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特許7743417電力供給管理方法、電力供給管理装置及び電力供給管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-12
(45)【発行日】2025-09-24
(54)【発明の名称】電力供給管理方法、電力供給管理装置及び電力供給管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250916BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20250916BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20250916BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20250916BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20250916BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20250916BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250916BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20250916BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20250916BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250916BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250916BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20250916BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250916BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/34 G
H02J13/00 301A
H02J3/38 110
H02J3/32
G06Q50/06
B60L50/60
B60L53/14
B60L55/00
B60L58/12
G16Y20/20
G16Y20/30
G16Y10/40
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022545301
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2021016769
(87)【国際公開番号】W WO2022044427
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2020145513
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】内藤 栄一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 貴弘
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-027163(JP,A)
【文献】特開2020-114051(JP,A)
【文献】特許第6644187(JP,B1)
【文献】特許第6563149(JP,B1)
【文献】特開2009-033808(JP,A)
【文献】特開2013-148984(JP,A)
【文献】特開2018-207590(JP,A)
【文献】特開2019-086843(JP,A)
【文献】特開2002-74084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/34
H02J 13/00
H02J 3/38
H02J 3/32
G06Q 50/06
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 55/00
B60L 58/12
G16Y 20/20
G16Y 20/30
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信し、
前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を、前記候補電動車両が前記1の住宅に到着するまでの所要時間、前記候補電動車両の供給可能電力量、前記候補電動車両が電力を提供した場合の電力単価、前記候補電動車両の滞在可能時間、及び前記候補電動車両のユーザに対する評価の少なくとも1つの項目に対して前記1の住宅の住人により設定された優先度に基づいて検索し、
検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信し、
前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信する、
電力供給管理方法。
【請求項2】
さらに、前記1の住宅に電力供給中の電動車両がある場合に、前記電力供給中の電動車両が前記1の住宅に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を前記1の住宅から受信し、
前記候補電動車両の検索において、前記電力供給可能時間内に前記1の住宅に到着可能な電動車両の中から前記候補電動車両を検索する、
請求項1記載の電力供給管理方法。
【請求項3】
前記候補電動車両の検索において、電池残量が、前記電動車両が現在位置から前記1の住宅を経由して充電可能な場所に移動するために必要な消費電力量より多い電動車両の中から前記候補電動車両を検索する、
請求項1記載の電力供給管理方法。
【請求項4】
前記候補電動車両の検索において、前記電池残量から前記消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索する、
請求項3記載の電力供給管理方法。
【請求項5】
前記候補電動車両の検索において、前記電動車両の現在位置から前記1の住宅までの移動時間が最も短い候補電動車両又は前記電動車両の現在位置から前記1の住宅までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項6】
さらに、前記停電が解消したことを示す停電解消情報を前記1の住宅から受信し、
さらに、前記第2依頼情報を送信した後に前記停電解消情報が受信された場合に、前記1の住宅への電力供給の依頼を取り消すための取り消し情報を前記端末に送信する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項7】
さらに、前記候補電動車両から前記1の住宅に電力が供給された場合に、前記候補電動車両のユーザに与えるインセンティブを算出し、
さらに、算出した前記インセンティブを示す情報を前記端末に送信する、
請求項1記載の電力供給管理方法。
【請求項8】
前記インセンティブの算出において、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給量、前記候補電動車両が前記1の住宅への移動に要した時間、又は前記候補電動車両が前記1の住宅への電力供給に要した時間に応じて大きくなるように前記インセンティブを算出する、
請求項7記載の電力供給管理方法。
【請求項9】
前記インセンティブの算出において、前記候補電動車両の前記ユーザにより設定された電力単価に基づいて前記インセンティブを算出する、
請求項7又は8記載の電力供給管理方法。
【請求項10】
さらに、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す前記応答情報を前記端末から受信した場合に、前記候補電動車両の現在位置を前記1の住宅に送信する、
請求項1~のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項11】
前記候補電動車両の検索において、少なくとも1台の候補電動車両を検索し、
さらに、検索した前記少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を前記1の住宅の住人に提示するための車両提示情報を前記1の住宅へ送信し、
さらに、前記少なくとも1台の候補電動車両のうち、前記住人によって選択された候補電動車両を示す選択車両情報を前記1の住宅から受信し、
前記第2依頼情報の送信において、受信した前記選択車両情報に示される前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記第2依頼情報を送信する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項12】
前記車両提示情報は、前記評価を含む、
請求項11記載の電力供給管理方法。
【請求項13】
さらに、前記1の住宅に電力を供給することを拒否したことを示す前記応答情報を前記端末から受信した場合に、前記データベースを参照し、拒否された電動車両以外の前記他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を再度検索する、
請求項1~12のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項14】
前記候補電動車両の検索において、複数台の候補電動車両を検索し、
前記第2依頼情報の送信において、前記複数台の候補電動車両の各々に関連付けられた複数台の端末の各々に、前記第2依頼情報を送信し、
前記位置情報の送信において、前記応答情報を最初に返信した端末に、前記位置情報を送信する、
請求項1~13のいずれか1項に記載の電力供給管理方法。
【請求項15】
複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信する第1依頼情報受信部と、
前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を、前記候補電動車両が前記1の住宅に到着するまでの所要時間、前記候補電動車両の供給可能電力量、前記候補電動車両が電力を提供した場合の電力単価、前記候補電動車両の滞在可能時間、及び前記候補電動車両のユーザに対する評価の少なくとも1つの項目に対して前記1の住宅の住人により設定された優先度に基づいて検索する検索部と、
検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信する第2依頼情報送信部と、
前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信する位置情報送信部と、
を備える、
電力供給管理装置。
【請求項16】
複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信し、
前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を、前記候補電動車両が前記1の住宅に到着するまでの所要時間、前記候補電動車両の供給可能電力量、前記候補電動車両が電力を提供した場合の電力単価、前記候補電動車両の滞在可能時間、及び前記候補電動車両のユーザに対する評価の少なくとも1つの項目に対して前記1の住宅の住人により設定された優先度に基づいて検索し、
検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信し、
前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信するようにコンピュータを機能させる、
電力供給管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動車両による住宅への電力供給を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動車両の普及及び災害時の停電への備えなどから、電動車両の電力を家庭用の電力供給源として利用することが注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、商用電力系統の停電が発生した際に、電動車両のメインバッテリユニットに蓄えられた電力を、住宅の負荷に供給する電源切替装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、停電時において、住宅に電動車両が接続されていない場合、又は電動車両に蓄電される電力が不足している場合には住宅の負荷に電力を充分に供給することが困難であり、更なる改善が必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5781012号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたもので、停電時においても住宅に電力を供給することができる技術を提供することを目的とするものである。
【0007】
本開示の一態様に係る電力供給管理方法は、コンピュータが、複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信し、前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を検索し、検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信し、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信する。
【0008】
本開示によれば、停電時においても住宅に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1における情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の構成を示す図である。
図3】本開示の実施の形態1におけるサーバの構成を示す図である。
図4】本開示の実施の形態1における端末の構成を示す図である。
図5】本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートである。
図6】本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
