(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】安定した液体ガス供給加熱設備
(51)【国際特許分類】
F17C 7/04 20060101AFI20250922BHJP
【FI】
F17C7/04
(21)【出願番号】P 2024039660
(22)【出願日】2024-03-14
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】524098835
【氏名又は名称】台湾日酸股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NIPPON SANSO TAIWAN, INC.
【住所又は居所原語表記】5F.-1, No. 1, Sec. 3, Gongdao 5th Rd., East Dist., Hsinchu City 300042, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丁 漢傑
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-257870(JP,A)
【文献】特開2021-135515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給システムと、上流ガス貯蔵装置と、ガス監視システムと、加熱制御システムと、を含む安定した液体ガス供給加熱設備において、
該ガス供給システムは、内部に複数のバルブを有するガスパネルが設けられているガスキャビネットと、該複数のバルブの開閉を制御できる制御インタフェースを有する電気制御箱とを含み、
該上流ガス貯蔵装置は、
液体ガスが貯蔵されているガス貯蔵タンクと、
該ガス貯蔵タンクと該ガス供給システムとの間に接続される輸送管路と、
該輸送管路に取り付けられてガス圧の変化を検出し、気圧の現在値を継続的に生成できる圧力センサと、
該ガス貯蔵タンクの表面に取り付けられて該ガス貯蔵タンクの温度変化を検出し、温度の現在値を継続的に生成できる温度センサと、
該ガス貯蔵タンクの外部のボトム側に取り付けられて、渦電流を発生し、該ガス貯蔵タンクの内部の該液体ガスを速やかに加熱する、磁束の変化を発生できるマグネトロンユニットを有する電磁加熱装置と、を含み、
該ガス監視システムは、該ガス供給システムに電気的に接続され、該ガスパネルの該複数のバルブを制御でき、
該加熱制御システムは、該ガス供給システム、該上流ガス貯蔵装置及び該ガス監視システムに電気的に接続され、該気圧の現在値を取得するための圧力制御モジュールと、該温度の現在値を取得するための温度制御モジュールと、該圧力制御モジュールと該温度制御モジュールに電気的に接続されるヒューマンマシンインタフェースと、該圧力制御モジュール、該温度制御モジュール及び該電磁加熱装置に電気的に接続される制御モジュールと、を含み、
該圧力制御モジュールは該ヒューマンマシンインタフェースにより圧力パラメータを変更され得、該温度制御モジュールは該ヒューマンマシンインタフェースにより温度パラメータを変更され得、該電磁加熱装置は該制御モジュールによって制御され、自動的にオンオフできる基準超過保護スイッチと、手動で復帰しなければならない異常電源オフスイッチとを有しており、
該温度の現在値と該気圧の現在値の何れかの数値が該圧力パラメータと該温度パラメータの何れかのパラメータ値よりも大きいとき、該基準超過保護スイッチが該制御モジュールにより自動的にオフにされて、該電磁加熱装置は加熱を一時停止し、逆に、該数値が該パラメータ値よりも小さいとき、該基準超過保護スイッチが該制御モジュールにより自動的にオンにされて、該電磁加熱装置は再加熱し、
該ガス供給システム、該ガス監視システム及び該ヒューマンマシンインタフェースは直接該制御モジュールを制御して該異常電源オフスイッチをオフにすることもできるので、ユーザは遠隔で該電磁加熱装置を停止することができることを特徴とする、安定した液体ガス供給加熱設備。
【請求項2】
該加熱制御システムは、該
電磁加熱装置に電気的に接続されて該
電磁加熱装置の運転温度を取得する過熱保護モジュールをさらに含み、該過熱保護モジュールは該運転温度が過負荷時に電源オフ信号を生成し、該電源オフ信号が該制御モジュールに伝送されて該異常電源オフスイッチがオフにされ、装置の温度が高すぎて自ら焼却することを避けることを特徴とする、請求項1に記載の安定した液体ガス供給加熱設備。
【請求項3】
該ガス供給システム、該ガス監視システム及び該加熱制御システムは、それぞれ第1警告モジュール、第2警告モジュール及び第3警告モジュールを有しており、該
