(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-12
(45)【発行日】2025-09-24
(54)【発明の名称】錠の保護箱を利用した太陽光発電ケーブル盗難防止装置
(51)【国際特許分類】
E05B 67/38 20060101AFI20250916BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20250916BHJP
【FI】
E05B67/38
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2024026080
(22)【出願日】2024-02-24
【審査請求日】2024-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714001261
【氏名又は名称】狩野 克実
(73)【特許権者】
【識別番号】524068573
【氏名又は名称】狩野 亮太
(73)【特許権者】
【識別番号】524072433
【氏名又は名称】狩野 萌
(74)【代理人】
【識別番号】100203530
【氏名又は名称】眞下 寛治
(72)【発明者】
【氏名】狩野 克実
【審査官】杉田 翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-033219(JP,A)
【文献】特開2014-029061(JP,A)
【文献】特開2002-332759(JP,A)
【文献】特開2017-169264(JP,A)
【文献】登録実用新案第3105795(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端で他の防護板22と接合し、他端に近い位置に板の長手方向の略垂直面に接合穴3を有する接続部2を配置した防護板1と、
前記接
続部2を挿入する挿入口10を有し、前記接合穴3と南京錠により結合可能に対応する接続穴8を有する接続部7が配置され、前記接続穴8の中心軸が保護箱本体6の開口面9と略直交する方向に配置された保護箱本体6と、
前記保護箱本体6を覆い、南京錠を挿入するための空間を形成する蓋12と、
からなり、
前記防護板1の接続部2の接続穴3と保護箱本体6の接続部7の接続穴8とが南京錠によって結合される錠の保護箱であって、
さらに同様に一端で他の防護板23と接合した防護板24の接合部の接合穴と保護箱本体の接合部の接合穴とが南京錠によって結合されることにより、
パワーコンディショナー側のケーブルの集束端を防護板1、22、23、及び24で囲み、切断工具等による前記ケーブルの集束端の切断や、前記ケーブル集束端の掘り起こしを防ぐための、
錠の保護箱。
【請求項2】
一端で他の防護板22と接合し、他端に近い位置に板の長手方向の略垂直面に接続穴3を有する接続部2を有する防護板1と、
前記接続部2を挿入する挿入口17を配置し、前記接続穴3と南京錠により結合可能な、対応する接続穴を有する接続部18が配置され、前記接続穴の中心軸が保護箱の開口面16の方向と略平行に配置した保護箱本体(
図4)と、
前記保護箱本体(
図4)を覆い、南京錠を挿入するための空間を形成する蓋12と、
からなり、
前記防護板1の接続部2の接続穴3と保護箱本体(
図4)の接続部18の接続穴とが南京錠によって結合される錠の保護箱(
図4)であって、
さらに一端で他の防護板23と接合した防護板24の接合部の接合穴と保護箱本体の接合部の接合穴とが南京錠によって結合されることにより、
パワーコンディショナー側のケーブルの集束端を防護板1、22、23、及び24で囲み、切断工具等による前記ケーブルの集束端の切断や、前記ケーブル集束端の掘り起こしを防ぐための、
錠の保護箱。
【請求項3】
系統連携受電設備の前面及び後面からの破壊を保護するため、前記系統連携受電設備の前面及び後面に設置した保護板と、
前記系統連携受電設備及び前記保護板を囲む四方に配置され、隣り合う2組が接合された防護板と、
前記防護板の接合していない端である対角位置に、配置された請求項1に記載の錠の保護箱又は請求項2に記載の錠の保護箱とからなり、
前記防護板及び保護箱が、梁を用いて上下方向の移動を防止する構造を有することを特徴とする
太陽光発電ケーブル盗難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠の保護箱を利用した太陽光発電ケーブル盗難防止装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置のケーブルの盗難が増加しているが、太陽光発電装置の太陽光発電パネルは比較的人が少ない、管理者から遠く離れた場所に設置されることが多く、問題になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-169264
【文献】実登3105795
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、太陽光発電装置の直流入力側にケーブルを介して太陽光パネルが接続され、交流出力側に電力系統が接続され、直流入力側から入力した直流電力を交流電力に変換するインバータを有するパワーコンディショナにおいて断線を検知するものである。また、特許文献2では光センサ又は音センサによって、異常を検知したときは、発音体により音を出し、また警告灯により光を発生させる。しかし、太陽光発電装置は比較的人が少なく、管理者から遠くはなれた場所に設置されることが多く、効果は今一である。