図7】本実施の形態1における依頼確認画面の一例を示す図である。
図8】本実施の形態1における車両位置確認画面の一例を示す図である。
図9】本開示の実施の形態1におけるサーバの動作について説明するための第1のフローチャートである。
図10】本開示の実施の形態1におけるサーバの動作について説明するための第2のフローチャートである。
図11】本開示の実施の形態1における端末の動作について説明するための第1のフローチャートである。
図12】本開示の実施の形態1における端末の動作について説明するための第2のフローチャートである。
図13】本実施の形態1における電力供給協力依頼画面の一例を示す図である。
図14】本実施の形態1における電力供給場所表示画面の一例を示す図である。
図15】本実施の形態1におけるインセンティブ情報表示画面の一例を示す図である。
図16】本開示の実施の形態1の変形例における情報処理システムの全体構成を示す図である。
図17】本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の構成を示す図である。
図18】本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートである。
図19】本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
図20】本実施の形態1の変形例における依頼確認画面の一例を示す図である。
図21】本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の構成を示す図である。
図22】本開示の実施の形態2におけるサーバの構成を示す図である。
図23】本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートである。
図24】本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
図25】本実施の形態2における車両選択受付画面の一例を示す図である。
図26】本開示の実施の形態2におけるサーバの動作について説明するための第1のフローチャートである。
図27】本開示の実施の形態2におけるサーバの動作について説明するための第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
上記の従来技術の電源切替装置は、商用電力系統の停電が発生した際に、電動車両のメインバッテリユニットに蓄えられた電力を、住宅の負荷に供給している。
【0011】
しかしながら、停電が発生した際に住宅に電動車両が接続されていない場合には、住宅の負荷に電力を供給することができない。また、住宅に電動車両が接続されていたとしても、電動車両に蓄電される電力が不足している場合には、住宅の負荷に充分な電力を供給することができない。
【0012】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る電力供給管理方法は、コンピュータが、複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信し、前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を検索し、検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信し、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信する。
【0013】
この構成によれば、停電した1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両が検索される。そして、検索された候補電動車両のユーザによって、1の住宅に電力を供給することが受諾された場合、候補電動車両に関連付けられた端末に、1の住宅の位置を示す位置情報が送信される。位置情報を受信した端末によって1の住宅の位置が提示されることにより、候補電動車両のユーザは1の住宅へ候補電動車両を移動させる。そして、候補電動車両の蓄電池と1の住宅とが接続され、候補電動車両から1の住宅へ電力が供給される。
【0014】
したがって、電力供給可能な電動車両が停電している住宅に移動し、停電している住宅に電動車両から電力が供給されるので、停電時においても住宅に電力を供給することができる。
【0015】
また、上記の電力供給管理方法において、さらに、前記1の住宅に電力供給中の電動車両がある場合に、前記電力供給中の電動車両が前記1の住宅に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を前記1の住宅から受信し、前記候補電動車両の検索において、前記電力供給可能時間内に前記1の住宅に到着可能な電動車両の中から前記候補電動車両を検索してもよい。
【0016】
この構成によれば、停電した1の住宅に電力供給中の電動車両がある場合に、当該電力供給中の電動車両の電池残量がなくなる前に、電力供給可能な候補電動車両が到着するので、停電した1の住宅に途切れることなく電力を供給することができる。
【0017】
また、上記の電力供給管理方法において、前記候補電動車両の検索において、電池残量が、前記電動車両が現在位置から前記1の住宅を経由して充電可能な場所に移動するために必要な消費電力量より多い電動車両の中から前記候補電動車両を検索してもよい。
【0018】
この構成によれば、電池残量が、電動車両が現在位置から1の住宅を経由して充電可能な場所に移動するために必要な消費電力量より多い電動車両の中から候補電動車両が検索される。したがって、候補電動車両が移動中に停止することを防止することができる。
【0019】
また、上記の電力供給管理方法において、前記候補電動車両の検索において、前記電池残量から前記消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。
【0020】
この構成によれば、電池残量から移動に必要な消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を1の住宅へ向かわせることができ、1台の候補電動車両から1の住宅への電力供給を長時間行うことができる。
【0021】
また、上記の電力供給管理方法において、前記候補電動車両の検索において、前記電動車両の現在位置から前記1の住宅までの移動時間が最も短い候補電動車両又は前記電動車両の現在位置から前記1の住宅までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。
【0022】
この構成によれば、より短時間で到着する候補電動車両を1の住宅へ向かわせることができ、1の住宅が停電している時間を短縮することができる。
【0023】
また、上記の電力供給管理方法において、さらに、前記停電が解消したことを示す停電解消情報を前記1の住宅から受信し、さらに、前記第2依頼情報を送信した後に前記停電解消情報が受信された場合に、前記1の住宅への電力供給の依頼を取り消すための取り消し情報を前記端末に送信してもよい。
【0024】
この構成によれば、1の住宅への電力供給が依頼された後に、停電が解消した場合に、候補電動車両のユーザに停電が解消したことを通知することができる。
【0025】
また、上記の電力供給管理方法において、さらに、前記候補電動車両から前記1の住宅に電力が供給された場合に、前記候補電動車両のユーザに与えるインセンティブを算出し、さらに、算出した前記インセンティブを示す情報を前記端末に送信してもよい。
【0026】
この構成によれば、候補電動車両から1の住宅に電力が供給された場合に、候補電動車両のユーザにインセンティブが与えられるので、電力供給に協力するユーザを増やすことができる。
【0027】
また、上記の電力供給管理方法において、前記インセンティブの算出において、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給量、前記候補電動車両が前記1の住宅への移動に要した時間、又は前記候補電動車両が前記1の住宅への電力供給に要した時間に応じて大きくなるように前記インセンティブを算出してもよい。
【0028】
この構成によれば、候補電動車両のユーザの電力供給に協力する意欲をより高めることができる。
【0029】
また、上記の電力供給管理方法において、さらに、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す前記応答情報を前記端末から受信した場合に、前記候補電動車両の現在位置を前記1の住宅に送信してもよい。
【0030】
この構成によれば、1の住宅の住人は、1の住宅に向かっている候補電動車両の現在位置を確認することができ、停電が解消するまでの時間を把握することができる。
【0031】
また、上記の電力供給管理方法において、前記候補電動車両の検索において、少なくとも1台の候補電動車両を検索し、さらに、検索した前記少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を前記1の住宅の住人に提示するための車両提示情報を前記1の住宅へ送信し、さらに、前記少なくとも1台の候補電動車両のうち、前記住人によって選択された候補電動車両を示す選択車両情報を前記1の住宅から受信し、前記第2依頼情報の送信において、受信した前記選択車両情報に示される前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記第2依頼情報を送信してもよい。
【0032】
この構成によれば、検索された少なくとも1台の候補電動車両のうち、1の住宅の住人によって選択された候補電動車両に関連付けられた端末に、第2依頼情報が送信されるので、1の住宅の住人が所望する候補電動車両を1の住宅へ向かわせることができる。
【0033】
また、上記の電力供給管理方法において、さらに、前記1の住宅に電力を供給することを拒否したことを示す前記応答情報を前記端末から受信した場合に、前記データベースを参照し、拒否された電動車両以外の前記他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を再度検索してもよい。
【0034】
この構成によれば、検索した候補電動車両が1の住宅へ向かうことができない場合、候補電動車両を再度検索することができる。
【0035】
本開示の他の態様に係る電力供給管理装置は、複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信する第1依頼情報受信部と、前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を検索する検索部と、検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信する第2依頼情報送信部と、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信する位置情報送信部と、を備える。
【0036】
この構成によれば、停電した1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両が検索される。そして、検索された候補電動車両のユーザによって、1の住宅に電力を供給することが受諾された場合、候補電動車両に関連付けられた端末に、1の住宅の位置を示す位置情報が送信される。位置情報を受信した端末によって1の住宅の位置が提示されることにより、候補電動車両のユーザは1の住宅へ候補電動車両を移動させる。そして、候補電動車両の蓄電池と1の住宅とが接続され、候補電動車両から1の住宅へ電力が供給される。
【0037】
したがって、電力供給可能な電動車両が停電している住宅に移動し、停電している住宅に電動車両から電力が供給されるので、停電時においても住宅に電力を供給することができる。
【0038】
本開示の他の態様に係る電力供給管理プログラムは、複数の住宅のうちの停電した1の住宅への電力供給を依頼するための第1依頼情報を前記1の住宅から受信し、前記複数の住宅と、前記複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたデータベースを参照し、前記1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から前記1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両を検索し、検索した前記候補電動車両に関連付けられた端末に、前記候補電動車両から前記1の住宅への電力供給を依頼するための第2依頼情報を送信し、前記1の住宅に電力を供給することを受諾したことを示す応答情報を前記端末から受信した場合に、前記端末に前記1の住宅の位置を示す位置情報を送信するようにコンピュータを機能させる。
【0039】
この構成によれば、停電した1の住宅とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から1の住宅への電力供給が可能な候補電動車両が検索される。そして、検索された候補電動車両のユーザによって、1の住宅に電力を供給することが受諾された場合、候補電動車両に関連付けられた端末に、1の住宅の位置を示す位置情報が送信される。位置情報を受信した端末によって1の住宅の位置が提示されることにより、候補電動車両のユーザは1の住宅へ候補電動車両を移動させる。そして、候補電動車両の蓄電池と1の住宅とが接続され、候補電動車両から1の住宅へ電力が供給される。
【0040】
したがって、電力供給可能な電動車両が停電している住宅に移動し、停電している住宅に電動車両から電力が供給されるので、停電時においても住宅に電力を供給することができる。
【0041】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における情報処理システムの全体構成を示す図である。
【0043】
図1に示す情報処理システムは、電力供給制御装置101、サーバ2、電動車両3及び端末4を備える。
【0044】
電力供給制御装置101は、住宅1内に設置されている。住宅1内には、電力供給制御装置101の他に、分電盤103、充放電装置104、負荷105及び予備電池106が設置されている。
【0045】
分電盤103は、商用電源102、充放電装置104及び負荷105に接続される。商用電源102は、電力会社によって運営され、各住宅へ電力を供給する。
【0046】
負荷105は、電力を消費する機器である。負荷105は、例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電気給湯機及び空調機器などの家電機器である。
