(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-17
(45)【発行日】2025-09-26
(54)【発明の名称】ラインレーザモジュール及び自走機器
(51)【国際特許分類】
G01C 3/06 20060101AFI20250918BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20250918BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250918BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20250918BHJP
【FI】
G01C3/06 110A
A47L9/28 E
G06T7/00 350B
G06V10/70
(21)【出願番号】P 2023574566
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 CN2022077855
(87)【国際公開番号】W WO2022252712
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】202110615607.0
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522152360
【氏名又は名称】北京石頭世紀科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Roborock Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1001, Floor 10, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】于 光
(72)【発明者】
【氏名】龍 永吉
(72)【発明者】
【氏名】劉 丹
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-018613(JP,A)
【文献】特開2019-197428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0001841(US,A1)
【文献】特開2013-156109(JP,A)
【文献】特開2020-140247(JP,A)
【文献】特開2005-153283(JP,A)
【文献】特開2013-146296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0089040(US,A1)
【文献】米国特許第10845817(US,B1)
【文献】特開2004-280451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 3/00 - G01C 3/32
A47L 9/28
G01S 7/00 - G01S 7/64
G01S 13/00 - G01S 17/95
H01S 5/00 - H01S 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインレーザモジュールであって、
ボディ部と、第1画像収集アセンブリと、第2画像収集アセンブリとを備え、
前記第1画像収集アセンブリは、前記ボディ部に設けられ、
清掃すべき表面を上から見下ろす第1カメラと、少なくとも1つのレーザ発光装置と、第1画像処理モジュールとを含み、前記レーザ発光装置は、前記第1カメラに近接して設けられ、投影が線形を呈するラインレーザ光を前記ボディ部の外へ発光するように構成され、前記第1カメラは、ラインレーザ光を含む第1環境画像を収集するように構成され、前記第1画像処理モジュールは、前記第1環境画像に基づいて障碍物距離情報を取得するように構成され、
前記第2画像収集アセンブリは、第2カメラと、第2画像処理モジュールとを含み、前記第2カメラは、第2環境画像を収集するように構成され、前記第2画像処理モジュールは、前記第2環境画像に基づいて障害物タイプ情報を取得するように構成され、
前記第1カメラと前記第2カメラとは、水平方向に沿って配置され、又は、鉛直方向に沿って配置され、
前記レーザ発光装置は、赤外光を発光するように構成され、前記第1カメラは、赤外カメラであり、前記第2カメラは、RGBカメラであり、
前記第1画像収集アセンブリは、第1フィルタレンズを更に含み、
前記第1フィルタレンズは、赤外光のみが前記第1カメラに進入するように構成され、
前記第2画像収集アセンブリは、第2フィルタレンズを更に含み、
前記第2フィルタレンズは、可視光のみが前記第2カメラに進入するように構成され、
前記第1カメラの第1光軸は、水平方向に対して下向きに傾斜している
ことを特徴とするラインレーザモジュール。
【請求項2】
前記第1画像処理モジュールは、三角測距法に基づいて前記障碍物距離情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項3】
前記第2画像処理モジュールは、
前記第2環境画像に対して特徴抽出を行って特徴情報を取得するように構成される特徴抽出モジュールと、
前記特徴情報を障害物認識モデルに入力することで障害物タイプ情報を認識するように構成される認識モジュールとを含むことを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項4】
前記第2画像処理モジュールは、
トレーニングデータを用いて前記障害物認識モデルを生成するように構成されるトレーニングモジュールを更に含むことを特徴とする請求項3に記載のラインレーザモジュール。
【請求項5】
前記第1フィルタレンズは、前記第1カメラにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられ、
前記第2フィルタレンズは、前記第2カメラにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項6】
前記ボディ部は、本体、第1端及び第1接続部を含み、前記第1接続部は、前記第1端を前記本体に接続するように構成され、
前記ラインレーザモジュールは、第1ラインレーザ発光装置を備え、前記第1ラインレーザ発光装置は、前記第1端に設けられ、前記第1カメラ及び前記第2カメラは、前記本体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項7】
前記ラインレーザモジュールは、スタンド帰還位置決め装置を更に備え、
前記スタンド帰還位置決め装置は、前記ボディ部に設けられ、充電スタンドに通信接続されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項8】
前記スタンド帰還位置決め装置は、赤外発光装置と、少なくとも2つの赤外受光装置とを含み、前記赤外発光装置は、前記充電スタンドへ第1赤外信号を送信するように構成され、前記少なくとも2つの赤外受光装置は、前記充電スタンドからの第2赤外信号を受信するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のラインレーザモジュール。
【請求項9】
マスタ制御手段を更に備え、前記第1画像収集アセンブリ及び前記第2画像収集アセンブリは、前記マスタ制御手段に接続され、前記マスタ制御手段は、操作指令を前記第1画像収集アセンブリ及び前記第2画像収集アセンブリへ送信するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項10】
前記レーザ発光装置は、
ラインレーザ光を発生させるように構成されるラインレーザ光発生器と、
前記マスタ制御手段に接続され、且つ前記マスタ制御手段から送信された操作指令に基づいて前記ラインレーザ光発生器を制御するレーザ光駆動回路とを含むことを特徴とする請求項9に記載のラインレーザモジュール。
【請求項11】
前記レーザ光駆動回路は、第1増幅回路と、第2増幅回路とを含み、
前記第1増幅回路は、前記マスタ制御手段から送信された制御信号を受信し、前記制御信号を増幅した後で前記ラインレーザ光発生器へ送信することで前記ラインレーザ光発生器のオン及びオフを制御するように構成され、
前記第2増幅回路は、前記マスタ制御手段から送信された調節信号を受信し、前記調節信号を増幅した後で前記ラインレーザ光発生器へ送信することで前記ラインレーザ光発生器の発生電力を制御するように構成されることを特徴とする請求項10に記載のラインレーザモジュール。
【請求項12】
前記第2カメラの第2光軸は、水平方向に対して上向きに傾斜することを特徴とする請求項1に記載のラインレーザモジュール。
【請求項13】
前記第1カメラの第1光軸と水平方向との第1角度は、7度であり、前記第2カメラの第2光軸と水平方向との第2角度は、5度であることを特徴とする請求項12に記載のラインレーザモジュール。
【請求項14】
自走機器であって、
機器ボディと、
前記機器ボディに設けられる、請求項1に記載のラインレーザモジュールと、
前記障碍物距離情報及び前記障害物タイプ情報に基づいて前記自走機器の移動を制御するように構成される機器制御モジュールとを備えることを特徴とする自走機器。
【請求項15】
前記自走機器は、緩衝部品を更に備え、
前記緩衝部品は、前記第1画像収集アセンブリと前記第2画像収集アセンブリとにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられ、前記第1画像収集アセンブリと前記第2画像収集アセンブリとにそれぞれ対向する開口を有し、
