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特許7746211モータ制御システム、駆動ユニットおよび電動車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】モータ制御システム、駆動ユニットおよび電動車両
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/04 20130101AFI20250922BHJP
【FI】
A61G5/04 707
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022059079
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023150134
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2024-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(72)【発明者】
【氏名】尾関 渉
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-051932(JP,U)
【文献】特開平06-351110(JP,A)
【文献】特開2006-102003(JP,A)
【文献】特開平08-154312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に用いられるモータ制御システムであって、
ユーザが操作するアクセルレバーと、
前記アクセルレバーを回転可能に支持する筐体と、
前記アクセルレバーの回転角に応じた信号を出力する角度センサと、
前記電動車両を走行させる駆動力を発生させる電動モータの動作を制御する制御装置であって、前記アクセルレバーの基準位置からの前記アクセルレバーの第1回転方向の回転角である第1回転角の増加に応じて、前記電動モータの回転速度を増加させる制御を行う制御装置と、
前記アクセルレバーの回転軸が内部を通るコイル部を有し、前記第1回転方向とは反対方向の第2回転方向の第1弾性力を前記アクセルレバーに加える第1トーションばねと、
前記アクセルレバーの前記回転軸が内部を通るコイル部を有し、前記第2回転方向の第2弾性力を前記アクセルレバーに加える第2トーションばねと、
を備え、
前記制御装置は、前記第1回転角が第1所定回転角以上になったことを検出した場合、前記電動モータを停止させる制御を行い、
0度よりも大きく且つ前記第1所定回転角よりも小さい所定値を第2所定回転角としたとき、前記第2トーションばねは、
前記第1回転角が前記第2所定回転角よりも小さいときは、前記第2弾性力を前記アクセルレバーに加えず、
前記第1回転角が前記第2所定回転角以上になると、前記第2弾性力を前記アクセルレバーに加える、モータ制御システム。
【請求項2】
前記第2トーションばねのばね定数は、前記第1トーションばねのばね定数よりも大きい、請求項に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
前記第2トーションばねは、前記第2トーションばねの前記コイル部から延びる第1アーム部および第2アーム部を有し、
前記モータ制御システムは、
前記アクセルレバーの前記回転軸に設けられ、前記アクセルレバーの回転に連動して前記第1アーム部が移動するように前記第1アーム部を支持する支持部材と、
前記アクセルレバーの回転に連動した前記第2アーム部の移動範囲を制限するストッパーと、
を備え、
前記ストッパーは、
前記第1回転角が前記第2所定回転角よりも小さいときは、前記第2アーム部に接触せず、
前記第1回転角が前記第2所定回転角以上になると、前記第2アーム部に接触して、前記アクセルレバーの回転に連動した前記第2アーム部の移動を抑制する、請求項またはに記載のモータ制御システム。
【請求項4】
前記支持部材は、前記アクセルレバーの前記第1回転方向の回転に応じて前記第2トーションばねがねじれる方向に前記第2トーションばねを予め所定量ねじった状態で、前記第1アーム部および前記第2アーム部を支持する、請求項に記載のモータ制御システム。
【請求項5】
前記第1回転角が前記第2所定回転角を超えるためのトルクの大きさは、前記第1回転角を前記第2所定回転角にするためのトルクの10倍以上12倍以下である、請求項またはに記載のモータ制御システム。
【請求項6】
前記アクセルレバーの前記回転軸と前記支持部材との間の、前記アクセルレバーの回転方向の位置ずれを抑制する締結構造をさらに有する、請求項からのいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項7】
前記第2トーションばねは、ダブルトーションばねであり、
前記ダブルトーションばねは、第1方向に沿って並んだ二個の前記コイル部を有し、
前記ダブルトーションばねは、前記第1アーム部および前記第2アーム部のうちの一方のアーム部として、前記第1方向における前記ダブルトーションばねの両端部から延びる二本のアーム部を有し、
前記第1アーム部および前記第2アーム部のうちの他方のアーム部は、前記第1方向において二個の前記コイル部の間に位置し、二個の前記コイル部を連結している、請求項からのいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項8】
前記第1所定回転角は、前記第2所定回転角よりも2度から5度大きい、請求項からのいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項9】
前記第2所定回転角は20度以上30度以下である、請求項からのいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項10】
前記アクセルレバーの回転に連動して移動するマグネットをさらに備え、
前記角度センサは磁気センサであり、前記アクセルレバーの回転に連動して移動しないように前記筐体に支持されている、請求項1からのいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項11】
前記アクセルレバーの根元部は、前記回転軸の両端部に接続されている、請求項1から10のいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項12】
前記筐体には、前記電動車両のハンドルバーに前記筐体を貫通させる穴が設けられている、請求項1から11のいずれかに記載のモータ制御システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のモータ制御システムと、
前記電動車両を走行させる駆動力を発生させる電動モータと、
を備えた、駆動ユニット。
【請求項14】
請求項13に記載の駆動ユニットを備えた電動車両。
【請求項15】
前記電動車両は電動車椅子である、請求項14に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御システム、駆動ユニットおよび電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータを駆動源として走行する電動車両の一つとして、電動車椅子が知られている。電動モータの回転が車輪に伝達されることで電動車椅子は走行することができる。電動車椅子には、人間が手でハンドリムを漕ぐ力を電動モータにより補助する機種もある。
【0003】
特許文献1は、介助者が手で握るハンドルに、電動モータの回転のオンとオフとを切り替えるスイッチを設けた電動車椅子を開示している。介助者がスイッチをオンにして電動モータを回転させることで、電動車椅子を走行させることができる。介助者がスイッチをオフにして電動モータを停止させることで、電動車椅子を停止させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-165452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動車椅子等の電動車両を操作するユーザの利便性のさらなる向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある実施形態に係るモータ制御システムは、電動車両に用いられるモータ制御システムであって、ユーザが操作するアクセルレバーと、前記アクセルレバーを回転可能に支持する筐体と、前記アクセルレバーの回転角に応じた信号を出力する角度センサと、前記電動車両を走行させる駆動力を発生させる電動モータの動作を制御する制御装置であって、前記アクセルレバーの基準位置からの前記アクセルレバーの第1回転方向の回転角である第1回転角の増加に応じて、前記電動モータの回転速度を増加させる制御を行う制御装置と、前記アクセルレバーの回転軸が内部を通るコイル部を有し、前記第1回転方向とは反対方向の第2回転方向の第1弾性力を前記アクセルレバーに加える第1トーションばねとを備え、前記制御装置は、前記第1回転角が第1所定回転角以上になったことを検出した場合、前記電動モータを停止させる制御を行う。
【0007】
本発明のある実施形態によれば、アクセルレバーの第1回転角が第1所定回転角以上になった場合は、電動モータを停止させる。ユーザはアクセルレバーの操作量を大きくするだけで電動モータを停止させることができる。アクセルレバーを基準位置(例えばニュートラル位置)まで戻さなくても電動車両の走行を停止させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0008】
アクセルレバーを基準位置に戻す方向の力を発生させる弾性部材として第1トーションばねを用いる。第1トーションばねのコイル部の内部にアクセルレバーの回転軸を通すことで、第1トーションばねと回転軸とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システムが備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システムの小型化を実現することができる。
【0009】
ある実施形態において、前記モータ制御システムは、前記アクセルレバーの前記回転軸が内部を通るコイル部を有し、前記第2回転方向の第2弾性力を前記アクセルレバーに加える第2トーションばねをさらに備え、0度よりも大きく且つ前記第1所定回転角よりも小さい所定値を第2所定回転角としたとき、前記第2トーションばねは、前記第1回転角が前記第2所定回転角よりも小さいときは、前記第2弾性力を前記アクセルレバーに加えず、前記第1回転角が前記第2所定回転角以上になると、前記第2弾性力を前記アクセルレバーに加えてもよい。
【0010】
アクセルレバーの第1回転角が第2所定回転角以上になると、第2トーションばねがアクセルレバーに第2弾性力を加えることにより、ユーザがアクセルレバーを動かすために必要な力の大きさを急激に増加させることができる。これにより、ユーザの意図に反して第1回転角が第1所定回転角以上となって、電動モータが停止することを抑制できる。
