(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】タイヤセットの取り出しを容易にしたダブリングマシン及びダブリング方法
(51)【国際特許分類】
B25B 27/14 20060101AFI20250922BHJP
【FI】
B25B27/14 Z
(21)【出願番号】P 2024104825
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724010363
【氏名又は名称】Blue space株式会社
(72)【発明者】
【氏名】呼 和巴拉
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特許第5387999(JP,B2)
【文献】特開2009-131923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンであって、
ダブリングマシンの「骨組み」であるフレームと、
前記フレームに設けられ、
下記載置台を昇降させる上昇アクチュエーターと、
上昇アクチュエーターに
接続され、水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、
フレームに設けられ、垂直方向
下側に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開閉することにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、
載置台に設けられ、垂直方向
上側に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開閉することにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、
垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する、
前記フレームに設けられた圧力変形構造具と、
前記フレームの天井中心部に接続され、
伸縮可能に設けられ、垂直状態のタイヤT2を上トレッド面側から
下へ、拡径したタイヤT1に押し込む押さえ構造具と、
前記載置台に水平移動可能に設けられ、押し込まれたタイヤT2をタイヤT1の空洞部に入るタイミングで、
垂直状態のタイヤT2
を水平状態のタイヤT1内部の隅部へ水平に押移動する方向転換構造具と、
および、ダブリング完了後のタイヤセットTsを上方へ押し上るため、前記載置台下部に内蔵され載置台から上昇しる押し上げ具を備え、
前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具で圧縮され、かつ前記押さえ構造具で押さえられ、さらに前記方向転換構造具で押移動されたタイヤT2が前記タイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤT2がタイヤT1の上下に飛び出さない状態で、タイヤセットTsが
形成され、
前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを、上昇アクチュエーターの下降により載置台と共に下側拡径具が下降し、かつこの下降により上側拡径具がタイヤセットTsの上側にある状態で、前記押し上げ具により
タイヤセットTsを上側に押し上げ、これにより、下側拡径具の側壁がタイヤセットTsの
内周部に接しない位置まで下がるとともに、方向転換構造具によりタイヤセットTsが正面側に押し出され、前記タイヤセットTsのフレームからの取り出しが容易に したことを特徴とするダブリングマシン。
【請求項2】
タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリング方法であって、
ダブリングマシンの「骨組み」であるフレームと、
前記フレームに設けられ、
下記載置台を昇降させる上昇アクチュエーターと、
上昇アクチュエーターに
接続され、水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、
フレームに設けられ、垂直方向
下側に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開閉することにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、
載置台に設けられ、垂直方向
上側に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開閉することにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、
垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する、
前記フレームに設けられた圧力変形構造具と、
前記フレームの天井中心部に接続され、
伸縮可能に設けられ、垂直状態のタイヤT2を上トレッド面側から
下へ、拡径したタイヤT1に押し込む押さえ構造具と、
前記載置台に水平移動可能に設けられ、押し込まれたタイヤT2をタイヤT1の空洞部に入るタイミングで、
垂直状態のタイヤT2
を水平状態のタイヤT1内部の隅部へ水平に押移動する方向転換構造具と、
および、ダブリング完了後のタイヤセットTsを上方へ押し上るため、前記載置台下部に内蔵され載置台から上昇しる押し上げ具を備え、
前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具で圧縮され、かつ前記押さえ構造具で押さえられ、さらに前記方向転換構造具で押移動されたタイヤT2が前記タイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤT2がタイヤT1の上下に飛び出さない状態で、タイヤセットTsが
形成され、
前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを、上昇アクチュエーターの下降により載置台と共に下側拡径具が下降し、かつこの下降により上側拡径具がタイヤセットTsの上側にある状態で、前記押し上げ具により
タイヤセットTsを上側に押し上げ、これにより、下側拡径具の側壁がタイヤセットTsの