前記緩衝部品には、前記開口の外周に位置し環境光線を補光するための補光ランプが設けられていることを特徴とする請求項14に記載の自走機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年6月2日に提出された、出願番号が202110615607.0であって発明の名称が「ラインレーザモジュール及び自走機器」である中国特許出願の優先権を要求し、当該中国特許出願の全文が引用によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、ラインレーザモジュール及び自走機器に関する。
【背景技術】
【0003】
掃除ロボット等の自走機器は、清掃、地面拭き、吸塵等の動作を自動的に実行可能であるため、広く応用されている。自走機器は、クリーニング中に、現在稼働経路における衝突する可能性のある障害物をリアルタイムで検出し、且つ対応する障害物回避動作を実行する。しかし、現在の自走機器による障害物の認識の正確性が低いため、正確な回避が困難である。
【0004】
説明すべきことは、上記背景技術部分に公開された情報が単に本発明の背景に対する理解を強化するために用いられるため、当業者にとって既知の従来技術を構成しない情報が含まれてもよい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの態様は、ラインレーザモジュールを提供する。当該ラインレーザモジュールは、ボディ部と、第1画像収集アセンブリと、第2画像収集アセンブリとを備え、
前記第1画像収集アセンブリは、前記ボディ部に設けられ、第1カメラ、少なくとも1ペアのレーザ発光装置及び第1画像処理モジュールを含み、前記1ペアのレーザ発光装置は、前記第1カメラの両側に設けられ、投影が線形を呈するラインレーザ光を前記ボディ部の外へ発光するように構成され、前記第1カメラは、ラインレーザ光を含む第1環境画像を収集するように構成され、前記第1画像処理モジュールは、第1環境画像に基づいて障碍物距離情報を取得するように構成され、
前記第2画像収集アセンブリは、第2カメラと、第2画像処理モジュールとを含み、前記第2カメラは、第2環境画像を収集するように構成され、前記第2画像処理モジュールは、前記第2環境画像に基づいて障害物タイプ情報を取得するように構成される。
【0006】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第1画像処理モジュールは、三角測距法に基づいて前記障碍物距離情報を取得する。
【0007】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第2画像処理モジュールは、
前記第2環境画像に対して特徴抽出を行って特徴情報を取得するように構成される特徴抽出モジュールと、
前記特徴情報を予めトレーニングされた障害物認識モデルに入力することで障害物タイプ情報を認識するように構成される認識モジュールとを含む。
【0008】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第2画像処理モジュールは、
収集されたトレーニングデータを用いて前記障害物認識モデルを生成するように構成されるトレーニングモジュールを更に含む。
【0009】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記レーザ発光装置は、赤外光を発光するように構成され、前記第1カメラは、赤外カメラであり、前記第2カメラは、RGBカメラである。
【0010】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第1画像収集アセンブリは、第1フィルタレンズを更に含み、
前記第1フィルタレンズは、前記第1カメラにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられ、且つ、赤外光のみが前記第1カメラに進入するように構成され、
前記第2画像収集アセンブリは、第2フィルタレンズを更に含み、
前記第2フィルタレンズは、前記第2カメラにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられ、且つ、可視光のみが前記第2カメラに進入するように構成される。
【0011】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記ボディ部は、第1端、第2端、及び、前記第1端と前記第2端とを接続する接続部を含み、
前記1ペアのレーザ発光装置は、前記第1端と前記第2端とにそれぞれ設けられ、前記第1カメラと前記第2カメラは、前記接続部に設けられている。
【0012】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記ラインレーザモジュールは、スタンド帰還位置決め装置を更に備え、
前記スタンド帰還位置決め装置は、前記ボディ部に設けられ、充電スタンドに通信接続されるように構成される。
【0013】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記スタンド帰還位置決め装置は、赤外発光装置と、少なくとも2つの赤外受光装置とを含み、前記赤外発光装置は、前記充電スタンドへ赤外信号を送信するように構成され、前記少なくとも2つの赤外受光装置は、前記充電スタンドからの赤外信号を受信するように構成される。
【0014】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第1画像収集アセンブリ及び前記第2画像収集アセンブリは、前記マスタ制御手段に接続され、前記マスタ制御手段は、操作指令を前記第1画像収集アセンブリ及び前記第2画像収集アセンブリへ送信するように構成される。
【0015】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記ラインレーザ発光装置は、
ラインレーザ光を発生させるように構成されるラインレーザ光発生器と、
前記マスタ制御手段に接続され、且つ前記マスタ制御手段から送信された操作指令に基づいて前記ラインレーザ光発生器を制御するレーザ光駆動回路とを含む。
【0016】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記レーザ光駆動回路は、第1増幅回路と、第2増幅回路とを含み、
前記第1増幅回路は、前記マスタ制御手段から送信された制御信号を受信し、前記制御信号を増幅した後で前記レーザ光発生器へ送信することで前記レーザ光発生器のオン及びオフを制御するように構成され、
前記第2増幅回路は、前記マスタ制御手段から送信された調節信号を受信し、前記調節信号を増幅した後で前記レーザ光発生器へ送信することで前記ラインレーザ光発生器の発生電力を制御するように構成される。
【0017】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第1カメラの第1光軸は、水平方向に対して下向きに交差し、前記第2カメラの第2光軸は、水平方向に対して上向きに交差する。
【0018】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記第1カメラの光軸と水平方向との角度は、7度であり、前記第2カメラの光軸と水平方向との角度は、5度である。
【0019】
本発明の1つの態様は、自走機器を提供する。当該自走機器は、
機器ボディと、
前記機器ボディに設けられる、上記何れか一項に記載のラインレーザモジュールと、
前記障碍物距離情報及び前記障害物タイプ情報に基づいて前記自走機器の移動を制御するように構成される機器制御モジュールとを備える。
【0020】
本発明の1種の例示的な実施例において、前記自走機器は、緩衝部品を更に備え、
前記緩衝部品は、前記第1画像収集アセンブリと前記第2画像収集アセンブリとにおいて前記ボディ部から離れる側に設けられ、前記第1画像収集アセンブリと前記第2画像収集アセンブリとにそれぞれ対向する開口を有し、
前記緩衝部品には、前記開口の外周に位置する補光ランプが設けられている。
【0021】
上述した一般的な記述と後文の詳細記述が単に例示的なものと解釈的なものであり、本発明を制限するためのものではないことは、理解されるべきである。
【0022】
上述した一般的な記述と後文の詳細な記述が単に例示的なものと解釈的なものであり、本発明を制限するためのものではないことは、理解されるべきである。明らかに、以下の記述に係る図面が単に本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩性に値する労力を掛けずにこれらの図面から他の図面を取得可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の1つの選択可能な実施例に係るラインレーザモジュールの局所構造模式図
【
図2】本発明の別の選択可能な実施例に係るラインレーザモジュールの構造模式図
【
図3】本発明の1つの選択可能な実施例に係る緩衝部品の局所構造模式図
【
図4】本発明の1つの選択可能な実施例に係るラインレーザ光発生器の動作原理の模式図
【
図5】本発明の1つの選択可能な実施例に係るラインレーザ光発生器と第1カメラとの画角関係の模式図
【
図6】本発明の1つの選択可能な実施例に係るボディ部の局所構造模式図
【
図7】本発明の別の選択可能な実施例に係るボディ部の局所構造模式図
【
図8】本発明のラインレーザモジュールの1つの選択可能な実施例に係るブロック図
【
図9】本発明のラインレーザモジュールの別の選択可能な実施例に係るブロック図
【発明を実施するための形態】
【0024】