【0011】
電動モータを停止させる第1所定回転角は、第2トーションばねがアクセルレバーに第2弾性力を加え始める第2所定回転角よりも大きい。第2所定回転角において電動モータを停止させないことで、ユーザの意図に反して電動モータが停止することを抑制できる。
【0012】
上述したように、アクセルレバーの第1回転角が第2所定回転角以上になると、ユーザがアクセルレバーを動かすために必要な力の大きさが急激に増加する。これにより、ユーザは、電動モータが停止するアクセルレバーの操作位置が近づいていることを認識することができる。ユーザは、電動車両を停止させたくない場合は、アクセルレバーを第1回転方向にさらに動かさないようにすることで、電動車両の走行を継続することができる。電動車両を停止させたい場合、ユーザは、アクセルレバーを第1回転方向にさらに動かすことで電動モータを停止させることができる。
【0013】
第1回転角が第2所定回転角以上になるとアクセルレバーに第2弾性力を加える弾性部材として第2トーションばねを用いる。第2トーションばねのコイル部の内部にアクセルレバーの回転軸を通すことで、第2トーションばねと回転軸とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システムが備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システムの小型化を実現することができる。
【0014】
ある実施形態において、前記第2トーションばねのばね定数は、前記第1トーションばねのばね定数よりも大きくてもよい。
【0015】
第2トーションばねがアクセルレバーに加える第2弾性力を大きくすることができ、ユーザの意図に反して第1回転角が第1所定回転角以上となって、電動モータが停止することを抑制できる。
【0016】
例えば第2トーションばねを構成する線材の線径を大きくしたり、より硬い線材を採用したりすることで、第2トーションばねのサイズを小さく抑えながら第2トーションばねのばね定数を大きくすることができる。
【0017】
ある実施形態において、前記第2トーションばねは、前記第2トーションばねの前記コイル部から延びる第1アーム部および第2アーム部を有し、前記モータ制御システムは、前記アクセルレバーの前記回転軸に設けられ、前記アクセルレバーの回転に連動して前記第1アーム部が移動するように前記第1アーム部を支持する支持部材と、前記アクセルレバーの回転に連動した前記第2アーム部の移動範囲を制限するストッパーとを備え、前記ストッパーは、前記第1回転角が前記第2所定回転角よりも小さいときは、前記第2アーム部に接触せず、前記第1回転角が前記第2所定回転角以上になると、前記第2アーム部に接触して、前記アクセルレバーの回転に連動した前記第2アーム部の移動を抑制してもよい。
【0018】
アクセルレバーの第1回転角が第2所定回転角以上になったときに、第2トーションばねからアクセルレバーに第2弾性力を加えることができる。
【0019】
ある実施形態において、前記支持部材は、前記アクセルレバーの前記第1回転方向の回転に応じて前記第2トーションばねがねじれる方向に前記第2トーションばねを予め所定量ねじった状態で、前記第1アーム部および前記第2アーム部を支持してもよい。
【0020】
第2トーションばねを予め所定量ねじっておくことで、第2トーションばねがアクセルレバーに第2弾性力を加え始める段階から、大きな弾性力をアクセルレバーに加えることができる。これにより、ユーザがアクセルレバーを動かすために必要な力の大きさをより急激に増加させることができる。
【0021】
ある実施形態において、前記第1回転角が前記第2所定回転角を超えるためのトルクの大きさは、前記第1回転角を前記第2所定回転角にするためのトルクの10倍以上12倍以下であってもよい。
【0022】
第1回転角が第2所定回転角を超えるためのトルクの大きさを急激に増加させることにより、ユーザの意図に反して電動モータが停止することを抑制できる。
【0023】
ある実施形態において、前記モータ制御システムは、前記アクセルレバーの前記回転軸と前記支持部材との間の、前記アクセルレバーの回転方向の位置ずれを抑制する締結構造をさらに有してもよい。
【0024】
アクセルレバーの回転軸と支持部材に支持される第2トーションばねとの間の位置ずれを抑制でき、第2トーションばねがアクセルレバーに第2弾性力を加え始める第1回転角の大きさを一定にすることができる。
【0025】
ある実施形態において、前記第2トーションばねは、ダブルトーションばねであり、前記ダブルトーションばねは、第1方向に沿って並んだ二個の前記コイル部を有し、前記ダブルトーションばねは、前記第1アーム部および前記第2アーム部のうちの一方のアーム部として、前記第1方向における前記ダブルトーションばねの両端部から延びる二本のアーム部を有し、前記第1アーム部および前記第2アーム部のうちの他方のアーム部は、前記第1方向において二個の前記コイル部の間に位置し、二個の前記コイル部を連結していてもよい。
【0026】
第2トーションばねとして、二個のコイル部を有するダブルトーションばねを用いることで、アクセルレバーに加える第2弾性力を大きくすることができる。第2トーションばねに掛かる応力を二個のコイル部に分散することができるため、第2弾性力が大きい場合でも、第2トーションばねの耐久性を高めることができる。
【0027】
ある実施形態において、前記第1所定回転角は、前記第2所定回転角よりも2度から5度大きくてもよい。
【0028】
第2トーションばねがアクセルレバーに第2弾性力を加え始める第2所定回転角よりも少し大きい第1所定回転角に第1回転角がなったときに、電動モータを停止させる。第1回転角が第2所定回転角になったときに電動モータを停止させないことで、ユーザの意図に反して電動モータが停止することを抑制できる。
【0029】
ある実施形態において、前記第2所定回転角は20度以上30度以下であってもよい。
【0030】
ユーザが電動車両の走行速度の調整を行い易い角度範囲でアクセルレバーを回転させることができる。
【0031】
ある実施形態において、前記モータ制御システムは、前記アクセルレバーの回転に連動して移動するマグネットをさらに備え、前記角度センサは磁気センサであり、前記アクセルレバーの回転に連動して移動しないように前記筐体に支持されていてもよい。
【0032】
磁気センサを用いることで、アクセルレバーの回転角を精度良く検出することができる。非接触式の磁気センサを用いることで、角度センサの耐久性を高めることができる。
【0033】
電線が延びる角度センサをアクセルレバーの回転に連動して移動しないように設けることで、角度センサの耐久性を高めることができる。
【0034】
ある実施形態において、前記アクセルレバーの根元部は、前記回転軸の両端部に接続されていてもよい。
【0035】
アクセルレバーの根元部に囲われた領域に、第1トーションばねおよび第2トーションばねを配置することができる。
【0036】
アクセルレバーの回転方向において、アクセルレバーの根元部が筐体と接触することで、アクセルレバーのニュートラル位置を定めることができる。
【0037】
ある実施形態において、前記筐体には、前記電動車両のハンドルバーに前記筐体を貫通させる穴が設けられていてもよい。
【0038】
電動車両にモータ制御システムを後付けする場合に、その電動車両で元々意図されていたグリップの位置を維持でき、ユーザは、そのグリップを握りながら、アクセルレバーを操作することができる。
【0039】
本発明のある実施形態に係る駆動ユニットは、前記モータ制御システムと、前記電動車両を走行させる駆動力を発生させる電動モータとを備える。
【0040】
駆動ユニットを電動車両に搭載することでユーザの利便性を向上させることができる。
【0041】
本発明のある実施形態に係る電動車両は、前記駆動ユニットを備える。
【0042】
これにより、ユーザの利便性が高い電動車両を実現できる。
【0043】
ある実施形態において、前記電動車両は電動車椅子であってもよい。
【0044】
これにより、介助者の利便性が高い電動車椅子を実現できる。
【発明の効果】
【0045】
本発明のある実施形態によれば、アクセルレバーの第1回転角が第1所定回転角以上になった場合は、電動モータを停止させる。ユーザはアクセルレバーの操作量を大きくするだけで電動モータを停止させることができる。アクセルレバーを基準位置(例えばニュートラル位置)まで戻さなくても電動車両の走行を停止させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0046】
アクセルレバーを基準位置に戻す方向の力を発生させる弾性部材として第1トーションばねを用いる。第1トーションばねのコイル部の内部にアクセルレバーの回転軸を通すことで、第1トーションばねと回転軸とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システムが備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システムの小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】実施形態に係る電動車椅子1を示す右側面図である。
図2】実施形態に係る電動車椅子1を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る電動車椅子1が備える駆動ユニット10を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る操作装置50を示す斜視図である。
図5】実施形態に係る操作装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】実施形態に係る操作装置50の内部の一部を示す斜視図である。
図7】実施形態に係る操作装置50が備える複数の構成要素を示す分解斜視図である。
図8】実施形態に係るアクセルレバー51がニュートラル位置にあるときの操作装置50を示す斜視図である。
図9】実施形態に係るアクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θのときの操作装置50を示す斜視図である。
図10】実施形態に係る第1回転角θが所定回転角θよりも大きいときの操作装置50を示す斜視図である。
図11】実施形態に係るアクセルレバー51の第1回転角θが0度のときの第2トーションばね80およびストッパー58を示す図である。
図12】実施形態に係るアクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θのときの第2トーションばね80およびストッパー58を示す図である。
図13】実施形態に係る第1回転角θが所定回転角θよりも大きいときの第2トーションばね80およびストッパー58を示す図である。
図14】実施形態に係るアクセルレバー51の第1回転角θと、介助者がアクセルレバー51を第1回転方向Dに動かすために必要な力Fとの関係を示す図である。
