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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-16
(45)【発行日】2025-09-25
(54)【発明の名称】部品検査装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/32 20060101AFI20250917BHJP
   B07C 5/34 20060101ALI20250917BHJP
   B07C 5/344 20060101ALI20250917BHJP
【FI】
B65G27/32
B07C5/34
B07C5/344
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024524224
(86)(22)【出願日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 JP2023015154
(87)【国際公開番号】W WO2023233840
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2024-07-23
(31)【優先権主張番号】P 2022088626
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】金森 悟
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-019731(JP,A)
【文献】特開2021-195202(JP,A)
【文献】特開2004-230208(JP,A)
【文献】特開2005-022769(JP,A)
【文献】特開2020-093908(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第119657511(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 27/32
B07C 5/34
B07C 5/344
H01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を搬送しながら検査する部品検査装置であって、
前記部品を、第1周波数の振動により搬送するリニアフィーダと、
前記リニアフィーダによって搬送された前記部品を搬送するターンテーブルと、
前記ターンテーブル上の前記部品の検査を行う検査コントローラと、
前記ターンテーブル上の前記部品を検出する第1センサと、
を備え、
前記検査コントローラは、前記第1センサによって検出された前記ターンテーブル上の前記部品の間隔に基づいて、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整する、
部品検査装置。
【請求項2】
前記リニアフィーダに前記第1周波数の振動を供給する第1圧電素子を更に備え、
前記検査コントローラは、前記第1圧電素子の電圧を調整することにより、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整する、
請求項1に記載の部品検査装置。
【請求項3】
前記検査コントローラは、前記ターンテーブル上の前記部品の間隔が第1目標値に近づくように、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整する、請求項1または2に記載の部品検査装置。
【請求項4】
前記検査コントローラは、
前記ターンテーブル上の複数の前記部品において複数の前記部品間距離を算出し、算出した複数の前記部品間距離の中央値を算出し、
算出した前記中央値が第1目標値に近づくように、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整する、
請求項1または2に記載の部品検査装置。
【請求項5】
前記部品を前記リニアフィーダへ、第2周波数の振動により搬送するボールフィーダと、
前記リニアフィーダ上の前記部品を検出する第2センサと、
を更に備え、
前記検査コントローラは、前記第2センサによって検出された前記リニアフィーダ上の前記部品の占有割合に基づいて、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整する、
請求項1または2に記載の部品検査装置。
【請求項6】
前記ボールフィーダに前記第2周波数の振動を供給する第2圧電素子を更に備え、
前記検査コントローラは、前記第2圧電素子の電圧を調整することにより、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整する、
請求項5に記載の部品検査装置。
【請求項7】
前記検査コントローラは、前記リニアフィーダ上の前記部品の占有割合が第2目標値以上となるように、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整する、請求項5に記載の部品検査装置。
【請求項8】
前記第2目標値は95%である、請求項7に記載の部品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)の外観検査を行う装置がある。特許文献1には、このような部品検査装置として外観検査装置が開示されている。特許文献1に開示の外観検査装置は、電子部品を搬送するリニアフィーダと、リニアフィーダによって搬送された電子部品を回転搬送するターンテーブルと、ターンテーブル上の電子部品の6面を撮像する複数の撮像デバイスとを備え、電子部品を搬送しながら電子部品の6面の外観検査を行う。
【0003】
