(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-17
(45)【発行日】2025-09-26
(54)【発明の名称】遮蔽部材
(51)【国際特許分類】
B60R 5/04 20060101AFI20250918BHJP
【FI】
B60R5/04 T
(21)【出願番号】P 2023522280
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2022013411
(87)【国際公開番号】W WO2022244453
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2024-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2021083237
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/043703(WO,A1)
【文献】特開2010-137756(JP,A)
【文献】特開2012-228935(JP,A)
【文献】特開2007-210575(JP,A)
【文献】国際公開第2019/097880(WO,A1)
【文献】特開2009-062016(JP,A)
【文献】特開2011-42206(JP,A)
【文献】特開2000-118307(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0045639(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられている荷室の遮蔽部材であって、
前記荷室の開口部の少なくとも一部を上方から遮蔽可能な遮蔽ユニットを有し、
前記遮蔽ユニットは、第1の方向に互いに間隔をおいて配置されて前記第1の方向に直交する第2の方向にそれぞれ延びる金属製の1対の補強材と、1対の前記補強材の前記第2の方向の両方の端部をそれぞれ保持する樹脂製の1対の保持部材と、1対の前記補強材と1対の前記保持部材とで囲まれた空間を覆うシート状部材と、を有
し、
1対の前記補強材と1対の前記保持部材とで囲まれた前記空間は、前記第1の方向において一方の前記補強材から他方の前記補強材まで連続的に広がるとともに、前記第2の方向において一方の前記保持部材から他方の前記保持部材まで連続的に広がっており、かつ、前記シート状部材で覆われている部分以外は開放されていることを特徴とする、遮蔽部材。
【請求項2】
前記第1の方向は前記車両の前後方向であり、前記第2の方向は前記車両の幅方向である、請求項1に記載の遮蔽部材。
【請求項3】
前記第1の方向に並んで位置して前記開口部を遮蔽可能である複数の前記遮蔽ユニットを有する、請求項1または2に記載の遮蔽部材。
【請求項4】
前記第1の方向に並んで位置する複数の前記遮蔽ユニットの前記保持部材は、隣接する前記遮蔽ユニットの前記保持部材と連結されており、連結部分で前記第2の方向に延びる回転軸線を中心として回転可能であり、
前記連結部分は、隣接する前記遮蔽ユニットの前記保持部材と一体的に形成されている薄肉部を含むか、または隣接する前記遮蔽ユニットの前記保持部材同士を接続するヒンジ機構を含む、請求項3に記載の遮蔽部材。
【請求項5】
前記第1の方向に並んで位置する複数の前記遮蔽ユニットはそれぞれ分離して配置されており、各々の前記遮蔽ユニットの前記保持部材は、前記車両の前記荷室の内壁に設けられた係合部にそれぞれ係合可能である、請求項3に記載の遮蔽部材。
【請求項6】
一端部が前記遮蔽ユニットに固定されて他端部が前記車両の内壁に対して開閉可能なバックドアに固定されている紐部材をさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
【請求項7】
前記車両の上下方向において前記シート状部材に重なる状態と、上下方向において前記シート状部材に重ならず前記シート状部材と前後方向に並んで位置する状態とをとることができる、スライド可能な板状部材または巻取り可能な可撓性シート状のカバー部材をさらに有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遮蔽部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられている荷室の上方には、通常、パーセルシェルフやトノカバーと呼ばれる遮蔽部材が設けられている。特許文献1(特許第6080001号公報)には、凹部を有するトレイ状であって、載置された物品を支持することができる剛性を有するパーセルシェルフが開示されている。
【0003】
特許文献2(特許第6193560号公報)には、荷室の上部を遮蔽するシートと、ループ状に一体化された屈曲変形可能なワイヤと、ワイヤを収容する袋状の縁取り部材と、を有し、シートが縁取り部材に縫い付けられた構成のトノカバーが開示されている。
