(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-11
(45)【発行日】2025-09-22
(54)【発明の名称】家禽(poultry)に注射するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61D 1/02 20060101AFI20250912BHJP
【FI】
A61D1/02
(21)【出願番号】P 2020568375
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(86)【国際出願番号】 IB2019000788
(87)【国際公開番号】W WO2019239214
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-23
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-24
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520169960
【氏名又は名称】デスバック
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ボイヤー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フォントニー,エルワン
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイレント,ステファン
【合議体】
【審判長】井上 哲男
【審判官】立花 啓
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103222901号明細書(CN,A)
【文献】特表2010-537756号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61D 1/02
A61D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家禽(fowl)に生成物を注射するためのデバイスであって、
保持部材であって、前記
家禽(fowl)の体に一致する、空洞を含む解剖学的形状を備える、保持部材と、
前記保持部材を支持する保持部材支持面と、
2本の注射針と、を備え、
前記保持部材は、注射針が移動可能である通路を各々が形成する2つの孔を有し、
各々の注射針の長手方向軸および前記保持部材支持面に垂直な軸が、15°~45°の頂角αを形成し、
前記2本の注射針の前記長手方向軸が、注射された生成物の逆流の発生を最小限に抑えるために、互いに15°~25°の
角βを形成
し、
前記2本の注射針は、前記保持部材に保持された前記家禽(fowl)の胸骨に沿って延在する翼筋肉に前記生成物を注射するように構成され、
前記2本の注射針の長さが、それぞれ8mm~20mmであり、
前記保持部材支持面が、地面に垂直な線に対して5°~45°の角度γを形成する、
デバイス。
【請求項2】
前記デバイスが、130mm~190mmの高さを有する基部をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記保持部材が、前記保持部材支持面上に取り外し可能に装着されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記注射針を駆動するための手段をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記注射針を駆動するための手段にアクセスするための後部ハッチを有するケーシングをさらに備える、請求項1~
4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記注射針の前記長手方向軸および前記保持部材支持面に垂直な前記軸が、25°~35°の頂角αを形成する、請求項1~
5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記注射針の前記長手方向軸および前記保持部材支持面に垂直な前記軸が、28°~32°の頂角αを形成する、請求項1~
6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記注射針の前記長手方向軸および前記保持部材支持面に垂直な前記軸が、29°~31°の頂角αを形成する、請求項1~
7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記注射針の前記長手方向軸および前記保持部材支持面に垂直な前記軸が、30°の頂角αを形成する、請求項1~