【0047】
充放電装置104は、住宅1が停電した場合、電動車両3に接続される。充放電装置104は、住宅1が停電した場合、電動車両3に搭載されている蓄電池31を放電し、蓄電池31からの電力を分電盤103へ供給する。
【0048】
分電盤103は、電力系統を、商用電源102と充放電装置104とのいずれかに切り替える。分電盤103は、商用電源102からの電力を負荷105へ供給するとともに、充放電装置104からの電力を負荷105へ供給する。通常、分電盤103は、商用電源102からの電力を負荷105へ供給する。
【0049】
なお、本実施の形態1では、住宅1が停電した時点において、電動車両が住宅1に駐車しておらず、電動車両が充放電装置104に接続されていない。
【0050】
また、分電盤103は、商用電源102からの電力供給が停止した場合、すなわち住宅1が停電した場合、停電情報を電力供給制御装置101へ出力する。また、分電盤103は、商用電源102からの電力供給が復旧した場合、すなわち住宅1の停電が解消した場合、停電解消情報を電力供給制御装置101へ出力する。
【0051】
予備電池106は、停電時において電力供給制御装置101、分電盤103及び充放電装置104を動作させるために必要な電力を蓄える。予備電池106は、停電時において電力供給制御装置101、分電盤103及び充放電装置104へ電力を供給する。
【0052】
電力供給制御装置101は、ネットワーク5を介してサーバ2と互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
【0053】
電動車両3は、住宅1とは異なる他の住宅に住むユーザが所有する電動車両である。電動車両3は、蓄電池31を搭載しており、蓄電池31に充電された電力を電気モータへ供給することで移動する。蓄電池31は、例えば、リチウムイオン二次電池であり、充電により電力を蓄えるとともに、放電により電力を電気モータへ供給する。また、電動車両3は、蓄電池31に蓄えられた電力を住宅へ供給する。
【0054】
電動車両3は、ネットワーク5を介してサーバ2と互いに通信可能に接続されている。電動車両3は、電動車両3の現在位置を示す位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)受信機を備えている。電動車両3は、取得した位置情報を定期的にサーバ2へ送信する。また、電動車両3は、電動車両3に搭載された蓄電池31の電池残量を定期的にサーバ2へ送信する。
【0055】
端末4は、電動車両3を所有するユーザによって所有される。端末4は、例えば、スマートホン又はタブレット型コンピュータである。端末4は、ネットワーク5を介してサーバ2と互いに通信可能に接続されている。
【0056】
サーバ2は、例えば、Webサーバである。サーバ2は、電力供給管理装置の一例である。
【0057】
ここで、本実施の形態1における情報処理システムの概略動作について説明する。
【0058】
住宅1が停電した場合、住宅1に設置された電力供給制御装置101は、停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報をサーバ2へ送信する。サーバ2は、供給依頼情報を受信すると、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を検索する。なお、ここで検索される候補電動車両は、電動車両3である。そして、サーバ2は、検索した電動車両3に関連付けられた端末4に対し、電動車両3から住宅1への電力供給を依頼するための協力依頼情報を送信する。端末4は、協力依頼情報を受信すると、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報をサーバ2へ送信する。ここでは、受諾することを示す協力応答情報がサーバ2へ送信される。
【0059】
サーバ2は、受諾することを示す協力応答情報を受信すると、端末4に住宅1の位置を示す住宅位置情報を送信する。端末4は、住宅位置情報を受信すると、受信した住宅位置情報を電動車両3のユーザに提示する。電動車両3は、ユーザの運転により、住宅1に向かって移動する。電動車両3が住宅1に到着すると、電動車両3が住宅1に接続され、電動車両3から住宅1へ電力が供給される。これにより、停電した住宅1においても、電動車両3から供給される電力により、負荷105の利用が可能となる。
【0060】
図2は、本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の構成を示す図である。
【0061】
図2に示す電力供給制御装置101は、通信部12、表示部13、入力部14、メモリ15及びプロセッサ17を備える。
【0062】
表示部13は、例えば、液晶表示装置であり、種々の情報を表示する。
【0063】
入力部14は、例えば、タッチパネルであり、ユーザによる入力を受け付ける。
【0064】
メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。メモリ15は、種々の情報を記憶する。
【0065】
通信部12は、供給依頼情報送信部121、車両情報受信部122、停電解消情報送信部123及び供給依頼終了情報送信部124を備える。
【0066】
プロセッサ17は、例えば、中央演算処理装置(CPU)である。プロセッサ17は、停電情報取得部171、依頼確認表示制御部172、車両情報表示制御部173、停電解消情報取得部174、車両接続検出部175及び電力供給制御部176を備える。
【0067】
停電情報取得部171は、商用電源102からの電力供給が停止したこと、すなわち住宅1が停電したことを示す停電情報を分電盤103から取得する。
【0068】
依頼確認表示制御部172は、停電情報取得部171によって停電情報が取得されると、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かをユーザに確認するための依頼確認画面を表示部13に表示させる。入力部14は、依頼確認画面において、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かのユーザによる入力を受け付ける。
【0069】
供給依頼情報送信部121は、停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報(第1依頼情報)をサーバ2へ送信する。入力部14によって、停電した住宅1への電力供給を依頼することが受け付けられた場合、供給依頼情報送信部121は、供給依頼情報をサーバ2へ送信する。
【0070】
車両情報受信部122は、停電した住宅1に電力を供給することを受諾したユーザが所有する電動車両3に関する車両情報をサーバ2から受信する。車両情報は、例えば、電動車両3の現在位置を含む。なお、車両情報は、電動車両3の車種を含んでもよい。
【0071】
車両情報表示制御部173は、車両情報受信部122によって受信された車両情報に基づいて、住宅1に向かって移動している電動車両3の現在位置を提示するための車両位置確認画面を表示部13に表示させる。
【0072】
停電解消情報取得部174は、商用電源102からの電力供給が復旧したこと、すなわち住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を分電盤103から取得する。
【0073】
停電解消情報送信部123は、停電解消情報取得部174によって停電解消情報が取得された場合、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報をサーバ2へ送信する。
【0074】
車両接続検出部175は、電動車両3が充放電装置104に接続されたことを検出するとともに、電動車両3が充放電装置104から切り離されたことを検出する。充放電装置104は、電動車両3が接続された場合、分電盤103を介して接続信号を電力供給制御装置101へ出力する。車両接続検出部175は、充放電装置104から接続信号を受信した場合、電動車両3が充放電装置104に接続されたことを検出する。また、充放電装置104は、電動車両3が切り離された場合、分電盤103を介して分離信号を電力供給制御装置101へ出力する。車両接続検出部175は、充放電装置104から分離信号を受信した場合、電動車両3が充放電装置104から切り離されたことを検出する。
【0075】
電力供給制御部176は、停電時において、車両接続検出部175によって電動車両3が充放電装置104に接続されたことが検出された場合、電動車両3による電力供給を開始するための電力供給命令を電動車両3へ出力する。電力供給制御部176は、停電時において、電動車両3から電力供給が行われている際に、停電解消情報取得部174によって停電解消情報が取得された場合、電動車両3による電力供給を終了するための電力供給終了命令を電動車両3へ出力する。
【0076】
供給依頼終了情報送信部124は、停電時において、電動車両3から電力供給が行われている際に、停電解消情報取得部174によって停電解消情報が取得された場合、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。また、供給依頼終了情報送信部124は、停電時において、電動車両3から電力供給が行われている際に、車両接続検出部175によって電動車両3が充放電装置104から切り離されたことが検出された場合、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。
【0077】
また、電動車両3から電力が供給されている際に、住宅1の住人が外出することも考えられる。そのため、電動車両3からの電力供給を終了するか否かを確認するための終了確認画面が表示部13に表示されてもよい。そして、終了確認画面において、住宅1の住人により電力供給の終了が受け付けられた場合、供給依頼終了情報送信部124は、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信してもよい。
【0078】
図3は、本開示の実施の形態1におけるサーバの構成を示す図である。
【0079】
図3に示すサーバ2は、通信部21、メモリ24及びプロセッサ23を備える。
【0080】
通信部21は、供給依頼情報受信部211、協力依頼情報送信部212、協力応答情報受信部213、住宅位置情報送信部214、車両情報送信部215、停電解消情報受信部216、取り消し情報送信部217、供給依頼終了情報受信部218、協力終了情報受信部219及びインセンティブ情報送信部220を備える。
【0081】
メモリ24は、例えば、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。メモリ24は、ユーザデータベース(DB)241を備える。
【0082】
プロセッサ23は、例えば、CPUである。プロセッサ23は、候補車両検索部231、協力依頼情報作成部232、住宅位置情報作成部233、車両情報作成部234、取り消し指示部235及びインセンティブ算出部236を備える。
【0083】
ユーザDB241は、複数の住宅と、複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けて記憶する。より具体的には、ユーザDB241は、住宅を識別するための住宅IDと、住宅に電力を供給することが可能な電動車両を識別するための車両IDと、電動車両を所有するユーザが所有する端末を識別するための端末IDと、電動車両の現在位置と、電動車両の電池残量と、住宅の位置とを関連付けて記憶する。なお、電動車両は、電動車両の現在位置と電動車両の電池残量とを定期的にサーバ2へ送信する。通信部21は、電動車両によって送信された現在位置及び電池残量を受信し、ユーザDB241に記憶する。ユーザDB241は、電動車両の最新の位置及び最新の電池残量のみを記憶してもよいし、電動車両の位置及び電池残量の履歴を記憶してもよい。
【0084】
供給依頼情報受信部211は、複数の住宅のうちの停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報(第1依頼情報)を住宅1から受信する。供給依頼情報受信部211は、電力供給制御装置101によって送信された供給依頼情報を受信する。
【0085】
候補車両検索部231は、複数の住宅と、複数の住宅のそれぞれに対して電力供給が可能な複数の電動車両とを関連付けたユーザDB241を参照し、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を検索する。
【0086】
候補車両検索部231は、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から候補電動車両を検索する。また、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索する。なお、充電可能な場所は、電動車両のユーザの住宅であってもよいし、住宅1の周辺の充電器が設置されている場所であってもよい。
【0087】
なお、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。
【0088】
また、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。
【0089】
さらに、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が所定時間よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が所定距離よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。
【0090】
協力依頼情報作成部232は、候補電動車両から住宅1への電力供給を依頼するための協力依頼情報(第2依頼情報)を作成する。
【0091】
協力依頼情報送信部212は、候補車両検索部231によって検索された候補電動車両に関連付けられた端末に、協力依頼情報作成部232によって作成された協力依頼情報(第2依頼情報)を送信する。
【0092】
協力応答情報受信部213は、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報(応答情報)を端末4から受信する。
【0093】
住宅位置情報作成部233は、住宅1に電力を供給することを受諾したことを示す協力応答情報(応答情報)を端末4から受信した場合に、住宅1の位置を示す住宅位置情報(位置情報)を作成する。
【0094】