図15】実施形態に係る第2トーションばね80を予めねじっていない状態における、第1回転角θと力Fとの関係を示す図である。
図16】実施形態に係る操作装置50の内部の一部を示す図である。
図17】実施形態に係る上方から見たケース230の内部の一部を示す図である。
図18】実施形態に係る操作装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。
図19】実施形態に係る角度センサ91および角度センサ291を用いた電動モータ25Lおよび25Rの制御を示す図である。
図20】実施形態に係る操作装置50において第1回転角θが0度のときに検出値301がV(min)以上になっている状態を示す図である。
図21】実施形態に係る第2角度センサ291の検出値302が“0”を示すときは電動モータ25Lおよび25Rを回転させない制御を示す図である。
図22】実施形態に係る第2角度センサ291の検出値302が常時“1”を示す状態を示す図である。
図23】実施形態に係る角度センサ91および角度センサ291を用いた電動モータ25Lおよび25Rの制御の別の例を示す図である。
図24】実施形態に係る第2角度センサ291の検出値302が“0”を示すときは電動モータ25Lおよび25Rを回転させない制御を示す図である。
図25】実施形態に係る第1回転角θが0度のときの検出値301をV(min)に設定した制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同様の構成要素には同様の参照符号を付し、重複する場合にはその説明を省略する。実施形態の説明において、前、後、上、下、左、右は、それぞれ電動車両のシートに着座した乗員から見たときの前、後、上、下、左、右を意味するものとする。以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0049】
実施形態に係る電動車両は、例えば電動車椅子である。電動車両は、電動車椅子に限定されず、電動モータを駆動源として走行する車両であればよい。例えば、電動車両は、PLEV(Personal Light Electric Vehicles)であってもよい。例えば電動車両は電動キックボードであってもよい。電動キックボードは、“e-scooter”または電動キックスケーターとも称され得る。実施形態に係る電動車両は、例えば最高速度が比較的低速に制限された電動低速車であり得る。最高速度は例えば20km/h以下に制限される。例えば電動車椅子の最高速度は6km/hに制限されている場合がある。最高速度の値は一例であり、本発明の実施形態はそれらに限定されない。以下の実施形態の説明では、電動車両の一例として電動車椅子を例示する。
【0050】
(電動車椅子)
図1は、実施形態に係る電動車椅子1を示す右側面図である。図2は、左斜め後方から見た電動車椅子1を示す斜視図である。
【0051】
電動車椅子1は、金属パイプ等で形成された車体フレーム4を備える。車体フレーム4には、左右一対の車輪2Lおよび2Rと、左右一対のキャスタ5Lおよび5Rとが回転可能に支持されている。車体フレーム4は、左右一対のシートフレーム41、左右一対のアームレストフレーム42、左右一対のベースフレーム43、左右一対のアンダーフレーム44、左右一対のバックフレーム45を備える。
【0052】
左右一対のシートフレーム41の間には人間が着座するシート6が設けられている。シートフレーム41の前部は下方向に折れ曲がっており、シートフレーム41の前部の下端にはフットレスト47が設けられている。シートフレーム41の後端はバックフレーム45に接続されている。バックフレーム45は上下方向に延びている。左右一対のバックフレーム45の間には背もたれ9が設けられている。図1では、バックフレーム45の形状を分かりやすく示すために、背もたれ9の図示を省略している。
【0053】
バックフレーム45はその上部で後方向に折れ曲がって延びるハンドルバー45aを有する。ハンドルバー45aには、介助者が手で握るハンドグリップ46が設けられている。
【0054】
シートフレーム41の下方にはベースフレーム43およびアンダーフレーム44が配置されている。シートフレーム41の上方にはアームレストフレーム42が配置されている。アームレストフレーム42には、シート6に着座した人間が腕を置くアームレスト8が設けられている。
【0055】
車輪2Lには、車輪2Lを人力で駆動するためのハンドリム3Lが設けられている。車輪2Rには、車輪2Rを人力で駆動するためのハンドリム3Rが設けられている。車輪2Lおよび2Rのそれぞれは、ホイールハブ21と、ホイールハブ21を囲む外周部23と、複数のスポーク22を備える。複数のスポーク22は、ホイールハブ21と外周部23とを接続する。外周部23は、スポーク22が接続されたリムと、リムに取り付けられたタイヤとを含む。ハンドリム3Lおよび3Rは、車輪2Lおよび2Rの外周部23から延びる複数の接続部材24に接続されている。
【0056】
車輪2Lのホイールハブ21には、電動モータ25Lが設けられている。車輪2Rのホイールハブ21には、電動モータ25Rが設けられている。電動モータ25Lおよび25Rは例えばハブモータである。ホイールハブ21は、車軸と、電動車椅子1の左右方向における内側に位置する第1筐体と、外側に位置する第2筐体とを備える。内側の第1筐体は車軸に固定されており、外側の第2筐体は車軸に対して回転可能である。電動モータ25Lおよび25Rのステータは第1筐体および車軸に固定されており、電動モータ25Lおよび25Rのロータは第2筐体に固定されている。複数のスポーク22は、第2筐体に接続されている。
【0057】
ホイールハブ21の車軸は、車体フレーム4に固定される。ホイールハブ21の車軸は、例えばバックフレーム45に固定される。ホイールハブ21の車軸は、シートフレーム41とアンダーフレーム44との間に設けられたブラケットを介して車体フレーム4に固定されてもよい。車体フレーム4に固定された車軸および第1筐体に対して第2筐体が回転することで、車輪2Lおよび2Rは回転する。
【0058】
電動車椅子1には、電動モータ25Lおよび25Rに電力を供給するためのバッテリ7が搭載されている。電動モータ25Lおよび25Rに電力が供給されると、第1筐体に固定されたステータに対して第2筐体に固定されたロータが回転し、車輪2Lおよび2Rは回転する。
【0059】
電動モータ25Lおよび25Rは、ハブモータに限定されず、ホイールハブ21の外部に設けられてもよい。この場合、電動モータ25Lおよび25Rが発生させた回転は減速機を介してホイールハブ21に伝達され得る。
【0060】
アームレスト8の前部には、シート6に着座した人間が電動車椅子1を操作するための操作装置15が設けられている。操作装置15はスティック16を有し、操作装置15のスティック16を手で傾けると電動モータ25Lおよび25Rは回転を発生させ、電動車椅子1を走行させることができる。スティック16を傾ける度合いを調節することで、走行速度を調節することができる。スティック16をニュートラル位置に戻すと電動モータ25Lおよび25Rは停止し、電動車椅子1を停止させることができる。
【0061】
左右一対のバックフレーム45の一方のハンドルバー45aには、介助者が電動車椅子1を操作するための操作装置50が設けられている。操作装置50は、回転軸52を中心に回転可能なアクセルレバー51を有する。介助者がハンドグリップ46とともにアクセルレバー51を手で握ると、アクセルレバー51は回転軸52を中心に回転する。この介助者の操作に応じて電動モータ25Lおよび25Rは回転を発生させ、電動車椅子1を走行させることができる。アクセルレバー51を握りこむ度合いを調整する、すなわちアクセルレバー51の回転角の大きさを調節することで、走行速度を調節することができる。アクセルレバー51をニュートラル位置に戻すと電動モータ25Lおよび25Rは停止し、電動車椅子1を停止させることができる。
【0062】
(駆動ユニット)
次に、電動車椅子1が備える駆動ユニットを説明する。
【0063】
図3は、電動車椅子1が備える駆動ユニット10を示すブロック図である。バッテリ7(図2)は、駆動ユニット10に電力を供給する。駆動ユニット10は、操作装置15および50に対する操作に応じた駆動力を電動モータ25Lおよび25Rに発生させる。
【0064】
駆動ユニット10は、モータ制御システム100、電動モータ25Lおよび25R、速度センサ26Lおよび26R、車輪2Lおよび2Rを備える。モータ制御システム100は、制御装置110、操作装置15および50を備える。
【0065】
制御装置110は、プロセッサ111と、ROM(Read Only Memory)112およびRAM(Random Access Memory)113などの記録媒体と、駆動回路114Lおよび114Rとを備える。ROM112には、プロセッサ111に処理を実行させるためのコンピュータプログラム(またはファームウェア)が格納されている。コンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリ)または電気通信回線(例えばインターネット)を介して駆動ユニット10に提供され得る。そのようなコンピュータプログラムが、商用ソフトウェアとして販売されてもよい。
【0066】
プロセッサ111は、半導体集積回路であり、例えば中央演算処理装置(CPU)を含む。プロセッサ111は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラによって実現され得る。プロセッサ111は、各種処理を実行するための命令群を記述したコンピュータプログラム(ROM112に格納されるコンピュータプログラム)を逐次実行し、所望の処理を実現する。
【0067】
プロセッサ111は、CPUを搭載したFPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、または、これら回路の中から選択される二つ以上の回路の組み合わせであってもよい。
【0068】
ROM112は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、または読み出し専用のメモリである。ROM112は、単一の記録媒体である必要はなく、複数の記録媒体の集合体であってもよい。RAM113は、ROM112に格納されたコンピュータプログラムをブート時に一旦展開するための作業領域を提供する。RAM113は、単一の記録媒体である必要はなく、複数の記録媒体の集合体であってもよい。
【0069】
駆動回路114Lおよび114Rは、例えばインバータである。駆動回路114Lおよび114Rは、プロセッサ111から出力された電流指令値に応じた駆動電流を生成し、電動モータ25Lおよび25Rに供給する。
【0070】
