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特許7743596耐震性能および制御棒価値が向上した核燃料集合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-12
(45)【発行日】2025-09-24
(54)【発明の名称】耐震性能および制御棒価値が向上した核燃料集合体
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/328 20060101AFI20250916BHJP
   G21C 3/326 20060101ALI20250916BHJP
【FI】
G21C3/328
G21C3/326 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024225303
(22)【出願日】2024-12-20
(65)【公開番号】P2025106162
(43)【公開日】2025-07-14
【審査請求日】2024-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2024-0000467
(32)【優先日】2024-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516343608
【氏名又は名称】ケプコ ニュークリア フューエル カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】242,Daedeok-daero 989beon-gil Yuseong-gu Daejeon 34057,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ジュ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ドン グン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョンホン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,デ ウン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ハク イン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジュ ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】ナム,チェ ヨン
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-014731(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0039748(KR,A)
【文献】特表2005-532572(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0139653(US,A1)
【文献】特許第5642079(JP,B2)
【文献】特開平9-264983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 3/328
G21C 3/326
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
17×17の格子セルが設けられる支持格子と、前記支持格子の格子セル内に配置される複数の燃料棒と、前記支持格子の格子セル内に配置されて固定される案内管と、前記案内管の上端と下端にそれぞれ固定される上端固定体および下端固定体とを含む核燃料集合体において、
前記案内管は、前記支持格子の中心セルを基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されることを特徴とする、核燃料集合体。
【請求項2】
前記案内管は、主軸方向に(6,0)、(3,0)、(-3,0)、(-6,0)、(0,6)、(0,3)、(0,-3)、および(0,-6)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)ことを特徴とする、請求項1に記載の核燃料集合体。
【請求項3】
前記案内管は、対角方向に(5,5)、(-5,-5)、(-5,5)、および(5,-5)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)ことを特徴とする、請求項1に記載の核燃料集合体。
【請求項4】
前記案内管は、非対角方向に(6,3)、(4,2)、(-4,-2)、(-6,-3)、(-6,3)、(-4,2)、(4,-2)、(6,-3)、(3,6)、(2,4)、(-2,-4)、(-3,-6)、(-3,6)、(-2,4)、(2,-4)、および(3,-6)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)ことを特徴とするm、請求項1に記載の核燃料集合体。
【請求項5】
17×17の格子セルが設けられる支持格子と、前記支持格子の格子セル内に固定されて案内管と組み立てられるスリーブとを含む支持格子アセンブリにおいて、
前記スリーブは、前記支持格子の中心セルを基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されることを特徴とする、支持格子アセンブリ。
【請求項6】
前記スリーブは、主軸方向に(6,0)、(3,0)、(-3,0)、(-6,0)、(0,6)、(0,3)、(0,-3)、および(0,-6)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)ことを特徴とする、請求項5に記載の支持格子アセンブリ。