住宅位置情報送信部214は、住宅位置情報作成部233によって作成された住宅1の位置を示す住宅位置情報(位置情報)を端末4に送信する。
【0095】
車両情報作成部234は、住宅1に電力を供給することを受諾したことを示す協力応答情報を端末4から受信した場合に、候補電動車両の現在位置を含む車両情報を作成する。
【0096】
車両情報送信部215は、車両情報作成部234によって作成された車両情報を住宅1に送信する。車両情報送信部215は、車両情報を住宅1の電力供給制御装置101に送信する。
【0097】
候補車両検索部231は、住宅1に電力を供給することを拒否したことを示す応答情報を端末4から受信した場合に、ユーザDB241を参照し、拒否された電動車両以外の他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を再度検索する。
【0098】
停電解消情報受信部216は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を住宅1から受信する。停電解消情報受信部216は、停電解消情報を住宅1の電力供給制御装置101から受信する。
【0099】
取り消し指示部235は、協力依頼情報(第2依頼情報)を送信した後に停電解消情報が受信されたか否かを判断する。取り消し指示部235は、協力依頼情報(第2依頼情報)を送信した後に停電解消情報が受信された場合に、住宅1への電力供給の依頼を取り消すための取り消し情報を送信するように取り消し情報送信部217に指示する。
【0100】
取り消し情報送信部217は、協力依頼情報(第2依頼情報)を送信した後に停電解消情報が受信された場合に、住宅1への電力供給の依頼を取り消すための取り消し情報を端末4に送信する。
【0101】
供給依頼終了情報受信部218は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す供給依頼終了情報を電力供給制御装置101から受信する。
【0102】
協力終了情報受信部219は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す協力終了情報を端末4から受信する。
【0103】
インセンティブ算出部236は、候補電動車両から住宅1に電力が供給された場合に、候補電動車両のユーザに与えるインセンティブを算出する。インセンティブ算出部236は、供給依頼終了情報受信部218によって供給依頼終了情報が受信されるとともに、協力終了情報受信部219によって協力終了情報が受信された場合、候補電動車両のユーザに与えるインセンティブを算出する。例えば、インセンティブは、住宅1に電力を供給した電動車両3のユーザに対して付与される所定数のポイントを含む。例えば、オンラインでショッピングをする際に、支払料金からポイント数に応じた金額が割り引かれる。
【0104】
なお、インセンティブ算出部236は、候補電動車両から住宅1への電力供給量、候補電動車両が住宅1への移動に要した時間、又は候補電動車両が住宅1への電力供給に要した時間に応じて大きくなるようにインセンティブを算出してもよい。
【0105】
また、例えば、インセンティブは、住宅1に電力を供給した電動車両3のユーザに対して支払われる金銭を含んでもよい。この場合、インセンティブ算出部236は、候補電動車両から住宅1への電力供給量と、電力単価とに基づいて、電動車両3のユーザに対して支払われる金銭を算出してもよい。電力単価は、電動車両3のユーザが設定してもよい。
【0106】
インセンティブ情報送信部220は、インセンティブ算出部236によって算出されたインセンティブを示すインセンティブ情報を端末4に送信する。
【0107】
図4は、本開示の実施の形態1における端末の構成を示す図である。
【0108】
図4に示す端末4は、通信部41、メモリ42、表示部43、入力部44及びプロセッサ45を備える。
【0109】
メモリ42は、例えば、RAM、SSD又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。メモリ42は、種々の情報を記憶する。
【0110】
表示部43は、例えば、液晶表示装置であり、種々の情報を表示する。
【0111】
入力部44は、例えば、タッチパネルであり、ユーザによる入力を受け付ける。
【0112】
通信部41は、協力依頼情報受信部411、協力応答情報送信部412、住宅位置情報受信部413、取り消し情報受信部414、車両接続情報受信部415、協力終了情報送信部416及びインセンティブ情報受信部417を備える。
【0113】
プロセッサ45は、例えば、CPUである。プロセッサ45は、協力依頼表示制御部451、電力供給場所表示制御部452、取り消し情報表示制御部453、車両接続判定部454、協力終了受付部455及びインセンティブ情報表示制御部456を備える。
【0114】
協力依頼情報受信部411は、サーバ2によって送信された協力依頼情報を受信する。
【0115】
協力依頼表示制御部451は、協力依頼情報受信部411によって受信された協力依頼情報に基づいて、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾するか否かを受け付ける電力供給協力依頼画面を表示部43に表示させる。協力依頼情報は、停電している住宅1から電動車両3までの距離を含む。入力部44は、電力供給協力依頼画面において、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾するか否かのユーザによる入力を受け付ける。
【0116】
協力応答情報送信部412は、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報をサーバ2へ送信する。
【0117】
住宅位置情報受信部413は、サーバ2によって送信された住宅位置情報を受信する。住宅位置情報は、住宅1の位置及び住宅1の住人の名前を含む。
【0118】
電力供給場所表示制御部452は、停電した住宅1の位置及び住宅1の住人の名前を表示する電力供給場所表示画面を表示部43に表示させる。電動車両3のユーザは、電力供給場所表示画面に表示された住宅1の位置及び住宅1の住人の名前を確認し、電動車両3を運転して住宅1へ移動する。
【0119】
取り消し情報受信部414は、サーバ2によって送信された取り消し情報を受信する。
【0120】
取り消し情報表示制御部453は、協力依頼情報が受信された後に、取り消し情報受信部414によって取り消し情報が受信された場合、住宅1への電力供給の依頼が取り消されたことを示す取り消し画面を表示部43に表示させる。例えば、電動車両3が住宅1に向かう前に、住宅1の停電が解消された場合、電動車両3は住宅1へ行かなくてもよい。そのため、ユーザは、表示部43に表示された取り消し画面を確認することにより、住宅1への移動が不要になったことを知ることができる。また、例えば、電動車両3が住宅1に電力供給している際に、住宅1の停電が解消された場合、電動車両3は住宅1への電力供給を終了することになる。そのため、ユーザは、表示部43に表示された取り消し画面を確認することにより、住宅1への電力供給が不要になったことを知ることができる。
【0121】
車両接続情報受信部415は、電動車両3が充放電装置104に接続されていることを示す車両接続情報を電動車両3から受信する。電動車両3が充放電装置104に接続された場合、電動車両3は、車両接続情報を端末4へ送信する。
【0122】
車両接続判定部454は、電動車両3が充放電装置104に接続されたか否かを判定する。車両接続判定部454は、車両接続情報受信部415によって車両情報が受信された場合、電動車両3が充放電装置104に接続されたと判定する。
【0123】
協力終了受付部455は、電動車両3から住宅1への電力供給を終了するか否かのユーザによる選択を受け付ける。協力終了受付部455は、電動車両3から住宅1への電力供給を終了するか否かのユーザによる選択を受け付けるための選択受付画面を表示部43に表示させる。ユーザは、表示された選択受付画面において、電動車両3から住宅1への電力供給を終了するか否かを入力する。
【0124】
例えば、電動車両3から住宅1への電力供給中に、ユーザが帰宅しなければならなくなった場合、ユーザは、表示された選択受付画面において、電動車両3から住宅1への電力供給を終了することを選択する。また、例えば、電動車両3の電池残量が、住宅1から充電可能な場所に移動するために必要な消費電力量になった場合、ユーザは、表示された選択受付画面において、電動車両3から住宅1への電力供給を終了することを選択する。
【0125】
協力終了情報送信部416は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す協力終了情報をサーバ2に送信する。協力終了情報送信部416は、協力終了受付部455によって、電動車両3から住宅1への電力供給を終了することがユーザにより選択された場合、協力終了情報をサーバ2に送信する。
【0126】
インセンティブ情報受信部417は、サーバ2によって送信されたインセンティブ情報を受信する。
【0127】
インセンティブ情報表示制御部456は、インセンティブ情報受信部417によって受信されたインセンティブ情報を表示するインセンティブ情報表示画面を表示部43に表示させる。
【0128】
なお、本実施の形態1では、情報処理システムは、端末4と電動車両3とを個別に備えているが、本開示は特にこれに限定されず、電動車両3が端末4の機能を備えてもよい。
【0129】
続いて、本開示の実施の形態1における電力供給制御装置101の動作について説明する。
【0130】
図5は、本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートであり、図6は、本開示の実施の形態1における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0131】
まず、ステップS1において、停電情報取得部171は、住宅1が停電したことを示す停電情報を分電盤103から取得する。
【0132】
次に、ステップS2において、依頼確認表示制御部172は、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かを住人に確認するための依頼確認画面を表示部13に表示させる。
【0133】
図7は、本実施の形態1における依頼確認画面の一例を示す図である。
【0134】
表示部13は、住宅1の所定の部屋(例えばリビングルームなど)の壁に設置されている。表示部13は、依頼確認画面131を表示する。なお、表示部13は、住宅1に停電が発生したことを住人に通知するためのインジケータ132を含んでもよい。インジケータ132は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、住宅1に停電が発生した場合に点灯する。
【0135】
図7に示すように、依頼確認画面131は、住宅1に停電が発生したことを住人に通知する。また、依頼確認画面131は、他の会員に住宅1への電力供給を依頼するか否かの入力を受け付けるための第1ボタン133及び第2ボタン134を含む。他の会員とは、サーバ2のユーザDB241に予め登録されている他の住宅の住人であるとともに、電動車両のユーザである。住宅1への電力供給を依頼する場合には、第1ボタン133がタッチされる。住宅1への電力供給を依頼しない場合には、第2ボタン134がタッチされる。
【0136】
なお、本実施の形態1では、表示部13は、住宅1内に設置されているが、本開示は特にこれに限定されず、住宅1の住人が所有するスマートホンなどの端末の表示部であってもよい。
【0137】
図5に戻って、次に、ステップS3において、依頼確認表示制御部172は、停電した住宅1への電力供給が依頼されたか否かを判断する。入力部14は、依頼確認画面131において、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かの住人による入力を受け付ける。住宅1の住人は、依頼確認画面131において、他の会員に住宅1への電力供給を依頼する場合、第1ボタン133をタッチし、他の会員に住宅1への電力供給を依頼しない場合、第2ボタン134をタッチする。
【0138】
ここで、停電した住宅1への電力供給が依頼されていないと判断された場合(ステップS3でNO)、処理が終了する。すなわち、依頼確認画面131において、他の会員に住宅1への電力供給を依頼しないことを示す第2ボタン134がタッチされた場合、処理が終了する。
【0139】
一方、停電した住宅1への電力供給が依頼されたと判断された場合(ステップS3でYES)、ステップS4において、供給依頼情報送信部121は、停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報をサーバ2へ送信する。依頼確認画面131において、他の会員に住宅1への電力供給を依頼することを示す第1ボタン133がタッチされた場合、供給依頼情報がサーバ2へ送信される。
【0140】
なお、本実施の形態1では、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かを住人に確認するための依頼確認画面131が表示され、停電した住宅1への電力供給が依頼された場合に、供給依頼情報がサーバ2へ送信されるが、本開示は特にこれに限定されない。供給依頼情報送信部121は、停電情報を取得した場合、自動的に供給依頼情報をサーバ2へ送信してもよい。
【0141】
次に、ステップS5において、車両情報受信部122は、停電した住宅1に電力を供給することを受諾したユーザが所有する電動車両3の現在位置を含む車両情報をサーバ2から受信する。なお、車両情報は、電動車両3の現在位置だけでなく、電動車両3が住宅1に到着するまでの所要時間を含んでもよい。また、車両情報は、電動車両3の車種及び電動車両3の色を含んでもよい。
【0142】
次に、ステップS6において、車両情報表示制御部173は、車両情報受信部122によって受信された車両情報に基づいて、住宅1に向かって移動している電動車両3の現在位置を提示するための車両位置確認画面を表示部13に表示させる。
【0143】
図8は、本実施の形態1における車両位置確認画面の一例を示す図である。
【0144】
表示部13は、車両位置確認画面135を表示する。図8に示すように、車両位置確認画面135は、電力供給協力者が見つかったことを通知するとともに、電動車両3が住宅1に到着するまでの所要時間を通知する。また、車両位置確認画面135は、住宅1の周辺を示す地図画像136を含む。地図画像136は、住宅1の位置137と、電動車両3の位置138とを含む。住宅1の住人は、地図画像136上の電動車両3の位置138を確認することにより、電動車両3が現在どこにいるのかを確認することができる。
