(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】パレット及びパレット取付装置
(51)【国際特許分類】
B65D 19/38 20060101AFI20250922BHJP
【FI】
B65D19/38 Z
(21)【出願番号】P 2025505383
(86)(22)【出願日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2024034540
【審査請求日】2025-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505163349
【氏名又は名称】サントテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】藤田 常人
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-034840(JP,A)
【文献】特開2013-141929(JP,A)
【文献】実開昭57-159639(JP,U)
【文献】実開昭52-63851(JP,U)
【文献】特開2001-146296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に荷物の積載面が配された平面部と、
前記積載面の裏面から突出して前記平面部を支える支持部と、
を備え、
前記支持部による支持方向に平行な中心軸線を有して前記積載面に略円筒状に形成されて配された凹部と、
前記中心軸線と一致する中心軸線を有して前記凹部と係合可能に
前記凹部の深さ方向に前記支持部から突出して前記凹部内に没入可能に略円筒状に形成された凸部と、
を備え、
前記凹部及び前記凸部が前記積載面側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所に配されているパレット。
【請求項2】
表面に荷物の積載面が配された平面部と、
前記積載面の裏面から突出して前記平面部を支える支持部と、
を備え、
前記支持部による支持方向に平行な中心軸線を有して前記積載面から
略円筒状に突出して配された凸部と、
前記中心軸線と
一致する中心軸線を有して前記凸部と係合可能に前記凸部の突出方向が深さ方向とされて
前記支持部に略円筒状に形成されて配された凹部と、
を備え
、
前記凹部及び前記凸部が前記積載面側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所に配されているパレット。
【請求項3】
請求項1に記載のパレットを載置する床面に固定可能に形成されて前記凹部が表面に配されたベース部を備えて
前記パレットが係合されるパレット取付装置。
【請求項4】
請求項2に記載のパレットを載置する床面に固定可能に形成されて前記凸部が表面に配されたベース部を備えて
前記パレットが係合されるパレット取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット及びパレット取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷役作業において、荷物の保管、運搬、積載等の作業の機械化・省力化のためにパレットが利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、パレットに積載された荷物のトラックや鉄道コンテナ等への積み下ろしの際、トラックや鉄道コンテナの内部にて帯状の革紐等を用いてパレットを位置決めしたり荷解きしたりする必要がある。しかしながら、これらの作業は未だに人手により行われており、作業の負荷が大きく時間もかかる。
本発明は、トラックや鉄道コンテナ等への積み下ろし作業の効率化・短時間化を図ることができるパレット及びパレット取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係るパレットは、表面に荷物の積載面が配された平面部と、前記積載面の裏面から突出して前記平面部を支える支持部と、を備え、前記支持部による支持方向に平行な中心軸線を有して前記積載面に略円筒状に形成されて配された凹部と、前記中心軸線と一致する中心軸線を有して前記凹部と係合可能に前記凹部の深さ方向に前記支持部から突出して前記凹部内に没入可能に略円筒状に形成された凸部と、を備え、前記凹部及び前記凸部が前記積載面側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所に配されている。
【0006】
また、本発明に係るパレットは、表面に荷物の積載面が配された平面部と、前記積載面の裏面から突出して前記平面部を支える支持部と、を備え、前記支持部による支持方向に平行な中心軸線を有して前記積載面から略円筒状に突出して配された凸部と、前記中心軸線と一致する中心軸線を有して前記凸部と係合可能に前記凸部の突出方向が深さ方向とされて前記支持部に略円筒状に形成されて配された凹部と、を備え、前記凹部及び前記凸部が前記積載面側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所に配されている。
【0009】
また、本発明に係るパレット取付装置は、本発明に係るパレットを載置する床面に固定可能に形成されて前記凹部が表面に配されたベース部を備えて前記パレットが係合される。
【0010】
また、本発明に係るパレット取付装置は、本発明に係るパレットを載置する床面に固定可能に形成されて前記凸部が表面に配されたベース部を備えて前記パレットが係合される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、荷物が積載されたパレットの積み下ろし作業の効率化・短時間化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るパレットを示す平面図及び側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るパレット取付装置を示す平面図及び側面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る平パレットを荷台に搭載した状態を示す平面図及び側面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るパレットを示す平面図及び側面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るパレット取付装置を示す平面図及び側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る平パレットを別の方法で荷台に搭載した状態を示す平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について、