本発明の錠の保護箱は、防護板と錠の保護箱本体に設けられた接続部同士を南京錠で結合することにより、太陽光発電ケーブルを覆い、切断工具や物理的な破壊を防止する。また、錠の保護箱と防護板の配置により、掘り起こしや切断が困難な構造を形成します。本発明の錠の保護箱は、防護板と錠の保護箱本体に設けられた接続部同士を南京錠で結合することにより、太陽光発電ケーブルを覆い、切断工具や物理的な破壊を防止する。また、錠の保護箱と防護板の配置により、掘り起こしや切断が困難な構造を形成します。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の錠の保護箱は、防護板と錠の保護箱本体に設けられた接続部同士を南京錠で結合することにより、太陽光発電ケーブルのパワーコンディショナ側の集束端を囲み、切断工具や物理的な破壊を防止する。また、錠の保護箱と防護板の配置により、掘り起こしや切断が困難な構造を形成する。
【0006】
一端で他の防護板22と接合し、他端に近い位置に板の長手方向の略垂直面に接合穴3を有する接続部2を配置した防護板1と、
前記接続部2を挿入する挿入口10を有し、前記接合穴3と南京錠により結合可能に対応する接続穴8を有する接続部7が配置され、前記接続穴8の中心軸が保護箱本体6の開口面9と略直交する方向に配置された保護箱本体6と、
前記保護箱本体6を覆い、南京錠を挿入するための空間を形成する蓋12と、
からなり、
前記防護板1の接続部2の接続穴3と保護箱本体6の接続部7の接続穴8とが南京錠によって結合される錠の保護箱であって、
さらに同様に一端で他の防護板23と接合した防護板24の接合部の接合穴と保護箱本体の接合部の接合穴とが南京錠によって結合されることにより、
パワーコンディショナー側のケーブルの集束端を防護板1、22、23、及び24で囲み、前記ケーブル集束端の掘り起こしを防ぐための、
錠の保護箱により課題を解決する。
【0007】
一端で他の防護板22と接合し、他端に近い位置に板の長手方向の略垂直面に接続穴3を有する接続部2を有する防護板1と、
前記接続部2を挿入する挿入口17を配置し、前記接続穴3と南京錠により結合可能な、対応する接続穴を有する接続部18が配置され、前記接続穴の中心軸が保護箱の開口面16の方向と略平行に配置した保護箱本体(
図4)と、
前記保護箱本体(
図4)を覆い、南京錠を挿入するための空間を形成する蓋12と、
からなり、
前記防護板1の接続部2の接続穴3と保護箱本体(
図4)の接続部18の接続穴とが南京錠によって結合される錠の保護箱(
図4)であって、
さらに一端で他の防護板23と接合した防護板24の接合部の接合穴と保護箱本体の接合部の接合穴とが南京錠によって結合されることにより、
パワーコンディショナー側のケーブルの集束端を防護板1、22、23、及び24で囲み、前記ケーブル集束端の掘り起こしを防ぐための、
錠の保護箱。
【0008】
系統連携受電設備の前面及び後面からの破壊を保護するため、前記系統連携受電設備の前面及び後面に設置した保護板と、
前記系統連携受電設備及び前記保護板を囲む四方に配置され、隣り合う2組が接合された防護板と、
前記防護板の接合していない端である対角位置に、配置された請求項1に記載の錠の保護箱又は請求項2に記載の錠の保護箱とからなり、
前記防護板及び保護箱が、梁を用いて上下方向の移動を防止する構造を有することを特徴とする
太陽光発電ケーブル盗難防止装置により課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明である太陽光発電ケーブル盗難防止装置により、太陽光発電装置のケーブルの盗難を物理的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】錠の保護箱に配置される防護板の概略図である。
【
図2】錠の保護箱の接続穴のの中心軸が保護箱本体の開口面と略直交する方向に配置した前記保護箱の本体の概略図である。
【
図4】錠の保護箱の接続穴の中心軸が保護箱の開口面の方向と略平行に配置した前記本体の概略図である。
【
図5】太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の平面図の概略図である。
【
図6】太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の正面図の概略図である。
【
図7】太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の右側面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付の図面を参照しながら実施例により本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【実施例】
【0012】
太陽光発電ケーブルの盗難は、太陽光パネルと系統連携受電設備とを接続するケーブルを掘り起こして、切断して盗んでいる。本発明では、系統連携受信設備に集まるケーブルを切断しにくいように、前記系統連携受電設備の回りを保護するものである。これによって、太陽光発電装置のケーブルの盗難を防ぐものである。
図1から
図7までに本発明の一例を示す。記載された実施例は、本発明の一例であって、発明はこれに限られない。
図1は防護板1の正面図、右側面図及び底面図である。
図1において、防護板1に接続穴3を有する接続部2が配置されている。端部4は、他の防護板と溶接等により接合されている。端部5は錠の保護箱の方向を示す。
【0013】
防護板1の接続部2は、錠の保護箱本体6の挿入口10から挿入されることで、防護板1の接続穴3と錠の保護箱本体6の接続部7の接続穴8とが南京錠で結合される。これにより、ケーブルが物理的に覆われ、掘り起こしや切断工具による破壊が難しくなる。さらに、全体の構造が系統連携受電設備19を中心に固定され、上下方向への抜けを防ぐ梁を追加することで、盗難防止の機能を強化している。
