(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-22
(45)【発行日】2025-10-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20250924BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2025027724
(22)【出願日】2025-02-25
【審査請求日】2025-02-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】久保田 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】田中 里紗
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-117355(JP,A)
【文献】特開2022-006979(JP,A)
【文献】特開2015-052957(JP,A)
【文献】特許第7597977(JP,B1)
【文献】特開2024-131197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得する取得部と、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案する処理部と、備え、
前記処理部は、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案し、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案し、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済単価を含み、
前記指標に前記決済単価を適用して、前記項目であって制約条件である前記クーポンが利用可能な最低取引金額を提案する、
情報処理装置。
【請求項2】
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得する取得部と、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案する処理部と、備え、
前記処理部は、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案し、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案し、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済数と売上との一方または双方を含み、
前記指標に前記決済数と売上との一方または双方を適用して、前記項目である前記クーポンの予算と利用期間との一方または双方を提案する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記クーポンのコンテンツは、前記クーポンの対象の利用者と、前記クーポンの利用の制約条件と、前記クーポンの特典と、前記クーポンの予算と、前記クーポンの利用期間とのうち一以上の項目を含む、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記目的は、新規の利用者を増やすこと、利用回数を増やすこと、および平均決済単価を上げることを含む、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、クーポンの特典である付与率と、前記加盟店の決済履歴に含まれる統計的に処理された決済単価とに基づいて、集客の単価を推定し、推定した集客の単価を前記加盟店に提供する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、クーポンの予算上限額と、前記推定した集客の単価とに基づいて、前記クーポンを利用できる利用者数を推定し、推定した利用者数を前記加盟店に提供する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記クーポンのコンテンツである前記クーポンの特典または前記クーポンの予算が、それぞれに対応する予め設定された範囲外である場合に、前記範囲外であることおよび前記範囲外のデメリットを前記加盟店に提供する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得し、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案し、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案し、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案し、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済単価を含み、
前記指標に前記決済単価を適用して、前記項目であって制約条件である前記クーポンが利用可能な最低取引金額を提案する、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得させ、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案さ
せ、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案させ、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案させ、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済単価を含み、
前記指標に前記決済単価を適用して、前記項目であって制約条件である前記クーポンが利用可能な最低取引金額を提案させる、
プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得し、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案
