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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-18
(45)【発行日】2025-09-29
(54)【発明の名称】電極シート製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20250919BHJP
   B30B 3/00 20060101ALI20250919BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20250919BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20250919BHJP
   B30B 15/14 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
H01M4/139
B30B3/00 B
H01M4/04 A
H01G11/86
B30B15/14 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023095376
(22)【出願日】2023-06-09
(65)【公開番号】P2024176652
(43)【公開日】2024-12-19
【審査請求日】2024-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 哲正
(72)【発明者】
【氏名】山崎 俊
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 翔太
【審査官】山本 佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091649(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109244356(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0098492(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00 - 4/62
B30B 3/00
H01G 11/00 - 11/86
B30B 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極シートに形成された電極活物質層をプレスするための一対のロールと、
前記一対のロールのプレス圧を調整するプレス圧調整機構と、
前記一対のロールのうち少なくとも一方のロールの表面温度を検出する温度センサと、
制御装置と、を備え、
前記プレス圧調整機構は、前記ロールを湾曲させるベンド装置を含み、
前記制御装置は、前記温度センサで検知された前記ロールの表面温度に基づいてプレス圧を調整するように構成され、前記温度センサによって検出された温度に基づいて、前記ベンド装置が前記ロールを湾曲させるベンド圧力を調整する、
電極シート製造装置。
【請求項2】
前記ロールに冷媒を供給する冷媒供給装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて、前記冷媒供給装置から供給される冷媒の量を調整する、
請求項1に記載の電極シート製造装置。
【請求項3】
前記プレス圧調整機構は、前記一対のロールの一方を他方に対して昇降させる昇降装置を含み、
前記制御装置は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて前記昇降装置を制御し、プレス圧を調整する、
請求項1に記載の電極シート製造装置。
【請求項4】
前記制御装置には、前記温度センサによって検出される温度と前記電極シートの厚みとの間の相関データが予め記録されており、
前記制御装置は、前記相関データに基づいて前記プレス圧調整機構を制御する、
請求項1に記載の電極シート製造装置。
【請求項5】
前記温度センサは、非接触式温度センサである、
請求項1に記載の電極シート製造装置。
【請求項6】
他の温度センサをさらに備え、
前記温度センサおよび前記他の温度センサのうちの一方は、前記ロールの端部の温度を検出し、
前記温度センサおよび前記他の温度センサのうちの他方は、前記ロールの中央部の温度を検出する、
請求項1に記載の電極シート製造装置。
【請求項7】
前記プレス圧調整機構は、前記ロールを湾曲させるベンド装置を含み、
前記制御装置には、前記温度センサまたは前記他の温度センサによって検出される温度と前記電極シートの厚みとの間の相関データが予め記録されており、
前記制御装置は、前記相関データに基づいて、前記ベンド装置が前記ロールを湾曲させるベンド圧力を調整する、
請求項に記載の電極シート製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの電極シート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、二次電池用電極の金属製ウェブを上下のプレスロールの間を連続的に通過させてプレスするプレスロール装置が開示されている。特許文献1に記載のプレスロール装置は、ウェブの厚みを連続的に測定するインライン膜厚計を備え、ウェブの厚さが所定量減少したことが確認される毎にベンド圧力を所定量ずつ増加させるように構成されている。ベンド圧力は、プレス圧力とは逆方向に掛ける圧力であり、ベンド圧力を増加させることにより、上下のプレスロール間のギャップが広がる。特許文献1によれば、ベンド圧力を増加させることにより、プレスロールの熱膨張変形によって上下のプレスロール間のギャップが次第に狭くなりウェブの厚さが次第に薄くなることを抑制できる、とされている。
