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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-22
(45)【発行日】2025-10-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20250924BHJP
【FI】
G03G21/18 121
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021175855
(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公開番号】P2023065193
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2024-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】波多野 周平
【審査官】佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-232752(JP,A)
【文献】特開2020-170083(JP,A)
【文献】特開2021-117386(JP,A)
【文献】特開2013-050491(JP,A)
【文献】特開2014-063077(JP,A)
【文献】特開2007-233240(JP,A)
【文献】特開2009-086141(JP,A)
【文献】特開2016-042179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00-21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムカートリッジと、
前記ドラムカートリッジに着脱可能な現像カートリッジと、
第1方向における前記ドラムカートリッジの一端部に着脱可能なカバーであって、前記第1方向における前記現像カートリッジの一端部に着脱可能なカバーと、
前記ドラムカートリッジに装着された状態の前記現像カートリッジを着脱可能な装置本体であって、前記カバーが装着された状態の前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジを着脱可な装置本体と、を備える画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジは、
前記第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムを有し、
前記現像カートリッジは、
現像剤を収容可能なケーシングと、
前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラと、
前記ケーシングに対して第1位置と第2位置とに移動可能なレバーであって、前記第1方向における前記ケーシングの一端部に位置するレバーと、を有し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記現像カートリッジ及び前記ドラムカートリッジに装着されておらず、かつ、前記レバーが前記第1位置に位置する状態において、前記現像ローラは、前記感光体ドラムから離間し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記現像カートリッジ及び前記ドラムカートリッジに装着されておらず、かつ、前記レバーが前記第2位置に位置する状態において、前記現像ローラは、前記感光体ドラムと接触し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記現像ローラは、前記感光体ドラムから離間し、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記カバーは、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記感光体ドラムと前記現像ローラとを離間させる離間リブと、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記レバーの一部が挿入される第1孔と、を有し、
前記レバーの前記一部が前記第1孔に挿入された状態において、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記レバーが前記第1位置に位置する状態において、前記レバーは、前記現像ローラが前記感光体ドラムから離れる方向において、前記ケーシングを押圧することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記レバーが前記第2位置に位置する状態において、前記レバーは、前記現像ローラが前記感光体ドラムから離れる方向に、前記ケーシングを押圧しないことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記離間リブは、前記第1方向に延びることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項6】
請求項2または請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジが着脱可能なドラムフレームを有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記離間リブは、前記ケーシングの一部と前記ドラムフレームの一部との間に挟まれることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記レバーは、前記第1方向に延びるシャフトを有し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、かつ、前記カバーが装着されていない状態において、前記レバーは、前記シャフトについて、回動可能であり、
前記カバーは、
前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において前記シャフトに嵌る第2孔を有し、
前記シャフトが前記第2孔に嵌った状態において、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項8】
請求項2、請求項5および請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記レバーは、前記第1方向に延びるシャフトを有し、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、かつ、前記カバーが装着されていない状態において、前記レバーは、前記シャフトについて、回動可能であり、
前記カバーは、
前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において前記シャフトに嵌る第2孔を有し、
前記シャフトが前記第2孔に嵌った状態において、前記レバーは、前記第2位置に位置し、
前記離間リブが、前記第2孔を有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項9】
請求項2、請求項5、請求項6および請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記第1孔は、前記第1方向に貫通する貫通孔であることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項10】
請求項2、請求項5、請求項6、請求項8および請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記レバーは、前記第1方向において、前記ケーシングから離れるように延びる凸部を有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記凸部は、前記第1孔に挿入されることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジは、
前記第1方向に延びるクリーニング軸について回転可能なクリーニングローラと、
前記クリーニングローラと電気的に接続されるクリーニング電極と、をさらに有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記クリーニング電極を覆うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記現像ローラは、
前記現像ローラと電気的に接続される現像電極をさらに有し、
前記ドラムカートリッジは、
前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記現像電極と電気的に接続される中継電極をさらに有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記中継電極を覆うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジは、
