(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-22
(45)【発行日】2025-10-01
(54)【発明の名称】媒体給送装置、画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250924BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20250924BHJP
B65H 3/52 20060101ALI20250924BHJP
B65H 5/38 20060101ALI20250924BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20250924BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
B65H3/06 A
B65H3/52 330D
B65H5/38
H04N1/12 Z
(21)【出願番号】P 2022014755
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2024-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】首藤 亮一
(72)【発明者】
【氏名】野田 一仁
(72)【発明者】
【氏名】中村 清隆
(72)【発明者】
【氏名】潮田 尚之
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-091143(JP,A)
【文献】特開2008-312181(JP,A)
【文献】特開2020-037483(JP,A)
【文献】特開2021-069015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B65H 3/06
B65H 3/52
B65H 5/38
H04N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持する媒体支持部と、
前記媒体支持部に支持される媒体の上面に接する給送ローラーと、
前記給送ローラーと対向配置される分離部であって前記給送ローラーに対して進退可能な分離部と、
前記給送ローラーと前記分離部との接触位置に対し媒体給送方向の上流に位置する部材であって、媒体の厚さに応じて前記給送ローラーに対して進退可能であり、前記給送ローラーに対して進出することで前記接触位置に向かう媒体給送経路を狭める経路形成部材と、
前記経路形成部材を前記給送ローラーに向けて押圧する第1押圧部と、を備え、
前記経路形成部材は、前記分離部との係わり合いが可能であり、厚さが所定厚を超える媒体によって前記給送ローラーから退避する方向に押し下げられる際に、前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させる、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体給送装置において、前記媒体支持部に複数枚のシート状の媒体が支持された際、前記経路形成部材の上面は、媒体の先端に対し分離作用を付与する、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、前記経路形成部材は、前記媒体給送方向に延びるリブを複数備え、
複数の前記リブは、前記媒体給送方向と交差する方向である幅方向において、媒体の中心を通る直線であって前記媒体給送方向に平行な直線に対して線対称となる様に配置されている、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の媒体給送装置において、前記幅方向において前記直線は前記給送ローラーの中心位置と前記分離部の中心位置とを通り、
前記複数のリブのうち前記幅方向において前記直線に近い二つのリブは、前記幅方向において前記分離部を挟んで位置するとともに、前記給送ローラーの領域内に位置する、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、
前記経路形成部材は、前記分離ローラーの回転中心を中心とする円筒部と当接することで前記分離部と係わり合い、
媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記円筒部との間には隙間があり、
媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記円筒部に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させる、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、
前記経路形成部材は、前記分離ローラーの回転軸と当接することで前記分離部と係わり合い、
媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記回転軸との間には隙間があり、
媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記回転軸に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させる、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、前記分離部は、前記給送ローラーに対して進退可能な保持部材により保持され、
前記経路形成部材は、前記保持部材に形成された当接部と当接することで前記分離部と係わり合い、
媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記当接部との間には隙間があり、
媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記当接部に当接して前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させる、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項8】
請求項5に記載の媒体給送装置において、前記給送ローラーと前記分離ローラーとの接触位置に対し媒体給送方向の上流で前記給送ローラーに対し進退可能な部材であって、給送される媒体の後端が前記接触位置を抜けた後、前記媒体支持部に支持された媒体を前記給送ローラーに向けて押し付け可能な押し付け部と、
前記押し付け部を前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備える、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、装置の載置面に載置される本体支持部と、
前記本体支持部に支持される装置本体と、を備え、
前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、
前記装置本体は、前記本体支持部に対し回転可能に取り付けられ、回転することで第1姿勢と、前記媒体給送経路が前記載置面と成す角度が前記第1姿勢より小さくなる第2姿勢とに切り替え可能であり、
前記分離ローラーが媒体を分離する分離状態と、前記分離ローラーが媒体を分離しない非分離状態とを切り替え可能な分離切り替え手段を備え、
前記分離切り替え手段は、前記装置本体が前記第1姿勢にある際に前記分離ローラーを前記分離状態とし、前記装置本体が前記第2姿勢にある際に前記分離ローラーを前記非分離状態とする、
ことを特徴とする媒体給送装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の前記媒体給送装置と、
前記媒体給送装置によって給送された媒体を読み取る読み取り部と、
を備えた画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を給送する媒体給送装置、およびこれを備えた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置の一例としてシートフィードタイプのスキャナーがあり、この様な画像読取装置では分離ローラーと給送ローラーとで媒体をニップして分離する構成が採用される場合がある。特許文献1記載のスキャナーは、分離ローラーが給紙ローラーに対して進退可能に設けられている。分離ローラーと給紙ローラーとの接触位置に対し上流には給紙ローラーガイドが設けられており、この給紙ローラーガイドによって、セットされる原稿の先端が給送ローラーに引っ掛からない様に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキャナーにおいては、シート状の原稿のみならず冊子状の原稿が搬送される場合がある。冊子状の原稿は厚みが厚く、分離ローラーと給紙ローラーとの接触位置に向けて冊子状の原稿を差し入れようとしても、分離ローラーの外周面に突き当たってしまい、給送不能となる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の媒体給送装置は、媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部に支持される媒体の上面に接する給送ローラーと、前記給送ローラーと対向配置される分離部であって前記給送ローラーに対して進退可能な分離部と、前記給送ローラーと前記分離部との接触位置に対し媒体給送方向の上流に位置する部材であって、媒体の厚さに応じて前記給送ローラーに対して進退可能であり、前記給送ローラーに対して進出することで前記接触位置に向かう媒体給送経路を狭める経路形成部材と、前記経路形成部材を前記給送ローラーに向けて押圧する第1押圧部と、を備え、前記経路形成部材は、前記分離部との係わり合いが可能であり、厚さが所定厚を超える媒体によって前記給送ローラーから退避する方向に押し下げられる際に、前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させることを特徴とする。
【0006】
また本発明の画像読取装置は、前記媒体給送装置と、前記媒体給送装置によって給送された媒体を読み取る読み取り部とを備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】装置本体が通常読み取り姿勢にあるスキャナーを前方から視た斜視図。
【
図2】装置本体が通常読み取り姿勢にあるスキャナーを後方から視た斜視図。
【
図3】装置本体が通常読み取り姿勢にあって、第3ユニットを開いたスキャナーを前方から視た斜視図。
【
図4】装置本体が通常読み取り姿勢にあって、第2ユニットを開いたスキャナーを上方から視た斜視図。
【
図5】装置本体が通常読み取り姿勢にあるスキャナーの原稿搬送路を幅方向から視た断面図。
【
図6】装置本体が冊子読み取り姿勢にあるスキャナーの原稿搬送路を幅方向から視た断面図。
【
図7】第1ユニットの背面カバーを外したスキャナーを後方から視た斜視図。
【
図8】姿勢切り替えモーター及び回転変換手段の構成を示す斜視図。
【
図9】装置本体が通常読み取り姿勢にある際の姿勢切り替えモーター及び回転変換手段の構成を幅方向から視た断面図。
【
図10】装置本体が冊子読み取り姿勢にある際の姿勢切り替えモーター及び回転変換手段の構成を幅方向から視た断面図。
【
図13】他の実施形態に係る姿勢保持手段を示す斜視図。
【
図14】第1フレーム及び分離切り替え手段(第1実施形態)を後方から見た斜視図。
【
図16】分離ローラー、ローラーホルダー、及びトルクリミッターの断面斜視図。
【
図17】分離状態にある分離切り替え手段(第1実施形態)の斜視図。
【
図18】分離状態にある分離切り替え手段(第1実施形態)の側面図。
【
図19】非分離状態にある分離切り替え手段(第1実施形態)の斜視図。
【
図20】非分離状態にある分離切り替え手段(第1実施形態)の側面図。
【
図21】分離状態にある分離切り替え手段(第2実施形態)の斜視図。
【
図22】分離状態にある分離切り替え手段(第2実施形態)の要部側面図。
【
図23】非分離状態にある分離切り替え手段(第2実施形態)の斜視図。
【
図24】非分離状態にある分離切り替え手段(第2実施形態)の要部側面図。
【
図25】装置本体の姿勢切り替えを行う際の制御を示すフローチャート。
【
図26】エッジガイドの斜視図であって、(A)は引き出し部を収納した状態、(B)は引き出し部を引き出した状態をそれぞれ示す図。
【
図28】
図27の状態からガイド部材を取り外した状態を示す図。
【
図29】ガイド部材、セットガイド、及び押し付けレバーを下側から視た斜視図。