電動モータ25Lには、速度センサ26Lが設けられている。電動モータ25Rには、速度センサ26Rが設けられている。速度センサ26Lおよび25Rは、例えばエンコーダである。速度センサ26Lは、電動モータ25Lのロータの回転角を検出し、回転角に応じた信号を制御装置110へ出力する。速度センサ26Rは、電動モータ25Rのロータの回転角を検出し、回転角に応じた信号を制御装置110へ出力する。
【0071】
制御装置110は、車輪2Lまたは車輪2Rのホイールハブ21に設けられ得る。制御装置110の構成要素は、車輪2Lのホイールハブ21および車輪2Rのホイールハブ21に分散して配置されてもよい。例えば、駆動回路114Lは車輪2Lのホイールハブ21に配置され、駆動回路114Rは車輪2Rのホイールハブ21に配置されてもよい。制御装置110は、ホイールハブ21とは独立して設けられてもよい。
【0072】
制御装置110のプロセッサ111は、速度センサ26Lおよび26Rの出力信号から電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を演算する。車輪2Lおよび2Rのタイヤサイズは予め分かっており、プロセッサ111は、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度から、電動車椅子1の走行速度を演算することができる。電動モータ25Lおよび25Rの回転が減速機を介して車輪2Lおよび2Rに伝達される場合は、減速機の減速比の情報をさらに用いて、電動車椅子1の走行速度を演算する。
【0073】
速度センサ26Lおよび26Rは、車輪2Lおよび2Rのホイールハブ21、外周部23、またはスポーク22に設けられていてもよい。速度センサ26Lおよび26Rは、それらが設けられた部品の回転に応じた信号を出力してもよい。
【0074】
操作装置15は、シート6に着座した人間によるスティック16の操作に応じた信号を制御装置110へ出力する。操作装置50は、介助者によるアクセルレバー51の操作に応じた信号を制御装置110へ出力する。
【0075】
プロセッサ111は、操作装置15または操作装置50からの出力信号に基づいて、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度の目標値を演算する。プロセッサ111は、例えば、操作装置15のスティック16および操作装置50のアクセルレバー51の操作量と、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度との関係を示すマップを参照することにより回転速度の目標値を演算する。
【0076】
プロセッサ111は、速度センサ26Lおよび26Rの出力信号から電動モータ25Lおよび25Rの現在の回転速度を演算し、現在の回転速度と目標値との偏差を小さくするための電流指令値を演算する。
【0077】
プロセッサ111は、演算した電流指令値を駆動回路114Lおよび114Rへ出力する。駆動回路114Lおよび114Rは、電流指令値に応じた駆動電流を生成し、電動モータ25Lおよび25Rに供給する。駆動電流が供給された電動モータ25Lおよび25Rは回転を発生させる。電動モータ25Lおよび25Rの現在の回転速度と目標値との偏差が小さくなるようにフィードバック制御を行うことにより、操作装置15または操作装置50の操作量に応じた走行速度で電動車椅子1を走行させることができる。駆動ユニット10は、電動車椅子1の車体フレーム4に対して着脱可能であり得る。また、駆動ユニット10は、車体フレーム4とは別の車体フレームに対しても着脱可能であってもよい。例えば、一般的な車椅子の車体フレームから車輪を取り外し、その車体フレームに駆動ユニット10を取り付けることで、一般的な車椅子を電動車椅子1として利用することができる。
【0078】
駆動ユニット10は、車輪2Lおよび2Rを備えていなくてもよい。この場合、駆動ユニット10は車輪およびハンドリムを備える車椅子に取り付けられる。
【0079】
モータ制御システム100は、操作装置15を備えていなくてもよい。この場合、電動モータ25Lおよび25Rの駆動は、介助者が操作装置50を操作することで行われる。
【0080】
(操作装置)
次に、操作装置50の詳細を説明する。
【0081】
図4は、左斜め後方から見た操作装置50を示す斜視図である。操作装置50は、介助者が操作するアクセルレバー51と、アクセルレバー51を回転可能に支持する筐体53とを備える。アクセルレバー51の根元部51aは回転軸52に取り付けられている。筐体53は、回転軸52を回転可能に支持することで、アクセルレバー51を回転可能に支持している。筐体53には、表示パネル61、電源スイッチ62、モード選択スイッチ63、操作スイッチ64、前後進切替スイッチ67、報知部品65が設けられている。
【0082】
図5は、操作装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。操作装置50は、制御装置120および角度センサ91をさらに備える。
【0083】
制御装置120は、プロセッサ121、ROM122およびRAM123を備える。プロセッサ121、ROM122およびRAM123の説明は、制御装置110のプロセッサ111、ROM112およびRAM113の説明と重複するため、ここでは省略する。プロセッサ121は、操作装置50の動作を制御する。角度センサ91は、アクセルレバー51の回転角に応じた信号を出力する。
【0084】
筐体53は、第1筐体53aおよび第2筐体53bを有する。第1筐体53aおよび第2筐体53bは、互いに合わさることで各種部品を収容する空間を形成する。第1筐体53aと第2筐体53bとは、例えばボルトなどの締結具または接着剤を用いて互いに固定され得る。制御装置120は、第1筐体53aから外部へ延びる電線66を介して制御装置110等と信号の送受信を行うことができる。
【0085】
電源スイッチ62は、電動車椅子1の電源のオンおよびオフを行うためのスイッチである。電動車椅子1の電源がオン状態のとき駆動ユニット10は動作し、電源がオフ状態のとき駆動ユニット10は動作しない。電源がオフ状態のときに介助者が電源スイッチ62を操作すると電源はオン状態になり、電源がオン状態のときに介助者が電源スイッチ62を操作すると電源はオフ状態になる。
【0086】
モード選択スイッチ63は、電動車椅子1の最高速度が互いに異なる複数の走行モードの中から所望の走行モードを選択するためのスイッチである。介助者がモード選択スイッチ63を操作すると、プロセッサ121はその操作に応じた信号を制御装置110に送信する。制御装置110のプロセッサ111は、受け取った信号に応じた走行モードを設定する。介助者は、モード選択スイッチ63を操作することで所望の走行モードを選択することができる。
【0087】
前後進切替スイッチ67は、電動車椅子1の前進および後進を切り替えるためのスイッチである。介助者が前後進切替スイッチ67を操作して前進または後進を選択すると、プロセッサ121は、前進または後進を示す信号を制御装置110に送信する。プロセッサ111は、前進を示す信号を受け取った場合は、電動車椅子1が前進するように電動モータ25Lおよび25Rを制御する。プロセッサ111は、後進を示す信号を受け取った場合は、電動車椅子1が後進するように電動モータ25Lおよび25Rを制御する。
【0088】
表示パネル61は、介助者の操作装置50に対する操作に応じて様々な情報を表示する。表示パネル61は例えば液晶パネルである。プロセッサ121は、バッテリ残容量、走行可能距離、選択中の走行モード、電動車椅子1の異常の有無等の情報を表示パネル61に表示させる。表示パネル61として、液晶パネル以外の表示パネル、例えばOLED(Organic Light-Emitting Diode)パネルまたは電子ペーパーパネルが用いられてもよい。介助者は、操作スイッチ64を操作することで、表示パネル61の表示内容の切り替え等を行うことができる。
【0089】
プロセッサ121は、介助者に報知すべき情報がある場合、報知部品65を用いて報知を行う。報知部品65は、例えば音を発する発音部品および/または発光するランプである。発音部品は、例えばブザーまたはスピーカであるが、それに限定されない。プロセッサ121は、例えばバッテリ7の残容量が少なくなったり、電動車椅子1に異常が発生したりした場合、報知部品65を動作させる。報知部品65が音を発したり発光したりすることで、介助者はバッテリ7の残容量が少なくなったことを容易に認識したり、異常が発生したことを容易に認識したりすることができる。また、プロセッサ121は、介助者に報知すべき情報を表示パネル61に表示する。この場合、表示パネル61を発光させたり、表示内容を点滅表示させたりして、表示を強調してもよい。
【0090】
筐体53には、ハンドルバー45aを貫通させる穴54が設けられている。穴54は筐体53の前部および後部に設けられ、ハンドルバー45aは筐体53を貫通することができる。分かりやすく説明するために、図4ではハンドグリップ46の図示は省略している。本実施形態では、操作装置50内にハンドルバー45aを貫通させて、操作装置50をハンドルバー45aに取り付ける。これにより、車椅子に操作装置50を後付けする場合に、その車椅子で元々意図されていたハンドグリップ46の位置を維持することができる。介助者は、そのような車椅子の操作に適した位置に維持されたハンドグリップ46を握りながら、アクセルレバー51を操作することができる。
【0091】
次に、アクセルレバー51の回転動作に関係する機構を説明する。図6は、左斜め前方から見た操作装置50の内部の一部を示す斜視図である。図7は、操作装置50が備える複数の構成要素を示す分解斜視図である。
【0092】
第1筐体53aの左側壁および右側壁には、アクセルレバー51の回転軸52が通る穴256および257が設けられている。アクセルレバー51の根元部51aには回転軸52が通る穴51bが設けられており、回転軸52のヘッド部252が穴51bに嵌ることで、根元部51aの左端部と回転軸52の左端部とは互いに固定される。アクセルレバー51の根元部51aの右端部と回転軸52の右端部とは、ボルトまたはナット等の締結具を用いて互いに固定され得る。
【0093】
操作装置50は、第1トーションばね70、第2トーションばね80、支持部材210および220を備える。
【0094】
第1トーションばね70は、コイル部73と、コイル部73から延びるアーム部71および72とを有する。第2トーションばね80は、コイル部83と、コイル部83から延びるアーム部81および82とを有する。
【0095】
本実施形態では、第2トーションばね80はダブルトーションばねである。ダブルトーションばねである第2トーションばね80は、左右方向に沿って並んだ二個のコイル部83を有する。左右方向における第2トーションばね80の両端部からは、二本のアーム部81が延びている。アーム部82は、左右方向において二個のコイル部83の間に位置し、二個のコイル部83を連結している。
【0096】