し、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案し、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案し、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済数と売上との一方または双方を含み、
前記指標に前記決済数と売上との一方または双方を適用して、前記項目である前記クーポンの予算と利用期間との一方または双方を提案する、
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得させ、
前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、
前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案さ
せ、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の設定情報が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的に応じた設定情報を提案させ、
前記設定情報は、目的ごとに応じて設定された指標であり、
前記目的のそれぞれごとに前記コンテンツの項目の指標が対応付けられた対応情報を参照して、選択された前記目的の前記指標を前記加盟店の決済履歴に適用して、選択された前記目的に応じたコンテンツを提案させ、
前記加盟店の決済履歴は、前記加盟店の統計的に処理された決済数と売上との一方または双方を含み、
前記指標に前記決済数と売上との一方または双方を適用して、前記項目である前記クーポンの予算と利用期間との一方または双方を提案させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者にクーポンを提供する情報処理装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。この情報処理装置は、日時や曜日などの配信タイミングを受け付けて、受け付けた配信タイミングでクーポンを配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、クーポンを作成する加盟店の利便性は十分に考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、クーポンの作成について加盟店の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得する取得部と、前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案する処理部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、クーポンを作成する加盟店の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】インターフェース画面IF1の一例を示す図である。
【
図8】インターフェース画面IF2の一例を示す図である。
【
図9】インターフェース画面IF3を示す図である。
【
図10】インターフェース画面IF4を示す図である。
【
図11】インターフェース画面IF5を示す図である。
【
図12】テンプレート情報178の内容の一例を示す図である。
【
図13】加盟店履歴情報180の内容の一例を示す図である。
【
図14】決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】推定集客単価および最大利用者数について説明するための図である。
【
図16】アドバイスについて説明するための図である。
【
図17】提案のインターフェース画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現される電子決済システムの構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。電子決済サービスを実現する電子決済システムは、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、および決済サーバ100を備える。これらの装置は、例えばネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
電子決済システムに含まれる機能構成の一部または全部は、任意の形態で複数の装置に分散されてもよいし、任意の装置に統合されてもよい。例えば、決済サーバ100の機能構成の一部または全部は、他の装置に含まれていてもよい。
【0012】
[利用者端末装置]
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0013】
[第1店舗端末装置]
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像(コード情報)が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0014】
[第2店舗端末装置]
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0015】
[決済サーバ]
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0016】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0017】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイや第1店舗端末装置50の表示部などによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0018】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0019】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0020】
[決済サーバの機能構成]
