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特許7742760スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法
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  • 特許-スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法 図1
  • 特許-スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法 図2
  • 特許-スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-11
(45)【発行日】2025-09-22
(54)【発明の名称】スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/04 20060101AFI20250912BHJP
   A01K 61/10 20170101ALI20250912BHJP
【FI】
A01K63/04 Z
A01K61/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021182536
(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公開番号】P2023070394
(43)【公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】595058635
【氏名又は名称】公益財団法人海洋生物環境研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄三
(72)【発明者】
【氏名】塩野谷 勝
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 裕介
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-162587(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1748488(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110178768(CN,A)
【文献】石黒 武彦、ほか,サクラマス海水馴致基礎開発試験,さけ・ます資源管理センター技術情報[online],No. 167,2000年,取得先<https://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/tech_repo/tech_repo167_p37-45.pdf>,[検索日 2025.06.04]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K61/00-61/65
A01K61/80-63/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
淡水が貯留され、海水適応能を発現したスモルトを飼育する水槽と、
前記水槽に淡水と海水の混合水を供給する供給部と、を備え、
前記供給部は、
前記水槽中の海水濃度が50%に達するまでは1日あたり10%の上昇率で前記水槽中の海水濃度が上昇するように前記混合水を供給し、
前記水槽中の海水濃度が50%に達して以降は、7日あたり10%の上昇率で前記水槽中の海水濃度が上昇するように前記混合水を供給する、
スモルトの海水馴致装置。
【請求項2】
前記水槽には、貯留された前記混合水及び前記淡水を含む水のうち規定量を超えた前記水が排水されるように排水手段が設けられており、
前記供給部は、前記水槽に貯留された前記水の1/2が1時間で入れ替わるように前記混合水の供給を行う、
請求項1に記載のスモルトの海水馴致装置。
【請求項3】
前記水槽に貯留された淡水及び前記供給部が供給する混合水の温度は、摂氏10度から20度の範囲である、
請求項1または2に記載のスモルトの海水馴致装置。
【請求項4】
前記スモルトは、サクラマスのスモルトである、
請求項1からのいずれか一項に記載のスモルトの海水馴致装置。
【請求項5】
淡水が貯留され、海水適応能を発現したスモルトを飼育する水槽に、
前記水槽中の海水濃度が50%に達するまでは1日あたり10%の上昇率で前記水槽中の海水濃度が上昇するように淡水と海水の混合水を供給し、
前記水槽中の海水濃度が50%に達して以降は、7日あたり10%の上昇率で前記水槽中の海水濃度が上昇するように前記混合水を供給する、
