量の効果をもたらすか、または60μg単位用量が初回投与の6時間以内に30分の投与間隔で4回投与されて240μgの効果をもたらす。
【0294】
いくつかの実施形態では、認知症を有する激越状態のヒト対象に約30μg~約90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を投与した後に、激越または激越の兆候は、PAS及びPECによって測定されるように、有意に軽減される。例えば、激越または激越の兆候は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前と投与後最大少なくとも24時間までの2時間毎のPAS及びPECによって測定されるように、有意に軽減される。一実施形態では、デクスメデトミジンは、口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。いくつかの実施形態では、単位用量は各々、約30μg~60μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、ある用量のデクスメデトミジンは、2時間毎に1日1、2、3、4、5、または6回服用され得るが、ただし、初回投与の12時間以内に最大3回の服用を条件とする。いくつかの実施形態では、約90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量は各々、2時間毎に1日1、2、3、または4回服用され得るが、ただし、初回投与の12時間以内に最大2回の服用を条件とする。
【0295】
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルムとして口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される。いくつかの実施形態では、投与は、半用量を送達するためにフィルムを半分に切断することによって達成され得る(例えば、60μg用量が60μg用量の半分(30μg)とともに投与されて、90μg用量にしてもよい)。
【0296】
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0297】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この組成物は、様々な手段で投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)または薬学的に許容される塩を含む組成物は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、舌下または頬側投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される。
【0298】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この方法は、約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量のデクスメデトミジンを投与することをさらに含み得る。例えば、この期間は、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間であり得る。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約2時間後に投与される。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約10μg~約180μgの範囲である。例えば、追加用量は、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170、または約180μgであり得る。いくつかの実施形態では、追加用量は、約60μgまたは90μgである。
【0299】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この単位用量組成物は、絶食状態にある患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、単位用量組成物は、摂食状態で投与されている。
【0300】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、激越は、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(Negative Syndrome Scale Excited Component)(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、約45分~約1時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、45分未満(例えば、約15分、約20分、約25分、約30分)で有意に軽減される。いくつかの実施形態では、患者は、ベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する。例えば、患者は、ベースラインから約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%以上を経験する。治療有効性は、PECスコアをプラセボと比較することによって比較される場合もある。いくつかの実施形態では、PECスコアは、プラセボよりも30%以上低い(例えば、プラセボ群は-3のPEC総スコアのベースラインからの平均変化を有し、デクスメデトミジン含有組成物は-3.9のスコアを有する)。例えば、プラセボと比較して、患者のPECスコアは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、または約200%以上低い。いくつかの実施形態では、患者は、組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して約-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)の平均PECスコア変化を経験する。例えば、2時間時点で、患者は、約-4、約-5、約-6、約-7、約-8、約-9、約-10、約-11、または約-12超の平均PECスコア変化を経験し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間実質的に維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-4、約-5、または約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、平均PECスコア変化は、-8以上であり、組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される。
【0301】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、対象は、有意な鎮静作用を経験することなく治療される。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される。
【0302】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約88ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、または約500ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)の平均Cmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約100ng/L~約500ng/L、約150ng/L~約450ng/L、約150ng/L~約400ng/L、約200ng/L~約350ng/L、約200ng/L~約300ng/L、約200ng/L~約250mg/L、または約210ng/L~約240ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。平均Cmaxは、約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約238ng/Lである。
【0303】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる。例えば、単回用量により、約475時間・ng/L、約500時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約5000時間・ng/L、または約5500時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)の平均AUC0-infがもたさられる。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、または約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約1800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約1800ng・h/Lである。
【0304】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間の平均Tmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0305】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均Cmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約88ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、または約500ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)の幾何平均Cmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約100ng/L~約500ng/L、約150ng/L~約450ng/L、約150ng/L~約400ng/L、約200ng/L~約350ng/L、約200ng/L~約300ng/L、約200ng/L~約250mg/L、または約210ng/L~約240ng/Lである。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約220ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約220ng/Lである。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約238ng/Lである。
【0306】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC0-infがもたらされる。例えば、単回用量により、約475時間・ng/L、約500時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約5000時間・ng/L、または約5500時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)の幾何平均AUC0-infがもたさられる。いくつかの実施形態では、幾何平均AUC0-infは、約500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、または約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、幾何平均AUC0-infは、約1410ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約1410ng・h/Lである。
【0307】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間の幾何平均Tmaxがもたらされる。いくつかの実施形態では、幾何平均Tmaxは、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0308】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内のCmax中央値がもたらされる。例えば、単回用量により、約88ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、または約500ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)のCmax中央値がもたらされる。いくつかの実施形態では、平均Cmax中央値は、約100ng/L~約500ng/L、約150ng/L~約450ng/L、約150ng/L~約400ng/L、約200ng/L~約350ng/L、約200ng/L~約300ng/L、約200ng/L~約250mg/L、または約210ng/L~約240ng/Lである。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約230ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約230ng/Lである。
【0309】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC0-inf中央値がもたらされる。例えば、単回用量により、約475時間・ng/L、約500時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約5000時間・ng/L、または約5500時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)のAUC0-inf中央値がもたさられる。いくつかの実施形態では、AUC0-inf中央値は、約500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1250時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1200時間・ng/L、約1100時間・ng/L~約1200時間・ng/L、または約1150時間・ng/L~約1250時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、AUC0-inf中央値は、約1180ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、AUC0-inf中央値は、約1180ng・h/Lである。
【0310】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内のTmax中央値がもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間~約5.0時間のTmax中央値がもたらされる。いくつかの実施形態では、Tmax中央値は、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmax中央値は、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmax中央値は、約2時間である。
【0311】
約120μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、前述の薬物動態パラメータは、非定常状態である。
【0312】
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約180μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0313】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この組成物は、様々な手段で投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)または薬学的に許容される塩を含む組成物は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、舌下または頬側投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される。
【0314】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この方法は、約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量のデクスメデトミジンを投与することをさらに含み得る。例えば、この期間は、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間であり得る。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約2時間後に投与される。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約10μg~約180μgの範囲である。例えば、追加用量は、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170、または約180μgであり得る。いくつかの実施形態では、追加用量は、約60μgまたは90μgである。
【0315】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この単位用量組成物は、絶食状態にある患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、単位用量組成物は、摂食状態で投与されている。
【0316】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、激越は、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、約45分~約1時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、45分未満(例えば、約15分、約20分、約25分、約30分)で有意に軽減される。いくつかの実施形態では、患者は、ベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する。例えば、患者は、ベースラインから約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%以上を経験する。治療有効性は、PECスコアをプラセボと比較することによって比較される場合もある。いくつかの実施形態では、PECスコアは、プラセボよりも30%以上低い(例えば、プラセボ群は-3のPEC総スコアのベースラインからの平均変化を有し、デクスメデトミジン含有組成物は-3.9のスコアを有する)。例えば、プラセボと比較して、患者のPECスコアは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、または約200%以上低い。いくつかの実施形態では、患者は、組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して約-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)の平均PECスコア変化を経験する。例えば、2時間時点で、患者は、約-4、約-5、約-6、約-7、約-8、約-9、約-10、約-11、または約-12超の平均PECスコア変化を経験し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間実質的に維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-4、約-5、または約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、平均PECスコア変化は、-8以上であり、組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される。
【0317】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、対象は、有意な鎮静作用を経験することなく治療される。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される。
【0318】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約100ng/L~約1000ng/L、約100ng/L~約800ng/L、約200ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約500ng/L、約350ng/L~約500ng/L、約300ng/L~約450ng/L、約400ng/L~約500ng/L、または約400ng/L~約450ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約440ng/Lである。
【0319】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、AUC0-infは、約500時間・ng/L~約10000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約6000時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約2500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、または約2500時間・ng/L~約3000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約3800ng・h/Lである。
【0320】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間の平均Tmaxがもたさられる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約8時間、約1時間~約6時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0321】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均Cmaxがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約100ng/L~約1000ng/L、約100ng/L~約800ng/L、約200ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約500ng/L、約350ng/L~約500ng/L、約300ng/L~約450ng/L、約400ng/L~約500ng/L、約400ng/L~約450ng/L、約350ng/L~約450ng/L、または約350ng/L~約400ng/Lである。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約380ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、幾何平均Cmaxは、約380ng/Lである。
【0322】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC0-infがもたらされる。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、AUC0-infは、約500時間・ng/L~約10000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約6000時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約2500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、または約2500時間・ng/L~約3000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、幾何平均AUC0-infは、約2880ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、幾何平均AUC0-infは、約2880ng・h/Lである。
【0323】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間の幾何平均Tmaxがもたさられる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約8時間、約1時間~約6時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、幾何平均Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、幾何平均Tmaxは、約2時間である。
【0324】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内のCmax中央値がもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約100ng/L~約1000ng/L、約100ng/L~約800ng/L、約200ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約500ng/L、約350ng/L~約500ng/L、約300ng/L~約450ng/L、約400ng/L~約500ng/L、約400ng/L~約450ng/L、約450ng/L~約500ng/L、約470ng/L~約490ng/Lである。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約485ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Cmax中央値は、約485ng/Lである。
【0325】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC0-inf中央値がもたらされる。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、AUC0-infは、約500時間・ng/L~約10000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約6000時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約2500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、または約2500時間・ng/L~約3000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、AUC0-inf中央値は、約2900ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、AUC0-inf中央値は、約2900ng・h/Lである。
【0326】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内のTmax中央値がもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間のTmax中央値がもたさられる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約8時間、約1時間~約6時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0327】
約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、前述の薬物動態パラメータは、非定常状態である。
【0328】
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120~約180μgのデクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有し、いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害(例えば、I型双極性障害を有し、いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症及び双極性障害(例えば、I型双極性障害)の両方を有する。
【0329】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この組成物は、様々な手段で投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デクスメデトミジン(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)または薬学的に許容される塩を含む組成物は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、舌下または頬側投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される。
【0330】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この方法は、約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量のデクスメデトミジンを投与することをさらに含み得る。例えば、この期間は、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、または約23時間であり得る。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約2時間後に投与される。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約10μg~約180μgの範囲である。例えば、追加用量は、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約110μg、約120μg、約130μg、約140μg、約150μg、約160μg、約170、または約180μgであり得る。いくつかの実施形態では、追加用量は、約60μgまたは90μgである。
【0331】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、この単位用量組成物は、絶食状態にある患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、単位用量組成物は、摂食状態で投与されている。
【0332】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、激越は、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、約45分~約1時間以内に有意に軽減される。いくつかの実施形態では、激越は、45分未満(例えば、約15分、約20分、約25分、約30分)で有意に軽減される。いくつかの実施形態では、患者は、ベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する。例えば、患者は、ベースラインから約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%以上を経験する。治療有効性は、PECスコアをプラセボと比較することによって比較される場合もある。いくつかの実施形態では、PECスコアは、プラセボよりも30%以上低い(例えば、プラセボ群は-3のPEC総スコアのベースラインからの平均変化を有し、デクスメデトミジン含有組成物は-3.9のスコアを有する)。例えば、プラセボと比較して、患者のPECスコアは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、または約200%以上低い。いくつかの実施形態では、患者は、組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して約-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)の平均PECスコア変化を経験する。例えば、2時間時点で、患者は、約-4、約-5、約-6、約-7、約-8、約-9、約-10、約-11、または約-12超の平均PECスコア変化を経験し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間実質的に維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-4、約-5、または約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、平均PECスコア変化は、-8以上であり、組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される。
【0333】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、対象は、有意な鎮静作用を経験することなく治療される。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される。
【0334】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約100ng/L~約1000ng/L、約100ng/L~約800ng/L、約200ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約500ng/L、約350ng/L~約500ng/L、約300ng/L~約450ng/L、約400ng/L~約500ng/L、または約400ng/L~約450ng/L、約100ng/L~約500ng/L、約150ng/L~約450ng/L、約150ng/L~約400ng/L、約200ng/L~約350ng/L、約200ng/L~約300ng/L、約200ng/L~約250mg/L、または約210ng/L~約240ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、200ng/L~約500ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約230ng/L~約440ng/Lである。
【0335】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、AUC0-infは、約500時間・ng/L~約10000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約6000時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約2500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、または約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約3500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、または約2500時間・ng/L~約3000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約3800ng・h/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、1800ng・h/L~約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。
【0336】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間の平均Tmaxがもたさられる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約8時間、約1時間~約6時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0337】
約120μg~約180μgのデクスメデトミジンを含む単位用量組成物を投与することを含む激越を治療する方法のいくつかの実施形態によれば、前述の薬物動態パラメータは、非定常状態である。
【0338】
いくつかの実施形態では、本開示は、オピオイド離脱症状を治療するまたは改善する方法であって、それを必要とするヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む組成物を投与することを含み、患者が少なくとも18歳であり、離脱期間が最大14日間である、方法を提供する。「オピオイド離脱」とは、通常のオピオイド投薬量の突然の除去またはその急激な減少とともに現れる様々な兆候及び訴えを指す。物理的徴候には、発汗、嘔気、あくび、悪寒、下痢、乳頭膨張、立毛、頻脈、血圧上昇、痛覚過敏、胃けいれん、及び筋けいれんが含まれ得る。観察されるオピオイド離脱の心理学的徴候には、激越、不快、不穏、易怒性、不安、及びうつが含まれ得る。いくつかの実施形態では、オピオイド離脱症状は、激越である。発症は、多くの場合、オピオイドの最終使用から6~24時間以内に始まる。いくつかの実施形態では、オピオイド離脱の治療または改善とは、前述の症状のうちの1つ以上の治療または軽減を指す。治療または改善は、臨床オピエート離脱尺度(COWS)及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度(SOWS-Gossop)スコアを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で周知の様々な手段によって測定され得る。
【0339】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、オピオイド離脱症状に関連する激越を治療または改善する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療または改善は、オピオイド離脱期間を短縮することを含む。例えば、本開示の実施形態に従って治療された患者は、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、または約14日間のオピオイド離脱期間を経験し得、本開示の実施形態に従って治療されなかった同様の患者は、より長いオピオイド離脱治療期間を有するであろう。
【0340】
いくつかの実施形態では、本組成物は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、約30μg~約200μgの用量範囲のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。例えば、本組成物は、約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または180μgの単位用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の単回用量は、最大少なくとも約24時間有効である。いくつかの実施形態では、本組成物は、7日間にわたって1日2回投与される。
【0341】
いくつかの実施形態では、患者は、オピオイド離脱に罹患しており、オピオイドは、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、及びペンタゾシンのうちの1つである。いくつかの実施形態では、オピオイドは、フェンタニルである。いくつかの実施形態では、オピオイドは、離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた。
【0342】
いくつかの実施形態では、本組成物は、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルムの形態で舌下投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルムの形態で頬側投与される。いくつかの実施形態では、患者は、臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される。
【0343】
いくつかの実施形態では、本開示は、約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンの用量は、約120μgである。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンの用量は、約180μgである。
【0344】
いくつかの実施形態では、本組成物は、舌下または頬側投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、本組成物は、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、本組成物は、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与用に製剤化される。
【0345】
いくつかの実施形態では、約20μg~約240μgのデクスメデトミジンを含む医薬組成物が統合失調症または双極性障害に関連する激越を有する患者に投与され、激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される。例えば、激越は、30分、45分、1時間、90分、または約2時間で有意に軽減される。いくつかの実施形態では、患者は、ベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する。例えば、患者は、ベースラインから約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%以上を経験する。治療有効性は、PECスコアをプラセボと比較することによって比較される場合もある。いくつかの実施形態では、PECスコアは、プラセボよりも30%以上低い(例えば、プラセボ群は-3のPEC総スコアのベースラインからの平均変化を有し、デクスメデトミジン含有組成物は-3.9のスコアを有する)。例えば、プラセボと比較して、患者のPECスコアは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、または約200%以上低い。いくつかの実施形態では、患者は、組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して約-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)の平均PECスコア変化を経験する。例えば、2時間時点で、患者は、約-4、約-5、約-6、約-7、約-8、約-9、約-10、約-11、または約-12超の平均PECスコア変化を経験し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、約-4超の)PECスコア減少は、組成物の投与後少なくとも6時間維持される。例えば、患者が2時間時点で(例えば、-6の)PEC総スコアのベースラインからの平均変化を経験する場合、6時間時点で、患者の平均PECスコア変化は、約-6以下(例えば、-7、-8など)である。いくつかの実施形態では、平均PECスコア変化は、-8以上であり、組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される。
【0346】
約20μg~約240μgのデクスメデトミジンを含む医薬組成物のいくつかの実施形態によれば、対象は、有意な鎮静作用を経験することなく治療される。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される。
【0347】
約20μg~約240μgのデクスメデトミジンを含む医薬組成物の単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる。例えば、Cmaxは、約80ng/L、約100ng/L、約125ng/L、約150ng/L、約175ng/L、約200ng/L、約225ng/L、約250ng/L、約275ng/L、約300ng/L、約325ng/L、約350ng/L、約375ng/L、約400ng/L、約425ng/L、約450ng/L、約475ng/L、約500ng/L、約600ng/L、約625ng/L、約650ng/L、約675ng/L、約700ng/L、約725ng/L、約750ng/L、約775ng/L、約800ng/L、約825ng/L、約850ng/L、約875ng/L、約900ng/L、約925ng/L、約950ng/L、約975ng/L、または約1000ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約100ng/L~約1000ng/L、約100ng/L~約800ng/L、約200ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約600ng/L、約300ng/L~約500ng/L、約350ng/L~約500ng/L、約300ng/L~約450ng/L、約400ng/L~約500ng/L、または約400ng/L~約450ng/L、約100ng/L~約500ng/L、約150ng/L~約450ng/L、約150ng/L~約400ng/L、約200ng/L~約350ng/L、約200ng/L~約300ng/L、約200ng/L~約250mg/L、または約210ng/L~約240ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、200ng/L~約500ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均Cmaxは、約230ng/L~約440ng/Lである。
【0348】
約20μg~約240μgのデクスメデトミジンを含む医薬組成物の単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる。例えば、AUC0-infは、約470時間・ng/L、約500時間・ng/L、約600時間・ng/L、約700時間・ng/L、約800時間・ng/L、約900時間・ng/L、約1000時間・ng/L、約1250時間・ng/L、約1500時間・ng/L、約1750時間・ng/L、約2000時間・ng/L、約2250時間・ng/L、約2500時間・ng/L、約2750時間・ng/L、約3000時間・ng/L、約3250時間・ng/L、約3500時間・ng/L、約3750時間・ng/L、約4000時間・ng/L、約4250時間・ng/L、約4500時間・ng/L、約4750時間・ng/L、約5000時間・ng/L、約5250時間・ng/L~約5500時間・ng/L、約5750時間・ng/L、約6000時間・ng/L、約6250時間・ng/L~約6500時間・ng/L、約6750時間・ng/L、約7000時間・ng/L、約7250時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約7750時間・ng/L、約8000時間・ng/L、約8250時間・ng/L~約8500時間・ng/L、約8750時間・ng/L、約9000時間・ng/L、約9250時間・ng/L、約9500時間・ng/L、約9750時間・ng/L、約10000時間・ng/L、約10250時間・ng/L、約10500時間・ng/L、約10750時間・ng/L、約11000時間・ng/L、約11250時間・ng/L、約11500時間・ng/L~約11875時間・ng/L(それらの間の全ての整数及び範囲を含む)である。いくつかの実施形態では、AUC0-infは、約500時間・ng/L~約10000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約7500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約6000時間・ng/L、約1500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約2000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約2500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約3000時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約5000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、約500時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約3000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2500時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約1000時間・ng/L~約1500時間・ng/L、または約1500時間・ng/L~約2000時間・ng/L、約3500時間・ng/L~約4000時間・ng/L、または約2500時間・ng/L~約3000時間・ng/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、約3800ng・h/Lである。いくつかの実施形態では、平均AUC0-infは、1800ng・h/L~約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である。
【0349】
約20μg~約240μgのデクスメデトミジンを含む医薬組成物の単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる。例えば、単回用量により、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2.0時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3.0時間、約3.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4.0時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5.0時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、約6.0時間、約6.25時間、約6.5時間、約6.75時間、約7.0時間、約7.25時間、約7.5時間、約7.75時間、約8.0時間、約8.25時間、約8.5時間、約8.75時間、約9.0時間、約9.25時間、約9.5時間、約9.75時間~約10時間の平均Tmaxがもたさられる。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約1時間~約8時間、約1時間~約6時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1.5時間~約3時間、約1.75時間~約2.5時間、約1.75時間~約2.25時間である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間の約80%~約125%の範囲内である。いくつかの実施形態では、Tmaxは、約2時間である。
【0350】
いくつかの実施形態では、前述の薬物動態パラメータは、非定常状態である。
【0351】
いくつかの実施形態では、本開示は、臨床全般印象-改善度尺度によって測定されるように、クスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む組成物の投与後2時間以内に1(非常に改善された)または2(かなり改善された)に激越を軽減する方法を提供する。いくつかの実施形態では、激越は、約30分~約1時間以内に軽減される。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、約2時間を超えて維持される。例えば、激越の軽減は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23、または約24時間にわたって維持される。いくつかの実施形態では、本組成物は、約120μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約180μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害を有する。
【0352】
いくつかの実施形態では、本開示は、激越沈静評価尺度(ACES)によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の投与後2時間以内に3(軽度の激越)または4(正常挙動)に激越を軽減する方法を提供する。いくつかの実施形態では、激越は、約30分~約1時間以内に軽減される。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、4(正常挙動)に軽減される。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、約2時間を超えて維持される。例えば、激越の軽減は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間にわたって維持される。いくつかの実施形態では、本組成物は、約120μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約180μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害を有する。
【0353】
いくつかの実施形態では、本開示は、PEC尺度によって測定される、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の投与後2時間以内に激越の40%以上の軽減を達成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、激越は、約30分~約1時間以内に軽減される。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%以上である。いくつかの実施形態では、激越の軽減は、約2時間を超えて維持される。例えば、激越の軽減は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間にわたって維持される。いくつかの実施形態では、本組成物は、約120μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、約180μgのデクスメデトミジンを含む。いくつかの実施形態では、患者は、統合失調症を有する。いくつかの実施形態では、患者は、双極性障害を有する。
【0354】
いくつかの実施形態では、本開示は、双極性障害または統合失調症対象を有する対象における激越のPECスコア減少をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、PECスコア減少が約-8~約-10であり、持続期間が約2時間~約6時間である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120μgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180μgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、PECスコア減少は、約-8、約-9、または約-10である。
【0355】
いくつかの実施形態では、本開示は、双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるACESスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、ACESスコアが約3~約4に改善され、持続期間が約2時間~約6時間である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180mcgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、ACESスコアは、約4である。
【0356】
いくつかの実施形態では、本開示は、双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるCGI-Iスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、CGI-Iスコアが約1(非常に改善された)または約2(かなり改善された)に改善され、持続期間が約2時間~約6時間である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120μgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約180μgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。いくつかの実施形態では、CGI-Iスコアは、約1である。
【0357】
具体的な実施形態:
実施形態1.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0358】
実施形態2.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約600~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0359】
実施形態3.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0360】
実施形態4.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T0-T∞によって測定される、約590ng・h/L~約8750ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0361】
実施形態5.前記激越または激越の兆候が統合失調症に関連する、実施形態1~4に記載の方法。
【0362】
実施形態6.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される、実施形態1~4に記載の方法。
【0363】
実施形態7.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が舌下または頬側投与される、実施形態6に記載の方法。
【0364】
実施形態8.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が舌下投与される、実施形態6に記載の方法。
【0365】
実施形態9.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態6に記載の方法。
【0366】
実施形態10.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、実施形態6に記載の方法。
【0367】
実施形態11.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が頬側投与される、実施形態6に記載の方法。
【0368】
実施形態12.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態6に記載の方法。
【0369】
実施形態13.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が非経口投与される、実施形態6に記載の方法。
【0370】
実施形態14.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、筋肉内注射の形態で非経口投与される、実施形態13に記載の方法。
【0371】
実施形態15.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が経口投与される、実施形態6に記載の方法。
【0372】
実施形態16.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が単回用量として投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0373】
実施形態17.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0374】
実施形態18.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として投与される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0375】
実施形態19.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が約140~190μgの用量で投与される、実施形態14に記載の方法。
【0376】
実施形態20.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が約900~1200μgの用量で投与される、実施形態15に記載の方法。
【0377】
実施形態21.激越または激越の兆候が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0378】
実施形態22.激越または激越の兆候がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0379】
実施形態23.激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの有意な相対変化によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0380】
実施形態24.前記相対PECスコアが少なくとも6ポイント異なる、実施形態23に記載の方法。
【0381】
実施形態25.前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なる、実施形態23に記載の方法。
【0382】
実施形態26.前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態24または25に記載の方法。
【0383】
実施形態27.前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態23に記載の方法。
【0384】
実施形態28.平均血漿中Cmaxが約400ng/Lである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0385】
実施形態29.血漿中Tmax中央値が約2.0時間である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0386】
実施形態30.平均血漿中Cmaxが約400ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2.0時間である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0387】
実施形態31.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が舌下投与される、実施形態28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0388】
実施形態32.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、実施形態28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0389】
実施形態33.血漿中Cmaxが約100~約1100ng/Lである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0390】
実施形態34.血漿中Cmaxが約200~約800ng/Lである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0391】
実施形態35.血漿中Cmaxが約3000~約5000ng/Lである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0392】
実施形態36.血漿中Tmaxが約1~約8時間である、実施形態33~35のいずれか1つに記載の方法。
【0393】
実施形態37.血漿中Tmaxが約5分~約4時間である、実施形態33~35のいずれか1つに記載の方法。
【0394】
実施形態38.血漿中Tmaxが約5~約15分である、実施形態33~35のいずれか1つに記載の方法。
【0395】
実施形態39.ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約300ng/L~約500ng/L(例えば、約400ng/L)のCmax及び約2300ng・h/L~約3600ng・h/L(例えば、約2900ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
【0396】
実施形態40.ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
【0397】
実施形態41.ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約150ng/L~約300ng/L(例えば、約220ng/L)のCmax及び約1100ng・h/L~約1800ng・h/L(例えば、約1420ng・h/L)のAUC T0-T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
【0398】
実施形態42.ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約590時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T0-T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
【0399】
実施形態43.前記状態が激越または激越の兆候である、実施形態39~42に記載の方法。
【0400】
実施形態44.前記激越または激越の兆候が統合失調症または双極性障害に関連する、実施形態39~43に記載の方法。
【0401】
実施形態45.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が口粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される、実施形態39~44のいずれか1つに記載の方法。
【0402】
実施形態46.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態45に記載の方法。
【0403】
実施形態47.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で投与される、実施形態46に記載の方法。
【0404】
実施形態48.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が頬側投与される、実施形態45に記載の方法。
【0405】
実施形態49.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチまたは錠剤の形態で口腔内投与される、実施形態48に記載の方法。
【0406】
実施形態50.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で投与される、実施形態49に記載の方法。
【0407】
実施形態51.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が単回用量として投与される、実施形態39~50のいずれか1つに記載の方法。
【0408】
実施形態52.前記対象が有意な鎮静作用を誘発することもなく治療される、実施形態39~51のいずれか1つに記載の方法。
【0409】
実施形態53.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、実施形態39~52のいずれか1つに記載の方法。
【0410】
実施形態54.激越または激越の兆候がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、実施形態43~53のいずれか1つに記載の方法。
【0411】
実施形態55.激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの相対PECスコアによって測定される、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、実施形態43~54のいずれか1つに記載の方法。
【0412】
実施形態56.前記相対PECスコアが少なくとも6ポイント異なる、実施形態55に記載の方法。
【0413】
実施形態57.前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なる、実施形態55に記載の方法。
【0414】
実施形態58.前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態56または57に記載の方法。
【0415】
実施形態59.前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態55に記載の方法。
【0416】
実施形態60.血漿中Tmax中央値が約2時間である、実施形態39~59のいずれか1つに記載の方法。
【0417】
実施形態61.血漿中Tmaxが約1~約8時間である、実施形態39~59のいずれか1つに記載の方法。
【0418】
実施形態62.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0419】
実施形態63.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0420】
実施形態64.以前起こった激越事象の約24時間以内に、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象におけるさらなる激越事象を軽減するまたはその発生を予防する方法であって、以前起こった前記激越事象の直後に単回用量として約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0421】
実施形態65.以前起こった激越事象の約24時間以内に、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象におけるさらなる激越事象を軽減するまたはその発生を予防する方法であって、以前起こった前記激越事象の直後に単回用量として約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
【0422】
実施形態66.前記激越または激越の兆候が統合失調症に関連する、実施形態62または63に記載の方法。
【0423】
実施形態67.有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約30μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも2時間の投与間隔で1日1~6回口粘膜投与することを含む、前記方法。
【0424】
実施形態68.有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約60μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも2時間の投与間隔で1日1~6回口粘膜投与することを含む、前記方法。
【0425】
実施形態69.有意な鎮静作用を誘発することもなく、認知症を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約90μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも2時間の投与間隔で1日1~4回口粘膜投与することを含む、前記方法。
【0426】
実施形態70.有意な鎮静作用を誘発することもなく、集中治療室に入院しているせん妄を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約20μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を初回投与の6時間以内に少なくとも30分の投与間隔で1~4回口粘膜投与することを含む、前記方法。
【0427】
実施形態71.有意な鎮静作用を誘発することもなく、集中治療室に入院しているせん妄を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、約60μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を初回投与の6時間以内に少なくとも30分の投与間隔で1~4回口粘膜投与することを含む、前記方法。
【0428】
実施形態72.オピオイド離脱期間の短縮を必要とする少なくとも18歳のヒト対象に前記離脱期間にわたってデクスメデトミジンを1日2回投与することによって前記オピオイド離脱期間を短縮する方法であって、前記離脱期間が最大14日間である、前記方法。
【0429】
実施形態73.前記デクスメデトミジンが30μg~約200μgの用量範囲で投与される、実施形態72に記載の方法。
【0430】
実施形態74.前記デクスメデトミジンが、約30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの単位用量で投与される、実施形態73に記載の方法。実施形態75.前記離脱期間が、最大13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間である、実施形態72に記載の方法。
【0431】
実施形態76.前記オピオイドが、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、またはペンタゾシンからなる群から選択される、実施形態72に記載の方法。
【0432】
実施形態77.前記オピオイドが離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた、実施形態72に記載の方法。
【0433】
実施形態78.有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約120μgまたは約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む口粘膜フィルムを投与することを含む、前記方法。
【0434】
実施形態79.前記対象が、非経口経路(静脈内、筋肉内、皮下注射、または静脈内注入)によりデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の液体製剤を事前に投与されている、実施形態78に記載の方法。
【0435】
実施形態80.前記口粘膜投与が、非経口経路によるデクスメデトミジンの液体製剤の事前投与後3~5時間以内に起こる、実施形態78及び79のいずれかに記載の方法。
【0436】
実施形態81.前記非経口投与が、口粘膜フィルムの事前投与後3~5時間以内に起こる、実施形態78に記載の方法。
【0437】
実施形態82.前記液体製剤が、オートインジェクターを備えた患者による自己投与用の使い捨てシリンジに予充填されている、実施形態79に記載の方法。
【0438】
実施形態83.前記対象が抗精神病薬で現在併用治療されている、実施形態78に記載の方法。
【0439】
実施形態84.前記抗精神病薬が、アリピプラゾール、ベンペリドール、フルペンチキソール、アミスルプリド、クロルプロマジン、アセナピン、リスペリドン、ジプラシドン、ルラシドン、クロザピン、カリプラジン、オランザピン、及びクエチアピンから選択されるが、これらに限定されない、実施形態83に記載の方法。好ましい実施形態では、前記抗精神病薬は、アリピプラゾールである。
【0440】
実施形態85.前記対象の改善が、前記治療後に臨床オピエート離脱尺度及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度を使用して(例えば、10日間にわたって)評価される、実施形態72に記載の方法。
【0441】
実施形態86.せん妄の重症度変化がDRS-R-98尺度を使用して測定される、実施形態70または71に記載の方法。
【0442】
実施形態87.激越の変化がRASS尺度を使用してモニタリングされる、実施形態70または71に記載の方法。
【0443】
実施形態88.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、口粘膜(例えば、舌下、頬側)、経口、鼻腔内、または非経口投与される、実施形態62、63、64、65のいずれか1つに記載の方法。
【0444】
実施形態89.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で口粘膜(例えば、舌下または側)投与される、実施形態67、68、69、70、71、及び72のいずれか1つに記載の方法。
【0445】
実施形態90.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態89に記載の方法。
【0446】
実施形態91.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、実施形態90に記載の方法。
【0447】
実施形態92.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態89に記載の方法。
【0448】
実施形態93.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で頬側投与される、実施形態92に記載の方法。
【0449】
実施形態94.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、静脈内もしくは筋肉内注射または静脈内注入の形態で非経口投与される、実施形態62~65に記載の方法。
【0450】
実施形態95.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が筋肉内注射により投与される、実施形態62~65に記載の方法。
【0451】
実施形態96.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、実施形態62~65に記載の方法。
【0452】
実施形態97.激越または激越の兆候が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、請求項62~65、67、68、69、70、71、及び72に記載の方法。
【0453】
実施形態98.約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の単回用量が最大少なくとも約24時間有効である、請求項62または請求項64に記載の方法。
【0454】
実施形態99.激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの有意な相対変化によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、実施形態62~65に記載の方法。
【0455】
実施形態100.前記相対PECスコアが少なくとも6ポイントまたは8ポイント異なる、実施形態99に記載の方法。
【0456】
実施形態101.前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態99または実施形態100に記載の方法。
【0457】
実施形態102.前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態99または実施形態100に記載の方法。
【0458】
実施形態103.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がフィルムとして投与され、前記フィルムが、
(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、任意選択的に、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む自己支持型溶解性フィルムである、関連先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0459】
実施形態104.(ii)が、低分子量水溶性ポリマーと、2つの高分子量水溶性ポリマーと、を含む、実施形態103に記載の方法。
【0460】
実施形態105.前記低分子量水溶性ポリマーが約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有し、高分子量水溶性ポリマーが各々、約60,000ダルトン超の分子量を有する、実施形態104に記載の方法。
【0461】
実施形態106.前記低分子量水溶性ポリマーが約40,000ダルトンの分子量を有し、前記2つの高分子量水溶性ポリマーの一方が約140,000ダルトンの分子量を有し、前記高分子量水溶性ポリマーの他方が約370,000ダルトンの分子量を有する、実施形態104に記載の方法。
【0462】
実施形態107.水溶性ポリマーが各々、ヒドロキシプロピルセルロースである、実施形態103~106のいずれか1つに記載の方法。
【0463】
実施形態108.前記フィルムがポリエチレンオキシドも含む、実施形態103~106のいずれか1つに記載の方法。
【0464】
実施形態109.前記ポリエチレンオキシドが約600,000ダルトンの分子量を有する、実施形態108に記載の方法。
【0465】
実施形態110.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がフィルムとして投与され、前記フィルムが、
(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む自己支持型溶解性フィルムである、関連先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0466】
実施形態111.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を除く前記フィルム成分が単層フィルム基材を形成し、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が前記フィルム基材の表面上に存在する、実施形態110に記載の方法。
【0467】
実施形態112.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、約140,000ダルトンの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーとを含む組成物中のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が前記フィルム基材の表面上に存在する、実施形態111に記載の方法。
【0468】
実施形態113.統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
【0469】
実施形態114.前記患者が統合失調症を有する、実施形態113に記載の方法。
【0470】
実施形態115.前記患者がI型双極性障害を有する、実施形態113または実施形態114に記載の方法。
【0471】
実施形態116.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態113~115のいずれか1つに記載の方法。
【0472】
実施形態117.前記組成物が舌下または頬側投与される、実施形態113~116のいずれか1つに記載の方法。
【0473】
実施形態118.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態117に記載の方法。
【0474】
実施形態119.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態117に記載の方法。
【0475】
実施形態120.約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、実施形態113~119のいずれか1つに記載の方法。
【0476】
実施形態121.前記追加用量が約60μgまたは90μgである、実施形態120に記載の方法。
【0477】
実施形態122.前記第2の用量が約2時間後に投与される、実施形態120または実施形態121に記載の方法。
【0478】
実施形態123.前記患者が摂食状態にある、実施形態113~122のいずれか1つに記載の方法。
【0479】
実施形態124.前記患者が絶食状態にある、実施形態113~122のいずれか1つに記載の方法。
【0480】
実施形態125.激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態113~124のいずれか1つに記載の方法。
【0481】
実施形態126.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態125に記載の方法。
【0482】
実施形態127.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態125または実施形態126に記載の方法。