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、クーポン生成部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、SOC(System On Chip)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は「取得部」の一例である。クーポン生成部150は「処理部」の一例である。
【0021】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、テンプレート情報178(詳細は後述)、加盟店履歴情報180(詳細は後述)などの情報が格納される。これらの情報の一部は、利用者端末装置10の記憶部に記憶されていてもよい。
【0022】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0023】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。上記のコンテンツは、決済アプリ20が生成してもよい。この場合、コンテンツ提供部120は、コンテンツの生成に必要な情報を決済アプリ20に提供する。
【0024】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0025】
[利用者情報]
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、クレジット払い設定、クレジット払い枠、クレジット払い利用額、クレジット払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0026】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。クレジット払い設定は、クレジット払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。クレジット払い枠は月ごとに利用可能なクレジット払いの限度額であり、クレジット払い利用額は、当月に既に利用されたクレジット払いの金額であり、クレジット払い利用可能額は、クレジット払い枠からクレジット払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能なクレジット払いの金額である。図ではクレジット払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方がクレジット払い枠に設定されてよい。クレジット払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、クレジット払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0027】
[加盟店/店舗情報]
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0028】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0029】
決済処理部130は、「設定情報」が「クレジット払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。クレジット払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による支払い手法であり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、クレジット払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なおクレジット払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。クレジット払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、クレジット払い利用額に決済金額を加算し、クレジット払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額がクレジット払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0030】
情報管理部140は、他のサーバ装置や端末装置により提供された情報を取得する。情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
クーポン生成部150は、加盟店向けインターフェース72と連携してクーポンの作成に関する各種処理を実行する。例えば、クーポン生成部150は、クーポンの作成の目的の一覧を加盟店向けインターフェース72の表示部に表示させ、加盟店が選択した目的に応じてクーポンのコンテンツを、加盟店向けインターフェース72を介して提案する。クーポンは、電子決済サービスにおいて利用できる電子的なクーポンである。
【0032】
[概要]
加盟店は、加盟店向けインターフェース72を操作してクーポンの作成を行うことができる。加盟店向けインターフェース72と、決済サーバ100と連携して加盟店向けインターフェース72に、インターフェース画面IF1を表示させる。
図7は、インターフェース画面IF1の一例を示す図である。インターフェース画面IF1は、加盟店がクーポンを作成する際にクーポンのコンテンツを設定するための画面である。クーポンのコンテンツは、例えば、クーポンの対象の利用者や、制約条件、特典、予算上限、利用期間などを含む。
【0033】
クーポンの対象の利用者は、例えば、はじめての利用者や、フォロワー(例えば所定の操作を行って加盟店をお気に入り登録などをしている利用者)、お店を利用したことがある利用者、所定の期間お店を利用していない利用者などである。
【0034】
制約条件は、例えば、クーポンが適用される制約条件である。制約条件は、例えば、最低決済金額や、加盟店における最低決済回数、利用者がクーポンの利用で得られる特典の合計、最高クーポン利用回数などである。
【0035】
特典は、例えば、決済に応じて付与される特典の内容である。例えば決済額に対して○○%のポイント付与や、100円ごとに2ポイント付与などの特典の還元内容である。