前記感光体ドラムと電気的に接続されるドラムアースをさらに有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記ドラムアースを覆うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジは、
前記感光体ドラムを帯電させる帯電器と、
前記帯電器と電気的に接続される帯電電極と、をさらに有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記帯電電極を覆うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記帯電器は、
前記第1方向に延びる帯電ワイヤと、
前記帯電ワイヤと間隔を空けて位置するグリッドと、をさらに有し、
前記帯電電極は、
前記帯電ワイヤと電気的に接続されるワイヤ電極と、
前記グリッドと電気的に接続されるグリッド電極と、をさらに有し、
前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記ワイヤ電極と前記グリッド電極を覆うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記カバーは、
ユーザに把持されることを許容するハンドルを有し、
前記カバーが装着された状態の前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記ハンドルは、前記装置本体から露出することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項17】
請求項16に記載の画像形成装置であって、
前記ハンドルは、取り外し方向を示す指示マーク を有することを特徴とする、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、現像カートリッジと、現像カートリッジが着脱可能なドラムカートリッジと、を備える。ドラムカートリッジに装着された現像カートリッジは、画像形成装置に着脱可能である。現像カートリッジは、現像剤を収容するケーシングと、現像ローラと、を有する。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着された状態において、現像ローラは、感光体ドラムと接触する。従来の画像形成装置は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置は、感光体ドラムから現像ローラを引き離す離間動作を行う。現像カートリッジは、離間動作時に画像形成装置から駆動力を受けるレバーを有する。レバーは、ケーシングに対して、移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-117386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像カートリッジ及びドラムカートリッジが装着された状態の画像形成装置を運搬することが考えられる。運搬時に、現像ローラ及び感光ドラムの変形を抑制するために、現像ローラと感光ドラムを離間させておくことが求められる。また、運搬時の振動により、レバーが動いてしまうことを抑制するために、レバーの移動を抑制することも求められる。
【0006】
本開示の目的は、ケーシングに対して移動可能なレバーを有する現像カートリッジを備えた画像形成装置について、運搬時に、現像ローラと感光ドラムを離間させるとともに、レバーの移動を抑制できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1開示は、ドラムカートリッジと、前記ドラムカートリッジに着脱可能な現像カートリッジと、第1方向における前記ドラムカートリッジの一端部に着脱可能なカバーであって、前記第1方向における前記現像カートリッジの一端部に着脱可能なカバーと、前記ドラムカートリッジに装着された状態の前記現像カートリッジを装着可能な装置本体であって、前記カバーが装着された状態の前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジを着脱可な装置本体と、を備える画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムを有し、前記現像カートリッジは、現像剤を収容可能なケーシングと、前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラと、前記ケーシングに対して第1位置と第2位置とに移動可能なレバーであって、前記第1方向における前記ケーシングの一端部に位置するレバーと、を有し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記現像カートリッジ及び前記ドラムカートリッジに装着されておらず、かつ、前記レバーが前記第1位置に位置する状態において、前記現像ローラは、前記感光体ドラムから離間し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記現像カートリッジ及び前記ドラムカートリッジに装着されておらず、かつ、前記レバーが前記第2位置に位置する状態において、前記現像ローラは、前記感光体ドラムと接触し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記現像ローラは、前記感光ドラムから離間し、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする。
【0008】
本願の第2開示は、第1開示の画像形成装置であって、前記カバーは、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記感光ドラムと前記現像ローラとを離間させる離間リブと、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記レバーの一部が挿入される第1孔と、を有し、前記レバーの前記一部が前記第1孔に挿入された状態において、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする。
【0009】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示の画像形成装置であって、前記レバーが前記第1位置に位置する状態において、前記レバーは、前記現像ローラが前記感光体ドラムから離れる方向において、前記ケーシングを押圧することを特徴とする。
【0010】
本願の第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記レバーが前記第2位置に位置する状態において、前記レバーは、前記現像ローラが前記感光体ドラムから離れる方向に、前記ケーシングを押圧しないことを特徴とする。
【0011】
本願の第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記離間リブは、前記第1方向に延びることを特徴とする、画像形成装置。
【0012】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジが着脱可能なドラムフレームを有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記離間リブは、前記ケーシングの一部と前記ドラムフレームの一部との間に挟まれることを特徴とする。
【0013】
本願の第7開示は、第1開示から第6開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記レバーは、前記第1方向に延びるシャフトを有し、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着され、かつ、前記カバーが装着されていない状態において、前記レバーは、前記シャフトについて、回動可能であり、前記カバーは、前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において前記シャフトに嵌る第2孔を有し、前記シャフトが前記第2孔に嵌った状態において、前記レバーは、前記第2位置に位置することを特徴とする。
【0014】
本願の第8開示は、第7開示の画像形成装置であって、前記離間リブが、前記第2孔を有することを特徴とする。
【0015】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記第1孔は、前記第1方向に貫通する貫通孔であることを特徴とする、画像形成装置。
【0016】
本願の第10開示は、第1開示から第9開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記レバーは、前記第1方向において、前記ケーシングから離れるように延びる凸部を有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記凸部は、前記第1孔に挿入されることを特徴とする。
【0017】
