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特許7743657システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-12
(45)【発行日】2025-09-24
(54)【発明の名称】システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20250916BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20250916BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20250916BHJP
【FI】
G06K19/06 103
G06K1/12 A
G06Q20/32 300
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2025042799
(22)【出願日】2025-03-17
【審査請求日】2025-03-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東海林 勝進
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特許第6542455(JP,B1)
【文献】特表2014-526109(JP,A)
【文献】特開2006-302050(JP,A)
【文献】特開2007-304574(JP,A)
【文献】特許第7136978(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2024/0060235(US,A1)
【文献】特表2019-500670(JP,A)
【文献】特開2021-022283(JP,A)
【文献】特開2017-102886(JP,A)
【文献】特開2024-140587(JP,A)
【文献】特表2008-511059(JP,A)
【文献】特許第7372493(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
G06K 1/12
G06Q 20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済サービスを提供する決済サーバと、前記決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する前記端末装置とを含むシステムであって、
前記決済サーバは、
前記端末装置からの2次元コード画像の要求に含まれる情報であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を取得する第1取得部と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像である装飾コード画像を生成する生成部と、
を有し、
前記端末装置は、前記2次元コード画像の要求に応じて前記決済サーバから送信される前記装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御部を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記設定情報は、前記店舗のジャンルを示すジャンル情報、季節を示す季節情報、および前記店舗の位置を示す位置情報のうち少なくとも1つを含み、
前記生成部は、前記ジャンル情報、前記季節情報、および前記位置情報のうち少なくとも1つの情報が示す装飾を施した前記装飾コード画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記決済サーバは、前記店舗が属する加盟店に関する情報および前記店舗に関する情報を有し、
前記生成部は、前記識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記加盟店が提供する商品またはサービスを表す装飾、または前記店舗が位置する地域を表す装飾を施した前記装飾コード画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記生成部は、
前記装飾の構成を決定するためパラメータであるシード値であってランダムな値の前記シード値をさらに生成し、
前記シード値および前記設定情報に基づく装飾を施した前記装飾コード画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記表示制御部は、
既に表示されている前記装飾コード画像である第1装飾コード画像を、前記第1装飾コード画像とは異なる前記装飾コード画像である第2装飾コード画像に更新すること受け付けるアイテムを前記表示部にさらに表示する制御を行い、
前記アイテムに対する操作に応じて前記第1装飾コード画像を前記第2装飾コード画像に更新して表示する制御を行うことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2装飾コード画像に対応する前記2次元コード画像のコードパターンは、前記第1装飾コード画像に対応する前記2次元コード画像のコードパターンと同じであり、
前記第2装飾コード画像の装飾は、前記第1装飾コード画像の装飾と異なることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記装飾は、前記2次元コード画像のコードパターンの一部の輪郭の形状を変更すること、前記一部の色を変更すること、および前記一部の明度を変更することの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末装置と通信可能に接続されたプリンタを含み、
前記端末装置は、前記表示部に表示している前記装飾コード画像の印刷指示を前記プリンタに送信する送信部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記装飾コード画像は、前記決済サービスを利用するユーザの決済に用いられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
決済サービスを提供する決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する前記端末装置が実行するプログラムであって、
前記端末装置を、
2次元コード画像の要求であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を含む要求を前記決済サーバに送信する送信部と、
前記店舗を識別するための識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像であって前記決済サーバで生成された前記2次元コード画像である装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御部と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
決済サービスを提供する決済サーバであって店舗の店員が利用する端末装置と通信可能に接続された前記決済サーバであって、
前記端末装置からの2次元コード画像の要求に含まれる情報であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を取得する第1取得部と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像である装飾コード画像を生成する生成部と、
前記2次元コード画像の要求に応じて前記装飾コード画像を前記端末装置に送信する送信部と
を有することを特徴とする決済サーバ。
【請求項12】
決済サービスを提供する決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する前記端末装置の制御方法であって、
2次元コード画像の要求であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を含む前記要求を前記決済サーバに送信する送信工程と、
前記店舗を識別するための識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像であって前記決済サーバで生成された前記2次元コード画像である装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
決済サービスを提供する決済サーバであって店舗の店員が利用する端末装置と通信可能に接続された前記決済サーバの制御方法であって
前記端末装置からの2次元コード画像の要求に含まれる情報であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を取得する第1取得工程と、
前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得工程と、
前記識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像である装飾コード画像を生成する生成工程と、
前記2次元コード画像の要求に応じて前記装飾コード画像を前記端末装置に送信する送信工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
決済サービスを提供する決済サーバと、店舗での決済における前記決済サービスの提供を受けるユーザが利用するユーザ端末とを含むシステムにおける前記決済サービスに利用される2次元コード画像が印刷された印刷物であって、
前記店舗を識別するための識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記店舗のジャンルを示す文字列、季節を示す文字列、および前記店舗の位置を示す文字列のうち少なくとも1つの文字列に基づいて装飾が施された前記2次元コード画像である装飾コード画像が印刷された印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、興趣性の観点から、画像に装飾を施す技術が知られている。特許文献1には、1次元コード画像の周辺に、ユーザにより選択されたデザインの画像を表示することで、当該1次元コード画像の周辺をあしらう方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020―170442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コード画像を用いた決済における店舗の店員およびユーザの興趣性を向上させる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るシステムは、決済サービスを提供する決済サーバと、前記決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する前記端末装置とを含むシステムであって、前記決済サーバは、前記端末装置からの2次元コード画像の要求に含まれる情報であって前記2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を取得する第1取得部と、前記店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、前記識別情報が符号化された前記2次元コード画像であり、かつ、前記設定情報が示す装飾を施した前記2次元コード画像である装飾コード画像を生成する生成部と、を有し、前記端末装置は、前記2次元コード画像の要求に応じて前記決済サーバから送信される前記装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、コード画像を用いた決済における店舗の店員およびユーザの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】システムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。