【0036】
予算上限は、例えば、クーポンに対する加盟店の予算の上限である。予算上限は、クーポンが利用されたことによって利用者に付与する特典の予算上限である。
【0037】
利用期間は、例えば、クーポンが利用可能な期間である。
【0038】
加盟店は、インターフェース画面IF1において各コンテンツを設定してクーポンを作成する。加盟店は、クーポンを作成する際に、各コンテンツをどのような内容に設定すべきかを悩むことがある。本実施形態では、加盟店が、各コンテンツを目的に応じて設定することを支援することで、クーポンを作成する加盟店の利便性を向上させることができる。
【0039】
決済サーバ100は、例えば、加盟店向けインターフェース72から電子決済サービスの加盟店の電子決済で利用可能な加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得する。決済サーバ100は、指示に基づいて、クーポンの作成の目的の一覧を加盟店向けインターフェース72の表示部に表示させる。決済サーバ100は、加盟店が選択した目的に応じてクーポンのコンテンツを提案する。
【0040】
クーポンのコンテンツは、クーポンの対象の利用者と、クーポンの利用の制約条件と、クーポンの特典と、クーポンの予算と、クーポンの利用期間とのうち一以上の項目を含む。
【0041】
目的は、新規の利用者を増やすこと、利用回数を増やすこと、および平均決済単価を上げることを含む。これに加え、他の目的が含まれてもよい。
【0042】
加盟店は、加盟店向けインターフェース72を操作することで、コンテンツを自身で設定することもできるし、インターフェース画面IF2を表示させて目的を選択して提案を受けることもできる。提案された内容を修正することもできる。
【0043】
図8は、インターフェース画面IF2の一例を示す図である。インターフェース画面IF2は、例えば、上述した目的を選択するための画面である。加盟店が、所望の目的を選択すると、目的に応じたコンテンツが設定されたインターフェース画面が、加盟店向けインターフェース72の表示部に表示させる。
【0044】
以下、各目的が選択された場合に表示されるインターフェース画面について説明する。
【0045】
[新規の利用者を増やすこと]
図9は、インターフェース画面IF3を示す図である。新規の利用者を増やすことが目的の場合、例えば、新規の利用者が利用しやすいようにクーポンのコンテンツが設定される。
【0046】
[利用回数を増やすこと]
図10は、インターフェース画面IF4を示す図である。利用回数を増やすことが目的の場合、例えば、利用回数が増えるようにクーポンのコンテンツが設定される。
【0047】
[平均決済単価を上げること]
図11は、インターフェース画面IF5を示す図である。平均単価を上げることが目的の場合、例えば、平均単価が上がるようにクーポンのコンテンツが設定される。
【0048】
決済サーバ100は、目的のそれぞれごとにコンテンツの項目の設定情報が対応付けられたテンプレート情報178(対応情報)を参照して、選択された目的に応じた設定情報(コンテンツ)を提案する。
図12は、テンプレート情報178の内容の一例を示す図である。テンプレート情報178は、例えば、目的と、目的に応じたコンテンツとが対応付けられた情報である。
【0049】
このテンプレート情報178は、所定の加盟店ごとに用意されていてもよいし、所定の加盟店で共通であってもよい。例えば、所定の加盟店で共通とは、例えば、業種やカテゴリ、売上、決済回数、これらの特徴が同じまたは類似する加盟店である。
【0050】
図12では、一例として、コンテンツの内容そのものでなく、1-3の数字を記載している。1-3の順で、内容が緩和されたコンテンツが対応付けられている。内容が緩和とは、より利用がしやすい、適用がされやすいことである。
【0051】
例えば、ある加盟店のテンプレート情報178において、クーポンの対象は、他の目的よりも新規の利用者を増やすほうが、条件が厳しい。新規の利用者を増やす場合は、クーポンの対象は新規の利用者に限定されるためである。例えば、決済サーバ100は、新規の利用者を増やす場合は、新規の利用者に限定することをおすすめすることを示すコメントをインターフェース画面IF3に表示させてもよい(コンテンツを設定した理由を表示させてもよい)。
【0052】
例えば、ある加盟店のテンプレート情報178において、制約条件は、他の目的よりも平均決済単価を上げるほうが、条件が厳しい。平均決済単価を上げる場合は、最低決済金額などの制約条件を厳しく設定する必要があるためである。
【0053】
予算上限、利用期間についても、目的に応じてコンテンツの緩和度合が設定され、緩和度合に応じたコンテンツが設定されている。上記のようにコンテンツの緩和度合は、目的に応じた内容である。
【0054】
例えば、注文回数を増やす目的の場合は、クーポンの対象は、過去に加盟店を利用したことがある利用者が対象として提案され、制御条件が緩い(例えば他の目的よりも緩い)。注文回数を増やす目的の場合、過去に加盟店を利用したことがある利用者に対して自動付与がされるように設定されてもよい。上記のように、目的によって自動付与がされることがある。通常、利用者は、決済アプリ20を操作して、クーポンを獲得する操作を行うことでクーポンを取得できるが、自動付与であれば、利用者が決済アプリ20を操作することなく、自動でクーポンが獲得された状態となる。例えば、決済サーバ100は、注文回数を増やす場合は、過去に加盟店を利用したことがある利用者に限定することをおすすめすることを示すコメントをインターフェース画面IF4に表示させてもよい。
【0055】
なお、
図12では、目的ごとに指標が対応付けられていてもよい。決済サーバ100は、目的のそれぞれごとにコンテンツの項目の指標情報が対応付けられたテンプレート情報178を参照して、選択された目的の指標を加盟店の決済履歴(加盟店履歴情報180)に適用して、選択された目的に応じたコンテンツを提案する。
【0056】
