(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】レーザ励起高強度白色光源を製造するためのアキシコンレンズと組み合わせた環状蛍光体
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20250922BHJP
【FI】
F21S2/00 340
(21)【出願番号】P 2025513618
(86)(22)【出願日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2023073869
(87)【国際公開番号】W WO2024052198
(87)【国際公開日】2024-03-14
【審査請求日】2025-05-01
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン ヒューゴ ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヴドヴィン オレクサンドル ヴァレンティノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-063292(JP,A)
【文献】特開2014-112108(JP,A)
【文献】特開平8-006175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0057147(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0260513(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268399(US,A1)
【文献】国際公開第2021/160573(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-19/00
F21V 1/00-17/20
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光生成デバイスと、ルミネッセンス体と、熱伝導性要素と、アキシコン様光学要素とを含む、光生成システムであって、
前記第1の光生成デバイスは、第1のデバイス光を生成するように構成され、前記第1の光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含み、
前記ルミネッセンス体は、前記第1のデバイス光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されるルミネッセンス材料を含み、前記ルミネッセンス体は環状形状を有し、
前記熱伝導性要素は、(a)前記ルミネッセンス体の少なくとも一部と熱的に接触するように構成され、(b)前記第1のデバイス光及び前記ルミネッセンス材料光のうちの1つ以上に対して反射性であり、
前記アキシコン様光学要素は、第1の部分及び第2の部分を含み、光学要素長(L)を有し、前記第1の部分は、円錐形状、第1の長さ(L1)を有し、第1の端部窓を含み、前記第2の部分は、シリンダ形状、第2の長さ(L2)を有し、第2の端部窓を含み、0.7≦L2/L<1であり、
前記アキシコン様光学要素は、(a)前記第1の部分を介して前記第1のデバイス光の少なくとも一部を受ける及び前記第2の部分を介して第1のデバイス光の環状ビームを前記ルミネッセンス体に提供する、及び(b)前記第2の部分を介して前記ルミネッセンス材料光の少なくとも一部を集める及び前記第1の部分を介してルミネッセンス材料光のビームを提供する、
ように構成される、光生成システム。
【請求項2】
前記第2の部分は、前記第1の部分から前記第2の端部窓への方向において前記第2の長さの少なくとも一部にわたって先細りになっている、請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記第1の端部窓は、最大の第1の窓半径(R
w1)を有し、前記第2の端部窓は、第2の窓半径(R
W2)を有し、0.5≦R
W2/R
W1≦0.98であり、0.8≦L2/L<1である、請求項2に記載の光生成システム。
【請求項4】
当該光生成システムは、前記第2の端部窓から脱出する前記第1のデバイス光の一部が、前記熱伝導性要素及び前記ルミネッセンス体のうちの1つ以上で反射される、反射後に前記第2の端部窓を介して前記アキシコン様光学要素に入る、及び前記ルミネッセンス材料光の少なくとも一部と共に、前記第1の端部窓を介して前記アキシコン様光学要素から脱出するように構成され、第1のデバイス光及びルミネッセンス材料光を含む光ビームを提供する、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項5】
当該光生成システムはさらに、第1のオプティクスを含み、前記第1の端部窓は、最大の第1の窓円形断面(A
w1)を有し、前記第1のオプティクスは、前記最大の第1の窓円形断面(A
w1)に平行に定義される、オプティクス断面(A
o1)を有する、ダイクロイックミラーを含み、A
o1/A
w1≦0.5である、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記第1の光生成デバイス及び前記第1のオプティクスは、前記第1の端部窓においてポンプビーム円形断面(A
p)を有する第1のデバイス光のビームを提供するように構成され、前記第1の端部窓は、請求項5で定義される最大の第1の窓円形断面(A
w1)を有し、A
p/A
w1≦0.8である、請求項5に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記ルミネッセンス体と前記第2の端部窓との間の第1の距離は、0~0.1*Lの範囲から選択される、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記ルミネッセンス体及び前記第2の端部窓は、光学的に接触するように構成され、前記ルミネッセンス体は、ルミネッセンス体外側半径(R
Lo)及びルミネッセンス体内側半径(R
Li)を有し、前記第2の端部窓は、第2の窓半径(R
W2)を有し、R
Lo>R
Liであり、0.85≦R
Lo/R
W2<1である、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記熱伝導性要素は、前記ルミネッセンス体の少なくとも一部を受け入れる環状スリットを含み、前記ルミネッセンス体は、前記第2の端部窓に向けられる第1の面、側面、及び前記第2の端部窓から最も離れて構成される底面を有し、前記側面、及び前記底面は、前記熱伝導性要素と熱的に接触するように構成される、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記熱伝導性要素は、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、及び二相冷却デバイスを含む群から選択される、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記ルミネッセンス材料は、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記ルミネッセンス体は、セラミック体を含む、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記第1の光生成デバイスは、青色発光ダイオードレーザを含む、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項14】
当該光生成システムはさらに、ビームコンバイナと、第2の光生成デバイスとを含み、前記第2の光生成デバイスは、前記第1のデバイス光の第1のスペクトルパワー分布とは異なる第2のスペクトルパワー分布を有する、第2のデバイス光を生成するように構成され、前記第2のデバイス光は、オレンジ色~赤色の波長範囲内の強度を有し、前記ビームコンバイナは、前記第1の端部窓の下流の第1のルミネッセンス材料光と、前記第2のデバイス光とを合成するように構成され、当該光生成システムは、前記合成された第1のルミネッセンス材料光、第1のデバイス光、及び第2のデバイス光の少なくとも一部を含むシステム光を生成するように構成され、当該光生成システムの動作モードにおいて、前記システム光は白色光である、請求項1
又は2に記載の光生成システム。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、光化学反応装置、及び光無線通信デバイスの群から選択される照明デバイスであって、請求項1
又は2に記載の光生成システムを含む、照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、及びこのような光生成システムを含む光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
固体照明は当技術分野で知られている。例えば、US7,165,871 B2は、光を発生する灯具であって、光を発生する半導体発光素子と、半導体発光素子から離間して設けられた、蛍光材料と、半導体発光素子が発生する光を、蛍光材料に集光する第1光学部材と、蛍光材料が設けられている位置に光学的中心を有し、第1光学部材により集光された光に基づく蛍光材料からの光を、灯具の外部に照射する第2光学部材とを備える、灯具を述べている。灯具は、車両の前照灯として用いられ、第2光学部材は、前照灯の明るい領域と暗い領域との境界を定めるカットラインの少なくとも一部を形成するように、蛍光材料からの光を灯具の外部に照射する。この文献はさらに、自動車フロントライト用途に使用される発光モジュールに統合されるレーザ、蛍光体、及びリフレクタの組み合わせを述べている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レーザベースの光源は、相対的に小さな発光エリアから相対的に高い光束を生成する可能性があるため、多くの関心を集めている。これらの光源の高い輝度は、オプティクスによる光分布のより精密な制御及び小型化を容易にする可能性がある。さらに、良好な演色性を備える、色空間/CCTの広い範囲において調整可能な、全般照明用途のための高輝度光源を有することが望まれる場合がある。通常、色調整機能を得るためには、(例えば、異なる蛍光体、直接発光体(direct emitter)からの異なる原色(例えばRGB)、又はそれらの組み合わせを備える様々な光源である)異なる開始カラーポイント(starting color point)を持つ幾つかの光源の組み合わせが必要とされ得る。高輝度の色調整可能光源を作成するためには、これらの複数の光源が、良好な色混合で、エテンデュ(etendue)のさらなる増加なしに、光学的に組み合わされる必要があり得る。しかしながら、直接RGBレーザを備えるシステムの場合、例えば、レーザラインの固有の狭いスペクトル幅に起因して、及び/又は例えば或る特定の限られたスペクトル範囲に対する、実際的制限に起因して、非現実的な一次レーザ波長の要件がない限り、複数の光源の光学的な組み合わせは、多くの場合、相対的に低いCRIをもたらす。さらに、2つ以上の蛍光体変換器を備えるシステムの場合、エテンデュが、(少なくともx2倍等の)大幅に増加する傾向があり、これは、高輝度用途には望ましくない可能性がある。さらに、従来技術のシステムは、マルチチャネルドライバ及び/又は追加の色混合を必要とする場合がある。さらに、特殊機器を必要とするのではなく、一般に入手可能な光源を使用することが望ましい場合がある。
【0004】
比較的コンパクトであり得る及び/又は比較的高い強度を提供し得る照明デバイスへの要望があるようである。さらに、例えばレーザ等、高強度ポンプ光源を使用することにより、このような高い光強度が可能となり得るように、このような照明デバイスの熱管理が十分であることが望ましいようである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、代替光生成システム(及び/又は(このような光生成システムを含む)照明デバイス)を提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、さらに、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを目的として有してもよい。
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、第1の光生成デバイスと、ルミネッセンス体と、熱伝導性要素と、アキシコン様光学要素(axicon-like optical element)とを含む、光生成システム(「システム」)を提供する。特に、第1の光生成デバイスは、第1のデバイス光を生成するように構成される。特定の実施形態において、第1の光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含んでもよい。さらに、特にルミネッセンス体は、第1のデバイス光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されてもよいルミネッセンス材料を含む。特定の実施形態において、ルミネッセンス体は、環状形状を有してもよい。ある実施形態において、熱伝導性要素は、ルミネッセンス体の少なくとも一部と熱的に接触するように構成されてもよい。特定の実施形態において、熱伝導性要素は、第1のデバイス光及びルミネッセンス材料光のうちの1つ以上に対して反射性であってもよい。特定の実施形態において、アキシコン様光学要素は、第1の部分及び第2の部分を含んでもよく、光学要素長(L)を有してもよい。さらに特定の実施形態において、第1の部分は、円錐形状を有してもよく、第1の長さ(L1)を有してもよく、第1の端部窓を含んでもよい。さらに、さらに特定の実施形態において、第2の部分は、シリンダ形状(cylindrical shape)を有してもよく、第2の長さ(L2)を有してもよく、第2の端部窓を含んでもよい。特に、ある実施形態では、0.7≦L2/L<1が適用されてもよい。特定の実施形態において、アキシコン様光学要素は、第1の部分を介して第1のデバイス光の少なくとも一部を受ける及び第2の部分を介して第1のデバイス光の環状ビームをルミネッセンス体に提供するように構成されてもよい。特定の実施形態において、アキシコン様光学要素はまた、第2の部分を介してルミネッセンス材料光の少なくとも一部を集める(collect)及び第1の部分を介してルミネッセンス材料光のビームを提供するように構成されてもよい。それゆえ、本発明は、特に、第1の光生成デバイスと、ルミネッセンス体と、熱伝導性要素と、アキシコン様光学要素とを含む、光生成システムであって、(A)第1の光生成デバイスは、第1のデバイス光を生成するように構成され、第1の光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含み、(B)ルミネッセンス体は、第1のデバイス光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されるルミネッセンス材料を含み、ルミネッセンス体は環状形状を有し、(C)熱伝導性要素は、(a)ルミネッセンス体の少なくとも一部と熱的に接触するように構成され、(b)第1のデバイス光及びルミネッセンス材料光のうちの1つ以上に対して反射性であり、(D)アキシコン様光学要素は、第1の部分及び第2の部分を含み、光学要素長(L)を有し、第1の部分は、円錐形状、第1の長さ(L1)を有し、第1の端部窓を含み、第2の部分は、シリンダ形状、第2の長さ(L2)を有し、第2の端部窓を含み、0.7≦L2/L<1であり、(E)アキシコン様光学要素は、(a)第1の部分を介して第1のデバイス光の少なくとも一部を受ける及び第2の部分を介して第1のデバイス光の環状ビームをルミネッセンス体に提供する、及び(b)第2の部分を介してルミネッセンス材料光の少なくとも一部を集める及び第1の部分を介してルミネッセンス材料光のビームを提供するように構成される、光生成システムを提供する。
【0007】
このようなシステムでは、比較的高い強度を有する光を提供することが可能であり得る。さらに、このようなシステムでは、ルミネッセンス材料をポンピングするために高強度の光源を使用することが可能であり得る。さらに、このようなシステムは、比較的コンパクトであり得る。ある実施形態では、このようなシステムで白色(システム)光を提供することも可能であり得る。
【0008】
上述したように、本発明は、第1の光生成デバイスと、ルミネッセンス体と、熱伝導性要素と、アキシコン様光学要素とを含む、光生成システムを提供する。以下、これらについて説明する。
【0009】