図2】管理画面のホーム画面の一例を示す図である。
図3】設定項目表示画面の一例を示す図である。
図4】2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。
図5】2次元コード画像の表示画面の一例を示す図である。
図6】装飾コード画像と、当該装飾コード画像に対応する2次元コード画像設定情報との一例を示す図である。
図7】装飾コード画像の装飾例を示す図である。
図8】装飾コード画像の装飾例を示す図である。
図9】システムの構成の一例を示す図である。
図10】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11】店舗端末のソフトウェアの構成の一例を示す図である。
図12】決済サーバの機能の構成の一例を示す図である。
図13】ユーザDBおよび店舗DBのそれぞれに保存されている情報の一例を示す図である。
図14】店舗端末、決済サーバおよびユーザ端末の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図15】店舗端末の処理の一例を示すフローチャートである。
図16】決済サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
図17】2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。
図18】2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。
図19】予め設定されたテキストプロンプトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示に係るシステム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物の好適な実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本開示に係るシステム、プログラム、決済サーバ、端末装置の制御方法、決済サーバの制御方法、および印刷物が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
近年、高い利便性からコード画像を用いた決済が普及しつつある。例えば、端末装置に表示したコード画像を店舗端末で読み取ることで決済を行ったり、店舗に配置されたコード画像をユーザ端末で読み取ることで決済を行ったりすることができる。決済の際に用いられるコード画像の種類として、1次元コード画像および2次元コード画像などが挙げられる。また、興趣性の観点から、このようなコード画像について装飾を施す技術が知られている。
【0010】
例えば、1次元コード画像の周辺に、ユーザにより選択されたデザインの画像を表示することで、当該1次元コード画像の周辺をあしらう方法が知られている。しかしながら、コード画像自体に装飾を施すことは、コード画像の可読性の観点から困難な場合があるため、後述するユーザスキャン手順による決済においてコード画像に装飾したいという店舗の店員のニーズに対応することが難しい。QR(Quick Response)コード(登録商標)などの2次元コード画像については、歪みまたは破損などに起因する欠陥がコード画像に生じてもその可読性を確保することができるため、コード画像に装飾を施すことが困難ではないことが想定される。
【0011】
ところで、人の手ではなく、画像生成AIにより画像を生成する技術が知られている。例えば、テキストを入力することで、入力されたテキストが示す要素を含む画像を出力可能な学習済みのAIモデル(例えば、Diffusion Model)が存在する。具体的には、テキストとして「猫」および「少女」を入力すると、学習済みのAIモデルは、少女が猫を抱いている光景を描写した画像を生成し、出力することができる。このように、学習済みのAIモデルに対してテキストを入力することでユーザの希望する画像を出力するシステムは、安定拡散(Stable Diffusion)と呼ばれる。
【0012】
本開示は、店舗での決済に用いられる2次元コード画像に安定拡散を応用して、当該コード画像を装飾することで、決済用の2次元コード画像に装飾したいという店舗の店員のニーズに対応することができる。また、決済の際に、装飾された2次元コード画像を見る楽しみをユーザに提供することができる。これにより、コード画像を用いた決済における店舗の店員およびユーザの興趣性を向上させることができる。
【0013】
<<第1の実施形態>>
図1は、本実施形態におけるシステムの構成および各装置の処理の内容の一例を示す図である。本システム100は、店舗端末101、決済サーバ102、およびユーザ端末103を有する。
【0014】
(店舗端末について)
店舗端末101は、店舗の店員が利用する端末装置である。本実施形態における店舗端末101は、携帯可能なタブレット端末であることを例に挙げて説明する。なお、店舗端末101は、ノート型PC、デスクトップ型PC、店舗に備え付けられた情報処理装置であってスキャン機能を有する情報処理装置、またはスマートフォンなどであってもよい。
【0015】
店舗端末101は、管理アプリケーションを有する。管理アプリケーションは、管理画面を提供することが可能である。管理画面は、店舗での取引額などを閲覧可能な画面である。管理画面は、決済サーバ102により提供されてもよいし、決済サーバ102とは異なる外部サーバ(例えば、決済サーバ102と連携して稼働するサーバ)により提供されてもよい。なお、店舗端末101は、一般的なWebブラウザにより、管理画面を表示してもよい。本開示において、店舗端末101は、管理アプリケーションにより管理画面を表示することを例に挙げて説明する。
【0016】
図2は、管理画面のホーム画面の一例を示す図である。図2に示すホーム画面200は、メニュー表示領域210、店舗表示領域220、取引額表示領域230、および累計取引額表示領域240を有する。また、ホーム画面200には、2次元コード画像の表示画面に画面を切り替えること受け付ける受取ボタン250が設けられている。なお、店舗端末101の表示部に表示される操作子(例えば、ボタンまたはチェックボックスなど)であって所定の指示を受け付ける操作子をアイテムと表現することがある。
【0017】
メニュー表示領域210には、ホームバー211、プロフィールバー212、および設定バー213などが設けられている。ホームバー211が押下されると、ホーム画面200に画面が切り替わる。プロフィールバー212が押下されると、加盟店に関する情報および店舗に関する情報などを設定可能なプロフィール画面(不図示)に画面が切り替わる。店舗に関する情報とは、例えば、店舗のジャンルに関する情報、店舗の住所、店舗での決済方法の種類、および店舗とサービス事業者との契約内容などである。設定バー213が押下されると、後述する設定項目表示画面に画面が切り替わる。
【0018】
店舗表示領域220には、加盟店の名称と、その加盟店に属する店舗の名称とが表示されている。また、店舗表示領域220には、店舗を選択可能な選択タブ221が設けられている。選択タブ221が押下されると、例えば、〇×駅前店または△〇町店などの店舗名の一覧がプルダウン表示される。店舗の店員が、表示された店舗名の中から自身の属する店舗を選択することで、選択された店舗に紐づいた画面にホーム画面200が切り替わる。
【0019】
取引額表示領域230には、店舗表示領域220に表示された店舗の今日の取引額が表示されている。なお、取引額表示領域230には、取引ごとの取引額が表示されてもよい。累計取引額表示領域240には、店舗表示領域220に表示された店舗の累計の取引額が表示されている。なお、累計取引額表示領域240には、日ごと、月ごと、あるいは年ごとの取引の累計額が表示されてもよい。
【0020】
店舗の店員は、店舗に関する情報を変更したい場合、設定バー213を押下する。設定バー213の押下により、ホーム画面200が図3に示すような設定項目表示画面に切り替わる。図3は、店舗に関する情報の中のうち設定可能な情報の設定項目を表示する設定項目表示画面の一例を示す図である。図3に示す設定項目表示画面300は、ショートカット項目表示領域310、ブランドプロフィール設定項目320、店舗プロフィール設定項目330、および2次元コード画像設定項目340を有する。
【0021】
ショートカット項目表示領域310には、「メールアドレス変更」および「銀行口座変更」などが表示されている。例えば、「メールアドレス変更」が押下されると、設定項目表示画面300に表示されている設定項目の1つである「マイプロフィール」を押下しなくても、「マイプロフィール」に設定されているメールアドレスを変更可能な画面(不図示)に切り替えることができる。
【0022】
ブランドプロフィール設定項目320が押下されると、加盟店(例えば、〇〇コーヒーまたは△×百貨店などブランド)に関する情報を設定可能な画面(不図示)に切り替えることができる。店舗プロフィール設定項目330が押下されると、店舗表示領域220に表示された店舗に関する情報を設定可能な画面(不図示)に切り替えることができる。2次元コード画像設定項目340が押下されると、例えば図4に示すように、決済に用いられる2次元コード画像を生成するために用いられる情報などを設定可能な2次元コード画像設定画面に切り替えることができる。
【0023】
図4は、装飾された2次元コード画像(以降、装飾コード画像と称する)の生成のために用いられる情報を設定可能な2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。2次元コード画像設定画面400には、店舗ジャンル入力領域401および季節情報入力領域402が表示されている。これらの入力領域には、2次元コード画像の装飾の要素を示す文字列を入力することができる。
【0024】
店舗ジャンル入力領域401には、店舗のジャンルを示す文字列などを入力可能である。店舗のジャンルとは、店舗で販売している商品の種類、店舗で提供しているサービスの種類、またはこれらの商品またはサービスの分野などである。例えば、店舗のジャンルとして、コーヒー、カレー、花、洋服、バッグ、美容、金融、または教育などが挙げられる。なお、ここで示した文字列は一例であって、その他の文字列が装飾の要素として設定可能であることは言うまでもない。日本語に限らず、英語およびその他の言語で装飾の要素を設定することが可能である。
【0025】
また、店舗ジャンル入力領域401の右側に設けられた参照ボタンを店舗の店員が押下することで、管理アプリケーションは、図3に示す店舗プロフィール設定項目330から遷移することができる画面で設定されている店舗のカテゴリ情報から店舗のジャンルを取得する。そして、管理アプリケーションは、取得した店舗のジャンルを店舗ジャンル入力領域401上に反映することができる。例えば、店舗のカテゴリ情報として「カフェ」が設定されている場合、店舗ジャンル入力領域401の参照ボタンが押下されると、店舗ジャンル入力領域401に「カフェ」が自動で入力される。
【0026】
季節情報入力領域402には、季節を示す文字列などを入力可能である。季節情報入力領域402には季節を示す情報として、春、夏、秋、および冬に限らず、正月、節分、七五三、七夕、月見、紅葉、および運動会など季節に関連した文字列が入力されてもよい。なお、ここで示した文字列は一例であって、その他の文字列が装飾の要素として設定可能であることは言うまでもない。日本語に限らず、英語およびその他の言語で装飾の要素を設定することが可能である。
【0027】