図13は、加盟店履歴情報180の内容の一例を示す図である。加盟店履歴情報180は、加盟店ごとの平均単価、決済数(例えば日ごと)、売上(例えば日ごと)、休日、顧客ごとの利用回数、過去に作成したクーポンのコンテンツなど加盟店に関する情報である。平均単価は加盟店の統計的に処理された決済単価の一例である。決済数は加盟店の統計的に処理された決済数の一例である。売上は加盟店の統計的に処理された売上の一例である。決済サーバ100は、指標と加盟店履歴情報の内容(例えば平均単価や決済数、売上、休日、顧客ごとの利用回数など)とに基づいて統計処理を行って目的に応じたコンテンツを導出する。
【0057】
決済サーバ100は、例えば、指標に決済単価を適用して、コンテンツである制約条件を提案する。例えば、決済サーバ100は、加盟店の決済単価に指標(例えば1や1.2など)を乗算して提案する制約条件を決定する。例えば、目的が平均決済単価を上げる場合、加盟店の決済単価に指標(1を超える額)を乗算してクーポンが適用される最低決済金額である制約条件を決定する。これにより目的が達成できるように最低決済金額が決定されて提案される(例えば最低決済金額の上げ下げが提案される)。決済サーバ100は、平均決済単価を上げる場合、加盟店の平均決済単価よりも単価を上げることをおすすめするコメントをインターフェース画面IF5に表示させてもよい。決済サーバ100は、平均決済単価を加盟店向けインターフェース72に提供してもよい。例えば、中古車販売店やドラッグストアなど加盟店の業界によって決済単価が異なるため、業界に応じた提案が可能である。
【0058】
上記のように最低決済金額を決定した場合、特典の還元率を、他の目的の還元率よりも高めてもよい。例えば、決済サーバ100は、最低決済金額を基準値よりも上昇させた場合、上昇度合いに基づいて還元率を上昇させてもよい。還元率は、予め設定された関数に基づいて導出される。
【0059】
決済サーバ100は、例えば、指標にデフォルトの還元率(例えば5%)を適用して、特典の内容を提案してもよい。例えば、決済サーバ100は、目的が新規の利用者を増やすである場合、加盟店が過去に作成したクーポンの還元率に指標を適用して過去の還元率よりも大きい還元率を提案してもよい。なお、還元率は、目的ごとに予め設定された値であってもよい。
【0060】
決済サーバ100は、指標に決済数と売上との一方または双方を適用して、コンテンツである予算と利用期間との一方または双方を提案する。例えば、決済サーバ100は、決済数と指標とに基づいて予算上限を提案したり、売上と指標とに基づいて予算上限を提案したりする。例えば、決済サーバ100は、決済数と指標とに基づいて利用期間を提案したり、売上と指標とに基づいて利用期間を提案したりする。指標は、目的ごとに予算上限や利用金額を導出するために最適化された値である。上記の指標とは、関数に適用されたパラメータであってもよい。指標を利用するとは、指標を含む関数や計算手法を利用することを含む。
【0061】
また、決済サーバ100は、指標と、平均単価と、決済数とに基づいて目的に応じた利用期間や予算上限などを導出してもよい。指標は、目的に応じた利用期間を導出するために用意された指標である。
【0062】
上記の提案を行う際に、加盟店履歴情報180に含まれる一または複数の項目と、指標(関数)とに基づいて、各コンテンツが求められ提案されてもよい。
【0063】
上記のように、決済サーバ100は、目的ごとに設定された指標を加盟店履歴情報180に適用することで目的に適したコンテンツを導出して提案することができる。
【0064】
[フローチャート]
図14は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、決済サーバ100は、加盟店向けインターフェース72からクーポン作成の目的の情報を取得する(S100)。次に、決済サーバ100は、テンプレート情報178と、加盟店履歴情報180とに基づいて、提案するコンテンツを生成する(S102)。次に、決済サーバ100は、生成したコンテンツを加盟店向けインターフェース72に提供する(S104)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0065】
上記のように、決済サーバ100は、加盟店が選択した目的に応じたクーポンのコンテンツを加盟店に提案することができる。これにより、クーポンの作成について加盟店の利便性を向上させることができる。
【0066】
上記のテンプレート情報178のコンテンツや指標は、更新されてもよい。例えば、決済サーバ100は、ある目的のテンプレート情報178を利用したクーポンを発行した前後の加盟店履歴情報180を比較する。加盟店が目的を達成していない場合は、テンプレート情報178を更新する。決済サーバ100は、例えば、新規の利用者を増やす目的の場合において新規の利用者が増えなかった場合、より制約条件を緩和する、予算上限を上昇させる、または利用期間を長くするようにテンプレート情報178を更新する。決済サーバ100は、例えば、決済回数を増やす目的の場合において決済回数が増えなかった場合、よりクーポンの対象の利用者を緩和する、より制約条件を緩和する、または利用期間を長くするようにテンプレート情報178を更新する。決済サーバ100は、例えば、平均決済単価を上げる目的の場合において平均決済単価が増えなかった場合、よりクーポンの対象の利用者を厳しくする(例えばフォロワーに限定や所定の回数利用した利用者に限定)、またはより制約条件を緩和する(例えば最低決済金額を上げる)ようにテンプレート情報178を更新する。
【0067】
[推定集客単価の提供]
図15は、推定集客単価および最大利用者数について説明するための図である。決済サーバ100は、加盟店履歴情報180と、コンテンツとに基づいて、推定集客単価を導出して提供してもよい。コンテンツは、目的に基づいて提案されたコンテンツであってもよい、利用者が直接入力したコンテンツであってもよい。決済サーバ100は、例えば、クーポンの特典である付与率と、加盟店履歴情報180に含まれる統計的に処理された決済単価とに基づいて、集客の単価を推定し、推定した集客の単価を加盟店に提供する。例えば、決済サーバ100は、平均単価にポイント付与率(特典)を乗算することで、推定集客単価を導出して加盟店向けインターフェース72に提供する。推定集客単価は、集客に必要とされる単価である。
【0068】
[最大利用者数の提供]