光生成デバイスは、特に、デバイス光を生成するように構成されてもよい。特に、光生成デバイスは、光源を含んでもよい。光源は、特に、光源光を生成するように構成されてもよい。ある実施形態において、デバイス光は、本質的に、光源光から成ってもよい。他の実施形態では、デバイス光は、本質的に、変換光源光から成ってもよい。さらに他の実施形態では、デバイス光は、(未変換)光源光と変換光源光とを含んでもよい。光源光は、ルミネッセンス材料でルミネッセンス材料光に変換されてもよく、及び/又はアップコンバータでアップコンバートされた光に変換されてもよい(下記も参照)。「光生成デバイス(light generating device)」という用語はまた、本質的に同じスペクトルパワー分布を有するデバイス光を提供し得る複数の光生成デバイスを指してもよい。特定の実施形態において、「光生成デバイス」という用語はまた、異なるスペクトルパワー分布を有するデバイス光を提供し得る複数の光生成デバイスを指してもよい。
【0010】
「光源(light source)」という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関してもよい。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。特定の実施形態において、光源は、(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ(diode laser)」)等の)固体LED光源を含む。「光源」という用語はまた、2~2000個の(固体)LED光源等、複数の光源に関してもよい。したがって、LEDという用語はまた、複数のLEDを指してもよい。さらに、「光源」という用語はまた、ある実施形態では、所謂チップオンボード(chip-on-board)(COB)光源を指してもよい。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCB等、基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。したがって、複数の発光半導体光源が同じ基板に構成されてもよい。ある実施形態において、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0011】
「光源」という用語はまた、チップスケールパッケージ(chip scaled package)(CSP)を指してもよい。CSPは、ルミネッセンス材料を含む層が上に設けられた単一の固体ダイを含んでもよい。「光源」という用語はまた、ミッドパワーパッケージ(midpower package)を指してもよい。ミッドパワーパッケージは、1つ以上の固体ダイを含んでもよい。ダイは、ルミネッセンス材料を含む層によって覆われてもよい。ダイ寸法は、例えば0.2~2mmの範囲内等、2mm以下であってもよい。したがって、ある実施形態では、光源は固体光源を含む。さらに、特定の実施形態において、光源は、チップスケールパッケージLED(chip scale packaged LED)を含む。ここで、「光源」という用語はまた、特に、ミニサイズ又はマイクロサイズを有する等、小さな固体光源を指してもよい。例えば、光源は、ミニLED及びマイクロLEDのうちの1つ以上を含んでもよい。特に、ある実施形態では、光源は、複数のマイクロLED(micro LEDs)又は「マイクロLED(microLEDs)」又は「μLED(μLEDs)」を含む。ここで、ミニサイズ(mini size)又はミニLED(mini LED)という用語は、特に、100μm~1mmの範囲から選択される寸法、例えばダイ寸法、特に長さ及び幅を有する固体光源を示す。ここで、μサイズ(μ size)又はマイクロLED(micro LED)という用語は、特に、100μm以下の範囲から選択される寸法、例えばダイ寸法、特に長さ及び幅を有する固体光源を示す。
【0012】
光源は、光脱出面(light escape surface)を有してもよい。電球又は蛍光灯等の従来の光源に関しては、光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であってもよい。LEDの場合、光脱出面は、例えばLEDダイであってもよく、又はLEDダイに樹脂が塗布される場合、樹脂の外面であってもよい。原理上、光脱出面は、ファイバの終端であってもよい。脱出面という用語は、特に、光源の、光が実際に光源から出る(脱出する)部分に関する。光源は、光ビームを提供するように構成される。(斯くして)この光ビームは、光源の光出口面(light exit surface)から脱出する。
【0013】
同様に、光生成デバイスは、端部窓(end window)等、光脱出面を含んでもよい。さらに、同様に、光生成システムは、端部窓等、光脱出面を含んでもよい。
【0014】
「光源」という用語は、発光ダイオード(light emitting diode)(LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode)(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(vertical cavity laser diode)(VCSEL)、端面発光レーザ(edge emitting laser)等、半導体発光デバイスを指してもよい。「光源」という用語はまた、パッシブマトリクス(passive-matrix)(PMOLED)又はアクティブマトリクス(active-matrix)(AMOLED)等、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode)(OLED)を指してもよい。特定の実施形態において、光源は、(LED又はレーザダイオード等の)固体光源を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。「光源」又は「固体光源(solid state light source)」という用語はまた、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)(SLED)を指してもよい。
【0015】
「LED」という用語はまた、複数のLEDを指してもよい。
【0016】
「光源」という用語はまた、2~2000個の固体光源等、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関してもよい。ある実施形態において、光源は、LED等、単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(すなわち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよい。ある実施形態において、光源は、オンチップオプティクスを有するLEDを含んでもよい。ある実施形態において、光源は、(ある実施形態ではオンチップビームステアリングを提供する)(オプティクスを有する又は有さない)ピクセル化された単一のLEDを含む。
【0017】
ある実施形態において、光源は、例えば、青色LED等、青色光源、又は緑色LED等、緑色光源、及び赤色LED等、赤色光源等、それ自体として使用される一次放射線を提供するように構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体(phosphor)」)を含まないことがある、このようなLEDは、ダイレクトカラーLED(direct color LED)として示されてもよい。
【0018】
しかしながら、他の実施形態では、光源は、一次放射線を提供するように構成されてもよく、一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づいてもよい。それゆえ、二次放射線はまた、ルミネッセンス材料放射線として示されてもよい。ルミネッセンス材料は、ある実施形態では、ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス材料層又はドームを有するLED等、光源に含まれてもよい。このようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LED(phosphor converted LED)として示されてもよい。他の実施形態では、ルミネッセンス材料は、LEDのダイと物理的に接触しないルミネッセンス材料層を有するLED等、光源から幾らかの距離を置いて(「リモートに(remote)」)構成されてもよい。したがって、特定の実施形態において、光源は、動作中、少なくとも、380~470nmの範囲から選択される波長において光を発する光源であってもよい。しかしながら、他の波長も可能であり得る。この光は、部分的に、ルミネッセンス材料によって変換されてもよい。
【0019】
ある実施形態において、光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を含んでもよい。ある実施形態において、光生成デバイスは、PC LEDを含んでもよい。他の実施形態では、光生成デバイスは、直射LED(direct LED)(すなわち、蛍光体なし)を含んでもよい。ある実施形態において、光生成デバイスは、レーザダイオード等、レーザデバイスを含んでもよい。ある実施形態において、光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオードを含んでもよい。したがって、特定の実施形態において、光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードの群から選択されてもよい。他の実施形態では、光源は、LEDを含んでもよい。
【0020】
光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されてもよい。光源光は、ある実施形態では、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有してもよい。
【0021】
「光源」という用語は、(斯くして、)例えば固体光源等、光生成要素それ自体を指してもよく、又は例えば、固体光源等、光生成要素、並びにルミネッセンス材料を含む要素、及びレンズ、コリメータ等、(他の)オプティクスのうちの1つ以上のパッケージを指してもよい。光変換要素(「変換要素(converter element)」又は「変換器(converter)」)は、ルミネッセンス材料を含む要素を含んでもよい。例えば、青色LED等、固体光源それ自体は、光源である。青色LEDと光変換要素との組み合わせ等、(光生成要素としての)固体光源と、固体光源に光学的に結合される光変換要素との組み合わせも光源であってもよい(が、光生成デバイスとして示されてもよい)。したがって、白色LEDは、光源である(が、例えば(白色)光生成デバイスとして示されてもよい)。
【0022】
「光源」という用語はまた、本明細書において、LED又はレーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオード等、固体光源を含む光源を指してもよい。
【0023】
「光源」という用語はまた、(斯くして、)ある実施形態では、ルミネッセンス変換材料と組み合わせた光源等、光の変換に(も)基づく光源を指してもよい。したがって、「光源」という用語はまた、LEDと、LEDの放射線の少なくとも一部を変換するように構成されるルミネッセンス材料の組み合わせ、又は(ダイオード)レーザと、(ダイオード)レーザの放射線の少なくとも一部を変換するように構成されるルミネッセンス材料の組み合わせを指してもよい。
【0024】
ある実施形態において、「光源」という用語はまた、LED等、光源と、光源によって生成される光のスペクトルパワー分布を変化させ得る、光学フィルタとの組み合わせを指してもよい。特に、「光生成デバイス」という用語は、光源、並びに光学フィルタ及び/又はビーム成形要素等、さらなる光学的構成要素を扱うために使用されてもよい。
【0025】
「異なる光源(different light sources)」又は「複数の異なる光源(a plurality of different light sources)」という語句、及び同様の語句は、ある実施形態では、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指してもよい。同様に、「同一の光源(identical light sources)」又は「複数の同じ光源(a plurality of same light sources)」という語句、及び同様の語句は、ある実施形態では、同じビンから選択される複数の固体光源を指してもよい。
【0026】
「固体光源」又は「固体材料光源(solid state material light source)」という用語、及び同様の用語は、特に、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、又はスーパールミネッセントダイオード等、半導体光源を指してもよい。
【0027】
「レーザ光源(laser light source)」という用語は、特に、レーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300~1500nm等、200~2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するように構成されてもよい。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。
【0028】
特に、ある実施形態において、「レーザ」という用語は、固体レーザを指してもよい。特定の実施形態において、「レーザ」若しくは「レーザ光源」という用語、又は同様の用語は、レーザダイオード(又はダイオードレーザ)を指す。
【0029】
したがって、ある実施形態において、光源は、レーザ光源を含む。ある実施形態において、「レーザ」又は「固体レーザ(solid state laser)」又は「固体材料レーザ(solid state material laser)」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウムYAG(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCa4O(BO3)3又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al2O3:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al2O3:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF2)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ、及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb2O3(ガラス又はセラミックス)レーザ等のうちの1つ以上を指してもよい。
【0030】
例えば、第2及び第3高調波生成の実施形態を含めると、光源は、F中心レーザ(F center laser)、オルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)、及びチタンサファイア(Ti:サファイア;Al2O3:Ti3+)レーザのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、第2及び第3高調波生成を考慮すると、このような光源は、青色光を生成するために使用されてもよい。
【0031】
ある実施形態において、「レーザ」又は「固体レーザ」又は「固体材料レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザ等、半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指してもよい。
【0032】
レーザは、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成されてもよい、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成されることができる。代替的に、色素レーザ等、レーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、ダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされることができる。