また、季節情報入力領域402の右側に設けられた参照ボタンを店舗の店員が押下することで、管理アプリケーションは、カレンダー情報を取得し、取得した日時に関連した季節情報を取得する。そして、管理アプリケーションは、取得した季節情報を季節情報入力領域402上に反映することができる。例えば、1月1日に季節情報入力領域402の参照ボタンが押下されると、季節情報入力領域402に「正月」が自動で入力される。なお、カレンダー情報およびこれに関連した季節情報は、管理アプリケーションの内部プログラムに記述または管理アプリケーションの外部ファイルに保存されていてもよい。また、カレンダー情報およびこれに関連した季節情報は、外部装置(例えば、サーバなど)が有していてもよい。
【0028】
このように、店舗の店員は、店舗ジャンル入力領域401および季節情報入力領域402のそれぞれの入力領域に任意の文字列を入力することができる。また、店舗の店員は、店舗ジャンル入力領域401および季節情報入力領域402のそれぞれの参照ボタンを押下することで、それぞれの入力領域に対応する文字列を自動で入力することができる。
【0029】
図4に示す店舗ジャンル入力領域401および季節情報入力領域402に入力された文字列は、装飾コード画像の生成の際に、2次元コード画像の装飾の要素を示すテキストプロンプトとして用いられる。以降、これらの入力領域に入力された文字列を、2次元コード画像設定情報と称する。
【0030】
2次元コード画像設定画面400には、OKボタン403およびキャンセルボタン404が設けられている。OKボタン403は、2次元コード画像設定画面400で設定した内容を反映することを受け付けるボタンである。OKボタン403が押下されると、2次元コード画像設定画面400で設定した内容が店舗端末101のRAMまたは記憶装置に格納される。キャンセルボタン404は、2次元コード画像設定画面400で設定した内容を反映しないことを受け付けるボタンである。
【0031】
ここで、後述する画像生成システムによる装飾コード画像の生成には、テキストプロンプトである2次元コード画像設定情報に加えて、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値などが用いられることを例に挙げて説明する。以下に、これらについて説明する。
【0032】
ネガティブテキストプロンプトとは、2次元コード画像の装飾の要素として除外したい要素を示す文字列である。例えば、除外したい要素として、「窓」、「足を組んでいる」、および「昼」などが挙げられる。このように、ネガティブテキストプロンプトとして、除外したいもの、除外したい状態、または除外したい時間帯などを示す文字列が適用可能である。
【0033】
また、除外したい要素として、「ugly(醜い)」、「low quality(低い品質)」、および「blurry(ぼやけた)」などが挙げられる。このように、ネガティブテキストプロンプトとして、生成される2次元コード画像の品質としてふさわしくない意味を示す文字列が適用可能である。ここで示した文字列は一例であって、その他の文字列を除外したい要素として適用可能であることは言うまでもない。なお、テキストプロンプトおよびネガティブテキストプロンプトを区別する必要がない場合は、まとめて両テキストプロンプトと称する。
【0034】
ガイドスケール値とは、装飾コード画像の生成の際に、どの程度画像生成システムが両テキストプロンプトに従うかを示す値である。装飾コード画像は、ガイドスケール値が高いほど両テキストプロンプトに忠実に従い生成され、ガイドスケール値が低いほど両テキストプロンプトに従い生成されない。
【0035】
強度値とは、ガイドスケール値に従った装飾コード画像の生成の際に、どの程度テキストプロンプトが示す要素とは異なる要素を画像生成システムが補完するかの度合いを示す値である。言い換えれば、強度値は、画像生成システムに対するテキストプロンプトが示す要素の重みを設定するための値である。装飾コード画像は、強度値が高いほどテキストプロンプトが示す要素と異なる要素が組み込まれるように生成され、強度値が低いほどテキストプロンプトが示す要素に制限して組み込むように生成される。
【0036】
シード値とは、装飾コード画像の装飾の構成を決定する際に用いられる値である。例えば、シード値が同じ場合、同じ構成の装飾が施された2次元コード画像が生成される。
【0037】
具体的には、テキストプロンプトに「座っている犬」が設定されており、かつ、シード値として「123456789」が設定されている場合に、椅子に座っている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力されたとする。そして、同じテキストプロンプトおよび同じシード値が設定されている状態で再度装飾コード画像を出力する際には、椅子に座っている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。
【0038】
ここで、同じテキストプロンプト(「座っている犬」)が設定されており、かつ、異なるシード値が(「123456788」)設定されたケースを想定する。このケースにおいて、例えば「お座り」のポーズをとっている1匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。あるいは、1つの椅子に座っている2匹の犬を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像が出力される。「お座り」のポーズとは、地面と交差する方向に伸ばした前足を地面につけ、かつ、後足を曲げた状態で地面につけたポーズをいう。このように、シード値が異なると、ポーズおよび構成などが異なる装飾の要素を有する2次元コード画像が出力される。
【0039】
本実施形態において、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、および強度値は、予め設定された値であることを例に挙げて説明する。また、シード値は、ランダムに決定された値であることを例に挙げて説明する。
【0040】
なお、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値以外に、装飾コード画像の生成に必要なその他の値が本開示において用いられてもよい。また、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、強度値、およびシード値は、固定値であってもよし、テキストプロンプトごとに設定されていてもよい。また、これらは、管理アプリケーションの内部プログラムに記述または管理アプリケーションの外部ファイルに保存されていてもよいし、決済サーバ102に保持されていてもよい。
【0041】
(決済サーバについて)
決済サーバ102は、決済サービス(決済サーバ102)を提供するサービス事業者と契約(例えば、加盟店契約)した加盟店の店舗に上述した管理画面を提供したり、ユーザ端末103を利用するユーザに決済サービスを提供したりすることができる。決済サービスとは、決済を行うユーザの口座から店舗の口座に支払額に相当する電子マネーを移行する決済処理を行うサービスである。なお、決済サービスには、送金元のユーザである第1ユーザが有する第1口座から送金先のユーザである第2ユーザが有する第2口座に電子マネーを移行する送金処理を行う送金サービスが含まれる。
【0042】
また、決済サーバ102は、後述する店舗情報および2次元コード画像設定情報に基づいて2次元コード画像を生成する画像生成システムを有する。コード画像とは、文字列などの情報を符号化(1次元コード化または2次元コード化)して生成された画像をいう。画像生成システムとは、例えば、学習データとして大量の既存の画像により学習した学習済みAIモデルである。
【0043】
このような学習済みAIモデルは、指示の内容(以降、プロンプトと称する)の入力を受け付けると、プロンプトが示す装飾の要素を含む画像を生成することができる。学習済みAIモデルは、例えば、プロンプトとして「雨」および「犬」と、店舗情報との入力を受け付けた場合、雨が降っている中佇んでいる犬を装飾の要素として組み込んだ画像であって店舗情報を符号化した2次元コード画像を出力することができる。なお、上述したように、本実施形態におけるプロンプトとして2次元コード画像設定情報が用いられる。
【0044】
(ユーザ端末について)
ユーザ端末103は、決済サービスを利用するユーザが有する端末装置である。ユーザ端末103には、決済サービスを利用するためのアプリケーション(以降、決済アプリケーションと称する)がインストールされている。ユーザ端末103が決済アプリケーションを実行することで、ユーザ端末103を利用するユーザに決済サービスを提供することができる。
【0045】
決済アプリケーションは、決済の際に用いられるコード画像を表示したり、決済サービスに関連するサービスなどを提供したりする機能を有する。ユーザは、決済アプリケーションのスキャン機能を用いて店舗に配置されたコード画像を読み取ることで、店舗での決済を行うことができる。このとき、決済サーバ102は、ユーザ端末103からの要求に応じて決済処理を行う。ここで、決済処理および送金処理の詳細について説明する。
【0046】
(決済処理について)
決済処理を実行するために以下の2つの手順がある。具体的には、ストアスキャン手順およびユーザスキャン手順である。それぞれの手順について説明する。
【0047】
[ストアスキャン手順]
ユーザは、ユーザ端末103の決済アプリケーション上に表示されたコード画像を店舗の店員に提示する。そして、店舗の店員がユーザ端末103の決済アプリケーション上に表示されたコード画像を店舗端末101でスキャンすることで、ユーザ端末103は、決済の要求を決済サーバ102に行う。その後、決済サーバ102で決済処理が行われる。
【0048】
[ユーザスキャン手順]
店舗の店員は、当該店舗を識別するための店舗情報などが埋め込まれたコード画像が印刷された印刷物を店舗に配置する。ユーザは、ユーザ端末103の決済アプリケーションのスキャン機能により、店舗に配置された印刷物からコード画像を読み取る。そして、ユーザが支払額を入力した後、ユーザ端末103は、ユーザID、取得した店舗情報、および支払額などを決済サーバ102に送信する。その後、決済サーバ102で決済処理が行われる。なお、本開示における決済は、ユーザスキャン手順により行われることを例に挙げて説明する。
【0049】
(送金処理について)
送金元のユーザである第1ユーザが、第1ユーザが利用する第1ユーザ端末の決済アプリケーションのスキャン機能により、送金先のユーザである第2ユーザが利用する第2ユーザ端末に表示されているコード画像を読み取る。なお、第2ユーザ端末に表示されているコード画像には、第2ユーザのアカウントに紐づいた第2ユーザの識別情報が埋め込まれている。そして、第1ユーザが送金額を入力して、第1ユーザ端末は、取得した第2ユーザの識別情報および送金額を決済サーバ102に送信する。その後、決済サーバ102で送金処理が行われる。
【0050】
(各装置で実行される処理)
図1から図8を参照して、決済サービスにおいて、装飾コード画像を店舗端末101で表示した後に、決済サーバ102で決済処理を行うまでの流れについて説明する。
【0051】
S1において、店舗端末101は、決済サーバ102に対して装飾コード画像の要求を行う。このとき、店舗端末101は、2次元コード画像設定画面400で設定した2次元コード画像設定情報をS1での要求に含める。ここで、装飾コード画像の要求を行う契機となる店舗の店員による店舗端末101に対する操作について説明する。
【0052】
図5は、2次元コード画像の表示画面の一例を示す図である。図5に示す表示画面500は、図2に示す受取ボタン250の押下に応じて店舗端末101に表示される画面であってホーム画面200から切り替えて表示される画面である。
【0053】
表示画面500は、2次元コード画像表示領域501を有する。2次元コード画像表示領域501には、装飾コード画像502が表示されている。また、表示画面500には、更新ボタン503、プリントボタン504、およびダウンロードボタン505が設けられている。