内周部に接しない位置まで下がるとともに、方向転換構造具によりタイヤセットTsが正面側に押し出され、前記タイヤセットTsのフレームからの取り出しが容易となる、ことを特徴とするダブリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシン及びダブリングしたタイヤセットTsの取り出しを容易に搬出できる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先進国・発展途上国問わず日本製タイヤは海外に需要が大いにある、コンテナにて輸出にはタイヤの空洞部により輸出コストが高くなるという事より、コンテナに隙間なく詰める為のタイヤの中にタイヤはめ込む方法使用しているが、日本の高齢化及び労働者不足な時代の流れではタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込んだ後にタイヤセットTsの搬出はかなりの肉体労働なる、と指摘されている。作業員に大きな負担なく容易に搬出できる方法及びそのための装置に係る発明が提案されている。
【0003】
下記特許文献1で提案された発明は、一のタイヤのホイル装着孔から内部へ他のタイヤを挿入して組み込むことができ、二重、三重と組み込んだタイヤを搬出する作業者等への負担を大幅に低減することも可能なタイヤ挿入装置及び、タイヤ挿入方法を提供することを目的とする技術に係る。
【0004】
下記特許文献2で提案された発明は、タイヤの一側面の対向位置に二つの第一近接ポイントを設定するとともに、他側面の対向位置に第一近接ポイントと直角に角度を変えて二つの第二近接ポイントを設定し、第一近接ポイントの各々及び第二近接ポイントの各々が互いに接近するようにタイヤを湾曲させ、タイヤのトレッド面を横断する方向の幅寸法がタイヤのホイル装着孔の孔径に近くなったとき、湾曲させたままでトレッド面からホイル装着孔にタイヤを挿入し、ホイル装着孔の内部でタイヤを展開させて組み込もうとする技術に係る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5387999号公報
【文献】特開2009-131923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献2で提案されている発明は、第一近接ポイント、第二近接ポイントを設定し、第一近接ポイントの各々及び第二近接ポイントの各々が互いに接近するようにタイヤを湾曲させる等、ややトリッキーな手法が採用されている。タイヤのトレッド面を横断する方向の幅寸法がタイヤのホイル装着孔の孔径に近くなったとき、湾曲させたままでトレッド面からホイル装着孔にタイヤを挿入する操作は、非常に困難な制御が必要になると推測される。また、硬い材質のタイヤである場合、所望の通りの形状に湾曲させられるかどうかについても疑問が残る。上記特許文献2では、台座に横倒しして載置された一のタイヤへ、他のタイヤを挿入する実施形態が図面に表されているが、二重、三重と組み込んだタイヤの重量が相当量(例えば、30kg超)であるため、組み込んで重くなったタイヤを台座から下ろして搬出するのは、作業者への負担が大きいという問題がある。
【0007】
しかし、上記特許文献2で提案されている発明は、横型装置の為一のタイヤのホイル装着孔から内部へ他のタイヤを挿入して組み込むことができ、二重、三重と組み込んだタイヤを搬出する作業者等への負担を大幅に低減したようですが、タイヤのホイル装着孔から内部へ他のタイヤを挿入して組み込む作業の効率が良くないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み提案され、簡素な構成で水平状態のタイヤT1を載置台に載置され、垂直方向に立設した上側壁、下側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、ビード部でタイヤT1を拡径すると、垂直状態のタイヤT2を左右から圧力変形構造具により圧縮し、タイヤT1の空洞部にはめ込まれ、タイヤセットTsが出来上がり、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットTsの取り出しを容易にしたダブリングマシン及び、タイヤセットTsの取り出しを容易にしたことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のダブリングマシンは、タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンであって、水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する圧力変形構造具と、前記載置台に載置されたタイヤT1を上側に押し上げる押し上げ具とを備え、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具で圧縮されたタイヤT2がタイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤセットTsが出来上がり、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットTsの取り出しを容易にしたことを特徴とする。
【0010】