【0003】
特許文献1に開示されたプレスロール装置は、プレスロールでプレスする前にウェブを加熱する余熱ロールを備えている。特許文献1によれば、プレスが進行するにつれて、プレスロールの軸受け部において熱が発生し、その熱がプレスロールの両端部領域に伝わる。特許文献1によれば、ウェブが予熱ロールで加温されているため、上下プレスロールの両端部領域だけが局所的に熱膨張変形することが補正される。これにより、上下プレスロール間のギャップおよびプレス圧をウェブの幅方向に関してほぼ均一に保つことができ、その結果、ウェブの幅方向の厚みばらつきをなくすことができる、とされている。
【0004】
例えば特許文献2には、圧縮加工された材料の厚みを幅方向の複数箇所で計測する厚み計を備えたロールプレス設備が開示されている。特許文献2によれば、幅方向の複数箇所で計測された材料の厚みに基づいてプレスシリンダ位置およびベンドシリンダ圧力を調整することにより、幅方向のいずれの位置でも材料の厚みを目標範囲内に保持することができる、とされている。
【0005】
特許文献3には、ロールの温度変化による変形とロールへの荷重による変形に分けてロールの変形量を計測する計測センサを備えたロールプレス設備が開示されている。特許文献3によれば、ロールの形状変化を正確に把握することが可能となり、ロールのより高精度な管理が可能となる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-179401号公報
【文献】特開2013-111647号公報
【文献】特開2014-173996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3には、ロールの軸受け部で発生した熱によりロールが熱膨張変形し、シート状材料の厚みが変化する課題が記載されている。かかる課題に対して、特許文献1および2に記載の装置では、プレス後のシート状材料の厚みの計測に基づいてプレス条件を調整することにより、シート状材料の厚みを目標の厚みに制御しようとしている。また、特許文献3に記載の装置では、シート状材料をプレスするロールの寸法を管理することにより、シート状材料の厚みを目標の厚みとしようとしている。
【0008】
本願発明者は、電極活物質層が形成された電極シートをプレスする場合、電極シートの厚みがプレス直後とは変わることがあることを見出した。そのため、電極シートの厚みの計測に基づいてプレス条件を調整したのでは、電極シートの厚みをうまく制御できない場合があり得る。
【0009】
ここでは、電極シートをプレスする一対のロールを備えた電極シートの製造装置であって、電極シートの厚みを制御できる電極シートの製造装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ここに開示される電極シート製造装置は、電極シートに形成された電極活物質層をプレスするための一対のロールと、前記一対のロールのプレス圧を調整するプレス圧調整機構と、前記一対のロールのうち少なくとも一方のロールの表面温度を検出する温度センサと、制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記温度センサで検知された前記ロールの表面温度に基づいてプレス圧を調整するように構成されている。
【0011】
上記電極シート製造装置によれば、ロールの表面温度を検出し、検出された温度に基づいてロールのプレス圧を調整することにより、電極シートの厚みを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電極シート製造装置の模式図である。
図2】ロールプレス機の模式的な側面図である。
図3】プレス装置の模式的な正面図である。
図4】ベンド圧力およびシリンダプレス圧の制御による電極シートの厚み制御のプロセスを示すフローチャートである。
図5】プレスロールの温度の変化量と電極シートの厚みの変化量との間の相関データの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、蓄電デバイスの電極シートの製造装置の一実施形態を説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、各図は、模式図であり、必ずしも実際の実施品が忠実に反映されたものではない。
【0014】
[電極シート製造装置の構成]
図1は、一実施形態に係る電極シート製造装置10の模式図である。電極シート製造装置10は、ここでは、リチウムイオン二次電池の電極シート1(図2参照)を製造するものである。ただし、電極シート1は、リチウムイオン二次電池の電極シート1には限定されず、公知の各種蓄電デバイスの電極シートであってもよい。蓄電デバイスとは、電気エネルギーを取り出し可能なデバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する。