本願の第10開示は、第1開示から第9開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びるクリーニング軸について回転可能なクリーニングローラと、前記クリーニングローラと電気的に接続されるクリーニング電極と、をさらに有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記クリーニング電極を覆うことを特徴とする。
【0018】
本願の第12開示は、第1開示から第11開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記現像ローラは、前記現像ローラと電気的に接続される現像電極をさらに有し、前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態において、前記現像電極と電気的に接続される中継電極をさらに有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記中継電極を覆うことを特徴とする。
【0019】
本願の第13開示は、第1開示から第12開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジは、前記感光体ドラムと電気的に接続されるドラムアースをさらに有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記ドラムアースを覆うことを特徴とする。
【0020】
本願の第14開示は、第1開示から第13開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジは、前記感光体ドラムを帯電させる帯電器と、前記帯電器と電気的に接続される帯電電極と、をさらに有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記帯電電極を覆うことを特徴とする。
【0021】
本願の第15開示は、第14開示の画像形成装置であって、前記帯電器は、前記第1方向に延びる帯電ワイヤと、前記帯電ワイヤと間隔を空けて位置するグリッドと、をさらに有し、前記帯電電極は、前記帯電ワイヤと電気的に接続されるワイヤ電極と、前記グリッドと電気的に接続されるグリッド電極と、をさらに有し、前記カバーが前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジに装着された状態において、前記カバーは、前記ワイヤ電極と前記グリッド電極を覆うことを特徴とする。
【0022】
本願の第16開示は、第1開示から第15開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記カバーは、ユーザに把持されることを許容するハンドルを有し、前記カバーが装着された状態の前記ドラムカートリッジ及び前記現像カートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記ハンドルは、前記装置本体から露出することを特徴とする。
【0023】
本願の第17開示は、第16開示の画像形成装置であって、前記ハンドルは、取り外し方向を示す指示マーク を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本願の第1開示~第17開示によれば、ケーシングに対して移動可能なレバーを有する現像カートリッジを備えた画像形成装置について、運搬時にレバーの移動を制限できる。
【0025】
また、本願の第7開示によれば、カバーがレバーのシャフトの位置も固定することができる。これにより、運搬時にレバーの移動をより制限できる。
【0026】
また、本願の第8開示によれば、離間リブが、現像カートリッジとドラムカートリッジとを離間するとともに、レバーを固定できる。離間リブが複数の役割を担うことにより、カバーの形状が複雑になるのを抑制できる。
【0027】
また、本願の第9開示によれば、カバーの形状が複雑となることなく、レバーを固定できる。
【0028】
また、本願の第11開示によれば、運搬時にクリーニング電極が装置本体と電気的に接続されることを抑制できる。
【0029】
また、本願の第12開示によれば、運搬時に中継電極および現像電極が装置本体と電気的に接続されることを抑制できる。
【0030】
また、本願の第13開示によれば、運搬時にドラムアースが装置本体と電気的に接続されることを抑制できる。
【0031】
また、本願の第14開示によれば、運搬時に帯電電極が装置本体と電気的に接続されることを抑制できる。
【0032】
また、本願の第15開示によれば、カバーを現像カートリッジおよびドラムカートリッジから取り外す際に、容易に取り外すことができる。
【0033】
また、本願の第16開示によれば、ユーザが取り外し方向を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】使用時における画像形成装置の概念図である。
図2】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
図3】プロセスカートリッジおよびカバーの斜視図である。
図4】プロセスカートリッジおよびカバーの斜視図である。
図5】プロセスカートリッジおよびカバーの斜視図である。
図6】現像カートリッジの第1外表面付近の分解斜視図である。
図7】プロセスカートリッジにカバーが装着された状態の画像形成装置の断面図である。
図8】第1レバーが第3位置にあり、離間動作が実行されていないときの現像カートリッジおよび感光体ドラムを第1方向に見た側面図である。
図9】第1レバーが第1位置にあり、離間動作が実行されたときの現像カートリッジおよび感光体ドラムを第1方向に見た側面図である。
図10】カバーが装着されたプロセスカートリッジを第1方向に見た側面図である。
図11】第1レバーが第2位置にあるときのプロセスカートリッジを第1方向に見た側面図である。
図12】カバーが装着されたプロセスカートリッジが装着された画像形成装置の断面図である。
図13】カバーが装着されたプロセスカートリッジの断面図である。
図14】カバーが装着されたプロセスカートリッジが装着された画像形成装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
なお、以下では、現像ローラが延びる方向を「第1方向」と称する。また、ケーシングの現像ローラが位置する一端と、ケーシングの他端とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0037】
<1.画像形成装置の概要>
図1は、画像形成装置1の概念図である。この画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1の例としては、レーザプリンタまたはLEDプリンタが挙げられる。
【0038】
画像形成装置1は、装置本体10と、4つのプロセスカートリッジ100と、後述するカバー4とを備える。なお、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態を、プロセスカートリッジ100と称する。画像形成装置1の使用時には、図1に示すように、装置本体10に対してプロセスカートリッジ100が装着される。
【0039】
図1に示すように、装置本体10は、底部11と、第1側壁12と、第2側壁13とを有する。第1側壁12および第2側壁13は、底部11から略垂直に延びる。第1側壁12および第2側壁13は、第1方向に間隔を空けて位置する。
【0040】
プロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、第1側壁12と第2側壁13とによってプロセスカートリッジ100の第1方向の両端が保持される。具体的には、第1側壁12は、プロセスカートリッジ100の第1方向の一端部を保持する。第2側壁13は、プロセスカートリッジ100の第1方向の他端部を保持する。
【0041】
図2は、現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3の斜視図である。現像カートリッジ2は、感光体ドラム32(図8および図9参照)を有するドラムカートリッジ3とともに使用される。現像カートリッジ2は、ドラムカートリッジ3に装着可能である。
【0042】
この画像形成装置1には、4つのプロセスカートリッジ100を装着可能である。すなわち、画像形成装置1には、4つの現像カートリッジ2が装着可能である。4つの現像カートリッジ2は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。現像剤は、例えばトナーである。画像形成装置1は、現像カートリッジ2から供給される現像剤により、印刷用紙の表面に画像を形成する。ただし、画像形成装置に装着可能な現像カートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0043】
図3図5は、プロセスカートリッジ100およびカバー4の斜視図である。図3および図4は、プロセスカートリッジ100に対してカバー4が装着されていない状態を示している。また、図5は、プロセスカートリッジ100に対してカバー4が装着された状態を示している。
【0044】