現在、図面を参照しながら例示的な実施形態をより全面的に記述する。しかし、例示的な実施形態は、複数種の形式で実施されることができ、ここで説明される実施形態に限定されると理解されるべきではない。逆に、これらの実施形態の提供により、本発明が全面的且つ完全なものになり、例示的な実施形態の思想が全面的に当業者に伝えられる。図面において、同じ符号が同じ又は類似する構造を表すため、それらの詳細な記述を省略する。また、図面は、本発明の例示的な図解に過ぎず、必ずしも縮尺通りに描かれるとは限らない。
【0025】
用語「1つ」、「一」、「当該」、「前記」及び「少なくとも1つ」は、1つ又は複数の要素/構成要件/等が存在することを表すために使用される。用語「含む」及び「備える」は、開放的な包含を意味するために使用され、列挙された要素/構成要件/等の他に、別の要素/構成要件/等も存在可能であることを意味する。用語「第1」、「第2」等は、単にマークとして使用され、その対象の数の制限ではない。
【0026】
本発明の少なくとも1つの実施例は、ラインレーザモジュールを提供する。前記ラインレーザモジュールは、自走機器に適用可能である。本発明の少なくとも1つの実施例は、自走機器を更に提供する。前記自走機器は、上記ラインレーザモジュールを備える。本発明の1つの実施例において、前記自走機器は、掃除ロボット、モップロボット、床磨きロボット又は除草ロボットのようなスマートクリーニング機器である。記述の便宜上、本実施形態では、掃除ロボットを例として本発明の技術案を記述する。
【0027】
図1~
図5に示すように、本発明の1つの選択可能な実施例において、自走機器は、機器ボディ200、感知システム、機器制御モジュール、駆動システム、クリーニングシステム、エネルギーシステム及びヒューマンマシンインタラクションシステム等を備えてもよい。各システムは、協調して連携することにより、自走機器を自律移動させてクリーニング機能を実現する。自走機器における上記各システムは、機器ボディ200内に集積して設けられている。
【0028】
機器ボディ200は、略円形の形状(前後ともに円形である)を有し、他の形状を有してもよく、当該他の形状は、前方後円の略D字形状を含むが、それに限定されない。感知システムは、機器ボディ200の上方又は側方に位置するラインレーザモジュールを含み、機器制御モジュールは、ラインレーザモジュールに接続され、ラインレーザモジュールの感知結果に基づいて自走機器に対して機能制御を行う。
【0029】
本発明の実施例において、ラインレーザモジュールの機器ボディ200における具体的な位置について限定しない。例えば、機器ボディ200の前側、後側、左側、右側、頂部、中部及び底部等であってもよいが、それらに限定されない。更に、ラインレーザモジュールは、機器ボディ200の高さ方向における中部位置、頂部位置又は底部位置に設けられている。
【0030】
本発明の幾つかの実施例において、自走機器は、前へ移動して作業タスクを実行する。前方の環境情報をより良好に探知するために、ラインレーザモジュールは、機器ボディ200の前側に設けられ、前側は、自走機器が前へ移動する過程における、機器ボディ200が向かう側である。
【0031】
本発明の幾つかの実施例において、自走機器は、充電スタンドを更に備えてもよい。充電スタンドは、機器ボディ200に対して接続したり分離したりする。例えば、機器ボディ200が充電を必要とするとき、充電スタンドに接続されて充電され、機器ボディ200が清掃を行うとき、充電スタンドから分離して清掃操作を行う。充電スタンドは、赤外信号例えば近接場赤外信号を発するように構成される赤外発光装置を含む。ラインレーザモジュールは、充電スタンドに通信接続されるスタンド帰還位置決め装置190を更に備える。理解できるように、スタンド帰還位置決め装置190は、ボディ部140に設けられ、スタンド帰還位置決め装置190は、充電スタンドから発された赤外信号を受信するように構成される。
【0032】
本発明の幾つかの実施例において、ラインレーザモジュールは、スタンド帰還位置決め装置190を備え、ラインレーザモジュールが取り付けられた機器ボディ200が戻って充電しようとするとき、前記機器制御モジュールは、スタンド帰還位置決め装置190が充電スタンドの近傍に赤外信号をサーチするように制御し、スタンド帰還位置決め装置190が赤外信号を受信したときに、赤外信号に基づいて機器ボディ200を案内して充電スタンドに接続させる。更に、スタンド帰還位置決め装置190は、赤外信号を発するように構成される赤外発光装置150を更に含み、機器ボディ200が充電スタンドに成功に接続されたとき、機器制御モジュールは、赤外発光装置150が充電スタンドへ赤外信号を発することで機器ボディ200に充電するように制御する。
【0033】
例えば、スタンド帰還位置決め装置190は、赤外受光装置160及び赤外発光装置150を含み、赤外受光装置160は、赤外信号を受信するように構成され、赤外発光装置150は、赤外信号を発するように構成される。本発明の幾つかの実施例において、赤外受光装置160、赤外発光装置150、第1カメラ120、第2カメラ130及びラインレーザ発光装置110が何れもボディ部140に設けられたため、感知システムのモジュール化設計が実現され、組み付け及びメンテナンスが便利になる。
【0034】
更に、スタンド帰還位置決め装置190の赤外受光装置160は、少なくとも2つの赤外検出器を含み、前記少なくとも2つの赤外検出器は、機器ボディの横方向において機器ボディの頂部に均一に設けられている。このように設置すると、赤外受光装置160が近接場赤外信号を受信する信頼性の確保と、機器ボディ200と充電スタンドとの通信接続の信頼性の確保とに有利になる。本発明の幾つかの実施例において、前記赤外受光装置は、任意数の赤外検出器を含んでもよい。スタンド帰還位置決め装置190の赤外発光装置150は、少なくとも1つの赤外ランプを含む。理解できるように、赤外受光装置160及び赤外発光装置150は、要求を満たす他の位置に設けられてもよく、本発明では具体的に限定しない。
【0035】
本発明の幾つかの実施例において、前記機器制御モジュールは、障碍物距離情報及び障害物タイプ情報に基づいて自走機器の移動を制御するように構成される。前記障碍物距離情報は、障碍物が自走機器から離れた距離を表す。機器制御モジュールは、直接マスタ制御手段003に接続されてもよく、マスタ制御手段003が第1環境画像及び第2環境画像を処理した後で得られた障碍物距離情報及び障害物タイプ情報を直接取得してもよい。又は、機器制御モジュールは、1つのメモリを介してマスタ制御手段003に接続されてもよく、マスタ制御手段003で得られた障碍物距離情報及び障害物タイプ情報は、当該メモリに記憶されてもよく、機器制御モジュールは、メモリに記憶された障碍物距離情報及び障害物タイプ情報を直接呼び出してもよい。
【0036】
本発明の幾つかの実施例において、機器制御モジュールとマスタ制御手段003とは、それぞれ独立する2つの回路であってもよい。例えば、機器制御モジュールとマスタ制御手段003とは、2つの独立するチップであってもよい。本発明の幾つかの実施例において、機器制御モジュールとマスタ制御手段003とは、同一回路に集積されてもよい。例えば、機器制御モジュールとマスタ制御手段003は、同一チップに集積されてもよい。当該チップのタイプは、ここで特に限定されず、各自の機能を実現できればよい。
【0037】
本発明の幾つかの実施例において、機器ボディ200には、ローラ、クローラ等の移動機構が更に設けられてもよく、機器制御モジュールは、移動機構を制御して自走機器の移動を実施させてもよい。
【0038】
本発明の幾つかの実施例において、
図3に示すように、自走機器は、緩衝部品170を更に備え、緩衝部品170は、機器ボディ200の前側に設けられ、ラインレーザモジュールは、緩衝部品170と機器ボディ200の間に位置し、即ち、第1カメラ120、第2カメラ130、ラインレーザ発光装置110、スタンド帰還位置決め装置190は、緩衝部品170と機器ボディ200の間に位置する。このように、緩衝部品170は、第1カメラ120、第2カメラ130、ラインレーザ発光装置110及びスタンド帰還位置決め装置190に対して一定の保護作用を果たし、第1カメラ120、第2カメラ130、ラインレーザ発光装置110、スタンド帰還位置決め装置が外力によって破壊されないように保護し、第1カメラ120、第2カメラ130、ラインレーザ発光装置110、スタンド帰還位置決め装置190の使用寿命の向上に有利になる。緩衝部品170の第1カメラ120及び第2カメラ130に対向する位置に窓171を設けることにより、外部環境光が第1カメラ120及び第2カメラ130に進入可能である。緩衝部品170のラインレーザ発光装置110に対向する位置に窓を設けることにより、ラインレーザ発光装置110から発されたレーザ光は、緩衝部品170から外へ発光され得る。緩衝部品170のスタンド帰還位置決め装置190に対向する位置に窓を設けることにより、スタンド帰還位置決め装置190が赤外信号を受信したり赤外信号を発したりすることができ、更にラインレーザモジュールの動作の信頼性を確保する。
【0039】
理解できるように、緩衝部品170は、機器ボディ200のパネルに相当可能である。ボディ部にラインレーザモジュールを取り付ける際、まず、第1カメラ120と第2カメラ130とラインレーザ発光装置110とが取り付けられたボディ部140を機器ボディ200に取り付け、次に、緩衝部品170(例えば、パネル)をボディ部140又は機器ボディ200に接続する。
【0040】
