(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-08
(45)【発行日】2025-09-17
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E05F 17/00 20060101AFI20250909BHJP
E06B 3/44 20060101ALI20250909BHJP
【FI】
E05F17/00 C
E06B3/44
(21)【出願番号】P 2022027649
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2024-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏典
(72)【発明者】
【氏名】山口 琢二
(72)【発明者】
【氏名】村山 克哉
(72)【発明者】
【氏名】松村 心互
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-120349(JP,A)
【文献】特開平7-127337(JP,A)
【文献】特開2007-217988(JP,A)
【文献】特開2000-248843(JP,A)
【文献】特開2003-27838(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0230331(US,A1)
【文献】中国実用新案第212898224(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/16
E05F 11/04
E05F 17/00
E06B 3/42-3/46
E06B 3/54-3/677
E06B 7/16-7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の縦枠及び上下の横枠を四周組した枠体に内障子及び外障子を備え、前記内障子及び前記外障子は、前記縦枠に設けた反転要素を経由して垂下する索状体によって連係されることにより互いに逆方向に向けて上下に連動する建具であって、
前記内障子及び前記外障子のいずれか一方には、前記縦枠に対向する見込み面に上下方向に沿ってガイド溝が設けられているとともに、ストッパ部材が設けられ、
前記索状体の一方の端部には、下端部から前記ガイド溝に挿入され、前記ストッパ部材に当接する当接部材が設けられていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記内障子及び前記外障子のいずれか他方には、前記縦枠に対向する見込み面の下端部に前記索状体の他方の端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記当接部材は、前記ガイド溝から突出する突出部を有し、前記突出部の先端部に前記索状体の一端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記当接部材及び前記ストッパ部材の少なくとも一方には、互いに当接した場合に前記内障子及び前記外障子のいずれか一方を他方に向けて付勢する傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項5】
前記左右の縦枠はそれぞれ、前記内障子の見込み面及び前記外障子の見込み面に対向する見込み壁部と、前記見込み壁部から内周側に向けて突出し、前記内障子の見付け面及び前記外障子の見付け面を覆う見付け壁部とを有し、
一方の縦枠に設けられた見付け壁部の突出縁部から他方の縦枠の見込み壁部までの距離が前記内障子及び前記外障子の左右の幅よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内障子及び外障子を備え、これら内障子及び外障子が、相互間を連係するワイヤー等の索状体によって互いに逆方向に向けて上下に連動する建具に関する。
【背景技術】
【0002】
内障子及び外障子が上下に沿って移動可能となる建具には、ワイヤー等の索状体の端部をそれぞれの障子に連結するとともに、縦枠に設けられた滑車等の反転要素に索状体の中間部を巻き掛けるようにしたものが提供されている。この種の建具では、例えば内障子を上方に移動すると、索状体を介して外障子が下方に連動されるため、障子の開閉操作性を向上させることができる等の利点がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-161678号公報