装置本体10には、ドラムカートリッジ3に装着された状態の現像カートリッジ2(プロセスカートリッジ100)を着脱可能である。また、装置本体10には、カバー4が装着された状態の現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3を着脱可能である。すなわち、装置本体10には、カバー4が装着されたプロセスカートリッジ100を着脱可能である。
【0045】
画像形成装置1の運搬時には、カバー4を装着したプロセスカートリッジ100を装置本体10に装着する。これにより、プロセスカートリッジ100の各部を保護するとともに、プロセスカートリッジ100と装置本体10との電気的接続を遮断する。
【0046】
<2.現像カートリッジについて>
図2図6に示すように、現像カートリッジ2は、ケーシング20、現像ローラ51、軸受52、第1レバー60、およびICチップアセンブリ70を備える。
【0047】
ケーシング20は、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング20は、第1外表面21と第2外表面22とを有する。第1外表面21は、第1方向におけるケーシング20の一端に位置する。第2外表面22は、第1方向におけるケーシング20の他端に位置する。第1外表面21と第2外表面22とは、第1方向において互いに離れている。ケーシング20は、第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0048】
ケーシング20は、図示を省略した収容室を有している。収容室の内部には、現像剤が収容される。また、ケーシング20は、開口23を有する。開口23は、第2方向におけるケーシング20の一端に位置する。ケーシング20の外部空間と、収容室とは、開口23を介して連通する。なお、ケーシング20は、第2方向におけるケーシング20の他端の外表面に、ハンドルを有していてもよい。
【0049】
現像ローラ51は、第1方向に延びる現像軸について回転可能なローラである。現像ローラ51は、ケーシング20の開口23に位置する。すなわち、現像ローラ51は、第2方向におけるケーシング20の一端に位置する。
【0050】
第1レバー60は、ケーシング20の第1外表面21に位置する。第1レバー60は、現像ローラ51と第2方向に離れて位置する。第1レバー60は、ケーシング20に対して移動可能である。
【0051】
図6は、現像カートリッジ2の第1外表面21付近の分解斜視図である。図6に示すように、第1レバー60は、一端部61と、他端部62と、シャフト63と、孔64とを有する。一端部61は、第1方向および第2方向に対して交差する第3方向における、第1レバー60の一端に位置する。他端部62は、第3方向における第1レバー60の他端に位置する。一端部61と他端部62とは、第3方向に離れている。
【0052】
第1レバー60の一端部61は、第1凸部65を有する。第1凸部65は、第1レバー60の一端部61において、第1方向に突出する。また、第1凸部65は、第1レバー60の一端部61において、ケーシング20の第1外表面21から離れる向きに、突出する。第1凸部65は、凹み66を有する。現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、凹み66は、ドラムカートリッジ3の後述する感光体ドラム32へ向けて凹む。
【0053】
第1レバー60の他端部62は、第2凸部67を有する。第2凸部67は、第1レバー60の他端部62において、第1方向に突出する。また、第2凸部67は、第1レバー60の他端部62において、ケーシング20の第1外表面21へ向けて、突出する。
【0054】
シャフト63は、第3方向において、一端部61と他端部62との間に位置する。シャフト63は、第1レバー60から、第1方向に突出する。また、シャフト63は、ケーシング20の第1外表面21から離れる向きに突出する。現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、シャフト63は、ドラムカートリッジ3の後述するドラムフレーム31に接触可能である。そして、第1レバー60は、シャフト63について、回動可能である。
【0055】
図6図8および図9に示すように、軸受52は、押圧受け面521を有する。押圧受け面521は、第2方向において、第1レバー60の他端部62よりも、現像ローラ51から離れて位置する。また、押圧受け面521は、第1レバー60の他端部62と、第2方向に向かい合う。具体的には、押圧受け面521は、第1レバー60の第2凸部67と、第2方向に向かい合う。
【0056】
現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1レバー60の一端部61が、装置本体10から駆動力を受けると、第1レバー60は、シャフト63について回動する。これにより、第1レバー60の他端部62が、押圧受け面521に接触する。このとき、第1レバー60のシャフト63は、支点として機能する。第1レバー60の一端部61は、力点として機能する。第1レバー60の他端部62は、作用点として機能する。
【0057】
孔64は、第3方向において、一端部61と他端部62との間に位置する。孔64は、シャフト63と第1方向に重なる。孔64は、第1レバー60のケーシング20と向かい合う面から、シャフト63へ向けて、第1方向に凹む。本実施形態では、孔64の形状は、第1方向に延びるシャフト軸を中心とする円形である。ただし、孔64は、楕円形や多角形などの、円形以外の形状であってもよい。
【0058】
図6に示すように、軸受52は、ボス522を有する。ボス522は、軸受52の第1レバー60と向かい合う面から、第1レバー60へ向けて、第1方向に延びる。軸受52は、ケーシング20に固定されている。このため、ボス522は、ケーシング20とともに移動可能である。
【0059】
ボス522は、第1レバー60の孔64に嵌まる。孔64の内径は、ボス522の外径よりも大きい。すなわち、第2方向における孔64の寸法(内寸)は、第2方向におけるボス522の寸法(外寸)よりも大きい。また、第3方向における孔64の寸法(内寸)は、第3方向におけるボス522の寸法(外寸)よりも大きい。このため、孔64は、ボス522に対して、第2方向および第3方向に移動可能である。また、第1レバー60は、ボス522と孔64の寸法差の範囲内で、軸受52およびケーシング20に対して、第2方向および第3方向に移動可能である。
【0060】
また、現像カートリッジ2は、レバーホルダ600を有する。レバーホルダ600は、ケーシング20の第1外表面21に位置する。より詳細には、レバーホルダ600は、ケーシング20の第1外表面21に固定される。
【0061】
レバーホルダ600は、第1レバー60の一部分を覆う。すなわち、第1レバー60の一部分は、ケーシング20の第1外表面21と、レバーホルダ600との間に位置する。また、レバーホルダ600は、第3方向において、第1レバー60の第1凸部65と第2凸部67との間に位置する。第1凸部65とレバーホルダ600とは、第3方向に向かい合い、互いに接触することができる。これにより、レバーホルダ600から第1レバー60が、第3方向に抜けることが防止される。すなわち、レバーホルダ600は、第1レバー60を、ケーシング20に対して移動可能に保持する。
【0062】
図2に示すように、ICチップアセンブリ70は、ICチップ71と、ICチップ71を保持するホルダ72とを有する。図7は、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3にカバー4が装着された状態の画像形成装置1の部分断面図である。図7は、第1方向に対して直交し、かつ、ICチップアセンブリ70を含む断面を示している。
【0063】
ICチップ71は、記憶媒体、すなわちメモリである。ICチップ71は、3つの電気的接触面711を有する。電気的接触面711は、導体である金属からなる。電気的接触面711は、ホルダ72の外表面に位置する。また、ICチップ71は、現像カートリッジ2に関する種々の情報を記憶可能である。ただし、ICチップ71が有する電気的接触面711の数は、1つまたは2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0064】
ホルダ72は、ケーシング20に対して、第1方向に対して交差する第3方向に移動可能である。また、ホルダ72は、第1ホルダ部材721と、第2ホルダ部材722と、それらの間に位置するコイルばね723とを有する。第1ホルダ部材721は、例えば樹脂製である。第2ホルダ部材722は、例えば樹脂製である。
【0065】
コイルばね723は、第3方向に伸縮する弾性部材である。コイルばね723は、第3方向において、第1ホルダ部材721と第2ホルダ部材722との間に位置する。コイルばね723は、少なくとも、第1状態と、第1状態よりも収縮した第2状態との間で、第3方向に伸縮する。第1状態におけるコイルばね723の第3方向の長さは、第2状態におけるコイルばね723の第3方向の長さよりも長い。第1状態におけるコイルばね723の第3方向の長さは、コイルばね723の自然長と同じか、それよりも短い。したがって、少なくとも第2状態におけるコイルばね723の第3方向の長さは、コイルばね723の自然長よりも短い。すなわち、コイルばね723が第1状態よりも第3方向に圧縮されると、コイルばね723は、第2ホルダ部材722に対して第1ホルダ部材721を第3方向に離れる方向へと押圧する。