【0015】
電極シート1は、帯状の電極箔2と、電極箔2に形成された電極活物質層3と、を備えている。電極シート1は、予め定められた幅および厚さの帯状の電極箔2の表面に、電極活物質を含む電極活物質層3が形成された部材である。リチウムイオン二次電池では、電極シート1が正極シートの場合、電極箔2は、例えば、アルミニウム箔である。電極活物質(正極活物質)は、リチウム遷移金属複合材料のように、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸収しうる材料である。電極シート1が負極シートの場合、電極箔2は、例えば、銅箔である。電極活物質(負極活物質)は、天然黒鉛のように、充電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時に吸蔵したリチウムイオンを放電時に放出しうる材料である。正極活物質および負極活物質は、上記した材料以外にも種々提案されており、特に限定されない。
【0016】
図1に示すように、電極シート製造装置10は、計量装置20と、混錬装置30と、塗工装置40と、乾燥装置50と、ロールプレス機60と、を備えている。
【0017】
計量装置20は、電極活物質層3の原料を計量する。計量された電極活物質層3の原料は混合され、混錬装置30により混錬される。混錬によってスラリー状にされた電極活物質層3の原料は、塗工装置40により、電極箔2に塗工される。乾燥装置50は、塗工したスラリー状の電極活物質層3の原料を乾燥させる。ロールプレス機60は、電極シート1をプレスし、電極活物質層3の厚さを所定の範囲内の厚さに調整する。
【0018】
図2は、ロールプレス機60の模式的な側面図である。図2に示すように、本実施形態に係るロールプレス機60は、巻出装置60Aと、プレス装置60Bと、巻取装置60Cと、を備えている。電極活物質層3が乾燥された後の電極シート1は、ロールで巻出装置60Aに供給される。巻取装置60Cは、巻出装置60Aから繰り出され、プレス装置60Bによってプレスされた電極シート1を巻き取る。ロールプレス機60は、巻出装置60A、プレス装置60B、および巻取装置60Cの動作を制御する制御装置100を備えている。
【0019】
図3は、プレス装置60Bの模式的な正面図である。図3に示すように、プレス装置60Bは、電極シート1に形成された電極活物質層3をプレスするための一対のプレスロール61U,61Dと、一対のプレスロール61U,61Dのプレス圧を調整するプレス圧調整機構70と、プレスロール61U,61Dに冷媒を供給する冷媒供給装置80と、プレスロール61U,61Dの表面温度を検出する複数の温度センサ91~96と、を備えている。
【0020】
一対のプレスロール61U,61Dは、電極シート1の厚さ方向(ここでは上下方向)に向かい合っている。上側のプレスロール61Uは、電極シート1に接触し、プレスするロール本体部62Uを有している。ロール本体部62Uの両側には、両軸部63ULおよび63URが接続されている。両軸部63ULおよび63URは、電極シート1よりも幅方向外方に配置され、ロール本体部62Uよりも直径が小さい。両軸部63ULおよび63URは、電極シート1には接触しない。下側のプレスロール61Dも、同様のロール本体部62Dと、両軸部63DL,63DRとを備えている。
【0021】
プレスロール61U,61Dの材質は限定されないが、例えば、高炭素軸受鋼鋼材(SUJ材)、合金工具鋼(SKD材)のような硬度の高い材料である。プレスロール61U,61Dの大きさも限定されないが、大きければ、例えば、直径が800mm、長さが1000mm程度である。例えば材料がSUJ2、直径が800mmのプレスロール61U,61Dの間の間隔は、計算上、温度が1℃上昇すると、0.01mm程度小さくなる。
【0022】
プレス圧調整機構70は、上側のプレスロール61Uを支持する一対の上側ベアリング71Uと、一対の上側ベアリング71Uがそれぞれ収容された一対の上側軸箱72Uと、下側のプレスロール61Dを支持する一対の下側ベアリング71Dと、一対の下側ベアリング71Dがそれぞれ収容された一対の下側軸箱72Dと、上側のプレスロール61Uを回転させる上側駆動装置73Uと、下側のプレスロール61Dを回転させる下側駆動装置73Dと、一対のギャップ調整スクリュー74と、一対のプレスシリンダ75と、一対のベンドシリンダ76と、を備えている。
【0023】
一対の上側ベアリング71Uは、それぞれ、上側のプレスロール61Uの両軸部63UL,63URを回転可能に支持している。プレス圧を掛けながら上側のプレスロール61Uを回転させると、上側のプレスロール61Uの両軸部63UL,63URと一対の上側ベアリング71Uとの間の摩擦により熱が発生する。この熱の影響については後述する。一方の上側軸箱72Uには、上側駆動装置73Uに接続された図示しない伝動部材と、上側のプレスロール61Uの一方の軸部(例えば、63UR)に接続されるとともに上記の伝動部材に噛み合わされた相手側の伝動部材(図示せず)も収容されている。上側駆動装置73Uは、例えば、電動モータである。両伝動部材は、例えば、歯車である。
【0024】