【0004】
特許文献3(実開昭53-121626号公報)には、車両の後部に設けられた荷室を上下に分割する上下分割棚が開示されている。上下分割棚は、フレーム状の上下分割棚用強度部材の上に古紙成型品などの基材が配置され、基材の表面にカーペットやレザー等の表皮材が貼り付けられた構成である。
【0005】
特許文献4(実開昭58-167257号公報)には、ロール状に巻回可能な可撓性トノカバーが開示されている。可撓性トノカバーは、車両の幅方向に延びる複数の長尺支持部材と、長尺支持部材をくるむように配置された1対のシートと、を有している。
【0006】
特許文献5(実開昭60-68845号公報)には、車両のリアシートのシートバックの背後に配置されるリアシェルフが開示されている。このリアシェルフは、ゴムまたはゴム類似品からなる多数(例えば9本)のベルトの両端がそれぞれ支持体に固定された構成である。多数のベルトは、互いに隙間なく設けられ、ある程度の張力を与えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6080001号公報
【文献】特許第6193560号公報
【文献】実開昭53-121626号公報
【文献】実開昭58-167257号公報
【文献】実開昭60-68845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたパーセルシェルフは、高い剛性を有する板状の部材であり、重量が大きく高コストである。特に、大型の車両に用いられる場合には、パーセルシェルフもさらに大型になって重量がより大きくなり、車両部品の軽量化に逆行するとともに、パーセルシェルフ自体の取り扱いが煩雑になる。また、荷室内に高さが高い物品を配置した場合、その上方に特許文献1のパーセルシェルフを配置すると、荷室内の物品がパーセルシェルフの下面の一部に当接してそれを押し上げ、パーセルシェルフは水平に保持されず斜めになる。その場合、パーセルシェルフは十分な剛性を有しているにもかかわらず、その上に物品を載置することが困難になる。
【0009】
特許文献2に記載されたトノカバーは軽くて折り畳みやすいが、シートおよびワイヤが変形しやすいため、トノカバーの上に物品を載置して支持することができない可能性がある。
【0010】
特許文献3に記載された上下分割棚は、フレーム状の上下分割棚用強度部材を、取付ブラケットを介して、荷室の内壁に取り付けられた側壁パイプに取り付けることによって、車両に取り付けられる。このように上下分割棚用強度部材を、取付ブラケットを介して側壁パイプに取り付けるための構成が複雑で取り付け作業が繁雑である。
【0011】
特許文献4に記載された可撓性トノカバーは、荷物積載棚として使用される場合には、展開した状態で車体リヤサイド部材の棚部に取り付けられ、不使用の場合には、棚部から取り外されてロール状に巻回される。可撓性トノカバーは棚部から容易に着脱でき、棚部から取り外した状態で巻回できる構成であって、剛性に乏しいため、棚部に取り付けた状態でも、可撓性トノカバーの上に物品を載置して支持することが困難な場合があると考えられる。
【0012】
特許文献5に記載されたリアシェルフは、ゴムまたはゴム類似品からなる多数のベルトを押し拡げて、下方のトランクルーム内の荷物を容易に取り出すことができる。しかし、互いに隙間なく設けられているが互いに固定されてはおらず、容易に変形可能なゴムまたはゴム類似品からなる可撓性の多数のベルトの上に、重い物品を載置して支持することは困難である。また、可撓性の多数のベルトの全てを支持体に固定する作業が煩雑である。
【0013】
そこで、本発明の目的は、構成が簡単で車両への取り付けが容易であって、軽量であり、載置された物品を支持することができる遮蔽部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、車両に設けられている荷室の遮蔽部材であって、前記荷室の開口部の少なくとも一部を上方から遮蔽可能な遮蔽ユニットを有し、前記遮蔽ユニットは、第1の方向に互いに間隔をおいて配置されて前記第1の方向に直交する第2の方向にそれぞれ延びる金属製の1対の補強材と、1対の前記補強材の前記第2の方向の両方の端部をそれぞれ保持する樹脂製の1対の保持部材と、1対の前記補強材と1対の前記保持部材とで囲まれた空間を覆うシート状部材と、を有し、1対の前記補強材と1対の前記保持部材とで囲まれた前記空間は、前記第1の方向において一方の前記補強材から他方の前記補強材まで連続的に広がるとともに、前記第2の方向において一方の前記保持部材から他方の前記保持部材まで連続的に広がっており、かつ、前記シート状部材で覆われている部分以外は開放されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、構成が簡単で車両への取り付けが容易であって、軽量であり、載置された物品を支持することができる遮蔽部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態の遮蔽部材を備えた車両の一部を模式的に示す側面図である。