【0483】
実施形態128.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態127に記載の方法。
【0484】
実施形態129.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態125~128のいずれか1つに記載の方法。
【0485】
実施形態130.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態129に記載の方法。
【0486】
実施形態131.前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態125~130のいずれか1つに記載の方法。
【0487】
実施形態132.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態131に記載の方法。
【0488】
実施形態133.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態131に記載の方法。
【0489】
実施形態134.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態125~133のいずれか1つに記載の方法。
【0490】
実施形態135.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、実施形態125~134のいずれか1つに記載の方法。
【0491】
実施形態136.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態113~135のいずれか1つに記載の方法。
【0492】
実施形態137.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態113~136のいずれか1つに記載の方法。
【0493】
実施形態138.単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる、実施形態113~137のいずれか1つに記載の方法。
【0494】
実施形態139.前記平均Cmaxが約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態138に記載の方法。
【0495】
実施形態140.前記平均Cmaxが約238ng/Lである、実施形態138に記載の方法。
【0496】
実施形態141.単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる、実施形態113~140のいずれか1つに記載の方法。
【0497】
実施形態142.前記平均AUC0-infが約1810ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態141に記載の方法。
【0498】
実施形態143.前記平均AUC0-infが約1810ng・h/Lである、実施形態141に記載の方法。
【0499】
実施形態144.単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる、実施形態113~143のいずれか1つに記載の方法。
【0500】
実施形態145.前記平均Tmaxが約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態144に記載の方法。
【0501】
実施形態146.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態144に記載の方法。
【0502】
実施形態147.単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均Cmaxがもたらされる、実施形態113~146のいずれか1つに記載の方法。
【0503】
実施形態148.前記幾何平均Cmaxが約220ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態147に記載の方法。
【0504】
実施形態149.前記幾何平均Cmaxが約220ng/Lである、実施形態147に記載の方法。
【0505】
実施形態150.単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC0-infがもたらされる、実施形態113~149のいずれか1つに記載の方法。
【0506】
実施形態151.前記幾何平均AUC0-infが約1410ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態150に記載の方法。
【0507】
実施形態152.前記幾何平均AUC0-infが約1410ng・h/Lである、実施形態150に記載の方法。
【0508】
実施形態153.単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均Tmaxがもたらされる、実施形態113~152のいずれか1つに記載の方法。
【0509】
実施形態154.前記幾何平均Tmaxが約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態153に記載の方法。
【0510】
実施形態155.前記幾何平均Tmaxが約2時間である、実施形態153に記載の方法。
【0511】
実施形態156.単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内のCmax中央値がもたらされる、実施形態113~155のいずれか1つに記載の方法。
【0512】
実施形態157.前記Cmax中央値が約230ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態156に記載の方法。
【0513】
実施形態158.前記Cmax中央値が約230ng/Lである、実施形態156に記載の方法。
【0514】
実施形態159.単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC0-inf中央値がもたらされる、実施形態113~158のいずれか1つに記載の方法。
【0515】
実施形態160.前記AUC0-inf中央値が約1180ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態159に記載の方法。
【0516】
実施形態161.前記AUC0-inf中央値が約1810ng・h/Lである、実施形態141に記載の方法。
【0517】
実施形態162.単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内のTmax中央値がもたらされる、実施形態113~161のいずれか1つに記載の方法。
【0518】
実施形態163.前記Tmax中央値が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態162に記載の方法。
【0519】
実施形態164.前記Tmax中央値が約2時間である、実施形態162に記載の方法。
【0520】
実施形態165.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態138~164のいずれか1つに記載の方法。
【0521】
実施形態166.統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
【0522】
実施形態167.前記患者が統合失調症を有する、実施形態166に記載の方法。
【0523】
実施形態168.前記患者がI型双極性障害を有する、実施形態166または実施形態167に記載の方法。
【0524】
実施形態169.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態166~168のいずれか1つに記載の方法。
【0525】
実施形態170.前記組成物が舌下または頬側投与される、実施形態166~169のいずれか1つに記載の方法。
【0526】
実施形態171.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態170に記載の方法。
【0527】
実施形態172.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態170に記載の方法。
【0528】
実施形態173.約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、実施形態166~172のいずれか1つに記載の方法。
【0529】
実施形態174.前記追加用量が約60μgまたは90μgである、実施形態173に記載の方法。
【0530】
実施形態175.前記第2の用量が約2時間後に投与される、実施形態8または実施形態174に記載の方法。
【0531】
実施形態176.前記患者が摂食状態にある、実施形態166~175のいずれか1つに記載の方法。
【0532】
実施形態177.前記患者が絶食状態にある、実施形態166~175のいずれか1つに記載の方法。
【0533】
実施形態178.激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態166~177のいずれか1つに記載の方法。
【0534】
実施形態179.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態178に記載の方法。
【0535】
実施形態180.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態178または実施形態179に記載の方法。
【0536】
実施形態181.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態180に記載の方法。
【0537】
実施形態182.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態178~181のいずれか1つに記載の方法。
【0538】
実施形態183.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態182に記載の方法。
【0539】
実施形態184.前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態178~183のいずれか1つに記載の方法。
【0540】
実施形態185.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態184に記載の方法。
【0541】
実施形態186.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態184に記載の方法。
【0542】
実施形態187.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態178~186のいずれか1つに記載の方法。
【0543】
実施形態188.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態178~187のいずれか1つに記載の方法。
【0544】
実施形態189.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態166~188のいずれか1つに記載の方法。
【0545】
実施形態190.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態166~189のいずれか1つに記載の方法。
【0546】
実施形態191.単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる、実施形態166~190のいずれか1つに記載の方法。
【0547】
実施形態192.前記平均Cmaxが約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態191に記載の方法。
【0548】
実施形態193.前記平均Cmaxが約440ng/Lである、実施形態191に記載の方法。
【0549】
実施形態194.単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる、実施形態166~193のいずれか1つに記載の方法。
【0550】
実施形態195.前記平均AUC0-infが約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態194に記載の方法。
【0551】
実施形態196.前記平均AUC0-infが約3800ng・h/Lである、実施形態194に記載の方法。
【0552】
実施形態197.単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる、実施形態166~196のいずれか1つに記載の方法。
【0553】
実施形態198.前記平均Tmaxが約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態197に記載の方法。
【0554】
実施形態199.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態197に記載の方法。
【0555】
実施形態200.単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均Cmaxがもたらされる、実施形態166~199のいずれか1つに記載の方法。
【0556】
実施形態201.前記幾何平均Cmaxが約380ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態200に記載の方法。
【0557】
実施形態202.前記幾何平均Cmaxが約380ng/Lである、実施形態200に記載の方法。
【0558】
実施形態203.単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC0-infがもたらされる、実施形態166~202のいずれか1つに記載の方法。
【0559】
実施形態204.前記幾何平均AUC0-infが約2880ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態203に記載の方法。
【0560】
実施形態205.前記幾何平均AUC0-infが約2880ng・h/Lである、実施形態203に記載の方法。
【0561】
実施形態206.単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均Tmaxがもたらされる、実施形態166~205のいずれか1つに記載の方法。
【0562】
実施形態207.前記幾何平均Tmaxが約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態206に記載の方法。
【0563】
実施形態208.前記幾何平均Tmaxが約2時間である、実施形態206に記載の方法。
【0564】
実施形態209.単回用量の投与により、約110ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内のCmax中央値がもたらされる、実施形態166~208のいずれか1つに記載の方法。
【0565】
実施形態210.前記Cmax中央値が約485ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態209に記載の方法。
【0566】
実施形態211.前記Cmax中央値が約485ng/Lである、実施形態209に記載の方法。
【0567】
実施形態212.単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC0-inf中央値がもたらされる、実施形態166~211のいずれか1つに記載の方法。
【0568】
実施形態213.前記AUC0-inf中央値が約2900ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態212に記載の方法。
【0569】
実施形態214.前記AUC0-inf中央値が約2900ng・h/Lである、実施形態194に記載の方法。
【0570】
実施形態215.単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内のTmax中央値がもたらされる、実施形態166~214のいずれか1つに記載の方法。
【0571】
実施形態216.前記Tmax中央値が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態215に記載の方法。
【0572】
実施形態217.前記Tmax中央値が約2時間である、実施形態215に記載の方法。
【0573】
実施形態218.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態191~217のいずれか1つに記載の方法。
【0574】
実施形態219.統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μg~約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
【0575】
実施形態220.前記患者が統合失調症を有する、実施形態219に記載の方法。
【0576】
実施形態221.前記患者がI型双極性障害を有する、実施形態219または実施形態220に記載の方法。
【0577】
実施形態222.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態219~221のいずれか1つに記載の方法。
【0578】
実施形態223.前記デクスメデトミジンの単位用量が約120μgである、実施形態219~222のいずれか1つに記載の方法。
【0579】
実施形態224.前記デクスメデトミジンの単位用量が約180μgである、実施形態219~222のいずれか1つに記載の方法。
【0580】
実施形態225.前記組成物が舌下または頬側投与される、実施形態219~224のいずれか1つに記載の方法。
【0581】
実施形態226.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態225に記載の方法。
【0582】
実施形態227.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態225に記載の方法。
【0583】
実施形態228.約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、実施形態219~227のいずれか1つに記載の方法。
【0584】
実施形態229.前記追加用量が約60μgまたは90μgである、実施形態228に記載の方法。
【0585】
実施形態230.前記第2の用量が約2時間後に投与される、実施形態228または実施形態229に記載の方法。
【0586】
実施形態231.激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態219~230のいずれか1つに記載の方法。
【0587】
実施形態232.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態231に記載の方法。
【0588】
実施形態233.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態231または実施形態232に記載の方法。
【0589】
234.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態233に記載の方法。
【0590】
実施形態235.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態231~234のいずれか1つに記載の方法。
【0591】
実施形態236.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態235に記載の方法。
【0592】
実施形態237.前記平均PECスコア変化がデクスメデトミジンの投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態231~236のいずれか1つに記載の方法。
【0593】
実施形態238.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態237に記載の方法。
【0594】
実施形態239.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態237に記載の方法。
【0595】
実施形態240.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態231~239のいずれか1つに記載の方法。
【0596】
実施形態241.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態231~240のいずれか1つに記載の方法。
【0597】
実施形態242.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態219~241のいずれか1つに記載の方法。
【0598】
実施形態243.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態219~242のいずれか1つに記載の方法。
【0599】
実施形態244.単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血漿濃度(Cmax)がもたらされる、実施形態219~243のいずれか1つに記載の方法。
【0600】
実施形態245.前記平均Cmaxが約200ng/L~約500ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態244に記載の方法。
【0601】
実施形態246.前記平均Cmaxが約230ng/L~約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態244に記載の方法。
【0602】
実施形態247.単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均濃度曲線下面積(AUC)0-infがもたらされる、実施形態219~246のいずれか1つに記載の方法。
【0603】
実施形態248.前記平均AUC0-infが1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態247に記載の方法。
【0604】
実施形態249.前記平均AUC0-infが1800ng・h/L~約3800時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態247に記載の方法。
【0605】
実施形態250.単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血中濃度到達時間(Tmax)がもたらされる、実施形態219~249のいずれか1つに記載の方法。
【0606】
実施形態251.前記平均Tmaxが約時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態250に記載の方法。
【0607】
実施形態252.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態250に記載の方法。
【0608】
実施形態253.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態244~252のいずれか1つに記載の方法。
【0609】
実施形態254.前記患者が摂食状態にある、実施形態219~253のいずれか1つに記載の方法。
【0610】
実施形態255.前記患者が絶食状態にある、実施形態219~253のいずれか1つに記載の方法。
【0611】
実施形態256.オピオイド離脱症状を治療するまたは改善する方法であって、それを必要とするヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を投与することを含み、前記患者が少なくとも18歳であり、前記離脱期間が最大14日間である、前記方法。
【0612】
実施形態257.前記治療が前記オピオイド離脱期間を短縮することを含む、実施形態256に記載の方法。
【0613】
実施形態258.前記治療または改善が、臨床オピエート離脱尺度(COWS)及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度(SOWS-Gossop)スコアによって測定される、実施形態256または実施形態257に記載の方法。
【0614】
実施形態259.前記組成物が1日2回投与される、実施形態256~258のいずれか1つに記載の方法。
【0615】
実施形態260.前記組成物が、約30μg~約200μgの用量範囲のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態256~259のいずれか1つに記載の方法。
【0616】
実施形態261.前記組成物が、約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または180μgの単位用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態256~260のいずれか1つに記載の方法。
【0617】
実施形態262.前記離脱期間が、最大13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間である、実施形態256~261のいずれか1つに記載の方法。
【0618】
実施形態263.前記オピオイドが、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、及びペンタゾシンからなる群から選択される、実施形態256~262のいずれか1つに記載の方法。
【0619】
実施形態264.前記オピオイドがフェンタニルからなる群から選択される、実施形態263に記載の方法。
【0620】
実施形態265.前記オピオイドが離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた、実施形態256~262のいずれか1つに記載の方法。
【0621】
実施形態266.前記組成物が、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される、実施形態256~265のいずれか1つに記載の方法。
【0622】
実施形態267.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態256~266のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0623】
実施形態268.前記組成物が、フィルムの形態で舌下投与される、実施形態267に記載の方法。
【0624】
実施形態269.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態256~266のいずれか1つに記載の方法。
【0625】
実施形態270.前記組成物が、フィルムの形態で頬側投与される、実施形態269に記載の方法。
【0626】
実施形態271.前記患者が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、実施形態256~270のいずれか1つに記載の方法。
【0627】
実施形態272.約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の単回用量が最大少なくとも約24時間有効である、実施形態256~271のいずれか1つに記載の方法。
【0628】
実施形態273.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態256~272のいずれか1つに記載の方法。
【0629】
実施形態274.前記オピオイド離脱症状が激越である、実施形態256~273のいずれか1つに記載の方法。
【0630】
実施形態275.前記組成物が7日間にわたって1日2回投与される、実施形態256~274のいずれか1つに記載の方法。
【0631】
実施形態276.約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【0632】
実施形態277.デクスメデトミジンがデクスメデトミジン塩酸塩として存在する、実施形態276に記載の組成物。
【0633】
実施形態278.前記デクスメデトミジンの用量が約120μgである、実施形態276または実施形態277に記載の組成物。
【0634】
実施形態279.前記デクスメデトミジンの用量が約180μgである、実施形態276~278のいずれか1つに記載の組成物。
【0635】
実施形態280.前記組成物が舌下または頬側投与用に製剤化される、実施形態276~279のいずれか1つに記載の組成物。
【0636】
実施形態281.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与用に製剤化される、実施形態280に記載の組成物。
【0637】
実施形態282.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与用に製剤化される、実施形態280に記載の組成物。
【0638】
実施形態283.統合失調症または双極性障害に関連する激越を有する患者に投与された場合、前記激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態276~282のいずれか1つに記載の組成物。
【0639】
実施形態284.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態283に記載の組成物。
【0640】
実施形態285.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態283または実施形態284に記載の組成物。
【0641】
実施形態286.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態285に記載の組成物。
【0642】
実施形態287.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態283~286のいずれか1つに記載の組成物。
【0643】
実施形態288.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態287に記載の組成物。
【0644】
実施形態289.前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態283~288のいずれか1つに記載の組成物。
【0645】
実施形態290.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態289に記載の組成物。
【0646】
実施形態291.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態289に記載の組成物。
【0647】
実施形態292.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態283~291のいずれか1つに記載の組成物。
【0648】
実施形態293.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、実施形態283~292のいずれか1つに記載の組成物。
【0649】
実施形態294.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態283~293のいずれか1つに記載の組成物。
【0650】
実施形態295.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態283~294のいずれか1つに記載の組成物。
【0651】
実施形態296.統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる、実施形態276~295のいずれか1つに記載の組成物。
【0652】
実施形態297.前記幾何平均Cmaxが約200ng/L~約400ng/Lである、実施形態296に記載の組成物。
【0653】
実施形態298.前記平均Cmaxが約230ng/L~約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態296に記載の組成物。
【0654】
実施形態299.統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約590時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均aAUC0-infがもたらされる、実施形態276~298のいずれか1つに記載の組成物。
【0655】
実施形態300.前記平均AUC0-infが1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態299に記載の組成物。
【0656】
実施形態301.前記平均AUC0-infが1800ng・h/L~約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態299に記載の組成物。
【0657】
実施形態302.統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血漿濃度到達時間(Tmax)がもたらされる、実施形態276~301のいずれか1つに記載の組成物。
【0658】
実施形態303.前記平均Tmaxが約時間の約80%~約125%の範囲内である、実施形態302に記載の組成物。
【0659】
実施形態304.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態302に記載の組成物。
【0660】
実施形態305.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態296~304のいずれか1つに記載の組成物。
【0661】
実施形態306.前記患者が摂食状態にある、実施形態283~305のいずれか1つに記載の組成物。
【0662】
実施形態307.前記患者が絶食状態にある、実施形態283~305のいずれか1つに記載の組成物。
【0663】
実施形態308.統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含み、前記用量により、以下の薬物動態パラメータ:
(1)約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmax、及び/または
(2)約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-inf、及び/または
(3)約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxのうちの1つ以上がもたらされる、前記方法。
【0664】
実施形態309.前記患者が統合失調症を有する、実施形態308に記載の方法。
【0665】
実施形態310.前記患者がI型双極性障害を有する、実施形態308または実施形態309に記載の方法。
【0666】
実施形態311.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態308~310のいずれか1つに記載の方法。
【0667】
実施形態312.前記組成物が舌下または頬側投与される、実施形態308~311のいずれか1つに記載の方法。
【0668】
実施形態313.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態312に記載の方法。
【0669】
実施形態314.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態312に記載の方法。
【0670】
実施形態315.約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、実施形態308~314のいずれか1つに記載の方法。
【0671】
実施形態316.前記追加用量が約60μgまたは90μgである、実施形態315に記載の方法。
【0672】
実施形態317.前記第2の用量が約2時間後に投与される、実施形態315または実施形態316に記載の方法。
【0673】
実施形態318.前記患者が摂食状態にある、実施形態308~317のいずれか1つに記載の方法。
【0674】
実施形態319.前記患者が絶食状態にある、実施形態308~317のいずれか1つに記載の方法。
【0675】
実施形態320.激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態308~319のいずれか1つに記載の方法。
【0676】
実施形態321.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態320に記載の方法。
【0677】
実施形態322.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態320または実施形態321に記載の方法。
【0678】
実施形態323.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態322に記載の方法。
【0679】
実施形態324.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態320~323のいずれか1つに記載の方法。
【0680】
実施形態325.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態324に記載の方法。
【0681】
実施形態326.前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態320~325のいずれか1つに記載の方法。
【0682】
実施形態327.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態326に記載の方法。
【0683】
実施形態328.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態326に記載の方法。
【0684】
実施形態329.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態320~328のいずれか1つに記載の方法。
【0685】
実施形態330.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、実施形態320~329のいずれか1つに記載の方法。
【0686】
実施形態331.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態308~330のいずれか1つに記載の方法。
【0687】
実施形態332.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態308~331のいずれか1つに記載の方法。
【0688】
実施形態333.前記薬物動態パラメータのうちの2つ以上が存在する、実施形態308~332のいずれか1つに記載の方法。
【0689】
実施形態334.前記薬物動態パラメータのうちの3つ全てが存在する、実施形態308~333のいずれか1つに記載の方法。
【0690】
実施形態335.前記平均Cmaxが約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態308~334のいずれか1つに記載の方法。
【0691】
実施形態336.前記平均Cmaxが約238ng/Lである、実施形態335に記載の方法。
【0692】
実施形態337.単回用量の投与により、約1810ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる、実施形態308~336のいずれか1つに記載の方法。
【0693】
実施形態338.前記平均約1810ng・h/L、実施形態337に記載の方法。
【0694】
実施形態339.単回用量の投与により、約2時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる、実施形態308~338のいずれか1つに記載の方法。
【0695】
実施形態340.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態339に記載の方法。
【0696】
実施形態341.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態308~340のいずれか1つに記載の方法。
【0697】
実施形態342.統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含み、前記用量により、以下の薬物動態パラメータ:
(1)約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmax、及び/または
(2)約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-inf、及び/または
(3)約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxのうちの1つ以上がもたらされる、前記方法。
【0698】
実施形態343.前記患者が統合失調症を有する、実施形態342に記載の方法。
【0699】
実施形態344.前記患者がI型双極性障害を有する、実施形態342または実施形態343に記載の方法。
【0700】
実施形態345.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態342~344のいずれか1つに記載の方法。
【0701】
実施形態346.前記組成物が舌下または頬側投与される、実施形態342~345のいずれか1つに記載の方法。
【0702】
実施形態347.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、実施形態346に記載の方法。
【0703】
実施形態348.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、実施形態346に記載の方法。
【0704】
実施形態349.約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、実施形態342~348のいずれか1つに記載の方法。
【0705】
実施形態350.前記追加用量が約60μgまたは90μgである、実施形態349に記載の方法。
【0706】
実施形態351.前記第2の用量が約2時間後に投与される、実施形態349または実施形態350に記載の方法。
【0707】
実施形態352.前記患者が摂食状態にある、実施形態342~351のいずれか1つに記載の方法。
【0708】
実施形態353.前記患者が絶食状態にある、実施形態342~351のいずれか1つに記載の方法。
【0709】
実施形態354.激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、実施形態342~353のいずれか1つに記載の方法。
【0710】
実施形態355.前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、実施形態354に記載の方法。
【0711】
実施形態356.前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態354または実施形態355に記載の方法。
【0712】
実施形態357.前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、実施形態356に記載の方法。
【0713】
実施形態358.前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、実施形態354~357のいずれか1つに記載の方法。
【0714】
実施形態359.前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、実施形態358に記載の方法。
【0715】
実施形態360.前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、実施形態354~359のいずれか1つに記載の方法。
【0716】
実施形態361.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、実施形態360に記載の方法。
【0717】
実施形態362.平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、実施形態360に記載の方法。
【0718】
実施形態363.前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、実施形態354~362のいずれか1つに記載の方法。
【0719】
実施形態364.前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、実施形態354~363のいずれか1つに記載の方法。
【0720】
実施形態365.前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、実施形態342~364のいずれか1つに記載の方法。
【0721】
実施形態366.前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態342~365のいずれか1つに記載の方法。
【0722】
実施形態367.前記薬物動態パラメータのうちの2つ以上が存在する、実施形態342~366のいずれか1つに記載の方法。
【0723】
実施形態368.前記薬物動態パラメータのうちの3つ全てが存在する、実施形態342~367のいずれか1つに記載の方法。
【0724】
実施形態369.前記平均Cmaxが約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、実施形態342~368のいずれか1つに記載の方法。
【0725】
実施形態370.前記平均Cmaxが約440ng/Lである、実施形態369に記載の方法。
【0726】
実施形態371.単回用量の投与により、約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC0-infがもたらされる、実施形態342~370のいずれか1つに記載の方法。
【0727】
実施形態372.前記平均約3800ng・h/L、実施形態371に記載の方法。
【0728】
実施形態373.単回用量の投与により、約2時間の約80%~約125%の範囲内の平均Tmaxがもたらされる、実施形態342~372のいずれか1つに記載の方法。
【0729】
実施形態374.前記平均Tmaxが約2時間である、実施形態373に記載の方法。
【0730】
実施形態375.前記薬物動態パラメータが非定常状態である、実施形態342~374のいずれか1つに記載の方法。
【0731】
実施形態376.激越が、臨床全般印象-改善度尺度によって測定されるように、前記組成物の投与後2時間以内に1(非常に改善された)または2(かなり改善された)に軽減される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0732】
実施形態377.前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、実施形態376に記載の方法。
【0733】
実施形態378.前記激越が約30分以内に軽減される、実施形態377に記載の方法。
【0734】
実施形態379.前記激越の軽減が1(非常に改善された)に軽減される、実施形態376~378のいずれか1つに記載の方法。
【0735】
実施形態380.前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、実施形態376~379のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0736】
実施形態381.前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、実施形態376~380のいずれか1つに記載の方法。
【0737】
実施形態382.前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、実施形態376~381のいずれか1つに記載の方法。
【0738】
実施形態383.前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、実施形態376~382のいずれか1つに記載の方法。
【0739】
実施形態384.前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態376~383のいずれか1つに記載の方法。
【0740】
実施形態385.前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態376~383のいずれか1つに記載の方法。
【0741】
実施形態386.前記患者が統合失調症を有する、実施形態376~385のいずれか1つに記載の方法。
【0742】
実施形態387.前記患者が双極性障害を有する、実施形態376~386のいずれか1つに記載の方法。
【0743】
実施形態388.激越が、激越沈静評価尺度によって測定されるように、前記組成物の投与後2時間以内に3(軽度の激越)または4(正常挙動)に軽減される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0744】
実施形態389.前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、実施形態388に記載の方法。
【0745】
実施形態390.前記激越の軽減が4(正常挙動)に軽減される、実施形態388または実施形態389に記載の方法。
【0746】
実施形態391.前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、実施形態388~390のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0747】
実施形態392.前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、実施形態388~391のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0748】
実施形態393.前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、実施形態388~392のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0749】
実施形態394.前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、実施形態388~393のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0750】
実施形態395.前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態388~394のいずれか1つに記載の方法。
【0751】
実施形態396.前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態388~394のいずれか1つに記載の方法。
【0752】
実施形態397.前記患者が統合失調症を有する、実施形態388~396のいずれか1つに記載の方法。
【0753】
実施形態398.前記患者が双極性障害を有する、実施形態388~397のいずれか1つに記載の方法。
【0754】
実施形態399.前記患者が、PEC尺度によって測定される、40以上の激越の軽減を経験する、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0755】
実施形態400.前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、実施形態399に記載の方法。
【0756】
実施形態401.前記患者が60以上の激越の軽減を経験する、実施形態399または実施形態400に記載の方法。
【0757】
実施形態402.前記患者が80以上の激越の軽減を経験する、実施形態399~401のいずれか1つに記載の方法。
【0758】
実施形態403.前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、実施形態399~402のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0759】
実施形態404.前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、実施形態399~403のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0760】
実施形態405.前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、実施形態399~404のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0761】
実施形態406.前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、実施形態399~405のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0762】
実施形態407.前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態399~406のいずれか1つに記載の方法。
【0763】
実施形態408.前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、実施形態399~406のいずれか1つに記載の方法。
【0764】
実施形態409.前記患者が統合失調症を有する、実施形態399~408のいずれか1つに記載の方法。
【0765】
実施形態410.前記患者が双極性障害を有する、実施形態399~409のいずれか1つに記載の方法。
【0766】
実施形態411.双極性障害または統合失調症対象を有する対象における激越のPECスコア減少をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記PECスコア減少が約-8~約-10であり、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
【0767】
実施形態412.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態411に記載の方法。
【0768】
実施形態413.約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態411または412に記載の方法。
【0769】
実施形態414.約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態411または412に記載の方法。
【0770】
実施形態415.前記持続期間が約4時間である、実施形態411~414のいずれか1つに記載の方法。
【0771】
実施形態416.前記持続期間が約6時間である、実施形態415に記載の方法。
【0772】
実施形態417.前記PECスコア減少が約-10である、実施形態411~416のいずれか1つに記載の方法。
【0773】
実施形態418.双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるACESスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記ACESスコアが約3~約4に改善され、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
【0774】
実施形態419.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態418に記載の方法。
【0775】
実施形態420.約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態418または419に記載の方法。
【0776】
実施形態421.約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態418または419に記載の方法。
【0777】
実施形態422.前記持続期間が約4時間である、実施形態418~421のいずれか1つに記載の方法。
【0778】
実施形態423.前記持続期間が約6時間である、実施形態422に記載の方法。
【0779】
実施形態424.前記ACESスコアが約4である、請求項418~423のいずれか1つに記載の方法。
【0780】
実施形態425.双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるCGI-Iスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記CGI-Iスコアが約1(非常に改善された)または約2(かなり改善された)に改善され、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
【0781】
実施形態426.前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、実施形態425に記載の方法。
【0782】
実施形態427.約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態425または426に記載の方法。
【0783】
実施形態428.約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態425または426に記載の方法。
【0784】
実施形態429.前記持続期間が約4時間である、実施形態425~428のいずれか1つに記載の方法。
【0785】
実施形態430.前記持続期間が約6時間である、実施形態425に記載の方法。
【0786】
実施形態431.前記CGI-Iスコアが約1である、実施形態425~430のいずれか1つに記載の方法。
【0787】
実施形態432.水溶性ポリマーが各々、ヒドロキシプロピルセルロースである、実施形態110~112のいずれか1つに記載の方法。
【0788】
実施形態433.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がデクスメデトミジン塩酸塩である、実施形態103~113のいずれか1つに記載の方法。
【0789】
実施形態434.デクスメデトミジン塩酸塩がフィルムとして投与され、前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)デクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)を含む、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)を含む、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、関連先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0790】
実施形態435.デクスメデトミジン塩酸塩がフィルムとして投与され、前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)デクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、関連先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【0791】
実施形態436.デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約0.2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約27w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約55w/w%~約60w/w%で存在する、実施形態434または実施形態435に記載の方法。
【0792】
実施形態437.自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含み、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、前記自己支持型溶解性フィルム。
【0793】
実施形態438.デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約0.2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約27w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約55w/w%~約60w/w%で存在する、実施形態437に記載のフィルム。
【0794】
実施形態439.自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含み、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、前記自己支持型溶解性フィルム。
【0795】
実施形態440.デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約0.2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約27w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約55w/w%~約60w/w%で存在する、実施形態439に記載のフィルム。
【0796】
実施形態441.デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、それぞれ、表1、表2、表3、表4、または表5に具体化される、舌下スプレー、舌下ドロップ、舌下ゲル、頬側錠剤、または舌下錠剤として投与される、関連先行実施形態のいずれかに記載の方法。
【実施例
【0797】
実施例1:デクスメデトミジン舌下フィルム製剤
【表6】
【0798】
(A)ポリマーマトリックスを調製するためのプロセス:
ポリマー混合物:ポリエチレンオキシド及びFast Emerald Green Shadeを約1400rpm~約2000rpmで少なくとも180分間、水中で混合した。スクラロース、ヒドロキシプロピルセルロース(分子量140,000)、ヒドロキシプロピルセルロース、HPC-SSL(分子量40,000)、及びヒドロキシプロピルセルロース(分子量370,000)を添加し、約1600rpm~2000rpmで少なくとも120分間混合した。ペパーミント油を水に添加し、その後、結果として得られた分散液をポリマー混合物に添加し、少なくとも30分間混合した。結果として得られた混合物を350rpmの速度及び22.9℃の温度で、真空下(248トール)で少なくとも30分間さらに混合した。
【0799】
コーティングステーション:ロールを巻き戻しスタンドに設置し、その先端をガイドバー及びコーティングバーに通した。ライナーのシリコーンコーティング側を上にして配置した。コーティングバー間で40ミリメートルの間隙を維持した。オーブン設定点を70℃に調整し、最終乾燥温度を85℃に調整した。
【0800】
コーティング/乾燥プロセス:ポリマー混合物をガイドバーとコーティングバーとの間のライナー上に注いだ。液体がコーティングバーに残らなくなるまで、ライナーを手動でコーティングバーから一定の速度で緩徐に引き出した。安全ナイフを使用して、ライナーを切断して、およそ12インチの長さのハンドシートにした。各ハンドシートを乾燥ボード上に設置し、四隅を打ち付けて、乾燥中に丸まるのを防いだ。含水率が5%未満になるまで(およそ30分)、ハンドシートをオーブンで乾燥させ、その後、乾燥ボードから取り除いた。コーティングの重量が合格基準を満たしているかを調べ、満たしている場合、ハンドシートを重ね、PET剥離ライナーを裏打ちした34インチ×40インチのホイル袋に入れた。
【0801】
(B)堆積溶液を調製するためのプロセス:
FDCブルーをエチルアルコール中に少なくとも180分間溶解させた。約400rpm~約800rpmで10分間連続撹拌しながらデクスメデトミジン塩酸塩をエチルアルコール溶液に添加した。ヒドロキシプロピルセルロース(40,000)及びヒドロキシプロピルセルロース(140,000)を混合物に添加し、全ての材料が溶解するまで少なくとも30分間撹拌した。
【0802】
(C)マイクロ堆積マトリックスを調製するためのプロセス:
上記のステップ(B)で得た堆積溶液を所要の体積(最終製品の特定の製剤強度によって決定する)までピペットに充填した。堆積溶液を適切な量(1.5マイクロリットル=およそ5μg)をステップ(A)で得たポリマーマトリックス上に(例えば、液滴として)堆積させ、堆積物/液滴が合わさるのを防ぎ、かつその後の個別の薬物含有単位へのフィルム切断を可能にするために各堆積物間に間隔を設けて、合計10回繰り返した(すなわち、10個の堆積物/液滴)。最初に、フィルムを、薬物含有組成物を有する堆積物を1つ含む22mm×8.8mmの寸法を有する個々の単位にダイカットした。その後、ダイカットしたマイクロ堆積マトリックスを70℃のオーブン内で10分間乾燥させ、各単位が薬物含有組成物を有する堆積物を1つ含む10個の単位にさらにダイカットした。
【0803】
(D)パッケージング:
欠陥のない各単位をホイルパウチ内に個別に密封し、その後、パウチをヒートシールした。ヒートシールが許容範囲内であった場合、そのパッケージを商用に許容される単位とみなした。
【0804】
他の単位強度(例えば、40μg及び60μgのフィルム)も、薬物含有組成物中の薬物、ポリマー、及び着色剤の濃度を変化させることによって同様に調製した。例えば、40μg及び60μgのフィルムを、それぞれ、上記の表6に記載の20μgの薬物含有組成物中で見られる量のおよそ2倍及び3倍の量の薬物、ポリマー、及び着色剤を含む薬物含有組成物から調製した。
【0805】
実施例2:
【表7】
【0806】
表7の製剤(80μg、120μg、及び180μg)を、上記の実施例1に記載の製造プロセスと同じ製造プロセスを使用して調製した。
【0807】
実施例3:統合失調症に関連する激越の治療におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性、薬物動態、及び安全性を決定するための第Ib相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照複数回漸増用量試験
主要目的:
薬物治療後のベースラインからの陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)変化を使用して評価した、統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越の症状を効果的に軽減するのに必要なデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの用量を決定すること。
【0808】
副次目的:
統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越を有する患者におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの様々なフィルム強度の薬物動態、安全性、及び忍容性を決定すること。
1.臨床全般印象-改善度尺度(CGI-I)による投薬後の全般的な臨床改善を説明する。
2.PEC及びACESによって測定される沈静効果の持続時間を説明する。
3.バイタルサイン及び有害事象の報告によって測定されるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの安全性プロファイルを決定する。
4.有害事象の報告及び舌下フィルムの局所(経口/舌下)忍容性の観点から全体的な忍容性を説明する。
5.患者集団におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの薬物動態を説明する。
6.視覚的アナログ尺度(VAS)を用いて、味及び許容性に関する被験者の意見、ならびに治験薬の好ましさに関する質問を取り入れる。
【0809】
方法論:これは、二段階適応第Ib相試験デザインであった。これは、統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越を有する成人(18~65歳)男性及び女性におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム投与の有効性、薬物動態、安全性、及び忍容性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照複数回漸増用量試験であった。
【0810】
第一段階は、PEC総スコアを使用して測定される沈静効果をもたらした安全な耐量範囲を特徴付けるために設計されたものであった。第二段階は、安全性及び忍容性のより広範な範囲をより良く特徴付け、かつ変動性(エフェクトサイズ)をより良く推定するために、3群プラセボ対照設計で1用量群あたり合計40名の被験者を登録するために設計されたものであった。
【0811】
20μg、60μg、及び120μgの漸増用量レジメンの適応評価を第一段階で行ったが、安全性または忍容性の兆候が観察された場合に異なる用量を試験する選択肢を設けた。統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越を有する成人男性及び女性を各コホートに登録した。有意な有効性(ベースラインから40%以下のPEC変化)(被験者あたり最大投与回数2回)がなく、かつ安全性に関する懸念がない場合、治験責任医師は投与の1時間後の反復投与を許可された。
【0812】
各コホートへの投与終了後に盲検による定期的な安全性データ審査を行い、全ての安全性データが入手できた時点でそれらのデータを審査した。定期的な安全性審査時に安全性または忍容性に関する問題が明らかにならなかった場合、用量漸増を許可した。全ての被験者コホートの安全性及び忍容性の盲検による分析に基づいて、追加用量を選択した。
【0813】
適格な被験者(統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害を有する急性激越状態の被験者)を、外来クリニック、精神衛生、精神医学的、もしくは医学的救急サービス(医学的/精神医学的観察施設を含む)において特定、または急性激越により病院環境に新たに入院した患者、または慢性基礎症状によりすでに入院している患者として特定した。適格性を評価するためのスクリーニング手順を受けている間、被験者を治験環境に定住させたか、または医師の監督下に留めるために入院させた。
適格性が確認された時点で、被験者をデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムまたはプラセボフィルムに無作為化した。各試験セッションの開始時に、プラセボフィルムで訓練した後に、安全性または有効性の評価に参加しなかった非盲検スタッフの監督下で、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの単回用量を舌下に自己投与させた。治験薬フィルムを、溶解するまで舌下腔内に保持させた。参加者を、フィルムを配置した領域周辺の局所刺激についても評価した。有効性及び安全性評価を投与前後に定期的に行った。PECの低下が初回投与の1時間後に40%以下である場合、治験責任医師は、デクスメデトミジン舌下フィルムの第2の用量(同じ無作為化用量)を投与することができ、追加のPEC評価を投与の1.5時間後に完了した。患者に全ての評価を治験実施計画書通りに行わせるために全力を尽くした。ただし、患者の状況に正当な理由があった場合、好ましくは4時間評価が完了した後に、標準ケア治療を開始した。第一段階では、各コホートには、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムまたはプラセボフィルムに2:1で無作為化した(すなわち、18名にデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムを投与し、9名にプラセボフィルムを投与した)27名の被験者が含まれた。3回用量を最初に計画した(合計81名の被験者)。治験実施計画書に適合した異なる用量または追加用量を進行中の安全性審査に基づいて試験することができ、2つの追加用量レベル:80μg及び180μgを試験した(表8)。
【0814】
有効性評価:
急性激越の軽減に対するデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性を、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)尺度を使用して評価し、スクリーニング時、ベースライン時(すなわち、投与前とも称される)、及び初回投与後10、20、30、45分時点、1、1.5、2、4、6、及び24時間時点で行った。
●全体的な激越及び鎮静作用を、激越沈静評価尺度(ACES)を用いて評価し、ベースライン(投与前)時点ならびに初回投与後2時間及び4時間時点で行った。
●治療に応答した激越の変化も臨床全般印象-改善度(CGI-I)によって測定し、初回投与後1、2、及び4時間時点で行った。
【0815】
安全性及び忍容性評価:
有害事象、臨床検査、リズムストリップによる心電図(ECG)、及びバイタルサインを忍容性評価のためにモニタリングした。全ての観察された有害事象及び自己申告された有害事象を記録した。治験責任医師により、有害事象と治験薬との関連性を、関連性がない、関連性している可能性が低い/関連性が低い、関連している可能性がある、恐らく関連している、または確実に関連していると等級分けした。
【0816】
薬物動態評価前に、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、及び心拍数を含む安静時バイタルサイン、ならびにECGを測定した。安静時バイタルサイン(SBP、DBP、及びHR(心拍数))を、スクリーニング時、ベースライン時(投与前)、及び初回投与後30分、1、2、4、及び8時間時点で計測した。(SBP、DBP、HR、呼吸数、及び体温)を含む起立時測定値を、スクリーニング時、投与前、初回投与後2、4、及び24時間時点で測定した。ECGを、スクリーニング時、ベースライン時(投与前)、初回投与後2時間及び24時間時点で行った。舌下調製物の適用部位(頬粘膜)を、局所刺激のあらゆる兆候についても調べた。
【0817】
安全性及び忍容性評価を3日目(退院日)の朝まで継続し、7日目(+2)に繰り返した。有害事象評価を、スクリーニング時、ベースライン時(投与前)、初回投与後2時間時点、3日目、及び7日目(+2)に行った。化学検査、血液検査、尿検査、UDS、アルコール呼気分析器、及び尿妊娠を含む安全性臨床検査を、スクリーニング時、3日目、及び7日目(+2)に行った。
【0818】
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返した。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が安定しており、かつ臨床的に懸念されないと治験責任医師が判断するまで行った。
【0819】
3つの分析集団をこの試験のために定義した:
安全性集団:治験薬を投与した全ての被験者
治療意図(ITT)集団:PECスコアを有する安全性集団における全ての被験者
治験実施計画書に適合した(PP)集団:治験実施計画書から大きく逸脱していないITT集団における全ての被験者
【0820】
被験者は、典型的に処方される抗精神病薬の範囲内で処方されていた。
【表8】
【0821】
被験者の数(計画した数及び分析した数):
第一段階で推定81名の被験者を3つのコホート(1コホートあたり27名)に分けて計画したが、合計135名の被験者を、2つの追加コホート(80μg及び180μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム)を含む5つのコホートに登録し、分析した。
【0822】
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準:
1.18歳以上65歳以下の男性患者及び女性患者。
2.統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害の精神障害の診断及び統計マニュアル第5版(DSM-5)基準を満たした患者。
3.PANSS興奮項目(PEC)を構成する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)の総スコアが14以上である、スクリーニング時及びベースライン時(投与前)で臨床的に激越状態であると判断された患者。
4.ベースライン(投与前)時点でPECの5項目のうちの少なくとも1つのスコアが4以上である患者。
5.書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出した患者。
6.詳細な病歴、身体検査、リズムストリップによる12誘導ECG、血液化学プロファイル、血液検査、尿検査によって決定され、かつ治験総括医師の意見による、試験参加前の全身健康状態が良好であった患者。
7.本試験にわたって、かつ試験終了後1週間にわたって医学的に許容される有効な避妊法を使用することに同意した女性参加者(妊娠の可能性があり、かつ性的に活発な場合)及び男性参加者(妊娠の可能性のあるパートナーと性的に活発な場合)。参加者及び/またはそのパートナーが使用することができた医学的に許容される避妊法には、禁欲、避妊ピルまたはパッチ、殺精子剤入りペッサリー、子宮内避妊器具(IUD)、フォームまたは殺精子剤入りコンドーム、殺精子用膣坐剤、避妊手術、及びプロゲスチンインプラントまたは注射が含まれる。禁じられた方法には、リズム法、腟外射精、コンドームのみ、またはペッサリーのみが含まれる。
【0823】
除外基準:
1.呼気分析器によるアルコールの陽性確認または尿スクリーニング中の薬物乱用もしくは非処方薬(テトラヒドロカンナビノール(THC)を除く)の陽性確認を含む急性中毒によって引き起こされる激越を有する患者。
2.治験薬投与前4時間以内にベンゾジアゼピン、他の睡眠薬、または経口もしくは短時間作用型筋肉内抗精神病薬で治療された患者。
3.アルファ-1ノルアドレナリン遮断薬(テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、アルフゾシン、及びプラゾシン)または他の禁じられた薬剤での治療。
4.治験責任医師の評価により、自殺もしくは他殺の重大なリスクがあるか、またはスクリーニング前の過去6ヶ月以内にいかなる自殺行動があった患者。
5.スクリーニング時に妊娠検査が陽性であったか、授乳中であった女性患者。
6.水頭症を有したか、発作性障害を有したか、または重大な頭部外傷、脳卒中、一過性脳虚血発作、くも膜下出血、脳腫瘍、脳症、髄膜炎、パーキンソン病、または局所神経学的所見の既往歴のある患者。
7.失神もしくは他の失神発作の既往歴、血液量減少症、起立性低血圧症の兆候、スクリーニング時55拍動/分(bpm)未満の心拍数、または110mmHg未満の収縮期血圧(SBP)もしくは70mmHg未満の拡張期血圧(DBP)。
8.患者の試験への参加に臨床的意義を有した、治験責任医師または資格のある被指名人によって臨床的に有意であるとみなされた臨床検査またはECG異常を有する患者[高度房室ブロック(ペースメーカーなしの2度以上の房室ブロック)、洞不全症候群の診断]。
9.重篤または不安定な医学的疾患を有する患者。この疾患には、現在の肝疾患(中等度・重度の肝障害)、腎疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、心臓血管疾患(虚血性心疾患、うっ血性心不全を含む)、内分泌学的疾患、または血液疾患が含まれる。
10.現在の激越エピソード前30日以内に治験薬が投与された患者。
11.舌下フィルムを使用することができなかった患者、または治験責任医師により何らかの理由でデクスメデトミジンの投与には不適切な候補であるとみなされた患者、例えば、デクスメデトミジンに対するアレルギー反応の既往歴のある患者。
【0824】
被験薬、用量、及び投与方法:
デクスメデトミジン舌下フィルム(上記の実施例1及び2の製剤)を、舌下腔内で2~3分以内に完全に溶解するように設計された面積およそ193.6mm2及び厚さ0.7mmの寸法を有する小さい固形用量フィルム製剤で試験した。基準療法、
【0825】
用量及び投与方法:
上記のように舌下投与される対照プラセボフィルム。
【0826】
治療期間:1日
【0827】
評価基準:各用量レベルの有効性、薬物動態、安全性、及び忍容性に関するこの試験における主要評価項目。
【0828】
有効性:急性激越に対するデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性を、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)を使用して評価した。PECは、各々、1(最小スコア)~7(最大スコア)でスコア化した、激越に関連する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)から構成された。したがって、PEC(これらの5つの下位尺度の合計)は、5~35の範囲である。
【0829】
全体的な激越及び鎮静作用を、激越沈静評価尺度(ACES)を用いて評価し、ここで、1は顕著な激越を示し、2は中等度の激越を示し、3は軽度の激越を示し、4は正常挙動を示し、5は軽度の沈静を示し、6は中等度の沈静を示し、7は顕著な沈静を示し、8は深睡眠を示し、9は覚醒不能を示す。
【0830】
治療に応答した激越の変化も臨床全般印象-改善度(CGI-I)によって測定した。CGI-Iスコアは、1~7の範囲であり、0は「評価されなかった」(見つからなかった)であり、1は「非常に改善された」であり、2は「かなり改善された」であり、3は「最小限に改善された」であり、4は「変化なし」であり、5は「最小限に悪化した」であり、6は「かなり悪化した」であり、7は「非常に悪化した」である。
【0831】
薬物動態:
薬物動態分析を、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの投与後の血漿中デクスメデトミジン濃度を使用して行った。用量比例性分析を行った。
【0832】
安全性及び忍容性:有害事象、臨床検査、リズムストリップによるECG、バイタルサイン、及び局所刺激(頬側)兆候を安全性及び忍容性のためにモニタリングした。
【0833】
追加の評価:
-人口統計学的データ
-病歴
-以前に服用していた薬剤及び併用薬
-身体検査、ならびに
-妊娠検査
【0834】
統計分析:
有効性分析:本試験の主要有効性評価項目は、120分(2時間)時点でのPECスコアのベースラインからの絶対変化であった。治療意図集団(ITT)を分析し、ITTは、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなった。共変量としてベースライン及び時点を用いたベースライン値からの変化、ならびに無構造の共分散構造を使用した反復測定として治療群とのその相互作用に関する分析を、制限付き最尤反復測定混合モデルを使用して行った。レスポンダー比較を、フィッシャーの正確確率検定を用いて行った。
【0835】
薬物動態分析:
薬物動態分析を、Phoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)バージョン8.1の検証済みインストールを使用して行った。ノンコンパートメント分析も監査済み最終データに対して行い、この最終データは、20μg、60μg、80μg(20μgのフィルムを1回及び60μgのフィルムを1回)、120μg(60μgのフィルムを2回)、及び180μg(60μgのフィルムを3回)のデクスメデトミジン舌下フィルムを投与した5つのコホートに分けた合計135名の参加者からなった。濃度-時間曲線(AUC)下の全ての面積を、線形台形法を使用して計算した。用量比例性を、薬物動態パラメータのパワーモデルを使用して評価した。平均及び個々の濃度(用量レベルで選別)対時間プロットを生成した。
【0836】
安全性及び忍容性分析:
安全性データ分析を、少なくとも1用量の治験薬を投与した全ての被験者に対して行った。1つ以上の有害事象を経験した被験者の数及び割合を、治療、治験薬との関連性、及び重症度別に要約した。有害事象を、医薬品規制用語集(Med DRA)を使用してコード化した。有害事象、重篤有害事象、及び/または死亡により脱落した被験者のリストを提示した。臨床検査パラメータを、臨床的に有意な異常の記述統計学及びデータリストを使用して治療別に要約した。バイタルサイン及びECGデータを、記述統計学を使用して各用量レベルでのベースライン値からの変化別に要約した。
【0837】
症例数の決定:症例数は、第一段階における試験デザイン及び目的に対する臨床経験及び判断に基づく。各投与コホートにおける活性薬物に関する少なくとも18名の被験者の症例数は、本試験の目的を満たすために適切な臨床情報を提供すべきである。
【0838】
全ての有効性、安全性、及び忍容性測定を、表9に記載されるように定期的にスケジュールされた間隔で行った。
【表9-1】