一対の下側ベアリング71Dは、それぞれ、下側のプレスロール61Dの両軸部63DL,63DRを回転可能に支持している。一方の下側軸箱72Dには、下側駆動装置73Dに接続された図示しない伝動部材と、下側のプレスロール61Dの一方の軸部(例えば、63DR)に接続された相手側の伝動部材(図示せず)とが収容されている。
【0025】
一対のギャップ調整スクリュー74は、上側のプレスロール61Uの上下方向の位置を調整するものである。ギャップ調整スクリュー74を回転させることにより、上側のプレスロール61Uと下側のプレスロール61Dとの間のギャップを調整することができる。ただし、ギャップ調整スクリュー74はなくてもよく、その場合、プレスシリンダ75の動作によって上側のプレスロール61Uと下側のプレスロール61Dとの間のギャップが調整されてもよい。
【0026】
一対のプレスシリンダ75は、下側のプレスロール61Dを上側のプレスロール61Uの方に押圧する。一対のプレスシリンダ75は、一対の下側ベアリング71Dを支持し、上下方向に移動させる。一対のプレスシリンダ75の駆動により、一対のプレスロール61U,61Dに挟まれた電極シート1がプレスされる。一対のプレスシリンダ75は、電極シート1をプレスするプレス圧を調整する装置の1つである。本実施形態では、「プレス圧」とは、後述するベンド圧力と、プレスシリンダ75が発生させる圧力との合成の圧力を意味する。以下、「プレス圧」との区別のため、プレスシリンダ75が発生させる圧力は「シリンダプレス圧」とも呼ぶ。また、プレスシリンダ75は、一対のプレスロール61U,61Dの一方を他方に対して昇降させる昇降装置の一例である。プレスシリンダ75を駆動することにより、シリンダプレス圧とともに一対のプレスロール61U,61Dの間のギャップを調整することもできる。なお、昇降装置は、上側のプレスロール61Uを下側のプレスロール61Dの方に押圧するように構成されていてもよい。または、昇降装置は、上側のプレスロール61Uを下降させ、かつ、下側のプレスロール61Dを上昇させるように構成されていてもよい。
【0027】
一対のベンドシリンダ76も、プレス装置60Bのプレス圧を調整する装置の1つである。一対のベンドシリンダ76は、上側のプレスロール61Uの軸部63ULと下側のプレスロール61Dの軸部63DLとの間、および、上側のプレスロール61Uの軸部63URと下側のプレスロール61Dの軸部63DRとの間に配置されている。一対のベンドシリンダ76は、プレスシリンダ75によるプレス圧とは逆方向にプレスロール61U,61Dを押圧する。これにより、プレスロール61U,61Dが湾曲し、または湾曲が矯正される。その結果として、プレスロール61U,61D間のギャップおよびプレス圧が調整される。ベンド圧力を左右のベンドシリンダ76で独立に制御することにより、プレスロール61U,61D間のギャップおよびプレス圧が左右それぞれ調整される。一対のベンドシリンダ76は、プレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド装置の一例である。ここで、「プレスロール61U,61Dを湾曲させる」とは、プレスシリンダ75の駆動により湾曲したプレスロール61U,61Dを矯正するようにプレスロール61U,61Dを湾曲させる場合も含み得る。一対のベンドシリンダ76は、プレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力をそれぞれ調整可能に構成されている。
【0028】
冷媒供給装置80は、一対の上側軸箱72Uおよび一対の下側軸箱72Dに冷媒を供給している。冷媒は、一方の上側軸箱72U、他方の上側軸箱72U、一方の下側軸箱72D、および他方の下側軸箱72Dをそれぞれ含む4つの循環流路81内を循環している。各循環流路81には、ポンプ82と、冷却装置83とが設けられている。冷媒は、ポンプ82の駆動により循環流路81内を循環し、ベアリング71Uまたは71Dを通過する際にベアリング71Uまたは71Dから熱を奪う。これにより温度が上昇した冷媒は、冷却装置83によって冷却される。ポンプ82は冷媒の循環速度を調整可能に構成されている。冷媒供給装置80は、ポンプ82を制御して冷媒の循環速度を調整することにより、軸箱72Uおよび72Dに供給する冷媒の量(時間当たりの量)を調整する。
【0029】
複数の温度センサ91~93(以下、第1温度センサ91~第3温度センサ93とも呼ぶ)は、上側のプレスロール61Uの表面温度を検出する。第1温度センサ91~第3温度センサ93は、ここでは、上側のプレスロール61Uよりも上方に配置されている。第1温度センサ91~第3温度センサ93は、上側のプレスロール61Uとは離間している。第1温度センサ91~第3温度センサ93は、非接触式の温度センサ、例えば、赤外線温度センサである。ただし、第1温度センサ91~第3温度センサ93は、接触式の温度センサであってもよい。また、第1温度センサ91~第3温度センサ93は、上側のプレスロール61Uの前方、後方、またはその他の位置に配置されていてもよい。
【0030】