更に本発明のダブリング方法は、タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込んだ後にタイヤセットTsを容易に取り出すことができるダブリング方法であって、水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する圧力変形構造具と、前記載置台に載置されたタイヤT1を上側に押し上げる押し上げ具とを備え、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具で圧縮されたタイヤT2がタイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤセットTsが出来上がり、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットTsの取り出しを容易にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンは、水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、 垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する圧力変形構造具と、前記載置台に載置されたタイヤT1を上側に押し上げる押し上げ具とを備え、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具で圧縮されたタイヤT2がタイヤT1の空洞部にはめ込まれ、前記一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットの取り出しを容易にしたことを特徴がある。すなわち、相当な重量物となるタイヤセットTsを容易に搬出することができ、作業者への負担を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンの前記載置台上に降下したタイヤセットTsを上側に押し上げる押し上げ具を示す概略図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図2】本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンの概略全体を示す概略図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図3】本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンに水平状態のタイヤT1が載置される載置台と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具と、垂直方向に立設した側壁を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具と、垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する圧力変形構造具として説明する説明図である。(a)は水平状態のタイヤT1が載置され、上昇アクチュエーターにより載置台を上昇させる前正面図、(b)は水平状態のタイヤT1が載置され、上昇アクチュエーターにより載置台を上昇させた後正面図、(c)は水平状態のタイヤT1を側拡径具により拡径した正面図、(d)は載置台を降下させタイヤT1のサイドウォール部を上下拡張する拡幅した後と上固定台にタイヤT2を載置され、左右トレッド面に向き合って押す圧力変形前正面図、(e)は変形したタイヤT2の上トレッド面側から押さえアクチュエーターによって押込正面図である。
【
図4】本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンの圧力変形構造具で圧縮されたタイヤT2がタイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤセットTsが出来上がり、一対の上側拡径具及び前記一対の下側拡径具が閉じることにより、前記載置台上に降下したタイヤセットTsする説明する説明図である。(a)は変形したタイヤT2の上トレッド面側から水平状態のタイヤT1内へ押込正面図、(b)は変形したタイヤT2の上トレッド面側から水平状態のタイヤT1内へ押込と水平状態のタイヤT1の空洞部に入るタイヤT2の方向転換イメージ図、(c)はタイヤT2が水平状態のタイヤT1の空洞部に入った後の正面図である。
【
図5】本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンの前記載置台上に降下したタイヤセットTsを上側に押し上げる押し上げ具を示す概略図である。(a)はダブリング完了のタイヤセットTsを押し上げる前正面図、(b)はダブリング完了のタイヤセットTsを押し上げた正面図、(c)はダブリング完了のタイヤセットTsを押し上げた後方向転換構造具によるタイヤセットTsを正面(取り出方向)へ押出前側面図、(d)は方向転換構造具によるタイヤセットTsを正面(取り出方向)へ押出た後側面図、(e)はタイヤセットTsを軽く引っ張り落とすイメージ図、(f)はダブリング完了のタイヤセットTsを載置台から落とし、各構造具の原位置復帰イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るタイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシンにおける一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態は、本発明の構成を具現化した例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載した事項を逸脱することがなければ種々の設計変更を行うことができる。
【0014】
本発明は、タイヤT1の空洞部に、タイヤT1より径の小さいタイヤT2をはめ込むダブリングマシン及びダブリングしたタイヤセットの取り出しを容易にしたことを特徴とするダブリング方法である。その概略は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、水平状態のタイヤT1が載置される載置台1と、垂直方向に立設した上側壁201、202を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具21、22と、垂直方向に立設した下側壁101、102を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具11、12と、垂直状態のタイヤT2を左右から圧縮する圧力変形構造具3と、前記載置台1に載置されたタイヤT1を上側に押し上げる押し上げ具6を備え、前記一対の上側拡径具21、22及び前記一対の下側拡径具11、12で拡径されたタイヤT1に、前記圧力変形構造具3で圧縮されたタイヤT2がタイヤT1の空洞部にはめ込まれ、前記一対の上側拡径具21、22及び前記一対の下側拡径具11、12が閉じることにより、前記載置台1上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具6により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具101、102の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットの取り出しを容易にしたことを特徴とするダブリングマシンである。以下、各手段等について詳細に説明していく。