支持部材210は、第1トーションばね70のアーム部71と、第2トーションばね80の二本のアーム部81のうちの一方とを支持する。支持部材210は、回転軸52が内部を通る筒部211を有する。筒部211は、第1トーションばね70のコイル部73の内部を通るとともに、第2トーションばね80の二個のコイル部83のうちの一方の内部を通る。支持部材210は、コイル部73の外周部の周りを覆う筒部212と、二個のコイル部83のうちの一方の外周部の周りを覆う筒部213とをさらに備える。筒部212および213はドラム型の形状を有し、それらの側壁は筒部211の外周部と接続されている。
【0097】
筒部212には切り欠き部215が設けられている。第1トーションばね70のアーム部71が切り欠き部215に嵌ることで、アーム部71は支持部材210に支持される。
【0098】
筒部213には穴217が設けられている。二本のアーム部81のうちの一方が穴217を通り、穴217の内壁部と接触することで、そのアーム部81は支持部材210に支持される。
【0099】
支持部材220は、第2トーションばね80の二本のアーム部81のうちの他方を支持する。支持部材220は、回転軸52が内部を通る筒部221を有する。筒部221は、第2トーションばね80の二個のコイル部83のうちの他方の内部を通る。支持部材220は、二個のコイル部83のうちの他方の外周部の周りを覆う筒部222をさらに備える。筒部222はドラム型の形状を有し、その側壁は筒部221の外周部と接続されている。
【0100】
筒部222には穴227が設けられている。二本のアーム部81のうちの他方が穴227を通り、穴227の内壁部と接触することで、そのアーム部81は支持部材220に支持される。
【0101】
筒部213には切り欠き部216が設けられるとともに、筒部222には切り欠き部225が設けられている。第2トーションばね80のアーム部82が切り欠き部216および225に嵌ることで、アーム部82は支持部材210および220に支持される。
【0102】
回転軸52、支持部材210および220は、アクセルレバー51の回転方向の位置ずれを抑制する締結構造を有する。一例として、回転軸52のボディ部251は、平坦な形状を有する平坦部254(図7においてハッチングで示す部分)を有する。筒部211および221の内周壁部は、平坦部254と接触する平坦な形状を有する平坦部214および224を有する。平坦部214および224を有する内周壁部に、平坦部254を有するボディ部251が嵌ることで、回転軸52と支持部材210および220との間の位置ずれが抑制される。なお、キー溝等を用いて回転軸52と支持部材210および220との間の位置ずれを抑制してもよい。
【0103】
アクセルレバー51の根元部51aは、回転軸52の両端部に接続されている。例えば、根元部51aはU字形状を有し、U字形状の左端部が回転軸52の左端部に接続され、U字形状の右端部が回転軸52の右端部に接続される。根元部51aが回転軸52の両端部に接続されるようにアクセルレバー51を回転軸52に取り付けることにより、左右方向における根元部51aに囲われた領域に、第1トーションばね70、第2トーションばね80、支持部材210および220を配置することができる。
【0104】
第1筐体53aには、アクセルレバー51の回転角に応じた信号を出力する角度センサ91が設けられている。角度センサ91は、例えば磁気センサである。図示する例では、角度センサ91は、第1筐体53aに配置された基板93に設けられている。基板93にはカバー94が設けられ得る。支持部材210には永久磁石であるマグネット92が設けられている。支持部材210に設けられたマグネット92の位置は、アクセルレバー51の回転に連動して移動する。磁気センサである角度センサ91は、アクセルレバー51の回転に連動して移動しないように第1筐体53aに設けられている。アクセルレバー51の回転に伴いマグネット92は角度センサ91に対して移動し、角度センサ91に印加される磁場が変化することで、アクセルレバー51の回転角を検出することができる。
【0105】
角度センサ91として、磁気センサを用いることで、アクセルレバー51の回転角を精度良く検出することができる。非接触式の磁気センサを用いることで、角度センサ91の耐久性を高めることができる。また、電線が延びる角度センサ91をアクセルレバー51の回転に連動して移動しないように設けることで、角度センサ91の耐久性を高めることができる。
【0106】
制御装置120のプロセッサ121は、角度センサ91の出力信号を用いてアクセルレバー51の回転角を演算し、回転角の情報を制御装置110に出力する。角度センサ91の出力信号を用いたアクセルレバー51の回転角の演算は、制御装置110のプロセッサ111が行ってもよい。
【0107】
支持部材210に支持される第1トーションばね70のアーム部72の位置は、アクセルレバー51の回転に連動して移動する。第1筐体53aには、第1トーションばね70のアーム部72と接触してアーム部72の移動を抑制するストッパー57が設けられている。ストッパー57は第1筐体53aの一部であってもよい。
【0108】
図6は、アクセルレバー51がニュートラル位置にあるときの操作装置50を示している。介助者が手でアクセルレバー51を握りこむと、アクセルレバー51は第1回転方向Dに回転する。第1回転方向Dは、操作装置50を左方から見た側面視において、反時計回りの方向である。
【0109】
制御装置110のプロセッサ111は、アクセルレバー51の第1回転角θの増加に応じて、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を増加させる制御を行う。第1回転角θは、基準位置からのアクセルレバー51の第1回転方向Dの回転角である。アクセルレバー51の基準位置は例えばニュートラル位置である。
【0110】
第1トーションばね70は、第1回転方向Dとは反対方向の第2回転方向Dの第1弾性力をアクセルレバー51に加える。介助者がアクセルレバー51の操作をやめると、第1トーションばね70の第1弾性力によりアクセルレバー51は第2回転方向Dに回転し、ニュートラル位置に戻る。第1回転角θが0度であるニュートラル位置では、プロセッサ111は、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる制御を行う。
【0111】
第1トーションばね70は、アクセルレバー51が回転可能な角度範囲の全てにおいて、第2回転方向Dの第1弾性力をアクセルレバー51に加える。ニュートラル位置においても、第1トーションばね70は第1弾性力をアクセルレバー51に加える。これにより、介助者に操作されていないときのアクセルレバー51はニュートラル位置に維持される。
【0112】
アクセルレバー51がニュートラル位置にあるときの角度において、根元部51aの前端部は第1筐体53aの後部と接触する。これにより、アクセルレバー51がニュートラル位置から第2回転方向Dにさらに回転することが抑制され、第1トーションばね70の第1弾性力によりアクセルレバー51はニュートラル位置に維持される。
【0113】
支持部材210および222に支持される第2トーションばね80のアーム部81および82の位置は、アクセルレバー51の回転に連動して移動する。第1筐体53aには、アクセルレバー51の回転に連動したアーム部82の移動範囲を制限するストッパー58が設けられている。ストッパー58は第1筐体53aの一部であってもよい。
【0114】
アクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θ(第2所定回転角)よりも小さいときは、ストッパー58はアーム部82に接触せず、アーム部82の移動を抑制しない。第1回転角θが所定回転角θ以上になると、ストッパー58はアーム部82に接触して、アクセルレバー51の回転に連動したアーム部82の移動を抑制する。所定回転角θは、0度よりも大きい角度であり、例えば20度以上30度以下であるがそれに限定されない。
【0115】
第1回転角θが所定回転角θ以上のとき、アーム部82の移動はストッパー58により抑制される。これにより、第2トーションばね80は、第1回転角θが所定回転角θ以上のとき、第2回転方向Dの第2弾性力をアクセルレバー51に加えることができる。第2トーションばね80は、第1回転角θが所定回転角θよりも小さいときは、第2弾性力をアクセルレバー51に加えない。第1回転角θが所定回転角θ以上になったときに、第2トーションばね80からアクセルレバー51に第2弾性力を加えることで、介助者がアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさを増加させることができる。
【0116】
図8から図9は、左斜め前方から見た操作装置50の内部の一部を示す斜視図である。図8は、アクセルレバー51がニュートラル位置にあるときの操作装置50を示している。ニュートラル位置での第1回転角θは0度である。図9は、アクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θのときの操作装置50を示している。図10は、第1回転角θが所定回転角θよりも大きいときの操作装置50を示している。
【0117】
図11から図13は、左側方から見た第2トーションばね80およびストッパー58を示す図である。図11は、アクセルレバー51の第1回転角θが0度のときの第2トーションばね80およびストッパー58を示している。図12は、第1回転角θが所定回転角θのときの第2トーションばね80およびストッパー58を示している。図13は、第1回転角θが所定回転角θよりも大きいときの第2トーションばね80およびストッパー58を示している。
【0118】
図14は、アクセルレバー51の第1回転角θと、介助者がアクセルレバー51を第1回転方向Dに動かすために必要な力の大きさとの関係を示す図である。図14に示すグラフの横軸は、アクセルレバー51の第1回転角θを示している。縦軸は、介助者がアクセルレバー51を第1回転方向Dに動かすために必要な力Fを示している。グラフ中の実線は、介助者がアクセルレバー51を第1回転方向Dに動かすために必要な力Fを示している。グラフ中の破線は、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を示している。図14に示す例では、アクセルレバー51の可動範囲は0度から30度である。一例として、所定回転角θは25度とする。
【0119】
ニュートラル位置にあるアクセルレバー51を介助者が操作すると、アクセルレバー51は第1回転方向Dに回転する。プロセッサ111は、アクセルレバー51の第1回転角θの増加に応じて、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を増加させる制御を行う。電動車椅子1の走行速度を低下させるときは、介助者は、アクセルレバー51を握る手を緩めることで、第1回転角θは小さくなり、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を低下させることができる。
【0120】