第1温度センサ91は、第1温度センサ91~第3温度センサ93のうちで最も左方に設けられ、上側のプレスロール61Uの左端部の表面温度を検出する。第2温度センサ92は、第1温度センサ91の右方に設けられ、上側のプレスロール61Uの中央部の表面温度を検出する。第3温度センサ93は、第1温度センサ91~第3温度センサ93のうちで最も右方に設けられ、上側のプレスロール61Uの右端部の表面温度を検出する。ここで、上側のプレスロール61Uの「端部」とは、プレスロール61Uの実質的な端部、ここでは、ロール本体部62Uの端部のことを意味する。上側のプレスロール61Uの「端部」は、例えば、ロール本体部62Uを軸線方向に3等分したときの両端の領域のことである。また、上側のプレスロール61Uの「中央部」は、例えば、ロール本体部62Uを軸線方向に3等分したときの真ん中の領域のことである。「端部または中央部の温度を検出する」とは、端部または中央部のうちの少なくとも1点の温度を測定することを意味する。
【0031】
複数の温度センサ94~96(以下、第4温度センサ94~第6温度センサ96とも呼ぶ)は、下側のプレスロール61Dの表面温度を検出する。第4温度センサ94~第6温度センサ96は、ここでは、下側のプレスロール61Dよりも下方に配置されている。ただし、第4温度センサ94~第6温度センサ96は、下側のプレスロール61Dの前方、後方、またはその他の位置に配置されていてもよい。第4温度センサ94~第6温度センサ96も、非接触式の温度センサである。
【0032】
第4温度センサ94は、第4温度センサ94~第6温度センサ96のうちで最も左方に設けられ、下側のプレスロール61D(ロール本体部62D)の左端部の表面温度を検出する。第5温度センサ95は、第4温度センサ94の右方に設けられ、下側のプレスロール61D(ロール本体部62D)の中央部の表面温度を検出する。第6温度センサ96は、第4温度センサ94~第6温度センサ96のうちで最も右方に設けられ、下側のプレスロール61D(ロール本体部62D)の右端部の表面温度を検出する。
【0033】
制御装置100は、温度センサ91~96で検知されたプレスロール61U,61Dの表面温度に基づいてプレス圧を調整するように構成されている。ここでは、制御装置100は、温度センサ91~96によって検出された温度に基づいて、ベンドシリンダ76がプレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力を調整する。詳しくは、制御装置100には、温度センサ91~96によって検出される温度と、電極シート1の厚みとの間の相関データが予め記録されている。制御装置100は、上記相関データに基づいて、ベンドシリンダ76がプレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力を調整する。制御装置100には、ベンド圧力の変化量と電極シート1の厚みの変化量との間の相関データも予め記録されている。制御装置100は、ベンド圧力を調整することにより、電極シート1の幅方向の位置による厚みの違いを減らし、厚みを均一化する。
【0034】
図2に示すように、制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度と、電極シート1の厚みとの間の相関データが記録された第1記録部101と、ベンド圧力の変化量と電極シート1の厚みの変化量との間の相関データが記録された第2記録部102と、を備えている。また、制御装置100は、第1記録部101に記録された相関データおよび第2記録部102に記録された相関データに基づいて、ベンドシリンダ76がプレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力を調整するベンド圧制御部103を備えている。
【0035】
上記相関データの電極シート1の厚みは、プレス工程が終わった後に実測されたものである。電極シート1の厚みは、例えば電極シート1のスプリングバックによってプレス直後よりも増加することがある。そのため、上側のプレスロール61Uと下側のプレスロール61Dとの間のギャップと、プレス工程後の電極シート1の厚みとは同じでない場合がある。そのため、上記相関データは、プレス工程が終わった後に実測された電極シート1の厚みに基づいて作成されている。
【0036】
また、制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいてプレスシリンダ75を制御し、プレス圧を調整する。詳しくは、制御装置100は、前述した、温度センサ91~96によって検出される温度と電極シート1の厚みとの間の相関データに基づいて上記制御を行う。制御装置100は、これにより、電極シート1の幅方向の各部の厚みを所定の範囲内とする。制御装置100には、シリンダプレス圧の変化量と電極シート1の変化量との間の相関データも予め記録されている。図2に示すように、制御装置100は、シリンダプレス圧の変化量と電極シート1の厚みの変化量との間の相関データが記録された第3記録部104と、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいてプレスシリンダ75を制御し、シリンダプレス圧を調整するプレス圧制御部105とを備えている。
【0037】