圧力パラメータは圧力警告値を含み、該温度パラメータは温度警告値を含み、該気圧の現在値が該圧力警告値を超えた場合、該第1警告モジュール、該第2警告モジュール及び該第3警告モジュールの3者は第1警告通知を同期して生成し、該温度の現在値が該温度警告値を超えた場合、該第1警告モジュール、該第2警告モジュール及び該第3警告モジュールの3者は第2警告通知を同期して生成することを特徴とする、請求項1に記載の安定した液体ガス供給加熱設備。
【請求項4】
該温度警告値及び該圧力警告値は該ヒューマンマシンインタフェースにより初期数値から目標数値に繰り返して設定され得ることを特徴とする、請求項3に記載の安定した液体ガス供給加熱設備。
【請求項5】
該液体ガス供給加熱設備は、補助上流ガス貯蔵装置と、該上流ガス貯蔵装置に対応する第1重量センサと該補助上流ガス貯蔵装置に対応する第2重量センサとを含む重量検知装置と、をさらに含み、該制御モジュールが該第1重量センサ、該第2重量センサ及び該補助上流ガス貯蔵装置にさらに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の安定した液体ガス供給加熱設備。
【請求項6】
該制御モジュールは該第1重量センサと該第2重量センサを介して重量差異比を生成することができ、該重量差異比がデフォルト数値を超えた場合、該制御モジュールにより該圧力パラメータ及び該温度パラメータを自動的に調整して、該上流ガス貯蔵装置の第1気化量及び該補助上流ガス貯蔵装置の第2気化量を制御することで、該重量差異比は該デフォルト数値よりも小さくなっていくことを特徴とする、請求項
5に記載の安定した液体ガス供給加熱設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスのガス供給設備に関し、特にマルチ安全監視機構を有する給気設備に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体分野(例えば、ウエハー、パネル又は発光ダイオード)の製品の製造過程で、何れも加工過程においてある特殊なガス(例えば、NH3、SiH4、N2O…)を使用する必要がある。なかでも、一部は液体ガス(例えば、NH3)である。
【0003】
このため、給気設備の通常の給気方法は独立した空間に加熱装置を設置し、液体ガスの貯蔵されているボンベを購入し、ボンベをガス輸送管路に取り付け、使用時に該加熱装置によりボンベを加熱し、液体ガスを気化させ、該気化したガスをガス供給システム(ガスキャビネット、Gas cabinet)に輸送し、最後にプロセスにおけるマシンのユースポイント(POU、Point Of Use)に入るが、これらの特殊なガスは、通常全て腐食性、自燃性、窒息性等の危険要素を有するので、高純度ガスを安全的に供給するのは半導体工場が優先的に考える点である。
【0004】
周知のように、加熱装置の焼損に対する安全保障施設が多く市販されている。例えば、加熱装置には、加熱装置の温度が高すぎるか、又は焼却されて火事になる状況を検出するための温度検出器又は火炎検出器が設けられており、警告システムに合わせて近くのスタッフに注意して問題を取り除く。このようにすれば、加熱装置が焼却されてガスが外に漏れる等の危険な状況を予防することができる。
【0005】
しかし、従来の給気設備では、問題のある加熱装置を即座に処理できるために、往々にして該加熱装置の近くでスタッフを配置して待機させなければならないが、現代の機器が高精度で発展しているので、特殊な状況が常に発生することはない。このように、長期間該加熱装置でスタッフを配置して待機させることは人力を非常に無駄にする行為となっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主な目的は、マルチ監視機構を有するガス供給加熱設備を提供して、加熱装置が加熱端、給気端及び監視端等の3つの異なる位置で独立した監視及び制御を行うことにより、供給加熱設備全体はよりよい安全防護手段を有することができることである。
【0007】
本発明の副次的な目的は、圧力パラメータと温度パラメータの全てを実際のウエハーの加工要求に応じて加熱端で繰り返して設置でき、ユーザは容易に給気圧力及び防護機構の圧力及び温度条件をリアルタイムに調整できることである。
【0008】
前記目的を実現するために、本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備はガス供給システムと、上流ガス貯蔵装置と、ガス監視システム(GMS、Gas Monitoring System)と、加熱制御システムとを含む。なかでも、該上流ガス貯蔵装置はガス貯蔵タンクと、輸送管路と、圧力センサと、温度センサと、電磁加熱装置とを含む。
【0009】