【文献】特開2003-27838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、枠体に対して障子を移動する際にガイドとなる縦框は、枠体によって常時覆われた状態となる。従って、枠体に建て込まれた後の障子に対しては、縦框の中間部に索状体を連結させることが困難となる。一方、障子に対する索状体の連結位置は、反転要素よりも下方に設定する必要がある。このため、索状体を障子に連結させる作業を容易化するには、それぞれの障子に対して下端となる位置に索状体を連結することが好ましい。しかしながら、こうした建具にあっては、障子の全高以上となる長さの索状体が必要となる。この結果、障子の全高に応じた種類の索状体が必要になり、建具の製造コスト低減を図る上で制限となり得る。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減を図ることのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、左右の縦枠及び上下の横枠を四周組した枠体に内障子及び外障子を備え、前記内障子及び前記外障子は、前記縦枠に設けた反転要素を経由して垂下する索状体によって連係されることにより互いに逆方向に向けて上下に連動する建具であって、前記内障子及び前記外障子のいずれか一方には、前記縦枠に対向する見込み面に上下方向に沿ってガイド溝が設けられているとともに、ストッパ部材が設けられ、前記索状体の一方の端部には、下端部から前記ガイド溝に挿入され、前記ストッパ部材に当接する当接部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガイド溝に挿入した当接部材がストッパ部材に当接することで障子に対して索状体が連結された状態となる。従って、障子の下端よりも上方となる位置にストッパ部材を設けておけば、ガイド溝の下端から当接部材を挿入した場合にも、下端より上方となる位置に索状体の連結位置を設定することが可能となる。これにより、枠体に内障子及び外障子を建て込んだ後に互いの間を索状体によって連係することができ、製造作業を容易化することができる。さらに、例えば全高の異なる障子を備えた建具に対しても、ストッパ部材の取付位置を調整することで共通の索状体を使用することが可能となり、部品の共用化から製造コストの低減を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態である建具を室内側から見た姿図である。
【
図4】
図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は反転要素が設けられた部分の横断面図、(b)は索状体の連結部分の横断面図である。
【
図5】
図1に示した建具の内障子を示すもので、(a)はストッパ部材が設けられた部分の要部横断面図、(b)は当接部材が設けられた部分の要部横断面図である。
【
図6】
図1に示した建具の枠体に内障子及び外障子を建て込む状態の横断面図である。
【
図7】
図1に示した建具の内障子を示す要部斜視図である。
【
図8】
図1に示した建具において内障子及び外障子の連係状態を示すもので、(a)は内障子及び外障子を閉じた状態の横断面図、(b)は内障子及び外障子を開けた状態の横断面図である。
【
図9】
図1に示した建具に適用する索状体を示すもので、(a)は反転要素に巻き掛けた状態の全体斜視図、(b)は外障子に連結する部分の要部拡大斜視図である。
【
図10】
図1に示した建具に適用する当接部材を示すもので、(a)は室内側から見た正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図11】
図1に示した建具に適用するストッパ部材を示すもので、(a)は室内側から見た正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図12】
図1に示した建具の内障子に対する索状体の連結過程を示すもので、(a)は縦框のガイド溝に当接部材を挿入する直前の状態を示す図、(b)は縦框のガイド溝に当接部材を挿入した状態の図、(c)はストッパ部材に当接部材が当接した状態の図である。
【
図13】互いに全高の異なる内障子に対する索状体の連結状態を示すもので、(a)は全高の大きな内障子を適用した建具の要部縦断面図、(b)は全高が中間となる内障子を適用した建具の要部縦断面図、(c)は全高が小さい内障子を適用した建具の要部縦断面図である。
【
図14】本発明の変形例である建具の要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0010】
図1~
図6は、本発明の実施の形態である建具を示したものである。ここで例示する建具は、勝手口ドアとして用いられるもので、開口枠1及びドアパネル2を備えている。開口枠1は、開口上枠1A、開口下枠1B、左右の開口縦枠1Cを四周組みして構成したものである。ドアパネル2は、ドア枠体(枠体)10、2つの通風用障子20A,20Bを備えて構成したもので、ドア枠体10と一方の開口縦枠1Cとの間にヒンジ3を介在させることにより、開口枠1に対して開閉可能に支持してある。開口枠1を構成する開口上枠1A、開口下枠1B及び左右の開口縦枠1Cは、アルミニウム合金等の金属によって成形した金属開口枠部1mと、樹脂によって成形した樹脂開口枠部1pとを備えて構成した複合型のもので、金属開口枠部1mが室外側となる状態で躯体に取り付けてある。金属開口枠部1m及び樹脂開口枠部1pは、押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0011】