図14に示す例では、第1回転角θが0度から2度のときは、プロセッサ111は、電動モータ25Lおよび25Rを回転させない。これにより、介助者の意図に反してアクセルレバー51が少し回転したときに、電動モータ25Lおよび25Rが始動することを抑制できる。
【0121】
図9および図12に示すように、第1回転角θが所定回転角θになると、第2トーションばね80のアーム部82はストッパー58に接触する。第1回転角θが所定回転角θ以上になると、第2トーションばね80は第2弾性力をアクセルレバー51に加える。第1回転角θが所定回転角θ以上のとき、第1トーションばね70の第1弾性力と第2トーションばね80の第2弾性力との両方がアクセルレバー51に加わるため、介助者がアクセルレバー51を動かすために必要な力Fの大きさは急激に増加する。
【0122】
本実施形態では、プロセッサ111は、第1回転角θが所定回転角θ(第1所定回転角)以上になったことを検出した場合、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる制御を行う。所定回転角θは、所定回転角θよりも大きい角度である。所定回転角θは、例えば所定回転角θよりも2度から5度大きいが、それに限定されない。図14に示す例では、所定回転角θは27度である。プロセッサ111は、第1回転角θが所定回転角θ以上のときは、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる制御を行う。
【0123】
これにより、介助者はアクセルレバー51の操作量を大きくするだけで電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。アクセルレバー51をニュートラル位置まで戻さなくても電動車椅子1の走行を停止させることができ、介助者の利便性を向上させることができる。
【0124】
アクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θ以上になると、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加えることにより、介助者がアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさを急激に増加させることができる。これにより、介助者の意図に反して第1回転角θが所定回転角θ以上となって、電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0125】
電動モータ25Lおよび25Rを停止させる所定回転角θは、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める所定回転角θよりも大きい。所定回転角θにおいて電動モータ25Lおよび25Rを停止させないことで、介助者の意図に反して電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0126】
上述したように、アクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θ以上になると、介助者がアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさが急激に増加する。これにより、介助者は、電動モータ25Lおよび25Rが停止するアクセルレバー51の操作位置が近づいていることを認識することができる。介助者は、電動車椅子1を停止させたくない場合は、アクセルレバー51を第1回転方向Dにさらに動かさないようにすることで、電動車椅子1の走行を継続することができる。電動車椅子1を停止させたい場合、介助者は、アクセルレバー51を第1回転方向Dにさらに動かすことで電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。
【0127】
本実施形態では、アクセルレバー51をニュートラル位置に戻す方向の力を発生させる弾性部材として第1トーションばね70を用いる。第1トーションばね70のコイル部73の内部にアクセルレバー51の回転軸52を通すことで、第1トーションばね70と回転軸52とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。また、第1回転角θが所定回転角θ以上になるとアクセルレバー51に第2弾性力を加える弾性部材として第2トーションばね80を用いる。第2トーションばね80のコイル部83の内部にアクセルレバー51の回転軸52を通すことで、第2トーションばね80と回転軸52とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システム100が備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システム100の小型化を実現することができる。
【0128】
第2トーションばね80のばね定数は、第1トーションばね70のばね定数よりも大きくてもよい。これにより、第2トーションばね80がアクセルレバー51に加える第2弾性力を大きくすることができ、介助者の意図に反して第1回転角θが所定回転角θ以上となって、電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。例えば第2トーションばね80を構成する線材の線径を大きくしたり、より硬い線材を採用したりすることで、第2トーションばね80のサイズを小さく抑えながら第2トーションばね80のばね定数を大きくすることができる。
【0129】
第2トーションばね80として、二個のコイル部83を有するダブルトーションばねを用いることで、アクセルレバー51に加える第2弾性力を大きくすることができる。第2トーションばね80に掛かる応力を二個のコイル部83に分散することができるため、第2弾性力が大きい場合でも、第2トーションばね80の耐久性を高めることができる。
【0130】
なお、第2トーションばね80はシングルトーションばねであってもよい。第2トーションばね80がシングルトーションばねの場合、第2トーションばね80は複数個設けられてもよい。
【0131】
図6および図7を用いて説明したように、第2トーションばね80のアーム部81およびアーム部82は、支持部材210および220に支持されている。支持部材210および220は、アクセルレバー51の第1回転方向Dの回転に応じて第2トーションばね80がねじれる方向に第2トーションばね80を予め所定量ねじった状態で、アーム部81およびアーム部82を支持する。例えば、第2トーションばね80のコイル部83を巻き込む方向に第2トーションばね80を予め所定量ねじった状態にしておく。
【0132】
側面視において、アーム部81とアーム部82とがなす角をθとする。アクセルレバー51がニュートラル位置にあるときの角θ図11)は、第2トーションばね80に掛かる負荷がゼロのときの角θよりも小さい。
【0133】
第2トーションばね80を予め所定量ねじった状態にしておくことで、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める段階から、大きな弾性力をアクセルレバー51に加えることができる。これにより、介助者がアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさをより急激に増加させることができる。
【0134】
例えば、第1回転角θが所定回転角θを超えるためのトルクの大きさは、第1回転角θを所定回転角θにするためのトルクの10倍以上12倍以下であり得る。第1回転角θが所定回転角θを超えるためのトルクの大きさを急激に増加させることにより、介助者の意図に反して電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0135】
なお、支持部材210および220は、第2トーションばね80を予めねじっていない状態で、アーム部81およびアーム部82を支持してもよい。図15は、第2トーションばね80を予めねじっていない形態における、第1回転角θと力Fとの関係を示す図である。このような形態においても、介助者の意図に反して第1回転角θが所定回転角θ以上となって、電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0136】
次に、第1トーションばね70および第2トーションばね80がアクセルレバー51に弾性力を加える機構の変形例を説明する。
【0137】
図16は、上方から見た操作装置50の内部の一部を示す図である。図16に示す例では、第1筐体53aにケース230が設けられている。ケース230は、回転軸52、第1トーションばね70、第2トーションばね80、マグネット92、支持部材210および220を収容している。角度センサ91は、ケース230に設けられている。
【0138】
図17は、上方から見たケース230の内部の一部を示す図である。図17に示す例では、操作装置50は、第1トーションばね70を二個備えている。第2トーションばね80はシングルトーションばねである。
【0139】
回転軸52は、ケース230によって回転可能に支持されている。支持部材210および220は、回転軸52に設けられている。上記と同様に、回転軸52、支持部材210および220は、アクセルレバー51の回転方向の位置ずれを抑制する締結構造を有する。
【0140】
第1トーションばね70のアーム部71は、支持部材210によって支持されている。ケース230には、アーム部72と接触してアーム部72の移動を抑制するストッパー57が設けられている。支持部材210にはマグネット92が設けられている。
【0141】
第2トーションばね80のアーム部81は、支持部材220によって支持されている。ケース230には、アクセルレバー51の回転に連動したアーム部82の移動範囲を制限するストッパー58が設けられている。アクセルレバー51の第1回転角θが所定回転角θよりも小さいときは、ストッパー58はアーム部82に接触せず、アーム部82の移動を抑制しない。第1回転角θが所定回転角θ以上になると、ストッパー58はアーム部82に接触して、アクセルレバー51の回転に連動したアーム部82の移動を抑制する。
【0142】
アクセルレバー51の根元部51aは、回転軸52の右端部に取り付けられる。図16に示す例では、根元部51aは、回転軸52の両端部の一方のみに取り付けられる。図6および図7に示す形態においても、根元部51aは、回転軸52の両端部の一方のみに取り付けられてもよい。
【0143】
図16および図17に示す形態においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0144】
上述の実施形態の説明では、第1回転角θが所定回転角θ以上になったときに電動モータ25Lおよび25Rを停止させる制御をプロセッサ111が行っていたが、プロセッサ111および121が協業して行ってもよい。この場合、例えば、プロセッサ121は演算した第1回転角θが所定回転角θ以上になったときに、モータを停止させる指令をプロセッサ111に送信する。指令を受け取ったプロセッサ111は、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる。