【0066】
第1ホルダ部材721は、保持部720を有する。ICチップ71は、保持部720に固定される。保持部720は、第1ホルダ部材721の外表面のうち、コイルばね723によって第2ホルダ部材722に対して離れる方向に位置する。これにより、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3(プロセスカートリッジ100)が装置本体10に装着された状態において、ICチップ71の電気的接触面711が、コイルばね723が伸張しようとする力によって、後述する装置本体10の本体電極19へ向かって押圧される。
【0067】
<3.ドラムカートリッジについて>
続いて、ドラムカートリッジ3について説明する。
【0068】
図2に示すように、ドラムカートリッジ3は、ドラムフレーム31と、感光体ドラム32とを備える。現像カートリッジ2は、ドラムフレーム31に装着される。感光体ドラム32は、第1方向に延びるドラム軸について回転可能な円筒状の部品である。感光体ドラム32の外周面は、感光材料に覆われている。感光体ドラム32は、第2方向におけるドラムフレーム31の一端に位置する。ドラムフレーム31に現像カートリッジ2が装着されると、現像ローラ51の外周面が、感光体ドラム32の外周面に接触する。このとき、現像ローラ51は、ドラムカートリッジ3に設けられた弾性部材331,332(図12および図13参照)によって、感光体ドラム32へ向けて、第2方向に押圧される。
【0069】
ドラムフレーム31は、凹部311(図11参照)を有する。凹部311は、第1方向におけるドラムフレーム31の一端に位置する。凹部311は、感光体ドラム32へ向けて、第2方向に凹む。現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された場合、第1レバー60のシャフト63は、凹部311に嵌まる。そして、シャフト63が、凹部311に対して、感光体ドラム32へ向かう方向に接触する。
【0070】
またドラムフレーム31は、ガイド面312(図11参照)を有する。ガイド面312は、第1方向におけるドラムフレーム31の一端に位置する。また、ガイド面312は、凹部311の隣に位置する。ガイド面312は、現像ローラ51を中心とする回転方向に対して傾斜する。現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着される途中において、ガイド面312は、第1レバー60のシャフト63を、凹部311へ向けて案内する。
【0071】
<4.離間動作について>
現像カートリッジ2は、ドラムカートリッジ3に装着された状態(プロセスカートリッジ100の状態)で装置本体10に装着された後、装置本体10から供給される駆動力により、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム32から現像ローラ51を、一時的に離間させる動作である。例えば、画像形成装置においてモノクロ印刷を行うときに、ブラック以外の各色の現像カートリッジ2が、離間動作を行う。ただし、ブラックの現像カートリッジ2が、離間動作を行う場合があってもよい。
【0072】
図8は、第1レバー60が第3位置にあり、離間動作が実行されていないときの現像カートリッジ2および感光体ドラム32を、第1方向に視た図である。図9は、第1レバー60が第1位置にあり、離間動作が実行されたときの現像カートリッジ2および感光体ドラム32を、第1方向に視た図である。なお、図8および図9には、ドラムフレーム31の一部分が、二点鎖線で示されている。
【0073】
図8のように、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された場合、現像カートリッジ2のケーシング20は、現像ローラ51が感光体ドラム32に接触する圧接位置に位置する。このときの第1レバー60の位置は、第3位置である。第3位置では、第1レバー60の他端部62が、押圧受け面521から、離れている。したがって、第1レバー60の他端部62は、押圧受け面521を押圧しない。また、第1レバー60のシャフト63は、ドラムフレーム31の凹部311に接触している。
【0074】
一方、図9のように、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、装置本体10が離間動作を行うと、現像カートリッジ2のケーシング20は、現像ローラ51が感光体ドラム32に接触しない離間位置へと移動する。このときの第1レバー60の位置は、第1位置となる。
【0075】
装置本体10は、離間動作を行うときに、第1レバー60の一端部61に駆動力を与える。具体的には、図8および図9に示すように、装置本体10は、本体カム101を有する。本体カム101は、装置本体10のフレームに対して、第1カム位置(図8の位置)と第2カム位置(図9の位置)との間で、第2方向に移動可能である。装置本体10は、離間動作を行う場合、本体カム101を第1カム位置から第2カム位置へ移動させる。
【0076】
図8に示すように、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3(プロセスカートリッジ100)が装置本体10に装着された状態において、本体カム101が第1カム位置に位置する場合、本体カム101は、第1レバー60と接触しない。一方、図9に示すように、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3(プロセスカートリッジ100)が、装置本体10に装着された状態において、本体カム101が第2カム位置に位置する場合、本体カム101は、第1レバー60の一端部61に接触する。より具体的には、本体カム101が、第1レバー60の凹み66に接触する。そして、本体カム101は、第1レバー60の一端部61を、感光体ドラム32へ向けて、第2方向に押圧する。
【0077】
これにより、第1レバー60は、凹部311に支持されたシャフト63について、回動する。すなわち、第1レバー60は、ケーシング20に対して、第3位置から第1位置へ回動する。そうすると、第1レバー60の他端部62が、ケーシング20の押圧受け面521に接触する。そして、第1レバー60の他端部62が、ケーシング20の押圧受け面521を、第2方向に、かつ、感光体ドラム32から離れる向きに、押圧する。これにより、ケーシング20の第1外表面21が、第1レバー60に対して、第2方向に、かつ、感光体ドラム32から離れる向きに、移動する。
【0078】
また、ドラムカートリッジ3は、図示を省略した第2レバーを有する。現像カートリッジ1がドラムフレーム91に装着された状態において、第2レバーは、ケーシング20の第2外表面22の近くに位置する。画像形成装置は、離間動作を行う場合、第2レバーの一端に、駆動力を与える。そうすると、第2レバーは、第1方向に延びる軸について回動する。これにより、第2レバーの他端が、現像カートリッジ2のケーシング20をに接触する。そして、第2レバーの他端が、ケーシング2を、第2方向に、かつ、感光体ドラム32から離れる方向に、押圧する。その結果、ケーシング20の第2外表面22が、第2方向に、かつ、感光体ドラム32から離れる向きに、移動する。
【0079】
このように、ケーシング20の第1外表面21では、本体カム101が第1レバー60を押圧し、第1レバー60が、ケーシング20を、感光体ドラム32から離れる方向に押圧する。また、ケーシング20の第2外表面22では、第2レバーが、ケーシング20を、感光体ドラム32から離れる方向に押圧する。これにより、ケーシング20を、現像ローラ51が感光体ドラム32に接触する圧接位置から、現像ローラ51が感光体ドラム32から離れる離間位置へ、第2方向に移動させることができる。
【0080】
<5.カバーについて>
続いて、図3図5図7、および図10図14を参照しつつ、カバー4について説明する。図10は、カバー4が装着されたプロセスカートリッジ100を、第1方向に視た図である。図11は第1レバー60が第2位置にあるときのプロセスカートリッジ100のみを第1方向に視た図である。図12は、カバー4が装着されたプロセスカートリッジ100が装着された画像形成装置1の断面図である。図13は、カバー4が装着されたプロセスカートリッジ100の断面図である。
【0081】
カバー4は、例えば樹脂製である。カバー4は、第1カバー41および第2カバー42を含む。第1カバー41と、第2カバー42とはそれぞれ別個の部材である。
【0082】
第1カバー41は、プロセスカートリッジ100の第1方向の一端部に着脱可能である。すなわち、第1カバー41は、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3の第1方向の一端部に着脱可能である。また、第1カバー41は、現像カートリッジ2の第1方向の一端部に着脱可能であり、かつ、ドラムカートリッジ3の第1方向の一端部に着脱可能である。
【0083】
