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特許7746296光増感剤を有する医療機器および関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】光増感剤を有する医療機器および関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/08 20060101AFI20250922BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20250922BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20250922BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20250922BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20250922BHJP
   A61M 27/00 20060101ALI20250922BHJP
   A61L 29/08 20060101ALI20250922BHJP
   A61L 29/06 20060101ALI20250922BHJP
【FI】
A61L2/08 110
A61M25/00
A61B17/00 700
A61B17/32 510
A61B17/22 510
A61M27/00
A61L29/08
A61L29/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022571098
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021026464
(87)【国際公開番号】W WO2021236248
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2024-01-23
(31)【優先権主張番号】63/027,750
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/224,661
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー クァック
(72)【発明者】
【氏名】ギドン オフェク
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ フリージエ
【審査官】伊藤 良子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/036617(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0040411(KR,A)
【文献】国際公開第2008/024478(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0205925(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0271284(US,A1)
【文献】国際公開第2005/034855(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L
A61M
A61P
A61K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器の消毒方法であって、前記方法は、
前記医療機器をチャンバ内に提供することであって、前記医療機器は、本体と、前記本体と一体化された光増感剤とを含前記チャンバの1つまたは複数の側面は、ミラーを含み、1つまたは複数の光源が、前記チャンバ内に配置されている、前記医療機器をチャンバ内に提供することと、
前記医療機器の前記本体と一体化された前記光増感剤に、0.5J/cmから320J/cmの範囲の光量を、1秒から1時間の間、投与することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、さらに、前記光増感剤を前記医療機器の本体と一体化することを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、前記本体は、基材樹脂によって形成され、前記光増感剤を前記医療機器の前記本体と一体化することは、前記光増感剤を前記基材樹脂と混合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、前記光増感剤を前記医療機器の前記本体と一体化することは、前記本体の表面にコーティングを施すことを含み、前記光増感剤は、前記コーティング内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、前記医療機器は、カテーテルアダプタと、前記カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルとを含み、前記光増感剤を前記医療機器の前記本体と一体化することは、前記カテーテルを、前記光増感剤および他の材料と共押出しすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、前記医療機器が基材樹脂を含み、前記光増感剤を前記医療機器の前記本体と一体化することは、前記基材樹脂に前記光増感剤を吸収させることを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、除染および抗菌耐性を促進する、医療機器および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の光増感剤が存在し、それぞれ、特定の励起波長を持つ。光増感剤の光活性化中、励起可能な電子は、より高いエネルギー準位に昇位させられ、光増感剤は、第1の励起一重項状態に達する。第1の励起された一重項状態は、蛍光を発することによって、または、代わりに、三重項と呼ばれる状態への項間交差のプロセスによって、より低いエネルギー準位に崩壊する。三重項状態は長寿命であり、この特徴により、三重項酸素分子や他の生体分子と反応したり、燐光を発したりすることが可能である。三重項状態の光増感剤がエネルギーを三重項酸素に移すと、一重項酸素と呼ばれる非常に反応性の高い種が生成される。三重項状態の光増感剤と一重項酸素は、どちらも不安定な分子であり、このため、それらは、生体組織では、光増感剤照射後の多価不飽和脂質、核酸、および、タンパク質への損傷の原因となる。
【0003】
三重項状態の光増感剤と生体分子との間の直接反応はタイプ1反応と呼ばれ、このプロセスは光増感剤ブランチングにつながる。三重項状態の光増感剤による一重項酸素の生成は、タイプ2反応と呼ばれ、基底状態の光増感剤を再生する。タイプ1反応とタイプ2反応の両方が細胞を損傷し得るが、タイプ1反応よりもタイプ2反応によって、より重大な損傷が誘発される。
【0004】