【表9-2】

【表9-3】
【0839】
結果の要約:
1.分析したデータセット
各データセットの被験者数は、3つ全ての集団(すなわち、安全性、ITT、及びPP)で同じであった(表10)。さらに、全ての被験者が分析用の血液試料を提供したため、各データセットの被験者数は、薬物動態集団で同じであった。
【表10】
【0840】
被験者の内訳:
合計135名の被験者を登録し、治験薬を投与し、これらの被験者が安全性集団を構成した。135名の被験者のうち、全ての被験者が入院治験薬治療期間を終了し、127名の被験者が試験期間(すなわち、試験7日目)を終了した。本試験を終了しなかった8名の被験者のうち、7名は試験3日目に入院施設を退院した後にフォローアップ不能となり、1名は試験3日目に試験から脱落した。
【0841】
2.人口統計学的特性及びベースライン特性:
安全性集団の被験者(N=135)について、平均年齢は47.6歳であり、被験者の大半は男性であり(65.9%[89/135])、平均BMIは30.58kg/m2であった。被験者は主に黒人またはアフリカ系アメリカ人(74.8%[101/135])及び非ヒスパニック系またはラテン系であった(90.4%[122/135])。全ての治療群の被験者の大半が統合失調症の診断を受けた(ミニ国際神経精神医学面接[MINI-Plus]手段によって評価された)。統合失調症を有する被験者の割合は、デクスメデトミジン舌下フィルム治療群において72.2%~83.3%の範囲であった。MINI-Plusの結果に基づいて、本試験の全ての被験者が、統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害の診断を受けたという組み入れ基準を満たした(表11)。
【表11-1】

【表11-2】
【0842】
3.有効性
デクスメデトミジン舌下フィルムは、PEC、ACES尺度、及びCGI-Iスコアによって測定される、激越の重症度をベースラインから有意に改善した。投与後2時間時点での主要な有効性所見を以下に提示する。
【0843】
(a)主要有効性評価項目(PEC減少):激越に関するPECスコア(PANSS、すなわち、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目)の減少が観察され、臨床規制エンドポイント及びより早い時点で過度の鎮静作用を伴わずに急速な沈静がもたらされた。主要有効性評価項目は、プラセボと比較した、2時間(120分)時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化であった。5つの用量コホート(20μg、60μg、80μg、120μg、及び180μg)が存在し、各コホートに18名の実薬患者(合計90名の患者)及び9名のプラセボ患者(合計45名の患者)が存在した。5つの用量コホートの各々の実薬患者を、5つ全てのコホート(プールされたプラセボ群)由来のプラセボ患者と比較した。デクスメデトミジン舌下フィルムで治療した患者の2時間時点でのPECのベースラインからの変化を、反復測定混合モデル(MMRM)分析を使用してプラセボと比較し、ベースラインPEC、治療群、時間、治療群と時間との間の相互作用、及びベースラインPECと時間との間の相互作用を共変量として用いた。
【0844】
PEC減少によって測定されるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性は、用量応答性であり、ロバストである。180μg用量群におけるPECスコアのベースラインからの減少は有意な応答を示し、投与後2時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化(CFB)はプラセボと比較して-10.8であった(表12及び図1)。ベースラインからの平均変化は、120μg及び80μg治療群の場合、プラセボと比較して、それぞれ、-9.2ポイント及び-7.3ポイントであった(平均変化-4.5)。プラセボとのLSM平均差は、80μg、120μg、及び180μg治療群の場合、-2.9(P=0.0210)、-4.6(P=0.0003)、及び--6.3(P<0.0001)であった(表11)。20μg及び60μg治療群の場合、投与後2時間時点でのベースラインからの平均変化はプラセボと有意差はなかった。加えて、作用の早期発現が激越を軽減するための療法に重要な特質であるため、180μg群は、早ければ投与の45分後にはプラセボと統計的に有意な差異を示した(LS平均差-3.5[P<0.0049])。
【表12-1】

【表12-2】

【表12-3】
【0845】
PECレスポンダー分析:投与後2時間時点でベースラインから40%のPEC総スコアの減少を有する者として定義される治療レスポンダーの割合は、180μg群で最も高く(180μgでは94.4%[P<0.0001]、120μgでは68.8%[P=0.0158]、80μgでは58.8%[P=0.0759])、プラセボ(レスポンダー31%)よりも有意に高かった(表13及び図2)。180μgでの奏効率はプラセボよりも有意に高く、投与後45分時点で始まり(それぞれ、16.7%に対して44.4%)、2時間後も増加し続け(4時間及び6時間時点で94.4%)、投与後少なくとも24時間まで持続した(それぞれ、17.5%に対して83.3%)。最後に、180μg用量の沈静効果の耐久性は著しく延長され、24時間後のPECの統計的に有意な減少の持続が明らかであった。180μg群の単回投与後、120μg群の37.5%(平均CFB-5.6)及び80μg群の43.8%(平均CFB-6.1)と比較して、83.3%の被験者が-8.9(平均CFB)の平均PEC減少で24時間後も奏効を維持した。80μg群及び120μg群の経時的な奏効率は高く、これらの2つの群間で同様であった(表13及び図2)。
【表13】
【0846】
PANSS-EC(5項目下位尺度スコア):激越に関連する5項目PEC下位尺度スコア(すなわち、衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)を表14に要約し、投与後2時間時点で、80μg群の「興奮」を除いて、プラセボと比較して、80μg群、120μg群、及び180μg群で5項目全てのPEC下位尺度スコアのベースラインからの有意な改善(すなわち、減少)が観察された。
【表14-1】

【表14-2】
【0847】
副次有効性評価項目:
投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、ACES及びCGI-Iスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【0848】
ACESスコア:この試験の副次目的は、投与前、2時間時点、及び初回投与後4時間時点で収集された激越沈静評価尺度(ACES)を利用して、デクスメデトミジン舌下薄フィルム薬の沈静効果の持続時間を評価することであった。ACES評価は、主要評価項目の分析と一致し、プラセボと比較して、評価した3つの最高用量(80μg、p=0.0150)、(120μg、p=0.0003)、及び(180μg、p<0.0001)で、2時間時点でのACESによって測定される、沈静の統計的有意性を満たした。投与後2時間時点で、80μg治療群、120μg治療群、及び180μg治療群の被験者は、プラセボと比較してACESスコアの有意に高い改善を示した(+1.2のプラセボと比較して、それぞれ、+2.3[P=0.0150]、+3.1[P=0.0003]、及び+4.2[P=<0.0001])。投与後4時間時点での改善も同様であった(+2.1[P=0.0252]、+3.2[P=<0.0001]、及び+4.1[P=<0.0001]、プラセボ(+1.1))。(表15及び図3)。(ACESスコアによって測定された)沈静効果に関して、120μg群及び180μg群における平均スコアは、投与後2時間時点で、プラセボ群における3.4のスコアの「軽度の激越」と比較して、それぞれ、およそ2「中等度の激越」のベースラインから5.1「軽度の沈静」及び6.2「中等度の沈静」に増加した。これらの群における沈静の改善は、プラセボと比較して、それぞれ、P値0.0003及び<0.0001で統計的に有意であった(表15)。
【0849】
激越の消失までの時間:投与後2時間及び4時間時点で少なくとも4(正常)のACESスコアを達成した被験者の割合を図3に提示する。投与後2時間及び4時間時点で、激越の消失を示す少なくとも4のACESスコアを達成した被験者の割合は、プラセボ群(投与後2時間時点及び4時間時点の両方で31.1%)と比較して、120μg群(それぞれ、72.2%[P=0.0045]及び77.8%[P=0.0016])及び180μg群(それぞれ、88.9%[P<0.0001]及び83.3%[P=0.0002])で有意に高かった。鎮静作用に関して(ACESスコアによって測定される)、結果は、治療群の合計9名の被験者が投与後2時間及び/または4時間時点で8「深睡眠」のスコアを有したが、9「覚醒不能」のスコアを有した被験者は治療群のいずれにも存在しなかったことを示した(表16)。沈静効果は、80μg用量群、120μg用量群、及び180μg用量群とプラセボとの差異によって証明されるように、少なくとも6時間持続した。
【表15】

【表16】
【0850】
CGI-Iスコア:平均ベースラインCGI-Sスコアは、全ての治療群で同等であった(範囲:3.9~4.3)。これらのCGI-Sスコアは、被験者が投与前に臨床的に激越状態にあった(すなわち、中等度に病気であった)ことを示した(表17)。激越のベースラインからの有意な改善(すなわち、より低いCGI-Iスコア)が、投与後1時間時点でデクスメデトミジン舌下フィルム120μg群及び180μg群で観察された。平均(SD)スコアは、プラセボ群の3.0(0.98)と比較して、それぞれ、2.3(1.13)及び2.1(0.87)であった(表18)。プラセボとのLSM差は、120μg群及び180μg群で、それぞれ、-0.7(P=0.0167)及び-0.9(P=0.0019)であった。激越のベースラインからの有意な改善(すなわち、より低い平均CGI-Iスコア)が、投与後2時間時点で、プラセボ群の平均スコア3と比較して、120μg群(1.9[P=0.0007])及び180μg群(1.4[P<0.0001])で観察された(表18)。プラセボとのLSMの差は、-1.1(P=0.0007)及び-1.6(P<0.0001)であった。デクスメデトミジン舌下フィルム120μg群及び180μg群で投与後4時間時点でも有意な改善が観察された。投与後2時間時点で1または2(「非常に改善された」または「かなり改善された」)のCGI-Iスコアを達成した被験者の割合は、プラセボ(31.0%)と比較して、120μg群(66.7%[P=0.0125])及び180μg用量群(94.4%[P<0.0001])で有意に高かった。これらの両方の治療群で投与後1時間及び4時間時点でも有意な改善が観察された(表19及び図4)。
【表17】

【表18】

【表19】
【0851】
薬物動態結果:
薬物動態分析を、Phoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)バージョン8.1の検証済みインストールを使用して行った。ノンコンパートメント分析も監査済み最終データに対して行い、この最終データは、20μg、60μg、80μg(20μgのフィルムを1回及び60μgのフィルムを1回)、120μg(60μgのフィルムを2回)、及び180μg(60μgのフィルムを3回)のデクスメデトミジン舌下フィルムを投与した5つのコホートに分けた合計135名の参加者からなった。投与後血漿試料を最初に採取した時点(1時間)で測定可能な濃度のデクスメデトミジンが全ての用量レベルで観察され、表20に一覧にした。投与前に(0時間時点で)測定可能な濃度はいずれの用量レベルでも存在しなかった。測定可能な濃度のデクスメデトミジンが全ての用量レベルで8時間まで観察可能であり、24時間時点で測定可能な濃度が各用量レベルで一部の被験者において観察可能であった(表20、エラー!参照元が見つかりません。A及び5B)。デクスメデトミジン舌下フィルムは、平均して投与後約2.5時間以内に達成される最高濃度で急速に吸収される。Tmax中央値は、1.50~2.31時間の範囲であり、t1/2中央値は、5つの用量レベルにわたって2.36~3.06時間の範囲であった。曝露量(Cmax及びAUC)は、単回投与後に検討した用量範囲内(20μg~180μg)でほぼ用量比例様式で増加した。Cmax中央値は、約40ng/L~約500ng/Lの範囲であった。吸収後、約3時間の半減期で排除され、これは、全ての用量群にわたって一貫していた。20μg用量群では、18名の被験者のうち8名に第2の用量のデクスメデトミジン舌下フィルムを投与し、曝露量(Cmax及びAUC)は再投与しなかった群よりも約2倍高かった。
【0852】
180μgの単回投与(平均Cmax:379ng/L、平均AUC:2881ng/L)後の観察された曝露量(表20)は、平均曝露量を有意に下回る(承認された用量のIV PRECEDEX(登録商標)が推定される):Cmax:1339ng/L、AUC:31713ng.h/L(PKPD18-1054)(承認された最高用量のデクスメデトミジン)。
【表20-1】

【表20-2】

【表20-3】

【表20-4】
【0853】
3.安全性及び忍容性:
デクスメデトミジン舌下フィルム(実施例1及び2の製剤)の忍容性は良好であり、激越を有する被験者の治療の際に好ましい安全性プロファイルを有した。安全性集団について治療群別の少なくとも1つの治療中に発生した有害事象(TEAE)を経験した被験者の概要を表21及び表22に示す。全体的に、合計55名の被験者(40.7%[55/135])が少なくとも1つのTEAEを経験した。TEAEを経験した被験者の割合は、80μg用量群、120μg用量群、及び180μg用量群で同様であった(それぞれ、55.6%、66.7%、及び66.7%)。これと比較して、TEAEを有する被験者の割合は、20μg用量群及び60μg用量群(それぞれ、27.8%及び33.3%)ならびにプラセボ群(22.2%)でより低かった。全ての治療群のTEAEの大半(81.1%)の重症度は軽度であった。TEAEのほぼ全て(90.9%)が全ての治療群において治験薬に関連しているとみなされた。重度であるとみなされたTEAEを経験した被験者はいなかった。この試験で報告された有害事象による死亡、重篤有害事象、または中止はなかった(表21及び表22)。
【0854】
この試験で報告されたTEAEは、デクスメデトミジンの既知の一般的な副作用、すなわち、口渇、徐脈、低血圧症、及び傾眠と一致した(表21)。
【0855】
最も多く報告されたTEAEは傾眠であり、26名の被験者がこの事象を経験し、このうち20例の事象が軽度であり、4例の事象が中等度であった。これらの群における傾眠の発生率は、16.7%(20μg及び60μg)、22.2%(120μg)、33.3%(80μg)、及び44.4%(180μg)であり、プラセボ群における発生率は4.4%であった。2番目に多く報告されたTEAEは口渇であり、プラセボ群の被験者の13.3%と比較して、それぞれ、20μg群、80μg群、120μg群、及び180μg群の5.6%、16.7%、16.7%、及び11.1%の被験者によって報告された。60μg用量群には口渇の事象を報告した被験者はいなかった。全ての口渇症例の重症度は軽度であった。
【0856】
デクスメデトミジン塩酸塩治療群では、バイタルサインに関連するTEAEは、6名の被験者における低血圧症(n=2[120μg]、n=4[180μg])、起立性低血圧症(n=1[80μg]、n=1[120μg]、及びn=1[180μg)、及び徐脈(n=1[20μg])であった。全ての被験者がそれらの事象から回復した。
【0857】
3例の臨床検査関連有害事象(総ビリルビンの正常上限の3倍、尿中グルコース3+、及び尿中タンパク質4+)が、それぞれの治験実施施設で追跡調査されており、この時点では消失していないままであった。他の点では、臨床検査パラメータ及びECG評価に臨床的に有意な変化はなかった。いずれの身体検査所見も治験責任医師によって臨床的に有意であるとみなされなかった。頬側検査によって決定される、治験薬に負の反応を示した(すなわち、局所刺激を有した)被験者はいなかった。
【0858】
また、収縮期血圧及び拡張期血圧の用量依存的減少が観察され、最大変化は投与後2時間時点であった。
●収縮期血圧:20μg群、60μg群、80μg群、120μg群、及び180μg群で、それぞれ、-4.6(9.63)、-5.6(10.85)、-8.2(11.50)、-12.1(20.50)、及び-14.7(12.09)mmHg、ならびにプラセボ群で+1.2(9.23)mmHg
●拡張期血圧:20μg群、60μg群、80μg群、120μg群、及び180μg群で、それぞれ、0.3(10.39)、-5.3(7.86)、-6.4(8.05)、-7.8(9.40)、及び-6.6(6.41)mmHg、ならびにプラセボ群で+0.2(7.82)mmHg
●心拍数:20μg群、60μg群、80μg群、120μg群、及び180μg群で、それぞれ、-0.1(6.24)、-3.9(9.13)、-0.8(8.39)、-2.2(13.03)、及び-10.7(12.97)bpm、ならびにプラセボ群で-0.8(8.29)bpm
【0859】
さらに、被験者が合計5分間立位になった後に、収縮期血圧、拡張期血圧、及び心拍数の起立時測定値を測定した。
【0860】
投与後2時間時点での立位収縮期血圧、拡張期血圧、及び心拍数のベースラインからの平均変化を以下に提供する(図7A図7B、及び図7C)。これらの変化は、収縮期血圧、拡張期血圧、及び心拍数の静止測定値のベースライン値からの変化と同様である(図6A図6B、及び図6C)。合計3名の被験者(各用量群80μg、120μg、及び180μgで1名)が起立性低血圧のTEAEを経験した。
【0861】
投与後2時間時点での立位収縮期血圧、拡張期血圧、及び心拍数のベースラインからの平均(±SD)変化は、以下であった。
●収縮期血圧:20μg用量群、60μg用量群、80μg用量群、120μg用量群、及び180μg用量群で、それぞれ、-3.1(8.34)、-4.6(9.04)、-12.6(12.83)、-11.9(16.43)、及び-15.0(11.3)mmHg、ならびにプラセボ群で+0.5(8.35)mmHg
●拡張期血圧:20μg用量群、60μg用量群、80μg用量群、120μg用量群、及び180μg用量群で、それぞれ、-1.4(6.97)、-4.2(4.78)、-6.7(8.49)、-6.9(7.86)、及び-7.1(8.51)mmHg、ならびにプラセボ群で1.3(7.36)mmHg
●心拍数:20μg用量群、60μg用量群、80μg用量群、120μg用量群、及び180μg用量群で、それぞれ、0.6(7.92)、-4.3(11.87)、-1.1(10.47)、-1.7(13.98)、及び-10.4(10.08)bpm、ならびにプラセボ群で-0.3(9.88)bpm
【表21】