【
図2C】
図1に示す遮蔽部材の、保持部材を省略した中央部断面図である。
【
図2D】シート状部材の巻き付け状態が異なる遮蔽部材の、保持部材を省略した中央部断面図である。
【
図3A】
図1に示す遮蔽部材のシート状部材と補強材と保持部材の固定方法を説明するための斜視図である。
【
図3B】
図1に示す遮蔽部材の要部の一部断面斜視図である。
【
図3C】
図1に示す遮蔽部材のシート状部材と補強材と保持部材の他の固定方法を説明するための斜視図である。
【
図3D】
図1に示す遮蔽部材の補強材の側面図である。
【
図4A】本発明の第1の実施形態の遮蔽部材の変形例の側面図である。
【
図4B】本発明の第1の実施形態の遮蔽部材の変形例の折り畳み状態を示す側面図である。
【
図5A】本発明の第2の実施形態の遮蔽部材の斜視図である。
【
図5B】本発明の第2の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部を覆う状態を示す側面図である。
【
図5C】本発明の第2の実施形態の遮蔽部材の2つの遮蔽ユニットを拡大して示す側面図である。
【
図5D】本発明の第2の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部の一部のみを覆う状態を示す側面図である。
【
図5E】本発明の第2の実施形態の遮蔽部材の変形例の2つの遮蔽ユニットを拡大して示す側面図である。
【
図6A】本発明の第3の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部を覆う状態を示す側面図である。
【
図6B】本発明の第3の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部の一部のみを覆う状態を示す側面図である。
【
図6C】本発明の第3の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部の一部のみを覆う状態を示す側面図である。
【
図6D】本発明の第3の実施形態の遮蔽部材が荷室の開口部の一部のみを覆う状態を示す側面図である。
【
図6E】本発明の第3の実施形態の遮蔽部材の変形例が荷室の開口部を覆う状態を示す側面図である。
【
図7A】本発明の第4の実施形態の遮蔽部材の、バックドアが閉じた状態を示す側面図である。
【
図7B】本発明の第4の実施形態の遮蔽部材の、バックドアが開いた状態を示す側面図である。
【
図8A】本発明の第5の実施形態の遮蔽部材を示す側面図である。
【
図8B】本発明の第5の実施形態の遮蔽部材の変形例を示す側面図である。
【
図9A】本発明の遮蔽部材の取付部の例を示す斜視図である。
【
図9B】本発明の遮蔽部材の取付部の他の例を示す斜視図である。
【
図9C】本発明の遮蔽部材の取付部の他の例を示す斜視図である。
【
図9D】
図9Cに示す遮蔽部材の取付部と車両の内壁の係合部との係合状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の遮蔽部材を備えた車両1の一部を模式的に示す側面図である。車両1は、座席2の後方(進行方向の後方(リア側))に荷室3を有している。荷室3は、上方および後方に向かって開放されている。便宜上、荷室3の上方に向かって開放されている部分を上方への開口部と称し、後方に向かって開放されている部分を後方への開口部と称する。荷室3の上方への開口部および後方への開口部を塞ぐように、車両1の最後部に、開閉可能なバックドア4が設けられている。バックドア4が閉じている状態を実線で、開いている状態を2点鎖線でそれぞれ図示している。
【0018】
荷室3には、上方への開口部を覆う遮蔽部材5が配置されている。
図2Aは本発明の第1の実施形態の遮蔽部材5を示す斜視図、
図2Bはその遮蔽部材5の分解斜視図、
図2Cはその遮蔽部材5の保持部材7を省略した中央部断面図である。
図2Dは、シート状部材8の巻き付け状態が異なる遮蔽部材5の保持部材7を省略した中央部断面図である。
【0019】
遮蔽部材5は、荷室3の開口部の少なくとも一部を上方から遮蔽可能な遮蔽ユニットであり、主に3種類の部材、すなわち1対の補強材6と、1対の保持部材7と、シート状部材8と、を有する。補強材6は、車両1の前後方向(第1の方向)D1に互いに間隔をおいて配置されて、前後方向D1に直交する幅方向(第2の方向)D2にそれぞれ延びる金属(例えば鉄やアルミニウムなど)製の細長い部材である。1対の保持部材7は、幅方向D2に間隔をおいて互いに対向している。一方の保持部材7は、補強材6の幅方向D2における一端部を保持する樹脂成形品であり、他方の保持部材7は、1対の補強材6の幅方向D2における他端部を保持する樹脂成形品である。シート状部材8は、1対の補強材6と1対の保持部材7とで囲まれた空間を覆っている。このシート状部材8と1対の補強材6と1対の保持部材7とが互いに固定されて、遮蔽部材5が構成されている。この遮蔽部材5は、荷室3の側壁に設けられた係合部9(