【0145】
また、車両位置確認画面135は、電動車両3が住宅1に向かって移動していることを住宅1の住人が確認したことを通知するためのボタン139を含んでもよい。ボタン139がタッチされた場合、電動車両3が住宅1に向かって移動していることを住宅1の住人が確認したことを示す情報がサーバ2へ送信されてもよい。そして、サーバ2は、電動車両3が住宅1に向かって移動していることを住宅1の住人が確認したことを端末4へ通知してもよい。
【0146】
図5に戻って、次に、ステップS7において、停電解消情報取得部174は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を分電盤103から取得したか否かを判断する。住宅1の停電が解消した場合、分電盤103は、停電解消情報を電力供給制御装置101へ出力する。ここで、停電解消情報を取得したと判断された場合(ステップS7でYES)、ステップS8において、停電解消情報送信部123は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報をサーバ2へ送信する。
【0147】
一方、停電解消情報を取得していないと判断された場合(ステップS7でNO)、ステップS9において、電力供給制御部176は、電動車両3が充放電装置104に接続されたか否かを判断する。車両接続検出部175は、電動車両3が充放電装置104に接続されたことを検出する。ここで、電動車両3が充放電装置104に接続されていないと判断された場合(ステップS9でNO)、ステップS7に処理が戻る。
【0148】
一方、電動車両3が充放電装置104に接続されたと判断された場合(ステップS9でYES)、ステップS10において、電力供給制御部176は、電動車両3による電力供給を開始するための電力供給命令を電動車両3へ出力する。電力供給命令が電動車両3に入力されると、電動車両3は、分電盤103を介して負荷105へ電力を供給する。
【0149】
次に、ステップS11において、停電解消情報取得部174は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を分電盤103から取得したか否かを判断する。ここで、停電解消情報を取得していないと判断された場合(ステップS11でNO)、ステップS12において、電力供給制御部176は、電動車両3が充放電装置104から切り離されたか否かを判断する。車両接続検出部175は、電動車両3が充放電装置104から切り離されたことを検出する。ここで、電動車両3が充放電装置104から切り離されていないと判断された場合(ステップS12でNO)、ステップS11に処理が戻る。
【0150】
一方、電動車両3が充放電装置104から切り離されたと判断された場合(ステップS12でYES)、ステップS13において、供給依頼終了情報送信部124は、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。このとき、停電解消情報が取得されていないので、住宅1は依然として停電している。そのため、ステップS13の処理が行われた後、ステップS2に処理が戻る。そして、ステップS2において、依頼確認表示制御部172は、依頼確認画面を表示部13に表示させる。これにより、停電している住宅1への電力供給を再度依頼するか否かが住人に確認される。
【0151】
一方、停電解消情報を取得したと判断された場合(ステップS11でYES)、ステップS14において、停電解消情報送信部123は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報をサーバ2へ送信する。
【0152】
次に、ステップS15において、電力供給制御部176は、電動車両3による電力供給を終了するための電力供給終了命令を電動車両3へ出力する。電力供給終了命令が電動車両3に入力されると、電動車両3は、電力供給を停止する。その後、電動車両3は充放電装置104から切り離される。
【0153】
次に、ステップS16において、供給依頼終了情報送信部124は、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。
【0154】
続いて、本開示の実施の形態1におけるサーバ2の動作について説明する。
【0155】
図9は、本開示の実施の形態1におけるサーバの動作について説明するための第1のフローチャートであり、図10は、本開示の実施の形態1におけるサーバの動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0156】
まず、ステップS21において、供給依頼情報受信部211は、電力供給制御装置101によって送信された供給依頼情報を受信する。
【0157】
次に、ステップS22において、候補車両検索部231は、ユーザDB241を参照し、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を検索する。ここで、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索する。
【0158】
なお、候補車両検索部231は、1台ずつ候補電動車両を検索する。すなわち、最初に、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索する。そして、検索した候補電動車両に電力供給を依頼した結果、電力供給の依頼が受諾されなかった場合、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が2番目に短い候補電動車両を検索する。このように、候補車両検索部231は、電力供給の依頼が受諾されるまで、候補電動車両の検索を続ける。
【0159】
また、候補車両検索部231は、複数の候補電動車両を検索してもよい。すなわち、最初に、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い電動車両から順に所定数の電動車両を候補電動車両として検索してもよい。そして、協力依頼情報送信部212は、検索された所定数の候補電動車両のうち、移動距離が最も短い電動車両から順に協力依頼情報を送信してもよい。
【0160】
次に、ステップS23において、協力依頼情報作成部232は、候補電動車両から住宅1への電力供給を依頼するための協力依頼情報を作成する。なお、本実施の形態1における候補電動車両は、電動車両3である。
【0161】
次に、ステップS24において、協力依頼情報送信部212は、候補車両検索部231によって検索された候補電動車両(電動車両3)に関連付けられた端末4に、協力依頼情報作成部232によって作成された協力依頼情報を送信する。
【0162】
次に、ステップS25において、協力応答情報受信部213は、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報を端末4から受信する。
【0163】
次に、ステップS26において、住宅位置情報作成部233は、受諾することを示す協力応答情報を受信したか否かを判断する。ここで、受諾しないことを示す協力応答情報を受信したと判断された場合(ステップS26でNO)、ステップS22に処理が戻り、候補電動車両が再検索される。
【0164】
一方、受諾することを示す協力応答情報を受信したと判断された場合(ステップS26でYES)、ステップS27において、住宅位置情報作成部233は、停電した住宅1の位置を示す住宅位置情報を作成する。
【0165】
次に、ステップS28において、住宅位置情報送信部214は、住宅位置情報作成部233によって作成された住宅位置情報を端末4に送信する。
【0166】
なお、本実施の形態1では、協力依頼情報送信部212は、候補車両検索部231によって検索された1台の候補電動車両に関連付けられた1台の端末4に、協力依頼情報を送信しているが、本開示は特にこれに限定されない。協力依頼情報送信部212は、候補車両検索部231によって検索された複数台の候補電動車両に関連付けられた複数台の端末4のそれぞれに、協力依頼情報を送信してもよい。そして、住宅位置情報送信部214は、複数台の端末4のうち、受諾することを示す協力応答情報を最初に返信した端末4に対して住宅位置情報を送信してもよい。
【0167】
次に、ステップS29において、車両情報作成部234は、候補電動車両(電動車両3)の現在位置を含む車両情報を作成する。
【0168】
次に、ステップS30において、車両情報送信部215は、車両情報作成部234によって作成された車両情報を電力供給制御装置101に送信する。
【0169】
次に、ステップS31において、取り消し指示部235は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を電力供給制御装置101から受信したか否かを判断する。停電解消情報受信部216は、停電解消情報を電力供給制御装置101から受信する。
【0170】
ここで、停電解消情報を受信したと判断された場合(ステップS31でYES)、ステップS32において、取り消し情報送信部217は、住宅1への電力供給の依頼を取り消すための取り消し情報を端末4に送信する。
【0171】
一方、停電解消情報を受信していないと判断された場合(ステップS31でNO)、ステップS33において、インセンティブ算出部236は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す供給依頼終了情報を電力供給制御装置101から受信したか否かを判断する。供給依頼終了情報受信部218は、供給依頼終了情報を電力供給制御装置101から受信する。ここで、供給依頼終了情報を受信していないと判断された場合(ステップS33でNO)、ステップS31に処理が戻る。
【0172】
一方、供給依頼終了情報を受信したと判断された場合(ステップS33でYES)、ステップS34において、インセンティブ算出部236は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す協力終了情報を端末4から受信したか否かを判断する。協力終了情報受信部219は、協力終了情報を端末4から受信する。ここで、協力終了情報を受信していないと判断された場合(ステップS34でNO)、協力終了情報が受信されるまで、ステップS34の処理が行われる。
【0173】
一方、協力終了情報を受信したと判断された場合(ステップS34でYES)、ステップS35において、インセンティブ算出部236は、候補電動車両(電動車両3)のユーザに与えるインセンティブを算出する。
【0174】
次に、ステップS36において、インセンティブ情報送信部220は、インセンティブ算出部236によって算出されたインセンティブを示すインセンティブ情報を端末4に送信する。
【0175】
このように、停電した住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な電動車両3(候補電動車両)が検索される。そして、検索された電動車両3のユーザによって、住宅1に電力を供給することが受諾された場合、電動車両3に関連付けられた端末4に、住宅1の位置を示す位置情報が送信される。位置情報を受信した端末4によって住宅1の位置が提示されることにより、電動車両3のユーザは住宅1へ電動車両3を移動させる。そして、電動車両3の蓄電池31と住宅1とが接続され、電動車両3から住宅1へ電力が供給される。
【0176】
したがって、電力供給可能な電動車両3が停電している住宅1に移動し、停電している住宅1に電動車両3から電力が供給されるので、停電時においても住宅1に電力を供給することができる。
【0177】
続いて、本開示の実施の形態1における端末4の動作について説明する。
【0178】
図11は、本開示の実施の形態1における端末の動作について説明するための第1のフローチャートであり、図12は、本開示の実施の形態1における端末の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0179】
まず、ステップS41において、協力依頼情報受信部411は、サーバ2によって送信された協力依頼情報を受信する。協力依頼情報は、停電している住宅1の大まかな住所と、停電している住宅1から電動車両3までの距離とを含む。
【0180】
次に、ステップS42において、協力依頼表示制御部451は、協力依頼情報受信部411によって受信された協力依頼情報に基づいて、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾するか否かを受け付ける電力供給協力依頼画面を表示部43に表示させる。
【0181】
図13は、本実施の形態1における電力供給協力依頼画面の一例を示す図である。
【0182】
表示部43は、電力供給協力依頼画面431を表示する。図13に示すように、電力供給協力依頼画面431は、電力供給の依頼があったことを通知するとともに、住宅1までの距離を通知する。また、電力供給協力依頼画面431は、住宅1への電力供給の協力依頼を受諾するか否かの入力を受け付けるための第1ボタン432及び第2ボタン433を含む。住宅1への電力供給の協力依頼を受諾する場合には、第1ボタン432がタッチされる。住宅1への電力供給の協力依頼を受諾しない場合には、第2ボタン433がタッチされる。
【0183】
図11に戻って、次に、ステップS43において、協力依頼表示制御部451は、停電した住宅1への電力供給の協力依頼が受諾されたか否かを判断する。入力部44は、電力供給協力依頼画面431において、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾するか否かのユーザによる入力を受け付ける。電動車両3のユーザは、電力供給協力依頼画面431において、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾する場合、第1ボタン432をタッチし、停電した住宅1への電力供給の協力依頼を受諾しない場合、第2ボタン433をタッチする。
【0184】
ここで、電力供給の協力依頼が受諾されなかったと判断された場合(ステップS43でNO)、ステップS44において、協力応答情報送信部412は、住宅1に電力を供給することを受諾しないことを示す協力応答情報をサーバ2へ送信する。そして、処理が終了する。
【0185】
一方、電力供給の協力依頼が受諾されたと判断された場合(ステップS43でYES)、ステップS45において、協力応答情報送信部412は、住宅1に電力を供給することを受諾することを示す協力応答情報をサーバ2へ送信する。