本発明の幾つかの実施例において、緩衝部品170は、パネル172及び弾性部材を含み、パネル172とボディ部140とは、弾性部材を介して互いに接続され、ラインレーザモジュールは、パネル172の内側に位置する。弾性部材の設置により、緩衝部品170が障害物に衝突したときに、パネル172が機器ボディ200、ラインレーザモジュールに作用する力を減少可能であり、緩衝作用をある程度果たし、更に障害物による機器ボディ及びラインレーザモジュールへの損傷を低減する。パネル172の外部にゴムパット層を設けることにより、緩衝部品170が障害物に衝突したときに、ゴムパット層は、障害物に直接接触する。即ち、ゴムパット層は、パネル172に対して良好な保護作用を果たす。また、ゴムパット層は、弾性部材であり、更に緩衝作用を果たすことができる。つまり、本発明では、弾性部材及びゴムパット層により、緩衝部品170は、2層の緩衝作用を有し、障害物による機器ボディ200及びラインレーザモジュールへの損傷の可能性を大きく低減し、自走機器の信頼性を向上させる。具体的に、弾性部材は、弾性柱及び/又はばねであるが、要求を満たす他の弾性部材であってもよい。
【0041】
本発明の幾つかの実施例において、自走機器は、補光ランプ180及び環境光センサを更に備え、環境光センサは、環境光線の輝度を検出するように構成され、補光ランプ180は、緩衝部品170上に設けられ、且つ第2カメラ130に対応する窓171に近接する。このように、環境光線が弱くて第2カメラ130が鮮明且つ正確に環境画像をキャプチャできない場合に、即ち、現在の環境光線が第2カメラ130の露光操作を満たさない場合に、補光ランプ180を介して補光することにより、第2カメラ130の撮影ニーズを満たし、第2カメラ130が鮮明且つ正確に環境画像をキャプチャすることを確保し、障害物に対する認識の正確性を向上させる。
【0042】
図8に示すように、ラインレーザモジュールは、ボディ部140と第1画像収集アセンブリ001とを備える。ここで、第1画像収集アセンブリ001は、ボディ部140に設けられる第1カメラ120と、少なくとも1つのラインレーザ発光装置110と、第1画像処理モジュール011とを含み、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、第1カメラ120の近傍に位置し、投影が線形を呈するラインレーザ光を発光するように構成され、第1カメラ120と前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110とは、連携して動作し、第1環境画像を収集するように構成され、第1画像処理モジュール011は、第1環境画像に基づいて障碍物距離情報を取得するように構成される。前記障碍物距離情報は、前記第1環境画像を撮影するときに前記第1カメラが障害物から離れる距離を表す。前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続され、及び/又は、ボディ部140は、ラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角が調節可能となるように、可動構造である。
【0043】
本発明の実施例に係るラインレーザモジュール、第1カメラ120及び前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、連携して機器ボディ200の前方の障害物又は地形を認識可能であることにより、対応する障害物回避操作又は清掃操作を行う。ラインレーザ発光装置をボディ部140に可動接続し、レーザ発光装置のボディ部140に対する位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置の方位角及び回転角を調節することができる。ボディ部140は、可動構造であり、ボディ部140の各部品の相対位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置の方位角及び回転角を調節することができる。また、ラインレーザ発光装置がボディ部140に可動接続され且つボディ部140が可動構造であるため、ラインレーザ発光装置のボディ部140に対する位置を調整し、ボディ部140の各部品の相対位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角を調節することができる。これにより、ラインレーザ発光装置110をボディ部140に組み付けたときに、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光の照射角度及び照射範囲を調節することを容易にし、迅速且つ便利に、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を水平面に垂直にさせ且つ前記ラインレーザ光を第1カメラ120の視野内に位置させる。このようなの構造は、組み付け操作の簡素化に寄与し、組み付け効率を向上させる。
【0044】
更に、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110の方位角を合理的に調節することにより、ラインレーザ光を第1カメラ120の視野範囲内に位置させることができ、第1カメラ120がラインレーザ発光装置から発されて障害物によって反射された反射光線を正確且つ全面的にキャプチャできることを確保し、第1カメラ120が環境画像を取得する正確性及び全面性を向上させる。理解できるように、第1カメラ120に近接して設けられる前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110の方位角を調整することにより、その後、前記ラインレーザ発光装置に対してディスペンサーによる固定を行う。前記ラインレーザ発光装置の回転角を合理的に調節することにより、ラインレーザ光を水平面に垂直にさせ、測距範囲の向上に有利である。
【0045】
前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続される。このように、ラインレーザ発光装置110のボディ部140に対する位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角を調節することができる。ボディ部140は、可動構造である。このように、ボディ部140の各部品の相対位置を調整することにより、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角を調節することができる。前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続され、且つボディ部140は、可動構造である。このように、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110のボディ部140に対する位置を調整し、且つボディ部140の各部品の相対位置を調整することにより、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角を調節することができる。本発明に関わる実施例では、異なる方式で前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角を調節することにより、ボディ部140の異なる構造、及び、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110とボディ部140との異なる接続方式のニーズを満たすことができる。
【0046】
更に、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置110は、投影が線形を呈するラインレーザ光を発光するように構成される。例えば、前記少なくとも1つのラインレーザ発光装置は、外部へレーザ光平面を発し、レーザ光平面は、障害物に到達した後で障害物の表面に1本のラインレーザ光を形成し、当該ラインレーザ光によって環境画像を取得する。
図1に示す平面AOBは、ラインレーザ発光装置110から発されたレーザ光平面を表し、鉛直面である。
図4に示す平面ABF及び平面CDEは、第1ラインレーザ発光装置110と第2ラインレーザ発光装置111とから発されたレーザ光平面をそれぞれ表す。線分AB及び線分CDは、ラインレーザ光を表す。本発明の幾つかの実施例において、ラインレーザ発光装置は、レーザ管であってもよい。理解できるように、ラインレーザ発光装置は、要求を満たす他の構造であってもよく、本発明において具体的に限定しない。理解できるように、第1ラインレーザ発光装置100と第2ラインレーザ発光装置110との発光方向(例えば、自走機器の行進方向)に波レンズが設けられてもよい。本発明の幾つかの実施例において、波レンズは、凹レンズである。例えば、レーザ管の前方に凹レンズが設けられ、レーザ管が特定波長の光(例えば、赤外光)を発光し、当該特定波長の光は、凹レンズを通過した後で発散する光線となるため、垂直光路の平面において1本の直線が形成される。
【0047】
図4と
図5に示すように、前記ラインレーザモジュールは、第1カメラ120の両側にそれぞれ設けられる2つのラインレーザ発光装置110を含み、第1カメラ120とラインレーザ発光装置とは、連携して動作する。即ち、前記2つのラインレーザ発光装置110は、何れも、水平面に垂直であり且つ前記第1カメラ120の視野範囲内に位置するラインレーザ光を発光し、第1カメラ120で収集された第1環境画像は、前記2つのラインレーザ発光装置から発光されて障害物によって反射されたラインレーザ光である。第1環境画像に基づいて、障碍物距離情報を取得可能であるとともに、障害物と機器ボディ200又はラインレーザモジュールとの間の距離を測定することができ、更に対応する障害物回避操作を行うことができる。