さらに、制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいて、冷媒供給装置80から供給される冷媒の量を調整する。詳しくは、制御装置100は、複数のポンプ82を制御して冷媒の供給速度を調整する。図2に示すように、制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいてポンプ82を制御し、冷媒供給装置80から供給される冷媒の量を調整する冷却制御部106を備えている。制御装置100は、これにより、プレスロール61U,61Dの温度を予め定められた温度に近づけるとともに、プレスロール61U,61Dの場所による温度の差を低減している。制御装置100は、ここでは、各ポンプ82を独立に制御している。
【0038】
[電極シートの厚み制御]
以下では、ロールプレス機60による電極シート1の厚み制御の一例について説明する。ロールプレス機60は、電極シート1の厚み制御を容易にするため、冷媒を流すことにより、プレスロール61U,61Dの温度上昇を抑制している。プレスロール61U,61Dの温度が上昇すると、プレスロール61U,61Dが熱膨張し、両者の間のギャップが狭くなる。これにより、電極シート1の厚さが薄くなる。プレスロール61U,61Dの温度上昇を抑制することにより、電極シート1の厚さが薄くなることを抑制できる。ロールプレス機60は、プレスロール61U,61Dの温度が上昇した場合には、冷媒の供給量を増加させる。ロールプレス機60は、冷却にもかかわらずプレスロール61U,61Dの温度が上昇した場合には、ベンド圧力およびシリンダプレス圧を制御することにより電極シート1の厚みを制御する。
【0039】
図4は、ベンド圧力およびシリンダプレス圧の制御による電極シート1の厚み制御のプロセスを示すフローチャートである。図4に示すように、電極シート1の厚み制御のステップS01では、ロールプレス機60は、第1温度センサ91および第4温度センサ94によってそれぞれ測定されたプレスロール61U,61Dの左端部の温度を取得する。ステップS02では、取得されたプレスロール61U,61Dの左端部の温度から、第1記録部101に記録された相関データに基づき、電極シート1の左端部の厚みを推定する。図5は、温度と電極シート1の厚みとの間の相関データ、より詳しくは、プレスロール61U,61Dの温度の変化量と電極シート1の厚みの変化量との間の相関データの一例である。図5に示すように、プレスロール61U,61Dの温度が上昇するのに従って、電極シート1の推定厚みは薄くなる。ここでは、プレスロール61U,61Dの左端部の温度が上昇するのに従って、電極シート1の左端部の推定厚みは薄くなる。
【0040】
ステップS03では、ロールプレス機60は、左端部と同様に、第3温度センサ93および第6温度センサ96によってそれぞれ測定されたプレスロール61U,61Dの右端部の温度を取得する。続くステップS04では、取得されたプレスロール61U,61Dの右端部の温度から、第1記録部101に記録された相関データに基づき、電極シート1の右端部の厚みを推定する。プレスロール61U,61Dの右端部の温度が上昇するのに従って、電極シート1の右端部の推定厚みは薄くなる。
【0041】
ステップS05では、ロールプレス機60は、第2温度センサ92および第5温度センサ95によってそれぞれ測定されたプレスロール61U,61Dの中央部の温度を取得する。ステップS06では、取得されたプレスロール61U,61Dの中央部の温度から、第1記録部101に記録された相関データに基づき、電極シート1の中央部の厚みを推定する。発熱は主としてプレスロール61U,61Dとベアリング71U,71Dとの間の摩擦により発生する。そのため、プレスロール61U,61Dの中央部の温度は、通常、両端部の温度よりも低い。電極シート1の中央部の推定厚みは、通常、両端部の推定厚みよりも厚い。なお、ステップS01およびS02のセットと、ステップS03およびS04のセットと、ステップS05およびS06のセットとは、順番が入れ替えられてもよい。
【0042】
ステップS07では、ロールプレス機60は、推定された電極シート1の左端部の厚みと中央部の厚みとの差を求める。ステップS08では、第2記録部102に記録された相関データに基づき、ステップS07で求められた差を解消するように左側のベンドシリンダ76のベンド圧力を調整する。推定された電極シート1の左端部の厚みと中央部の厚みとの差が大きいほど、ベンド圧力は大きく設定される。同様に、ステップS09では、推定された電極シート1の右端部の厚みと中央部の厚みとの差が求められる。ステップS10では、第2記録部102に記録された相関データに基づき、ステップS09で求められた差を解消するように右側のベンドシリンダ76のベンド圧力を調整する。
【0043】
さらにステップS11では、ステップS06で推定された電極シート1の中央部の厚みと、中央部の厚みの予め定められた目標値との間の差を求める。ステップS12では、第3記録部104に記録された相関データに基づき、上記目標値との差を解消するようにプレスシリンダ75のシリンダプレス圧を調整する。推定された電極シート1の中央部の厚みが薄いほど、シリンダプレス圧は小さく設定される。図示は省略するが、ステップS01~S12は、例えば、予め定められた時間間隔ごとに繰り返される。なお、ステップS07およびS08のセットと、ステップS09およびS10のセットと、ステップS11およびS12のセットとは、順番が入れ替えられてもよい。
【0044】
[実施形態の作用効果]
以下に、本実施形態に係る電極シート1の製造装置10によって奏することのできる作用効果について説明する。