【0033】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語はまた、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指してもよい。特定の実施形態において、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指してもよい。ある実施形態において、N=2以上である。特定の実施形態において、Nは、特に少なくとも8等、少なくとも5であってもよい。このようにして、より高い輝度が得られ得る。ある実施形態において、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。レーザバンクは、ある実施形態では、ヒートシンク、及び/又はオプティクス、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。したがって、ある実施形態において、レーザバンク(又は「レーザアレイバンク(laser array bank)」)内のレーザは、同じオプティクスを共有してもよい。
【0034】
レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光(laser light)」)を生成するように構成される。光源光は、本質的に、レーザ光源光から成ってもよい。光源光はまた、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を含んでもよい。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を含む単一の光ビームを提供するために、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。斯くして、特定の実施形態において、光源光は、特に、コリメート光源光である。さらに他の実施形態では、光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。
【0035】
レーザ光源光は、ある実施形態では、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を含んでもよい。特定の実施形態において、帯域は、10nm以下など、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するもの等、比較的シャープな(sharp)線であってもよい。したがって、光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含んでもよいスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0036】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束(focused)」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指してもよい。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)個別の変換器領域におけるビームの(光軸に対して垂直な)断面形状が、(光源光が個別の変換器領域を照射する場所での)個別の変換器領域の(光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであってもよい。集束は、(集束)レンズ等、1つ以上のオプティクスで実行されてもよい。特に、レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡など、コリメーション要素等、1つ以上の(他の)オプティクスで実行されてもよい。ある実施形態において、(レーザ)光源光のビームは、ある実施形態では、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)等、比較的高度にコリメートされてもよい。したがって、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされてもよい。(高い)コリメーションを提供するために、オプティクスが使用されてもよい(上記も参照)。
【0037】
「固体材料レーザ」という用語、及び同様の用語は、遷移金属イオン及び/又はランタニドイオンなど、イオンをドープした結晶体又はガラス体をベースとしたもの等、固体レーザ、ファイバレーザ、フォトニック結晶レーザ、例えば垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface-emitting laser)(VCSEL)など、半導体レーザ等を指してもよい。
【0038】
「固体光源」という用語、及び同様の用語は、特に、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、又はスーパールミネッセントダイオード等、半導体光源を指してもよい。「固体光源」という用語の代わりに、「半導体ベースの光源(semiconductor-based light source)」という用語が適用されてもよい。したがって、「半導体ベースの光源」という用語は、例えば、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を指してもよい。
【0039】
したがって、光生成デバイスは、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0040】
スーパールミネッセントダイオードは、当技術分野においては知られている。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオード並みの明るさを持ちながら、LEDのように広域スペクトルの低コヒーレンス光を発することができる可能性がある半導体デバイスとして示されてもよい。
【0041】
US2020192017は、例えば、「現在の技術では、単一のSLEDは、十分なスペクトル平坦性及び十分な出力で、800乃至900nmの波長範囲において、例えば最大で50乃至70nmの帯域幅にわたって発光することが可能である。ディスプレイ用途のために使用される可視範囲、すなわち、450乃至650nmの波長範囲においては、単一のSLEDは、現在の技術では、最大で10乃至30nmの帯域幅にわたって発光することが可能である。これらの発光帯域幅は、赤色(640nm)、緑色(520nm)及び青色(450nm)、すなわち、RGBの発光を必要とするディスプレイ又はプロジェクタ用途のためには小さすぎる。」ことを示している。さらに、スーパールミネッセントダイオードは、とりわけ、著者が、Szymon Stanczyk、Anna Kafar、Dario Schiavon、Stephen Najda、Thomas Slight、Piotr Perlinであり、書籍編集者が、Fabrizio Roccaforte、Mike Leszczynskiである、2020年8月3日に初めて出版された「Edge Emitting Laser Diodes and Superluminescent Diodes」 、https://doi.org/10.1002/9783527825264.ch9の第9.3章 superluminescent diodesに記載されている。この書籍、特に第9.3章は、参照により本明細書に盛り込まれる。前記書籍においては、とりわけ、スーパールミネッセントダイオード(SLD)は、レーザダイオードの特徴と発光ダイオードの特徴とを兼ね備える放射体(emitter)であることが示されている。SLD放射体は誘導放出を利用する。このことは、これらのデバイスがレーザダイオードの電流密度と同様の電流密度で動作することを意味する。LDとSLDとの主な違いは、後者の場合には、デバイス導波路が、定在波の形成及びレーザ発振を防止する特別なやり方で設計されることがあることである。それでも、導波路の存在は、光の高い空間コヒーレンスを持つ高品質の光ビームの放射を保証するが、光は、同時に、低い時間コヒーレンスを特徴とする。現在、窒化物SLDの最も成功した設計は、曲がった、湾曲した、又は傾斜した導波路形状(waveguide geometry)、及び傾斜したファセット形状(facet geometry)である一方で、全ての場合において、
図9.10において示されているように、前記導波路の前端部が、デバイスファセットと傾斜して接する。傾斜した導波路は、ファセットから導波路への光を、デバイスチップの損失の多い非ポンピング領域(unpumped area)へと外部に向けることによって、光の反射を抑制する。したがって、SLDは、特に、自然放出光がデバイスの活性領域における誘導放出によって増幅される半導体光源であり得る。このような発光は、「スーパールミネッセンス(super luminescence)」と呼ばれる。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオードの高い出力及び輝度と、従来の発光ダイオードの低いコヒーレンスを兼ね備える。光源の低い(時間的)コヒーレンスには、スペックルが、大幅に低減される又は見えないという利点があり、発光のスペクトル分布は、レーザダイオードに比べてはるかに広く、このことは、照明用途により適している可能性がある。特には、電流を変化させることによって、スーパールミネッセントダイオードのスペクトルパワー分布は変化し得る。このやり方においては、スペクトルパワー分布が制御されることができる(例えば、Abdullah A. Alatawiらによる、Optics Express Vol. 26, Issue 20, pp. 26355-26364, https://doi.org/10.1364/OE.26.026355も参照されたい)。
【0042】
上述したように、第1の光生成デバイスは、特に、第1のデバイス光を生成するように構成されてもよい。さらに、第1の光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含んでもよい。それゆえ、第1の光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上から選択される光源を含んでもよい。固体レーザは、特に、ダイオードレーザを含んでもよい。ある実施形態において、第1のデバイス光は、可視の1つ以上の波長(すなわち、可視波長範囲内の1つ以上の波長におけるスペクトルパワー)を有してもよい。特に、第1のデバイス光は、青色光を含んでもよい。より特に、第1のデバイス光は、青色光であってもよい。しかしながら、本明細書において、他のオプションは除外されない。
【0043】
「可視(visible)」、「可視光(visible light)」又は「可視発光(visible emission)」という用語、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲内の1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書において、UVは、特に、200~380nm等、190~380nmの範囲から選択される波長を指してもよい。本明細書において、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光(light)」及び「放射線(radiation)」という用語は交換可能に使用される。斯くして、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指してもよい。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態において、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。
【0044】
「紫色光(violet light)」又は「紫色発光(violet emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約380~440nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、紫色光は、380~440nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「青色光(blue light)」又は「青色発光(blue emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、(幾らか紫色及びシアン色の色相を含む)約440~490nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、青色光は、440~490nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「緑色光(green light)」又は「緑色発光(green emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約490~560nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、緑色光は、490~560nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「黄色光(yellow light)」又は「黄色発光(yellow emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約560至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、黄色光は、560~590nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「オレンジ色光(orange light)」又は「オレンジ色発光(orange emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約590~620nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、オレンジ色光は、590~620nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「赤色光(red light)」又は「赤色発光(red emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約620~750nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、赤色光は、620~750nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「シアン色光(cyan light)」又は「シアン色発光(cyan emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約490~520nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、シアン色光は、490~520nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「アンバー色光(amber light)」又は「アンバー色発光(amber emission)」という用語、及び同様の用語は、特に、約590~600nm等、約585~605nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態において、アンバー色光は、585~605nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「波長範囲内に1つ以上の波長を有する光(light having one or more wavelengths in a wavelength range)」という語句、及び同様の語句は、特に、示されている光(又は放射線)が、示されている波長範囲内のこれらの1つ以上の波長において少なくとも1つ以上の強度を有するスペクトルパワー分布を有することを示してもよい。例えば、青色発光固体光源は、440~495nmの波長範囲内の1つ以上の波長において強度を有するスペクトルパワー分布を有する。
【0045】
さらに、システムは、ルミネッセンス体を含んでもよい。以下では、まず、ルミネッセンス体に関する幾つかの一般的な態様について説明する。
【0046】