【0186】
次に、ステップS46において、取り消し情報表示制御部453は、サーバ2によって送信された取り消し情報を受信したか否かを判断する。取り消し情報受信部414は、サーバ2によって送信された取り消し情報を受信する。ここで、取り消し情報を受信したと判断された場合(ステップS46でYES)、ステップS47において、取り消し情報表示制御部453は、住宅1への電力供給の依頼が取り消されたことを示す取り消し画面を表示部43に表示させる。表示部43は、取り消し画面を表示する。そして、処理が終了する。
【0187】
一方、取り消し情報を受信していないと判断された場合(ステップS46でNO)、ステップS48において、電力供給場所表示制御部452は、サーバ2によって送信された住宅位置情報を受信したか否かを判断する。住宅位置情報受信部413は、サーバ2によって送信された住宅位置情報を受信する。ここで、住宅位置情報を受信していないと判断された場合(ステップS48でNO)、ステップS46に処理が戻る。
【0188】
一方、住宅位置情報を受信したと判断された場合(ステップS48でYES)、ステップS49において、電力供給場所表示制御部452は、停電した住宅1の位置及び住宅1の住人の名前を表示する電力供給場所表示画面を表示部43に表示させる。
【0189】
図14は、本実施の形態1における電力供給場所表示画面の一例を示す図である。
【0190】
表示部43は、電力供給場所表示画面434を表示する。図14に示すように、電力供給場所表示画面434は、ユーザが電力供給協力者に決定したことを通知するとともに、電動車両3が向かう住宅1の住所及び住宅1の住人の名前を通知する。また、電力供給場所表示画面434は、住宅1の周辺を示す地図画像435を含む。地図画像435は、住宅1の位置436を含む。電動車両3のユーザは、地図画像435上の住宅1の位置436を確認することにより、電動車両3が向かうべき場所を確認することができる。
【0191】
また、電力供給場所表示画面434は、電力供給協力者に決定したことを電動車両3のユーザが確認したことを通知するためのボタン437を含んでもよい。ボタン437がタッチされた場合、電力供給協力者に決定したことを電動車両3のユーザが確認したことを示す情報がサーバ2へ送信されてもよい。そして、サーバ2は、電力供給協力者に決定したことを電動車両3のユーザが確認したことを示す情報を受信した場合、車両情報を電力供給制御装置101へ送信してもよい。
【0192】
電動車両3のユーザは、端末4に表示された電力供給場所表示画面434を確認する。電動車両3のユーザは、電力供給場所表示画面434に示される住宅1へ向かって電動車両3を運転する。そして、住宅1に到着したユーザは、電動車両3の蓄電池31と、住宅1に設置された充放電装置104とを接続する。
【0193】
なお、本実施の形態1では、電動車両3はユーザによって運転されるが、本開示は特にこれに限定されず、電動車両3は自動運転車両であってもよい。この場合、端末4が、受諾することを示す協力応答情報を送信した後、電動車両3は、サーバ2から住宅1の位置を取得し、住宅1へ自動的に移動してもよい。そして、電動車両3が住宅1に到着した場合、電力供給制御装置101の表示部13は、電動車両3が住宅1に到着したことを住宅1の住人に通知してもよい。住宅1の住人は、到着した電動車両3の蓄電池31と、住宅1に設置された充放電装置104とを接続してもよい。
【0194】
次に、ステップS50において、車両接続判定部454は、電動車両3が充放電装置104に接続されたか否かを判定する。車両接続情報受信部415は、電動車両3が充放電装置104に接続されていることを示す車両接続情報を電動車両3から受信する。車両接続判定部454は、車両接続情報受信部415によって車両情報が受信された場合、電動車両3が充放電装置104に接続されたと判定する。ここで、電動車両3が充放電装置104に接続されていないと判断された場合(ステップS50でNO)、ステップS46に処理が戻る。
【0195】
一方、電動車両3が充放電装置104に接続されたと判断された場合(ステップS50でYES)、ステップS51において、取り消し情報表示制御部453は、サーバ2によって送信された取り消し情報を受信したか否かを判断する。取り消し情報受信部414は、サーバ2によって送信された取り消し情報を受信する。ここで、取り消し情報を受信したと判断された場合(ステップS51でYES)、ステップS52において、取り消し情報表示制御部453は、住宅1への電力供給の依頼が取り消されたことを示す取り消し画面を表示部43に表示させる。表示部43は、取り消し画面を表示する。そして、ステップS54に処理が移行する。
【0196】
一方、取り消し情報を受信していないと判断された場合(ステップS51でNO)、ステップS53において、協力終了受付部455は、電動車両3から住宅1への電力供給の終了がユーザにより入力されたか否かを判断する。このとき、協力終了受付部455は、電動車両3から住宅1への電力供給を終了するか否かのユーザによる選択を受け付けるための選択受付画面を表示部43に表示させる。ユーザは、表示された選択受付画面において、電動車両3から住宅1への電力供給を終了するか否かを入力する。ここで、電力供給の終了がユーザにより入力されていないと判断された場合(ステップS53でNO)、ステップS51に処理が戻る。
【0197】
一方、電力供給の終了がユーザにより入力されたと判断された場合(ステップS53でYES)、ステップS54において、協力終了情報送信部416は、電動車両3から住宅1への電力供給が終了したことを示す協力終了情報をサーバ2に送信する。
【0198】
ユーザは、表示された選択受付画面において、電動車両3から住宅1への電力供給を終了することを入力した後、電動車両3の蓄電池31と充放電装置104との接続を解除する。そして、ユーザは、電動車両3を運転して、住宅1を離れる。
【0199】
なお、電動車両3が自動運転車両である場合、サーバ2は、協力終了情報を受信すると、電力供給の終了がユーザにより入力されたことを電力供給制御装置101に通知してもよい。電力供給制御装置101は、電力供給の終了がユーザにより入力されたことを住宅1の住人に通知してもよい。住宅1の住人は、電動車両3の蓄電池31と充放電装置104との接続を解除する。蓄電池31と充放電装置104との接続が解除されると、電動車両3は、自宅へ向かって自動的に移動してもよい。
【0200】
次に、ステップS55において、インセンティブ情報受信部417は、サーバ2によって送信されたインセンティブ情報を受信する。
【0201】
次に、ステップS56において、インセンティブ情報表示制御部456は、インセンティブ情報受信部417によって受信されたインセンティブ情報を表示するインセンティブ情報表示画面を表示部43に表示させる。
【0202】
図15は、本実施の形態1におけるインセンティブ情報表示画面の一例を示す図である。
【0203】
表示部43は、インセンティブ情報表示画面438を表示する。図15に示すように、インセンティブ情報表示画面438は、ユーザに付与されるインセンティブを通知する。例えば、インセンティブは、住宅1に電力を供給した電動車両3のユーザに対して付与される所定数のポイントを含む。
【0204】
また、インセンティブ情報表示画面438は、インセンティブを電動車両3のユーザが確認したことを通知するためのボタン439を含んでもよい。ボタン439がタッチされた場合、インセンティブを電動車両3のユーザが確認したことを示す情報がサーバ2へ送信されてもよい。
【0205】
なお、図13に示す電力供給協力依頼画面431は、住宅1に電力を供給した場合に電動車両3のユーザに付与される推定インセンティブを表示してもよい。この場合、サーバ2によって送信される協力依頼情報は、住宅1に電力を供給した場合に電動車両3のユーザに付与される推定インセンティブを示すインセンティブ情報を含んでもよい。サーバ2は、停電している住宅1から電動車両3までの距離に応じて付与された過去の平均的な値を推定インセンティブとして算出してもよい。推定インセンティブの算出方法については、特に限定されない。このように、電力供給協力依頼画面431において、電動車両3のユーザに将来付与される予定のインセンティブが通知されることにより、ユーザは、住宅1に電力を供給することを受諾しやすくなる。
【0206】
続いて、本実施の形態1の変形例について説明する。上記の実施の形態1では、住宅1に電動車両が存在していないが、本実施の形態1の変形例では、住宅1に電動車両が存在している。
【0207】
図16は、本開示の実施の形態1の変形例における情報処理システムの全体構成を示す図である。
【0208】
図16に示す情報処理システムは、電力供給制御装置101A、サーバ2、第1電動車両3A、第2電動車両3B及び端末4を備える。
【0209】
電力供給制御装置101Aは、住宅1内に設置されている。住宅1内には、電力供給制御装置101Aの他に、分電盤103、充放電装置104、負荷105及び予備電池106が設置されている。
【0210】
なお、本実施の形態1の変形例において、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0211】
第1電動車両3Aは、住宅1の住人が所有する電動車両である。第1電動車両3Aは、蓄電池31を搭載しており、蓄電池31に充電された電力を電気モータへ供給することで移動する。また、第1電動車両3Aは、蓄電池31に蓄えられた電力を住宅1へ供給する。第1電動車両3Aの蓄電池31は、住宅1に設置された充放電装置104に接続される。充放電装置104は、第1電動車両3Aの蓄電池31を充電するとともに、第1電動車両3Aの蓄電池31を放電し、蓄電池31からの電力を分電盤103へ供給する。
【0212】
充放電装置104は、第1電動車両3Aの蓄電池31の電池残量を取得する。充放電装置104は、取得した電池残量を、分電盤103を介して電力供給制御装置101Aへ出力する。
【0213】
第2電動車両3Bは、住宅1とは異なる他の住宅の住人が所有する電動車両である。なお、第2電動車両3Bは、実施の形態1における電動車両3と同じ構成である。端末4は、第2電動車両3Bを所有するユーザによって所有される。
【0214】
ここで、本実施の形態1の変形例における情報処理システムの概略動作について説明する。
【0215】
住宅1が停電した場合、住宅1に設置された電力供給制御装置101Aは、電力の供給元を商用電源102から第1電動車両3Aの蓄電池31に切り替える。そして、電力供給制御装置101Aは、住宅1に電力供給中の第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を算出する。そして、電力供給制御装置101Aは、停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報をサーバ2へ送信する。このとき、供給依頼情報は、電力供給可能時間を含む。
【0216】
サーバ2は、供給依頼情報を受信すると、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられており、電力供給可能時間内に住宅1に到着可能な電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を検索する。なお、ここで検索される候補電動車両は、第2電動車両3Bである。そして、サーバ2は、検索した第2電動車両3Bに関連付けられた端末4に対し、第2電動車両3Bから住宅1への電力供給を依頼するための協力依頼情報を送信する。端末4は、協力依頼情報を受信すると、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報をサーバ2へ送信する。ここでは、受諾することを示す協力応答情報がサーバ2へ送信される。
【0217】
サーバ2は、受諾することを示す協力応答情報を受信すると、端末4に住宅1の位置を示す住宅位置情報を送信する。端末4は、住宅位置情報を受信すると、受信した住宅位置情報を第2電動車両3Bのユーザに提示する。第2電動車両3Bは、ユーザの運転により、住宅1に向かって移動する。第2電動車両3Bが住宅1に到着すると、第2電動車両3Bが住宅1に接続され、第2電動車両3Bから住宅1へ電力が供給される。これにより、停電した住宅1においても、第2電動車両3Bから供給される電力により、負荷105の利用が可能となる。
【0218】
図17は、本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の構成を示す図である。
【0219】
図17に示す電力供給制御装置101Aは、通信部12A、表示部13、入力部14、メモリ15及びプロセッサ17Aを備える。
【0220】
通信部12Aは、供給依頼情報送信部121A、車両情報受信部122、停電解消情報送信部123及び供給依頼終了情報送信部124を備える。
【0221】
プロセッサ17Aは、停電情報取得部171、依頼確認表示制御部172A、車両情報表示制御部173、停電解消情報取得部174、車両接続検出部175、電力供給制御部176及び電力供給可能時間算出部177を備える。
【0222】
電力供給可能時間算出部177は、停電情報取得部171によって停電情報が取得されると、住宅1に電力供給中の第1電動車両3Aがある場合に、電力供給中の第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を算出する。このとき、電力供給可能時間算出部177は、第1電動車両3Aの蓄電池31の電池残量と、負荷105の現在の電力消費量とを分電盤103から取得する。電力供給可能時間算出部177は、第1電動車両3Aの蓄電池31の電池残量と、負荷105の現在の電力消費量とに基づいて、電力供給可能時間を算出する。
【0223】
依頼確認表示制御部172Aは、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かをユーザに確認するための依頼確認画面を表示部13に表示させる。このとき、依頼確認画面は、電力供給可能時間を含む。
【0224】
供給依頼情報送信部121Aは、停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報(第1依頼情報)をサーバ2へ送信する。供給依頼情報は、電力供給可能時間を含む。すなわち、供給依頼情報送信部121Aは、住宅1に電力供給中の第1電動車両3Aがある場合に、電力供給中の第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間をサーバ2へ送信する。