【0054】
更新ボタン503は、装飾コード画像を更新することを受け付けるボタンである。例えば、更新ボタン503が押下されると、既に表示されている装飾コード画像である第1装飾コード画像が、第1装飾コード画像と異なる装飾コード画像である第2装飾コード画像に更新されて、表示される。
【0055】
なお、管理アプリケーションは、管理アプリケーションが起動した直後に、装飾コード画像の要求を行ってもよい。すなわち、S1における契機(装飾コード画像の要求を行う条件)は、受取ボタン250の押下操作を受け付けたこと、および更新ボタン503の押下操作を受け付けたこと、あるいは、管理アプリケーションが起動したことのいずれであってもよい。
【0056】
プリントボタン504は、店舗端末101と通信可能に接続されているプリンタ(不図示)に対して表示画面500で表示している装飾コード画像の印刷指示を受け付けるボタンである。ダウンロードボタン505は、表示画面500で表示している装飾コード画像を、店舗端末101の記憶装置に記憶することを受け付けるボタンである。
【0057】
図1に戻り、S2において、決済サーバ102は、S1で受信した要求から2次元コード画像設定情報を取得する。このとき、決済サーバ102は、S1での要求元の店舗に対応する店舗情報を取得する。店舗情報とは、加盟店に属する店舗の情報を決済サーバ102で管理するために用いられる情報である。店舗情報は、例えばURL(Uniform Resource Locator)などで表現された情報である。
【0058】
S3において、決済サーバ102は、装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S3で決済サーバ102は、画像生成システムにより、S1での要求に含まれる2次元コード画像設定情報と、S2で取得した店舗情報とに基づいて、装飾コード画像を生成する。このとき、画像生成システムは、決済サーバ102によりテキストプロンプトとして2次元コード画像設定情報が入力される。そして、画像生成システムは、入力されたテキストプロンプトに対する出力結果として装飾コード画像を生成し、出力する。
【0059】
S4において、決済サーバ102は、S3で生成した装飾コード画像を、S1での要求元の店舗端末101に送信する。S5において、店舗端末101は、図5に示すように、S4で受信した装飾コード画像を表示部に表示する。本開示における表示部への表示は、店舗端末101などの小型の端末装置の表示部への表示に限らず、大型のディスプレイに表示するサイネージ表示を含む。装飾コード画像として表示される画像の一例を図6に示す。
【0060】
図6は、2次元コード画像表示領域501に表示される装飾コード画像と、当該装飾コード画像に対応する2次元コード画像設定情報(即ち、当該装飾コード画像の生成の基となるテキストプロンプト)との一例を示す図である。図6(a)は、「湯気の立ったコーヒー」を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像である装飾コード画像と、対応する2次元コード画像設定情報とを示す図である。図6(a)に示す装飾コード画像600は、2次元コード画像設定情報603として店舗ジャンル入力領域には「コーヒー」が、季節情報入力領域には「冬」が設定された状態で生成された2次元コード画像である。また、装飾コード画像600には、「湯気の立ったコーヒー」の模様601が装飾の要素として組み込まれている。このように、店舗のジャンルを示すジャンル情報、および季節を示す季節情報のうち少なくとも1つの情報を用いて決済サーバ102で生成された2次元コード画像であって当該情報が示す装飾を施した2次元コード画像を店舗端末101は表示することができる。
【0061】
図6(b)は、「桜の花」を装飾の要素として組み込んだ2次元コード画像である装飾コード画像と、対応する2次元コード画像設定情報とを示す図である。図6(b)に示す装飾コード画像610は、2次元コード画像設定情報612として店舗ジャンル入力領域には「花」が、季節情報入力領域には「春」が設定された状態で生成された2次元コード画像である。また、装飾コード画像610には、「桜の花」の模様611が装飾の要素として組み込まれている。
【0062】
なお、図6(a)および図6(b)に示す装飾コード画像は一例であって、2次元コード画像に様々な装飾が施されてもよい。例えば、絵画、写真、イラスト、店舗のロゴ若しくは商標、アクセプタンスマーク、または抽象的な模様で表現した装飾が2次元コード画像に施されてもよい。
【0063】
ここで、図6(a)に示す装飾コード画像600を例に、図7および図8を参照して、画像生成システムにより生成される装飾コード画像の装飾の詳細について説明する。図7は、装飾コード画像600の装飾例を示す図である。なお、図7(a)から(d)に示す図は、図6(a)に示す領域604を拡大して表示した図である。
【0064】
図7(a)は、コーヒーの湯気の輪郭を強調して2次元コード画像を装飾した例を示す図である。図7(a)に示す領域700を見ると、2次元コード画像のコードパターン(シンボルパターンと表現されることがある)として白色で表現されるべき部分の色が、湯気と重なる部分において湯気の色であるグレーに変更されている。この変更は、図7(b)から図7(d)、並びに図8(a)および図8(c)についても同様である。また、湯気の輪郭を強調した結果として2次元コード画像のコードパターンとして黒色で表現されるべき部分の色の一部701が白色に変更されている。
【0065】
図7(b)は、コーヒーの湯気を強調して2次元コード画像を装飾した例を示す図である。図7(b)に示す領域710を見ると、2次元コード画像のコードパターンとして黒色で表現されるべき部分の一部711の色が、湯気の色であるグレーに変更されている。また、2次元コード画像のコードパターンとして黒色で表現されるべき部分の一部712に、湯気の水滴を表現するための白丸が施されている。
【0066】
図7(c)は、コーヒーの湯気を強調して2次元コード画像を装飾した例を示す図である。図7(c)に示す領域720を見ると、2次元コード画像のコードパターンとして白色または黒色で表現されるべき部分の一部721の輪郭の形状が、湯気の輪郭を強調するために、変形されている。また、2次元コード画像のコードパターンとして黒色で表現されるべき部分の一部622の色が、湯気のゆらめきを表現するためにグレーに変更されている。
【0067】
図7(d)は、コーヒーの湯気を強調して2次元コード画像を装飾した例を示す図である。図7(d)に示す領域730には、湯気の温かさを表現するために領域730の一部731にぼやかすエフェクトが施されている。ぼやかすとは、例えば2次元コード画像の視認性を低下させるように、2次元コード画像の画素の明度を変更することをいう。
【0068】
また、図8に示すように、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高めるように、2次元コード画像に装飾が施されてもよい。図8は、装飾コード画像600の装飾例を示す図である。なお、図8(a)から(c)に示す図は、図6(a)に示す領域604を拡大して表示した図である。
【0069】
図8(a)は、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高めた2次元コード画像の装飾例を示す図である。図8(a)に示す領域800を見ると、図7(a)に示す領域700と比較して、2次元コード画像のコードパターンとして白色で表現されるべき部分の一部801の色が、湯気の色を示すグレーではなく、白色で表現されている。
【0070】
図8(b)は、コーヒーの湯気の輪郭を強調しつつ、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高めた2次元コード画像の装飾例を示す図である。図8(b)に示す領域810を見ると、2次元コード画像のコードパターンとして白色で表現されるべき部分のすべての色が、湯気の色を示すグレーではなく、白色で表現されている。また、湯気の輪郭を強調した結果として2次元コード画像のコードパターンとして白色で表現されるべき部分の色の一部811が、湯気の色を示すグレーに変更されている。
【0071】
図8(c)は、コーヒーの湯気を強調しつつ、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高めた2次元コード画像の装飾例を示す図である。図8(c)に示す領域820を見ると、2次元コード画像のコードパターンとして白色で表現されるべき部分の一部821の色が、白色に近いグレーで表現されている。また、2次元コード画像のコードパターンとして黒色で表現されるべき部分の一部822の色が、湯気の色に近い黒色で表現されている。
【0072】
このように、画像生成システムは、2次元コード画像の装飾において、装飾の要素を強調するように装飾コード画像を生成したり、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高めるように装飾コード画像を生成したりすることができる。なお、2次元コード画像に施される装飾の色は、白色、黒色、およびグレーなどの無彩色に限らず、有彩色であってもよい。また、2次元コード画像のコードパターンの色も、白色および黒色に限らず、グレーまたは有彩色であってもよい。
【0073】
前述したように、画像形成システムは、安定拡散を用いた2次元コード画像の生成を行う。このため、店舗情報に基づく2次元コード画像の可読性を損なわずに、装飾の要素を加味した装飾コード画像を生成することができる。2次元コードは、汚れまたはノイズなどの耐性が高い形式のコードとして知られている。一見すると、コード(コードパターン)が損なわれているように見えていても、安定拡散での画像生成により、コードの可読性が維持された状態の画像が生成されることになる。
【0074】
図1に戻り、S6において、店舗の店員は、店舗端末101により、表示画面500に表示されているプリントボタン504を押下する。そして、店舗端末101は、プリントボタン504の押下を検知すると、プリンタに対して表示画面500で表示している装飾コード画像の印刷指示を送信する。プリンタは、店舗端末101からの印刷指示を受信すると、装飾コード画像が印刷された印刷物104を出力する。店舗の店員は、プリンタから出力された印刷物104を店舗に配置する。
【0075】
S7において、ユーザ端末103は、決済アプリケーションのスキャン機能により、S6で出力された印刷物104に印刷された装飾コード画像を読み取る。S7でユーザ端末103は、読み取った装飾コード画像を解析して、店舗情報を取得する。
【0076】
S8において、ユーザが支払額を入力した後、ユーザ端末103は、入力された支払額を決済サーバ102に送信する。なお、ユーザ端末103は、S8で支払額を送信する前に、S7で店舗情報およびユーザを識別するためのユーザIDを決済サーバ102に送信しているとする。
【0077】
S9において、決済サーバ102は、ユーザ端末103から取得した店舗情報、ユーザID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S9で決済サーバ102は、取得した店舗情報に紐づいた店舗IDから決済先の店舗の口座を特定し、ユーザIDから決済元のユーザの口座を特定する。そして、決済サーバ102は、ユーザの口座から店舗の口座へ支払額に相当する電子マネーを移行する処理を行う。
【0078】
(システムの一例)
図9は、本システムの構成の一例を示す図である。本システムは、店舗端末101、決済サーバ102、およびユーザ端末103を有する。これらの装置は、ネットワーク900を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク900は、例えば、LAN(Local Area Network)またはWAN(Wide Area Network)などのネットワークである。