【
図32】セットフラップ及びセットフラップを駆動する機構の一部を示す斜視図。
【
図34】セットガイドの動作を説明する図であって、(A)は給送待機状態を示す図、(B)は分離ローラーを変位させた状態を示す図。
【
図35】セットガイドの動作を説明する図であって、(A)はシート状の原稿を複数枚給送する際の状態を示す図、(B)は冊子状の原稿を給送する際の状態を示す図。
【
図36】セットガイドが分離ローラーを押し下げる構成の他の実施形態を示す図。
【
図37】押し付けレバーの動作を説明する図であって、(A)は原稿給送途中の状態を示す図、(B)は給送される原稿の後端が給送ローラーと分離ローラーとの接触位置から抜けた状態を示す図。
【
図38】複数の給送ローラーを設けた場合の押し付けレバーの配置例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る媒体給送装置は、媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部に支持される媒体の上面に接する給送ローラーと、前記給送ローラーと対向配置される分離部であって前記給送ローラーに対して進退可能な分離部と、前記給送ローラーと前記分離部との接触位置に対し媒体給送方向の上流に位置する部材であって、媒体の厚さに応じて前記給送ローラーに対して進退可能であり、前記給送ローラーに対して進出することで前記接触位置に向かう媒体給送経路を狭める経路形成部材と、前記経路形成部材を前記給送ローラーに向けて押圧する第1押圧部と、を備え、を備え、前記経路形成部材は、前記分離部との係わり合いが可能であり、厚さが所定厚を超える媒体によって前記給送ローラーから退避する方向に押し下げられる際に、前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記経路形成部材は、前記分離部との係わり合いが可能であり、厚さが所定厚を超える媒体によって前記給送ローラーから退避する方向に押し下げられる際に、前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させるので、厚さが所定厚を超える媒体を給送する場合には当該媒体が前記分離部と前記給送ローラーとの間に入り込む前に、予め前記分離部が前記給送ローラーから離間される。これにより厚さが所定厚を超える媒体が前記分離部に突き当たって給送不能となることを抑制できる。
尚、前記経路形成部材と前記分離部との係わり合いは、前記経路形成部材と前記分離部とが直接係わり合う場合に限らず、前記経路形成部材と前記分離部とが他の部材を介して間接的に係わり合う場合も含む。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、前記媒体支持部に複数枚のシート状の媒体が支持された際、前記経路形成部材の上面は、媒体の先端に対し分離作用を付与することを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体支持部に複数枚のシート状の媒体が支持された際、前記経路形成部材の上面は、媒体の先端に対し分離作用を付与するので、前記給送ローラーと前記分離部とによる媒体の分離に先立って前記経路形成部材による分離が行われることで、より確実に媒体を分離することができる。
【0011】
第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記経路形成部材は、前記媒体給送方向に延びるリブを複数備え、複数の前記リブは、前記媒体給送方向と交差する方向である幅方向において、媒体の中心を通る直線であって前記媒体給送方向に平行な直線に対して線対称となる様に配置されていることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、複数の前記リブは、媒体の中心を通る直線であって前記媒体給送方向に平行な直線に対して線対称となる様に配置されているので、前記経路形成部材が媒体に付与する摩擦力が前記幅方向において前記直線に対して左右均等となり、これにより媒体の斜行を抑制できる。
【0013】
第4の態様は、第3の態様において、前記幅方向において前記直線は前記給送ローラーの中心位置と前記分離部の中心位置とを通り、前記複数のリブのうち前記幅方向において前記直線に近い二つのリブは、前記幅方向において前記分離部を挟んで位置するとともに、前記給送ローラーの領域内に位置することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記複数のリブのうち前記幅方向において前記直線に近い二つのリブは、前記幅方向において前記分離部を挟んで位置するとともに、前記給送ローラーの領域内に位置するので、前記接触位置に向かう媒体給送経路を適切に狭めることができ、前記接触位置に向かう媒体の枚数を適切に規制することができる。その結果、前記分離部による分離作用を適切に得ることができる。
【0015】
第5の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、前記経路形成部材は、前記分離ローラーの回転中心を中心とする円筒部と当接することで前記分離部と係わり合い、媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記円筒部との間には隙間があり、媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記円筒部に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させることを特徴とする。
本態様によれば、前記経路形成部材が前記円筒部に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させる構成であるので、前記分離ローラーを確実に前記給送ローラーから離間させることができる。
【0016】
第6の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、前記経路形成部材は、前記分離ローラーの回転軸と当接することで前記分離部と係わり合い、媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記回転軸との間には隙間があり、媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記回転軸に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させることを特徴とする。
本態様によれば、前記経路形成部材が前記回転軸に当接して前記分離ローラーを前記給送ローラーから離れる方向に変位させる構成であるので、前記分離ローラーを確実に前記給送ローラーから離間させることができる。
【0017】
第7の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離部は、前記給送ローラーに対して進退可能な保持部材により保持され、前記経路形成部材は、前記保持部材に形成された当接部と当接することで前記分離部と係わり合い、媒体の厚さが前記所定厚以下の場合、前記経路形成部材と前記当接部との間には隙間があり、媒体の厚さが前記所定厚を超えると、前記経路形成部材が前記当接部に当接して前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させることを特徴とする。
本態様によれば、前記経路形成部材が前記当接部に当接して前記分離部を前記給送ローラーから離れる方向に変位させる構成である。ここで前記当接部は前記保持部材に形成されていることから、前記当接部の位置は配置の自由度が高く、設計の自由度を向上させることができる。
【0018】
第8の態様は、第5の態様において、前記給送ローラーと前記分離ローラーとの接触位置に対し媒体給送方向の上流で前記給送ローラーに対し進退可能な部材であって、給送される媒体の後端が前記接触位置を抜けた後、前記媒体支持部に支持された媒体を前記給送ローラーに向けて押し付け可能な押し付け部と、前記押し付け部を前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、給送される媒体の後端が前記接触位置を抜けた後、前記媒体支持部に支持された媒体を前記給送ローラーに向けて押し付け可能な押し付け部を備えるので、積載された媒体のうち最上位のものから給送する構成において、前記給送ローラーの逆転によって媒体が上流に戻される現象を抑制できる。
【0020】
第9の態様は、第1から第8の態様のいずれかにおいて、装置の載置面に載置される本体支持部と、前記本体支持部に支持される装置本体と、を備え、前記分離部は、回転可能な分離ローラーで構成され、前記装置本体は、前記本体支持部に対し回転可能に取り付けられ、回転することで第1姿勢と、前記媒体給送経路が前記載置面と成す角度が前記第1姿勢より小さくなる第2姿勢とに切り替え可能であり、前記分離ローラーが媒体を分離する分離状態と、前記分離ローラーが媒体を分離しない非分離状態とを切り替え可能な分離切り替え手段を備え、前記分離切り替え手段は、前記装置本体が前記第1姿勢にある際に前記分離ローラーを前記分離状態とし、前記装置本体が前記第2姿勢にある際に前記分離ローラーを前記非分離状態とすることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記分離切り替え手段は、前記装置本体が前記第1姿勢にある際に前記分離ローラーを前記分離状態とし、前記装置本体が前記第2姿勢にある際に前記分離ローラーを前記非分離状態とするので、ユーザーは前記分離ローラーの前記分離状態と前記非分離状態との切り替えを行う為の専用の操作が不要となり、装置の使い勝手が向上する。
【0022】
第10の態様に係る画像読取装置は、第1から第9の態様のいずれかに係る前記媒体給送装置と、前記媒体給送装置によって給送された媒体を読み取る読み取り部とを備えたことを特徴とする。
本態様によれば、画像読取装置において、上述した第1から第8の態様のいずれかの作用効果が得られる。
【0023】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では画像読取装置の一例として、原稿の第1面とその反対の第2面のうち少なくとも一面を読み取り可能なスキャナー1を例に挙げる。スキャナー1は、後述する読取部に対して原稿を移動させつつ読み取りを行う、所謂シートフィードタイプのスキャナーである。
本明細書において原稿には、シート状の原稿のみならず、カード状の原稿や冊子状の原稿が含まれるものとする。原稿は、媒体の一例である。
【0024】
尚、各図において示すX-Y-Z座標系は、X軸方向が装置幅方向であり原稿幅方向でもある。Y軸方向は装置奥行き方向であり、Z軸方向は鉛直方向に沿った方向である。
本実施形態では、+Y方向を装置背面から前面に向かう方向とし、-Y方向を装置前面から背面に向かう方向とする。また、装置前面から見て左方向を+X方向、右方向を-X方向とする。
また、以下では原稿が搬送されていく方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」と称する場合がある。
【0025】
図1、
図2においてスキャナー1は、媒体給送装置の一例である原稿給送装置150を備えている。本実施形態において原稿給送装置150は、スキャナー1から、後述する第1読取部32と第2読取部33を除いた構成とする。但しスキャナー1は原稿を給送する観点において、第1読取部32と第2読取部33を含むスキャナー1の全体を原稿給送装置150としても良い。
本実施形態に係るスキャナー1は、装置本体2と、装置本体2を回転可能に支持する本体支持部6とを備えている。
装置本体2は、第1ユニット3、第2ユニット4、及び第3ユニット5を備えて構成されている。
【0026】
第2ユニット4と第3ユニット5は、フレーム回転軸64a(
図3参照)を中心に回転可能に設けられている。フレーム回転軸64aは、X軸方向に平行な回転軸中心を成す回転軸である。
第2ユニット4と第3ユニット5は、第1ユニット3に対し、フレーム回転軸64aを中心に一体となって回転することができる(
図4参照)。第2ユニット4と第3ユニット5を第1ユニット3に対し回転させることで、
図4に示す様に原稿搬送路の一部を露呈させることができる。特に、後述する原稿給送経路R1と読み取り搬送路R2を露呈させることができる。ユーザーはロック解除部8aを-X方向にスライドさせることで、第1ユニット3に対する第2ユニット4のロックを解除でき、第2ユニット4を開くことができる。
【0027】