図8図11に示すように、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着されると、第1レバー60が第1位置および第3位置とは異なる第2位置に配置される。このように、第1レバー60は、第1位置と、第2位置と、第3位置とに移動可能である。
【0084】
上述の通り、第1レバー60が第1位置に位置する状態において、第1レバー60は、現像ローラ51が感光体ドラム32から離れる方向において、ケーシング20を押圧する。このため、プロセスカートリッジ100に第1カバー41が装着されていない状態で第1レバー60を第1位置に位置させると、現像ローラ51と感光体ドラム32は離間する。すなわち、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着され、第1レバー60が第1位置に位置する状態において、現像ローラ51は、感光体ドラム32から離間する。
【0085】
これに対し、第1レバー60が第2位置または第3位置に位置する状態において、第1レバー60は、現像ローラ51が感光体ドラム32から離れる方向において、ケーシング20を押圧しない。このため、プロセスカートリッジ100に第1カバー41が装着されていない状態で第1レバー60を第3位置に位置させると、現像ローラ51と感光体ドラム32は接触する。すなわち、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着され、第1レバー60が第3位置に位置する状態において、現像ローラ51は、感光体ドラム32と接触する。
【0086】
そして、プロセスカートリッジ100に第1カバー41が装着されていない状態で第1レバー60を第2位置に位置させても、現像ローラ51と感光体ドラム32とは離間しない。すなわち、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着され、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着されておらず、かつ、第1レバー60が第2位置に位置する状態において、現像ローラ51は感光体ドラム32と接触する。
【0087】
一方、プロセスカートリッジ100に第1カバー41が装着されると、第1レバー60の一部(第1凸部65)が、第1カバー41の後述する第1孔416に嵌ることにより、第1レバー60は第2位置に配置される。しかしながら、プロセスカートリッジ100に第1カバー41が装着されると、第1凸部65が第1孔416に嵌った状態において、現像ローラ51は感光体ドラムから離間する。第1カバー41装着時の離間の詳細については、後述する。
【0088】
第2カバー42は、プロセスカートリッジ100の第1方向の他端部に着脱可能である。すなわち、第2カバー42は、現像カートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3の第1方向の他端部に着脱可能である。また、第2カバー42は、現像カートリッジ2の第1方向の他端部に着脱可能であり、かつ、ドラムカートリッジ3の第1方向の他端部に着脱可能である。
【0089】
第1カバー41は、第1縁部412、第1位置決めリブ413、第2位置決めリブ414、第1離間リブ415、および第1孔416を有する。
【0090】
第1カバー41は、プロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1方向に直交する平面に沿って拡がる。そして、第1カバー41は、プロセスカートリッジ100に装着された状態において、プロセスカートリッジ100の第1方向における一端部側の面を覆う。なお、第1カバー41は、平坦でなく、プロセスカートリッジ100の表面形状に沿った凹凸を有する。第1縁部412は、第1カバー41の外縁部の一部から、プロセスカートリッジ100へ向けて、第1方向に延びる。第1縁部412は、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、プロセスカートリッジ100の表面形状に沿って第1方向に延びる。
【0091】
ここで、図12に示すように、レバーホルダ600は、第1位置決め面601、第2位置決め面602および第1離間リブ接触面603を有する。
【0092】
第1位置決め面601は、レバーホルダ600の第1方向に延びる面のうち、第1方向に視て円弧状の部位の内周面である。第1位置決め面601は、第2方向において、第1レバー60よりも、現像ローラ51から離れて位置する。第2位置決め面602は、レバーホルダ600の第1方向に延びる面のうち、現像カートリッジ2の第2方向の一端部側の面である。第2位置決め面602は、第2方向において、第1レバー60よりも、現像ローラ51の近くに位置する。
【0093】
第1離間リブ接触面603は、レバーホルダ600の第1方向に延びる面のうち、現像カートリッジ2の第2方向の一端部側の面である。第1離間リブ接触面603は、第2方向において、第1レバー60よりも、現像ローラ51から離れて位置する。また、第1離間リブ接触面603は、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、ドラムフレーム31の凹部311と第2方向に向かい合う。
【0094】
第1位置決めリブ413は、第1カバー41から、第1方向においてプロセスカートリッジ100へ向けて突出する。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1位置決めリブ413は、レバーホルダ600の第1位置決め面601で囲まれた空間に嵌められる。
【0095】
第2位置決めリブ414は、第1カバー41から、第1方向においてプロセスカートリッジ100へ向けて突出する。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第2位置決めリブ414は、レバーホルダ600の第2位置決め面602と第2方向に向かい合う。
【0096】
第1離間リブ415は、第1カバー41から第1方向においてプロセスカートリッジ100へ向けて突出する。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1離間リブ415は、レバーホルダ600の第1離間リブ接触面603と、ドラムフレーム31の凹部311との間に嵌められる。ここで、レバーホルダ600は、ケーシング20と互いに移動不可能に固定された、ケーシング20の一部である。すなわち、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1離間リブ415は、ケーシング20の一部とドラムフレーム31の一部との間に挟まれる。
【0097】
また、第1離間リブ415は、第2孔417を有する。第2孔417は、第1方向においてプロセスカートリッジ100から離れる方向に凹む。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第2孔417には、第1レバー60のシャフト63が嵌まる。したがって、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着されると、第1レバー60のシャフト63の位置が固定される。
【0098】
第1孔416は、第1カバー41を第1方向に貫通する貫通孔である。第1カバー41は、第1方向に視て、第1レバー60の第1凸部65よりも僅かに大きい。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1孔416には、第1凸部65が嵌まる。
【0099】
このように、第1カバー41をプロセスカートリッジ100に装着すると、第1レバー60の一部(第1凸部65)が、第1カバー41の後述する第1孔416に嵌る。これにより、第1凸部65の移動を制限できる。その結果、第1カバー41を装着したプロセスカートリッジ100が装着された画像形成装置1の運搬時に、第1レバー60の移動を制限できる。
【0100】
また、第1カバー41が第1レバー60のシャフト63の位置も固定することができる。これにより、第1カバー41を装着したプロセスカートリッジ100が装着された画像形成装置1の運搬時に、第1レバー60の移動をより制限できる。さらに、第1離間リブ415がシャフト63を固定する第2孔417を有することにより、第1離間リブ415が、現像カートリッジ2とドラムカートリッジ3とを離間するとともに、シャフト63を固定できる。このように、第1離間リブ415が複数の役割を担うことにより、第1カバー41の形状が複雑になるのを抑制できる。
【0101】
第1カバー41をプロセスカートリッジ100に装着する際、プロセスカートリッジ100に対して、第1カバー41を第1方向に近づけていく。その際、まず、第1位置決めリブ413の一部を第1位置決め面601で囲まれた空間に挿入するとともに、第2位置決めリブ414を第2位置決め面602に沿って配置する。これによって、第1カバー41と現像カートリッジ2との相対的な位置が固定される。
【0102】