8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記2本の注射針の前記長手方向軸が、互いに20°~25°の水平角βを形成する、
請求項1~
9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記2本の注射針の前記長手方向軸が、互いに18°~22°の水平角βを形成する、請求項1~1
0のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記2本の注射針の前記長手方向軸が、互いに20°の水平角βを形成する、請求項1~1
1のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、家禽(fowl)を掴んで、標的筋肉内に注射するために、保持部材に形成された孔を通って移動可能な針を使用して、筋肉内注射によって家禽(poultry)または家禽(fowl)内に動物用生成物を注射するための動物用診療補助デバイスに関する。
【0002】
本発明はまた、これらのデバイスを使用して、家禽(poultry)に注射および/またはワクチン接種するためのプロセスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
養鶏の分野において、動物用生成物、特にワクチンを家禽(poultry)に注射するのが、因習的である。従来技術は、動物用生成物の注射を補助するためのデバイスを提案している。特に、US2011/0054401A1(その主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、特に大胸筋を標的とする、筋肉内注射によって家禽(fowl)に動物用生成物を注射するためのデバイスを記載している。注射は、家禽(fowl)の体の中で探知可能な形状を有する骨の付近の筋肉の領域において実行されることができる。このデバイスは、探知可能な骨を補強するための手段を備えた保持部材と、保持部材に形成された孔と、注射針とを含み、針は、孔を通って移動可能である。このデバイスにおいて、保持部材は、家禽(fowl)の体に一致しており、家禽(fowl)を支えるための構造を提供する、解剖学的形状であって、筋肉で体のための支え面を含む、解剖学的形状と、家禽(fowl)によって作動されるようになっており、解剖学的形状上に提供されている、少なくとも1つが支え面上にあり、孔(複数可)がセンサー間に提供されている、少なくとも2つの接触センサーと、を有する。
【0004】
US2011/0054401A1は、保持部材の構造、特に家禽(fowl)の満足のいく一般的な位置を得る型の解剖学的形状、正確な活性化のためのセンサー、およびデバイス内で家禽(fowl)を正しく提示するための支え手段に焦点を当てている。
【0005】
しかしながら、この文献は、注射後のワクチン逆流の発生率を最小限に抑えることの構造および/または方法については言及していない。ワクチン逆流は、筋肉内に注射針の挿入した後、注射チャネルが筋肉内に形成された後に、発生することができる。ワクチンが筋肉の標的領域に留まらない場合、ワクチン逆流は、ワクチン反応の有効性を低下させる。さらに、ワクチンは、標的筋肉を取り巻く組織において非常に積極的に作用して、周囲の組織に損傷を与えることができる。これらの理由のため、ワクチン逆流は、可能な限り最小限に抑えるべきである。
【0006】
US2011/0054401A1は、ワクチン注射の位置ずれを最小限に抑える構造および/または方法についても言及していない。
【0007】
したがって、効果的なワクチン接種を確実にするために、ワクチン逆流およびワクチン位置ずれの発生率を最小限に抑えることができる、動物用生成物、特に家禽(fowl)の体内に筋肉内ワクチンを注射するためのデバイスおよび方法を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの目的は、先行技術の欠点を改善することである。より具体的には、本発明の1つの目的は、家禽(fowl)の体内に動物用生成物の筋肉内注射を投与するためのデバイスを提供することであり、ワクチン逆流の発生率を最小化し、標的領域内のヒット率を増加させることによって、実行される注射の品質を最大化することである。
【0009】