【0045】
本実施形態に係る電極シート1の製造装置10は、電極シート1に形成された電極活物質層3をプレスするための一対のプレスロール61U,61Dと、一対のプレスロール61U,61Dのプレス圧を調整するプレス圧調整機構70と、一対のプレスロール61U,61Dの表面温度を検出する温度センサ91~96と、制御装置100と、を備えている。制御装置100は、温度センサ91~96で検知されたプレスロール61U,61Dの表面温度に基づいてプレス圧を調整するように構成されている。なお、温度センサは、一対のプレスロール61U,61Dのうち少なくとも一方のプレスロールの表面温度を検出してもよい。
【0046】
かかる電極シート1の製造装置10によれば、プレスロール61U,61Dの表面温度を検出し、検出された温度に基づいてプレスロール61U,61Dのプレス圧を調整することにより、電極シート1の厚みを制御できる。
【0047】
従来のロールプレス機では、プレス後の電極シートの厚みを計測することにより、プレスロールの軸受け部で発生した熱によって電極シートの厚みが変化する問題に対処しようとしていた。詳しくは、従来のロールプレス機では、プレス後の電極シートの厚みの計測に基づいてプレス圧をフィードバック制御することにより、電極シートの厚みを目標の厚みに制御しようとしていた。しかしながら、少なくとも電極活物質層が形成された電極シートをプレスする場合、例えば、電極シートのスプリングバックにより、プレス直後とは電極シートの厚みが変わることがあるのを本願発明者は見出した。そのため、電極シートの厚みの計測に基づいてプレス圧を調整したのでは、電極シートの厚みをうまく制御できない場合があり得る。
【0048】
本実施形態に係る電極シート1の製造装置10では、プレスロール61U,61Dの表面温度に基づいてプレス後の電極シート1の厚みを推定し、プレスロール61U,61Dのプレス圧を調整する。そのため、電極シート1の厚みがプレス直後から変化するような場合であっても、電極シート1の厚みを制御できる。
【0049】
本実施形態では、プレス圧調整機構70は、プレスロール61U,61Dを湾曲させるベンドシリンダ76を含んでいる。制御装置100は、温度センサ91~96によって検出された温度に基づいて、ベンドシリンダ76がプレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力を調整する。かかる構成によれば、プレスロール61U,61Dを湾曲させることにより、部分的に電極シート1の厚みが変化する(ここでは、電極シート1の両端部において厚みが薄くなる)ことを抑制できる。
【0050】
本実施形態に係る電極シート1の製造装置10は、プレスロール61U,61Dに冷媒を供給する冷媒供給装置80をさらに備えている。制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいて、冷媒供給装置80から供給される冷媒の量を調整する。かかる構成によれば、プレスロール61U,61Dの温度上昇を抑制することができる。これにより、電極シート1の厚さが薄くなることを抑制できる。
【0051】
本実施形態では、プレス圧調整機構70は、一対のプレスロール61U,61Dの一方を他方に対して昇降させる(ここでは、下側のプレスロール61Dを昇降させる)プレスシリンダ75を含んでいる。制御装置100は、温度センサ91~96によって検出される温度に基づいてプレスシリンダ75を制御し、プレス圧を調整する。かかる構成によれば、電極シート1の厚さを、全幅にわたって同時に制御することができる。
【0052】
本実施形態では、制御装置100には、温度センサ91~96によって検出される温度と電極シート1の厚みとの間の相関データが予め記録されている。制御装置100は、上記相関データに基づいてプレス圧調整機構70を制御する。かかる構成によれば、プレス圧調整機構70を制御は、温度センサ91~96によって検出される温度と電極シート1の厚みとの間の相関データに基づいて行われる。そのため、電極シート1の厚みがプレス直後から変化するような場合であっても、電極シート1の厚みを制御できる。
【0053】
より詳しくは、本実施形態に係る電極シート1の製造装置10は、第1温度センサ91~第6温度センサ96を備えている。第1温度センサ91および第4温度センサ94は、プレスロール61U,61Dの左端部の温度を検出し、第2温度センサ92および第5温度センサ95は、プレスロール61U,61Dの中央部の温度を検出する。また、第3温度センサ93および第6温度センサ96は、プレスロール61U,61Dの右端部の温度を検出する。かかる構成によれば、プレスロール61U,61Dの端部の温度と中央部の温度とが測定されるため、電極シート1の幅方向の端部の厚みと中央部の厚みとをともに制御することができる。より具体的には、制御装置100は、記録された相関データに基づいて、ベンドシリンダ76がプレスロール61U,61Dを湾曲させるベンド圧力を調整する。その結果、プレスロール61U,61Dの端部と中央部との温度差によって発生する電極シート1の幅方向の端部と中央部との厚みの差を抑制することができる。プレスロール61U,61Dの左端部と右端部との温度差によって発生する電極シート1の左端部と右端部との厚みの差も抑制される。
【0054】