スモルトの海水馴致方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サクラマスによって例示される降海型の魚類の養殖において、海水適応能を発現した稚魚(スモルト)に対する海水馴致が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-039335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来実施されていた方式による海水馴致では、スモルトの生残率が50%から70%程度であることから、海水馴致の成功率は決して高いものではなかった。スモルトの海水馴致の成功率を高めることは、降海型の魚類の養殖業の利益率を高めるうえで大きな課題となっていた。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、スモルトの海水馴致の成功率を高めることができるスモルトの海水馴致装置及び海水馴致方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような海水馴致装置によって例示される。開示の技術のスモルトの海水馴致装置は、淡水が貯留され、海水適応能を発現したスモルトを飼育する水槽と、上記水槽に淡水と海水の混合水を供給する供給部と、を備える。上記供給部は、上記水槽中の海水濃度が所定濃度に達するまでは第1の上昇率で水槽中の海水濃度が上昇するように混合水を供給し、上記水槽中の海水濃度が上記所定濃度に達して以降は、上記第1の上昇率よりも緩やかな第2の上昇率で上記水槽中の海水濃度が上昇するように混合水を供給する。
【0007】
本海水馴致装置による海水馴致の対象となるスモルトは、海水適応能を発現したものであれば、1歳魚であってもよいし、当歳魚であってもよい。本海水馴致装置では、スモルトを飼育する水槽内には淡水が貯留される。そして、所定濃度に達して以降の水槽内の海水濃度の上昇率を所定濃度に達する前よりも緩やかとする。例えば、水槽中の海水濃度が50%に達するまでは1日あたり10%の上昇率で上記水槽中の海水濃度が上昇するように上記混合水を供給し、水槽中の海水濃度が50%に達して以降は、7日あたり10%の上昇率で上記水槽中の海水濃度が上昇するように上記混合水を供給するものであってよい。
【0008】
このように、水槽中の海水濃度を徐々に上昇させることで、スモルトに対する海水への適応を促進させる。本海水馴致装置では、水槽内の海水濃度が所定濃度より高くなると、水槽内の海水濃度の上昇率を緩やかにすることで、生育環境の変化によるスモルトへのストレスを軽減することができる。そのため、本海水馴致装置によれば、スモルトの海水馴致の成功率を高めることができる。
【0009】
ここで、上記水槽には、貯留された混合水及び淡水を含む水のうち規定量を超えた水が排水されるように排水手段が設けられており、供給部は、水槽に貯留された水の1/2が
1時間で入れ替わるように混合水の供給を行うものであってよい。このように、混合水の供給に伴って水槽から排水が行われることで、水槽内の水をろ過するろ過装置を設けなくとも、水槽内の水をスモルトの飼育に好適な清浄さに保つことが可能となる。
【0010】
そして、上記水槽に貯留された淡水及び上記供給部が供給する混合水の温度は、摂氏10度から摂氏20度程度であることが好ましい。このような温度範囲であれば、スモルトの飼育に好適だからである。
【0011】
開示の技術は、上記海水馴致装置を用いたスモルトの海水馴致方法の側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術は、スモルトの海水馴致の成功率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る海水馴致装置の一例を示す図である。
図2図2は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る海水馴致装置を用いた海水馴致方法の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。図1は、実施形態に係る海水馴致装置の一例を示す図である。海水馴致装置1は、水槽10、淡水タンク20、海水タンク30及び制御装置60を備える。
【0015】
水槽10は、サクラマスのスモルト100を飼育する水槽である。水槽10には、淡水が貯留されている。淡水としては、例えば、井戸水が採用される。スモルト100は、サクラマスの稚魚が成長し、降海に適した海水適応能を発現したものである。スモルト100は、当歳魚及び1歳魚のいずれであってもよい。水槽10で飼育されるスモルト100の数は、水槽10の大きさ(貯水量)に応じて適宜決定される。例えば、水槽10の貯水量が1トンの場合、200尾のスモルト100を飼育可能である。
【0016】
淡水タンク20には、淡水が貯留される。淡水タンク20に貯留される淡水としては、例えば、井戸水を採用することができる。淡水タンク20には、淡水パイプ23が接続される。淡水パイプ23の一端は淡水タンク20に接続され、他端は混合水パイプ41に接続される。淡水パイプ23には、淡水タンク20側から順に、第1バルブ21、第1流量計22が設けられる。淡水タンク20には、図示しないポンプが備えられており、第1バルブ21の開き具合によって、淡水タンク20から淡水パイプ23への淡水の流量が調整される。また、第1バルブ21を閉じることで、淡水タンク20から淡水パイプ23への淡水の流入が停止される。そして、淡水パイプ23を流れる淡水の流量は、第1流量計22によって計測される。
【0017】
海水タンク30には、海水が貯留される。海水タンク30には、海水パイプ33が接続される。海水パイプ33の一端は海水タンク30に接続され、他端は混合水パイプ41に接続される。海水パイプ33には、海水タンク30側から順に、第2バルブ31、第2流量計32が設けられる。海水タンク30には、図示しないポンプが備えられており、第2バルブ31の開き具合によって、海水タンク30から海水パイプ33への海水の流量が調整される。また、第2バルブ31を閉じることで、海水タンク30から海水パイプ33への海水の流入が停止される。そして、海水パイプ33を流れる海水の流量は、第2流量計