この目的のために、本発明の一態様は、筋肉内注射によって家禽(fowl)に動物用生成物を注射するためのデバイスに関係している。注射は、家禽(fowl)の体、特に大胸筋の中で探知可能な形状を有する骨の付近における筋肉の領域で実行されることができる。このデバイスは、保持部材に少なくとも1つの孔が形成されている保持部材と、保持部材を支持する保持部材支持面と、および孔を通って移動可能である注射針と、を備える。保持部材は、家禽(fowl)の体に一致する、空洞を含む解剖学的形状を備える。
【0010】
好ましい実施形態によれば、注射針の長手方向軸および保持部材支持面に垂直である軸は、15°~45°の頂角を形成する。
【0011】
好ましい実施形態によれば、保持部材は、注射針が移動可能である通路を各々が形成する2つの孔を有する。
【0012】
好ましい実施形態によれば、デバイスは、130mm~190mm、または最も好ましくはまたは正確に160mmの高さを有する基部をさらに有する。
【0013】
好ましい実施形態によれば、保持部材は、注射針を駆動するための手段を含むケーシング上に取り外し可能に装着されている。
【0014】
好ましい実施形態によれば、注射針の長さは、8mm~20mmである。
【0015】
好ましい実施形態によれば、ケーシングは、駆動手段にアクセスするための後部ハッチを有する。
【0016】
好ましい実施形態によれば、デバイスは、2つの孔と、それぞれが孔を通って移動可能である2本の注射針とを備える。この実施形態において、各注射針の長手方向軸と保持部材支持面に垂直な軸との間の頂角は、15°~45°であり、2本の注射針の長手方向軸は、互いに15°~25°の水平角を形成する。
【0017】
好ましい実施形態によれば、注射の時間は、0.25秒~0.5秒である。
【0018】
本発明によるデバイスは、因習的な家禽(poultry)、雌鶏、アヒル、七面鳥、ホロホロチョウ、ウズラ、ガチョウ、ハトまたはオウムなどのすべての種類の鳥の注射、ワクチン接種および/または治療に使用され得る。
【0019】
本発明の他の特徴および利点は、例示的かつ非限定的な実施例として与えられた本発明の優先的な実施形態の以下の記載、および以下の添付の図面を読むことでより明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】保持部材側の既知のデバイスの斜視図である。
【
図4】本発明によるデバイスの、後部ハッチ側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のように、本発明のシステムおよび方法は、家禽(fowl)の胸骨に沿って延在する翼筋肉に、鳥類動物用生成物、特にワクチンを注射するためのデバイスに関する。
【0022】
図1は、家禽(poultry)に動物用生成物を注射するための既知のデバイスを示す。
図1に示されるように、デバイス1は、ケーシング2の内側に備え付けられた構成要素へのアクセスを与える後部ハッチ6を含むケーシング2を備える。
【0023】
デバイスの1つの特徴によれば、保持部材4は、保持部材支持面3上に取り外し可能に装着されている。
図1における保持部材は、US2011/504401A1にさらに記載されているように、本発明で使用され得る。
【0024】
図2および
図3を参照して、本発明によるデバイスの斜視図および本発明によるデバイスの断面図が、各々記載される。
【0025】
一実施形態によれば、保持部材4は、標的家禽(fowl)の体のインプリント(imprint)に従って特に製造された型を使用して、成形することによって製造された部品である。
【0026】
図示のように、孔5は、保持部材4に形成され、孔5は、保持部材4の後部で、注射針7が非注射位置から注射位置に移動されることができる、通路を形成しており、針が孔を通って移動するか、またはその逆である。
【0027】
さらなる特徴によれば、孔5は、針7の位置が、対応する孔5の長さによって調整されることができるような、長方形形状を有する。このようにして、保持部材4を修正または交換する必要なしに、鳥の体の標的領域に従って針7の位置を修正することが可能である。
【0028】
図示のように、注射針7の長手方向軸Iは、孔5を通って移動可能である。軸Yは、保持部材支持面3によって形成される平面に垂直に形成される。針7の長手方向軸Iおよび軸Yは、15°~45°、好ましくは20°~40°の頂角αを形成する。より好ましい実施形態において、頂角αは、25°~35°、28°~32°、29°~31°、または最も好ましくは、おおよそまたは正確に30°である。筋肉内への15°~45°、25°~35°、28°~32°、29°~31°、または最も好ましくは、30°の頂角αで、注射針で家禽(fowl)を注射することは、頂角αが0°の場合とは異なる方法で筋肉内への注射チャネルを作成する。理論によって拘束されることはないが、家禽(fowl)の筋肉繊維が特定の角度で注射針7によって斜めに穿孔されると、繊維は、注射後の筋肉の自然圧力活動力によって自動的に閉じられると考えられている。したがって、ワクチン逆流の発生率は、注射針が軸Yから0°の頂角αで長手方向軸を有するように配向されている、既知の注射デバイスと比較して最小化される。