【0079】
本開示において、図9に示すように、店舗端末101およびユーザ端末103は、それぞれ一台であることを例に説明する。なお、店舗端末101およびユーザ端末103は、それぞれ複数あってもよい。なお、上述したように、店舗端末101には、プリンタが通信可能に接続されているとする。また、これらの装置以外にも、決済サーバ102と異なるサーバまたは外部装置などが、本システムに含まれ、ネットワーク900を介して店舗端末101、決済サーバ102、およびユーザ端末103と通信可能に接続されていてもよい。
【0080】
(情報処理装置のハードウェア構成)
上述した店舗端末101、決済サーバ102、およびユーザ端末103は、例えば、図10に示すような構成の情報処理装置1000(「コンピュータの一例」)によって実現される。図10は、情報処理装置1000のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1000は、CPU1001、ROM1002、RAM1003、記憶装置1004、入出力I/F1005、およびネットワークインターフェース(I/F)1006を有する。これらの構成要素は、システムバスにより互いに接続されている。また、入出力I/F1005には、表示部1007および入力部1008が接続されている。
【0081】
CPU1001は、ROM1002に記憶されたプログラムおよび記憶装置1004に記憶されたプログラムなどをRAM1003に読み出し、読み出したプログラムを実行することで、各種制御を実現する。CPU1001は、MPU(Micro Processing Unit)、またはASIC(application specific integrated circuit)であってもよい。CPU1001は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などであってもよい。
【0082】
ROM1002には、情報処理装置1000の起動プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。RAM1003は、CPU1001が各種制御を実行する際に、一時的に制御プログラムおよびデータなどを記憶するワークメモリとして用いられる。
【0083】
記憶装置1004は、アプリケーション、ソフトウェア、および各種データなどを記憶するためのメモリである。記憶装置1004として、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、およびストレージなどが挙げられる。記憶装置1004は、店舗端末101であれば、管理アプリケーションおよびWebブラウザなどを記憶する。記憶装置1004は、決済サーバ102であれば、画像生成システム、後述するユーザデータベース(以降、データベースのことをDBと称する)および店舗DBなどを記憶する。記憶装置1004は、ユーザ端末103であれば、決済アプリケーションなどを記憶する。
【0084】
入出力I/F1005は、表示部1007などの出力装置に対して出力情報を送信するためのインターフェースである。表示部1007として、ディスプレイなどが挙げられる。また、表示部1007は、図10に示すように情報処理装置1000に設けられてもよいし、情報処理装置1000の外に設けられてもよい。
【0085】
入出力I/F1005は、入力部1008などの入力装置に対して入力情報を受信するためのインターフェースである。入力部1008として、キーボード、ボタン、タッチパネル、操作キーなどが挙げられる。また、入力部1008は、図10に示すように情報処理装置1000に設けられてもよいし、情報処理装置1000の外に設けられてもよい。なお、入出力I/F1005は、入力I/Fと、出力I/Fとに分かれて構成されてもよい。
【0086】
ネットワークI/F1006は、ネットワーク900を介して他の装置からデータなどを受信し、かつ情報処理装置1000で生成したデータまたは記憶しているデータなどを、ネットワーク900を介して他の装置に送信するためのインターフェースである。
【0087】
なお、情報処理装置1000は、図10に示す構成に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末103であれば、カメラ機能を実現するためのカメラ部などが設けられてもよい。
【0088】
また、情報処理装置1000は、メディアI/F(不図示)を備えてもよい。メディアI/Fは、有線または無線により接続された保存装置(不図示)に格納されたプログラムおよびデータなどを読み取り、RAM1003を介してCPU1001に提供する。CPU1001は、提供されたプログラムを、メディアI/Fを介して保存装置からRAM1003上に読み出し、読み出したプログラムを実行することができる。保存装置は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体である。また、保存装置は、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0089】
情報処理装置1000のCPU1001は、これらのプログラムなどを保存装置から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムなどを取得してもよい。さらに、本実施形態における情報処理を実現するために必要な構成が情報処理装置1000に設けられることは言うまでもない。
【0090】
(店舗端末のソフトウェアの構成の一例)
図11は、本実施形態における店舗端末101のソフトウェアの構成の一例を示す図である。店舗端末101は、管理アプリケーション1100を有する。なお、店舗端末101は、管理アプリケーション1100以外のアプリケーション、ソフトウェア、および各種プログラムを有していてもよい。管理アプリケーション1100は、受信部1101、送信部1102、表示制御部1103、および設定部1104を含む。
【0091】
受信部1101は、ネットワーク900を介して決済サーバ102から装飾コード画像を受信したり、その他の装置から各種情報を受信したりすることができる。送信部1102は、ネットワーク900を介して装飾コード画像の要求を決済サーバ102に送信したり、店舗端末101と通信可能に接続されているプリンタに印刷指示を送信したりすることができる。送信部1102は、ネットワーク900を介してその他の装置に各種情報に送信することができる。
【0092】
表示制御部1103は、管理アプリケーション1100上に管理画面を表示したり、管理画面に対する操作を検知したりすることができる。設定部1104は、カレンダー情報、および2次元コード画像設定情報などを取得する。
【0093】
(決済サーバの機能の構成の一例)
図12は、本実施形態における決済サーバ102の機能の構成の一例を示す図である。図12を参照して、本実施形態における決済サーバ102の構成について説明する。決済サーバ102は、通信部1200と、制御部1210と、記憶部1220と、画像生成システム1230とを有する。制御部1210は、受信部1211、送信部1212、生成部1213、および決済処理部1214を含む。制御部1210は、決済サーバ102の全体を制御する。記憶部1220は、ユーザDB1221および店舗DB1222を含む。
【0094】
まず、図13を参照して、ユーザDB1221および店舗DB1222に保存されている情報ついて説明する。図13は、ユーザDB1221および店舗DB1222のそれぞれに保存されている情報の一例を示す図である。
【0095】
図13(a)は、ユーザDB1221に保存されているユーザ管理情報1300の一例を示す図である。ユーザ管理情報1300は、ユーザのアカウント登録の際に生成され、決済サーバ102で管理されているユーザの情報である。
【0096】
ユーザ管理情報1300において、ユーザ情報1301、ユーザID1302、氏名1303、利用可能残高1304、および利用可能ポイント1305が互いに紐づけられている。ユーザ情報1301は、アカウント登録されたユーザの情報を決済サーバ102で管理するために用いられる。ユーザ情報1301は、例えばURLなどで表現された情報である。
【0097】
ユーザID1302は、ユーザを一意に識別するための識別子である。氏名1303は、ユーザが任意に設定可能な文字列であってユーザの氏名または名称示す文字列である。利用可能残高1304は、電子マネーの残高である。利用可能ポイント1305は、例えば決済サービスを運営するサービス事業者により付与されたポイントであってユーザが利用可能なポイントである。利用可能残高1304および利用可能ポイント1305がユーザの口座の残高に相当する。
【0098】
図13(b)は、店舗DB1222に保存されている店舗管理情報1310の一例を示す図である。店舗管理情報1310は、店舗の事業主がサービス事業者と契約(例えば、加盟店契約)する際に生成され、決済サーバ102で管理されている店舗の情報である。店舗管理情報1310において、店舗情報1311、加盟店ID1312、店舗ID1313、および売上金1314が互いに紐づけられている。
【0099】
店舗情報1311は、加盟店に属する店舗の情報を決済サーバ102で管理するために用いられる。言い換えれば、店舗情報1311は、店舗を識別するために用いられる識別情報である。店舗情報1311は、決済サーバ102で生成される装飾コード画像に埋め込まれる情報である。
【0100】
加盟店ID1312は、加盟店のブランドを一意に識別するための識別子である。加盟店ID1312は、例えば、〇〇コーヒー、××百貨店、または△△電機などの加盟店のブランド名と紐づけられている。店舗ID1313は、加盟店に属する店舗を一意に識別するための識別子である。店舗ID1313は、例えば、〇×駅前店、×△町店、または△〇通り店などの加盟店の店名と紐づけられている。売上金1314は、店舗で売り上げた金額を示す。例えば、決済サーバ102で決済処理が完了した場合、支払額に相当する金額が売上金1314に加算される。なお、消費税などの説明は、説明の簡略化のために割愛する。
【0101】
図12に戻り、通信部1200は、ネットワーク900を介して店舗端末101、ユーザ端末103、およびその他の装置と通信を行う。受信部1211は、通信部1200を介して店舗端末101から2次元コード画像の要求を受信したり、ユーザ端末103から店舗情報、ユーザIDおよび支払額などを受信したりする。また、受信部1211は、通信部1200を介してその他の装置から各種情報を受信することができる。送信部1212は、通信部1200を介して装飾コード画像を店舗端末101に送信したり、その他の情報をその他の装置に送信したりすることができる。
【0102】
生成部1213は、店舗端末101からの要求に応じて、画像生成システム1230を用いて装飾コード画像を生成する。決済処理部1214は、ユーザ端末103からの要求に応じて決済処理または送金処理を行う。また、決済処理部1114は、店舗端末101からの要求に応じて決済処理を行うことができる。
【0103】
画像生成システム1230は、生成部1213からの指示に応じて、店舗の店員により設定された2次元コード画像設定情報などに基づいて装飾コード画像を生成する。具体的には、画像生成システム1230は、店舗情報1311を2次元コード化した画像であって2次元コード画像設定情報が示す装飾を当該画像に施した画像を生成し、出力することができる。
【0104】
(本システムの情報処理の流れの一例)
図14は、店舗端末101、決済サーバ102、およびユーザ端末103の情報処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図14を参照して、本実施形態における情報処理の流れについて説明する。