図1から
図3を参照して説明する。
本実施形態に係る平パレット(パレット)10は、表面に荷物Pの積載面11Aが配された上板(平面部)11と、積載面11Aの裏側から上板を支える桁(支持部)12と、を備える。
【0014】
上板11は、平面視略正方形状に形成されてる。桁12は、上板11の裏側の端及び中央に所定の間隔を有して平行に配され、不図示のフォークリフトのフォークが挿通されるフォーク差込口12Aが形成されている。
【0015】
上板11が桁12と接続される位置における積載面11A側には、桁12による支持方向に伸びる中心軸線C1を有する凹部13が、積載面11A側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所に配されている。
【0016】
凹部13の深さは平パレット10の全体高さの略2分の1程度までとされ、略円筒状に形成されている。凹部13の入口及び先端にはそれぞれ不図示の凹側テーパ面が形成されている。
【0017】
桁12には、中心軸線C1と一致する別の中心軸線C2を有して凹部13と係合可能な略円筒状に形成された凸部15が凹部13の深さ方向に突出して3か所に配されている。凸部15は、外径が凹部13の内径よりも小さく、かつ、高さが凹部13の深さよりも小さく形成され、凹部13内に没入可能とされている。凸部15の先端にはそれぞれ不図示の凸側テーパ面が形成されている。
【0018】
パレット取付装置16は、平パレット10をトラックTの荷台(床面)Bに搭載する際に使用されるものであって、平パレット10を載置する荷台Bに固定可能に形成されて凹部13が表面に配されたベース部17を備える。
【0019】
ベース部17の各凹部13は、平パレット10をパレット取付装置16に搭載する際、凹部13の中心軸線C1と凸部15の中心軸線C2とが一致する位置に配されている。なお、
図2は、荷台Bの幅方向に最大2個、長さ方向に最大3個の平パレット10を搭載する場合のパレット取付装置16を示す。ただし、凹部13の数は平パレット10の搭載数や荷台Bの大きさに応じて設定される。
【0020】
次に、本実施形態に係る平パレット10及びパレット取付装置16の作用について説明する。
まず、パレット取付装置16を荷台B上に固定する。荷台Bへの固定方法は公知の方法であって構わない。
【0021】
トラックTに平パレット10を搭載する際には、荷降ろし順を考慮して適切な平パレット10を選択した後、不図示のフォークをフォーク差込口12Aに挿入して平パレット10を持ち上げ、そのままトラックTに移動して荷台Bに搭載する。そして、荷台Bの奥のほうへ移動する。移動の際には、不図示のレールやホイスト等を使用する。
【0022】
所定の位置まで移動した後、平パレット10の各凸部15とパレット取付装置16のベース部17の各凹部13との位置合わせが済んだ状態で平パレット10を降下する。この際、凸側テーパ面と凹側テーパ面とが接触しながら、凸部15と凹部13とが係合され、平パレット10がパレット取付装置16に搭載される。
【0023】
荷降ろしの際には、不図示のフォークやホイスト等を使用して平パレット10を持ち上げて凸部15と凹部13との係合状態を解除してトラックTから取り出す。
【0024】
この平パレット10及びパレット取付装置16によれば、荷台Bに対して元々固定されたパレット取付装置16に対して平パレット10を係合させることによって荷物Pが荷台Bに固定されるので、革紐等を用いて荷台B内部で荷物Pを固定する必要がなく、積み下ろし作業の効率化・短時間化を図ることができる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について、
図4及び
図5を参照して説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る平パレット20の上板21の積載面21A側から突出して凸部15が配され、桁12に凹部13が配されるとした点である。
【0026】
凸部15は、上板11が桁12と接続される位置における積載面11A側から平面視して正三角形の各頂点に相当する3か所の位置に配されている。
【0027】
凹部13は、凸部15と係合可能に凸部15の突出方向が深さ方向とされて各凸部15が係合可能に桁12の3か所に配されている。パレット取付装置22は、凹部13の代わりに凸部15が配されたベース部23を備える。
【0028】
本実施形態に係る平パレット20及びパレット取付装置22の作用及び効果は、第1実施形態に係る平パレット10及びパレット取付装置16と同様である。
【0029】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態に係る平パレット10,20は二方差しタイプとしているが、これに限らず、桁くり抜きタイプや四方差しタイプ等の平パレットであっても構わない。また、平パレット10,20に限らず、上下方向に重ねて使用されるパレットであれば、形態について限定されない。
【0030】
さらに、桁12の内部に凹部13が形成されているとしているが、例えば、四方差しタイプの平パレットの場合等、積載面の裏側に接続された不図示のブロック等に形成されていても構わない。
【0031】
また、パレット取付装置16,22は、荷台B等に固定されるとしているが、荷台Bに直接固定されるだけでなく、
図6に示すように、パレット取付装置16,22間に形成される隙間Sを塞ぐシート状のスペーサー25を当該隙間Sにさらに挿入して、又は、荷台Bに固定する代わりにスペーサー25を挿入して固定しても構わない。
【0032】
また、パレット取付装置16,22を使用せずに、パレット取付装置16の各凹部13や、パレット取付装置22の凸部15の数や取付位置に相当する各箇所に予め凹部13又は凸部15が形成された荷台に直接平パレット10,20を設置してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10,20 平パレット(パレット)
11,21 上板(平面部)
11A,21A 積載面
12 桁(支持部)
13 凹部
15 凸部
16,22 パレット取付装置
17,23 ベース部
【要約】
【課題】荷物が積載されたパレットの積み下ろし作業の効率化・短時間化を図ることができるパレット及びパレット取付装置を提供すること。
【解決手段】平パレット10は、表面に荷物の積載面11Aが配された上板11と、積載面11Aの裏側から上板11を支える桁12と、を備え、桁12による支持方向に平行な中心軸線C1を有して積載面11Aに配された凹部13と、中心軸線C1と平行に伸びる中心軸線C2を有して凹部と係合可能な形状に突出して形成された凸部15と、を備える。
【選択図】
図1