また第3ユニット5は、第1ユニット3及び第2ユニット4に対し、フレーム回転軸64aを中心に回転することができる(
図3参照)。第3ユニット5を第1ユニット3及び第2ユニット4に対し回転させることで、
図3に示す様に原稿搬送路の一部を露呈させることができる。特に、後述する反転搬送路R3を露呈させることができる。
【0028】
装置本体2は本体支持部6に対して本体回転軸6c(
図7、
図8参照)を中心に回転可能であり、本実施形態において装置本体2は回転することで2つの姿勢を保持可能である。装置本体2の2つの姿勢は
図5、
図6に示されており、以降において
図5の姿勢を通常読み取り姿勢と称し、
図6の姿勢を冊子読み取り姿勢と称する。通常読み取り姿勢は装置本体2の第1姿勢の一例であり、冊子読み取り姿勢は装置本体2の第2姿勢の一例である。
【0029】
図5に示す角度α1と、
図6に示す角度α2は、それぞれ後述する読み取り搬送路R2と装置の載置面Gとの成す角度である。冊子読み取り姿勢の場合の角度α2は、通常読み取り姿勢の場合の角度α1よりも小さくなる。
通常読み取り姿勢では、スキャナー1を載置する載置面Gへの装置本体2の投影面積が最も小さくなり、即ち装置本体2のフットプリントが最も小さくなる姿勢となる。
尚、本明細書におけるフットプリントとは装置本体2を上方から見下ろした際の装置本体2のX-Y平面における占有面積である。
通常読み取り姿勢は、シート状の原稿、即ち剛性の低く撓み易い原稿の読み取りに適する。冊子読み取り姿勢は、プラスチックカードや冊子等の、剛性が高く撓み難い原稿の読み取りに適する。
【0030】
装置前面には、電源ボタンを含む複数の操作ボタンで構成される操作部7が設けられている。
また装置の周囲を構成する側面のうち+X方向の側面には、
図2に示す様に第1接続部71、第2接続部72、及び第3接続部73が設けられている。第1接続部71は、接続対象の一例であるUSB Type-Aのプラグ(不図示)が接続される接続部である。第2接続部72は、接続対象の一例であるUSB Type-Cのプラグ(不図示)が接続される接続部である。第3接続部73は、装置本体2に電力を供給する為の電源プラグ(不図示)が接続される接続部である。
尚、USBはUniversal Serial Busの略称であり、Type-AとType-CはそれぞれUSB規格において規定された複数の種類の一つである。
【0031】
第1接続部71には、USBケーブル(不図示)を介して外部機器を接続できるほか、記憶媒体、例えばUSBメモリ(不図示)を接続できる。そして制御部80(
図12参照)は、第1接続部71に接続された記憶媒体に対し読み取りデータを保存することができる。
また第2接続部72には、USBケーブル(不図示)を介して外部機器を接続できる。
第1接続部71、第2接続部72、及び第3接続部73は、装置背面側に位置する回路基板79(
図7参照)に設けられる。
尚、本実施形態では装置本体2は第2接続部72に接続された外部機器から電力の供給を受けることも可能に構成されている。
【0032】
続いて
図5、
図6を参照してスキャナー1における原稿搬送路の構成について説明する。給送される原稿は、原稿支持部11によって傾斜姿勢に支持される。符号Pは、支持される原稿を示している。原稿支持部11に複数枚の原稿が支持された場合には、最上位の原稿が給送ローラー14によって下流に送り出される。給送ローラー14は、原稿支持部11に支持された原稿の上面に接する。
原稿支持部11は上部開閉部10に形成されている。上部開閉部10は不図示の回転軸を中心に回転可能であり、回転することで給送口13を開閉する。
図1は上部開閉部10を閉じた状態を示し、
図2は上部開閉部10を開いた状態を示している。上部開閉部10は、第1ユニット3を構成する。
【0033】
原稿支持部11には、
図3に示す様に原稿のサイドエッジをガイドする一対のエッジガイド12A、12Bが設けられている。一対のエッジガイド12A、12Bは、原稿幅方向(X軸方向)にスライド可能に設けられている。一対のエッジガイド12A、12Bは、原稿幅方向の中心位置を挟んで互いに離間し、或いは互いに接近する様に、不図示のラックピニオン機構によって連動する様に設けられている。即ちスキャナー1は、所謂センター給送方式を採用する。
【0034】
尚、エッジガイド12A、12Bには、
図26に示す様にそれぞれ引き出し部12c、12dが設けられている。引き出し部12cはエッジガイド12Aに収納された状態で外側(+X方向)に突出する突出部12eを備え、突出部12eに指を掛けることで
図26(A)から
図26(B)への変化で示す様に引き出し部12cを給送方向下流に引き出すことができる。同様に引き出し部12dはエッジガイド12Bに収納された状態で外側(-X方向)に突出する突出部12fを備え、突出部12fに指を掛けることで
図26(A)から
図26(B)への変化で示す様に引き出し部12dを給送方向下流に引き出すことができる。
【0035】
この様にエッジガイド12A、12Bには、それぞれ給送方向下流に引き出せる引き出し部12c、12dが設けられているので、原稿のサイドエッジをガイドする領域を給送方向下流に延ばすことができる。その結果、より給送方向により広い領域で原稿のサイドエッジをガイドでき、また給送方向におけるサイズの小さい原稿も適切にガイドできるため、給送時の斜行を良好に抑制できる。
尚、エッジガイド12A、12Bから、それぞれ引き出し部12c、12dを引き出した状態で上部開閉部10を
図1に示す様に閉じると、引き出し部12c、12dは第1ユニット3の基体を構成する第1フレーム63(
図4参照)に当接することで、収納される。即ち引き出し部12c、12dを収納する為の専用の操作が不要となり、使い勝手が向上する。
【0036】
給送ローラー14は、第2ユニット4に設けられる。第2ユニット4を第1ユニット3に対して閉じると、給送ローラー14は後述する分離ローラー15と接触する。第2ユニット4を第1ユニット3に対して開くと、給送ローラー14は分離ローラー15から離間する。
給送ローラー14は、後述する搬送モーター50から動力を得て回転する。第1ユニット3において給送ローラー14と対向する位置には、分離ローラー15が設けられる。分離ローラー15は、不図示のトルクリミッターによって回転トルクが付与されており、原稿の重送を抑制する。尚、分離ローラー15に代えて分離パッドを採用しても良い。
給送ローラー14と分離ローラー15は、原稿幅方向における中心位置に設けられている(
図4参照)。
【0037】
給送ローラー14と対向配置される分離部の一例である分離ローラー15は、給送ローラー14に対して進退可能であるとともに、トルクリミッター98(
図16参照)の作用により回転トルクが生じる分離状態と、トルクリミッター98の作用が生じない非分離状態とを取り得る。後述する分離切り替え手段100(
図14、
図17参照)は、分離ローラー15が原稿を分離する分離状態と、分離ローラー15が原稿を分離しない非分離状態とを切り替える。また分離切り替え手段100は、装置本体2が通常読み取り姿勢にある際に分離ローラー15を分離状態とし、装置本体2が冊子読み取り姿勢にある際に分離ローラー15を非分離状態とする。
分離切り替え手段100については、後に改めて詳述する。
【0038】
給送ローラー14と分離ローラー15の下流には、第1搬送ローラー対16が設けられている。第1搬送ローラー対16は、第1ユニット3に設けられる第1下ローラー17と、第2ユニット4に設けられる第1上ローラー18とで構成される。第1上ローラー18は、第1下ローラー17に対して進退可能に設けられているとともに、不図示の押圧部材、例えばコイルばねによって第1下ローラー17に向けて押圧されている。
第1下ローラー17と第1上ローラー18は、ともに後述する搬送モーター50から動力を得て回転する。第1下ローラー17と第1上ローラー18は、それぞれ原稿幅方向における中心位置を挟む様に2つ設けられている(
図4参照)。
第2ユニット4を第1ユニット3に対して閉じると、第1下ローラー17と第1上ローラー18は接触する。第2ユニット4を第1ユニット3に対して開くと、第1上ローラー18は第1下ローラー17から離間する。
【0039】
第1搬送ローラー対16の下流には、第1読取部32と第2読取部33とが対向配置されている。第1読取部32は、第1ユニット3に設けられ、第2読取部33は、第2ユニット4に設けられる。第1読取部32は、原稿支持部11に支持された原稿の下面(第1面)を読み取り、第2読取部33は、原稿支持部11に支持された原稿の上面(第2面)を読み取る。第2読取部33は、第1読取部32に対して進退可能に設けられているとともに、不図示の押圧部材、例えばコイルばねによって第1読取部32に向けて押圧されている。
本実施形態において第1読取部32及び第2読取部33は、密着型イメージセンサーモジュール(CISM)で構成される。符号32aは、第1読取部32を構成するコンタクトガラスであり、符号33aは、第2読取部33を構成するコンタクトガラスである。
【0040】
第1読取部32と第2読取部33の下流には、第2搬送ローラー対20が設けられている。第2搬送ローラー対20は、第1ユニット3に設けられる第2下ローラー21と、第2ユニット4に設けられる第2上ローラー22とで構成される。第2上ローラー22は、第2下ローラー21に対して進退可能に設けられているとともに、不図示の押圧部材、例えばコイルばねによって第2下ローラー21に向けて押圧されている。
第2下ローラー21と第2上ローラー22は、ともに後述する搬送モーター50から動力を得て回転する。第2下ローラー21と第2上ローラー22は、それぞれ原稿幅方向における中心位置を挟む様に2つ設けられている(
図4参照)。
第2ユニット4を第1ユニット3に対して閉じると、第2下ローラー21と第2上ローラー22は接触する。第2ユニット4を第1ユニット3に対して開くと、第2上ローラー22は第2下ローラー21から離間する。
【0041】
図5、
図6において符号R1で示す一点鎖線は原稿給送路であり、原稿給送経路R1は給送ローラー14と分離ローラー15とのニップ位置から、第1搬送ローラー対16のニップ位置までとする。また
図5、
図6において符号R2で示す破線は読み取り搬送路であり、読み取り搬送路R2は第1搬送ローラー対16のニップ位置から、第2搬送ローラー対20のニップ位置までとする。読み取り搬送路R2は、第1読取部32及び第2読取部33と対向する原稿搬送路である。
【0042】
装置本体2が
図5に示す通常読み取り姿勢にある場合、読み取り搬送路R2に対し下流には、読み取りの行われた原稿を上向きに反転させて排出する際の反転搬送路R3が形成される。反転搬送路R3は、第2搬送ローラー対20のニップ位置より下流の原稿搬送路であって、
図5において二点鎖線で示す様に斜め下方向に搬送される原稿を湾曲反転させて第1排出口37から斜め上方向に排出する為の原稿搬送路である。
装置本体2が
図6に示す冊子読み取り姿勢にある場合、読み取り搬送路R2に対し下流には、読み取りの行われた原稿を反転させずに排出する際の非反転搬送路R4が形成される。非反転搬送路R4は、第2搬送ローラー対20のニップ位置より下流の原稿搬送路であって、
図6において二点鎖線で示す様に読み取り搬送路R2において斜め下方向に搬送される原稿をそのまま湾曲反転させずに第2排出口38から斜め下方向に排出する為の原稿搬送路である。
尚、第2搬送ローラー対20は、非反転搬送路R4から原稿を排出する排出ローラー対として機能する。
【0043】
反転搬送路R3と非反転搬送路R4の切り替えは、搬送路切り替え手段を構成するフラップ部材としてのフラップ35により行われる。フラップ35はフラップ回転軸35aを中心に回転可能であり、回転することで、読み取り搬送路R2に反転搬送路R3を接続し、或いは読み取り搬送路R2に非反転搬送路R4を接続する。読み取り搬送路R2に反転搬送路R3を接続するとは、反転搬送路R3を利用できる状態にする意味であり、また非反転搬送路R4を利用できない状態にする意味である。同様に読み取り搬送路R2に非反転搬送路R4を接続するとは、非反転搬送路R4を利用できる状態にする意味であり、また反転搬送路R3を利用できない状態にする意味である。
【0044】
本実施形態においてフラップ35は、装置本体2の姿勢切り替えに連動して回転する様に構成されている。装置本体2の姿勢切り替えに連動してフラップ35を回転させる構成として、本実施形態では第1ソレノイド86(
図12参照)を採用する。各種制御を行う制御部80(