特許文献1に開示の外観検査装置は、リニアフィーダにおいて、振動により電子部品を搬送することによって、電子部品を帯電させ、ターンテーブルにおいて、静電気により電子部品を静電吸着して回転搬送する。ターンテーブルの搬送速度は、リニアフィーダの搬送速度よりも速い。これにより、ターンテーブルにおいて電子部品の間隔を空けることができ、電子部品の搬送方向の端面の外観検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-44579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような部品検査装置では、ターンテーブルの搬送速度の変動、リニアフィーダの部品詰まり等の何らかの要因により、ターンテーブルにおける電子部品の間隔が変動することがある。電子部品の間隔が狭くなると、例えば撮像デバイスにより電子部品の端面の撮像ができなくなり、電子部品の外観検査の精度が低下してしまう。一方、電子部品の間隔が広くなると、例えば電子部品の外観検査の処理量が低下してしまう。
【0006】
本発明は、部品検査の精度の低下および部品検査の処理量の低下を抑制する部品検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る部品検査装置は、部品を搬送しながら検査する部品検査装置であって、前記部品を、第1周波数の振動により搬送するリニアフィーダと、前記リニアフィーダによって搬送された前記部品を搬送するターンテーブルと、前記ターンテーブル上の前記部品の検査を行う検査コントローラと、前記ターンテーブル上の前記部品を検出する第1センサとを備える。前記検査コントローラは、前記第1センサによって検出された前記ターンテーブル上の前記部品の間隔に基づいて、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整する。
【0008】
(2) (1)に記載の部品検査装置は、前記リニアフィーダに前記第1周波数の振動を供給する第1圧電素子を更に備えてもよく、前記検査コントローラは、前記第1圧電素子の電圧を調整することにより、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整してもよい。
【0009】
(3) (1)または(2)に記載の部品検査装置において、前記検査コントローラは、前記ターンテーブル上の前記部品の間隔が第1目標値に近づくように、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整してもよい。
【0010】
(4) (1)から(3)のいずれか1つに記載の部品検査装置において、前記検査コントローラは、前記ターンテーブル上の複数の前記部品において複数の前記部品間距離を算出し、算出した複数の前記部品間距離の中央値を算出し、算出した前記中央値が第1目標値に近づくように、前記リニアフィーダの振動の前記第1周波数を調整してもよい。
【0011】
(5) (1)から(4)のいずれか1つに記載の部品検査装置は、前記部品を前記リニアフィーダへ、第2周波数の振動により搬送するボールフィーダと、前記リニアフィーダ上の前記部品を検出する第2センサとを更に備えてもよく、前記検査コントローラは、前記第2センサによって検出された前記リニアフィーダ上の前記部品の占有割合に基づいて、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整してもよい。
【0012】
(6) (5)に記載の部品検査装置は、前記ボールフィーダに前記第2周波数の振動を供給する第2圧電素子を更に備えてもよく、前記検査コントローラは、前記第2圧電素子の電圧を調整することにより、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整してもよい。
【0013】
(7) (5)または(6)に記載の部品検査装置において、前記検査コントローラは、前記リニアフィーダ上の前記部品の占有割合が第2目標値以上となるように、前記ボールフィーダの振動の前記第2周波数を調整してもよい。
【0014】
(8) (7)に記載の部品検査装置において、前記第2目標値は95%であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品検査の精度の低下および部品検査の処理量の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る部品検査装置の一例を上方からみた概略平面図である。
図2図1に示す部品検査装置におけるII部分を拡大した概略平面図である。
図3図1に示す部品検査装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。
図4】部品の外観の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0018】
図1は、本実施形態に係る部品検査装置の一例を上方からみた概略平面図であり、図2は、図1に示す部品検査装置におけるII部分を拡大した概略平面図であり、図3は、図1に示す部品検査装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。なお、図1図3には、XY直交座標系が示されている。
【0019】
図1図3に示す部品検査装置1は、複数の電子部品3を順次に搬送しながら検査し、良品を選別する装置である。部品検査装置1は、ボールフィーダ10と、リニアフィーダ20と、ターンテーブル30と、複数の撮像デバイス40と、排出機構50と、第1センサ61と、第2センサ62と、第3センサ63と、検査選別コントローラ70とを備える。
【0020】
電子部品3は、積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)である。電子部品3は、例えば図4に示すように、セラミック材料からなる複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体3aと、積層体3aの2つの端面の各々に配置された2つの外部電極3bとを備える。積層体3a、すなわち電子部品3は、直方体形状であり、積層方向に相対する2つの主面TS1およびTS2と、積層方向に交差する幅方向に相対する2つの側面WS1およびWS2と、積層方向および幅方向に交差する長さ方向に相対する2つの端面LS1およびLS2とを有する。
【0021】