【表22】
【0862】
結論:デクスメデトミジン舌下フィルム治療は、PEC、CGI-I、及びACES尺度によって測定されるように、統合失調症患者における激越の重症度をベースラインから有意に改善した。主要有効性評価項目は、投与後2時間時点でPEC総スコアがベースラインから有意に改善したため、80μg治療群、120μg治療群、及び180μg治療群で満たされ、平均変化は、-4.5のプラセボと比較して、それぞれ、-7.3ポイント、-9.2ポイント、及び-10.8ポイントであった。プラセボとのLSM差は、プラセボと比較して、80μg群、120μg群、及び180μg群で-2.9(P=0.0210)、-4.6(P=0.0003)、及び-6.3(P<0.0001)であった。投与後2時間時点でのレスポンダーの割合(すなわち、PEC総スコアの40%以上の減少)は、プラセボ(31.0%)と比較して、120μg用量群及び180μg用量群で有意に高かった(それぞれ、68.8%[P=0.0158])及び94.4%[P<0.0001])。さらに、投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、CGI-I及びACESスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【0863】
実施例4:認知症に関連する激越におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの第Ib/II相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照漸増用量設定、有効性、薬物動態、及び安全性試験
主要目的:
認知症に関連する急性激越の治療に有効な単回用量のデクスメデトミジン塩酸塩の安全性及び忍容性を説明する。
【0864】
副次目的:
1.プラセボと比較した、認知症に関連する急性激越の症状に対する異なる用量のデクスメデトミジン塩酸塩の沈静効果の発現及び規模を説明する。
2.PEC及びACESによって測定される沈静持続時間を説明する。
3.プラセボと比較した、有害事象及びバイタルサインによって決定される、デクスメデトミジン塩酸塩の忍容性及び安全性プロファイルを説明する。
4.臨床全般印象-激越重症度尺度(CGI-S)及び投薬後の改善度(CGI-I)によって測定される臨床効果を説明する。
5.ベースライン時、投与後1時間時点、及び2時間時点でのコーエン・マンスフィールド激越目録(CMAI)を使用して激越の頻度を説明する。
6.舌下腔内でのデクスメデトミジン塩酸塩フィルムのおよその溶解時間を決定する。
7.デクスメデトミジン塩酸塩フィルムの投与後に頬側検査により局所忍容性を評価する。
8.舌下デクスメデトミジン塩酸塩投与によってもたらされるデクスメデトミジンの薬物動態及び曝露を説明する。
【0865】
方法論:これは、適応第Ib相試験デザインである。これは、認知症に関連する急性激越を有する成人(65歳以上)男性及び女性におけるデクスメデトミジン塩酸塩投与の有効性、薬物動態、安全性、及び忍容性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照複数回漸増用量試験である。
【0866】
本試験は、ピッツバーグ激越尺度(PAS)を使用して測定される沈静効果をもたらす、各々3つの用量レベルで用量レベル毎に少なくとも30名の被験者(実薬:プラセボに4:1で無作為化)における安全な耐量範囲の特徴付けを試みる(表23)。
【0867】
30μg、60μg、及び90μgの3つの用量の評価が計画されており、忍容性及び安全性に基づいて異なる用量を試験するという選択肢もある。これは、安全性審査に基づいて、試験のために選択された用量がこれらとは異なる可能性があるため、適応デザインである。より低い用量またはより高い用量を選択して試験し、各コホート内で最大180μgまで反復投与してもよい。デクスメデトミジン塩酸塩フィルムを、半用量強度をもたらすために必要に応じて半分に分割してもよい。最初の投与コホート(30μg)を除いて、その後の用量レベルは各々、前の投与コホートの安全性を審査した後に許可される。有意な改善(1「非常に改善された」または2「かなり改善された」のCGI-I)が見られず、安全性事象が明らかでない場合、持続性または再発性激越の場合に反復投与してもよい。初回投与後2時間時点であるが、2時間評価を行った場合のみ、かつ初回投与後12時間以内にのみ、90μg用量を除く全てのコホートで合計2回まで反復投与してもよく(同じ無作為化実薬群:プラセボ群で)、90μg用量では必要に応じて1回のみ(合計180μg)反復投与することができる。患者が血行動態的に安定しており、低血圧ではなく(90/60超の拡張期/収縮期でなければならない)、かつ徐脈ではない(60bpm超でなければならない)場合にのみ、患者に再投与することができる。また、患者が起立性(収縮期血圧または拡張期血圧のいずれかで20ポイントの低下)である場合、または患者がAEを経験している場合、患者に再投与することはできない。これが単回投与への個々の応答を決定するのみならず、所与の被験者が第2の用量に応答を示し、かつより高い用量に応答する場合があるか、またはより高い総用量に曝露されているにもかかわらずデクスメデトミジン塩酸塩に対してノンレスポンダーに分類することができるかを決定する。
【0868】
定期的な安全性データ審査を継続的に行い、データ及び分析が利用可能になった時点で、割り付け及び投与を行った全ての被験者を審査する。定期的な安全性審査時に安全性または忍容性に関する問題が明らかにならなかった場合、用量漸増を許可する。
【0869】
治験実施施設に登録した患者を最低用量コホート(プラセボを含む)に順次割り付け、その後、漸増用量コホートに割り付けて登録する。この順次漸増させる適応登録により、被験者の安全性が確保され、最低用量コホートが最初に治験登録を完了し、より高い用量コホートが最後に完了する。加えて、有効性のために第2の用量を必要とすると評価された被験者は、次の用量コホートに近似する用量に効果的に曝露されるため、より高い用量の安全性/忍容性の初期の証拠を提供する。患者の大半は、より高い用量コホートが開始される前に、より低い用量コホートに登録され、評価される。さらに、不忍容性の証拠が全ての被験者及び用量のPK、曝露、及び安全性/忍容性を統合した分析に起因する場合、この用量レジメンを変更してもよく、または異なる用量を選択して、(典型的にはより低い)用量レジメンがより良好に忍容性を示すという仮説を検証してもよい。適格な患者(いずれかのタイプの認知症を有する患者)を、SNIFF、精神衛生、精神医学的、もしくは医学的救急サービス(医学的/精神医学的観察施設を含む)において特定、または急性激越により病院環境に新たに入院した患者、または慢性基礎症状によりすでに入院している患者として特定してもよい。被験者は、適格性を評価するためのスクリーニング手順を受けている間、治験実施施設に留まる可能性が高い。適格性が確認された時点で、被験者をデクスメデトミジン塩酸塩フィルムまたはプラセボフィルムに無作為化する。各試験セッションの開始時に、安全性または有効性の評価に参加しない非盲検スタッフメンバーからの指示に従うことができる場合、患者がデクスメデトミジン舌下フィルムの単回用量を舌下投与する。治験薬フィルムを、溶解するまで舌下腔内に保持させる。参加者を、フィルムを配置した領域周辺の局所刺激についても評価する。有効性及び安全性評価を投与前後に定期的に行う。適格な被験者を割り付け、投与し、データが利用可能になった時点で、継続中の定期的な安全性及びPK審査に従って、直前のパネルの治験登録を完了した後に次のコホートに投与する。
【0870】
バイタルサイン及びECGを、実施項目のスケジュールに示されている時点で実施する。参加者に、投与が完了した15分後に、要望に応じて水を飲ませる。安全性及び忍容性評価を3日目(退院日)の朝まで継続し、7日目(+2)に繰り返す。治験実施施設の方針に従って喫煙が許可される。4時間評価が完了した後、治験総括医師の裁量により、救援療法を、0.5~5mgのロラゼパムpo/IMまたは抗精神病薬po/IMを含み得る標準ケア治療を使用して開始してもよい。
【0871】
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返す。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が臨床的に有意ではないと治験責任医師が判断するまで行う。臨床検査によって決定される臨床的に有意な尿路感染症(UTI)を呈する被験者を本試験から除外する。
【0872】
有効性評価:
有効性測定を初回投与後24時間(24時間を含む)まで行う。急性激越に対するデクスメデトミジン塩酸塩の効果を以下の尺度:ピッツバーグ激越尺度(PAS)、PANSS-EC(PEC)、CMAI、CGI-激越重症度、及びCGI-激越改善度によって評価する。CGIに有意な改善(1「非常に改善された」または2「かなり改善された」のCGI-I)が見られず、明らかな安全性に関する懸念がない場合、第2のフィルム(実薬対プラセボの同じ割り付け)を投与してもよい。
【0873】
安全性及び忍容性評価:
有害事象、臨床検査、ECG、及びバイタルサインをモニタリングし、全ての観察された有害事象及び自己申告された有害事象を記録する。血圧、心拍数、及びECGを、評価スケジュールに従って完了する。いずれの臨床的に有意な異常(治験責任医師の判断による)バイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータも、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が臨床的に有意ではないと治験責任医師が判断するまで繰り返す。起立性評価は、高齢者のためのCDCガイドラインに従う(例えば、1分間及び3分間の立位時の血圧)。安全性及び忍容性評価を2日目及び3日目の朝まで継続し、7日目(+2)に繰り返す。
【表23】
【0874】
被験者数(計画数)
少なくとも30名(1コホートあたり10名)の被験者を米国内の最大3つの治験実施施設に登録する。ただし、治験依頼者は、本試験が進行するにつれて、治験実施施設の数及び用量コホートあたりの被験者の数(最大合計80名の患者)を増やすことを選択してもよい。
【0875】
被験者:
最近(6ヶ月以内)の激越の既往歴のあるいずれかの形態の認知症を有する適格な個人または彼らの法的代理人(LAR)がインフォームドコンセントに署名する。適格性が確認された時点で、被験者をデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムまたはプラセボフィルムのいずれかに無作為化する。各コホートに認知症に関連する急性激越を呈する10名の被験者を登録する(4:1での無作為化、例えば、8名がデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム、2名がプラセボフィルム)。被験者が激越状態になった時点で、1日目の評価を進める。
【表24-1】

【表24-2】
【0876】
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準
1.65歳以上の男性及び女性患者。
2.神経認知障害のDSM-5基準を満たした患者、または急性激越の既往歴のある認知症患者。
3.社会的活動を低下させる、スタッフ配置もしくは医学的介入を必要とする(蹴る、噛みつく、ばたつく(flailing)など)、または日常生活の機能的活動の能力を低下させるレベルに至るほどの激越の既往歴。
4.激越のIPA診断基準を満たしている患者。
5.ピッツバーグ激越尺度(PAS)を構成する4項目(異常発声、運動性激越、攻撃性、及びケア抵抗)の合計スコアが8以上である、投与前に臨床的に激越状態であると判断される患者。
6.ピッツバーグ激越尺度(PAS)の4項目のうちの少なくとも1つのスコアが2以上である患者。
7.書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出する患者、または法的代理人(LAR)を有する患者。
8.詳細な病歴、身体検査、12誘導ECG、血液化学プロファイル、血液検査、尿検査によって決定され、かつ治験総括医師の意見による、試験参加前の全身健康状態が良好である患者。
9.本試験にわたって、かつ試験終了後1週間にわたって医学的に許容される有効な避妊法を使用することに同意する女性参加者(妊娠の可能性があり、かつ性的に活発な場合)及び男性参加者(妊娠の可能性のあるパートナーと性的に活発な場合)。参加者及び/またはそのパートナーが使用してもよい医学的に許容される避妊法には、禁欲、避妊ピルまたはパッチ、殺精子剤入りペッサリー、子宮内避妊器具(IUD)、フォームまたは殺精子剤入りコンドーム、殺精子用膣坐剤、避妊手術、及びプロゲスチンインプラントまたは注射が含まれる。禁じられた方法には、リズム法、腟外射精、コンドームのみ、またはペッサリーのみが含まれる。
【0877】
除外基準
1.急性中毒によって引き起こされた激越を有する患者は除外すべきである。尿スクリーニング中の非処方薬の陽性確認により、この被験者が除外される。
2.治験薬投与前4時間以内にベンゾジアゼピン、他の鎮静剤、睡眠薬、または経口もしくは短時間作用型筋肉内抗精神病薬で治療された患者は除外すべきである。
3.投与前8時間以内に、アルファ-1ノルアドレナリン遮断薬、アルファアドレナリン拮抗薬での治療。
4.散発的に服用した市販薬を除いて、スクリーニング前の過去14日間に開始した長期使用新薬なし。
5.治験責任医師の評価により、自殺もしくは他殺の重大なリスクがあるか、またはCSSRSの項目4もしくは5に「はい」と回答した患者。
6.水頭症を有するか、発作性障害を有するか、または重大な頭部外傷、くも膜下出血、脳腫瘍、脳症、髄膜炎、または局所神経学的所見の既往歴のある患者、最近の大血管系(非微小血管系)脳卒中の既往歴のある患者、医学的に不安定であるか、または回復中であるとみなされ得る患者は除外すべきである。脳卒中の既往歴のある患者は、サイズ/場所にかかわらず、含めてもよい。
7.臨床的に有意な失神もしくは他の失神発作の既往歴、過去2年以内の起立性低血圧症、血液量減少、起立性低血圧症(立位状態で1分及び3分後に20mmHg以上の収縮期血圧低下)、及び徐脈の現在の兆候、60拍動/分未満のベースライン(投与前)心拍数または110mmHg未満の収縮期血圧もしくは70mmHg未満の拡張期血圧は除外すべきである。
8.患者の試験への参加に臨床的意義を有した、治験責任医師または資格のある被指名人によって臨床的に有意であるとみなされた臨床検査またはECG異常を有する患者[高度房室ブロック(ペースメーカーなしの2度以上の房室ブロック)、洞不全症候群の診断]は除外すべきである。
9.重篤なまたは不安定なまたはコントロール不良の医学的疾患を有する患者は除外すべきである。この疾患には、現在の肝疾患(中等度・重度の肝障害)、腎疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、心臓血管疾患(虚血性心疾患、うっ血性心不全を含む)、内分泌学的疾患、または血液疾患が含まれる。
10.現在の激越エピソード前30日以内に治験薬が投与された患者は除外すべきである。
11.治験責任医師により何らかの理由でデクスメデトミジンの投与には不適切な候補であるとみなされる患者、または舌下フィルムを使用することができない患者は除外すべきであり、例えば、デクスメデトミジンに対するアレルギー反応の既往歴のある患者は除外すべきである。
12.治験責任医師の判断により臨床的に有意な疼痛を経験している患者。
【0878】
被験者を治療群に割り付ける方法
適格性が確認された時点で、被験者をデクスメデトミジン塩酸塩フィルムまたはプラセボフィルムに無作為化する。3用量コホートの各々において、10名の参加者(治験薬治療8名、プラセボ2名)を、4:1のデクスメデトミジン塩酸塩フィルム:プラセボに無作為化する。試験無作為化をコンピュータで生成する。
【0879】
治療投与
投与を、半用量を作製するためにフィルムを中央で横方向に直接切断することによって達成することができる。投与を、1~3つのフィルムの投与によって達成することもできる(例えば、60μg用量が60μg用量の半分(30μg)とともに投与されて、90μg用量にしてもよい)。各試験セッションの開始時に、患者に治験薬の自己投与方法を指示する。患者が自己投与することができる場合、患者は、安全性または有効性の評価に参加しない非盲検スタッフメンバーの監督下で、デクスメデトミジン塩酸塩またはプラセボフィルムの用量を舌下に自己投与する。治験薬を、溶解するまで舌下腔内に保持させる。舌下投与が不可能な場合、フィルムを下唇の内側に配置してもよい。フィルムの配置場所を被験者のチャートに記載しなければならない。表24に従って非盲検試験スタッフによる客観的頬粘膜検査を行い、フィルム溶解時間を調べる。
【0880】
試験手順
被験者または彼らのLARは、禁止されている併用療法の中止を含むいかなる試験関連手順が開始される前に、書面によるインフォームドコンセントを提供し、該当する場合、同意する。本試験中に行われる実施項目のスケジュールを表24に提示する。
【0881】
試験評価
有効性:治験薬の効果を、以下に示されるいくつかの有効な手段を使用して評価する。
【0882】
PANSS興奮項目(PEC)
激越沈静評価尺度(ACES)
コーエン・マンスフィールド激越目録(CMAI):
急性激越の頻度に対する治験薬効果の評価もCMAIを使用して行う。CMAIは、29の挙動からなる評定アンケートであり、各々7点尺度の頻度で評定する。29全ての挙動が特定の患者に関連しない可能性がある。ベースライン時に被験者が発現した挙動のみを本試験にわたって評価し、修正されたCMAIが得られる。投与直前に存在する挙動を投与後時点にわたって評定する。投与前の後の各時点で、評定者は、投与前に発現しなかった項目(挙動)が最後のCMAI評価以降に発現していないことを書き留める。発現した場合、これらの項目を評定に含めることとする。
【0883】
ピッツバーグ激越尺度(PAS):
ピッツバーグ激越尺度(PAS)は、認知症に関連する激越の重症度をモニタリングするために開発された患者の直接観察に基づく手段である。患者には、異常発声、運動性激越、攻撃性、ケア抵抗の観察される4つの挙動群が存在する(0~4ポイント尺度を使用)。
【0884】
激越のCGI-S及びCGI-I:
CGI-I及びCGI-Sはいずれも、認知症の全般的な疾病の重症度ではなく、激越の重症度に重点を置く。
【0885】
臨床全般印象-重症度(CGI-S)を、スクリーニング時及び投与前(投与開始直前)の激越の重症度に基づいて評定する。
【0886】
激越の重症度を、以下の尺度に基づいて評価する。
0=評価されなかった
1=正常であり、全く症状を示さない
2=最小限の症状を示す-わずかなまたは軽度の症状-患者の機能をわずかに妨害する
3=軽度の症状を示す-低レベルの症状-社会的機能をわずかに妨害する
4=中等度の症状を示す-いくつかの顕著な症状-機能をいくらか妨害する
5=顕著に症状を示す-機能を大いに妨害する重篤な症状
6=重度の症状を示す-非常に顕著な症状により、患者が他者と関わることが困難になる
7=最も極度に症状を示す被験者の中で極度の症状-患者は正常に機能できなくなるか、自身または他者にとって非常に危険であり、追加のケア及び監督を必要とする
【0887】
激越時の治験薬に対する反応を、投与後に行われて投与前ベースライン激越と比較して評価される臨床全般印象-改善度(CGI-I)によって評価する。CGI-Iスコアは、1~7の範囲である:
0=評価されなかった(見つからなかった)
1=非常に改善された
2=かなり改善された
3=最小限に改善された
4=変化なし
5=最小限に悪化した
6=かなり悪化した
7=非常に悪化した
【0888】
認知症の臨床診断及び説明:
認知症のサブタイプを、全ての入手可能な医療情報、医療記録、以前の評価の文書、家族/介護者のインタビュー、記録、臨床結果、遺伝的特徴、または他のバイオマーカー、及び神経画像結果(入手可能な場合)の審査を含む、臨床的神経学的及び精神医学的評価に基づいて決定及び記録する。以下の尺度は、認知障害及び機能障害の観点から被験者の認知症(DSM-5主要神経認知障害)を特徴付ける:
【0889】
MMSE
フォルスタインミニメンタルステート検査(MMSE)は、高齢者の認知能力を試験する検査である。MMSEによって測定される分野には、時間及び場所に対する見当識、銘記、注意と予測、想起、名前呼び、繰り返し、理解、読み取り、書き取り、及び描画が含まれる。この検査の合計ポイントは30である。24以上のスコア(30ポイント中)は、正常な認知を示す。これを下回ると、スコアは、重度(9ポイント以下)、中等度(10~18ポイント)、軽度(19~23ポイント)の認知障害を示す可能性がある。
【0890】
CDR(登録商標)
CDR(登録商標)(アルツハイマー病研究センター、ワシントン大学、セントルイス)は、アルツハイマー病及び関連認知症に適用可能な6つの認知的及び機能的パフォーマンス分野(記憶、見当識、判断と問題解決、地域社会業務、自宅と趣味、及び身の回りの世話)を特徴付けるために使用される5ポイント尺度である。0のスコアは認知障害なしを暗示し、残りの4ポイントは認知症の様々な段階に対するものである。
CDR-0=正常
CDR-0.5=非常に軽度の認知症
CDR-1=軽度
CDR-2=中等度
CDR-3=重度
【0891】
安全性
安全性を、有害事象、臨床検査結果(血液検査、生化学検査、及び尿検査)、バイタルサイン測定(収縮期血圧及び拡張期血圧、脈拍数によって測定される心拍数、呼吸数、及び体温)、ECG、及び身体検査所見のモニタリング及び記録によって試験中に評価する。
【0892】
有害事象(AE)を、タイプ、重症度、重篤度、及び治療との関連性によって特徴付ける。有害事象を、MedDRAバージョン20.0を使用して、基本語及び器官別大分類によってコード化する。
【0893】
薬物動態
血液試料(4mL)を、実施項目のスケジュールに従って投与後0.5、1、2、4、8、及び24時間時点で採取する(表24)。
【0894】
被験者毎に、最大6つの血液試料(24mLの血液)をPK分析のために試験中に採取する。加えて、スクリーニング時におよそ15mLの血液を収集し、3日目の退院時におよそ15mLの血液を採取し、7日目(+2)におよそ15mLの血液を採取して、臨床検査を行う。試験中に採取した血液の総体積はおよそ69mLであると予想される。
【0895】
再投与される被験者のみ:追加のPK血液試料(4mL)を、他の時点に加えて、初回投与後2.5時間時点で採取し、合計およそ73mLにする。その時点での他の全ての評価を行った後にのみ、全てのPKサンプリングを行う。
【0896】
薬物動態分析
全ての薬物動態パラメータを、WinNonlinを使用したノンコンパートメント分析を使用して計算する。実際のサンプリング時間を全ての薬物動態分析で使用する。治験実施計画書に適合した時間を使用して、グラフィック表示用に平均血漿濃度を計算する。必要に応じて他のPK分析を行ってもよい。
【0897】
実施例5:オピオイドに物理的に依存しているオピオイド使用障害を有する患者における急性オピオイド離脱の症状を治療するためのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの第Ib/II相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照漸増用量設定、有効性、薬物動態、及び安全性試験
主要目的:
オピオイドに物理的に依存しており、かつ経口モルヒネで維持されているオピオイド使用障害を有する被験者におけるプラセボと比較したデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの漸増用量の安全性及び忍容性を確立する。
【0898】
副次目的:
以下の改善に対するプラセボと比較したデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性を確立する。
1.オピオイド離脱症状:
-ゴソップの短期オピエート離脱尺度(SOWS-GOSSOP)、及び
-臨床オピエート離脱尺度(COWS)
2.オピオイド中止後の脱落までの時間
3.オピオイド中止後に脱落した被験者の割合(パーセント)
4.激越沈静評価尺度(ACES)評価のスコアによって反映される安全性の評価
【0899】
予備目的:
オピエート離脱を経験している被験者における薬物動態の評価。
【0900】
試験デザイン:この入院第1b相試験は、モルヒネ維持の中止後のプラセボと比較したデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの漸増用量の安全性、薬物動態、及び有効性の早期兆候を評価する。オピオイド維持期は、試験1日目~5日目に起こり、無作為化デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム/プラセボ期は、試験6日目~12日目に起こる。その後、2日間の(デクスメデトミジンの)プラセボ舌下フィルム及びモルヒネプラセボ治療を13~14日目に残りの全ての被験者に行う。
【0901】
30日間のスクリーニング期間後、オピオイドに物理的に依存しているOUDを有する適格な成人男性及び女性被験者を入院病棟に入院させる。オピオイド維持期の開始時(試験1~5日目)に、被験者(n=125名の登録者)に、経口モルヒネ(30mg)をおよそ6時間毎に1日4回(QID)または必要に応じて1日最大5回投与する。安定化の最初の2日間(試験1~2日目)の総モルヒネ用量は、治験責任医師の裁量により、患者の乱用歴及び離脱症状を安定させるためのより高い用量の必要性に応じて、1日あたり120mg~150mgの間で変化し得る。翌3日間の間(試験3~5日目)に、全ての被験者に1日合計120mgの標準用量のモルヒネ(30mg QID)を投与する。加えて、全ての被験者に、このオピオイド維持期中(すなわち、1~5日目)におよそ12時間間隔でプラセボフィルムを投与してシミュレートし、6~12日目の間にデクスメデトミジン舌下フィルムで盲検治療を行う。
【0902】
6日目の朝に、実薬モルヒネをプラセボモルヒネに置き換えることにより、実薬モルヒネの盲検による突然の中止を開始する。プラセボモルヒネカプセル剤の外観は、オピオイド維持期中に服用したモルヒネカプセル剤と同一である。この日(試験6日目)に、被験者を無作為化して、プラセボまたはデクスメデトミジン塩酸塩フィルム(BID)のいずれかを1日2回、午前8時及び午後8時におよそ12時間間隔で投与する(各コホート内で、20名の被験者に実薬デクスメデトミジン舌下フィルムを投与し、5名の被験者にプラセボを投与する)。プラセボ舌下フィルムまたはデクスメデトミジン舌下フィルムを6~12日目に投与する。13日目及び14日目に、残りの全ての被験者にプラセボモルヒネカプセル剤(QID)及びプラセボ舌下フィルム(BID)を投与する。
【0903】
合計5コホートを試験することが予測される(1コホートあたりn=25)が、継続中の安全性審査及び医学的モニタリングに基づいて、コホートを追加するか、または異なる用量/投与スケジュールを選択する可能性がある。以下の用量:30μg(コホート1)、60μg(コホート2)、90μg(コホート3)、120μg(コホート4)、及び180μg(コホート5)を投与する。安全性及び忍容性を継続的にモニタリングし、各コホートの完了時に医学的安全性審査によって要約する。プラセボ群を用いたオピオイド離脱の試験は高い脱落率を有する可能性があり、それ故に、6日目以前の脱落者を置き換えて、治療期に入るのに十分な症例数を確保してもよい。この試験は、柔軟かつ適応可能であるよう意図されており、したがって、安全性、忍容性、及び有効性データの審査の結果として、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの投与頻度、用量、及びコホート数を変更してもよい。
【0904】
オピオイド離脱症状(SOWS-Gossop及びCOWS)を、入院期間にわたって、投与前、投与後2時間時点、2回目投与前、及び2回目投与後2時間時点で測定する。追加の/SOWS-Gossop/COWSを、治験責任医師の裁量により施行することができる。オピオイド使用障害の治療への移行は、患者が病棟を離れる前に提供される。
【0905】
バイタルサイン、SOWS-Gossop、COWS、パルスオキシメトリー、及びリズムストリップによる心電図(ECG)を評価スケジュールに従って測定する(表25)。デクスメデトミジン舌下フィルムまたはプラセボをスタッフの観察下で舌下に自己投与し、被験者は投与完了の15分後に所望に応じて流動食が許容される。安全性及び忍容性の評価を14日目(退院日)の朝まで継続する。
【0906】
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返す。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が安定しており、もはや臨床的に懸念されないと治験責任医師が判断するまで行う。
【0907】
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準
1.18歳から65歳未満の男性及び女性被験者。
2.精神障害の診断及び統計マニュアル第5版(DSM-5)基準に従って中等度から重度のオピオイド使用障害の基準を満たし、かつ1日目の入院時に5を超える臨床オピエート離脱(COWS)スコアまたはナロキソン負荷試験陽性によって証明される生理学的依存を有するとミニ国際神経精神医学面接(MINI)によって確定された者。
3.書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出することができる被験者。
4.妊娠している可能性のある女性は、妊娠検査で陰性でなければならず、試験期間中、禁欲であるか、または許容される避妊方法を使用することに同意しなければならない。
【0908】
除外基準
1.スクリーニング時または検査時に尿妊娠検査が陽性であるか、現在授乳中。
2.臨床的に有意な心疾患歴、スクリーニング及びベースライン55拍動/分未満の心拍数、または110mmHg未満の収縮期血圧もしくは70mmHg未満の拡張期血圧。
3.治験責任医師の考えでは、スクリーニング検査結果によって確認される、リスクを増加させるか、または試験対策の解釈を混乱させる可能性のある有意な医学的疾患または障害の既往歴または存在。
4.スクリーニング訪問時の肝機能障害(腹水を特徴とする、またはビリルビン値が正常上限[ULN]の10%超を上回る、または肝機能検査値がULNの3倍を上回る)。
5.血清学陽性及びULNの2倍超のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値によって証明される、急性活動性B型またはC型肝炎。
6.スクリーニング時または投与前に、2度または3度心ブロック、コントロール不良の不整脈、またはQTc間隔450ミリ秒超(男性の場合)及び470ミリ秒超(女性の場合)などの臨床的に有意な異常なECG所見。
7.試験要件を満たす能力に支障を来たす精神障害。
8.現在、オピオイド、カフェイン、またはニコチン以外の物質については、中等度または重度の物質乱用障害のDSM-5基準を満たしている。
9.スクリーニング前の過去1年以内の自殺行為歴。
10.スクリーニング前の30日以内のFDA未承認薬理学的薬剤の臨床試験への参加。
11.スクリーニング時の除外された薬剤の使用、または試験期間中の予測される/要求される使用。
12.モルヒネ不耐症歴のある被験者。
13.治験総括医師の見解では、治験実施計画書の来院スケジュールまたは来院要件を満たす被験者の能力に支障を来たすであろういずれかの所見。
【0909】
試験治療
被験薬、用量、及び投与方法:
舌下(SL)投与用のデクスメデトミジン薄フィルム製剤としてのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μg用量。この製品は、舌下腔内で1~3分以内に完全に溶解するように設計された小型の固形用量フィルム製剤である。
【0910】
基準療法、投薬量、及び投与方法:
上記のように舌下投与される対照プラセボフィルム。
【0911】
治療期間:
30mgのモルヒネ及び(デクスメデトミジンの)プラセボ舌下フィルムを1日4回または1日5回:5日間、
デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムまたはプラセボ舌下フィルム及びモルヒネプラセボを1日2回:7日間、(デクスメデトミジンの)プラセボ舌下フィルム及びモルヒネプラセボ:2日間。
【0912】
試験手順
被験者は、禁止されている併用療法の中止を含むいかなる試験関連手順が開始される前に、書面によるインフォームドコンセントを提供する。
【表25-1】