【請求項7】
前記スリーブは、対角方向に(5,5)、(-5,-5)、(-5,5)、および(5,-5)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)ことを特徴とする請求項5に記載の支持格子アセンブリ。
【請求項8】
前記スリーブは、非対角方向に(6,3)、(4,2)、(-4,-2)、(-6,-3)、(-6,3)、(-4,2)、(4,-2)、(6,-3)、(3,6)、(2,4)、(-2,-4)、(-3,-6)、(-3,6)、(-2,4)、(2,-4)、および(3,-6)に配置される(ただし、(x,y)において、xは中心セル(0,0)の水平方向の格子セルの位置、yは中心セル(0,0)の垂直方向の格子セルの位置を表す。)特徴とする、請求項5に記載の支持格子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型モジュール原子炉(Small Modular Reactor:SMR)に適した核燃料集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な軽水炉型原子炉の炉心は多数の核燃料集合体を含み、各核燃料集合体は多数の長い燃料棒と、制御棒の動作時に制御棒を案内するために用いられる管形態の多数の案内管とを含む。案内管は、核燃料集合体の上端固定体および下端固定体に固定されて核燃料集合体の骨格体を構成する。
【0003】
制御棒は、分裂過程で発生した中性子を吸収する物質を含み、従来はホウ素カーバイド(B4C)、ハフニウム(Hf)または銀-インジウム-カドミウム(Ag-In-Cd)のような高い中性子捕獲断面積を持つ物質が使用されてきた。
【0004】
韓国内の原子力発電所のモデルであるAPR1400を含む一般的な軽水炉型原子炉の核燃料集合体は、炉心内部で制御棒の位置であるか非制御棒の位置であるかに関わらず同一であり、全ての核燃料集合体は案内される制御棒が存在しない炉心位置で使用されても案内管を備え、該案内管は核燃料集合体を一つの骨格体として構成するために用いられる。
【0005】
典型的な核燃料集合体は、17×17のnで構成され、合計289個の格子セルを備え、これらのうち264個の格子セルには燃料棒が配置され、24個の格子セルには案内管が配置され、残りの1個の格子セルは支持格子の中央に配置されて計測管が配置される。
【0006】
一方、このような従来の原子炉の大きさと出力を画期的に減らしたSMRの開発が行われつつあり、理論的に規模が小さいため出力の調節と原子炉の冷却が容易であるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許公告第10-1994-0003796号公報(公告日:1994.05.03)
【文献】韓国特許公告第10-1992-0007739号(公告日:1992.09.16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、小型モジュール原子炉(SMR)に適した核燃料集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための本発明による核燃料集合体は、17×17の格子セルが設けられる支持格子と、前記支持格子の格子セル内に配置される複数の燃料棒と、前記支持格子の格子セル内に配置されて固定される案内管と、前記案内管の上端と下端にそれぞれ固定される上端固定体および下端固定体とを含む核燃料集合体において、前記案内管は、前記支持格子の中心セルを基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記案内管は、主軸方向に(6,0)、(3,0)、(-3,0)、(-6,0)、(0,6)、(0,3)、(0,-3)、および(0,-6)に配置される。
【0011】
好ましくは、前記案内管は対角方向に(5,5)、(-5,-5)、(-5,5)、および(5,-5)に配置される。
【0012】
好ましくは、前記案内管は、非対角方向に(6,3)、(4,2)、(-4,-2)、(-6,-3)、(-6,3)、(-4,2)、(4,-2)、(6,-3)、(3,6)、(2,4)、(-2,-4)、(-3,-6)、(-3,6)、(-2,4)、(2,-4)、および(3,-6)に配置される。
【0013】
次に、本発明による支持格子アセンブリは、17×17の格子セルが設けられる支持格子と、前記支持格子の格子セル内に固定されて案内管と組み立てられるスリーブとを含む支持格子アセンブリにおいて、前記スリーブは、前記支持格子の中心セルを基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記スリーブは、主軸方向に(6,0)、(3,0)、(-3,0)、(-6,0)、(0,6)、(0,3)、(0,-3)、および(0,-6)に配置される。
【0015】
好ましくは、前記スリーブは対角方向に(5,5)、(-5,-5)、(-5,5)、および(5,-5)に配置される。
【0016】
好ましくは、前記スリーブは、非対角方向に(6,3)、(4,2)、(-4,-2)、(-6,-3)、(-6,3)、(-4,2)、(4,-2)、(6,-3)、(3,6)、(2,4)、(-2,-4)、(-3,-6)、(-3,6)、(-2,4)、(2,-4)、および(3,-6)に配置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明による核燃料集合体は、17×17の格子セルが設けられる支持格子と、前記支持格子の格子セル内に配置される複数の燃料棒と、前記支持格子の格子セル内に配置されて固定される案内管と、前記案内管の上端と下端にそれぞれ固定される上端固定体および下端固定体とを含む核燃料集合体において、前記案内管は、前記支持格子の中心セルを基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されて合計28個の案内管が設けられることを特徴とし、以下のように制御棒価値(Control rod worth)の向上と耐震性能を向上させることができるという効果がある。