32によって計測される。淡水タンク20及び海水タンク30は、「供給部」の一例である。
【0018】
混合水パイプ41は、上記の通り一端が淡水パイプ23及び海水パイプ33に接続される。そして、混合水パイプ41の他端は、水槽10の上方に設置されたシャワーパイプ42に接続される。混合水パイプ41には、淡水タンク20から供給された淡水及び海水タンク30から供給された海水とが混合した混合水が流れる。混合水パイプ41を流れる混合水は、シャワーパイプ42に供給される。また、第1バルブ21及び第2バルブ31のいずれか一方が閉状態、かつ、他方が開状態の場合には、混合水パイプ41には淡水及び海水の一方が流れる。なお、本明細書において、淡水及び海水の一方が混合水パイプ41を流れる場合も、混合水が混合水パイプ41を流れると称する。
【0019】
シャワーパイプ42は、水槽10の上方に設けられる。シャワーパイプ42は、水槽10を上方から見た場合において、水槽10を横切るように設けられる。シャワーパイプ42には、複数の貫通孔421が設けられる。シャワーパイプ42内を流れる混合水は、貫通孔421から吹き出すように水槽10に供給される。混合水が供給された水槽10内の海水濃度は、例えば、水槽10に設けられた塩分濃度計43によって計測される。
【0020】
水槽10には、混合水や淡水等の水が規定量以上となった場合に排水を行う排水パイプ51が設けられる。排水パイプ51は途中で屈曲しており、屈曲した部分におけるもっとも高い部分である屈曲高部511は、例えば、規定量の水を貯留した際の水槽10における水面高さHと同じ高さになるように設けられる。このような構成により、排水パイプ51は、シャワーパイプ42から混合水が供給されることで規定量以上の水が水槽10に貯留されても、規定量以上の水を水槽10から排水することができる。
【0021】
上記した第1バルブ21、第1流量計22、第2バルブ31、第2流量計32、塩分濃度計43の夫々は、信号線61,62,63,64、65によって制御装置60に接続される。図2は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。制御装置60は、Central Processing Unit(CPU)601、主記憶部602、補助記憶部603及び通信部604を備える情報処理装置である。CPU601、主記憶部602、補助記憶部603及び通信部604は、接続バスによって相互に接続される。
【0022】
CPU601は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU601が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。制御装置60では、CPU601が補助記憶部603に記憶されたプログラムを主記憶部602の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。
【0023】
主記憶部602は、CPU601から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部602は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0024】
補助記憶部603は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部603は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部603には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部603は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid
State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0025】
通信部604は、例えば、信号線61,62,63,64、65とのインターフェースである。通信部604は、信号線61,62,63,64、65を介して、第1バルブ21、第1流量計22、第2バルブ31、第2流量計32、塩分濃度計43等の外部の装置と通信を行う。
【0026】
上記構成を有する制御装置60は、補助記憶部603に記憶されたプログラムにしたがって、第1流量計22、第2流量計32及び塩分濃度計43から情報を取得し、取得した情報に基づいて、第1バルブ21及び第2バルブ31の開閉の制御を行う。
【0027】
(海水馴致装置1を用いた海水馴致方法)
上記海水馴致装置1を用いたサクラマスのスモルト100の海水馴致方法について説明する。図3は、実施形態に係る海水馴致装置を用いた海水馴致方法の流れの一例を示す図である。以下、図3を参照して、海水馴致装置1を用いた海水馴致方法の流れについて説明する。
【0028】
S1では、海水馴致の準備が行われる。すなわち、水槽10に淡水が貯留され、飼育対象のスモルト100が水槽10に放たれる。本実施形態では、1トンの淡水が水槽10に貯留され、200尾のスモルト100が水槽10に放たれるものとする。ここで、本実施形態では、1トンの淡水が貯留された水槽10では、水面の高さが水面高さHとなるものとする。水槽10に貯留された淡水の温度は、例えば、摂氏16度程度に調整される。