【表25-2】
【0913】
評価基準:
有効性評価:改善されたピークSOWS-Gossopスコアによって測定される、プラセボと比較した標的集団におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの舌下投与の予備的有効性を決定する。
【0914】
治験薬の効果を、以下に記載のいくつかの有効な手段を使用して評価する。
【0915】
ゴソップの短期オピエート離脱尺度(別名、SOWS-Gossop)
SOWS-Gossopは、オピオイドに依存している被験者における離脱症状を測定するために設計された10項目の患者報告尺度である(Gossop,1990)。10項目の各々がある症状を表す:「気分が悪い」、「胃けいれん」、「筋けいれん/筋攣縮」、「寒さを感じる」、「心臓がドキドキする」、「筋肉の張り」、「うずきと痛み」、「あくび」、「涙目」、及び「不眠症/睡眠障害」。被験者は、「なし」、「軽度」、「中等度」、または「重度」のいずれかを選択することによって、過去24時間にわたる各症状の重症度を評価する。
【0916】
SOWS-Gossop総合スコアは0~30の範囲であり、スコアが高いほど離脱症状の重症度が高いことを示す。
【0917】
臨床オピエート離脱尺度
COWSは、患者のオピエート離脱レベルを測定するために設計された11項目のアンケートである(Wesson and Ling,2003)。評価される症状には、安静時脈拍数、発汗、落ち着きのなさ、瞳孔サイズ、骨痛または関節痛、鼻水または涙目、胃腸障害、振戦、あくび、不安または易怒性、及び鳥肌が含まれる。COWS合計スコアは0~48の範囲であり、スコア5~12は軽度の離脱であり、13~24は中等度の離脱であり、25~36は中等度に重度の離脱であり、36超は重度の離脱である。
【0918】
安全性及び忍容性評価:
COWS、SOWS-Gossop、有害事象(AE)、臨床検査、リズムストリップによるECG、パルスオキシメトリー、及びバイタルサインを忍容性評価のためにモニタリングする。安全対策としてACES評価も施行する。全ての観察された有害事象及び自己申告された有害事象を記録する。治験責任医師により、有害事象と治験薬との関連性を、関連性がない、関連性している可能性が低い/関連性が低い、関連している可能性がある、恐らく関連している、または確実に関連していると等級分けする。収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、起立時血圧、心拍数、及び酸素飽和度を含むバイタルサインを本試験にわたって毎日測定する。舌下調製物の適用部位(頬粘膜)を局所刺激のあらゆる兆候について調べる。
【0919】
追加の評価:
●人口統計学的データ
●医学的及び精神医学的病歴
●以前に服用していた薬剤及び併用薬
●身体検査
●自殺傾向
●妊娠
【0920】
薬物動態
血液試料(4mL)を、試験6日目及び12日目に、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの初回投与後0、2、6、及び12時間時点で採取する。12時間時点の試料を、デクスメデトミジン舌下フィルムまたはプラセボの次の用量の投与直前に採取する。
【0921】
統計分析:
主要アウトカム:オピオイドに物理的に依存しているOUDを有する被験者におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの漸増用量の安全性及び忍容性。
【0922】
副次アウトカム:
1)6~14日目のピークSOWS-Gossopスコア。
2)6~14日目のピークCOWSスコア。
3)6~14日目の日毎の平均COWSスコア(離脱症状の経時的変化を評価するために日毎の平均を計算する)。
4)6~14日目の日毎の平均SOWS-Gossopスコア。
5)モルヒネ維持の中止後の脱落までの時間(6~14日目)。
6)6~14日目の各治療群におけるオピオイド維持の中止後に脱落した被験者の割合(パーセント)。
7)全体的な激越及び鎮静作用をACESで評価する。
【0923】
有効性分析
主要:モルヒネ維持期後、6~14日目のピークSOWS-Gossopスコアに関するデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムとプラセボとの間の治療差を、線形回帰または混合モデル反復測定[MMRM]を使用して分析する。7日目(オピエート中止の2日後)のピークSOWSスコアに関するデクスメデトミジン舌下フィルムとプラセボとの間の治療差、ならびに6~14日目のピークSOWSを分析する。治療意図集団を分析し、ITTは、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなる。
【0924】
副次:6~14日目のピークCOWSスコアの各々を、直線回帰またはMMRMを使用して、デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム群とプラセボ群との間で比較する。モルヒネ維持の中止後の脱落までの時間を、Cox比例ハザードモデルを使用して分析する。カプラン・マイヤー推定値を使用して、各治療群における経時的な生存曲線も生成する。ロジスティック回帰モデルを使用して、オピオイド中止後に脱落した被験者の数に関してデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム群とプラセボ群を比較する。有害事象、重篤有害事象、及び/または死亡、または治療効果の欠如により本試験から脱落した被験者のリストを提示する。臨床検査パラメータを、臨床的に有意な異常の記述統計学及びデータリストを使用して治療別に要約する。バイタルサイン及びECGデータを、記述統計学を使用してベースライン値からの変化別に要約する。カイ二乗検定(またはフィッシャーの正確確率検定)を使用して、6日目の開始時の血圧、心拍数、または呼吸駆動に関する有害事象または重篤有害事象の頻度をデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムとプラセボとの間で比較し、その後、本試験の残りの期間にわたって毎日比較する。
【0925】
薬物動態分析
PK分析のための別個のSAPを本試験のために準備し、データベースロック前に終了させる。本試験に参加した被験者からのデータを薬物動態分析に含める。試料濃度が欠落している被験者を薬物動態分析に含めるが、ただし、それらの薬物動態パラメータを残りのデータに基づいて適切に特徴付けることができることを条件とする。
【0926】
安全性分析
安全性データ分析を、少なくとも1用量の治験薬を投与した全ての被験者に対して行う。1つ以上の有害事象を経験した被験者の数及び割合を、治療、治験薬との関連性、及び重症度別に要約する。有害事象を、医薬品規制用語集(MedDRA)を使用してコード化する。
【0927】
実施例6:せん妄及び激越を有するICUに入院している患者を治療するためのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの第Ib/II相無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定有効性及び安全性試験。
主要目的:
1.過活動性せん妄を有する入院患者における血圧、心拍数、QTc間隔を含む心血管パラメータに対するデクスメデトミジン舌下フィルムの影響を評価すること。
2.同じ患者群におけるデクスメデトミジン舌下フィルムの投与後の他の副作用の発生率を評価すること。
3.激越及びせん妄重症度に対するデクスメデトミジン舌下フィルムの影響を調べること。
4.有意な副作用を引き起こすことなく激越及びせん妄重症度を軽減するのに効果的なデクスメデトミジンの最適用量を特定すること。
【0928】
組み入れ/除外基準
組み入れ基準:
1.MGHの内科または外科集中治療室に入院している成人
2.認可された精神科医によってDSM-5基準(DSM-5)に従って評価されたせん妄の診断
3.スクリーニング時に18kg/m以上30kg/m以下の肥満度指数(BMI)
4.スクリーニング時に体重少なくとも60kg(132ポンド)
5.本試験チーム及び臨床チームの考えでは、デクスメデトミジン舌下フィルムを投与するのに十分に身体的に健康である
【0929】
除外基準:
1.医療記録またはチーム報告に従って、
○認知症の診断
○有意な外傷性脳損傷の診断
○持続性神経学的欠損を伴う脳卒中の既往歴の診断
2.以下の心血管共存症のうちのいずれかの存在
○洞不全症候群
○登録時及び投与前に55拍動/分未満の安静時心拍数、または100mmHg未満もしくは160mmHg超の収縮期血圧、または70mmHg未満もしくは95mmHg超の拡張期血圧
○12誘導心電図(ECG)による心虚血の証拠
○450ミリ秒超の補正QT間隔
○永久ペースメーカー装置の存在
3.医療記録(メモ、現在の投薬、フローシート)に従って、
○ペースメーカーなしの2度(またはそれ以上の)房室ブロック
○デクスメデトミジンに対する既知のアレルギーまたは有害反応
○デクスメデトミジンを使用中
4.重度の激越、神経学的障害、NPO状態、または他の原因により舌下デクスメデトミジンを服用できない。
5.肝障害(肝機能検査値が正常上限の3倍を上回る)
6.重度の腎障害(30ml/分未満のGFRまたは透析時)
7.体重60kg未満
8.妊娠(女性、血清または尿hCGで検査)
9.英語を流暢に話せない
10.本試験への登録前、現在の入院中にまたは以前入院していたときに治験薬の投与を受けた
【0930】
組み入れ基準の評価:
組み入れ及び除外基準を段階的に評価する。参加者/代理人と交渉を始める前に、試験スタッフは電子医療記録を見直して除外条件を評価し、かかる条件の有無が不明な場合、臨床チームと話し合う。除外基準を明確に満たしていない患者のみを、試験精神科医が組み入れ及び除外基準についてさらに評価する。
【0931】
具体的には、試験精神科医は、評価後に診断に関する質問が残っている場合、医療記録を見直し、潜在的な参加者を評価し、入院患者チームと話し合ってせん妄の診断を確認する。DSM-5基準を使用してせん妄を診断する。
1.)注意力及び意識性に撹乱がある。
2.)撹乱は短期間にわたって発症し、ベースラインからの急激な変化を表し、1日にわたって変動する傾向がある。
3.)認知にさらなる撹乱がある。
4.)撹乱は、基礎神経認知障害(例えば、認知症)によってより良く説明されるものではない。
5.)撹乱は、重度に低下した覚醒レベル(例えば、昏睡)の状況では発生しない。
6.)撹乱が、別の医学的状態、薬物中毒もしくは離脱、または毒素への曝露の直接的な生理学的結果であるか、または複数の病因に起因することが証明されている。
【0932】
この臨床診断は、見当識、注意力、及び記憶力の臨床検査を含む精神医学的及び認知的評価との関連で行われる。
【0933】
患者がせん妄の基準を満たしている場合、試験精神科医は、患者の医療記録をさらに見直し、除外基準が存在するかを決定するために入院患者チームと話をする。参加者がデクスメデトミジンに医学的に耐えることができると臨床チームが確信するために、参加者が激越状態になったときにデクスメデトミジンを静脈内投与するのに好適であるとみなすかを臨床チームに尋ねる。被験者がせん妄の診断基準を満たし、いずれの除外基準も満たしていない場合、被験者を本試験への組み入れに適格であるとみなす。
【0934】
本試験に登録した後、臨床検査を行い、心電図を取得して、投薬前に臨床的安定性を確認する。参加者が登録直後に激越状態になり、臨床的安定性が確認された場合、参加者は、治験薬の投与のための無作為化に適格である。参加者が激越の証拠を有していない場合、参加者を激越の発症(1以上のRASS)について毎日モニタリングし、激越が発症した場合にのみ/激越が発症した時点で無作為化する。患者は、激越の有無にかかわらず、本試験への登録に適格であるが、激越状態になる参加者にのみデクスメデトミジンフィルムを投与する。
【0935】
試験手順
A.データ収集及びモニタリング
初期スクリーニング及びデータ収集。上記のように、登録前に、試験精神科医は、医療記録を簡潔に見直し、主要治療チームと話し合い、診断評価(DSM-5基準)を行い、意思決定能力を評価することにより、組み入れ及び除外基準について患者を評価する。登録された被験者について、カルテ審査を行い、ベースライン特性を収集する(表26-実施項目のスケジュール)。
【0936】
治験薬の投与の適格性のさらなるスクリーニング。登録後、包括的代謝パネル(グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、二酸化炭素、マグネシウム、血中尿素窒素、クレアチニン、尿酸、無機リン)及び肝機能検査(アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]、アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT]、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ、総ビリルビン)を含む臨床検査を行う。
【0937】
加えて、血清ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG、女性参加者のみ)を取得する。これらの臨床検査がこの入院中にすでに行われていた場合、それらに影響を及ぼす可能性のある臨床状態に変化が起こらない限り、新たな試料を採取しない。最後に、標準の12誘導ECGを取得する。評価される心電図パラメータには、心拍数、ならびにPR、QRS、QT、バゼット補正法を使用したQTc(QTcB)、及びフリデリシア補正法を使用したQTc(QTcF)が含まれる。QTcFを、治験薬に応じたQTcの変化を評価するための標準のQTc間隔とみなす。ECGは治験責任医師によって解釈され、必要に応じて、治験総括医師または被指名人の医学的見解で解釈され、所見は心臓専門医、救命救急医、または麻酔専門医によって確認される。全ての必要な臨床検査結果が得られ、参加者の投薬の適格性が確認されるまで、治験薬の投与は行われない。
【0938】
激越の発症のモニタリング:作業週の間毎日、参加者はリッチモンド興奮鎮静尺度(RASS)を使用して試験チームメンバーによって評価される。参加者が有意な激越(RASSスコア1以上として定義される)を有することが判明した場合、参加者はベースラインモニタリング手順を受け、2つの治療条件のうちの1つに無作為化される。
【0939】
無作為化:被験者を、20μgのデクスメデトミジンを舌下投与する群または60μgのデクスメデトミジンを舌下投与する群のいずれかに無作為化する。デクスメデトミジンが10μgフィルム及び60μgフィルムで利用可能であるため、20μg投与する被験者には10μgフィルムを2つ投与し、60μg投与する被験者には60μgフィルムとプラセボフィルムを投与して、スタッフ及び参加者の盲検化を確実にする。参加者に30分毎に最大3つの追加用量を反復投与し、それぞれ、80μg及び240μgの最大用量にする。治験責任医師及び臨床医師はいずれも参加者の群に対して盲目であり、試験薬剤師のみがフィルム上の薬剤の用量を認識している。
【0940】
ベースラインモニタリング。登録後、試験チームは、心拍数、血圧、及び酸素飽和度のベースライン測定値を記録する。ECGを行い、QTcFを測定する。次に、医師は、RASS及びDRS-R-98を使用して患者を評価して、それぞれ、ベースライン激越及びせん妄重症度を測定する。
【0941】
投薬。デクスメデトミジン舌下フィルムが製造業者の指示に従って試験医師または試験看護師によって投与される。具体的には、フィルムを参加者の口内に配置する。参加者にはフィルムが溶解するまでフィルムを口内に保つように指示する。参加者が治験薬を口内に保持することができない場合(例えば、治験薬を吐き出す)、参加者に再投与しない。参加者が激越(1以上のRASS)を呈し続け、心血管停止基準を満たしていない場合、デクスメデトミジンを30分毎に反復投与する。投与時間及び最大投薬量は、以下の表27の通りである。
【表27】
【0942】
副作用のモニタリング。心拍数、血圧、酸素飽和度、酸素補給の使用、及び昇圧薬の使用を継続的にモニタリングし、参加者のEpicフローシートからまたは遠隔測定モニター/自動血圧測定カフを使用して、初回投薬後6時間にわたって30分毎に記録する(ベースライン、時間0)。ECGを1.5、3、4.5、及び6時間時点で行い、上記のようにフリデリシア式を使用してQTcを計算する。また、試験スタッフは、被験者をモニタリングし、6時間時点で看護スタッフと話して、投薬後に患者が経験したかもしれない他の副作用/訴えについて評価する。これらを、市販後調査で報告されたデクスメデトミジンの副作用のリストを使用して正式に評価する。
【0943】
激越及びせん妄重症度のモニタリング。RASSが試験スタッフ(試験コーディネーター、看護師、または試験精神科医)によって30分毎(ベースライン後最大6時間)に行われ、激越がモニタリングされる。DRS-R-98が試験医師によってベースライン後1、2、3、4、及び6時間時点で行われ、せん妄重症度の変化が評価される。患者が6時間のモニタリング期間内に投薬後の激越を管理するために追加の治療を必要とする場合、その時点以降の全ての有効性及び安全性評価を継続するが、それらの患者のそれらの時点は一次データ分析では分析されない。
【0944】
以下のうちのいずれかが発生した場合、投与はいつでも中止される:
1)収縮期血圧または拡張期血圧が30mmHg超低下。
2)収縮期血圧が95mmHg未満に低下。
3)拡張期血圧が55mmHg未満に低下。
4)心拍数が20拍動/分低下、または55拍動/分未満に低下。
5)ECGにより500ミリ秒超のQTcが判明。
6)-1のRASSの達成。
【表26】
【0945】
治験薬:
本試験では、我々は、20μgまたは60μg用量の舌下フィルム製剤(舌下吸収)で治験薬を投与する(反復投与では、参加者に、それぞれ、合計最大80μgまたは240μg投与してもよい)。
【0946】
データ収集
ベースラインデータ。デクスメデトミジンの投与前に、試験医師はRASS及びDRS-R-98を行い、激越及びせん妄重症度レベルを評価する。心拍数、血圧、及び酸素飽和度を、参加者の遠隔測定モニターから自動血圧測定カフを使用して記録する。最後に、ECGを行い、試験医師がQTc間隔を計算する。
【0947】
心血管パラメータ及び副作用。デクスメデトミジンの投与後、心拍数、血圧、及び酸素飽和度を、遠隔測定モニターまたはEpicフローシートから30分毎に記録する。以前の試験と一致して、我々は、以下の副作用をモニタリングする。
(a)徐脈-55拍動/分未満の心拍数(またはベースライン心拍数が70拍動/分未満の場合、ベースラインから20%以上の心拍数低下)
(b)低血圧症-95mmHg未満の収縮期血圧(またはベースライン収縮期血圧が120mmHg未満の場合、ベースラインから20%以上の収縮期血圧低下)、または昇圧剤の追加または増加
(c)頻脈-100拍動/分超の心拍数(または、ベースライン心拍数が83拍動/分超の場合、ベースラインから20%以上の心拍数上昇)
(d)高血圧症-160mmHg超の収縮期血圧(またはベースライン収縮期血圧が133mmHg超の場合、ベースラインから20%以上の収縮期血圧上昇)
(e)低酸素症-90%未満の酸素飽和度(またはベースライン酸素飽和度が95%未満の場合、酸素飽和度の5%以上の絶対値減少)、または酸素飽和度を90%超に維持するのに必要な酸素補給量の増加
(f)ECG変化(QTc延長を含む)-ECGパラメータには、心拍数、PR間隔、QRS間隔、QT間隔、及びQTc間隔(QTcB法及びQTcF法を使用した速度補正)が含まれる。ECG結果及びベースラインからの変化の要約を提示する。QTcがベースラインから90分間のECG時点までに増加した参加者の数及び割合を、以下の変化カテゴリーを使用して要約する。
a.QTc間隔がベースラインから30超~60ミリ秒以下増加
b.QTc間隔がベースラインから60ミリ秒超増加
加えて、QTc値を、表28に示されるQT間隔延長の可能性の評価に関して考慮すべき欧州医薬品委員会(CPMP)ポイントに従って正常から延長まで性別毎に要約する。
【表28】
【0948】
同様に、ある特定の閾値を上回る絶対QTc間隔値を有する参加者の数及び割合を、医薬品規制調和国際会議(ICH)E14ガイダンスに従って以下の限界を使用して性別毎に要約する。
●QTc間隔が450ミリ秒超~480ミリ秒以下
●QTc間隔が480ミリ秒超
●QTc間隔が500ミリ秒以上
【0949】
ベースラインから30~60ミリ秒と60ミリ秒以上との間のQTc変化を有する参加者のリストを提供する。異常なQTc間隔値(450ミリ秒超~500ミリ秒未満及び500ミリ秒以上)を有する参加者のリストも治験依頼者に提供する。
【0950】
非心血管系副作用。最終評価中(治験薬の初回投与の6時間後)、参加者に以下の質問をする。「治験薬を服用してから新たな身体的問題または副作用に気づきましたか?」加えて、参加者の主治看護師に、市販後調査で報告された副作用のチェックリストを使用して、患者が投薬後に新たな病状または副作用(例えば、筋硬直、振戦、発疹)の兆候または症状を有したかを尋ねる。
【0951】
激越及びせん妄重症度への影響。
(a)激越:激越を、意識レベル及び激越レベルを定量化するための10ポイント尺度であるRASSを使用して測定する。この有効な測定基準を1分未満で施行することができ、覚醒/激越レベルについて明確な定義を有する。RASSは、試験コーディネーター、試験看護師、または試験精神科医により、ベースライン時及び30分毎に(ベースライン後6時間まで)施行される。
【0952】
(b)せん妄重症度:DRS-R-98をせん妄重症度の尺度として使用する。この16項目尺度を使用してせん妄をスクリーニング/診断することができるが、せん妄重症度を評価するための13項目も含まれている。これは信頼性があり、せん妄を有する患者で検証されている。この尺度は、試験医師により、ベースライン時、その後、デクスメデトミジン初回投与後1、2、3、4、及び6時間時点で施行される。
【0953】
実施例7:健常成人ボランティアにおけるデクスメデトミジン舌下フィルム(実施例1製剤)の薬物動態、安全性、及び忍容性の第1相無作為化単純盲検プラセボ対照単回漸増用量試験
これは、健常成人(18~65歳)男性及び女性における4つの投与群を用いた薬物動態、安全性、及び忍容性の無作為化単純盲検プラセボ対照単回漸増用量試験であった。治験実施計画書は、治験実施施設(複数可)の治験審査委員会によって審査及び承認されたものである。本試験を、ヘルシンキ宣言及びICH-良き臨床上の基準(GCP)に従って行った。
【0954】
主要目的:その後の臨床試験に持ち越される適切なフィルム投薬量強度を特定するために、デクスメデトミジン舌下フィルムの様々なフィルム強度のPK、安全性、及び忍容性を決定する。
【0955】
副次目的:
1.デクスメデトミジン舌下フィルムの様々なフィルム強度のPD効果を決定する。
2.デクスメデトミジンのPD効果と血漿中濃度との間の関連性を決定する。
3.デクスメデトミジン舌下フィルム投与後の眠気発症までの時間を決定する。
4.デクスメデトミジン舌下フィルム投与後の鎮静効果の作用時間を決定する。
5.舌下腔内でのデクスメデトミジン舌下フィルムのおよその溶解時間を決定する。
6.デクスメデトミジン舌下フィルムによって引き起こされ得る局所刺激を決定する。
【0956】
評価項目
主要
薬物動態
1.血漿中デクスメデトミジン濃度の投与後0~12時間及び0~24時間時点での曲線下面積(AUC0-12、AUC0-24、AUC0-inf)。
2.ピーク血漿中デクスメデトミジン濃度(Cmax)を決定する。
3.ピークデクスメデトミジン濃度レベル到達時間(Tmax)を決定する。
4.中央コンパートメントからのデクスメデトミジンの終末相半減期(t1/2)を決定する。
5.デクスメデトミジンの分布体積(Vz)を決定する。
6.中央コンパートメントからのデクスメデトミジンクリアランス(CL)を決定する。
【0957】
安全性及び忍容性:
1.デクスメデトミジン舌下フィルムの様々なフィルム強度を用いて、血圧(BP)、心拍数、または呼吸への有害作用を含む心電図(ECG)及びバイタルサイン異常を決定する。
2.デクスメデトミジン舌下フィルム投与後の異常な臨床検査値を決定する。
3.デクスメデトミジン舌下フィルム投与後の身体検査の変化を決定する。
4.デクスメデトミジン舌下フィルム投与後14日目までに有害事象を経験した被験者の数。
5.有害事象または他の理由により試験治療を中止したまたは舌下フィルムを除去した被験者の数。
6.以下を必要とする被験者の数を評価することによって有害事象が許容される程度:
●血圧を維持するための血行動態介入
●心拍数を維持するための心臓介入
酸素飽和度を維持するための呼吸介入
【0958】
副次
1.デクスメデトミジン舌下フィルム投与日に、RASS及び視覚アナログ尺度/鎮静作用(VAS/S)によって評価される鎮静効果。
2.デクスメデトミジン舌下フィルム投与からデクスメデトミジン舌下フィルム投与日にRASSが-1になるまでの時間(分及び秒単位)。
3.デクスメデトミジン舌下フィルム投与日にRASSが-1になってから眠気が解消されるまでの時間(分及び秒単位)。
4.デクスメデトミジン舌下フィルムの舌下投与からその完全な溶解または最大30分までの時間(分及び秒単位)。
【0959】
試験デザイン:これは、健常成人(18~65歳)男性及び女性に行われたPK、安全性、及び忍容性の無作為化単純盲検プラセボ対照単回漸増用量試験であった。この試験では、健常成人参加者からなる4つのコホートにおいて漸増用量のデクスメデトミジン舌下フィルムを評価した。
【0960】
10μg、40μg、及び60μgの3つのフィルム強度に由来する4つの用量:10μg、20μg(10μgフィルム2枚)、40μg、及び60μgを、それぞれ、コホート1、2、3、及び4で評価した。コホート3用量(40μg)からの安全性及び忍容性データの審査中、症状を示す6名の被験者が立ち上がったときに眩暈を報告し、そのうち4名が間欠性低血圧症または徐脈(ベースラインから30mmHg超の収縮期血圧/拡張期血圧/心拍数低下、90未満の収縮期血圧または60未満の拡張期血圧または50未満の心拍数)を同時に発症したことが観察された。結果は盲検にしたままであったが、コホート4の計画用量を40μgに減少させることを決定した。本試験で被験者に投与した実際の用量には、10μg(コホート1)、20μg(コホート2)、及び40μg(コホート3及び4)が含まれた。
【0961】
事前にスクリーニングした全ての適格な参加者は、入院及びベースライン評価のために前日に臨床試験施設(CRU)に到着した。参加者をCRUに4日間(-1日目、1日目、2日目、及び3日目)入院させ、4日目に退院させ、この期間中は医師の監督下に置いた。全ての参加者の投与前評価を、少なくとも8時間の夜間絶食後、およそ午前7時から午前9時の間に行った。参加者に、投与の少なくとも1時間前まで自由に水を飲ませた。PKサンプリングを可能にするために静脈カテーテルを挿入した。各試験セッションの開始時に、デクスメデトミジン舌下フィルム(実施例1)の単回用量を非盲検スタッフが舌下投与した。デクスメデトミジン舌下フィルムは、溶解するまで舌下腔内に保持させた。評価を最初の15分間は5分毎に、その後、15分毎に行い、フィルムが溶解するまでの時間を決定した。被験者を、フィルムを配置した領域周辺の局所刺激についても評価した。被験者は、立位血圧測定を行う場合を除いて、デクスメデトミジン舌下フィルム投与後最初の2時間は座ることも立つことも許可されなかった。2時間後、被験者はベッドに座ることを許可されたが、サンプリング中は仰臥位または半横臥位で休まなければならなかった。ECG、血圧、及び酸素飽和度をこのスケジュールに従ってモニタリングした(表29)。参加者に、投薬から少なくとも1時間後に要望に応じて水を飲ませた。標準食をデクスメデトミジン舌下フィルム投与後およそ4、8、及び12時間時点で提供した。ただし、鎮静作用の程度及び排尿を制御する能力に基づいて各被験者が経口摂取可能であることを治験責任医師が確認するまで、食事または飲み物を許可しなかった。洗面所に行くことも許可されたが、付き添いを同伴させた。2日目及び3日目は食事制限はなかったが、CRU滞在期間中は喫煙及びアルコール摂取を完全に制限した。デクスメデトミジン舌下フィルム投与の24時間後の血漿サンプリング後、安全性及び忍容性評価を4日目(退院日)の朝まで継続し、5日目、7±1日目、及び14±2日目に繰り返した。
【0962】
被験者数:
この試験では、健常成人被験者からなる4つのコホートにおいて漸増用量のデクスメデトミジン舌下フィルム(実施例1-製剤)を評価した。最初の2つのコホート(コホート1及びコホート2)では、12名の新たな被験者をコホート毎に登録し、2:1の比率で無作為化し、すなわち、8名にデクスメデトミジン舌下フィルムを投与し、4名にプラセボフィルムを投与した。
それぞれ、コホート1/コホート2で実薬を投与された被験者にはコホート3/コホート4で高用量の実薬を投与するようにエスカレートさせ、コホート1/コホート2でプラセボを投与された被験者にはコホート3/コホート4でプラセボを投与する。6名の新たな被験者を無作為化して、コホート3/コホート4で実薬を投与する。用量比例性及び用量曝露応答をコホート3/コホート4で交差した被験者において評価した。血圧、心拍数、RASSスコア、他の有害事象、及びPKパラメータに対するデクスメデトミジン舌下フィルムの影響を、以前デクスメデトミジン舌下フィルムに曝露されなかった新たな被験者において評価した。プラセボ脱落の場合、コホート1からコホート3またはコホート2からコホート4にエスカレートさせながら、追加の新たな被験者を無作為化して、コホート3及びコホート4のプラセボ群の被験者を合計4名にする。
【表29-1】

【表29-2】

【表29-3】
【0963】
組み入れ基準:
1.18歳以上65歳以下の健常男性及び妊娠していない/授乳中ではない女性
2.本試験に関する書面によるインフォームドコンセントを提出することができた被験者。
3.体重が50kg以上であり、肥満度指数(BMI)が19kg/m2以上30kg/m2以下であった被験者。
4.身体検査を受け、治験責任医師または被指名人によりバイタルサインが正常限界内であると判断された参加者。
5.臨床検査値(全血球数、血液化学検査、及び尿検査)が正常限界内であったか、または治験責任医師もしくは被指名人に臨床的に許容される被験者。
6.治験責任医師または被指名人の考えでは、舌下用量強度のデクスメデトミジン舌下フィルムを投与するのに、かつ眠気に耐えるのに十分に身体的に健康であった被験者。
7.英語を流暢に話せ、英語での書面及び口頭による治験実施計画書関連要件を理解する能力のある被験者。
8.投与コホート毎におよそ4~5日間CRUに閉じこもり、試験スケジュール及び試験要件に従う意思があり、そうすることができた被験者。
9.血液試料を採取するための確実な血管内アクセスを有した被験者。
10.男性被験者は、精管切除術を受けていない場合、本試験中及び投薬中止後3ヶ月間、殺精子剤とともにコンドームを使用するか、または性交を控えることに同意しなければならない。
11.男性被験者は、スクリーニング時から本試験にわたって、かつ治験薬の最終投与後90日間、精子を提供してはならない。
12.妊娠の可能性のある女性被験者は、治験薬の初回投与の少なくとも30日前から、本試験にわたって、治験薬の最終投与後少なくとも30日間、臨床的に許容される避妊法を行う意思がなければならない。
13.妊娠の可能性のない女性被験者は、手術により不妊になった(すなわち、子宮摘出術、両側卵巣摘出術、または卵管結紮術を受けた)か、卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルによって確認される閉経状態にあった(少なくとも1年間月経がない)。
【0964】
除外基準:
1.治験薬または関連化合物及び添加剤に対するアレルギー反応または不耐性の既往歴のある被験者。
2.スクリーニングから4週間以内に大手術の既往歴のある被験者。
3.有意な外傷性脳損傷の既往歴のある被験者。
4.試験参加前の6ヶ月間、精神障害の診断及び統計マニュアル第5版基準によるアルコール依存症または薬物依存症の既往歴のある被験者。
5.臨床的に有意な精神病、精神遅滞、境界性人格障害、不安障害、または器質脳症候群の既往歴があるか、またはそれに罹患している被験者。
6.起立性低血圧症(すなわち、起立後またはティルトテーブル上で少なくとも60度までヘッドアップティルト後3分以内に少なくとも20mmHgの収縮期血圧(SBP)の持続的低下または10mmHgの拡張期血圧(DBP)の持続的低下またはそれらの両方)及び高迷走神経緊張の既往歴のある被験者。
7.大量のキサンチン含有物質(すなわち、1日あたり5杯超のコーヒーまたは同等量のキサンチン含有物質)を定期的に消費している被験者。
8.CYP2A6酵素を阻害または誘導する可能性のある維持薬を服用していた被験者。
9.試験日の1週間以内にデクスメデトミジンまたは他のアルファ-2-作動薬を投与されていた被験者。
10.臨床的に有意な睡眠時無呼吸もしくは慢性閉塞性肺疾患を有したか、または喘息の既往歴のある被験者。
11.治験責任医師または被指名人の判断で自殺傾向が認められた被験者。
12.臨床検査値が異常(B型肝炎陽性、C型肝炎陽性、HIV陽性を含む)であった被験者(ただし、寛解状態まで治療した場合を除く)。
13.治験責任医師または被指名人の判断でバイタルサイン測定値が異常であった被験者(ただし、寛解状態まで治療した場合を除く)。
14.別の臨床試験(例えば、実験室評価または臨床評価)に登録したか、または過去30日以内(または30日超の場合には治験薬の5半減期以内)に治験薬を投与されていた被験者。
15.スクリーニング時及び投与前に65拍動/分未満の安静時心拍数、または110mmHg未満もしくは140mmHg超の収縮期血圧、または70mmHg未満もしくは100mmHg超の拡張期血圧を有した被験者。臨床的に有意な12誘導ECG異常の証拠を有する者。スクリーニング訪問時または1日目の投与前に、除外基準15である65拍動/分未満の安静時心拍数ではなかったが、70拍動/分未満であったため、以前に適格性基準を満たさなかった被験者を再スクリーニングしてもよい。
16.治験責任医師の考えでは、舌下薬の投与及び吸収に影響を及ぼし得る、異常な口腔/頬側解剖所見、炎症、または病変を有する被験者。
17.肝障害を有するか、または肝機能障害の既往歴があり、かつ治験薬投与前の過去6ヶ月以内に正常値の2倍超のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値を有するとして定義される肝機能障害を有する被験者。
18.スクリーニング前30日以内に献血したか、またはスクリーニング前7日以内に血漿提供した被験者。
19.試験スタッフまたは試験スタッフの家族の一員であった被験者。
【0965】
試験期間:39~42日間。
治療の投与
以下の治療を1日目に行った。
実薬:10μg(10μgフィルム1枚)、20μg(10μgフィルム2枚)、及び40μg(40μgフィルム1枚)の用量レベルのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム
プラセボ:プラセボ舌下フィルム
コホート1及びコホート2に、それぞれ、10μg及び20μg(10μgフィルム2枚)、コホート3及びコホート4に40μgのデクスメデトミジン舌下フィルムを投与した。全てのコホートにプラセボを同時に投与した。初回投与コホート(10μg用量)を除いて、後続用量レベルの各々を前の投与コホートの安全性を審査した後に許可した。デクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム(ドットを有する)の外観はプラセボとは異なった。
【0966】
結果:
分析したデータセット
安全性集団
安全性集団には、少なくとも1用量の単純盲検治験薬を投与した全ての無作為化被験者(n=42)が含まれる。
【0967】
薬物動態集団
PK集団には、デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した28名の被験者が含まれる。プラセボを投与した14名の被験者をPK分析に含めなかった。プラセボを投与した被験者の場合、視覚アナログ尺度/鎮静作用(VAS/S)、リッチモンド興奮鎮静尺度(RASS)、及びバイタルサイン(拡張期血圧、収縮期血圧、脈拍数、呼吸数、及び酸素飽和度)の時間に対するプロットのみが提供された。
【0968】
薬力学的集団
薬力学的(PD)集団には、少なくとも1用量の単純盲検治験薬を投与し、かつベースライン後のPD評価を行った全ての無作為化被験者が含まれる(n=42)。
【0969】
人口統計学的特性及び他のベースライン特性
全体的に、本試験に参加した健常被験者の大半(59.5%)は白人(非ヒスパニック系またはラテン系)であり、より少ない割合(31.8%)が黒人(アフリカ系アメリカ人)であった。本試験には、1名のヒスパニック系またはラテン系の被験者(2.4%)及び1名のアジア系の被験者(2.4%)が含まれた。
【0970】
全体的に、本試験での男性被験者及び女性被験者の数は同等であった。全被験者のうち22名(52.4%)が男性であり、20名(47.6%)が女性であった。平均年齢は44.8歳であり、被験者の年齢は20歳~65歳の範囲であり、22名(52.4%)の被験者が20歳~49歳であり、20名(47.6%)の被験者が49歳超~65歳であった。
【0971】
プラセボ群の被験者の大半が男性であった(64.3%)。デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者のうち、男性被験者の割合(46.4%)及び女性被験者の割合(53.6%)は同等であった。
【0972】
プラセボ群及びデクスメデトミジン舌下フィルム群の身体測定値も同様であり、デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者の平均肥満度指数(BMI)は25.50kg/mであり、プラセボ群では25.83kg/mであった。
【0973】
薬物動態結果:デクスメデトミジンは急速に吸収され、測定可能な濃度が全ての用量レベルで10分時点で、10μg用量レベルで投与後8時間まで、かつ20μg用量レベル及び40μg用量レベルで、それぞれ、投与後10時間及び12時間まで、1.82~2.16時間の範囲の短い平均t1/2で観察された。投与後8時間までのサンプリング時間に対してプロットされた各用量(半対数尺度)での平均±SD DEX血漿中濃度-時間プロファイルを図8に提示する。用量比例性評価により、Cmax及びAUCが用量比例的に増加し、平均Cmaxが29.21~122.84ng/Lの範囲であり、平均AUC0-infが130.62~561.57時間・ng/Lの範囲であったことが示された。同様の傾向が、AUClast及びAUC0-24で見られた(表30~32、図9A~9C)。
【表30】