決済サーバ100は、加盟店履歴情報180と、コンテンツとに基づいて、最大利用者数を導出して提供してもよい。決済サーバ100は、クーポンの予算上限額と、推定した集客の単価とに基づいて、クーポンを利用できる利用者数を推定し、推定した利用者数を加盟店に提供する。例えば、決済サーバ100は、予算上限額を推定集客単価で除算して最大利用者数を導出して加盟店向けインターフェース72に提供する。最大利用者数は、クーポンの利用できる最大の利用者数である。
【0069】
加盟店は、上記のように推定集客単価または最大利用者数を参照して、作成しようとしているクーポンの効果を確認したり、各コンテンツの内容を修正したりすることができるため、加盟店の利便性が向上する。
【0070】
[入力されたコンテンツに対するアドバイス]
決済サーバ100は、クーポンのコンテンツであるクーポンの特典またはクーポンの予算が、それぞれに対応する予め設定された範囲外である場合に、範囲外であることおよび範囲外のデメリットを加盟店向けインターフェース72に提供する。例えば、加盟店がコンテンツを入力して設定した場合、決済サーバ100は、入力されたコンテンツの値が設定された閾値の範囲内であるか否かを判定し、範囲外である場合は、加盟店にアドバイスを行う。
【0071】
上記の閾値の範囲は、加盟店に関係なく設定されたものであってもよいし、加盟店ごとに設定されたものであってもよい。例えば、加盟店の加盟店履歴情報180に基づいて算出されたものであってもよいし、加盟店のカテゴリごとに設定されたものであってもよい。例えば、決済サーバ100が、加盟店が過去に発行したクーポンのコンテンツと、クーポンの利用実績を含む加盟店履歴情報180と、所定の基準とに基づいて、算出した値である。
【0072】
図16は、アドバイスについて説明するための図である。以下の設定された範囲は、過去の加盟店、加盟店のカテゴリ、または電子決済サービスの全体におけるクーポンの作成と利用の履歴を参照してクーポンが効果的に活用される範囲として導出されたものである。
【0073】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの特典が予め設定された範囲よりも下回る場合、インターフェース画面IF11のようにポイントの付与率が低いと、集客単価は低くなるが、集客力が低くなることをアドバイスする。
【0074】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの特典が予め設定された範囲よりも上回る場合、インターフェース画面IF12のようにポイントの付与率が高いと、集客単価は向上するが、集客単価が高くなり費用対効果が低くなることをアドバイスする。
【0075】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの付与ポイント数が予め設定された範囲よりも下回る場合、インターフェース画面IF13のように付与ポイント数が低いと、集客単価は低くなるが、集客力が低くなることをアドバイスする。付与ポイント数は、例えばクーポンにおいて利用者が得らえる最大のポイントである。
【0076】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの付与ポイント数が予め設定された範囲よりも上回る場合、インターフェース画面IF14のように付与ポイント数が高いと、集客単価は向上するが、集客単価が高くなり費用対効果が低くなることをアドバイスする。
【0077】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの予算が予め設定された範囲よりも下回る場合、インターフェース画面IF15のように予算が低すぎると利用者数が少なくなる可能性があることをアドバイスする。
【0078】
例えば、決済サーバ100は、クーポンの予算が予め設定された範囲よりも上回る場合、インターフェース画面IF16のように予算が多い場合、利用期間を長めに設定することをおすすめすることをアドバイスする。
【0079】
上記のように、決済サーバ100は、クーポンのコンテンツが設定された範囲を上回るか、下回るかに応じて適切なアドバイスを加盟店に行うことができる。これにより加盟店は、クーポンのコンテンツを適切に設定することができる。
【0080】
[目的に応じた予算の設定に対するアドバイス]
決済サーバ100は、目的に応じたクーポンの予算を加盟店に提案してもよい。
図17は、提案のインターフェース画面を示す図である。新規のお客様(利用者)を増やしたい場合、例えば、加盟店が、増やしたいお客様の人数、達成したい期間、加盟店履歴情報180の一部または全部(例えば売上や、決済単価、決済回数)を、目的に応じたモデルに入力すると、モデルが入力された入力情報に応じた予算を出力する。モデルは、入力情報が入力されると、入力情報に応じた所望の予算(目的に応じて予算)が出力されるように学習されたモデルである。モデルは、例えば、目的ごとの入力情報と予算とが対応付けられた情報が学習されたものである。
【0081】
このように、決済サーバ100は、適切な予算を利用者に提案することができる。
【0082】
以上説明した実施形態によれば、決済サーバ100は、加盟店から利用者に提供するクーポンを作成する指示に基づいて、クーポンの作成の目的の一覧を加盟店端末装置の表示部に表示させ、加盟店が選択した目的に応じてクーポンのコンテンツを提案することにより、クーポンの作成について加盟店の利便性を向上させることができる。
【0083】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 クーポン生成部
178 テンプレート情報
180 加盟店履歴情報
【要約】
【課題】クーポンの作成について加盟店の利便性を向上させること。
【解決手段】加盟店の加盟店端末装置から電子決済サービスの前記加盟店の電子決済で利用可能な前記加盟店が利用者に提供するクーポンを作成する指示を取得する取得部と、前記指示に基づいて、前記クーポンの作成の目的の一覧を前記加盟店端末装置の表示部に表示させ、前記加盟店が選択した前記目的に応じてクーポンのコンテンツを提案する処理部と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図1