ドア枠体10は、ドア上枠(横枠)11、ドア下枠(横枠)12、左右のドア縦枠(縦枠)13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。これらのドア上枠11、ドア下枠12、ドア縦枠13,14は、アルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えた複合型のもので、金属枠部が室外側となる状態で開口枠1に支持してある。金属枠部及び樹脂枠部は、押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0012】
ドア上枠11の金属枠部11Aは、上ドア枠基部11A1及び上ドア支持壁部11A2を一体に成形したものである。上ドア枠基部11A1は、縦長の略長方形断面を有した中空状を成すものである。この上ドア枠基部11A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部11Bが取り付けてある。また、上ドア枠基部11A1及び樹脂枠部11Bの内周側となる見込み面には、樹脂によって成形した上枠見込み部材11Cが室内側に突出するように設けてある。上ドア支持壁部11A2は、上ドア枠基部11A1の室外に臨む見付け面において内周側となる部分から室外に向けてほぼ水平に延在した後、内周側に向けてほぼ直角に屈曲した薄板状を成すものである。
【0013】
ドア下枠12の金属枠部12Aは、下ドア枠基部12A1、下ドア境界壁部12A2、下ドア内周壁部12A3、下ドア支持壁部12A4を一体に成形したものである。下ドア枠基部12A1は、上ドア枠基部11A1と同様、縦長の略長方形断面を有した中空状を成すものである。下ドア枠基部12A1の見込み方向に沿った寸法及び見付け方向に沿った寸法は、上ドア枠基部11A1とほぼ同じである。この下ドア枠基部12A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部12Bが取り付けてある。下ドア境界壁部12A2は、下ドア枠基部12A1の内周側となる見込み面においてほぼ中央となる部分から内周に向けて突出した薄板状を成すものである。下ドア境界壁部12A2の内周側縁部において室内に臨む部分には、後述する室内側の通風用障子20Aの下框23Aとの間の気密性及び水密性を確保するためのタイト材12ATが設けてある。下ドア内周壁部12A3は、下ドア枠基部12A1の内周側において室内側の隅部から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲し、さらに内周に向けて屈曲したものである。下ドア内周壁部12A3の外周側となる表面には、樹脂によって成形した下枠カバー部材12Cが装着してある。下ドア支持壁部12A4は、下ドア枠基部12A1の内周側において室外側の隅部から室外に向けて漸次下方となるように延在した薄板状を成すものである。下ドア支持壁部12A4の室外への突出寸法は、上ドア支持壁部11A2の室外への突出寸法とほぼ同じである。
【0014】
吊り元側となるドア縦枠13の金属枠部13Aは、互いに別体に成形した吊り元外周側部分13A1及び吊り元内周側部分13A2を有したものである。吊り元外周側部分13A1は、横長の略長方形断面を有した中空状を成している。この吊り元外周側部分13A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部13Bが取り付けてある。吊り元内周側部分13A2は、縦ドア見込み壁部(見込み壁部)13A2a、縦ドア内方見付け壁部(見付け壁部)13A2b、縦ドア外方見付け壁部(見付け壁部)13A2c、縦ドア境界壁部13A2dを一体に成形したものである。縦ドア見込み壁部13A2aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在する平板状を成すものである。縦ドア内方見付け壁部13A2bは、縦ドア見込み壁部13A2aの室内側縁部から内周に向けて延在した薄板状を成すものである。縦ドア外方見付け壁部13A2cは、縦ドア見込み壁部13A2aの室外側縁部から内周に向けて延在した平板状を成すものである。縦ドア境界壁部13A2dは、縦ドア見込み壁部13A2aの内周側となる見込み面において縦ドア内方見付け壁部13A2b及び縦ドア外方見付け壁部13A2cからほぼ等距離となる部分において内周に向けて突出した薄板状を成すものである。縦ドア境界壁部13A2dの室内に臨む見付け面から縦ドア見込み壁部13A2aの内周側となる見込み面にわたる部分には、樹脂によって成形した縦枠内周カバー部材13Cが装着してある。また、縦ドア内方見付け壁部13A2bの室内に臨む見付け面から縦ドア見込み壁部13A2aの外周側となる見込み面にわたる部分には、樹脂によって成形した縦枠外周カバー部材13Dが装着してある。さらに、縦枠内周カバー部材13Cの内周側縁部には、後述する室内側の通風用障子20Aの縦框24Aとの間の気密性及び水密性を確保するためのタイト材13ATが設けてある。