【0018】
1)無ホウ素炉心運転のための制御棒価値の改善
通常の商用の加圧水型原子炉は、ほとんどの期間において制御棒の完全引き抜き状態で運転され、余剰反応度は水溶性ホウ素および可燃性吸収棒によって制御される。これに対し、最近の小型モジュール原子炉の開発は、無ホウ素炉心を最上位要件として選定して進められており、これによって、運転サイクル初期から制御棒の挿入が必要である。既存の商用炉で水溶性ホウ素及び可燃性吸収棒で制御されていた余剰反応度がSMR炉心では濃縮Gd可燃性吸収棒のみで制御することができ、残りの余剰反応度(1000pcm以下)は、調節制御棒が挿入されることで臨界(keff=1.0)状態に制御されることができる。したがって、本発明は制御棒価値の向上を通じて未臨界度の要件を満たす。
【0019】
2)耐震性能(Seismic performance)の向上
本発明は、上端固定体および下端固定体に固定される案内管の数を増加させることで核燃料集合体の骨格体の曲げ剛性が増加し、固有振動数が高くなることに伴い、同じエネルギーレベルで核燃料集合体が移動する変位が小さくなり、また発生する荷重が減少して耐震性能が強化されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による核燃料集合体の正面図である。
図2】本発明の実施形態による支持格子アセンブリの燃料棒の配置パターンを示す平面図である。
図3】本発明の実施形態による制御棒アセンブリの平面図である。
図4】制御棒24ピン基準ARIおよびN-1条件下の未臨界度評価結果を示すグラフであって、最大の制御棒価値を有する1つの制御棒を除く(N-1)全ての制御棒挿入条件下の評価結果を示す図である。
図5】制御棒28ピン基準ARIおよびN-1条件下の未臨界度評価結果を示すグラフであって、最大の制御棒価値を有する1つの制御棒を除く(N-1)全ての制御棒挿入条件下の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態により提示される特定の構造または機能的説明は、単に本発明の概念による実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の概念による実施形態は様々な形態で実施できる。また、本明細書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更物、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0022】
一方、本明細書で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現をも含む。本明細書における「含む」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または追加可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
図1は本発明の実施形態による支持格子アセンブリの正面図であって、燃料棒は省略されている。
【0025】
図1を参照すると、本実施形態の核燃料集合体100は、支持格子110と、支持格子110の格子セル(lattice cell)内に配置されて固定される案内管130と、案内管130の上端と下端にそれぞれ固定される上端固定体140および下端固定体150とを含み、燃料棒は支持格子110に支持されて軸方向に案内管130と平行に配置される。
【0026】
上端固定体140は、核燃料集合体の軸方向の動きに対する押圧力を提供するためにコイルばねまたは板ばねが設けられてもよく、下端固定体150は、冷却水が流入するノズルが設けられていてもよい。
【0027】
支持格子110は、多数の格子板(strap)が水平方向と垂直方向に組み立てられて格子(lattice)形状を有するように組み立てられ、格子板で区画された各正方形の格子セル(lattice cell)の内部には1つの燃料棒または案内管が配置される。
【0028】
支持格子110は、燃料棒が挿入される格子セル内にディンプルと格子ばねが設けられて燃料棒を弾性支持し、案内管130が挿入される格子セル内にはスリーブ111を介して固定されることができる。一方、図1では支持格子110はスリーブ111が設けられて案内管130と組み立てられることを例示しているが、支持格子110と案内管130が直接溶接によって固定されてもよい。このような支持格子110は、通常板金加工及び溶接工程によって作製されるが、周知の金属3Dプリンティング装置を用いて作製してもよく、特定の製造方式に限定されない。
【0029】
好ましくは、支持格子110は、17×17の格子セルが設けられ、案内管130は、支持格子110の格子セルのうち特有の位置に配置されて合計28個で構成されることを特徴とし、次にそれに対する実施形態を具体的に説明する。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による支持格子アセンブリの燃料棒の配置パターンを示す平面図であって、理解を助けるために、支持格子110の水平方向をx軸とし、垂直方向をy軸として特定の格子セルの位置を(x,y)の2軸座標系で表示し、中心セルの座標は(0,0)で表示する。図2では、