該ガス供給システムは、内部に複数のバルブを有するガスパネルが設けられているガスキャビネット(Gas cabinet)と、該複数のバルブを制御できる制御インタフェースを有する電気制御箱とを含む。
【0010】
該ガス貯蔵タンクに液体ガスが貯蔵されている。該輸送管路が該ガス貯蔵タンクと該ガス供給システムとの間に接続される。該圧力センサが該輸送管路に取り付けられてガス圧の変化を検出し、気圧の現在値を継続的に生成できる。該温度センサが該ガス貯蔵タンクの表面に取り付けられて該ガス貯蔵タンクの温度変化を検出し、温度の現在値を継続的に生成できる。該電磁加熱装置が該ガス貯蔵タンクの外部のボトム側に取り付けられて、渦電流を発生し、該ガス貯蔵タンクの内部の該液体ガスを速やかに加熱する、磁束の変化を発生できるマグネトロンユニットを有する。
【0011】
該ガス監視システムが該ガス供給システムに電気的に接続され、該ガスパネルの該複数のバルブを制御できる。該加熱制御システムが、該ガス供給システム、該上流ガス貯蔵装置及び該ガス監視システムに電気的に接続され、該加熱制御システムは、該気圧の現在値を取得するための圧力制御モジュールと、該温度の現在値を取得するための温度制御モジュールと、該圧力制御モジュールと該温度制御モジュールに電気的に接続されるヒューマンマシンインタフェースと、該圧力制御モジュール、該温度制御モジュール及び該電磁加熱装置に電気的に接続される制御モジュールとを含む。
【0012】
なかでも、該圧力制御モジュールは該ヒューマンマシンインタフェースにより圧力パラメータを変更され得、該温度制御モジュールは該ヒューマンマシンインタフェースにより温度パラメータを変更され得、該電磁加熱装置は該制御モジュールによって制御され、自動的にオンオフできる基準超過保護スイッチと、手動で復帰しなければならない異常電源オフスイッチとを有している。
【0013】
該温度の現在値と該気圧の現在値の何れかの数値が該圧力パラメータと該温度パラメータの何れかのパラメータ値よりも大きいとき、該基準超過保護スイッチが該制御モジュールにより自動的にオフにされて、該電磁加熱装置は加熱を一時停止し、逆に、該数値が該パラメータ値よりも小さいとき、該基準超過保護スイッチが該制御モジュールにより自動的にオンにされて、該電磁加熱装置は再加熱する。
【0014】
なかでも、該ガス供給システム、該ガス監視システム及び該ヒューマンマシンインタフェースは直接該制御モジュールを制御して該異常電源オフスイッチをオフにすることもできるので、ユーザは遠隔で該電磁加熱装置を停止することができる。
【0015】
該加熱制御システムは、該電磁加熱装置に電気的に接続されて該電磁加熱装置の運転温度を取得する過熱保護モジュールをさらに含み、該過熱保護モジュールは該運転温度が過負荷時に電源オフ信号を生成し、該電源オフ信号が該制御モジュールに伝送されて該異常電源オフスイッチがオフにされ、装置の温度が高すぎて自ら焼却することを避ける。
【0016】
該ガス供給システム、該ガス監視システム及び該加熱制御システムは、それぞれ第1警告モジュール、第2警告モジュール及び第3警告モジュールを有しており、該圧力パラメータは圧力警告値を含み、該温度パラメータは温度警告値を含み、該気圧の現在値が該圧力警告値を超えた場合、該第1警告モジュール、該第2警告モジュール及び該第3警告モジュールの3者は第1警告通知を同期して生成し、該温度の現在値が該温度警告値を超えた場合、該第1警告モジュール、該第2警告モジュール及び該第3警告モジュールの3者は第2警告通知を同期して生成する。
【0017】
該温度警告値及び該圧力警告値は該ヒューマンマシンインタフェースにより初期数値から目標数値に繰り返して設定され得る。
【0018】
該液体ガス供給加熱設備は、補助上流ガス貯蔵装置と、該上流ガス貯蔵装置に対応する第1重量センサと該補助上流ガス貯蔵装置に対応する第2重量センサとを含む重量検知装置と、をさらに含み、該制御モジュールが該第1重量センサ、該第2重量センサ及び該補助上流ガス貯蔵装置にさらに電気的に接続される。
【0019】
該制御モジュールは該第1重量センサと該第2重量センサを介して重量差異比を生成することができ、該重量差異比がデフォルト数値を超えた場合、該制御モジュールにより該圧力パラメータ及び該温度パラメータを自動的に調整し、該上流ガス貯蔵装置の第1気化量及び該補助上流ガス貯蔵装置の第2気化量を制御することで、該重量差異比は該デフォルト数値よりも小さくなっていく。
【0020】