【0015】
戸先側となるドア縦枠14の金属枠部14Aは、互いに別体に成形した戸先外周側部分14A1及び戸先内周側部分14A2を有したものである。戸先外周側部分14A1は、横長の略長方形断面を有した中空状を成すもので、吊り元外周側部分13A1とは煙返し部14A1aを有している点で異なっている。すなわち、戸先外周側部分14A1には、外周側において室外側の隅部から室外に向けて突出した後、外周側に向けて屈曲するように煙返し部14A1aが一体に設けてある。この戸先外周側部分14A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部14Bが取り付けてある。戸先内周側部分14A2は、吊り元内周側部分13A2と同様、縦ドア見込み壁部(見込み壁部)14A2a、縦ドア内方見付け壁部(見付け壁部)14A2b、縦ドア外方見付け壁部(見付け壁部)14A2c、縦ドア境界壁部14A2dを一体に成形したものである。縦枠内周カバー部材14C、縦枠外周カバー部材14D、タイト材14ATを備える点についても、吊り元側のドア縦枠13と同様である。図中の符号15は、戸先側となるドア縦枠14に設けたドアハンドルである。
【0016】
2つの通風用障子20A,20Bは、ドア枠体10の内部において境界壁部12A2,13A2d,14A2dよりも室内側となる部分及び境界壁部12A2,13A2d,14A2dよりも室外側となる部分にそれぞれ上下に移動可能に配設したものである。室内側の通風用障子(以下、区別する場合に内障子20Aという)は、長方形状を成す複層ガラス21Aの四周に上框22A、下框23A及び左右の縦框24Aを装着することによって構成したものである。室外側の通風用障子(以下、区別する場合に外障子20Bという)は、長方形状を成す複層ガラス21Bの四周に上框22B、下框23B及び左右の縦框24Bを装着することによって構成したものである。本実施の形態では、内障子20Aの上框22Aと外障子20Bの下框23Bとが互いに見込み方向に並設する状態で内障子20Aを下方に配置するとともに、外障子20Bを上方に配置した場合にドア枠体10の開口を閉塞することができるように、それぞれの通風用障子20A,20Bの上下に沿った寸法が設定してある。
【0017】
また、内障子20Aは、左右の縦框24Aの室内に臨む見付け面がそれぞれ縦ドア内方見付け壁部13A2b及び縦ドア内方見付け壁部14A2bによって同時に覆われる一方、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24Aの見付け面との間にそれぞれ左右ケンドン方式で建て込みが可能となる隙間が確保できるように、左右に沿った寸法が設定してある。換言すれば、一方のドア縦枠13に設けた縦ドア内方見付け壁部13A2bの突出縁部(縦枠外周カバー部材13Dを含む)から他方のドア縦枠14の縦ドア見込み壁部14A2aまでの距離、及び他方のドア縦枠14に設けた縦ドア内方見付け壁部14A2bの突出縁部(縦枠外周カバー部材14Dを含む)から一方のドア縦枠13の縦ドア見込み壁部13A2aまでの距離が、それぞれ内障子20Aの左右に沿った全幅寸法よりも大きく設定してある。従って、例えば内障子20Aの一方の縦框24Aをドア縦枠13に近接させるように移動させた場合には、他方の縦框24Aをドア縦枠14の縦ドア内方見付け壁部14A2bから完全に外部に露出した状態に配置することが可能である。同様に、外障子20Bは、左右の縦框24Bの室外に臨む見付け面がそれぞれ縦ドア外方見付け壁部13A2c及び縦ドア外方見付け壁部14A2cによって同時に覆われる一方、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24Bの見付け面との間にそれぞれ左右ケンドン方式で建て込みが可能となる隙間が確保できるように、左右に沿った寸法が設定してある。換言すれば、一方のドア縦枠13に設けた縦ドア外方見付け壁部13A2cの突出縁部から他方のドア縦枠14の縦ドア見込み壁部14A2aまでの距離、及び他方のドア縦枠14に設けた縦ドア外方見付け壁部14A2cの突出縁部から一方のドア縦枠13の縦ドア見込み壁部13A2aまでの距離が、それぞれ外障子20Bの左右に沿った全幅寸法よりも大きく設定してある。従って、例えば外障子20Bの一方の縦框24Bをドア縦枠13に近接させるように移動させた場合には、他方の縦框24Bをドア縦枠14の縦ドア外方見付け壁部14A2cから完全に外部に露出した状態に配置することが可能である。
【0018】