特に、ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス体に含まれる。ルミネッセンス体は、自己支持層(self-supporting layer)等、層であってもよい。ルミネッセンス体は、支持体(特に、透過モードにおける光透過性支持体、又は反射モードにおける反射性支持体)におけるルミネッセンスコーティングを含んでもよい。特に、ルミネッセンス体は、本質的に自己支持型のものであってもよい。ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス単結晶、ルミネッセンスガラス、又はルミネッセンスセラミック体等、ルミネッセンス体として設けられてもよい。このような体は、「変換器体(converter body)」又は「ルミネッセンス体(luminescent body)」として示されてもよい。ある実施形態において、ルミネッセンス体は、ルミネッセンス単結晶又はルミネッセンスセラミック体であってもよい。例えば、ある実施形態において、セリウムを含むガーネットルミネッセンス材料が、ルミネッセンス単結晶として又はルミネッセンスセラミック体として設けられてもよい。他の実施形態では、ルミネッセンス体は、ルミネッセンス材料が埋め込まれている光透過体を含んでもよい。例えば、ルミネッセンス体は、ガラス体であって、ルミネッセンス材料がガラス体に埋め込まれている、ガラス体を含んでもよい。あるいは、ガラスそれ自体がルミネッセンス発光性(luminescent)のものであってもよい。他の実施形態では、ルミネッセンス体は、ポリマ体であって、ルミネッセンス材料がポリマ体に埋め込まれている、ポリマ体を含んでもよい。
【0047】
ルミネッセンス体は、任意の形状を有してもよい。しかしながら、一般に、ルミネッセンス体は、(ルミネッセンス体の)高さを規定する、2つの本質的に平行な面を有してもよい。さらに、ルミネッセンス体は、2つの本質的に平行な面を架橋する(bridge)、端面(edge face)を有してもよい。端面は、1次元又は2次元において湾曲されてもよい。端面は、平面のものであってもよい。ルミネッセンス体は、矩形又は円形断面を有してもよいが、例えば六角形、八角形等、他の断面も可能であり得る。したがって、ルミネッセンス体は、円形断面、楕円形断面、正方形、又は非正方形の矩形を有してもよい。ある実施形態において、ルミネッセンス体は、n角形断面を有してもよく、nは、4(正方形又は矩形断面)、5(五角形断面)、6(六角形断面)、8(八角形断面)又はそれ以上等、少なくとも3である。2つの本質的に平行な面は、特にルミネッセンス体の最大の外部領域を提供し得るので、「主面(main face)」として示されてもよい。前述の断面に垂直な別の断面は、ある実施形態では、矩形であってもよい。したがって、ルミネッセンス体は、例えば、立方体形状、(立方体でない)直方体形状、nが少なくとも5であるn角柱形状(五角柱、六角柱等)、及びシリンダ形状を有してもよい。しかしながら、他の形状も可能であり得る。特に、ルミネッセンス体は、直方体形状、シリンダ形状、又はnが6若しくは8であるn角柱形状を有してもよい。
【0048】
ある実施形態において、ルミネッセンス体(又は「体(body)」)は、横寸法の幅若しくは長さ(W1若しくはL1)又は直径(D)及び厚さ又は高さ(H1)を有する。ある実施形態において、(i)D≧H1、又は(ii)W1≧H1且つ/若しくはL1≧H1である。ルミネッセンス体は、透明又は光散乱性であってもよい。ある実施形態において、ルミネッセンス体は、セラミックルミネッセンス材料を含んでもよい。特定の実施形態において、特にL1≦5mm、より特にL1≦3mm、最も特にL1≦2mm等、L1≦10mmである。特定の実施形態において、特にW1≦5mm、より特にW1≦3mm、最も特にW1≦2mm等、W1≦10mmである。特定の実施形態において、特にH1≦5mm、より特にH1≦3mm、最も特にH1≦2mm等、H1≦10mmである。特定の実施形態において、特にD≦5mm、より特にD≦3mm、最も特にD≦2mm等、D≦10mmである。特定の実施形態において、体は、ある実施形態では、50μm~1mmの範囲内の厚さを有してもよい。さらに、体は、100μm~10mmの範囲内の横寸法(幅/直径)を有してもよい。さらにさらなる特定の実施形態において、(i)D>H1又は(ii)W1>H1且つL1>H1である。特に、長さ、幅及び直径等、横寸法は、高さより、少なくとも5倍等、少なくとも2倍大きい。特定の実施形態において、ルミネッセンス体は、第1の長さL1、第1の高さH1及び第1の幅W1を有し、H1≦0.5*L1且つH1≦0.5*W1である。ある実施形態において、ルミネッセンス体は、(小さな)タイルであってもよい。
【0049】
ある実施形態において、ルミネッセンス体は、第1の面、第2の面、及び第1の面と第2の面とを架橋する側面を有してもよい。第1の面及び第2の面は、主面として示されてもよい。シリンダ形状の場合、側面は、単一の側面であってもよい。直方体の場合、側面は、4つのファセットを有してもよい。六角柱の場合、側面は、6つのファセットを有してもよい。
【0050】
特定の実施形態において、ルミネッセンス体は、環状形状を有する。したがって、ある実施形態において、ルミネッセンス体は、中空シリンダ形状(hollow cylindrical shape)を有してもよい。中空シリンダは高さを有してもよく、高さは、リングにわたって実質的に一定であってもよく、半径とは実質的に無関係であってもよい。環状形状のルミネッセンス体(annular shaped luminescent body)は、中空シリンダ体(hollow cylindrical body)の幅を規定する、内側半径及び外側半径を有してもよい。幅は、ルミネッセンス体全体にわたって実質的に同じであってもよい。内側半径及び外側半径は、高さよりも大きくてもよく、例えば、各々が、高さの少なくとも2倍の大きさであってもよい。
【0051】
さらに、ルミネッセンス体は、特に、ルミネッセンス材料を含んでもよい。以下では、ルミネッセンス材料の幾つかの実施形態について説明する。
【0052】
「ルミネッセンス材料(luminescent material)」という用語は、特に、第1の放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2の放射線に変換することができる材料を指す。一般に、第1の放射線と第2の放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。したがって、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器(luminescent converter)」又は「変換器(converter)」という用語が適用されてもよい。一般に、第2の放射線は、第1の放射線よりも大きい波長におけるスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態において、第2の放射線は、第1の放射線よりも小さい波長における強度を有するスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0053】
ある実施形態において、「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指してもよい。例えば、ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができてもよい。ルミネッセンス材料はまた、特定の実施形態では、放射線を赤外放射線(IR)に変換してもよい。したがって、ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、すなわち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を有する放射線に変換されるが、特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、アップコンバータルミネッセンス材料を含んでもよく、すなわち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を有する放射線に変換される。
【0054】
ある実施形態において、「ルミネッセンス(luminescence)」という用語は、リン光(phosphorescence)を指してもよい。ある実施形態において、「ルミネッセンス」という用語はまた、蛍光(fluorescence)を指してもよい。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光(emission)」という用語が適用されてもよい。したがって、「第1の放射線(first radiation)」及び「第2の放射線(second radiation)」という用語は、それぞれ、励起放射線(excitation radiation)及び発光(放射線)を指してもよい。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、ある実施形態では、リン光及び/又は蛍光を指してもよい。
【0055】
「ルミネッセンス材料」という用語はまた、複数の異なるルミネッセンス材料を指してもよい。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。したがって、「ルミネッセンス材料」という用語は、特定の実施形態では、ルミネッセンス材料組成物(luminescent material composition)を指してもよい。「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体(phosphor)」という用語が適用されてもよい。これらの用語は、当業者には知られている。
【0056】
ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物(nitride)」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケート等を指してもよい。代替的に又は追加的に、ルミネッセンス材料は、特に二価ユーロピウムをドープした、ケイ酸塩から選択されてもよい。
【0057】
特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、ある実施形態では、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、ある実施形態では、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上等、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含んでもよい。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけ等、少なくともAlを含んでもよい。したがって、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料(cerium comprising garnet material)である。ガーネットの実施形態は、特に、A3B5O12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしていてもよいが、特にCeをドープしていてもよい。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含んでもよいが、Bは、アルミニウムに加えて、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でBの約20%、より特に最大でBの約10%含んでもよい(すなわち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例において、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成る群から選択されてもよい。さらに、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態において、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLux)3B5O12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(すなわち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLux)3Al5O12:Ceの場合、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1~4%、特に0.1~2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01)3Al5O12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0058】
ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、(斯くして)A3B5O12を含み、特定の実施形態において、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられてもよい。
【0059】
特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、(Yx1A'x2Cex3)3(Aly1B'y2)5O12を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成る群から選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成る群から選択される1つ以上の元素を含む。ある実施形態において、x3は、0.001~0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2等、少なくとも0.8等、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0060】
特定の実施形態において、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられてもよい。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態において、B-Oは、Al-Oを指してもよい。上記のように、特定の実施形態において、x3は、0.001~0.04の範囲から選択されてもよい。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、比較的高い効率を有し、比較的高い熱安定性を有し、(任意選択的に、本明細書で述べられるような他の光源の光と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。したがって、特定の実施形態において、Aは、Lu及びGdから成る群から選択されてもよい。代替的に又は追加的に、Bは、Gaを含んでもよい。したがって、ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、(Yx1(Lu,Gd)x2Cex3)3(Aly1Gay2)5O12を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。さらにより特には、x3は、0.001~0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。さらに、特定の実施形態において、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられてもよい。ここで、パーセンテージは、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。さらにさらなる特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、(Yx1Cex3)3Al5O12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001~0.1等である。
【0061】
特定の実施形態において、光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まなくてもよい。よりさらなる特定の実施形態において、光生成デバイスは、(Yx1A'x2Cex3)3(Aly1B'y2)5O12等、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。したがって、特定の実施形態において、光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を含み、ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、さらにより特に少なくとも約90重量%、例えばさらにもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1A'x2Cex3)3(Aly1B'y2)5O12を含む。ここで、A'は、ランタニドから成る群から選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成る群から選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001~0.1の範囲から選択される。ある実施形態において、x2=0であることに留意されたい。代替的に又は追加的に、ある実施形態では、y2=0である。