【表31】

【表32】
【0974】
薬力学的結果:
デクスメデトミジン舌下フィルムの鎮静効果を、デクスメデトミジン舌下フィルム投与日にRASS及び視覚アナログ尺度/鎮静作用(VAS/S)によって評価した。この評価には以下が含まれていた。
●デクスメデトミジン舌下フィルムの投与からRASSが-1になるまでの時間(分及び秒単位)
●Rassが-1になってから眠気が解消されるまでの時間(分及び秒単位)
●デクスメデトミジン舌下フィルムの舌下投与からその完全な溶解または30分までの時間(分及び秒単位)
●リッチモンド興奮鎮静尺度
【0975】
本試験中に評価した全てのRASSスコアは、-2(軽度の鎮静作用)~0(覚醒及び沈静)の範囲であった。全ての被験者のベースラインスコアは0(覚醒及び沈静)であった。全体的に、合計14名の被験者が全ての治療にわたって眠気(-1のRASS)を達成した。このうち、2名が10μg用量投与群であり、4名が20μg用量投与群であり、5名が40μg用量投与群であり、3名がプラセボ投与群であった。2名の被験者は軽度の鎮静作用(-2のRass)も達成し、1名が10μg用量投与群であり、もう1名がプラセボ投与群であった。
【0976】
デクスメデトミジン舌下フィルム及びプラセボを投与した被験者のベースラインからの眠気を達成するまでの平均時間を表33に要約する。全体として、眠気を達成するまでの時間は、全ての治療群にわたって可変的であり、デクスメデトミジン舌下フィルム群では19分~85分の範囲であり、プラセボ群では19分17秒~107分29秒の範囲であった。10μg治療群または40μg治療群のいずれでも統計的に有意な群間差は観察されなかった。
【0977】
デクスメデトミジン舌下フィルム及びプラセボを投与した被験者の眠気の発症(-1のRASS)から解消までの持続時間を表34に要約する。全体として、眠気の発症(-1のRASS)から解消までの持続時間は、全ての治療群にわたって可変的であり、05分05秒~91分の範囲であった。デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者の平均持続時間は48分24秒であり、プラセボを投与した被験者は37分25秒の平均持続時間を呈した。
【表33】

【表34】
【0978】
視覚アナログ尺度/鎮静作用:
デクスメデトミジンの主観的鎮静効果をVAS手段によって評価した。被験者に100mmの横軸尺度で自身の感情をスコア化するよう求め、0は非常に眠いことを示し、100は非常に覚醒していることを示した。全体として、VASスコアは可変的であり、デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者の場合、1.0時間及び1.5時間時点で最も低いスコアが一般に観察された。投与前、デクスメデトミジン舌下フィルムまたはプラセボでの治療後0.5、1、1.5、及び2時間時点で観察された平均スコア及びP値を表35及び図10に提示する。コホート1(10μg)、コホート2(20μg)、及びコホート3とコホート4の組み合わせ(40μg用量)では、統計的に有意な群間差(実薬対プラセボ)はなかった。コホート3(40μg)でのみ統計的に有意な差が見られた。しかしながら、このコホートにおける統計的有意性は、投与前評価でも報告され(P<0.05、表35)、試験環境及びスコア可変性が結果に影響を及ぼした可能性を示す。
【0979】
デクスメデトミジン舌下フィルム溶解時間:
デクスメデトミジン舌下フィルムの単回用量を舌下投与した。20μg用量コホートの場合、10μgフィルムを2枚同時に投与した。治験薬フィルムを、溶解するまで舌下腔内に保持させた。評価を最初の15分間は5分毎に、その後、15分毎に行い、フィルムが溶解するまでの時間を決定した。各治療群の平均、中央値、ならびに最小及び最大溶解時間(分:秒単位)を表36に提示する。全体として、デクスメデトミジン舌下フィルムまたはプラセボフィルムの舌下投与からその完全な溶解までの持続時間は可変的であり、3分~44分11秒の範囲であった。デクスメデトミジン舌下フィルム((14分09秒(11分33秒)、11分11秒)及びプラセボ(13分32秒(12分49秒)、8分28秒)の平均(SD)及び中央値溶解時間は同様であった。頬粘膜刺激検査中に異常な口腔/頬側解剖所見または炎症を呈した被験者はいなかった。
【0980】
安全性評価:
本試験の結果に基づいて、以下の安全性の結論を下すことができる。
【0981】
●本試験では死亡または重篤TEAEは報告されなかった。デクスメデトミジン舌下フィルム10μgを投与した1名の被験者が30拍動/分超の心拍数の減少(離脱基準)を有したため、コホート3への参加には不適格になった。AEの全体的な概要を表37に提供する。
●合計52例のTEAEが、デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した28名の被験者のうち25名(89%)によって報告され、20例のTEAEが、プラセボを投与した14名の被験者のうち10名(71%)によって報告された。全てのTEAEは本試験終了までに回復した。
●デクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者は、10μg用量群では75%の発生率、20μg用量群では88%の発生率、及び40μg用量群では100%の発生率でTEAEを報告した。治験薬関連TEAEが、10μg用量投与後に75%、20μg用量投与後に88%、40μg用量投与後に92%、及びプラセボ投与後に64%の発生率で報告された。
【0982】
本試験中に最も多く発生したTEAEは眠気であり、10μg用量及びプラセボ(各々50%)と比較して20μg用量及び40μg用量(各々75%)でわずかに高い頻度で報告された(表38)。
●TEAEの大半の重症度が全ての治療群で軽度であり、中等度のTEAEが数例のみ報告された。中等度TEAEが、10μg用量投与後(1/12、8%)、40μg用量投与後(2/30、7%)、及びプラセボ投与後(4/20、20%)に発生した。本試験では重度のTEAEは報告されなかった。
【0983】
本試験で投与したいずれの被験者も、血圧を維持するための血行動態/医学的介入、心拍数を維持するための心臓介入、または酸素飽和度を維持するための呼吸介入を必要としなかった。いずれの被験者もTEAEの理由から離脱しなかった。データを図11~15にさらに示す。
●2名の被験者が、臨床的に有意とみなされ、かつバイタルサイン関連TEAEとして報告されたバイタルサインの症状変化を示した。プラセボを投与した1名の被験者が、それぞれ、中等度及び軽度の治験薬関連TEAEとして報告された拡張期血圧及び収縮期血圧の減少を有し、40μg用量を投与した1名の被験者が、軽度の2つの治験薬関連TEAEとして報告された心拍数の減少を有した。全てのTEAEは、発症から1日以内に消失した。
●臨床検査パラメータ及びECG評価に臨床的に有意な変化はなかった。いずれの身体検査所見も治験責任医師によって臨床的に有意であるとみなされなかった。本試験中に行った全ての神経学的検査は正常であり、被験者は、頬粘膜刺激検査中に異常な口腔/頬側解剖所見または炎症を呈した被験者はいなかった。
【表35】

【表36】

【表37-1】

【表37-2】

【表38】
【0984】
結論:全体として、本試験で提示されたPK、PD、及び安全性の結果は、デクスメデトミジンの低侵襲性迅速送達剤形としての認知症、統合失調症、及び双極性障害に関連する激越の急性治療用のデクスメデトミジン舌下フィルムのさらなる開発を支持する。
【0985】
実施例8:統合失調症に罹患している被験者の静脈内に注入したデクスメデトミジンの有効性(鎮静作用及び抗激越)、薬物動態、及び安全性の臨床試験
本試験の主要目的は、有効性及び安全性の観点で言語刺激によって逆転させることができる覚醒可能な鎮静作用(-1のRASS)を達成するための標的集団におけるデクスメデトミジン塩酸塩の最適静脈内(IV)用量を決定することであった。この目標を各参加者で達成した時点で、デクスメデトミジン塩酸塩の静脈内注入を中止した。本試験の別の主要目的は、-1のRASSを達成するための用量で参加者のPECスコアによって決定される激越レベルの低下を決定することであった。
【0986】
加えて、副次目的は、以下であった。
1.-1のRASSを達成するのに必要な総用量までどのくらい迅速に治験薬を投与することができるかを決定する。
2.治験薬の投与を中止した後にどのぐらい長く沈静作用が持続するかを決定する。
3.主要目的の達成前または達成と同時に、血圧、心拍数、または呼吸駆動に対して何らかの有害作用が発生するかを決定する。臨床的に有意な事象を示す血圧及び心拍数に関する停止規則は、以下である。
●収縮期血圧が90mmHg未満に低下
●拡張期血圧が60mmHg未満に低下
●50拍動/分未満に低下
【0987】
参加者は、いずれの試験関連手順を行う前に、書面によるインフォームドコンセントを提出した。全ての参加者全員を組み入れ基準及び除外基準についてスクリーニングした。参加者を注入前日のスクリーニング時(-1日目)に治験実施施設に入院させた。ベースライン評価を-1日目に行い、注入日(1日目)にも行った。参加者は、1日目に注入のための準備をし、最長3時間にわたって注入し、鎮静作用の消失及び停止基準を満たす血圧または心拍数のあらゆる低下についてモニタリングした。覚醒レベルのあらゆる低下(例えば、-1のRASS)の消失後及び/または停止基準を満たす血圧もしくは心拍数のあらゆる低下の消失後3時間が経過するまで、参加者を治験実施施設から退院させなかった。参加者がベースライン状態に戻ったことを治験総括医師または被指名人が決定した場合、治験総括医師は、モニタリングの延長のために1日目の夕方に参加者を治験実施施設で一晩入院させ、その後、2日目に参加者を自宅に退院させる裁量権を有した。
【0988】
治験対象母集団には、14名の参加者(実薬10名、プラセボ4名)が含まれた。患者5、7、8、及び9にプラセボを投与した。患者1、2、3、4、11、12、14、16、17、18に、静脈注射用デクスメデトミジン塩酸塩を注入し、0.2mcg/kg/時の速度から開始し、最大持続時間3時間の停止基準に達するまで30分毎に0.1mcg/kg/時ずつ上昇させた(表39)。プラセボ群に無作為化した参加者には、対照プラセボ溶液を静脈内注入した。
【表39】
【0989】
参加者が眠くなってきた時点で(-1のRASS)、注入を停止した。最大総投与量は、所望の鎮静レベルが達成された時点、または収縮期血圧もしくは拡張期血圧または心拍数のいずれかの最大許容低下が起こった時点のいずれかの時点で、1.6mcg/kg/時であった。
【0990】
試験中、治験実施施設職員が参加者を継続的にモニタリングした(血圧及び心拍数のモニタリングを含む)。注入を開始してから、鎮静作用が消失するまで、及び/または血圧もしくは心拍数に対するあらゆる有害作用が消失するまで、心電図を間欠的に記録した。
【0991】
上記の停止基準を満たしたときには、治験実施施設は注入を停止し、参加者が自身のベースラインパラメータに達するまで、または治験総括医師の判断により参加者が安定した許容レベルの血圧及び心拍数に達するまで参加者のバイタルサインを15分毎にモニタリングし続けた。ベースラインパラメータへの回復とは、投薬前のベースライン読取値からの15mmHg以内の血圧低下または投薬前のベースライン読取値からの10拍動/分以内の心拍数低下として定義される。
【0992】
血圧または心拍数の低下が臨床的に有意であると治験責任医師が判断した場合、治験責任医師の判断に基づいて、デクスメデトミジン塩酸塩の注入の停止に加えて、好適な治療薬を投与することができた。
【0993】
重篤有害事象(SAE)を含む有害事象(AE)を、FDAガイダンスに従って評価し、記録し、報告した。何らかのSAEが発生した場合、SAEの原因が決定されるまで試験を停止した。
【0994】
有効性評価:
(1)リッチモンド興奮鎮静尺度(RASS):所望の評価項目は、心拍数または血圧を治験実施計画書で規定した値を超えて変化させることなくどのくらい迅速に眠気(-1のRASS)を達成することができるかであった。本試験では、参加者がその鎮静レベルを維持した長さもモニタリングし、参加者が覚醒しており、かつ自発的に応答しているときに鎮静作用が消失したとみなした。
(2)PANSS:軽度に激越状態の患者のベースラインからの変化
(3)ベースラインと比較した1(非常に改善された)~7(非常に悪化した)の範囲の臨床全般印象-改善度(CGI-I)(National Institute of Mental Health 1976)。各参加者を、激越の重症度に基づいて、用量注入毎に15分及び30分時点で、終点で、かつ参加者がベースラインに戻った時点で(覚醒レベルの観点で)評定した。CGI-Iは、疾患の重症度ではなく、激越の重症度に重点を置いた。
(4)注入を停止した後、治験総括医師または被指名人によって決定される、バランス、歩行、及び反応時間に機能障害のない覚醒及び意識性のベースラインレベルまでの回復により証明される、参加者の退院の適合性を、治験総括医師または被指名人が判断した。
【0995】
結果
(A)有効性試験
RASS(リッチモンド興奮鎮静尺度)
治療群の10名の患者のうち9名(被験者1~3、11、12、14、及び16~18)が少なくとも-1のRASSスコアを達成した一方で、プラセボ群のいずれの患者(被験者5及び7~9)も有意な鎮静作用を経験しなかった(図16及び表40を参照のこと)。
【表40】
【0996】
PEC(PANSS興奮項目)
治療群の10名の患者のうち9名(被験者1~4、11、12、14、16、及び17)の激越が最小値まで低下した(7以下のPECスコアによって測定される)(表41及び図17を参照のこと)。
【表41】
【0997】
(B)薬物動態試験:(PK試験)
患者の血漿中デクスメデトミジンレベルも注入時間にわたって測定した。結果を表42に一覧にした。統合失調症患者における最大デクスメデトミジン濃度(Cmax)は、約22.45pg/mL~約406.3pg/mLの範囲であった。Cmax到達時間は、約15分~約105分の範囲であった。平均注入速度は0.36mcg/kg/時であり、最高速度は約0.2mcg/kg/時~約0.6mcg/kg/時の範囲であった(図18~20を参照のこと)。
【表42】
【0998】
考察:デクスメデトミジン塩酸塩の静注内経路による投与により、10名の被験者のうち合計7名のPECスコアが50%以上減少し、1名の被験者(患者1)が22pg/mLのCmaxで応答した。10名の被験者のうち5名(患者1、2、3、16、及び17)が、72pg/mL以下のCmaxでPECスコアの40%低下を呈した。これらの血漿曝露レベルでの良好な奏効率は、同様のまたはより高いCmax曝露レベルでのデクスメデトミジン塩酸塩の舌下投与により良好な抗激越効果が達成されることを示す。上記の実施例7に示されるように、健常ボランティアに投与した舌下デクスメデトミジン塩酸塩が、10、20、及び40マイクログラムの用量で良好な血漿曝露レベルをもたらし、かかる用量が、血圧及び/または心拍数に臨床的に有意な有害作用をもたらすこともなく、統合失調症を有する被験者を含む激越状態の被験者に良好な抗激越効果(例えば、PECスコアの減少によって測定される)をもたらすのに好適であることを示す。
【0999】
実施例9:統合失調症に関連する激越におけるデクスメデトミジン舌下フィルムの有効性及び安全性を決定するための第III相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験
目的:
主要目的
デクスメデトミジン舌下フィルムの単回用量が、プラセボと比較して、ベースラインからの陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)変化を使用して評価した、統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越の症状を効果的に軽減したかを決定すること。
【1000】
主要副次目的:
プラセボとは対照的にPEC総スコアのベースラインからの変化によって測定される、激越に対する影響が明らかであった最も早い時間を決定すること。
【1001】
他の予備目的:
1.臨床全般印象-改善度尺度(CGI-I)スコアによって測定される投薬後の全般臨床改善。
2.用量投与後2、4、及び8時間時点での激越沈静評価尺度(ACES)スコア。
3.投与後10分から24時間にかけて測定されるPEC総スコアのベースラインからの経時的な変化。
4.プラセボと比較した、デクスメデトミジン舌下フィルム投与後2時間時点のPECレスポンダー及びCGI-Iレスポンダー:
a.PECレスポンダーを、投与後2時間時点またはそれ以前にベースラインから少なくとも40%のPEC総スコアの減少を達成する者として定義した。
b.CGI-Iレスポンダーを、CGI-I尺度で1または2のスコアを有する被験者として定義した(CGI-Iノンレスポンダーを、2時間時点で3~7のスコアを有する被験者として定義した)。
5.プラセボと比較したデクスメデトミジン舌下フィルムを投与した被験者の24時間の治療後評価中にレスキュー薬物を投与するまでの時間。
6.投与後4時間まで及び24時間以内にレスキュー薬を投与した治療群別の被験者の割合。
7.投与後2、4、及び8時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの変化及びACESスコアによって説明される沈静効果の持続時間。
8.全般的精神病症状及び下位尺度に対する影響を説明する(PANSS総、陽性、陰性、及び全般精神病理学下位尺度)
9.バイタルサイン、治療中に発生した有害事象の報告、及びバイタルサインによって測定されるデクスメデトミジン舌下フィルムの安全性プロファイルを決定する。
10.有害事象の報告及び経口フィルムの局所部位(経口/舌下)忍容性の観点で全体的な忍容性を説明する。
11.患者集団におけるデクスメデトミジン舌下フィルムの薬物動態を説明する。
12.被験者の許容性、味に関する意見、及び好ましさに関する質問を把握するためにリッカート尺度を使用して患者の治験薬の許容性、味、及び好ましさを決定する。
【1002】
試験デザイン:これは、統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害に関連する急性激越を有する成人(18~75歳)男性及び女性におけるデクスメデトミジン舌下フィルム投与の有効性、安全性、及び忍容性を評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。この臨床試験では、被験者を1:1:1に無作為化して、デクスメデトミジン舌下フィルム(180μgもしくは120μg用量のデクスメデトミジン)または対照プラセボフィルムを投与した。無作為化は、年齢別の、すなわち、65歳以上及び65歳未満での層別化であった。
【1003】
適格な被験者(統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害を有する急性激越状態の被験者)を、外来患者、精神衛生、精神医学的、もしくは医学的救急サービス(医学的/精神医学的観察施設を含む)において特定、または急性激越により病院環境に新たに入院した患者、または慢性基礎症状によりすでに入院している患者として特定することができた。適格性を評価するためのスクリーニング手順を受けている間、被験者を治験環境に定住させたか、または医師の監督下に留めるために入院させた。
【1004】
適格性が確認された時点で、被験者を180μgもしくは120μgのデクスメデトミジン舌下フィルム投与群または対照プラセボ投与群のいずれかに無作為化した。投与時に、患者に、どのように治験薬を舌下服用するか及び溶解するまで舌下腔内に治験薬を保持しなければならないことを指示した。患者は、訓練を受けたスタッフメンバーの監督下で自己投与した。患者が自己投与できなかった場合、事象を記録し、被験者の参加を終了させた。持続性または再発性激越の場合、治験責任医師は、ベースラインから40%未満のPEC変化によって測定される2時間時点後に90μgまたは60μg(180μgまたは120μgフィルムの半分)で反復投与を選択してもよかったが、安全性に関する懸念がない場合に限った。患者が血行動態的に安定しており、低血圧ではなく(90/60超の拡張期/収縮期でなければならない)、かつ徐脈ではない(60bpm超でなければならない)場合にのみ、患者に再投与することができた。また、患者が起立性(収縮期血圧または拡張期血圧のいずれかで20ポイントの低下)である場合、患者に再投与することはできない。または患者が治験総括医師によって評価されるAEを経験している場合、再投与を避ける。1被験者あたりの最大反復投与回数は、初回投与後12時間の間に2回であった。用量を前回の投与後2時間よりも前に投与することができなかった。ベースラインからのPEC変化が40%超であった場合、反復投与は許可されなかった。
【1005】
参加者を、フィルムを配置した領域周辺の局所刺激についても評価した。有効性及び安全性評価を投与前後に定期的に行った。患者に全ての評価を治験実施計画書通りに行わせるために全力を尽くさなければならなかった。いずれのPK評価前にも、バイタルサイン、パルスオキシメトリー、及びリズムストリップによるECGを評価スケジュール(表43)に従って測定した。参加者に、投与が完了した15分後に、要望に応じて水を飲ませた。安全性及び忍容性評価を様々な時点で行った。
【1006】
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返した。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が安定しており、かつ臨床的に懸念されないと治験責任医師が判断するまで行った。
【1007】
治験薬(またはプラセボ)の血漿中濃度を決定するために、およそ4mLの静脈血(最低でも1.2mLの血漿を得るため)を規定の時間間隔でK2-EDTAチューブに採取した。PK血漿試料を、1日目にスケジュールされたサンプリング後10分以内に採取した。
【1008】
被験者数(計画数):およそ375名の被験者を米国内の最大30の治験実施施設に登録した。
【1009】
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準:
(1)18歳以上75歳以下の男性及び女性患者。
(2)統合失調症、統合失調性感情障害、または統合失調症様障害のDSM-5基準を満たした患者。
(3)PANSS興奮項目(PEC)を構成する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)の総スコアが14以上である、ベースライン時に臨床的に激越状態であると判断された患者。
(4)ベースライン時にPECの5項目のうちの少なくとも1つのスコアまたはPECスコアが4以上であった患者。
(5)書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出した患者。
(6)詳細な病歴、身体検査、リズムストリップによる12誘導ECG、血液化学プロファイル、血液検査、尿検査によって決定され、かつ治験総括医師の意見による、試験参加前の全身健康状態が良好であった患者。
(7)本試験にわたって、かつ試験終了後1週間にわたって医学的に許容される有効な避妊法を使用することに同意した女性参加者(妊娠の可能性があり、かつ性的に活発な場合)及び男性参加者(妊娠の可能性のあるパートナーと性的に活発な場合)。参加者及び/またはそのパートナーが使用してもよかった医学的に許容される避妊法には、禁欲、避妊ピルまたはパッチ、殺精子剤入りペッサリー、子宮内避妊器具(IUD)、フォームまたは殺精子剤入りコンドーム、殺精子用膣坐剤、避妊手術、及びプロゲスチンインプラントまたは注射が含まれた。禁じられた方法には、リズム法、腟外射精、コンドームのみ、またはペッサリーのみが含まれた。
【1010】
除外基準:
(1)呼気分析器によるアルコールの陽性確認または尿スクリーニング中の薬物乱用(THCを除く)の陽性確認を含む急性中毒によって引き起こされる激越を有する患者。
(2)治験薬投与前4時間以内にベンゾジアゼピン、他の睡眠薬、または経口もしくは短時間作用型筋肉内抗精神病薬で治療された患者。
(3)アルファ-1ノルアドレナリン遮断薬(テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、アルフゾシン、またはプラゾシン)または他の禁じられた薬剤での治療。
(4)治験責任医師の評価により、自殺もしくは他殺の重大なリスクがあるか、またはCSSRSの項目4もしくは5に「はい」と回答した患者。
(5)スクリーニング時に妊娠検査が陽性であったか、授乳中である女性患者。
(6)水頭症を有したか、発作性障害を有したか、または重大な頭部外傷、脳卒中、一過性脳虚血発作、くも膜下出血、脳腫瘍、脳症、髄膜炎、パーキンソン病、または局所神経学的所見の既往歴のある患者。
(7)失神もしくは他の失神発作の既往歴、血液量減少症、起立性低血圧症の兆候(平均1、3、及び5分間測定)、スクリーニング及びベースライン時55拍動/分未満の心拍数、または110mmHg未満の収縮期血圧もしくは70mmHg未満の拡張期血圧。
(8)患者の試験への参加に臨床的意義を有した、治験責任医師または資格のある被指名人によって臨床的に有意であるとみなされた臨床検査またはECG異常を有したる患者[高度房室ブロック(ペースメーカーなしの2度以上の房室ブロック)、洞不全症候群の診断]。
(9)重篤または不安定な医学的疾患を有する患者。この疾患には、現在の肝疾患(中等度・重度の肝障害)、腎疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、心臓血管疾患(虚血性心疾患、うっ血性心不全を含む)、内分泌学的疾患、または血液疾患が含まれる。
(10)現在の激越エピソード前30日以内に治験薬が投与された患者。
(11)治験責任医師により何らかの理由でデクスメデトミジンの投与には不適切な候補であるとみなされた患者、例えば、デクスメデトミジンに対するアレルギー反応の既往歴のある患者。
【1011】
試験治療
被験薬、用量、及び投与方法:
デクスメデトミジン塩酸塩は、舌下(SL)投与用のデクスメデトミジン薄フィルム製剤であった。投与により、180μgまたは120μgのデクスメデトミジンが舌下送達される。この製品は、舌下腔内で1~3分以内に完全に溶解するように設計されたおよそ193.6mm2の面積及び0.7mmの厚さの小型の固形用量フィルム製剤である。
【1012】
基準療法、投薬量、及び投与方法:
上記のように舌下投与された対照プラセボフィルム。
【1013】
治療期間:1日。
【1014】
試験手順
被験者は、禁止されている併用療法の中止を含むいかなる試験関連手順が開始される前に、書面によるインフォームドコンセントを提供した。
【1015】
本試験中に行われた実施項目のスケジュールを表43に提供した。
【表43-1】