続いて、第1レバー60の位置を調整しつつ、第1レバー60の第1凸部65を第1孔416へと挿入する。そして、現像カートリッジ2とドラムカートリッジ3とを第2方向に引き離しつつ、第1離間リブ415を、レバーホルダ600の第1離間リブ接触面603とドラムカートリッジ3の凹部311との間に嵌め込む。第1離間リブ接触面603と凹部311との間に第1離間リブ415が嵌め込まれることによって、第1離間リブ接触面603と凹部311との間隔が拡がる。すなわち、第1離間リブ接触面603と凹部311との間に第1離間リブ415が嵌め込まれることによって、現像カートリッジ2のケーシング20とドラムカートリッジ3のドラムフレーム31とが第2方向に離れる。その結果、現像カートリッジ2の現像ローラ51と、ドラムカートリッジ3の感光体ドラム32とが離間する。
【0103】
第2カバー42は、第2縁部422、第2離間リブ423、および、ICチップアセンブリカバー部424を有する。
【0104】
第2カバー42は、プロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1方向に直交する平面に沿って拡がる。そして、第2カバー42は、プロセスカートリッジ100に装着された状態において、プロセスカートリッジ100の第1方向における他端部側の面を覆う。なお、第2カバー42は、平坦でなく、プロセスカートリッジ100の表面形状に沿った凹凸を有する。第2縁部422は、第2カバー42の外縁部の一部から、プロセスカートリッジ100へ向けて、第1方向に延びる。第2縁部422は、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、プロセスカートリッジ100の表面形状に沿って第1方向に延びる。
【0105】
図13に示すように、ドラムフレーム31は、第2離間リブ接触面313を有する。第2離間リブ接触面313は、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、ケーシング20のカラー24と、第2方向に向かい合う。
【0106】
第2離間リブ423は、第2カバー42から第1方向においてプロセスカートリッジ100へ向けて突出する。第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第2離間リブ423は、現像カートリッジ2のカラー24と、ドラムフレーム31の第2離間リブ接触面313との間に嵌められる。
【0107】
ICチップアセンブリカバー部424は、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、ICチップアセンブリ70の大部分を覆う。図7に示すように、ICチップアセンブリカバー部424のうち、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態においてICチップ71の電気的接触面711を覆う部位をメモリカバー部425と称する。具体的には、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、メモリカバー部425のICチップアセンブリ70側の面は、ICチップ71の電気的接触面711と第3方向に向かい合う。
【0108】
メモリカバー部425は、カバー凹部426を有する。カバー凹部426は、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、メモリカバー部425のICチップアセンブリ70側の面に位置する。カバー凹部426は、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、電気的接触面711から離れる方向に凹む。このため、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、電気的接触面711とカバー凹部426とは、第3方向に間隔を空けて向かい合う。したがって、電気的接触面711がメモリカバー部425と接触しない。
【0109】
また、図7に示すように、装置本体10は、本体電極19を有する。本体電極19は、第2カバー42が装着されていないプロセスカートリッジ100が装着された状態においてICチップ71の電気的接触面711と接触する。装置本体10に備えられた制御部は、本体電極19および電気的接触面711を介して、ICチップ71から必要な情報を取得する。このため、本体電極19の数は、電気的接触面711と同じ3個である。
【0110】
第2カバー42をプロセスカートリッジ100に装着する際、プロセスカートリッジ100に対して、第2カバー42を第1方向に近づけていく。その際、まず、ICチップアセンブリ70を、ICチップアセンブリカバー部424で覆う。続いて、現像カートリッジ2とドラムカートリッジ3とを第2方向に引き離しつつ、第2離間リブ423を、現像カートリッジ2のカラー24と、ドラムフレーム31の第2離間リブ接触面313との間に嵌め込む。
【0111】
図3図5に示すように、第1カバー41は、第1ハンドル410を有する。また、第2カバー42は、第2ハンドル420を有する。第1ハンドル410および第2ハンドル420はそれぞれ、ユーザが把持することを許容する部位である。
【0112】
第1ハンドル410は、取り外し方向を示す第1指示マーク419を有する。第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、ユーザが第1ハンドル410を把持し、第1指示マーク419に従って第1ハンドル410を移動させると、第1カバー41をプロセスカートリッジ100から容易に取り外すことができる。
【0113】
第2ハンドル420は、取り外し方向を示す第2指示マーク429を有する。第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、ユーザが第2ハンドル420を把持し、第2指示マーク429に従って第2ハンドル420を移動させると、第2カバー42をプロセスカートリッジ100から容易に外すことができる。
【0114】
第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1ハンドル410は、現像カートリッジ2の第2方向の他端部側に沿って位置する。また、第2カバー42がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第2ハンドル420は、現像カートリッジ2の第2方向の他端部側に沿って位置する。このため、第1ハンドル410および第2ハンドル420はそれぞれ、カバー4(第1カバー41および第2カバー42)が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着された状態において、装置本体10から露出する。すなわち、第1ハンドル410および第2ハンドル420はそれぞれ、カバー4が装着された状態の現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3が装置本体10に装着された状態において、装置本体10から露出する。
【0115】
すなわち、カバー4がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、ユーザは、プロセスカートリッジ100に装着されたカバー4の第1指示マーク419および第2指示マーク429を容易に視認することができる。これにより、搬送のためにプロセスカートリッジ100にカバー4が装着されている画像形成装置1を受け取ったユーザが、使用前にカバー4を取り外す必要があることを容易に確認することができる。
【0116】
続いて、カバー4をプロセスカートリッジ100に装着した場合に、カバー4が覆う電極について、説明する。図14は、カバー4が装着されたプロセスカートリッジ100が装着された画像形成装置1の断面図である。図14は、第1側壁12に直交し、かつ、後述する第1電極14およびクリーニング電極34、第2電極15および中継電極35、第3電極16およびワイヤ電極36、並びに、第4電極17およびグリッド電極37を通る断面における断面図である。
【0117】
図14に示すように、装置本体10は、第1側壁12に第1電極14、第2電極15、第3電極16および第4電極17を有する。また、図12に示すように、装置本体10は、第5電極18を有する。
【0118】
図11に示すように、ドラムカートリッジ3はクリーニング電極34、中継電極35、ワイヤ電極36、グリッド電極37、およびドラムアース38を有する。クリーニング電極34、中継電極35、ワイヤ電極36、グリッド電極37、およびドラムアース38は、それぞれ、ドラムカートリッジ3の第1方向の一端部において露出する。
【0119】
ドラムカートリッジ3は、図示を省略したクリーニングローラを有する。クリーニングローラは、第1方向に延びるクリーニング軸について回転可能である。クリーニングローラは、感光体ドラム32の外周面をクリーニングする。具体的には、クリーニングローラは、感光体ドラム32から記録媒体へとトナーを転写した後に感光体ドラム32の表面に残存したトナーや紙粉を回収する。
【0120】
クリーニングローラは、クリーニングローラシャフトとクリーニング部とを有する。クリーニングローラシャフトは、金属または導電性樹脂等の導電性材料で形成される。クリーニング部は、弾性力を有するゴムやスポンジ等の材料で形成される。
【0121】