【0225】
続いて、本実施の形態1の変形例におけるサーバ2の構成について説明する。本実施の形態1の変形例では、図3に示す実施の形態1におけるサーバ2と異なる構成について説明する。
【0226】
供給依頼情報受信部211は、複数の住宅のうちの停電した住宅1への電力供給を依頼するための供給依頼情報(第1依頼情報)を住宅1から受信する。供給依頼情報は、電力供給可能時間を含む。すなわち、供給依頼情報受信部211は、住宅1に電力供給中の第1電動車両3Aがある場合に、電力供給中の第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を住宅1から受信する。
【0227】
候補車両検索部231は、電力供給可能時間内に住宅1に到着可能な電動車両の中から候補電動車両を検索する。候補車両検索部231は、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両のそれぞれの現在位置から、住宅1までの移動時間を算出する。そして、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内である電動車両の中から、住宅1への電力供給が可能な候補電動車両を検索する。
【0228】
なお、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内であり、かつ、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。なお、充電可能な場所は、電動車両のユーザの住宅であってもよいし、住宅1の周辺の充電器が設置されている場所であってもよい。
【0229】
また、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内である電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内であり、かつ、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。
【0230】
また、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内であり、かつ、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い候補電動車両を検索してもよい。
【0231】
さらに、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が電力供給可能時間内であり、かつ、移動時間が所定時間よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、移動時間が電力供給可能時間内であり、かつ、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が所定距離よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い候補電動車両を検索してもよい。
【0232】
続いて、本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置101Aの動作について説明する。
【0233】
図18は、本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートであり、図19は、本開示の実施の形態1の変形例における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0234】
まず、ステップS61において、停電情報取得部171は、住宅1が停電したことを示す停電情報を分電盤103から取得する。
【0235】
次に、ステップS62において、電力供給制御部176は、第1電動車両3Aによる電力供給を開始するための電力供給命令を第1電動車両3Aへ出力する。電力供給命令が第1電動車両3Aに入力されると、第1電動車両3Aは、分電盤103を介して負荷105へ電力を供給する。
【0236】
なお、本実施の形態1の変形例において、電力供給制御部176は、充放電装置104に第1電動車両3Aが接続されているか否かを判断してもよい。充放電装置104に第1電動車両3Aが接続されている場合、電力供給制御部176は、第1電動車両3Aによる電力供給を開始するための電力供給命令を第1電動車両3Aへ出力してもよい。充放電装置104に第1電動車両3Aが接続されていない場合、ステップS64に処理が移行してもよい。
【0237】
次に、ステップS63において、電力供給可能時間算出部177は、電力供給中の第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を算出する。
【0238】
次に、ステップS64において、依頼確認表示制御部172Aは、停電した住宅1への電力供給を依頼するか否かを住人に確認するための依頼確認画面を表示部13に表示させる。
【0239】
図20は、本実施の形態1の変形例における依頼確認画面の一例を示す図である。
【0240】
表示部13は、依頼確認画面131Aを表示する。図20に示すように、依頼確認画面131Aは、住宅1に停電が発生したことを住人に通知する。また、依頼確認画面131Aは、第1電動車両3Aが住宅1に継続して電力供給可能な時間を示す電力供給可能時間を住人に通知する。また、依頼確認画面131Aは、他の会員に住宅1への電力供給を依頼するか否かの入力を受け付けるための第1ボタン133及び第2ボタン134を含む。他の会員とは、サーバ2のユーザDB241に予め登録されている他の住宅の住人である。住宅1への電力供給を依頼する場合には、第1ボタン133がタッチされる。住宅1への電力供給を依頼しない場合には、第2ボタン134がタッチされる。
【0241】
図18に戻って、次に、ステップS65において、依頼確認表示制御部172Aは、停電した住宅1への電力供給が依頼されたか否かを判断する。
【0242】
なお、ステップS65~ステップS70の処理は、図5に示すステップS3~ステップS8の処理と同じであるので、説明を省略する。なお、本実施の形態1の変形例においては、第2電動車両3Bが、停電した住宅1へ電力を供給する候補電動車両として検索される。
【0243】
次に、ステップS71において、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bが充放電装置104に接続されたか否かを判断する。車両接続検出部175は、第2電動車両3Bが充放電装置104に接続されたことを検出する。ここで、第2電動車両3Bが充放電装置104に接続されていないと判断された場合(ステップS71でNO)、ステップS69に処理が戻る。
【0244】
一方、第2電動車両3Bが充放電装置104に接続されたと判断された場合(ステップS71でYES)、ステップS72において、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bによる電力供給を開始するための電力供給命令を第2電動車両3Bへ出力する。電力供給命令が第2電動車両3Bに入力されると、第2電動車両3Bは、分電盤103を介して負荷105へ電力を供給する。
【0245】
なお、本実施の形態1の変形例においては、第2電動車両3Bが充放電装置104に接続されるが、本開示は特にこれに限定されず、第2電動車両3Bが第1電動車両3Aに接続されてもよい。この場合、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bが第1電動車両3Aに接続されたか否かを判断する。車両接続検出部175は、第2電動車両3Bが第1電動車両3Aに接続されたことを検出する。ここで、第2電動車両3Bが第1電動車両3Aに接続されていないと判断された場合、ステップS69に処理が戻る。一方、第2電動車両3Bが第1電動車両3Aに接続されたと判断された場合、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bによる電力供給を開始するための電力供給命令を第2電動車両3Bへ出力する。電力供給命令が第2電動車両3Bに入力されると、第2電動車両3Bは、第1電動車両3Aに電力を供給する。第1電動車両3Aは、第2電動車両3Bから供給される電力を蓄積するとともに、分電盤103を介して負荷105へ電力を供給する。
【0246】
次に、ステップS73において、停電解消情報取得部174は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報を分電盤103から取得したか否かを判断する。ここで、停電解消情報を取得していないと判断された場合(ステップS73でNO)、ステップS74において、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bが充放電装置104から切り離されたか否かを判断する。車両接続検出部175は、第2電動車両3Bが充放電装置104から切り離されたことを検出する。ここで、第2電動車両3Bが充放電装置104から切り離されていないと判断された場合(ステップS74でNO)、ステップS73に処理が戻る。
【0247】
一方、第2電動車両3Bが充放電装置104から切り離されたと判断された場合(ステップS74でYES)、ステップS75において、供給依頼終了情報送信部124は、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。このとき、停電解消情報が取得されていないので、住宅1は依然として停電している。そのため、ステップS75の処理が行われた後、ステップS62に処理が戻る。そして、ステップS62において、電力供給制御部176は、第1電動車両3Aによる電力供給を開始するための電力供給命令を第1電動車両3Aへ出力する。これにより、第1電動車両3Aによる電力供給が再度開始され、ステップS62移行の処理が行われる。
【0248】
一方、停電解消情報を取得したと判断された場合(ステップS73でYES)、ステップS76において、停電解消情報送信部123は、住宅1の停電が解消したことを示す停電解消情報をサーバ2へ送信する。
【0249】
次に、ステップS77において、電力供給制御部176は、第2電動車両3Bによる電力供給を終了するための電力供給終了命令を第2電動車両3Bへ出力する。電力供給終了命令が第2電動車両3Bに入力されると、第2電動車両3Bは、電力供給を停止する。その後、第2電動車両3Bは充放電装置104から切り離される。
【0250】
次に、ステップS78において、供給依頼終了情報送信部124は、供給依頼終了情報をサーバ2へ送信する。
【0251】
このように、停電した住宅1に電力供給中の第1電動車両3Aがある場合に、当該電力供給中の第1電動車両3Aの電池残量がなくなる前に、電力供給可能な第2電動車両3Bが到着するので、停電した住宅1に途切れることなく電力を供給することができる。
【0252】
なお、本実施の形態1の変形例においては、第1電動車両3Aの蓄電池31が充放電装置104に接続されているが、本開示は特にこれに限定されず、据え置き型の家庭用蓄電池が充放電装置104に接続されてもよい。
【0253】
(実施の形態2)
実施の形態1では、サーバは、候補電動車両を検索し、検索した候補電動車両に協力依頼情報を送信している。これに対し、実施の形態2では、サーバは、少なくとも1台の候補電動車両を検索し、検索した少なくとも1台の候補電動車両を住宅1の住人に提示するための車両提示情報を住宅1へ送信し、少なくとも1台の候補電動車両のうち、住宅1の住人によって選択された候補電動車両に協力依頼情報を送信する。
【0254】
実施の形態2における情報処理システムの構成は、図1に示す情報処理システムの電力供給制御装置101を電力供給制御装置101Bに置き換え、サーバ2をサーバ2Bに置き換えただけである。そのため、実施の形態2における情報処理システムの構成については説明を省略する。
【0255】
図21は、本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の構成を示す図である。
【0256】
図21に示す電力供給制御装置101Bは、通信部12B、表示部13、入力部14、メモリ15及びプロセッサ17Bを備える。なお、本実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0257】
通信部12Bは、供給依頼情報送信部121、車両情報受信部122、停電解消情報送信部123、供給依頼終了情報送信部124、車両提示情報受信部125及び選択車両情報送信部126を備える。
【0258】
プロセッサ17Bは、停電情報取得部171、依頼確認表示制御部172、車両情報表示制御部173、停電解消情報取得部174、車両接続検出部175、電力供給制御部176及び車両選択受付表示制御部178を備える。
【0259】
車両提示情報受信部125は、サーバ2Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するための車両提示情報を受信する。
【0260】
車両選択受付表示制御部178は、サーバ2Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するとともに、少なくとも1台の候補電動車両のうち、所望の候補電動車両の住人による選択を受け付けるための車両選択受付画面を表示部13に表示させる。
【0261】
選択車両情報送信部126は、少なくとも1台の候補電動車両のうち、住人によって選択された候補電動車両を示す選択車両情報をサーバ2Bへ送信する。
【0262】
図22は、本開示の実施の形態2におけるサーバの構成を示す図である。
【0263】
図22に示すサーバ2Bは、通信部21B、メモリ24及びプロセッサ23Bを備える。
【0264】
通信部21Bは、供給依頼情報受信部211、協力依頼情報送信部212、協力応答情報受信部213、住宅位置情報送信部214、車両情報送信部215、停電解消情報受信部216、取り消し情報送信部217、供給依頼終了情報受信部218、協力終了情報受信部219、インセンティブ情報送信部220、車両提示情報送信部221及び選択車両情報受信部222を備える。
【0265】
プロセッサ23Bは、候補車両検索部231B、協力依頼情報作成部232B、住宅位置情報作成部233、車両情報作成部234、取り消し指示部235、インセンティブ算出部236及び車両提示情報作成部237を備える。
【0266】
候補車両検索部231Bは、少なくとも1台の候補電動車両を検索する。
【0267】