【0145】
角度センサ91は磁気センサに限定されず、例えばポテンショメータであってもよい。
【0146】
アクセルレバー51の根元部51aは、U字形状に限定されない。例えば図16に示すように、根元部51aは、回転軸52の両端部の一方のみに取り付けられてもよい。根元部51aは、左右方向における回転軸52の中央部に取り付けられてもよい。
【0147】
電動車椅子1は、人間が手でハンドリムを漕ぐ力を電動モータにより補助する電動アシスト車椅子であってもよい。
【0148】
次に、アクセルレバー51の回転角に応じた信号を出力する角度センサを二個備える実施形態を説明する。
【0149】
図18は、操作装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。図18に示す操作装置50は、角度センサ91に加えて角度センサ291をさらに備える。
【0150】
角度センサ91と同様に、角度センサ291は例えば磁気センサであり、第1筐体53aに設けられる。支持部材210または220には、角度センサ291に磁場を印加するマグネットが設けられる。角度センサ291は磁気センサに限定されず、例えばポテンショメータであってもよい。角度センサ91を第1角度センサと称し、角度センサ291を第2角度センサと称する場合がある。
【0151】
図19から図24は、角度センサ91および角度センサ291を用いた電動モータ25Lおよび25Rの制御を示す図である。図19から図24に示すグラフの横軸は、アクセルレバー51の第1回転角θを示している。縦軸は、角度センサ91および291の検出値を示している。
【0152】
制御装置120は、第1角度センサ91の出力信号にAD変換等を行い、アクセルレバー51の第1回転角θの変化に応じて漸次変化する数値に変換する。図19中の実線は、第1角度センサ91の出力信号を変換して得られる検出値301を示している。
【0153】
制御装置120は、第2角度センサ291の出力信号にAD変換等を行い、0と1で表される二値の検出値に変換する。図19中の点線は、第2角度センサ291の出力信号を変換して得られる検出値302を示している。二値の検出値302は、例えば、第1回転角θがθ未満のときは“0”を示し、第1回転角θがθ以上のときは“1”を示す。回転角θは0度よりも大きい値である。図19中の破線は、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度指令値303を示している。AD変換以外の変換方法を用いて角度センサ91および291の出力信号から検出値301および302を生成してもよい。
【0154】
第1角度センサ91の検出値301がV(min)未満のときは、プロセッサ111(図3)は、電動モータ25Lおよび25Rを回転させない。検出値301がV(min)のときの回転角をθとする。θはθよりも大きい値であり得る。
【0155】
第1回転角θがθ以上になり、検出値301がV(min)以上になると、プロセッサ111は、第1回転角θの増加に応じて電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を増加させる制御を行う。
【0156】
図20は、操作装置50に不具合が発生し、第1回転角θが0度のときに検出値301がV(min)以上になっている状態を示している。本実施形態では、プロセッサ111は、第2角度センサ291の検出値302が“0”を示すときは、検出値301の大きさに関わらず、電動モータ25Lおよび25Rを回転させない制御を行う。このため、図20に示すような不具合が発生した場合でも、第1回転角θがθ未満になると電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。図21は、第2角度センサ291の検出値302が“0”を示すときは、検出値301の大きさに関わらず、電動モータ25Lおよび25Rを回転させない制御を示している。第1回転角θがθ未満となり、検出値302が“0”を示すと、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度をゼロにする。
【0157】
操作装置50に不具合が発生した場合、プロセッサ121は、報知部品65および/または表示パネル61を用いて、不具合が発生したことを介助者に知らせるための報知を行う。
【0158】
図22は、第2角度センサ291の検出値302が常時“1”を示す不具合が発生した状態を示している。第1角度センサ91の検出値301が、第1回転角θが0度のときの値であっても、第2角度センサ291の検出値302が“1”を示している場合、プロセッサ121は、操作装置50に不具合が発生したと判断し、介助者に報知を行う。
【0159】
検出値302が常時“1”を示す不具合が発生した場合は、電動車椅子1の電源をオフからオンに切り替えた直後から、検出値302は“1”を示す。このような場合、プロセッサ121は、電動モータ25Lおよび25Rを動作させず、操作装置50に不具合が発生したと判断し、介助者に報知を行う。
【0160】
電源をオンにしたタイミングで介助者が既にアクセルレバー51を操作していた場合、電源をオンにした直後から、検出値302は“1”を示す。このような場合、プロセッサ121は、電動モータ25Lおよび25Rを動作させない。操作装置50から報知を受けた介助者がアクセルレバー51から手を離すことで、検出値302は“0”に戻り、正常な動作状態に復帰することができる。
【0161】
図23および図24は、角度センサ91および角度センサ291を用いた電動モータ25Lおよび25Rの制御の別の例を示す図である。図23に示す例では、検出値302の値が切り替わる回転角θと、V(min)に対応する回転角θとが同じ大きさである。図24は、図23に示す制御において操作装置50に不具合が発生し、第1回転角θが0度のときに検出値301がV(min)以上になっている状態を示している。この場合も、プロセッサ111は、検出値302が“0”を示すときは、検出値301の大きさに関わらず、電動モータ25Lおよび25Rを回転させない制御を行う。これにより、第1回転角θがθ未満になると電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。プロセッサ121は、操作装置50に不具合が発生したことを介助者に報知する。
【0162】
図25は、第1回転角θが0度のときの検出値301をV(min)に設定した実施形態を示す図である。上述の実施形態では、アクセルレバー51を所定の角度回転させた後に、電動モータ25Lおよび25Rを始動させていた。図25に示す例では、アクセルレバー51をニュートラル位置から回転させ始めた直後から電動モータ25Lおよび25Rを動作させることができる。
【0163】
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。
【0164】
本発明のある実施形態に係るモータ制御システム100は、電動車両1に用いられるモータ制御システム100であって、ユーザが操作するアクセルレバー51と、アクセルレバー51を回転可能に支持する筐体53と、アクセルレバー51の回転角に応じた信号を出力する角度センサ91と、電動車両1を走行させる駆動力を発生させる電動モータ25Lおよび25Rの動作を制御する制御装置110であって、アクセルレバー51の基準位置からのアクセルレバー51の第1回転方向Dの回転角である第1回転角θの増加に応じて、電動モータ25Lおよび25Rの回転速度を増加させる制御を行う制御装置110と、アクセルレバー51の回転軸52が内部を通るコイル部73を有し、第1回転方向Dとは反対方向の第2回転方向Dの第1弾性力をアクセルレバー51に加える第1トーションばね70とを備え、制御装置110は、第1回転角θが第1所定回転角θ以上になったことを検出した場合、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる制御を行う。
【0165】
本発明のある実施形態によれば、アクセルレバー51の第1回転角θが第1所定回転角θ以上になった場合は、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる。ユーザはアクセルレバー51の操作量を大きくするだけで電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。アクセルレバー51を基準位置(例えばニュートラル位置)まで戻さなくても電動車両1の走行を停止させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0166】
アクセルレバー51を基準位置に戻す方向の力を発生させる弾性部材として第1トーションばね70を用いる。第1トーションばね70のコイル部73の内部にアクセルレバー51の回転軸52を通すことで、第1トーションばね70と回転軸52とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システム100が備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システム100の小型化を実現することができる。
【0167】
ある実施形態において、モータ制御システム100は、アクセルレバー51の回転軸52が内部を通るコイル部83を有し、第2回転方向Dの第2弾性力をアクセルレバー51に加える第2トーションばね80をさらに備え、0度よりも大きく且つ第1所定回転角θよりも小さい所定値を第2所定回転角θとしたとき、第2トーションばね80は、第1回転角θが第2所定回転角θよりも小さいときは、第2弾性力をアクセルレバー51に加えず、第1回転角θが第2所定回転角θ以上になると、第2弾性力をアクセルレバー51に加えてもよい。
【0168】
アクセルレバー51の第1回転角θが第2所定回転角θ以上になると、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加えることにより、ユーザがアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさを急激に増加させることができる。これにより、ユーザの意図に反して第1回転角θが第1所定回転角θ以上となって、電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0169】
電動モータ25Lおよび25Rを停止させる第1所定回転角θは、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める第2所定回転角θよりも大きい。第2所定回転角θにおいて電動モータ25Lおよび25Rを停止させないことで、ユーザの意図に反して電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0170】