クリーニング電極34は、クリーニングローラシャフトと電気的に接続される。すなわち、クリーニング電極34は、クリーニングローラと電気的に接続される。第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、装置本体10とクリーニング電極34とが電気的に接続される。これによって、クリーニングローラシャフトに装置本体10から電力が供給され、クリーニングローラシャフトが帯電する。
【0122】
第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、クリーニング電極34は、装置本体10の第1電極14と電気的に接続される。これにより、クリーニング電極34には、装置本体10から電力が供給可能となる。
【0123】
図10および図14に示すように、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1カバー41は、クリーニング電極34を覆う。すなわち、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1カバー41は、クリーニング電極34を覆う。これにより、図14に示すように、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、クリーニング電極34と装置本体10の第1電極14とは第1カバー41で遮断される。すなわち、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着された状態において、クリーニング電極34と装置本体10とは電気的に遮断される。
【0124】
現像カートリッジ2は、図示を省略した現像電極を有する。現像電極は、現像ローラ51と電気的に接続される。中継電極35は、現像カートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された状態において、現像電極と電気的に接続される。
【0125】
第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、中継電極35は、装置本体10の第2電極15と電気的に接続される。これにより、中継電極35には、装置本体10から電力が供給可能となる。
【0126】
図10および図14に示すように、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1カバー41は、中継電極35を覆う。すなわち、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1カバー41は、中継電極35を覆う。これにより、図14に示すように、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、中継電極35と装置本体10の第2電極15とは第1カバー41で遮断される。すなわち、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着された状態において、中継電極35と装置本体10とは電気的に遮断される。その結果、現像カートリッジ2の現像電極と装置本体10とが電気的に遮断される。
【0127】
また、ドラムカートリッジ3は、図示を省略した帯電器を有する。帯電器は、感光体ドラム32の外周面を帯電させる。帯電器には、例えば、スコロトロン型帯電器が用いられる。帯電器は、帯電ワイヤと、グリッドとを有する。帯電ワイヤは、第1方向に延びるワイヤである。帯電ワイヤは、金属または導電性樹脂等の導電性材料で形成される。グリッドは、帯電ワイヤと間隔を空けて位置する。
【0128】
ワイヤ電極36およびグリッド電極37はいずれも、帯電器と電気的に接続される帯電電極である。ワイヤ電極36およびグリッド電極37はそれぞれ、ドラムカートリッジ3の第1方向の一端部において露出する。ワイヤ電極36は、帯電ワイヤと電気的に接続される。グリッド電極37や、グリッドと電気的に接続される。
【0129】
なお、帯電器には、スコロトロン型帯電器以外の方式の帯電器が用いられてもよい。帯電器には、例えば、帯電ローラが用いられてもよい。また、帯電器と電気的に接続される帯電電極は1つであってもよい。
【0130】
画像形成装置1が印刷処理を行う場合、感光体ドラム32の表面は、感光体ドラム32の回転に伴って、帯電器によって一様に帯電される。その後、感光体ドラム32の表面は、LED光源やレーザ光源を有する露光部(図示せず)によって露光され、当該表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム32の表面に形成された静電潜像に現像ローラ51からトナーが供給され、感光体ドラム32の表面にトナー像が形成される。
【0131】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム32の表面が印刷用紙等の記録媒体に接触することにより、記録媒体上に画像が形成される。
【0132】
第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、ワイヤ電極36は、装置本体10の第3電極16と電気的に接続される。これにより、ワイヤ電極36には、装置本体10から電力が供給可能となる。また、第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、グリッド電極37は、装置本体10の第4電極17と電気的に接続される。これにより、グリッド電極37には、装置本体10から電力が供給可能となる。
【0133】
図10および図14に示すように、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1カバー41は、ワイヤ電極36およびグリッド電極37を覆う。すなわち、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1カバー41は、ワイヤ電極36およびグリッド電極37を覆う。これにより、図14に示すように、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、ワイヤ電極36と装置本体10の第3電極16とは第1カバー41で遮断される。また、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、グリッド電極37と装置本体10の第4電極17とは第1第1カバー411で遮断される。すなわち、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着された状態において、ワイヤ電極36およびグリッド電極37と装置本体10とはそれぞれ電気的に遮断される。
【0134】
ドラムアース38は、感光体ドラム32と電気的に接続される。第1カバー41が装着されていないプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、ドラムアース38は、装置本体10の第5電極18と電気的に接続される。
【0135】
図10および図14に示すように、第1カバー41がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1カバー41は、ドラムアース38を覆う。すなわち、第1カバー41が現像カートリッジ2およびドラムカートリッジ3に装着された状態において、第1カバー41は、ドラムアース38を覆う。これにより、図12に示すように、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着されると、ドラムアース38と装置本体10の第5電極18とは第1カバー41で遮断される。すなわち、第1カバー41が装着されたプロセスカートリッジ100が装置本体10に装着された状態において、ドラムアース38と装置本体10とは電気的に遮断される。
【0136】
<6.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0137】
上記の実施形態では、第1カバー41と第2カバー42とは別部材であった。このため、カバー4がプロセスカートリッジ100に装着された状態において、第1カバー41と第2カバー42とは、第1方向に離れて配置される。しかしながら、カバー4が、一繋がりに形成されていてもよい。その場合、カバー4が、第1カバー41と第2カバー42とを第1方向に繋ぐ部位を有していてもよい。
【0138】
また、現像カートリッジ2、ドラムカートリッジ3およびカバー4の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 画像形成装置
2 現像カートリッジ
3 ドラムカートリッジ
4 カバー
10 装置本体
20 ケーシング
31 ドラムフレーム
32 感光体ドラム
34 クリーニング電極
35 中継電極
36 ワイヤ電極
37 グリッド電極
38 ドラムアース
51 現像ローラ
54 現像電極
60 第1レバー
65 第1凸部
100 プロセスカートリッジ
410 第1ハンドル
415 第1離間リブ
416 第1孔
417 第2孔
419 第1指示マーク
420 第2ハンドル
423 第2離間リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14