内障子20Aの上框22A、下框23A、左右の縦框24A及び外障子20Bの上框22B、左右の縦框24Bは、いずれもアルミニウム合金等の金属によって成形した金属框部25Mと、樹脂によって成形した樹脂框部25Pとを備えた複合型のもので、金属框部25Mが室外側となる状態で互いの間に複層ガラス21A,21Bを保持している。外障子20Bの下框23Bについては、室内に臨む部分がないためアルミニウム合金等の金属によって一体に成形してある。これら通風用障子20A,20Bを構成する框は、金属によって成形した部分及び樹脂によって成形した部分に限らず、いずれも押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。なお、図中の符号30は、網戸枠体31の内部にネット32及び横桟33を設けることによって構成した格子付き網戸であり、ドア枠体10の開口を覆うようにドアパネル2の室外に臨む表面に取り付けてある。
【0019】
通風用障子20A,20Bには、左右の縦框24A,24Bにおいてドア縦枠13,14に対向する外周側の見込み面にそれぞれガイド溝26が設けてあり、外障子20Bにおいて左右の縦框24Bの下端となる部分には、それぞれ下方摺動片27が設けてある。ガイド溝26は、縦框24A,24Bの金属框部25Mに設けた凹所であり、上下両端面が開放しているとともに、縦框24A,24Bの外周側となる見込み面に開口したものである。図からも明らかなように、このガイド溝26は、両側の開口縁部にそれぞれ内方に向けて突出するガイド片26aを有しており、開口の幅が内部の幅に対して小さく構成してある。下方摺動片27は、樹脂によって成形したブロック状を成すもので、上述したドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24Bの見付け面との間の隙間を埋めるようにドア縦枠13,14に向けて外周側に突出するとともに、下框23Bの下面から下方に突出する状態で設けてある。この下方摺動片27には、
図7に示すように、縦框24Bの見込み面よりも突出した底壁27aとなる部分に係合溝27bが設けてある。係合溝27bは、下方摺動片27の底壁27aを上下に貫通し、かつドア縦枠13,14に対向する面に開口するものである。図には明示していないが、左右の縦框24A,24Bの上端となる部分には、上方摺動片が設けてある。上方摺動片は、下方摺動片27と同様、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24A,24Bの見付け面との間の隙間を埋めるようにドア縦枠13,14に向けて突出するものである。下方摺動片27は、下框23Bの下面に対して下方からネジを螺合することによって外障子20Bに取り付けてあり、上方摺動片は、上框22A,22Bの上面に対して上方からネジを螺合することによって通風用障子20A,20Bに取り付けてある。
【0020】
これら内障子20A及び外障子20Bは、
図8に示すように、ワイヤー(索状体)40によって互いの間が連係してある。ワイヤー40は、左右にそれぞれ設けてあり、内障子20Aの左側の縦框24Aと外障子20Bの左側の縦框24Bとの間及び内障子20Aの右側の縦框24Aと外障子20Bの右側の縦框24Bとの間を個別に連係している。個々のワイヤーは、中間部がドア縦枠13,14に設けた滑車(反転要素)41に巻き掛けてあり、縦框24A,24Bに連結する両端部が滑車41から下方に垂下している。滑車41は、支持軸42を介してベース43に回転可能に支持させたもので、支持軸42が左右に沿ってほぼ水平となる状態でベース43を介してドア縦枠13,14の内周側となる見込み面に取り付けてある。滑車41を配置した高さ位置は、外障子20Bがもっとも上方に移動した際の下方摺動片27の上面よりも上方となる部分である。また、滑車41を配置した左右方向の位置は、周面に巻回して垂下するワイヤー40の一方が下方摺動片27の係合溝27bに合致するように設定してある。
【0021】
以下、通風用障子20A,20Bに対するワイヤー40の連結構造について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、通風用障子20A,20Bに対するワイヤー40の連結構造は、左右で対称構成となっているため、以下には一方についてのみ説明することとする。
【0022】
上述したワイヤー40は、
図9に示すように、一方の端部に調整片44を取り付けるとともに、他方の端部に当接部材45を取り付けた状態で、通風用障子20A,20Bを建て込む以前に予め滑車41に巻き掛けてある。調整片44は、取付片部44aと、取付片部44aの一端部から直角方向に延在したネジ片部44bとを一体に成形したもので、取付片部44aにワイヤー40の一端部が取り付けてある。ネジ片部44bには、調整ネジ46を螺合することが可能である。調整ネジ46は、軸部46aが下方摺動片27の係合溝27bに挿通可能となる外径を有する一方、頭部46bが係合溝27bよりも大きな外径を有したものである。当接部材45は、
図5、
図8~