【0105】
S1401において、店舗端末101は、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う。例えば、店舗の店員は、店舗端末101を操作して、管理アプリケーション1100を起動して、ホーム画面200を店舗端末101の表示部に表示させる。店舗端末101は、管理アプリケーション1100により、ホーム画面200の受取ボタン250に対するユーザの操作を検知すると、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う。このとき、店舗端末101は、管理アプリケーション1100により、S1401での要求に、2次元コード画像設定情報を含める。なお、装飾コード画像の要求は、上述したように、更新ボタン503の押下または管理アプリケーション1100の起動を契機として行われてもよい。
【0106】
S1402において、決済サーバ102は、S1401での要求から2次元コード画像設定情報を取得する。また、S1402で決済サーバ102は、S1401での要求元の店舗に紐づいた店舗情報を取得する。
【0107】
S1403において、決済サーバ102は、S1402で取得した2次元コード画像設定情報および店舗情報に基づいて装飾コード画像の生成処理を行う。具体的には、S1403で決済サーバ102は、テキストプロンプトとして2次元コード画像設定情報および店舗情報を画像生成システム1230に入力して、その出力結果として店舗情報を2次元コード化して得られるコードパターンに対して2次元コード画像設定情報が示す要素で装飾が施された2次元コード画像を得る。なお、本実施形態において、決済サーバ102に、予め設定されたネガティブプロンプト、ガイドスケール値、および強度値が保存されていることを例に挙げて説明する。そして、決済サーバ102は、画像生成システム1230を用いて装飾コード画像を生成する際に、ランダムなシード値を用いるとする。すなわち、装飾コード画像の生成毎に(店舗端末101からの要求毎に)、異なるシード値が用いられる。
【0108】
ここで、決済サーバ102は、画像生成システム1230により、図6(a)に示す装飾コード画像600を生成したとする。S1404において、決済サーバ102は、S1403で生成した装飾コード画像を、S1401での要求元の店舗端末101に送信する。
【0109】
S1405において、店舗端末101は、管理アプリケーション1100により、S1404で受信した装飾コード画像600を表示する。例えば、S1405で店舗端末101は、図5に示すように、表示画面500の2次元コード画像表示領域501上に装飾コード画像502を表示する。
【0110】
S1406において、店舗端末101は、管理アプリケーション1100により、プリントボタン504の押下を検知すると、プリンタに装飾コード画像502の印刷指示を送信する。そして、プリンタは、店舗端末101からの印刷指示に応じて、装飾コード画像502を印刷した結果として印刷物104を出力する。店舗の店員は、プリンタから出力された印刷物104を店舗に配置する。
【0111】
S1407において、ユーザ端末103は、決済アプリケーションのスキャン機能により、店舗に配置された印刷物104に印刷された装飾コード画像502を読み取る。S1407でユーザ端末103は、決済アプリケーションにより、装飾コード画像502を解析して、店舗情報を取得する。そして、ユーザ端末103は、決済アプリケーションにより、取得した店舗情報およびユーザIDを決済サーバ102に送信する。
【0112】
S1408において、ユーザにより支払額が入力された後、ユーザ端末103は、決済アプリケーションにより、入力された支払額を決済サーバ102に送信する。S1409において、決済サーバ102は、ユーザ端末103から取得した店舗情報、ユーザID、および支払額などに基づいて決済処理を行う。具体的には、S1409で決済サーバ102は、S1407で取得した店舗情報から店舗IDを特定する。そして、決済サーバ102は、取得したユーザIDに対応するユーザの口座から、特定した店舗IDに対応する店舗の口座に、支払額に相当する電子マネーを移行させる処理を行う。
【0113】
(店舗端末の情報処理の流れの一例)
図15は、本実施形態における店舗端末101の処理の一例を示すフローチャートである。図15を参照して、店舗端末101の管理アプリケーション1100が2次元コード画像を表示する処理について説明する。図15に示す処理は、店舗端末101のCPU1001が、記憶装置1004に記憶された管理アプリケーション1100のプログラムをRAM1003に読み出し、実行することで実現される。図15に示す処理は、例えば受取ボタン250が店舗の店員により押下されたことに応じて開始される。
【0114】
S1501において、店舗端末101のCPU1001は、設定部1104により、店舗端末101の記憶装置1004から2次元コード画像設定情報を取得し、S1502に進む。
【0115】
S1502において、店舗端末101のCPU1001は、送信部1102により、S1501で取得した2次元コード画像設定情報を含めて、装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行い、S1503に進む。
【0116】
S1503において、店舗端末101のCPU1001は、受信部1101により、装飾コード画像を決済サーバ102から受信し、S1504に進む。S1504において、店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、S1503で受信した装飾コード画像を表示し、S1505に進む。
【0117】
S1505において、店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、更新ボタン503が押下されたか否かを判定する。S1505で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、更新ボタン503が押下された(Yes)と判定した場合は、S1501に戻る。この場合、店舗端末101のCPU1001は、送信部1102により、設定部1104で取得した2次元コード画像設定情報を含めて、再び装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う。
【0118】
このように、更新ボタン503が押下された場合、既に表示されている装飾コード画像である第1装飾コード画像が、第1装飾コード画像とは異なる装飾コード画像である第2装飾コード画像に更新されて表示される。具体的には、第1コードパターンを有し、かつ、第1装飾が施された2次元コード画像である第1装飾コード画像が、第1コードパターンを有し、かつ、第1装飾と異なる装飾である第2装飾が施された2次元コード画像である第2装飾コード画像に更新されて表示される。
【0119】
S1505で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、更新ボタン503が押下されていない(No)と判定した場合は、S1506に進む。
【0120】
S1506において、店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、プリントボタン504が押下されたか否かを判定する。S1506で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、プリントボタン504が押下された(Yes)と判定した場合は、S1507に進む。S1506で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、プリントボタン504が押下されていない(No)と判定した場合は、S1508に進む。
【0121】
S1507において、店舗端末101のCPU1001は、送信部1102により、S1504で表示している装飾コード画像の印刷指示をプリンタに行い、S1508に進む。
【0122】
S1508において、店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、装飾コード画像の表示が終了したか否かを判定する。例えば、S1508で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、ホームバー211、プロフィールバー212、および設定バー213などに対する押下により表示画面500が別の画面に切り替わることで、装飾コード画像の表示が終了したかを判定する。
【0123】
S1508で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、装飾コード画像の表示が終了した(Yes)と判定した場合は、本フローを終了する。S1508で店舗端末101のCPU1001は、表示制御部1103により、装飾コード画像の表示が終了していない(No)と判定した場合は、S1505に戻る。
【0124】
(決済サーバの情報処理の流れの一例)
図16は、本実施形態における決済サーバ102の処理の一例を示すフローチャートである。図16を参照して、決済サーバ102が実行する処理について説明する。図16に示す処理は、決済サーバ102のCPU1001が、ROM1002に記憶されたプログラムおよび記憶装置1004に記憶された画像生成システム1230のプログラムをRAM1003に読み出し、実行することで実現される。図16に示す処理は、決済サーバ102が起動した後に開始される。
【0125】
S1601において、決済サーバ102のCPU1001は、受信部1211により、装飾コード画像の要求を店舗端末101から受信したか否かを判定する。S1601で決済サーバ102のCPU1001は、受信部1211により、装飾コード画像の要求を店舗端末101から受信した(Yes)と判定した場合は、S1602に進む。S1601で決済サーバ102のCPU1001は、受信部1211により、装飾コード画像の要求を店舗端末101から受信していない(No)と判定した場合は、S1601に戻り、要求を受信するまで待つ。
【0126】
S1602において、決済サーバ102のCPU1001は、生成部1213により、S1601で受信した装飾コード画像の要求から2次元コード画像設定情報を取得し、S1603に進む。このとき、S1602で決済サーバ102のCPU1001は、生成部1213により、2次元コード画像設定情報に加えて、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、および強度値、およびをシード値なども取得し、ランダムなシード値を決定し、S1603に進む。
【0127】
S1603において、決済サーバ102のCPU1001は、生成部1213により、画像生成システム1230を用いて装飾コード画像の生成処理を行い、S1604に進む。具体的には、S1603で決済サーバ102のCPU1001は、画像生成システム1230により、店舗情報、両テキストプロンプト、およびプロンプトパラメータに基づいて、装飾コード画像を生成する。
【0128】
ここで、本開示における画像生成システム1230は、例えば店舗情報、両テキストプロンプト、およびプロンプトパラメータのすべてが同じ場合、同じデザインの装飾コード画像を生成することを例に挙げて説明する。言い換えれば、画像生成システム1230は、店舗情報、両テキストプロンプト、およびプロンプトパラメータのうち少なくとも1つの値が異なる場合は、異なるデザインの装飾コード画像を生成する。
【0129】