【0014】
図2は錠の保護箱の本体6の正面図、平面図、及び右側面図である。錠の保護箱本体6には接続穴8を有する防護板7が配置されている。挿入穴10は、
図1の接続部2を挿入する穴で、この接続部2に設けられた接続穴3と前記接続穴8とが、図示していない南京錠によって結合される。錠の保護箱の本体6は、開口面9で開口しており、南京錠の挿し入れ空間の底面部11と、
図3に示す錠の保護箱の蓋12の南京錠の挿し入れ空間の天井部13、傾斜部14及び垂直部15の作る空間から前記南京錠を挿し込んで南京錠によって結合する。錠の保護箱の本体6は保護板23及び防護板22の端に溶接等により接合される(
図5)。
【0015】
錠の保護箱の本体6と保護箱蓋12とは、溶接等により接合されており、錠の保護箱の本体6の南京錠の挿し入れ空間の底面部11と、前記保護箱の蓋12の垂直部15の下端も溶接により接合されている。これによって、手により錠の保護箱に南京錠を挿し入れ、前記接続穴3及び前記接続穴8に南京錠の掛け金を通して、南京錠を施錠することはできる。防護板と他の防護板とは溶接等により接合されているが、接合されているのは2つの防護板だけであって、この接合された防護板が2組存在する。この2組の接合された防護板を南京錠で結合する。
また、錠の保護箱本体6の南京錠の挿し入れ空間の底面部11(
図2)と、蓋12の南京錠の挿し入れ空間の天井部13、傾斜部14及び垂直部15(
図3)の作る空間は狭く、前記南京錠の掛け金部を切断工具等によって切断されることを防いでいる。なお、錠の保護箱の本体6の大きさは、縦は南京錠の挿し入れ空間の底面部11を除いて約100mm程度、横が100mm程度、高さが50mm程度である。
【0016】
図4は、錠の保護箱の開口面16を前記防護板1(
図1)と略直角方向に置いた本体の概略図である。当該錠の保護箱は防護板23及び防護板22の端に溶接等により接合される。
【0017】
太陽光発電装置の太陽光パネルからのケーブルは、ケーブルの接続箱又は集電箱で取りまとめられ、パワーコンディショナーに入力されて直流電力から交流電力に変換される。そして、系統連携受電設備19(
図5参照)を介して
商用電力と接続する。
図5は、太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の平面図の概略図である。図において、系統連携受電設備19の前面に保護板21を配置し、後面に保護板20を配置する。系統連携受電設備19及び防護板21及び防護板20の四方に防護板1、22、23及び24を配置する。防護板24は防護板1と同様に
図1の形状をしている。防護板22及び防護板23は、
図1の接続部2がない形状をしている、防護板1及び防護板22は溶接等により接合されている。また、防護板23及び防護板24も同様に溶接等により接合されている。
【0018】
錠の保護箱25(
図5では、錠の保護箱の開口面を前記防護板1の長手方向に置いた保護箱1。)は、防護板23と溶接等により接合されている。防護板1の接続部2は、錠の保護箱本体の挿入口10から錠の保護箱本体に挿入される。錠の保護箱25の接続部7の接続穴8と、防護板1の接続部2の接続穴3とが、南京錠で結合される。
【0019】
また、錠の保護箱26(
図5では、錠の保護箱の開口面を前記防護板の長手方向に置いた保護箱1。)は、防護板22と溶接等により接合されている。、防護板24の接続部2は、錠の保護箱本体の挿入口から錠の保護箱本体に挿入される。錠の保護箱26の接続部の接続穴と、防護板24の接続部の接続穴とが、南京錠で結合される。
【0020】
図6は、太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の正面図の概略図である。
【0021】
図7は、太陽光発電装置のケーブル盗難防止装置の右側面図の概略図である。
【0022】
錠の保護箱が破壊された場合や、ケーブルが切断された場合には、発光灯により光を発したり、警告機により警告音を鳴らすとともに、太陽光発電装置の管理者に通報する装置をつけることができる。
【0023】
防護板1、22、23及び24並びに錠の保護箱25及び26は、全体として垂直方向に移動する構造であるが、別に設けられた梁等によって上下方向の移動を止めることによって、上方に抜けることを防止できる。
【0024】
系統連携受電設備19の前後面の寸法に対して、前面の防護板23と後面の防護板22との間が大きいときは、系統連携受電設備19の前に置く保護板21と系統連携受電設備19の間に発砲スチロール等を置き調節する。
【0025】
前記防護板、前記錠の保護箱の素材は、破壊されにくい素材であればよいが、加工性から鋼が適している。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明により、太陽光発電装置のケーブル盗難防止ができ、産業上の利用価値がある。
【符号の説明】
【0027】
1:防護板、2:接続部、3:接続穴、4:他の防護板との溶接部、5:錠の保護箱方向、 6:錠の保護箱の本体、7:錠の保護箱の本体6の接続部、8:接続穴、9:開口面、10:防護板1の接続部2を挿入するための挿入口、11:南京錠の挿し入れ空間の底面部、12:錠の保護箱蓋、13:南京錠の挿し入れ空間の天井部、14:傾斜部、15:垂直部、16:開口面、17:防護板1の接続部2を挿入するための挿入口、18:錠の保護箱の本体6の接続部、19:系統連携受電設備、20:系統連携受電設備の背面側に置く保護板、21:系統連携受電設備の前面側に置く保護板、22:防護板、23:防護板、24:防護板、25:錠の保護箱、26:錠の保護箱