図10に示すように、略長方形状を成す当接基板部45aと、当接基板部45aの一側部から直角方向に延在した連結板部(突出部)45bとを一体に成形したもので、連結板部45bの延在縁部を介してワイヤー40の他端部が連結してある。当接基板部45aは、見込み方向に沿って配置した場合にガイド溝26の開口幅よりも大きく、かつガイド溝26の内部に収容可能となる寸法の板状を成すものである。図からも明らかなように、当接基板部45aの両側縁部には、互いに逆方向に向けてほぼ直角に屈曲したガイドリブ45cが設けてある。当接部材45は、これらのガイドリブ45cをガイド溝26の内部に当接することにより、縦框24Aに対する見込み方向及び見付け方向の移動が阻止された状態で縦框24Aの長手に沿ってのみ移動することが可能となる。当接基板部45aの上面及び下面は、互いにほぼ平行となるように延在し、ガイド溝26に配置した場合にほぼ水平となる。連結板部45bは、当接基板部45aを縦框24Aのガイド溝26に収容した場合に、ガイド溝26の開口を通じて外部に突出する寸法を有した平板状を成すもので、突出縁部にワイヤー40の他端部が連結してある。連結板部45bの突出寸法は、ワイヤー40を滑車41に巻き掛けた場合に、滑車41から下方に延在するワイヤー40の他端部がほぼ鉛直方向に沿うように設定してある。
【0023】
一方、内障子20Aの縦框24Aには、予めガイド溝26の中間部にストッパ部材47が取り付けてある。ストッパ部材47は、
図5、
図8、
図11に示すように、平板状を成す基板部47aと、基板部47aの両端部から互いに同一の方向に屈曲した当接板部47bとを一体に成形したもので、下方の当接板部47bの下面が予め設定した位置決め位置となる状態で基板部47aを介して縦框24Aの金属框部25Mに取り付けてある。ストッパ部材47を縦框24Aのガイド溝26に取り付ける方法としては、縦框24Aを複層ガラス21Aに装着する以前に予め内周側となる見込み面からネジ47cを螺合するようにしている。図からも明らかなように、縦框24Aに取り付けた状態のストッパ部材47は、当接板部47bが基板部47aから外周側に向けて突出するものの、当接板部47bの先端部がガイド溝26の外部に突出しない寸法となっている。また、上方の当接板部47bの上面、下方の当接板部47bの下面は、それぞれほぼ水平となるように延在している。
【0024】
ストッパ部材47の位置決め位置は、以下のように設定すれば良い。すなわち、ワイヤー40を滑車41に巻き掛けた状態で、
図8(a)に示すように、内障子20A及び外障子20Bをそれぞれ閉じた状態に配置する。この状態から下方摺動片27の底壁27aに対してその上面に調整片44のネジ片部44bを当接させれば、ワイヤー40に設けた当接部材45の上面がストッパ部材47の位置決め位置となる。従って、当接部材45の上面に下方の当接板部47bが当接した状態でストッパ部材47を縦框24Aに固定すれば良い。
【0025】
ワイヤー40を内障子20A及び外障子20Bに連結するには、まず、四周組したドア枠体10の内部に、内障子20A及び外障子20Bをそれぞれ建て込む作業を行う。このとき、上方摺動片及び下方摺動片27を取り付ける以前の状態としておけば、
図6に示すように、通風用障子20A,20Bをそれぞれ左右ケンドン方式でドア枠体10に容易に建て込むことが可能である。
【0026】
次いで、建て込んだそれぞれの通風用障子20A,20Bに上方摺動片を取り付けるとともに、外障子20Bに下方摺動片27を取り付ける。この場合、ドア枠体10に建て込んだ後の通風用障子20A,20Bにあっては、
図3に示すように、縦框24A,24Bの見付け面及び見込み面がドア縦枠13,14によって覆われた状態となる。しかしながら、上框22A,22Bの上面及び下框23A,23Bの下面については、ドア枠体10に対して通風用障子20A,20Bを適宜移動させれば外部に露出した状態となる。従って、通風用障子20A,20Bの位置を適宜上下に移動させることでドア上枠11及びドア下枠12との間に、都度工具を配置するスペースを確保すれば、上框22A,22Bの上面及び下框23A,23Bの下面に対してネジを螺合することが可能であり、上方摺動片及び下方摺動片27の取り付けを行うことができる。
【0027】
上方摺動片及び下方摺動片27を取り付けた後においては、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aとの間の隙間が減少する。このため、ドア枠体10に対する通風用障子20A,20Bの左右に沿った移動が制限される。従って、通風用障子20A,20Bのいずれか一方の縦框24A,24Bを一方のドア縦枠13,14に近接させるように移動させた場合においても、他方の縦框24A,24Bが他方のドア縦枠13,14に覆われた状態のままとなり、ドア枠体10から通風用障子20A,20Bが不用意に脱落する事態が招来されるおそれがない。
【0028】
この状態から、次いで
図12(a)、
図12(b)に示すように、内障子20Aの縦框24Aに対してガイド溝26の下端から当接部材45を挿入して上方に移動し、