図12参照)は、後述する第1姿勢検出センサー87或いは第2姿勢検出センサー88の検出信号をもとに装置本体2の姿勢を検知し、それに基づいて第1ソレノイド86を駆動してフラップ35を回転させる。尚、フラップ35を回転させる手段は第1ソレノイド86に限らずモーター等の他のアクチュエーターであっても良い。また或いは、フラップ35は装置本体2の姿勢に連動して機械的に回転する様に構成しても良い。
【0045】
反転搬送路R3には、第3搬送ローラー対24と第4搬送ローラー対28が設けられている。
第3搬送ローラー対24は、第3ユニット5に設けられる第3駆動ローラー25と、第2ユニット4に設けられる第3従動ローラー26とで構成される。第3従動ローラー26は、第3駆動ローラー25に対して進退可能に設けられているとともに、不図示の押圧部材、例えばコイルばねによって第3駆動ローラー25に向けて押圧されている。第3駆動ローラー25は、搬送モーター50により駆動される。第3従動ローラー26は、従動回転するローラーである。
【0046】
第4搬送ローラー対28は、第3ユニット5に設けられる第4駆動ローラー29と、第2ユニット4に設けられる第4従動ローラー30とで構成される。第4従動ローラー30は、第4駆動ローラー29に対して進退可能に設けられているとともに、不図示の押圧部材、例えばコイルばねによって第4駆動ローラー29に向けて押圧されている。第4駆動ローラー29は、搬送モーター50により駆動される。第4従動ローラー30は、従動回転するローラーである。
【0047】
第3駆動ローラー25、第3従動ローラー26、第4駆動ローラー29、及び第4従動ローラー30は、それぞれ原稿幅方向における中心位置を挟む様に2つ設けられている(
図3参照)。
第3ユニット5を第2ユニット4に対して閉じると、第3駆動ローラー25と第3従動ローラー26は接触し、第4駆動ローラー29と第4従動ローラー30も接触する。第3ユニット5を第2ユニット4に対して開くと、第3駆動ローラー25と第3従動ローラー26は離間し、第4駆動ローラー29と第4従動ローラー30も離間する。
【0048】
反転搬送路R3を搬送される原稿は、第4搬送ローラー対28によって-Y方向成分を含む斜め上方に排出され、第2ユニット4の上面4aによって傾斜姿勢に支持される。
【0049】
次に、装置本体2を回転させる為の構成について説明する。本実施形態において装置本体2は、制御部80の制御のもと、姿勢切り替えモーター40(
図7~
図10参照)の動力によって回転し、姿勢を切り換える。制御部80は、スキャナー1に接続された外部機器500からの入力情報に基づき姿勢切り替えモーター40を制御する。
【0050】
図7は、装置背面の外観を構成する背面カバー66(
図2参照)を外した状態を示している。符号41は、姿勢切り替えモーター40の回転を装置本体2の回転に変換する回転変換手段を示している。姿勢切り替えモーター40と回転変換手段41は、装置幅方向において-X方向の側面寄りに設けられている。装置幅方向において-X方向の側面寄りとは、X軸方向における装置中心位置よりも-X方向に位置することを意味する。
【0051】
第1ユニット3の基体を構成する第1フレーム63には、X軸方向に間隔を空けて二つの被支持部63bが設けられている。本体支持部6には、X軸方向に間隔を空けて二つの本体回転軸6cが設けられている。第1フレーム63即ち装置本体2は、被支持部63bを本体回転軸6cが貫通することで、本体回転軸6cを中心に回転可能となっている。本体回転軸6cは、X軸方向に平行な回転軸中心を成す回転軸である。
【0052】
姿勢切り替えモーター40は、第1フレーム63に設けられる。第1フレーム63は、読み取り搬送路R2に沿った形状を成している。姿勢切り替えモーター40は、傾斜姿勢に設けられた第1フレーム63の背面側に設けられる。
図8において回転変換手段41は、第1ユニット3において回転可能に設けられた歯車であって、姿勢切り替えモーター40の動力により回転する歯車47bと、本体支持部6に固定された歯部であって、歯車47bと噛み合う歯部6bとを有している。
歯部6bは、立壁部6aにおいて本体回転軸6c周りに形成される歯部である。立壁部6aは、本体支持部6を構成する部材である。
【0053】
より詳しくは、姿勢切り替えモーター40の回転軸にはウォームギア42が設けられ、ウォームギア42から歯車43へと動力が伝達される。歯車43は軸44を介して歯車45と一体に構成されている。歯車45は第1複合歯車46へと動力を伝達し、第1複合歯車46は第2複合歯車47へと動力を伝達する。歯車47bは、第2複合歯車47の一部を構成する。
【0054】
姿勢切り替えモーター40、及び上述した回転変換手段41の構成のうち歯部6bを除く構成は、第1ユニット3即ち装置本体2に設けられている。従って姿勢切り替えモーター40の動力によって歯車47bが回転すると、
図9から
図10への変化、或いは
図10から
図9への変化で示す様に装置本体2が回転し、姿勢が切り換わる。
尚、本実施形態では姿勢切り替えモーター40、及び上述した回転変換手段41の構成のうち歯部6bを除く構成は、第1ユニット3即ち装置本体2に設けられ、歯部6bが本体支持部6に設けられているが、これに代えて、姿勢切り替えモーター40、及び上述した回転変換手段41の構成のうち歯部6bを除く構成を本体支持部6に設け、歯部6bを装置本体2に設けても良い。
【0055】
尚、立壁部6aには、第1回転規制手段としての第1当接部6eと、第2回転規制手段としての第2当接部6fが形成されている。第1当接部6eと第2当接部6fとの間には、第1フレーム63に設けられたボス63aが入り込んでいる。装置本体2が
図10に示す冊子読み取り姿勢から
図9に示す通常読み取り姿勢に向けて回転する際、ボス63aが第1当接部6eに当接することで、装置本体2の通常読み取り姿勢が規定される。また装置本体2が
図9に示す通常読み取り姿勢から
図10に示す冊子読み取り姿勢に向けて回転する際、ボス63aが第2当接部6fに当接することで、装置本体2の冊子読み取り姿勢が規定される。
【0056】
ボス63aが第1当接部6eに当接した際、或いはボス63aが第2当接部6fに当接した際には、姿勢切り替えモーター40の駆動電流値が上昇する。従って制御部80(
図12参照)は、姿勢切り替えモーター40の回転方向と駆動電流値上昇に基づき、装置本体2の姿勢を検知することができる。但し本実施形態では、後述する第1姿勢検出センサー87と第2姿勢検出センサー88が設けられており、制御部80はこれらセンサーの検出信号に基づいて装置本体2の姿勢を検知することもできる。
尚、装置本体2の通常読み取り姿勢と冊子読み取り姿勢は、停止している姿勢切り替えモーター40に対し電力を供給し、ホールド状態とされることで保持される。
【0057】
第1姿勢検出センサー87は光学センサーであり、第1フレーム63即ち装置本体2に設けられている。装置本体2が通常読み取り姿勢にある場合、
図8に示す様に本体支持部6に設けられた突起6dが第1姿勢検出センサー87の光軸を遮る。この状態から装置本体2が冊子読み取り姿勢に向けて回転すると、突起6dが第1姿勢検出センサー87の光軸から外れる。
【0058】
また
図11に示す様に第2姿勢検出センサー88は、第2ユニット4に設けられている。フラップ35には被検出部35bが形成されており、装置本体2が通常読み取り姿勢にある場合、
図11(a)に示す様に被検出部35bが第2姿勢検出センサー88の光軸から外れている。この状態から装置本体2が冊子読み取り姿勢に向けて回転すると、
図11(b)に示す様に被検出部35bが第2姿勢検出センサー88の光軸を遮る。
以上により制御部80は、第1姿勢検出センサー87の検出信号と第2姿勢検出センサー88の検出信号に基づき、装置本体2の姿勢を検知できる。
【0059】
尚、上述した実施形態では、姿勢切り替えモーター40の動力によって装置本体2の姿勢を切り替えるが、これに代えて、或いはこれに加えて、ユーザーが装置本体2に力を加えることで装置本体2の姿勢を切り替える構成としても良い。
図13はユーザーの操作によって装置本体2の姿勢を切り替える構成を示すものであり、符号6a-1は本体支持部6に設けられた立壁部を示している。立壁部6a-1には第1当接部6eと第2当接部6fが形成されており、ボス63aが第1当接部6eに当接することで、装置本体2の通常読み取り姿勢が規定され、またボス63aが第2当接部6fに当接することで、装置本体2の冊子読み取り姿勢が規定される。
【0060】
立壁部6a-1には突起61が設けられている。第1フレーム63には、凹部62が形成されており、突起61が凹部62に入り込むことにより、装置本体2の姿勢が保持される。尚、
図13は通常読み取り姿勢を示しており、
図13では突起61が、隠れている凹部に入り込んでおり、通常読み取り姿勢が保持されている。この不図示の凹部と、凹部62と、突起61とは、装置本体2の姿勢を保持する姿勢保持手段60を構成する。
尚、ユーザー操作によって装置本体2の姿勢を切り換える構成においては、装置本体2に、ユーザーの手を掛ける手掛け部を設けることも好適である。
【0061】
続いて
図12を参照してスキャナー1における制御系統について説明する。
制御部80は原稿の給送、搬送、排出制御及び読み取り制御を含め、その他スキャナー1の各種制御を行う。制御部80には操作部7からの信号が入力される。
【0062】
制御部80は、搬送モーター50、及び姿勢切り替えモーター40を制御する。本実施形態では各モーターはDCモーターである。
制御部80には、第1読取部32と第2読取部33からの読み取りデータが入力され、また、各読取部を制御する為の信号が制御部80から各読取部に送信される。
制御部80には、載置検出部92、重送検出部91、第1原稿検出部93、第2原稿検出部94、第1姿勢検出センサー87、第2姿勢検出センサー88、第1回転検出部89、第2回転検出部90、のこれら検出手段からの信号も入力される。
【0063】
第1回転検出部89は
図7に示す様に装置本体2において-X方向の端部に設けられる検出部であって、制御部80は搬送モーター50の回転量を第1回転検出部89によって検出することで原稿搬送路に設けられた各ローラーの回転量を把握できる。
第1回転検出部89は、回転円板89aと検出部89bとを備えたロータリーエンコーダーである。
【0064】
また第2回転検出部90は
図8に示す様に姿勢切り替えモーター40の回転軸40aに設けられる回転円板90aと、検出部89bとを備えたロータリーエンコーダーである。制御部80は姿勢切り替えモーター40の回転量を第2回転検出部90によって検出することで姿勢切り替えモーター40の回転方向と回転量とを把握できる。
【0065】
図12に戻り、制御部80は、CPU81、フラッシュROM82、及びRAM83を備えている。CPU81はフラッシュROM82に格納されたプログラムに従って各種演算処理を行い、スキャナー1全体の動作を制御する。記憶手段の一例であるフラッシュROM82は読み出し及び書き込みが可能な不揮発性メモリである。記憶手段の一例であるRAM83には、一時的に各種情報が格納される。
制御部80が備えるインタフェース84は、
図2を参照して説明した第1接続部71と第2接続部72とで構成される。制御部80はこのインタフェース84を介して外部機器500とのデータの送受信を行う。
【0066】
続いてその他の各検出部について説明する。
載置検出部92は、給送ローラー14の上流に設けられた検出部である。制御部80は、載置検出部92から送信される信号により、原稿支持部11上の原稿の有無を検知できる。
第1原稿検出部93は、給送ローラー14と第1搬送ローラー対16との間に設けられた検出部である。制御部80は、第1原稿検出部93から送信される信号により、検出位置における原稿の先端或いは後端の通過を検知できる。
【0067】
重送検出部91は、給送ローラー14と第1搬送ローラー対16との間に設けられた検出部であり、原稿給送経路R1を挟んで対向配置される超音波発信部及び超音波受信部を備えて成る。制御部80は、重送検出部91から送信される信号により、原稿の重送を検知できる。
第2原稿検出部94は、第1搬送ローラー対16と、第1読取部32及び第2読取部33との間に設けられた検出部であり、制御部80は、第2原稿検出部94から送信される信号により、検出位置における原稿の先端或いは後端の通過を検知できる。
【0068】
次に、制御部80が行う処理の一例を、
図25を参照して説明する。
図25は、装置本体2の姿勢切り替えを行う際の制御部80の処理を示すフローチャートである。
図25において制御部80は、原稿読み取り指示を受けると(ステップS101においてYes)、装置本体2の姿勢切り替えを行う必要があるか否かを判断する(ステップS102)。ここで、原稿読み取り指示は一例として外部機器500(