本実施形態では、温度センサ91~96は、非接触式温度センサである。かかる構成によれば、温度センサとの接触によりプレスロール61U,61Dの表面が損傷するおそれがない。これにより発生した異物が電極シート1に混入し、電極シート1の品質を低下させることもない。かつ、上記したおそれがないため、プレスロール61U,61Dを高速で回転させることができる。これにより、電極シート1の生産性を向上させることができる。
【0055】
[他の実施形態]
以上、ここで提案される電極シートの製造装置の一実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は一例に過ぎず、他の態様で実施することもできる。例えば、上記した実施形態では、プレス圧はプレスシリンダ75およびベンドシリンダ76の制御によって制御されたが、これには限定されない。プレス圧は、例えば、1つまたは複数のプレスシリンダの制御によって制御されてもよい。
【0056】
上記した実施形態では、冷媒供給装置80が設けられたが、可能であれば設けられなくてもよい。
【0057】
その他、上記した実施形態は、特に言及された場合を除いて本発明を限定しない。また、ここで開示される技術は、種々変更でき、特段の問題が生じない限りにおいて、各構成要素やここで言及された各処理は適宜に省略され、または、適宜に組み合わされ得る。
【0058】
本明細書は、以下の各項に記載の開示を含んでいる。
【0059】
項1:
電極シートに形成された電極活物質層をプレスするための一対のロールと、
前記一対のロールのプレス圧を調整するプレス圧調整機構と、
前記一対のロールのうち少なくとも一方のロールの表面温度を検出する温度センサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記温度センサで検知された前記ロールの表面温度に基づいてプレス圧を調整するように構成されている、
電極シート製造装置。
【0060】
項2:
前記プレス圧調整機構は、前記ロールを湾曲させるベンド装置を含み、
前記制御装置は、前記温度センサによって検出された温度に基づいて、前記ベンド装置が前記ロールを湾曲させるベンド圧力を調整する、
項1に記載の電極シート製造装置。
【0061】
項3:
前記ロールに冷媒を供給する冷媒供給装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて、前記冷媒供給装置から供給される冷媒の量を調整する、
項1または2に記載の電極シート製造装置。
【0062】
項4:
前記プレス圧調整機構は、前記一対のロールの一方を他方に対して昇降させる昇降装置を含み、
前記制御装置は、前記温度センサによって検出される温度に基づいて前記昇降装置を制御し、プレス圧を調整する、
項1~3のいずれか一つに記載の電極シート製造装置。
【0063】
項5:
前記制御装置には、前記温度センサによって検出される温度と前記電極シートの厚みとの間の相関データが予め記録されており、
前記制御装置は、前記相関データに基づいて前記プレス圧調整機構を制御する、
項1~4のいずれか一つに記載の電極シート製造装置。
【0064】
項6:
前記温度センサは、非接触式温度センサである、
項1~5のいずれか一つに記載の電極シート製造装置。
【0065】
項7:
他の温度センサをさらに備え、
前記温度センサおよび前記他の温度センサのうちの一方は、前記ロールの端部の温度を検出し、
前記温度センサおよび前記他の温度センサのうちの他方は、前記ロールの中央部の温度を検出する、
項1~6のいずれか一つに記載の電極シート製造装置。
【0066】
項8:
前記プレス圧調整機構は、前記ロールを湾曲させるベンド装置を含み、
前記制御装置には、前記温度センサまたは前記他の温度センサによって検出される温度と前記電極シートの厚みとの間の相関データが予め記録されており、
前記制御装置は、前記相関データに基づいて、前記ベンド装置が前記ロールを湾曲させるベンド圧力を調整する、
項7に記載の電極シート製造装置。
【符号の説明】
【0067】
1 電極シート
2 電極箔
3 電極活物質層
10 電極シート製造装置
20 計量装置
30 混錬装置
40 塗工装置
50 乾燥装置
60 ロールプレス機
60A 巻出装置
60B プレス装置
60C 巻取装置
61D 下側のプレスロール(ロール)
61U 上側のプレスロール(ロール)
62D ロール本体部(下側)
62U ロール本体部(上側)
63DL 軸部
63DR 軸部
63UL 軸部
63UR 軸部
70 プレス圧調整機構
71D 下側ベアリング
71U 上側ベアリング
72D 下側軸箱
72U 上側軸箱
73D 下側駆動装置
73U 上側駆動装置
74 ギャップ調整スクリュー
75 プレスシリンダ(昇降装置)
76 ベンドシリンダ(ベンド装置)
80 冷媒供給装置
81 循環流路
82 ポンプ
83 冷却装置
91 第1温度センサ(温度センサ)
92 第2温度センサ(他の温度センサ)
93 第3温度センサ(温度センサ)
94 第4温度センサ(温度センサ)
95 第5温度センサ(他の温度センサ)
96 第6温度センサ(温度センサ)
100 制御装置
101 第1記録部
102 第2記録部
103 ベンド圧制御部
104 第3記録部
105 プレス圧制御部
106 冷却制御部
図1
図2
図3
図4
図5