【0048】
本実施例において、前記2つのラインレーザ発光装置110のボディ部140に対する取付位置と取付角度を合理的に調整し、及び/又は、ボディ部140の各部品の相対位置を調整することにより、前記2つのラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角を調節する。ここで、前記2つのラインレーザ発光装置110の回転角を調整することでラインレーザ光を水平面に垂直にさせ、前記2つのレーザ発光装置110の方位角を調整することで、前記2つのラインレーザ発光装置から発光されたラインレーザ光と第1カメラ120の光軸との間の角度を調整し、更にラインレーザ光を第1カメラ120の視野範囲内に位置させる。その後、第1カメラ120の両側に位置するラインレーザ発光装置110の方位角を調節し、両側のラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光の第1カメラ120の画角内における交点を特定し、即ち、両側のラインレーザ光に対してディスペンサーによる固定を行い、更に機器ボディ200前方の障害物に対する距離の測定を行うことができる。
【0049】
本発明の1つの実施例において、
図4は、ラインレーザ光発生器の動作原理の模式図を示す。アルファベットPは、第1カメラ120を示し、アルファベットE及びFは、第1カメラ120の両側(又は周側)に位置するラインレーザ光発生器110を示し、直線PM及びPNは、第1カメラ120の水平視野の2つの境界を示し、即ち∠MPNは、第1カメラ120の水平画角を示す。第1ラインレーザ発光装置100は、外へレーザ光平面FABを発し、第2レーザ発光装置110は、外へレーザ光平面ECDを発し、レーザ光平面FAB及びECDが障害物に到達した後で障害物の表面に1本のラインレーザ光、即ち、
図4に示す線分ABと線分CDを形成する。ラインレーザ光発生器から発されたラインレーザ光線分ABと線分CDが第1カメラの視野範囲内に位置するため、ラインレーザ光が第1カメラ画角内の物体の輪郭、高さ及び/又は幅等の情報の検知に寄与し、第1カメラ120は、ラインレーザ光で検知された第1環境画像を収集可能である。
【0050】
更に、マスタ制御手段003は、第1画像収集アセンブリ001へ操作指令を送信するように構成される。例えば、マスタ制御手段003は、第1カメラ120によって収集された第1環境画像に基づいて、ラインレーザモジュール又はラインレーザモジュールの所在する機器ボディ200から前方障害物までの距離を算出可能であり、例えば、三角測距法によってラインレーザモジュール又は機器ボディ200とその前方障害物との距離を算出可能である。本発明の1つの実施例において、
図5に示すように、
図5は、
図4に示す実施例の1つの画角の模式図である。ここで、アルファベットPは、第1カメラ120を示し、アルファベットE及びFは、第1カメラ120の両側に位置するラインレーザ発光装置110を示し、A点は、線分ABの水平面内における投影を示し、D点は、線分CDの水平面内における投影を示し、∠MPNは、第1カメラ120の水平画角を示し、O点は、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光と第1カメラ120の光軸との交点を示す。点Fに位置する第2ラインレーザ光発生器110を例とすると、ラインレーザ発光装置110と第1カメラ120が何れもボディ部140に固定取付された後、第1カメラ120の焦点距離は、既知であり、ラインレーザ光発生器Fの発射角は、既知であり、即ち、直線FAと光軸POとの間の角度は、既知であり、線分OPの長さは、既知であり、第2ラインレーザ光発生器110と第1カメラ120の像平面との間の距離は、既知である。障害物上のA点の、第1カメラ120で収集された第1環境画像における像をA’として定義すると、A’点が第1カメラ120の光軸POに対してある程度のオフセットを発生し、且つ当該オフセット量が既知であり、三角形の相似原理に基づいて、上記既知の条件と組み合わせて、AとFとの間の距離を測定可能であり、即ち、障害物とラインレーザ発光装置110との間の距離を取得することができる。理解できるように、第1カメラ120で収集された、ラインレーザ光が障害物によって反射された後の線分の変形特徴に基づいて、前方の地形状況を特定することにより、何の操作を実行するか、例えば、障害物回避操作を行うか、又は清掃操作を継続するかを特定する。
【0051】
本発明に関わる幾つかの実現可能な実施例において、第1カメラ120の数について具体的に限定しない。例えば、第1カメラ120は、1つ、2つ、3つ又は要求を満たす他の数であってもよい。理解できるように、本発明の実施例において、ラインレーザ発光装置110の数についても具体的に限定しない。例えば、ラインレーザ発光装置110は、2つ又は2つ以上であってもよい。第1カメラ120の各側に分布されるラインレーザ発光装置110の数についても限定しない。第1カメラ120の各側のラインレーザ発光装置110の数は、1つ、2つ又は複数であってもよい。また、第1カメラ120の両側のラインレーザ発光装置110の数は、同じであってもよく、異なってもよい。理解できるように、第1カメラ120の何れか一側のラインレーザ発光装置110の数が複数であるとき、複数のラインレーザ発光装置110は、左右に分布されてもよく、上下に分布されてもよく、本発明では具体的に限定しない。
【0052】
更に、幾つかの実現可能な実施例において、第1カメラ120は、機器ボディ200の前方障害物に対する距離測定を実施して障碍物距離情報を取得するとともに、障害物のタイプを認識して障害物タイプ情報を取得することができる。例えば、シーケンスの相違を利用し、第1カメラ120を用いて障害物の距離測定と障害物のタイプ認識とをそれぞれ行う。例を挙げると、マスタ制御手段003は、第1カメラ120で収集された第1環境画像に基づいて障害物のタイプを特定し、障害物のタイプに基づいて、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要があるか否かを特定し、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要があるときに、マスタ制御手段003は、第1カメラ120で収集された第2環境画像に基づいて障害物の距離を特定して障碍物距離情報を取得することにより、対応する障害物回避操作を行い、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要がないときに、自走機器が前の操作を継続する。このように、自走機器が障害物回避を誤って操作する可能性は、低減される。
【0053】
本発明の幾つかの実施例において、
図1に示すように、ラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続され、ボディ部140は、可動構造である。本発明の幾つかの実施例において、ボディ部140は、本体141及び接続部材143を含み、第1カメラ120は、本体141に設けられ、ラインレーザ発光装置110は、接続部材143を介して本体141に接続されている。ここで、接続部材143には、スルーホールが設けられ、ラインレーザ発光装置110は、スルーホールを介して接続部材143に穿設され、且つラインレーザ発光装置110は、接続部材143に回動接続される。即ち、ラインレーザ発光装置110は、接続部材143のスルーホール内で回動可能であり、更にラインレーザ発光装置110の回転角を調整することにより、ラインレーザ光を水平面に垂直にさせ、測距範囲を拡大する。接続部材143は、本体141に可動接続され、例えば、接続部材143は、本体141に対して水平回動可能であり、即ち、接続部材143が本体141に対して回転する回転軸は、鉛直方向に沿う直線である。このように、接続部材143は、ラインレーザ発光装置110が水平面内で本体141に対して回動するように駆動し、ラインレーザ発光装置110の方位角を調節することにより、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を第1カメラ120の画角内に位置させることができる。
【0054】
理解できるように、ラインレーザ発光装置110が接続部材143に対して回動可能であり、接続部材143が本体141に対して移動可能であるため、組み付け過程において、ラインレーザ発光装置110を接続部材143のスルーホール内で適切な位置まで回動させることにより、ラインレーザ発光装置110の回転角に対する調整を実現可能であり、即ち、ラインレーザ発光装置110に対する調整を実現可能である。接続部材143を本体141に対して適切な位置まで回転させることにより、ラインレーザ発光装置110の方位角に対する調整を実現可能であり、即ち、ラインレーザ発光装置110及び第1カメラ120の調整を実現可能であり、操作が簡単である。理解できるように、ラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角の調整が完了された後、固定装置を用いて接続部材143、本体141、ラインレーザ発光装置110を固定接続してもよい。例えば、接着剤、糊等を利用して端部142、本体141、ラインレーザ発光装置110を固定し、操作が簡単である。
【0055】