カテーテルは、生理食塩水、様々な薬剤、および/または、完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために伝統的に使用される。そのようなカテーテルは、また、患者から血液を抜き取るために、および/または、患者の血管系の様々なパラメータを監視するために使用され得る。カテーテルを患者に導入するために、鋭い遠位先端を含み得る導入針が使用され得る。カテーテルは、導入針上に取り付けられたオーバーザニードル末梢静脈内(IV)カテーテルを含み得る。カテーテルの内面は、導入針の外面と密接に係合して、カテーテルが剥がれるのを防ぎ、血管へのカテーテルの挿入を容易にし得る。導入針の鋭い遠位先端は、カテーテルの遠位先端を越えて延在し、患者の皮膚を通した、血管内への、浅い角度でのカテーテルの挿入を可能にする。
【0005】
血管内における針とカテーテルの適切な配置を確認するために、臨床医は、カテーテルと針の組立体に関連付けられた、フラッシュバックチャンバー内の「フラッシュバック」血液の存在を確認し得る。適切な配置が確認されると、臨床医は、次に、血管に圧力を加えて血管を閉塞し、それにより、導入針とカテーテルを通って流れる、更なる血流を減少させ得る。次いで、臨床医は、カテーテルから針を引き抜いて、カテーテルを通して血管への継続的なアクセスを可能にし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カテーテルは、患者を感染させ、害を及ぼし得る、細菌に影響されやすい。同様に、患者に近接する、超音波装置、ドレッシング、ポンプ、および、その他の医療機器も、他の血管アクセス装置も、患者を感染させ、害を及ぼし得る、細菌に影響されやすい。医療機器の抗菌耐性を高めることができる材料に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示において特許請求される主題は、任意の不都合を解決する実施形態、または、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本開示で説明されるいくつかの実施が実行され得る、一つの例示の技術領域を示すために提供されるにすぎない。
要約
本開示は、概して、除染および抗菌耐性を促進する、医療機器および関連する方法に関する。いくつかの実施形態では、医療機器は、本体と、本体と一体化された光増感剤とを含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ナイルブルー、ローズベンガル、トルイジンブルーO、クリスタルバイオレット、または、別の適切な光増感剤を含み得る。いくつかの実施形態では、本体は、本体と一体化された、複数の光増感剤を含み得る。
【0008】
光増感剤は、さまざまな方法で、本体に一体化され得る。例えば、本体は、基材樹脂で形成され得、光増感剤は、基材樹脂に混合され得る。いくつかの実施形態では、基材樹脂は、ポリフェニルスルホン、ポリウレタン、または、シリコーンを含み得る。いくつかの実施形態では、基材樹脂内の光増感剤の濃度は、0.05%から5%の間であり得る。
【0009】
別の例として、医療機器は、本体の表面に配置されたコーティングを含み得、光増感剤は、コーティング内に配置され得る。いくつかの実施形態では、コーティング内の光増感剤の濃度は、0.05%から5%の間であり得る。さらに別の例として、医療機器は、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルとを含み得る。これらの実施形態では、カテーテルは、光増感剤および別の材料と共押出しされ得る。さらなる例として、本体は、基材樹脂によって形成され得、光増感剤は、基材樹脂に吸収される。
【0010】
いくつかの実施形態では、医療機器は、無針コネクタまたはキャップを含み得る。いくつかの実施形態では、医療機器は、超音波トランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態では、医療機器は、ドレッシング、外科用メッシュ、ポンプ、または、別の適切な医療機器を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、医療機器の消毒方法は、医療機器を提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、本体と一体化された光増感剤に、0.5J/cm2から320J/cm2の間の範囲の光量を投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、光量は、1秒から1時間の間投与され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法は、光増感剤を医療機器の本体と一体化することを含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤を医療機器の本体と一体化することは、光増感剤を基材樹脂と混合することを含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤を医療機器の本体と一体化することは、医療機器の表面にコーティングを適用することを含み得る。いくつかの実施形態では、医療機器は、カテーテルアダプタおよびカテーテルを含み得、光増感剤を医療機器の本体と一体化することは、カテーテルを光増感剤および別の材料と共押出しすることを含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤を医療機器の本体と一体化することは、光増感剤を基材樹脂に吸収させることを含み得る。
【0013】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方が、例および説明であり、特許請求される本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態が、図面に示される構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態が組み合わせられ得ること、または、他の実施形態が利用され得ること、および、そのように特許請求されない限り、構造上の変更が、本開示のいくつかの実施形態の範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0014】
例示的な実施形態は、添付の図面の使用により、追加の具体性および詳細さと共に記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】いくつかの実施形態による、例示的な医療機器の上面斜視図である。
図1B】いくつかの実施形態による、例示的なコーティングを示す、図1Aの医療機器の断面図である。
図2】いくつかの実施形態による、別の例示的な医療機器の上面斜視図である。
図3】いくつかの実施形態による、別の例示的な医療機器の上面斜視図である。
図4】いくつかの実施形態による、別の例示的な医療機器の上面斜視図である。
図5A】いくつかの実施形態による、別の例示的な医療機器の上面斜視図である。