本発明は、該上流ガス貯蔵装置は、警告モジュールに合わせて、該上流ガス貯蔵装置の危険状況の発生を知り次第、即座に現場に駆け付けることができ、しかも該電磁加熱装置が該ガス供給システム、該ガス監視システム及び該加熱制御システムの何れかにより遠隔で監視及び開閉され、給気設備全体の安全性及び利便性を向上することが可能であり、しかも操作者は該電磁加熱装置において継続的に待機する必要がないことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備の第1実施例の概略図である。
【
図2】
図2は第1実施例で圧力パラメータ、温度パラメータを設定する概略的ブロック図である。
【
図3】
図3は第1実施例で気圧の現在値、温度の現在値を伝送する概略的ブロック図である。
【
図5】
図5は第1実施例で制御信号を伝送する概略的ブロック図である。
【
図6】
図6は本発明に係る電磁加熱装置の安全防護機構の概略図である。
【
図7】
図7は本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備の第2実施例の概略図である。
【
図8】
図8は第2実施例で圧力パラメータ、温度パラメータ、重量差設定値を設定する概略的ブロック図である。
【
図9】
図9は第2実施例で気圧の現在値、温度の現在値を伝送する概略的ブロック図である。
【
図11】
図11は第2実施例で制御信号を伝送する概略的ブロック図である。
【
図12】
図12は本発明に係る補助電磁加熱装置の安全防護機構の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の構造、使用及びその特徴をより一層明確で具体的に認識及び理解するために、好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら以下のように詳しく説明する。
【0023】
本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備は、主として液体ガスを用いて加熱方法を介して安定した飽和圧力での標的ガスに気化し、該標的ガスをガス供給システム1に輸送し、最後に該ガス供給システム1により該標的ガスを複数の半導体製造装置に提供する。
【0024】
図1を参照する。本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備は、ガス供給システム1と、上流ガス貯蔵装置2と、ガス監視システム3と、加熱制御システム4とを有する。該ガス監視システム3が監視室に設けられ、該ガス供給システム1、該上流ガス貯蔵装置2及び該加熱制御システム4がガスルーム(Gas room)に設けられ、なかでも、該監視室及びガスルームは、それぞれ半導体工場中の異なる独立した空間に分布している。
【0025】
該ガス供給システム1が該加熱制御システム4及び該ガス監視システム3に電気的に接続され、ガスキャビネット11と電気制御箱12とを含む。該ガスキャビネット11の内部に複数のバルブを有するガスパネルが設けられており、該ガスパネルは該上流ガス貯蔵装置2から該標的ガスを受け、該標的ガスを該複数の半導体製造装置に分配することができ、該電気制御箱12が該ガスキャビネット11に接続され、該複数のバルブの開閉を制御できる制御インタフェース13を有することで、該複数の半導体製造装置は操作者によってその中の一部のみに該標的ガスを供給され得る。
【0026】
該上流ガス貯蔵装置2はガス貯蔵タンク21と、輸送管路22と、圧力センサ23と、温度センサ24と、電磁加熱装置25とを含む。なかでも、該ガス貯蔵タンク21の内部に該液体ガスが貯蔵されている。該輸送管路22が該ガス貯蔵タンク21と該ガス供給システム1との間に接続され、該標的ガスを輸送することに用いられる。該圧力センサ23が該加熱制御システム4に電気的に接続され、該輸送管路22の該ガス貯蔵タンク21に近い一端に取り付けられることで、該ガス貯蔵タンク21の内部における該標的ガスの圧力変化を検出し、気圧の現在値231を継続的に生成して該加熱制御システム4に伝送することができる。該温度センサ24が該加熱制御システム4に電気的に接続され、該ガス貯蔵タンク21の表面に取り付けられてタンクの温度変化を検出し、温度の現在値241を継続的に生成して該加熱制御システム4に伝送することができる。該電磁加熱装置25は同様に該加熱制御システム4に電気的に接続され、該ガス貯蔵タンク21の外部のボトム側に取り付けられ、磁束の変化を発生できるマグネトロンユニットを有しており、該マグネトロンユニットが電磁方法により該ガス貯蔵タンク21の内部の該液体ガスを速やかに加熱することで、該液体ガスは速やかに該標的ガスに気化され得る。
【0027】
該ガス監視システム3は、該ガス供給システム1と該加熱制御システム4に電気的に接続され、しかも該ガスキャビネット11の該複数のバルブが該標的ガスを該目標の複数の半導体製造装置に輸送することを監視できる。