図1参照)の上に保持部材7が載せられることによって、荷室3の開口部を覆った状態で保持される。保持部材7の、係合部9の上面に当接する部分が、この遮蔽部材5の取付部である。補強材6は、断面がU字状の部材に限られず、他の形状(例えば円柱状または角柱状)の部材であってもよい。補強材6の内部に様々な部材を配置してもよい。
【0020】
図2Cに示されている構成では、シート状部材8は補強材6の外周面の2つの面(上面と一側面)に接するように配置されて固定されている。ただし、
図2Dに示されている構成のように、シート状部材8が補強材6の外周面の3つの面(上面と一側面と下面)に巻き付くように配置されて固定された構成であってもよい。その場合、補強材6に棒状の芯部材10を取り付けて、シート状部材8の端部を芯部材10に固定することにより、シート状部材8を補強材6に安定的に固定することができる。
【0021】
本実施形態の遮蔽部材5のシート状部材8と補強材6と保持部材7とはタッピングによって互いに固定されてもよい。
図3Aは、シート状部材8と補強材6と保持部材7の固定方法の一例を説明するための斜視図であり、
図3Bは、その遮蔽部材5の要部の一部断面斜視図である。シート状部材8の前後方向D1の端部を、補強材6の一部と接するように配置し、シート状部材8に設けられた貫通孔8aと補強材6に設けられた貫通孔6aとを重ね合わせた状態で、シート状部材8および補強材6の貫通孔を貫通したねじ16を保持部材7にねじ込むことによって、各部材6,7,8を互いに固定することができる。この場合、遮蔽部材5の裏面側(下面側)から、シート状部材8および補強材6が保持部材7にねじ止めされる。
【0022】
また、
図3Cは、シート状部材8と補強材6と保持部材7の他の固定方法を説明するための斜視図であり、
図3Dはその補強材8の側面図である。遮蔽部材5の側面側から挿入したねじ16またはピン(図示せず)によって補強材6を保持部材7に取り付けることもできる。この場合、補強材6に、例えばU字状のねじ止め用係合部6bが設けられる。そして、シート状部材8は、
図3A,3Bに示す構成と同様に遮蔽部材5の裏面側(下面側)から挿入されたねじ16によって保持部材7にねじ止めされてもよい。なお、
図3A,3Cには1つの補強材6のみを示し、他の補強材6は図示省略している。
【0023】
本実施形態の遮蔽部材5では、剛性が高い金属製の補強材6によってシート状部材8を保持している。シート状部材8は可撓性を有する薄い部材であるが、実質的には主に補強材6が物品の荷重を支持するため、物品を載置して支持することが可能である。本実施形態の遮蔽部材5は、例えば特許文献1のパーセルシェルフと同様に物品を置いて支持することが可能であるが、特許文献1のパーセルシェルフにおいて重量およびコストが最も大きい板状の基材が存在しないため、コストの低減と軽量化が図れる。一例としては、特許文献1と同様な構成においては、板状の基材が3000g/m2程度であって基材の表面に貼られる表皮材が150g/m2で、合計重量が3150g/m2程度であったのに対し、本実施形態では、シート状部材8と補強材6との合計重量が1100g/m2程度であった。このように本実施形態の遮蔽部材5は軽量であるため、小型の3ドア車両において用いられるだけでなく、通常は巻回可能なトノカバーが用いられるような大型の車両において巻回可能なトノカバーの代わりに用いることもできる。
【0024】
また、本実施形態の遮蔽部材5は、剛性や耐熱変形のために凹凸部を有する複雑な形状の基材を含んでいない。仮に凹凸部を有する複雑な形状の基材の表面に表皮材を設ける場合には、複雑な形状の基材の表面に密着させるために、表皮材の材料や形成方法に制限がある。例えばニードルパンチ不織布を基材の表面に密着するように成形することによって、表皮材が設けられる。しかし、本実施形態の遮蔽部材5では、シート状部材8を密着させるべき基材はなく、シート状部材8の材料や形成方法に制限はほとんどない。例えばレザーやジャージやニットなどからなるシート状部材8を用いることもでき、デザインの自由度が広がり、意匠性を高めることができる。シート状部材8は、張力がかけられてピンと張った平坦な状態で保持されてもよいが、ある程度弛んだ状態で保持されてもよい。
【0025】