例えば、画像生成システム1230で第1装飾コード画像と第2装飾コード画像とを生成するケースを想定する。このケースにおいて、第1装飾コード画像に対応する第1設定情報と第2装飾コード画像に対応する第2設定情報とにおいて店舗情報が同じであり、かつ、両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータのうち少なくとも1つの値が異なる場合、画像生成システム1230は、第1装飾コード画像と、当該装飾コード画像のデザインと異なるデザインを有する第2装飾コード画像とを生成する。具体的には、画像生成システム1230は、第1コードパターンを有し、かつ、第1装飾が施された2次元コード画像である第1装飾コード画像と、第1コードパターンを有し、かつ、第1装飾と異なる装飾である第2装飾が施された2次元コード画像である第2装飾コード画像とを生成する。
【0130】
本実施形態において、ネガティブテキストプロンプト、ガイドスケール値、および強度値は予め設定されているが、シード値についてはランダムな値が用いられる。上述したように、シード値は、装飾コード画像の生成毎に異なる。すなわち、生成された装飾コード画像ごとにそのデザインが異なるようにすることができるため、より新鮮な体験を店舗の店員に提供することができる。
【0131】
S1604において、決済サーバ102のCPU1001は、送信部1212により、S1603で生成した装飾コード画像を、S1601で受信した要求の要求元の店舗端末101に送信し、本フローを終了する。
【0132】
本実施形態によれば、決済サーバ102で生成された装飾コード画像が、店舗の店員が利用する店舗端末に表示される。また、ユーザが決済の際に、印刷物として印刷された装飾コード画像をスキャンすることで店舗での決済を行う。これにより、決済用の2次元コード画像に装飾したいという店舗の店員のニーズに対応することができる。また、決済の際に、装飾された2次元コード画像を見る楽しみをユーザに提供することができる。したがって、コード画像を用いた決済における店舗の店員およびユーザの興趣性を向上させることができる。
【0133】
<<その他の実施形態>>
第1の実施形態において、決済サーバ102が画像生成システムを有していることを例に挙げて説明したが、店舗端末101、または決済サーバ102とは異なる外部装置が画像生成システムを有していても構わない。すなわち、店舗端末101、または決済サーバ102とは異なる外部装置が、画像生成システム1230を用いて装飾コード画像を生成してもよい。
【0134】
なお、第1の実施形態において、店舗の店員により入力された店舗のジャンルを示す情報、および季節情報に基づいて決済サーバ102で装飾コード画像を生成することを例に挙げて説明した。なお、決済サーバ102は、加盟店ID1312または店舗ID1313に基づいて装飾コード画像を生成してもよい。
【0135】
具体的には、決済サーバ102は、加盟店ID1312に紐づいたブランド名に関連した情報が示す装飾を施した2次元コード画像を生成する。例えば、ブランド名として「△△電機」が加盟店ID1312に紐づいている場合、決済サーバ102は、「△△電機」が提供する商品またはサービスを表す装飾(例えば、洗濯機および掃除機、または機械の修理サービスを表すイラスト)、または「△△電機」のロゴを示す装飾を施した2次元コード画像を生成することができる。
【0136】
また、決済サーバ102は、店舗ID1313に紐づいた店名に関連した情報が示す装飾を施した2次元コード画像を生成する。例えば、店名として「×△町店」が店舗ID1313に紐づいている場合、決済サーバ102は、「×△町」の地域を表す装飾(例えば、「×△町」のご当地キャラクターまたは「×△町」の名物を表すイラスト)を施した2次元コード画像を生成することができる。
【0137】
第1の実施形態において、店舗の店員が店舗のジャンルを示す情報および季節情報を設定して、これらの情報に基づいて決済サーバ102で装飾コード画像が生成されることを例に挙げて説明した。本実施形態において、店舗の店員が、店舗の位置情報、またはテキストプロンプトなどを設定して、決済サーバ102が、店舗のジャンルを示す情報、季節情報、および店舗の情報、またはテキストプロンプトなどに基づいて装飾コード画像を生成することを説明する。
【0138】
図17は、本実施形態における2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。図17に示す2次元コード画像設定画面1700は、第1の実施形態における2次元コード画像設定画面400と比較して、位置情報入力領域1701を有する点で異なる。
【0139】
位置情報入力領域1701には、店舗の位置情報を示す文字列などを入力可能である。例えば、店舗の位置情報として、〇〇県、××市、または△△地域などの店舗の住所が挙げられる。なお、ここで示した文字列は一例であって、その他の文字列が装飾の要素として設定可能であることは言うまでもない。日本語に限らず、英語およびその他の言語で装飾の要素を設定することが可能である。
【0140】
また、位置情報入力領域1701の右側に設けられた参照ボタンを店舗の店員が押下することで、管理アプリケーションは、図3に示す店舗プロフィール設定項目330から遷移することができる画面で設定されている住所情報から店舗の位置情報を取得する。そして、管理アプリケーションは、取得した店舗の位置情報を位置情報入力領域1701上に反映することができる。例えば、住所情報として「〇〇県」が設定されている場合、位置情報入力領域1701の参照ボタンが押下されると、位置情報入力領域1701に「〇〇県」が自動で入力される。
【0141】
そして、店舗ジャンル入力領域401、季節情報入力領域402、および位置情報入力領域1701のそれぞれに対応する文字列が入力され、設定された状態で店舗端末101から決済サーバ102に装飾コード画像の要求が行われると、決済サーバ102は、これらの文字列に基づいて装飾コード画像を生成する。そして、決済サーバ102で生成された装飾コード画像が店舗端末101の表示部に表示される。
【0142】
また、2次元コード画像設定画面1700は、テキストプロンプト入力領域1702およびネガティブテキストプロンプト入力領域1703を有する。テキストプロンプト入力領域1702には、2次元コード画像の装飾の要素を示す文字列(テキストプロンプト)などを入力可能である。すなわち、テキストプロンプト入力領域1702に入力される文字列は、店舗のジャンルを示す情報、季節情報、および位置情報に対応している。
【0143】
例えば、装飾の要素を示す文字列として、店舗のジャンルを示す情報、季節情報、および位置情報に限らず、猫および犬などの動物、山、川および海などの地形、春および夏などの季節、晴れおよび雨などの天気、嬉しいおよび悲しいなどの感情、並びに少女および青年などの性別および年齢を制限する文字列などが挙げられる。なお、ここで示した文字列は一例であって、その他の文字列が装飾の要素として設定可能であることは言うまでもない。日本語に限らず、英語およびその他の言語で装飾の要素を設定することが可能である。ネガティブテキストプロンプト入力領域1703には、ネガティブテキストプロンプトなどを入力可能である。
【0144】
2次元コード画像設定画面1700には、ガイドスケール値設定コントロール1704、強度値設定コントロール1705、およびシード値設定コントロール1706が設けられている。ガイドスケール値設定コントロール1704は、ガイドスケール値を設定可能な操作子である。強度値設定コントロール1705は、強度値を設定可能な操作子である。シード値設定コントロール1706は、シード値を設定可能な操作子である。
【0145】
2次元コード画像設定画面1700には、テキストプロンプト入力領域1702からシード値設定コントロール1706で設定した情報を有効にするか否かを指示することを受け付けるチェックボックス1707が設けられている。チェックボックス1707にチェックが入っている場合は、テキストプロンプト入力領域1702からシード値設定コントロール1706で設定した情報が画像生成システム1230に入力される情報として用いられる。すなわち、この場合、店舗ジャンル入力領域401、季節情報入力領域402、および位置情報入力領域1701で設定した文字列が、画像生成システム1230に入力されるプロンプトとして用いられない。
【0146】
一方、チェックボックス1707にチェックが入っていない場合は、店舗ジャンル入力領域401、季節情報入力領域402、および位置情報入力領域1701で設定した文字列が、画像生成システム1230に入力されるプロンプトとして用いられる。すなわち、この場合、テキストプロンプト入力領域1702からシード値設定コントロール1706で設定した情報が画像生成システム1230に入力される情報として用いられない。このように、店舗の店員が、テキストプロンプトに加えて、ネガティブテキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを自由に設定できるため、決済用の2次元コード画像の装飾についてより自由度の高い設定を提供することができる。
【0147】
また、店舗端末101の管理アプリケーション1100または決済サーバ102が、ユーザの選択に応じて自動で両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを決定してもよい。
【0148】
例えば、はじめ店舗の店員が、装飾の要素、すなわち、2次元コード画像のデザインを強調するか、2次元コード画像のコードパターンの可読性が高くなるようにするかを選択する。そして、管理アプリケーション1100または決済サーバ102は、このユーザの選択に応じて両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを決定する。このような決定は、大量のデータとディープラーニング技術とによって構築された言語モデル(以降、大規模言語モデルと称する)を用いることで実現することができる。
【0149】
本実施形態において、大規模言語モデルは、決済サーバとは異なる専用サーバ(不図示)に保存されていることを例に挙げて説明する。なお、大規模言語モデルは、決済サーバに保存されていてもよい。専用サーバは、大規模言語モデルの機能を利用するための要求を受信すると、その要求が示すプロンプトを大規模言語モデルに入力して得られた出力結果を、当該要求元に送信することができる。以下の説明では、店舗端末101の管理アプリケーション1100が、ユーザの選択に応じて自動で両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを決定する例を示す。
【0150】
例えば、2次元コード画像設定画面1700に、デザインを強調するためのチェックボックスおよび2次元コード画像のコードパターンの可読性を高くするためのチェックボックス(不図示)を設ける。
【0151】
ここで、テキストプロンプト入力領域1702に「dog」が入力されており、ネガティブテキストプロンプト入力領域1703に「ugly,disfigured,low quality」が入力されているケースを想定する。なお、プロンプトパラメータについては、図17に示す通りである。このケースにおいて、2次元コード画像のコードパターンの可読性を高くするためのチェックボックスにチェックが入っている状態で、OKボタン403が押下されると、管理アプリケーション1100は、専用サーバに対して両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを調整するリクエストを行う。この際に、管理アプリケーション1100は、専用サーバに対するリクエストに、店舗の店員により設定されている両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータ、並びに2次元コード画像のコードパターンの可読性を向上させる指示を示す文字列を含める。
【0152】
そして、専用サーバが、管理アプリケーション1100からの要求を受信した場合、例えば、以下のようなプロンプトを大規模言語モデルに入力する。