【0028】
図1、及び
図2及び
図3を再び参照する。該加熱制御システム4は、ヒューマンマシンインタフェース41と、圧力制御モジュール42と、温度制御モジュール43と、制御モジュール44とを含む。該ヒューマンマシンインタフェース41は、該圧力制御モジュール42と該温度制御モジュール43に電気的に接続され、操作者が手動で入力することにより圧力パラメータ5と温度パラメータ6を取得することができる。一つの好ましい実施例において、該圧力パラメータ5は圧力設定値51と、数値が該圧力設定値51よりも大きい圧力警告値52とを有し、該温度パラメータ6は温度設定値61と、数値が該温度設定値61よりも大きい温度警告値62とを有する。
【0029】
該圧力制御モジュール42は該圧力センサ23から該気圧の現在値231を取得することができ、それぞれ該加熱制御システム4の該ヒューマンマシンインタフェース41を介して現在の状態での該気圧の現在値231を示すことができる。該温度制御モジュール43は該温度センサ24から該温度の現在値241を取得することができ、該加熱制御システム4の該ディスプレイを介して現在の状態での該温度の現在値241を示すこともできる。
【0030】
なかでも、該圧力設定値51、該圧力警告値52、該温度設定値61、該温度警告値62は全て該ヒューマンマシンインタフェース41により初期数値から目標数値に繰り返して設定され得る。
【0031】
図4A~
図4Cに示される該電磁加熱装置25は、該制御モジュール44により制御され自動的にオンオフできる基準超過保護スイッチ441と、手動で復帰しなければならない異常電源オフスイッチ442とを有する。該基準超過保護スイッチ441と該異常電源オフスイッチ442が電気的に接続され、直列接続の方法で該電磁加熱装置25と電源との間に設けられ、該電磁加熱装置25は該基準超過保護スイッチ441と該異常電源オフスイッチ442が同時にオンにされる場合になって初めて運転できる。
【0032】
なかでも、該ガス供給システム1、該ガス監視システム3及び該ヒューマンマシンインタフェース41は直接該制御モジュール44を制御して該異常電源オフスイッチ442をオフにすることができることで、ユーザは遠隔で該電磁加熱装置25を停止することができる。
【0033】
図5及び
図6を参照する。第1実施例では、該ガス供給システム1は他に第1警告モジュール14を有し、該ガス監視システム3は他に第2警告モジュール31を有し、及び該加熱制御システム4は他に第3警告モジュール45を有する。
【0034】
該気圧の現在値231が該圧力設定値51よりも小さい場合、該圧力制御モジュール42は昇温始動信号71を該制御モジュール44に送信し、該温度の現在値241が該温度設定値61よりも小さい場合、該温度制御モジュール43は該昇温始動信号71を該制御モジュール44に送信する。
【0035】
該気圧の現在値231が該圧力設定値51よりも大きい場合、該圧力制御モジュール42は加熱一時停止信号72を該制御モジュール44に送信し、該温度の現在値241が該温度設定値61よりも大きい場合、該温度制御モジュール43は該加熱一時停止信号72を該制御モジュール44に送信する。
【0036】
なかでも、該制御モジュール44は、それぞれ該圧力制御モジュール42及び該温度制御モジュール43からの該昇温始動信号71を同時に受信して初めて、該基準超過保護スイッチ441を制御してオンにすることで、該電磁加熱装置25は加熱する。しかし、該制御モジュール44は、該圧力制御モジュール42及び該温度制御モジュール43の何れかからの該加熱一時停止信号72を受信する場合、該基準超過保護スイッチ441を制御してオフにすることで、該電磁加熱装置25は加熱を停止する。
【0037】
該気圧の現在値231が該圧力警告値52よりも大きい場合、該圧力制御モジュール42は第1警告信号73を該第1警告モジュール14、該第2警告モジュール31及び該第3警告モジュール45に送信し、3者は第1警告通知を同期して生成する。この場合、該圧力制御モジュール42は同時に電源オフ信号74を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該異常電源オフスイッチ442を制御してオフにすることで、該電磁加熱装置25は電源オフされて加熱を停止し、しかも該異常電源オフスイッチ442が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該電磁加熱装置25の運転を制御することができない。
【0038】