本発明の一実施例において、更に、本体141には、位置決め溝144が設けられ、接続部材143には、位置決め溝144に合わせる突起構造145が設けられ、接続部材143は、突起構造145を介して位置決め溝144内で水平回動する。例えば、突起構造145が鉛直方向に沿って突起することにより、接続部材143は、本体141に対して水平方向において回転可能である。即ち、接続部材143が本体141に対して回転する回転軸は、鉛直方向の直線である。したがって、接続部材143の突起構造145は、本体141の位置決め溝144内で水平回動し、ラインレーザ発光装置110が本体141に対して突起構造145を回転軸として水平回動するように駆動可能であり、更にラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を第1カメラ120の画角内に位置させることができ、それによってラインレーザ光発生器110及び第1カメラ120のデバッグを実現し、構造が簡単であり、操作が便利である。理解できるように、位置決め溝144は、円形位置決め溝であってもよく、突起構造145は、円柱状突起構造であってもよい。円形位置決め溝と円柱状突起構造との合わせにより、接続部材143が本体141に対して回動する柔軟性及び信頼性を向上させることに有利になる。理解できるように、位置決め溝144は、要求を満たす他の形状の溝構造であってもよい。
【0056】
本発明の幾つかの実施例において、
図1に示すように、ラインレーザ発光装置110は、円柱状を呈し、ラインレーザ発光装置110の外周側には、第1段差構造111が設けられ、ボディ部140には、ラインレーザ発光装置110を取り付けるように構成される取付溝が設けられ、取付溝の内壁には、第2段差構造149が設けられている。第1段差構造111と第2段差構造149との協働により、ラインレーザ発光装置110の軸線方向に沿う移動を位置限定することができ、組み付け効率の向上に有利である。
【0057】
本発明の幾つかの実施例において、ラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続され、ボディ部140は、可動構造である。
図2に示すように、ボディ部140は、本体141と、本体141の両側に位置する端部142とを含み、第1カメラ120は、本体141に設けられ、ラインレーザ発光装置110は、端部142に設けられている。本発明の幾つかの実施例において、各端部142が本体141に枢着され、例えば、端部142が本体141にヒンジ接続されることにより、端部142が本体141に対して回転可能であり、ラインレーザ発光装置110が端部142に回動接続され、例えば、ラインレーザ発光装置110が円柱状を呈し、ラインレーザ発光装置110が端部142における取付溝に対して回動可能であり、更にラインレーザ発光装置110の回転角を調整することにより、ラインレーザ光を水平面に垂直にさせ、測距範囲を拡大することができる。ラインレーザ発光装置110が端部142に取り付けられ、端部142が本体141に対して回転可能であり、更にラインレーザ発光装置110の方位角を調節することにより、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を第1カメラ120の画角内に位置させることができる。
【0058】
理解できるように、ラインレーザ発光装置110が端部142に対して回動可能であり、端部142が本体141に枢着されるため、組み付け中に、ラインレーザ発光装置110を適切な位置まで回動させることにより、ラインレーザ発光装置110の回転角に対する調整を実現可能であり、即ち、ラインレーザ発光装置110の調整を実現する。端部142を本体141に対して適切な位置まで回転させることにより、ラインレーザ発光装置110の方位角の校正を実現可能であり、即ち、ラインレーザ発光装置110と第1カメラ120との協同校正を実現し、操作が簡単であり、取付が便利である。理解できるように、ラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角の調整が完了された後、固定装置を用いて端部142、本体141、ラインレーザ発光装置110を固定接続してもよい。例えば、接着剤、糊等を用いて端部142、本体141、ラインレーザ発光装置110を固定する。操作が簡単である。
【0059】
本発明の幾つかの実施例において、ラインレーザ発光装置110は、ボディ部140に可動接続される。例えば、ボディ部140には、ラインレーザ発光装置110を取り付けるように構成される取付キャビティが設けられ、ラインレーザ発光装置110は、取付キャビティ内に可動に設けられ、取付キャビティは、第1端及び第2端を含み、且つ第1端の横断面面積は、第2端の横断面面積よりも小さい。つまり、取付キャビティは、フレア構造である。第1端の横断面面積がラインレーザ発光装置110の横断面面積よりも大きいことは、ラインレーザ発光装置110が取付キャビティ内で活動可能であることを意味する。ここで、ラインレーザ発光装置110の前端は、取付キャビティの第1端に近接する。ラインレーザ発光装置110が取付キャビティの軸線に対して回動することにより、ラインレーザ発光装置110の回転角を調整可能である。このように、ラインレーザ光は、水平面に垂直であり、測距範囲は、拡大される。ラインレーザ発光装置110の後端が前端に対して回動することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角を調節可能である。このように、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光は、第1カメラ120の画角内に位置する。
【0060】
理解できるように、ラインレーザ発光装置110がボディ部140の取付キャビティ内に可動に設けられるため、ラインレーザ発光装置110は、取付キャビティ内で取付キャビティの軸線周りに回転可能であるとともに点(前端)周りに回転可能である。このように、調整過程において、ラインレーザ発光装置110とボディ部140の取付角度及び取付位置を合理的に調節することにより、ラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角に対する校正を実現可能であり、操作が簡単であり、校正が便利である。理解できるように、ラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角の調整が完了された後、固定装置を用いてラインレーザ発光装置110をボディ部140に固定接続してもよい。例えば、接着剤、糊等を用いてラインレーザ発光装置110をボディ部140に固定することにより、ラインレーザ発光装置110とボディ部140との組み付けを完了可能であり、操作が簡単である。
【0061】
本発明の幾つかの実施例において、ボディ部140は、可動構造である。
図6に示すように、ボディ部140は、本体141、端部142及び接続部146を含み、端部142は、本体141の両側に位置し、第1カメラ120は、本体141に設けられ、ラインレーザ発光装置110は、端部142に設けられ、例えば、ラインレーザ発光装置110は、端部142に固定され、又は取り外し可能に取り付けられている。接続部146は、本体141に枢着され、端部142は、接続部146に接続され、更に、接続部146は、本体141に対して旋回することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角を調節可能である。このように、ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を第1カメラ120の視野内に位置させる。端部142が接続部146に回動接続されることにより、端部142が接続部146に対して回動すると、ラインレーザ発光装置110の回転角を調整可能であり、ラインレーザ光を水平面に垂直にさせ、更に測距範囲を拡大する。
【0062】
本発明の幾つかの実施例において、接続部146は、本体141にヒンジ接続され、接続部146の端部142へ向かう側には、穴が開設され、端部142には、前記穴に合わせる円柱突起が設けられ、ラインレーザ発光装置110が端部142に組み付けられた後、端部142の円柱突起を前記穴に挿入し、前記穴内で回動させてラインレーザ発光装置110の回転角を調節し、ラインレーザ光が水平面に直交した後、端部142と接続部146を固定し、例えば、糊又は他の固定構造を用いて固定すると、ラインレーザ発光装置110のデバッグを実現することができる。その後、接続部146の本体141に対する位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角を調節可能である。ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光が第1カメラ120の画角内の適切な位置にあった後、本体141と接続部146を固定し、例えば、糊又は他のストッパ構造で固定すると、ラインレーザ発光装置110と第1カメラ120とで形成された光学システムの校正を実現することができる。理解できるように、ボディ部140が可動構造であり、即ち、端部142が接続部146を介して本体141に可動接続されるため、校正過程において、端部142、接続部146、本体141の相対位置を合理的に調節することにより、端部142に取り付けられたラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角の調整を実現可能であり、操作が簡単であり、校正が便利である。理解できるように、ラインレーザ発光装置110の回転角及び方位角の校正が完了された後、固定装置を用いて端部142、接続部146、本体141を固定接続してもよい。例えば、接着剤、糊、ストッパ部147等を用いて端部142、接続部146、本体141を固定し、操作が簡単である。
【0063】
本発明の幾つかの実施例において、ボディ部140は、可動構造である。