【0153】
「2次元コード画像のコードパターンの可読性が高くなるようなプロンプトおよびパラメータを出力してください。また、プロンプトは、テキストプロンプトと、ネガティブテキストプロンプトに分けて出力してください。パラメータは、ガイドスケール値、強度値、およびシード値に分けて出力してください。」。
【0154】
このようなプロンプトを大規模言語モデルに対して入力すると、例えば、以下のような出力結果が得られる。
【0155】
「テキストプロンプト:dog,high contrast,high-detailed 2D code
ネガティブテキストプロンプト:ugly,disfigured,low quality,blurry
ガイドスケール値:7.0
強度値:0.1
シード値:123456789」。
【0156】
出力結果を見ると、テキストプロンプトに「high contrast,high-detailed 2D code」が、ネガティブテキストプロンプトに「blurry」が、それぞれ追加されていることがわかる。また、強度値が0.2から0.1に変更されていることがわかる。
【0157】
そして、専用サーバは、大規模言語モデルから出力された出力結果を、要求元の店舗端末101に送信する。店舗端末101が出力結果を受信すると、管理アプリケーション1100は、当該出力結果を、図17の2次元コード画像設定画面1700に反映させて、表示する。
【0158】
また、上述のケースにおいて、デザインを強調するためのチェックボックスにチェックが入っている状態を想定する。このケースにおいて、OKボタン403が押下されると、管理アプリケーション1100は、専用サーバに対して両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを調整するリクエストを行う。
【0159】
そして、専用サーバが、管理アプリケーション1100からの要求を受信した場合、例えば、以下のようなプロンプトを大規模言語モデルに入力する。
【0160】
「2次元コード画像のデザインを強調するようなプロンプトおよびパラメータを出力してください。また、プロンプトは、テキストプロンプトと、ネガティブテキストプロンプトに分けて出力してください。パラメータは、ガイドスケール値、強度値、およびシード値に分けて出力してください。」
このようなプロンプトを大規模言語モデルに対して入力すると、例えば、以下のような出力結果が得られる。
【0161】
「テキストプロンプト:a big dog,impressive design,three-dimensional face
ネガティブテキストプロンプト:ugly,disfigured,low quality
ガイドスケール値:9.0
強度値:0.4
シード値:123456789」。
【0162】
出力結果を見ると、テキストプロンプトについて「dog」が「a big dog,impressive design,three-dimensional face」に変更されている。また、ガイドスケール値が7.0から9.0に、強度値が0.2から0.4に、それぞれ変更されていることがわかる。
【0163】
専用サーバは、大規模言語モデルから出力された出力結果を、要求元の店舗端末101に送信する。そして、上述した処理と同様に、管理アプリケーション1100は、出力結果を図17の2次元コード画像設定画面1700に反映させて、表示する。
【0164】
このように、店舗端末101の管理アプリケーション1100は、大規模言語モデルを用いて、店舗の店員の選択に応じて、両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを決定することができる。また、同様の方法で、決済サーバ102は、大規模言語モデルを用いて、店舗の店員の選択に応じて、両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを決定することができる。
【0165】
上述の実施形態において、店舗の店員が店舗のジャンルを示す情報などを入力することを例に挙げて説明したが、店舗のジャンルを示す情報などが予め設定されていてもよい。例えば、図18に示すように、それぞれの入力領域に入力候補が表示されてもよい。
【0166】
図18は、本実施形態における2次元コード画像設定画面の一例を示す図である。図18に示す2次元コード画像設定画面1800には、店舗ジャンル入力領域1801、季節情報入力領域1803、および位置情報入力領域1805が設けられている。なお、2次元コード画像設定画面1800には、参照ボタンの代わりにプルダウンボタンが設けられている点で異なる。
【0167】
店舗ジャンル入力領域1801に対応するプルダウンボタン1802が押下されると、図18に示すように、店舗のジャンルの候補の一覧がプルダウン表示される。また、季節情報入力領域1803に対応するプルダウンボタン1804、および位置情報入力領域1805に対応するプルダウンボタン1806についても、プルダウンボタン1802と同様の機能を有する。例えば、プルダウンボタン1804であれば季節に関連した入力候補の一覧を表示し、プルダウンボタン1806であれば店舗の住所に関連した入力候補の一覧を表示する。なお、それぞれの入力領域にプルダウン表示される入力候補は、店舗と関連した情報であってもよいし、店舗と関連しない情報を含んでもよい。このように、店舗のジャンルを示す情報などが予め設定されていることにより、ユーザの入力負担を軽減しつつ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0168】
また、この変形例として、店舗のジャンルを示す情報などの入力候補に対応するテキストプロンプトと、当該テキストプロンプトに対して予め調整されたネガティブテキストプロンプトおよびプロンプトパラメータが設定されていてもよい。
【0169】
ここで、店舗の店員が所望する装飾が2次元コード画像に施されるように店舗のジャンルを示す情報などを入力したにもかかわらず、決済サーバ102で生成された結果として装飾コード画像の装飾の模様または形が崩れているという事態が生じることがある。そこで、店舗のジャンルを示す情報などの入力候補に対応するテキストプロンプト、並びに当該テキストプロンプトに対して調整されたネガティブテキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを予め設定することで、このような事態の発生を抑制することができる。
【0170】
図19は、店舗のジャンルを示す情報などの入力候補に対応するテキストプロンプトであって予め設定されたテキストプロンプトの一例を示す図である。図19(a)は、店舗のジャンルを示す情報などの入力候補と、テキストプロンプトとを対応付けた対応テーブルの一例を示す図である。
【0171】
図19(a)に示す対応テーブル1900において、店舗のジャンル1901と、季節情報1902と、位置情報1903と、プロンプト1904とが紐づけられている。店舗のジャンル1901は、図18の店舗ジャンル入力領域1801の入力候補のうちの1つの候補を示す。同様に、季節情報1902および位置情報1903は、それぞれ季節情報入力領域1803および位置情報入力領域1805の入力候補のうちの1つの候補を示す。プロンプト1904は、画像生成システム1230に入力されるテキストプロンプトを示す。
【0172】
対応テーブル1900を見ると、店舗のジャンル1901が「カレー」であり、季節情報1902が「夏」であり、位置情報1903が「△△地域」である場合、プロンプト1904は、「△△地域産の夏野菜を入れたカレー」であることがわかる。
【0173】
すなわち、図18において、店舗ジャンル入力領域1801に「カレー」が、季節情報1902に「夏」が、位置情報1903に「△△地域」が設定されている場合、画像生成システム1230にはテキストプロンプトとして「△△地域産の夏野菜を入れたカレー」が入力される。
【0174】
また、図19(a)に示すように、対応テーブル1900において、店舗のジャンル1901、季節情報1902、および位置情報1903のうち少なくとも1つの情報に対応するプロンプト1904が設定されている。なお、図19(a)に示す態様に限らず、店舗のジャンル1901、季節情報1902、および位置情報1903からなる所定の組み合わせに対して、1つ、または2つ以上のプロンプト1904が設定されてもよい。
【0175】
図19(b)は、テキストプロンプトと、ネガティブテキストプロンプトおよびプロンプトパラメータとを対応付けた対応テーブルの一例を示す図である。図19(b)に示す対応テーブル1910において、プロンプト1904と、ネガティブプロンプト1911と、ガイドスケール値1912と、強度値1913と、シード値1914とが紐づけられている。
【0176】
図19(b)におけるネガティブプロンプト1911、ガイドスケール値1912、強度値1913、およびシード値1914のぞれぞれの値は、2次元コード画像に適切に装飾が施されるように予め調整された値である。
【0177】
また、ネガティブプロンプト1911、ガイドスケール値1912、強度値1913、およびシード値1914も、プロンプト1904と同様に、装飾コード画像の生成の際に、画像生成システム1230に入力される。
【0178】
図19に示す対応テーブルを、店舗端末101が保持してもよいし、決済サーバ102が保持してもよい。例えば、図19に示す対応テーブルを店舗端末101が保持している状態で装飾コード画像の要求を決済サーバ102に行う場合、店舗端末101は、図18に示すそれぞれの入力領域に設定されているコード画像設定情報に対応する両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを当該要求に含める。そして、決済サーバ102は、店舗端末101から受信した要求に含まれる両テキストプロンプトおよびプロンプトパラメータを画像生成システム1230に入力した結果として適切な装飾が施された2次元コード画像を取得し、当該2次元コード画像を店舗端末101に送信する。この後、店舗端末101では、このような2次元コード画像が表示される。
【0179】
また、本開示における画像生成システムには、学習済みのAIモデルをチューニングするためのプログラム(例えば、LoRA(Low-Rank Adaptation))が適用されてもよい。
【0180】
上述した情報処理装置1000は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI、またはネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0181】
また、上述した実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0182】
101:店舗端末
102:決済サーバ
1100:管理アプリケーション
【要約】
【課題】コード画像を用いた決済における店舗の店員およびユーザの興趣性を向上させることができる。
【解決手段】決済サービスを提供する決済サーバと、決済サーバと通信可能に接続された端末装置であって店舗の店員が利用する端末装置とを含むシステムであって、決済サーバは、端末装置からの2次元コード画像の要求に含まれる情報であって2次元コード画像に対する装飾を示す情報である設定情報を取得する第1取得部と、店舗を識別するための識別情報を取得する第2取得部と、識別情報が符号化された2次元コード画像であり、かつ、設定情報が示す装飾を施した2次元コード画像である装飾コード画像を生成する生成部と、を有し、端末装置は、2次元コード画像の要求に応じて決済サーバから送信される装飾コード画像を表示部に表示する制御を行う表示制御部を有するシステムを提供する。
【選択図】図1
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