電子部品3の寸法は特に限定されないが、例えば、長さ方向の寸法が3.2mm以上0.1mm以下であり、幅方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であり、積層方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であってもよい。なお、これらの寸法は、交差により変動し得る。
【0022】
電子部品3は、上述した誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサに限定されず、圧電体セラミックを用いた圧電部品、半導体セラミックを用いたサーミスタ、磁性体セラミックを用いたインダクタ等の種々の電子部品であってもよい。
【0023】
図1図3に示すように、ボールフィーダ10は、例えばホッパーによって供給された複数の電子部品3を整列させて搬送する。ホッパーは、ボールフィーダ10内の電子部品3の数の不足を検知して、ボールフィーダ10に電子部品3を自動的に補充し、ボールフィーダ10内の電子部品3の数を一定量に保つ装置である。なお、ボールフィーダ10への電子部品3の供給量を検知するセンサが設けられてもよい。このようなセンサとして、後述するボールフィーダ10上の電子部品3を検出する第3センサ63が用いられてもよい。
【0024】
ボールフィーダ10には、第2周波数の振動をボールフィーダ10に供給する振動機構12が設けられている。振動機構12としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子(第2圧電素子)が挙げられる。ボールフィーダ10の外形形状は円形状である。ボールフィーダ10は、第2周波数の振動により、円形状の中央部から外側へ向けて、電子部品3を円運動させながら、スパイラル状に整列させて搬送する。
【0025】
リニアフィーダ20は、ボールフィーダ10によって整列搬送された複数の電子部品3を順次に直線的に搬送する。リニアフィーダ20には、第1周波数の振動をリニアフィーダ20に供給する振動機構22が設けられている。振動機構22としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子(第1圧電素子)が挙げられる。リニアフィーダ20は水平面に対して傾斜していると好ましい。リニアフィーダ20は、第1周波数の振動により、電子部品3を搬送する。
【0026】
リニアフィーダ20は、SUS等の材料からなると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において、振動によって電子部品3を搬送する際に、電子部品3を帯電させることができる。
【0027】
ターンテーブル30は、リニアフィーダ20によって搬送された複数の電子部品3を順次に回転搬送する。図1および図2に示すように、ターンテーブル30は、上流側にガイド機構32を有し、ガイド機構32によって、リニアフィーダ20からの電子部品3を、回転搬送軌跡31に導く。ターンテーブル30は、回転搬送軌跡31に沿って電子部品3を搬送する。
【0028】
図3に示すように、ターンテーブル30の下側には、静電吸着機構34が設けられていると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において帯電した電子部品3を静電吸着して搬送することができる。
【0029】
ターンテーブル30の搬送速度は、リニアフィーダ20の搬送速度よりも速い。これにより、図2および図3に示すように、電子部品3の間隔を空けることができ、電子部品3の端面側の外観検査が可能となる。
【0030】
ターンテーブル30は、ガラスまたは樹脂等の材料からなり、透明性を有する。これにより、電子部品3の裏面側の外観検査が可能となる。
【0031】
図1に示すように、撮像デバイス40は、例えばカメラである。ターンテーブル30の回転搬送軌跡31に沿って、6個の撮像デバイス40が設けられている。6個の撮像デバイス40は、ターンテーブル30上の電子部品3の6個の外面、すなわち2つの主面TS1およびTS2、2つの側面WS1およびWS2、および2つの端面LS1およびLS2、をそれぞれ撮像する。撮像デバイス40の各々には、電子部品3の撮像面を照らす照明デバイスが設けられてもよい。
【0032】
図1に示すように、排出機構50は、後述する検査選別コントローラ70によって外観検査の結果に基づいて選別された良品を、ターンテーブル30から排出してケース等に収容する。排出機構50による良品の排出方法は、特に限定されないが、エアー吹付、エアー吸引、物理的接触押出、等が挙げられる。例えば、排出機構50は、良品が搬送されてきた場合、検査選別コントローラ70からの指令に従って、ターンテーブル30上の良品にエアーを吹き付けることにより、良品をターンテーブル30から排出してケース等に収容する。
【0033】
第1センサ61は、ターンテーブル30に設けられており、ターンテーブル30上の電子部品3を検出する。第1センサ61としては、特に限定されないが、上述したようにターンテーブル30が透明性を有するため、例えば透過型のレーザセンサが挙げられる。これにより、第1センサ61は、ターンテーブル30によって一定の速度で搬送される電子部品3の間隔を検出することができる。
【0034】
第2センサ62は、リニアフィーダ20に設けられており、リニアフィーダ20上の電子部品3を検出する。第2センサ62としては、特に限定されないが、例えばレーザ変位計または面光電センサが挙げられる。電子部品3の大きさが比較的に大きい場合、例えば幅方向寸法または積層方向寸法が0.8mm以上である場合、レーザ変位計が用いられると好ましい。レーザ変位計によれば、電子部品の高さを検出することにより、ワークの向きなども併せて検出できる。一方、電子部品3の大きさが比較的に小さい場合、例えば幅方向寸法または積層方向寸法が0.8mm未満である場合、面光電センサが用いられると好ましい。面光電センサによれば、電子部品3のサイズの小型化による誤検出を防止できる。第2センサ62は、リニアフィーダ20上の電子部品3の有無を所定時間ごとに検出する。このようにして、第2センサ62は、リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合を検出することができる。