シート状部材8は、例えばねじ16を外すことによって補強材6および保持部材7から取り外して、材料や意匠が異なる別のシート状部材8と交換することが容易に可能である。すなわち、従来のパーセルシェルフや巻回型のトノカバーのように遮蔽部材全体を交換しなくても、シート状部材8のみを容易に交換してデザインを変更することが容易にできる。例えば、車室から荷室3の内部が見えないようにする布状のシート状部材8と、粗い網状のシート状部材8とを使い分けることができる。ただし、粗い網状のシート状部材8も物品を載置できる程度の強度を有することが好ましい。
【0026】
図4A~4Bには、本実施形態の遮蔽部材の変形例が示されている。この変形例の遮蔽部材11の保持部材12は、
図4Aに示すように、車両1の前後方向(第1の方向)D1の中間位置に、幅方向(第2の方向)D2に延びる薄肉部12aが設けられている。遮蔽部材11は、保持部材12の薄肉部12aを中心として回転可能であり、その回転運動により
図4Bに示すように折り畳み可能である。このように折り畳んだ状態で、1対の補強材6の間のシート状部材8は垂れ下がってもよい。
【0027】
この構成によると、遮蔽部材11によって荷室3の開口部の全体を覆う状態のみならず、折り畳んだ遮蔽部材11によって荷室3の開口部の一部のみを覆う状態にすることもできる。折り畳んだ遮蔽部材11によって荷室3の開口部の前部のみを覆って後部を開放させると、車両1の後方から荷室3に対して物品を出し入れしやすい状態にすることができる。また、折り畳んだ遮蔽部材11によって荷室3の開口部の後部のみを覆って前部を開放させると、荷室3の前方、すなわち車室の座席2(
図1参照)側から荷室3に対して物品を出し入れしやすい状態にすることができる。しかも、遮蔽部材11を荷室3の開口部の上方から完全に取り外す場合のように取り外した遮蔽部材11の保管場所を必要とすることはなく、遮蔽部材11を荷室3の開口部の上方に保持しておけるため、余分なスペースは不要である。本実施形態の遮蔽部材11によると、このような2つの状態を選択的に容易にとることができる。遮蔽部材11の非使用時に折り畳んでおくことにより、コンパクトな状態で保持することができる。
【0028】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の遮蔽部材について説明する。
図5Aは本発明の第2の実施形態の遮蔽部材13の斜視図である。
図5Bは遮蔽部材13によって荷室3の開口部を覆っている状態を模式的に示す側面図である。
図5Cは遮蔽部材13の2つの遮蔽ユニット14を示す側面図である。
図5Dは遮蔽部材13によって荷室3の上方への開口部の一部のみを覆っている状態を模式的に示す側面図である。
図5Eは第2の実施形態の変形例の2つの遮蔽ユニット17を示す側面図である。前述した本発明の第1の実施形態では、遮蔽部材5,11が1つの遮蔽ユニットのみから構成されているが、第2の実施形態では、遮蔽部材13が複数の遮蔽ユニット14から構成されている。各遮蔽ユニット14は、第1実施形態の遮蔽部材5と実質的に同じ構成であり、1対の補強材6と、1対の保持部材7と、シート状部材8と、を有する。複数の遮蔽ユニット14は、
図5A,5Bに示すように、車両1の前後方向(第1の方向)D1に並んで位置して、荷室3の開口部を遮蔽可能である。そして、前後方向D1に並んで位置する複数の遮蔽ユニット14の保持部材7は、隣接する遮蔽ユニット14の保持部材7と連結されている。具体的には、
図5Cに示すように、隣接する遮蔽ユニット14の保持部材7同士の連結部分には、それらを互いに接続するヒンジ機構15が設けられている。そして、このヒンジ機構15によって、隣接する遮蔽ユニット14の保持部材7同士は、車両1の幅方向(第2の方向)D2に延びる回転軸線15aを中心として回転可能である。ヒンジ機構15による遮蔽ユニット14の回転運動によって、
図5Dに示すように少なくとも一部の遮蔽ユニット14が斜め方向または上下方向に延びるように起立した状態や、複数の遮蔽ユニット14が上下に重なり合った状態にすることができる。ヒンジ機構15はばね部材を含むものであってもよい。ヒンジ機構15は、車両1の上下方向において保持部材7の上部に位置していてもよく、下部に位置していてもよく、中間部に位置していてもよい。
【0029】
本実施形態では、第1の実施形態の変形例と同様に、複数の遮蔽ユニット14によって荷室3の開口部のほぼ全体を覆った状態と、一部の遮蔽ユニット14によって荷室3の開口部の前部のみを覆って後部を開放させた状態と、一部の遮蔽ユニット14によって荷室3の開口部の前部のみを覆って後部を開放させた状態とを、選択的に容易にとることができる。それにより、車両1の後方から荷室3に対して物品31を出し入れしやすい状態にも、荷室3の前方(車室の座席2側)から荷室3に対して物品31を出し入れしやすい状態にもできる。そして、遮蔽部材13上に置かれる物品31や、荷室3内に収容される物品31の大きさ等に応じて、遮蔽ユニット14によって開口部を遮蔽する位置を決めることができるため、様々な大きさの物品31の載置や収容に適応可能である。また、