図5B】いくつかの実施形態による、図2Aの医療機器の拡大上方斜視図である。
図6】いくつかの実施形態による、医療機器に光量を提供するための例示的なチャンバの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
次に、図1Aを参照すると、医療機器10が示される。例えば、図1に示されるように、医療機器10は、超音波トランスデューサを含み得る。他の実施形態では、医療機器10は、カテーテル、カテーテルアダプタ、コネクタ、キャップ、超音波トランスデューサ、ドレッシング、外科用メッシュ、ポンプ、または、患者と接触または接近する他の適切な医療機器を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、医療機器10は、本体12と、本体12と一体化された光増感剤とを含み得る。いくつかの実施形態では、本体12は、患者に接触するか、または、患者の近くにある医療機器10の任意の部分を含み得る。いくつかの実施形態では、医療機器10は、超音波トランスデューサを含み得、本体12は、超音波トランスデューサの遠位端14を含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ナイルブルー、ローズベンガル、トルイジンブルーO、クリスタルバイオレット、または、別の適切な光増感剤を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、光増感剤は、さまざまな方法で、本体12と一体化され得る。いくつかの実施形態では、本体12は、基材樹脂によって形成され得、光増感剤は、基材樹脂と混合され得る。いくつかの実施形態では、基材樹脂は、ポリフェニルスルホン、ポリウレタン、シリコーン、または、別の適切な基材樹脂を含み得る。いくつかの実施形態では、基材樹脂内の光増感剤の濃度は、0.05%から5%の間であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、本体12は、基材樹脂によって形成され得、光増感剤は、基材樹脂に吸収され得る。いくつかの実施形態では、吸収は、光増感剤を、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、または、別の適切な溶媒に溶解して溶液を形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、吸収は、本体12を溶液に触れさせることを含み得、その結果、本体12は、溶液を吸収して膨潤する。いくつかの実施形態では、本体12は、ダイを使用して、光増感剤および別の材料と共押出しされ得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、本体12は、光量に応答して、反応性酸化種(ROS)を放出することによって、細菌のコロニー形成に能動的に抵抗し得る。いくつかの実施形態では、0.5J/cm2と320J/cm2との間の範囲であり得る光量が、本体12と一体化された光増感剤に投与され得る。いくつかの実施形態では、光量は、1秒から1時間の間の期間、投与され得る。いくつかの実施形態では、光量は、赤色光(約700-635nm)、黄色光(約590-560nm)、または、UVC光などの紫外(UV)光であり得る。いくつかの実施形態では、本体12は、本体12と一体化された光増感剤に投与され得る周囲光の下で、細菌のコロニー形成に受動的に抵抗し得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、光増感剤が、0.5J/cm2から320J/cm2の範囲の光量に応答して生成するよりも、周囲光に応答して、より低いレベルのROSを生成し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、光量は、光増感剤を活性化し得、光増感剤は、励起可能な電子がより高いエネルギー準位に昇位させられると、第1の励起一重項状態に到達し得る。第1の励起一重項状態は、三重項と呼ばれる状態への項間交差のプロセスによって、より低いエネルギー準位に崩壊し得る。三重項状態は長寿命であり得、この特徴により、光増感剤は三重項酸素分子や他の生体分子と反応することができる。三重項状態の光増感剤がエネルギーを三重項酸素に伝達すると、一重項酸素と呼ばれるROSが生成され得る。三重項状態の光増感剤と一重項酸素はどちらも不安定な分子であり、このため、それらは、本体12に、除染と抗菌耐性を提供し得る。いくつかの実施形態では、さまざまな波長の光が、異なる時間に、本体12に投与され得、および/または、本体12は、異なる波長の光に応答して活性化され得る、複数の光増感剤を含み得る。
【0022】
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、医療機器10は、本体12の表面の全部または一部に配置され得る、コーティング15を含み得る。これらの実施形態では、光増感剤は、コーティング15内に配置され得る。いくつかの実施形態では、光増感剤を医療機器10の本体12と一体化することは、医療機器10の表面にコーティング15を適用することを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティング15内の光増感剤の濃度は、0.05%から5%の間であり得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、ウレタン、ポリウレタン、または、別の適切な溶媒に溶解され得、本体12上で硬化してコーティング15を形成し得る。
【0023】
次に、図2を参照すると、いくつかの実施形態では、医療機器10の本体12は、カテーテルアダプタ16、および/または、カテーテルアダプタ16から遠位に延びるカテーテル18を含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、図1に関して議論された方法のうちの1つまたは複数を介して、本体12と一体化され得る。したがって、いくつかの実施形態では、光増感剤は、基材樹脂と混合されるか、本体12上のコーティング内に配置されるか、基材樹脂に吸収されるか、または、別の材料と共押出され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル18は、光増感剤および別の材料と共押出しされ得る。いくつかの実施形態では、カテーテル18は、末梢静脈内カテーテル、正中カテーテル、または、末梢挿入中心カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル18は、カテーテルアダプタ16内に固定された近位端20と、患者の血管系に挿入するように構成された遠位端22とを含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、延長チューブ24は、カテーテルアダプタ16から延在し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ24の遠位端は、カテーテルアダプタ16のサイドポート26に一体化または結合され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ24の近位端は、Yアダプタまたは別の適切なアダプタを含み得る、アダプタ28と一体化または結合され得る。