【0035】
第3センサ63は、ボールフィーダ10に設けられており、ボールフィーダ10上の電子部品3を検出する。第3センサ63としては、特に限定されないが、第2センサ62と同様に、例えばレーザ変位計または面光電センサが挙げられる。
【0036】
検査選別コントローラ70は、部品検査装置1全体を制御する。具体的には、検査選別コントローラ70は、撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて、ターンテーブル30上の電子部品3の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品および不良品を選別する。
【0037】
また、検査選別コントローラ70は、排出機構50による良品の排出を制御する。例えば、検査選別コントローラ70は、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送軌跡長さまたは半径)、ターンテーブル30における撮像デバイス40の位置等の情報から、良品を排出機構50から排出するタイミングを算出して、排出機構50に指令する。
【0038】
また、検査選別コントローラ70は、第1センサ61によって検出されたターンテーブル30上の電子部品3の間隔に基づいて、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整する。例えば、検査選別コントローラ70は、リニアフィーダ20の振動機構22における第1圧電素子の電圧を調整する。
【0039】
例えば、検査選別コントローラ70は、検出されたターンテーブル30上の電子部品3の間隔が第1目標値に近づくように、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整する。より具体的には、検査選別コントローラ70は、検出されたターンテーブル30上の複数の電子部品3(例えば100個)において複数の部品間距離(例えば99個)を算出し、算出した複数の距離の中央値を算出する。検査選別コントローラ70は、算出した中央値が第1目標値に近づくように、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整する。
【0040】
このように、調整パラメータとして、複数の部品間距離の平均値ではなく、複数の部品間距離の中央値を用いる。これにより、極端に外れた値に依存することなく、電子部品の間隔を調整することができる。
【0041】
ターンテーブル30上の電子部品3の間隔のための第1目標値は、電子部品3の寸法、ターンテーブル30の搬送速度、撮像デバイス40の撮像速度能力、排出機構50の排出処理能力等に基づいて決定されればよい。
【0042】
ターンテーブル30上の電子部品3の間隔、例えば複数の部品間距離の中央値、が第1目標値よりも小さい場合の調整では、検査選別コントローラ70は、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を小さくする。これにより、リニアフィーダ20の振動が小さくなり、リニアフィーダ20からターンテーブル30への供給量が低くなる。その結果、ターンテーブル30上の電子部品3の間隔、例えば複数の部品間距離の中央値、が大きくなり、第1目標値に近づき保持される。
【0043】
一方、ターンテーブル30上の電子部品3の間隔、例えば複数の部品間距離の中央値、が第1目標値よりも大きい場合の調整では、検査選別コントローラ70は、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を大きくする。これにより、リニアフィーダ20の振動が大きくなり、リニアフィーダ20からターンテーブル30への供給量が高くなる。その結果、ターンテーブル30上の電子部品3の間隔、例えば複数の部品間距離の中央値、が小さくなり、第1目標値に近づき保持される。
【0044】
また、検査選別コントローラ70は、第2センサ62によって検出されたリニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合に基づいて、ボールフィーダ10の振動の第2周波数を調整する。例えば、検査選別コントローラ70は、ボールフィーダ10の振動機構12における第2圧電素子の電圧を調整する。
【0045】
例えば、検査選別コントローラ70は、検出されたリニアフィーダ20の搬送方向の全体寸法に対する、リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合を算出する。検査選別コントローラ70は、算出した占有割合が第2目標値以上となる状態を保持するように、ボールフィーダ10の振動の第2周波数を調整する。リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合のための第2目標値は、例えば95%である。
【0046】
リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合が第2目標値よりも小さい場合の調整では、検査選別コントローラ70は、ボールフィーダ10の振動の第2周波数を大きくする。これにより、ボールフィーダ10の振動が大きくなり、ボールフィーダ10からリニアフィーダ20への供給量が高くなる。その結果、リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合が大きくなり、第2目標値以上に保持される。
【0047】
ただし、ホッパーからの電子部品3の供給が十分になされない状態では、ボールフィーダ10の振動を過剰に強めてしまう可能性がある。そこで、検査選別コントローラ70は、リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合が所定値未満(例えば80%未満)に低下する場合には、ホッパーからの電子部品3の供給が終了し、ボールフィーダ10上の電子部品3もない状態と予測されるため、ボールフィーダ10の振動を停止してもよい。