【0062】
特定の実施形態において、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0063】
代替的に又は追加的に、ルミネッセンス材料は、A3Si6N11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、ある実施形態ではLa及びYのうちの1つ以上等、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含む。
【0064】
ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、代替的に又は追加的に、MS:Eu2+及び/又はM2Si5N8:Eu2+及び/又はMAlSiN3:Eu2+及び/又はCa2AlSi3O2N5:Eu2+等のうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特にある実施形態では、少なくともSrを含む。したがって、ある実施形態において、ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成る群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5~10%の範囲内、より特に約0.5~5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオン等、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。さらに、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。さらなる特定の実施形態において、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)等、特に50~100%、より特に50~90%のBa、及び50~0%、特に50~10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0065】
ある実施形態において、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成る群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5~10%の範囲内、より特に約0.5~5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオン等、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0066】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0067】
さらに、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。さらなる特定の実施形態において、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)等、特に50~100%、より特に50~90%のBa、及び50~0%、特に50~10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0068】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euとして示されることもでき、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(すなわち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0069】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0070】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(Y2SiO5:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl10O17:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0071】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書において、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0072】
代替的に又は追加的に、他のルミネッセンス材料が適用されてもよい。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、任意選択的に、例えば、PMMA又はポリシロキサンなど、ポリマ等、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0073】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。それゆえ、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)等のシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)等のカドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、斯くして、量子ドットは飽和色を示す。さらに、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用されてもよい。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましくあり得る。
【0074】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されてもよい。「量子閉じ込め構造(quantum confinement structure)」という用語は、本願の文脈においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤ等として理解されたい。
【0075】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0076】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。代替的に又は追加的に、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0077】
上述したように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。したがって、特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造の群から選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0078】
ルミネッセンス材料は、特に、第1のデバイス光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されてもよい。ルミネッセンス材料光は、可視の1つ以上の波長(すなわち、可視波長範囲内の1つ以上の波長におけるスペクトルパワー)を有してもよい。特に、ルミネッセンス材料光は、緑色光、黄色光、オレンジ色光及び赤色光のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0079】
したがって、ルミネッセンス体は、特に、光生成デバイスと受光関係にあるように構成されてもよい。以下に示すように、これは、特に、アキシコン様光学要素を介した受光関係であってもよい。
【0080】
「受光関係(light-receiving relationship)」又は「受光関係(light receiving relationship)」という用語、及び同様の用語は、(光生成デバイス又は光生成要素又は光生成システム等の)光源の動作中にアイテムが当該光源からの光を受け得ることを示してもよい。したがって、アイテムは、当該光源の下流に構成されてもよい。光源とアイテムとの間に、オプティクスが構成されてもよい。光の伝搬の文脈等での、「上流(upstream)」及び「下流(downstream)」という用語は、特に、光生成要素(ここでは、特に、光生成デバイス)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関してもよく、光生成要素からの光ビーム内の第1の位置に対して、(第1の位置に比べて)光生成要素により近い光ビーム内の第2の位置は「上流」であり、(第1の位置に比べて)光生成要素からより遠く離れた光ビーム内の第3の位置は「下流」である。「光生成要素(light generating element)」という用語の代わりに、「光生成手段(light generating means)」という用語が適用されてもよい。
【0081】
以下では、ルミネッセンス体とアキシコン様光学要素との光学的関係についてさらに説明する。しかしながら、まず、熱伝導性要素に関する幾つかの態様について説明する。
【0082】
熱伝導性要素は、特に、熱伝導性材料を含んでもよい。熱伝導性材料は、特に、少なくとも約30W/(m*K)など、少なくとも約100W/(m*K)等、特に少なくとも約200W/(m*K)等、少なくとも約20W/(m*K)の熱伝導率を有してもよい。さらにさらなる特定の実施形態において、熱伝導性材料は、特に、少なくとも約10W/(m*K)の熱伝導率を有してもよい。ある実施形態において、熱伝導性材料は、銅、アルミニウム、銀、金、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムケイ素炭化物、酸化ベリリウム、炭化ケイ素複合体、アルミニウムケイ素炭化物、銅タングステン合金、銅モリブデン炭化物、炭素、ダイヤモンド、及び黒鉛のうちの1つ以上を含んでもよい。代替的に又は追加的に、熱伝導性材料は、酸化アルミニウムを含んでもよく、又は酸化アルミニウムから成ってもよい。ある実施形態において、熱伝導性要素は、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、及び二相冷却デバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。さらに他の実施形態では、熱伝導性要素は、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、及び二相冷却デバイスのうちの1つ以上と熱的に接触するように構成されてもよく、例えば、別の熱伝導性要素を介して、このようなヒートシンク、ヒートスプレッダ、又は二相冷却デバイスに熱を伝達してもよい。
【0083】
要素は、要素が、熱の処理(process)を通してエネルギのやりとりをすることができる場合、別の要素と「熱的に接触している(thermal contact)」とみなされてもよい。したがって、要素は、熱的に結合されてもよい。ある実施形態において、熱的接触は、物理的接触によって達成されることができる。ある実施形態において、熱的接触は、熱伝導性接着剤(又は熱伝導性粘着剤)等、熱伝導性材料を介して達成されてもよい。熱的接触はまた、2つの要素が互いに対して約10μm以下の距離を置いて配設される場合に2つの要素間で達成されてもよいが、最大100μm等、より大きな距離が可能であり得る。距離が短ければ短いほど、熱的接触は良好になる。特に、距離は、5μm以下等、1μm以下等、10μm以下である。距離は、それぞれの要素の2つのそれぞれの表面の間の距離であってもよい。距離は、平均距離であってもよい。例えば、2つの要素は、複数の位置等、1つ以上の位置において物理的に接触してもよいが、1つ以上の、特に複数の他の位置において、要素は物理的に接触しなくてもよい。例えば、一方又は両方の要素が粗い表面を有する場合、これが当てはまり得る。したがって、ある実施形態において、2つの要素間の距離は、平均において、10μm以下であってもよい(が、最大100μm等、より大きな平均距離が可能であり得る)。ある実施形態において、2つの要素の2つの表面は、1つ以上の距離保持具(distance holder)によって或る距離を保たれてもよい。2つの要素が熱的に接触している場合、これらは、物理的に接触していてもよく、又は互いから、最大で10μm等、最大で1mmなどの短い距離を置いて構成されてもよい。2つの要素が、互いから距離を置いて構成される場合、間に中間材料が構成されてもよいが、他の実施形態では、2つの要素の間の距離は、ガス、液体で満たされてもよく、又は真空であってもよい。中間材料が利用可能である場合、距離が大きければ大きいほど、2つの要素の間の熱的接触に有用な熱伝導率は高くなる可能性がある。しかしながら、距離が小さければ小さいほど、中間材料の熱伝導率は低くなる可能性がある(無論、より高い熱伝導性の材料が使用されてもよい)。
【0084】
上述したように、熱伝導性要素は、ルミネッセンス体の少なくとも一部と熱的に接触するように構成されてもよい。例えば、ルミネッセンス体は、熱伝導性要素と物理的に接触するように構成されてもよい。さらに、熱伝導性要素は、第1のデバイス光及びルミネッセンス材料光のうちの1つ以上、特に両方に対して反射性であってもよい。
【0085】
本明細書において、要素が透過性であると示される場合、これは、ある実施形態では、1つ以上の波長において、透過される放射線の部分が、反射又は吸収される放射線の部分よりも大きくなり得ることを意味してもよい。本明細書において、要素が反射性であると示される場合、これは、ある実施形態では、1つ以上の波長において、反射される放射線の部分が、透過又は吸収される放射線の部分よりも大きくなり得ることを意味してもよい。本明細書において、光源光に関する「透過性(transmissive)」という用語は、特に、垂直照射下で、少なくとも60%、特に少なくとも70%、例えば少なくとも80%、特に少なくとも90%、例えば少なくとも95%等、入射光源光の少なくとも50%が材料を通過することを指してもよい。同様に、本明細書において、光源光に関する「反射性(reflective)」という用語は、垂直照射下で、少なくとも60%、特に少なくとも70%、例えば少なくとも80%、特に少なくとも90%、例えば少なくとも95%等、入射光源光の少なくとも50%が反射されることを指してもよい。ここで、パーセンテージは、ワットに基づくパーセンテージを指してもよい。
【0086】
上述したように、システムはさらに、アキシコン様光学要素を含んでもよい。アキシコン様光学要素は、特に、レンズを含む。言い換えれば、システムは、アキシコン様形状(axicon-like shape)を有するレンズを含んでもよい。アキシコンレンズは当技術分野で知られており、例えば、円錐面を有する特殊なタイプのレンズとして定義されることができる。アキシコンレンズは、特に、レーザビームをリング状の分布に変換することができ得る。(例えば、http://wp.optics.arizona.edu/wp-content/uploads/2016/03/axicon_Proteep.pdf参照)。本明細書において、アキシコン様(axicon-like)という用語は、アキシコン形状からの僅かなずれ(small deviation)もあり得ることを示すために使用される。例えば、円錐形状は、ある実施形態では、本質的に純粋な円錐ではなく、少し丸められても(a bit rounded)よい(しかしながら、このような丸められた円錐形状の表面の曲率半径は、小さすぎるべきではなく、例えば、アキシコンの(最小の)径よりも大きいべきである)。さらに、本明細書において、アキシコン様光学要素は、比較的大きなシリンダ部分を有してもよい。シリンダ部分(cylindrical part)は、非テーパ状(non-tapered)又はテーパ状(tapered)であってもよい(下記も参照)。
【0087】
ある実施形態において、アキシコン様光学要素は、第1の部分及び第2の部分を含む。特に、アキシコン様光学要素は、光軸を有してもよい。第1の部分は、光軸に対して回転対称に構成されてもよく、第2の部分は、光軸に対して回転対称に構成されてもよい。特に、アキシコン様光学要素は、本質的に第1の部分及び第2の部分から成る、石英、ガラス、サファイア、ポリマ料等、光透過性材料のモノリシック体である。さらに、アキシコン様光学要素は、光学要素長(L)を有してもよい。特に、この光学要素長は、光軸に平行に定義されてもよい。アキシコン様光学要素がポリマ光透過性材料を含む場合、このような材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、シリコン(ポリシロキサン)、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のうちの1つ以上を含んでもよい。特に、アキシコン様光学要素は、本質的に光透過性材料から成る固体体であってもよい。