【0029】
角度αは、注射針の長手方向軸Iが軸Yの下に位置付けされるように示されているが、原則として、注射針の長手方向軸Iは、角度αを形成するY軸の上に配向されることもできる。
【0030】
好ましい実施形態によれば、保持部材支持面3は、130mm~190mm、好ましくは約160mmの高さhを有する基部9上に位置される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によるデバイスは、テーブルまたは他の持ち上げられた表面上に便利に配置され得る。鳥にワクチン接種するプロセスは、人が各鳥を保持部材4の中に手動で持ち上げることによって多数の反復運動を伴い得るため、高さhが130mm~190mmの基部9を有することもまた、ユーザーにとって人間工学的に有益である。
【0032】
保持部材支持面3はまた、
図3に示すように、基部9に対し長手方向軸に関して角度γを形成する。角度γは、5°~45°、好ましくは10°~40°、より好ましくは20°~30°の範囲、最も好ましくは25°であり得る。保持部材支持面3の角度γは、注射器効率を最大化すること、およびユーザーのための人間工学的理由のための両方に役立つ。
【0033】
さらなる特徴によれば、注射針7の長さは、8mm~20mmである。注射の深さは、針が胸骨を貫通しないように制御されなければならない。頂角αが修正される場合、注射の深さは、注射の角度における変化を補償するように、注射針7の長さを修正することによって、制御されることができる。
【0034】
図4は、後部ハッチ側にある、本発明によるデバイスを示す。
【0035】
好ましい実施形態によれば、デバイスは、注射針7が移動可能な通路を各々が形成する2つの孔5と、孔5の間に延在する支え手段とを有する。このようにして、デバイスは、動物用生成物の二重注射を可能にする。2つの孔5の存在は、本発明によるデバイスの使用が、2つの別個の生成物の注射、または同じ生成物の2回の注射を実行することを可能にすることに留意されたい。好ましくは、各針7は、家禽(fowl)の筋肉の異なる場所における注射を作成する。このようにして、家禽(fowl)への、および注射部位を取り巻く組織の外傷は、両方の針7が同じ場所におけるワクチンを注射するのと比較して、最小限に抑えられることができる。
【0036】
好ましい実施形態によれば、2本の注射針7の長手方向軸I1およびI2は、互いに15°~25°、好ましくは20°~25°の水平角βを形成する。より好ましくは、水平角βは、18°~22°であり、最も好ましくは、水平角βは、おおよそまたは正確に20°である。動物用生成物、特に家禽(fowl)の体内への筋肉内ワクチンの注射は、標的筋肉の近くに臓器または骨を注射することを避けるために正確に行われなければならないことに留意されたい。2本の注射針の間の水平角が大きすぎる場合、注射が胸骨に行われるリスクがある。2本の注射針の2本の長手方向軸によって形成される水平角が大きすぎる場合の別のリスクは、両方の針が鳥の同じ場所に注射することである。両方の状態は、望ましくなく、鳥に両方の外傷を引き起こし、ワクチンの有効性を低下させる。一方、水平角βが小さすぎる場合、ワクチンの逆流率が大幅に上昇し得る。したがって、水平角βを15°~25°、好ましくは20°~25°の制御は、胸骨に注射が行われるリスク、家禽(fowl)にかかるストレス、およびワクチン逆流の発生率を最小限に抑える。
【0037】
好ましい実施形態において、軸Yに関して15°~45°の頂角αを形成し、また互いに対して15°~25°の水平角βを形成する、長手方向軸I1およびI2を有する2本の注射針7が、使用される。針が2次元で斜めの角度に配向されることによって、逆流の発生は、家禽(fowl)のサイズの最大範囲にわたって減少される。例えば、異なるサイズおよび種類の家禽(fowl)は、ブリーダー、レイヤー、ブロイラーなど、同じ施設においてワクチン接種されることが、しばしば必要である。記載したように、針がαとβの両方で配向されることは、特に5°~45°の角度γで配向された保持支持部材面を有するデバイスで使用されるときに、特に効果的なアプローチであると考えられる。
【0038】