図7に示すように、本発明の一実施例において、ボディ部140は、本体141、端部142及びストッパ部147を含み、端部142は、本体141の両側に位置し、第1カメラ120は、本体141に設けられ、ラインレーザ発光装置110は、端部142に設けられている。
図7に示すように、端部142が本体141に回動接続され、例えば、端部142が本体141にボール接続されることにより、端部142は、本体141に対して揺動可能であるとともに、本体141に対して回動可能である。ラインレーザ発光装置110が端部142に組み付けられ、更に端部142が本体141に対して揺動及び回動することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角及び回転角に対する調節を実現可能であり、操作が簡単であり、校正が便利である。
【0064】
本発明の幾つかの実施例において、端部142は、本体141にボール接続され、本体141には、位置制限穴148が設けられ、ストッパ部147は、クランプボルトである。端部142が本体141に対して回動することにより、ラインレーザ発光装置110の回転角を調整する。ラインレーザ光が水平面に垂直であると、ラインレーザ発光装置110の校正を実現可能である。端部142の本体141に対する揺動位置を調整することにより、ラインレーザ発光装置110の方位角を調節可能である。ラインレーザ発光装置110から発光されたラインレーザ光を第1カメラ120の画角内の適切な位置に存在させることにより、ラインレーザ発光装置110及び第1カメラ120のデバッグを実現可能である。その後、クランプボルトを用いて位置制限穴148を通過させ、端部142の本体141に対する位置について位置制限固定を行い、端部142と本体141を固定すればよく、操作が簡単である。理解できるように、本体141上の位置制限穴148の数は、1つ、2つ又は複数であってもよい。位置制限穴148の異なる位置に応じて、異なる数の位置制限穴148を開設することにより、端部142を本体141に対して異なる位置まで回動させると、何れもクランプボルトを位置制限穴148を通過させて端部142と本体141とを固定することができる。クランプボルトは、弾性部材であってもよく、即ち、クランプボルトの端部142に当接する一端は、弾性部材であり、弾性を利用して端部142と本体141とを確実に接続する。理解できるように、端部142の球形面には、クランプボルトに係合する位置決め穴が設けられてもよい。このように、クランプボルトが位置制限穴148を通過して位置決め穴に係合された後で押圧され、端部142と本体141との固定接続の信頼性の向上に有利である。
【0065】
本発明の幾つかの実施例において、前記ラインレーザモジュールは、2つのラインレーザ発光装置を備える。このような場合に、ボディ部は、2つの端部を含み、2つの接続部も含み、2つの接続部は、それぞれ2つの端部をボディ部に接続し、前記2つのラインレーザ発光装置は、前記2つの端部にそれぞれ設けられている。前記2つの端部のそれぞれが1つの接続部を介して前記ボディ部に接続される詳細は、上文を参照可能であるため、ここで繰り返し説明しない。
【0066】
本発明の幾つかの実施例において、
図9に示すように、ラインレーザ発光装置110は、ラインレーザ光発生器1101及びレーザ光駆動回路1102を備える。ラインレーザ光駆動回路1102は、駆動信号を受信可能であり、駆動信号に基づいてラインレーザ光発生器1101を駆動してラインレーザ光を発生させる。
【0067】
更に、レーザ光駆動回路1102は、増幅回路を含んでもよい。前記増幅回路は、駆動信号を増幅し、増幅後の駆動信号をラインレーザ光発生器1101へ送信することでラインレーザ光発生器1101を発光させるように構成される。本発明の幾つかの実施形態において、駆動信号は、制御信号及び調節信号を含んでもよい。制御信号によってラインレーザ光発生器1101のオン又はオフを制御可能であり、調節信号によってラインレーザ光発生器1101で発生されたレーザ光電力を調節可能である。
【0068】
本発明の幾つかの実施例において、
図9に示すように、増幅回路は、第1増幅回路1102a及び第2増幅回路1102bを含んでもよい。
【0069】
第1増幅回路1102aは、マスタ制御手段003から送信された制御信号を受信し、制御信号を増幅した後でラインレーザ光発生器1101へ送信することにより、ラインレーザ光発生器1101のオン及びオフを制御するように構成される。
【0070】
第2増幅回路1102bは、マスタ制御手段003から送信された調節信号を受信し、調節信号を増幅した後でラインレーザ光発生器1101へ送信することにより、ラインレーザ光発生器1101の送信電力を制御するように構成される。
【0071】
第1増幅回路1102a及び第2増幅回路1102bの具体的な構造は、ここで特に限定されず、信号増幅機能を実現できればよい。
【0072】
本発明の幾つかの実施例において、
図8と
図9に示すように、ラインレーザモジュールは、第2画像収集アセンブリ002を更に備え、第2画像収集アセンブリ002は、ボディ部140に設けられる第2カメラ130及び第2画像処理モジュール021を含み、第2カメラ130は、第2環境画像をキャプチャするように構成される。第2画像収集アセンブリ002は、マスタ制御手段003に接続可能であり、マスタ制御手段003からの操作指令を受信する。例を挙げると、第2カメラ130は、自走機器のマスタ制御手段003に接続され、マスタ制御手段003は、第2カメラ130に対して露光制御を行うことができ、第2カメラ130は、前記マスタ制御手段の露光指令に従って第2環境画像を取得し、マスタ制御手段は、第2環境画像に対して分析及び処理を行い、障害物のタイプを認識することができる。
【0073】
本発明の幾つかの実施例において、第1カメラ120、第2カメラ130及びラインレーザ発光装置110は、連携して動作し、第1カメラ120で収集された第1環境画像に基づいて障碍物距離情報を認識し、第2カメラ130で収集された第2環境画像に基づいて障害物タイプ情報を認識する。したがって、第2カメラ130でキャプチャされた第2環境画像に基づいて障害物のタイプを特定可能であり、障害物のタイプに基づいて、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要があるか否かを特定し、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要があるときに、第1カメラ120とラインレーザ発光装置110とが互いに連携して障害物の距離を特定することにより、対応する障害物回避操作を行い、機器ボディ200が障害物回避操作を行う必要がないときに、前の操作を継続する。これにより、自走機器が誤って障害物回避操作を実行する可能性は、低減される。
【0074】
本発明の幾つかの実施例において、第2環境画像の数は、複数であり、例えば、500個、1000個又は要求を満たす他の数である。例えば、第2カメラ130の露光周波数を調整することで第2環境画像の数を特定してもよい。マスタ制御手段は、第2カメラ130で撮影された複数の第2環境画像に対して画像分割を行い、障害物タイプ情報がマーキングされた分割画像を取得する。その後、分割された分割画像をトレーニング済の障害物モデルに入力してから、分割画像に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴情報とトレーニング済の障害物モデルとに対して信頼度マッチングを行い、信頼度マッチング結果に基づいて障害物のタイプを特定する。
【0075】
つまり、本発明の実施例に係るラインレーザモジュールでは、第2カメラ130で取得された第2環境画像により、障害物のタイプを特定可能であり、更に、自走機器が障害物のタイプに応じて、障害物回避操作を実行する又は前の操作を実行すると特定することができる。また、障害物回避操作を行う必要があるときに、機器制御モジュールは、第1カメラ120とラインレーザ発光装置110とが連携して動作するように制御し、第1カメラ120で取得された第1環境画像に基づいて障害物とラインレーザモジュール又は機器ボディ200との間の距離を特定することにより、障害物回避操作を実行する。
【0076】
例えば、第2カメラ130でキャプチャされた第2環境画像に基づいて障害物が風船として特定されると、風船の重量が軽いため、駆動システムが機器ボディ200を駆動して移動させるだけで、風船を移動させることができる。即ち、風船は、清掃ルートへ影響を与えない。したがって、コントローラは、機器ボディ200が障害物回避操作を実行せず、元の清掃ルートに沿って清掃操作を行うように制御する。このように、風船の所在する位置に対して清掃可能であり、障害物回避の正確性を向上させつつ、清掃範囲の拡大にも有利である。つまり、このような場合に、コントローラは、ラインレーザ発光装置110及び第1カメラ120を制御して動作させる必要がない。
【0077】
更に例えば、第2カメラ130でキャプチャされた第2環境画像に基づいて障害物が椅子として特定されると、椅子の重量が重いため、元の清掃ルートに沿って清掃すれば、機器ボディ200が椅子に衝突して損傷する可能性がある。即ち、椅子は、清掃ルートへ影響を与える。したがって、機器制御モジュールは、機器ボディ200が障害物回避操作を行うことで清掃ルートを変更するように制御する。即ち、機器制御モジュールは、ラインレーザ発光装置110が動作してラインレーザ光を発光するように制御し、第1カメラ120は、椅子から反射された反射光線の第1環境画像をキャプチャし、機器制御モジュールは、第1環境画像に基づいてラインレーザモジュール又は機器ボディ200から椅子までの距離を特定し、更に当該距離に応じて清掃ルートを再計画することで障害物回避操作を行い、障害物回避効果を向上させる。