【0088】
特に、第1の部分は円錐形状を有してもよい。円錐形状は、特に、円錐であってよい。さらに、円錐形状は、約105~125°の範囲から選択される等、約90~178°の範囲から選択される、より特に少なくとも約100°の円錐角を有してもよい。さらに、第1の部分は、第1の長さ(L1)を有してもよい。特に、この第1の長さは、光軸に平行に定義されてもよい。さらに、第1の部分は、第1の端部窓を含んでもよい。「端部窓(end window)」という用語は、この端部窓がアキシコン様光学要素の一端に構成され得るという事実を指してもよい。さらに、この用語は、光が特にアキシコン様光学要素の当該部分を介して入り得る及び/又は脱出し得ることを示してもよい。特に、円錐の表面全体が端部窓であってもよい。とはいえ、これは必ずしも端部窓全体がそのように使用されることを意味するものではない。
【0089】
さらに、第2の部分はシリンダ形状を有してもよい。さらに、この部分は第2の長さ(L2)を有してもよい。特に、この第2の長さは、光軸に平行に定義されてもよい。さらに、第2の部分は、第2の端部窓を含んでもよい。特に、この第2の部分は本質的に平面であってもよい。「第2の端部窓」という用語は、この端部窓がアキシコン様光学要素の別の端部に構成され得るという事実を指してもよい。さらに、この用語は、光が特にアキシコン様光学要素の当該部分を介して入り得る及び/又は脱出し得ることを示してもよい。特に、シリンダの端部表面全体が(第2の)端部窓であってもよい。とはいえ、これは必ずしも端部窓全体がそのように使用されることを意味するものではない。
【0090】
アキシコン様光学要素に関して、第1の部分及び第2の部分、すなわち、本質的にアキシコン様光学要素全体は、特に、(光軸に対して垂直な)円形断面を有してもよい。しかしながら、六角形、八角形、十角形、及びより高い多角形状等、他の断面形状も本明細書において排除されない。
【0091】
光学要素長(L)は、第1の端部窓、特に頂点と、第2の端部窓とによって定義されてもよい。したがって、特に、L=L1+L2である。さらに、本明細書では特にL1<L2である。より特に、ある実施形態では0.6≦L2/L<1、より特に0.7≦L2/L<1、例えば0.75≦L2/L≦0.95である。さらに、特定の実施形態では0.8≦L2/L<1、より特に0.8≦L2/L≦0.95である。ある実施形態において、L2/Lは、0.8~0.02の範囲から選択されてもよい。特に、これらの形状及び寸法は、さらに後述するように、アキシコン様光学要素の二重機能を可能にし得る。
【0092】
特に、アキシコン様光学要素は、ルミネッセンス体上に光生成デバイスの光を投影するために使用されてもよいが、ルミネッセンス体からルミネッセンス材料光を集める及びルミネッセンス材料光のビームを提供するためにも使用されてもよい。したがって、ある実施形態において、第1のデバイス光は、アキシコン様光学要素の第1の端部窓を介して入るが、ルミネッセンス材料光も、この窓を介してアキシコン様光学要素から脱出し得る。同様に、第1のデバイス光は、任意選択的に(全)内部反射を含み、アキシコン様光学要素を伝搬後、アキシコン様光学要素の第2の端部窓を介すが、ルミネッセンス材料光も、この第2の端部窓を介してアキシコン様光学要素に入り得る(及び、アキシコン様光学要素の第1の端部窓へと、任意選択的に(全)内部反射を含み、アキシコン様光学要素を伝搬し、この第1の端部窓を介して脱出し得る)。
【0093】
それゆえ、特定の実施形態において、アキシコン様光学要素は、(a)第1の部分(特に第1の端部窓)を介して第1のデバイス光の少なくとも一部を受ける及び第2の部分(特に第2の端部窓)を介して第1のデバイス光の環状ビームをルミネッセンス体に提供する、及び(b)第2の部分(特に第2の端部窓)を介してルミネッセンス材料光の少なくとも一部を集める及び第1の部分(特に第1の端部窓)を介してルミネッセンス材料光のビームを提供するように構成されてもよい。
【0094】
上述したように、これは、比較的コンパクトな高強度光源を提供し得る。特に、このようにして、レーザ励起高強度光源を製造するためのアキシコンレンズと組み合わせた環状蛍光体が提供され得る。以下にさらに明らかにするように、特定の実施形態において、これは、レーザ励起高強度白色光源であってもよい。
【0095】
さらなる実施形態について以下で説明する。
【0096】
上述したように、シリンダ部分は、非テーパ状(「テーパなし(untapered)」)又はテーパ状であってもよい(下記も参照)。特に、ある実施形態では、第2の部分は、第1の部分から第2の端部窓への方向において第2の長さ(L2)の少なくとも一部にわたって先細りになっていて(taper)もよい。この先細り(tapering)は、特に、ルミネッセンス材料光のコリメーションの観点から有用であり得る。したがって、アキシコン様光学要素の最小直径は、ある実施形態では、第2の端部窓によって定義されてもよい。斯くして、第2の部分の最小直径は、ある実施形態では、第1の部分の最大直径と同じであってもよく(非テーパ状)、又は小さくてもよい(テーパ状)。特に、直径の比は0.5より小さくない。それゆえ、ある実施形態において、第1の端部窓は、最大の第1の窓半径(Rw1)を有してもよく、第2の端部窓は、第2の窓半径(RW2)を有してもよく、ある実施形態では、RW2/RW1=1(非テーパ状)、又は他の実施形態では、RW2/RW1<1である。特定の実施形態において、0.5≦RW2/RW1≦0.98である。特に、これらの形状及び寸法は、さらに後述するように、アキシコン様光学要素の二重機能を可能にし得る。
【0097】
非テーパ状シリンダは、一定の直径を有してもよく、テーパ状シリンダ又は円錐は、(その高さにわたって増加又は減少する)一定に減少又は増加する直径を有してもよい。
【0098】
光生成システムは、特に、システム光を生成するように構成されてもよい。システム光は、第1の端部窓から脱出したルミネッセンス材料光の少なくとも一部を含んでもよい。このようなルミネッセンス材料光は、特に、非白色光であってもよい(上記も参照)。白色光用途では、システム光に寄与し、望ましい相関色温度(CCT:correlated color temperature)及び/又は望ましい演色評価数(CRI:color rendering index)を有する、白色光を提供し得る1つ以上の光源を提供することが望ましくあり得る。光学要素とルミネッセンス材料とをバイパスする光源を使用する等、いくつかのソリューションが可能であるようである。しかしながら、ポンプ光自体も、システム光の構成要素として使用されてもよい。これは、特に、第1のデバイス光の一部がルミネッセンス体で反射され、第2の端部窓を介して再びアキシコン様光学要素に入る場合であり得る。この場合、第1の端部窓から出射する光は、ルミネッセンス材料光及び第1のデバイス光の一部の両方を含んでもよい。アキシコン様光学要素及びルミネッセンス体の半径を選択することにより、熱伝導性要素でのみ反射され、本質的にルミネッセンス体との相互作用(interaction)を有さなくてもよい第1のデバイス光の部分が制御されてもよい。
【0099】
ある実施形態において、第2の端部窓から脱出する第1のデバイス光のスペクトルパワーの0~35%の範囲において、例えば2~30%の範囲等、約2~35%の範囲において、ルミネッセンス体との相互作用なしに、又はルミネッセンス体を透過した後(すなわち、光路長の2倍を伝搬する)、熱伝導性体で反射され、変換されずに反射された第1のデバイス光として再び第2の端部窓に到達してもよい。ここで、パーセンテージは、ワット単位のスペクトルパワーに対するパーセンテージを指す。ある実施形態において、そのうちの約70%まで(すなわち、最大で35%(又は30%、それぞれ)の70%)、例えば約50%まで等、ルミネッセンス体とまったく相互作用しなかったとしてもよい。したがって、ある実施形態において、光生成システムは、第2の端部窓から脱出する第1のデバイス光の一部が、熱伝導性要素及びルミネッセンス体のうちの1つ以上で反射される、反射後に第2の端部窓を介してアキシコン様光学要素に入る、及びルミネッセンス材料光の少なくとも一部と共に、第1の端部窓を介してアキシコン様光学要素から脱出するように構成され、第1のデバイス光及びルミネッセンス材料光を含む光ビームを提供してもよい。したがって、システム光は、第1のデバイス光の少なくとも一部及びルミネッセンス材料光の少なくとも一部を含んでもよい。このようにして、任意選択的に1つ以上のさらなる光源と組み合わせて、白色システム光が光生成システムで提供されてもよい。
【0100】
第1の端部窓から脱出する光及び第1の端部窓を照射する第1のデバイス光は、本質的に平行な光軸を有してもよい。したがって、第1のデバイス光を第1の部分に方向付ける光学要素、及び/又はルミネッセンス材料光をアキシコン様光学要素の光軸から離れるように方向付ける光学要素は、ある実施形態では、第1の端部窓から脱出するルミネッセンス材料光のビームに比べて比較的小さくてもよく、及び/又はダイクロイック機能を有してもよい。前者のソリューションは、反射された第1のデバイス光もルミネッセンス材料光に沿って伝搬し、システム光の一部となる必要がある場合に有用であり得る。後者のソリューションは、このような第1のデバイス光が望ましくない場合に有用であり得る。また、ソリューションの組み合わせが適用されてもよい。このようなオプティクスは、本明細書において「第1のオプティクス(first optics)」としても示される。
【0101】
したがって、ある実施形態において、システムは、任意選択的な第1のオプティクスを含んでもよい。ある実施形態において、第1のオプティクスは、第1の光生成デバイスと第1の端部窓との間の第1のデバイス光の光学経路中に構成されてもよい。第1のオプティクスは、反射後に第1の端部窓に第1のデバイス光を照射するように、第1のデバイス光を反射するように構成されてもよい。このような実施形態では、第1のオプティクスは、リフレクタ又はダイクロイックミラーを含んでもよく、後者は、ルミネッセンス材料光に対しては透過性であり、第1のデバイス光に対しては反射性である。ここではさらに説明しないが、代替的な実施形態では、第1のオプティクスは、ルミネッセンス材料光に対しては反射性であり、第1のデバイス光に対しては透過性であるダイクロイックミラーを含んでもよい。
【0102】
ある実施形態において、第1の端部窓は、最大の第1の窓円形断面(Aw1)を有する。さらに、上述したように、任意選択的な第1のオプティクスは、リフレクタを含んでもよい。特定の実施形態において、リフレクタは、特定の実施形態では、(第1のデバイス光に対しては反射性であり、ルミネッセンス材料光に対しては透過性である)ダイクロイックミラーを含んでもよい。ある実施形態ではダイクロイックミラー等、リフレクタは、最大の第1の窓円形断面(Aw1)に平行に定義される、オプティクス断面(Ao1)を有してもよい。特に、Ao1/Aw1≦0.5である。このようにして、ルミネッセンス材料光のビームは、リフレクタによって遮られすぎることがない。ある実施形態では、0.01≦Ao1/Aw1≦0.5である。しかしながら、他の値も可能であり得る。0.5より大きな値でも、リフレクタがアキシコン様光学要素からかなりの距離にある場合には可能であり得る。しかしながら、システムのより小さなサイズが望まれる場合には、これはあまり望ましくない可能性がある。
【0103】
第1のデバイス光が第1の端部窓を完全に照射せず、アキシコン様光学要素の光軸の周りの部分のみを照射する場合に有用であるようである。ある実施形態において、第1の光生成デバイス及び任意選択的な第1のオプティクスは、第1の端部窓においてポンプビーム円形断面(Ap)を有する第1のデバイス光のビームを提供するように構成される。さらに、ある実施形態では、第1の端部窓は、最大の第1の窓円形断面(Aw1)を有する。特に、ある実施形態では、Ap/Aw1≦0.8である。
【0104】
上述したように、ルミネッセンス体は、熱伝導性体と熱的に接触するように構成されてもよい(さらに下記も参照)。特定の実施形態において、ルミネッセンス体はまた、アキシコン様光学要素と熱的に接触するように構成されてもよい。したがって、基本的に、以下のオプションがあり得る:(a)ルミネッセンス体及びアキシコン様光学要素は、光学的に接触しておらず、熱的に接触していない、(b)ルミネッセンス体及びアキシコン様光学要素は、熱的に接触しているが、光学的に接触していない、(c)ルミネッセンス体及びアキシコン様光学要素は、熱的に接触している且つ光学的に接触しているが、物理的に接触していない、(d)ルミネッセンス体及びアキシコン様光学要素は、熱的に接触している、光学的に接触している且つ物理的に接触している。
【0105】
熱的接触については上述した。要素が、光学的に接触している、又は光学的に結合される場合、それらは、ある実施形態では、互いに物理的に接触していてもよく、又は他の実施形態では、例えば、約1mm未満、好ましくは100μm未満の厚さを有する、例えば、光学的接着剤等、光学材料、又は他の光学的に透明な界面材料の(薄い)層で互いに分離されてもよい。光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の(平均)距離は、特に、最大で、発光極大の波長等、関連性のある波長程度であってもよい。可視波長の場合は、これは、0.7μm未満等、1μm未満であってもよく、青色の場合は、さらにより小さくてもよい。したがって、光学的結合(optical coupling)が望まれる場合、光学的に透明な界面材料が利用されてもよい。さらに他の実施形態では、光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の平均距離は、特に、最大で、発光極大の波長等、関連性のある波長程度であってもよい。したがって、光学的接触が望ましい場合、物理的接触があってもよい。しかしながら、このような実施形態においてでさえ、ゼロではない平均距離があってもよいが、その場合、約700nm、又は(例えば、反射された第1のデバイス光の使用の観点から)約470nm以下等、関心波長以下の平均距離があり得る。
【0106】
特定の実施形態において、ルミネッセンス体と第2の端部窓との間の第1の距離(d1)は、0~0.1*Lの範囲から選択されてもよい。さらにさらなる特定の実施形態において、距離は、少なくとも100μmより大きくなくてもよい。さらにさらなる実施形態では、距離は、約0.5μmより大きくない等、約0.7μmより大きくなくてもよい。それゆえ、特定の実施形態において、ルミネッセンス体及び第2の端部窓は、光学的に接触するように構成されてもよい(斯くして、距離は、約0.5μmより大きくない等、約0.7μmより大きくなくてもよい)。
【0107】
効率上の理由から、端部窓は、ルミネッセンス体の最大直径(又は半径)よりも(わずかに)大きい直径(又は半径)を有する場合に有用であるようである。特に、ルミネッセンス体は、ルミネッセンス体外側半径(rlo)及びルミネッセンス体内側半径(rli)を有する。さらに、特に、第2の端部窓は、第2の窓半径(RW2)を有する。当業者には明らかであるように、特に、Rlo>rliである。さらに、ある実施形態では、0.7≦rlo/RW2≦1.05、より特に、0.80≦rlo/RW2≦1である。さらに、ある実施形態では、0.85≦rlo/RW2<1、より特に、0.85≦rlo/RW2<1、例えば、0.85≦rlo/RW2≦0.99である。
【0108】
特に、ルミネッセンス体は、第2の端部窓に向けられる第1の面、側面、及び第2の端部窓から最も離れて構成される底面を有してもよい。ある実施形態において、少なくとも底面は、熱伝導性要素と少なくとも部分的に熱的に接触してもよい。より特に、ある実施形態において、側面、及び底面は、熱伝導性要素と熱的に接触するように構成されてもよい。例えば、これは、熱伝導性要素が、ルミネッセンス体が少なくとも部分的に受け入れられ(hosted)得るスリットを含み得る場合であり得る。それゆえ、ある実施形態において、熱伝導性要素は、ルミネッセンス体の少なくとも一部を受け入れる(host)環状スリットを含んでもよく、特に、側面、及び底面は、熱伝導性要素と熱的に接触するように構成されてもよい。一方又は両方の側面は、その高さの一部にわたって熱的に接触してもよく、又は高さ全体にわたって熱的に接触してもよい。
【0109】