【0015】
載置台1は、
図2(a)、
図3(a)に示すように、一対の垂直方向に立設した下側壁101、102を有する下側拡径具11、12と水平状態のタイヤT1が載置され、上昇アクチュエーター10により載置台1を上昇する機能が設けられている。
【0016】
上固定台2は、
図2(a)、
図2(b)、
図3(b)に示すように、水平状態のタイヤT1が載置された載置台1を上昇させ、上部にある上固定台2の中心位置下向にある垂直方向に立設した上側壁201、202を前記タイヤT1の内部に挿入させて、タイヤT1を拡径する一対の上側拡径具21、22が設けられている。
【0017】
水平状態のタイヤT1が載置された載置台1を上昇させ、前記載置台1及び上固定台2と同一の動作によって垂直方向に立設した上側壁201、202を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の上側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の上側拡径具21、22と、垂直方向に立設した下側壁101、102を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、タイヤT1の下側のビード部でタイヤT1を拡径する一対の下側拡径具11、12より拡径する。
また上昇アクチュエーター10により載置台1を降下させ前記タイヤT1のサイドウォール部を上下拡張する拡幅する。
【0018】
圧力変形構造具3は、
図2(a)、
図3(d)に示すように、前記上固定台2上面中心に前記タイヤT1より小さいタイヤT2がトレッド面を上下にし、サイドウォール部を正面にして載置されると、前記タイヤT2の左右トレッド面に向き合って押す圧力変形アクチュエーター31、32が備えられ ている。
これによって前記タイヤT1より小さいタイヤT2を前記固定台2上面から拡張した上側壁201、202の間に通過し易い形成されるようになる。
【0019】
押さえ構造具4は、
図2(a)、
図3(e)、
図4(a)、
図4(b)、
図4(c)に示すように、前記変形したタイヤT2の上トレッド面側から押さえアクチュエーター40による押込手段である。
【0020】
方向転換構造具5は、
図2(b)、
図4(b)に示すように、押さえ構造具4にて押込まれた前記タイヤT2が前記タイヤT1の空洞部に入るタイミングで、押移動部材501が設けられている方向転換アクチュエーター50が前記タイヤT1内部の隅部へ前記タイヤT2を方向転換させながら、併せて上トレッド面側から押さえ構造具4によって押し込む動作をする。
【0021】
押し上げ具6は、
図1(a)、
図1(c)、
図5(a)、
図5(b)に示すように、前記タイヤT1に前記タイヤT1より小さいタイヤT2をはめ込んだ前記重たい重層タイヤセットTsが前記一対の上側拡径具21、22及び前記一対の下側拡径具11、12が閉じることにより、前記載置台1上に降下した前記タイヤセットTsを上昇アクチュエーター10により載置台1をリミットまで降下させ、載置台1に内蔵された押上げ部材(リフト)601、602、603、604が設けられている押し上げアクチュエーター61、62、63、64が備えられている。
すなわち、上述したように、前記押し上げ具6により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具21、22の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットの取り出しを容易にしたことを特徴とする。
【0022】
以上、本発明の実施形態を例示して詳述したが、上記実施形態は、出願人が最良であるものと信じて開示する形態であって、本発明がこれに限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0023】
000・・タイヤセットの取り出しを容易にしたことを特徴とするダブリングマシン(本発明)
0・・・・フレーム
1・・・・載置台
10・・・上昇アクチュエーター
11・・・下側拡径具
12・・・下側拡径具
101・・下側壁
102・・下側壁
2・・・・上固定台
21・・・上側拡径具
22・・・上側拡径具
201・・上側壁
202・・上側壁
3・・・・圧力変形構造具
31・・・圧力変形アクチュエーター
32・・・圧力変形アクチュエーター
4・・・・押さえ構造具
40・・・押さえアクチュエーター
5・・・・方向転換構造具
50・・・方向転換アクチュエーター
501・・押移動部材
6・・・・押し上げ具
61・・・押し上げアクチュエーター
62・・・押し上げアクチュエーター
63・・・押し上げアクチュエーター
64・・・押し上げアクチュエーター
601・・押上げ部材
602・・押上げ部材
603・・押上げ部材
604・・押上げ部材
T1・・・載置台に載置されるタイヤ
T2・・・さし込むタイヤ
Ts・・・ダブリング完了後のタイヤセット
【要約】
【課題】タイヤセットTsの取り出しを容易にするダブリングマシン及びダブリング方法。
【解決手段】水平状態のタイヤT1を載置台1に載置され、垂直方向に立設した上側壁201,202、下側壁101,102を有し、タイヤT1の径方向に開くことにより、ビード部でタイヤT1を拡径すると、垂直状態のタイヤT2を左右から圧力変形構造具3により圧縮し、タイヤT1の空洞部にはめ込まれて、タイヤセットTsが出来上がり、一対の上側拡径具21,22及び一対の下側拡径具11,12が閉じることにより、前記載置台1上に降下したタイヤセットTsを前記押し上げ具により上側に押し上げることにより、前記一対の下側拡径具11,12の前記側壁がタイヤセットTsの内周部に対向しないようにして、前記タイヤセットTsの取り出しを容易にしたダブリングマシン及びダブリング方法。
【選択図】
図2