【0029】
S2では、制御装置60は、第1流量計22及び第2流量計32を開き、シャワーパイプ42から水槽10への混合水の供給を開始する。ここで、制御装置60は、塩分濃度計43によって検出される水槽10内の海水濃度を監視し、水槽10内の海水濃度の上昇率が第1上昇率となるように、第1流量計22及び第2流量計32の開閉具合を制御する。第1上昇率は、例えば、水槽10内の海水濃度が1日当たり10%程度上昇するような上昇率である。
【0030】
なお、制御装置60は、水槽10内に汚れ等が蓄積することを防ぐため、シャワーパイプ42からの混合水の供給と排水パイプ51を介した水槽10からの排水によって、1時間当たりに水槽10内の水の半分が入れ替わる(水槽10内の水の半分の量が排水される)ように、シャワーパイプ42からの混合水の供給量を決定する。シャワーパイプ42から水槽10に供給する混合水の温度は、例えば、摂氏16度程度に調整される。
【0031】
S3では、制御装置60は、水槽10内の海水濃度が50%に達したか否かを判定する。50%に達した場合(S3でYES)、制御装置60はS4の処理を実行する。50%に達していない場合(S3でNO)、制御装置60はS2の処理を実行する。海水濃度50%は、「所定濃度」の一例である。
【0032】
S4では、制御装置60は、塩分濃度計43によって検出される水槽10内の海水濃度を監視し、水槽10内の海水濃度の上昇率が、第1の上昇率よりも緩やかな第2の上昇率となるように、第1流量計22及び第2流量計32の開閉具合を制御する。第2の上昇率は、例えば、水槽10内の海水濃度が7日当たり10%上昇するような上昇率である。なお、混合水の供給量の決定は、S2と同様である。
【0033】
S5では、制御装置60は、水槽10に貯留された水の海水濃度が100%に達したか否かを判定する。100%に達した場合(S5でYES)、制御装置60は処理を終了す
る。100%に達していない場合(S5でNO)、制御装置60はS4の処理を実行する。
【0034】
本実施形態では、上記の通り、水槽10内の海水濃度を徐々に上昇させるため、1か月から2か月程度の期間をかけて図3に例示する海水馴致方法が実行される。
【0035】
サクラマスのスモルト(1歳魚)200尾に対して海水馴致装置1を用いた海水馴致方法を実施したところ、海水濃度100%に達してから1か月後の生残率は、95.5%であった。また、サクラマスのスモルト(当歳魚)200尾に対して海水馴致装置1を用いた海水馴致方法を実施したところ、海水濃度100%に達してから1か月後の生残率は、99%であった。従来から行われていた海水馴致方法では、生残率は50%から70%程度であることから、本実施形態に係る海水馴致方法が有効であるということができる。
【0036】
また、本実施形態では、水槽10において、水面高さHを超えた分の水は、排水パイプ51から排水される。すなわち、水槽10に対しては、シャワーパイプ42から供給される混合水によるかけ流しが行われているということができる。本実施形態に係る水槽10は、このようなかけ流し方式を採用することで、水槽10内の水に対する濾過等の浄化処理を省略することが可能となる。すなわち、水槽10にろ過装置を設けなくてよいことから、水槽10の構成を簡易なものとすることができる。
【0037】
(変形例)
以上の説明では、サクラマスのスモルトに対する海水馴致方法が説明された。しかしながら、水槽10は、サクラマス以外のスモルトに対する海水馴致にも採用することができる。サクラマス以外のスモルトとしては、例えば、紅鮭、ニジマス等を挙げることができる。なお、ニジマスはサクラマスよりも短期間で海水馴致を行うことができるため、図3に示した海水馴致方法よりも海水濃度を短期間で上昇させてもよい。
【0038】
以上の説明では、シャワーパイプ42から水槽10への混合水の供給は、制御装置60によって制御された。しかしながら、海水馴致装置1から制御装置60は省略されてもよい。すなわち、塩分濃度計43が示す海水濃度や第1流量計22、第2流量計32が示す流量を基に、第1バルブ21及び第2バルブ31の開閉具合を作業員が手動で操作してもよい。
【0039】
また、以上の説明では、図3のS2やS4の処理のように、混合水における海水濃度を決定する際に塩分濃度計43が用いられたが、塩分濃度計43は省略されてもよい。この場合、例えば、水槽10に貯留された淡水の量や、混合水の供給に応じて排水パイプ51から排水される量等に基づいて、混合水における海水濃度が決定されてもよい。
【0040】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0041】
1・・海水馴致装置
10・・水槽
20・・淡水タンク
21・・第1バルブ
22・・第1流量計
23・・淡水パイプ
30・・海水タンク
31・・第2バルブ
32・・第2流量計
33・・海水パイプ
41・・混合水パイプ
42・・シャワーパイプ
421・・貫通孔
43・・塩分濃度計
51・・排水パイプ
511・・屈曲高部
60・・制御装置
61,62,63,64,65・・信号線
601・・CPU
602・・主記憶部
603・・補助記憶部
604・・通信部
100・・スモルト
H・・水面高さ
図1
図2
図3