該温度の現在値241が該温度警告値62よりも大きい場合、該温度制御モジュール43は、該第2警告信号75を該第1警告モジュール14、該第2警告モジュール31及び該第3警告モジュール45に送信し、3者は該第2警告通知を同期して生成する。この場合、該温度制御モジュール43は同時に該電源オフ信号74を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該異常電源オフスイッチ442を制御してオフにすることで、該電磁加熱装置25が電源オフされて加熱を停止し、しかも該異常電源オフスイッチ442が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該電磁加熱装置25の運転を制御することができない。
【0039】
なかでも、該加熱制御システム4は、該電磁加熱装置25から運転温度を取得できる過熱保護モジュール46をさらに有する。該運転温度が高すぎる場合、該過熱保護モジュール46は、該電源オフ信号74を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該異常電源オフスイッチ442を制御してオフにすることで、該電磁加熱装置25が電源オフされて加熱を停止し、しかも該異常電源オフスイッチ442が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該電磁加熱装置25の運転を制御することができない。
【0040】
図7を参照する。本発明に係る安定した液体ガス供給加熱設備は、補助上流ガス貯蔵装置8と、該上流ガス貯蔵装置2に合わせる重量センサ26とをさらに含み、該重量センサ26が該ガス貯蔵タンク21の下に取り付けられて、該ガス貯蔵タンク21の重量変化を検出し、重量値261を継続的に生成して該制御モジュール44に伝送することができる。
【0041】
該補助上流ガス貯蔵装置8が該電磁加熱装置25に電気的に接続され、同様に該給気室に設けられる。該補助上流ガス貯蔵装置8は補助ガス貯蔵タンク81と、補助輸送管路82と、補助圧力センサ83と、補助温度センサ84と、補助電磁加熱装置85と、該補助上流ガス貯蔵装置8に合わせる補助重量センサ86とを含む。なかでも、該補助ガス貯蔵タンク81の内部に該液体ガスが貯蔵されている。該補助輸送管路82が該補助ガス貯蔵タンク81と該ガス供給システム1との間に接続され、該標的ガスを輸送することに用いられる。該補助圧力センサ83が該加熱制御システム4に電気的に接続され、該補助輸送管路82の該補助ガス貯蔵タンク81に近い一端に取り付けられることで、該補助ガス貯蔵タンク81の内部における該標的ガスの圧力変化を検出し、補助気圧の現在値831を継続的に生成して該加熱制御システム4に輸送することができる。該補助温度センサ84が該加熱制御システム4に電気的に接続され、該補助ガス貯蔵タンク81の表面に取り付けられてタンクの温度変化を検出し、補助温度の現在値841を継続的に生成して該加熱制御システム4に輸送することができる。該補助電磁加熱装置85は同様に該加熱制御システム4に電気的に接続され、該補助ガス貯蔵タンク81の外部のボトム側に取り付けられて、磁束の変化を発生できる該マグネトロンユニットを有しており、該マグネトロンユニットは電磁方法で該補助ガス貯蔵タンク81の内部の該液体ガスを速やかに加熱することで、該液体ガスは速やかに該標的ガスに気化され得る。該補助重量センサ86が該補助ガス貯蔵タンク81の下に取り付けられて、該補助ガス貯蔵タンク81の重量変化を検出し、補助重量値861を継続的に生成して該制御モジュール44に伝送することができる。
【0042】
図8及び
図9を参照する。該ヒューマンマシンインタフェース41は、該操作者が手動で入力することにより補助圧力パラメータ91、補助温度パラメータ92及び重量差設定値93を取得することができる。一つの好ましい実施例において、該補助圧力パラメータ91は補助圧力設定値911と、補助圧力警告値912とを有しており、該補助温度パラメータ92は補助温度設定値921と、補助温度警告値922とを有する。
【0043】
該圧力制御モジュール42は該圧力センサ23及び該補助圧力センサ83から、それぞれ該気圧の現在値231及び該補助気圧の現在値831を取得することができ、該加熱制御システム4の該ヒューマンマシンインタフェース41により現在の状態での該気圧の現在値231及び該補助気圧の現在値831を示すことができる。
【0044】
該温度制御モジュール43は該温度センサ24及び該補助温度センサ84から、それぞれ該温度の現在値241及び該補助温度の現在値841を取得することができ、該加熱制御システム4の該ヒューマンマシンインタフェース41により現在の状態での該温度の現在値241及び該補助温度の現在値841を示すこともできる。
【0045】
該制御モジュール44は該重量センサ26及び該補助重量センサ86から、それぞれ該重量値261及び該補助重量値861を取得し、該重量値261と該補助重量値861を計算して重量差異値を生成し、該重量差異値と該重量差設定値93を比較することができる。該重量差異が該重量差設定値93を超えた場合、該制御モジュール44は2つのガス貯蔵タンクの自動平衡モードに入り、プログラムが自動的に該圧力制御モジュール42の圧力パラメータ5と補助圧力パラメータ91の一方、及び該温度制御モジュール43の温度パラメータ6と補助温度パラメータ92の一方を調整して、該ガス貯蔵タンク21と該補助ガス貯蔵タンク81の一方の加熱温度を変更して気化量を増加させることで、該ガス貯蔵タンク21と該補助ガス貯蔵タンク81との間の該重量差異を小さくする。
【0046】
なかでも、該温度設定値61、該温度警告値62、該圧力設定値51、該圧力警告値52、該補助温度設定値921、該補助温度警告値922、該補助圧力設定値911、該補助圧力警告値912及び該重量差設定値93は全て該ヒューマンマシンインタフェース41により別の初期数値から別の目標数値に繰り返して設定され得る。
【0047】
図10A~
図10Cを参照する。該補助電磁加熱装置85は該制御モジュール44によって制御され、自動的に開閉できる補助基準超過保護スイッチ443と、手動で復帰しなければならない補助異常電源オフスイッチ444とを有する。該補助基準超過保護スイッチ443と該補助異常電源オフスイッチ444が電気的に接続され、直列接続の方法で該補助電磁加熱装置85と補助電源との間に設けられ、該補助電磁加熱装置85は該補助基準超過保護スイッチ443と該補助異常電源オフスイッチ444が同時にオンにされる場合になって初めて運転できる。
【0048】
図11及び
図12を参照する。該補助気圧の現在値831が該補助圧力設定値911よりも小さい場合、該補助圧力制御モジュール42は補助昇温始動信号76を該制御モジュール44に送信し、該補助気圧の現在値831が該補助圧力設定値911よりも大きい場合、該圧力制御モジュール42は補助加熱一時停止信号77を該制御モジュール44に送信する。
【0049】
該補助温度の現在値841が該補助温度設定値921よりも小さい場合、該温度制御モジュール43は該補助昇温始動信号76を該制御モジュール44に送信し、該補助温度の現在値841が該補助温度設定値921よりも大きい場合、該温度制御モジュール43は該補助加熱一時停止信号77を該制御モジュール44に送信する。
【0050】
なかでも、該制御モジュール44は、それぞれ該圧力制御モジュール42及び該温度制御モジュール43からの該補助昇温始動信号76を同時に受信して初めて、該補助基準超過保護スイッチ441を制御してオンにすることで、該補助電磁加熱装置25は加熱する。しかし、該制御モジュール44が該圧力制御モジュール42及び該温度制御モジュール43の何れかからの該補助加熱一時停止信号77を受信する場合、該制御モジュール44は該基準超過保護スイッチ441を制御してオフにすることで、該電磁加熱装置25は加熱を停止する。
【0051】
該補助気圧の現在値831が該補助圧力警告値912よりも大きい場合、該圧力制御モジュール42は、該第1警告信号73を該第1警告モジュール14、該第2警告モジュール31及び該第3警告モジュール45に送信し、3者は該第1警告通知を同期して生成する。この場合、該圧力制御モジュール42は同時に補助電源オフ信号78を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該補助異常電源オフスイッチ444を制御してオフにすることで、該補助電磁加熱装置85が電源オフされて加熱を停止し、しかも該補助異常電源オフスイッチ444が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該補助電磁加熱装置85の運転を制御することができない。
【0052】
該補助温度の現在値841が該補助温度警告値922よりも大きい場合、該温度制御モジュール43は、該第2警告信号75を該第1警告モジュール14、該第2警告モジュール31及び該第3警告モジュール45に送信し、3者は該第2警告通知を同期して生成する。この場合、該温度制御モジュール43は同時に該補助電源オフ信号78を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該補助異常電源オフスイッチ444を制御してオフにすることで、該補助電磁加熱装置85が電源オフされて加熱を停止し、しかも補助異常電源オフスイッチ444が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該補助電磁加熱装置85の運転を制御することができない。
【0053】