【0048】
或いは、検査選別コントローラ70は、第3センサ63の検出結果に基づいて、所定時間(例えば1秒)以上ボールフィーダ10上の電子部品3を検出しない場合、すなわち、ホッパーからの電子部品の供給が終了した場合、ボールフィーダ10の振動を停止してもよい。
【0049】
検査選別コントローラ70は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。検査選別コントローラ70の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。検査選別コントローラ70の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0050】
検査選別コントローラ70における記憶部は、例えばEEPROM等の書き換え可能なメモリである。記憶部は、選別コントローラの各種機能を実行するための所定のソフトウェア(プログラム)を格納する。また、記憶部は、例えば外部から入力された各種設定値を格納する。各種設定値は、リニアフィーダ20の搬送速度、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送軌跡長さまたは半径)、撮像デバイス40の位置、および排出機構50の位置に関する情報、および良品/不良品の判定基準、等を含む。
【0051】
ここで、このような部品検査装置1では、ターンテーブル30の搬送速度の変動、リニアフィーダ20の部品詰まり等の何らかの要因により、ターンテーブル30における電子部品3の間隔が変動することがある。電子部品3の間隔が狭くなると、例えば撮像デバイス40により電子部品3の端面の撮像ができなくなり、電子部品3の外観検査の精度が低下してしまう。一方、電子部品3の間隔が広くなると、例えば電子部品3の外観検査の処理量が低下してしまう。
【0052】
この点に関し、本実施形態の部品検査装置1によれば、検査選別コントローラ70が、第1センサ61によって検出されたターンテーブル30上の電子部品3の間隔に基づいて、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整する。具体的には、検査選別コントローラ70は、ターンテーブル30上の電子部品3の間隔が第1目標値に近づくように、すなわち目標値に保持されるように、リニアフィーダの振動の第1周波数を調整する。これにより、電子部品3の間隔が狭くなり、例えば撮像デバイス40により電子部品3の端面の撮像ができなくなることを抑制でき、電子部品3の外観検査の精度の低下を抑制することができる。また、電子部品3の間隔が広くなり、例えば電子部品3の外観検査の処理量が低下することを抑制することができる。
【0053】
なお、ターンテーブル30における電子部品3の間隔の変動を抑制するためには、ターンテーブル30の搬送速度を調整することも考えられる。しかし、ターンテーブル30の搬送速度の決定では、撮像デバイス40の撮像速度能力、排出機構50の排出処理能力等の様々なパラメータを考慮する必要があり、ターンテーブル30の搬送速度の可能な調整範囲は実質的に小さく、ターンテーブル30の搬送速度の調整は実質的に難しい。このような観点から、本実施形態のように、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整し、すなわちリニアフィーダ20の振動を調整し、リニアフィーダ20からターンテーブル30への電子部品3の供給量を調整することにより、ターンテーブル30上の電子部品3の間隔を目標値に保持することは、有用である。
【0054】
ところで、リニアフィーダ20の振動の第1周波数を調整し、すなわちリニアフィーダ20の振動を調整し、リニアフィーダ20からターンテーブル30への電子部品3の供給量を高めると、リニアフィーダ20上の電子部品3が不足する可能性がある。
【0055】
この点に関し、本実施形態の部品検査装置1によれば、検査選別コントローラ70が、第2センサ62によって検出されたリニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合に基づいて、ボールフィーダ10の振動の第2周波数を調整する。具体的には、検査選別コントローラ70は、リニアフィーダ20上の電子部品3の占有割合が第2目標値以上(例えば95%以上)に保持されるように、ボールフィーダ10の振動の第2周波数を調整する。これにより、リニアフィーダ20からターンテーブル30への電子部品3の供給量を高めても、リニアフィーダ20上の電子部品3の不足を抑制することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。上述した実施形態では、電子部品の外観検査を行う部品検査装置1を例示した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、電子部品の種々の検査を行う部品検査装置に適用可能である。この場合、例えば、部品検査装置1は、複数の撮像デバイス40に代えて、少なくとも1つの検査デバイス40を備えてもよい。検査デバイス40としては、ターンテーブル30上の電子部品3の特徴量を取得する種々の検査デバイスが挙げられる。例えば、検査デバイス40としては、電子部品3の電気特性(特徴量)を測定するプローブ等が挙げられる。この場合、検査選別コントローラ70は、検査デバイス40によって取得された特徴量に基づいて、電子部品3の検査および選別を行えばよい。
【符号の説明】
【0057】
1 部品検査装置
3 電子部品
10 ボールフィーダ
12 振動機構
20 リニアフィーダ
22 振動機構
30 ターンテーブル
31 回転搬送軌跡
32 ガイド機構
34 静電吸着機構
40 撮像デバイス(検査デバイス)
50 排出機構
61 第1センサ
62 第2センサ
63 第3センサ
70 検査選別コントローラ(検査コントローラ)
図1
図2
図3
図4