図12参照)から受けるものとする。外部機器500では、読み取る原稿の種類を設定することができ、制御部80は、読み取る原稿の種類がカード状の原稿や冊子状の原稿である場合には装置本体2の姿勢を冊子読み取り姿勢とし、読み取る原稿の種類がシート状の原稿である場合には装置本体2の姿勢を通常読み取り姿勢とする。
【0069】
ステップS102では、取得した原稿種類と、現在の装置本体2の姿勢とを比較して、装置本体2の姿勢を切り替えるか否かを判断する。その結果、姿勢切り替えが不要であれば(ステップS102においてNo)、姿勢切り替え制御は行わずに原稿を読み取る(ステップS106)。姿勢切り替えが必要であれば(ステップS102においてYes)、制御部80は目標姿勢に基づき(ステップS103)、目標姿勢が冊子読み取り姿勢であれば装置本体2の姿勢を冊子読み取り姿勢に切り替え(ステップS104)、また原稿搬送路を非反転搬送路R4へ切り替える(ステップS105)。尚、ステップS104、S105は同時に実行しても構わない。そして、原稿を読み取る(ステップS106)
【0070】
また制御部80は目標姿勢に基づき(ステップS103)、目標姿勢が通常読み取り姿勢であれば装置本体2の姿勢を通常読み取り姿勢に切り替え(ステップS107)、また原稿搬送路を反転搬送路R3へ切り替える(ステップS108)。尚、ステップS107、S108は同時に実行しても構わない。そして、原稿を読み取る(ステップS106)。
尚、装置本体2が通常読み取り姿勢にある場合、重送検出部91の検出情報を有効とし、装置本体2が冊子読み取り姿勢にある場合、重送検出部91の検出情報を無効とすることも好適である。
【0071】
以上の様にスキャナー1は、装置の載置面Gに載置される本体支持部6と、本体支持部6に支持される装置本体2と、を備えている。装置本体2は、原稿を搬送する原稿搬送路であって、原稿を読み取る第1読取部32及び第2読取部33と対向する読み取り搬送路R2と、読み取り搬送路R2より下流の原稿搬送路であって、読み取りの行われた原稿を上向きに反転させて排出する際の反転搬送路R3と、読み取り搬送路R2より下流の原稿搬送路であって、読み取りの行われた原稿を反転させずに排出する際の非反転搬送路R4とを備えている。また読み取り搬送路R2に接続する原稿搬送路を反転搬送路R3及び非反転搬送路R4のいずれかに切り替えるフラップ35を備えている。
装置本体2は、本体支持部6に対し回転可能に取り付けられ、回転することで通常読み取り姿勢(
図5)と、読み取り搬送路R2が載置面Gと成す角度が通常読み取り姿勢より小さくなる冊子読み取り姿勢(
図6)とに切り替え可能である。フラップ35は、装置本体2が通常読み取り姿勢をとる際に読み取り搬送路R2を反転搬送路R3に接続し、装置本体2が冊子読み取り姿勢をとる際に読み取り搬送路R2を非反転搬送路R4に接続する。
【0072】
スキャナー1は、非反転搬送路R4を利用することにより撓み難い原稿を良好に搬送することができる。撓み難い原稿には、冊子やカードが含まれる。そしてフラップ35は、装置本体2が通常読み取り姿勢をとる際に読み取り搬送路R2を反転搬送路R3に接続し、装置本体2が冊子読み取り姿勢をとる際に読み取り搬送路R2を非反転搬送路R4に接続する。これにより、通常読み取り姿勢をとる際に非反転搬送路R4を利用して原稿を排出するよりも、原稿の排出方向を載置面Gに沿った方向とすることができる。その結果、通常読み取り姿勢をとる際に非反転搬送路R4を利用して原稿を排出する形態に比べてサイズの大きい原稿を排出することができる。
また装置本体2を通常読み取り姿勢とすることで、読み取り搬送路R2と載置面Gとの成す角度を冊子読み取り姿勢よりも大きくすることができ、装置本体2のフットプリントを抑制できる。
【0073】
また装置本体2の姿勢切り替えは、操作部7を構成するボタンによって行う様に構成しても良い。例えば、操作部7を構成するボタンの一つを姿勢切り替えボタンに割り当て、現在姿勢が通常読み取り姿勢にある際に上記姿勢切り替えボタンがユーザーによって押下されると、制御部80はステップS104、S105を実行する。また現在姿勢が冊子読み取り姿勢にある際に上記姿勢切り替えボタンがユーザーによって押下されると、制御部80は姿勢切り替えモーター40を制御してステップS107、S108を実行する。
【0074】
また勿論、上述した様に装置本体2の姿勢切り替えはユーザーが装置本体2に力を付与することで行われるものであっても良い。この場合、制御部80は装置本体2の姿勢が通常読み取り姿勢から冊子読み取り姿勢に切り替えられたことを検知すると、ステップS104、S105を実行する。或いは制御部80は装置本体2の姿勢が冊子読み取り姿勢から通常読み取り姿勢に切り替えられたことを検知すると、ステップS107、S108を実行する。
【0075】
続いて、分離ローラー15の分離状態と非分離状態とを切り替える分離切り替え手段100について説明する。
分離切り替え手段100は、
図7、
図14に示す様に第1フレーム63に対し-Y方向、即ち第1フレーム63の背面に設けられている。分離切り替え手段100は、装置本体2の姿勢に拘わらず第1フレーム63の+Z方向の頂部から-Y方向には突出しておらず、第1フレーム63の背面に形成された領域内に収まっている。
分離切り替え手段100は、X軸方向においては分離ローラー15と回転変換手段41との間に位置している。分離切り替え手段100の一部と回転変換手段41の一部は、Y軸方向において同じ位置にある。
【0076】
分離ローラー15は
図16に示す様にローラーホルダー97において回転可能に設けられている。ローラーホルダー97には
図15に示す様に軸部97aが一体に形成されている。軸部97aは、軸中心線がX軸方向に平行な軸である。軸部97aは、第1フレーム63に形成された軸受部63gに軸支される。これによりローラーホルダー97が軸部97aを中心に揺動可能となり、即ち分離ローラー15が給送ローラー14に対して進退可能となる。尚、ローラーホルダー97は、不図示の押圧手段、例えば捩りばねによって分離ローラー15が給送ローラー14に進出する方向に押圧されている。
【0077】
図16に示す様にローラーホルダー97には、分離ローラー15に回転抵抗を付与する抵抗付与部の一例であるトルクリミッター98が回転可能に設けられている。トルクリミッター98の回転軸中心線は、X軸方向に平行である。分離ローラー15は、トルクリミッター98に対して設けられており、トルクリミッター98の回転が規制された状態において、分離ローラー15はトルクリミッター98から回転トルクを受ける。即ち、原稿の分離を行う分離状態となる。
トルクリミッター98の回転が規制されていない状態では、分離ローラー15はトルクリミッター98と連れまわり、トルクリミッター98から回転トルクは受けない。即ち、原稿の分離を行わない非分離状態となる。
本実施形態に係る分離切り替え手段100は、ローラーホルダー97におけるトルクリミッター98の回転を規制する状態と回転を規制しない状態とを切り替えることで、分離ローラー15の分離状態と非分離状態とを切り替える。
【0078】
トルクリミッター98には軸部98aが形成され、この軸部98aには第1歯車99が固定的に設けられている。即ち、第1歯車99とトルクリミッター98とは相対的に回転しない。
ローラーホルダー97には軸部97bが形成され、この軸部97bには第2歯車107が設けられている。第2歯車107は、軸部97bに対して回転可能である。この第2歯車107は、第1歯車99と噛み合っている。
【0079】
図17に示す様に分離切り替え手段100は、連結軸106を備えている。連結軸106は軸中心線がX軸方向に平行な軸であって、第1フレーム63に形成された不図示の軸受け部に対して回転可能に設けられている。連結軸106においてX方向の端部には、第3歯車108が固定的に設けられている。即ち、第3歯車108と連結軸106とは相対的に回転しない。
第2歯車107、及び第3歯車108は、第2機構部102を構成する。
【0080】
連結軸106において-X方向の端部には、第4歯車109が固定的に設けられている。即ち、第4歯車109と連結軸106とは相対的に回転しない。
第4歯車109の下側には回転規制部材110が設けられている。回転規制部材110は、ガイド部材105に形成された軸部105bに対して回転可能に設けられている。
ガイド部材105は、不図示の固定手段によって第1フレーム63に対して固定された部材である。
【0081】
回転規制部材110には、歯部110aが形成されている。歯部110aは、回転規制部材110の回転により、第4歯車109と噛み合う状態(
図17、
図18)と第4歯車109から離間する状態(
図19、
図20)とを切り替える。
回転規制部材110には-X方向に突出するボス110bが形成されている。ボス110bは、リンク部材103に形成された穴103aに遊挿されている。
【0082】
リンク部材103はガイド部材105に対してスライド可能に設けられた棒状の部材であって、下端部が本体支持部6に形成されたカム部6hと接触している。このリンク部材103は、押圧部材の一例である圧縮コイルばね104によって、カム部6hに向けて押圧されている。符号105aは、ガイド部材105に形成されたばね保持部である。
リンク部材103はガイド部材105に対しスライド動作する為、リンク部材103のスライド動作により回転規制部材110が回転する。換言すれば、リンク部材103の直線的な動作が回転規制部材110の回転動作に変換される。
第4歯車109、回転規制部材110、ガイド部材105、リンク部材103、圧縮コイルばね104、及びカム部6hは、第1機構部101を構成する。
【0083】
装置本体2が通常読み取り姿勢にある場合、
図17及び
図18に示す様に回転規制部材110の歯部110aが第4歯車109と噛み合っている。これにより、第4歯車109の回転が規制されており、ひいては連結軸106、第3歯車108、第2歯車107、及び第1歯車99の回転が規制されており、トルクリミッター98の回転が規制されている。即ち、分離ローラー15の分離状態となっている。
【0084】
この状態から装置本体2が冊子読み取り姿勢に向けて姿勢切り替えを行う際、リンク部材103の下端部はカム部6hと接する位置を切り替える。カム部6hは+Y方向が-Y方向よりも高くなる様に形成されており、装置本体2が冊子読み取り姿勢に向けて姿勢切り替えを行う際、リンク部材103の下端部はカム部6hに対し+Y方向に移動する(
図20参照)。これにより、リンク部材103は上方向にスライドし、回転規制部材110が回転して歯部110aが第4歯車109から離間する。これにより、第4歯車109の回転が許容され、ひいては連結軸106、第3歯車108、第2歯車107、及び第1歯車99の回転が許容され、トルクリミッター98の回転が許容される。即ち、分離ローラー15の非分離状態となる。
【0085】
装置本体2が冊子読み取り姿勢にあり、分離ローラー15が非分離状態(
図19、
図20)にある状態から、装置本体2が通常読み取り姿勢に切り換わる場合は、リンク部材103の下端部はカム部6hに対し-Y方向に移動する。これにより、リンク部材103は下方向にスライドし、回転規制部材110が回転して歯部110aが第4歯車109に噛み合う。これにより、第4歯車109の回転が規制され、ひいては連結軸106、第3歯車108、第2歯車107、及び第1歯車99の回転が規制され、トルクリミッター98の回転が規制される。即ち、分離ローラー15の分離状態となる。
【0086】
以上の様にスキャナー1の装置本体2は、本体支持部6に対し回転可能に取り付けられ、回転することで通常読み取り姿勢と、読み取り搬送路R2が載置面Gと成す角度が通常読み取り姿勢より小さくなる冊子読み取り姿勢とに切り替え可能である。そして分離ローラー15が原稿を分離する分離状態と、分離ローラー15が原稿を分離しない非分離状態とを切り替え可能な分離切り替え手段100を備えている。分離切り替え手段100は、装置本体2が通常読み取り姿勢にある際に分離ローラー15を分離状態とし、装置本体2が冊子読み取り姿勢にある際に分離ローラー15を非分離状態とする。
これによりユーザーは分離ローラー15の分離状態と非分離状態との切り替えを行う為の専用の操作が不要となり、装置の使い勝手が向上する。
【0087】
またスキャナー1は、分離ローラー15に回転抵抗を付与するトルクリミッター98を備え、分離切り替え手段100は、トルクリミッター98の回転を規制し、分離ローラー15とトルクリミッター98との連れ回りを規制することで分離状態を形成する。また、トルクリミッター98の回転を許容し、分離ローラー15とトルクリミッター98との連れ回りを許容することで非分離状態を形成する。これにより、分離ローラー15の分離状態と非分離状態とを容易に切り替えることができる。