【数1】
は-1を表したものである。
【0031】
図2を参照すると、支持格子110は、17×17の格子セルで構成され、中心セル(0,0)には計測管が位置し、合計28個の案内管が特定の位置に配置され、残りの格子セル内には燃料棒120が配置されるが、図2では燃料棒は省略されている。
【0032】
本発明を説明するあたり、主軸方向(principal axis direction)は、中心セル(0,0)を基準として支持格子110の水平方向(Ixx)と垂直方向(Iyy)を意味し、対角方向(on-diagonal direction)は、45°(135°)の対角線方向(Ixy)を意味し、非対角方向(off-diagonal direction)は45°以外の対角線方向(Ixxy)(Ixyy)を意味する。主軸方向、対角方向および非対角方向は正(+)の方向と負(-)の方向の両方ともを含む。
【0033】
好ましくは、案内管は支持格子110の中心セル(0,0)を基準として主軸方向(Ixx)(Iyy)に8個が配置され、対角方向(Ixy)に4個が配置され、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)に16個が配置されて、合計28個の案内管が支持格子110に設けられる。一方、前述したように支持格子の各案内管の配置位置は、案内管が直接固定されてもよく、またはスリーブが設けられてスリーブを介して案内管が固定されてもよい。
【0034】
好ましくは、非対角方向(Ixxy)(Ixyy)は対角方向(Ixy)を基準として等角(equal angle)(θ)で配置されて、x軸に偏向した第1非対角方向(Ixxy)とy軸に偏向した第2非対角方向(Ixyy)とを含む。本実施形態では第1非対角方向(Ixxy)と第2非対角方向(Ixyy)はそれぞれ対角方向(Ixy)と18°の夾角(θ)を持つ。
【0035】
好ましくは、案内管は、水平方向(Ixx)に(6,0)、(3,0)、(-3,0)、(-6,0)に配置され、垂直方向(Iyy)に(0,6)、(0,3)、(0,-3)、(0,-6)に配置される。
【0036】
好ましくは、案内管は、対角方向(Ixy)に(5,5)、(-5,-5)、(-5,5)、(5,-5)に配置される。
【0037】
好ましくは、案内管は、第1非対角方向(Ixxy)に{(6,3)、(4,2)、(-4,-2)、(-6,-3)}、{(-6,3)、(-4,2)、(4,-2)、(6,-3)}に配置され、第2非対角方向(Ixyy)に{(3,6)、(2,4)、(-2,-4)、(-3,-6)}、{(-3,6)、(-2,4)、(2,-4)、(3,-6)}に配置される。
【0038】
図3は、本発明の実施形態による制御棒アセンブリの平面図である。
【0039】
図3に示されているように、本発明の実施形態による制御棒アセンブリ200は、円筒状のスパイダーボディ210と、スパイダーボディ210から放射状に延びた複数のスパイダーベーン220と、スパイダーベーン220に設けられて案内管を固定させるスパイダーフィンガー230とを含み、各スパイダーフィンガー230は、前述した28個の案内管と対応して制御棒210が組み立てられる。
【0040】
このように、本発明は17×17の格子セルを持つ支持格子で特有の位置に28個の制御棒が挿入できるので、無ホウ素運転と耐震性能を向上させることができる。
【0041】
具体的に、核燃料集合体の設計観点から、17×17の格子セルの支持格子の核燃料集合体に28個の制御棒を適用することで制御棒価値(control rod worth)が17%増加し、核燃料装荷量が1.5%減少し、耐震性能が向上するという効果があることを確認した。また、従来の24ピン制御棒を採用した核燃料集合体と比較して反応度が相対的に高く、炉心の運転サイクル長も増加することが確認された。
【0042】
また、制御棒24ピン基準の未臨界度評価結果では、実効増倍係数(keff)は、ARI条件で0.95以下、N-1条件で0.99以下と評価され、余裕がほとんどない水準で未臨界度条件が満たされると評価された(図4参照)。保守的な条件下で制御棒28ピン基準の未臨界度評価結果は、実効増倍係数(keff)がN-1条件で0.98と余裕がさらに確保されたと評価され(図5参照)、したがって、停止余裕度の安全性はさらに強化され、制御棒24ピンに比べて上部搭載型炉内計測器(Top-Mounted In-Core Instrumentation Nozzle:TM-ICI)または制御棒アセンブリのための4つの空間を確保することができる。
【0043】
次に、機械設計の観点から、制御棒28ピンは無ホウ素運転に関連して制御棒価値を増加させるためのもので、TM-ICIの収容と制御棒の挿入/引き抜きが容易であるというな効果がある。従来の原子力発電所では冷却水に毒物質であるホウ素を希釈して炉心反応度を調整したが、これは核燃料だけでなく炉心の主要機器にクラッド(crud)沈着という悪影響を引き起こすおそれがあり、本発明は小型モジュール原子炉の無ホウ素運転のために制御棒のみによる炉心反応度の調節が求められ、よって、本発明は制御棒価値が既存に比べて増加して無ホウ素運転に効果的である。
【0044】
また、本発明は、上端固定体および下端固定体に固定される案内管の数を増やすことで核燃料集合体の骨格体の機械的特性を強化することができる。
【0045】
以上述べた本発明は、前述の実施形態および添付の図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0046】
100 核燃料集合体
110 支持格子
111 スリーブ
120 燃料棒
130 案内管
140 上端固定体
150 下端固定体
図1
図2
図3
図4
図5