【0025】
次に、図3を参照すると、いくつかの実施形態では、医療機器10は、本体12を含み得る、コネクタ29を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ29は、例えば、ニュージャージー州フランクリンレイクスのベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーから入手可能な、SMARTSITE(登録商標)ニードルフリーバルブなどの無針コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ29は、アダプタ28(例えば、図2参照)、特定のカテーテルアダプタに結合された別のアダプタ、特定のカテーテルアダプタのポート、または、別の適切な位置に結合され得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、図1に関して議論された方法のうちの1つまたは複数を介して、本体12と一体化され得る。したがって、いくつかの実施形態では、光増感剤は、基材樹脂と混合されるか、本体12上のコーティング内に配置されるか、基材樹脂に吸収されるか、または、別の材料と共押出しされ得る。
【0026】
次に、図4を参照すると、いくつかの実施形態では、医療機器10は、本体12を含み得る、外科用メッシュ30を含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、図1に関して議論された方法のうちの1つまたは複数を介して、本体12と一体化され得る。したがって、いくつかの実施形態では、光増感剤は、基材樹脂と混合されるか、本体12上のコーティング内に配置されるか、基材樹脂に吸収されるか、または、別の材料と共押出しされ得る。
【0027】
次に、図5A図5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、医療機器10は、本体12を含み得る、皮膚挿入または穿刺部位を介して患者の血管系に挿入される医療機器と共に使用するための、ドレッシング32を含み得る。いくつかの実施形態では、光増感剤は、図1に関して議論された方法のうちの1つまたは複数を介して、本体12と一体化され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ドレッシング32は、患者の皮膚に穴を開け、皮膚から突き出る、医療機器の一部を有する、カテーテル18などの医療機器と共に使用するように構成され得る(例えば、図2を参照)。いくつかの実施形態では、本体12は、本体12が、医療機器の周囲に、および、皮膚の表面上に配置されることを可能にするように構成されたスリット34を含み得、その結果、ドレッシングの本体は、皮膚挿入部位または穿刺部位を取り囲み、皮膚挿入部位または穿刺部位と接触する。いくつかの実施形態では、スリット34は、切断、打ち抜き、または、他の同様の機械的形成技術によって本体12に形成され得る。いくつかの実施形態では、スリット34の幅は、患者の脈管構造内に既に設置された医療機器上への設置を容易にするように適合され得る。いくつかの実施形態では、スリット34は、ドレッシング32が皮膚挿入または穿刺部位において、医療機器を完全に取り囲むことを可能にし得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、本体12は、任意の幾何学的形状を取り得る。いくつかの実施形態では、本体12はディスク形状であり得る。いくつかの実施形態では、本体12の形状は、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形などを含み得る。いくつかの実施形態では、本体12は、光増感剤を含浸させ、または、吸収させ得る、任意の生理学的に適合する材料から製造され得る。いくつかの実施形態では、本体12は、酸化セルロース発泡体、コラーゲン原繊維、アルギン酸ヒドロゲル、または、別の適切な材料から構築され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、本体12は、医療機器の受け入れのための開口36を含み得る。いくつかの実施形態では、スリット34は、開口36から本体12の外周38まで延在し得る。いくつかの実施形態では、スリット34は、本体12が、例えば、カテーテル18(図2参照)などの医療機器が、通過し得る、挿入部位を、完全に取り囲み、挿入部位と、接触することを可能にし得る。
【0031】
次に、図6を参照すると、図には、いくつかの実施形態による、医療機器10に光量を提供するためのチャンバ40が示される。いくつかの実施形態では、チャンバ40は、箱、容器などのカバー42内に配置され得る。いくつかの実施形態では、チャンバ40の1つまたは複数の側面は、ミラー44を含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源46が、チャンバ40内に配置され得る。例えば、光源は、第1の光源46a、第2の光源46b、および、第3の光源46c(これらは、本開示では「光源46」と呼ばれ得る)のうちの、1つまたは複数を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、光源46のそれぞれは、特定の光の波長を有する光量を放射し得る。いくつかの実施形態では、第1の光源46aは第1の波長を放射し得、第2の光源46bは第2の波長を放射し得、第3の光源46cは第3の波長を放射し得る。例えば、第1の光源46aはUVC光を放射し、第2の光源46bは赤色光を放射し、第3の光源46cは黄色光を放射し得る。いくつかの実施形態では、光源46は、発光ダイオード(LED)を含み得る。いくつかの実施形態では、光源46は、互いに異なる時間に、および/または、異なる持続時間の間、活性化され得る。いくつかの実施形態では、光源46の活性化に応答して、本体12と一体化された異なる光増感剤が活性化され得、フリーラジカルの生成と、チャンバ40内に配置された医療機器10の除染をもたらす。
【0033】
本開示で列挙されるすべての例および条件付き言語は、読者が、本開示、および、当該技術を促進するために発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的を意図され、そのような具体的に列挙された例および条件に限定することなく解釈されるべきものである。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および代替が、これに関してなされ得ることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6