【0078】
更に、本発明の実施例において、第2カメラ130の数について具体的に限定しない。例えば、第2カメラ130は、1つ、2つ、3つ又は要求を満たす他の数であってもよい。理解できるように、第2カメラ130は、単眼カメラ又は両眼カメラであってもよい。幾つかの実現可能な実施例において、第1カメラ120と第2カメラ130は、別々に設置され、又は、第1カメラ120と第2カメラ130は、カメラユニットを構成してもよい。第1カメラ120及び第2カメラ130の設置モードについて、本発明では具体的に限定しない。
【0079】
本発明の幾つかの実施例において、前記第1カメラの光軸は、水平方向に下向きに交差し、前記第2カメラの光軸は、水平方向に上向きに交差する。つまり、第1カメラは、清掃すべき表面を上から見下ろす。このように設置するのは、より低い障害物を見るためである。第2カメラは、より多くの空間特徴が見られ且つユーザビデオ体験が向上するように、下から見上げる。前記第1カメラの光軸と水平方向との角度は、7度であり、前記第2カメラの光軸と水平方向との角度は、5度である。つまり、第2カメラは、下から見上げる。このように、より多くの空間特徴を見ることができ、ユーザビデオ体験を向上させる。
【0080】
本発明の幾つかの実施例において、ボディ部は、第1端、第2端、及び、第1端と前記第2端とを接続する接続部を含んでもよく、前記ラインレーザモジュールは、第1端と第2端とにそれぞれ設けられる2つのレーザ発光装置を含み、第1カメラと第2カメラは、前記接続部に設けられている。
【0081】
本発明の幾つかの実施例において、第1カメラ120は、モノクロカメラ、即ち赤外カメラであり、モノクロカメラの前方には、第1フィルタレンズが設けられ、第1フィルタレンズは、赤外光のみの通過を許容する赤外レンズであってもよい。理解できるように、第1カメラ120と連携動作するラインレーザ発光装置110は、赤外レーザ光を発光する赤外レーザ管である。第2カメラ130は、RGBカメラであり、RGBカメラの前方には、第2フィルタレンズが設けられ、第2フィルタレンズは、可視光レンズであり、例えば、可視レンズは、可視光のみの通過を許容する白色光レンズである。理解できるように、第1カメラ120と第2カメラ130は、要求を満たす他の構造であってもよく、本発明では具体的に限定しない。
【0082】
本発明の幾つかの実施例において、第1カメラ120と第2カメラ130は、水平方向に沿って並列に配置され、即ち、第1カメラと第2カメラ130は、左右に分布され、例えば、第1カメラ120は、第2カメラ130の左側に位置し、又は、第1カメラ120は、第2カメラ130の右側に位置する。当該構造により、ラインレーザモジュールの鉛直方向の距離の減少に有利であり、鉛直方向サイズの小さい機器ボディ200に適用可能であり、製品の使用範囲を拡大する。理解できるように、このような場合に、ラインレーザ発光装置110は、第1カメラ120と第2カメラ130の両側に分布され、即ち、第1カメラ120と第2カメラ130は、両側のラインレーザ発光装置110の間に位置する。
【0083】
本発明の幾つかの実施例において、第1カメラ120と第2カメラ130は、鉛直方向に沿って並列に配置され、即ち、第1カメラと第2カメラ130は、上下に分布され、例えば、第1カメラ120は、第2カメラ130の上方に位置し、又は、第1カメラ120は、第2カメラ130の下方に位置する。当該構造により、ラインレーザモジュールの水平方向の距離の減少に有利であり、水平方向サイズの小さい機器ボディ200に適用可能であり、製品の使用範囲を拡大する。理解できるように、このような場合に、ラインレーザ発光装置110は、第1カメラ120と第2カメラ130の両側に分布され、即ち、第1カメラ120と第2カメラ130は、両側のラインレーザ発光装置110の間に位置する。
【0084】
更に、ボディ部140は、本体141と、本体141の両側に位置する端部142とを含み、第1カメラ120と第2カメラ130は、本体141に取り付けられ、ラインレーザ発光装置110は、端部142に取り付けられている。ラインレーザ発光装置110が端部142に可動接続され、且つ端部142に対して回転及び揺動可能であることにより、ラインレーザ光の回転角及び方位角を調節することができる。
【0085】
本発明の幾つかの実施例において、
図9に示すように、第2画像処理モジュール021は、特徴抽出モジュール0211及び認識モジュール0212を含んでもよい。
【0086】
特徴抽出モジュール0211は、第2環境画像に対して特徴抽出を行って特徴情報を取得するように構成され、且つ、認識モジュール0212は、特徴情報を障害物認識モデルに入力することにより、障害物タイプ情報を認識するように構成される。
【0087】
例を挙げると、第2環境画像における、一定の条件を満たす画素の階調情報及び位置情報を特徴情報としてもよい。例えば、特徴抽出モジュール0211を介して第2環境画像に対して前処理を行ってもよく、例えば、第2環境画像に対して二値化等を行ってもよい。その後、前処理後の第2環境画像における各画素の階調情報及び位置情報を取得する。予め設定された階調範囲を各画素の階調情報と照合し、階調範囲内に位置する階調情報と対応する画素の位置情報とを特徴情報として取得する。
【0088】
無論、他の方式によって第2環境画像から特徴情報を抽出してもよく、ここで特に限定しない。
【0089】
障害物認識モデルは、事前の障害物画像のサンプルトレーニングによって取得されることができ、ニューラルネットワークであってもよく、分類器又は他のモデルであってもよく、特徴情報に基づいて第2環境画像に障害物が存在するか否かを判断できればよい。障害物認識モデルのトレーニング方法、及び障害物が存在するか否かを判断する具体的な動作過程は、ここで特に限定されない。本発明における障害物は、紙粉、書籍、テーブル脚、ドア、冷蔵庫、カーテン等であってもよく、ここで一々挙げない。
【0090】
認識モジュール0212は、第2環境画像に障害物が存在すると判断されたときに、特徴情報を障害物分類モデルに入力して障害物タイプ情報を認識してもよい。
【0091】
障害物分類モデルは、事前の障害物分類のサンプルトレーニングによって取得されることができ、ニューラルネットワークであってもよく、分類器又は他のモデルであってもよく、特徴情報に基づいて障害物のタイプを判断できればよい。障害物認識モデルのトレーニング方法、及び障害物のタイプを判断する具体的な動作過程は、ここで特に限定されない。それ相応に、第2画像処理モジュール021は、収集されたトレーニングデータを用いて障害物認識モデルを生成するように構成されるトレーニングモジュール0213を更に含む。
【0092】
障害物タイプ情報は、障害物が清掃される必要があるか否か且つ通過可能であるか否かを示す。本発明では、障害物のサイズに応じて障害物を3種のタイプに分けてもよい。例を挙げると、
第1種は、通過可能であり且つ清掃できる障害物、例えば、紙粉等である。
【0093】
第2種は、通過不可能であるが清掃される必要がある障害物、例えば、書籍等である。
【0094】
第3種は、通過不可能でありながら清掃される必要もない障害物、例えば、ドア、壁、テーブル脚等である。本発明の幾つかの実施例において、第1環境画像と第2環境画像とのうちの一方の環境画像のみに障害物が検出された場合に、認識結果は、障害物が存在しないこととなる。例えば、第1環境画像に障碍物距離情報が検出されておらず、又は第2環境画像に障害物タイプ情報が検出されていない場合に、障害物が存在しないと判断する。
【0095】
第1環境画像と第2環境画像との何れにも障害物が存在する場合に、認識結果は、障害物が存在することとなり、その際、第2環境画像に基づいて障害物のタイプを判断してもよい。例えば、障碍物距離情報が受信され、且つ障害物タイプ情報から、障害物が存在すると判断される。
【0096】
第1種の障害物について、機器制御モジュールは、自走機器が現在移動経路に従って移動し続け、障害物を清掃するように制御してもよい。
【0097】
第2種及び第3種の障害物について、障碍物距離情報から得られた障害物の位置情報に基づいて、機器制御モジュールを介して自走機器のステアリング距離情報、ステアリング方向情報及びステアリング角度情報を特定可能であるため、移動ルートを再計画し、即ち、障害物回避ルートを計画し、自走機器が障害物回避ルート従って障害物回避操作を実行するように制御し、それによって清掃不可能な障害物を回避する。
【0098】
更に、本発明の幾つかの実施形態において、自走機器は、注意喚起装置を備えてもよい。当該注意喚起装置は、機器制御モジュールに接続されてもよく、機器制御モジュールは、注意喚起装置が発声と発光とのうちの少なくとも1種の方式によってアラームを発するように制御してもよい。第2種の障害物について、移動ルートを再計画する上記方式によって障害物回避を行うことができるだけでなく、注意喚起装置を介して報知音を発することができるため、障害物回避を行うとともに、ユーザに対して自走機器で清掃できない障害物をタイムリーに洗浄するようリマインドする。
【0099】
本発明が上記実施例で説明されたが、上記実施例が単に例示及び説明の目的のためであり、本発明を記述された実施例の範囲内に制限することを意図しないことは、理解されるべきである。また、当業者であれば理解できるように、本発明が上記実施例に限定されず、本発明の示唆からより多くの変形及び修正を行うことができ、これらの変形及び修正は、何れも本発明の保護請求する範囲内に含まれる。本発明の保護範囲は、付属する特許請求の範囲及びその均等な範囲によって規定される。