【表43-2】

【表43-3】
【1016】
評価基準:
有効性評価:急性激越に対する薬物効果の評価を、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)によって行った。PECは、各々、1(最小スコア)~7(最大スコア)でスコア化した、激越に関連する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)から構成される。したがって、PEC(これらの5つの下位尺度の合計)は、5~35の範囲である。
【1017】
全体的な激越及び鎮静作用を、激越沈静評価尺度(ACES)を用いて評価し、ここで、1は顕著な激越を示し、2は中等度の激越を示し、3は軽度の激越を示し、4は正常挙動を示し、5は軽度の沈静を示し、6は中等度の沈静を示し、7は顕著な沈静を示し、8は深睡眠を示し、9は覚醒不能を示す。
【1018】
治療に応答した激越の全般臨床改善も臨床全般印象-改善度(CGI-I)によって測定した。CGI-Iスコアは、1~7の範囲であり、0は「評価されなかった」(見つからなかった)であり、1は「非常に改善された」であり、2は「かなり改善された」であり、3は「最小限に改善された」であり、4は「変化なし」であり、5は「最小限に悪化した」であり、6は「かなり悪化した」であり、7は「非常に悪化した」である。
【1019】
安全性及び忍容性評価:有害事象、臨床検査、リズムストリップによるECG、パルスオキシメトリー、及びバイタルサインを忍容性評価のためにモニタリングした。全ての観察された有害事象及び自己申告された有害事象を記録した。治験責任医師により、有害事象と治験薬との関連性を、関連性がない、関連性している可能性が低い/関連性が低い、関連している可能性がある、恐らく関連している、または確実に関連していると等級分けした。収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、及び心拍数を含むバイタルサインをモニタリングした。舌下調製物の適用部位(頬粘膜)を局所刺激のあらゆる兆候について調べた。
【1020】
追加の評価:
人口統計学的特性、医学的及び精神医学的病歴、精神病症状(PANSS)、喫煙歴、以前に服用していた薬剤及び併用薬、身体検査、妊娠
【1021】
薬物動態:規定の時点での血漿中濃度のスパースPKサンプリングを報告した。臨床応答に対する血漿中濃度の集団PK/PD分析を別個のSAP及び報告を使用して報告した。バイタルサイン及び他の潜在的なPDパラメータに対するPKのグラフィック評価を含めた。
【1022】
統計分析:
有効性分析
本試験の主要有効性評価項目は、120分時点でのPEC総スコアのベースラインからの絶対変化であった。治療意図集団を分析し、ITTは、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなった。主要副次評価項目は、90分、60分、45分、30分、20分、及び10分時点でのPECスコアのベースラインからの変化であった。他の予備評価項目は、予備目的に列記されているものと同じであった。
【1023】
安全性分析:安全性データ分析を、少なくとも1用量の治験薬を投与した全ての被験者に対して行った。1つ以上の有害事象を経験した被験者の数及び割合を、治療、治験薬との関連性、及び重症度別に要約した。有害事象を、医薬品規制用語集(Med DRA)を使用してコード化した。有害事象、重篤有害事象、及び/または死亡により脱落した被験者のリストを提示する。臨床検査パラメータを、臨床的に有意な異常の記述統計学及びデータリストを使用して治療別に要約した。バイタルサイン及びECGデータを、記述統計学を使用してベースライン値からの変化別に要約した。
【1024】
薬物動態分析
デクスメデトミジンの血漿中濃度及びデクスメデトミジンの濃度-時間データを使用してPKパラメータを計算し、これらのデータ及び結果を別個に報告した。全ての薬物動態パラメータを、WinNonlinバージョン5.2以上を使用したノンコンパートメント分析を使用して計算した。実際のサンプリング時間を全ての薬物動態分析で使用した。治験実施計画書に適合した時間を使用して、グラフィック表示用に平均血漿濃度を計算した。必要に応じて他のPK分析を行った。
【1025】
結果の要約:
人口統計学的特性
人口統計学的特性及びベースライン特性を以下の表44に示す。
【表44】
【1026】
3.有効性
デクスメデトミジン舌下フィルムは、PEC、ACES尺度、及びCGI-Iスコアによって測定される、激越の重症度をベースラインから有意に改善した。投与後2時間時点での主要な有効性所見を以下に提示する。
【1027】
(a)主要有効性評価項目(PEC減少):激越に関するPECスコア(PANSS、すなわち、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目)の減少が観察され、臨床規制エンドポイント及びより早い時点で過度の鎮静作用を伴わずに急速な沈静がもたらされた。主要有効性評価項目は、プラセボと比較した、2時間(120分)時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化であった。2つの用量コホート(120μg(N=129)及び180μg(N=126))ならびに126名のプラセボ患者が存在した。2つの用量コホートの各々の実薬患者をプラセボ患者と比較した。デクスメデトミジン舌下フィルムで治療した患者の2時間時点でのPECのベースラインからの変化を、反復測定混合モデル(MMRM)分析を使用してプラセボと比較し、ベースラインPEC、治療群、時間、治療群と時間との間の相互作用、及びベースラインPECと時間との間の相互作用を共変量として用いた。
【1028】
PEC減少によって測定されるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性は、用量応答性であり、ロバストである。180μg用量群におけるPECスコアのベースラインからの減少は有意な応答を示し、投与後2時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化(CFB)はプラセボと比較して-10.3であった(表45ならびに図21A及び図21B)。ベースラインからの平均変化は、120μg治療群の場合、プラセボと比較して、-8.5ポイントであった(平均変化-4.8)。加えて、作用の早期発現が激越を軽減するための療法に重要な特質であるため、180μg群は、早ければ投与の20分後にはプラセボと統計的に有意な差異を示した(図21A及び図21B)。さらに、180μg用量群及び120μg用量群におけるPECスコアのベースラインからの減少は、プラセボと比較して、投与後6時間時点で有意な応答を示した(図21B)。
【1029】
PECレスポンダー分析:投与後2時間時点でベースラインから40%のPEC総スコアの減少を有する者として定義される治療レスポンダーの割合は、プラセボ(34%)と比較して、180μg群で最も高かった(180μgでは87%、120μgでは67%)(表45)。180μg用量の沈静効果の耐久性は著しく延長され、24時間後のPECの統計的に有意な減少の持続が明らかであった。
【表45】
【1030】
副次有効性評価項目:
投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、ACES及びCGI-Iスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【1031】
ACESスコア:この試験の副次目的は、投与前、2時間時点、及び初回投与後4時間時点で収集された激越沈静評価尺度(ACES)を利用して、デクスメデトミジン舌下薄フィルム薬の沈静効果の持続時間を評価することであった。ACES評価は、主要評価項目の分析と一致し、プラセボと比較して、120μg及び180μg(120μg、p=0.0001)及び(180μg、p<0.0001)で、2時間時点でのACESによって測定される、沈静の統計的有意性を満たした。投与後2時間時点で、120μg治療群及び180μg治療群の被験者は、プラセボと比較してACESスコアの有意に高い改善を示した(+約1.0のプラセボと比較して、120μgでは+約2.8[P<0.0001]、180μgでは+約3.75[P<0.0001])。投与後4時間時点での改善は同様であった(+約1.0のプラセボと比較して、120μgでは+約2.8[P<0.0001]、180μgでは+約3.2[P<0.0001])。(図22)。
【1032】
CGIスコア:投与後2時間時点で1または2(「非常に改善された」または「かなり改善された」)のCGI-Iスコアを達成した被験者の割合は、プラセボ(約35%)と比較して、120μg群(約65%[p<0.0001])及び180μg用量群(約90%[p< 0.0001])で有意に高かった。これらの両方の治療群で投与後30分、1時間、及び4時間時点でも有意な改善が観察された[180μg用量群(p<0.0001)及び120μg用量群(p<0.0075)](図23)。
【1033】
結論:デクスメデトミジン舌下フィルム治療は、PEC、CGI-I、及びACES尺度によって測定されるように、統合失調症患者における激越の重症度をベースラインから有意に改善した。主要有効性評価項目は、投与後2時間時点でPEC総スコアがベースラインから有意に改善したため、120μg治療群及び180μg治療群で満たされ、平均変化は、-4.8のプラセボと比較して、それぞれ、-8.5ポイント及び-10.3ポイントであった。激越の軽減は、プラセボと比較して早ければ20分時点で観察された。さらに、投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、CGI-I及びACESスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【1034】
実施例10:双極性障害に関連する激越を有する被験者におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性及び安全性を決定するための第III相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験(SEREN ITY II)
目的:
主要評価項目
本試験の主要有効性評価項目は、2時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの絶対変化であった。治療意図集団を分析し、ITTは、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなった。レスキュー薬の使用後に記録した観察を検閲した。
【1035】
主要副次評価項目には、以下が含まれた。
主要副次有効性評価項目は、プラセボとは対照的にPEC総スコアのベースラインからの変化によって測定される、激越に対する影響が明らかであった最も早い時間であった。
【1036】
予備評価項目には、以下が含まれた。
1.臨床全般印象-改善度尺度(CGI-I)スコアによって測定される投薬後の全般臨床改善。
2.用量投与後2、4、及び8時間時点での激越沈静評価尺度(ACES)スコア。
3.投与後10分から24時間にかけて測定されるPEC総スコアのベースラインからの経時的な変化。
4.プラセボと比較した、デクスメデトミジン塩酸塩投与後2時間時点のPECレスポンダー及びCGI-Iレスポンダー:
a.PECレスポンダーを、投与後2時間時点またはそれ以前にベースラインから少なくとも40%のPEC総スコアの減少を達成した者として定義した。
b.CGI-Iレスポンダーを、CGI-I尺度で1または2のスコアを有した被験者として定義した(CGI-Iノンレスポンダーを、2時間時点で3~7のスコアを有する被験者として定義した)。
5.全24時間の間のレスキュー薬物を投与するまでの時間。プラセボと比較した、デクスメデトミジン塩酸塩を投与した被験者の治療後評価期間。
6.投与後4時間まで及び24時間以内にレスキュー薬を投与した治療群別の被験者の割合。
7.投与後2、4、及び8時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの変化及びACESスコアによって説明される沈静効果の持続時間。
8.バイタルサイン及び治療中に発生した有害事象の報告によって測定されるデクスメデトミジン塩酸塩の安全性プロファイルを決定した。
9.有害事象の報告及び経口フィルムの局所部位(経口/舌下)忍容性の観点で全体的な忍容性を説明した。
10.患者集団におけるデクスメデトミジン塩酸塩の薬物動態を説明した。
11.被験者の許容性、味に関する意見、及び好ましさに関する質問を把握するためにリッカート尺度を使用して患者の治験薬の許容性、味、及び好ましさを決定した。
12.ヤング躁病評価尺度(YMRS)を利用して患者集団を特徴付けた。
【1037】
試験デザイン:
本試験におよそ381名の被験者を登録し、65以上及び65歳未満で層別化した180μgデクスメデトミジン塩酸塩、120μgデクスメデトミジン塩酸塩、またはプラセボの用量レジメンに1:1:1で無作為化した。これらの用量を以前の第Ib相臨床試験の結果に基づいて選択した。
【1038】
I型またはII型双極性障害に関連する急性激越を有する成人男性及び女性を登録した。
【1039】
適格な被験者(I型またはII型双極性障害、概ね軽躁、躁病、または混合エピソードを有する急性激越状態の被験者)を、外来クリニック、精神衛生、精神医学的、もしくは医学的救急サービス(医学的/精神医学的観察施設を含む)において特定、または急性激越により病院環境に新たに入院した患者、または慢性基礎症状によりすでに入院している患者として特定してもよい。適格性を評価するためのスクリーニング手順を受けている間、被験者を治験環境に定住させたか、または医師の監督下に留めるために入院させた。
【1040】
適格性が確認された時点で、被験者を180μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム群もしくは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルム群または対照プラセボ群に無作為化した。有効性及び安全性評価を投与前後に定期的に行った。
【1041】
いずれのPK評価前にも、バイタルサイン、パルスオキシメトリー、及びリズムストリップによるECGを評価スケジュールに従って測定した。参加者に、投与が完了した15分後に、要望に応じて水を飲ませた。安全性及び忍容性評価を様々な時点で行った。実施項目のスケジュールについては、表46を参照されたい。
【1042】
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返した。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が安定しており、かつ臨床的に懸念されないと治験責任医師が判断するまで行った。
【1043】
治験薬(またはプラセボ)の血漿中濃度を決定するために、およそ4mLの静脈血(最低でも1.2mLの血漿を得るため)を規定の時間間隔でK2-EDTAチューブに採取した。PK血漿試料を、1日目にスケジュールされたサンプリング後10分以内に採取した。血液試料を表46の実施項目のスケジュールに従って採取した。
【1044】
試験デザインの考察
これは、双極性障害における激越の急性治療用のデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの安全性及び有効性評価を支持するための決定的な試験であった。この試験は、双極性障害に関連する激越におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性、安全性、及び忍容性を特徴付けるように設計されたものであった。被験者の大半で迅速な有効性を示した結果に基づいてデクスメデトミジン塩酸塩の用量を選択し、忍容性が良好であり、かつ安全性プロファイルを有した。持続性または再発性激越の場合、治験責任医師は、ベースラインから40%以下のPEC変化によって測定される2時間時点後に90μgまたは60μg(180μgまたは120μgフィルムの半分)の減少させた追加用量の投与を選択してもよかったが、安全性に関する懸念がない場合に限った。患者が血行動態的に安定しており、低血圧ではなく(90/60超の収縮期/拡張期でなければならない)、かつ徐脈ではない(60bpm超でなければならない)場合にのみ、患者に再投与することができた。また、患者が起立性(収縮期血圧20mmHg超の低下または拡張期血圧10mmHgの低下)である場合、患者に再投与することはできない。または患者が治験総括医師によって評価される有害事象(AE)を経験している場合、再投与を避ける。1被験者あたりの最大反復投与回数は、初回投与後12時間の間に2回である。用量を前回の投与後2時間よりも前に投与することができなかった。ベースラインからのPEC変化が40%超である場合、反復投与は許可されなかった。
【1045】
プラセボを対照薬として選択して、有効性ならびに安全性及び忍容性をより正確に評価した。無作為化二重盲検並行群間デザインにより、治験依頼者、全ての被験者、及び関与する試験スタッフが治療割り付け及び結果から遮蔽され、それ故に、潜在的なバイアスを最小限に抑えることが確実になる。無作為化比率は、治療群を推測する確率を低下させることによって盲検を確実にする追加要素を提供した。
【1046】
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準
1.18歳以上75歳以下の男性患者及び女性患者。
2.I型またはII型双極性障害、概ね軽躁、躁病、または混合エピソードのDSM-5基準を満たした患者。
3.PANSS興奮項目(PEC)を構成する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)の総スコアが14以上である、スクリーニング時及びベースライン時に臨床的に激越状態であると判断された患者。
4.ベースライン時にPECの5項目のうちの少なくとも1つのスコアが4以上であった患者。
5.書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出した患者。
6.詳細な病歴、身体検査、リズムストリップによる12誘導ECG、血液化学プロファイル、血液検査、尿検査によって決定され、かつ治験総括医師の意見による、試験参加前の全身健康状態が良好であった患者。
7.本試験にわたって、かつ試験終了後1週間にわたって医学的に許容される有効な避妊法を使用することに同意した女性参加者(妊娠の可能性があり、かつ性的に活発な場合)及び男性参加者(妊娠の可能性のあるパートナーと性的に活発な場合)。参加者及び/またはそのパートナーが使用してもよかった医学的に許容される避妊法には、禁欲、避妊ピルまたはパッチ、殺精子剤入りペッサリー、子宮内避妊器具(IUD)、フォームまたは殺精子剤入りコンドーム、殺精子用膣坐剤、避妊手術、及びプロゲスチンインプラントまたは注射が含まれる。禁じられた方法には、リズム法、腟外射精、コンドームのみ、またはペッサリーのみが含まれる。
【1047】
除外基準
1.呼気分析器によるアルコールの陽性確認または尿スクリーニング中の薬物乱用(THCを除く)の陽性確認を含む急性中毒によって引き起こされる激越を有する患者。
2.試験治療の4時間前のベンゾジアゼピンもしくは他の睡眠薬または抗精神病薬の使用。
3.アルファ-1ノルアドレナリン遮断薬(テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、アルフゾシン、またはプラゾシン)または他の禁じられた薬剤での治療。
4.自殺の深刻なリスクがあると判断された患者を除外しなければならない。
5.スクリーニング時に妊娠検査が陽性であったか、授乳中である女性患者。
6.水頭症を有したか、発作性障害を有したか、または重大な頭部外傷、脳卒中、一過性脳虚血発作、くも膜下出血、脳腫瘍、脳症、髄膜炎、パーキンソン病、または局所神経学的所見の既往歴のある患者。
7.失神もしくは他の失神発作の既往歴、血液量減少症、起立性低血圧症の兆候(平均1、3、及び5分間測定)、スクリーニング及びベースライン時55拍動/分未満の心拍数、または110mmHg未満の収縮期血圧もしくは70mmHg未満の拡張期血圧。
8.患者の試験への参加に臨床的意義を有した、治験責任医師または資格のある被指名人によって臨床的に有意であるとみなされた臨床検査またはECG異常を有したる患者[高度房室ブロック(ペースメーカーなしの2度以上の房室ブロック)、洞不全症候群の診断]。
9.重篤または不安定な医学的疾患を有する患者。この疾患には、現在の肝疾患(中等度・重度の肝障害)、腎疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、心臓血管疾患(虚血性心疾患、うっ血性心不全を含む)、内分泌学的疾患、または血液疾患が含まれる。
10.現在の激越エピソード前30日以内に治験薬が投与された患者。
11.治験責任医師により何らかの理由でデクスメデトミジン塩酸塩の投与には不適切な候補であるとみなされた患者、例えば、デクスメデトミジン塩酸塩に対するアレルギー反応の既往歴のある患者。
【1048】
試験治療
被験者を治療群に割り付ける方法
適格性が確認された時点で、被験者を180μgのデクスメデトミジン塩酸塩フィルム群もしくは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩フィルム群またはプラセボ群に無作為化した。無作為化は1:1:1であり(180μgまたは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩またはプラセボ、65以上及び65歳未満で層別化)、125名の患者を置換ブロックデザインによって各群に割り当てた。試験無作為化をコンピュータで生成した。
【1049】
被験薬、用量、及び投与方法:
デクスメデトミジン塩酸塩は、舌下(SL)投与用のフィルム製剤であった。投与により、180μgまたは120μgのデクスメデトミジンが舌下送達される。この製品は、舌下腔内で約1~3分以内に完全に溶解するように設計されたおよそ193.6mm2の面積及び0.7mmの厚さの小型の固形用量フィルム製剤であった。
【1050】
治療投与
投与時に、患者に、どのようにデクスメデトミジン塩酸塩フィルムを舌下服用するか及び溶解するまで舌下腔内にデクスメデトミジン塩酸塩フィルムを保持しなければならないことを指示した。患者は、訓練を受けたスタッフメンバーの監督下で自己投与した。患者が自己投与できなかった場合、事象を記録し、被験者の参加を終了させた。
【1051】
持続性または再発性激越の場合、治験責任医師は、ベースラインから40%以下のPEC変化によって測定される2時間時点後に90μgまたは60μg(180μgまたは120μgフィルムを半分に分割する)で再投与を選択してもよかったが、安全性に関する懸念がない場合に限った。
【1052】
試験手順
被験者は、併用療法の中止を含むいかなる試験関連手順が開始される前に、書面によるインフォームドコンセントを提供した。
【1053】
本試験中に行われた実施項目のスケジュールを表46に提供した。
【表46-1】