【0088】
また分離切り替え手段100は、本体支持部6に形成されたカム部6hと係わり合う部材であって、装置本体2においてスライド可能なリンク部材103と、リンク部材103をカム部6hに向けて押圧する圧縮コイルばね104とを備えている。カム部6hは、装置本体2の回転に伴いリンク部材103をスライドさせる形状を有している。そして装置本体2の回転に伴いリンク部材103がスライドすることで、トルクリミッター98の回転を規制する状態である分離状態と、トルクリミッター98の回転を許容する状態である非分離状態とが切り替わる。
これにより、分離切り替え手段100を簡易な構成で実現できる。
【0089】
またトルクリミッター98には第1歯車99が設けられ、分離切り替え手段100は、リンク部材103を含む第1機構部101と、第1歯車99と係わる第2機構部102と、トルクリミッター98の回転軸線方向に沿って延びる回転可能な軸であって、第1機構部101と第2機構部102とを連結する連結軸106とを備える。この様に第1機構部101と第2機構部102とが連結軸106によって連結される構成である為、第1機構部101と第2機構部102とを離間させて配置することができ、装置の設計の自由度が向上する。
【0090】
また第2機構部102は、第1歯車99と噛み合う第2歯車107と、第2歯車107と噛み合う歯車であって連結軸106の一端に設けられる第3歯車108とを備えている。第1機構部101は、連結軸106の他端に設けられる第4歯車109と、第4歯車109と噛み合い可能な歯部110aを有する部材であって、リンク部材103と係わり合い、リンク部材103のスライドに伴い回転することで歯部110aが第4歯車109に対して進退する回転規制部材110とを備えている。
そして歯部110aが第4歯車109と噛み合うことによりトルクリミッター98の回転が規制されて分離状態となり、歯部110aが第4歯車109から離間することによりトルクリミッター98の回転が許容されて非分離状態となる。
【0091】
また装置本体2の基体を構成する第1フレーム63は、読み取り搬送路R2が延びる方向に沿った形状を成し、分離切り替え手段100は、第1フレーム63の下側に形成された領域に配置される。これにより第1フレーム63の下側に形成された領域を利用して分離切り替え手段100を配置することで装置の大型化を抑制できる。
【0092】
以上説明した分離切り替え手段100は、以下の様に変形することもできる。以下、
図21~
図24を参照して第2実施形態に係る分離切り替え手段100Aを説明する。尚、
図21~
図24において既に説明した構成と同一の構成には同一符号を付しており、以下では重複する説明は避けるものとする。
分離切り替え手段100Aは、第1機構部101Aと第2機構部102Aとを有しており、第1機構部101Aと第2機構部102Aとが連結軸106によって連結されている。
第2機構部102Aは、回転規制部材113と、回転カム112とを備えている。第1機構部101Aは、第1回転部材115、第2回転部材116、ガイド部材105、リンク部材103、圧縮コイルばね104、及びカム部6hを備えている。
【0093】
図21及び
図22に示す様に、第1歯車99の下側には、回転規制部材113が設けられている。回転規制部材113は、第1フレーム63に形成されたガイド溝63hに沿って変位可能に設けられており、ガイド溝63hに沿って変位することで第1歯車99に対して進退する。
回転規制部材113には歯部113aが形成されており、回転規制部材113の変位により、歯部113aが第1歯車99と噛み合う状態と、第1歯車99から離間する状態とを切り替えることができる。
歯部113aが第1歯車99と噛み合うと、第1歯車99の回転が規制される為、分離ローラー15は分離状態となる。また歯部113aが第1歯車99から離間すると、第1歯車99の回転が許容される為、分離ローラー15は非分離状態となる。
【0094】
回転規制部材113には、回転規制部材113の変位方向に沿って長穴113bが形成されており、この長穴113bに連結軸106が通された状態となっている。回転規制部材113の+X方向の面には
図22に示す様に第1カムフォロワ113cと第2カムフォロワ113dが形成されており、これらカムフォロワに回転カム112が臨んでいる。
【0095】
回転カム112は、連結軸106の一端に固定される。即ち回転カム112と連結軸106は、相対的に回転しない。回転カム112は、径方向に突出する第1カム部112aと、第2カム部112bとを有している。
【0096】
連結軸106の-X方向の端部には、第1回転部材115が固定的に設けられている。即ち、第1回転部材115と連結軸106とは相対的に回転しない。ガイド部材105の軸部105bには、第2回転部材116が回転可能に設けられている。第2回転部材116にはボス116bが形成され、ボス116bがリンク部材103に形成された穴103aに遊挿されている。従ってリンク部材103のスライド動作により、第2回転部材116が回転する。
【0097】
第2回転部材116には歯部116aが形成され、この歯部116aが、第1回転部材115に形成された歯部115aと噛み合っている。
この様な構成により、リンク部材103のスライドによって第2回転部材116が回転すると、第1回転部材115、連結軸106、及び回転カム112が回転する。
【0098】
装置本体2が通常読み取り姿勢にある場合、
図21及び
図22に示す様に回転規制部材113の歯部113aが第1歯車99と噛み合っている。この状態は、回転カム112の第1カム部112aが、回転規制部材113の第1カムフォロワ113cを押し上げることで維持される。
これにより、トルクリミッター98の回転が規制され、分離ローラー15は分離状態となる。
【0099】
この状態から装置本体2が冊子読み取り姿勢に向けて姿勢切り替えを行う際、上述した第1実施形態と同様にリンク部材103がカム部6hにより押し上げられる。これにより、第2回転部材116、第1回転部材115、連結軸106、及び回転カム112が
図21、
図22で示す状態から、
図23、
図24で示す状態へ回転する。この時の回転カム112の回転方向は、
図22において反時計回り方向となる。
回転カム112が
図22の状態から反時計回り方向に回転すると、
図22から
図24への変化で示す様に第2カム部112bが第2カムフォロワ113dを押し下げる。これにより回転規制部材113が第1歯車99から離間し、即ち歯部113aと第1歯車99との噛み合いが解除され、トルクリミッター98の回転が許容される。即ち、分離ローラー15の非分離状態となる。
【0100】
装置本体2が冊子読み取り姿勢にあり、分離ローラー15が非分離状態にある状態から、装置本体2が通常読み取り姿勢に切り換わる場合は、リンク部材103は下方向にスライドし、回転カム112が
図24の状態から時計回り方向に回転して、第1カム部112aが回転規制部材113を押し上げ、歯部113aが第1歯車99と噛み合う。これによりトルクリミッター98の回転が規制され、分離ローラー15の分離状態となる。
【0101】
この様に第2実施形態において、第2機構部102Aは、第1歯車99と噛み合う歯部113aを有する部材であって第1歯車99に対して進退可能な回転規制部材113と、連結軸106の一端に設けられる回転カムであって、回転することで回転規制部材113を第1歯車99に向けて進出させる状態と回転規制部材113を第1歯車99から退避させる状態とを切り替える回転カム112とを備えている。第1機構部101Aは、リンク部材103のスライドに伴い回転することで連結軸106を回転させる構成を備える。
第1実施形態では、回転規制部材113が直接第1歯車99の回転を規制するので、歯車の噛み合いにおけるバックラッシを抑制でき、また連結軸106の捩れも介在しない為、分離ローラー15の分離状態を適切に形成することができる。
【0102】
尚、上記の各実施形態において外部機器500(
図12参照)が備える表示手段や、或いはスキャナー1が表示手段を備える場合には当該表示手段に、分離ローラー15が分離状態及び非分離状態のいずれにあるかを表示させても良い。その際、装置本体2が通常読み取り姿勢及び冊子読み取り姿勢のいずれにあるかも併せて表示しても良い。
【0103】
続いて
図27以降及び必要に応じてその他の図を参照して、給送ローラー14及び分離ローラー15の周辺構成について詳説する。
分離ローラー15の周辺には、
図27に示す様にガイド部材151、セットガイド153、セットフラップ155、及び押し付けレバー157が設けられている。セットガイド153は、経路形成部材の一例である。また押し付けレバー157は、押し付け部材の一例である。
【0104】
第1フレーム63における給送方向上流、且つX軸方向の中心部には凹部63m(
図28参照)が形成されており、この凹部63mに分離ローラー15、ガイド部材151、セットガイド153、セットフラップ155、及び押し付けレバー157が設けられている。
ガイド部材151は枠状の部材であり、その内側に分離ローラー15、セットガイド153、セットフラップ155、及び押し付けレバー157が配置された状態となる。ガイド部材151は不図示のスナップフィット構造によって第1フレーム63に対し着脱可能に設けられ、装着された状態で原稿給送経路の一部を形成する。
【0105】
セットガイド153は
図31に示す様にX軸方向の両側に回転軸153aを有している。ガイド部材151には
図29に示す様にX軸方向の両側に軸受部151aが形成されており、セットガイド153の回転軸153aが軸受部151aによって回転可能に軸支される。尚、第1フレーム63の凹部63mには、
図28に示す様にX軸方向の両側に規制部63jが形成されており、ガイド部材151が第1フレーム63に装着された際、セットガイド153の回転軸153aが規制部63jによって給送方向の移動が規制される。
【0106】
セットガイド153におけるX軸方向の両側には第1押圧部の一例である第1ばね161が設けられている。第1ばね161は、本実施形態ではねじりコイルばねであり、ガイド部材151とセットガイド153との間に押圧力を生じさせる。セットガイド153は第1ばね161により、回転軸153aを中心として給送方向下流が給送ローラー14に向かう回転方向(
図33において時計回り方向)に押圧される。
【0107】
セットガイド153におけるX軸方向の両側面には
図29、
図31に示す様に当接部153jが形成されており、この当接部153jがガイド部材151の下側に当接することで、セットガイド153の回転(
図33において時計回り方向の回転)が規制される。
尚、
図4に示す様に第2ユニット4が第1ユニット3に対し開いた状態において、当接部153jがガイド部材151の下側に当接する。この状態から第2ユニット4を第1ユニット3に対し閉じると、給送ローラー14がセットガイド153の長リブ153c、153dに当接し、これによりセットガイド153は
図33において反時計回り方向に所定量回転する。この状態では、当接部153jはガイド部材151の下側から離間することとなる。
【0108】
セットガイド153には、原稿給送方向に延びるリブがX軸方向に所定間隔で複数形成されている。この複数のリブは、長リブ153b、153c、153d、153eと、これら長リブよりも原稿給送方向の長さが短い四つの短リブ153fで構成される。
二つの短リブ153fは、長リブ153bと長リブ153cとの間、及び長リブ153dと長リブ153eとの間に形成されている。
【0109】
図30において直線CLは、X軸方向において原稿の中心を通る直線であって原稿給送方向に平行な直線であり、複数のリブは直線CLに対して線対称となる様に配置されている。具体的には、長リブ153bと長リブ153eが直線CLに対して線対称となる様に配置され、長リブ153cと長リブ153dが直線CLに対して線対称となる様に配置されている。また直線CLに対して+X方向に位置する二つの短リブ153fと-X方向に位置する二つの短リブ153fが、直線CLに対して線対称となる様に配置されている。
尚、リブは必ずしも直線CLに対して線対称となる様に配置されていなくとも良い。
【0110】
長リブ153cと長リブ153dは、トルクリミッター98(
図16参照)の外周を形成する円筒部98bに当接可能な位置に形成されており、セットガイド153が
図33の反時計回り方向に回転した際に長リブ153c、153dが円筒部98bに当接できる様に構成されている。
【0111】
セットガイド153には
図31に示す様に二つの軸部153hが形成されており、軸部153hには押し付けレバー157が