図12(c)に示すように、個々の上端部をストッパ部材47の下方の当接板部47bに当接させた状態に配置する。その後、下方摺動片27の下面からガイド溝26に調整ネジ46を挿通し、その頭部46bを下面に当接させた状態で調整片44に調整ネジ46を螺合する。調整ネジ46を螺合すると、ワイヤー40の弛みが順次除去されることになり、ワイヤー40が張った状態となれば内障子20A及び外障子20Bが互いに連係された状態となる。この状態においては、例えば、下方に位置する内障子20Aを上方に移動させると、ワイヤー40が上方に移動した分だけ外障子20Bが下方に連動し、逆に、内障子20Aを下方に移動させると、ワイヤー40が下方に移動した分だけ外障子20Bが上方に連動することになり、通風用障子20A,20Bの開閉操作性を向上させることができる。上述したように、ストッパ部材47は、位置決め位置に取り付けてある。従って、内障子20Aをもっとも下方に配置した場合には、外障子20Bがもっとも上方に配置され、ドア枠体10の開口が閉塞された状態となる。
【0029】
このように、上述した建具によれば、ドア枠体10に建て込んだ後の通風用障子20A,20Bに対してワイヤー40を連結する作業が可能となる。つまり、ドア枠体10及び通風用障子20A,20Bについては、それぞれを予め個別に組み立てる作業を行うことができる。これにより、ワイヤー40によって予め連係した状態の通風用障子20A,20Bに対してそれぞれの周囲にドア上枠11、ドア下枠12、ドア縦枠13,14を配置して四周組するような煩雑な作業が必要がなくなり、建具を組み立てる際の作業を容易化することができる。しかも、内障子20Aの縦框24Aに対しては、ストッパ部材47を取り付ける位置を調整することで、縦框24Aの見込み面に対してワイヤー40の連結位置を任意に変更することが可能である。従って、例えば
図13(a)~
図13(c)に示すように、全高の異なる通風用障子20AL,20BL、20A,20B、20AS,20BSを備えた建具に対して共通のワイヤー40を適用することが可能となる等の利点がある。より具体的に説明すると、互いに高さ方向の寸法が異なる内障子20AL,20A,20ASに対しても、上框22Aから互いに等距離となる位置にストッパ部材47を取り付ければ、共通の長さを有したワイヤー40によって外障子20BL,20B,20BSとの間を連係することが可能となる。この結果、これらの建具において通風用障子20AL,20BLの相互間、通風用障子20A,20Bの相互間、通風用障子20AS,20BSの相互間を連係するための部品、つまりワイヤー40、滑車41、ストッパ部材47、下方摺動片27等々を共用することができ、製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0030】
なお、上述した実施の形態では、ドアパネル2に設けられるドア枠体10及び通風用障子20A,20Bを例示しているが、躯体に設けられる枠体及び障子にももちろん適用可能である。また、ドア枠体10を構成する枠11,12.13,14及び障子20A,20Bを構成する框22A,22B,23A,23B,24A,24Bとしてそれぞれ金属と樹脂とから成る複合型のものを例示しているが、本発明は枠及び框が金属のみによって成形されたものであっても樹脂のみによって成形されたものでも構わない。さらに、閉じた際に内障子20Aが下方となる建具を例示しているが、閉じた際に内障子20Aが上方となるように建具を構成することも可能である。また、閉じた際に下方となる障子にストッパ部材47を設けるようにしているが、本発明はこれに限定されず、閉じた際に上方となる障子にストッパ部材47を設けても同様の作用効果を奏することが可能である。さらに、索状体としてワイヤー40を適用し、反転要素として滑車41を適用しているが、本発明はこれらに限定されない。例えば、チェーンを索状体として適用し、スプロケットを反転要素とすることも可能である。また、回転しない円板や半円板を反転要素としてその周面にワイヤーを巻き掛けるようにしても構わない。
【0031】
さらに、上述した実施の形態では、ストッパ部材47と当接板部47bとの当接面がほぼ水平に延在するものを適用しているが、例えば、
図14に示す変形例のように、ストッパ部材147の下面(傾斜面)147a及び当接部材145の上面(傾斜面)145aをそれぞれ傾斜させるように構成することも可能である。すなわち、
図14に示す変形例では、ストッパ部材147として下面147aが下方に向けて漸次室外側となるように傾斜するものを適用し、かつ当接部材145として上面145aが下方に向けて漸次室外側となるように傾斜するものを適用している。こうした構成のストッパ部材147及び当接部材145を適用した建具によれば、ストッパ部材147の下面147a及び当接部材145の上面145aが互いに当接することで、内障子20Aがドア枠体10に対して室外側に付勢されることになる。これにより、ドア枠体10に設けたタイト材12AT(13AT,14AT)が内障子20Aに押圧された状態となり、内障子20Aとドア枠体10との間の水密性や気密性を向上させることが可能となる。なお、変形例においてはストッパ部材147の下面147a及び当接部材145の上面145aを傾斜させているが、必ずしも双方が傾斜している必要はなく、少なくとも一方が傾斜してれば十分である。また、変形例において実施の形態と同様の構成については同一の符号が付してある。