したがって、特定の実施形態において、熱伝導性体は、環状ルミネッセンス体に対応する形状(及び寸法)を有する環状スリットを含んでもよい。
【0110】
特定の実施形態において、ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含んでもよく、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含んでもよい(上記もさらに参照)。特に、このようなルミネッセンス材料は、高いポンピングパワーで安定であり得る。上述したように、「ルミネッセンス材料」という用語はまた、ある実施形態では、2つ以上の異なるルミネッセンス材料の組み合わせを指してもよい。
【0111】
特定の実施形態において、ルミネッセンス体は、セラミック体を含んでもよい。例えばA3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含む等、セラミック体は、特に、比較的高い熱伝導率のため、熱管理の点で有用であり得る。
【0112】
特定の実施形態において、第1の光生成デバイスは、青色(レーザ)発光ダイオードレーザを含んでもよい。
【0113】
上述したように、システム光は、任意選択的に第1のデバイス光を含む、ルミネッセンス材料光を含んでもよい。CRI、CCT、及びカラーポイントの観点から、このような光の光学的特性がさらに適合される、及び/又は(より)制御可能であることが望ましくあり得る。そのために、(「第2の光生成デバイス」として示される)1つ以上のさらなる光生成デバイスが適用されてもよい。
【0114】
このような第2の光生成デバイスは、特に、アキシコン様光学要素を伝搬しなければならない第2の光を提供するように構成されなくても、ルミネッセンス体によって相互作用する(透過及び/又は反射されることを含む)ように構成されなくてもよいが、これらのオプションのいずれも本明細書では排除されない。
【0115】
さらに、1つ以上の第2の光生成デバイスは、第1のデバイス光と本質的に同じスペクトルパワー分布を有する第2のデバイス光を提供するように構成されてもよいが、このような1つ以上の第2の光生成デバイスは、その第2のデバイス光でルミネッセンス体をバイパスするように構成されてもよい。このような1つ以上の第2の光生成デバイスは、システム光におけるポンプ光、特に青色光とルミネッセンス材料光との比率を制御するために使用されてもよい。この目的のために、システムはまた、制御システムを含んでもよい(下記もさらに参照)。
【0116】
代替的に又は追加的に、1つ以上の(他の)第2の光生成デバイスは、第1のデバイス光と実質的に異なるスペクトルパワー分布を有する第2のデバイス光を提供するように構成されてもよい。また、このような1つ以上の(他の)第2の光生成デバイスは、その第2のデバイス光でルミネッセンス体をバイパスするように構成されてもよい。このような1つ以上の(他の)第2の光生成デバイスは、システム光における第2のデバイス光とルミネッセンス材料光との比率を制御するために使用されてもよい。この目的のために、システムはまた、制御システムを含んでもよい(下記もさらに参照)。
【0117】
いずれのやり方でも、CCT、CRI、及びカラーポイントがさらに調整及び/又は制御され得る。
【0118】
1つ以上の第2の光生成デバイスからのデバイス光は、ビームコンバイナを用いてルミネッセンス材料光(及び任意選択的に(変換されていない)第1のデバイス光)に混合されてもよい。したがって、特定の実施形態において、光生成システムはさらに、ビームコンバイナと、第2の光生成デバイスとを含んでもよい。第2の光生成デバイスは、第2のデバイス光を生成するように構成されてもよい。ビームコンバイナは、第1の端部窓の下流の第1のルミネッセンス材料光と、任意選択的な第1のデバイス光と、第2のデバイス光とを合成(combine)するように構成されてもよい。特定の実施形態において、第2の光生成デバイスは、第1のデバイス光の第1のスペクトルパワー分布とは異なる第2のスペクトルパワー分布を有する第2のデバイス光を生成するように構成されてもよい。特に、ある実施形態において、第2のデバイス光は、オレンジ色~赤色の波長範囲(すなわち、590~750nmの波長範囲)内の強度を有してもよい。
【0119】
特定の実施形態において、光生成システムの動作モードにおいて、システム光は、白色光であってもよい。白色光は、ルミネッセンス材料光と、第1のデバイス光及び第2のデバイス光のうちの1つ以上とに基づいてもよい。
【0120】
本明細書における、「白色光(white light)」という用語、及び同様の用語は、当業者には知られている。白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K~20000K等、約1800Kと20000Kとの間の、全般照明の場合は、特に、2700K~6500Kの範囲内等、約2000K~7000Kの範囲内の相関色温度(CCT)を有する光に関し得る。ある実施形態において、例えばバックライト目的の場合、又は他の目的の場合、相関色温度(CCT)は、特に、約7000~20000Kの範囲内であってもよい。またさらに、ある実施形態において、相関色温度(CCT)は、特に、BBL(黒体軌跡(black body locus))から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差(standard deviation of color matching))内、特にBBLから約10SDCM内、さらにより特にBBLから約5SDCM内である。
【0121】
特定の実施形態において、相関色温度(CCT)は、7000K~12000Kの範囲から選択される等、少なくとも8000Kなど、6000K~12000Kの範囲から選択されてもよい。またさらに、ある実施形態において、相関色温度(CCT)は、少なくとも70のCRIと組み合わせて、7000K~12000Kの範囲から選択される等、6000K~12000Kの範囲から選択されてもよい。
【0122】
上述したように、特定の実施形態において、システムはさらに、制御システムを含んでもよい(又は、システムは、制御システムに機能的に結合されてもよい)。制御システムは、システム光、より特にその光学的特性を制御するように構成されてもよい。制御システムは、1つ以上の第1の光生成デバイス及び1つ以上の第2の光生成デバイスを制御することによってシステム光を制御してもよい。
【0123】
「制御する(controlling)」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の実行を監督する(supervise)ことを指す。したがって、本明細書において、「制御する」及び同様の用語は、例えば、測定、表示、作動、開放、シフト、温度変更等等、挙動を要素に課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の実行を監督すること)等を指してもよい。そのほか、「制御する」という用語及び同様の用語は加えて、モニタリングを含んでもよい。したがって、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、及び要素に挙動を課し、要素をモニタリングすることを含んでもよい。要素の制御は、「コントローラ(controller)」としても示され得る、制御システムを用いて行われることができる。斯くして、制御システム及び要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい、ある実施形態では、制御システム及び要素は物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム(control system)」という用語はまた、特に機能的に結合され、それらのうちの例えば1つの制御システムが、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい、複数の異なる制御システムを指してもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを含んでもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0124】
制御システムはまた、リモートコントロールからの命令を受け、実行するように構成されてもよい。ある実施形態において、制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレット等、ポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。斯くして、デバイスは、必ずしも照明システムに結合されないが、照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0125】
したがって、ある実施形態において、制御システムは(また)、リモートデバイスにおけるアプリによって制御されるように構成されてもよい。このような実施形態において、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えば、QRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて照明システムにアクセスする外部制御システムによって制御されるように構成されてもよい。照明システムはまた、Bluetooth(登録商標)、Thread、WIFI(登録商標)、LiFi、ZigBee(登録商標)、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術に基づく等、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を含んでもよい。
【0126】
システム、又は装置、又はデバイスは、「モード(mode)」又は「動作モード(operation mode)」又は「動作のモード(mode of operation)」又は「動作モード(operational mode)」においてアクションを実行してもよい。「動作モード」という用語はまた、「制御モード(controlling mode)」として示されてもよい。同様に、方法において、アクション、又は段階、又はステップは、「モード(mode)」又は「動作モード(operation mode)」又は「動作のモード(mode of operation)」又は「動作モード(operational mode)」において実行されてもよい。これは、システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するように適合されていてもよいことを排除するものではない。同様に、これは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除しない。
【0127】
しかしながら、ある実施形態では、少なくとも制御モードを提供するように適合される制御システムが利用可能であってもよい。他のモードが利用可能であれば、そのようなモードの選択は、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行する等他のオプションも可能であるが、特にユーザインターフェースを介して実行されてもよい。動作モードはまた、ある実施形態では、単一の動作モード(すなわち、「オン」であり、さらなる調整可能性なし)においてのみ動作することができるシステム、又は装置、又はデバイスを指してもよい。
【0128】
したがって、ある実施形態では、制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ(timer)」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指してもよい。
【0129】
光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム(household application system)、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム(pixelated display system)、セグメント化ディスプレイシステム(segmented display system)、警標システム(warning sign system)、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム(indicator sign system)、装飾照明システム、ポータブルシステム、オートモーティブアプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、グリーンハウス照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライト等の一部であってもよく、又はこれらにおいて利用されてもよい。光生成システム(又は照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はこれらにおいて利用されてもよい。
【0130】
さらにさらなる態様において、本発明はまた、本明細書において規定されるような光生成システムを含むランプ又は照明器具を提供する。照明器具はさらに、ハウジング、光学要素、ルーバ等を含んでもよい。ランプ又は照明器具はさらに、光生成システムを囲むハウジングを含んでもよい。ランプ又は照明器具は、ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、システム光は、光窓又はハウジング開口部を通して、ハウジングから脱出してもよい。さらにさらなる態様において、本発明はまた、本明細書において規定されるような光生成システムを含む投影デバイスを提供する。特に、投影デバイス(projection device)又は「プロジェクタ(projector)」又は「画像プロジェクタ(image projector)」は、例えば投影スクリーン等、表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであってもよい。投影デバイスは、本明細書において述べられるような光生成システムを1つ以上含んでもよい。したがって、或る態様において、本発明はまた、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、光化学反応装置、及び光無線通信デバイスの群から選択される光生成デバイスであって、本明細書において規定されるような光生成システムを含む、光生成デバイスを提供する。光生成デバイスは、光生成システムの1つ以上の要素を、収容するように構成されるハウジング、又は支持するように構成される担体を含んでもよい。例えば、ある実施形態において、光生成デバイスは、1つ以上の第1の光生成デバイス、アキシコン様光学要素、熱伝導性要素、及び任意選択的な1つ以上の第2の光生成デバイスのうちの1つ以上を、収容するように構成されるハウジング、又は支持するように構成される担体を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
ここで、本発明の実施形態を、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明する。概略図は必ずしも縮尺どおりではない。
【
図1】
図1a~1dは、いくつかの実施形態及び態様を概略的に示す。
【
図2】
図2は、いくつかのアプリケーション実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0132】
図1a~1dは、第1の光生成デバイス110と、ルミネッセンス体1200と、熱伝導性要素500と、アキシコン様光学要素400とを含む、光生成システム1000のある実施形態及び光生成システム1000(の実施形態)に関連する態様を概略的に示している。
【0133】
第1の光生成デバイス110は、第1のデバイス光111を生成するように構成されてもよい。第1の光生成デバイス110は、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0134】
ルミネッセンス体1200は、第1のデバイス光111の少なくとも一部をルミネッセンス材料光201に変換するように構成されるルミネッセンス材料200を含んでもよい。ルミネッセンス体1200は、環状形状を有してもよい(
図1bも参照)。
【0135】
熱伝導性要素500は、任意選択的に、ルミネッセンス体1200の少なくとも一部を受け入れる環状スリット510を含んでもよい。熱伝導性要素500は、第1のデバイス光111及びルミネッセンス材料光201のうちの1つ以上に対して反射性であってもよい。
【0136】