図5A~5Dに示すように遮蔽部材13が3つ以上の遮蔽ユニット14から構成されていると、非使用時の遮蔽部材13を、第1の実施形態の変形例よりもさらにコンパクトにした状態で保持することができる。
【0030】
図示しないが、車両1の前後方向D1において最も前方に位置する遮蔽ユニット14が、荷室3に隣接する座席2(リアシート)の背面に直接または間接的に係合していてもよい。その場合、遮蔽ユニット14は、座席2の傾斜(リクライニング)動作に追従して移動する。従って、座席2の傾斜(リクライニング)動作によって、荷室3に対する物品31の出し入れが困難になることはなく、物品31を容易に出し入れできる状態を維持することができる。
【0031】
図5Eは本発明の第2の実施形態の遮蔽部材の変形例の2つの遮蔽ユニット17を示す側面図である。本変形例では、隣接する遮蔽ユニット17の保持部材7同士の連結部分にヒンジ機構は設けられておらず、連結部分には、隣接する遮蔽ユニット17の保持部材7と一体的に形成されて幅方向D2に延びる薄肉部18を有している。すなわち、本変形例では、隣接する遮蔽ユニット17の保持部材7同士の連結部分が、それらの保持部材7と一体的に形成された薄肉部18からなる。本実施形態では、隣り合う遮蔽ユニット17の、薄肉部18を仮想的な回転軸線とした回転運動により、少なくとも一部の遮蔽ユニット17が斜め方向または上下方向に延びるように起立した状態や、複数の遮蔽ユニット17が上下に重なり合った状態にすることができる。それにより、本変形例でも、前述した効果が得られる。しかも、ヒンジ機構を必要としないため、容易かつ低コストで連結部分を構成することができる。薄肉部18は、車両1の上下方向において保持部材7の上部に位置していてもよく、下部に位置していてもよく、中間部に位置していてもよい。
以上説明した事項以外の構成および作用効果は、第1の実施形態と実質的に同様であるため、説明を省略する。
【0032】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の遮蔽部材について説明する。
図6Aは本発明の第3の実施形態の遮蔽部材19によって荷室3の上方への開口部を覆っている状態を模式的に示す側面図である。
図6B~6Dは遮蔽部材19によって荷室3の上方への開口部の一部のみを覆っている状態を模式的に示す側面図である。本発明の第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に遮蔽部材19が複数の遮蔽ユニット20から構成されている。各遮蔽ユニット20は、第1実施形態の遮蔽部材5と実質的に同じ構成であり、1対の補強材6と、1対の保持部材7と、シート状部材8と、を有する。本実施形態では、隣接する遮蔽ユニット20の保持部材7同士が連結されていない。すなわち、車両1の前後方向D1に並んで位置する複数の遮蔽ユニット20はそれぞれ分離して配置されている。荷室3の側壁に、各遮蔽ユニット20の保持部材7を載せるための複数の係合部9がそれぞれ設けられている。この構成によると、ヒンジ機構や薄肉部は不要であるため、低コスト化が図れる。本実施形態では、複数の遮蔽ユニット20をそれぞれ独立して配置できるため、荷室3の開口部のどの部分を遮蔽してどの部分を開放させるかという点で非常に自由度が大きく、また、遮蔽する部分の大きさおよび開放する部分の大きさの設定の自由度も大きい。
【0033】
図6A~6Dに示す構成では、複数の遮蔽ユニット20が上下方向において異なる高さに位置している。従って、複数の遮蔽ユニット20を、互いに上下方向に重なり合い、かつ上下方向に間隔をおいて配置することができる。この場合、
図6Bに示すように、荷室3内に高さが高い物品31を配置することができるとともに、各遮蔽ユニット20上にそれぞれ小さな物品31を載置して支持することができ、様々な物品31の収容能力が高い。特に、遮蔽ユニット20のシート状部材8が、張力がかかってピンと張った状態ではなく、ある程度弛んだ状態であると、比較的大きな物品31を遮蔽ユニット20の上に載置することができる。シート状部材8が弛むことによって、1対の補強材6の間のスペースを物品31の収容に利用することができる。これは、本発明では1対の補強材6の間に板状の基材等が存在せず、スペースが空いているからである。
【0034】
少なくとも1つの遮蔽ユニット20が、前後方向の一側部を中心として回転可能な構成であってもよい。
図6Cに示すように、少なくとも1つの遮蔽ユニット20を回転させて上下方向に延びるように起立した姿勢にすることによって、遮蔽ユニット20を取り外すことなく、下方の遮蔽ユニット20に対して物品31を載置したり取り出したりすることができる。
【0035】