【0032】
以上のように、本発明に係る建具は、左右の縦枠及び上下の横枠を四周組した枠体に内障子及び外障子を備え、前記内障子及び前記外障子は、前記縦枠に設けた反転要素を経由して垂下する索状体によって連係されることにより互いに逆方向に向けて上下に連動する建具であって、前記内障子及び前記外障子のいずれか一方には、前記縦枠に対向する見込み面に上下方向に沿ってガイド溝が設けられているとともに、ストッパ部材が設けられ、前記索状体の一方の端部には、下端部から前記ガイド溝に挿入され、前記ストッパ部材に当接する当接部材が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、ガイド溝に挿入した当接部材がストッパ部材に当接することで障子に対して索状体が連結された状態となる。従って、障子の下端よりも上方となる位置にストッパ部材を設けておけば、ガイド溝の下端から当接部材を挿入した場合にも、下端より上方となる位置に索状体の連結位置を設定することが可能となる。これにより、枠体に内障子及び外障子を建て込んだ後に互いの間を索状体によって連係することができ、製造作業を容易化することができる。さらに、例えば全高の異なる障子を備えた建具に対しても、ストッパ部材の取付位置を調整することで共通の索状体を使用することが可能となり、部品の共用化から製造コストの低減を図ることができるようになる。
【0033】
また本発明は、上述した建具において、前記内障子及び前記外障子のいずれか他方には、前記縦枠に対向する見込み面の下端部に前記索状体の他方の端部が連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、索状体の他方の端部を連結する作業を容易化することができる。
【0034】
また本発明は、上述した建具において、前記当接部材は、前記ガイド溝から突出する突出部を有し、前記突出部の先端部に前記索状体の一端部が連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、障子の見込み面から離隔した位置に索状体が連結されるため、反転要素を設けるスペースを十分に確保することができる。
【0035】
また本発明は、上述した建具において、前記当接部材及び前記ストッパ部材の少なくとも一方には、互いに当接した場合に前記内障子及び前記外障子のいずれか一方を他方に向けて付勢する傾斜面が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、内障子及び外障子が互いに近接する方向に付勢されるため、相互間の水密性や気密性を確保することが可能となる。
【0036】
また本発明は、上述した建具において、前記左右の縦枠はそれぞれ、前記内障子の見込み面及び前記外障子の見込み面に対向する見込み壁部と、前記見込み壁部から内周側に向けて突出し、前記内障子の見付け面及び前記外障子の見付け面を覆う見付け壁部とを有し、一方の縦枠に設けられた見付け壁部の突出縁部から他方の縦枠の見込み壁部までの距離が前記内障子及び前記外障子の左右の幅よりも大きく構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、当接部材を取り付ける以前の障子を枠体に対して左右ケンドン方式で建て込むことが可能となり、障子の建て込み作業を容易化することができる。
【0037】
また、本発明に係る建具の製造方法は、左右の縦枠及び上下の横枠を四周組した枠体にそれぞれ上下に沿って移動可能に配設された内障子及び外障子と、前記内障子及び前記外障子の間を連係する索状体と、前記縦枠に配設され、前記索状体を反転させる反転要素とを備え、前記内障子及び前記外障子のいずれか一方には、前記縦枠に対向する見込み面に上下方向に沿ってガイド溝が設けられているとともに、ストッパ部材が設けられ、前記索状体の一方の端部に設けた当接部材が前記ストッパ部材に当接された建具を製造する方法であって、予め前記縦枠及び前記横枠を四周組みして前記枠体を構成した後、前記枠体に前記内障子及び前記外障子を建て込む工程と、前記当接部材を前記ガイド溝の下端部から挿入して前記ストッパ部材に当接させる工程と、前記索状体の他方の端部を前記内障子及び前記外障子のいずれか他方に連結する工程とを含むようにしている。
この発明によれば、予め構成した枠体に内障子及び外障子を建て込むことで建具を構成することができるため、製造作業の容易化を図ることができるようになる。
【符号の説明】
【0038】
10 ドア枠体、11 ドア上枠、12 ドア下枠、13,14 ドア縦枠、20AL,20A,20AS 内障子、20BL,20B,20BS 外障子、24A,24B 縦框、26 ガイド溝、40 ワイヤー、41 滑車、45,145 当接部材、45b 連結板部、47,147 ストッパ部材、13A2a,14A2a 縦ドア見込み壁部、13A2b,14A2b 縦ドア内方見付け壁部、13A2c,14A2c 縦ドア外方見付け壁部、145a 上面、147a 下面