図29に示す様に軸支される。符号157aは、押し付けレバー157において軸部153hと嵌合する軸嵌合部である。本実施形態において押し付けレバー157の回転中心位置とセットガイド153の回転中心位置とは一致している。
尚、押し付けレバー157の回転中心位置とセットガイド153の回転中心位置とが異なる様に構成しても良い。
押し付けレバー157に隣接する位置には第2押圧部の一例である第2ばね162が設けられている。第2ばね162は、本実施形態ではねじりコイルばねであり、押し付けレバー157とセットガイド153との間に押圧力を生じさせる。押し付けレバー157は第2ばね162により、軸部153hを中心として給送方向下流が給送ローラー14に向かう回転方向(
図33において時計回り方向)に押圧される。即ち押し付けレバー157は第2ばね162によって、先端部157bが給送ローラー14に向かう方向に押圧される。
【0112】
セットガイド153には
図33に示す様に規制部153kが形成されており、押し付けレバー157が規制部153kに当接することで、押し付けレバー157の回転(
図33において時計回り方向の回転)が規制される。
尚、
図4に示す様に第2ユニット4が第1ユニット3に対し開いた状態において、押し付けレバー157が規制部153kに当接する。この状態から第2ユニット4を第1ユニット3に対し閉じると、給送ローラー14が押し付けレバー157に当接し、これにより押し付けレバー157は
図33において反時計回り方向に所定量回転する。規制部153kによって第2ユニット4が開いた状態における押し付けレバー157の回転限度が規制されることで、第2ユニット4を閉じた際に押し付けレバー157が適切に回転できる。この状態では、
図33に示す様に押し付けレバー157は規制部153kから僅かに離間することとなる。
【0113】
尚、
図28、
図29、
図30に示す様に二つの押し付けレバー157のうち一方は、セットガイド153における長リブ153cと当該長リブ153cに対して+X方向に位置する短リブ153fとの間から原稿給送経路に向けて突出する。また二つの押し付けレバー157のうち他方は、セットガイド153における長リブ153dと当該長リブ153dに対して-X方向に位置する短リブ153fとの間から原稿給送経路に向けて突出する。
また二つの押し付けレバー157は、
図30に示す様に直線CLに対して線対称となる位置に配置されている。また二つの押し付けレバー157は、それぞれ独立して回転可能である。また二つの押し付けレバー157は、X軸方向において給送ローラー14の領域内にあり、また給送ローラー14の両端部に位置する。
【0114】
次にセットガイド153の長リブ153bと、長リブ153bに隣合う短リブ153fとの間、および長リブ153eと、長リブ153eに隣合う短リブ153fとの間に、それぞれセットフラップ155が配置される。
二つのセットフラップ155は
図32に示す様にX軸方向に延びる略軸状の基部155aに設けられており、一体となって回転する。
基部155aにおいてX軸方向の両側には軸部155bが形成されており、軸部155bがセットフラップ155の回転軸となる。軸部155bは、
図28に示す様に第1フレーム63の凹部63mに形成された軸受部63kによって回転可能に支持される。
【0115】
図32において+X方向の軸部155bに対して+X方向には、カムフォロワ部155cが形成されている。カムフォロワ部155cには、セットフラップカム163が当接可能に設けられている。セットフラップカム163は軸165の-X方向端部に固定され、軸165の+X方向端部にはワンウェイクラッチ167を介して歯車166が設けられている。歯車166には搬送モーター50(
図12参照)の駆動力が伝達され、搬送モーター50の回転に伴い歯車166が回転する。搬送モーター50の動力は、歯車166とワンウェイクラッチ167を介して軸165に伝達される。
【0116】
セットフラップカム163にはばね164が設けられている。ばね164は不図示のばね掛け部とセットフラップカム163に押圧力を付与し、これによりセットフラップカム163、つまり軸165には矢印Rc方向の押圧力が作用している。
図32は、
図33の状態即ち給送待機状態を示しており、この状態ではカムフォロワ部155cがセットフラップカム163に当接し、セットフラップ155は
図33に示す様に原稿給送経路を塞ぐ状態となっている。この状態では、セットされる原稿の先端がセットフラップ155に当接し、給送ローラー14と分離ローラー15との間への入り込みが規制されている。
尚、この状態ではセットフラップカム163即ち軸165はワンウェイクラッチ167の作用によって矢印Rc方向への回転が規制されている。また歯車166は、搬送モーター50との間の動力伝達経路における負荷によって停止している。
【0117】
この状態から搬送モーター50が正転し、歯車166が矢印Ra方向に回転すると、軸165はばね164の押圧力により矢印Rc方向に回転し、即ちセットフラップカム163が矢印Rc方向に回転する。これによりセットフラップカム163がカムフォロワ部155cから外れ、そしてセットフラップ155が矢印Rf方向に回転して、
図33において符号155-1で示す様にセットフラップ155が原稿給送経路から退避する。セットフラップ155が原稿給送経路から退避すると、セットされた原稿が給送ローラー14と分離ローラー15との間に向かうことができる。
尚、搬送モーター50の正転により、原稿搬送経路に設けられた各ローラーは原稿を下流に搬送する方向に回転する。このとき、
図32の歯車166は矢印Ra方向に回転し続けるが、ワンウェイクラッチ167の作用によって軸165には搬送モーター50のトルクが伝達されない。
【0118】
セットフラップ155が原稿給送経路から退避している状態で搬送モーター50が逆転すると、
図32において歯車166は矢印Rb方向に回転する。歯車166が矢印Rb方向に回転すると、ワンウェイクラッチ167の作用によって軸165に矢印Rd方向のトルクが伝達される。これにより軸165即ちセットフラップカム163は、ばね164の押圧力に抗して矢印Rd方向に回転し、カムフォロワ部155cを押し上げ、セットフラップ155が矢印Re方向に回転して
図32に示す状態に戻る。
【0119】
以上が分離ローラー15周辺の構成であり、以下、セットガイド153について更に説明する。
上述した様に
図33は給送待機状態を示しており、且つ、原稿がセットされていない状態を示している。符号T1は給送ローラー14と分離ローラー15との接触位置であり、両ローラーが弾性変形していないと仮定する場合の接触位置である。符号T2はセットガイド153と給送ローラー14との接触位置であり、符号T3は押し付けレバー157の先端部157bと給送ローラー14との接触位置である。図示する様に、接触位置T2は接触位置T1より給送方向上流にあり、また接触位置T3は接触位置T2より給送方向上流にある。
尚、符号Saは第1フレーム63の上面によって形成される経路形成面である。
【0120】
図34、
図35は図の煩雑化を避ける為、セットフラップ155と押し付けレバー157の図示を省略したものである。
図34(A)は
図33に対応する図であり、この給送待機状態ではセットガイド153の長リブ153c、153dと円筒部98bとの間には隙間dが形成されている。またセットガイド153は、給送ローラー14に対して進出している為、接触位置T1に向かう原稿給送経路R1を狭めている。
セットガイド153はセットされる原稿の厚さが所定厚を超えると隙間dが無くなり、そして
図34(B)に示す様に長リブ153dによって円筒部98b即ち分離ローラー15が押し下げられる。これにより、分離ローラー15は給送ローラー14から離間する。以上がセットガイド153と分離ローラー15との係わり合いである。
【0121】
図35(A)は、シート状の原稿Ptが複数枚載置された状態であり、この状態では長リブ153c、153dは円筒部98bに対し離間しており、分離ローラー15を押し下げていない。一例としてシート状の原稿Ptによる原稿束の厚みが2mm未満の場合、長リブ153c、153dは円筒部98bに接触しない。尚、この状態ではセットガイド153の上面153pが原稿Ptの先端に対し予備分離作用を付与する。セットガイド153の上面153pは、上述した長リブ153b、153c、153d、153eと短リブ153fを含むセットガイド153全体の上面で形成される。
【0122】
図35(B)は、冊子状の原稿Pbが載置された後に給送された状態である。この状態に至る過程において、冊子状の原稿Pbによってセットガイド153が押し下げられ、長リブ153c、153dが円筒部98bに当接し、分離ローラー15を押し下げ、給送ローラー14と分離ローラー15との間に隙間が形成される。一例として冊子状の原稿Pbの厚みが2mm以上の場合、長リブ153c、153dは円筒部98bに接触する。
なお、冊子状の原稿Pbが給送ローラー14により搬送されると、冊子状の原稿Pbにより分離ローラー15が押し下げられる。冊子状の原稿Pbが給送ローラー14及び分離ローラー15にニップされて搬送されているとき、
図35(B)に示す様に長リブ153c、153dが円筒部98bから離間していることが好ましい。分離ローラー15がセットガイド153により押し下げられないため、分離ローラー15が給送ローラー14との間で冊子状の原稿Pbを安定してニップすることができる。
【0123】
以上の様にスキャナー1或いは原稿給送装置150は、給送ローラー14と分離ローラー15との接触位置T1に対し原稿給送方向の上流にセットガイド153を備えている。セットガイド153は原稿の厚さに応じて給送ローラー14に対して進退可能であり、給送ローラー14に対して進出することで接触位置T1に向かう原稿給送経路R1を狭める。セットガイド153は、分離ローラー15との係わり合いが可能であり、厚さが所定厚を超える原稿によって給送ローラー14から退避する方向に押し下げられる際に、分離ローラー15を給送ローラー14から離れる方向に変位させる。
この様に厚さが所定厚を超える原稿を給送する場合には当該原稿が分離ローラー15と給送ローラー14との間に入り込む前に、予め分離ローラー15が給送ローラー14から離間されるので、厚さが所定厚を超える原稿が分離ローラー15に突き当たって給送不能となることを抑制できる。
【0124】
また
図35(A)に示す様に原稿支持部11に複数枚のシート状の原稿Ptが支持された際、セットガイド153の上面は、原稿Ptの先端に対し分離作用を付与する。これにより給送ローラー14と分離ローラー15とによる原稿Ptの分離に先立ってセットガイド153による分離が行われることで、より確実に原稿Ptを分離することができる。
【0125】
またセットガイド153は、
図28~
図30を参照して説明した様に原稿給送方向に延びるリブ(153b、153c、153d、153e、153f)を複数備え、複数のリブは、原稿給送方向と交差する方向である幅方向(X軸方向)において、原稿の中心を通る直線であって原稿給送方向に平行な直線CLに対して線対称となる様に配置されている。これによりセットガイド153が原稿に付与する摩擦力が幅方向において直線CLに対して左右均等となり、これにより原稿の斜行を抑制できる。
【0126】
また幅方向において直線CLは給送ローラー14の中心位置と分離ローラー15の中心位置とを通り、複数のリブのうち直線に近い二つのリブである長リブ153c、153dは、幅方向において分離ローラー15を挟んで位置するとともに、給送ローラー14の領域内に位置する。これにより接触位置T1に向かう原稿給送経路を適切に狭めることができ、接触位置T1に向かう原稿の枚数を適切に規制することができる。その結果、分離ローラー15による分離作用を適切に得ることができる。
【0127】
また本実施形態において給送ローラー14と対向配置される分離部は、回転可能な分離ローラー15で構成され、セットガイド153は、分離ローラー15の回転中心を中心とする円筒部98bと当接することで分離ローラー15と係わり合う構成である。そして
図34を参照して説明した様に原稿の厚さが所定厚以下の場合、セットガイド153と円筒部98bとの間には隙間dがあり、原稿の厚さが所定厚を超えると、セットガイド153が円筒部98bに当接して分離ローラー15を給送ローラー14から離れる方向に変位させる。これにより、分離ローラー15を確実に給送ローラー14から離間させることができる。
尚、本実施形態ではトルクリミッター98の外周を構成する円筒部98bをセットガイド153が押し下げる構成であるが、分離ローラー15の回転軸をセットガイド153が押し下げる構成であっても良い。いずれの場合も、セットガイド153が分離ローラー15を他の部材を介して間接的に押し下げる構成であるが、セットガイド153が分離ローラー15を直接押し下げる構成であっても良い。