図6Dに示すように、複数の遮蔽ユニット20のうちの一部を、上下方向に重なり合わず、平面的にずらした位置に配置することにより、より大きな物品31を下方の遮蔽ユニット20の上に載置して支持することができる。本実施形態では、複数の遮蔽ユニット20が互いに連結されておらず、独立して配置できるため、遮蔽ユニット20の上に載置する物品31の大きさに合わせて遮蔽ユニット20の平面的な位置をずらすことができる。
【0036】
なお、本実施形態において、
図6Eに示すように複数の遮蔽ユニット20が上下方向において同じ高さに位置する構成にすることもできる。
以上説明した事項以外の構成および作用効果は、第2の実施形態と実質的に同様であるため、説明を省略する。
【0037】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の遮蔽部材について説明する。
図7Aは、本発明の第4の実施形態の遮蔽部材21の、バックドア4が閉じた状態を示す側面図である。
図7Bは、遮蔽部材21の、バックドア4が開いた状態を示す側面図である。本実施形態では、第2~3の実施形態と同様に遮蔽部材21が複数の遮蔽ユニット22から構成されている。各遮蔽ユニット22は、第1実施形態の遮蔽部材5と実質的に同じ構成であり、1対の補強材6と、1対の保持部材7と、シート状部材8と、を有する。本実施形態では、車両1の前後方向D1において最も後方に位置する遮蔽ユニット22が、連結部材(例えば紐部材23)によって車両1のバックドア4に連結されている。すなわち、紐部材23の一端部が、最も後方に位置する遮蔽ユニット22に固定され、他端部が開閉可能なバックドア4に固定されている。この構成によると、バックドア4の開閉に合わせて遮蔽ユニット22が移動する。特に好ましくは、バックドア4が開くのと同時に、遮蔽ユニット22の少なくとも一部が上方に移動して、荷室3の開口部の開放している範囲を大きくする。使用者がバックドア4を開くのは荷室3に対して物品の出し入れを行う場合が多いため、本実施形態においてバックドア4を開くと荷室3の開口部がより大きく開放されることにより、物品の出し入れのための作業が容易になる。なお、連結部材は紐部材23に限られず、他の形態の連結部材を用いることもできる。
【0038】
本実施形態において、車両1の前後方向D1において最も前方に位置する遮蔽ユニット22が、荷室3に隣接する座席2(リアシート)の背面に直接または間接的に係合していることが好ましい。それにより、遮蔽ユニット22は、座席2の傾斜(リクライニング)動作に追従して移動する。従って、座席2の傾斜(リクライニング)動作によって、荷室3に対する物品の出し入れが困難になることなく、容易に出し入れできる状態を維持することができる。
【0039】
本実施形態の複数の遮蔽ユニット22は、第2の実施形態と同様に互いに連結されていることが好ましい。しかし、第3の実施形態と同様に複数の遮蔽ユニット22が互いに連結されておらず、分離していてもよい。また、図示しないが、本実施形態において、遮蔽部材21が単一の遮蔽ユニット22のみからなる構成にすることもできる。なお、以上説明した事項以外の構成および作用効果は、第1~3の実施形態と実質的に同様であるため、説明を省略する。
【0040】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の遮蔽部材について説明する。
図8Aは、本発明の第5の実施形態の遮蔽部材を示す側面図であり、
図8Bは、第5の実施形態の遮蔽部材の変形例を示す側面図である。本実施形態の遮蔽ユニット24は、第1実施形態の遮蔽部材5と実質的に同じ構成であり、1対の補強材6と、1対の保持部材7と、シート状部材8と、を有する。
図8Aに示す例では、車両1の上下方向においてシート状部材8に重なる状態と、上下方向においてシート状部材8に重ならず前後方向D1に並んで位置する状態とをとることができる巻取り可能な可撓性シート状のカバー部材25が設けられている。遮蔽ユニット24の1対の補強材6の間であってシート状部材8の下方の空間に、カバー部材25を巻き取るための巻き取り機構26が配置されている。可撓性シート状のカバー部材25を、シート状部材8に重なる位置から引き出してシート状部材8と前後方向D1に並んで位置する状態にすると、カバー部材25と遮蔽ユニット24とが協働して荷室3の開口部を覆うことができる。荷室3の開口部の開放している範囲を広げる場合には、1対の補強材6の間であってシート状部材8の下方の空間に位置する巻き取り機構26によってカバー部材25を巻き取ることができる。ただし、カバー部材25の非使用時に、
図8Aに2点鎖線で示すように、カバー部材25を垂れ下がらせた状態に保持することもできる。
【0041】
図8Bに示す例では、車両1の上下方向においてシート状部材8に重なる状態と、上下方向においてシート状部材8に重ならず前後方向D1に並んで位置する状態とをとることができるスライド可能な板状部材27が設けられている。板状部材27は、
図8Bに実線で示すように遮蔽ユニット24の外側に突出した位置と、