候補車両検索部231Bは、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から少なくとも1台の候補電動車両を検索する。また、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。
【0268】
また、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、電池残量が、電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。
【0269】
また、候補車両検索部231は、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両又は電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が最も短い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。
【0270】
さらに、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が所定時間よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。また、候補車両検索部231は、電動車両の現在位置から住宅1までの移動距離が所定距離よりも短い電動車両の中から、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が最も多い電動車両から順に少なくとも1台の候補電動車両を検索してもよい。
【0271】
車両提示情報作成部237は、候補車両検索部231Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するための車両提示情報を作成する。
【0272】
車両提示情報送信部221は、車両提示情報を住宅1へ送信する。車両提示情報送信部221は、車両提示情報を住宅1の電力供給制御装置101Bへ送信する。
【0273】
選択車両情報受信部222は、少なくとも1台の候補電動車両のうち、住宅1の住人によって選択された候補電動車両を示す選択車両情報を住宅1から受信する。選択車両情報受信部222は、選択車両情報を住宅1の電力供給制御装置101Bから受信する。
【0274】
協力依頼情報作成部232Bは、選択車両情報受信部222によって受信された選択車両情報に示される候補電動車両に関連付けられた端末に、協力依頼情報(第2依頼情報)を送信する。
【0275】
続いて、本開示の実施の形態2における電力供給制御装置101Bの動作について説明する。
【0276】
図23は、本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の動作について説明するための第1のフローチャートであり、図24は、本開示の実施の形態2における電力供給制御装置の動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0277】
ステップS81~ステップS84の処理は、図5のステップS1~ステップS4の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0278】
次に、ステップS85において、車両提示情報受信部125は、サーバ2Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するための車両提示情報を受信する。
【0279】
次に、ステップS86において、車両選択受付表示制御部178は、サーバ2Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するとともに、少なくとも1台の候補電動車両のうち、所望の候補電動車両の住人による選択を受け付けるための車両選択受付画面を表示部13に表示させる。
【0280】
図25は、本実施の形態2における車両選択受付画面の一例を示す図である。
【0281】
表示部13は、車両選択受付画面141を表示する。図25に示すように、車両選択受付画面141は、電力供給協力者の候補が見つかったことを通知するとともに、少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を提示する。図25では、3台の候補電動車両に関する情報が提示されている。候補電動車両に関する情報は、候補電動車両が住宅1に到着するまでの所要時間、候補電動車両の供給可能電力量、候補電動車両が電力を提供した場合の電力単価、候補電動車両の滞在可能時間、及び候補電動車両のユーザに対する評価を含む。
【0282】
供給可能電力量は、候補電動車両の電池残量から、候補電動車両が現在位置から住宅1を経由して充電可能な場所に移動するために必要な移動消費電力量を減算した余剰残量を表す。電力単価は、候補電動車両のユーザによって予め設定され、サーバ2BのユーザDB241に予め記憶されている。滞在可能時間は、候補電動車両のユーザによって予め設定され、サーバ2BのユーザDB241に予め記憶されている。評価は、例えば5段階で表される。評価は、他の人が候補電動車両のユーザに対して付けた評価の平均値であり、サーバ2BのユーザDB241に記憶されている。評価は、本サービスにおける候補電動車両のユーザに対する評価であってもよいし、個人売買サービスなどの他のサービスにおける候補電動車両のユーザに対する評価であってもよい。
【0283】
なお、候補電動車両に関する情報として、所要時間、供給可能電力量、電力単価、滞在可能時間及び評価の5種類の項目が提示されているが、本開示は特にこれに限定されない。提示される項目は、5種類よりも少なくてもよく、5種類よりも多くてもよい。また、どのような項目が表示されるかについては、住宅1の住人が予め設定してもよい。
【0284】
また、住宅1の住人は、所要時間、供給可能電力量、電力単価、滞在可能時間及び評価の複数の項目に対して優先度を設定してもよい。例えば、所要時間の優先度が最も高い場合、所要時間が最も短い電動車両から順に所定数の候補電動車両が表示されてもよい。また、例えば、供給可能電力量の優先度が最も高い場合、供給可能電力量が最も多い電動車両から順に所定数の候補電動車両が表示されてもよい。
【0285】
また、車両選択受付画面141は、提示された少なくとも1台の候補電動車両の中から所望の候補電動車両を選択するためのラジオボタン142と、選択された候補電動車両のユーザに住宅1への電力供給を依頼するための第1ボタン143と、電力供給の依頼を止めるための第2ボタン144を含む。住宅1の住人は、住宅1への電力供給を依頼する場合には、提示された少なくとも1台の候補電動車両の中から所望の候補電動車両に対応するラジオボタン142をタッチし、第1ボタン143をタッチする。一方、住宅1の住人は、住宅1への電力供給の依頼を止める場合には、第2ボタン144をタッチする。なお、車両選択受付画面141において、電力供給の依頼を止めるための第2ボタン144が選択された場合、処理が終了されてもよい。
【0286】
図23に戻って、ステップS87において、選択車両情報送信部126は、少なくとも1台の候補電動車両のうち、住人によって選択された候補電動車両を示す選択車両情報をサーバ2Bへ送信する。
【0287】
次に、ステップS88において、車両選択受付表示制御部178は、車両提示情報受信部125によって車両提示情報が再度受信されたか否かを判断する。選択された候補電動車両のユーザが必ずしも電力供給の依頼を受諾するとは限らない。選択された候補電動車両のユーザが電力供給の依頼を受諾した場合、サーバ2Bは、受諾された候補電動車両の車両情報を送信する。一方、選択された候補電動車両のユーザが電力供給の依頼を受諾しなかった場合、サーバ2Bは、候補電動車両を住宅1の住人に再度選択させるための車両提示情報を再度送信する。
【0288】
ここで、車両提示情報が再度受信されたと判断された場合(ステップS88でYES)、ステップS86に処理が戻る。そして、車両選択受付画面141が再度表示され、住宅1の住人により補電動車両が再度選択される。
【0289】
一方、車両提示情報が再度受信されていないと判断された場合(ステップS88でNO)、ステップS89において、車両情報表示制御部173は、車両情報受信部122によって車両情報が受信されたか否かを判断する。ここで、車両情報が受信されていないと判断された場合(ステップS89でNO)、ステップS88に処理が戻る。
【0290】
一方、車両情報が受信されたと判断された場合(ステップS89でYES)、ステップS90において、車両情報表示制御部173は、車両情報受信部122によって受信された車両情報に基づいて、住宅1に向かって移動している電動車両3の現在位置を提示するための車両位置確認画面を表示部13に表示させる。
【0291】
なお、ステップS90~ステップS100の処理は、図5及び図6のステップS6~ステップS16の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0292】
続いて、本開示の実施の形態2におけるサーバ2Bの動作について説明する。
【0293】
図26は、本開示の実施の形態2におけるサーバの動作について説明するための第1のフローチャートであり、図27は、本開示の実施の形態2におけるサーバの動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0294】
まず、ステップS111において、供給依頼情報受信部211は、電力供給制御装置101Bによって送信された供給依頼情報を受信する。
【0295】
次に、ステップS112において、候補車両検索部231Bは、ユーザDB241を参照し、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から住宅1への電力供給が可能な少なくとも1台の候補電動車両を検索する。このとき、候補車両検索部231Bは、より多くの候補電動車両の中から所望の候補電動車両を住宅1の住人に選択させるために、複数の候補電動車両を検索することが好ましい。
【0296】
例えば、候補車両検索部231Bは、電池残量から移動消費電力量を減算した余剰残量が所定量より多い電動車両の中から、電動車両の現在位置から住宅1までの移動時間が最も短いものから順に所定数の候補電動車両を検索する。所定数は、例えば3台である。なお、候補車両検索部231Bによる複数の候補電動車両の検索方法は、上記に限定されず、実施の形態1,2において例示した種々の検索方法が適用可能である。
【0297】
また、住宅1の住人は、所要時間、供給可能電力量、電力単価、滞在可能時間及び評価の複数の項目に対して優先度を設定してもよい。例えば、所要時間の優先度が最も高い場合、候補車両検索部231Bは、所要時間(移動時間)が最も短い電動車両から順に所定数の候補電動車両を検索してもよい。また、例えば、供給可能電力量の優先度が最も高い場合、候補車両検索部231Bは、供給可能電力量が最も多い電動車両から順に所定数の候補電動車両を検索してもよい。
【0298】
次に、ステップS113において、車両提示情報作成部237は、候補車両検索部231Bによって検索された少なくとも1台の候補電動車両に関する情報を住宅1の住人に提示するための車両提示情報を作成する。
【0299】
次に、ステップS114において、車両提示情報送信部221は、車両提示情報作成部237によって作成された車両提示情報を電力供給制御装置101Bへ送信する。
【0300】
次に、ステップS115において、選択車両情報受信部222は、電力供給制御装置101Bによって送信された選択車両情報を受信する。
【0301】
次に、ステップS116において、協力依頼情報作成部232Bは、選択車両情報受信部222によって受信された選択車両情報に示される候補電動車両に関連付けられた端末4に、協力依頼情報を送信する。
【0302】
次に、ステップS117において、協力応答情報受信部213は、住宅1に電力を供給することを受諾するか否かを示す協力応答情報を端末4から受信する。
【0303】
次に、ステップS118において、住宅位置情報作成部233は、受諾することを示す協力応答情報を受信したか否かを判断する。ここで、受諾しないことを示す協力応答情報を受信したと判断された場合(ステップS118でNO)、ステップS112に処理が戻り、少なくとも1台の候補電動車両が再検索される。このとき、候補車両検索部231Bは、停電している住宅1とは異なる他の住宅に関連付けられている電動車両の中から、電力供給の依頼を受諾しなかった候補電動車両を除外し、住宅1への電力供給が可能な少なくとも1台の候補電動車両を検索する。
【0304】
一方、受諾することを示す協力応答情報を受信したと判断された場合(ステップS118でYES)、ステップS119において、住宅位置情報作成部233は、停電した住宅1の位置を示す住宅位置情報を作成する。
【0305】
なお、ステップS119~ステップS128の処理は、図9及び図10のステップS27~ステップS36の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0306】
このように、検索された少なくとも1台の候補電動車両のうち、住宅1の住人によって選択された候補電動車両に関連付けられた端末に、協力依頼情報が送信されるので、住宅1の住人が所望する候補電動車両を住宅1へ向かわせることができる。
【0307】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。また、プログラムを記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラムをネットワークを経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムによりプログラムが実施されてもよい。
【0308】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0309】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0310】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0311】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0312】
本開示に係る技術は、停電時においても住宅に電力を供給することができるので、電動車両による住宅への電力供給を管理する技術に有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27