アキシコン様光学要素400は、第1の部分410及び第2の部分420を含んでもよく、光学要素長Lを有してもよい。第1の部分410は、円錐形状、第1の長さL1を有してもよく、第1の端部窓411を含んでもよい。第2の部分420は、シリンダ形状、第2の長さL2を有してもよく、第2の端部窓422を含んでもよい。ある実施形態では、0.7≦L2/L<1である。
【0137】
アキシコン様光学要素400は、(a)第1の窓部分410を介して第1のデバイス光111の少なくとも一部を受ける及び第2の窓部分420を介して第1のデバイス光111の環状ビームをルミネッセンス体1200に提供する、及び(b)第2の窓部分420を介してルミネッセンス材料光201の少なくとも一部を集める及び第1の窓部分410を介してルミネッセンス材料光201のビームを提供するように構成されてもよい。
【0138】
ある実施形態では、第2の部分420は、第1の部分410から第2の端部窓422への方向において第2の長さL2の少なくとも一部にわたって先細りになっていてもよい。
【0139】
第1の端部窓411は、最大の第1の窓半径(Rw1)を有してもよく、第2の端部窓422は、第2の窓半径(RW2)を有してもよい。ある実施形態では、0.5≦RW2/RW1≦0.98である。さらに、ある実施形態では、0.8≦L2/L<1である。
【0140】
光生成システム1000は、第2の端部窓422から脱出する第1のデバイス光111の一部が、熱伝導性要素500及びルミネッセンス体1200のうちの1つ以上で反射される、反射後に第2の端部窓422を介してアキシコン様光学要素400に入る、及びルミネッセンス材料光202の少なくとも一部と共に、第1の端部窓411を介してアキシコン様光学要素400から脱出するように構成され、第1のデバイス光111及びルミネッセンス材料光201を含む光ビームを提供してもよい。
【0141】
第1の端部窓411は、最大の第1の窓円形断面Aw1を有してもよい。任意選択的な第1のオプティクス610は、特定の実施形態ではダイクロイックミラー612等、リフレクタ611を含んでもよい。任意選択的な第1のオプティクスは、ポンプビーム円形断面Ap及び最大の第1の窓円形断面Aw1に平行に定義される、オプティクス断面Ao1を有してもよい。ある実施形態では、Ao1/Aw1≦0.5である。
【0142】
ある実施形態では、第1の光生成デバイス110及び任意選択的な第1のオプティクス610は、第1の端部窓411においてポンプビーム円形断面Apを有する第1のデバイス光111のビームを提供するように構成されてもよい。さらに、第1の端部窓411は、最大の第1の窓円形断面Aw1を有してもよい。ある実施形態では、Ap/Aw1≦0.8である。
【0143】
特定の実施形態において、ルミネッセンス体1200と第2の端部窓422との間の第1の距離d1は、0~0.1*Lの範囲から選択されてもよい。
図1aでは、d1は本質的にゼロであるが、
図1cでは、d1がゼロではない実施形態が概略的に描かれている。
【0144】
特定の実施形態において、例えば
図1a及び
図1cを参照すると、ルミネッセンス体1200及び第2の端部窓422は、光学的に接触するように構成されてもよい。
【0145】
図1a~
図1dを参照すると、ルミネッセンス体1200は、ルミネッセンス体外側半径r
lo及びルミネッセンス体内側半径r
liを有してもよい。第2の端部窓422は、第2の窓半径R
W2を有してもよい。特に、r
lo>r
liである。さらに、特定の実施形態では、0.85≦r
Lo/R
W2<1である。
【0146】
ルミネッセンス体1200は、第2の端部窓422に向けられる第1の面1201、側面1202、及び第2の端部窓422から最も離れて構成される底面1203を有してもよい。特定の実施形態において、底面1203、及び任意選択的に側面1202も、熱伝導性要素500と熱的に接触するように構成されてもよい。
【0147】
ある実施形態では、熱伝導性要素500は、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、及び二相冷却デバイスを含む群から選択されてもよい。
【0148】
ある実施形態では、ルミネッセンス材料200は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含んでもよく、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含んでもよい。特定の実施形態において、ルミネッセンス体1200は、セラミック体を含んでもよい。
【0149】
ある実施形態では、第1の光生成デバイス110は、青色(レーザ)発光ダイオードレーザを含んでもよい。
【0150】
ある実施形態では、光生成システム1000はさらに、ビームコンバイナ620と、第2の光生成デバイス120とを含んでもよい。第2の光生成デバイス120は、第1のデバイス光111の第1のスペクトルパワー分布とは異なる第2のスペクトルパワー分布を有する第2のデバイス光121を生成するように構成されてもよく、又はこれらのスペクトルパワー分布は本質的に同じであってもよい。特定の実施形態において、第1のデバイス光111の第1のスペクトルパワー分布とは異なる第2のスペクトルパワー分布、特に、第2のデバイス光121は、オレンジ色~赤色の波長範囲内の強度を有する。ビームコンバイナ620は、第1の端部窓411の下流の第1のルミネッセンス材料光201と、第2のデバイス光121と(、任意選択的に、第1のデバイス光111と)を合成するように構成されてもよい。光生成システム1000は、合成された第1のルミネッセンス材料光201、第1のデバイス光111、及び第2のデバイス光121の少なくとも一部を含むシステム光1001を生成するように構成されてもよい。
【0151】
光生成システム1000の動作モードにおいて、システム光1001は、白色光であってもよい。
【0152】
図2は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に示している。参照符号301は、光生成システム1000に含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。
図2はまた、光生成システム1000を含むランプ1の実施形態も概略的に示している。参照符号3は、壁等に、画像を投影するために使用され得る、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示しており、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムも、光生成システム1000を含み得る。したがって、
図2は、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、光化学反応装置、及び光無線通信デバイスの群から選択される照明デバイス1200であって、本明細書において述べられるような光生成システム1000を含む、照明デバイス1200のある実施形態を概略的に示している。ある実施形態では、このような照明デバイスは、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、又は光無線通信デバイスであってもよい。照明デバイス1200から脱出する照明デバイス光が、参照符号1201で示されている。照明デバイス光1201は、本質的に、システム光1001から成ってもよく、斯くして、特定の実施形態では、システム光1001であってもよい。参照符号1300は、部屋等、空間を指している。参照符号1305は、床を指しており、参照符号1310は、天井を指しており、参照符号1307は、壁を指している。
【0153】
ある実施形態では、蛍光体ディスクが反射性ヒートシンクに取り付けられ、蛍光体タイルの裏面及び側面を通して熱が除去される構成である。このようなディスクがポンプレーザによって照射される場合、ディスクの中心にホットスポットが発生し、達成可能なパワー密度が制限される。
【0154】
特に、本明細書では、環状形状蛍光体を使用して、ヒートシンクとの接触面積を増大させ、斯くして、蛍光体を上面及び底面だけでなく側面からも冷却することによって蛍光体の過熱を防止することが提案される。環状蛍光体には、アキシコン光学要素を用いて作られる環状ポンプビームが照射されることができる。その後、同じアキシコンは、発せられた光を集めるために使用される。
【0155】
行われたシミュレーションでは、アキシコンと蛍光体の間にわずかなエアギャップがある。しかしながら、追加の冷却及び反射の低減のためにアキシコンを蛍光体表面の上に直接配することも可能である。
【0156】
アキシコンは、円錐形上面(conical top surface)を有するテーパ状シリンダロッド(tapered cylindrical rod)から成ってもよい。円錐の頂角の特定の値により、中空の、リング状ポンプビームが、環状蛍光体を効果的に照射することができる。本明細書では、変換された光、及び変換されていない青色ポンプ光を集めるために、同じアキシコン光学要素を使用することが提案される。テーパ状形状は、変換された蛍光体光及び反射された青色光の混合及び「プリコリメーション(pre-collimation)」を提供することが期待される。
【0157】
特に、青色ポンプ光は、小さなダイクロイックミラーを使用してアキシコンに結合されるが、小さなリフレクタが適用されてもよい。青色ポンプ光の一部は、蛍光体から、及び、蛍光体によって覆われなくてもよいヒートシンクの部分から反射され得る。ヒートシンクの青色反射は、トータル出力(total output)のホワイトバランスが良くなるように設計されることができる。
【0158】
図1dを参照すると、光が効率よく蛍光体に方向付けられることができることがわかる。
【0159】
モデリングに基づいて、蛍光体に環状青色光パターンを投影するアキシコンは、アキシコン蛍光体によって発せられる光を集め、円形ビームを作ると結論づけられることができる。
【0160】
以下の表1には、さまざまなアキシコン(Axicon)と蛍光体(Phosphor)の組み合わせに関するいくつかの結果が提示されている。蛍光体エリアが大きくなるにつれてFWHMも大きくなることがわかる:
【0161】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0162】
本明細書の「実質的に(substantially)」又は「本質的に(essentially)」という用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、この形容詞「実質的に」又は「本質的に」は、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、さらに特に99.5%以上等の、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0163】
用語「含む(comprise)」は、用語「含む(comprise)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。
【0164】
用語「及び/又は」は、特に、「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連し得る。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0165】
さらには、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0166】
デバイス、装置、又はシステムは、本明細書では、とりわけ、動作中について述べられている。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法又は動作時のデバイス、装置、又はシステムに限定されるものではない。
【0167】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。
【0168】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0169】
動詞「含む(to comprise)」及び活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈上別段の意味を有することが明らかな場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」等の用語は、排他的(exclusive)又は網羅的な(exhausitive)意味ではなく、包含的な(inclusive)意味、すなわち、「含むがそれに限定されない(including, but not limited to)」という意味で解釈されるべきである。
【0170】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0171】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項、装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、同一のハードウェアのアイテムによって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。(斯くして、)さらに他の態様において、本発明は、コンピュータ上で実行する場合、本明細書で述べられるような方法(の1つ以上の実施形態)を実現することが可能であるソフトウェアプロダクトを提供する。
【0172】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書で述べられる方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムを提供する。またさらには、本発明はまた、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合されるか又はそれに含まれるコンピュータ上で実行されると、斯かるデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能要素を制御するコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0173】
本発明はさらに、明細書本文で述べられる特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、又はシステムに適用される。本発明はさらに、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0174】
本特許で論じられている様々な態様は、さらなる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。さらには、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。さらには、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
【要約】
本発明は、第1の光生成デバイス(110)と、ルミネッセンス体(1200)と、熱伝導性要素(500)と、アキシコン様光学要素(400)とを含む、光生成システム(1000)であって、(A)第1の光生成デバイス(110)は、第1のデバイス光(111)を生成するように構成され、第1の光生成デバイス(110)は、スーパールミネッセントダイオード及び固体レーザのうちの1つ以上を含み、(B)ルミネッセンス体(1200)は、第1のデバイス光(111)の少なくとも一部をルミネッセンス材料光(201)に変換するように構成されるルミネッセンス材料(200)を含み、ルミネッセンス体(1200)は環状形状を有し、(C)熱伝導性要素(500)は、(a)ルミネッセンス体(1200)の少なくとも一部と熱的に接触するように構成され、(b)第1のデバイス光(111)及びルミネッセンス材料光(201)のうちの1つ以上に対して反射性であり、(D)アキシコン様光学要素(400)は、第1の部分(410)及び第2の部分(420)を含み、光学要素長(L)を有し、第1の部分(410)は、円錐形状、第1の長さ(L1)を有し、第1の端部窓(411)を含み、第2の部分(420)は、シリンダ形状、第2の長さ(L2)を有し、第2の端部窓(422)を含み、0.7≦L2/L<1であり、(E)アキシコン様光学要素(400)は、(a)第1の部分(410)を介して第1のデバイス光(111)の少なくとも一部を受ける及び第2の部分(420)を介して第1のデバイス光(111)の環状ビームをルミネッセンス体(1200)に提供する、及び(b)第2の部分(420)を介してルミネッセンス材料光(201)の少なくとも一部を集める及び第1の部分(410)を介してルミネッセンス材料光(201)のビームを提供するように構成される、光生成システムを提供する。