上述したように、アクセルレバー51の第1回転角θが第2所定回転角θ以上になると、ユーザがアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさが急激に増加する。これにより、ユーザは、電動モータ25Lおよび25Rが停止するアクセルレバー51の操作位置が近づいていることを認識することができる。ユーザは、電動車両1を停止させたくない場合は、アクセルレバー51を第1回転方向Dにさらに動かさないようにすることで、電動車両1の走行を継続することができる。電動車両1を停止させたい場合、ユーザは、アクセルレバー51を第1回転方向Dにさらに動かすことで電動モータ25Lおよび25Rを停止させることができる。
【0171】
第1回転角θ1が第2所定回転角θ以上になるとアクセルレバー51に第2弾性力を加える弾性部材として第2トーションばね80を用いる。第2トーションばね80のコイル部83の内部にアクセルレバー51の回転軸52を通すことで、第2トーションばね80と回転軸52とでスペースを共有することができ、弾性部材の配置のために確保するスペースを小さくすることができる。これにより、モータ制御システム100が備える他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、モータ制御システム100の小型化を実現することができる。
【0172】
ある実施形態において、第2トーションばね80のばね定数は、第1トーションばね70のばね定数よりも大きくてもよい。
【0173】
第2トーションばね80がアクセルレバー51に加える第2弾性力を大きくすることができ、ユーザの意図に反して第1回転角θが第1所定回転角θ以上となって、電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0174】
例えば第2トーションばね80を構成する線材の線径を大きくしたり、より硬い線材を採用したりすることで、第2トーションばね80のサイズを小さく抑えながら第2トーションばね80のばね定数を大きくすることができる。
【0175】
ある実施形態において、第2トーションばね80は、第2トーションばね80のコイル部83から延びる第1アーム部81および第2アーム部82を有し、モータ制御システム100は、アクセルレバー51の回転軸52に設けられ、アクセルレバー51の回転に連動して第1アーム部81が移動するように第1アーム部81を支持する支持部材210および220と、アクセルレバー51の回転に連動した第2アーム部82の移動範囲を制限するストッパー58とを備え、ストッパー58は、第1回転角θが第2所定回転角θよりも小さいときは、第2アーム部82に接触せず、第1回転角θが第2所定回転角θ以上になると、第2アーム部82に接触して、アクセルレバー51の回転に連動した第2アーム部82の移動を抑制してもよい。
【0176】
アクセルレバー51の第1回転角θが第2所定回転角θ以上になったときに、第2トーションばね80からアクセルレバー51に第2弾性力を加えることができる。
【0177】
ある実施形態において、支持部材210および220は、アクセルレバー51の第1回転方向Dの回転に応じて第2トーションばね80がねじれる方向に第2トーションばね80を予め所定量ねじった状態で、第1アーム部81および第2アーム部82を支持してもよい。
【0178】
第2トーションばね80を予め所定量ねじっておくことで、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める段階から、大きな弾性力をアクセルレバー51に加えることができる。これにより、ユーザがアクセルレバー51を動かすために必要な力の大きさをより急激に増加させることができる。
【0179】
ある実施形態において、第1回転角θが第2所定回転角θを超えるためのトルクの大きさは、第1回転角θを第2所定回転角θにするためのトルクの10倍以上12倍以下であってもよい。
【0180】
第1回転角θが第2所定回転角θを超えるためのトルクの大きさを急激に増加させることにより、ユーザの意図に反して電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0181】
ある実施形態において、モータ制御システム100は、アクセルレバー51の回転軸52と支持部材210および220との間の、アクセルレバー51の回転方向の位置ずれを抑制する締結構造214、224、254をさらに有してもよい。
【0182】
アクセルレバー51の回転軸52と支持部材210および220に支持される第2トーションばね80との間の位置ずれを抑制でき、第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める第1回転角θの大きさを一定にすることができる。
【0183】
ある実施形態において、第2トーションばね80は、ダブルトーションばねであり、ダブルトーションばねは、第1方向(左右方向)に沿って並んだ二個のコイル部83を有し、ダブルトーションばねは、第1アーム部81および第2アーム部82のうちの一方のアーム部として、第1方向におけるダブルトーションばね80の両端部から延びる二本のアーム部を有し、第1アーム部81および第2アーム部82のうちの他方のアーム部は、第1方向において二個のコイル部83の間に位置し、二個のコイル部83を連結していてもよい。
【0184】
第2トーションばね80として、二個のコイル部83を有するダブルトーションばねを用いることで、アクセルレバー51に加える第2弾性力を大きくすることができる。第2トーションばね80に掛かる応力を二個のコイル部83に分散することができるため、第2弾性力が大きい場合でも、第2トーションばね80の耐久性を高めることができる。
【0185】
ある実施形態において、第1所定回転角θは、第2所定回転角θよりも2度から5度大きくてもよい。
【0186】
第2トーションばね80がアクセルレバー51に第2弾性力を加え始める第2所定回転角θよりも少し大きい第1所定回転角θに第1回転角θがなったときに、電動モータ25Lおよび25Rを停止させる。第1回転角θが第2所定回転角θになったときに電動モータ25Lおよび25Rを停止させないことで、ユーザの意図に反して電動モータ25Lおよび25Rが停止することを抑制できる。
【0187】
ある実施形態において、第2所定回転角θは20度以上30度以下であってもよい。
【0188】
ユーザが電動車両1の走行速度の調整を行い易い角度範囲でアクセルレバー51を回転させることができる。
【0189】
ある実施形態において、モータ制御システム100は、アクセルレバー51の回転に連動して移動するマグネット92をさらに備え、角度センサ91は磁気センサであり、アクセルレバー51の回転に連動して移動しないように筐体53に支持されていてもよい。
【0190】
磁気センサを用いることで、アクセルレバー51の回転角を精度良く検出することができる。非接触式の磁気センサを用いることで、角度センサ91の耐久性を高めることができる。
【0191】
電線が延びる角度センサ91をアクセルレバー51の回転に連動して移動しないように設けることで、角度センサ91の耐久性を高めることができる。
【0192】
ある実施形態において、アクセルレバー51の根元部51aは、回転軸52の両端部に接続されていてもよい。
【0193】
アクセルレバー51の根元部51aに囲われた領域に、第1トーションばね70および第2トーションばね80を配置することができる。
【0194】
アクセルレバー51の回転方向において、アクセルレバー51の根元部51aが筐体53と接触することで、アクセルレバー51のニュートラル位置を定めることができる。
【0195】
ある実施形態において、筐体53には、電動車両1のハンドルバー45aに筐体53を貫通させる穴54が設けられていてもよい。
【0196】
電動車両1にモータ制御システム100を後付けする場合に、その電動車両1で元々意図されていたグリップ46の位置を維持でき、ユーザは、そのグリップ46を握りながら、アクセルレバー51を操作することができる。
【0197】
本発明のある実施形態に係る駆動ユニット10は、上記のモータ制御システム100と、電動車両1を走行させる駆動力を発生させる電動モータ25Lおよび25Rとを備える。
【0198】
駆動ユニット10を電動車両1に搭載することでユーザの利便性を向上させることができる。
【0199】
本発明のある実施形態に係る電動車両1は、上記の駆動ユニット10を備える。
【0200】
これにより、ユーザの利便性が高い電動車両1を実現できる。
【0201】
ある実施形態において、電動車両1は、電動車椅子であってもよい。
【0202】
これにより、介助者の利便性が高い電動車椅子を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0203】
本発明は、電動車両の分野において特に有用である。
【符号の説明】
【0204】
1:電動車椅子(電動車両)、 2L、2R:車輪、 3L、3R:ハンドリム、 4:車体フレーム、 5L、5R:キャスタ、 6:シート、 7:バッテリ、 8:アームレスト、 9:背もたれ、 10:駆動ユニット、 15:操作装置、 16:スティック、 21:ホイールハブ、 22:スポーク、 23:外周部、 24:接続部材、 25L、25R:電動モータ、 26L、26R:速度センサ、 41:シートフレーム、 42:アームレストフレーム、 43:ベースフレーム、 44:アンダーフレーム、 45:バックフレーム、 45a:ハンドルバー、 46:ハンドグリップ、 47:フットレスト、 50:操作装置、 51:アクセルレバー、 51a:根元部、 51b:穴、 52:回転軸、 53:筐体、 53a:第1筐体、 53b:第2筐体、 54:穴、 57:ストッパー、 58:ストッパー、 61:表示パネル、 62:電源スイッチ、 63:モード選択スイッチ、 64:操作スイッチ、 65:報知部品、 66:電線、 67:前後進切替スイッチ、 70:第1トーションばね、 71:アーム部、 72:アーム部、 73:コイル部、 80:第2トーションばね、 81:アーム部、 82:アーム部、 83:コイル部、 91:角度センサ、 92:マグネット、 93:基板、 94:カバー、 100:モータ制御システム、 110:制御装置、 111:プロセッサ、 112:ROM、 113:RAM、 114L、114R:駆動回路、 120:制御装置、 121:プロセッサ、 122:ROM、 123:RAM、 210:支持部材、 211:筒部、 212:筒部、 213:筒部、 214:平坦部、 215:切り欠き部、 216:切り欠き部、 217:穴、 220:支持部材、 221:筒部、 222:筒部、 224:平坦部、 225:切り欠き部、 227:穴、 230:ケース、 251:ボディ部、 252:ヘッド部、 254:平坦部、 256:穴、 257:穴、 θ:第1回転角、 θ:第2所定回転角、 θ:第1所定回転角、 D:第1回転方向、 D:第2回転方向
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