図4に示されるように、デバイスは、各針7を並進させるための駆動手段8を特に含むケーシング2を備える。さらに、ケーシング2は、ケーシング2の内部に備え付けられた構成要素、特に駆動手段8へのアクセスを与える後部ハッチ6を有する。駆動手段8は、ケーシング2に取り外し可能に取り付けられたプレート10に装着され得、プレート10は、シリンジにアクセスできるように移動される必要がある。
【0039】
さらに、駆動手段8は、長方形の孔5に関して針7の位置を修正するように、プレート10上でその位置を修正し得る、支持部材の手段によってプレート10上に取り付けられ得る。
【0040】
針7の動きは、空気圧シリンダによって駆動され得る。シリンダおよび針7の動きは、所定の注射範囲を提供し、注射する筋肉のサイズおよび標的家禽(fowl)に応じて、筋肉内の針の貫通距離を調整するように、自動的、電子的、プログラム可能な操作、または当業者に周知の他の任意の操作を備えた任意のシステムによって制御され得る。このデバイスは、自動コントローラによって制御されまる。自動コントローラは、デバイスが2回の注射または1回の注射を行うよう使用されるように、構成可能である。このようにして、あらゆる保守作業の範囲内で、ケーシング2の内部へのアクセスは、後部から得られ、これは、デバイスの前部に向けられた注射針7に対する技術者の負傷のリスクを制限する。
【0041】
1つの特定の実施形態によれば、注射の時間は、0.25秒~0.5秒の間、好ましくは0.25秒である。このようにして、特にレイヤーの場合に、ワクチン逆流の発生率を減らすことが可能である。
【0042】
本発明のデバイスは、鳥インフルエンザ、特に様々な疾患、例えば、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、感染性嚢胞病(IBD)、感染性気管支炎(IBV)、鳥類インフルエンザ、マレック病、鳥類脳脊髄炎、鶏貧血ウイルス、産卵低下症候群、喉頭気管炎、レオウイルス感染症に対する不活化ワクチンの筋肉内注射に特に適している。
【0043】
本発明はまた、家禽(fowl)を掴むことと、家禽(fowl)をデバイス1上に配置することと、およびデバイス1に対してこのように配置された家禽(fowl)を押し付けることのステップを含む、家禽(poultry)に注射および/またはワクチン接種するための方法に関する。デバイス1は、保持部材4に形成された孔5を備えた保持部材4と、保持部材支持面3と、および孔5を通って移動可能である注射針7とを含む。
【0044】
1つの特定の実施形態によれば、注射針7の長手方向軸Iと、本方法で使用されるデバイスの保持部材支持面3に垂直な軸Yとは、15°~45°、好ましくは20°~40°の頂角を形成する。より好ましい方法において、頂角αは、25°~35°、28°~32°、29°~31°、または最も好ましくは、おおよそまたは正確に30°である。筋肉内への15°~45°、25°~35°、28°~32°、29°~31°、または最も好ましくは、おおよそまたは正確に30°の頂角αで注射することは、頂角αが0°の場合とは異なる方法で筋肉内への注射チャネルを作成するので、ワクチン逆流の発生率は、注射針が軸Yから0°の頂角αで長手方向軸を有するように配向されている、既知の注射方法と比較して、本方法において最小化される。
【0045】
好ましい実施形態によれば、本方法で使用されるデバイスの2本の注射針7の長手方向軸I1およびI2は、互いに15°~25°、好ましくは20°~25°の水平角βを形成する。より好ましくは、水平角βは、18°~22°であり、最も好ましくは、水平角βは、おおよそまたは正確に20°である。
【0046】
この方法の好ましい実施形態において、本方法におけるデバイスの2本の注射針7の長手方向軸I1およびI2は、15°~45°の頂角αを形成し、また、互いに15°~25°の水平角βを形成する。記載されているように、αおよびβの両方で配向された両方の針7の長手方向軸を有するデバイスを使用して家禽(fowl)に注射する方法は、特に、5°~45°の角度γで配向された保持支持部材面4を有するデバイスと共に使用されるときに、特に効果的であると考えられている。
【0047】
上で記載されたように、すべての種類の家禽(fowl)、特に、鶏、七面鳥、雌鶏、アヒル、ホロホロチョウ、ウズラ、ヤマウズラ、ガチョウ、ハト、またはオウムなどの家禽(poultry)は、このようにしてワクチン接種および/または治療され得る。
【0048】
上記の教示に照らして、本発明の多数の修正および変更が、可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるべきである。