(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】縁石用電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20250922BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20250922BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250922BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20250922BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20250922BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H05K5/03 A
G03B15/00 U
G03B17/02
H04N23/51
(21)【出願番号】P 2024151907
(22)【出願日】2024-09-04
【審査請求日】2024-09-04
(32)【優先日】2024-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】523263522
【氏名又は名称】リウ チョー アン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リウ チョー アン
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-034748(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0191355(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2593740(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第115424360(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1989300(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/30
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
G03B 15/00-15/035、15/06-15/16
G03B 17/02、17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延伸する縁石側面と前記縁石側面の上端縁に接する縁石上面と前記縁石上面と前記縁石側面とが接する箇所において凹陥するように形成される収容スロットとを有し、且つ、前記縁石側面の上端縁における前記縁石側面と前記縁石上面とが所定の傾き角度を成す縁石に取り付けられるのに適するように構成される縁石用電子装置であって、
前記収容スロットに収容できるように形成されると共に、内部空間を囲む筐体と、
前記内部空間内に収容可能に構成される電子部品と、
前記筐体が前記収容スロットに収容される際に前記縁石側面の前記上端縁に平行する回転軸線を回転軸として前記筐体に対して揺動可能に前記筐体に枢支されるトップカバーと、を備え、
前記トップカバーの前記筐体に対する揺動で、前記トップカバーのカバー上面を前記縁石の前記縁石上面と面一にすることができる、縁石用電子装置。
【請求項2】
前記トップカバーの前記筐体に対する揺動の回転軸である前記回転軸線は、
前記筐体の上端において前記縁石の前記上端縁に隣接する、請求項1に記載の縁石用電子装置。
【請求項3】
前記トップカバーは、前記回転軸線を回転軸として揺動可能に前記筐体に枢支される上部可動枠と、前記回転軸線を回転軸として揺動可能に前記上部可動枠に枢支されるカバー本体とを有し、
前記上部可動枠は、前記筐体の上端部に隣接するように配置されると共に、
前記筐体側に面する内壁面及び前記内壁面から前記筐体側へ突起する第1のサポートフランジを有する可動壁と、前記可動壁の両端にそれぞれ配置されると共に、前記可動壁が前記回転軸線を回転軸として揺動可能に前記筐体に枢支される2つの第1の枢支部と、を有し、
前記カバー本体は前記カバー上面を有すると共に、前記回転軸線を回転軸として揺動可能に前記上部可動枠に枢支される2つの第2の枢支部が形成され、且つ、少なくとも一部が前記可動壁が有する前記第1のサポートフランジにより下から保持される、請求項1に記載の縁石用電子装置。
【請求項4】
前記可動壁には上下に並ぶ複数の係合孔が形成されており、また、いずれか1つの前記係合孔を通過してから前記筐体に固定される固定部材を用いて前記可動壁の前記筐体に対する揺動を制限する、請求項3に記載の縁石用電子装置。
【請求項5】
前記筐体は左右両端を有すると共に上下に延伸する前側壁と、両端が前記前側壁の前記左右両端に連続して前記前側壁と共に前記電子部品が収容される前記内部空間を囲む周囲壁と、前記周囲壁から前記内部空間の反対側である外側へ突起する第2のサポートフランジとを有するように形成され、
前記トップカバーは、前記筐体に対して前記傾き角度と同じもしくは前記傾き角度より大きい上限角度と前記傾き角度と同じもしくは前記傾き角度より小さい下限角度との間で揺動可能に構成されており、
前記トップカバーが前記下限角度まで揺動すると、前記可動壁の前記第1のサポートフランジは前記第2のサポートフランジにより下から支持され、
前記トップカバーが前記上限角度まで揺動すると、前記可動壁の前記第1のサポートフランジは前記第2のサポートフランジの上方に位置する、請求項3に記載の縁石用電子装置。
【請求項6】
前記筐体は前記内部空間を第1の収容部と第2の収容部とに分ける仕切り壁を有し、そして前記第1の収容部の上方に防水キャップが取り付けられると共に、前記電子部品は前記第1の収容部内に収容される、請求項1に記載の縁石用電子装置。
【請求項7】
前記トップカバーの反対側にある前記筐体のボトム部には、前記内部空間の反対側にある排水空間と、前記内部空間の前記第2の収容部に連通する固定孔と、が形成されており、
また、前記縁石に取り付けられる際に前記縁石側面に隣接する前記筐体の前側に前記排水空間に連通する前排水孔と、前記縁石側面から離れた後側において各前記固定孔の近くに前記内部空間の前記第2の収容部と前記排水空間とを連通させる後排水孔と、が形成されており、
前記縁石に固定されるアンカー部材の前記固定孔を経由して前記第2の収容部内に延伸する先端に固定ナットを取り付けることで、前記筐体を前記縁石に固定することができる、請求項6に記載の縁石用電子装置。
【請求項8】
前記トップカバーの前記カバー上面に係合凹部が形成されている上、前記係合凹部の中心に前記トップカバーを貫通する貫通孔が形成されており、また、
前記縁石用電子装置は、上下に摺動可能に前記筐体及び前記トップカバーに形成される前記貫通孔を貫通するカバー係合ボルトと前記カバー係合ボルトの先端に螺合するカバー係合ナットとからなるカバー係合手段を更に有し、
前記トップカバーは、前記筐体に対して前記傾き角度と同じもしくは前記傾き角度より大きい上限角度と前記傾き角度と同じもしくは前記傾き角度より小さい下限角度との間で揺動可能に構成されており、
前記トップカバーが前記上限角度まで揺動する際に、前記カバー係合手段の前記カバー係合ナットは前記トップカバーに形成される前記係合凹部内に嵌め込まれて前記トップカバーの前記筐体に対する揺動の上限角度を制限する、請求項1に記載の縁石用電子装置。
【請求項9】
前記縁石に取り付けられる際に前記縁石側面に隣接する前記筐体の前側に、前記内部空間に連通するウィンドウが形成されて前記ウィンドウを覆う透明板材が取り付けられており、前記電子部品は前記ウィンドウを経由して外側の画像を撮影するカメラである、請求項1に記載の縁石用電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置に関し、特に、道端の縁石に固定されて用いられる縁石用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縁石とは車道と両側の歩道との間に敷かれることで、歩道にある異物(泥など)が車道に入るのを防止して車道の安全を確保するものである。
【0003】
特許文献1に開示されるカメラ装置は、道端の縁石に固定されて用いられるものであり、カメラ本体が収容されるハウジングの上端は、設置される縁石の上端面と面一になるように構成されている。
【0004】
しかしながら、各地で用いられる縁石の上端面と側面が成す角度は全て同じ(例えば90度)でなく、各種の縁石の形状に個別に対応するハウジングを製造するために生産ラインをそれぞれ設けるのはコストが高すぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は縁石の形状に対応できる範囲が従来より広い縁石用電子装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、上下に延伸する縁石側面(72)と前記縁石側面(72)の上端縁に接する縁石上面(71)と前記縁石上面(71)と前記縁石側面(72)とが接する箇所において凹陥するように形成される収容スロット(73)とを有し、且つ、前記縁石側面(72)の上端縁における前記縁石側面(72)と前記縁石上面(71)とが所定の傾き角度を成す縁石(7)に取り付けられるのに適するように構成される縁石用電子装置であって、前記収容スロット(73)に収容できるように形成されると共に、内部空間(16)を囲む筐体(1)と、前記内部空間(16)内に収容可能に構成される電子部品(2)と、前記筐体(1)が前記収容スロット(73)に収容される際に前記縁石側面(72)の前記上端縁に平行する回転軸線(L)を回転軸として前記筐体(1)に対して揺動可能に前記筐体(1)に枢支されるトップカバー(4)と、を備え、前記トップカバー(4)の前記筐体(1)に対する揺動で、前記トップカバー(4)のカバー上面(421)を前記縁石(7)の前記縁石上面(71)と面一にすることができる、縁石用電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、筐体が縁石の収容スロットに収容される際に縁石側面の上端縁に平行する回転軸線を回転軸として筐体に対して揺動可能に筐体に枢支されるトップカバーを備えるので、縁石の縁石側面と縁石上面とが接する角度がトップカバーの筐体に対する揺動可能範囲内にあれば、この角度に対応してトップカバーのカバー上面を縁石の縁石上面と面一にすることができるので、縁石に設置される際の違和感を減らせると共に、装置が縁石から突出することにより事故や故障が引き起こされることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】縁石に装着される本発明の縁石用電子装置の実施例が示される斜視図である。
【
図2】同実施例が縁石と共に示される分解斜視図である。
【
図3】同実施例における筐体及び固定部材の構成が示される斜視図である。
【
図4】
図3とは異なるアングルで示される同実施例における筐体の斜視図である。
【
図5】縁石に装着される同実施例の一部断面図である。
【
図6】
図5におけるVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】
図5における縁石とは異なる形状を有する縁石に装着される同実施例の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は図面を参照して本発明の各実施例について詳しく説明するが、異なる実施例において、同等する役割を発揮する構成要素に関しては、その構造が全く一致ではない場合においても、同じ符号が付けられる場合があることを理解すべきである。また、以下の説明では図面を基準として「上」「下」「左」「右」「トップ」「ボトム」などの用語が用いられるが、これらは理解しやすいように説明する都合上に用いられるものであり、本発明の実施方法や権利の範囲を制限するものではないことも理解すべきである。
【0011】
図1と
図2に本発明の縁石用電子装置の実施例が示されている。図示のように、本発明の縁石用電子装置は例えば道端の縁石7に取り付けるのに適している。
【0012】
縁石7としては例えば車道とそれに沿う歩道との間に敷かれて境界線を示すものであり、例えば石材やコンクリートにより作成されるものが多い。
【0013】
図示のように、この縁石7は上下に延伸すると共に、前後方向Yの前側に面する縁石側面72と、縁石側面72の左右方向Xに沿って延伸する上端縁に接する縁石上面71と、縁石上面71と縁石側面72とが接する箇所において凹陥するように形成される収容スロット73とを有し、且つ、縁石側面72の上端縁における縁石側面72と縁石上面71とが所定の傾き角度(この例示では90度)を成す構成が示されている。また、収容スロット73は、縁石上面71の前側から下方へ延伸すると共に、左右方向Xにおける両端が縁石側面72に接する円弧面74と、円弧面74の下端に接するスロット下面75とにより囲まれて縁石側面72の前側に向かって開口するように形成されている。
【0014】
本発明の縁石用電子装置は、縁石7の収容スロット73内に収容できるように形成される筐体1と、筐体1内に収容される電子部品2及び防水キャップ3と、筐体1の上端に取り付けられるトップカバー4と、トップカバー4を筐体1に係合してトップカバー4の筐体1に対する揺動可能範囲を制限するカバー係合手段6と、筐体1を縁石7に固定するアンカー部材81と、を有する。
【0015】
図2~
図4に示されるように、筐体1は収容スロット73内に収容できるように形成され、左右方向Xに沿って延伸して左右両端を有すると共に上下に延伸する前側壁11と、両端が前側壁11の左右両端に連続する周囲壁12と、トップカバー4の反対側において前側壁11及び周囲壁12に接するボトム部14と、前側壁11と周囲壁12とボトム部14とにより囲まれて電子部品2が収容される内部空間16と、左右方向Xに沿って内部空間16内において延伸して内部空間16を前後方向Yの前方側にある第1の収容部161と前後方向Yの後方側にある第2の収容部162に分ける仕切り壁15と、周囲壁12から内部空間16の反対側である外側へ突起する第2のサポートフランジ13と、を有するように形成される。
【0016】
図示のように、この実施例において、前側壁11は左右方向Xに平行に延伸して前側に面する平面部113と、平面部113の左右両端において平面部113と鈍角を成す2つの斜面部114とを有することにより、前方に向かって開口するように凹陥するように形成されていると共に、内部空間16に連通する2つのウィンドウ111が2つの斜面部114にそれぞれ形成され、そして2つのウィンドウ111をそれぞれ覆う透明板材(図示せず)が取り付けられている、更に、2つのウィンドウ111の間にある平面部113の下部に2つの前排水孔112が形成されている。なお、ウィンドウ111は平面部113に1つのみ形成することも可能である。
【0017】
周囲壁12の上端はカーブ状に延伸し、そして周囲壁12の内部空間16から離れた端部に前後方向Yに沿って周囲壁12を貫通する第1の通過孔121が形成されている。
【0018】
ボトム部14には内部空間16の第2の収容部162に連通するように上下方向に沿ってボトム部14を貫通する第2の通過孔141と、同じく第2の収容部162に連通するように上下方向に沿って、第2の通過孔141より低い位置でボトム部14を貫通する2つの固定孔142とが形成されている。この構成により、縁石7に固定されるアンカー部材81は固定孔142を経由して第2の収容部162内に進入して第2の収容部162内に配置される固定ナット82と結合することにより、筐体1を縁石7に装着固定することができる。ちなみに、アンカー部材81としては例えばプラグアンカーを用いることができる。
【0019】
また、ボトム部14は内部空間16の反対側、すなわち下側に各前排水孔112に連通する排水空間17を囲む形状に形成されている。更に、ボトム部14の縁石側面72から離れた後側において各固定孔142の近くに、内部空間16の第2の収容部162と排水空間17とを連通させる後排水孔18が2つ形成されている。
【0020】
この構成により、第2の収容部162に溜まる水は後排水孔18を経由して排水空間17に排出し、更に前排水孔112から排水空間17外に排出することができる。なお、前排水孔112および後排水孔18の数は、上記の例ではいずれも2つであるが、これに限らない。
【0021】
電子部品2は内部空間16の第1の収容部161内に収容され、この実施例においてはウィンドウ111を経由して外側の画像を撮影するカメラが電子部品2として構成されるが、本発明としてはこれに限らず、例えばプロジェクターもしくは他の電子部品を用いることも可能である。また、カメラとしての電子部品2が撮影した画像を例えば有線/無線通信装置でネットワーク上のサーバーに送信することで、例えば駐車状況を管理するシステムの一部として稼働することができる。
【0022】
防水キャップ3としてはゴム材料で構成されることが可能であり、内部空間16の第1の収容部161の上端に水密に取り付けられることにより、水気が第1の収容部161に進入して第1の収容部161内に収容される電子部品2に悪影響を与えることを防止する。
【0023】
図1と
図2と
図5に示されるように、トップカバー4は、筐体1が収容スロット73に収容される際に縁石側面72の上端縁に平行する、即ち本実施形態では上端縁に隣接し且つ左右方向Xに平行する回転軸線Lを回転軸として筐体1に対して揺動可能に筐体1に枢支されると共に、筐体1に対して上述の傾き角度と同じもしくは傾き角度より大きい上限角度と傾き角度と同じもしくは傾き角度より小さい下限角度との間で揺動可能に構成される。
【0024】
この実施例において、トップカバー4は、回転軸線Lを回転軸として揺動可能に筐体1に枢支される上部可動枠51と、回転軸線Lを回転軸として揺動可能に上部可動枠51に枢支されるカバー本体42とを有する。上部可動枠51は、筐体1の上端部に隣接するように配置されると共に、筐体1側に面する内壁面513及び内壁面513から筐体1側へ突起する第1のサポートフランジ514を有する可動壁512と、可動壁512の両端にそれぞれ配置されると共に、可動壁512が回転軸線Lを回転軸として揺動可能に筐体1の前側壁11に取り付けられる枢支ねじ43に枢支される2つの第1の枢支部511と、を有する。
【0025】
カバー本体42はカバー上面421を有すると共に、回転軸線Lを回転軸として揺動可能に上部可動枠51に枢支される2つの第2の枢支部41が形成され、且つ、少なくとも一部が可動壁512が有する第1のサポートフランジ514により下から保持される。
【0026】
すなわち、トップカバー4が下限角度(
図5参照)まで揺動すると、可動壁512の第1のサポートフランジ514は第2のサポートフランジ13により下から支持される。
【0027】
左右1つずつの枢支ねじ43は、それぞれ回転軸線Lに一致するように配置されて前側壁11に取り付けられると共に、上部可動枠51の第1の枢支部511と、カバー本体42の第2の枢支部41とを通過する。
【0028】
更に、トップカバー4のカバー上面421に係合凹部423が形成されている上、係合凹部423の中心にトップカバー4を貫通する貫通孔424が形成されている。
【0029】
カバー係合手段6は、上下に摺動可能に筐体1に形成される第2の通過孔141及びトップカバー4に形成される貫通孔424を貫通するカバー係合ボルト61とカバー係合ボルト61の先端に螺合するカバー係合ナット62とからなる。
【0030】
カバー係合ナット62としてこの実施形態では六角形のナットが用いられるが、例えば特注により六角形ではない変則的な輪郭形状を有するナットを用いてそれに対応するスパナ以外では動かせない構成を用いることで、盗難や破壊を防止することも可能である。
【0031】
この構成により、トップカバー4が上限角度まで揺動する際に、トップカバー4が上限角度(
図7参照)まで揺動すると、可動壁512の第1のサポートフランジ514は第2のサポートフランジ13の上方に位置すると共に、カバー係合手段6のカバー係合ナット62はトップカバー4に形成される係合凹部423内に嵌め込まれてトップカバー4の筐体1に対する揺動の上限角度を制限する。なお、トップカバー4の筐体1に対する揺動の下限角度は、上部可動枠51が筐体1の前側壁11及び周囲壁12に乗せられる際の角度に該当する。
【0032】
また、上部可動枠51の可動壁512には、筐体1の周囲壁12に形成される第1の通過孔121に対応し、且つ、上下に並ぶ複数の係合孔515が形成されており、そしていずれか1つの係合孔515を通過してから筐体1の周囲壁12に形成される第1の通過孔121に挿入して固定される固定部材52を用いて可動壁512の筐体1に対する揺動を一時的に制限可能な構成になっている。なお、この実施例における係合孔515の数は3である。
【0033】
また、この実施形態においてトップカバー4が揺動可能な上限角度と下限角度の差はおよそ8°であるが、例えばカバー係合手段6が有するカバー係合ボルト61及び上部可動枠51が有する可動壁512の長さと、可動壁512に形成される係合孔515の数や位置を変更することで、トップカバー4が揺動可能な角度範囲を必要に応じて、例えば30°といったように変更することができる。
【0034】
上記をまとめると、本発明のトップカバー4は揺動可能に構成されるので、設置される縁石7の縁石側面72と縁石上面71とが成す傾き角度に合わせて揺動することができると共に、固定部材52が上部可動枠51の可動壁512に形成されるいずれか1つの係合孔515に選択的に挿入して上部可動枠51を係合することができるので、
図5と
図7に示されるように、縁石7の縁石側面72と縁石上面71とが成す傾き角度がトップカバー4のカバー係合手段6により決められる上限角度と、上部可動枠51が筐体1の前側壁11及び周囲壁12に乗せられる際の下限の範囲(揺動可能範囲)内にある限り、上部可動枠51により下から支持されるカバー本体42が有するカバー上面421を縁石7の縁石上面71と面一にすることができるので、本発明の目的を確実に達成することができ、縁石に設置される際の違和感を減らせると共に、装置が縁石から突出することにより事故や故障が引き起こされることを防ぐことができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 筐体
11 前側壁
111 ウィンドウ
112 前排水孔
113 平面部
114 斜面部
12 周囲壁
121 第1の通過孔
13 第2のサポートフランジ
14 ボトム部
141 第2の通過孔
142 固定孔
15 仕切り壁
16 内部空間
161 第1の収容部
162 第2の収容部
17 排水空間
18 後排水孔
2 電子部品
3 防水キャップ
4 トップカバー
41 第2の枢支部
42 カバー本体
421 カバー上面
423 係合凹部
424 貫通孔
43 枢支ねじ
51 上部可動枠
511 第1の枢支部
512 可動壁
513 内壁面
514 第1のサポートフランジ
515 係合孔
52 固定部材
6 カバー係合手段
61 カバー係合ボルト
62 カバー係合ナット
7 縁石
71 縁石上面
72 縁石側面
73 収容スロット
74 円弧面
75 スロット下面
81 アンカー部材
82 固定ナット
L 回転軸線
X 左右方向
Y 前後方向
【要約】
【課題】縁石の形状に対応できる範囲が従来より広い縁石用電子装置の提供。
【解決手段】上下に延伸する縁石側面72と縁石側面72の上端縁に接する縁石上面71と縁石上面71と縁石側面72とが接する箇所において凹陥するように形成される収容スロット73とを有し、且つ、縁石側面72の上端縁における縁石側面72と縁石上面71とが所定の傾き角度を成す縁石7に取り付けられるのに適するように構成される縁石用電子装置であって、収容スロット73に収容できるように形成されると共に、内部空間を囲む筐体1と、筐体1が収容スロット73に収容される際に縁石側面72の上端縁に平行する回転軸線を回転軸として筐体1に対して揺動可能に筐体1に枢支されるように構成されるトップカバー4と、を備え、トップカバー4の筐体1に対する揺動で、トップカバー4のカバー上面421を縁石7の縁石上面71と面一にすることができる。
【選択図】
図1