【表46-2】

【表46-3】
【1054】
試験評価
有効性
治験薬の効果を、以下に記載のいくつかの有効な手段を使用して評価した。
【1055】
PANSS-興奮項目(PEC)
激越沈静評価尺度(ACES)
CGI-S及びCGI-I
【1056】
臨床全般印象-重症度(CGI-S)を、スクリーニング時及び投与前(投与開始直前)の激越の重症度に基づいて評定した。
疾病の重症度を、以下の尺度に基づいて評価した。
0=評価されなかった
1=全く病気ではない
2=境界型精神病
3=軽度に病気
4=中等度に病気
5=顕著に病気
6=重度に病気
7=最も極度に病気の被験者
【1057】
激越時の治験薬に対する反応を臨床全般印象-改善度(CGI-I)によって評価した。CGI-Iを投与後30分、1、2、及び4時間時点で行った。CGI-Iスコアは、1~7の範囲である:
0=評価されなかった(見つからなかった)
1=非常に改善された
2=かなり改善された
3=最小限に改善された
4=変化なし
5=最小限に悪化した
6=かなり悪化した
7=非常に悪化した
【1058】
CGI-I及びCGI-Sはいずれも、双極性障害の全般的な疾病の重症度ではなく、激越の重症度に重点を置いた。
【1059】
ヤング躁病評価尺度(YMRS)
YMRSは、患者の臨床状態の主観的な報告に基づいて躁病症状を評価する11項目尺度であった。これを使用して、本試験に登録した患者集団を特徴付けた。
【1060】
プラセボ対照リマインダースクリプト(PCRS)
プラセボ対照リマインダースクリプト(PCRS)(著作権Hassman and Cohen,2019)バージョン5.0は、臨床試験参加者にプラセボ及びノセボ効果の主な原因について教育する、すなわち、参加者の試験に対する期待を和らげ、プラセボが何であるか及びそれが被験者による症状の報告及び潜在的副作用にどのように関連しているかを被験者にリマインドし、治験実施施設スタッフとの交流が以前の提供者との経験とはどのように異なるかを説明するものである。これを行うために、PCRSは、被験者が自身の症状について正直であるべきであり、治験実施施設スタッフが症状の改善または悪化を期待しておらず、被験者が良くなった、悪くなった、または同じであった場合でも失望しないことを被験者に伝え、理解を確実にするために参加者にその内容を自身の言葉で説明するよう求めた。PEC評定者は、本試験特有のPCRSに列記されている各訪問時(時点)にPECを各被験者に施行する前にPCRS試験ソースを読み、通常、読むのに約2分かかった。
【1061】
リッカート尺度
治験薬を投与した後、被験者は、以下の5段階リッカート尺度を使用して「治験薬の味が好きです」及び「治験薬を受け入れることができます」という記述に答えることによって治験薬の好みを評価した。
●決してそう思わない
●そう思わない
●賛成も反対もしない
●そう思う
●非常にそう思う
【1062】
治験薬の好ましさ
被験者は、自身の経験に関する自由回答質問に回答した。後味、匂い、溶解時間などの追加のコメントをはい/いいえの質問として求め、「はい」の回答には説明欄への記入を促した。
【1063】
安全性
安全性を、有害事象、臨床検査結果(血液検査、生化学検査、及び尿検査)、バイタルサイン測定(収縮期血圧及び拡張期血圧、脈拍数によって測定される心拍数、呼吸数、及び体温)、ECG、及び身体検査所見のモニタリング及び記録によって試験中に評価した。既知の安全性に関する問題が確認された場合(例えば、実薬180μg用量アームまたは120μg用量アームにおける重度の低血圧症または徐脈の高発生率)、DSMBが治験依頼者に通知した。これが発生した場合、治験依頼者はFDAに通知し、治験依頼者はより低い用量での患者への投与を継続することを選択することができた。
【1064】
薬物動態
血液試料(4mL)を表46の実施項目のスケジュールに従って採取した。被験者毎に、最大3つの血液試料(12mLの血液)をPK分析のために試験中に採取した。加えて、スクリーニング時におよそ30mLの血液を収集し、3日目の退院時におよそ15mLの血液を採取し、7日目(+2)におよそ15mLの血液を採取して、臨床検査を行った。試験中に採取した血液の総体積はおよそ72mLであると予想された。被験者毎に、最大3つの血液試料(12mLの血液)をPK分析のために試験中に採取した。加えて、スクリーニング時におよそ30mLの血液を収集し、3日目の退院時におよそ15mLの血液を採取し、7日目(+2)におよそ15mLの血液を採取して、臨床検査を行った。試験中に採取した血液の総体積はおよそ72mLであると予想された。
【1065】
統計分析
薬物動態分析
デクスメデトミジンの血漿中濃度及びデクスメデトミジンの濃度-時間データを使用してPKパラメータを計算し、これらのデータ及び結果を別個に報告した。PKデータ分析に関する詳細を別個のPK SAPに記載した。PK分析のための別個のSAPを準備し、データベースロック前に終了させた。
【1066】
安全性分析
全ての安全性分析を、安全性集団を使用して行った。少なくとも1用量の治験薬を投与した全ての被験者を安全性集団に含めた。有害事象(AE)を、タイプ、重症度、重篤度、及び治療との関連性によって特徴付けた。有害事象を、MedDRAバージョン20.0を使用して、基本語及び器官別大分類によってコード化した。
【1067】
有効性分析
本試験の主要有効性評価項目は、120分時点でのPEC総スコアのベースラインからの絶対変化であった。治療意図集団を分析し、ITTは、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなった。
【1068】
結果の要約:
人口統計学的特性
人口統計学的特性及びベースライン特性を以下の表47に示す。
【表47】
【1069】
3.有効性
デクスメデトミジン舌下フィルムは、PEC、ACES尺度、及びCGI-Iスコアによって測定される、激越の重症度をベースラインから有意に改善した。投与後2時間時点での主要な有効性所見を以下に提示する。
【1070】
(a)主要有効性評価項目(PEC減少):激越に関するPECスコア(PANSS、すなわち、陽性・陰性症状評価尺度興奮項目)の減少が観察され、臨床規制エンドポイント及びより早い時点で過度の鎮静作用を伴わずに急速な沈静がもたらされた。主要有効性評価項目は、プラセボと比較した、2時間(120分)時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化であった。2つの用量コホート(120μg(N=129)及び180μg(N=126))ならびに126名のプラセボ患者が存在した。2つの用量コホートの各々の実薬患者をプラセボ患者と比較した。デクスメデトミジン舌下フィルムで治療した患者の2時間時点でのPECのベースラインからの変化を、反復測定混合モデル(MMRM)分析を使用してプラセボと比較し、ベースラインPEC、治療群、時間、治療群と時間との間の相互作用、及びベースラインPECと時間との間の相互作用を共変量として用いた。
【1071】
PEC減少によって測定されるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性は、用量応答性であり、ロバストである。180μg用量群におけるPECスコアのベースラインからの減少は有意な応答を示し、投与後2時間時点でのPEC総スコアのベースラインからの平均変化(CFB)はプラセボと比較して-10.4であった(表48ならびに図24A及び図24B)。ベースラインからの平均変化は、120μg治療群の場合、プラセボと比較して、-9.1ポイントであった(平均変化-5)。加えて、作用の早期発現が激越を軽減するための療法に重要な特質であるため、180μg群は、早ければ投与の20分後にはプラセボと統計的に有意な差異を示した(図24A及び図24B)。さらに、180μg用量群及び120μg用量群におけるPECスコアのベースラインからの減少は、プラセボと比較して、投与後6時間時点で有意な応答を示した(図24B)。
【表48】
【1072】
PECレスポンダー分析:投与後2時間時点でベースラインから40%のPEC総スコアの減少を有する者として定義される治療レスポンダーの割合は、プラセボ(37%)と比較して、180μg群で最も高かった(180μgでは85%、120μgでは69%)(表48)。180μg用量の沈静効果の耐久性は著しく延長され、24時間後のPECの統計的に有意な減少の持続が明らかであった。
【1073】
副次有効性評価項目:
投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、ACES及びCGI-Iスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【1074】
ACESスコア:この試験の副次目的は、投与前、2時間時点、及び初回投与後4時間時点で収集された激越沈静評価尺度(ACES)を利用して、デクスメデトミジン舌下薄フィルム薬の沈静効果の持続時間を評価することであった。ACES評価は、主要評価項目の分析と一致し、プラセボと比較して、120μg及び180μg(120μg、p<0.0001)及び(180μg、p<0.0001)で、2時間時点でのACESによって測定される、沈静の統計的有意性を満たした。投与後2時間時点で、120μg治療群及び180μg治療群の被験者は、プラセボと比較してACESスコアの有意に高い改善を示した(+約1.0のプラセボと比較して、120μgでは+約3.0[p<0.0001]、180μgでは+約3.7[p<0.0001])。投与後4時間時点での改善は同様であった(+約1.0のプラセボと比較して、120μgでは+約2.8[p<0.0001]、180μgでは+約3.2[p<0.0001])。(図25)。
【1075】
CGIスコア:投与後2時間時点で1または2(「非常に改善された」または「かなり改善された」)のCGI-Iスコアを達成した被験者の割合は、プラセボ(約38%)と比較して、120μg群(約70%[p<0.0001])及び180μg用量群(約90%[p<0.0001])で有意に高かった。これらの両方の治療群で投与後30分、1時間、及び4時間時点でも有意な改善が観察された(図26)。
安全性及び忍容性:
デクスメデトミジン舌下フィルム(実施例2の製剤)の忍容性は統合失調症患者及びI型双極性障害患者において良好であり、激越を有する被験者の治療の際に好ましい安全性プロファイルを有した。安全性集団について治療群別の少なくとも1つの治療中に発生した有害事象(TEAE)を経験した被験者の概要を表49に示す。
【表49】
【1076】
結論:デクスメデトミジン舌下フィルム治療は、PEC、CGI-I、及びACES尺度によって測定されるように、統合失調症患者における激越の重症度をベースラインから有意に改善した。主要有効性評価項目は、投与後2時間時点でPEC総スコアがベースラインから有意に改善したため、120μg治療群及び180μg治療群で満たされ、平均変化は、-5.0のプラセボと比較して、それぞれ、-9.1ポイント及び-10.4ポイントであった。激越の軽減は、プラセボと比較して早ければ20分時点で観察された。さらに、投与後2時間時点での副次有効性測定値(すなわち、CGI-I及びACESスコア)の変化は、PEC総スコアの結果と一致し、デクスメデトミジン舌下フィルムでの治療後の激越の症状の改善を示した。
【1077】
実施例11:
【表50】
【1078】
製造工程:
1.デクスメデトミジン、結合剤(ヒプロメロース(または)ヒドロキシプロピルセルロース(または)ポリエチレンオキシド(または)キサンタンガム(または)アルギン酸ナトリウム)、及びスクラロースを水中に溶解または分散させて、溶液または分散液を調製する。
2.ステアリン酸マグネシウムを除く残りの成分を好適なミキサーでブレンドし、適切な篩を用いてふるいにかける。
3.ステップ2で得たブレンドを好適な造粒機を使用して造粒する。
4.顆粒を好適な流動層乾燥機または任意の他の好適な乾燥機内で乾燥させ、クアドロコミルまたはマルチミルで適切なサイズにする。
5.顆粒をVブレンダーなどの好適なブレンダーに装填し、ステアリン酸マグネシウムで滑沢化する。
6.ステップ5で得た滑沢化ブレンドを適切なツールを使用して特定の寸法の錠剤に圧縮する。
【表51】
【1079】
製造工程:
1.デクスメデトミジン塩酸塩、結合剤(ヒプロメロース(または)ヒドロキシプロピルセルロース(または)ポリエチレンオキシド(または)キサンタンガム(または)アルギン酸ナトリウム)、及びスクラロースを水中に溶解または分散させて、溶液または分散液を調製する。
2.ステアリン酸マグネシウム及びタルクを除く残りの成分を好適なミキサーでブレンドし、適切な篩を用いてふるいにかける。
3.ステップ2で得たブレンドを好適な造粒機を使用して造粒する。
4.顆粒を好適な流動層乾燥機または他の乾燥機内で乾燥させ、クアドロコミルまたはマルチミルで適切なサイズにする。
5.顆粒をVブレンダーなどの好適なブレンダーに装填し、ステアリン酸マグネシウム及びタルクで滑沢化する。
6.ステップ5で得た滑沢化ブレンドを適切なツールを使用して特定の寸法の錠剤に圧縮する。
【表52】
【1080】
製造工程:
1.ポリマー(N-メチルピロリドン(または)プロピレングリコール(または)ポリエチレングリコール)またはグリセリンを全水量の一部中に溶解または分散させる。
2.デクスメデトミジン塩酸塩を残りの賦形剤及びステップ1で得た溶液または分散液と混合する。
3.好適な容器内で水を加えて最終体積にする。
4.結果として得られた溶液を、メーターノズルなどの適切なツールを使用して適切なスプレーキャニスターに充填する。
【表53】
【1081】
製造工程:単純混合プロセス
1.ポリマー(N-メチルピロリドン(または)プロピレングリコール(または)ポリエチレングリコール)またはグリセリンを全水量の一部中に溶解または分散させる。
2.デクスメデトミジン塩酸塩を残りの賦形剤及びステップ1で得た溶液または分散液と混合する。
3.好適な容器内で水を加えて最終体積にする。
4.結果として得られた溶液を適切なパックまたはボトルに充填する。
【表54】
【1082】
製造工程:
1.ポリマー(N-メチルピロリドン(または)プロピレングリコール(または)ポリエチレングリコール)またはグリセリンを全水量の一部中に溶解または分散させる。
2.残りの成分を水の他の部分中に溶解または分散させる。
3.ステップ1及びステップ2の結果として得られた溶液または分散液を混合し、最終体積にする。
4.ステップ3の結果として得られた混合物を適切なパックまたは容器に充填する。参照による組み込み
本明細書で引用される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。しかしながら、本明細書で引用されるいずれの参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願の言及も、それらが有効な先行技術を構成するか、または世界のいずれかの国で共通の一般知識の一部を形成するという承認または何らかの示唆ではなく、そのようにみなされるべきではない。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T -T∞によって測定される、約3800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目2)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T -T∞によって測定される、約600ng・h/L~約12600ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目3)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T -T∞によって測定される、約1800ng・h/Lの平均総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目4)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、血漿中AUC T -T∞によって測定される、約590ng・h/L~約8750ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす用量で、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目5)
前記激越または激越の兆候が統合失調症に関連する、項目1~4に記載の方法。
(項目6)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される、項目1~5に記載の方法。
(項目7)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目6に記載の方法。
(項目8)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、項目7に記載の方法。
(項目9)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目6に記載の方法。
(項目10)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、筋肉内注射の形態で非経口投与される、項目6に記載の方法。
(項目11)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が経口投与される、項目6に記載の方法。
(項目12)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が単回用量として投与される、項目1~4に記載の方法。
(項目13)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として投与される、項目1~4に記載の方法。
(項目14)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単回用量として投与される、項目1~4に記載の方法。
(項目15)
血漿中AUC T -T∞によって測定される、約600ng・h/L~約9500ng・h/Lの総デクスメデトミジン曝露をもたらす、項目13に記載の方法。
(項目16)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が約140μg~約190μgの用量で投与される、項目10に記載の方法。
(項目17)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が約900μg~約1200μgの用量で投与される、項目11に記載の方法。
(項目18)
激越または激越の兆候が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、項目1~4に記載の方法。
(項目19)
激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの有意な相対変化によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、項目1~4に記載の方法。
(項目20)
前記相対PECスコアが少なくとも6ポイントまたは8ポイント異なる、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約6~24時間維持される、項目21に記載の方法。
(項目23)
平均血漿中Cmaxが約400ng/Lである、項目1に記載の方法。
(項目24)
血漿中Tmax中央値が約2時間である、項目1に記載の方法。
(項目25)
平均血漿中Cmaxが約400ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、項目1に記載の方法。
(項目26)
血漿中Cmaxが約100ng/L~約1100ng/Lである、項目2に記載の方法。
(項目27)
血漿中Cmaxが約200ng/L~約800ng/Lである、項目2に記載の方法。
(項目28)
血漿中Cmaxが約3000ng/L~約5000ng/Lである、項目2に記載の方法。
(項目29)
血漿中Tmaxが約1時間~約8時間である、項目2に記載の方法。
(項目30)
血漿中Tmaxが約5分~約4時間である、項目2に記載の方法。
(項目31)
血漿中tmaxが約5分~約15分である、項目2に記載の方法。
(項目32)
平均血漿中Cmaxが約200ng/Lである、項目3に記載の方法。
(項目33)
血漿中Tmax中央値が約2.0時間である、項目3に記載の方法。
(項目34)
平均血漿中Cmaxが約200ng/Lであり、血漿中Tmax中央値が約2時間である、項目3に記載の方法。
(項目35)
血漿中Cmaxが約100ng/L~約500ng/Lである、項目4に記載の方法。
(項目36)
血漿中Cmaxが約150ng/L~約700ng/Lである、項目4に記載の方法。
(項目37)
血漿中Cmaxが約1400ng/L~約4500ng/Lである、項目4に記載の方法。
(項目38)
血漿中Tmaxが約1時間~約4時間である、項目4に記載の方法。
(項目39)
血漿中Tmaxが約5分~約15分である、項目4に記載の方法。
(項目40)
ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約400ng/LのCmax及び約2900ng・h/Lの血漿中AUC T -T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
(項目41)
ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約100ng/L~約800ng/LのCmax及び約600時間・ng/L~約9500時間・ng/LのAUC T -T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
(項目42)
ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約200ng/LのCmax及び約1420ng・h/Lの血漿AUC T -T∞の約80%~約125%の平均血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
(項目43)
ヒト対象における状態(例えば、激越)を治療する方法であって、前記対象に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に舌下または頬側投与することを含み、以下の値:約110ng/L~約400ng/LのCmax及び約5900時間・ng/L~約4400時間・ng/LのAUC T -T∞の約80%~約125%の血漿中デクスメデトミジン吸収レベルがもたらされる、前記方法。
(項目44)
前記状態が激越または激越の兆候である、項目40~43に記載の方法。
(項目45)
前記激越または激越の兆候が統合失調症または双極性障害に関連する、項目44に記載の方法。
(項目46)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目40~43に記載の方法。
(項目47)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、項目46に記載の方法。
(項目48)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目40~43に記載の方法。
(項目49)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で頬側投与される、項目48に記載の方法。
(項目50)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が単回用量として投与される、項目40~43に記載の方法。
(項目51)
前記対象が有意な鎮静作用を誘発することもなく治療される、項目40~43に記載の方法。
(項目52)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、項目40~43に記載の方法。
(項目53)
激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの有意な相対変化によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、項目45に記載の方法。
(項目54)
前記相対PECスコアが少なくとも6ポイントまたは8ポイント異なる、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約24時間維持される、項目54に記載の方法。
(項目57)
血漿中Tmax中央値が約2時間である、項目40~43に記載の方法。
(項目58)
血漿中Tmaxが約1時間~約8時間である、項目40~43に記載の方法。
(項目59)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目60)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目61)
以前起こった激越事象の約24時間以内に、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象におけるさらなる激越事象を軽減するまたはその発生を予防する方法であって、以前起こった前記激越事象の直後に単回用量として約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目62)
以前起こった激越事象の約24時間以内に、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象におけるさらなる激越事象を軽減するまたはその発生を予防する方法であって、以前起こった前記激越事象の直後に単回用量として約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(項目63)
前記激越または激越の兆候が統合失調症に関連する、項目59または60に記載の方法。
(項目64)
オピオイド離脱期間の短縮を必要とする少なくとも18歳のヒト対象に前記離脱期間にわたってデクスメデトミジンを1日2回投与することによって前記オピオイド離脱期間を短縮する方法であって、前記離脱期間が最大14日間である、前記方法。
(項目65)
前記デクスメデトミジンが30μg~200μgの用量範囲で投与される、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記デクスメデトミジンが、約30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの単位用量で投与される、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記離脱期間が、最大13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間である、項目64に記載の方法。
(項目68)
前記オピオイドが、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、またはペンタゾシンからなる群から選択される、項目64に記載の方法。
(項目69)
前記オピオイドが離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた、項目64に記載の方法。
(項目70)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される、項目59~64に記載の方法。
(項目71)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目59~64に記載の方法。
(項目72)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で舌下投与される、項目59~64に記載の方法。
(項目73)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目59~64に記載の方法。
(項目74)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で頬側投与される、項目59~64に記載の方法。
(項目75)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、静脈内もしくは筋肉内注射または静脈内注入の形態で非経口投与される、項目59~62に記載の方法。
(項目76)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が筋肉内注射により投与される、項目59~62に記載の方法。
(項目77)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が1日1回投与される、項目59~62に記載の方法。
(項目78)
激越または激越の兆候が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、項目59~64に記載の方法。
(項目79)
約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の単回用量が最大少なくとも約24時間有効である、項目59または項目61に記載の方法。
(項目80)
有意な鎮静作用を誘発することもなく、統合失調症または双極性障害を有するヒト対象における激越または激越の兆候を治療する方法であって、単回用量として約120μgまたは約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む口粘膜フィルムを投与することを含む、前記方法。
(項目81)
前記対象が、非経口経路(静脈内、筋肉内、皮下注射、または静脈内注入)によりデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の液体製剤を事前に投与されている、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記口粘膜投与が、非経口経路によるデクスメデトミジンの液体製剤の事前投与後3~5時間以内に起こる、項目80及び81のいずれかに記載の方法。
(項目83)
前記非経口投与が、口粘膜フィルムの事前投与後3~5時間以内に起こる、項目80のいずれかに記載の方法。
(項目84)
前記液体製剤が、オートインジェクターを備えた患者による自己投与用の使い捨てシリンジに予充填されている、項目80に記載の方法。
(項目85)
前記対象が抗精神病薬で現在併用治療されている、項目59~63に記載の方法。
(項目86)
前記抗精神病薬が、
アリピプラゾール、ベンペリドール、フルペンチキソール、アミスルプリド、クロルプロマジン、アセナピン、リスペリドン、ジプラシドン、ルラシドン、クロザピン、カリプラジン、オランザピン、及びクエチアピンから選択されるが、これらに限定されない、項目59~63に記載の方法。好ましい実施形態では、前記抗精神病薬は、アリピプラゾールである。
(項目87)
激越または激越の兆候が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与する直前のPECスコアと投与した60分後のPECスコアとの有意な相対変化によって測定されるように、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後60分以内に有意に軽減される、項目59~63に記載の方法。
(項目88)
前記相対PECスコアが少なくとも6ポイントまたは8ポイント異なる、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記相対PECスコアの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後少なくとも6時間維持される、項目87または項目88に記載の方法。
(項目90)
前記相対PECスコアが少なくとも8ポイント異なり、この少なくとも8ポイントの差がデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与後最大少なくとも約24時間維持される、項目87に記載の方法。
(項目91)
前記フィルムが、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、任意選択的に、
1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む自己支持型溶解性フィルムである、項目72に記載の方法。
(項目92)
前記フィルムが、
約120マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、任意選択的に、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む自己支持型溶解性フィルムである、項目72に記載の方法。
(項目93)
(ii)が、低分子量水溶性ポリマーと、2つの高分子量水溶性ポリマーと、を含む、項目91または項目92に記載の方法。
(項目94)
前記低分子量水溶性ポリマーが約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有し、高分子量水溶性ポリマーが各々、約60,000ダルトン超の分子量を有する、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記低分子量水溶性ポリマーが約40,000ダルトンの分子量を有し、前記2つの高分子量水溶性ポリマーの一方が約140,000ダルトンの分子量を有し、前記高分子量水溶性ポリマーの他方が約370,000ダルトンの分子量を有する、項目93に記載の方法。
(項目96)
水溶性ポリマーが各々、ヒドロキシプロピルセルロースである、項目91または項目92に記載の方法。
(項目97)
前記フィルムがポリエチレンオキシドも含む、項目91または項目92に記載の方法。
(項目98)
前記ポリエチレンオキシドが約600,000ダルトンの分子量を有する、項目97に記載の方法。
(項目99)
前記フィルムが、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む自己支持型溶解性フィルムである、項目72に記載の方法。
(項目100)
前記フィルムが、
(i)約120マイクログラムのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む自己支持型溶解性フィルムである、項目72に記載の方法。
(項目101)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を除く前記フィルム成分が単層フィルム基材を形成し、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が前記フィルム基材の表面上に存在する、項目99または項目100に記載の方法。
(項目102)
デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、約140,000ダルトンの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーとを含む組成物中のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が前記フィルム基材の表面上に存在する、項目99または項目100に記載の方法。
(項目103)
水溶性ポリマーが各々、ヒドロキシプロピルセルロースである、項目99または項目100に記載の方法。
(項目104)
前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がデクスメデトミジン塩酸塩である、項目99または項目100に記載の方法。
(項目105)
前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)を含む、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)を含む、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、項目72に記載の方法。
(項目106)
前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、項目72に記載の方法。
(項目107)
前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)を含む、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)を含む、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、項目72に記載の方法。
(項目108)
前記フィルムが、
(a)組成物であって、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含む自己支持型溶解性フィルムであり、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、項目72に記載の方法。
(項目109)
デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約0.2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約27w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約55w/w%~約60w/w%で存在する、項目105~項目108に記載の方法。
(項目110)
自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約180マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含み、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、前記自己支持型溶解性フィルム。
(項目111)
自己支持型溶解性フィルムであって、
(a)組成物であって、
(i)約120マイクログラムのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、前記組成物と、
(b)フィルム基材であって、
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、前記フィルム基材と、を含み、
部分(a)の前記組成物が前記フィルム基材(b)の表面上に存在する、前記自己支持型溶解性フィルム。
(項目112)
デクスメデトミジン塩酸塩が総フィルム重量の約0.1w/w%~約0.2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)が総フィルム重量の約4w/w%~約6w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)が総フィルム重量の約27w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)が総フィルム重量の約55w/w%~約60w/w%で存在する、項目110または項目111に記載のフィルム。
(項目113)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目114)
前記患者が統合失調症を有する、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記患者がI型双極性障害を有する、項目113または項目114に記載の方法。
(項目116)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目113~115のいずれか1項に記載の方法。
(項目117)
前記組成物が舌下または頬側投与される、項目113~116のいずれか1項に記載の方法。
(項目118)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目117に記載の方法。
(項目120)
約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、項目113~119のいずれか1項に記載の方法。
(項目121)
前記追加用量が約60μgまたは90μgである、項目120に記載の方法。
(項目122)
前記第2の用量が約2時間後に投与される、項目120または項目121に記載の方法。
(項目123)
前記患者が摂食状態にある、項目113~122のいずれか1項に記載の方法。
(項目124)
前記患者が絶食状態にある、項目113~122のいずれか1項に記載の方法。
(項目125)
激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(Positive
and Negative Syndrome Scale Excited Component)(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目113~124のいずれか1項に記載の方法。
(項目126)
前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、項目125に記載の方法。
(項目127)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目125または項目126に記載の方法。
(項目128)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目127に記載の方法。
(項目129)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目125~128のいずれか1項に記載の方法。
(項目130)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目129に記載の方法。
(項目131)
前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目125~130のいずれか1項に記載の方法。
(項目132)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目131に記載の方法。
(項目133)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目131に記載の方法。
(項目134)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目125~133のいずれか1項に記載の方法。
(項目135)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、項目125~134のいずれか1項に記載の方法。
(項目136)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目113~135のいずれか1項に記載の方法。
(項目137)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目113~136のいずれか1項に記載の方法。
(項目138)
単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均C max がもたらされる、項目113~137のいずれか1項に記載の方法。
(項目139)
前記平均C max が約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目138に記載の方法。
(項目140)
前記平均C max が約238ng/Lである、項目138に記載の方法。
(項目141)
単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf がもたらされる、項目113~140のいずれか1項に記載の方法。
(項目142)
前記平均AUC 0-inf が約1810ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目141に記載の方法。
(項目143)
前記平均AUC 0-inf が約1810ng・h/Lである、項目141に記載の方法。
(項目144)
単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max がもたらされる、項目113~143のいずれか1項に記載の方法。
(項目145)
前記平均T max が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目144に記載の方法。
(項目146)
前記平均T max が約2時間である、項目144に記載の方法。
(項目147)
単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均C max がもたらされる、項目113~146のいずれか1項に記載の方法。
(項目148)
前記幾何平均C max が約220ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目147に記載の方法。
(項目149)
前記幾何平均C max が約220ng/Lである、項目147に記載の方法。
(項目150)
単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC 0-inf がもたらされる、項目113~149のいずれか1項に記載の方法。
(項目151)
前記幾何平均AUC 0-inf が約1410ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記幾何平均AUC 0-inf が約1410ng・h/Lである、項目150に記載の方法。
(項目153)
単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均T max がもたらされる、項目113~152のいずれか1項に記載の方法。
(項目154)
前記幾何平均T max が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目153に記載の方法。
(項目155)
前記幾何平均T max が約2時間である、項目153に記載の方法。
(項目156)
単回用量の投与により、約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内のC max 中央値がもたらされる、項目113~155のいずれか1項に記載の方法。
(項目157)
前記C max 中央値が約230ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目156に記載の方法。
(項目158)
前記C max 中央値が約230ng/Lである、項目156に記載の方法。
(項目159)
単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC 0-inf 中央値がもたらされる、項目113~158のいずれか1項に記載の方法。
(項目160)
前記AUC 0-inf 中央値が約1180ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目159に記載の方法。
(項目161)
前記AUC 0-inf 中央値が約1810ng・h/Lである、項目141に記載の方法。
(項目162)
単回用量の投与により、約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内のT max 中央値がもたらされる、項目113~161のいずれか1項に記載の方法。
(項目163)
前記T max 中央値が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目162に記載の方法。
(項目164)
前記T max 中央値が約2時間である、項目162に記載の方法。
(項目165)
薬物動態パラメータが非定常状態である、項目138~164のいずれか1項に記載の方法。
(項目166)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目167)
前記患者が統合失調症を有する、項目166に記載の方法。
(項目168)
前記患者がI型双極性障害を有する、項目166または項目167に記載の方法。
(項目169)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目166~168のいずれか1項に記載の方法。
(項目170)
前記組成物が舌下または頬側投与される、項目166~169のいずれか1項に記載の方法。
(項目171)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目170に記載の方法。
(項目172)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目170に記載の方法。
(項目173)
約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、項目166~172のいずれか1項に記載の方法。
(項目174)
前記追加用量が約60μgまたは90μgである、項目173に記載の方法。
(項目175)
前記第2の用量が約2時間後に投与される、項目8または項目174に記載の方法。
(項目176)
前記患者が摂食状態にある、項目166~175のいずれか1項に記載の方法。
(項目177)
前記患者が絶食状態にある、項目166~175のいずれか1項に記載の方法。
(項目178)
激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目166~177のいずれか1項に記載の方法。
(項目179)
前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、項目178に記載の方法。
(項目180)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目178または項目179に記載の方法。
(項目181)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目180に記載の方法。
(項目182)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目178~181のいずれか1項に記載の方法。
(項目183)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目182に記載の方法。
(項目184)
前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目178~183のいずれか1項に記載の方法。
(項目185)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目184に記載の方法。
(項目186)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目184に記載の方法。
(項目187)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目178~186のいずれか1項に記載の方法。
(項目188)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、項目178~187のいずれか1項に記載の方法。
(項目189)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目166~188のいずれか1項に記載の方法。
(項目190)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目166~189のいずれか1項に記載の方法。
(項目191)
単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均C max がもたらされる、項目166~190のいずれか1項に記載の方法。
(項目192)
前記平均C max が約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目191に記載の方法。
(項目193)
前記平均C max が約440ng/Lである、項目191に記載の方法。
(項目194)
単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf がもたらされる、項目166~193のいずれか1項に記載の方法。
(項目195)
前記平均AUC 0-inf が約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目194に記載の方法。
(項目196)
前記平均AUC 0-inf が約3800ng・h/Lである、項目194に記載の方法。
(項目197)
単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max がもたらされる、項目166~196のいずれか1項に記載の方法。
(項目198)
前記平均T max が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目197に記載の方法。
(項目199)
前記平均T max が約2時間である、項目197に記載の方法。
(項目200)
単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均C max がもたらされる、項目166~199のいずれか1項に記載の方法。
(項目201)
前記幾何平均C max が約380ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目200に記載の方法。
(項目202)
前記幾何平均C max が約380ng/Lである、項目200に記載の方法。
(項目203)
単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の幾何平均AUC 0-inf がもたらされる、項目166~202のいずれか1項に記載の方法。
(項目204)
前記幾何平均AUC 0-inf が約2880ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目203に記載の方法。
(項目205)
前記幾何平均AUC 0-inf が約2880ng・h/Lである、項目203に記載の方法。
(項目206)
単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の幾何平均T max がもたらされる、項目166~205のいずれか1項に記載の方法。
(項目207)
前記幾何平均T max が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目206に記載の方法。
(項目208)
前記幾何平均T max が約2時間である、項目206に記載の方法。
(項目209)
単回用量の投与により、約110ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内のC max 中央値がもたらされる、項目166~208のいずれか1項に記載の方法。
(項目210)
前記C max 中央値が約485ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目209に記載の方法。
(項目211)
前記C max 中央値が約485ng/Lである、項目209に記載の方法。
(項目212)
単回用量の投与により、約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内のAUC 0-inf 中央値がもたらされる、項目166~211のいずれか1項に記載の方法。
(項目213)
前記AUC 0-inf 中央値が約2900ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目212に記載の方法。
(項目214)
前記AUC 0-inf 中央値が約2900ng・h/Lである、項目194に記載の方法。
(項目215)
単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内のT max 中央値がもたらされる、項目166~214のいずれか1項に記載の方法。
(項目216)
前記T max 中央値が約2時間の約80%~約125%の範囲内である、項目215に記載の方法。
(項目217)
前記T max 中央値が約2時間である、項目215に記載の方法。
(項目218)
前記薬物動態パラメータが非定常状態である、項目191~217のいずれか1項に記載の方法。
(項目219)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、約120μg~約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目220)
前記患者が統合失調症を有する、項目219に記載の方法。
(項目221)
前記患者がI型双極性障害を有する、項目219または項目220に記載の方法。
(項目222)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目219~221のいずれか1項に記載の方法。
(項目223)
前記デクスメデトミジンの単位用量が約120μgである、項目219~222のいずれか1項に記載の方法。
(項目224)
前記デクスメデトミジンの単位用量が約180μgである、項目219~222のいずれか1項に記載の方法。
(項目225)
前記組成物が舌下または頬側投与される、項目219~224のいずれか1項に記載の方法。
(項目226)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目225に記載の方法。
(項目227)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目225に記載の方法。
(項目228)
約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、項目219~227のいずれか1項に記載の方法。
(項目229)
前記追加用量が約60μgまたは90μgである、項目228に記載の方法。
(項目230)
前記第2の用量が約2時間後に投与される、項目228または項目229に記載の方法。
(項目231)
激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目219~230のいずれか1項に記載の方法。
(項目232)
前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、項目231に記載の方法。
(項目233)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目231または項目232に記載の方法。
(項目234)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目233に記載の方法。
(項目235)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目231~234のいずれか1項に記載の方法。
(項目236)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目235に記載の方法。
(項目237)
前記平均PECスコア変化がデクスメデトミジンの投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目231~236のいずれか1項に記載の方法。
(項目238)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目237に記載の方法。
(項目239)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目237に記載の方法。
(項目240)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目231~239のいずれか1項に記載の方法。
(項目241)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、項目231~240のいずれか1項に記載の方法。
(項目242)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目219~241のいずれか1項に記載の方法。
(項目243)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目219~242のいずれか1項に記載の方法。
(項目244)
単回用量の投与により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血漿濃度(C max )がもたらされる、項目219~243のいずれか1項に記載の方法。
(項目245)
前記平均C max が約200ng/L~約500ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目244に記載の方法。
(項目246)
前記平均C max が230ng/L~約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目244に記載の方法。
(項目247)
単回用量の投与により、約590時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均濃度曲線下面積(AUC) 0-inf がもたらされる、項目219~246のいずれか1項に記載の方法。
(項目248)
前記平均AUC 0-inf が1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目247に記載の方法。
(項目249)
前記平均AUC 0-inf が1800ng・h/L~約3800時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目247に記載の方法。
(項目250)
単回用量の投与により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血中濃度到達時間(T max )がもたらされる、項目219~249のいずれか1項に記載の方法。
(項目251)
前記平均T max が約時間の約80%~約125%の範囲内である、項目250に記載の方法。
(項目252)
前記平均T max が約2時間である、項目250に記載の方法。
(項目253)
前記薬物動態パラメータが非定常状態である、項目244~252のいずれか1項に記載の方法。
(項目254)
前記患者が摂食状態にある、項目219~253のいずれか1項に記載の方法。
(項目255)
前記患者が絶食状態にある、項目219~253のいずれか1項に記載の方法。
(項目256)
オピオイド離脱症状を治療するまたは改善する方法であって、それを必要とするヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を投与することを含み、前記患者が少なくとも18歳であり、前記離脱期間が最大14日間である、前記方法。
(項目257)
前記治療が前記オピオイド離脱期間を短縮することを含む、項目256に記載の方法。
(項目258)
前記治療または改善が、臨床オピエート離脱尺度(Clinical Opiate Withdrawal Scale)(COWS)及び/またはゴソップの短期オピエート離脱尺度(Short Opiate Withdrawal Scale of Gossop)(SOWS-Gossop)スコアによって測定される、項目256または項目257に記載の方法。
(項目259)
前記組成物が1日2回投与される、項目256~258のいずれか1項に記載の方法。
(項目260)
前記組成物が、約30μg~約200μgの用量範囲のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目256~259のいずれか1項に記載の方法。
(項目261)
前記組成物が、約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または180μgの単位用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目256~260のいずれか1項に記載の方法。
(項目262)
前記離脱期間が、最大13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、または3日間である、項目256~261のいずれか1項に記載の方法。
(項目263)
前記オピオイドが、フェンタニル、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ヒドロコドン、アルフェンタニル カルフェンタニル、トラマドール、ヒドロモルフォン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、レミフェンタニル ブトルファノール、メペリジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、テバイン、スフェンタニル、及びペンタゾシンからなる群から選択される、項目256~262のいずれか1項に記載の方法。
(項目264)
前記オピオイドがフェンタニルからなる群から選択される、項目263に記載の方法。
(項目265)
前記オピオイドが離脱前に新生児治療よりも長い時間にわたって投与されていた、項目256~262のいずれか1項に記載の方法。
(項目266)
前記組成物が、舌下、頬側、経口、鼻腔内、または非経口投与される、項目256~265のいずれか1項に記載の方法。
(項目267)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目256~266のいずれか1項の項目に記載の方法。
(項目268)
前記組成物が、フィルムの形態で舌下投与される、項目267に記載の方法。
(項目269)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目256~266のいずれか1項に記載の方法。
(項目270)
前記組成物が、フィルムの形態で頬側投与される、項目269に記載の方法。
(項目271)
前記患者が臨床的に有意な心血管系作用を誘発することもなく治療される、項目256~270のいずれか1項に記載の方法。
(項目272)
約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物の単回用量が最大少なくとも約24時間有効である、項目256~271のいずれか1項に記載の方法。
(項目273)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目256~272のいずれか1項に記載の方法。
(項目274)
前記オピオイド離脱症状が激越である、項目256~273のいずれか1項に記載の方法。
(項目275)
前記組成物が7日間にわたって1日2回投与される、項目256~274のいずれか1項に記載の方法。
(項目276)
約20μg~約240μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
(項目277)
デクスメデトミジンがデクスメデトミジン塩酸塩として存在する、項目276に記載の組成物。
(項目278)
前記デクスメデトミジンの用量が約120μgである、項目276または項目277に記載の組成物。
(項目279)
前記デクスメデトミジンの用量が約180μgである、項目276~278のいずれか1項に記載の組成物。
(項目280)
前記組成物が舌下または頬側投与用に製剤化される、項目276~279のいずれか1項に記載の組成物。
(項目281)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与用に製剤化される、項目280に記載の組成物。
(項目282)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与用に製剤化される、項目280に記載の組成物。
(項目283)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を有する患者に投与された場合、前記激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目276~282のいずれか1項に記載の組成物。
(項目284)
前記激越が約30分~約1時間以内有意に軽減される、項目283に記載の組成物。
(項目285)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目283または項目284に記載の組成物。
(項目286)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目285に記載の組成物。
(項目287)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目283~286のいずれか1項に記載の組成物。
(項目288)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目287に記載の組成物。
(項目289)
前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目283~288のいずれか1項に記載の組成物。
(項目290)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目289に記載の組成物。
(項目291)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目289に記載の組成物。
(項目292)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目283~291のいずれか1項に記載の組成物。
(項目293)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約24時間維持される、項目283~292のいずれか1項に記載の組成物。
(項目294)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目283~293のいずれか1項に記載の組成物。
(項目295)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目283~294のいずれか1項に記載の組成物。
(項目296)
統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均Cmaxがもたらされる、項目276~295のいずれか1項に記載の組成物。
(項目297)
前記幾何平均C max が約200ng/L~約400ng/Lである、項目296に記載の組成物。
(項目298)
前記平均C max が230ng/L~約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目296に記載の組成物。
(項目299)
統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約590時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均aAUC 0-inf がもたらされる、項目276~298のいずれか1項に記載の組成物。
(項目300)
前記平均AUC 0-inf が1400ng・h/L~約4000時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目299に記載の組成物。
(項目301)
前記平均AUC 0-inf が1800ng・h/L~約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目299に記載の組成物。
(項目302)
統合失調症または双極性障害を有する患者に投与された場合、単回用量により、約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均ピーク血漿濃度到達時間(T max )がもたらされる、項目276~301のいずれか1項に記載の組成物。
(項目303)
前記平均T max が約時間の約80%~約125%の範囲内である、項目302に記載の組成物。
(項目304)
前記平均T max が約2時間である、項目302に記載の組成物。
(項目305)
前記薬物動態パラメータが非定常状態である、項目296~304のいずれか1項に記載の組成物。
(項目306)
前記患者が摂食状態にある、項目283~305のいずれか1項に記載の組成物。
(項目307)
前記患者が絶食状態にある、項目283~305のいずれか1項に記載の組成物。
(項目308)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含み、前記用量により、以下の薬物動態パラメータ:
(1)約110ng/L~約400ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均C max 、及び/または
(2)約590時間・ng/L~約4400時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf 、及び/または
(3)約1時間~約4時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max のうちの1つ以上がもたらされる、前記方法。
(項目309)
前記患者が統合失調症を有する、項目308に記載の方法。
(項目310)
前記患者がI型双極性障害を有する、項目308または項目309に記載の方法。
(項目311)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目308~310のいずれか1項に記載の方法。
(項目312)
前記組成物が舌下または頬側投与される、項目308~311のいずれか1項に記載の方法。
(項目313)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目312に記載の方法。
(項目314)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目312に記載の方法。
(項目315)
約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、項目308~314のいずれか1項に記載の方法。
(項目316)
前記追加用量が約60μgまたは90μgである、項目315に記載の方法。
(項目317)
前記第2の用量が約2時間後に投与される、項目315または項目316に記載の方法。
(項目318)
前記患者が摂食状態にある、項目308~317のいずれか1項に記載の方法。
(項目319)
前記患者が絶食状態にある、項目308~317のいずれか1項に記載の方法。
(項目320)
激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目308~319のいずれか1項に記載の方法。
(項目321)
前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、項目320に記載の方法。
(項目322)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目320または項目321に記載の方法。
(項目323)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目322に記載の方法。
(項目324)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目320~323のいずれか1項に記載の方法。
(項目325)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目324に記載の方法。
(項目326)
前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目320~325のいずれか1項に記載の方法。
(項目327)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目326に記載の方法。
(項目328)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目326に記載の方法。
(項目329)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目320~328のいずれか1項に記載の方法。
(項目330)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、項目320~329のいずれか1項に記載の方法。
(項目331)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目308~330のいずれか1項に記載の方法。
(項目332)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目308~331のいずれか1項に記載の方法。
(項目333)
前記薬物動態パラメータのうちの2つ以上が存在する、項目308~332のいずれか1項に記載の方法。
(項目334)
前記薬物動態パラメータのうちの3つ全てが存在する、項目308~333のいずれか1項に記載の方法。
(項目335)
前記平均C max が約238ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目308~334のいずれか1項に記載の方法。
(項目336)
前記平均C max が約238ng/Lである、項目335に記載の方法。
(項目337)
単回用量の投与により、約1810ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf がもたらされる、項目308~336のいずれか1項に記載の方法。
(項目338)
前記平均約1810ng・h/L、項目337に記載の方法。
(項目339)
単回用量の投与により、約2時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max がもたらされる、項目308~338のいずれか1項に記載の方法。
(項目340)
前記平均T max が約2時間である、項目339に記載の方法。
(項目341)
前記薬物動態パラメータが非定常状態である、項目308~340のいずれか1項に記載の方法。
(項目342)
統合失調症または双極性障害に関連する激越を治療する方法であって、ヒト患者に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量組成物を投与することを含み、前記用量により、以下の薬物動態パラメータ:
(1)約100ng/L~約800ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均C max 、及び/または
(2)約600時間・ng/L~約9500時間・ng/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf 、及び/または
(3)約1時間~約8時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max のうちの1つ以上がもたらされる、前記方法。
(項目343)
前記患者が統合失調症を有する、項目342に記載の方法。
(項目344)
前記患者がI型双極性障害を有する、項目342または項目343に記載の方法。
(項目345)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目342~344のいずれか1項に記載の方法。
(項目346)
前記組成物が舌下または頬側投与される、項目342~345のいずれか1項に記載の方法。
(項目347)
前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップ剤の形態で舌下投与される、項目346に記載の方法。
(項目348)
前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与される、項目346に記載の方法。
(項目349)
約30分~約12時間の範囲の期間後に第2の用量を投与することをさらに含む、項目342~348のいずれか1項に記載の方法。
(項目350)
前記追加用量が約60μgまたは90μgである、項目349に記載の方法。
(項目351)
前記第2の用量が約2時間後に投与される、項目349または項目350に記載の方法。
(項目352)
前記患者が摂食状態にある、項目342~351のいずれか1項に記載の方法。
(項目353)
前記患者が絶食状態にある、項目342~351のいずれか1項に記載の方法。
(項目354)
激越が、ベースラインと比較した陽性・陰性症状評価尺度興奮項目(PEC)スコアの平均変化によって測定されるように、前記組成物の投与後約2時間以内に有意に軽減される、項目342~353のいずれか1項に記載の方法。
(項目355)
前記激越が約30分~約1時間以内に有意に軽減される、項目354に記載の方法。
(項目356)
前記患者がベースラインから40%以上のPECスコア減少を経験する、項目354または項目355に記載の方法。
(項目357)
前記患者がベースラインから60%以上のPECスコア減少を経験する、項目356に記載の方法。
(項目358)
前記PECスコアがプラセボよりも30%以上低い、項目354~357のいずれか1項に記載の方法。
(項目359)
前記PECスコアがプラセボよりも60%以上低い、項目358に記載の方法。
(項目360)
前記平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-4超(すなわち、4ポイント以上の減少)になる、項目354~359のいずれか1項に記載の方法。
(項目361)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-6超になる、項目360に記載の方法。
(項目362)
平均PECスコア変化が前記組成物の投与後2時間以内にベースラインと比較して-8超になる、項目360に記載の方法。
(項目363)
前記PECスコア減少が前記組成物の投与後少なくとも6時間維持される、項目354~362のいずれか1項に記載の方法。
(項目364)
前記平均PECスコア変化が-8以上であり、前記組成物の投与後2時間~投与後最大少なくとも約6時間維持される、項目354~363のいずれか1項に記載の方法。
(項目365)
前記対象が有意な鎮静作用を経験することなく治療される、項目342~364のいずれか1項に記載の方法。
(項目366)
前記対象が臨床的に有意な心血管系作用を経験することなく治療される、項目342~365のいずれか1項に記載の方法。
(項目367)
前記薬物動態パラメータのうちの2つ以上が存在する、項目342~366のいずれか1項に記載の方法。
(項目368)
前記薬物動態パラメータのうちの3つ全てが存在する、項目342~367のいずれか1項に記載の方法。
(項目369)
前記平均C max が約440ng/Lの約80%~約125%の範囲内である、項目342~368のいずれか1項に記載の方法。
(項目370)
前記平均C max が約440ng/Lである、項目369に記載の方法。
(項目371)
単回用量の投与により、約3800ng・h/Lの約80%~約125%の範囲内の平均AUC 0-inf がもたらされる、項目342~370のいずれか1項に記載の方法。
(項目372)
前記平均約3800ng・h/L、項目371に記載の方法。
(項目373)
単回用量の投与により、約2時間の約80%~約125%の範囲内の平均T max がもたらされる、項目342~372のいずれか1項に記載の方法。
(項目374)
前記平均T max が約2時間である、項目373に記載の方法。
(項目375)
前記薬物動態パラメータが非定常状態である、項目342~374のいずれか1項に記載の方法。
(項目376)
激越が、臨床全般印象-改善度尺度(Clinical Global Impression-Improvement Scale)によって測定されるように、前記組成物の投与後2時間以内に1(非常に改善された)または2(かなり改善された)に軽減される、先行項目のいずれかに記載の方法。
(項目377)
前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、項目376に記載の方法。
(項目378)
前記激越が約30分以内に軽減される、項目377に記載の方法。
(項目379)
前記激越の軽減が1(非常に改善された)に軽減される、項目376~378のいずれか1項に記載の方法。
(項目380)
前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、項目376~379のいずれか1項の項目に記載の方法。
(項目381)
前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、項目376~380のいずれか1項に記載の方法。
(項目382)
前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、項目376~381のいずれか1項に記載の方法。
(項目383)
前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、項目376~382のいずれか1項に記載の方法。
(項目384)
前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、項目376~383のいずれか1項に記載の方法。
(項目385)
前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、項目376~383のいずれか1項に記載の方法。
(項目386)
前記患者が統合失調症を有する、項目376~385のいずれか1項に記載の方法。
(項目387)
前記患者が双極性障害を有する、項目376~386のいずれか1項に記載の方法。
(項目388)
激越が、激越沈静評価尺度(Agitation-Calmness Evaluation Scale、ACES)によって測定されるように、前記組成物の投与後2時間以内に3(軽度の激越)または4(正常挙動)に軽減される、先行項目のいずれかに記載の方法。
(項目389)
前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、項目388に記載の方法。
(項目390)
前記激越の軽減が4(正常挙動)に軽減される、項目388または項目389に記載の方法。
(項目391)
前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、項目388~390のいずれか1項に記載の方法。
(項目392)
前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、項目388~391のいずれか1項に記載の方法。
(項目393)
前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、項目388~392のいずれか1項に記載の方法。
(項目394)
前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、項目388~393のいずれか1項に記載の方法。
(項目395)
前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、項目388~394のいずれか1項に記載の方法。
(項目396)
前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、項目388~394のいずれか1項に記載の方法。
(項目397)
前記患者が統合失調症を有する、項目388~396のいずれか1項に記載の方法。
(項目398)
前記患者が双極性障害を有する、項目388~397のいずれか1項に記載の方法。
(項目399)
前記患者が、PEC尺度によって測定される、40以上の激越の軽減を経験する、先行項目のいずれかに記載の方法。
(項目400)
前記激越が約30分~約1時間以内に軽減される、項目399に記載の方法。
(項目401)
前記患者が60以上の激越の軽減を経験する、項目399または項目400に記載の方法。
(項目402)
前記患者が80以上の激越の軽減を経験する、項目399~401のいずれか1項に記載の方法。
(項目403)
前記激越の軽減が約2時間を超えて維持される、項目399~402のいずれか1項に記載の方法。
(項目404)
前記激越の軽減が約4時間を超えて維持される、項目399~403のいずれか1項に記載の方法。
(項目405)
前記激越の軽減が約6時間を超えて維持される、項目399~404のいずれか1項に記載の方法。
(項目406)
前記激越の軽減が約8時間を超えて維持される、項目399~405のいずれか1項に記載の方法。
(項目407)
前記組成物が120μgのデクスメデトミジンを含む、項目399~406のいずれか1項に記載の方法。
(項目408)
前記組成物が180μgのデクスメデトミジンを含む、項目399~406のいずれか1項に記載の方法。
(項目409)
前記患者が統合失調症を有する、項目399~408のいずれか1項に記載の方法。
(項目410)
前記患者が双極性障害を有する、項目399~409のいずれか1項に記載の方法。
(項目411)
双極性障害または統合失調症対象を有する対象における激越のPECスコア減少をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記PECスコア減少が約-8~約-10であり、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
(項目412)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目411に記載の方法。
(項目413)
約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目411または412に記載の方法。
(項目414)
約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目411または412に記載の方法。
(項目415)
前記持続期間が約4時間である、項目411~414のいずれか1項に記載の方法。
(項目416)
前記持続期間が約6時間である、項目415に記載の方法。
(項目417)
前記PECスコア減少が約-10である、項目411~416のいずれか1項に記載の方法。
(項目418)
双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるACESスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記ACESスコアが約3~約4に改善され、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
(項目419)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目418に記載の方法。
(項目420)
約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目418または419に記載の方法。
(項目421)
約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目418または419に記載の方法。
(項目422)
前記持続期間が約4時間である、項目418~421のいずれか1項に記載の方法。
(項目423)
前記持続期間が約6時間である、項目422に記載の方法。
(項目424)
前記ACESスコアが約4である、項目418~423のいずれか1項に記載の方法。
(項目425)
双極性障害または統合失調症対象を有する対象におけるCGI-Iスコア改善をある持続期間にわたって達成する方法であって、前記対象に、約120mcg~約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み、前記CGI-Iスコアが約1(非常に改善された)または約2(かなり改善された)に改善され、前記持続期間が約2時間~約6時間である、前記方法。
(項目426)
前記組成物がデクスメデトミジン塩酸塩を含む、項目425に記載の方法。
(項目427)
約120mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目425または426に記載の方法。
(項目428)
約180mcgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目425または426に記載の方法。
(項目429)
前記持続期間が約4時間である、項目425~428のいずれか1項に記載の方法。
(項目430)
前記持続期間が約6時間である、項目425に記載の方法。
(項目431)
前記CGI-Iスコアが約1である、項目425~430のいずれか1項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26