図8Bに2点鎖線で示すように遮蔽ユニット24の内部に収容された位置との間でスライド可能である。板状部材27をスライドさせて遮蔽ユニット24の外側に引き出してシート状部材8と前後方向D1に並んで位置する状態にすると、板状部材27と遮蔽ユニット24とが協働して荷室3の開口部を覆うことができる。荷室3の開口部の開放している範囲を広げる場合には、板状部材27をスライドさせて遮蔽ユニット24の内部に押し込む。
【0042】
本実施形態によると、単一の遮蔽ユニット24のみによって遮蔽部材が構成されている場合であっても、荷室3の開口部がカバー部材25または板状部材27によって覆われ得る面積の分だけ、遮蔽ユニット24を小型化することができる。また、複数の遮蔽ユニット24によって遮蔽部材が構成されている場合には、カバー部材25または板状部材27が遮蔽ユニット24の代替部材として機能するため、遮蔽ユニット24の数を減らすことができる。
【0043】
[遮蔽部材の取付機構]
本発明の遮蔽部材の遮蔽ユニットを車両内壁に取り付ける構成について説明する。本発明の遮蔽ユニットは、保持部材7の一部が車両1の内壁の一部と係合することによって、車両1に取り付けられている。
図1,6A~6Eに示す例では、車両1の内壁に棚状の突出部9が設けられており、その突出部9の上に保持部材7が載置されて保持される。すなわち、この突出部9が係合部であって、保持部材7の、突出部9の上に載せられる部分(突出部に接する部分)が取付部である。ただし、遮蔽部材の遮蔽ユニットを車両内壁に取り付ける構成の他の例としては、
図9Aに示すように保持部材7に円柱状の突起28が設けられ、図示しないが車両の内壁に、突起28が嵌合する凹部が設けられた構成にすることもできる。この構成では、車両の内壁に設けられた凹部が係合部であって、保持部材7の円柱状の突起28が取付部である。この場合、遮蔽ユニットが突起28および凹部の係合部分を中心として回転可能な構成にすることができる。保持部材7の円柱状の突起28と車両の内壁の凹部との嵌合によって、遮蔽ユニットが回転可能な構成であると、この嵌合部分が遮蔽ユニットの車両の内壁への取り付けと、
図5A~7Bに示すような遮蔽ユニットの回転運動とに寄与するため、効果的である。突起28は、保持部材7の前後方向D1の端部付近に設けることが好ましい。
【0044】
さらに、
図9Bに示すように保持部材7に2つの円柱状の突起28が設けられ、図示しないが車両の内壁に、突起28がそれぞれ嵌合する2つの凹部が設けられた構成にすることもできる。この構成では、突起28が凹部から脱出可能であることが好ましい。その場合、遮蔽ユニットは、2つの突起28のどちらを中心とする回転運動も可能であるため、遮蔽ユニットを前方に向かって回転させることも、後方に向かって回転させることもできる。すなわち、荷室3に対して物品の出し入れを行う位置に応じて遮蔽ユニットの回転方向を任意に選択して、物品の出し入れ作業をより容易にすることができる。この構成では、2つの突起28を保持部材7の前後方向D1の両端部付近にそれぞれ設けることが好ましい。なお、
図9A,9Bに示す構成では、保持部材7に突起28が設けられ、車両1の内壁に凹部が設けられているが、車両1の内壁に突起が設けられ、保持部材7に、突起が嵌合する凹部が設けられた構成にすることもできる。
【0045】
第3の実施形態のように遮蔽ユニットが前後方向にスライド可能な構成では、
図9Cに示すように、遮蔽ユニットの保持部材7に、前後方向に直線的に延びる細長い取付部30が設けられた構成にすることもできる。その場合、
図9Dに示すように、車両1の内壁に、取付部30が係合するレール(係合部)29が設けられる。この構成によると、遮蔽ユニットの円滑なスライドが可能である。
【0046】
なお、以上説明した様々な係合部および取付部の構成は、前述した各実施形態において任意に採用することができる。さらに、これらの構成において、図示しないが、係合部と取付部の間に緩衝材を介在させて、騒音や振動の発生を防ぐことができる。緩衝材は、係合部または取付部に貼り付けられる不織布であってもよく、2色成形等によって係合部または取付部と一体的に形成される軟質樹脂であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 車両
2 座席
3 荷室
4 バックドア
5,11,13,19,21 遮蔽部材
6 補強材
6a,8a 貫通孔
6b ねじ止め用係合部
7,12 保持部材
8 シート状部材
9 係合部
10 芯部材
12a 薄肉部
14,17,20,22,24 遮蔽ユニット
15 ヒンジ機構
15a 回転軸線
16 ねじ
18 薄肉部
23 紐部材(連結部材)
25 カバー部材
26 巻き取り機構
27 板状部材
28 突起(取付部)
29 レール(係合部)
30 取付部
31 物品
D1 前後方向(第1の方向)
D2 幅方向(第2の方向)