なかでも、該加熱制御システム4の該過熱保護モジュール46はさらに該補助電磁加熱装置85から補助運転温度を取得することができ、該補助運転温度が高すぎる場合、該過熱保護モジュール46は、該電源オフ信号74を該制御モジュール44に送信し、該制御モジュール44は該補助異常電源オフスイッチ444を制御してオフにすることで、該補助電磁加熱装置85が電源オフされて加熱を停止し、しかも該補助異常電源オフスイッチ444が操作者により手動で復帰されるまで、該制御モジュール44は改めて該補助電磁加熱装置85の運転を制御することができない。
【0054】
本発明は該圧力パラメータ5、該気圧の現在値231、該温度パラメータ6、該温度の現在値241、該補助圧力パラメータ91、該補助気圧の現在値831、該補助温度パラメータ92、該補助温度の現在値841を介して異なる安全防護機構を形成し、該第1警告信号73及び該第2警告信号75を該ガス供給システム1、該ガス監視システム3及び該加熱制御システム4の3者に伝えて、多重的に該上流ガス貯蔵装置2を監視することができ、該上流ガス貯蔵装置2の状況を即座に知ることができるだけでなく、該第1警告信号73及び該第2警告信号75を介して、それぞれ該上流ガス貯蔵装置2の問題の由来を速やかに見分けることもできる。なお、該ガス供給システム1、該ガス監視システム3及び該加熱制御システム4は、さらに遠隔で該異常電源オフスイッチ442及び該補助異常電源オフスイッチ444を直接オフにすることができ、多くの危険な状況に対応することができる。
【0055】
一実施例において、操作者が該監視室に位置する場合、該操作者は該ガス監視システム3を介して該上流ガス貯蔵装置2を監視することができ、該第1警告信号73及び該第2警告信号75が生成する場合、現場に行って即時に処理することができる。
【0056】
別の実施例において、操作者が該ガスルームに位置する場合、該ガスキャビネット11のガスが外に漏れ、該標的ガスの生産をすぐに停止する必要がある。該操作者は該電気制御箱12を介して、直接遠隔で該異常電源オフスイッチ442をオフにすることができ、このようにすれば、該電磁加熱装置25と該標的ガスの生産を停止することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 ガス供給システム
11 ガスキャビネット
12 電気制御箱
13 制御インタフェース
14 第1警告モジュール
2 上流ガス貯蔵装置
21 ガス貯蔵タンク
22 輸送管路
23 圧力センサ
231 気圧の現在値
24 温度センサ
241 温度の現在値
25 電磁加熱装置
26 重量センサ
261 重量値
3 ガス監視システム
31 第2警告モジュール
4 加熱制御システム
41 ヒューマンマシンインタフェース
42 圧力制御モジュール
43 温度制御モジュール
44 制御モジュール
441 基準超過保護スイッチ
442 異常電源オフスイッチ
443 補助基準超過保護スイッチ
444 補助異常電源オフスイッチ
45 第3警告モジュール
46 過熱保護モジュール
5 圧力パラメータ
51 圧力設定値
52 圧力警告値
6 温度パラメータ
61 温度設定値
62 温度警告値
71 昇温始動信号
72 加熱一時停止信号
73 第1警告信号
74 電源オフ信号
75 第2警告信号
76 補助昇温始動信号
77 補助加熱一時停止信号
78 補助電源オフ信号
8 補助上流ガス貯蔵装置
81 補助ガス貯蔵タンク
82 補助輸送管路
83 補助圧力センサ
831 補助気圧の現在値
84 補助温度センサ
841 補助温度の現在値
85 補助電磁加熱装置
86 補助重量センサ
861 補助重量値
91 補助圧力パラメータ
911 補助圧力設定値
912 補助圧力警告値
92 補助温度パラメータ
921 補助温度設定値
922 補助温度警告値
93 重量差設定値
【要約】 (修正有)
【課題】マルチ監視機構を有するガス供給加熱設備により、よりよい安全防護手段を提供する。
【解決手段】液体ガス供給加熱設備は、ガス貯蔵タンクのボトム側に取り付けられる電磁加熱装置を有しており、液体ガスを標的ガスに速やかに気化させることができ、圧力制御モジュール及び温度制御モジュールによりガスの温度と圧力を監視し、加熱制御システムを介して電磁加熱装置を制御して標的ガスを安定して供給させる。なかでも、電磁加熱装置は、異なるシステムにより制御され得る1つのオンオフスイッチを有しており、それぞれ、ガス供給システム、加熱制御システム及びガス監視システムの3者により制御されるので、操作者は異なる独立した空間に居ても、電磁加熱装置を監視及び制御し、ガス供給時に温度、圧力をコントロールできないこと、又は温度異常等の危険な状況が出現するのを避けることができる。
【選択図】
図5