【0128】
また上記実施形態に代えて、
図36に示す様に分離ローラー15を保持するローラーホルダー97に形成された当接部97cにセットガイドが当接することでセットガイドが分離ローラー15と係わり合う構成でも良い。
図36において符号153Aは他の実施形態に係るセットガイドであり、セットガイド153Aは原稿をガイドするガイド部153mに加え、当接部153nを備えている。
図36(A)は給送待機状態であって且つ原稿がセットされていない状態であり、この状態では当接部153nと当接部97cとの間に隙間dが形成されている。そしてガイド部153mが接触位置T1に向かう原稿給送経路R1を狭めている。
セットガイド153Aはセットされる原稿によって押し下げられる為、原稿の厚さが所定厚を超えると隙間dが無くなり、そして
図36(B)に示す様に当接部153nによって当接部97cが押し下げられ、ローラーホルダー97が揺動し、分離ローラー15が押し下げられる。これにより、分離ローラー15は給送ローラー14から離間する。
この様に当接部97cがローラーホルダー97に形成されていることから、当接部97cの位置は配置の自由度が高く、設計の自由度を向上させることができる。
【0129】
続いて押し付けレバー157の動きについて
図37を参照して説明する。尚、
図37ではセットフラップ155の図示は省略している。
図37において符号P1は給送される原稿、符号Pdは原稿P1の下側の原稿束、符号P2は原稿束Pdのうち最上位の媒体であって原稿P1に続いて給送される原稿である。
図37(A)は、原稿P1の給送途中の状態を示しており、この状態では給送ローラー14の正転(矢印Rg方向)によって給送ローラー14が原稿P1に対し原稿給送方向下流への送り力を付与し、またこれに伴って原稿束Pdも原稿給送方向下流に向かおうとする。この為、原稿束Pdが押し付けレバー157を第2ばね162(
図29参照)のばね力に抗して押し下げ、押し付けレバー157はセットガイド153から上方に突出しない状態となる。
【0130】
尚この状態では、押し付けレバー157は円筒部98bと接触せず、押し付けレバー157は分離ローラー15を押し下げない。これにより分離ローラー15が給送ローラー14から離れるタイミングが不適切となることを防止できる。
【0131】
次に、
図37(A)の状態から原稿P1の後端が給送ローラー14と分離ローラー15との接触位置T1を通過すると、分離ローラー15に回転負荷を付与していたトルクリミッター98のスプリングバックが生じ、分離ローラー15が逆転する(矢印Rj方向)。
本実施形態において給送ローラー14にはワンウェイクラッチが設けられていない為、分離ローラー15の逆転に伴って給送ローラー14も逆転する(矢印Rh方向)。
【0132】
ここで給送ローラー14が自由に逆転可能であると、給送ローラー14の逆転によって原稿P2を含む原稿束Pdが原稿給送方向上流に勢い良く戻され、これにより顕著な斜行や不送りが生じる虞がある。
しかしながら押し付けレバー157が設けられており、給送される原稿P1の後端が接触位置T1を抜けた後、押し付けレバー157の先端部157bによって原稿束Pdが給送ローラー14に向けて押し付けられる。これにより原稿束Pdが原稿給送方向上流に勢い良く戻される現象が抑制され、斜行や不送り等の給紙不良を抑制できる。
特に本実施形態では、原稿支持部11に支持された原稿のうち最上位のものから給送する構成である為、給送ローラー14の逆転によって原稿給送方向上流に戻されようとする最上位の原稿P2は斜行が生じ易く、また原稿給送方向上流に戻され易い。しかしながら上述した押し付けレバー157の作用により、原稿P2が原稿給送方向上流に勢い良く戻される現象が抑制され、斜行や不送り等の給紙不良を抑制できる。
【0133】
また本実施形態において押し付けレバー157は、回転軸となる軸部153hを中心に回転することにより先端部157bが給送ローラー14に対して進退し、軸部153hは先端部157bに対し原稿給送方向の上流に位置する。ここで、給送ローラー14の逆転によって原稿が原稿給送方向上流に戻されようとする際に、原稿と接触する押し付けレバー157が
図37の時計回り方向に回転し易いと、原稿が原稿給送方向の上流に戻され易くなる。しかしながら軸部153hは先端部157bに対し原稿給送方向の上流に位置するので、原稿と接触する押し付けレバー157が回転し難い構成となり、給送ローラー14の逆転によって原稿が上流に戻される現象を効果的に抑制できる。
【0134】
またセットガイド153には、押し付けレバー157の先端部157bが給送ローラー14に進出する方向の押し付けレバー157の回転限度を規制する規制部153kが設けられている。これにより押し付けレバー157の
図37における時計回り方向の回転がより確実に抑制され、給送ローラー14の逆転によって原稿が上流に戻される現象を効果的に抑制できる。
【0135】
また本実施形態では
図30を参照して説明した様に押し付けレバー157はX軸方向、即ち原稿給送方向と交差する方向である幅方向において、給送ローラー14の領域内に設けられる。これにより押し付けレバー157によって原稿を給送ローラー14に対し確実に押し付けることができ、給送ローラー14の逆転によって媒体が上流に戻される現象をより確実に抑制できる。
【0136】
また本実施形態において押し付けレバー157は、一つの給送ローラー14に対し、幅方向における両端部に設けられる。これにより給送ローラー14の逆転によって原稿が上流に戻されようとする際のスキューを抑制できる。
尚、
図38に示す様にX軸方向において給送ローラー14が複数設けられた場合、押し付けレバー157は、複数の給送ローラー14の全体に対し両端部に設けることが好適である。これにより原稿が上流に戻されようとする際のスキューを抑制できる。
また押し付けレバー157を複数設ける構成に代えて、例えばX軸方向における中央位置に一つ設けても良い。
【0137】
また本実施形態において複数の押し付けレバー157は、独立して給送ローラー14に対し進退可能である。ここで仮に複数の押し付けレバー157が一体に進退する構成であると、複数の押し付けレバー157のそれぞれによる原稿の押し付け状態に差異が生じ、原稿の斜行が生じる虞がある。例えば一方の押し付けレバー157が原稿に接し、他方の押し付けレバー157が原稿と接しないと、原稿の斜行が生じる。しかしながら本実施形態では、複数の押し付けレバー157は独立して給送ローラー14に対し進退可能であるので、複数の押し付けレバー157のそれぞれが原稿を適切に押し付け、上記の斜行を抑制できる。
【0138】
また本実施形態においては
図33を参照して説明した様に押し付けレバー157が給送ローラー14に当接する接触位置T3は、セットガイド153が給送ローラー14に当接する接触位置T2よりも上流にあるので、給送ローラー14の逆転によって原稿が上流に戻されようとする際、より長い期間、原稿を押し付けることができ、給送ローラー14の逆転によって原稿が上流に戻される現象をより確実に抑制できる。
【0139】
また第2ばね162が押し付けレバー157を押圧する押圧力は、第1ばね161がセットガイド153を押圧する押圧力より小さい為、原稿を給送する際に押し付けレバー157が原稿給送経路から退避し易くなり、押し付けレバー157が原稿の給送を阻害することを抑制できる。
【0140】
尚、原稿を給送ローラー14に向けて押し付け可能な押し付け部は、
図39に示す様に構成することもできる。
図39において支持部170に対しアーム部171が矢印Sd方向にスライド可能に設けられており、アーム部171の先端には従動ローラー172が設けられている。アーム部171は不図示のばねによって原稿に進出する方向に押圧されており、その押圧によって従動ローラー172が原稿に押し当たる。これにより、給送ローラー14が逆転(矢印Rh方向)する際に原稿束Pdが原稿給送方向上流に勢い良く戻される現象が抑制され、斜行や不送り等の給紙不良を抑制できる。また従動ローラー172により、給送される原稿に付与される給送負荷が抑制される。
【0141】
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0142】
また上述した実施形態は、スキャナーに代表される画像読取装置に適用した例を説明したが、プリンターに代表される記録装置に適用することもできる。即ち上記実施形態における原稿を被記録媒体とし、読取部を被記録媒体に記録を行う記録部とすることで、記録装置において上述した実施形態と同様な作用効果が得られる。記録装置の一例としてはインクジェットプリンターが挙げられ、記録部の一例としてはインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。
【符号の説明】
【0143】
1…スキャナー、2…装置本体、3…第1ユニット、4…第2ユニット、4a…上面、5…第3ユニット、6…本体支持部、6a、6a-1…立壁部、6b…歯部、6c…本体回転軸、6d…突起、6e…第1当接部、6f…第2当接部、6h…カム部、7…操作部、8a…ロック解除部、10…上部開閉部、11…原稿支持部、12A、12B…エッジガイド、12c、12d…引き出し部、13…給送口、14…給送ローラー、15…分離ローラー、16…第1搬送ローラー対、17…第1下ローラー、18…第1上ローラー、20…第2搬送ローラー対、21…第2下ローラー、22…第2上ローラー、24…第3搬送ローラー対、25…第3駆動ローラー、26…第3従動ローラー、28…第4搬送ローラー対、29…第4駆動ローラー、30…第4従動ローラー、32…第1読取部、32a…コンタクトガラス、33…第2読取部、33a…コンタクトガラス、35…フラップ、35a…フラップ回転軸、35b…被検出部、37…第1排出口、38…第2排出口、40…姿勢切り替えモーター、41…回転変換手段、42…ウォームギア、43…歯車、44…軸、45…歯車、46…第1複合歯車、47…第2複合歯車、50…搬送モーター、51…駆動プーリー、52…ベルト、53…従動プーリー、60…姿勢保持手段、61…突起、62…凹部、63…第1フレーム、63a…ボス、63b…被支持部、63g…軸受部、63h…ガイド溝、63j…規制部、63k…軸受部、63m…凹部、64…第2フレーム、64a…フレーム回転軸、65…第3フレーム、66…背面カバー、71…第1接続部(USB Type-A)、72…第2接続部(USB Type-C)、73…第3接続部(DCジャック)、79…回路基板、80…制御部、81…CPU、82…フラッシュROM、83…RAM、84…インタフェース、86…第1ソレノイド、87…第1姿勢検出センサー、88…第2姿勢検出センサー、89…第1回転検出部、89a…回転円板、89b…検出部、90…第2回転検出部、90a…回転円板、90b…検出部、91…重送検出部、92…載置検出部、93…第1原稿検出部、94…第2原稿検出部、97…ローラーホルダー、97a…軸部、97b…軸部、97c…当接部、98…トルクリミッター、98a…軸部、98b…円筒部、99…第1歯車、100…分離切り替え手段、101…第1機構部、102…第2機構部、103…リンク部材、103a…穴、104…圧縮コイルばね、105…ガイド部材、105a…ばね保持部、105b…軸部、106…連結軸、107…第2歯車、108…第3歯車、109…第4歯車、110…回転規制部材、110a…歯部、110b…ボス、112…回転カム、112a…第1カム部、112b…第2カム部、113…回転規制部材、113a…歯部、113b…長穴、113c…第1カムフォロワ、113d…第2カムフォロワ、115…第1回転部材、115a…歯部、116…第2回転部材、116a…歯部、116b…ボス、
150…原稿給送装置、151…ガイド部材、151a…軸受部、153、153A…セットガイド、153a…回転軸、153b、153c、153d、153e…長リブ、153f…短リブ、153h…軸部、153j…当接部、153k…規制部、153m…ガイド部、153n…当接部、153p…上面、155…セットフラップ、155a…基部、155b…軸部、155c…カムフォロワ部、157…押し付けレバー、157a…軸嵌合部、157b…先端部、161…第1ばね、162…第2ばね、163…セットフラップカム、164…ばね、165…軸、166…歯車、167…ワンウェイクラッチ、170…支持部、171…アーム部、172…従動ローラー、500…外部機器、
R1…原稿給送経路、R2…読み取り搬送路、R3…反転搬送路、R4…非反転搬送路